日本司法支援センター評価委員会 第24回会議 議事録 第1 日 時  平成23年2月23日(水)  自 午前10時05分                        至 午前11時06分 第2 場 所  東京地方検察庁公判部会議室(中央合同庁舎6号館B棟4階) 第3 議 題  (1)業務方法書の変更に関する法務大臣認可に当たっての意見について  (2)国選弁護人,国選付添人及び国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款の変更に関する法務大臣認可に当たっての意見について  (3)日本司法支援センターの役員報酬規程の変更について  (4)その他     (業務実績評価に対する政策評価・独立行政法人評価委員会からの二次評価について,仙台コールセンターの運用開始について) 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 山本委員長 それでは,皆様おそろいですので,ただいまから日本司法支援センター評価委員会第24回の会議を開催したいと思います。   委員の皆様におかれましては,本日も御多忙中のところを御参集いただきまして,誠にありがとうございます。   本日は山崎委員が御欠席ですが,委員9名の御出席を頂いておりますので,総合法律支援法施行令の定足数を満たしているということになります。   本日の議題でございますけれども,お配りしております議事次第で大きく3つの項目がございます。また,その他といたしまして,事務局及び支援センターから報告事項があるということで伺っております。   まず,それぞれの内容につきまして,事務局から御説明をお願いいたします。 山﨑参事官 おはようございます。事務局の山﨑でございます。   それでは本日の議題について御説明申し上げます。   第1の議題は,業務方法書の変更に関する法務大臣の認可に当たっての意見について,第2の議題は,国選弁護人契約約款等の変更に関する法務大臣の認可に当たっての意見についてでございます。   先般,支援センターから,業務方法書及び国選弁護人契約約款等について変更認可の申請が参りました。これらについて法務大臣が認可するに当たり,評価委員会の御意見を頂く必要があります。よろしくお願いいたします。   第3の議題は,昨年の12月10日付けで改正されました日本司法支援センターの役員報酬規程に関するものであります。総合法律支援法が準用する独立行政法人通則法の規定では,支援センターが役員報酬等の支給基準を変更した場合,当評価委員会はその支給基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて,法務大臣に意見を申し出ることができる旨定められております。本日は,改正後の規程について御検討いただき,当評価委員会として何らかの意見を申し出るか否かについて御意見を頂きたいと思います。   最後に,議題とは別でございますが,事務局から,昨年夏に御審議いただきました支援センターの平成21年度及び第1期中期目標期間の各業務実績評価に対する政策評価・独立行政法人評価委員会の二次評価結果について御報告させていただきたいと思います。   また,支援センターからも,昨年12月に一部運用を開始いたしました仙台コールセンターについて報告する事項があると伺っております。   以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,ただいま御説明がありました順番で議事を進めたいと思いますが,議事進行について何か委員の皆様から御意見ございますでしょうか。よろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 それではそのように進めさせていただきます。   なお,議題1ないし3の審議につきましては,委員の皆様の御理解を深めていただくということで,支援センターの担当者の方々にも御出席を頂いて,御説明をお願いしたいというふうに考えておりますが,そのようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。   それではそのようにさせていただきます。   それでは事務局から本日の配布資料についての御説明をお願いいたします。 山﨑参事官 それでは配布資料について御説明いたします。   お手元にございます資料を御覧いただき,配布資料目録のとおりに資料がそろっているかどうか御確認いただきたいと思います。   資料1は,業務方法書の変更案です。   資料2-1ないし2-3は,それぞれ国選弁護人,国選付添人,国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款の変更案です。   資料3は,昨年12月10日付けで改正された支援センターの役員報酬規程です。   そのほか,各議題に関連する参考資料を机上配布させていただいております。これらにつきましては,審議の過程で必要に応じて御参照いただきたいと思います。   資料の説明は以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   手元に資料はそろっておりますでしょうか。大丈夫でしょうか。   それでは議事に入りたいと思います。   最初の議題として,業務方法書の変更に関する法務大臣認可に当たっての意見についてという事項について審議をしたいと思います。委員の皆様には資料の1と机上配布資料のA-1,A-2を御覧いただきながら,この業務方法書変更の趣旨につきまして,まず支援センターから御説明を頂きたいと思います。 佐川事務局長 日本司法支援センター本部事務局長の佐川でございます。   それでは業務方法書の改正案につきまして御説明いたします。   今回の変更内容としましては,これまで用いられた用語や概念に法令との整合性に疑問を持たせるものがあったこと,また,字句の用法等に統一性がないなどの問題があったことから,所要の整備を行うものでございます。   改正の概要につきましては,先ほど御紹介のあった机上配布資料A-1のとおりでございます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 山本委員長 ありがとうございました。   ということで,基本的には形式的な整備というたぐいの改正であるということでございますが,この点につきまして,何か御質問あるいは御意見等はありますでしょうか。   いかがでしょうか。形式的,法制的といいますか,そのたぐいの話だということでありますので,よろしゅうございましょうか。特段御意見はございませんか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,そのようなことでございますので,この業務方法書の変更につきまして,法務大臣が認可をするに当たっての当評価委員会の意見としましては,いずれも認可をして差し支えないという内容ということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,そのようなことで原案どおり認可して差し支えないという意見で当評価委員会の意見とさせていただきたいと思います。   なお,業務方法書につきましては,今後も誤字の訂正等,技術的な修正がある可能性はありますけれども,その場合は私と事務局の方に御一任いただくということでよろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。   それでは,そのようにさせていただきたいと思います。   以上で議題の1の審議は終わりまして,次に議題の2,国選弁護人,国選付添人及び国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款の変更に関する法務大臣認可に当たっての意見について,という項目でございます。   先ほどと同様に,委員の皆様には資料2-1ないし2-3,それから机上配布資料のB-1からB-4を御覧いただきながら,まず,約款改正の趣旨につきまして支援センターから御説明を頂きたいと思います。 佐川事務局長 国選弁護人,国選付添人及び国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款の改正案につきまして御説明申し上げます。   まず,国選弁護人の事務に関する契約約款についてでございますが,今回の改正案は,国選弁護人の第1回公判期日前の証人尋問等期日への出頭等の活動に対する報酬の整備,行政機関の発行する証明書の取得手数料の支給等を目的としております。   改正の概要につきましては,机上配布資料B-2のとおりでございますが,主な改正点につきまして御説明させていただきます。   まず,第1回公判期日前の証人尋問等期日加算報酬についてですが,第1回公判期日前に証人尋問や証拠保全の期日が開かれ,これに国選弁護人が出頭する場合がありますが,現在の報酬基準におきましては,これに対応する規定がありません。また,国選弁護人が勾留理由開示の期日に出頭した場合に関しては,現在の報酬基準では被疑者国選弁護人については接見1回分と見なして,弁護期間と接見日数により異なる額,具体的には4,000円から2万円が支給される一方で,被告人国選弁護人につきましては,判決宣告期日等への出頭として定額,具体的には3,000円が支給されるなど,報酬体系にばらつきが見られます。   そこで,被疑者段階,被告人段階を通じて国選弁護人が第1回公判期日前の証人尋問や証拠保全の期日及び勾留理由開示の期日に出頭した場合の加算報酬を第1回公判期日前の証人尋問等期日加算報酬として整理統合し,これらの期日のうち,証人尋問の期日に出頭した場合には1万円を,これ以外の期日に出頭した場合には5,000円を,それぞれ支給することとしました。   また,これと併せて,これらの期日に出頭した場合の出張旅費の支給に関する規定やこれらの報酬及び費用の請求に係る支援センターへの報告事項等に関する規定など,関係規定の整備も行っております。   次に,示談等による特別成果加算の活動内容についてございますが,被疑者国選弁護人の選任の効力は,被疑者が釈放されたときに失われるところ,実務上,被疑者の国選弁護人が被疑者の釈放前に示談交渉等を行ったものの,示談書の作成や賠償金の支払等は釈放後になってしまうという場合がございます。現在の報酬基準においては,国選弁護人である間に成果を挙げることが必要とされているため,このような場合には加算報酬を支給することができません。   しかし,弁護活動の結果,釈放後間もない時期に示談書作成等の成果を挙げた場合には,弁護活動の成果が現れたものとして特別成果加算報酬を支給することが相当と考えられます。   そこで,釈放後に示談書作成等の成果が挙げられた場合で,釈放前に示談交渉等の活動を行っており,かつ,活動報告書の提出期間内,具体的には釈放日から14日以内に示談書等が検察官へ提出された場合には,特別成果加算報酬を支給することができることといたしました。   次に,訴訟準備費用についてですが,国選弁護人がその活動において住民票等の証明書を取得する必要が生ずる場合がございますが,現在の報酬基準における訴訟準備費用にはその取得手数料は含まれていないため,国選弁護人がこれを自己負担するか,訴訟準備費用の対象とされている弁護士法第23条の2の弁護士会照会という費用も手間も掛かる方法を用いるしかないという実情にございます。   そこで,訴訟準備費用に関する規定を改正し,行政機関が発行する証明書の取得手数料もその対象に加えることとしました。   また,これと併せて訴訟準備費用を請求する場合の疎明資料に係る規定も整備しております。   続きまして,国選付添人の事務に関する契約約款の改正について御説明いたします。   今回の改正案は,先ほど御説明しました国選弁護人の事務に関する契約約款の改正と同様に,行政機関の発行する証明書の取得手数料を費用の支給対象に加えるなどにより,一層国選付添人の労力や負担に応じた報酬及び費用の支給を可能にすること及びその改正への対応のため所要の整備を行うことを目的としております。改正案の概要につきましては,机上配布資料B-3のとおりでございます。   続きまして,国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款の改正案について御説明いたします。今回の改正案は,先行する事件の国選被害者参加弁護士が,後行する事件の国選被害者参加弁護士を務めた場合に加算報酬を支給できるようにすること及び訴訟準備費用の対象範囲を拡大することを目的としております。改正案の概要につきましては,机上配布資料B-4のとおりでございますが,改正点につきまして簡単に御説明させていただきます。   まず,審理対応特別加算報酬についてですが,被害者の数を重視する基本理念の上に立つ現行の報酬基準上,同一の被害者に対する「一つの事件」に該当する場合,先行する事件で基礎報酬が支給された後は,共犯である他の被告人に関して同じ弁護士が国選被害者参加弁護士に選定されたとしても,改めて基礎報酬は支払われないこととなっております。   このことが,先行事件の終了後に他の被告人の事件が公訴提起された場合,先行事件の国選被害者参加弁護士を務めた弁護士が,後行する他の被告人の事件の国選被害者参加弁護士としての受任を阻害しかねない状況となっております。   他方で,被害者参加人としては,既に信頼関係が構築されている先行事件の国選被害者参加弁護士が後行事件の国選被害者参加弁護士に選定されることを希望することが通常であり,このような事態は被害者参加人にとって不利益なものとなりかねません。また,先行事件の終了後に他の被告人の事件が公訴提起され,当該他の被告人の事件に先行事件と同一の弁護士が選定された場合,当該弁護士は再度被害者参加人と打合せをしたり,事件内容を再確認するなどの新たな労力が発生いたします。   このような事情を踏まえ,「一つの事件」に関し,一定の場合には,先行する事件の国選被害者参加弁護士が後行する事件の国選被害者参加弁護士を務めた場合に,加算報酬を支給できることといたしました。   次に訴訟準備費用についてですが,先ほど御説明しました国選弁護人及び国選付添人の契約約款の改正と同様の趣旨で所要の整備を行うものでございます。   以上が約款の変更に関する御説明となります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは今の御説明につきまして,何か御質問,御意見がございましたらお願いしたいと思います。   細かい点ですが,国選弁護人契約約款の別紙,算定基準というものの第25条の2というのが先ほどの第1回公判期日前の証人尋問等期日の加算報酬の規定だと思いますけれども,この第25条の2の2項で,1号でこの証人尋問の期日等の1万円の定めがあって,2号が前号に掲げる期日以外の第1回公判期日前の証人尋問等期日5,000円という規定になっていますが,先ほどの御説明だと,この証人尋問等期日という名称ではあるけれども,証人尋問期日は2号には含まれていないというふうに理解していいことだったでしょうか。 松本課長 国選弁護課長の松本でございます。   御指摘の点についてですけれども,結論からいうとそのとおりでございまして,この点につきましては,お手元の資料2-1,国選弁護人契約約款の本則の別表A-1を御覧いただきたいと思います。 この別表A-1の番号2の右の四角のところで,「第1回公判期日前の証人尋問等期日」ということで定義を置いております。その定義の中身を見ますと,刑事訴訟法第226条及び第227条第1項の請求に係る証人尋問の期日,同法第179条第1項の請求に係る証拠保全の期日並びに同法第82条第1項及び第2項の請求に係る勾留理由開示の期日,というふうに定義を置いておりますので,これらに該当するものをこの約款においては「第1回公判期日前の証人尋問等期日」と呼んでおることになります。先ほど御指摘の点に関しましては,2号は証人尋問の期日以外の第1回公判期日前の証人尋問等期日という規定ですので,「第1回公判期日前の証人尋問等期日」のうち証人尋問期日を除く期日を指しているということになります。 山本委員長 分かりました。この1号で証人尋問の場合は尽きているということだということですね。 松本課長 はい。 山本委員長 ありがとうございました。   それではほかに御質問等はございますでしょうか。   よろしいですか。特段ございませんか。   それではよろしければ,特段の御異論はないようですので,これらの約款につきまして法務大臣が認可するに当たっての当評価委員会の意見といたしましては,いずれも認可をして差し支えないという内容になろうかと思いますが,そういうことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは当評価委員会の意見の取りまとめとしては,そのようなことにさせていただきたいと思います。   なお,これらの約款につきましても,やはり形式的な誤字の訂正等の修正につきましては,私と事務局の方に御一任を頂くということでよろしいでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それではそのようにさせていただきます。ありがとうございました。   それでは第2の議題につきましては以上で,引き続きまして,第3の議題,日本司法支援センターの役員報酬規程の変更について,という点について御審議を頂きたいと思います。   委員の皆様には資料3と机上配布資料のCを御覧を頂きながら,これも支援センターの方からこの改正の趣旨について御説明を頂きたいと思います。 佐川事務局長 それでは,御説明申し上げます。   日本司法支援センターの役員の報酬は,総合法律支援法第48条において準用している独立行政法人通則法第52条により,国家公務員の給与,民間企業の役員の報酬等,当該法人の業務の実績その他の事情を考慮して定めなければならないとされております。   今般の役員報酬規程の変更につきましては,平成22年8月10日付けで人事院勧告が発出され,一つ目の項目として,月例給のうち,55歳を超える職員のうち6級以上の職員については俸給及び特別調整額の支給月額を1.5%引き下げること,さらに,40歳台以上の中高齢層について,俸給月額を平均0.1%引き下げること,ただし,7級以上の管理職職員及び指定職職員にあっては,0.2%程度の引下げとすること,二つ目の項目として,賞与,具体的には期末手当及び勤勉手当でございますが,賞与の年間支給割合について一般職員については現行4.15月分から,3.95月分,マイナス0.2月分,指定職職員については現行3.10月分から2.95月分,マイナス0.15月分へそれぞれ引き下げること,さらに,三つ目の項目として,委員,顧問,参与等の手当につきましても,指定職俸給表の改定を踏まえ,手当の支給限度額を引き下げることなどが勧告されました。そして,同年11月1日にはこの勧告内容を盛り込んだ改正法案が国会に提出され,同月26日に法案可決,同月30日に公布されております。   当センターにおきましても,この法案成立に伴いまして,同年12月10日付で役員報酬規程及び職員給与規程等の関係規程を人事院勧告に沿った形で改正し,同月1日から適用することといたしました。   具体的には理事長及び常勤理事の報酬につきましては,俸給月額を国の指定職職員の例に倣い,0.2%,金額にしまして,理事長は1,900円,常勤理事は1,700円を引き下げたほか,賞与の年間支給割合につきましても年間3.10月分から2.95月分,マイナス0.15月分へ変更し,その差額を調整した上で12月期賞与を支給しております。   さらに,非常勤理事や監事に対する手当につきましても,国の委員,顧問,参与等の手当が改定されたことに伴いまして,手当の日額を0.3%,金額にして100円引き下げております。   以上が役員報酬規程の変更に関する説明となります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 山本委員長 ありがとうございました。   基本的には国の基準に従った形で若干の引下げがなされたということであるかと思いますが,今の御説明につきまして,御質問,御意見があればお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。特段よろしいですか。国の基準に従った改定だということでございますので,それでは,先ほど御説明がありましたように,この支給基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて,意見があればこの評価委員会として法務大臣に意見を申し出ることができるという定めになっておりますが,今のところでは特段の意見の申出というものを法務大臣に対して当評価委員会としてする必要はない,ということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それではそのような形にさせていただきたいと思います。   それでは本日の審議の議題につきましては以上でございますけれども,最初にお話がありましたとおり,報告事項として,まず事務局の方から政独委の評価についての御説明をお願いしたいと思います。 山﨑参事官 昨年の夏に御審議いただきました支援センターの平成21年度及び第1期中期目標期間に関する各業務実績評価に対する政独委からの意見について御報告申し上げます。   机上配布資料Dを御覧ください。   この資料は政独委から当評価委員会委員長宛に送付されたものです。支援センターの平成21年度及び第1期中期目標期間の業務実績評価に直接関係するものは,Dの資料の2枚目以降,すなわち別紙1でございます。指摘内容は別紙1に記載されたとおりですので,御覧いただきたいと思います。   ところで,この中で,平成21年度の業務実績評価に関して当評価委員会に対し改善を求める旨の指摘が1点ございましたので,ここで御紹介させていただきます。   別紙1の4枚目を御覧いただきますと,「1 内部統制に関する評価の状況」とあります。その裏のページを見ていただくと,(3)というところがございます。この(3)の「評価結果における言及状況」のところに,当評価委員会に対する政独委からの改善の指摘が記載されております。   その要旨を申し上げますと,内部統制事項につきまして,「支援センターに対する評価結果において言及されていない。内部統制の充実・強化に当たり,法人の取組状況に対する評価委員会としての見解を評価の結果において言及すべきである」というものです。   内部統制など,政独委から示された評価の視点に関する事項につきましては,従前から,評価委員会の会議の席上,支援センターが取組状況についての説明をし,委員と支援センターとの間で質疑応答や議論をする方法で評価を行い,そのやり取りを議事録に残すという方法で評価委員会としての評価結果としてまいりました。   しかしながら,このたび,政独委から,評価委員会による評価結果については,評価表やそれに準ずる方法で明示をして評価委員会の見解がより国民に分かりやすく伝わるようにする必要があり,議事録をもって評価結果とする方法は必ずしも妥当とはいえないのではないか,という趣旨から先ほどのような指摘を受けたということでございます。   なお,別紙2の欄外の(注)2の部分を御覧ください。この部分に記載されているとおり,支援センターの内部統制に関する評価を行ったこと自体は認められていると理解されるところです。   いずれにいたしましても,このような指摘が政独委からなされましたので,次回,すなわち平成22年度の業務実績に関する評価をしていただく際には,評価結果の表現方法を工夫する必要があるのではないかと考えております。これにつきましては,また事務局から委員の皆様に御相談申し上げることになると思います。   以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは今の御説明につきまして御質問等がございましたらお願いいたします。   どうぞ,遠藤委員。 遠藤委員 内部統制の評価をするに当たりまして,いわゆる定性的な項目を恐らく説明事項で書かれると思います。これから案が出てくると思いますけれども,基本的にどのような記載をするということを現段階ではお考えなんですか。 山﨑参事官 記載方法についてはこれから検討していただくことになると思いますが,ちなみに,昨年の夏に,内部統制に関して法テラスから評価委員会の会議の場に報告事項として書面で出されたものがございます。項目を申し上げますと,内部統制に関し,法人の長のマネジメントについてどのような取組がなされているか,法人の長のマネジメントに係る推奨的な取組についてどのような取組がなされているか,監事の活動がどのようなものであるか,というようなものとなっております。これらについての記載方法の案としては,評価表と同様に表の形にしてA,B,C等の評価をするなど,何らかの形で評価をあらわすということが考えられます。 山本委員長 遠藤委員,いかがでしょうか。 遠藤委員 その場合,監事が行う独立的評価があります。それに対する見解も求められています。それについてはどうなんですか。 鈴木部付 評価の視点の中には監事の活動についてという項目もございますので,その監事の活動について,それが適切になされているかどうかも当評価委員会の評価の対象にはなるかと存じます。 山本委員長 いかがでしょうか。 遠藤委員 そうすると,別紙2の表にありますように,評価が分かれているんです。つまり,法人の長がする評価と,それから監事監査における評価,この表でも2つに分かれています。ですから,この法人の長のするマネジメントの評価と,それから監事がやる独立評価というのは,視点が全然違うんです。 山﨑参事官 おっしゃるとおり2つに分かれておりますので,今後評価の表現方法等も含めて御相談させていただきたいと思います。 遠藤委員 そこのところをきちんとしておかないと,法人の長のマネジメントというのはこれは全体的な評価と業務のプロセスの評価と両方を含むんです。それに対して監事が独立的評価をどうするかということなんです。だから,もともと全く見方が違います。前回の8月のものは,それの区分が明確ではないと思います。 山﨑参事官 分かりました。その点,考えながらやらせていただきたいと思います。 遠藤委員 それから,ここに参考として具体的な例が書かれてあります。これらもその辺のところがごちゃごちゃになって記載されています。 山本委員長 別紙3でしょうか。 遠藤委員 そうです。別紙3で実例が出ています。これをよく読ませていただくと,その辺のところがごちゃごちゃになっている印象を受けます。これは外部にディスクローズされるものですから,そこのところをきちんと明確に理解されて記載される必要があると思います。それらは是非出されるときにまた教えていただきたいと思います。 山﨑参事官 分かりました。 山本委員長 ありがとうございました。   貴重な御提言を頂いたと思いますので,評価のときのフォーマットの作成に当たって,是非御考慮いただければと思います。   ほかにこの政独委の意見についてはいかがでしょうか。   よろしいでしょうか。今,遠藤委員から御指摘があった点も踏まえて,それではこの夏の評価の際に具体的な形で取り組んでいくということになろうかと思います。   ありがとうございました。   それでは最後になろうかと思いますが,支援センターからもコールセンターのことについて御報告いただくことがあるということでありますので,よろしくお願いいたします。 佐々木部長 第一事業部長の佐々木でございます。   では私からコールセンターの御報告をさせていただきます。   先日は御視察に来ていただきました委員の皆様,どうもありがとうございました。仙台コールセンターは今着々と準備が進んでおりまして,4月1日から単独稼働という運びになっております。   机上配布資料のEを御覧くださいませ。   コールセンターを地方移転したことにつきましては,賃料・人件費の高い東京都内にずっと置いておくということはなかなか経済的に厳しいものがあるということで,まず地方移転ということを検討したものでございます。コールセンターの費用の大半は人件費と物件費が占めておりますので,地方移転することで非常に削減が期待されるということでございます。   同時にコールセンターの運営方式の切替えも検討をいたしました。これまでは入札にしておりましたので,厳密には1年なんでしょうけれども,2年ということで入札をしておりました。2年ごとの入札のたびに業者が替わるのでは,せっかく育ったオペレーターが切り替わるということで非常に人材育成的に無駄が出るのではないか。また,法テラス内部のほかの業務との関連も考えますと,自主運営にした方がよいのではないかということを併せて検討し,実施することになったわけです。   法テラスコールセンター,仙台のコールセンターの概要でございますけれども,東京のコールセンターとおおむね同じでございまして,営業時間につきましても,平日は夜まで,土曜日も行います。電話番号,「オナヤミナシ」として知られております電話番号も変わりませんし,犯罪被害者支援ダイヤルの番号も変わりません。ナビダイヤルのシステムも同一でございます。コールセンターの席数としては約80席から90席ございまして,オペレーターは非常勤職員として採用をしております。現在,約110名おります。   犯罪被害者支援につきましても,非常勤職員の採用をしておりますが,こちらは関係機関の御紹介を受けまして,経験のある方というのを採用しています。英語対応可能な者もそろえております。   また,弁護士によるサポートの制度というのが東京と若干変わっております。東京のコールセンターでは日弁連の協力を得まして,TA制度,直接電話に出る弁護士が,日替わりの当番のように来るという制度をとっているんですけれども,やはり弁護士の数などが地域によって非常に違いますので,そういった制度は難しいということで,常勤の弁護士を2名配置し,夜間など足りないところについては仙台弁護士会の協力を得て非常勤の専門員として弁護士に来ていただくという体制をとりました。   スケジュールにつきましてですけれども,昨年6月30日に対外的に仙台にコールセンターを移すということを表明いたしまして,仙台市役所で立地表明式を行いました。同時に第1期のオペレーターの採用募集も開始いたしました。   第1期のオペレーターは10月1日に採用いたしまして研修を2か月行い,そして12月1日から実際に電話をとるということをやっております。なお,オペレーターは110名おりますけれども,一気に採用をしましても,研修はなかなかままなりませんので,4期に分けて採用することといたしました。   12月1日からは実際に試運転の開始といいますか,東京コールセンターとの並行稼働を開始しています。このコールセンターの移転につきましては,ある日を境に一気に移すというのはなかなか他の業者でもやっているところはございませんで,安定的に,安全に移転をするには徐々にコールを振り分けて,並行稼働期間を一定期間設けるというのが一般のようでございますので,法テラスでもそのような体制をとっております。今は並行稼働期間中でございます。   2月1日からは運用時間の延長,仙台でも夜も土曜日も運用するということを開始いたしました。現在は地域振り分けという体制で,「0570-078374」にかかった電話につきましては,どの地域から発信されたかということで自動的に振り分けをして,仙台に行くか東京に行くかを振り分けているという状態です。これはこちらの操作で簡単に振り分けができますので,現在では大体2対3ぐらい,仙台が2で東京が3ぐらいの割合で受電するという形の振り分けをしておりますけれども,例えば広報,テレビの報道があったとかいうことでコール数の増加が予測される場合には仙台への振り分けを多くするというような操作も可能でございます。   3月になりますと,週ごとに仙台への振り分けを増やしまして,最終的には8割ぐらいは仙台でとって,4月1日の単独稼働を迎えるというスケジュールで準備をしております。3月31日で現在の東京のコールセンター業者との契約は終了ということになります。   最後のところのページ,「コールセンターの現状」を見ていただきますと,オペレーターの年代比ですとか,どのような研修を受けたかというようなことを記載しております。40代,30代の女性が中心でございます。オペレーターの研修につきましては,法テラスの業務の研修,電話応対の基礎,また,法制度の研修もかなりの時間を割いておりますし,ロールプレイの実践的な研修もいたしております。また,仙台地裁の協力も得まして,オペレーターが実際に法廷傍聴をするというような機会も設けました。   今は研修中のオペレーターと実際に受電をしているオペレーター,それと常勤の職員が複数,仙台に配置をされて,研修と受電の対応等をしているという状態でございます。   以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは今の御説明につきまして,御質問等がございましたらお願いします。   どうぞ,小林委員。 小林委員 コールセンターというものがほかにも日本全国にあるというふうに理解しており,その点に関しまして,他のコールセンターでも移転をする場合に一気に移転することはないということをおっしゃっていましたけれども,そのほかにも他のコールセンターで行っていることで,今回の移転と自主運営の開始に際して,何か参考になることというのはあったのでしょうか。 佐々木部長 コールセンターのコンサルティングの業者ですとか,実際にコールセンターを運営しているところに話を聞きにいったり,見学に行ったりというのを準備の段階ではかなりいたしました。参考になった点と申しますと,まず仙台という土地を選ぶに当たりまして,どのようなところがいいのかですとか,そういったコールセンター事情みたいなところの話は伺って,そちらは参考にして,仙台というのは決めました。 小林委員 具体的に運営の手法なりノウハウなりで参考になるようなことというのは特にはなかったんでしょうか。 佐々木部長 運営の手法ですとか,そのあたりにつきましては,やはり法テラスのコールセンターの特殊性がございますので,むしろ今のコールセンターをやっている業者にヒアリングをしたり,実際に研修のやり方などを見たりとかそういったところの方が大きかったかと思います。 小林委員 ありがとうございました。 山本委員長 よろしゅうございましょうか。   それでは,ほかにいかがでしょうか。   どうぞ,知久委員。 知久委員 先日,仙台コールセンターを御案内いただきまして,ありがとうございました。   4月1日から完全に仙台で単独運用開始ということなのですけれども,企業の合併の場合もそうですけれども,完全な単独運営は少し心配です。現在8割稼働ということで,3月から徐々に移行していくそうですが,3月31日付けで東京のセンターの方はなくなるということなのでしょうか。 佐々木部長 3月で東京のコールセンターは閉鎖といいますか,契約も終了しますので,なくなります。 知久委員 それでは仕方がないですね。分かりました。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。   どうぞ,坂本委員。 坂本委員 先日はコールセンターの視察,ありがとうございました。   相談の現場というのが一番肝心な要だと思うんですけれども,私はオペレーターの方が無資格だということで心配しているところがありました。実際に現場を見まして,相談を受けている方々の資質を的確に人選しているなということを感じました。   それから,まだ未経験の方が多いという実態だと思うんですけれども,QAの充実によって,未経験な人でも対応できるその能力というのを維持しているのかなというふうにも感じました。それから,長時間電話を受けて困っている人とか,電話を受けていない人とかという受付状況の管理というものもコンピューターで適切に行っていて,非常にスムーズに仙台の方に移行しているということを実感として感じましたので,努力をした成果が出ているのかなというふうに感じましたので御報告します。 佐々木部長 オペレーターの募集はかなり反響がございましたので,人材を選ぶに当たってはそれなりにいい人を選べたのではないかなというふうには感じております。 山本委員長 ありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。   ちょっと私は当日所用があって残念ながら参れなかったのですけれども,1点,弁護士の件ですけれども,やはり弁護士の人口が東京とはかなり違うということで,でも,一応常勤を2名確保されて非常勤複数名ということのようでありますが,そのあたりは特段の支障はないというふうに理解してよろしいでしょうか。 佐々木部長 自主運営になりましたので,研修ですとか,研修素材をつくるという意味での弁護士の役割も強くなっておりますので,常勤でのスタッフという必要性が高まっておりました。ですので,そういったあたりはスムーズにできておりますし,また,仙台弁護士会さんの御協力で,どの時間帯にも今一応,弁護士がコールセンターにいるという体制はできておりますので,オペレーターの方も安心して,バックがいるという安心で対応しているようです。 山本委員長 ありがとうございました。   ほかにいかがですか。   どうぞ,小林委員。 小林委員 仙台のコールセンターを訪ねさせていただいたときに感じたところを申し上げます。その際はどうもありがとうございました。   コールセンターで,実際にお客様とのやり取りをそばで聞かせていただいたんですけれども,相談なさっている方もどういうふうに話していいか分からないのを一生懸命お話しなさり,それからコールセンター側でも非常に親身になって聞いていらっしゃる様子がよく分かりまして,自分がこの評価委員会だけで感じている以上にとてもいいシステムだということを感じました。プライバシーにかかわらない形でそういうやり取りというのも法テラスの認知度を上げるための宣伝にうまく使っていけるか御検討いただけるとありがたく存じます。 佐々木部長 ありがとうございます。参考にさせていただきます。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。 吉川委員 すばらしいシステムですよね。感心しました。 山本委員長 よろしゅうございましょうか。   どうぞ,嶋津委員。 嶋津委員 以前この委員会で中野のコールセンターを見せていただいたときはまだ実際にやる前だったんですね。だから,実際のQAをしている状況というのが,中で視察していたので,今回は実際にやってもらえたので迫力があったし,なるほど,こういうことなのかなと思ったんですけれども,ちょっと非常にすばらしいシステムだなという感じを受けましたけれども,私も皆さん方と議論していて,ではこういうシステムというのは世界的にほかの国にもあるのかなというを,もし御存じだったら教えていただきたいということと,もしなかったらばこのシステムを知的財産として何か各国に,知的インフラとして輸出するようなことも考えたらいいのかもしれないななんていうふうなことを思いましたけれども。難しいかもしれませんけれども。 山本委員長 いかがでしょうか。諸外国のことをもし御存じでしたら。 佐々木部長 このコールセンターのシステム自体は割とパッケージソフトがたくさんございまして,今回のシステムももとになるパッケージがあるものに法テラス仕様というアレンジを加えたものとなっております。   ですので,法テラス部分,FAQですとか,関係機関の出方というのは割と独自なものでございますけれども,コールセンターで使うシステムとしては割とパッケージをもとにしたものになっています。 嶋津委員 技術的なことではなくて,司法サービスとしてそういうことをやっている国というのがあるんですかということ。 佐々木部長 コールセンターをしたというのは報告書ベースでは見たことはございますけれども,なかなかうまくいかなかったとかいう報告もありますし,全国で1か所というのは,余りないかもしれません。結構外国から視察に来られる方も割と関心を持たれますね。 嶋津委員 でしょうね。 佐川事務局長 コールセンター的なサービスというのは幾つかの国でやられておりますが,日本ほどシステマティックにやっている国は余り直接は聞いたことがございません。 山本委員長 ありがとうございます。ビジネスモデルの輸出というのはあるのかもしれません。   いかがでしょうか。おおむねよろしゅうございますか。   それでは4月に本格稼働ということでありますので,円滑に仙台への移行が進めますように,支援センターの方にも是非引き続きの御努力をお願いしたいというふうに思います。   それでは予定しておりました議題はこれで終了しましたので,本日の評価委員会はこの程度にさせていただきたいと思います。   事務局の方から何か御連絡等はありますか。 山﨑参事官 議事録につきましては,委員の確認手順等,従前と同様の段取りとさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 山本委員長 よろしくお願いいたします。   それでは,以上をもちまして日本司法支援センター評価委員会の第24回会議を終了させていただきたいと思います。   本日はありがとうございました。 -了-