日本司法支援センター評価委員会 第23回会議 議事録 第1 日 時  平成22年8月9日(月)  自 午後1時34分                       至 午後6時58分 第2 場 所  最高検察庁大会議室(中央合同庁舎6号館A棟20階) 第3 議 題  (1)日本司法支援センターの業務実績評価(平成21年度及び第1期中期目標期間)  (2)法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について  (3)退職理事の業績勘案率の決定 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 山本委員長 それでは,ただいまから日本司法支援センター評価委員会の第23回の会議を開催いたしたいと思います。   委員の皆様におかれましては,本日は御多忙のところ,また夏休みの最中でありますにもかかわらず御参集を頂きまして,誠にありがとうございます。   本日は,井野委員及び髙部委員が御欠席であります。嶋津委員は遅れられておりますが,間もなく御到着のことと思いますので,委員8名の御出席を頂いております。   総合法律支援法施行令に規定する定足数は過半数ということでありますが,それを満たしているということを御確認いただければと存じます。   それでは,本日の会議の開催の趣旨でございますが,主な議題は3点であります。   議事次第を御覧いただきますと,第1に日本司法支援センターの業務実績評価,平成21年度及び第1期中期目標期間の業績評価ということであります。第2に法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見についてということ。そして,第3が退職理事の業績勘案率の決定ということで,平成22年4月に退職した岩瀬徹前理事の退職金に係る業績勘案率の算定ということでございます。 (嶋津委員入室) 山本委員長 中心的なテーマは第1の議題ということになりますけれども,この点につきましては,前回の会議で支援センターから御説明を受けて,質疑応答をしたところでございますけれども,その後,総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が明らかにしている二次評価における関心事項の内容にかんがみますと,契約の適正確保の状況等,もう少し詳しく支援センターの方から御説明を受けて,当委員会としても審議しておくべきと思われる事項もございますので,本日は,まずこれらの事項につきまして支援センターの担当者の方から追加的な説明を頂いた上で,委員の皆様からの御意見,御指摘をちょうだいしたいと思っております。その後で,委員の間で項目別評価及び総合評価について意見交換を行って,当評価委員会としての結論を取りまとめていきたいと考えておりますが,進行につきましてはそのようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。   それでは,最初に事務局の方から資料の御説明をお願いいたします。 山﨑参事官 事務局の山﨑でございます。配布資料について御説明いたします。   配布資料目録と書かれました1枚紙が付いているものが配布資料でございます。その他は机上配布資料ということで御参考に付けております。   配布資料でございますが,資料1-1は事務局作成によります平成21年度及び第1期中期目標期間に係る項目別評価表の取りまとめ案です。今回の会議で評価とその評価の理由を正式に決定していただきましたら,最終的には,資料1-4あるいは資料1-5の書式に整えて政独委に提出するということになります。次に資料1-2,資料1-3でございますが,これはそれぞれ,平成21年度及び第1期中期目標期間に係る事務局作成の総合評価表の案でございます。次に資料2でございますが,これは支援センターの契約点検結果についての監事の意見書,そして資料3は退職理事の業績勘案率算定の計算式に関する資料です。   次に,机上配布資料について御説明いたします。机上配布資料A-1とA-2は,政独委が示しました独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点に関する資料,A-3は,これらに対して支援センターが作成した説明用の資料でございます。次に,資料Bでございますが,これは,当評価委員会において以前決定されました業務実績評価の方針についての資料。そして,資料C-1は委員の項目別評価の分布をまとめた資料,C-2とC-3はそれぞれ,平成21年度業務実績評価,第1期中期目標期間業務実績評価に関して項目ごとに委員の評価理由をまとめた資料でございます。次に,資料Dでございますが,各委員からの御質問とそれに対する支援センターの回答を整理した資料です。次に,資料E-1は,今般の評価に係ります支援センターの実績と自己評価をまとめた資料,資料E-2は,過去3年分の年度別の項目別評価をまとめた資料でございます。次に,資料F-1からF-7でございますが,これは業務実績報告書及び財務諸表関係の書類でございます。そして,資料G-1からG-6は業績勘案率算定のための資料でございます。   以上が番号を振っている資料でございますが,番号を振っていない資料といたしまして,議論の際の便宜のために,お手元に進行予定表をお配りしております。異論の少なかった項目と議論を要する項目とを区別いたしまして議事進行順に並べております。また,項目別評価の分布表に各委員の評価を色付けして示したもの,これも個別にお配りしておりますので,適宜御参照いただきたいと思います。   資料の説明は以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,議事に入りたいと思います。   まず,議題第1の日本司法支援センターの業務実績評価についてでございますけれども,この点につきましては先ほども御説明をいたしましたとおり,まず支援センターの方から追加的な御説明を頂きたいと思いますが,前提としまして,机上配布資料のA-1及びA-2を御覧いただければと思います。これは先ほど御説明がありましたとおり,政独委の評価方針あるいは関心事項というものがここに記載されているところでございます。当然,当委員会評価といたしましてもこれらに留意して評価を行うことが求められているということでありますけれども,この中には,各委員において,言わば心構えとして留意しておいていただければ足りると思われる項目もありますし,また,支援センターとは必ずしも直接関係のない項目もありますけれども,他方で,支援センターからより詳しい御説明を頂かないと現状の把握及び適否の評価が困難な項目も幾つかございます。   そこで,本日はまずこのような項目につきまして支援センターの方から追加的な御説明を頂き,御審議を頂きたいというふうに考えておる次第でございます。   それでは,支援センターの方から御説明をお願いいたします。 坂田部長 総務部長を拝命しております坂田でございます。私の方から,机上配布資料のA-1とA-2の各文書におきまして,政独委の方から指摘されています項目に関しまして,当センターの取組状況等を御説明申し上げます。   詳細につきましては,机上配布資料A-3として取りまとめております。本日はこの内容を口頭でかいつまんで御説明申し上げますので,適宜,A-3を御参照いただきながら聞いていただければと存じます。   まず,A-3の1ページ,評価の視点の第2の2,財務状況についてですが,当期総利益は12.8億円であり,その主な発生要因としましては,償還金等の収入の増加が3.8億円,入札開差,超過勤務縮減等による経費の節減が7.2億円,常勤弁護士受任事件の未収金の収益化等による損益計算上の収益増が1.65億円となっており,収入の増及び経費節減が主な要因でございます。したがって,これらは,例えば必要なものが執行されなかったたために生じたというようなものではございません。   次に,A-3の1ページでございますが,評価の視点の第2の3,保有資産の管理等についてでございます。実物資産につきましては,電話機,パソコン,事務所の間仕切り等,余剰や無駄が生じないよう,すべて有効活用しておるところでございます。また,事務所や宿舎はいずれも賃借物件でありますが,一定の面積基準等に従って調達しており,不用となれば速やかに解約するなど適切な管理・運用に努めております。   また,金融資産につきましては,昨年度,民事法律扶助事業による立替金債権の管理について御指摘を頂きましたが,初期滞納債権及び長期滞納債権につきまして,それぞれ回収計画を策定いたしまして回収を実施いたしましたところ,初期滞納債権については一定の効果を上げているところでございます。さらに,はがきでの督促に電話による生活状況の把握,入金案内等を組み合わせまして,長期滞納債権化を防止する措置に取り組んでまいる所存です。   長期滞納債権につきましては,昨年度の結果を踏まえ,本年度からは書面督促に併せて電話督促を実施するとともに,法的手続も含めた措置の適否につきまして,引き続き検討してまいりたいと考えております。   続いて,A-3の6ページでございますが,評価の視点の第2の4,人件費管理についてであります。当センター職員の給与水準は国家公務員のそれを下回っておりますこと,レクリエーション経費や福利厚生費の支出は国の取扱いに準じたものとなっておりますことから,特段の問題はないものと認識いたしているところでございます。   続きまして,A-3の8ページでございますが,評価の視点の第2の5,契約についてでございます。契約に係る規程類の整備に関しましては,国と同様の基準となるような会計規則及び契約事務取扱細則を定めておりまして,これら規定に従った事務処理を行っております。契約手続につきましては,一般競争入札等の競争的手法を原則とし,小額随契でありましても見積り合わせ等により,より安価な金額で契約して経費の節減を図っております。   平成21年度の契約状況の詳細につきましては,業務実績報告書添付の別紙4に記載のとおりでございます。   なお,昨年度,政独委から指摘がありました2点のうち,1点目の再委託の把握措置につきましては,仕様書及び契約書のひな型を変更することによりまして対応済みです。   また,2点目の複数年契約に関する規程の整備につきましては,現在,会計規程の改正手続中でございます。8月末までには改正される予定でございます。   それから,一者入札に関する取組につきましては,今般,これは資料A-3の15ページに書いてございますが,改善方策をホームページに掲載したところでございます。   最後に,資料A-3の16ページ以下でございますが,評価の視点の第2の6,内部統制につきましてでございます。当センターにおきましては,総合法律支援法に定められた目的を達成すべく,中期計画及び年度計画に基づき業務を遂行しており,理事長のリーダーシップのもと,執行部会等を定例的に開催し,中期計画等の具体化を図るとともに,その進捗状況を確認するなどして事業を遂行しております。   また,事業が法令に基づき効果的に進められていることを確認するため,内部監査,監事監査等を実施いたしまして,職務の遂行に当たり国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り,当センターに対する国民の信頼を得るための取組を実施しているところでございます。   私からの説明は以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは審議に入りたいと思いますけれども,ただいまの御報告にありましたように,大きくは六つぐらいの項目に分かれていたと思いますが,資料A-3の項目に応じて,まずA-3の1ページの2,財務状況についてという部分について,何か御意見,御質問のある委員の方はおられますでしょうか。 遠藤委員 これは間違いなんですけれども,2の1の,当期損失ではなくて当期利益ですから,これは直していただく必要があると思います。 山本委員長 いかがでしょうか。1の題目,「当期総損失の発生原因」等ということになっているのは,当期総利益ではないかという御意見かと思いますが。 坂田部長 承知しました。 山本委員長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。 知久委員 今御説明いただいた財務状況のところの中程に,損益計算上の収益増加分として,常勤弁護士受任事件の未収金の収益が1.5億円とございます。個々の地方事務所にたくさんの弁護士さんがいらっしゃると思うのですけれども,これは以前に質問したときには,補正予算の要求をされたときには分かっていなかったものだというような御説明だったと思います。毎月々,あるいは数か月に1回,スタッフ弁護士からの業務報告などの把握というのは,現状法テラスとしては,できていないのでしょうか。そのために未収金という形になっているのではないかと思うのですが,実情を御説明いただけますでしょうか。 坂田部長 常勤弁護士が処理した事件に関する収益化措置でございますが,まず最初にお客様等から,例えば有償事件の場合ですが,利用者の方から着手金等のお金を頂いた。それを頂いた段階では,飽くまで預り金という処理をしておる。それが,事件が終結し処理が終わりました,事件が終結しましたよという段階で売上げとして計上する,収益化するという措置をするところでございます。   そこで,スタッフ弁護士に対しましては,事件処理が終結したという段階で,地方事務所の方にきちんと御報告を頂いて会計の処理をしていく,速やかにしていくというような形でやるようにという指示はしているところでございますが,なかなかそれが徹底しておりませんで遅れがちになってしまったり,返すべきお金を返して,お客様に対する清算はするのですが,残った分を収益だということで別の預金口座に移すとか,あるいはきちんと地方事務所の方に報告していただくというところが若干遅れがちになって,年度末にまとめて会計処理をするというような実情があるところでございます。そのために,期中における正確な収支の見込みを立てることがなかなか困難になっていたと。今回も補正予算を要求させていただいた後にそういったような事情が生じてしまって,狂いが生じたということがございます。   そういう実情にかんがみまして,今後はそこのところをきちんと,事件が終結されたら直ちに処理が行われるように徹底いたしたいと存じますし,また,月次の決算あるいは四半期ごとの決算,そういったものをきちんと行っていく,それを更に監視するといいますか,チェックするような体制も強化いたしまして,期中において正確な収支の見込み,見通しを立てることができるように,今年度からは努めていく所存でございます。 山本委員長 ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは,続きまして項目3,保有資産の管理・運用等についてという部分ですが,この部分について御意見,御質問等はございますでしょうか。この部分は,償還金の管理等については後の評価のところでも問題になる事柄かと思いますが,この段階では特によろしゅうございましょうか。   それでは,続きまして4の人件費管理という部分ですが,いかがでしょうか。6ページ以下ですね。余り問題はないという御報告であったかと思いますが,よろしいでしょうか。   では,続きまして8ページ以下の5,契約についてという部分はいかがでしょうか。これも随意契約の問題等,後の評価とも関係するところですが,この段階ではよろしゅうございますか。ありがとうございます。   それでは,最後,6の内部統制についてという16ページの部分ですが,これにつきましてはいかがでしょうか。特段の御意見,御質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは,政独委の評価方針,関心事項に関連する追加的な御説明につきましては,今,幾つかの御意見を頂いたかと思いますけれども,センターの方からもそれを踏まえての業務運営の改善のお話もあったかと思いますので,とりあえずこの段階では,今の御説明について,当評価委員会として了承したということにさせていただきたいと思いますが,よろしいでしょうか 。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   御審議いただいた内容につきましては,議事要旨としてまとめて,この後御審議を頂く項目別評価表あるいは総合評価表とともに政独委の方に提出することにしたいと考えておりますが,その際の細かな表現振り等につきましては,私と事務局の方に御一任いただくということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それではそのようにさせていただきたいと思います。   それでは,支援センターから御出席を頂いている方々におかれましては,ここで御退席を頂いて結構です。どうもありがとうございました。 (日本司法支援センター関係者退席) 山本委員長 それでは次に,本日の中心的な議題である項目別評価表に記載する評価と評価理由についての議事を進めたいと思います。   本年は例年と異なって,平成21年度の業務実績評価に加えて,第1期中期目標期間の業務実績評価の双方を行うことになるわけです。   そこで,進行に関しまして,平成21年度の評価をざっとやって,それから中期目標期間をざっとやるということも考えられるわけですけれども,恐らくは個々の項目ごとに,平成21年度分の評価と中期目標期間分の評価を併せて行っていただくというほうが,審議としてはより効率的なのではないかと考えます。したがって,例えば項目1の総合法律支援の充実のための措置に関する総括という部分について,平成21年度分と中期目標期間分を併せて行って,それが終わった後,続けて項目2以降を順次,やはり平成21年度分と中期目標期間分を併せて行っていくというような形で進行したいと思いますが,そういうことでよろしいでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。   そうであるとすれば,審議の際には,先ほど御説明があった資料1-1が平成21年度の評価と中期目標期間の評価を項目別に横に並べて見やすい表にしていただいておりますので,これに基づいて審議を進めていくことになろうかと思います。この項目で言えば,真ん中あたりにある平成21年度の評価,A,B,Cが記載されているような部分,結論部分ですね,それと評価理由(案)と書かれている部分,それから中期目標についても同じく,A,B,Cの評価が記載されている部分と評価理由が記載されている部分,これらを当委員会で決定していくということが中心になろうかと思います。   なお,支援センターの方には,今,御退室いただきましたけれども,別室で待機をお願いしていますので,審議の途中で質問等があるような場合には,担当者を呼び入れて質問ができるという体制もとっておりますので,御承知おきをいただければと存じます。   それで,そういう形で進めるとして,全体的な進め方として,先ほど御紹介があった,1枚紙で業務実績評価項目別進行予定となっているものがございます。ここに大項目1から大項目5まで五つの項目に分けておるわけであります。その中に異論の少ない項目と議論を要する項目という形で一応分けているということであります。   これは,事務局の方で審議の便宜のためにつくった正に便宜的な区分にすぎないわけでございますけれども,異論の少ない項目というのは,10名の評価委員全員の意見が一致した項目はもちろん,9対1とか8対2,場合によっては7対3ぐらいのものまでここに含んでいるということかと思います。議論の進め方としては,異論の少ない項目につきましては,まとめた形で御審議を頂くということになろうかと思います。   当然のことですが,これらにつきましても御意見があれば積極的にお出しいただくということは,何ら差し支えないといいますか,当然のことでございますので,是非御意見がある場合には積極的にお出しをいただければと思いますけれども,とりあえずは便宜のためにまとめて御審議を頂きたいということであります。   他方,議論を要する項目というのは,委員の間でかなり実質的に意見が分かれた項目,今回はどうやら5対5という真っ二つに分かれた項目はなかったようでありますけれども,6対4とか,かなり意見が分かれた項目がここに挙げられたものであるということのようであります。   そこで,これらにつきましては個別的な形で御審議をお願いしたいという形で進めさせていただきたいと思いますが,進め方としてはそういうことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それでは,そういう形で進めさせていただきたいと思います。   以上,形式的な話ですけれども,実質に入りまして,それではまず大項目1ということになります。総合法律支援の充実のための措置に関する項目ということであります。項目番号で言いますと第1から14までの項目になるということであります。この項目のうち,全体の委員の意見の分布というのは,机上配布資料のC-1を御覧いただきますと,そこに評価の分布というのが出ております。   C-1の大項目1のところを御覧いただきますと,例えば,項目5,常勤弁護士確保の総括とか,8,常勤及び契約弁護士確保,11,常勤弁護士の確保(国選),あるいは12,実質的ゼロワン地域の解消,こういったところは平成21年度に関して言えば,委員全員がBとして意見が一致しているということになります。そのほかの項目につきましても,多くの項目は1対9,2対8あるいは3対7ぐらいで評価がかなり一致しているということでございます。   先ほどもありましたように,特別の御意見がないようであれば,これらの項目,具体的には先ほどの進行予定の(1)異論の少ない項目として挙がっている1から6の項目,それから8の項目,そして11,12の項目,これらの項目については原案どおりの評価とし,評価理由も原案どおりということでまとめたいと思いますが,まずこの点,これらの異論の少ない項目とされている項目について,特段の御意見がありますればお伺いしたいと思います。 遠藤委員 まず文章の問題なんですけれども,2ページの中期目標期間の評価理由のところにいろいろ規程が並べてあるんですけれども,ここに内部監査規程というのが抜けているのではないかと思うんです。 山本委員長 項目2のコンプライアンスの問題についてのところですね。 遠藤委員 はい。実績を見ていますと内部監査規程が入っているわけですけれども,これが抜けていると思います。これはやはり入れる必要があるのではないかと思うんです。   それからもう一つ,コンプライアンスの件に関しまして,役職員に対する動機付けというのが,コンプライアンスにとっては非常に重要なポイントなんですね。そのことが評価理由の中には入っていないんです。ですからこれは入れていただいた方が,つまり組織とか監事とか,規程だけではなくて,コンプライアンスの重要性というものは,役職員に対する動機付けというのが非常に重要なポイントになるわけです,実際にコンプライアンスを実施するのは役職員でございますから。   したがいまして,例えば11行目のところに「あったとは言えない」というのがあると思うんですけれども,「実施数は十分であったとは言えない。」,その後に例えば「また,コンプライアンスの重要性に対する役職員の動機付けの施策にも意を注ぐべきである」というような文章を入れていただくといいのではないかと思います。そしてその後,「支援センターの業務にかかわる不祥事を未然に防ぐため」と。もう一度申し上げますと,「また,コンプライアンスの重要性に対する役職員への動機付けの施策にも意を注ぐべきである」というような趣旨の文章を入れていただければと思います。 山本委員長 ありがとうございました。   今の御意見,まず第1点は,今の一番上のところで,監事監査規程,役職員倫理規程,セキュリティー対策基準というようなものが列挙されていますが,内部監査規程というものも併せてそこに掲げるべきではないかという御意見。それから,後半の方の御意見は,役職員に関する動機付けの重要性ということも指摘をすべきではないかという御意見かと思いますけれども,いかがでしょうか。御指摘ごもっともかと思いますが,そのような形で理由のところを修文するということで,よろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,今の遠藤委員の御指摘に基づいて,この部分の理由についてはそのような形で,ほかの方もそうですが,細かい表現振りはあれですけれども,実質そのような形で修文するということにさせていただきたいと思います。   それではほかの部分,異論のない項目とされているところですが,ほかの部分についてはいかがでしょうか。 坂本委員 1点提案させていただきたいんですが,法テラスの存在の重要性というのは共通認識だと思います。その意味では認知度が37%というのは低いような気がいたします。   今後の周知の仕方として,学校教育,これからの社会を担っていく若者に,法テラスがどういう場所であるのか,どういうふうに自分にとって役に立つのかというところを理解できるような学校教育との連携というところを提案したいと思います。   例えば,教員に対する教育読本をつくったりとか,教員向け講座をしたりとか,また消費生活センターの講座などに法テラスの事項について入れてもらうとか,次の世代を担う若者への周知というところを今後やっていただきたいということで,提案したいと思います。 山本委員長 ありがとうございます。直接には項目1のところ,総括・広報というところと関係するところかと思いますが,認知度を改善する方策として,特に学校教育で若者に対して認知度を高めていくということが,将来に向けて重要ではないかという御指摘であったかと思います。 この点は,恐らく実質については御異論は多分ないことかなと思いますが,取扱いとしてはいかがでしょうか。評価理由のところに書くか,それとも個別にそういう意見が評価委員会としてあったということで,法テラスの方に事務局を通してお伝えいただくということもあり得るかと思いますが。 坂本委員 どちらでもいいんですけれども,PRの仕方について限定されているようなところが見受けられるので,一言,項目として入れていただくと理解をしていただくことになるのかなと思います。 山本委員長 そうすると,例えば,ここでは認知度が低いという後に,周知する必要があると,「より一層効果的で効率的な広報活動を工夫し,支援センターの認知度向上に向けた取組を行う必要がある」とやや抽象的に書いていますが,そこに今の御趣旨で学校教育の活用その他というような…… 坂本委員 はい。すみません。もう1点,マスコミの活用について。 山本委員長 というようなことを具体的に,例示的に記載するということでしょうか。 坂本委員 はい。 山本委員長 それはいかがでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 特段御異論はないということで,よろしゅうございますか。   では,そういうような趣旨でここについても修文を加えるということにさせていただきます。ありがとうございました。   小林委員,どうぞ。 小林委員 関連しているんですけれども,追加になるかもしれないですが,項目4で私は今申し上げる意見を書かせていただいていたんですけれども,項目4にうまく入るかどうか分からないんですが,中期計画の各項目のところで,4行目から「利用者その他の関係者の意見を聞いて参考とするため」ということが書かれていまして,地方協議会で,協議会そのものでやっていけるかどうかは分からなかったので,今の坂本委員の御意見に追加して申し上げます。よく区役所などで区民からモニターを募って,区政に対する意見を求めるというような制度を使っているところがあるかと思うんですけれども,法テラスについても市民からモニターを募ってはどうでしょうか。法テラスを使ったことがない,あるいは使う必要のない方に,法テラスの事業そのものに対して意見を頂くということは,なかなか難しいのかもしれません。法テラスの周知が今問題になっているような状況ですので,周知させることにどういう手段を使ったらいいかということも結構意見を頂けるかもしれないのですし,そういうことも含めて幅広に市民から意見を求めるような,普段から意見を求めるというような,そういう仕組みも工夫していただいたらいいかと思いますので,追加させてください。 山本委員長 ありがとうございました。いかがでしょうか。市民モニター等,市民から広く意見を聴取するような仕組みがあった方がいいのではないかと。これも恐らく中身については御異論はないところだと思いますが,それはそういうことでセンターの方に委員会の意向としてお伝えをするということで,よろしゅうございましょうか。 小林委員 はい。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,ほかにいかがでしょうか。残りの部分はよろしいでしょうか。   もしよろしければ,後で戻っていただいても結構ですが,議論を要する項目という,実質的に御意見が分かれた項目の方に入っていきたいと思いますが,まず項目7,連携協力関係の強化という項目でございます。   これにつきましては,C-1を見ていただきますと,平成21年度につきましてはAの方が7名,Bの方が3名ということになっております。また,中期目標期間の方につきましてはAの方が6名,Bの方が3名ということになっていて,実質的にかなり意見が分かれているということかと思います。いずれもAの方がやや相対的には多数でありますけれども,相当程度B評価にすべきであるという方もおられるということになっておりますが,この点につきまして御意見をちょうだいできればと思います。   資料1-1で言いますと4ページの下の方,一番左が7となっている項目でございます。平成21年度の評価としては,原案としてはAということになっておりますが,中期目標期間の方はA又はBという形で,両論併記のような形になっております。 山﨑参事官 7番について中期目標期間の方は6名対3名という比率になっておりますが,本日明らかになったところによれば6名対4名でございます。恐縮でございますが,そのように訂正させていただきます。 山本委員長 そうすると,平成21年度は7対3ということですが,中期目標期間との関係では6対4という話だったようです。 嶋津委員 前回の委員会のときに理事長から非常に率直な御発言があって,地方協議会はきちんと開いている。開いているんだけれども,例えばその中でどういうことを議論したり,どういうふうにネットワークなどが強化されたりというようなことの中身の話になると,少し残念だけれども,会合があったということだけに終わっているようなということが多かったという率直な御発言がありましたね。   だから,ここはどうしても,各地域で回数を開いてやったからということで,質的な評価として,ほかの関係機関と法テラスに関する認識度が,一番大事なのは弁護士会とか司法書士の方々との会合とか,そういうことなのかもしれませんけれども,そういうことで,もう少し進んでいるというようなことが必要なのかなというような感じがあって,私は最初,Bなのかなと思ったんですけれども,法テラスの方の自己評価の方がAだということなので,それはそれでもやむを得ないのかなと,そういうふうに自分の考え方を変えたんですけれども,非常に微妙なところがあると思うんです。   だから,これは今後に向けて,更に何か実質的にいろいろ関係者との間で距離感を縮めるような努力が必要なのではないかということをもし法テラス自身もそう思っているんだったら,Bにしておいた方が本当は,次期中期目標期間に対する目標を掲げるという意味ではBでもいいのかなというような感じを私は持ちました。 遠藤委員 まず,ここに連携指数があるわけですけれども,平成18年度1.76から平成21年度1.92になった場合,絶対数としてどの程度ボリュームが増えているのかという,確かにこの数値だけでは評価するときに把握し切れないと思うんです。特に平成20年度,21年度で0.01動いているだけなんですよね。そうすると事実上,初年度は半年ということもありますので,この3年間というのは全く指数としては動いていないというのが実情ではないかと思うんです。もちろん,年度年度では法テラスでは一生懸命努力されていることはあるわけですけれども,4年間で見たときにはAというよりも私はB。   それから,法テラスの方からいろいろ話を聞いていますと,本部と地方事務所との連携というか,あるいは内部統制上のコントロールなどにつきましても,必ずしも十分でないようなところがうかがえるわけです。そうしていくと,今後とも本部と地方事務所との連携,それをして,法テラス全体としての本部と地方との連携も含めた施策というのが必要だろうということであれば,先ほどおっしゃったように,私はAではなくてBにして,なお検討してもらうんだということの方がいいのではないかと思います。 山崎委員 実質的にいろいろな観点のところで,言ってみれば各論のところでは確かにおっしゃるとおりなんですけれども,ここはやや総論的なところがありまして,連携がどうかという問題。先ほど嶋津委員の方からも御指摘がありましたとおり,中期目標期間分という,前に頂いたところに,各地方協議会でどういうことが反映されたかという文書があるんですが,今日配られているか自信がないんですが,その中に事例がたくさん載っていまして,例えば最初のところに,法テラスの業務に関する広報が不十分であったというような指摘があってそれを改善したとか,出張相談,巡回相談を充実してほしいというような意見が出てそれを改善したということで,かなり法テラスの方でお答えになっているんです。   そういたしますと,余り抽象的な,気持ちは非常によく分かるし,私もちょっと迷ったところはあるんですけれども,ここでBを付けるとほとんど全部Bです。一番大事なのは中身であって,そこのところはシビアにしたいんですけれども,ここで問題になるところは連携がどうかということで,平成18年度から4年間やってきて連携の方はかなり図られて,指数であっても具体的な下がった理由も挙げていますので,できれば私はここはAで,中身で勝負したいなというのが率直な気持ちです。 知久委員 私もここはすごく悩んでいるところです。全国の司法書士会,弁護士会もそうですけれども,かなり活発に年4回以上も協議会など行っているところがある反面,実質的な協議会は一回も開いていない,開いたのか開いていないのかも分からない,協議会への参加要請の声もないというような会もあるようですから,そこまで掘り下げてしまうとやはりB評価とせざるを得ないと思いますが,非常にここは悩めるところです。   今のところ,委員の皆さまの話を聞きながら,指数でこれだけ関係しているという面で判断するのであればA評価でもよいと思いますが,実質的な連携という点を考えると,やはりB評価というような考えを持っております。 小林委員 地方協議会その他について,連携の会議については,私自身は自分で拝見しているわけではないので,大変申し訳ないんですが,伝聞で,余り活発でなかったり活発であったりと,すべてが活発ではないようにお聞きできたということがあるのと,それから,法テラスも4年を終えたわけですけれども,そのくらいになりますと多少しっかり評価をしてもいいのではないか。しっかりというのは,物足りないなと思えば,物足りないというところを評価してもかまわないのではないか ,そこも含めて法テラスの方でも理解いただけるのではないかと思いまして,それでBの方がいいのではないか。   もう一つありまして,知久委員も,目標としては達成しているんだけれどもとおっしゃっているということ,これはほかの評価委員の方々も理解できるとは思うんですけれども,そもそもそういう数だけが目標になっているというところ自体も,これは私どもも責任が半分あるのではないかと思うんですが,そこの反省も含めましてAにしない方がいいのではないかと思います。 山本委員長 ありがとうございます。そうすると,かなり多数の委員の御意見としては,Bの方がよいのではないかと承りました。   ちょっと確認をさせていただきたいんですが,地方協議会との関係の御意見が出たように思いますけれども,地方協議会自体の評価の項目としては,3ないし4の項目が地方協議会それ自体の評価ということになっていて,この部分はほとんど皆さんAだったように伺っていて,先ほど御異論は出なかったように伺ったのですけれども,今対象となっている7の項目というのは,どちらかというと連携指数を中心とした項目だったわけでありますけれども,遠藤委員は明確に連携指数との関係でBとすべきではないかという御意見だったと思いますが,ほかの今御発言になった委員も,7の項目についてBの方がよいのではないかという御意見とお伺いしてよろしゅうございますか。 嶋津委員 確かに評価理由とすると論理的ではないと思うんです,毎年Aとしたのに中期的に見たらBになってしまったというのは。だから,それもセンターの方も納得しにくいですから,評価理由のところを少し工夫していただいて,そういう形式的に十分評価できるようにやっているけれども,やっている中で新しい連携関係を更に構築すべきだという点からBにしたとか,そういう評価理由を付して,今後,質的な連携強化を更に向上させるように努力してもらいたいというような評価理由を書いて説明するということはできないでしょうか,ちょっと大変だと思いますけれども。 山本委員長 項目としては3の項目についてという理解でよろしいですか。 嶋津委員 7。 山本委員長 7についてということですね。 山崎委員 正に御指摘のとおりで,連携は一体目標は何かというところに集約してしまうんですね。単純に連携指数というのは反対なんですけれども,目標は連携を深めて実質的にも質の高いものにしたいと,そういうことになってくると,各項目でこれからたくさん,被害者の関係だとか国選弁護の関係とか,いろいろなことも出てくる。そこで評価すべきで,連携がいいからマルとか,そういう問題でないような気がして,中身の勝負というのが,くどいようですけれども,連携をBにすると逆の効果が生じてしまうのかなと。むしろ中身のところのチェックがややおろそかになってもいかんかなという気もしないではないんですけれども,多数に従います。 山本委員長 混乱があるようなので議事を整理したいと思いますけれども,それでは,まず項目3及び4,地方協議会の点,それから項目7は連携指数の点,ただ実質的な意味での連携の強化という点では両方にかかわる問題提起だと思いますけれども,評価の項目としてはそういう形で分かれておりますので,まず項目3及び4の地方協議会の関係でAかBかということを御審議いただければと思います。   この点につきましては,8対2ないし7対3ということで,当初のあれでは異論はそれほど大きくはなかったわけでございますけれども,今,坂本委員からも問題提起がございましたし,何人かの委員は地方協議会のことに言及があったかと思いますので,この点についてもう一度確認をさせていただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。今の坂本委員の御発言はBにすべきではないか,仮にAのままだということであるとすれば理由をもう少し,問題点があるということも書くべきではないかという御趣旨かと思います。 遠藤委員 私のとらえ方は,項目3番,4番というのはどちらかというと,地方協議会を地域に密着させるための量的な面を強調していると思うんです。ただ,人選のところにつきましては,顧問会議を設けるとかいろいろ質的な変化もしているわけですから,そういうことからすると年度年度ではそれなりの努力はしているということで,私はAでいいと思うんです。   ただ,連携指数になってきますと,項目3番と4番を踏まえたところで,連携指数というのが,先ほどからおっしゃっていますけれども,質的な結び付きがないと,ただ連携指数として数字がどうのこうのという判断ではないと思うんです。そうすると,質的に見たときには,皆さんいろいろお話が出ているのは,もう少しどうかなと。もっと改善するところがあるのではないかという意見も多いような気がしますので,量的な面としてはAだけれども,質的な面からすると,法テラスとしてはもう一度,量も踏まえて検討していただく課題としてあるんだというとらえ方を私はしているんです。 山本委員長 分かりました。ほかにいかがですか。 山﨑参事官 恐縮でございますが,先ほど実質議論にはなかったので申し上げなかったのですが,項目3の中期目標期間の方の評価分布でございますが,AとBが8対1と書いてございますところ,これは9対1というふうに変わっておりますので,御報告申し上げます。 小林委員 先ほどから項目3,4と7が混乱しているという話で,実は私も項目7のところでの意見ということで発言しましたけれども,それは項目3に近い内容だったと思います。私自身も混乱していました。   自分のことを考えてみると,項目3番についてはAにしておりました。やはり数としては数を達成しているので,達成しているのにそれをBというのはひどいのではないかと思って,そこはAにしまして,それで項目7番のところで,連携協力関係の強化という項目になっていますので,そこに結び付けて,数だけで目標として立てるということがそもそもいいのかという,そういう反省もここの項目のところで持っていただければと,そういう趣旨に発言を直していただければと思います。   それから,顧問会議というのは,全国に一つしかない顧問会議のことを言っているわけですよね。だから,顧問会議ということ自体を努力なさっているところはいいんだけれども,地方地方で顧問会議を設けているわけではないので,もう一頑張りしていただいた方がいいかなというふうに感じます。 山本委員長 分かりました。そういうことであるとすれば,項目3につきましては,8対2なり9対1という御意見がありましたので,基本的には評価はAのまま維持するとして,ただ,これは確かに平成21年度の方の理由としては,「地方協議会の実質的な充実については今後とも更に留意する必要があるが」という限定的な文言があるわけですけれども,中期目標期間の方には必ずしもそういう文言はないように見えますので,先ほどの坂本委員の御意見を踏まえて,中期目標期間の方にも,より実質的な充実が必要であるという趣旨を含んだ文言を入れると,そういうようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。   それで,戻りまして項目7の連携指数を主とした連携の強化の点でありますが,ここはまだ,今伺った感じでは実質的な意見の相違があるようにうかがわれ,山崎委員の御発言もありましたが,依然としてBの御意見がやや多数のようにも承りましたが,いかがでしょうか。 嶋津委員 私も論理的ではないと自分自身思っていますけれども,ここをAにしますとすべて問題ないということになってしまうんですね。だけれども,センターの理事長を含めてまだ,次の中期目標期間も含めて,弁護士会,司法書士会その他の地域のコミュニティとのつながり,地方団体とのつながりなどを含めて,課題はあるというのがどこかにあった方がいいように思うんです。ですから,個別の項目よりも総括的なところに,なお努力すべき点があるというような趣旨も含めて,一つそういう評価を置いておくのがいいのかなと。   私自身はAと付けているんですね。迷った上でAと付けたんですけれども,どこかにそういう痕跡といいますか,評価として,個別の項目も総括も全部Aだというと,それで十分に関係方面との連携は完全にできているというふうに評価するのはちょっと問題があるのかなと,そういう意味で,論理的ではないかもしれませんけれども,そこに今後の努力目標という意味でBというのを置いておいた方がいいように思います。 山本委員長 分かりました。いかがでしょうか。   吉川委員,何か御発言はありますか。 吉川委員 これをBにするとしたら,どういう理由を書くんですか。 山本委員長 今のお話の趣旨からすれば,一つ,ここは直接的には連携指数の点を問題にしていますので,連携指数の改善という観点から見て,数値的に言っても必ずしも十分ではないというのは遠藤委員が御指摘になられたことですし,私もここはそれを主として理由にBというふうに考えたのですが,それが一つあって,あと実質的な点での連携強化という観点から見ても,必ずしも十分な成果が上がっているとまでは言えないのではないかという御意見が多く出たように思いますが,その両方を書くことになるのかなという印象は受けましたが,Bとするとしても,かなり微妙なものであるというニュアンスが出るような書き方になろうかなと思っております。   いかがでしょうか。御異論はあろうかと思いますが,この場の御意見としてはややBの方が多数のようにも思えますので,今のような理由,趣旨で,ただ,かなり応援というか励ましというか,もうちょっと頑張ってくださいという趣旨を含めたBであるということが理由の中にそこはかとなく出るような感じで,評価としてはBということでいかがでございましょうか。 吉川委員 今の委員長のおまとめに必ずしも反対するわけではないんですけれども,全部の項目に言えることなんですけれども,これは質的な差ではなくて,AにするかBにするかというのは量的な判断ですよね。どこに線を引くかというところに結局は帰着するわけです。   連携指数はずっと上がってきているわけです。平成20年度と21年度の間はちょっとあれがありますけれども,ここに書いてあるような理由で平成20年度から21年度は下がったということであれば,ではどこまでやればAをもらえるのというのにどう答えるのかというところが,今の7という項目に対する理由からはよく分からないと,そういう問題があって,私はこれは基本的に,数字がどんどん上がってきているんだからAというのが適当ではないかと思って,Aにしたんですけれども,今の皆さんの御意見を聞いていて,委員長の総括に必ずしも反対はしないんですけれども,もしよろしければ決を採ってみたらどうですか。今日欠席された方がどちらの意見だったのか知りませんが,私はそういう理由で,どうしても皆さんがBがいいとおっしゃればBでもいいですけれども,個人的にはAになるのかなと思っております。 山本委員長 それは,連携指数,この2年ぐらいは下がっていると思うんですが,平成18年度当初の1.76からすれば1.92で上がっていて,中期目標期間の間に連携指数を上昇させるというのが目標だから,それは数値的に見れば満たしているではないかと,そういう御趣旨ということですか。 吉川委員 逆に言うと,平成21年度はBだけれども中期目標期間はAという,そういうことになるんですか。 山本委員長 数字から見ればそういうことになるということですね。   どういう場合に決を求められるかというのは分かりませんが,今の御趣旨で,特に決を採っていけないということもないと思いますので,よろしいですね。 山﨑参事官 結構でございます。 山本委員長 それでは,せっかくの申出でありますので,議論はもう煮詰まって皆さん御意見を頂いたと思いますので,決を採るということにしたいと思います。   7の項目,連携指数の上昇というのを主とした点でございますけれども,今の吉川委員の御意見からすると,平成21年度はBということでよろしいということですか。 吉川委員 数字からすればそうですね。それでもいいと思います。 山本委員長 そうすると,中期目標期間に絞って決を採らせていただければと思います。   7の項目について,中期目標期間の評価について,Aとすべきだという委員の挙手をお願いしたいと思います。 (挙手2名) 山本委員長 ありがとうございました。   次に,Bとすべきだという委員の挙手をお願いいたします。 (挙手4名) 山本委員長 4名ということですね。しかし,4名ということは過半数に達していますか。 山﨑参事官 出席委員の過半数でございます。 山本委員長 私は議決権はないわけですね。 山﨑参事官 ただし,同数だった場合には,委員長の決するところによることとなります。 山本委員長 ということは,出席委員は私を除いて7名でございますので,今,4名の委員がBに賛成されましたので過半数はBと。よろしいですか。 それでは,多数決の結果,4名の委員がBということで出席委員の過半数ということでありますので,項目7の中期目標期間の評価についてはBということにさせていただくと。その理由の記載については,先ほど私がまとめさせていただいたような形で,ニュアンスはちょっと難しいですけれども,Aとする委員もおられたということがあらわれるような形でできればと思います。ありがとうございました。 山﨑参事官 確認でございますが,そうしますと,年度評価の方はBでございますね。 山本委員長 年度評価はBということで,御異論はなかったということです。 鈴木部付 事務局の原案はA評価の理由のみしか記載されておりませんので,B評価の理由につきましても委員会として御決定いただきたいと思います。 山本委員長 これも先ほどの中期目標期間と同じような,特にこの部分については,連携指数は前年度に比べて0.01ではありますが低下していて,少なくとも上昇はしていないということは形式的には明らかだと思いますので,それに加えて,実質的な意味での連携というのは,必ずしも十分に図られていないのではないかということを含めてという,今の御議論からすればそういうことになるように思いますが,そういうことでよろしゅうございますか。 山崎委員 21年度は何とおっしゃいましたか。 山本委員長 平成21年度の結果はBということですね。 山崎委員 これは圧倒的に7対3になっているんですね,今のところは。 山本委員長 おっしゃるとおりです。 山崎委員 それでどうしてこんなに急変してしまうんでしょうか。 山本委員長 Aが7であるにもかかわらずということですね。 山崎委員 ええ,余りにも。もう少し議論した方が,片方の6対4というのはよく分かるし,連携指数だけではないという意味では賛成なんですけれども,平成21年度分はどうして急に,今まで7対3で,議題にもしなくてもいいというような範疇にあったにもかかわらず……。 山本委員長 議題にしなかったわけではなくて,今の御議論は21年度と中期目標期間,両方について御議論いただいたということだったのですが,多数決につきましては,吉川委員の方からの御意見として多数決に付したわけですが,平成21年度については,数字について言っても必ずしも上昇というのは見られないという観点からすれば,全体はBではなかったかという御意見だったと思いますが,山崎委員からの御意見でありますので,平成21年度についても,どうでしょうか,皆さんの御意見は。 山崎委員 やはり私は,連携指数よりも実質的に,連携の質が高まるという観点からやるべきだというのは一貫しているので,そういう意味で,数字の高低よりも中身がどれほど濃くなったか,そういう意味ではかなりいろいろなことで努力しておられるのかなということで,私は両方ともA,Aにしたんです。それは最終的には多数決に従いますけれども,論理性というか,一貫性を持たせないといろいろなところでひびが入りますので,単純に連携指数でやるのか,そうではないのかというところだけ押さえていただければ,多数決に従います。 山本委員長 御指摘のとおりで,単純に連携指数から見れば昨年度も下がっているわけなので,しかし昨年度はAだったわけですから,それだけでは論理的には整合しないので,本年度の評価としては実質的な観点を加味して考えたという,そういうことになると思います。 嶋津委員 私が前に発言しましたのは,平成21年度はAを付けている。特にそれは変える必要はないと思うんです。ただ,中期目標期間について言うと,次期中期目標期間も含めて更に飛躍してくださいという意味で,論理的ではないけれども,中期目標期間の評価だけBにしたらどうかという提案をしたんです。 山本委員長 そうすると,嶋津委員の御意見としては,平成21年度はむしろAでよろしいのではないかということですか。 嶋津委員 ええ。 山本委員長 いかがでしょうか。 吉川委員 それは論理的に一貫性がない。 山本委員長 ほかの評価,年度別評価はすべてAだったのに中期目標期間はBになっているということは一貫性がないということですね。 吉川委員 嶋津委員のようなお考え,つまり,もうちょっと頑張ってくださいというニュアンスをどこかで入れたいというのは分かるんです。だけれども,項目7というのは数字的な要素がかなり強いと思いますので,それを全然考えないで,今のような実質的な議論でもって,平成21年度はAで中期目標期間はBというのは,多分,法テラスはなぜというふうに思うのではないでしょうか。 嶋津委員 繰り返しになるんですけれども,なぜと思っていただくためにそういうふうにするという意味なんですね,私が申し上げたのは。全部Aだと,もうこれでいいではないですかと思われてしまうというのは,法テラス自身もそういうふうに思っていないように,理事長発言などを聞いて思うものですから,やはりどこかの取り掛かりを置くのであれば,年度評価のところだけBにして中期目標期間はAとするよりは,表現で,更に質的に,地域あるいは弁護士会なり司法書士会なりも,中央レベルも含めた連携強化というのは,もう一段と進めなくてはいけないのではないかという趣旨を書いていただければ,評価理由を明らかにすればいいのではないかと私は思います。 山本委員長 中期目標期間については決議をしましたので,会議体の原則として,多数決でいったん決したことを変えるということは基本的にはできないと思いますので,中期目標期間についてはBという評価にするということを前提として,平成21年度をどうするかということを御議論いただければと思うわけですが,今の嶋津委員の御意見は,平成21年度はAでよいのではないかという御意見だったと伺います。 吉川委員 でも,それで言えば,先ほどの委員長の決を採るときの前提は,平成21年度は当然Bだという前提で採決したと思います。   平成21年度はAになるかもしれないけれども中期目標期間はBだというのは,先ほどの前提が変わってくるのではないですか。 山本委員長 そうすると決を採った手続に瑕疵があったというふうに考えることもできるので,やり直すことは可能だと思いますが。 吉川委員 やはり法テラスも納得させるような理由がきちっと書かれるべきだと思いますので,中期目標期間の方は相当連携指数は上がっているのにBで,平成21年度は20年度から見れば下がっているのにAだというのは,なぜだというふうに思われると思いますね。 山本委員長 分かりました。それでは,中期目標については置いておきまして,平成21年度についてまず御議論いただきたいと思いますが,平成21年度につきましては,今,嶋津委員からもAという御意見がございましたけれども。 知久委員 私は平成21年度評価はBにしました。連携指数というところで,一番連携頻度の高い弁護士会,司法書士会における連携指数も低下していますので,そういう意味で,平成21年度はBという評価をしております。 山本委員長 ほかにいかがですか。 遠藤委員 連携指数が下がった理由を平成21年度は書かれているわけですね。これはほかのところにもあるんですけれども,普通,こういう指数を比較する場合には,前年度と同じ条件でした場合にはどうであるかという指数があって,新しい前提条件を変えた場合にはこうなりますよとして,初めてテーブルに乗るわけです。今回の場合は,はっきり言って分母,分子が違うところで指数が下がったからどうのこうのという議論になるわけですね。   ですから,もし従来どおりであれば,先ほど話しましたように,0.01下がったら一体どれだけの影響があるのかということになると,私は,この3年間というのはほとんど動いていないんだろうと。ただ,年度年度ではそれぞれ一生懸命頑張られているわけですから,これは事業年度の達成度としてはAだろうという判断はいいと思うんです。   これは,今回はたまたま4年間の評価と年度の評価が一緒になりますから,こういうことになるわけですけれども,私は,各年度が全部Aであっても,中期目標の評価はBになるケースもあり得ると思うんです。というのは,あくまでも年度年度でブレークダウンしたときには達成できたかもしれないけれども,全体として評価するときはどうなのかという評価をすべきであって,平成21年度がAだったから第1期の中期目標期間においてAでなくてはいけない,Bでなくてはいけないということではなくて,あくまでも4年間の評価だと思うんです。   そういう面からすると,私はやはり4年間の評価からするとBだろうと。私も平成21年度の方はAを付けているんです。これはそれなりにほとんど変わらない努力をされているということでAにしているわけですから,私はそういう考え方で評価しています。 山本委員長 ありがとうございました。平成21年度についてはAということでよいのではないかということですね。   ほかにはいかがでしょうか。 吉川委員 平成21年度の理由と中期目標期間の理由とがきちんと一貫して受け取られるような理由が書かれるのであれば,別に片方がAで片方がBでも構わないと思いますけれども,客観的なデータから見ると,どうして平成21年度だけAで中期目標期間がBだというのが分かりにくいのかなと思っているので,そこを委員長なり皆さんで説得力ある理由が書けるということであれば,別に私はこだわりません。 理由が大事だと思うんです。 遠藤委員 もう一つ,本来ならば,中期計画において連携指数をいかにするかという指数があってしかるべきなんですね。それが全く議論されていないわけです。つまり,3がいいのか,4がいいのか,1がいいのかということは全くないわけです。ただ指数が並べてあって,これは努力している,努力していないというような形だけですね。   したがって,そういう面からすると,各年度年度ではそんなに変わっていないけれども,この4年間における連携指数は一体目標としては何だったのかというところからしますと,もともと中期計画の決め方に,こういう数値のものについてはある程度の目標数値を出すべきであるというのは,評価委員会としても一つの課題が残ると思うんです。 山本委員長 その点は御指摘のとおりで,結局,現在の中期計画というのは,上がれば上がるほどいいという考え方に基づいて,期間内に上昇させるという考え方だったわけです。ただ,これはちょっと言い訳みたいになりますけれども,中期計画を立てる時点では,まだ法テラスも実質的には発足していなかったわけなので,どの程度のものであればそれが相当なものと考えられるかということについても,十分な認識というかコンセンサスが得られていなかったということで,少なくとも上げていこうという程度の目標になっていると。その点は今から見れば,遠藤委員の御指摘のような批判というのは十分あり得るところだと思います。   ただ,中期計画はそういう数値的な目標になっているわけですが,中期目標は実質的に連携機関,連携の範囲の拡大,連携の強化を図っていくというのが中期目標であることは確かなわけですね。それを図る一つの手段として中期計画でそういう数値目標を掲げているということなので,それからすれば中期目標期間の評価としては,中期目標を踏まえた実質的な連携ということが必ずしも十分ではなかったのだということで,各年度の評価はAであっても最終的な到達度としてはBにとどまるということは,あり得ないことではないような感じはいたしますので,今の御議論からすれば,説得的な理由が書けるかと言われると,これは事務局に御努力を頂くほかはないのかもしれませんが,事務局としては何かございますか。 山﨑参事官 御参考までに,資料Bの2ページ目にあります当評価委員会におかれまして策定されました基本方針をご覧下さい。内容をどのように解釈するかという点は残るとしても,評価委員会において策定していただきましたものです。   まず,年度評価についてどのように考えるかということでございますが,結局,当該年度におきまして,中期計画の実施状況に照らして中期目標を達成することが見込まれる状況であるのかどうか,こういうところを中心に見ていただいて,A,B,Cの評価を付けていくということになっております。ここが今回は,中期目標期間の最終年度でございますので,見込まれるという言葉は当てはまらず,あえて言えば中期目標を達成したというふうに読み替えることができるとも考えられ,そういったところを評価委員会でどのように御判断されるかによります。   次に,中期目標期間の業績評価の関係でございます。3ページ目の①の更に下の方でございますが,A,B,Cとあって,中期目標を達成した,おおむね達成した,達成しておらず改善等が必要である,このような観点から評価するとなっております。   なお,理由につきましては,委員の皆様方の御議論の趣旨を踏まえまして,きちんとした理由を書くべく努力いたします。 山本委員長 いかがでしょうか。 小林委員 今更このような質問をして申し訳ないんですが,中期目標のところでは,項目6番のところに書いてある目標を読めばいいんですね。 山本委員長 そうです。これは項目6,7に共通という趣旨だと思います。 小林委員 そこには,下から6行目ぐらいに,「団体との連携の強化を図るとともに,関係機関・団体の範囲の拡大と連携の強化を図る。」ということで,連携の強化を図ると書かれているんですけれども,中期計画のところで連携指数というのが出てきているわけですね。この連携指数は,中身を見ると窓口を増やすというだけのことなんですね。その窓口の中身が,転送してもいいのか,ただ紹介するだけかと,そういう窓口の性質がどのくらいの連携の強さを持っているかということであって,実際に連携したかしないか,あるいはどのくらい連携したのかということは,ここには全然あらわれないはずなんですね。   ですので,最後のところまできて,この連携指数だけを頼りにしてきてよかったのかどうかと,そういう評価があってしかるべきではないかという気がするんですけれども,だからどうしろということを聞かれるとすれば,そういう問題意識が全然あらわれていないのはBというふうに私は感じます。 山本委員長 その点は,センターの自己評価でも,果たして連携指数というのが連携の強化というものをあらわす指標として適切なものであったのかどうか,やや疑問であるみたいなことが書かれていたように思います。ですから,そのこと自体への疑問というのはもちろんあると思うんですが。 小林委員 現場の方でないと,どういうふうにしたら実際に連携したか,要するにどのぐらいつないだかという数値を押さえていけばいいのか,あるいはほかに把握の仕方で努力が必要なのかどうか,その辺は私どもはまだ十分情報を得ていないんですけれども,そういう突っ込んだところがあった方がいいのではないかという気がいたします。   もちろん,この連携指数にあらわれる窓口の増加の努力というのは,これは大前提であって,その上にどのぐらい実際に連携の実績があったかというところを知りたい,あるいは知りたいと思ってほしいと,そういうところでございます。 山本委員長 それは確かに,将来的にはそういうあれも含めた評価の手法が必要ではないかと思いますが,今回の評価としましては,今までの御議論からすると,平成21年度の評価についてはAという形で,基本的にはこの評価理由も維持すると。それに対して,中期目標期間の評価としてはBという形にして,連携指数の上昇が必ずしも十分ではない,また実質的な意味での連携の強化が図られているというふうには必ずしも認め難いということで,総体として中期目標を達成したかということであるとすれば,それは概ね達成したという評価にとどまると,そういうようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 御不満の向きもあろうかと思いますけれども,そのような形で取りまとめて,理由の書き方はかなり難しいと思いますので,これにつきましては,最終的には私と事務局に御一任いただくこととしても,委員の皆様にも目を通していただく機会を設けたいと思いますので,事務局の方もそういうことでお願いいたします。 山﨑参事官 分かりました。 山本委員長 ありがとうございました。   引き続きまして,次は項目9,資料1-1で言いますと5ページの下の方にあります,法律扶助のニーズ調査の項目でございます。   この点につきましては,年度評価については9対1でAという方が圧倒的に多数なわけですけれども,中期目標期間の評価につきましては,A+が4名,Aが4名,Bが2名ということで,委員の御意見がかなり分かれている状況にあります。A+というのは中期目標期間の評価として初めて登場するもので,我々の委員会としてもこれまで取り扱ったことがないところですので,どういうものをA+にするかということを含めて,かなり御意見が分かれるのではないかと思いますけれども,とりあえずこの点につきまして,これからすれば,平成21年度についてはAとするということで大方の御意見が一致しているかと思いますけれども,とりわけ中期目標期間の評価について,A+,AあるいはBという御意見もございましたので,御議論をいただければと存じます。 小林委員 私は平成21年度もBにしたんですけれども,アンケート調査を何年も掛かって,まとめをようやくしたところで,それをどう使っていくかをまた1年とか,かなり時間を掛けて検討するということで,非常にのんびりしているように感じるんですけれども,ほかの委員の先生方は,それをAとなさっていたり,あるいは中期目標でもA+あるいはAということになさっているんですが,単純な疑問なんですけれども,アンケート調査というのは人々の気持ちを調査しているわけですが,いつまでも同じとは限らないわけですし,アンケートをせっかくとったところで,大分じっくり寝かしている理由が分からないんですが,説明をしていただけると有り難いと思います。 山本委員長 これは事務局のレベルでお答えいただけますか。それとも法テラスの方に来ていただいた方がいいですか。 松本部付 それでは,別室に待機しております法テラスの民事法律扶助課の人間を呼んでまいりますので,少々お待ちください。 山本委員長 では暫時休憩します。 (休     憩) 山本委員長 それでは再開したいと思いますが,まず小林委員の方から今の御質問の趣旨をもう一度お願いできますか。 小林委員 項目9についてですけれども,ニーズ調査,立派な調査報告書もできているんですけれども,アンケートというものは人々の意見を聞き取ってまとめたものだと思うんですが,人々の意見というのは,その時その時でだんだん変わっていくという可能性もありますし,ニーズを把握した時点でできるだけ施策に生かしていくべきではないかと思うんですが,アンケートをとってまとめて,それを検討して施策に生かしていくという,そのステップがのんびりしているのではないかというふうに感じたものですから,このアンケートの内容あるいは得られた答えの中から,それはのんびりはしていないんだという事情があるのか,御説明をいただければと思います。 設楽課長 ニーズ調査は,報告書に記載してありますとおり平成20年秋に実施して,取りまとめが,あらあらのものが,校正原稿が上がってでき上がったのが平成21年3月から4月にかけてと承知しております。その後,早速,中身を抜粋したり引用したりということで,平成21年度中には,まず法テラスの内部への調査結果の周知ということで,ブロック別協議会で紹介を行ったり,意見交換をしたりというような内部作業を21年度中に実施いたしました。それから,21年度中に,ほぼ完成に近づいた段階の,完成というのは校正なども済ませて,表の数字のチェック等も済ませたものを関係機関にも一部お配りをして,3回ほどニーズ調査結果を踏まえた勉強会を行いました。   その上で,意見を頂いた上で,平成21年度から22年度にかけて,今後の法テラスの目指す方向性について理事長も職員にいろいろなメッセージを発出されておられますが,その中に既にニーズ調査結果を踏まえた一部提言も盛り込んで,職員へのメッセージあるいは法テラスの外に対するメッセージとして結実しています。結実しているというのは,法律相談の在り方の見直しという点で,現在は無料法律相談を1コマ30分で3回まで,1テーマ3回までというような形でやっておりますけれども,これが果たして本当に国民にとって使いやすい,法律による紛争解決の入口として使いやすいものなのかどうか,その点の見直しをしようということで,結局,調査がアンケートを実施してほぼ1年間,内部で中身を精査したり,あるいは議論したりということに費やしてしまったわけですので,そういう意味では事業計画の策定の下準備はできたんですけれども,具体化するのはぎりぎり,平成22年度の第2期中期計画が間近に迫ったところということで,現在,事業計画として,もう少し具体化したものは22年度中には策定したいと考えております。   行程としてはこのぐらいなので,間が1年あいてしまったのは,今申し上げたように検証と議論,討論というか,そういったもので少し時間をとりました。 山本委員長 よろしいですか。 小林委員 はい。 山本委員長 ほかに特に追加的な御質問は,よろしいでしょうか。   それでは,民事法律扶助課長には御退席いただいて結構です。どうもありがとうございました。 (設楽課長 退席) 山本委員長 それでは議論を続けたいと思いますが,小林委員の方からはBに基づく意見がございましたが,ほかの委員の御意見はいかがでしょうか。 吉川委員 これはAかBかではなくて,A+かAかで割れているんですよね。 山本委員長 基本的にはそうですね。 吉川委員 A+という点数が出てきたのはこれが初めてなので,どういう場合にA+なのかという客観的な基準が我々の頭の中に入っていないわけですね。それで,私は実はA+にしたんですが,ああいうかなり立派な報告書ができているのにA+にならないというんだったら,どういう場合がA+になるのかというあたりがよく分からないんです。   ただ,私はA+にしましたけれども,もし多くの方がAでいいんだとおっしゃれば,別にA+をAに下げてもかまわないと思っておりますので,時間も余りないので,ここはそんなに議論しなくても,Aでも付けたらどうでしょうか。 山本委員長 時間のことをお気遣いいただいて大変有り難いと思いますが,ほかの委員の御意見はいかがでしょうか。 遠藤委員 私も,今,吉川委員がおっしゃったように,A+というのが,果たしてどういう業績が上がったときにA+になるのかという評価が非常に難しいと思うんです。通常,こういうアンケート調査を全面的にやったときには,申し訳ないですけれども,この程度の冊子を出すのは当たり前なんですね。むしろ出さない方がおかしいのであって,これだけサンプルをとりましてやりますと,分析をして,それからそれなりの各界に参考資料を出すというのは当たり前なんですね。そうすると,業績として私はA+というよりもA,当然のことをやったんだと。各年度の推移を見ていますと,平成20年度,21年度にかけてかなり大々的にニーズ調査のための努力をされているとしますと,私はAがいいのではないか。A+になると,もっと何か,これを出した後の各界の意見を集約して更に展開したとなると,これは私はA+かなと思うんですが,そこまでやっていないんですね,時間的な問題もあると思いますけれども。   したがって,私はA+というよりも,現段階ではAの方がいいのではないかと判断いたしました。 山本委員長 ありがとうございます。という御意見ですが,ほかの委員はいかがでしょうか。 知久委員 私はA+を付けた人間ですけれども,中期目標の中に,アンケート調査等を実施するなどして,民事法律扶助のニーズの把握に努めるという目標の面から見れば,一回限りのアンケートだという御指摘もあるかもしれませんけれども,かなり分析も細かくしていますし,こういった面でA+にしても,これはそれこそ応援になるのであって,いいのではないかというふうに今でも考えています。 山本委員長 ありがとうございます。ほかの委員の御意見を伺えればと思います。 坂本委員 私もA+にしました。先ほどの説明でも,法律相談の充実に向けての準備を1年間内部で検討してきたということと,それから,無料法律相談の在り方についての議論を深めてきたというふうに御報告がありましたので,アンケートの結果を踏まえて,1年間内部で議論を詰めて,翌年度に向けての事業計画というのを立てたということであれば,A+でもいいのかなと思います。 山本委員長 いかがでしょうか。御意見としてはA+の意見が多いように伺いましたが,小林委員はむしろBではないかということですが。 小林委員 私は,今の御説明をお聞きしまして,A+でいいと思いますけれども,ほかに強い意見があればAでもいいかなという程度ですので,大勢に応じます。 山本委員長 私自身もこれはAにしたのですが,これは調査をやった人間は私と同業者の人なので,特にホームレスの方々の調査とか,実際かなり御苦労されたようなことは伺っていたので,調査の結果も,法社会学的な見地から見てもかなり立派なものであるということは全く異論のないところですので,そういたしますと,これについてはA+ということでよろしいでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,項目9のニーズ調査につきましては,原案としてはAということになっていますが,アンケート調査の内容が非常に充実したものであるということ,それから,先ほど民事法律扶助課長の御説明にあったように,それを踏まえて,一定の施策をとるような準備段階の議論も十分になされているということを踏まえて,結論としてはA+ということにしたいと思います。 山﨑参事官 理由も含めて,その辺を書きたいと思います。 山本委員長 よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。   それでは,引き続きまして次の項目10,国選弁護事件における契約弁護士の確保ということでございます。   これにつきましても,平成21年度の評価についてはAが9名,Bが1名ということで,Aが多数を占めているわけでありますけれども,中期目標期間の評価につきましてはAの委員が6名,Bの委員が4名ということで,かなり御意見が分かれたということになっております。この点について御議論をいただければと思います。   これは,被疑者国選の対応というのは,法テラス創設当初から懸念がされていたところだったわけですけれども,結局,平成22年度初めで全国の弁護士の61%と契約ができ,実際上,被疑者国選の発足においても特段の支障は生じていないということで,その点は高く評価されるということには異論がないところだと思われます。ただ,将来の全国的に均一な刑事弁護サービスの実現という観点から見れば,なお更に取組が必要ではないかというところを重視すると,そちらを重視される委員の方はBの方向に傾いているというあたりが分かれている原因かなと思われるところです。 山崎委員 正におっしゃるとおりでして,数的な問題とか時間的な問題については,迅速にやっていただいて確保していることは間違いないんですけれども,中身ということで,全国一律,均等のという点ではまだ道は遠いということで,Bだと思っています。 山本委員長 実際の御感触としてはそういうことだと。 遠藤委員 私もBにしたんです。といいますのは,確かに量的な拡充はできていますけれども,質的な面から見まして,やはり量よりも,むしろ弁護サービスに対してどの程度質的なサービスが提供できたかということがある程度ポイントになってくるような感じがするんですね。そういたしますと,その辺のところが確かに,各年度を見ましてもなかなかうかがい知れないところもありますし,数だけではなくて実際の弁護士の構成を見ましても,果たして本当に均一な弁護士確保により国民サービスができたのかどうかということを考えますと,Bではないかということで,私はBを付けました。 山本委員長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。 嶋津委員 私は平成21年度のところにAを付けたので,中期目標期間もAというふうに機械的に付けましたけれども,今の御意見も含めてBにすることに異議はありません。 山本委員長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。御発言いただいた委員は皆さんBということですが,特段の御異論はございませんか。よろしいでしょうか。   そうすると,ここも,平成21年度の評価としてはA,昨年度もAだったわけですが,当初2年,平成18年度,19年度がBで,20年度,21年度はAとなっているわけですが,最終的には中期目標期間についてはBという結論になるということですが,そういう前提で御異論はございませんか。よろしゅうございますか。   それでは,今の御議論を踏まえて,中期目標期間の評価としてはBということにしたいと思いますが,理由もこういうことでよろしゅうございましょうか。Bの案として書かれてあるような,まだまだ全国的に均一な刑事弁護サービスの実現のためには,更なる取組が必要であるということでBなのであると。   ありがとうございました。それでは,この項目につきましては,Bということで取り扱わせていただきたいと思います。   それでは,引き続きまして項目13,資料1-1の8ページになりますけれども,犯罪被害者支援関係機関との連携協力という項目でございます。   この点につきましては,平成21年度につきましては,全委員がAということで全く争いはないわけですけれども,中期目標期間の評価といたしましてはA+が6名,Aが3名,Bが1名ということで,これもやや分かれているということで,実質的な問題としては,A+にするかAにするかという違いかと思いますが,ここはA+の方が多い,6名の委員がA+としているところでございます。いかがでしょうか。   犯罪被害者支援の連携という観点では,この4か年の間,私の記憶では,ほぼ一致して皆さん常にAという評価をされてきたのではないかと思いますが,それが特に優れているというところまで見ることができるかどうかということの,先ほどの遠藤委員のお話ですが,A+というのをどういうふうに委員会として見るのかということの問題かなという気はいたしますけれども,全体ではこの項目が唯一,A+が過半数を占めた項目でもあるというところはございます。 知久委員 私はA評価としましたが,A+を付けた方の御意見を是非聞かせていただきたいのですけれども。 山崎委員 被害者の関係は,皆さんの御努力によって飛躍的に法制度も整備されましたし,運用の面でもかなり成果が上がった一つではないか。現に,先ほどの連携指数の関係でも,先ほどのとは違って,平成18年度から常に上昇を続けているということが非常に大きいと思うんです。それから,団体との関係でもいろいろな協力関係の構築に努力されたと。私は先ほどのアンケートよりもこっちの方がA+の実績があると思っております。 坂本委員 私もA+を付けました。犯罪被害者のサービス内容というのは,ほかの情報提供よりももっと深刻性があって,御相談者の中身によっては身体,生命にも影響が出てくるようなもので,それに対して60%程度の国選弁護士の紹介等をやっているという実績がありました。それから,必ずつないでいくために研修として事例検討会を重ねてきたり,単なる情報提供だけではなくて,中身をかなり突っ込んでやっているという実績が見られたので,これはA+に値するのではないかと思いました。 山本委員長 ありがとうございます。それぞれ裁判実務,それから相談現場からの御意見でしたが。 嶋津委員 私も,Aにしましたけれども,A+にして全く異議はありません。 山本委員長 ありがとうございます。   それではよろしゅうございましょうか。この項目につきましてはA+ということで,理由についても,ここに記載されているようなことであるという理解で御了解を得たということにさせていただければと思います。ありがとうございました。   それでは,最初の大項目の一番最後の問題になりますが,次の項目14,資料1-1の9ページです。契約弁護士の確保,これも被害者にかかわるところでありますけれども,被害者参加人のための国選弁護の代理人の確保という点でございます。   この点につきましては,今年から新たに加えられた項目ということになりますけれども,平成21年度の評価はAの委員が6名,Bの委員が4名という形で分かれているということであります。この点についての御審議を頂ければと思います。 小林委員 私は,評価の案を提出したときはBだったんですけれども,その後,御説明を頂きまして,契約弁護士の数の対象となる人たちに対する人数の割合から見て,普通の契約弁護士よりずっと大人数だというのが分かりましたので,Aに変えます。 鈴木部付 事務局から情報提供させていただきたいと思いますが,小林委員からの御質問を踏まえた法テラスの回答につきましては,本日配布の机上配布資料のD-1,12ページから13ページにかけて,項目14の問1という質問に対する答えということで紹介されております。   具体的には,被害者参加契約弁護士数と平成21年度の被害者参加弁護士の選定請求受付件数,人員状況に照らし合わせますと,被害者参加契約弁護士数が被害者参加弁護士の選定請求受付件数を大きく上回っているという数字が紹介されております。 山本委員長 ありがとうございました。この資料を踏まえて小林委員としては御意見を変えられて,Aでよいのではないかということですね。 小林委員 はい。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。 嶋津委員 私もBを付けましたけれども,Aにしていただいて異議ありません。 山本委員長 そうですか。ということは,大勢としてはAということでよろしいのではないかというふうにお伺いしてよろしいでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。それでは,項目14につきましては評価はAということで,評価理由につきましても,基本的には案として書かれているようなことでよろしいということで,よろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,これで大項目1という部分は御意見をすべて取りまとめをできたということですが,特に大項目1について,ほかに御意見はよろしゅうございましょうか。   それでは,幾つか個別の修正のところ,宿題として残った部分もございますけれども,評価結果としては以上のようなことでまとめさせていただければと思います。   それでは,恐縮ですが,引き続きまして大項目2,業務運営の効率化のための措置というところ,平成21年度の個別項目で言えば15から22を御議論いただきたいと思います。   この点につきましては,それほど大きな意見の違いはございません。机上配布資料のC-1を御覧いただきますと,大項目2の部分は,多くの項目は全員一致か,9対1あるいは8対2ぐらいになっているということでございます。若干分かれているのは,一括国選契約,項目21のところが平成21年度も中期目標期間も7対3という形で分かれておりますが,あとはかなりの程度,意見の一致が見られるように思いますけれども,項目21以外のところ,15から20,それから22の司法過疎対策を含めてですが,まずこれらの部分について御意見があれば,いただければと思います。   これらの部分は,概ね原案のような形でよろしゅうございましょうか。 吉川委員 項目18の常勤弁護士の確保の点ですが,これは私はAにしたんですが,いつも毎年同じようなことを申し上げておりますけれども,ややもすると,法テラスは常勤弁護士を確保しないとうまく任務が遂行できないというような前提で考えられる傾向があるように思うんですけれども,例えば民事法律扶助については,法テラスの常勤弁護士がやるのは,過疎地とか,そういう補完的な任務がむしろ重要であって,私は,一般の契約弁護士にやってもらうというスタンスで法テラスはやっていいのではないかと思っておりますので,それが一つ。   それからもう一つは,常勤弁護士を探すというのは,やってみると本当に大変な仕事だろうと思います。私は弁護士としてその事情はよく分かります。ですから,客観的なデータとしての数が少ないということだけでBという評価にするには,私はかなり抵抗を感じているということで,皆さんが,Bが多数ですから,これをAに変えろとは言いませんが,そういう意見があったということを議事録にとどめておいていただきたいと思います。 山本委員長 ありがとうございました。これは法律扶助についての理念的な,ジュディケア制かスタッフ制かとか,昔から議論がされている非常に奥深い問題かと思います。それから,毎年この委員会でも御議論いただいているところかと思いますけれども,今の吉川委員の御意見は,そういう御意見があったという旨を明らかにしておきたいという御趣旨かと思いますが,今の点でも結構ですし,あるいはほかの部分でも結構ですが,他に御意見はありますでしょうか。   それでは,もしよろしければ,今の吉川委員の御意見は御意見として承ったということで,平成21年度の項目で言うところの項目15から20,それから22につきましては,実績評価については原案どおりという形で取りまとめさせていただいてよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,1点,この大項目の中で議論を要する項目とされている項目21でございます。資料1-1で言いますと14ページの下の方の欄でございます。国選弁護人契約における一括契約,包括的な委託の問題であります。   これにつきましては,平成21年度の評価も中期目標期間の評価もAが多数になっているわけでありますけれども,いずれも7対3ということで分かれていると。Aの評価としては,その理由に書かれていますように,基本的には一括国選弁護人契約という契約を締結した弁護士さんの数というのは増えていると,その点を重視されているということかと思います。ただ,実際の一括契約が実施された件数というのはかなり減っているわけですね。恐らくこの点をどう見るかということで御意見が分かれているんだろうと思います。   法テラスの説明等によれば,減っている理由は,法テラスが悪いのではなくて,一括契約の対象になる刑事の即決事件数自体が減少している,あるいは即決事件の中で被疑者国選弁護から継続する事件,これも一括契約の対象にならないわけですが,そもそも対象にならない事件が大きく増えているので,最終的な一括契約の件数自体が減っているということで,これは法テラスの責任ではない,外在的な理由であるということからすれば,法テラスは十分に努力しているというところでAとされている委員が多数であるのに対して,実際上,契約が十分な成果を上げていないのではないかというところを見るとBという評価に分かれていると,そのあたりの違いかなと思いますが,いかがでしょうか。御意見がある委員がおられれば。 小林委員 私は,委員長が説明なさったような理由でAにいたしました。 山本委員長 ということですね。ここは7名対3名ということですので,特段,Bの御意見で強い御意見がなければ,多数に従ってAになるのが自然なところかと思いますが。 山崎委員 どうして一括契約が少ないか,すなわち即決事件が少ないかということは,毎回,法テラスの方に説明していただいて,仕方がないんですが,いかんせん余りにも少ないものですから,去年まで私はAにしていたんですけれども,もう少し理由がきっちりしたい。もちろん,検察庁の御方針によるのかもしれませんけれども,Aにするには,60何件とか非常に少ないものですから,看板と中身がやや違う。本当は,例えば木曜日の1日,即決裁判手続に充てて,朝から晩まである弁護士さんが一括契約を受けてやるということが見込まれていたんですけれども,非常に件数が少ないので,一括契約をしなくても済んでしまっているということが大きいのかなと。そういうちょっと歪み的なところがあるのでBにしましたが,皆さんがAでいいということであれば特段反対するべきものでもないです。 山本委員長 即決が非常に減っているというのは,どういう理由が。 山崎委員 それもいつも分からないんですけれども,一番よく言われているのは,感銘力というか,要するに結論が分かってしまうことに対する抵抗感があるのかなという勝手な憶測なんですけれども,言ってみれば,被疑者,それから弁護士さんも同意を得て,これは実は執行猶予になると。ですから簡単に済みますよと。そのかわり控訴はできませんよと,そういうことを被疑者段階で説明して了解を得るんですが,そういたしますと反省をしてもらう契機がないので,それなりにきちっと反省をしていただくためには,余り利用しなくなっているのも一つかなという気もするし,もともとは裁判員制度ができて,裁判員制度に力を注ぐ関係から,こちらで比較的簡易な事件を設けようということで設けられた制度であるにもかかわらず,向こうは一生懸命頑張っているんですけれども,こちらを利用することがないというところが大きいんです。 山本委員長 分かりました。   あとはいかがでしょうか。私も個人的には,余りに件数が,こんなに減っているのはどうかという感じもしたので,Bにしたのですが,法テラスの責任とまでは言い難いところは確かにあると思いますので,それではこの項目につきましてはAということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,これはAということで,原案のような理由に基づいてAということにさせていただければと思います。   それでは,続きまして大項目3,提供するサービスその他の業務の質の向上に関する項目という部分でございます。   これは,項目数はやや多いのですが,平成21年度の項目で言えば23から37まででございます。これについても異論が少ない項目が相当数あります。例えば,扶助についての弁護士の研修あるいは国選についての研修といったあたりは,皆さんBの評価ですし,被害者の意見聴取,関係機関の連携強化,これは平成21年度の評価としてはAが多数であるというところですが,異論の少ない項目としてそこに挙がっていますのは,25から31までの項目,それから33,精通弁護士の確保・紹介,34,被害者への情報提供,36,司法過疎事務所の事務配分,37,関係機関連携強化といったあたりは,概ね8対2とか,せいぜい7対3ぐらいで異論が少ないところでありますけれども,まずこれらの項目につきまして御意見等がございましたら,お伺いしたいと思います。 知久委員 平成21年度項目の25番で,皆さまのほとんどB評価で私もB評価なのですが,こちらの方は評価としてはBということで,これでよろしいかと私は思っております。特に評価の理由の中に括弧書きが入っていますが,地方事務所にはセンター相談というものがありますが,最近はかなり利用者が多く,予約を入れるのに二,三週間先になるような事務所もあるようですので,センター相談の相談枠の増加などを要望しているところですが,各地方事務所の事情で,例えば事務量の増加等の理由から,なかなか相談枠の増加ができないと言っている事務所もあるようです。そうであれば,各地方事務所において指定相談場所の積極的な活用や,契約弁護士の少ない事務所に,例えば司法書士相談の枠を設置するなどを考えていただければと思いまして,評価の理由のところに,括弧書き部分を加えさせていただいております。 山本委員長 平成21年度の評価理由のところの後半のあたりにある括弧書きの,「センター相談の相談枠の増加や,各地方事務所における指定相談場所の積極的な活用,契約弁護士数の少ない事務所には新たに司法書士相談の枠を設置する」といった取組も必要だろうと,そういうことですね。これは知久委員の御意見を踏まえて理由が作成されているということかと思いますが。 鈴木部付 事務局案において括弧書きにしている趣旨について御説明が漏れておりました。今,知久委員から御紹介がありましたように,知久委員の評価理由の案を反映したものではございますが,このような具体的な施策の中身につきましては,委員会の会議の場で御議論いただいた上で,それを盛り込むかどうかということを決めていただきたいと思って,括弧書きにしております。 山本委員長 ということでございまして,そういう意味ではここでの御議論を踏まえて,こういう表現振りでよいかどうか,こういう内容を含むということでよいかどうかということ含めてということですが,いかがでしょうか。 嶋津委員 私はこだわるものではありませんけれども,文章の表現として,「契約弁護士数の少ない事務所には新たに司法書士相談の枠」というのは,そういうことは,契約弁護士の数の少ないところ,そういうところだけが司法書士の枠をつくるべきだという御趣旨ですか。そうではなくて,一般的に司法書士の方も活用していただいて審査をするべきという趣旨であって,契約弁護士の数の少ない場所には司法書士の方もそんなに多くはないのではないかという一般的な感想も持つんですね。   だから,そういうことから言うと,文章の表現として,新たに司法書士相談の枠を設置するというよりは,司法書士相談も活用する,それは一般的に活用するという表現の方が分かりやすい。 知久委員 嶋津委員の御指摘のとおりですね。司法書士会側から,司法書士の相談窓口を開設してほしいということを各地方事務所に要望しておりますが,司法書士相談枠の設置までは考えていない,あるいは当初はあった相談枠がなくなったなど,いろいろなケースがあるのが実情です。御指摘いただきましたとおり,契約弁護士が少ないということには固執せず,司法書士で十分に対応できる相談もございますし,相談者を二,三週間も待たせているような事例が多々見受けられますので,それであれば,司法書士で対応できる部分は司法書士相談枠を置いていただいて,そこを利用していただければ,利用者の利便性の更なる向上につながるものと思います。御指摘ありがとうございました。 山本委員長 ほかに今のこの点について御意見はいかがでしょうか。吉川委員,何か御意見は。 吉川委員 特にございません。 山本委員長 それでは,こういう形で,今ありました契約弁護士数の少ないうんぬんのところは表現を改めるということですが,基本的にはこのような趣旨の記載を理由に付け加えるということについては,御異論はないと承ってよろしいでしょうか。   それでは,そういうことのようですので。 山﨑参事官 承知しました。 山本委員長 それでは,先ほどの異論の少ない項目に相当する部分について,他に御意見がございますればお伺いしたいと思います。 小林委員 平成21年度の項目29なんですけれども,私一人がBにしたようですが,指名通知要請を受けてから裁判所に候補を通知するまでの時間の短縮を図るというところですが,かなり努力はなさっているということは分かるんですけれども,数時間というのが80何%かだったと思うんですが,当番弁護の制度にするともっと早いというふうに書かれていたと思うんですけれども,そのような仕組みをつくることができないところがあるのか,あるいはどのような事情ですべての事務所について当番制をしくことができないのか,その辺の事情がよく分からなかったのでBにしたんですけれども,教えていただければと思います。 山本委員長 これは事務局で対応はいかがですか。 山﨑参事官 法テラスの担当者に説明させます。 山本委員長 では呼んでいただければ。   では,ほかの点について御審議を頂いておきますか。今の異論が少ない項目について,ほかのところで御意見があれば伺いたいと思いますが,特段の御異論はございませんでしょうか。 坂本委員 国選弁護士の全体を通しての研修ですが,弁護士研修,国選弁護士研修という,平成21年度でいうと項目26,30,35の研修なんですが,弁護士さんの自治という観点からいくと,弁護士さんに対して何か研修をするということはなかなか難しい側面があるのかなと思いまして,毎年,研修に対する評価というのはBのように受け取られました。   研修の仕方について一つ意見として聞いていただきたいんですが,例えば社会問題になっている多重債務問題だとか,高齢者が高額な被害に遭うとか,様々な事件があると思います。そういった事件に対する研修会だとか,国選弁護士を依頼する消費者の方というのは,経済的とか精神的に非常に不安定な状態で来るので,弁護士に対してきちっとものを言うということがなかなか難しいのではないかと思います。そういう人をしっかり受け止めて,適切な情報提供だとか助言ができるようなカウンセリング的な研修というんですか,そういった一般的な研修をやっていただくようなことを考えていただきたいと思います。 山本委員長 今の御意見はどちらかというと,研修内容についてですか。 坂本委員 研修の中身について。 山本委員長 研修の中身について,法律扶助とかそういうような方向のあれですか。消費者被害の救済のための手続など。 坂本委員 法律扶助に対しての研修ではなくて,一般的な研修というんですか,法律扶助する方の気持ちを受け止めるカウンセリング的な要素をしっかりと身に付けてほしいとか,社会問題になっているような事件だとか,そういうテーマを一つずつ出していって募集をするとか,研修の中身を充実させていただきたいと思います。 山本委員長 分かりました。今の点は。 坂本委員 意見として。 山﨑参事官 事務局からでございますが,委員御指摘のとおり,研修ということになると,弁護士というものの仕事の性格上,どこまで法テラスが主体的に行うことができるかについて難しいところがございます。しかしながら,弁護士会が行う研修に協力するなど,いろいろな形で法テラスが関与していくことは可能だと思いますし,そういう面を踏まえまして法テラスに伝えたいと思います。 坂本委員 よろしくお願いします。 山本委員長 ありがとうございました。   大項目3の部分で異論の少ない項目については,御異論は特にはないという理解でよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それでは,また戻っていただいても結構ですけれども,大項目3のその部分につきましては原案のとおりという扱いにしたいと思います。 (新部部長 入室) 山本委員長 それでは,恐縮ですが,小林委員,もう一度今の御質問の趣旨を。 小林委員 項目29の平成21年度の方についてですけれども,裁判所からの指名通知要請を受けてから裁判所に指名通知をするまで,報告するまでの時間について,かなり早い時間で処理をなさっている方が多いんですけれども,それでも,当日までに連絡ができなかったものが約18.4%ということなんですが,当番弁護の制度にすれば,もっと高い確率で短い時間で通知ができるということをお書きになっているんですけれども,それがすべての事務所でその制度を採用できないという現状はどのような事情があるかを教えていただけますか。 新部部長 昔の当番弁護士制度,今でも並行してあるんですが,これは弁護士会がやっている制度なんですが,この場合は,待機制の名簿と,それから順番で充てていく名簿制の2種類持っていたんですが,被疑者国選になってからは,各地とも昔で言う待機制の名簿を持っていると思います。例えば,その日の割当てで5人が中で担当すると,こういう形で名簿を持っているんですね。   ただ,人数が少ない会だと,待機制の名簿ではなくて順番に充てていくという名簿になるんですが,主に遅れている理由は,勾留質問から始まるものですから,裁判所の勾留質問から依頼が来るのが夕方になるのがすごく多いんです,裁判所の事情にもよるんですが。そうすると,そこから探し始めるとなかなか,夕方になると待機の時間が過ぎて,つまり5時か6時ぐらいで待機が切れているものですから,それ以降はなかなか見付けにくいとか,勾留の人員がすごく多くて待機している名簿の人数を超えてしまって,次の日の名簿を当たるか前の日の名簿を当たるかという不確定要素がかなりあるということ。   それから,できるだけ関連した事件の弁護人を充てたいものですから,複数事件は探すんですね。つまり,その日の当番ではない人を充てる場合もあるんです。探すときに時間が掛かったりとか,このように,単純な名簿のつくり方以外の要素が入っていて,それで24時間を超えているのが若干あります。大抵24時間,90何%まで入っているので,名簿のつくり方としては待機制に近い名簿になっていると思いますが,ほかの要因でちょっと遅れているということです。それから,人数の少ない会は,待機制の名簿がとれないところが若干あるということだと思います。 小林委員 そうすると,ほとんどはどちらかの意味での当番弁護の制度になっているんだけれども,ほかの要素で遅くなっているということですか。 新部部長 ええ。ほかの要素が入っているということです。 小林委員 ありがとうございました。 山本委員長 ほかに何か付随的に御質問はよろしいでしょうか。   それでは,ありがとうございました。 (新部部長 退席) 山本委員長 今の御質疑を踏まえまして,項目29については小林委員は。 小林委員 Aで結構です。 山本委員長 それでは,これは原案どおりということかと思いますけれども,項目29はAという形で扱わせていただければと思います。   それでは,大項目3のところで議論を要する項目として挙げられている問題でありますけれども,まず項目23,資料1-1の16ページになりますけれども,いわゆるFAQの充実の問題であります。   この点につきましては,平成21年度の評価につきましてはAの委員が8名,Bの委員が2名ということで,大多数がAにされているわけでありますが,中期目標期間の評価におきましてはAの委員が6名,Bの委員が4名ということになりまして,Bの委員がかなり多くなっているということです。   これも数値的な部分を見ると,FAQの数というのは非常に増えているということで,中期計画としては20%以上増大するということでしたが,増加の割合は65%になっているということ。それから,利用者からのアンケート調査で4以上の評価を得るというところでも4.3とか,かなり高い評価を得ているということで,数値的な部分をとらえると恐らくAという評価になるのかと思われます。ただ,実質的な部分で,中期目標は究極的には,利用者にとって身近で利用しやすいような情報提供の質・量の向上を図るというのが中期目標ですので,実質的な部分を勘案して,果たしてそうなっているかというところの御疑問があられる委員はBを選ばれたのかなという感じがいたしますけれども,この部分についてまずは御議論をいただければと存じます。 知久委員 以前の評価委員会の際にも法テラスに質問したところですけれども,FAQについて2点,私としてはB評価にした理由があります。1点は,弁護士,司法書士の振り分け基準と言われているFAQがありまして,それを今後見直しますという回答をそのとき確か頂いたと思うのですけれども,まだ見直しには至っていない状況にあるということ。   もう1点は,FAQは,ホームページ上で自分の欲しい情報を検索をしていくものですが,時々試してみるのですが,確かに情報量は多いのですが,自分の欲しい情報にはなかなかたどり着けないというところがありますので,そういう意味で,平成21年度ではなく中期目標期間に関してB評価にさせていただいています。評価理由の中に,FAQの内容を不断に見直すなどして,利用者がホームページ上で容易に必要とする情報にたどり着けるような工夫をするということ,この言葉が入ればA評価でもいいのかもしれませんが。 山本委員長 なるほど。現実に必ずしも使いやすくなっていないのではないかという実際の御経験からの御意見でありますが,いかがでしょうか,ほかの委員の方。 坂本委員 この評価委員会の委員をお引受けした直後に法テラスの見学をさせていただきました。そのときに実際の法テラスのコールセンターの方々が回答している現場を見させていただいて,突然のことだったんですけれども,指名をしないで,あの番号の人を入れてくださいとかという要望をしたときに,用意していたということではなくて,受け答えとか回答が非常に適切であって,質問にもきちっと答えていてすばらしいなという実感がありました。   様々な相談がたくさん入ってくる中で,一つ一つ親切に丁寧に適切な情報提供をするというのはなかなか難しいことなんですけれども,アンケート調査でも4.4という評価を付けておりますし,これはAで足りないくらいというふうに感じております。 山本委員長 相談の実務御経験からAという評価に値するのではないかという御意見ですね。   いかがでしょうか。 知久委員 現場を見学させていただきましたが,情報提供がかなり充実していることは私も理解していますので,A評価としてもいいのですけれども,全体に見て,FAQの見直しというところをこちらの評価理由の中に入れていただければ,A評価にしてもいいと思います。 山崎委員 要は,ここは結構コアのところだと思うんです。FAQというのは,法テラスの業務の全体からするとかなり大事なところなので,それこそ先ほど冒頭のところでやったとおり,ここで安易にAを付けるよりはBの方がいいかなというのが私の意見です。私自身も見学に行って感激したんですけれども,更なる前進を遂げていただきたいという意味も込めてBということです。 山本委員長 山崎委員の御感触としては,FAQは必ずしもまだ十分ではないのではないかと。 山崎委員 いや,そんなことはないでしょうけれども,やはり常に前進しなければいけない。ここの部分は本当に大事なところで,ほかのところに比べても比較的重要度が高いかなと。国民との一番接点ですよね。そこのところで初めからいい評価を出してしまうことによって,ひょっとしたら前進が止まってもいけないかなという老婆心です。 坂本委員 相談の現場にいる身で,山崎委員に私の意見を聞いてほしいんですけれども,消費者相談も法テラスのコールセンターも千差万別の相談が入ってきて,それをさばいていくというのは大変なことなんです。相談員たちは1日仕事が終わるとぐったりして,本当に大変な業務を担っております。そういう中で,たった1日の見学だったんですけれども,統制されていると言うのは変ですが,きちっとモラルの高い仕事をしているということを実感しました。   法テラスの仕事の一番重要なところがコールセンターで,ここのところがしっかりと国民の心をとらえるような情報提供ができるということは非常に重要なことで,このところを力を入れて頑張ってほしいという意味でもここはAを,私は委員として十分な勉強もできていないんですけれども,ほかのところと比べたら,ここのところは応援も込めてよくやっているという。ほかのところはもうちょっと頑張ってほしいなと感じるところが幾つかありますが,ここはA,A+でもいいのかなと感じました。   FAQなどは二の次なのかなと。やはり接客対応で,どれだけその人の気持ちを受け止めてあげて,その人に適切な助言ができるかというところが最も重要で,命だと思うんですね。そういうコールセンターの陰ながらの努力をしている相談員さんを応援してあげたいということと,あのくらいの親切さをほかの国選弁護士とか弁護士さんたちもやられてもいいのかなというふうに感じました。 山本委員長 かなり御意見が分かれているところかと思いますので,是非皆さん。 嶋津委員 私も,コールセンター業務が法テラスの非常に重要な,国民との接点として非常に重要だと思います。ただ,そのことに対して,そのサービスを向上させるためにFAQを導入して,早くて的確な情報サービスをするということだと思うんです。したがって,FAQに対する評価とコールセンターの応接に対する評価というのは必ずしも同じではないので,FAQはコールセンターの技術というのか,一つのテクニックとしてFAQを充実させ,そのことによって,尋ねる人へのサービスが迅速にできるようにということですから,そこの技術的なところの評価という意味では,私はAでいいのではないかと思っております。   それから,それ以外にもコールセンターについて,2,3とか,そういう機能についての評価もございますので,このFAQを努力して充実させているという点についての評価はAでいいのではないかと思います。 山本委員長 ほかの委員の御意見も伺えればと思いますが,いかがでしょうか。 小林委員 皆さんのお話を伺ったところ,FAQ自体と応対とを同じ項目で評価すること自体が難しいということではないでしょうか。 山本委員長 確かにそのとおりかもしれません。ここはかなり総括的な情報提供の質・量の向上という観点から図るという項目になっておりますので。 小林委員 どちらも大事だというのはすごく分かりますので,それを一遍にというのは難しいのではないかと思います。 山本委員長 理由のところで,先ほども出ていましたが,ある程度ニュアンスを付けて書くということは十分できると思うんですが,評価がAかBかという部分は,全体的にどちらかということを決めていただくほかない。 小林委員 私はAにしたんですけれども,山崎委員の,非常に大事なところなので常々努力をしていかなければいけないというところも確かに大事だと思うんです。ただ,実際にはそこで決着するわけではないということを考えれば,努力はしなければいけないけれども,Aでもいいのではないかと思います。 山本委員長 評価理由の中でその趣旨をあらわすということですか。 小林委員 はい,そうですね。 遠藤委員 中期目標期間の評価理由のところですね。先ほどもお話が出ましたけれども,FAQの情報量とかデータベースというのはあくまでもツールなんですね。したがいまして,ここの文章も,私は,後半の部分の,利用者が必要とする情報を迅速に提供するためにFAQだとかデータベースを使っているわけですから,むしろ文章を逆転させて記載した方がいい。今のままでいきますと,FAQの情報量が増えたから,率もFAQの情報量が増えていますというのを強調され過ぎているんです。これはあくまでも情報を提供するためのツールなんですね。その情報量を増やすためには,ツールの充実と量を増やしていくことは当然のことなんです。   したがいまして,私はここはむしろ,後半の部分の利用者がうんぬんとするために,こうこうこういうふうな努力をし,それだけの効果が上がってきているという書き方をした方が,Aにするインパクトは強いのではないかと思うんですけれども,いかがですか。 山本委員長 遠藤委員の御意見としてはAということでしょうか。 遠藤委員 私はAでいいと思いますが,理由の書き方ですね。ですから,そこのところを,ツールと本来あるべき情報を提供するという使命ですよね。やはり使命の方が先だと思うんですね。 山本委員長 ありがとうございました。そういたしますと,御意見を伺う限りにおいては,最終的な評価としてはAということでよろしいのではないかという委員の御意見の方が多数であるように伺いました。ただ,理由の記載につきましては,今,遠藤委員からも御指摘がありましたが,基本的には最終的な目標は利用者にとって利用しやすい情報提供を目指すということでありますので,その部分を中心的に記載する。   ただ,一つは,先ほど知久委員から御指摘がありましたように,FAQの情報量は増大しているということは確かだけれども,なお使いやすさ,あるいは中身について更に工夫していく余地があるのではないかという御指摘があったかと思います。それから山崎委員からの御指摘で,それは恐らく委員の一致したところかと思いますけれども,情報提供というのは,ある意味,センターにとって命とも言う最も重要な項目であるので,今後とも引き続き情報提供の質を向上させていくべく努力は必要であるということを委員会のメッセージとして伝えるということが必要であるという御意見で,その点については恐らく御異論はないと思われますので,評価理由につきましてそういう形で記載をしていくと。ただ,最終的な結果についてはAということにさせていただくということで,いかがでしょうか。了解いただけますでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それではそういうことで,また細かくは事務局の方でも工夫していただきたいと思います。   それでは,引き続きまして次の項目です。項目24,ページ数で言いますと資料1-1で18ページです。即日中の情報提供と,各地方事務所に訪れた利用者すべてに対して即日に質の高い情報の提供に努めるという項目でございますけれども,この点につきまして,これは平成21年度の評価につきましてもAとされる委員が6名,Bとされる委員が4名という形で分かれておりますし,中期目標期間の評価につきましてはA+が2名,Aが4名,Bが4名ということで,これもかなり分かれている状況にあります。相対的にはAの委員が多数であり,またこれまでの評価でもAということが多数であったかと思います。   ただ,これは恐らくは,先般の法テラスからの聞き取りの中で,確か髙部委員が御質問になられたのではなかったかと記憶していますが,地方事務所に訪れた利用者に対して,むしろコールセンターを紹介していると。十分対応できるような人員が地方事務所になかった場合には,本部のコールセンターを紹介するような形で対応しているというような御説明があり,委員の御意見の中では,そのような対応というのは,中期目標で言うところの即日に質の高い情報を提供したことにはならないのではないかという御意見があって,その点を重視された委員の方がBになっているのかなという印象を受けました。ここもかなり御意見が分かれている部分でありますので,この場で御発言をいただければと思います。いかがでしょうか。 吉川委員 これもすべての項目について言えるんですが,我々はしょせん実態がよく分からないんですね。結局,この業務実績報告書の記載や若干の法テラスの方々との質疑応答で,どういう実態であるかというのを把握しているわけですが,この項目については,中期目標期間については自己評価をA+にしているんですね。数少ないA+をこの項目について法テラスが自分で与えているということは,法テラスの人たちの実感として,かなりよくやれているのではないかというのがあるのではないかと思うんです。その自己評価のA+というのを無視してというか,余りそれを考慮しないで一足飛びにBにしてしまうというのは,我々余り実態を知らない者がする評価としてはやや躊躇を覚えるということで,いろいろ理由を付ければ,どういう評価にでも理由は付くだろうと思いますけれども,少なくともこれはAでいいのではないかと思っております。 山本委員長 ありがとうございました。いかがでしょうか。Aでよいのではないかという御意見ですが,情報提供に係ることですが,坂本委員,もし何か御意見があれば。 坂本委員 私はA+にしたんですが,支援センターで対応できない場合はコールセンターなどを紹介するというのは,この辺のところは,できない部分を中央のコールセンターの方に回すというのは,せっかく窓口に来られていて,その方の気持ちを考えたら適切ではないのではないかと思いますので,A+をAということで,頑張っているというところは理解しております。 小林委員 私もA+にしたんですが,できる手段は全部使うという姿勢で頑張っているというところで,A+にしました。 山本委員長 ということだとしますと,A+の委員もおられるということを踏まえれば,評価としてはAということにして,ただ,Bの御意見の,今,坂本委員からも出ましたけれども,Bとされた委員の御趣旨も踏まえて,理由のところで,Bの理由として書かれていることですが,「来訪した利用者に対してコールセンターを紹介する等の対応は適切とは言い難く,今後,そのような事態の発生を可能な限り防止する方策も検討すべきである。」と。Aの評価ですのでここまで書くのかどうかという感もありますけれども,もう少しマイルドな形かもしれませんけれども,その趣旨のことを注意喚起して,理由としてはしておくというようなあたりでしょうか。 遠藤委員 ここにコールセンターの方に回すということを書かれているのは,こういう件数が多いから書かれているのか。恐らく非常に少なければこういう書き方はしないだろうと思うんです。ですから,地方事務所の中でそういう件数が結構あるということだろうと思うんです。そうすると,そういう点が,中期目標における質の高い情報を即日に提供するというところについてはどうかなという疑問がでてくるわけです。   ただ,情報提供する窓口に専門的な知識を持っている方だとか経験者を配置するということによって,情報提供の質を上げるということについてはAだと思うんです。だから,その辺の兼ね合いをどういうふうに考えるかということがあると思うんです。 山本委員長 そうですね。それは御指摘のとおりで,どれぐらいの割合でこういうことが起こっているのかというのは必ずしも分からないところではありますけれども,この間の御説明からすれば,極めてまれな事態としてそういうことが起こっているということではなさそうな感じの御発言ではあったので,それを踏まえて,なおAと言ってよいかどうかということだと思うんですが,今の発言は,先ほどのところもそうですが,結局,全体として総合的に判断してどうかということで,窓口で現実に頑張っておられるという,坂本委員や小林委員が御指摘のような,むしろその部分を見ればA+であるというところも総合的に踏まえて,しかし他方ではこういう問題もあるというところで,全体としてはAであるにしても,理由としては,そういう問題点があって解決が求められているということは指摘をしておくべきかという,そんな感じですかね。 遠藤委員 ですから,マイナーであろうという前提で言うなら私はAでもいいと思うんですけれども。 山本委員長 おっしゃるとおり,大多数でそういうことが起こっているということではないだろうと。 坂本委員 地方事務所は職員は何人くらいですか。 山﨑参事官 事務所によってまちまちでございます。   例えば,東京のような大きいところは100名になんなんとする規模でございますし,地方ですと数名というところもあるかと存じます。 坂本委員 今後の課題なんですけれども,消費者センターがそんな感じなんです。全国の消費生活センターの規模が非常に小さいんですね。そうすると,そこで受けられるキャパとか,情報量だとか,知識とかというのが限定されてくるので,十分な対応ができないという問題があるんですね。ここで議論することではないんですけれども,恐らく地方事務所の規模が住民サービスを満足させるだけの規模になっていないということで,コールセンターにつないでいくというのは必然的に起きる問題なのかなという感じがします。 山本委員長 そこは,情報提供業務をどういうふうに行っていくのかという基本的な問題にかかわるところだと思うんです。 知久委員 関連ですけれども,中期目標期間の実績の要旨の中に「コールセンターや他の関係諸機関を紹介する」という記載がありますが,地方事務所単位ではその関係機関,先ほどの指数ではないですけれども,たくさんの関係機関と連携している中で,例えば市町村の相談窓口,弁護士会の相談窓口,そういったものがいつどこでどのような相談をやっているかというデータを,各地方事務所が把握していていいはずなんですね。そうであれば,コールセンターを紹介するのではなくて関係機関の窓口を紹介していただければ,今日は法テラスではお受けできないけれども,ここの相談窓口に行けばできますよという御紹介ができるはずです。それができていないという意味を含めて私はB評価にしましたが,連携という意味からも,そのようなことができるように,地方事務所でそれをよく把握していかれれば,突然相談に来た方に対してもコールセンターの紹介ということは多分なくなっていくのではないでしょうか。 小林委員 今のお話なんですけれども,お客さんのお話を聞いて,それを助言してあげられる時間がないものをコールセンターに回しているのではないかと思うんですけれども,そこは確認しないと分からないですが,コールセンターまで回してしまうというのは,全然聞く時間もないとか,そういうことではないかと思うんです。 吉川委員 私は,一番あり得る事態というのは,そこにいる数名のスタッフでは答えられないようなたぐいの質問があったときに,それは多数のFAQがプールされているコールセンターに聞いてもらった方がむしろ正確に質問に答えてもらえるという判断で,コールセンターを紹介しているということであって,素気なくそれはコールセンターに聞いてくださいと言っているのではないと思うんです。我々幾つか地方事務所に行きましたけれども,あの現状であらゆる問題に全部その場で答えるというのは恐らく不可能だと思いますから,その問題を非常に重視して,だからBにするというのは私は反対です。多分それなりの事情があると思います。 山﨑参事官 事務局から申し上げます。必要に応じてコールセンターあるいは他の関係機関を紹介するという使い分けに関しましては,例えば資料F-2でございましたら27ページの下の方に,「即日中に対応する」うんぬんとの記載がございます。ちょっと抽象的ではありますけれども,要は法テラスがここで述べたいことは,コールセンターに紹介することもあるけれども,その場の判断によって,適切な関係機関も紹介するなどして,適切なサービスの提供を行っているということだと思います。 山本委員長 ありがとうございました。   ということですので,全体の御意見としては,先ほどありましたように,評価としてはAとしながら,その理由の中で今のような,ここで出ましたような問題で,いろいろな事情があるにせよコールセンターを紹介するということに安易にいかずに,地方事務所での情報提供に努める,あるいは適切な関係機関の紹介を含めて,体制の整備も含めてということだと思いますけれども,努めていくべきであるというような趣旨を含んだ形で理由を記載するということで,よろしゅうございますか。 吉川委員 私はその理由は余り説得力がないと思います。つまり,よく実態を知っての上でならいいんですけれども,先ほど私が想像したようなことであるとすれば,ではコールセンターを紹介する以外にどうすればいいんだというふうに反問されるのではないでしょうか。地方事務所に来た人に,多分,コールセンターの存在を知らないから,まずコールセンターに電話しないで地方事務所に直接行ったと。だけれども,地方事務所では具体的な問題についてはうまく対応できないので,コールセンターに聞いてくださいと言ったというようなときに,コールセンターに聞くのはやめた方がいいというのはどうなんでしょうか。私は余り説得力がないと考えます。 嶋津委員 私もそう思いますね。というのは,コールセンターは法テラスの内部組織ですから,内部組織に電話を回してしまうという意識でやるのではないと思うんです。恐らく,地方事務所では直接処理できない案件が来たときに,それを具体的にどこにということをその場で答えられないからコールセンターにというふうに,書いている人もそういうつもりで書いていると思うんです。だから,それはけしからんというよりは,もう少し前向きに,法テラスの機能としてそういうものを持っているんだというふうに評価してもいいのではないですか。 山本委員長 私も想像の域は出ませんが,吉川委員が言われるような適切な形でコールセンターに回される場合もあるだろうと思います。しかし恐らくは,ほかの委員が言われたように,現場の人手不足その他の理由で,やむを得ず回す場合も私はあるのではないかという感じがするんです。 吉川委員 だったら,そういう前提付きで理由を書いたらどうでしょうか。もしそういうことがあるとすればというような。 山本委員長 いずれにしても適切な形での情報提供が行われるべきであって,コールセンターに回すべきものはもちろん回すということで結構だし,そうでないようなものがあるとすれば,地方事務所の体制の整備も含めて適切な対応がされるべきであると,そういう感じでしょうか。 小林委員 評価委員会なので,仮定の話はできるだけ避けた方がいいので,聞いた方がいいと思います。 山本委員長 では確認しましょうか。   それでは,ここで適宜休憩をとっていただいて,5時少し過ぎぐらいから再開するということにします。 (休     憩) 山本委員長 では,今の点は法テラスの担当者が捕まらないようなのでペンディングにして,申し訳ありませんが,次の項目,平成21年度で言えば項目32になりますが,被害者の意見聴取ということで,資料1-1で言いますと23ページです。   この点につきましては,平成21年度の評価については皆さんAということで,異論がないところですが,中期目標期間の評価でA+が4名,Aが5名,Bが1名ということで,実質的にはA+かAかというところで御意見が分かれているというところかと思います。   これは犯罪被害者の団体,支援者等からの意見聴取ということがかなり十分にやられていて,それに基づいて認知度も上昇しているということは,データからも裏付けられているところかと思います。それを評価してA+という委員が多くおられるのに対して,かなり頑張っているというところは認めるにしても,なお犯罪被害者のニーズの把握の取組ということが期待されるというところから,A+とまでは評価できないということで,これも恐らく,A+をどういう場合に付けるのかということに対する認識の違いというものかなと思いますけれども,御意見を頂ければと思います。 嶋津委員 大項目1の評価とある程度連動はしている項目なんでしょうか。ですから,そういう意味で私も,14の項目のときはA+にしましたので,意見としますとA+でも結構です。 山本委員長 先ほどの項目13,犯罪被害者支援関係機関との連携協力という項目では最終的にはA+ということになりましたので,それとパラレルということであれば,ここもA+でよいのではないかという御意見かと思いますけれども,ほかの委員の御意見はいかがでしょうか。 吉川委員 また変なことを言うんですけれども,A+という評価は,私の意見では,委員の非常に多くの数の人がA+ということで一致したという場合に与えられる評価であって,A+とAがほぼ同数に割れているというようなときはAでやむを得ないのではないか。これはしょせんは量的な,相対的な評価ですので,こういうふうに票がほぼイーブンに割れているときに,A+にするというのはなかなか難しいのではないか。せっかくA+というランクが新たにできたわけなので,幾つかA+になることが期待されているのかもしれませんけれども,そんなように私は思っておりまして,そういう意味でこれはAでやむを得ないかなという感じがいたします。 山崎委員 今のところのA+というのはどんな。ニーズ調査ですか。 山﨑参事官 まずニーズ調査の部分がA+という御評価です。もう一つが項目13番,犯罪被害者支援関係機関との連携協力の部分が今のところA+となっております。 山崎委員 ニーズ調査は実は割れているけれども,大分流れを見てA+にいったと,そういう理解でよろしいですか。 山本委員長 そうですね。割れているというのは,第一次的な委員の御意見としては割れていたわけですが,今ここで議論した結果としては,私の認識ではかなりの委員の方がA+でよろしいということであったかと思うんです。 山崎委員 そうしますと,今の問題についてAである方,なぜA+ではないのか。これ以上何をしたら,今のところですけれども,それを,あるいはBの方が足りないとしているのはどういうところが足りないのかという気もちょっとしているものですから。 遠藤委員 私は,アンケート調査のとり方ですね,回答機関・団体の数に対してやっているわけですね。したがって,その前に,法テラスが関係しているいろいろな機関があるわけです。それに対してこれだけ回答がありましたよと,そして全体としてこういうふうにするというのが普通のアンケートのとり方ですよね。だから,回答の来たものだけから何%というとり方は,このアンケートのとり方にちょっと疑問があるんです。回答機関・団体の数をベースにしてそれぞれ出しているんですね。   だから,これだけの機関にアンケートの依頼をしました,それに対してこれだけ回答が来ましたということがあって,その回答機関の中でこうなっていますというのであれば,この推移は分かるわけです。ですから,普通のいろいろな政府の世論調査などでも,アンケート数からいって回収率は大体何%だよということをベースにしてやりますよね。ですからその辺が疑問で,全体の母集団が幾らなのかという疑問があるんですよね。そうすると,これが母集団の80%,90%あっても,すべての率というのは7掛け,8掛けで計算しなければいけないわけですね。そうすると,このとり方というのがもう少し明確になった方がいいのではないかという疑問を持っていたんです。 山本委員長 回収率というか,そのデータの全体の母集団との関係を明確にすべきとの御意見ですね。 遠藤委員 回収率というのは非常に重要だと思うんです。アンケート調査を出した母集団ですね。 山本委員長 それは聞けばすぐ分かりそうではないですか。 山﨑参事官 そうですね。今いる者で対応できるかどうか法テラスの担当者に確認してまいりたいと思います。 山本委員長 それは確かめていただくことにして,ほかにいかがでしょうか。先ほどの山崎委員の御疑問というか,ほかにどういうことをすればA+になるんだろうという御疑問との関係では。 山崎委員 ちょっと補足しますと,なぜそんなことを言うかというと,犯罪被害者の方たちというのは非常にデリケートなところがあって,こちらから積極的に働きかけてもなかなか応じていただけないと。むしろ被害者の団体の関係の方とか,そういうことも考慮に入れるべきであって,何でもかんでも積極的に掘り起こしてまでやるのがいいのかどうかというところがちょっと気になるので,そういう意味では,初年度というか,最初の施策としてはA+で,今後更にきめ細かいところを目を通していくという感じの方がいいかなということで,A+にはしてあるんです。 山本委員長 御趣旨は分かりました。どうでしょうか。   吉川委員は何か,今の点について具体的な意見はございますか。 吉川委員 いつもAかA+かというのは私はよく分からないんですけれども,この点については私はAでいいかなと思っております。 山本委員長 かなり多くの委員はA+という御意見なんでしょうか。 吉川委員 自己評価はA+なんですね。 山本委員長 自己評価はそうですね,A+だと思いますが。 知久委員 今の山崎委員のお話や,嶋津委員がA+に変えられたところですけれども,中期目標では,意見を聴取する機会を設けるとなっていますので,かなりナイーブなところですし,これだけ調査ができたということは,A+でもいいのかなと判断して,私としてはA+にしました。もっと何か方法があるからA評価とする御意見もわかりますが,先ほどの山崎委員のお話を伺って,私もA+でいいと再確認したところです。 山本委員長 そうすると,多数の御意見としてはA+で,遠藤委員からはアンケートの回収率についての疑義が提示されました。その点は確認をするとして,大方の御意見はA+でよいのではないかと承ってよろしいでしょうか。先ほど吉川委員からは,ぎりぎりの多数でA+を付けるべきではないという御意見もございましたので,これは是非確認をさせていただきたいんですが, A+ということでよろしいでしょうか。 小林委員 A+でいいと思います。 山本委員長 それでは,遠藤委員の御質問については留保させていただいて,その回答を踏まえてということですけれども,基本的にはA+ということにする方向で考えるということで,よろしゅうございましょうか。   ありがとうございました。それでは,中期目標期間についてはA+という方向で,ただアンケートの問題については確認をするという取扱いにさせていただきたいと思います。 鈴木部付 ただいまの項目の関係で回収率の問題でございますが,平成21年度の数字でございまして,分母となるべき数字は1783でございます。そのうち回答機関・団体として1286という数字があったという報告がございました。 山本委員長 そうすると,70%ぐらいの回収率ということになりましょうか。 遠藤委員 72%ぐらいですね。 山本委員長 遠藤委員,そういうことでよろしゅうございましょうか。   ありがとうございました。   それでは,引き続きまして大項目3の4,最後の部分ですが,項目35の国選被害者参加についての弁護士研修ということで,資料1-1の25ページです。   これも今回,今年新たに加わった被害者参加制度の契約弁護士を対象とする研修の実施という項目でありますが,これにつきましては,委員の御意見としてはAとされる委員が3名,Bとされる委員が5名,Cとされる委員が2名という形で意見が分かれております。   この項目は,地方事務所ごとに年度に1回以上研修を実施するということになっているわけですが,実際上,解説書等を配布した事務所が38か所あって,運用状況の説明等を実施したところが7か所,あるいは被害者参加人の国選弁護制度の運用状況の説明をしたものが11か所程度ということで,これをどう見るかということで意見が分かれたものかと思われます。   評価理由の原案に書かれている,Bが相対的に多数だった御意見は,それでは必ずしも十分とは言えないのではないかと。制度施行から間もない時期だったので不十分だという事情があったにせよ,更に具体的な取組について検討する必要があるのではないかということで,Bということかと思います。制度当初のことであるので,それなりにやるべきことはやったのではないかというふうに判断された委員はAの方に傾かれたと思いますし,さらに,Bよりも厳しい意見でCという,Cというのは結局は不合格ということかと思いますけれども,かなり厳しい評価をされた委員も2名おられたということで,実質的に意見が分かれている項目かと思いますけれども,御意見をいただければと思います。 遠藤委員 新しい研修制度をする場合には,法テラスとしてどのような研修計画を組み,その内容だとか,対象者だとか,期間だとか,時期だとかというものを明確にした上でやるべきだと思うんです。これを見てみますと,ある面からすると行き当たりばったりみたいな感じを受けるんですね。そうすると,果たしてこれで量的にも質的にも十分であったかどうかということについては,非常に疑問があると思うんです。   そうすると,私はBを付けたんですけれども,Bでもまだ甘いのかなという感じはするんですね。研修というのは,参加する層,全対象者として,あとは法テラスとしてどういうふうな質的な維持あるいは向上を目指すのかということがないと,それは研修にならないんですね。その辺のところが不足しているのではないかと思います。 山本委員長 厳しい御意見かと思いますが,ほかの委員はいかがでしょうか。 小林委員 私はCにしたんですけれども,業務解説書等を配布したもの38か所で,これが一番多いんですけれども,解説書等を配布しただけでどういう研修になるのかというのは,配布したらきちっとやってくれているかどうかという説明が付いていないので,もしそういう事情があるならあるで書いていただけているのかなという,半分憶測ですけれども,書いていないので仕方がないので。しかも地方事務所ごとにという目標になっているんですけれども,全部足しても地方事務所の数になるのかどうかというところが,これもよく分からないんですね。解説書を配布したというのは多分数に入れられないということで判断すれば,やはり非常に少ないというふうに感じましたので,Cにしました。 山崎委員 被害者参加弁護士の方の母数というか,数の認識の違いなんだと思うんです。非常に多いということであれば正におっしゃるとおりなんですけれども,先ほど小林委員の方からもありましたとおり,全部で200何名でしたか,この前の契約弁護士の方でしたか,問い合わせがありましたでしょう。要するに参加する方がそれほど多くないというのが現状なんです。   そうすると,地方事務所で常にそれをやらなければいけないという,それはあるべき姿なんですけれども,東京でさえ,私はこの2年間で1件か2件です,高裁ということもありますから。だからといってやらなくていいということは言っていないんですけれども,各地方事務所すべてについてきちっとした研修をやれと言われると,もっと大事なのがたくさんある中で,その日のうちにコールセンターに電話をかけずに答えなさいとか,いろいろなことを言われているときに,ここに余り力点を置くなと言うと語弊がありますけれども,力を注ぐのはどうなんだろうなという,とりあえずはこのぐらいやって,だんだんと徐々に広げていけば十分かなという気がします。 遠藤委員 今御説明いただいた実情からしますと,地方事務所ごとにやるという年度計画自身,無理があると言うとおかしいですけれども,こういう計画の立て方でいいのかどうかというのはありますよね。それであれば,例えば大きな,あるいは比較的ブロック化しまして,ブロック化した中で研修をするとか,それは先ほど私がお話ししましたように,研修を始めるときには,法テラスとしてどういう研修をするのかということの考え方が明確ではないんですね。だから,とにかく地方事務所ごとにやればいいではないかという,ある面からすると研修計画があるのかないのかということがありますので,これが本当の研修なのかどうかという疑問があります。 鈴木部付 1点,事務局から御紹介させていただきたいことがございます。委員の皆様方から評価を提出していただいた後に行われた個別の質疑応答の中で,法テラスからこの項目について新たに情報提供がございました。それが配布資料D-1の23ページ,項目35の問2という質問です。これは端的に申しますと,被害者参加契約弁護士に対する研修が低調であるけれども,その理由はあるのかということについての御質問,あと地方事務所ごとに行われている研修の実情ということが質問されています。それに対する回答として,別紙8に添付されておりますが,地方事務所ごとにこのような研修を行っていますということが紹介されておりまして,法テラスとしては何かしらの形で各地方事務所において研修は行っているという説明のようでございます。   あと,法テラスから口頭で報告を受けたところでございますが,先ほど山崎委員からも御紹介がありましたように,被害者参加契約弁護士,被害者参加事件の件数が余り多くないと。特に地方におきましては,いつ起きるか,起きたとしても年間数件であるとなると,一般的な研修を行うことの必要性を考えて,各個別の事件で被害者参加が行われるときに,法テラスから改めて制度の説明や周知を図るというような形で,個別の研修や対応は試みているという報告があった次第でございます。 山崎委員 同じです。要するに全国一律に必要最小限のことは備えておくということですので,なくても研修はやっているという前提からすると,ブロックごととか大都市にまとめろというのは,ちょっとどうかなという気がします。 山本委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。   今の御意見を踏まえれば,かなり厳しい御意見も一方ではあり,他方では,被害者参加制度の現状を踏まえれば,余り画一的な形でやるのもかえってどうかという御意見もあることを考えますと,原案のBという評価は一定の合理性を持っているように伺いましたが,いかがでしょうか。今のような御意見,遠藤委員が言われたように,そもそもこの年度計画自体が相当なものなのかという御疑問もある。   研修という言葉は,私もそういう意見を書いたかと思いますが,私も小林委員と同じように,業務解説書を配布するのは研修とは普通は言わないのではないかと思うんです。ただ,メリハリを付けた形で何らかの情報提供するのが望まれるということであれば,むしろそれをあらわすような,計画の方をそういう文言にしてもらった方がいいような感じはしますけれども,現在の年度計画を前提にすればBというあたりでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,結論的には原案のとおりBという形で取り扱わせていただければと思います。   それでは,平成21年度で言うところの項目24番,先ほどの即日中の情報提供の話についての御報告を頂けますか。 松本部付 先ほど話題になりました項目24番,即日中の情報提供につきまして,諸事情により担当者が来られませんでしたので,私が電話で聞き取ってまいりました。   その結果を御報告いたしますと,まず,地方事務所に情報提供を求めてきた方に対してコールセンターを紹介するという運用は,なされてはいますが,これは,基本的には電話で問い合わせをされてきた方に対して,地方事務所の職員が手いっぱいである,あるいは情報提供の専門職員が実際に面接による相談等に入ってしまっている,こういうことで物理的に対応が不可能なような場合に,もしよろしければコールセンターというものもございますが,そちらにおかけになっていただいてもよいかもしれませんというような形で紹介することがあると,このような運用をしているという話でした。   他方,地方事務所の窓口に来訪してきた利用者に対しては,原則として予約優先制ということで,たまに飛び込みで来られる方もいらっしゃるようなんですが,そういった方に対しては,お待ちいただくか,あるいは手のあいている,情報提供の仕事をしているわけではない他の職員が応接に当たるという形で,何らかの対応は基本的にしていると。原則としては,それで十分な情報提供ができれば,あるいは関係機関の紹介というのができれば完全な情報提供になりますが,不十分な情報提供までしかできないような場合には,専門の職員が後日応対しますので,予約をとって再度いらしていただけませんかというような対応をしていると。なので,来訪された方に対してコールセンターを紹介するという運用は基本的にはしていない。絶無とは言わないけれども,基本的にはしていないという話でした。   前回の評価委員会の話,あるいは法テラスの業務実績報告書の中には,例えば資料F-1,平成21年度の業務実績報告書の45ページ,中期目標期間の報告書にも同様の記載がありますが,F-1で言いますと45ページの中ほどに,「地方事務所に来訪した利用者に対しては,即日中に対応するが,情報提供窓口は予約優先性であるため,予約状況等により地方事務所での詳細な応対が難しい場合はコールセンターや他の関係機関を紹介するなど」うんぬんと書いてある。これを読みますと,いかにも来訪された利用者に対してコールセンターを紹介しているというような記載がありますけれども,これは「すべての」来訪者に対してどういう対応をしているかという中期目標の記載に対して,漏れがないようにといいいますか,きちんとした情報提供ができない方にも最悪ここまでの対応はしていますという意味で,漏れがないようにするということを意識する余り,ややミスリーディングの記載になってしまったかもしれないと。実際には来訪者に対してコールセンターを紹介するということはほとんどない,極めてレアケースであるという回答がありました。 山本委員長 ということで,今のお話を前提とすると,そもそも報告書の書き振りが悪いというか,誤解を招くような表現があったと,そういうことかと思いますが,今のような情報を前提にすれば,先ほどの御議論からすれば,AはAということであれであったかと思いますので,基本的にはそのような取扱いで大きな問題は生じていないという理解になりましょうか。 遠藤委員 結構あるのかなと思ったらレアケースなんですね。レアケースであればわざわざここに文章化する必要はないと思うんです。ですから,あくまでも基本的なベースのものを書いていただいて,レアケースはありますかと言ったときにそういう回答をしていただければいいのであって,ここの文章はお考えになった方がいいのではないですか。そう思います。 山本委員長 この報告書についてはそういうことで,誤解を招かないような表現にしていただいた方がいいと思いますが,我々の評価としては,それではAということで,基本的には原案の記載振りでよろしいでしょうか。特段,コールセンター等というようなことは書かないということで。 (各委員了承) 山本委員長 事務局の方はそれで。 山﨑参事官 既に提出済みの業務実績報告書を書き直せるかどうかは,難しいところもあろうかと思いますが,今後は御指摘の事項を踏まえて適切な記述を行うよう申し上げておきたいと思います。 山本委員長 では,そういう取扱いにさせていただきたいと思います。   それでは,これで大項目3は終わりました。 小林委員 異論の少ない項目に入っていまして,私は自分のメモの方を見ていたものですから,気が付きませんで,山崎委員に確認をさせていただきたいんですが,平成21年度の番号にしたがえば項目33ですけれども,精通弁護士の確保及び紹介という項目なんですが,精通弁護士を法テラスが弁護士会から紹介してもらう基準が書かれているんですけれども。 山本委員長 資料1-1の24ページですね。 小林委員 それで事務局の方にお伺いしまして,余り基準を厳しくするとなり手がいないという事情があるのかなと拝察はしたんですけれども,ポツ1とポツ2がありまして,ポツ2の方なんですが,24ページは複数参加になっていますね。研修を複数受講した弁護士というふうになっているんですけれども,研修を受講しただけで大丈夫なのかが疑問なのですが。 山崎委員 精通弁護士という言葉が適当かどうかという問題もあるんですけれども,現実問題として,先ほど言ったように母数が非常に少ないということになってくると,ある程度限られた人になってしまうということで,いわゆる熟練・熟達ということではないことがここにはね返っている。今,裾野をなるべく広げていこうと。もともとは被害者に対して刑事裁判制度全体が余り目を向けてこなかったことを目を向けようということの段階でこういうのをつくりましたね。そういう段階だということでこういう形になっていると思います。現に,刑事裁判に参加をしてどれだけのことができるのかというのも,本当はもう少し御理解いただくといいのかなと。いかにも,いろいろなことで関与できるとお思いになるかもしれませんけれども,ある程度限界があるとか,そういうことも背景にあって,こういう方でもひょっとすると精通という言葉を使っているのかもしれません。そういう意味では,精通という言葉が余りよくないということになってしまうのかもしれませんけれども。 小林委員 私の質問の文章でも,精通という言葉を使った方がお客さんは安心するので,中身は,内実はこうだけれども,政治的な配慮もあるのかなという気もしたんですけれども,やはりそんなところなんでしょうか。 山崎委員 本当に一部の方というか,専門的に何件も被害者参加に携わっている方は女性の弁護士さんを中心に多い。その方たちが少し研修をしたり,物の本を書いたりして,だんだんと今広がっているところですので,もう少しお時間を頂けると有り難いかなという気もします。 小林委員 分かりました。ありがとうございました。 山本委員長 それでは,引き続きまして大項目4,財務内容の改善に関する項目という部分に入らせていただきたいと思います。   この項目につきましては,平成21年度の番号にしたがえば38から40の三つの項目になるわけですが,そのうち項目40,司法過疎地域の自己収入につきましては,平成21年度,中期目標期間ともにBの御意見が大多数を占めているという状況にあります。   まず,司法過疎地域の自己収入の問題について,特段の御意見があれば承りたいと思いますが,項目40です。資料1-1の28ページの下の方になるかと思いますが,特段の御意見はよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,よろしければ,議論を要する項目として挙がっている38と39ですが,まず項目38,資料1-1で27ページ,補助金・寄附金の自己収入の増加に関する項目であります。   これにつきましては,平成21年度はAが7,Bが3,中期目標期間につきましてはAが6,Bが4ということで,いずれもAの評価が相対的多数ではありますが,特に中期目標期間の部分についてはかなり賛否が分かれている状態にあるということです。これにつきましては,努力の方を見るのか実績の方を見るのかというところでしょうか,努力はかなり,サポーターズクラブとか更生寄附とか,いろいろな努力をされているということは間違いのないところだと思うんです。ただ,実績的には必ずしも十分な成果が上がっていないのではないかと考える委員はBの方にいったのかなという感じがいたしますが,いかがでしょうか。 吉川委員 私は,お配りいただいた評価分布表を見ますと,ほかの評価委員の方々よりは,概して法テラスに甘い採点をしていたんですけれども,この項目についてだけはBを付けました。   これは,法テラスの基本的な運営の仕方そのものにもかかわる問題かと思うんですけれども,これは国のお金で運営している団体でございますが,法律上あるいは制度上そういうことをするのが不適当であるというのであれば,私のこれから申し上げる意見は不適格な意見だろうと思いますが,もし法律上,制度上可能ならば,民間団体とか地方公共団体とかから寄附を集める努力をすべきではないか。例えば,アメリカの法律扶助の仕組みを見ますと,リーガルサービシーズ・コーポレーションというのが,これは連邦政府がやっているんですが,ここから出ているお金と,教会とかいろいろなチャリティーの団体等から得られて法律扶助的なことをやっているお金がほぼ同じなんです。   もちろん,日本とアメリカではいろいろな意味のコンセプトも違いますし,制度も違いますから,同一に論ずることはできないかもしれませんけれども,それにしても,ここに出ている地方公共団体の補助金は160万円というのは余りにも少ないのではないか。恐らくそういうのを集めるという発想がまだ法テラスにはなくて,そのためにやっておられないのではないかと私は推測するんです。   なので,そういうことは国の制度上よくないという逆の制度上の問題があるのであれば話は別ですが,ここでも地方公共団体からわずかではあるけれども集めているということは,集めても問題ないというふうに私は解釈しますので,それであるならば,例えば地方事務所で必要な資金などは,そこの地方自治体から集めるような努力はしていいのではないかという意味で,そういう努力がほとんどなされていないように見受けられますので,この項目については私はBといたしました。   もし今の私の前提がおかしいということであれば,御指摘いただきたいと思います。 嶋津委員 去年でしたか一昨年でしたか,私が申し上げたことがあるんですけれども,今の吉川委員の御意見は,前半の部分については私はそのとおりだと思うんです。民間の寄附なりが今の司法支援制度などになぜないのか。その根底にあるのは宗教的な問題とか,チャリティーというのか,寄附文化の問題があると思うんです。   ただ,地方団体を同列に扱うとどういうことが生ずるかというと,地方団体の補助金というのは税金ですから,国の交付金で出すというのと同じ意味で,法テラスの運営自体が,あるいは司法制度全体が,国の仕事なのか地方団体の仕事なのかという役割分担の議論で,むしろ地方団体に補助金を求めること自体は役割分担の線を侵すことになりますから,禁止されているという感覚でいていただいた方が分かりやすいと思うんです。役割分担として国の仕事か地方団体の仕事かという意味で,例えば法テラスが寄附を地方団体に求めると,地方財政法違反か,あるいは地方財政法の趣旨に違反すると,そういうことになってしまう可能性があると思います。   ではなぜここに160万円補助金があるのかというと,これは恐らく歴史的な経過で,地方団体の法律相談業務を受託しているようなことを引き続いて法テラスがやっていて,それで地方団体が事業の委託という形で法テラスの地方事務所なりそういうところに,今まで運営していた地方団体の法律相談業務の受託をしているのが補助金として計上されているのではないかということで,この前確認したら大体そんなことだったわけですけれども,そういうことではないかと思います。 吉川委員 民間などから集めるのはよくないんですか,いろいろな会社とか。それこそ日本にも教会はあるわけですけれども,教会とかそういうところから集めるのは。 松本部付 事務局といたしましては,総合法律支援法上,民間の団体等から寄附を受け入れることは何ら支障はないものと考えております。 山本委員長 そこをもっと頑張るべきではないかと。 吉川委員 この前,山崎委員から,贖罪寄付を集めるのは余り好ましくないというような御指摘がございましたが,贖罪はともかくとして,そうではない,今,こういうCSRの時代ですから,法律扶助にお金を出すというのは,一部の企業には少なくともアピールするようなことではないかと私は想像するんですけれども,そういうことをしないでいいのだろうかという疑問がありまして,次の中期目標期間からは,もしできるのであればやってもらいたいと思っております。 小林委員 私はかなり厳しく付けてきたんですけれども,ここはAにしました。それはなぜかといいますと,日本人は寄附は余りしないタイプの国民ではないかと思うんですね。それは税制の問題もあったかとは思うんですけれども,いずれにしろ余り寄附をしない。そういう中で,ここだけ集まるかというとそれはなかなか難しいので,集まっていないからといって低い評価にするというのは厳しいのではないか。   それから,法テラス・サポーターズクラブとか,いろいろアイデアもきちんと出して頑張っているというところで,それはお金が集まらなくても,そういう新しい仕組みもつくったということを宣伝するというチャンスにもなりますし,宣伝すれば,そもそも法テラスというものがあるということの周知に少しでも役に立つのではないかと考えまして,ここはAにいたしました。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。   そうすると,御意見としてはAが多数であると。ただ,吉川委員が言われたような企業等からの寄附金集めというんでしょうか,より積極的に取り組むことが望まれるというような形の理由を付するということでよろしいでしょうか。 遠藤委員 確かに今,小林委員がおっしゃいましたように,日本人というよりも企業も含めてなんですけれども,寄附をすることについて必ずしも前向きでないというのは確かですけれども,企業から寄附金を募るためには,法テラスというものをどういう形で,企業というか会社にPRするかがあると思うんです。大企業の場合には大体自社の中にそういうものを持っているわけですね,福利厚生も含めまして。そうすると,法テラスを使うということになると,中小を含めたところにもいろいろな形でPRしていくと。中小の場合には顧問弁護士も雇うというのは非常に難しいですね。そうでなくても,企業の事業主であっても,法テラスを使っていろいろな法的なサポートをしてもらえるんだという意識を持ってもらうためには,企業と言うとすぐ大企業にいくんですけれども,そうではなくて,需要からすると私はむしろ中小の方が需要があるのではないかと思うんです。ですから,そういうユーザーに対してどのような形でPRしていくのかということは,法テラスの方に検討してもらうということは提案していいと思います。   それにしましても,私もこれを見て,平成20年度は1億8,000万円とあるんですが,大口の寄附があったのではないかと思うんです。平均すると1億四,五千万円くらいのところで推移すると思うんですが,ここだけぽんとはね上がっているんですね。ですから,平均すると平成21年度の1億5,000万円というのは決して低くないんです。たまたま前年度と比較するからものすごく落ち込んだと見ますけれども,平均していくと,3年間通算しますと1億5,000万円というのがそれなりの寄附額なんです。   ですから,寄附というのは年度年度によって,大口があるかないかとか,件数が増えたかとか,いろいろあると思うんです。だから,寄附を募る場合は,一つは余り大口よりも継続的に寄附していただくような人を集めるというのが一番安定するわけです。それは先ほど話しましたように,企業などに,ニーズの高いところにPRして,法テラスの意義といいますか,そういうものを大いに認識してもらうという,それによって見返りとして寄附をしてもらうと。   これは当然,法テラスへの寄附というのは,法人税法上は損金算入できますから,できるはずですから,そうすると損金算入できるわけです。したがって,企業にとっても,ある面からすると税金がすごく安くなりますからプラスになるんですね。だから,そういう面も含めてPRをしていくということは必要だと思います。 山本委員長 今の点は是非法テラスの方にお伝えいただいて。   それでは,よろしければ,さすがに時間が押してまいりましたので,今の点については評価としてはAということですが,吉川委員,遠藤委員からの御意見を踏まえて企業からの寄附金についても言及を頂き,法テラスの方にもお伝えを頂くという扱いにさせていただきたいと思います。   引き続きまして,これも大きな問題ですが,次の項目39の償還金の問題であります。   これにつきましては,中期目標期間の評価としてはAがお二人,Bが8人ということで,Bが大多数を占めているということですが,平成21年度に限って見ますとAが4名,Bが6名ということで,かなり伯仲している状態にあるということで,この論点につきましては,毎回この委員会でかなり激しい議論がされているところだと思いますが,平成21年度がこういう形になったのは,今年度はかなり頑張ったというふうに,これはBにされた委員も含めてかなり頑張っているということ自体は,共通の認識としてあるだろうと思いますが,これで十分と言えるのか,なお更なる工夫・努力があるのではないかと考えられる委員とで結論が分かれたのかなと思いますけれども,この点もかなり重要な問題ですので,それぞれの委員の御意見を承れればと思います。 吉川委員 私はほとんどが少数意見のようですが,この点も少数意見で,償還金についてはAを付けました。というのは,これもこの制度に基本にかかわるところなんですけれども,何でも貸した人から回収すればいいという制度ではないと思うんです。みんなお金がない人に貸すわけですから,返せない人もたくさんいるわけですね。これは必然的に起こることで,その中での回収の努力がどういうものであったかという観点から評価すべき項目だろうと思うんです。   それで,私はたまたま法律扶助協会に関与していたことがあったものですから分かるんですが,償還を求める努力というのは本当に大変なことで,その中で業務実績報告書のような成果が上がったということは,十分に評価をしてやっていいのではないかと思います。そういう意味でAを付けていいのではないかと思います。 知久委員 私も吉川委員と同意見です。中期目標期間に関してはまだB段階かもしれませんけれども,平成21年度に関してはかなり頑張って成果を上げたことが報告されていますし,今まで求めてきてもなかなか着手できなかったところをここまで着手できたということで,できればA評価とした方が今後事業を行う上で大変いいのではないかと思いますので,平成21年度に関してはできればA評価をあげたいと思います。 遠藤委員 こういう債権管理の残高管理というのは,新しい仕組みを考えたときには,初年度ではなくて,その評価というのは2年度,3年度になって初めて出てくるものなんですね。それと,法テラスの方にいろいろお聞きしていますと,残高管理自身が,いろいろな残高の中のいわゆる債務者区分というのが十分になされていなくて,どんぶりの話なんですね。したがって,本当に回収を図らなくてはいけないのはどういう貸付けであって,どういう層なのかということをきちんとつかんで,本来ならば回収しなくてはいけない人からどれだけ回収したのかということが本当の償還率の話なんです。   もともと法律扶助の関係からいきますと,それを融資すること自体が,将来損失が起こるだろうという危惧もそもそも含んでいるわけですね。したがって,その辺のところの見極めも必要だと思いますので,残高管理の中の債務者区分と債務者ごとの残高,それに対する償還率という,法テラス自身がもっときめ細かな残高管理をしていかないと,本当の意味の償還率うんぬんという話にならないと思うんです。   その点からしますと,平成21年度については新しい仕組みをつくったということでは私はA評価に近いと思いますけれども,債権管理の全体からしますとこれはまだまだ甘いところがあると思うんです。法テラスとしては残高管理をもっとシビアにやっていかないといけないということで,私はBにしているんですけれども,そういう意味からしています。 山本委員長 遠藤委員の御指摘は誠にごもっともで,ただ昔を知っている委員の皆さんは,もっともっと甘かったということが頭に残っているのかなと思いますけれども,ほかにいかがでしょうか。 吉川委員 今の甘いという部分が,私は会計のことは余り得意ではございませんが,具体的にどういうふうにすれば合格点が与えられるのかということなんですね。もともと貸すときからかなりのリスクがあるということは分かって貸しているわけですから,一般の企業に貸し出すときの銀行の審査が甘かったというような観点とは,必ずしも同じようにはいかない。これは初めから分かっているわけですから。なので,甘いとおっしゃるんですけれども,どういうふうにすればいいのか,そこらあたりを教えていただければと思うんです。 遠藤委員 普通,こういう資金を貸し出すということになりますと,残高管理ではなくて実行する段階から判断するんですね。つまり,実行する段階から,この貸出先についてはどれだけ回収の可能性があるのかということを判断するわけです。だから,普通の銀行の場合などでは,貸し出す段階から債務者区分をやるわけです。債務者区分をやって,回収の可能性が低い場合には,金融機関の場合には貸付期限を短くするとか利率を高くするとか,銀行はリスクをとらないようにするわけです。   ただ,吉川委員がおっしゃるように,法テラスの場合には利息を取るわけではないし,あくまでも資金が不如意な方に対して提供するわけですから,そうすると融資をする段階から,この人は貸付けをしても回収できないだろうと,しかしこの人は回収できるだろうという,実行する段階での判断が一つ要ると思うんです。そうしますと,この人は回収できないという人につきましては,もちろん回収の促進はしますけれども,初めから,貸した時点から,はっきり言って債務者区分としては不良債権の中に入るわけです。そういう残高管理をするためには,まず実行の段階からそういう考え方を持っていくことが必要なわけです。   そうすると,この人は回収できるだろうという人は,現在は手元不如意だけれどもいろいろな資産を持っているとか,あれば回収できるわけです。そういう人についてはきちんとした契約に基づく回収をするというふうな判断をしていけばいいわけです。   ですから,残高管理をやる場合には実行の段階から,法テラスの場合にはそういう考え方を持って融資していくという形になると思うんです。そうしていけば非常に明確になってきます。今は,どうもお話を聞くと,そうではなくてごちゃごちゃになっているような感じなんです。 吉川委員 それは,もともと,例えば生活保護を受けている方とか,むしろお金がないという基準に合う人に貸しているわけですから。法テラスはいっぱいお金がある人には貸さないんです。ですから,実行段階からこの人は危ないという人には貸さないということをやるとすれば,法テラスはやることがなくなってしまうと私は思います。 山本委員長 遠藤委員の御意見は,私が伺う限りでは,貸さないということではなくて,この人は返ってきそうもないと,そういう人はもちろん法律扶助の基準に合えば法律扶助の対象にするわけですけれども,その後,償還免除とかいろいろな制度があるわけですね。そういったものに反映させていくべきだという御意見ではないかと思うんです。 吉川委員 ですから,私は本当は,そもそも法律扶助というのは貸与制ではなくてグラントにすべきだと思っていますが,それは置いておきまして,今の制度上は,償還免除という制度をいかに合理的に,しかもきちんと運営するかというところこそ我々は評価の対象とすべきだと思うんです。返ってこない金額が多いからBだとか不合格だという観点では評価すべきではないと思います。 山本委員長 恐らくそれは遠藤委員もそうだと思うんですが。 遠藤委員 私の説明不足だったかもわかりませんけれども,この原資というのは国の予算から出るわけですね。そうすると,国の予算からしますと,初めからこれは回収できないだろうということは,事実上,国が還付するのと同じことになるわけです。つまり,そもそも税金を取っているか分かりませんが,税金を還付すると同じになるわけです。だから,それを実行する段階から法テラスがするということはできないと思うんです。 山本委員長 その点は法律の規定に従って行えば,むしろ資力が不十分な人に対して行うというのが法律扶助の制度でありますので,償還免除等により回収不能となるものもあります。 遠藤委員 そうなんですけれども,それだったら,先ほども話しましたように,もともと回収できないとするならば,貸付けの段階からそういう損失が発生するということで,それは不良債権として,あとは決済手続をとって落とすということですよね,そうしていけばいいわけですから。そうではなくて,この人は現段階では確かに非常に厳しい生活をされているけれども,これは回収できるという判断をした人に対しては,期間を考えながら回収していくというのが基本的な考え方だろうと思うんです。私はそういうふうにお話をさせていただいているわけです。 嶋津委員 ちょっと議論が空回りしているような感じがするんですけれども,今,遠藤委員が言っている趣旨はこういうことではないかと私自身思うんです。民事案件に対しての訴訟費用を 貸与するわけですから,当然,民事案件については,その裁判の結論がどうなったかということによって原告のところに収入もあるわけですから,その収入は優先して法律扶助に対して返さなくてはいけない。恐らく遠藤委員が言っている趣旨はそういう趣旨を言っているのではないかと思うんです。   だから,問題は,民事案件について裁判の判決が出て収入があって,それなのに,返さない債務者に対してどう対応するのかということであって,そうではない,負けたり,そもそもが払えないという人については,国が補助するかわりに法テラスというものをつくって,あるいはその昔は法律扶助協会が法律扶助をやっていた世界から,もっと容易に法律扶助を受けられるような仕組みにしたわけですから,今の制度を前提にして償還管理をするんだと,そういうことは私は変わらないと思うのです。それにしてみても,どの程度償還を熱意を持って債務者に対して接触するのかという次元で,努力が必要なのかという程度の判断しかできない話だと思っています。   したがって,償還金が平成20年度から21年度に若干増えていますけれども,その背景としては要償還債務が増えているということであって,それを超えて償還額が増えたりしているような状況でもないから,それは余り強い声では言えないけれども,やはり国民の税金で法律扶助をしている以上,少し努力はしなくてはいけないねという程度の評価しかできないのではないかと私は思います。そういう意味でBです。 知久委員 利用者が増えることで償還金債権というのはどんどん増えていくものなんです。実績報告書にもあるように案件がかなり増加していますので,それに伴う償還金債権も増えていく,これは仕方がないことです。その中でどれだけ回収していくかということですから,回収実績としてはかなり出ているのではないかと思います。   先ほどお話がありましたが,生活保護受給者に対しては免除しようというような運用もできました。当初から,その必要性が求められていましたが,国のお金ということもあって認めていませんでしたが,結局は,生活保護を受けながら破産申立てをし ,手続きが終了したので償還しなさいと言っても返せないという状況にあるわけですから。先ほどの一般民事事件や家事事件で勝訴して相手からお金を取れた場合のように償還できる事案とは異なり,破産事件が多いわけですから,そういう意味では償還してもらえない債権というのはかなりあるというふうに御認識いただいていた方がいいのではないかと思います。 山本委員長 知久委員の結論としてはどうなるんでしょうか。 知久委員 だから私はA評価でいいと思っています。 山本委員長 Aでいいのではないかという御意見だということですね。   ほかにどうでしょうか。 山﨑参事官 事務局から,御参考までに申し上げます。委員の皆様方におかれましては既に御案内のことかもしれませんが,民事法律扶助の場合の償還の仕組みを御紹介申し上げます。まず資力要件がございまして,これを満たす方しか扶助の対象にいたしません。   そして償還できない方というのはどうしても出てくるわけでございますが,一定の要件に当たる方については償還の免除が可能となっております。それは,例えば生活保護受給者や生活保護に準ずる方でございます。この辺は法テラスの業務方法書や細則で定まっておりまして,原則として御本人からの申請がなされることが前提となっております。   また,裁判をやって勝訴して相手方からお金が取れたというような場合には速やかに償還をしていただくということになっています。   それから,遠藤委員の御発言にも関係してくると思いますが,どのような人が返せるのか返せないのか。すなわち援助を受けた方のいろいろな背景事情ですが,例えば家族関係がどうなっているか,収入がどうなっているか,どういう仕事をされているかなどについては,これまでは法テラスにおいてきちんと分類をして把握するというところまで手は回っていないようでございます。データベースに記入はしているけれども,ボタン操作一つでカテゴライズすることができるわけではなく,そういう形にシステム上できていないとのことです。ここは法テラスとしては今後の課題としてとらえており,したがいまして,利用者をタイプ別に追っていったら償還がどうなりそうかというところが現状ではなかなか見えてこないようでございます。 山本委員長 ありがとうございました。そういうようなことを前提にしてということですが,坂本委員,もし御意見があれば。 坂本委員 全く償還できないものを最初から当て込んでいるというのは考え方として違うのではないかと思います。実際には生活苦で非常に多重債務を抱えているとかという方はたくさんいらっしゃるし,そういう方に対する援助というのは非常に重要だと思うんですけれども,借りたものは返すというのは大原則としてあるべきで,その人がどういうふうに社会更生していくとか生活を立て直していくかというところは,別の視点でカウンセリングとかという形で立て直しのようなところがもう一つあるといいなと感じました。 山本委員長 そうすると結論としては。 坂本委員 結論としては,私はAでやったんですけれども,皆様方の議論を聞いていて,借りたものは返さなくてはいけないのではないかということを率直に感じました。 山本委員長 そうするとBでも。 坂本委員 でもAで。償還義務は大変困難であると思われる中,様々な工夫をして償還収入の増加という実績を上げていることを踏まえてAと考えます。 山本委員長 基本的にはAということですね。 山本委員長 そうすると,法テラスの償還の努力としては十分評価に値するということですね。 坂本委員 頑張って,今後もやるべきではないかと思います。 吉川委員 法テラスの人たちは償還の問題ではものすごく苦労されていると思うんです。実際にある具体的な個人と向かい合ってこの人にもっと請求するということをやるときには,感情的な問題も含めていろいろな問題が起こって,それを克服してやっているんだろうと思うんです。そういう努力の中で実績報告書の中にあるような成果が上がったんだけれども,これでもなお足りないと,お前はBだと言うなら,どうしてBなのかという説得力のある理由を記載すべきだと思います。それがないと,ではどうすればいいのということになると思うので,銀行がずさんな貸し方をして返ってこなかったというのは,これはもちろん非難に値すると思いますけれども,法テラスというのは,もともと返ってこない可能性のある人がターゲットで貸しているわけですから,償還の問題についてはいろいろな配慮をしてあげて採点すべきだと思います。 山本委員長 山崎委員,何か御意見はございますか。 山崎委員 だんだん迷いが出てきてしまいました。余り言いたくなかったんですけれども,刑事事件と比べてみると,刑事事件というのは50万円の資力要件というのがあって,それ未満であると免除してあげているところがあるんですね。それに比べて一体どっちなんだろうなということを考えていました。昔は刑事の事件では余り資力などは要件にしないで,貧困のため負担できない場合には負担させていないことが多かった。それでは余りにもまずいではないかということで,50万円という資力要件を今度の司法制度改革で導入されたんです。それで,ある程度の資力要件が低い人しか国選弁護人を頼めないということにして厳しくしたんですね。   そのこととの連動で,本来は,どんなに経っても努力すべきというので私もBにしてあったんですけれども,どちらが甘いのかなということなんですが,今の流れとして基本的には国民の税金を使うということからすれば,かなりの努力をしていただいているのは重々承知の上で更に努力をしていただくという方が,やはりおさまりがいいのかなということで,Bとします。 山本委員長 伺った限りでは真っ二つという感じがありますので,これは多数決でお決めいただくほかはないでしょうか。論点は出尽くしているように思いますし,議論も大体尽きているように思いますので,これ以上コンセンサスをとるというのは難しいように思いますので。 小林委員 先ほど坂本委員が借りたものは返すべきだとおっしゃっていたんですけれども,借りた人に対する評価なのか,法テラスの努力に対する評価なのかというのを考えていただいた方がいいかと思うんです。貸付けをするときに資産の限度を,アッパーリミットを決めて,それより低い人ということなので,もともと返すのが難しい人に貸し付けているので,そこはそれこそ不断の努力をなさってきていて,あるいはコンビニで返済ができるようにという工夫も,これは最初は思い付いていなかったものなんですね。そういうところもしているし,だからそういう新たなアイデアもこれからも頑張って出しながらやっていってもらいたいという注文をつけた形で,不断の努力を評価するAに私はしたいと思います。 山本委員長 Aにした場合でも,なお不断の努力は必要であるというようなことは書くべきだろうと思いますし,Bにした場合でも,今年度はよく頑張ったということは当然書くべきだと思いますが,理由の書き方は結局どちらに重点を置くかという違いになってくるのかなと思います。しかし,最終的にAかBかは決めざるを得ませんので,申し訳ありませんが,ここは多数決で決めさせていただくということで,よろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,対象は項目39の償還金について,平成21年度ですね。中期目標期間についてはBということで多数であれだと思いますので,平成21年度についてAかBかということで挙手をお願いしたいと思います。   まず,Aの委員の方の挙手をお願いいたします。 (挙手4名) 山本委員長 Bの委員の方。 (挙手3名) 山本委員長 ということですので,4対3ということですので,平成21年度の評価についてはAということで,ただ,かなり強いBの御意見があったことは間違いないところですので,なお今後ともより一層の工夫・取組を求めるという点は理由でかなり強い調子で書いていただくと,そういうことになろうかと思います。ありがとうございました。   それでは,大項目4については以上で,最後ですが,大項目5,その他業務運営に関する重要事項という点でございます。   この点につきましては,平成21年度で言えば41,42,43の三つの項目がこれに当たりますが,まず項目43,人事に関する計画については,平成21年度,中期目標期間ともに全員がBということで,これは全く異論がないということですし,項目42につきましては,平成21年度は8対2ということ,それから中期目標期間については7対3ということで,相対的にはAが多数であるという状況にございますが,とりわけ42の項目について,原案ではAということになろうかと思いますが,特段の御意見があればお伺いしたいと思います。これはAという原案でよろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,最後の41の項目,資料1-1で29ページに当たる部分でありますが,予算・収支計画及び資金計画という部分でございます。この点につきましては,平成21年度についてはAの委員が8名,Bの委員が2名ということで,Aがかなり多数を占めているわけですけれども,中期目標期間との関係ではAが6名,Bが4名ということで,Bの委員の方も多いという状況にあります。   評価理由を見る限りでは,Bの委員の御意見というのは,補正予算の交付について,これは前回議論したところですが,13億円の余剰が出たというところが問題であるというふうに見られているのかなという感じがいたしますが,この点につきまして御意見を頂ければと思います。 嶋津委員 我々も若干責任があるといいますか,この評価委員会で現地調査などをして行ったときに,京都の所長さんの大変だ大変だという声を聞きまして,戻ってきて法テラスの方なり法務省の人を随分突き上げたと思うんです。本当に法律扶助のお金が不足して,現場では悲鳴を上げているというようなことを言って,そういうことも含めて補正予算で相当頑張って確保した。結果的にそれが現実の需要には足りて,それで余剰が多少出たということは,私はそんなにマイナス点として評価すべきものではないのではないかと思います。無理して予算を消化するというものでもありませんし,そういう意味で,そのことを理由にして評価を下げるというのはちょっと行き過ぎではないかと思います。 山本委員長 ありがとうございます。Aでよろしいのではないかという御意見ですが,ほかの委員はいかがでしょうか。 知久委員 経費削減という面では,いろいろ検討されて頑張ったことは非常に評価できますが,先ほど冒頭で質問したところですが,管理体制という意味で,毎月末の報告や四半期の報告ができていなかったということで,今後検討し実行するという御回答を頂きましたが,どうもその点が気になっています。大きな補正予算をお願いするときに,内情をきちんと把握できない状況にあったということが,私のB評価につながっていますが,総体的に見て,補正予算については全部消化していますし,それに対して異論を唱えるところではないので,評価にあたり悩んでいるところです。 山本委員長 分かりました。 小林委員 私はA評価にしていたと思うんですけれども,余ってしまったところについて説明ができているので,Bにする必要はないと考えました。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。   今の御意見からすると,評価としてはAにして,ただ知久委員が言われたような,先ほど法テラス御自身も認めておられましたけれども,期中の財務状況の把握等が必ずしも十全なものではなかったということ,それが予算における使い残しの一つの原因になっていることは間違いないと思いますので,そのあたりについてはより改善を求めていくというような理由を付して,評価としてはAということでいかがでございましょうか。 小林委員 途中で余りそうだというのが分かってきたときに,途中で返すというのはできるんですか。分かっても仕方がないのであれば,そこはA評価のままで。 山本委員長 私が申し上げたのは,予算の申請の段階である程度把握がなされていれば,結局,結果としては過剰な補正予算の申請をしたことになっているわけですね。そこが管理できていれば,予算申請自体はもう少し適正な金額となっていたと考えられます。 小林委員 補正予算の申請の時点でということですか。 山本委員長 ええ。できていたのではないかと。 小林委員 それはできなかったという説明だったと思うんですけれども,私の聞き方が間違っていたのかもしれませんが。 山本委員長 いやそうだと思います。早い段階の,5月か6月に申請をしたので,その時点では十分分かっていなかったということだったと思うんです。 知久委員 10月ではなかったでしょうか。 山本委員長 正式に出たのは10月だけれども,補正予算の話題が出だした時期は。 山﨑参事官 夏以降,8月ごろからそんな話が出たように記憶しております。 山本委員長 8月ごろぐらいからですか。だから,その時点で果たしてきちんと管理していたと言えるかどうかというのは,今回については定かではないというのはそうかもしれませんが,一般論としては。 小林委員 昨年からの流れを見て計算をしていたという説明だったので,無理ではないかなと。どこでどういうふうに頑張ったら未然に防げたかという,それはちょっと無理ではないかというふうに私は判断したんですけれども,それは間違っているんでしょうか。 山本委員長 今回,具体的にどうだったかというのは,ちょっと分からない部分はありますけれども,そういう意味では,コメントするとしても一般論としてですかね。 遠藤委員 一般論としましては,年間を通じまして,特別なことがない限り経常支出の方は大体把握できるんですね。それから,収入がある分については,それに対する原価というものは大体収入と相殺されますので,法テラスの場合には。そうすると,あとは収入が計画以上に入ってきたというのは結構ありましたね,今回の場合は。そこのところは件数が,受任件数だとかいろいろなところの有償の関係ですね,増えたりしたということであれば,これはもともと予測できないところですよね。したがって,その辺のところは差が出てくると思います。ですから,補正予算をする段階でどの程度経常収支の関係をつかんだかということだと思うんです。それにしても,25億円もらって13億円も余るなんていうのは,これは見込みが甘かったという話ではないですね。 山本委員長 そういうふうに考えればそうなんですね。 遠藤委員 そういう面からすると,私はBにしたんですけれども,それは年間の中での補正予算ですから,そうすると25億円で13億円結果として余るような補正予算というか,収支計画を組むこと自体が,平成21年度の収支計画としてどうかなというのは非常に疑問なんですね。 嶋津委員 そこまで言うとあれなんですけれども,要するに25億円というのは不足分が25億円ぐらいになるという根っこがありますから,全体で年間の法律扶助の額は百何十億円とあるわけでしょう。だから,それがあの当時,我々が現地,京都などへ行ったときは,毎月ウナギ上りに申請件数が増えていたわけです。それで支払自体が遅延していたというような状況の中で予測をしていたわけですから,私は,それはそれほど大きなミステークではないと。安全を見て要求はしますから。 小林委員 繰り返しになって申し訳ないんですけれども,法テラスからの説明によれば,不足になるというふうに申請した計算の根拠については,それは不足分,補正予算がなかったら不足になったところをきちんと支出していて,結果的に余ったのはなぜかというと企業努力をしたからだという説明だったんですね。もしその説明が,計算が正しければ,企業努力をして補正予算と違う結果になったというところを責めたら,企業努力はするのがばかばかしくなるという話ではないかと思うんです。 山本委員長 恐らくそこを責める意見はないと思うんです。企業努力がされるということも予測して,そこの管理が十分ではなかったという批判なのではないかと思うんです。 小林委員 それはできるものなんですか。 山本委員長 そこはそれで防げたのかどうかというのは,意見の相違があるかもしれませんけれども。 小林委員 今年そのぐらい浮いたというのが分かったので,今後どのくらい企業努力ができるものなのかというのが少し分かってきたということはあるので,来年はまた評価が違ってくると思うんですけれども。 山本委員長 それでは,先ほど申し上げたように,その書き振りがどうかというのはあれですけれども,そういうふうにすれば防げたのかどうかという問題はあると思いますが,一般論として知久委員が言われたようなことに言及するというぐらいのことはいかがでしょうか。 小林委員 昨年度の企業努力が一昨年からどのくらい実を結んでいたかという,そういうところから押さえていかないと難しい。 山本委員長 今年度特にやられたような,例えば残業を少なくするとか,そういう努力も言われていましたね。特別にそういうことをやられたというようなことを言われていましたので。 小林委員 そこは一般論というよりは,一つ一つ具体的に見てあげた方が本当はいいのではないかと思うんです。抽象的過ぎますよね,きちんと見ていたら分かったのではないかというだけでは。 山本委員長 ただ,先ほど,未収金の関係については少なくとも法テラスも認められていましたよね。十分な把握を今後やるということを言われていたので,それは言及することはあり得るのではないかと思います。 小林委員 分かりました。 遠藤委員 ですから,私はBにしたんですけれども,Aにされるのであれば,少なくとも,最低でも9月末に半期の状況はどうであったかと。というのは,200億円近い収支を動かすわけですね。そうすると,年度末にならないと分かりませんというのではなくて,だからといって半期末に完全な,年度末と同じような決算をする必要はないと思いますけれども,見込みを入れた,大体このような形になるだろうという収支報告書はできると思うんです。それは求めた方がいいと思います。そうでないと,年度末になったらこうでした,今度は足りませんでしたという話になると,収支の管理ということでそれでよかったのかどうかという話になりますので,希望としては半期で必ず一度仮締めをするということは要求したいですね。 山本委員長 分かりました。その点は,事務局の方からセンターの方にもそういうことをお伝えいただくということで,ここの評価としては今のようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,例年にも増して議事進行が遅れておりますが,これで業務実績評価については決定ができたと思います。ありがとうございました。   本来であれば休憩をとるべきところだとは思いますが,引き続き残りの議事についても……。どうぞ。 知久委員 一つ,御質問といいますかお願いになるのかもしれませんが,事前に法テラスへの質問として出していた件があるのですが,御回答いただけなかったので,事務局からお伝えしていただく形でもいいと思いますのでここで発言させていただきます。先ほどの大項目1の8や大項目2の18にありますように,常勤弁護士の確保というところで,先ほど吉川委員からも,その辺はよく検討してほしいと御発言がありましたが,一般の弁護士だけではなく,契約弁護士や契約司法書士の法テラスの利用が少ないというような御指摘があったと思います。そもそも民事法律扶助制度というのは弁護士会が始めたもので,代理型援助というものが主流でしたから,司法書士が行う書類作成援助というものを御理解いただくのはなかなか難しいと思いますが,代理ではなく書類作成で援助するということは,訴訟になると代理人がいませんので,申立書類に不備があると修正が大変であるとされ,代理でする以上のものを求められているのが実情です。提出するものは ,不備がないようにパーフェクトな状態にしなければいけないので,本人からの聞き取り等が非常に大変なところですが,現状では書類作成にかかわる相談援助は法律相談ではないとされています。弁護士が行う相談はすべて法律相談となりますが,司法書士に特有な書類作成型援助のための相談は法律相談ではないというくくりになっておりますので,法律相談ではないけれど書類作成援助としての相談援助の項目を何らかの形で設けられないかというお願いです。評価に直接関わることではないかもしれませんが,法テラスを実際に利用して,償還する利用者にとっては,書類作成援助の方が償還する額も少額となり,そういう意味で利用しやすくなると思いますので,その中で,書類作成相談というようなものも今後御検討いただけないかということで質問を出しましたが,御回答いただけなかったので,この場をお借りして提案させていただきました。是非そういう面でも,契約司法書士の行う書類作成援助の前提となる相談援助費用について御検討いただきたいということを,事務局からお伝えいただければと思います。 山本委員長 分かりました。では,そのような御意見があったということをお伝えいただければと思います。 山﨑参事官 かしこまりました。 山本委員長 それでは,次の議題でありますけれども,総合評価表,お手元の資料1-2,これが平成21年度の総合評価表,それから資料1-3が中期目標期間の総合評価表ということですが,これについて御意見をちょうだいし,取りまとめをさせていただければと思います。   基本的な中身は御覧いただければ分かるように,今,御審議を終えていただいた項目別評価表を言わば丸くした取りまとめたようなもので,項目別評価表についても原案からの修正等が幾つかありましたので,それに関連する部分は総合評価表にもそれを踏まえた形で手が入るということになろうかと思いますが,全体,どの部分でも結構ですので,総合評価表の記載について御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。 嶋津委員 今の評価委員の意見を反映したことは,前回もそういうお話をしましたけれども,全く入っていないわけですね。今,これをもう一回見直すとなると,同じだけの時間を掛けてやらなくてはいけないことになりますから,今,委員長がいろいろと,評価理由などについてもこういうふうに検討しようと,そういうものを盛り込んだものを送っていただいた後,目を通すという方が私は合理的ではないかと思うんです。一つ一つやっていたら時間がまた。それに自分の言ったことも余り覚えていないんです。 山本委員長 誠にごもっともな御指摘で,そういたしますと,取扱いとしては,項目別評価表を反映した形で総合評価表については作成がされるという一般論については,ここで御了解を頂いて,具体的には,事務局と私の方で時間を頂いて項目別評価表をつくってみて,それを総合評価表に反映させる形でもう一度原案をつくっていただいて,それで各委員にそれを御覧いただいて,修正していただく部分については手を入れていただいて,書面で協議をするという扱いでよろしいでしょうか。 山﨑参事官 承知いたしました。まずはとにかく総合評価表の方をこちらで,委員長と御相談しながら,今日の議論の結果を反映させまして作成したいと思います。そして各委員にそれを回付して見ていただくということにしたいと思います。 遠藤委員 一つだけ,これは第1期の中期目標期間の最後の全体評価のことなんですね。全体評価の第1パラグラフのところなんですけれども,法テラスにとって最も重要なのは,支援センターの存在だとか業務内容を周知徹底するということが,これははっきり言って大目標としてあるわけですね。そのためにいろいろな施策を講じているわけですが,第1パラグラフにそのことが一つも書いてないんです。これは私は第1パラグラフのところへ,法テラスの第一の使命に近いものに対してどうであったかということは記述されるべきだと思うんです。それは是非御検討いただけたらと思います。 山本委員長 第1パラグラフというのは,全体評価というところで,日本司法支援センターは何とかで,同年10月に業務を開始したという事実だけを記載していますが,ここに,日本司法支援センターはこういう目的のために設立されてそれを実行してきたと。 遠藤委員 まず法テラスの使命といいますか,それが明確になっているということが必要だと思うんです。それができなかったということは,下の方のパラグラフで,今後の課題として,認知うんぬんについてというのもいろいろ説明があるわけですね。これは大きな使命があってこの課題につながるわけです。これを見ますと課題がぽんと出てきてしまうわけです。これは全体評価の書き方としてはどうかなという感じを受けましたので,是非,法テラスの使命といいますか,そこのところを第1パラグラフできちんと書いていただきたいと思います。御検討いただきたいと思います。 山本委員長 分かりました。では,その点も含めて原案の作成に御注意をいただければと思います。 山﨑参事官 承知しました。 山本委員長 ほかにも,もし今のようなことが。 知久委員 細かいところで申し訳ありませんが,全体評価の中の民事法律扶助に関してというところの中で,真ん中あたりに,「今後も審査の適正を確保しつつ,援助の申込みから代理人選任までの期間の短縮」と書いてありますが,ここは援助の申込みから代理援助又は書類作成援助が行われるまでの期間の短縮ということではないでしょうか。 山本委員長 確かにそうですね。最初の方に契約司法書士の増加の話も書いていますから,整合的にするにはそうでしょうね。 山﨑参事官 そのとおりだと思いますので,御趣旨を踏まえまして修文したいと思います。 山本委員長 ほかにもしあれば。   それでは,今頂いたような御意見を踏まえて,先ほどのような取扱いで進めさせていただければと思います。   今後のそれができた後の取扱いについては,事務局の方から御説明いただけますか。 山﨑参事官 本日定めていただきました項目別評価表と総合評価表につきましては,まだいろいろと細部の手続を残しているところでございますけれども,最終的には公表手続を行いますとともに,今月末までに政独委に通知する予定でございますので,よろしくお願いします。 山本委員長 そういうタイムスケジュールであるとすると,先ほどの原案を作成して各委員に見ていただくという手続をとると,大体どれぐらいのスケジュール感になりますか。皆さん夏休みの御予定とか多分あると思うので。 山﨑参事官 では8月25日ころまでに評価委員の先生方から御意見を頂いて,最後の取りまとめに向かうという段取りで進めたいと思いますが,いかがでしょうか。 山本委員長 よろしゅうございましょうか。 遠藤委員 送るのは早く送ってください。 山本委員長 できるだけ頑張りたいと思いますので,お忙しいところ恐縮ですが,そのような形でよろしくお願いできればと思います。   それでは,次の議題は財務諸表の承認についてということになります。   これにつきましては,机上配布資料のF-3以下に,平成21年度の財務諸表等をお配りしているところでありますけれども,法務大臣が財務諸表を承認するにつきましては,当委員会の意見を聴取するということになっております。当委員会としては,法務大臣が承認するについて,相当とするかしないかということの意見を決める必要があるということでございます。   この点について,もし承認を相当としないという御意見がございましたらお出しいただければと存じます。あるいは,この財務諸表等を御覧になってお気付きになった点があるということであっても結構ですが,何か御意見はございますでしょうか。   この点は,特に遠藤委員,もし何か。 遠藤委員 これは監査法人も見ていますし監事の方も目を通されて,私もざっと見たところでは特に問題ないと思います。 山本委員長 いかがでしょうか。よろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,当委員会としては,財務諸表については承認して差し支えないという意見を法務大臣に対して申し上げることとしたいと思います。ありがとうございました。   それでは最後の議題ですが,役員の退職金に係る業績勘案率についてという議題に入りたいと思います。   まず,事務局の方から御説明をいただければと思います。 山﨑参事官 本年4月に支援センターの岩瀬常勤理事が退任されて,今般,支援センターから岩瀬前理事の業績勘案率の算定依頼がなされましたので,昨年7月に決定していただきました算定方法に基づいて今般決定していただきたいと思っております。   昨年7月の会議で決定していただいた算定方法をまとめたものが机上配布資料G-2でございます。御覧いただきながらお聞きいただきたいのですが,その基本的な考え方は,退職役員の在職期間における支援センターの業務実績評価結果をベースといたします。これに個人的な業績を加味して決定するというものであります。具体的には,当該退職役員の在職期間における業務実績評価に応じまして,0.2から1.8までの基準値を決定いたします。これを各事業年度ごとの在職月数に応じまして加重平均した値を機関業績勘案率といたしまして,これにプラス・ マイナス0.2の幅で当該役員の個人業績を勘案するという方式であります。   お手元の配布資料3に,この算定方法に基づきまして岩瀬前理事の業績勘案率を算出する過程をまとめております。在職期間の基準値につきましては,平成20年度は1.0でございます。そして,ただいま業務実績評価を行っていただきました平成21年度,これにつきましてはA評価の数28,B評価の数14,C評価の数0となりましたので,これをもとに計算しますとやはり1.0となります。   なお,まだ業務実績評価が行われておりません平成22年度についても岩瀬前理事は9日間在職されておりましたので,その期間も一応対象です。しかし,これは資料G-2に記載のある,昨年度決めていただきました勘案のやり方に基づきますと,結局のところ前年度,つまり平成21年度の基準値を用いて考えながら算出するということになっており,事務局といたしましては,その結果1.0と考えるという案を御提示しているところでございます。結局のところ,平成20年度から22年度までの基準値はすべて1.0ということになりまして,在職月数の基準値の平均値であります機関業績勘案率も1.0ということになります。   さらに,岩瀬前理事の個人的な業績をまとめたものとして,支援センターから資料が提出されておりまして,それが机上配布資料のG-4でございます。これをもとに個人業績を勘案していただくことになります。参考になる考え方としまして,机上配布資料G-5がございます。これは,政独委から示された基本的な役員退職金に係る業績勘案率に関する方針です。これによりますと,業績勘案率は1.0を基本とするとされております。中期目標の達成など良好かつ適切な業績が上げられた期間中に対象となる役員が適切に職務を果たした場合には,業績勘案率が1.0になるという意味であろうと解されます。   なお,参考でございますが,机上配布資料G-6のとおり他の独立行政法人の退職役員の業績勘案率はほとんどが1.0という結果となっておるところでございます。   以上を御参考にしていただいて,岩瀬前理事の個人業績勘案率を決定して業績勘案率を算出していただきたいと思います。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,ただいまの御説明につきまして御質問,御意見等がありましたらお願いいたします。   今の御説明にもありましたように,個人業績勘案率としてプラス・マイナス0.2を付けるかどうかというところに尽きるわけですけれども,岩瀬前理事が適切に職務を遂行されていたということは明らかだろうと思いますけれども,あえてプラスの加重をするということは,ほかのところとの関係もこれあり,そこまではどうかということであるとすれば,基本の業績勘案率である1.0,個人業績勘案率は特にプラス・マイナス0ということで,最終的な業績勘案率は1.0という結果になろうかと思われますが,よろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それでは,岩瀬前理事の業績勘案率につきましては1.0ということで決定したいと思いますので,そのようにさせていただければと思います。   それでは,甚だしく時間を超過しておりますが,本日の評価委員会はこの程度にさせていただきたいと思います。   事務局の方から最後にお願いできればと思います。 山﨑参事官 議事録の作成につきましては,各委員におかれましての内容の確認手順等,従前どおりとさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 山本委員長 それでは,以上をもちまして本日の会議は終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 -了-