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文書提出命令制度研究会(第8回)議事要旨

平成9年9月16日
担当:法務省民事局

1 日  時  平成9年9月16日(火)13:30~17:00
2 場  所  法務省第1会議室
3 出 席 者  座 長  竹下
        研究員  秋山,阿部,伊藤,宇賀,菅野,熊谷,古閑,坂本,長野,長谷部,花村,平山,深山,山下,山本
4 議  題  文書提出命令制度についての論点の整理及び分析
5 会議経過
   事務当局作成の別紙「文書提出命令制度論点メモ」(以下「論点メモ」という。)に基づき,自由討議による論点の整理及び分析を行った。その概要は,次のとおりである。
  ○ 論点メモのまとめ方及び「はじめに」(論点メモ第1)
   ・  第1の2(5)の論点を出す関係で,第1の1に参議院法務委員会の附帯決議三を挙げておいた方がよい。
   ・  研究会での議論を情報公開に関心を持っている国民にわかりやすく伝えるために,まとめ方に工夫が必要である。研究会の活動状況や各論点について研究会メンバーの意見の分布状況等を加えてはどうか。
   ・  研究会によっては,研究会メンバーの意見の分布状況を最終報告に盛り込むことがあるが,文書提出命令制度研究会は,文書提出命令制度小委員会で改正要綱案を作るための準備作業を目的としているので,研究会での議論を一般の国民にもわかりやすく示すというよりは,小委員会における議論のために資料収集をすることが中心になる。
   ・  研究会の活動状況等を論点メモに加えることに支障はないが,この研究会の目的は,小委員会で行う実質審議のための基礎資料の収集と議論の整理にあるので,小委員会メンバーも承知している研究会の活動状況については触れるまでもなく,原案では省略している。ただ,これも論点メモに加えるべきであるとの意見が大勢を占めれば,付加してもよい。また,研究会の議事要旨は公表しているので,情報公開に関心を持つ国民にもわかりやすく知らせるという機能は,議事要旨の公表に期待したい。
   ・  前書きを付けて,最初に,論点メモの性格や研究会の活動状況を付け加えることにする
   ・  研究会の内部では,報告等に対する質疑応答は行ったが,お互いの意見を主張し合って議論をするという前提で活動してきたわけではないので,研究会メンバーの意見の傾向をまとめて論点メモに載せるのは無理ではないか。
   ・  ヒアリングの対象者の意見については,その分布状況をまとめておいた方がよいのではないか。
   ・  新しい論点の指摘や研究会メンバーの意見は,本日の研究会の席上で述べて補充することにしてはどうか。
   ・  本日の研究会においては,この場で述べられた新しい論点やメンバーの主要な意見は,各研究員の個別の意見として,この論点メモに付加し,これを小委員会に提出することとしたい。
   ・  国民一般は無理だとしても,情報公開に関心を持つ者との関係では,研究会における全体としての傾向がわかるようなイントロダクションを付けるようお願いしたい。いろいろな研究会における論点整理には2種類あって,論点を整理して特にコメントがあれば載せるという形と研究会メンバーの意見を主にする形とがあるように思うが,意見の分布状況を示すのは無理か。
   ・  それは,難しいと思う。小委員会のメンバーでもある研究員は小委員会で意見を述べる機会が残っているが,研究会だけのメンバーは,今回の研究会が最後の機会となるので研究員自身の意見を述べておいてもらいたい。
  ○ 「公務秘密文書の秘密の要件」(論点メモ第2冒頭)
   ・  「公務秘密文書」という表現はわかりにくいのではないか。ここでいう「公務秘密」は,文書提出義務の除外事由としての公務上の秘密ということであることは理解できるが,論点メモでは説明を付加しておく必要があるのではないか。この表現では,秘密に当たるから文書提出義務の除外事由になると誤って受け取られることにならないか。
   ・  「公務秘密文書」「公文書」「行政文書」という3種類の表現があるが,論議の中心は,公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し,又は所持する文書について,文書提出義務がある場合とない場合との区別であるから,そのことがわかるように表現すべきではないか。
   ・  附帯決議では,「公務員の職務上の秘密に関する文書」という表現が使われており,新しい民事訴訟法(以下「新法」という。)第220条4号のかっこ書きの文書について略称を定めて,表題をつける方が正確であるということになろう。
   ・  第2の本文中で,公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し,又は所持する文書を公文書と定義して使っているので,表題も公文書についての文書提出義務の要件とし,附帯決議の公務秘密文書という表現を使わない方がよい。
   ・  ここでは,概念を決めつける必要はなく,提出除外事由としての秘密が,公務員法上の秘密と同じかどうかは,議論の際にまず問題となる点である。
   ・  第2の表題は,公文書に関する文書提出義務の要件とすることにしてはどうか。
  ○ 「一般義務化」(論点メモ第2の1)
   ・  第2の1で,「公文書についても」の次に,「秘密の要件を最小限に限定するため」と入れてはどうか。
   ・  表題に続く文章は,表題で挙げた論点を文章体で説明し直しているものであり,論点そのものである。論点メモに挙げた意見は一般義務化を主張するものがほとんどであるが,少なくとも現行法は一般義務とはなっていないため,論点として取り上げてある。次の除外事由の前提問題として挙がっている。
   ・  多くの意見が文書提出義務の範囲を広げようとすることで一致しており,一般義務化という表現もわかりやすいのでそのまま残してほしい。
   ・  一般義務化は,限定義務だったものを拡張しようとする趣旨が現れており,改正の方向性が表現されており,これでよいのではないか。
  ○ 「提出除外(拒絶)事由」(論点メモ第2の2)
   ・  自己使用文書は文書の内容とは関係のない概念であり,情報公開法要綱案では審議検討情報(要綱案第6(5))が不開示情報に含まれていることとどう調整するかという問題がある。意見として述べれば,情報公開法で不開示情報とされるものは,文書提出義務がないとされることもやむを得ないが,情報公開法で開示される文書は自己使用文書に当たっても文書提出義務があるとする方向が考えられる。公文書についてだけ,自己使用文書の概念そのものを認めないことができれば,理論的にもすっきりすると考えられるが,それは難しいと思われるので,公文書についても自己使用文書であることを理由とする提出除外を認めるものとする場合であっても,当該文書に不開示情報以外の情報が書かれているときには提出除外とならないものとし,不開示情報が書かれているときには提出除外となりうるものとするという形にすることが考えられるのではないか。もっとも,同じ自己使用文書でありながら提出除外となるものとそうでないものがあることを理論上どう説明するかの問題は残る。新法220条2号の引渡請求権で解決すれば,同様の結論になろう。
   ・  提出除外(拒絶)事由はどのようなものであるべきかという論点を加えておいてはどうか。論点として挙げられた項目よりも,もっとブレイクダウンした論点の説明を概説しておいた方がよい。
   ・  それは,どの研究員がどのような提出除外(拒絶)事由を挙げているかを論点メモに書くべきであるという趣旨か。
   ・  第2の1について全体の傾向を書くべきだとしたことを第2の2にもあてはめると,提出除外(拒絶)事由にどのようなものがあり,全体の傾向としてどのように提出除外(拒絶)事由を定めるべきかということをまとめれば,論点についての説明は必要ないことになる。例えば,第2の1では,諸外国の立法例としては一般義務化しているものが大勢を占めることを記載するとともに,研究会での議論の傾向はどうであったかをまとめるものとし,第2の2では,「公共の重大な利益」を中心に提出除外事由を考える者がどの程度いたか等という傾向を各意見の前に記載するなど,研究員の意見の分布状況ではなく,研究会の成果として得られた見解・知見の傾向等をすべての論点の冒頭に付記すべきということである。
   ・  第2の1では,大勢は一般義務化の方向であると書くまでもなく,各意見を見れば,傾向はわかる。他方,第2の2では,公共の利益に重大な支障を及ぼすとか,国家の利益又は公共の福祉に重大な不利益を及ぼすなどの除外事由を定めるべきであるという見解から,提出除外事由に秘密という概念を使うことさえ再考を求める見解まであり,これらの傾向を要約し,計数的に示すことにそれほど意味があるとは思われない。全体が一致した方向であればともかく,一致した方向というものはないのであるから,むしろ,意見をそのまま示す方が,意見の分布状況が客観的に示されることになる。また,まとめ方自体にいろいろな意見があり得るから,食違いがあるところを無理に総括するのは適当でなく,各意見のニュアンスの違いをそのまま残す方がよい。意見の概要を示すと,それと微妙に異なる意見を無視することになるし,あまりに議論の枠を狭めてしまうことになる。簡単に総括するのは困難であり,総括すると誤解を招くおそれがある。全員一致,複数又は多数の意見がこの研究会の席上で述べられれば,この論点メモに付け加えて,小委員会での実質審議に役立てたいが,注意深くみると相互に異なる意見が多いので,まとめると弊害があると思われる。
   ・  まとめると弊害があるところはまとめない方がよいが,まとめ方によっては,研究会での傾向を表現できるのではないか。
   ・  研究会又は研究員の意見ではなく,研究会でヒアリングをした対象者等の意見の傾向を客観的にまとめて論点メモに示すという趣旨か。
   ・  全体の判断を惑わさない範囲で,全体の傾向を要約してはどうか。
   ・  イギリスの例を見ても,除外事由を定める上で,公共の利益という概念を使うことは避けられないと考えられており,問題はその内容であるとされている。除外事由の定め方そのものよりも,その内容を検討する段階では,意見の違いが大きいことになるのではないか。
   ・  まとめ方については,この研究会の位置づけをどうするかに関係する。この研究会は,基本的には,意見をとりまとめて積極的に提言を行うというよりは,むしろ,小委員会での議論のための基礎資料を集めることに主眼があったと思われる。そうだとすると,簡単にまとめられるところはともかく,中途半端にまとめるよりも,もれなく必要なポイントを提示することに注力してもよいと思われる。
   ・  研究会での成果をまとめられるところはまとめた方が読み手に分かりやすいと思われるが,問題はまとめ方である。提出除外(拒絶)事由については,公共の重大な利益が害されるとか公益が損なわれるというのが一般的な概念としてあって,その中に共通して含まれるものとして,国家機密や国防関係の情報,安寧秩序に関する情報があり,更にその外側にどのようなものまで広がるかについて意見が分かれているということになろう。
   ・  情報公開に関心を持つ国民に分かりやすくするという見地からは,研究会での成果をまとめることが適当かもしれないが,小委員会で実質審議をするためには,研究会で手を加えないで,基礎資料そのままを出した方が正確だと思われるがどうか。
   ・  たとえば,提出除外(拒絶)事由について,研究会の考えがまとまるのならば,改正の内容がまとまってしまう。まとめ方が非常に難しいし,このままでやむを得ないのではないか。
   ・  公共の福祉という概念で提出除外事由を定めようとすることは同じだが,その内容にはいろいろな意見があるという程度のまとめ方ならば,論点メモに記載しなくても同じではないか。
   ・  この論点メモで示された論点よりもブレイクダウンした論点があるのではないかという見地から,その細かい論点を要約して記載する代わりに,まとめではないが,全体の傾向が出るような記載をすることが望ましいというのが意見の趣旨である。
   ・  研究会では,傾向等を論点メモに記載することは難しいという意見が多数のようだ。なお,この研究会で研究員が意見として述べたものは,論点メモに記載するので,その種の意見は遠慮なく述べていただきたい。
  ○ 「その他」(第2の3)
   ・  文書の存在自体は申立人が疎明しなければならないから,文書提出命令ではグローマー拒否は問題にならないのではないかと考えられるが,どうか。
   ・  文書の存在を申立人が疎明するに当たり,行政庁が文書の存否を明らかにできないことがあるのではないか。
   ・  行政庁が文書の存否を回答しなくても,結局,文書の存在を疎明できなければ,文書提出命令は出ないことになるのではないか。
   ・  文書提出命令の申立てがあったときに,裁判所が文書の存否を含めて要件を審理する際に,行政庁は,理由を明らかにして提出を拒絶すると述べることもあれば,第三者のプライバシーに関することがらが書かれているので,存否を明らかにせずに提出を拒絶することもあると考えられる。
   ・  文書特定のための手続(新法221条)において,所持者としての行政庁が文書の表示と趣旨を明らかにするよう求められた場合に,グローマー拒否をすべき事情があるときは,行政庁が当該文書は存在しないと回答するか,存在するともしないとも言わずに提出を拒否するかという問題はある。また,文書の存在自体は申立人が疎明すべきであるとしても,文書提出命令の要件を審理する過程で,裁判所が行政庁に文書の存否を釈明することはあり,これに対して行政庁が答えられないと述べた場合には,グローマー拒否が問題になりうる。しかし,結論から言えば,文書提出命令に関しては,グローマー拒否に関する規定を設ける必要はないと考える。この問題は,行政文書だけでなく,私文書についても等しく問題になるからである。文書特定のための手続には強制力がないから,文書の存否について回答しないことが解釈上認められることになるだろう。文書特定のための手続については,文書提出命令の申立てに理由がないことが明らかな場合を除き,文書の表示と趣旨について回答を求めることになり,回答がされた場合には,特定の義務を免れることになる。したがって,論点としてはあげておいても,文書提出命令に関して規定を設ける必要はないと考える。
   ・  グローマー拒否が問題になるとすれば,申立人がある個人の文書を特定しその文書の提出命令を求めたが,文書の存否自体を明らかにすることがプライバシーの侵害や国家の安寧秩序を害することになるため,行政庁がその存否を明らかにせずに提出できないとして争った場合に,文書の存否自体を明らかにすることがプライバシーの侵害や国家の安寧秩序を害することを理由に,裁判所が文書提出命令の申立てを却下することができるかという問題になるのではないか。
   ・  そのような場合には,結局,文書の存在が疎明できないとして,文書提出命令申立てを却下することになるのではないか。
   ・  文書を特定できない場合におけるグローマー拒否と文書を特定できた場合におけるグローマー拒否と二つの場面で問題になるのではないか。特定できない場合には,もともと特定できないのだから存否を明らかにせずに拒否してもよいように思われるが,申立人が特定できた場合には,存否を明らかにするかどうかは深刻な問題になるのではないか。
   ・  文書を特定できた場合,裁判所は文書があるかないかを判定しないで,およそそのような性格の文書だから,存在したとしても提出義務がないとして,文書提出命令の申立てを却下することになると考える。
   ・  そう判断することはありうるだろう。
   ・  文書の内容を判断して裁判所が却下するのだとすると,グローマー拒否とは発想が異なるのではないか。民事訴訟でも問題は生じうると思われるので,いずれにせよ論点としては取り上げるべきである。
   ・  通常の提出除外(拒絶)事由は,文書の提出(開示)によって一定の利益が害されることを理由とするが,場合によっては,文書の存否を明らかにするだけで利益が害されることを理由とする提出除外(拒絶)事由もあるかという問題だろう。ただ,その点については規定を設けなくても実務は対応できると思われる。行政庁は,「あるかないか言えない,あるとしても提出除外(拒絶)事由がある。」と仮定的主張をして,裁判所が文書の存否が不明と判断すれば,それを理由として却下するし,存在が疎明されたとしても提出除外(拒絶)事由に当たると判断すれば,それを理由として却下することになる。
   ・  行政庁の行為規範として,文書が存在するかしないか言えないということは許されるか。
   ・  存否を明らかにすること自体が行為規範(例えば,守秘義務)に反する場合があるのではないか。
  ○ 「提出義務の存否の判断権の在り方」(論点メモ第3)
   ・  第3の2の冒頭の文章における「有益であるから」という文言は,誘導的であるから改めた方がよい。
   ・  第3の2の冒頭の文章に必ずしも反対ではないが,(ア)と(イ)に区分するか,区分するとしたらどうするかという2段階に分けるべきである。
   ・  第3の3の判断方式における「第一次的判断権」という表現は,承認制度を念頭においているのか,意見照会も含むかについてわかりにくい。承認制度及び内閣声明は,第3の1の最終的判断権の問題ではないか。第3の論点は,1と2に解消されるのではないか。
   ・  行政庁の第一次的判断権を認めて,その合理性を審査するという立法例もあるが,第3の1と2に解消できるのではないか。
   ・  それは,第3の2の問題ではないか。
   ・  第3の3は,第3の1と2に吸収されると思われ,これを独立の項目として設ける必要はないのではないか。
   ・  イギリスについて,最終的判断権者は裁判所であるというのが,判例変更後の結論である。
   ・  情報公開法要綱案では,国防情報等について「・・・と認めるに足りる相当の理由がある情報」という形で書き分けており,これは,行政庁の第1次判断権を尊重し,裁判所は初審的には判断しない趣旨であると聞いている。そうすると,第3の3では,最終的判断権の所在は裁判所であるとしても,審査できる範囲は,行政庁が合理的判断権を行使したかどうかに止まるとの考え方と裁判所が要件の存否を判断できるとの考え方が現れているのではないか。
   ・  要綱案を前提にすると,論点メモのような分類が適当ではないか。
   ・  判断権の在り方には,判断権者が誰かだけでなく,判断権の行使の在り方も含まれるということになるのではないか。
   ・  そう理解することになる。第3の2の表題を変えた方がよいかもしれない。
   ・  第3の2は,秘密の種類と判断権者というよりも,裁判所が判断する場合の判断の在り方という方がよい。
   ・  第3の2を「秘密の種類と判断の在り方」とし,第3の3は,1と2に仕分け直すのが妥当だろう。
   ・  第3の2の[アメリカ]の「審理方式に違いがあるが」との部分は,文書自体を閲読するインカメラ手続ができるかどうかの違いであることを具体的に書いた方が誤解を招かないと思われる。
   ・  第3の1の「最終的判断権者はだれか。」の部分を「判断権者を裁判所とするか。」としてはどうか。最終的判断権者として考えられる者のうち,裁判所か裁判所以外かを問うのが妥当ではないか。
   ・  実質的に変わりはないが,この問題の経緯からすれば,現在の方が妥当ではないか。
   ・  最終的判断権者は裁判所であるという立場からすれば,判断権者を裁判所とするかという形よりも,最終的判断権者はだれかという形で聞いて,裁判所を最終的判断権者とすることに異論がないとする方がよい。
   ・  第3の3を1と2の中に分けて整理すれば,1の問いは現在のままでよい。
   ・  第3の1(論点メモ5頁)の[ドイツ]の法制については,第3の3(論点メモ7頁)の方が正確であると思われ,5頁のように言い切れるかどうかに問題があるように思う。報告をした春日教授に確認しておきたい。
   ・  第3の2における秘密の種類によって分けるという考え方は,情報公開法の審議過程において,情報公開訴訟ではインカメラ審理ができないことが大きな論点になったことを前提にしているが,文書提出命令の審理ではインカメラ審理ができる点が異なる。また,文書提出命令では,文書を証拠とする必要性を裁判所が利益衡量して判断するから,誰が請求しても開示するという情報公開とは異なり,秘密の種類によって区別する必要はないのではないかと考える。
   ・  秘密の種類によって分けるという考え方を論点として取り上げ,意見として秘密の種類によって分ける必要はないとの考え方を取り上げればよい。
   ・  [フランス]の法制についても該当部分があるので取り上げておいてほしい。
  ○ 「提出義務の審理方式」(論点メモ第4)
   ・  情報公開訴訟の中で文書提出命令が申し立てられること(論点メモ第4の1(3))は,日弁連案では想定していないし,その場合にインカメラ手続を利用することを是認していない。日弁連案では,情報公開法によって開示される文書は新法220条2号文書として文書提出命令の対象になり,情報公開法上の不開示事由があっても新法220条4号文書に該当すれば,文書提出命令の対象になるという考え方で検討されたもので,同条4号文書にのみインカメラ手続が利用できるが,情報公開訴訟の文書提出命令の審理においてインカメラ手続を利用するという意味ではない。論点メモ第4の1(3)に日弁連案を入れることは適当でないし,この論点自体を挙げる必要はないのではないか。
   ・  日弁連案を念頭に置いて,論点メモに第4の1(3)が加えられていると思われ,確かに日弁連案5頁に誤解を招きかねない記載があるが,これは,製造物責任訴訟で政府情報が必要なときに,訴訟手続外で情報公開制度によって文書を入手するのではなくて,訴訟手続内で文書提出命令を申し立てて当該文書の提出を受ける方が便利だという趣旨である。情報公開訴訟で開示・不開示が争われている文書自体の文書提出命令を申し立ててインカメラ審理を行うことはありえないことである。文書提出命令を申し立てて証拠になってしまえば,それで訴訟の目的を達成してしまい,事柄の性質上あり得ないことである。論点メモ第4の1(3)の論点を挙げる必要はないのではないか。
   ・  情報公開訴訟で開示・不開示が争われている文書自体の文書提出命令を申し立ててインカメラ審理を行うことはあり得ないとの理解が一般的に了解されているのであれば論点として挙げる必要はないことになるが,一応問題になるのではないか。
   ・  要綱案では,情報公開訴訟で文書をインカメラ審理で閲読すると,それで訴訟の目的を達成してしまうことになるから,インカメラ審理を認めるのは相当でないという理由により,その採用をしていないものではない。情報公開法の審議で問題になったのは,開示するかどうかが問題になっている情報を判断者が非公開審理で見て判断し,当事者に参加の機会を与えないことが問題であるということである。
   ・  公開原則との関係は,インカメラ審理のできる私文書においても同じ問題があるはずであり,付随的手続である文書提出命令の要件審理では,例外的にインカメラ審理ができると考えているのではないか。付随的手続では公開の要請が働かないことを強調すると,情報公開訴訟で争われている文書それ自体の文書提出命令を申し立てて,インカメラ審理によって文書が閲読され,文書提出命令の可否の判断によって訴訟の勝敗が実質的に決まることが考えられるのではないか。
   ・  文書提出命令が認められる可能性がなければインカメラ審理もできない,すなわち,文書提出命令が認められ得るとの前提があるからこそ,インカメラ審理ができると考えられる。情報公開訴訟において,開示・不開示が争われている文書それ自体について文書提出命令が認められることはあり得ないのではないか。
   ・  事柄の性質上,全くないとまでいえるかどうかが問題であろう。
   ・  日弁連案との関係では,どの点との関係が問題となるのか。
   ・  220条4号文書として申し立てれば,インカメラ審理ができることは,日弁連案でも前提にしているが,情報公開訴訟において,公開が争われている文書の文書提出命令の申立てがあった場合という論点に日弁連案が入っているのが問題である。
   ・  日弁連案では,情報公開訴訟において争われている文書の文書提出命令の申立てをすることは考えていない。
   ・  また,日弁連としては,情報公開訴訟の本案そのものについてもインカメラ審理を入れることは公開原則との関係で認められないと考えている。
   ・  この論点を取り上げているのは,国会の小委員会においてこれに類する質問があったこととアメリカでは補助裁判官を使う方法を用意していることによる。およそ問題として考えられないということならば,論点として掲げる必要はないが,この点はどうであろうか。
   ・  アメリカの例は情報公開訴訟に限った問題か。
   ・  そうではなく,一般論として取り上げている。
   ・  フランスもそうか。
   ・  フランスは,アメリカとは逆の考え方であり,情報公開訴訟においてのみインカメラ審理ができる。
   ・  それは,文書提出命令の要件審理の場面ではなく,インカメラ審理としての証拠調べの場面ではないか。
   ・  そうではなく,文書提出命令の要件審理の場面で問題になる。
   ・  文書提出命令の改正との関係では,論点メモ第4の1(3)の論点は必要がないように思われるが,理論的にはありうるといえよう。
   ・  論点メモ第4の1(3)の論点を第5に移してはどうか。
   ・  アメリカの情報公開訴訟でディスカバリが問題になることはあるが,それは,情報公開訴訟において争われている文書自体のディスカバリの申立てがあった場合ではなく,行政庁が文書を発見するために十分な検索を行ったかどうかという要件を審理する場合である。
   ・  論点としては残すということでよいか。論点メモ第4の1の(1)と(2)は一つにまとめてはどうか。
   ・  論点メモ第4の1の(1)と(2)は一つにまとめて,「公文書についてもインカメラ審理を認めるか。」としてはどうか。
   ・  アメリカの情報公開訴訟(FOIA訴訟)の場合は,国家機密についても文書自体のインカメラ審理ができるが,これは,1974年改正によって明文化されたものである。
   ・  論点メモ第4の1の(1)と(2)は一つにまとめて,秘密の種類によってはインカメラ審理を認めるという場合も含める方がよいだろう。
   ・  論点メモ第4の1(2)のフランスに関する記載は,判断権者の問題であるから,第3に入れるべきである。
  ○ 「インカメラ以外の審理方式(ヴォーン・インデックス)」(論点メモ第4の2)
   ・  「インカメラ審理」と「インカメラ手続」という二つの用語が使われているが,統一できないか。
   ・  附帯決議では,「インカメラ手続」という語を使っている。
   ・  従来の法制審議会での用語に合わせればよいのではないか。
   ・  インカメラ以外の審理方式は,ヴォーン・インデックス以外には考えられないのか。
   ・  理論上は,他の裁判官に審理させるなどの方法もあり得る。
   ・  グローマー拒否の場合には説明が付いていたが,ヴォーン・インデックスについても説明を付ける必要はないか。
   ・  説明を付けることにする。
  ○ 「第三者の保護」(論点メモ第4の3)
   ・  情報を提供した第三者が知らない間に文書が提出されることがないように手続的な保障をしてもらいたい。論点メモの意見の中でも指摘されている。
   ・  第三者保護のために,文書提出命令を発する要件のハードルを上げると,全体の趣旨が阻害されるおそれがある。
   ・  文書提出の除外事由は,所持者の守秘義務を保護することを一つの目的としているが,それ以外の第三者の利益を直接保護するものではない。情報公開法では,開示された後の情報の管理ができないのに対し,文書提出命令では,裁判における真実発見の要請があること,裁判という限られた場で使用されるに過ぎないこと,提出された文書に対する秘密保護手続等によって,提出された文書が裁判所の管理下で限られた範囲で利用されることにおいて違いがあるので,両者の違いは説明できる。
   ・  文書の一部提出(新法223条1項後段)も第三者保護の一つの手段である。
   ・  その場合でも,第三者のプライバシー等が提出除外事由に該当する必要があるのではないか。それは,職務上の秘密ということになるのか。
   ・  まず,関連性の問題があるだろう。
   ・  アメリカの場合,プロテクティブオーダーを出して,提出された文書を第三者に開示しないように命ずることができる。これに対応する制度は日本にあるか。
   ・ 日本では,直接対応する制度はないが,文書提出義務の要件を判断する過程で考慮している。
   ・  新しい民事訴訟法の検討対象には,秘密保持義務も一応入っていたが,弁護士会が反対した経緯がある。
   ・  情報公開法要綱案にある,情報を提供した第三者の保護手続を民事訴訟法に置き換えた場合はどうなるか。
   ・  仮定ではあるが,文書提出命令の申立てがあった場合に,文書の所持者から第三者に意見を聴く方式と裁判所から第三者に意見を聴く方式とが考えられる。
  ○ 「文書提出命令と情報公開制度との関係」(論点メモ第5)
   ・  論点メモ11頁の[アメリカ]の記載は,秘匿特権が認められる「公の秘密」から情報自由法によって公開されるものが除かれている趣旨が明らかになるように記載してほしい。また,220条4号の提出除外事由から情報公開法により開示される場合を除くという立法が考えられる。
   ・  文書提出命令と情報公開制度との関係は,注目を集めている論点であり,より細かい論点に分けて,既に取り扱った論点との関係を説明すべきではないか。また,諸外国の例で類似のものがある場合とない場合を紹介してほしい。
   ・  アメリカには情報自由法があるが,イギリスには,情報公開法に相当するものがない。
   ・  フランスには,情報公開法に相当するものが存在する(資料集414頁)。
   ・  ドイツでは,環境問題だけについて情報公開法に相当するものがある(資料集567頁)。
   ・  調べた上で論点メモに追加することにする。
   ・  第5で文書提出命令と情報公開制度との関係の論点を網羅的に整理すると混乱を招く。第5では,文書提出命令により提出される文書の範囲が情報公開法により開示される文書の範囲よりも広くなければならないとの意見がはっきり出ていればよい。補充するならば,各論点に分けて補充する方がよい。
   ・  日弁連案4頁では,文書提出命令により提出される文書の範囲が情報公開法により開示される文書の範囲よりも広くなければならないとの立場をとっており,220条2号の改正により,情報公開法と同じ範囲になり,さらに,220条4号の改正により情報公開法よりも提出される範囲が広くなると考えている。
   ・  アメリカでは,一般にFOIAで出るものはディスカバリでも出るということは言えるが,FOIAとディスカバリは全く別の制度という理解であり,FOIAで開示されなくてもディスカバリで提出を命じられる場合がある反面,FOIAで開示されるが,ディスカバリでは提出を命じられない場合もある。後者の例は,訴訟において関連性がない(irrelevant)ときである。実際上,ディスカバリ目的でのFOIAによる開示請求をすることも多く,訴訟におけるディスカバリと並行して行われ,ディスカバリで関連性がないとされた後,FOIAによって文書を手に入れてみて,そのことを確認することもある。
  ○ 「証言拒絶権との関係」(論点メモ第6)
   ・  文書提出命令に関する規定の審議の中で,文書提出除外事由と証言拒絶事由の範囲との均衡という議論があったので,そのような議論がまた出てくるというのであれば,証言拒絶事由の規定をもっと厳格にすべきではないかとの考え方で日弁連案は作成されている。そのため,文書提出除外事由の範囲と証言拒絶事由の範囲が異なってもよいということになれば,既に改正を終えた証言拒絶事由については敢えて今回の改正に盛り込む必要はないという趣旨だから,証言拒絶事由についても改正すべきだとする意見と日弁連案とを同列に扱うのは相当でない。
  ○ 全般について
   ・  文書提出命令については,関連性がある文書でなければならないという要件が存在することを強調しておくべきである。イギリスでは,公益を理由とする秘匿特権に基づき提出拒絶を認めている事例において,関連性をより詳細に検討すれば,関連性がないことを理由に文書提出命令の申立てが却下されたであろう場合も多いと言われている。結論は同じだが,秘匿特権をあまりに拡大して解釈するよりは,関連性で判断する方がよいとの考え方もある。
 文書提出命令制度研究会は,目的としていた調査研究を終え,終了することとされたので,閉会にあたり,竹下座長からあいさつがされるとともに,各研究員に対する謝辞が述べられた。

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