日本司法支援センター評価委員会 第22回会議 議事録 第1 日 時  平成22年7月12日(月) 自 午後2時29分                       至 午後5時29分 第2 場 所  東京地方検察庁交通部会議室(中央合同庁舎6号館B棟6階) 第3 議 題 (1)日本司法支援センターの業務実績評価(平成21年度及び第1期中期目標期間)につい    て (2)法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について (3)今後のスケジュールについて 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 山本委員長 それでは,定刻やや前ではございますが,既に御出席御予定の委員の皆様方御到着でございますので,ただいまから日本司法支援センター評価委員会の第22回の会議を開催いたしたいと思います。   委員の皆様におかれましては,本日も御多忙中のところを御参集いただきまして誠にありがとうございます。本日もどうかよろしくお願いいたします。   なお,本日は井野委員が御欠席と伺っておりますけれども,委員9名の御出席をいただいておりますので,総合法律支援法施行令に規定する定足数過半数の出席要件は,満たしているということを確認させていただきます。   それでは,最初に本日の議題について申し上げたいと思います。お手元の議事次第にございますように,大きく議事は二つでございます。第一は,日本司法支援センターの業務実績評価について,第二は,法務大臣による財務諸表の承認に関する当評価委員会の意見についてであります。   まず事務局のほうから議題の御説明をお願いいたします。 山﨑官房付 官房付の山﨑でございます。   従前どおりでございますが,私から議題等の御説明を申し上げたいと思います。   先ほど委員長からもお話がございましたとおり,最初の議題は,日本司法支援センターの業務実績評価についてでございます。内容としては,平成21年度分の業務実績評価と,第1期中期目標期間分の業務実績評価があります。お手元にそれぞれの業務実績について支援センターが自己評価とその理由を記した資料,これを御用意しております。本日は,支援センターからこれらの資料についての説明等がなされる予定でございますが,それを踏まえまして,次回の会議で各委員に御議論いただきまして,業務実績評価についての結論をいただきたいと考えております。   第二の議題でありますが,これは,法務大臣の財務諸表承認に際しての当評価委員会の意見についてであります。総合法律支援法で,支援センターは毎事業年度財務諸表を作成し,法務大臣の承認を受けなければならないとされております。法務大臣がその承認をしようとするときには,あらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないとされておりまして,その関係で法務大臣から,支援センターの平成21年度の財務諸表を承認するに当たって意見を求められているところでございます。   この議題についても,本日,支援センターから資料の説明等をしていただいた上で,次回の評価委員会で各委員に御議論いただき,意見の取りまとめをしていただきたいと考えております。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,本日の議題及び議事進行につきましては,以上の御説明のようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,そのように進めさせていただきます。   引き続きまして,本日の配布資料についても事務局のほうから御説明をお願いいたします。 山﨑官房付 それでは,お手元の配布資料について御説明申し上げます。お手元に配付資料目録という表紙が付いたものと,机上配布資料という表紙が付いたつづりがあると思いますが,まず,配付資料目録のつづりを御覧いただきたいと思います。   その配付資料目録にあります資料1−1及び資料1−2でございますが,これは,それぞれ支援センターの平成21年度の業務実績評価に関する項目別評価表の案と,第1期中期目標期間の業務実績評価に関する項目別評価表の案でございます。項目ごとに中期目標,中期計画などの内容と評価の指標が記載されており,その右側に,支援センターが,実績や自己評価とその理由を記載しております。内容については,後ほど ,支援センターから説明をしていただく予定です。   次に,資料の2−1及び2−2でございますが,これらは,それぞれ支援センターの平成21年度及び第1期中期目標期間の各業務実績報告書でございます。   次に,資料の3−1から3−5は,平成21年度の支援センターの財務諸表,事業報告書,決算報告書,監事監査の結果についてと題する監事の意見,それから,独立監査人による監査報告書です。これらにつきましても,後ほど,支援センターから説明をしていただく予定です。   さらに,机上配布資料のほうでございますが,お手元に配布させていただいております。この中のA−2は平成21年度分と第1期中期目標期間の分の業務実績と自己評価などをまとめた表でありまして,今般の評価の対象となっているものについて見やすくしたものでございます。   それから,A−3でございますけれども,これは平成18年度から平成20年度までの業務実績と当評価委員会の評価などを経年的に一覧表にまとめたものです。その他,この机上配布資料のつづりには様々な参考となる資料をつづっておりますので,必要に応じて御参照いただきたいと思っております。 山本委員長 ありがとうございました。   本日は,支援センターの業務実績報告あるいは財務諸表の承認について委員会としての理解を深めるために,支援センターのほうから寺井理事長を始めとする皆様方に御出席をいただき,御説明をしていただきたいと考えておりますが,そういうことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。   それでは,本日の議題1の業務実績評価と,議題2の財務諸表の承認について,併せて議事を進めていきたいと思います。本日は,先ほども御説明がありましたが,これらに関する資料について,支援センターから御説明をいただくとともに,各委員から御質問等をいただきまして,次回8月に開催が予定されております会議の場で御議論をいただく,その前提としていただきたいと考えておるところであります。   そこで,始めに今御紹介があった資料2−1,2−2,業務実績報告書,それから,3−1から3−5までの財務諸表等の資料,それから,資料1−1,1−2の自己評価及びその理由について,支援センターのほうから御説明をしていただきたいと思います。   恐らくお手元の資料で机上配布資料のA−2が,平成21年度の実績と中期目標期間の実績,それから,自己評価理由について一覧の形で書かれておりますので,これを御覧いただきながら御説明を聞いていただくのが分かりやすいかと思いますが,大体大きく三つぐらいのブロックに分けて御説明をいただき,その間に質疑応答をしていただくという形で進めたいと考えております。   それでは,支援センターのほうからよろしく御説明お願いいたします。 寺井理事長 法テラス理事長の寺井でございます。   本日はお忙しいところ,また,暑いところ大変ありがとうございます。   平成21年度は,日本司法支援センター,法テラスの第1期中期目標の期間における最終年度に当たりますことから,平成21年度及び第1期中期目標期間につきまして,評価をお願いすることになります。   御承知のとおり,法テラスは,司法制度改革の主要施策の一環として総合法律支援法に基づき設置され,国民に身近で頼りがいのある司法を目指して五つの本来業務と受託業務を実施しております。   平成18年の業務開始以来,被害者参加国選弁護制度,被疑者国選対象事件の拡大,裁判員制度の開始などに対応しますとともに,昨今の経済情勢を反映した民事法律扶助事業の増大などに対応してまいりました。   こうした中で,コールセンターや地方事務所の情報提供窓口へのアクセス件数も年々増大し,昨年度は約65万件に達しました。また,認知度も,本年2月の調査では37.3%となり,現に法的トラブルを抱える方々に対し,相当程度,法テラスの存在を周知できたのではないかと思っております。   本日は,以上のような状況を踏まえ,業務実績とその評価につきまして,各担当者から説明させていただきますので,よろしくお願いいたします。 谷戸課長 総務課長の谷戸でございます。   お手元のほうに,資料で平成21年度並びに中期目標期間の,それぞれ項目別評価表等も用意されておりますが,先ほど事務局の方からもお話がありましたように机上配布資料としてA−2で,平成21年度並びに中期目標期間,それぞれの内容を一つにまとめました評価表を用意させていただきました。時間の都合上,この机上配布資料A−2に基づいて説明をさせていただきます。   まず,一番目,総合法律支援の充実のための措置に関する目標を達成するためとるべき措置に関してであります。この内容は,総括ということでございまして,法テラスの周知並びに利用者の立場に立った業務運営であります。国民への周知徹底につきましては,平成21年度におきましては,認知度を向上させるということを明確にした上で,お手元の資料の3段目,真ん中辺に(1)の本部・地方事務所連動型広報の実施から始まりまして,(5)の公的で信頼性の高い法人であることのイメージ醸成までの活動を,戦略的な広報活動と名付けて実施してまいりました。   その結果,情報提供件数,民事法律扶助の相談援助件数などが大幅に増加するなど,現に法的トラブルを抱えている方々に対しての周知は,相当程度図ることができたと考えております。   また,高齢者,障害者の皆さんにも,法テラスの役割や業務内容を分かりやすく理解していただきますよう,手話や字幕スーパー等の入りました広報用DVDも作成しました。今後,その活用を図っていこうとしているところであります。   さらに,利用者の立場に立った業務遂行ということで,苦情等取扱規程に基づき利用者から寄せられました様々な御意見,御要望等を集約し,業務改善に向けた検討を行うなどしたほか,若手職員を対象に接遇研修を実施し,その内容を全職員に周知してまいりました。   平成21年度におきましては,以上のような取組を行い,認知度も,前年の約1.5倍である37.3%となったことから,自己評価としてはAとさせていただいております。   また,第1期中期目標期間全体でありますが,情報提供件数が年々増加し,中期目標期間の実績の欄にも書いてございますが,平成18年度,これは6か月でありますが,12万件台であったものが,平成21年度には40万件,地方も合わせますと65万件となり,また,民事法律扶助の援助件数も,当初6万4,000件から23万7,000件まで増加したことになっております。認知度につきましても,新しい組織ですので,どの程度まで周知できるのかということで手探りの状態の中でスタートしましたが,4割近くまでの認知度に到達することができました。   また,利用者の声を受け止めて,業務の改善に反映させるために苦情等取扱規程を制定するとともに,サービス推進室,また,業務改善推進ワーキンググループなどの体制整備を図り,本部,地方が一体となった取組を進めてきていることから,自己評価としてはAとさせていただきました。   続きまして,めくっていただきまして項目の2,コンプライアンスについてであります。平成21年度におきましては,既に策定済みの諸規程に合わせまして,平成22年1月に情報セキュリティ対策基準を策定し,コンプライアンス体制の一層の整備を図ってまいりました。   これらに基づく監査としましては,本部及び4地方事務所に対する監事定期監査,本部,23地方事務所及び5地域事務所に対する内部監査,さらに,情報セキュリティ監査につきましても3地方事務所で実施し,これらの内容を理事長及び監事にも報告し,地方事務所に改善事項を指摘して,業務方法の改善を図ってまいりました。   このようなことから,平成21年度につきましては,自己評価はAとさせていただいております。第1期中期目標期間全体といたしましては,監事監査規程,内部監査規程,情報セキュリティ対策基準等の諸規程の整備,また,これに基づく監査を実施し,理事長等への報告並びに指示が迅速に行われる体制の整備を図ってまいりました。平成19年度以降限られた人員の中でスタートし,平成21年度の水準にまで到達しましたが,今後,監事監査,内部監査,さらに,会計監査法人とのより一層の連携を図っていく中で効果的な監査を行う必要があるということから,全体といたしましては,自己評価としてはBといたしました。   続きまして,項目3,地方協議会の開催についてであります。計画の中では,地方事務所単位で地方協議会を開催し,関係機関等及び利用者の声を反映して業務運営に反映させるということで,各地方事務所単位で年1回以上開催するということにしています。   平成21年度におきましては,全国のすべての地方事務所で開催し,合計86回に上っております。これらの協議会につきましては,法テラスの業務の説明はもとより,多重債務あるいは被害者支援等のテーマ別の議論を行うなどしました。また,各地方事務所では,そこで出された意見や要望を踏まえ様々な業務の工夫を行い,また,関係機関との共催によるイベントの実施や広報活動などを行うとともに,関係機関に呼びかけて多重債務に取り組む枠組みをつくるなど,関係機関との連携の中心的な役割を果たしてきました。こうしたことから,自己評価としてはAとさせていただいております。   中期目標期間全体を見ましても,中期計画では年1回以上の開催となっておりますが,各事業年度とも全部の地方事務所が開催し,内容的にもテーマ別協議会を開催するなど地方協議会の開催が,関係機関・団体との連携強化の機会となっているとともに,利用者の意見を反映した業務運営の一助となっているということから,自己評価としてはAとさせていただきました。   続きまして,3ページの項目4,地方協議会,その他の会議における人選等の特段の配慮の問題であります。地方協議会を開催するに当たりましては,地方自治体等の関係機関・団体を始め,犯罪被害者団体等の利用者団体からも出席して意見を求めるなど,センターの公正・中立性及び関係機関・団体との連携協力関係の確保の観点から人選に配慮いたしました。   また,本部におきましては,より一層利用者本位の業務運営を行うため,平成20年度,法律家以外の各界の有識者に御参加いただき顧問会議を設置しましたが,平成20年度以降,年2回毎年開催しています。このように,人選に特段の配慮をすることができ,顧問会議も設置できたことなどから,平成21年度及び第1期中期目標期間ともに,自己評価としてはAとさせていただきました。   続きまして,総務課の関係で10ページ,11ページ,項目15の業務運営の効率化を達成するためにとるべき措置の総括部分であります。中期目標,中期計画では,業務運営の効率化を図るとされております。これを受けまして,平成21年度及び第1期中期目標期間を通じ,まず,人事的な面におきましては,業務内容に応じて,様々な雇用形態を導入したほか,常勤職員の給与体系は,国家公務員の給与構造改革に準じた給与規程を策定するなどいたしまして,適正な人事配置及び人件費の管理に努めてまいりました。   また,システム運用支援やアプリケーションソフトの保守契約,あるいはパソコン端末のリース契約などの物品等の調達におきましては,机上配布資料のCのところに様々な資料を出させていただいておりますが,従前の契約内容を適宜点検,見直しをするとともに,調達の必要性,内容及び数量等を精査し,原則として,一般競争入札等の競争的手法によるなどして,より安価な金額で契約することによって経費の効率化,一般管理費の節減を図っております。そのため平成21年度及び第1期中期目標期間のいずれにつきましても,A評価とさせていただきました。   続きまして,25ページをお願いいたします。項目38の補助金・寄附金の自己収入確保策についてであります。平成21年度につきましては,前年度に引き続きまして,積極的な広報を行いました。同時に,平成21年11月からは,新たな寄附金の受入れ制度として,更生寄附を開始し,広報誌等で紹介するとともに,法務省を通じて全国の保護観察所,保護司等への周知を行いました。   また,12月には個人,法人を問わず,幅広く寄附金を受け入れることのできるサポーターズクラブを創設し,インターネットで申し込むことができるようにするなどの工夫を行ってまいりました。   このような幅広い取組を行いましたことから,収入額としましては前年度を下回りましたが,自己評価としてはAとさせていただきました。第1期中期目標期間全体としましても,手探りの状況の中から自己収入確保策を検討し,一般寄附,贖罪寄附,更生寄附並びにサポーターズクラブ等の枠組みをつくることができましたことから,自己評価としてはA評価とさせていただきました。   総務課からの説明は以上であります。 佐々木課長(事務取扱) では,続きまして,情報提供関係を御説明いたします。   同じく机上配布資料A−2の4ページ,項目6を御覧ください。平成21年度におきましては,各地方事務所平均で147.4と,中期計画及び年度計画に記載されております平均68以上の相談窓口の設置機関・団体との連携・協力関係を構築し,その情報をデータベースに登載しておりますので,A評価とさせていただいております。   中期目標期間としましては,期間中の平均で148.7,期間全体を通じまして目標値の68を大きく上回っておりますので,A+の評価とさせていただいております。   続きまして,同じ4ページの項目7でございます。中期計画及び年度計画では連携指数の上昇が記載されております。平成21年度におきましては,昨年度1.93でありましたものが1.92と若干低下しておりますが,これは関係機関の情報を,より実態に反映した内容に見直し整理したことによりまして,係数の高い窓口が統計上減ったことによるものでございまして,実質的な連携・協力関係の後退を示すものではないと考えております。   また,本項目では,中央レベル,地方レベルで連携・協力関係の構築に関する理解を求めることが挙げられておりますが,例えば,平成21年度は,中央レベルでは内閣官房の司法制度改革推進室と連携しまして,同室主催の総合法律支援関係省庁連絡会議に出席いただいた関係省庁の皆様を対象に,コールセンターの見学会を3回開催して9省庁,46名の参加を得るなど,連携・協力関係に関する理解を求めることができたと考えております。このように,実質的に連携関係は向上していると考えておりますので,A評価とさせていただいております。   中期目標期間全体としましては,連携指数については,平成18年度と比較して上昇するという中期計画自体は達成しておりますので,A評価とさせていただきました。   続いて,11ページの項目16を御覧ください。中期計画及び年度計画では,コールセンターを設置し,電話による情報提供を集中的・効率的に行うと記載されております。平成21年度につきましても,東京都内に設置したコールセンターにおきまして,必要な業務量に応じた要員を配置し,その他の経費を見直すなどして,電話による情報提供を集中的・効率的に行いましたので,A評価とさせていただいております。   中期目標期間全体を通じて同様でございまして,委託業者との間で,契約の都度,前年度の業務量,実績等を参考に必要な要員を配置するなど効率的な運営に努めましたので,A+の評価とさせていただいております。   続いて12ページを御覧ください。項目17でございます。関係機関への支援センターのデータベースの利用方法の周知徹底と,積極活用促進でございますけれども,平成21年度につきましては,関係省庁連絡会議や地方協議会などを通じまして中央レベル,地方レベルともに利用周知の徹底,積極的な活用に関する理解を求めるように努めてまいりましたので,A評価といたしました。   中期目標期間全体を通じて同様の努力をしておりますので,A+評価とさせていただいております。   続いて16ページを御覧ください。項目23でございます。インターネットによる情報提供量の増大につきましては,FAQをホームページ上で公開しており,業務開始以降,随時更新・増加し,本年度末では約750問を公開しています。検索のスピードにつきましても,日々職員等によるテストを行いまして,使い勝手のよさを維持しております。   利用者の満足度につきましては,ウェブによる利用者アンケートを継続して行っておりまして,前年度と同じ3.6の評価を得ておりましたが,このウェブアンケートは回答率が低いものでございまして,平成20年度から実施しているコールセンターでの利用者の満足度調査では,5段階評価で4.4の満足度を得ております。また,地方事務所におきまして,面談による情報提供の利用者に対してアンケートを行っておりまして,こちらは5段階評価で4.3の満足度を得ております。   また,コールセンター及び地方事務所におきまして,その現状を認識し課題を知るために第三者である専門評価会社による品質評価を実施いたしました。その結果をフィードバックするなどして,質の向上に関する措置をとっておりますので,本項目についてはA評価とさせていただいております。   中期目標期間全体につきましては,FAQは,平成18年度末と比べまして約65%の増加となって,20%以上の増加という目標を大きく超えております。満足度につきましては,従来のウェブによるアンケートでは回答率が低く,利用者からの満足度やニーズを把握することが難しいとの御指摘がありましたことから,期間途中である平成20年度から,より正確な評価を得るために,コールセンターの電話利用者,地方事務所の面談利用者を対象とするアンケート調査を実施し,それぞれ4.4,4.3の評価を得ておりますことから,期間全体を通じましてはA評価といたしました。   続きまして,17ページを御覧ください。項目24でございます。全地方事務所に,相談経験者等の専門職員を配置し,来訪した利用者に対して,即日中に情報提供を行う措置をとり,また,地方事務所の窓口の繁忙状況等によりまして対応が困難な場合は,コールセンターを紹介するなど迅速なサービスの提供に努めたことによりまして,A評価としております。   また,中期目標期間全体を通じて同様でございますので,全体につきましてはA+評価とさせていただきました。   続いて24ページを御覧ください。項目の37でございます。中期計画記載のとおり,全地方事務所において,少なくとも1回以上地方協議会を開催したことによりまして,当センターの業務に対する理解が深まり,連携・協力関係が強化されておりますので,A評価としております。   中期目標期間全体を通じてこのような活動を継続的に行っており,その結果,コールセンターの認知媒体における関係機関の件数,これは関係機関からコールセンターを知ったという件数ですけれども,その件数が平成20年度は前年度比で176%,平成21年度では前年度比で126%と,ともに増加しておりますので,関係機関の連携関係は強化されていると考え,A+評価としております。   情報提供関係については以上でございます。 赤羽課長 続きまして,常勤弁護士の関係につきまして,常勤弁護士総合企画課長の赤羽のほうから御説明させていただきたいと思います。   まず,お手元のA−2の資料の3ページ目の項目5を御覧いただきたいと思います。平成21年度におきましては,日本弁護士連合会,司法研修所,法科大学院,司法試験予備校等の協力を得まして,合計29回余りにわたり,延べ3,100名以上の司法修習生や法科大学院生,司法試験合格者等を対象として説明会を実施いたしまして,常勤弁護士の業務内容や意義,魅力,採用情報等に関する説明を行いました。   また,司法研修所選択型実務修習に参加いたしまして,各地の支援センターの事務所に28回にわたり,司法修習生を受け入れ,常勤弁護士の業務への理解が深められるようにいたしました。   さらに,平成21年度からは,全国の法科大学院からのエクスターンシップの申込みを広く受け付け,合計30回にわたり,全国15校の法科大学院生を受け入れまして,常勤弁護士等の業務を直接体験していただく機会を設けました。   このほか,一定の法曹経験を有する弁護士からの応募者も確保いたしますため,既に登録しておられる弁護士約2万名に対して,常勤弁護士の採用案内等を送付いたしまして応募を促す取組を行いました。   このように,年間を通じまして,積極的に常勤弁護士確保に向けた取組を行いました結果,平成21年度は52名の新人弁護士を含む66名の常勤弁護士を新たに採用いたしまして,任期満了等により,平成21年度中に退職いたしました17名を差し引きましても,前年度から49名増員することができまして,平成21年度末までに合計200名の常勤弁護士を確保いたしまして,全国に配置いたしました。   その結果,全国各地における国選弁護事件及び民事法律扶助事件の需要には一応こたえることができておりまして,弁護士不足により現に生じた国選弁護事件,あるいは民事扶助事件に対応できないといった緊急事態が発生したことはございません。   しかしながら,今後も,引き続き安定的に国選弁護事件及び民事法律扶助事件に対応し,かつ,これまで司法へのアクセスが困難であったために顕在化していなかった,全国各地の潜在的な法的ニーズを掘り起こしまして,これに適切に対応していきますためには,必ずしも十分な数の常勤弁護士を確保できたとは言えず,今後も,引き続き常勤弁護士確保に向けて積極的に取り組んでいく必要がありますことから,自己評価はB評価といたしました。   中期目標期間全体といたしましては,各事業年度におきまして,常勤弁護士確保に向けた積極的な取組を行いました結果,平成18年度末で24名,平成19年度末までに96名,平成20年度末までに151名,平成21年度末までに200名の常勤弁護士を確保いたしまして,着実に増員させることができましたけれども,国選弁護事件及び民事法律扶助事件への対応をより確実なものとする観点からは,常勤弁護士を更に数十名確保する必要があると考えまして,こちらも自己評価はB評価といたしました。   続きまして,お手元の資料A−2の5ページ,6ページの項目8と11を御覧いただければと思います。平成21年度までに常勤弁護士を配置した支援センターの事務所は合計78か所でございまして,そのうち同年度に常勤弁護士を新たに配置又は増員いたしました地方事務所及び支部は35か所,地域事務所は20か所でございます。   これによりまして,全国42の都道府県に配置されております78か所の事務所のうち51か所に,2名以上の常勤弁護士を配置することができました上,島根地方事務所及び旭川地方事務所に配置いたしました常勤弁護士におきましては,実質的ゼロワン地域であります松江地方裁判所西郷支部,旭川地方裁判所稚内支部,名寄支部,留萌支部,紋別支部管内等を巡回いたしまして法律サービスを提供いたしましたが,必ずしもすべての弁護士の少ない地域に常勤弁護士を常駐,あるいは巡回させることができたわけではございませんため,自己評価はB評価といたしました。   中期目標期間全体といたしましては,常勤弁護士を配置した支援センターの事務所数を,平成18年度の22か所から平成19年度の56か所,平成20年度の71か所,平成21年度の78か所と着実に増やしまして,このうち平成21年度までに51か所の事務所に2名以上の常勤弁護士を配置いたしました上,弁護士の少ない地域に巡回させることができましたけれども,必ずしも弁護士の少ない地域すべてについて常駐,あるいは巡回させることができたわけではございませんので,自己評価といたしましては,こちらもB評価とさせていただきました。   続きまして,お手元の資料A−2の7ページ目の項目12を御覧いただけますでしょうか。平成21年度は,常勤弁護士が配置されておりませんでした実質的ゼロワン地域への常勤弁護士の配置を進めますとともに,業務の効率化の観点及び常勤弁護士の任期満了後の円滑な引継ぎの実現という観点から,既に常勤弁護士が配置されている司法過疎地域事務所にも,更に常勤弁護士を配置していくという方針で業務を行いまして,司法過疎対策といたしまして新たに長崎県の平戸,熊本県の高森,高知県の中村,青森県の八戸の4か所に地域事務所を設置いたしました上,全国で26か所となりました司法過疎地域事務所のうち13か所につきまして,複数の常勤弁護士を配置いたしました。   また,実質的ゼロワン地域につきまして,近接する事務所に配置いたしました常勤弁護士が,巡回するなどして司法過疎の解消に貢献いたしましたが,実質的ゼロワン地域の解消には至りませんでしたため,自己評価はB評価といたしました。   中期目標期間全体といたしましては,各事業年度におきまして,実質的ゼロワン地域に司法過疎地域事務所を設置してきたことに加えまして,平成20年度からは実質的ゼロワン地域の解消が大きく進みましたことを踏まえ,司法過疎対策を更に進めまして,次段階として,地裁支部単位で実働弁護士1人当たりの人口が非常に多数である地域のうち,当該地裁支部から公共交通機関を用いて長時間を要することなく異動できる範囲内に地裁本庁又は多数の実働弁護士が事務所を開設している地裁支部が存在しないという地域につきましても,当該地裁支部管内の人口ですとか,民事・刑事の事件数,単位弁護士会あるいは地方自治体等,地域関連機関の支援体制等を考慮いたしながら司法過疎地域事務所を設置してきたものでありまして,その結果,平成21年度末までに,全国に26か所の司法過疎地域事務所を設置いたしまして,このうち13か所につきましては,複数の常勤弁護士の配置を実現したものであります。   これによりまして,平成18年の段階で40か所以上ございました,いわゆる形式ゼロワン地域は,平成21年度末までに7か所までに減少いたしまして,実質的ゼロワン地域につきましても,相当程度減少いたしましたが,実質的ゼロワン地域の完全な解消には至りませんでしたため,自己評価はB評価といたしました。   続きまして,お手元の資料A−2の12ページ目から14ページ目の項目18,19,20を,順次御説明させていただきたいと思います。   まず,12ページ目の項目18でございますけれども,平成21年度は,先ほども申し上げましたとおり,年間を通じた積極的な常勤弁護士確保に向けた取組を行いましたものの,必ずしも十分な常勤弁護士を確保できたとは言いがたいことから,自己評価はB評価といたしました。   中期目標期間全体といたしましても,平成21年度末までに200名の常勤弁護士を確保いたしましたが,必ずしもこれで十分とは言い切れないことから,自己評価はB評価といたしました。   続きまして,13ページの項目19でございますけれども,平成21年度が平成18年度に採用しました常勤弁護士の3年間の任期が満了する年度に当たりましたため,常勤弁護士の退職時におけます有償事件の取扱いに関して規定を整備いたしましたり,事務連絡を発出して退職時における有償事件及び預り金等の取扱いに関するルールを定めましたほか,業務の効率化のため法律事務所の事務職員を対象にいたしました研修を実施したり,常勤弁護士の業務手順マニュアル及び書式集の改正を行うなどいたしまして,常勤弁護士が業務に専念し,十分に活動できる環境を整備いたしましたため,自己評価はA評価とさせていただきました。   中期目標期間全体といたしましても,各事業年度を通じまして,本部におきまして常勤弁護士からの問い合わせに対応する相談体制を整え,メーリングリストを整備するなどいたしまして,常勤弁護士が適時適切なアドバイスを受けることのできる環境をつくりましたほか,常勤弁護士の業務マニュアルを作成して,適宜改定を重ねました上,更には必要に応じて各種規定を改正するなどいたしまして,事務連絡発出によるルールを定めて業務の円滑化を図るなどいたしまして,常勤弁護士が業務に専念して,十分に活動できる環境を整備いたしましたので,自己評価はA評価とさせていただきました。   続きまして,14ページ目の項目20でございますけれども,平成21年度におきましては,各支援センターの法律事務所に赴任した常勤弁護士を対象といたしまして,常勤弁護士が実務において学ぶ必要があると実感しているテーマに沿った研修を実施いたしますとともに,裁判員裁判への対応等に主眼を置きました参加型の研修を実施いたしました。さらに,先輩常勤弁護士から後輩常勤弁護士への技術や経験の伝承,あるいは常勤弁護士同士の意見交換も有益であることから,ゼミ形式の研修も実施いたしました。   また,司法修習終了直後に採用いたしました新人常勤弁護士に対しましては,より綿密な指導・育成が必要であることから,1年間の任期に合わせまして,継続的な内容としたスケジュールにより研修を実施いたしました。   加えて,全国を七つのブロックに分けまして,各ブロックにおいて常勤弁護士の企画に基づいて研修を実施することにより,地方の実情等も反映したより緻密な研修を実現することができました。以上のことから自己評価はA評価とさせていただきました。   中期目標期間全体といたしましても,各事業年度におきまして常勤弁護士の経験に応じた研修メニューをそろえますとともに,常勤弁護士に期待される役割に従いまして,平成21年5月から実施されている裁判員裁判にも対応できるような即効性のある実践的研修を実施いたしましたり,その業務が一般の弁護士と異なる点があることに着目した研修を実施いたしました。   また,常勤弁護士の増加にも対応いたしまして,その質の向上のためブロック別研修を実施して,地方の実情等も反映した緻密な研修を実施することもできましたので,こちらも自己評価はAとさせていただきました。   続きまして,15ページ目の項目22でございますけれども,平成21年度におきましては,司法過疎地域事務所を新たに4か所設置いたしまして,13か所の司法過疎地域事務所には,複数の常勤弁護士を配置いたしました。けれども,引き続き司法過疎対策に取り組んでいく必要があることから,自己評価はB評価といたしました。   第1期中期目標期間全体といたしましても,平成21年度までに26か所の司法過疎地域事務所を設置いたしました上,設置後も各司法過疎地域事務所を設置した地裁支部管内の人口ですとか,民事・刑事の事件数,単位弁護士会,地方自治体等関係機関の支援体制等を考慮いたしまして,常駐する常勤弁護士の数を増減するなどいたしまして見直しを行いましたけれども,平成21年度末までに実質的ゼロワン地域の解消には至らなかったことから,自己評価はB評価とさせていただきました。   続きまして,お手元の資料A−2の24ページの項目36を御覧いただきたいと思います。平成21年度におきましては,26か所の地域事務所における受任事件数の内訳は,平均いたしますと,受任事件全体の3.5割程度が4号有償事件,4割程度が民事法律扶助事件,2.5割程度が国選弁護・付添事件でございましたけれども,各地域事務所ごとにその地域の実情やニーズを反映した実績となっておりまして,常勤弁護士の限りある業務量を合理的に配分できたということで,自己評価はA評価とさせていただきました。   中期目標期間全体といたしましても,常勤弁護士の限られた労力の中でニーズに即したバランスのよい法律サービスを提供するため民事法律扶助事件,国選弁護事件,有償事件の配分についての目安を定めました上,各地域の実情やニーズに応じて事件を受任することにより,ニーズに即した法律サービスを提供することができたと考えておりまして,自己評価はA評価とさせていただきました。   続きまして,次のページの25ページ目の項目40を御覧いただければと思います。有償事件を取り扱いますのは,主に司法過疎地域事務所でありますところ,平成21年度につきましては,これまでも御説明させていただきましたとおり,司法過疎対策といたしまして実質ゼロワン地域及びそれに次ぐ司法過疎地域,合計4か所に司法過疎地域事務所を新設いたしましたが,司法過疎地域事務所全体での有償事件処理による事業収益につきましては, 平成20年度に比べまして,約7,000万円減少いたしましたことから,自己評価につきましてはB評価とさせていただきました。   中期目標期間全体といたしましては,司法過疎地域事務所における有償事件の受任による自己収益額は,平成20年度までは増加いたしましたけれども,平成21年度につきましては前年度より減少いたしましたことから,自己評価につきましてはB評価といたしました。   常勤弁護士の関係につきましては以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,ここでいったん切りまして,今,御説明がありました部分について御質問等をいただけたらと思います。いかがでしょうか。 小林委員 項目の場所をメモしていなかったんですけれども,法律についての相談の必要性を持っていながら法テラスのことを知らない,そういうニーズの掘り起こしについてお話をいただいたかと思うんですけれども,そのような必要性があるということは具体的にはどういうことから分かったのか,何か具体的なことがあったのか,あるいは数からそういうことを判断なさったのか,教えていただきたいと思います。 赤羽課長 それでは,常勤弁護士総合企画課のほうからお答えさせていただきたいと思います。   これまで司法にアクセスできなかったことからニーズが顕在化していなかったところがあると,あるいは本来であれば法的サポートを必要としているのに法的サポートが受けられなかった方がいらっしゃる。あるいは自分が法的サポートを必要としている意識すら,これまでなかなかお持ちいただけない状況に置かれていらした方がいらっしゃるということにつきまして,当常勤弁護士総合企画課のほうで把握しておりますきっかけというのは,実際にスタッフ弁護士が全国で業務を行っております際に,例えば直接法律相談にお越しにならなかった方で,例えば地方の福祉機関から御紹介いただいた依頼者の方のお話を聞いていたところ,これは,実は法的な支援,法的なサポートが可能であると,あるいは必要であるということが分かって,それから弁護士が関与してその方の抱える問題が解決に至ったという具体的な事例につきまして報告を,多数実際にいただいているという状況でございます。 佐々木課長(事務取扱) 若干,情報提供のほうからも補足をさせていただきます。コールセンターの件数などは特にそうなんですけれども,マスコミで紹介されたり,こちらが広告を打ったりとかしますと,非常に件数がはね上がります。ということは,そういう情報があれば,知ればアクセスするんだけれども,やはり知らないからアクセスできていないというのがベースにあります。潜在的にはそういった知られる機会が増えれば増えるというのがコールセンターの件数にピンポイント的に上がってくるという,そういった反応からも,やはりニーズはまだ埋もれているのではないかと考えています。後で,民事法律扶助課のほうでニーズ調査をしておりますので,そちらの報告もあるかと思います。 山本委員長 いかがでしょうか。よろしいですか。 小林委員 ありがとうございます。   今後も,例えばまた更に予算措置とかそういう必要があるような場合に,これだけ具体的に例を挙げることができれば非常に力強いと思いますので,どうもありがとうございます。 山本委員長 ありがとうございました。   ほかに。 吉川委員 2点伺います。   私は,主として業務実績報告書を読ませていただいたのですが,1点目は,平成21年度の業務実績報告書の31ページの上のほうなんですけれども,常勤弁護士について,「その任期を1年以内で理事長が個別に定める期間と定め」うんぬんというのがあるんですが,この1年というのは,常勤弁護士の勤務期間が1年以内という意味なんでしょうか。もし,そうだとしたら,どうしてそういう短期間だけ常勤弁護士を雇用するのがいいことなのか。   ある程度の期間雇用したほうが,トレーニングの効果も生かされるし,いいのではないかという考え方もあるのではないかと思うんですけれども,1年以内という極めて短期間常勤弁護士を雇用するというのは,どういう意味があるというか,どういういいことがあるのかということを伺いたいのが1点と,それから,もう一つは39ページ,情報提供に関してア,イとありますが,イのちょっと上のところにコールセンターの品質評価について第三者による客観的評価を得るという記載があるんですが,これはどういうことをやって客観的な評価を得たのか。そしてまた,客観的評価の内容というのはどういうものであったのか教えていただければと思います。 赤羽課長 それでは,まず1点目の御質問に対しまして,常勤弁護士総合企画課のほうから回答させていただきたいと思います。   今,御指摘いただきました任期1年と申しますのは,これは平成19年度から法テラスにおきまして新たに採用いたしました常勤弁護士の,いわゆる新スキームでの養成期間でございまして,この1年と申しますのは,司法修習終了直後の者を法テラスが採用した場合に,この最初の1年で全国に赴任して活躍できるだけの実力を身につけさせる期間という趣旨でございます。   したがいまして,この1年と申しますのは,当然更新を前提としておりまして,この1年を終えた新人常勤弁護士たちは,その後,当然更新をいたしまして,その後3年間という任期で全国各地に赴任するという仕組みになっております。 吉川委員 分かりました。 佐々木課長(事務取扱) では,情報提供のほうから,品質評価について御説明いたします。   情報提供の品質評価と申しますのは,コールセンターなどでは応対例の録音などをとって一定の評価基準を,基準シートというのをつくって評価するというのが,コールセンター業界といいますか,そちらでは割と応対品質を管理する方法として一般化しております。   法テラスのコールセンターにつきましても,平成20年度,平成21年度とそのような調査を行っております。平成21年度につきましては,通話ログ,通話の録音を45件,あとミステリーコールといいまして,覆面電話なんですけれども,一定の事例を想定して調査員が電話をかけて評価をするというのをやっております。そちらで大体5点満点で総合しますと2.8と,3点をちょっと切るかぐらいの評価となっておりました。   調査会社の総評では,非常に幅広い内容に応対しなければならない過酷な内容のコールセンターの割には頑張ってはいるんだけれども,個人差によるばらつきが大きいのが問題ではないか,また,応対マナーの面のスキルをもうちょっと上げたほうがいい,一方で,業務知識については割と高い評価を得ているという状況でございます。 吉川委員 ありがとうございました。 知久委員 先ほどの常勤弁護士の関係でお尋ねします。常勤弁護士の確保というところがございますけれども,その中で実務経験年数が10年以上の方とありますが,今の御説明ではほとんど新人の方のようなお話でした。実際に実務経験者と言われる方はどの程度採用されているかということと,もう1点,先ほどの御説明の中で常勤弁護士の業務は一般の弁護士とは異なる点があるということなので,この辺を御説明いただけますでしょうか。 赤羽課長 それでは,常勤弁護士総合企画課のほうからお答えさせていただきます。   まず,1点目の御質問でございますけれども,平成21年度末におけます200名の常勤弁護士のうち,実務経験年数が10年を超えておりますシニアの弁護士の先生が6名いらっしゃいます。そして,実務経験年数が約6年から10年のいわゆる中堅の先生が6名いらっしゃいます。残りの先生方が,皆さん実務経験年数が5年以内の若手弁護士という構成でございます。   続きまして,2点目の御質問でございますけれども,常勤弁護士の業務が一般の弁護士の業務と異なる点と申しますのは,まず常勤弁護士は,いわゆる地方事務所に併設されました法律事務所,あるいは支部に併設されました法律事務所に勤務している者と,それから,いわゆる司法過疎地域に勤務しております常勤弁護士と,この大きく二つに分けられるのでございますけれども,このうち前者,すなわち地方事務所併設あるいは支部併設に勤務いたします常勤弁護士は,原則として民事法律扶助,それから,国選弁護・付添事件を扱うと,いわゆる有償事件については扱えないという仕組みになってございます。   他方で,先ほど申し上げた二つの分類のうちの後者,すなわち司法過疎地域事務所に勤務いたします常勤弁護士につきましては,こちらはそういった制限がございませんでいわゆる普通の有償事件,依頼者からお金をもらって事件処理をするという有償事件も,併せて取り扱うことができるという仕組みになっております。 山本委員長 知久委員,よろしいですか。 知久委員 何か特殊な違いがあるのかなと思ってお聞きしたのですけれども,要するに司法過疎事務所でなければ有償事件は受けていないと,そういうようなことだけですね。分かりました。 髙部委員 机上配布資料のA−2の17ページの24番についてお尋ねします。   要するに,もともとの中期計画の考えていたことというのは,地方事務所の情報提供窓口で相当程度高い専門性のあるアドバイスをすることができるということが,前提であったと思うのです。   しかるところ,今回の自己評価理由を見ますと,「情報提供窓口はその繁忙状況等により地方事務所での詳細な応対が難しい場合は,コールセンターを紹介するなど迅速なサービス提供に努めた」ということが,自己評価理由に記載されているのですが,そもそもの趣旨は,地方事務所で提供する情報提供と,コールセンターで提供する情報というのは違うものだという頭の整理で始まっていたと思うのです。そういう意味では,この自己評価理由というのは,いささか違うのかなという気がします。   しかるところ,平成21年度の配付資料の項目24番を見ますと,「そのほか,地方事務所の情報提供窓口では,来訪した利用者に対し,即日中に情報提供を行い,地方事務所で対応できない場合は他の関係諸機関を紹介するなど迅速なサービス提供に努めている」という記載になっているのです。   私は,要するに本来法テラスのほうで答えられないような問題に関して他のいわゆる情報提供機関というか,関係諸機関を迅速に紹介するということが建前であって,コールセンターを迅速に紹介しているから自己評価が高くなるんだというのは,いささか自分のイメージしていた,要するに地方事務所における情報提供の問題とコールセンターの役割と,もしかしたら,私は誤解しているかもしれませんので,そのあたりの頭の整理を教えていただけたらなと思いますが。 佐々木課長(事務取扱) 一番最初の仕切りは,割と委員のおっしゃるような感じで始まったんですけれども,実際にどのような者が対応しているかという実態を見ますと,地方事務所におきましても,消費生活相談の資格を持っている人,あと法務局・裁判所のOBなどが対応しておりまして,実はコールセンターにおきましても,7対1の割合でそういった専門性のある,消費生活相談の資格を持っている人などがシフトで入るという条件で応対をしております。ですので,法制度情報の提供に関しましては,実は地方とコールセンターとではそれほど差がないのではないかというのが,これまで実際に業務を始めてからのこちらの経験と認識でございます。   関係機関の紹介につきましては,やはり地元の利というのがございますので,関係機関の紹介を地方でするというのは,やはり一定の地方ならではというところがあるのではないかと考えています。   即日に対応する点で,コールセンターへの転送がなぜよいのかというところでございますけれども,情報提供は大きく分けて法制度情報の提供と窓口の紹介となりますが,地方事務所の窓口対応専門職員は基本的に1人のところ,複数のところとございますが,キャパを超えた場合に30分以上待たせたり,次の日に回るというよりは,やはりその日に適切な法制度の情報が得られたほうがよいのではないかということで,最近,特に昨年度などは業務量が非常に増えておりまして,そういったところで,もちろん地方事務所で対応できるときはするんですけれども,それを超えたところについては,待たせるというよりは,コールセンターも一定のレベルを維持しておりますのでそちらで対応したほうが,より利用者のサービスに資するのではないかと考えておりまして,このような評価記載となっております。 髙部委員 そうしますと,実質的にここで設定してある中期計画の各項目の記載を変更するということですか。要するに,ここに書いてあるのは,情報提供窓口に来訪した利用者という記載があって,その全員に対して即日中に情報を提供すると,あえて申し上げれば,わざわざ来訪している人をつかまえてコールセンターを紹介してどうするんだという気持ちも,いささかあるものですから,そのところの仕切りについて,要は今おっしゃったようにコールセンターでいいんだとおっしゃるのであれば,直接来訪した利用者に対する対応振りというのは,もう少し違う形での広報をしないとまずいのではないですか。 佐々木課長(事務取扱) 来訪した方に関しては,基本的にはお待ちいただくか,後日の予約となるという対応をしておりますけれども,特に急いでいる方についてはそのような対応をとって,そちらは御利用者に無理やりそちらの意向も聞かずに回しているということではなくて,御意向を聞いた上で電話でよろしければということで,急ぐ場合はということでしているということでございまして,やはり来訪した方には直接対応するという基本姿勢というのは維持しております。 山本委員長 ということは,即日中に情報を提供するということは必ずしもできていない。後日の予約をしたとか。 佐々木課長 後日の予約になる場合も,やはり若干はございます。 山本委員長 この中期計画は,あくまでも全員に対して即日中に情報を提供するとなっていますが,そうではないということですね。 佐々木課長 年度計画のほうで即日中に対応というふうに,ちょっとトーンが下がっているのでは。   やはり即日に絶対に情報の提供をするとなると人数的なところで,どうしても物理的な制限がかかることがあるというのは御理解いただければと思います。 山本委員長 分かりました。   ほかに。 遠藤委員 私は,新任なものですからはっきりしないところがあるわけなんですが,この関係は,むしろ法務省の本省のほうにお聞きしたほうがいいのではないかと思うんですけれども,ただ,法テラスとしましては,実際に自己評価されている場合に一つ確認をしたいんですけれども,まず第1期の中期目標期間の業務実績報告書ができていますよね。それから,平成18年度から平成21年度,各年度の業務実績報告書があるわけですね。そうしますと,この第1期の中期目標期間における業務実績報告書と,各年度の業務実績報告書の位置付けないしは関係,関連,それをどのように考えるのかということです。   この辺のところをはっきりしないと,特に,法テラスのほうで中期目標期間の実績要旨ということで自己評価をされているんですよね。これは少なくとも中期目標ですから,この4年間の総合評価をしているはずなんです。そうすると,この総合評価するための基礎資料となるのは,第1期中期目標期間における業務実績報告書なのか,それとも各年度の業務実績報告書なのか,この辺のところの確認をしなければいけないと思うんですよね。   というのは,各年度年度は確かに各年度の業務実績報告書があるわけですから,そこで自己評価ができるわけです。しかし,4年間の評価というのは,各年度の評価というよりも,もともと中期目標,中期計画の関係からいきますと,各年度ごとに中期目標,中期計画は達成されたかどうかということも確認しなさいという流れで来ているわけです。最後の年度でこの4年間における評価をするんですと,こういう話で来ているわけなんです。確かそういうふうな形になっているはずなんですよね。   そうすると,法テラスのほうは,一体どれをもってこの中期目標期間における実績の評価及び自己評価をされているのかと,つまりその基礎資料は何なのかと,そうするとこの第1期中期目標期間における業務実績報告書というのは,どういう位置付けでなくてはいけないのかというところ,その辺のところを確認をしたいんです。   というのは,評価委員として評価する場合に,一体その基礎資料というのはどこの資料をもって,そして,それぞれの法テラスからの各担当者からのお話をお聞きし,そして,評価するのかというのがあるわけです。   ただ,中期目標期間における業務実績報告書を見せていただきますと,非常にこれはサマリーになっていまして,評価できるだけの資料ではないんですよ,はっきり申し上げて。ただ各年度の実績報告書も見せていただきますと,これはいわゆるその期間における実績というものを,かなり数値的あるいはそれぞれの項目別に経緯も含めて記載されているわけです。   そうすると,これは私はまだはっきり分からないんで一つの考え方として,あくまでも中期目標期間における業務実績報告書というのは,この4年間におけるサマリーであると,ただその細かな実績内容については,各年度の業務実績報告書を資料として確認してくださいという位置付けであるならば,結局その評価をするときにはこの4年間の実績報告書,各年度もそうですね,これを詳細に分析して,そして,判断をしなければいけないということになるんだろうというように思うんです。   ちょっとその辺のところが,私は新任なものでその経緯が分からないんですけれども,ただ私が評価させていただくに当たりまして,最初は,中期目標期間の実績報告書を読めば評価できるのかなと思ったんですけれども,これでは全く評価できないんです,はっきり申し上げて。したがって,その辺のところを私が法テラスにお聞きしたいのは,つまり法テラスのほうで中期目標期間における実績の自己評価は,一体どういうスパンでもって評価されたのか,これをお聞きしたいんですけれども。 山本委員長 それでは,自己評価がどうかという問題と,我々の評価の根拠の資料,後者は恐らく法テラスに伺うというよりは,我々の中の話ですので事務局からあるいはお話をいただくのが適切かもしれませんが,まず自己評価の考え方というか,資料というものについては,センターのほうから御説明をいただけますか。 坂田部長 総務部長の坂田でございます。   御質問の点につきましては,筋としましては恐らく遠藤委員が御指摘されているように,サマリー的なものとしてでき上がっている中期目標期間全体の業務実績報告書だけが評価の資料となるというものではなくて,各単年度のそれぞれの業務実績報告書であったり,あるいは項目別の評価表であったり,そういったものも今回の4年間全体の評価に当たっての資料になるということであろうかなと私どもとしても思います。   しかし,私どもとしましては,各単年度のそれぞれの業務実績報告書を,もう一度評価委員会の委員の皆様方に全部読んでくださいと,それぞれが非常に重い大変な分量でございますが,それをもう一度全部読んだ上で更に4年間の評価を見ていただいて評価してくださいというのは,余りにも申し訳ないと感じまして,過去4年間を振り返ってみまして一定の評価を加えた上で,意味があると私どもが考えている事実をサマリー的に抽出し,ちょっと省略した部分もございますが,中期目標期間全体の業務実績報告書として作成しました。   それに基づいて,この4年間の自己評価をしたということでございまして,基本的には,それに基づいて,4年間の評価をしていただきたい。どうしても必要があれば単年度のも見ていただくと,そういう位置付けかなと考えておりましたが,もしかしたら違っている点があるかもしれませんので,法務省のほうで補足していただけたらと思いますが。 山﨑官房付 この評価につきましては,評価委員会のほうで最初のころに決めていただいた業務実績評価に係る基本方針というのがございます。資料で言いますと,机上配布資料のA−1でございます。   これによりますと,項目の2のところで中期目標に係る業務の実績に関する評価というところがございまして,評価の方法というのが(2)に記載されておるわけでございます。この評価の方法の欄の(1),項目別評価とございまして,そのポツが三つ目でございますけれども,「本委員会は,支援センターに対して業務の実績報告書及び支援センターが自ら行った評価等を記入した評価表の提出を求めるとともに」と,まず中期目標期間全体に係る業務の実績報告書と,評価等を記入した評価表の提出を求めていくと書いてございますので,基本的には,これを評価の基準にされるものと考えられるところでございます。もともと,この評価委員会のほうで何を評価の対象とするかというところを,こういうところで決めていただいているところでございます。   その次でございますが,「必要に応じ,それらについての説明及び必要な資料の提出を求めるものとする」となっておるところでございまして,したがいまして,基本は中期目標期間の業務実績報告書あるいは評価表等を基準にしていただき,それに必要な範囲で説明資料として,例えばもちろん法テラスの各年度の業務実績報告書や評価というものが,位置付けられるのかなと考えられるところでございます。 山本委員長 よろしいでしょうか。 遠藤委員 今の本省のほうからの御説明であれば,この中期目標期間における業務実績報告書の中でサマリーをされるのは結構だと思うんですけれども,そのサマリーというのは,4年間のスパンでもってサマリーされているわけですから,経緯を説明されるときには当然参考資料が出てくるはずなんです,各年度年度の。重要なところにつきましては。そうでないと,4年間の経緯の説明をするわけですからね。   そうすると,その経緯である一定のいわゆる節目節目における法テラスが考えた,あるいはそういうふうな基準を設定したマニュアルをつくったということになりますと,その基礎資料はどこにあるんだということの説明を,この中期の業務実績報告書に入れていなければいけないわけですよ。そうしないと我々としては,先ほどお話がありましたように全部読むわけにいかないけれども,少なくともこういうふうな経緯の流れの中でこういう節目のときにこういう判断をしました,こういうマニュアルをつくりました,あるいはこういうふうな各協議機関との新しい接点をつくりましたというのは,これは何年度の何ページのところを読んでくれと,そうすれば分かりますというようなことを指示していただかないと,これは本当のサマリーになっていないんですよね。その辺のところは,法テラスのほうとしてはいかがなものなんですか。 坂田部長 総務部長の坂田でございます。   ただいまの御指摘の点は誠にそのとおりかなと思いますが,各年度の評価に当たっては,この事実というのは重要だなと思い,各単年度の業務実績報告書には記載し,また自己評価においても,その事実を取り出して理由として自己評価をするということをやっている部分であっても,4年間全体として振り返る場合には,その各単年度で取り上げた私どもが自分で自己評価の理由とした部分について,必ずしも重要ではなかったかなと思われる部分,今となっては余り記載する意味がないのではないかというような意味合いにおいて,やや記載を省略している部分というのはあろうかと思います。   そういう部分で,甚だ読みにくいといいますか,遠藤委員が御指摘のように,ここはよく分からん,何でこう書いてあるのか分からん,その背後にある理由とか経緯が飛んでいるとお感じになられる部分があるのかもしれません。   そういう意味におきましては,中期目標期間全体の業務実績報告書や自己評価が甚だ出来が悪いものであったのかもしれませんが,全体についてそういう評価を加えた上である種オミットしている部分,あるいは簡単な記載にとどめている部分について,その理由について一々書いていきますと,やはり大部なものになってしまうというところがございまして,勝手な判断で省略させていただいておりますが,ここが分からんぞという部分がありましたら御指摘いただけますれば,更に補充して資料を提出し,御説明させていただければと存じます。 山本委員長 よろしいでしょうか。   遠藤委員,それから,坂本委員もそうなんですが,本年度から新たにお入りをいただいて,いきなりこの中期目標期間全体についての評価をお願いするという形になってしまったがために,恐らくそのような問題が生じてきているのかなと思います。   ほかの委員は,最初からあるいは少なくとも2年前から委員として活動しておりまして,毎年の業務実績報告書にはずっと目を通してきて,また,説明も受けていろいろな経緯が分かっている部分があって,あるいはこの中期目標期間の法テラスが作成された報告書も,そのような経緯を踏まえたものになっていて,その意味で新しく入られた目から見て分かりにくい部分というのがあられるのかなと思います。   それは,誠にごもっともなことなのかなと思うところですけれども,そのようなことでもありますので,是非両委員につきましては,これは誠に大変な作業をお願いして,しかも期間が非常にタイトで申し訳のないところではありますけれども,今,坂田部長からもお話がありましたように経緯が分からないところ,あるいは中身が判然としないようなところがありますれば,積極的に支援センターのほうに御質問あるいは資料の提出を求めていただくという作業を,申し訳ありませんが個々的にお願いする,それは私どもも,読んで分からないところはそういうことになるわけですけれども,そういう部分がより多いということになるかもしれませんけれども,個々的にそれをお願いするほかはないのかなと思うのですが,いかがでしょうか。 遠藤委員 それは結構ですよ。   それと,もう一つだけ確認しておきたいのは,中期目標期間の業務実績報告書を読ませていただきますと,この目次のところに4番目の項目があるんですけれども,ここに第1期中期目標期間の業務実績の1として総合法律支援のため,これは総括的な目標達成するための措置ですね。それから,業務運営の効率化に関する措置,それから,質の向上の目標達成措置というそれぞれの項目があるわけなんですよ。これをずっと読ませていただいて,必ずしもここにあるような分け方で記載されていないんですよね。というのは,例えば三番目の業務の質の向上に関する目標というのは一体法テラスはどうとらえているのかというのが,これは全般的に見て分からないところが多いんです。   つまり,1における全体的な経緯を述べられることによって質であるとお考えになっていると思うんですけれども,そうではないんですよね。あくまでもここにあるのは業務の質の向上と言っているわけですから,それぞれ1で述べた,あるいは1で目標とするものが,実際この4年間においてどのような質的な向上があったのかということを,述べられてしかるべきではないかと思うんですよね。その辺のところの記述というのが非常に少ないということ。   それから,二番目の業務運営の効率化についてもそうなんですけれども,これを読んだだけで果たして効率化がされたのかどうかとは読めないですよね。したがって,やはりその辺の1,2,3の関連も,どのような視点でもって実際にこれを書かれているのか,私は読ませていただいてその辺のところが非常に疑問である。これは全般的な話なんですよ,個々の問題ではなくて。非常に疑問がありますんで,その辺のところはまた今度お聞きすることがあれば,時間を設けさせていただいて説明を受けなくてはいけないと思っていますけれども。 山本委員長 ありがとうございます。   それは前回の委員会でも御発言があり,やはりできるだけ具体的な形でこの中期目標期間内にどういうような形での改善があったのかということを,データとしてお示しいただくということが必要であるというのは,委員会全体としての意見でもあるかと思いますので,その部分については,今後とも各委員から追加的な形で情報を求めていただくということはあろうかと思いますが,支援センターのほうでもよろしく御対応をいただければと存じます。よろしゅうございますか。 田中事務局長 事務局長の田中でございます。   先ほど,知久委員からスタッフ弁護士の研修のことで御質問をいただきまして,ちょっと説明が言葉足らずになったところがありましたので,追加して御説明をさせていただきます。   先ほど,課長のほうから説明を申し上げましたように,スタッフ弁護士の場合は,国選弁護事件と民事法律扶助事件,この二つの事件が中心であり,ほぼ,これに特化するような形が全般的な傾向でございます。   弁護士一般の取扱い事件と比較しますと,やはり際立った特徴がございまして,まず刑事事件,国選弁護事件の取扱件数が,一般の弁護士全般から比べると事件数が多いということ,それから,その中に裁判員対象事件がかなりの確率で入り得ると,そういった特徴があるものですから,とりわけ裁判員制度の実施を踏まえまして,それをにらんだような実践的なトレーニングを重ねてきたといったところが特徴でございます。   例えば,公判前整理手続の在り方,それから冒頭陳述の在り方,証人尋問の在り方,最終弁論の在り方,これらについて具体的なケースを素材にしましてロールプレー方式で研修をする。しかも,場合によっては,ロースクールの法廷教室を利用させていただいて研修をするというようなことを繰り返してこれまで来ております。   また,民事法律扶助につきましても,取扱いの事件の種類が割と類型的に多いというタイプのカテゴリーが幾つかございまして,多重債務の整理であるとか,家事事件であるとか,幾つかの事件のタイプについては,弁護士一般に比べますとかなり集中的に取り扱うということになります。それなものですから,そういった集中的に事件が発生するものについても具体的な素材を前提にしまして,やはりこれもロールプレー方式などを,かなり多分に取り入れまして,集中的に実践的な研修を加えているというのがこれまでの経緯でございます。 知久委員 ありがとうございました。   先ほどの御説明ですと,際立った違いがよく分かりませんでしたので,ありがとうございました。よく分かりました。 山本委員長 それでは,よろしゅうございましょうか。 小林委員 平成21年度の業務実績報告書の32ページですが,先ほど御質問させていただいたときにニーズの掘り起こしが必要だというのが,福祉関係事務所から回ってきたケースについて,これはもともとは,福祉関係というよりは法的なサポートが必要だったということが判明したというようなことでした。そういう意味で関係機関との連携というのがやはり重要だということが感じられました。この点に関しまして,連携指数についての計算の仕方というのが32ページの一番上のほうに枠の中で記載されているんですけれども,これが「『紹介』窓口数×1+『取次』窓口数×3+『転送』窓口数×5……」と,いろいろ記載されているんですけれども,これが具体的にどのようなパターンがあるのか分かりにくいので,説明をいただけると有り難いんですけれども。 佐々木課長(事務取扱) では,情報提供課,佐々木から御説明いたします。   こちらは,法テラスにアクセスしていただいた方に関係機関を御紹介するときに,単なる電話番号ですとか住所をお教えするというのが「紹介」,「取次」というのが,関係機関のほうに,こういった方から連絡が来ていますといって取次書みたいなものをお渡しして,そちらからまた,関係機関のほうから利用者のほうに電話をいただくなり,それは利用者の希望によるんですけれども,そういった内容についても取り次ぐような形で御紹介をするというのが「取次」,「転送」というのは,これはコールセンターでしか現状行っていないんですけれども,電話でお問い合わせをいただいたときに,その電話をそのまま関係機関の窓口に転送をする,ワンストップ的に電話を回すということです。   こちらは関係機関のほうで受け入れるということと,あと御利用者が即時に回してもらうことに了解をするというのでしなければいけませんけれども,転送オーケーというのはそういった,実際に転送したというよりも転送を受け入れますという窓口数のことでございます。   「予約」といいますのは,法テラスの情報提供の窓口自体で,相談窓口の予約をとってしまえるというような形となります。   この指数が大きくなっているのは,1から8までになっているのは,予約までして差し上げるほうが,よりストレスのないより利用者サービスに資する連携の方法なのではないかということで指数を高くしています。窓口総数で割るというのは,そういった機関の総数で割るということですので,広く連携が広がるのはまず紹介からなんですけれども,そうすると窓口総数が増えると母数が増えて,指数が下がる関係というのが生じてくるというのがあります。   コールセンターでしか転送ができないですとか,そういったこともございまして,連携指数については,先ほど御説明申し上げましたとおり当初の目標,中期目標期間自体の目標はクリアしているんですけれども,年度途中の経過としましては若干低下をしているという状況となりました。 小林委員 ありがとうございます。   そうすると,これは実績というよりは窓口の数ということですか。 佐々木課長(事務取扱) そうですね。実際に紹介をした実績というよりは,関係機関のほうでうちは転送までオーケーですよ,法テラスのほうで予約をとっていただいていいですよというような窓口の数ということです。 小林委員 ありがとうございました。 山本委員長 よろしゅうございましょうか。まだあるいは御質問があるかもしれませんが,ちょっと時間が押していますので,恐縮ですが,もちろん後の項目との関係で御質問いただいても結構ですし,あるいは個別にまたセンターのほうに御質問等をいただく機会もあろうかと思いますので,恐縮ですが,次のブロックの御説明に入りたいと思います。   センターにおかれましては恐縮ですが,時間が押している関係がございますので,できるだけ御説明は重要な部分に集中した形で,あるいは繰り返しを避けていただくような形で,簡潔に御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。 石橋課長 それでは,犯罪被害者支援課関係の御説明をさせていただきます。   配布資料A−2,8ページ,項目13を御覧ください。中期計画では,(1)平均12以上の犯罪被害者支援関係機関・団体と連携・協力関係の構築,(2)連携指数の上昇,年度計画では犯罪被害者支援を行う機関・団体と連携・協力関係の構築・強化を図るとしております。   (1)については,各都道府県警察等が事務局となっている被害者支援連絡協議会に,同協議会が開催されていない1県を除く49地方事務所が加盟し,協議会やその構成員である機関・団体等が出席する会合において,犯罪被害者支援業務についての周知を図ったほか,実務担当者間で協議の場を設けるなどし,連携・協力関係の構築・強化に取り組んでまいりました。また,協議会等における連携強化にとどまらず,関係機関とともに啓発・広報活動を行うなど,更に緊密な連携・協力関係の構築に努めております。   また,(2)については利用者の負担が少なく,より緊密な連携方法である予約が,167から356に増加し,また,連携指数も上昇したことからA評価とさせていただきました。   9ページ,項目14を御覧ください。平成21年度年度計画では,契約弁護士獲得のために説明会を実施するとしております。被害者参加人のための国選弁護制度の円滑・適切な運用を図るために,各地方事務所において弁護士会主催の説明会に参加するなどして制度内容に関する説明を行い,積極的に契約弁護士の確保に努めた結果,制度施行当時1,547人から,本年4月1日現在で2,219名の契約弁護士の確保を着実に行えたということから,A評価とさせていただきました。   お戻りいただきまして8ページ,13項目でございます。この中期目標期間を通したこれらの取組により,利用者の利便性の向上となる連携指数は1.67から1.74に上昇し,また,契約弁護士の確保,増加も図られたことからA+評価とさせていただいております。   ページが大分飛びまして20ページ,項目31を御覧ください。年度計画では,窓口対応専門職員に犯罪被害者支援に精通している職員を配置する,窓口対応専門職員及び一般職員に対し研修を実施するとしております。窓口対応専門職員については,平成21年度において大都市圏にあり,問い合わせ件数が極めて多い全国10か所の地方事務所に配置をし,担当職員研修の資料や講義内容をおさめたDVDを活用するなどして研修を行い,犯罪被害者等に二次的被害を与えないよう,その心情に十分配慮した対応を行っております。   また,窓口対応専門職員が配置されていない曜日・時間帯,配置自体がされていない事務所においては,一般の窓口対応専門職員が犯罪被害者等からの問い合わせに対応しております。そこで,これらの職員への指導,フォローアップなど,犯罪被害者支援業務の中核をなす担当職員を対象に,業務研修や実務上の問題点等について意見交換会を行うなど,実践的な研修を実施してまいりました。これらの取組の結果,犯罪被害者支援業務の質の向上が図られ,犯罪被害者の心情に配慮しながらも,効率的な運営に努めながら適切に情報提供の実施に向けた体制の確保ができたことから,A評価とさせていただいております。   同じく20ページ,項目30でございます。中期目標期間を通し,全国的な意見交換会等で均質化を図りながら適切に情報提供の体制を構築・強化し,犯罪被害者支援業務の質の向上を図ってきたことからA評価とさせていただいております。   21ページ,項目32を御覧ください。中期計画及び年度計画では,犯罪被害者やその支援に携わる者の意見を聴取する機会を1回以上設けるとしております。平成21年度調査結果から,支援センターが犯罪被害者支援業務を行っていることや,犯罪被害者支援ダイヤルの認知率,また,支援センターから取次ぎ等を受けた利用者の数や,支援センターを紹介していただいた人数が前年度よりも更に増加しております。また,関係機関・団体からは,より緊密な連携関係を構築するための取組に期待しているという声が多く寄せられていることから,A評価といたしました。   同じく21ページ,項目31を御覧ください。中期目標期間を通して,関係機関・団体における支援センター業務に関する認知度・理解度及び相互の利用者紹介数などが着実に上昇し,支援センターへの要望や期待も具体化されてきたことから,A+評価とさせていただいております。   22ページ,項目33を御覧ください。中期計画及び年度計画では,犯罪被害者支援に精通している弁護士を確保するとしております。平成22年4月1日現在,精通弁護士名簿登録者数は,平成20年度が1,570名のところ,269名増加いたしまして1,839名となり,より多くの弁護士を紹介できる体制が築けたことからA評価とさせていただいております。なお,平成21年度の被害者支援に精通した弁護士の紹介実績は,前年度696件から898件に増加し,年間ベースで約29%の増加となっております。   同じく22ページ,項目32を御覧ください。中期目標期間を通して精通弁護士数を,平成18年度の1,185名から平成21年度の1,839名へと55%増加させ,併せて紹介実績も平成18年度,こちらは半年の実績でございますが,97人から平成21年度は898人と増加いたしましたことからA評価としております。   23ページ,項目34を御覧ください。中期計画では,資力に乏しい犯罪被害者への民事法律扶助制度の利用に関する適切かつ積極的な助言を徹底する。年度計画では,民事法律扶助制度や日弁連委託援助を利用できるよう,適切かつ積極的な情報提供等を行うとしております。民事法律扶助制度及び日弁連委託援助制度が,効率的に利用できるよう分かりやすいリーフレット等による周知など,積極的な情報提供に取り組んでおります。   また,コールセンターにおいても,被害者支援に精通した弁護士の紹介や民事法律扶助制度の利用希望を聴取したときには,その情報を取次依頼書に記載するなど統一した対応を行えるように配慮し,これを受けた地方事務所では弁護士を紹介するに当たり,その弁護士が民事法律扶助契約を締結しているか否かなど確認し,各種制度のスムーズな利用につながる弁護士に取り次ぐ体制を整えております。こうしたことからA評価といたしました。   同じく23ページ,項目35を御覧ください。平成21年度年度計画では,年度内に1回以上契約弁護士を対象とする研修を実施するとしております。各地方事務所において,業務解説書等の配布,制度運用状況に関する説明等の実施等に取り組んだことからA評価とさせていただきました。   同じく23ページ,項目33を御覧ください。中期目標期間を通して被害者参加等の各種制度に関するFAQや,リーフレットの作成や制度の徹底した周知など様々な方法による情報提供を積極的に行ったこと,また,犯罪被害者等による民事法律扶助等の援助制度の円滑な利用のため,コールセンター,地方事務所間の適切な連携・対応の構築の強化が図れたことなどから,A評価とさせていただきました。   犯罪被害者支援関係は以上でございます。 設楽課長 続きまして,民事法律扶助課のほうから御報告をさせていただきます。   民事法律扶助課では,まず総合法律支援の充実のための措置に関する目標を達成するためとるべき措置として,平成21年度,中期目標期間ともに項目9番のニーズ調査の項目がございます。こちらにつきましては,各年度計画に沿って随時,年度ごとにアジェンダどおりの調査・集計,そして,一般への配布の作業を終えまして,平成21年度中に次期中期目標期間の目標でございますけれども,新たな事業計画の策定に向けた検討を開始することができました。第1期中期目標期間に作成いたしましたアジェンダを若干前倒しで実行できたこと,また,質・量ともにそれなりに充実したものが得られたと評価をしておりますので,中期目標期間の評価はA+評価とさせていただきました。   それから次に,平成21年度項目では25番,中期目標期間項目では24番の,サービスの質の向上に関する項目でございます。被援助者からの申込みに対し迅速な援助を開始をすること,専門的知見を有する弁護士の選任などを通じて充実した援助を提供するということです。   各年度ごとの取組につきましては,申込みから援助開始に至るまでに,一番事務作業として時間がかかりますのが審査業務でございますことから審査業務の合理化を,毎年度前年度よりも更に進めるという形で中期目標期間を経過いたしました。この点,これまでの多人数の審査委員による合議制の審査を改めて,少人数,又は単一の審査員による審査というものを随時導入したこと,審査の開催頻度を増加させる,書面審査を活用する,更には専門審査委員制度を導入して合理化を図るなどの取組を年々行いまして,審査の合理化を図ったことによって相談待ち日数,それから,申込みから援助開始までの日数は,事業開始当時に比べていずれも援助件数の増加にかかわらず大幅に短縮いたしました。   この点,平成20年度と平成21年度の比較をいたしますと平成21年度は,援助件数が大幅に増加いたしましたために,平成20年度までの合理化の進捗状況に若干ブレーキがかかった状況ではございますけれども,それでもなお短縮を実現した事務所もあること,件数の増加にもかかわらず待ち日数をほぼ横ばいで維持したことから,年度別の評価もAとさせていただいております。   また,犯罪被害者に対する援助について若干御説明をいたしますが,相談援助,代理援助ともに平成20年度に比べて6倍近い件数の増加が認められておりますが,犯罪被害者援助に従事する精通弁護士で,かつ私ども法テラスと契約をしている弁護士は1,664名に達しました。これは,精通弁護士全体の9割を占める割合に至っておりまして,援助の提供の体制も充実してきましたことから,こちらも併せてA評価としております。   次に,平成21年度項目の26番,中期目標期間項目で25番,契約弁護士等に対する研修の項目でございます。こちらは,まず研修の実施によってサービスを提供する弁護士・司法書士が制度を熟知すること,これを中期目標期間前半は主に重点的に目標取組対象といたしまして,この点につきましては,各地方事務所でおおむね目標どおり,特に,新規に登録をした契約弁護士・司法書士に対する研修を行うということが常態化しております。   一方で,業務の中身,具体的な事件処理に関する研修は,わずかにスタッフ弁護士を対象にした研修では実施しておりますが,一般の弁護士・司法書士に対する業務研修というものはなかなか進捗をしておりません。ということで,平成21年度,中期目標期間ともにB評価としております。   次に,平成21年度の項目のみにございますが,項目26番で平成21年度追加的に措置された交付金に関しての御説明を,若干ここでさせていただきたいと思います。   平成21年度は,緊急経済対策経費としての追加的措置を受けまして,日弁連等の関係機関と連携・協力いたしまして,年末年越し「雇用と生活」全国一斉緊急相談会を実施するなど労働問題・多重債務問題等に関する問題の解決を図りました。   また,法テラスの広報と併せてこれら相談会等の実施案内などから,扶助による手続の遂行を求める多重債務者,あるいは失業者等の方からの援助申込みの増加に対して,できるだけ速やかに援助決定を行うということができたと思われます。   なお,事件数の増加につきましては,本日机上配布資料のBに一式がございます。Bの一番最初のページにとじてありますのが,平成20年度と平成21年度を比較した各地方事務所別援助件数の比較となっております。増加割合につきましては,全地方事務所の合計だけでなくて,一番下に全地方事務所の合計数が記載してありますが,各地方事務所ごとにどの程度の伸びであったかということが,各法律相談援助,代理援助,それから書類作成援助の項目ごとに前年度比の比率が記載してございます。   続きまして,財務内容の改善に関する事項として,平成21年度項目の39番,中期目標期間項目の37番,償還金収入の確保に関する項目でございます。平成21年度におきましては,それまでの検討結果等を踏まえ滞納者の属性に着目し,大きく初期滞納者,それから,長期滞納者というふうに分けて,それぞれに対して督促を強化ないしは新たに実施をいたしました。   初期滞納者に対する督促強化の取組では,前年度に比べてゆうちょ銀行を利用して償還を行う利用者からの収納率の向上が認められました。この点については,机上配布資料Bの2枚目,横表になっておりますけれども,平成18年度から平成21年度まで各年度の,郵便局への引き落とし依頼をいたしました対象者の中からどの程度の回収が行われたのかということを一覧にまとめてございます。この点,中期目標期間の業務実績報告書のほうには,年度ごとの償還額の推移のみを記載しておりまして,これは償還額全体のものでございますけれども,こちらの償還状況推移表は,その一部について,初期滞納者への督促強化の効果というものを比較検討いたしましたものでございます。   それから,平成21年度に新たに始めた取組といたしまして,長期未収納者に対して督促を行うということがございます。これにつきましては,今,御覧いただきました横表の次のページで,Cランク債権督促の現状(平成22年4月5日現在)というところに記載してございます。   これまで長期滞納者への督促は,各地方事務所の判断で直接電話をする,あるいは手紙を発出するなどの方法で行っておりましたが,必ずしも全国で統一して実施されていたものではございませんでした。これを本部のほうで一括して郵便督促という形にいたしまして,1年を通じて大体1人に対して3回程度の郵便を発出する形で督促を促すというものですけれども,これによって得られた結果は,回収部分のみならず死亡あるいは行方不明,あるいは免除等,一定の処理につながる結果が得られたと考えております。   以上,平成21年度におきましては,前年度に比べて一定の目に見える形での督促の取組と,それから,それに対する効果が得られたと考えておりますので,年度別の評価としてはAとさせていただきました。   しかしながら,中期目標期間全体を通じて考えますと,毎年取組状況としては一定の取組や検討は行うものの,効果としてあらわれているものが今回御報告したものということになりますので,全体としてはさらなる課題があろうかということも考えておりますので,第1期中期目標期間の全体としての評価はBとさせていただきました。   民事法律扶助課からは以上でございます。 松本課長 続きまして,国選弁護関連業務について御報告申し上げます。   机上配布資料A−2の6ページになりますが,項目10でございます。中期計画では,捜査・公判を通じて一貫して弁護活動を担う弁護士を確保することとしており,また,年度計画では,契約弁護士獲得のために,各地において弁護士会の協力を得て弁護士に対する説明会を実施するとしております。   前年度までと同様,平成21年度におきましても,支援センターは,各地方事務所において,弁護士会主催の説明会等に参加するなどして,国選弁護関連業務の内容,支援センターと一般契約弁護士との間の契約内容についての説明を行いました。平成21年5月の国選弁護人の事務に関する契約約款の改正の際にも解説書を配布しました。   平成21年5月に実施された裁判員裁判制度の施行及び被疑者国選弁護の対象事件の範囲の拡大という,大きな制度改正に対応するためにも,支援センターは,各地方事務所において,説明会の実施等を通じて一般国選弁護人契約弁護士の確保に努めており,全般的には契約者数は着実に増加しております。平成21年度における被疑者国選弁護事件の指名通知請求件数は,前年度と比較して約8倍へと大幅に増加しておりますが,特段の支障なく選任に至っております。   以上から,平成21年度及び第1期中期目標期間のいずれにつきましても,自己評価はA評価としております。   続きまして,14ページ,平成21年度の項目で言いますと21番,第1期中期目標期間の項目で言うと20番でございますが,ここに関しましては,中期計画では複数事件の包括的な委託の契約締結に努めることとしております。   また,年度計画では,一括契約について説明資料を作成し,弁護士に対する説明の際などに活用する,一括契約に基づく事件処理の実務運用について,関係機関との間で協議を行うなどとしております。   前年度までと同様,平成21年度におきましても,支援センターでは,国選弁護関連業務の解説書の改訂版を作成し,全国の一般契約弁護士等に配布したり,各地方事務所において対応する裁判所・弁護士会等との間で,一括契約に関する事件の配点方法について確認するなどしました。   なお,平成21年度におきましては,一括契約の対象となり得る即決事件の件数が減少した上,そのうちの被疑者段階からの継続事件が大幅に増加したことなどから一括契約に基づく報酬算定件数は減少しましたが,一括契約を締結した弁護士数は,第1期中期目標期間を通じて増加しております。   そこで,平成21年度及び第1期中期目標期間のいずれにつきましても,自己評価はA評価としております。   続きまして,18ページになりますが,平成21年度の項目28,第1期中期目標期間の項目27でございます。これにつきまして,中期計画では,地方事務所ごとに国選弁護人等の選任態勢に関する裁判所,検察庁,警察,弁護士会が参加する定期的な協議の場を1回以上設けることとしており,年度計画にも同様の事項を盛り込んでおります。   前年度までと同様,平成21年度におきましても,支援センターでは,国選弁護人,国選付添人とも,地方事務所において,これらの関係機関との協議を行いました。   したがいまして,平成21年度及び第1期中期目標期間のいずれにつきましても,自己評価はA評価としております。   続きまして,同じく18ページ,平成21年度の項目29,第1期中期目標期間の項目28でございます。中期計画では,裁判所からの指名通知要請を受けてから裁判所に候補を通知するまでの所要時間の短縮を図るために,地方事務所ごとに事件類型別の目標時間を設定することとしており,年度計画では,事業年度の当初において,このような目標時間を設定し,事業年度末において,その達成度合いを検証することとしております。   前年度までと同様,平成21年度におきましても,すべての地方事務所は,裁判所・弁護士会と協議の上,指名通知の目標時間を設定しており,被疑者国選,被告人国選及び国選付添人のいずれにつきましても,おおむね所定の目標時間内に国選弁護人及び国選付添人の指名通知に至っております。   したがいまして,平成21年度及び第1期中期目標期間のいずれにつきましても,自己評価はA評価としております。   最後になりますが,19ページ,平成21年度の項目30番,第1期中期目標期間の項目29番でございます。中期計画では,国選弁護人としての活動の充実を図る観点から,各地方事務所単位で各年度に1回以上国選弁護人契約弁護士を対象とする研修を実施することとし,年度計画でも同様の事項を盛り込んでおります。前年度までと同様,平成21年度におきましても,すべての地方事務所では,国選弁護の担い手の確保という観点から,解説書の配布や説明会の実施等の方法による研修を行い,契約弁護士の数は着実に増加しております。   また,平成21年度におきましては,国選弁護報酬の過大請求問題等の不祥事案件の発生を踏まえまして,同種事案の再発防止のための措置を講じておりますが,その旨を契約弁護士にも周知しております。加えて,一部の地方事務所では,弁護活動の内容により直接的にかかわる内容の研修も行っておりますが,ほかの多くの地方事務所も含めて,契約弁護士の職務の独立性に配慮しつつ,国選弁護活動の充実を図る観点から,更にどのような研修等を行い得るかにつきましては,なお工夫の余地があると考えられることから,平成21年度及び第1期中期目標期間のいずれにつきましても,自己評価はB評価としております。   国選弁護関連業務の関係では以上です。 新部部長 次に,受託業務について御説明いたします。   受託業務については,項目別評価表には盛り込まれておりませんが,業務実績について御説明します。   受託業務としては,日弁連委託援助事業と中国残留孤児援護基金委託援助業務の二つを行っています。   日弁連委託業務については,平成21年度1年間の総申込受理件数は1万8,164件でした。平成20年度の1年間の総申込受理件数は,1万8,816件と比較すると652件減少していますが,これは,平成21年5月の被疑者国選弁護制度の対象範囲が拡大したことに伴い,刑事被疑者弁護援助事業が減少したためです。当初予測したほど減少せず,他の援助件数は,すべて予測を上回って平成20年度より増加しております。当センターが業務を行うことにより,広く全国に同一のサービスを提供するという受託業務の目的は,着実に成果を上げてきております。   中国残留孤児援護基金委託援助業務については,平成20年度は10件の援助申込みがあり,平成21年度は5件の援助申込みがあり,そのすべてについて援助が開始されました。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,今,御説明をいただきました部分について,御質問がございましたらよろしくお願いいたします。 嶋津委員 頭の整理みたいな話なんですけれども,年度評価と中期目標期間に対する評価というので,中期目標期間の評価の場合にはA,B,C以外にA+を付けることができると,こういうことになっているわけですけれども,年度評価の積み上げで,その結果中期計画について評価するときに,何にポイントを置いてA+という評価をするとお考えになっているのか。   このA+の評価の項目のやり方を幾つか見ていると,例えば4ページのところで地方事務所の情報提供業務で言うと,計数的に非常にたくさんの情報提供ができたからといってA+になっている。それから,その次の5ページのところでは,民事法律扶助のニーズを反映させるための調査をして,その調査の結果を非常に活用できるような報告書ができたということでA+としているという,プラス評価をする基準が質的なものなのか,数値的なものなのか,それは両方なのかもしれませんけれども,私はどちらかというと質的なものよりも,この法テラスの設置目的なりそういうものに照らしてみて,非常に重要な項目についての評価についてA+を付けるというような考え方のほうがいいのではないかなと,ですから,余り形式的な感じで,数値的な目標が単純に多いからA+ですというような評価の仕方ではなくて,もう少し質的な面でA+を付けたほうがいいと私は思うんですけれども,そういう考え方が皆さん方が自己評価されるときに,それぞれの担当者の間で何か打ち合わせをして,こういうA+を付けようとかなんとかお互いに相談してやったのか,そうではなくて自分の縦割りでそれぞれ独立的にやったのかどうか,その辺のところを教えていただきたい。 山崎委員 全く同じ感想を持ったんですけれども,要は項目によって,例えば,常勤弁護士はB,それから,コールセンターではA+,大体分かるんですよね。まるっきり同じあれなんですけれども。一方で,この前遠藤委員から御指摘があったときに,量的なものをしないと非常に分からんという御指摘もあって,私はどちらかというと本当は正に嶋津委員が御指摘のとおり重要度とか,あるいは実質的なことで評価すべきだと思うんですけれども,一方でこの前からあるいは去年からずっとやっていまして,量的なことのほうが基準が分かるのではないかという指摘があって,今年は件数とか認知度の達成とか,いろいろ数字を出したという意味では非常に僕はいいと思うんですけれども,そのせめぎ合いがあると思うんで,相乗りしてしまって申し訳ない。今日のメーンテーマなものですから,一体どういうことで法テラス側としては評価を考えておられるのか。とりわけA+に対するお考えみたいなのがあれば,実はもうちょっと言いますと,民事法律扶助はA+からBまでいろいろまざっているんですよね。これはいろいろ確かに違う。教えていただければ,すみません。 田中事務局長 事務局長の田中でございます。   A+をどういう基準でつくるかということについては,御指摘のとおり,量的なところに着眼したものと,質的なところに着眼したものと双方まじっております。   今回の結論を出すに至る過程ですけれども,これについては,それぞれの担当の課でまず基本の原案を作成いたしました。それを全部資料として今日出席しているようなメンバーで共有いたしまして,それぞれ高いの,低いのというところについて若干の調整をしまして,総意としてこれでいいのではないかということで,今日資料として配布させていただいているという経過でございます。 山本委員長 よろしいでしょうか。 坂本委員 すみません,私も同じ働く人間として法テラスの皆さんが,大変な御努力をされているということを改めて感じております。   ただ,評価をする立場ですので,一言御質問をしたいんですけれども,今,嶋津委員が言われたことと私も同じなんですけれども,評価の仕方というのは,非常に法テラスというのは,一般国民とか一般消費者を対象にすることですから,非常に心とか相手の受取方とかというようなものに,すごく影響が出てくるのではないかなと思います。   佐々木さんの御説明がアンケートをとったときに4.3とかというようなアンケート結果が出たということですけれども,これは非常に高い評価だと思うんですけれども,そういうようなものについては,すごく高く評価してもいいのかなと思います。   それから,そういう視点を持って法テラスがよりサービス内容を充実させていくというところを,特に大きく見ていきたいなと思っておりますので,サービスの中身というのを評価するのはなかなか難しいんですけれども,アンケート結果だとか,それから,そういうものをよりたくさん出していただくと有り難いなと思いました。   そういう意味で,実は最後に質問したかったんですけれども,連携についてなんですけれども,連携をどんなふうに行っているのか,どういうプロセスでどんな機関と連携をしているのかということと,それから,地方協議会がかなり年に1回やって高く連携をやっているんだというふうな御説明があったんですけれども,その中身はどうなっているのかなというのがすごく知りたいなと思いました。   私も1回参加させていただいたんですけれども,ちょっと活気がないのかなという感じがしたんですね。この評価では,すごく高い評価をしているんだけれども,実際に参加してみた者としては,いま一つ連携の度合いが見えてこなかったんです。そこのところを後日御説明というか,資料を見せていただきたいと思いました。   それからもう1点が,評価しにくいものとして研修の中身というのが大きいと思うんです。研修は,知識を得ることと,それから相手を受け入れるというカウンセリング的な機能というんですか,そういうことの両輪だと思うんですけれども,カウンセリング的なところがどういうふうに研修プログラムの中に入っているのかというところも是非知りたいなと思いました。   言いたかったことは,法テラスというのは,最も国民に近いところで国民サービスの向上を図ることが目的なので事業をやったという実績とともに,その中身やっている職員相談員の姿勢によって満足度を計ることも大切だと感じております。よろしくお願いします。 谷戸課長 地方協議会の関係について,総務課のほうから一言御説明させていただきます。   実績報告書でも資料42のところに一覧表なども入れさせていただいているところでありますが,全体を幅広く,管内を幅広く集めて説明する機会,また,意見を聞く機会というふうなことで当初スタートしてきておりますが,だんだん進んでいく中で,むしろ例えば多重債務に絞って多重債務支援講座みたいな形でやったらどうかとか,あるいは,昨年労働問題などがかなり深刻になったときには,労働問題と生活の問題等々をセットでやったらどうかとか,言わばテーマ別の協議会を開催するとか,あるいは全県1か所だけですとなかなかスムーズにできないので,地域ごとに分けていって地域別の協議会を開催するとか,いろいろな工夫をすることにより,まして全体での協議会ではなかなか十分な議論にならないんだけれども,テーマ別あるいは地域別,課題別といったふうなときにはかなり突っ込んだ具体的な議論になって,それがまたきっかけとなっていろいろな活動が展開していくというふうな事例は,相当数作れていると考えております。   委員からも御指摘がございましたので,それらの資料につきましては,後日またもう少し分かりやすい形で御説明できるようにさせていただきたいと思います。 山本委員長 よろしいでしょうか。 坂本委員 私は,消費生活センターにいるので,私のセンターの立場でしか発言できないんですけれども,法テラスから消費生活センターに来られたというのが余り経験がないんですよね。法テラスができ上がる過程のときには,頻繁に連携をとっていたんですけれども,その後の連携というのが全くなくて,地方協議会の御案内をいただいたときも,何のために行くのかなとか,それがちょっと分からなくて,ただ参加するだけで行って傍聴者だったんです。   消費者センターがそういうふうな位置付けなのか,それとも例えば専門機関は建築関係の専門機関もありますし,様々なADR機関だとかいろいろなところがあって,いろいろなところに紹介しているんだろうと思うんですけれども,本当にパイプをつくっているのかなというのが,ちょっとうがった見方で申し訳ないんですけれども, 転送だとか取次ぎだとか予約とかというのはどことやっているんだろうかと,そういうふうなことをしっかりとパイプをつくっていくことがすごく大事なのかなと,だから地方協議会を開いて開催しましたからオーケーですというのではなくて,地道な小さいところと顔合わせというんですか,そういうのが本当に高い評価につながっていくような気がいたしました。 寺井理事長 私から一言。   坂本委員の御指摘は,まさしくそのとおりだと思っております。私も各地から呼ばれまして地方協議会に出席していますが,御指摘のように,1年に1回開催したということに甘んじている傾向を感じております。そして,日常的な関係機関との接触あるいは交流,そういったものの集大成になり得ていないのではないかという感じがして,委員御指摘のように活気がない,ちょっと時間がもったいないかなと思ってきている面がございます。   私は,そういう問題意識を持ちまして,今,局長や部長たちに,地方協議会を地方だけに任せず本部でもしっかりその持ち方を検討するよう指示しております。つまり地方の職員は小さい地方事務所では四,五人しかおりませんので,目先の日常業務に追われているという実情にございまして,人的な十分な体制もとり得ておりません。関係機関をくまなく回って中身を深めていくような交流をしているという実情にない地方事務所もあることはそのとおりでございます。   しかし,その中で工夫をしながら何とか地方協議会を成功させようと試みているところもありますので,そういう経験に学びながら,それを普遍化しながら,今年度これから地方協議会が開かれていくに当たって,面白くてためになって生き生きとしているようなものにしていきたいなと思っております。   具体的には担当の総務課長にも指示をいたしまして,過去の地方協議会の報告をきちんと分析しながら,本当に国民,市民にしっかりと根差した,そういう方々のお役に立てるような組織づくりをしていきたいと考えております。従って,今,委員が御指摘のような点を十分配慮しながら,今年度はその点について中身の上で取り組んでまいりたいと思っております。重要な問題なので理事長である私からも一言意見を述べさせていただきました。 山本委員長 ありがとうございました。   よろしいでしょうか。   先ほどのA+の問題は,実績評価に係る基本方針のところでも,委員の協議により,特にすぐれた業務実績を上げていると判断された場合には,A+と評価できるという規定振りになっておりますので,これは正に委員の協議によって決まっていくということです。   したがいまして,一応,法テラスは,法テラスの基準で付けられたのだろうと思いますけれども,8月の委員会でこれは全く初めてのことですので,かなり実質的な議論をしてA+を評価していくということになろうかと思いますので,各委員も,それぞれ個別に評価される際に,その点,十分な御配慮をいただければと存じます。 山崎委員 せっかく嶋津委員が御指摘いただいたんであれですけれども,各項目の重要度とおっしゃる意味が,例えば,常勤弁護士の問題とか広報活動とか被害者参加だとか法律扶助という,そういう項目ごとのことを言っておられるのか。むしろ,そうではなくて,例えば,国選弁護の中で法テラスとしてどういう点を重視して評価していると,そちらの意味ですかね。   委員長がおっしゃるとおり,そういうふうにするんですけれども,全体を見たときに,本当に重要度がないんだろうかというのが一つ,それから,各項目を見たときに,それぞれの主張があるのか,もし,その主張があるんだったら,サマリーを見れば分かるということになるのかもしれないけれども,同じお考えですかね。 嶋津委員 私は,別に深く考えたわけではないですけれども,先ほど量的というのと質的といった場合には,要するにポイントとして,対外的にこれを打ち出していこうという目的を持った評価である必要があるのではないかと思うんで,そういうような法テラスを設立して4年たって,これを対外的に強調したいなという点に絞って評価をしたほうが効果的ではないかなと,単純に回数が多いとかそういうことを言っても,国民の目から見て何でそうなんだということですから,そういうふうに考えましたけれども。 山崎委員 それを法テラスのほうから意見を聞く必要はないと,我々が考えればいいというお考えですかね。例えば,評価される側としてはこれが売りだと思っていたけれども,我々の評価するほうはそうではないという,ずれがあってもいかんのかなという気もしないでもないんですけれども,その辺のお考えはどうですか。 嶋津委員 それは,両方ではないかと思います。それは,法テラスのお考えも重要だと思います。 遠藤委員 質と量のことがあるんですけれども,ここに書かれているのはどちらかというと量的な記載が多いわけですし,なかなか質も記載をするというのは非常に難しいと思うんですよね。   例えば,常勤弁護士の場合なんかそうなんですけれども,では,結果として200人が300人になったらA+なのかというと,実際そうではないんですよね。常勤の弁護士もそうですし,それから,では,常勤の方の質的構成ですよね。どういう方がどういうふうなバランスでいたのが最も法テラスのサービス業務をするに当たって一番いいのかということを,やはりこれは4年間来ているわけですから,そうするとある程度それぞれつかめると思うんですよね。   そうすると,私は,別に300人いなくても250人いなくても,200人でもその質的構成がきちんとしていればこれは十分対応できるんだと,では,その質的構成は何なのかというと,これは,結局,法テラスが実際に業務をおやりになっているプロなんですよね。つまり,実績として200人いるから,これだからA+だとか非常に質がいいんだというのではないんですよね。あくまで,それぞれサービス業務をおやりになっている,その質において,では,実際どうなのかと,そこのところの記述をどういうふうに法テラスとしてはしていくのか,やはり,そこがA+を付けていくポイントだろうと思うんです。   何も,量的にプラスになったからとか,あるいは,外部のアンケートの判定が5だから,4だとかではないんですよね。あくまでも,法テラスとしてサービス提供されたフロー,流れが,実際にそれだけのユーザーに対して十分な満足度を与えているのかどうかと,この評価なんですよね。それでこそ,初めて質的評価ができると思いますから,したがって,法テラスで実際に記載されるとき,やはり,そういうところに着眼されて記載をされるということだと思うんですよ。 吉川委員 簡単に申し上げます。   今の点は,私もずっと意識していろいろ読ませていただいておったんですけれども,一つには,これは我々のほうの目標のつくり方自体にも問題があるんですよね。何とかを1回実施することなんていう目標があるものだから,1回実施したと書けばそれでAになってしまうという,そういうふうにもとられかねないわけで,先ほど来問題になっておりますように関係機関との協議なんていうのも,ただ1回実施すればいいのではなくてその中身が本当は問題なんで,それをどうやって評価委員会の評価に反映していくかというのは,恐らくこれは第2期中期目標期間になってからの問題なのかもしれませんが,我々も心しなければいけないなと,今お聞きしながら思っておりました。   一言だけ申し上げます。 山本委員長 ありがとうございます。 小林委員 今,遠藤委員がおっしゃったような,あるいは吉川委員が,中身の話が大事だということを随分おっしゃっていて,私も大分初めのころからそれは意識しておりましたけれども,ただ中身をつくっていく上で数というのはとても大事ですので,両方ともやはり忘れないようにということを,皆さんに意見としてお出ししたいと思います。 山本委員長 ありがとうございました。   どうぞ,理事長。 寺井理事長 今,評価委員の先生方の御意見をお聞きしながら,私は,4年間ずっとこの仕事に携わってきましたが,本当にこれからの第2期中期目標,中期計画の中では,中身にきちっとコミットして方向性を出す必要があるだろうと感じております。   この第1期は,法律で定められた五つの本来業務と受託業務を,精いっぱいやり遂げていくということで日夜追われてきたんですけれども,第2期になりましたら情報提供は何をもってプラスかマイナスかの基準にするのか,扶助の場合はどうなのか,国選弁護はどうなのか,スタッフはどうなのか,犯罪被害者はどうかということを,きちっと目標を決めながら,これまでの4年間の経験,実績を踏まえながら,何らかの仮説でもいいから出していく時期に来ているのではないかと思っています。   今,遠藤委員が御指摘の常勤弁護士,スタッフ弁護士でございますが,もともとのスタートは,これをジュディケアの一般の弁護士さんだけではできない部分をカバーしていくと,いわゆる補完的な意味合いでつくられたといういきさつはございますものの,頑張ってやっていただいた1期生,2期生の中では地域とのネットワーク,これを様々な工夫を凝らしながらつくっております。   スタッフ弁護士が公的な弁護士であるということから信頼性もあるものですから,この少なくない方々が今までのいわゆる一般の弁護士には見られなかった,一つの事件を通して関係機関とネットワークをつくっていく,そして,総合的にフォローしていく,そういった役割ができる可能性を,私たちに教え続けております。スタッフ弁護士が一体今後どういう方向へ行くのか,目標として300に到達するかしないかというだけが指標ではなくて,どんな中身でスタッフ弁護士をしっかりと私たちが見ていけばいいのか,そういった時期に来ているのではないか,恐らくほかの業務についてもそう言えるものと思います。   例えば国選弁護も,単に指名通知すればいいというだけではなくて,もっと質を上げなさいということを皆さんから指摘されました。私もそのことを自覚して申し上げますと,弁護士会のほうは,「いや,質を上げるのは弁護士会の役割なので法テラスがやるといろいろ問題が起こる」,つまり国家機関による弁護活動に対する介入という問題もあると反論されて,なかなか頭を痛めているところでございます。ただ,私どもに来る様々な批判や御意見を見るとやはりそのことを指摘せざるを得ない。民事法律扶助のサービスについてもそうであります。   ですから,形式に流れないで,自主的に,一つ一つの業務を見ていく指標といいますか,基準といいますか,そういったものを評価委員の先生方のお力をかりながら取り組んでいきたいと考えておりますので,今後ともよろしく御指導のほどお願いしたいと思います。 山本委員長 是非そういう方向で支援センターと当委員会もそのような方向で議論していければと思います。   それでは,今のところで,ほかの御質問等はございますでしょうか。よろしいですか。   よろしければ,ちょっと時間が長くなりましたので,ここで10分程度休憩をとって,それから最後のブロックに入りたいと思います。5時10分まで休憩にしたいと思います。 (休     憩) 山本委員長 それでは,ちょっと時間前ですが,皆さんお集まりですので再開をさせていただければと思います。   それでは,最後のブロックですが,まず支援センターのほうから,御説明をお願いいたします。 坪倉課長 人事課から,人事に関する計画について御報告いたします。   資料は,最後の27ページ,項目43でございます。平成21年度につきましては,常勤弁護士のほか,常勤職員につきましても,司法過疎地域における地域事務所開設その他の業務拡大に伴い,計画的に職員の採用を行って人的体制の整備を図るとともに,適切な人事管理を図るため,事務局長クラスを始めとした大規模な人事異動を策定いたしました。   中期目標期間につきましては,今申し上げたように,人的体制の整備を図ったほか,職員に対する各種業務研修を実施して人材の育成にも努めてまいりました。   このほか,職員の給与体系についても,国家公務員の給与構造改革に準じた給与規程を策定し,人事評価システムと併せまして,業務開始当初から適正な人事管理,人件費管理に努めているところです。   ちなみに,平成21年度における国家公務員との給与水準の比較指数は83.1ポイントとなっており,業務を開始した平成18年以降ほぼ横ばいで推移しております。 茂木課長 続きまして,財務課でございます。   机上配布資料のA−2の後ろから2枚目に26ページになりますが,項目41というのがございます。予算と収支計画及び資金計画というところでございます。評価の指標は,予算等の実施状況でございまして,予算等の実施状況が適切であったかどうかということを見ていただくものと思っております。   平成21年度につきましては,民事法律扶助の利用者が増加したことで,補正予算において民事法律扶助の事業経費として25億円が追加計上されております。   机上配布資料のCというところに,平成21年度の予算と決算とその差額についての一覧表というのを添付しております。民事法律扶助事業経費については,補正予算額を含めた予算額についてすべて事業経費として執行しているというところでございます。   その他の経費につきましても,予定された事業について,全体の予算額の範囲内で効率的に執行しております。例えば,システム調達等につきましては,入札に付すなど競争的な調達をしておりますし,机上配布資料にありますように,既存の契約内容なども適宜見直しておりまして,例えば,携帯電話の利用料金なども,プランなどを見直して経費節減を図っており,一般管理費の節減を図っております。   それから,中期目標期間の分につきましては,4年間の収入額と支出額,この推移も机上配布資料のCの一番最後に一覧表として添付させていただいております。これを見ますと,収入と支出,このいずれにおいても4年間の決算額,これは予算額を下回っております。   これを4年間の予算の執行の観点から見ますと,法テラスの設立から4年間の体制整備の期間におきまして,自己収入額が予算設定額に届かない中で,必要な人的・物的体制の整備や,扶助事業を初めとする各種事業の実施を軌道に乗せるための必要な支出を行いつつ,その支出額において一般管理費の節減とかシステム調達等,各種契約における競争化,契約内容の見直しといったことによる経費節減を図った結果と考えております。   このうち,4年間の支出におきまして決算額が予算を下回っている大きな原因,一番の主たる原因は,常勤弁護士の採用数が予算想定数に届かないための人件費の余りが発生したことなどによるものでございます。   他方,決算額が予算の執行を超過しているという部分では,平成21年度の「その他事業費」がございます。これは業者に対するコールセンターの運営委託経費やシステムの調達経費であり,こういった必要性はあるものの必ずしも予算措置がされなかった部分について執行額が予算を超過しているという部分でございます。そういった超過額の執行についても効率的な支出を図りまして,その結果,全体の執行額は予算全体の範囲内におさめているというものでございます。   以上の状況に照らしまして,中期計画予算の執行状況に対する自己評価としましては,平成21年度,中期目標期間,いずれについても適切であったものとしてA評価とさせていただいております。   それから,A−2の資料の最後の27ページでございますが,施設・設備に関する計画というのが,一番最後のページの一番上のほうに(1)にございます。ここは,平成21年度の裁判員裁判の開始あるいは被疑者国選の範囲の大幅拡大に向けて,施設・設備を適切に整備したかどうかというところでございますが,平成21年度の被疑者国選の対象範囲の大幅拡大等に伴います事務量の増大を踏まえまして,それに対応できる施設や設備の整備を図るために,各年度,常勤弁護士や職員の配置数,あるいは業務を円滑かつ効率的に行うためのレイアウトなどを考慮いたしまして,事務所の新設,それから,既存事務所の借り増しや改修などを実施しております。実施数等は,そこの一覧表,業務実績報告書に書いてあるとおりでございまして,これについても,平成21年度,中期目標期間,いずれも自己評価としては,Aと評価しているところでございます。 千葉課長 それでは,会計課から財務諸表等につきまして御説明させていただきます。   財務諸表につきまして,まず構成でございますが,法人単位のもの,そして,区分経理された一般勘定と国選弁護人確保勘定の3種類から成っております。概要説明に当たりましては,法人単位のものを前提に,また,その内容につきましては,配付資料目録にございます資料3−2,事業報告書に記載されておりますので,これを中心に御説明させていただきたいと思います。   全体といたしましては,平成21年度被疑者国選の拡大,民事法律扶助事業の拡大による影響が見てとれる結果となっております。   まず,財務諸表の最初,貸借対照表でございますが,資産の部に計上されております平成21年度末の合計額は約189億となっておりまして,前年度末との比較では,約33億の増加,この増加の主な要因は現・預金が約25億,それから,民事法律扶助の立替金が約32億増加したことによるものです。   これに対応いたします負債の合計でございますが,173億となっておりまして,これも前年度との比較では約20億ほど増加しております。この増加の要因は,未払金が約27億ございまして,この未払金の中でも国選拡大による国選弁護報酬,それから,民事法律扶助の立替金の未払金の増加が主な要因となっております。さらに,今年度は,年度ごとに精算をされます国選委託費の返還金が,3月末時点では未払になっていることも影響しております。なお,この国選委託費の返還は,4月中には完了しております。   続きまして,損益計算書にまいりますが,損益計算書に係る経常費用でございますが,平成21年度の費用合計は約280億でございまして,前年度末との比較では約76億の増加になっております。この費用の主な増加要因は,前年度末との比較におきまして,国選拡大による国選弁護報酬の増加分が約43億,法律扶助立替金の増加に伴う貸倒引当金繰入額が約18億増加したことによります。   これに対応いたします経常収益でございますけれども,約293億となっておりまして,これも前年度末との比較におきましては,約89億の増加となっております。政府受託収益が約43億,運営費交付金収益が約24億増加したこと,それから,民事法律扶助事業の援助件数の増加に伴いまして,民事法律扶助事業収益が約2億増加したこと等によることが主な増加要因となっております。この結果,経常損益の当期総利益につきましては約12億8,000万となっておりまして,これは先日積立金の繰越しに関しまして御説明申し上げました金額のとおりでございます。   次に,キャッシュ・フロー計算書のほうでございますが,業務活動によりますキャッシュ・フローは約34億となっておりまして,前年度末との比較では全体で24億の増加になっております。この主な要因といたしましては,国選拡大による政府受託収入が62億,民事法律扶助業務に係る償還金等による収入が14億,運営費交付金による収入が25億,それぞれ増加いたしました一方,支出では民事法律扶助立替金の支出が30億,契約弁護士等報酬の支出が37億増加したということが,全体のお金の流れを増加させた大きな要因となっております。   また,投資活動によるキャッシュ・フローの部分におきましては,マイナス4億3,000万となっておりますが,前年度との比較では約9,800万支出が増加しております。これは,執務体制整備のために要しましたソフトウェアの無形固定資産の取得による支出が,9,900万増加した影響となっております。   また,財務活動によるキャッシュ・フローでございますが,マイナス2億1,600万となっておりまして,これは職員増と業務の拡大に伴うコンピューター端末等のリース契約が増えたことによりまして,リース債務の返済による支出が前年度より増加した結果となっております。   最後に,行政サービス実施コスト計算書ですが,平成21年度末におきまして国民負担となる金額は約126億1,800万となっておりまして,前年度との比較では31億8,000万ほど増加となっております。これは,やはり国選,民事とも契約弁護士等の報酬増加により損益計算書上の費用が,前年度比で76億増加したことが主な要因となっております。   会計課からは,以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,ただいまの御説明の部分につきまして御質問等をいただければと存じます。 遠藤委員 これはお願いなんですけれども,中期目標期間の業務実績報告書の41ページに,5番目として予算(人件費の見積りを含む),収支計画及び資金計画というのがあるわけですけれども,ここは別紙のとおりであるとあるんですけれども,やはりこの4年間におけるいわゆる主要な項目,あるいは特記すべき事項の概要を,やはりここに書いていただいたほうが,別紙にある数字だけを見て判断しろというよりも親切ではないかと思いますんで,その辺のところは考慮していただきたいということ。   それから,別紙にございます全体の予算だとかいろいろあるんですけれども,是非一つ付け加えていただきたいのが,設立時の貸借対照表,それから,平成22年3月末時点の貸借対照表,比較を一つ入れてほしいんですよね。つまり,設立時には,どういうふうな貸借対照表の状況,つまり,これは法テラスができる開始のバランスなんです。それが,4年後にどういうふうに変化しているかということです。それがやはり必要だと思いますんで,この比較,貸借対照表をできましたら別紙に添付していただければと思います。というのは,これは財務諸表では既に貸借対照表をおつくりになっていますんで,したがって,ここに付け加えることについては,特に手間は要らないのではないかと思いますんで,これは是非お願いしたいと思います。 山本委員長 よろしゅうございますか。 千葉課長 はい,了解いたしました。 山本委員長 それでは,ほかにいかがですか。特段ございませんでしょうか,この場では。   それでは,もし追加的なことがございますれば個別に,事務局を通して支援センターのほうにまた御質問,あるいは資料の提出等をお求めいただくということも可能ですので,本日のヒアリングにつきましては,これで終了させていただくということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,本日の会議はこの程度にさせていただければと思います。   事務局のほうから何かありましたらお願いいたします。 山﨑官房付 議事録の作成についてでございますが,従前と同様,事務局におきまして原案を作成の上,御出席の委員に内容を御確認いただき,委員長に全体を御確認いただいて公表するという手順を考えております。それで進めさせていただきますが,よろしゅうございますでしょうか。 (各委員了承) 山﨑官房付 それでは,そのように進めさせていただきます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,以上をもちまして第22回の評価委員会を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。 −了−