日本司法支援センター評価委員会 第26回会議 議事録 第1 日 時  平成23年8月5日(金)  自 午後2時32分                       至 午後6時25分 第2 場 所  最高検察庁大会議室(中央合同庁舎6号館A棟20階) 第3 議 事  (1) 日本司法支援センターの業務実績評価について  (2) 法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について  (3) 日本司法支援センターの役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法についての改訂及び退職役員の業績勘案率の決定      議        事 山本委員長 それでは,定刻でございますので,ただいまから日本司法支援センター評価委員会第26回会議を開催したいと思います。   委員の皆様におかれましては,御多忙中のところを御参集いただきまして,誠にありがとうございます。   本日は,髙部委員が急遽御欠席と伺っておりますが,委員10名中9名が出席をしておりますので,総合法律支援法施行令の定足数を満たしているということを,まず確認させていただきたいと思います。   本日の会議の開催の趣旨でございますが,お手元の議事次第にありますとおり,主な議題は3点です。   第1は,「日本司法支援センターの業務実績評価について」ですが,これが本日の中心的な議題ということになろうかと思います。第2点が,「法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について」で,第3点が,「日本司法支援センターの役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」の改訂及び,本年4月に退職された寺井前理事長の退職金に係る業績勘案率の決定という点になります。   それぞれの議題の趣旨につきまして,事務局から御説明をお願いいたします。 山﨑参事官 参事官の山﨑でございます。よろしくお願いいたします。   第1の議題と第2の議題の趣旨につきましては,前回の会議でも説明申し上げたところでございまして,改めての御説明は不要と存じますので,省略させていただきます。   第3の議題は,本年4月退任の寺井前理事長の退職金に係る業績勘案率の算定に関するものでございます。   先日の会議で,項目別評価に新たにB+という評価段階が加わりました。これに伴い,当委員会が平成21年7月に定めた「日本司法支援センターの役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」という文書を修正する必要性が生じております。そこで,これをお諮りするとともに,寺井前理事長に係る具体的な業績勘案率の算定を行っていただきたいと思います。   本議題の詳細については,また後ほど御説明いたします。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,今事務局から御説明のあった順に議事を進めたいと思いますが,よろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,議題の1から順番に進めたいと思いますが,まず配布資料につきまして,事務局から御説明をお願いいたします。 山﨑参事官 配布資料について御説明いたします。お手元の資料を御覧ください。   まず,資料1,この横長の大きいものですけれども,これは事務局作成による項目別評価表の取りまとめ案でございます。   そして資料2は,総合評価表の案でございます。   次に資料3は,総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会,すなわち政独委の「独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点」及び「平成22年度業務実績評価等の具体的取組について」という文書において指摘された各事項に関する当評価委員会の評価案でございます。   当評価委員会では,従来,政独委から評価の視点等で指摘された事項については,会議の席上における質疑応答や議論,及びそれを記録した議事録をもって当評価委員会の評価として取り扱っておりました。しかし,昨年度の2次評価において,政独委から,評価委員会の見解は評価結果という形で明記すべきであるとの指摘を受けました。そこで,今年度は各項目ごとに当評価委員会の評価を明記することとしたという次第でございます。   次に,資料4でございます。これは「日本司法支援センターの役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」の改訂案でございます。   次に,机上配布資料について御説明いたします。   資料A-1は,先日の会議で決定した業務実績評価に係る基本方針,資料A-2は,各委員の項目別評価の分布をまとめたもの,資料A-3は,項目ごとに各委員の評価理由をまとめたものです。   次に,資料B,これは各委員からの御質問と支援センターの回答をまとめたものです。   資料Cは,過去の業務実績評価における項目別評価の結果をまとめ,今回の項目と対照させたものです。第一期中期計画と第二期中期計画ではそもそも項目立て自体が異なりますので,完全な対照は不可能ですが,内容的に類似した項目を対照させるなどの工夫をしております。あくまで参考資料として御覧いただければと思います。   次に,資料D,Dは1から6までございますが,それと資料E,これらは業務実績報告書や財務諸表等,あるいは前回の会議において法テラスから提出された報告書類でございます。   次に,資料F-1からF-5でございますが,これらは業績勘案率の算定に関する資料です。   その他,特に資料番号は振っておりませんが,項目別評価の議論の際の便宜のため,議論を要する項目と異論の少ない項目を区別した進行予定をお手元にお配りするとともに,項目別評価の分布表に各委員の評価を書き加えたものも個別にお配りしておりますので,適宜御参照ください。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,本題に入りたいと思いますが,まずは項目別評価及び評価理由についての議事を進めたいと思います。   なお,本日は支援センターの担当の方にも別室で待機をお願いしておりますので,もし審議の途中で支援センターから話を聞いてみたいということがございましたら,いつでも担当者を呼び入れることが可能な体制をとっておりますので,その点御利用をいただければと思います。   それでは,最初にまず全体的な審議の進め方についてお諮りをしたいと思います。   先ほど御説明があった,この机上の「業務実績評価(項目別評価)進行予定」という1枚紙がございますが,そこには大項目の1から5まで,それぞれについて,議論を要する項目と異論の少ない項目というものを記載しております。これは便宜的な区分でありますが,一応多数意見が7名以上であった項目については,この異論の少ない項目というものに整理をして,多数の意見もその7名に満たない,6名,5名といったものについては,この議論を要する項目に掲げている一覧表であります。   そこで,審議の進め方でありますが,例年のことではありますけれども,まず,この異論の少ない項目につきまして一括して御審議をいただいて,各委員から特段の御異論のない項目につきましては,多数意見,つまりそれに基づいて事務局に作成をいただいておる原案のとおり取りまとめをさせていただくことにしたいと思います。   もちろん,この異論の少ない項目というところであっても,異論がないわけではありませんので,御異論のある委員の方からは積極的に御発言をいただき,実質的な議論をするということはもちろん全く差し支えないことでありますが,基本的な議事の進行の方法としては,ひとまずそのような形にさせていただきたいという趣旨であります。   それに対して,この議論を要する項目は,実質的に見て委員の間で意見が分かれている項目になりますので,これは個々の項目を個別に取り上げて御審議をお願いしたいと考えております。   そのような形で進めさせていただきたいと思いますが,よろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それでは,そのような形で進めさせていただくことにしたいと思います。   それではまず,大項目の1,総合法律支援の充実のための措置に関する項目,項目番号でいいますと1から19までの部分について,御議論をいただければと思います。   これにつきましては,机上配布資料のA-2,各委員の評価の分布表になっておりますが,このA-2,色刷りのものを御覧いただきますと,基本的にはそこで黄色になっている部分は,先ほどの分類で言うと異論の少ない項目ということで,7名以上の多数意見がある項目になります。これを御覧いただくと,項目の1,3,それから6から8,10,そして12から19までは,いずれも7名以上の委員の評価が一致している項目になります。   そこでまず,これらの異論の少ない項目については,その多数意見,7名以上の意見が一致しているものを原案として採用して,この資料1の評価案の欄にA,B+,Bという評価の案と,評価の理由が記載されておりますが,特に御異論がないようであれば,これらの項目については原案どおりの評価として,また評価理由についても原案どおりで取りまとめたいと思いますが,いかがでしょうか。先ほど申し上げたように,この部分についても御意見があれば承って議論をしたいと思いますので,まずこの異論の少ない項目とされている部分について御意見をいただきたいと存じます。どなたからでも結構です。 小林委員 項目の15について,私1人がこれCにしているんですけれども,その点について法テラスの方から詳細に,更に御説明をいただきました。これはもう,ずっと御専門の方々の知識をお借りしないと,私にももう判断をしかねるぐらい様々に説明をいただいております。何が判断をしかねるかと申しますと,いろいろな検討を法テラスで,これは資料Bの法テラスの御回答の6ページ,7ページに記載されておりますが,そのような調査に果たして2年以上時間が掛かるものかどうかというところかと思うんです。ほかの委員の先生方の御意見をお聞きできればと思います。よろしくお願いいたします。 山本委員長 ありがとうございました。今言われた法テラスからの回答というのは。 小林委員 私が項目の15について,ほかの先生方がBで私1人だけがCなんですけれども,私がCにした趣旨は,不祥事の再発防止としては,これに対して手を打つということ,そして,手を打ったことをほかの方々にも知らせるということが一番だと思っているんですけれども,なかなかまだ検討中という御回答だったものですから,甘いのではないかというふうに考えたからです。その後,法テラスからかなり詳細に,また更なる御説明をいただきましたけれども,果たしてこのような検討にこれだけ時間が掛かるというのが普通なのかどうか,その辺に明るいほかの先生方の御意見をお聞かせ願えれば,更に私にとっては分かりやすいかと思いますので,よろしくお願いいたします。 山本委員長 これは,詳しい委員というのもなかなか難しいかもしれませんが,どなたか委員の中でいらっしゃいますでしょうか。 山﨑参事官 委員長,法テラスを呼びまして更に説明をさせることもできますが,いかがいたしましょうか。 山本委員長 そういたしましょうか。委員の皆さんで共有するという意味でも。   それでは申し訳ありませんが,お願いいたします。一,二分で来られるんですかね。小林委員が言われたその法テラスからの詳細の回答という,この中にあるということですか。 小林委員 資料のBの6ページ,7ページです。 坂本委員 私は故意の立証には不利益処分が伴うので,それには時間が掛かるのかなというふうに思いまして,法テラスの説明には一応納得をしました。 山本委員長 なるほど。一応この説明としては,契約上の措置を採るために時間を要している理由と,過払金返還請求に時間を要した理由とをそれぞれ説明をしていて,前者については,今坂本委員が御指摘のとおり,故意の立証というのがなかなか大変であると。後者は法律構成がなかなか難しいという御説明ですかね。 村瀬委員 今おっしゃられた故意の立証の問題と,私これを読んでもっともだなと思ったのは,件数がかなりございますんで,それについて一つ一つ,一人一人チェックし,恐らく横並びの問題もあると思うんですね。どの程度の認識であればどういうふうな構成で,全体でこういうふうに請求していくというようなことを考えると,一つ一つチェックする時間も相当掛かるのかなということで,私もこれを読んで,ああ,そういう問題があるんだという認識になったということです。 山本委員長 ありがとうございます。 松本部付 今,法テラスの担当者が到着しました。   小林委員から,項目の15に関しまして,不正請求に対する調査等の取組が2年も掛かっている。なぜこんなに2年掛かったのかという趣旨の御質問がありました。事前の質疑に対する詳細な回答を,机上配布資料Bの6ページ,7ページとしてお配りしているところでございますが,なぜ2年掛かったのかという点について追加の説明をお願いしたいと思います。 柴田課長 法テラスの国選弁護課長をしております柴田でございます。よろしくお願いします。   調査に2年掛かったのは,調査の手順としては,まず弁護士の弁護活動報告書を出していただいて,それに対応する警察に対して,接見資料,接見簿の照会をいたしました。それと照合して,食い違いがある弁護士については,更にどうして食い違いが生じたのかを確認するために個別に照会をしたわけですけれども,なにぶん件数がとても多かったことと,それから,結論がその弁護士の名誉とかに関わるとても慎重な調査を要するものですから,多くの職員でやることもできなかったので,保秘に気を付けながら,少ない職員で,なおかつその弁護士に対しては,こういう食い違いがあるんだけれども,あなたのほうでいろいろ資料を調べたら接見に行ったことが分かるものがありませんかとか,いろいろ古い記録の中から資料を提出してもらって,それで照合を重ねていったということがあったものですから,かなり時間を要してしまったということでございます。   とにかく慎重に間違いないようにやらなければいけないということがありまして,時間が掛かってしまったということでございます。 小林委員 私のほうで事実を正確に把握していないおそれがありますので,確認をさせていただきたいんですが,最初に見つかった方についても,全てのケースを全部ストップさせてまず全部判断をするということ,つまり,その間手続を全部ストップさせているということで正しいんでしょうか。どなたにも何のアクションも起こしてはいないという,事実関係はそういうことでございましょうか。 柴田課長 御質問の趣旨というのは,判定が済む都度直ちに返還請求などをするべきであったのではないかと,こういう趣旨でございますね。 小林委員 そうですね,私が懸念するのは,過払金があったということは,これは事実というふうに理解していいんだとすれば,それについても,もう全てについて何もアクションがないままという状況が,果たして不祥事を防ぐという観点から本当に妥当かどうかということを判断する材料をいただければということでございます。 柴田課長 分かりました。   こういう問題に対して,問題が発覚したら直ちに適切な処置を採るべきである,適切な処置を採ることが再発を防止する上で一番重要な事柄であると,これは御指摘のとおりだと思います。そういう目で見ると,これまでの対応,遅いところがあったのではないかと,遅かったのではないかと言われるのはおっしゃるとおりではないかと,反省するところがあると思ってはおるんですけれども,若干これまでの経過を整理して御説明申し上げたいと思います。   まず,平成20年10月に,岡山の弁護士が被疑者国選の弁護報酬を過大に請求していたということが発覚いたしました。それを受けまして法テラスは,業務開始の平成18年10月から平成20年10月までの間に報酬算定を行った被疑者国選の弁護事件について同様の事案がないかどうかの調査を行ってまいりました。それが平成23年3月まで掛かってしまったわけですけれども,その調査は大きく2段階に分けて行いました。   まず,国選弁護報酬の請求状況を把握して,再発を防止する措置を採ることを目的に,サンプル調査を行いました。これは,平成20年10月までの間に報酬算定を行った被疑者国選弁護事件が全部で約1万4,000件ありましたけれども,そのうちで3回以上接見が行われたと申告があった事件約6,800件を取り出しまして,更にそのうちの約2%に当たる124件を無作為に抽出して調査を行いました。   サンプル調査が終了いたしましたのが平成21年7月ですが,この調査終了後,直ちに被疑者国選弁護事件の過大請求の再発防止策として,いわゆる接見資料の制度を導入いたしました。なお,サンプル調査の結果,被疑者国選弁護事件について,14件8名の過大申告が発覚しております。   さらにその後,3回以上接見が行われたと申告がありました残りの全ての被疑者国選弁護事件について調査を進めました。なお,調査の過程で過大請求の疑いが発覚した弁護士については,対象事件の範囲を再発防止策が採られた平成21年8月まで拡大して追加の調査を行っております。この調査が全て終了したのが平成23年3月ですが,この全件調査の結果,224件153名の過大申告が発覚しております。   この被疑者国選弁護事件に関する調査が全て終了したのが,平成23年3月であったものですから,平成22年度中に具体的な対応に至らなかったわけですけれども,今現在,直ちに過払金の返還請求や契約上の措置等の処分の実施に向けた準備に着手し,順次手続を現に開始しております。   確かに,今から振り返ってみますと,このサンプル調査の結果発覚した14件8名についてだけでも,もっと早く手続に着手できたのではないかという思いはございます。その意味で,自己評価はBとさせていただいたわけですけれども,今後は可能な限り速やかに手続を進めるつもりでございます。   ただ,以上の気持ちではあるんですけれども,このように時間が掛かったことには相応の理由もあり,その点を御理解いただければと思いますので,若干の補足説明をいたします。   正直なところを申しますと,サンプル調査の結果発覚した14件8名の事案というのは,いずれも契約上の措置を採るための要件を充足しているかどうかの判断が非常に微妙なものでございました。   契約上の措置を採るための要件というのは,法律事務取扱規程に定められておりますけれども,契約に定める報酬及び費用の請求において虚偽の報告を行い過大な請求をしたときに契約解除措置を採り得ると定められております。これはかなり大きな不利益処分ですので,故意に,虚偽の報告や過大の請求を行ったことが必要であると解されています。   しかし,サンプル調査を含めて調査の結果発覚した過大請求事案というのは,いずれも申告された接見回数が調査で確認できた接見回数よりも多く,それが報酬に影響したものを機械的に抽出したものに過ぎず,このような過大請求等を故意に行ったのか過失で行ったのかという点は,この判定の段階では考慮されておりません。   そうすると,契約上の措置を採るかどうかを決めるためには,更に過大申告に至った原因を確定し,発覚した案件が故意の悪質事案であると認定評価できる必要があったわけですが,対象事件の弁護士の弁明内容というのは,いずれも接見の都度その旨を手帳等に正確に記録しておらず,不正確な記憶や記録に基づいて活動報告書を記載してしまったために申告を誤ったというようなものであって,故意に過大請求したことを否定するものでありました。いずれも,契約上の措置を採るための要件を充足している悪質事案と断定してよいか,非常に判断に悩むものばかりでありました。   法テラスはそれまで,報酬の過大請求を理由に契約上の措置を採った経験がありませんでしたので,判断のよりどころとなるべき先例がなく,対象弁護士の弁明を退けて故意の悪質事案として断定してしまってよいのか,決断しかねるところがございました。また,契約上の措置というのは,弁護士の信用や名誉にとても大きな影響を与える処分ですので,軽々に取り扱うことができない問題でもありました。わずか14件の微妙な事案で先例となり得るような基準を作ってしまうということに躊躇するものがありました。そこで,その後に予定されていた被疑者国選弁護事件に関する全ての調査が終わった段階で,統一的な判断基準を立てて,それに従って対処するべきものだと考えたわけです。   基準としては,故意を認定できる人については処分をしなければいけないと。ここはあったわけですけれども,その故意の認定というのがものすごく難しくて決断しかねたと,全体を見てその認定基準を整理しなければ仕方がないと,このように考えていたと,こういう状況でございます。 小林委員 ありがとうございます。 山本委員長 いかがでしょうか。小林委員。 小林委員 ちょっとこだわっているようで申し訳ないんですが,速やかにアクションをとれるものととれないものとあるということが了解できました。また,今回の問題については基準ができるということですので,問題がなくなると思うんです。しかし,似たような問題でもう一度基準を作っていかなければいけないような状況が起きた場合には,例えば故意の判断基準のように基準をまた更に設けなければいけないというようなものと,過払いについての返還請求というような,判断がより早くできる可能性が高いというようなものと区別して対処していくというようなことは,今後は更に進むというふうに考えてよろしゅうございましょうか。 柴田課長 判断が明確にできるものについてはすぐにやるべきだと思います。返還請求ですよね。 小林委員 はい。 柴田課長 返還請求の関係でございますけれども,その返還請求も,過大申告,過大請求が発覚した人について,元本の部分は必ず取らなければいけないと,それは始めの段階でもう既に確定しておったわけですけれども,問題になりましたのは,遅延損害金の部分まで取るかどうかの判断でございます。悪質な事案については,元本だけではなく遅延損害金も取らなければいけないと,このように考えていたのですが,そうするとまず前提として悪質な事案かどうかを決断しなければいけなかったものですから,先行して返還請求もすることもできなかったというわけです。なかなか,元本部分だけ先に取って,あとから遅延損害金をお願いしますというわけにはいかないものですから,一緒に決断するしかないかなということで,返還請求もしかねていたというのが実情です。   ただ,今現在では順次返還請求の手続,あるいは契約上の措置を採るための手続に入っております。 山本委員長 ほかの委員から何か御質問はございますか。 井野委員 今ちょっと話を伺っていて思ったんですが,確かに法律上のお話になると難しくはなると思うんですが,一応法テラスという組織の中で内規といいますか,制度上の弁護士との取り決め,例えばもし過払いがあった場合には,理由のいかんを問わず,まず元本を返していただくことに同意いただくとか,まずそういう措置を,ポリシーを作ったりすることは可能なんでしょうか。   又は,その他のこういった不祥事があったときには,例えば法テラス側が一々こう証明しなくてはいけないのではなくて,その法テラスに所属しているという観点から,一応弁護士にも何らかの説明義務がある,きちんとした,例えばお金を請求するんであれば,その裏にあるアクティビティレポートだとか,そういったものを提出することを義務付けたりすること,もう少し抜本的な解決なんですが,そのあたりはいかでしょうか。 柴田課長 報酬を請求するに当たって,自分の活動について証明資料を出してもらうべきであると。 井野委員 又はそういう準備をしておいていただくということです。質問が来た場合にはきちんとした,税務署に例えば出すときにも,一応その領収書とかは持っているべきですよね。 柴田課長 この問題が発覚するまでは,そういう不正な請求をしたら弁護士としての身分にかかわること自体が抑止力として働くであろうという考えに基づいていましたが,この問題が発覚したことを受けて,性善説に立つわけにはいかないと,きちんとした制度的な手当てが必要だということで,被疑者段階については接見の回数によって基本的に報酬が決まりますので,接見に行ったときには,警察に備え置いてある紙がありまして,その紙が複写式になっていて,接見簿を書くときにその紙をはさんで書いてもらうと,それをもらってきて,報酬請求のときに出してもらうと,そういう制度を導入することによって証明してもらうというふうに制度を改めました。   他方で,処分の局面になってきますと,これは法テラスが不利益処分をすることになりますので,法テラスでそういう不利益処分をするに値する事実があったということを立証しなければ処分をすることができません。   弁明を求めたときに弁明を何もしてこなかったときには,法テラスの判断に従って,一応立証できていますからいきますよということでオーケーかもしれませんけれども,立証できるだけの資料が手元にない段階で,不一致がありますよというだけで処分に踏み切れるかどうかというと,故意の部分を立証しないといけないので,そこはなかなか難しいものがあったということでございます。 井野委員 だから,そこまでの処分をするかどうか,例えば会社内ですといろいろな処分の仕方があるので,極端な処分に行く前に,もっと例えば軽い程度のウォーニングですとか,そういう処分は取り得るのかどうかということです。確かに契約解除とか,そういった措置になると厳しいと思いますが。そのあたりは検討いただけるのか,それはもう考えられないんであれば仕方ないんですけれども。 柴田課長 弁護士に対する処分については,弁護活動への介入にならないように配慮するという観点から,決められている条項に当たらない限り処分をすることができないということになっています。 新部部長 この153名の過大申告した弁護士については,指導監督権は日弁連や弁護士会が持っているものですから,153名全員について日弁連に資料を提供し,指導監督を依頼しました。それで日弁連が各弁護士会にそのリストを送って今調査をしていると思います。その結果で弁護士会が指導監督を発令すると思います。 遠藤委員 いわゆる元本と損害金があります。通常の場合には先に元本を回収します。それは何かといいますと,期間経過すると損害金が増えます。例えば,税務署の場合意見が違ってきますと納税額だけ納めてしまうわけです。そうしないと,その税額に対して期間が延びれば遅延利息が増えます。したがって,元本を返還してもらうことと,損害金を回収することとは分けて考えたほうがいいのではないですか。 山本委員長 それは可能ですよね。 柴田課長 ありがとうございます。その悪質性の評価というところが大事だという頭だったものですから,そこの部分をまずやらなければと,一体的にやらなければいけないという思いで動いていたものですから,こういうことになってしまったという状況でございます。 坂本委員 証明資料の添付ということに改善をされたということなんですけれども,複写式の資料は弁護士が接見をしたときにだれでも窓口から取られるものでしょうか,それともきちんと申請をして用紙をもらうものなんですか。 柴田課長 警察署の現地の係官が保管していて,その係官からもらうと。勝手に出せるというものではないです。 山本委員長 ほかにはよろしゅうございますか。   それでは,法テラスの担当者の方々,ありがとうございました。 (日本司法支援センター退席) 山本委員長 ということで,一応御説明を承りましたが,小林委員,いかがでしょうか。 小林委員 今一番最後に,日弁連に報告をなさってて日弁連から調査に出たと,要するに法テラスが直接行わなくても,不祥事があったことについて何らかのアクションがあったということで,それで十分かと思いますそれを一番最初に教えていただいたらよかったなと思います。 山本委員長 ということであれば,一応皆さんBということではありますので。 小林委員 結果として,法テラスがそれは日弁連に報告なさったという,直接のアクションがきいて,日弁連が実際にアクションをもう既に起こしていらっしゃると,アクションというか,何らかのことがあるということが世間に分かるようなそのアクションはもう起きているということですので,Cを撤回してBにします。 山本委員長 ありがとうございます。評価の理由につきましてもこういうような表現でよろしゅうございますか。 小林委員 はい。 山本委員長 よろしいでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。それでは,この項目15につきましては,一応今の御説明を了として,評価としてはこの原案どおりで取りまとめさせていただきたいと思います。   ほかの異論の少ない項目の中で,ほかに何かございますでしょうか。特段よろしいですか。 坂本委員 6番なんですが,6番の効率的な広報活動について,私はB+にさせていただきました。国民の60%が支援センターを知らないという事実については問題だろうとは思うんですけれども,昨年の広報の仕方と,若干評価表の書き方が違うんですけれども,比べてみますと,非常に積極的な広報活動を行っているように私には感じられました。そういう意味では,努力をしているということでB+という形をとらせていただきました。   御提案なんですが,評価ということではなくて,広報活動というのは直接認知度にもつながってきますので,積極的な広報をやっていくということの一つの提案として,法テラスが秋にテレビコマーシャル広報をするというふうな話を伺いました。4月にやったのをたまたま私,テレビで見たんですけれども,その広報の仕方がよく分からなかったんです。法テラスって役に立つんだってというようなコマーシャルだったように思います。それでは何をやるところなのかというところが分からなくて,テレビを見た人が素通りをしてしまうのではないかなというふうに思いました。   一つのやり方として,110番をセットにしてやる。例えば労働110番だとか,それから医療過誤110番とか,金融保険トラブル110番とか,最近の問題を110番方式でやると,そこに問題を抱えている人は非常に関心を持って見て,それが電話につながっていくと思うんですね。   もう一つは,110番方式を別の機会でも企画をして,それをお金をかけて広報するのではなくて,プレス発表することによってマスコミが取り上げてくれるという効果があると思います。110番方法というのは割に,テレビとかいろいろなマスコミが取り上げてくれるんですね。ですから,そういう直接視聴者,国民の利益に直接つながるような企画を立てることによって,それが認知度につながっていく。それを年に数回やることによって,どこかが取り上げてくれると認知度につながっていくと思うんですね。そういう努力をしていただけたらなと思いまして,御提案をしたいと思います。 山本委員長 ありがとうございます。4月のコマーシャル,私もテレビで見て,ACとかのコマーシャルがまだいっぱい流れているような時期だったかと思います。ああ,やっているんだなというように思いました。確かに,中身的にはしかし,何をやっているのか普通の人には分からないというので,そういう110番方式という提案がございましたが,ほかの委員の方々はいかがでしょうか。 井野委員 先ほどの法テラスの方のコメントで気になったポイントで,コンプライアンスの確保というところにもつながっていくと思うんですが,先ほど性善説に立った制度設計をされているというコメントがあって,私は実は,私の会社の経験で言うと,やはり性善説に立つのも限界があるという,どちらかというと,性悪説に立つ必要はないとは思うんですが,人間はエラーとかそういったことがあるという前提で制度を設計していただかないと,やはりこういった不祥事というのは今後も何らかの形で起こり続ける。   ですので,どこの評価ということではないんですが,一応そこの視点をもう少しニュートラル,弁護士という規範意識の非常に高い職業の方々がベースになっているということは理解できるんですが,それだけにより高いコンプライアンスも要求されるエリアだと思うので,そこだけちょっと気になったのでコメントさせていただきます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,今の坂本委員の御提言,あるいは井野委員の御指摘は,直接この評価には影響ないと思いますが,事務局から法テラスにそのような御提案等,あるいは注意すべき点についての御指摘があったということをお伝えいただけますか。 山﨑参事官 承知いたしました。 山本委員長 そのような形でよろしゅうございましょうか。今後の業務に反映させていただくということで。   それでは,ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,先ほどの大項目1の異論の少ない項目につきましては,問題になった項目15の点を含めて,一応評価及び評価理由については原案どおりということで取りまとめをさせていただきます。ありがとうございました。   それでは,引き続きまして,今度はちょっと問題があるところですが,この議論を要する項目について,先ほど申しましたとおり,個別的に見ていただきたいと思いますが,まずは項目2ですね。この資料1の1ページになりますが,2の顧問会議の開催状況に関わる部分でございます。   これにつきましては,お手元のA-2を御覧いただきますと,Aの評価の委員が6名,B+が3名,Bが1名という形で,Aが多いわけですけれども,分かれているという状況にございます。それでAが多いので,一応原案としてはA評価ということになっておるわけでありますが,なおB+,Bという評価をされた方が4名おられるわけです。   まず,そこでこの項目について御議論いただきたいと思いますが,御意見のあられる委員はいらっしゃいますでしょうか。   机上配布資料のA-3を御覧いただきますと,これは各委員の評価の分布と,それから,その理由も記載されていますけれども,項目2についてはA-3の2ページになりますが,これを見ますと,B評価とされておられる委員は,外部から顧問会議という形で意見を聴取したことは評価できるけれども,その議題の選択についてはもう少し工夫があってもいいのではないかと,多様化・深化させる余地があるという,端的に言えば,恐らくちょっと通り一遍の会議なのではないかというような御意見をお持ちということで,更なる活用をというのでB+ないしBとされていると。そのあたりをどう評価するかということかと思いますが。 村瀬委員 その辺のテーマをいろいろ考えるという方向性はよろしいかと思いますが,私はA評価であったんですけれども,これまでの顧問会議の議題を見ても,一応は,それなりに切り口を変えようと考えてはいるかなというのが第1点ですね。   それから,やはり顧問会議のレベルですと,大きな視点からの議論にならざるを得ないのではないかと。制度の理念的な面からの議論とかですね。あるいは大きな方向性の議論と,そういった部分にならざるをえないのではないかということになりますと,このいろいろな多様化のテーマとか,より深い切り口があるのではないかという,いま一つイメージが,顧問会議の議題としてはどういう議論を求めているのかなというのが,イメージが私自身,いま一つわかないので,Aの考え方でいいのかなというのが現在の認識です。 山本委員長 ありがとうございました。いかがでしょうか。 知久委員 私もA評価にしました。会議の回数も2回と増え,実践的とまではいかないですけれども,現状と改善の取扱いや,組織運営の理念等についても意見を伺っているとありましたのでA評価にしました。 山本委員長 ありがとうございました。確かに,大体毎年1回ということだったと思いますが,この昨年度は2回開いていて,サービスの質の向上というのが大体いつものテーマだと思いますが,その組織の運営理念等についても意見を伺ったというようなことが記載されていたかと思いますが。 井野委員 私はB+にさせていただいたんですが,目標を見ると会議を開催することが目標になっているので,そういった意味では2回開催されたということではAなのかなと思うんですが,会議を開催する目的が,その会議を活用して今後の活動につなげるというところであると思われるので,それが本来の目的だと思われるので,そういった意味では,今後の取組状況なりアウトプットを見たいなという形でB+にさせていただいただけで,別にAではない,積極的な意味でのB+評価ではないということだけ述べておきたいと思います。 坂本委員 私もB+なんですけれども,目標が「利用者の立場の幅広い意見を聴取し」ということで,利用者の立場からの幅広い意見という視点で会議を開催して,利用者に還元できるような施策に転換するということだと思うんですけれども,顧問会議のメンバーのリストなんですけれども,実際の法テラスの趣旨に適合した分野の方からの人選が少ないかなと思ったんですね。例えば,生活保護支給部門のケースワーカーとか,障害者,高齢者福祉部門とか,例えば消費者センターの相談員さんとかですね。そういう現場の人の声が入ってこそ,利用者の立場の声につながっていくのではないかと思ったんですね。そういう意味では,開催回数を形式的にこなしたから,1回以上開催するという点でいえばAなんですけれども,その中身についてはもう少し工夫をしてもいいのかなと思いました。 知久委員 そういうふうにも考えられますけれども,ただ,現場の人の意見というのはやはり現場の意見でしかないと思います。法テラスの理事会議事録を拝見していますと,いろいろな苦情の案件が出ていますよね。それを多分現場の目で見ると,こういうのもしようがないのではないかととらえるところがありますけれども,これを第三者の方が見ることによって,違う面からの切り口で指摘できるのではないかなと思うので,携わっている方よりもそうでない方の目というのもかなり重要になると思うので,そういう意味での顧問会議であれば,私は,何回開催する開とかどこまでできるかというところで判断するよりも改善するという意味では非常にいいものではないかととらえています。 山本委員長 ありがとうございました。 遠藤委員 顧問会議は毎年継続してやられているわけです。この目的を達成するためには,前年度,つまり第一期目標期間の間にどのような意見が顧問会議で出てきたか。それを踏まえて,年度の議題を設定するに際して,いかなる意見が出されたのかを検討して議題を決めているということを明らかにする。それに対して法テラスの施策はどのように実行されたかを報告する。当年度に出された意見を当年度では施策を実施できないわけです。つまり,第一期の中期目標における議論の結果を踏まえて,第二期においてはこういうふうな議題を設定したんだというような視点が必要だと思います。当年度に何回か開催したということよりも,顧問会議の意見がどういうふうに展開されているのかという,施策の関連が出ていないのではないかと思います。そういう面からすると,Aというのはどうかなというような感じはいたします。 山本委員長 いかがでしょうか。ほかには。 嶋津委員 意見というような意見ではないんですけれども,あえてでは申し上げますと,私もAにしましたけれども,やはり立派な方を顧問に委嘱して,それで熱心に討議をした。そういう中身についてその議題がどうかとか,あるいは回数がどうかということよりも,そういうことの趣旨を評価できるのではないかと私は思うんですね。だから,それでやはり目的を達した会議を開いて熱心に議論していただいたことに対して,それを評価委員会でBではないかというのは何か失礼なような感じもするんで。   ただ,そこで,この評価理由で,その取組姿勢は高く評価できるとまで書く必要があるのか。単に評価するということでいいのではないかと思います。だから,その評価理由から「高く」を取るということで,提案をさせていただきます。 山本委員長 ありがとうございました。   いかがでしょうか。建設的な御提案をいただいたかと思いますが,井野委員も言われたとおり,このそもそも年度計画の1回以上顧問会議を開催するという,開催していることは間違いありません,2回開催しているということございますので,評価としてはAとして,ただ,今の嶋津委員からの御提案で「高く」は削除して取組姿勢は評価できるという形にすると。そして今,遠藤委員あるいは坂本委員から出された意見というもの,つまり前年度あるいは前の中期計画でやった顧問会議の内容を踏まえて,それを次の年,次の計画等に生かしていくという視点が大事ではないかとか,あるいは坂本委員が言われたような,もう少し現場の感覚も踏まえた人も一人ぐらい,主婦連の参与の方は入っておられるということですが,そういうメンバーについても,なお工夫の余地はあるのではないかというような御意見が出たということを,事務局から法テラスにお伝えいただくと。評価としてはAとするということでいかがでしょうか。よろしゅうございますか。 井野委員 A-ということですよね。 山本委員長 ニュアンスとしてはそうなんですけれども,とりあえずは…… 井野委員 Aで。 山本委員長 ということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,この項目2については,評価はAと。ただ,評価理由からは高く評価できるの「高く」の部分は削除するという形で取りまとめをさせていただきたいと思います。ありがとうございました。   それでは,続きまして,今度は項目の4になりますでしょうか。利用者の意見・苦情等への対応に関する項目で,項目別評価表の2ページになります。   これについては,御意見の分布というのは,A評価の委員が6名,B+がおられないで,Bの評価が4名ということで,これもかなり分かれている状況であるということでございます。一応Aが多数ということで,原案はAという形で書かれているということでございますが,この意見・苦情への対応の部分について御意見をちょうだいできればと思います。   これも,ちなみに机上配布資料のA-3の,これは4ページになりますが,Aとされた委員の御意見とBとされた委員の御意見の理由が記載されております。   基本的には,Aの委員の方々は,いろいろな工夫が,苦情等の内容を役職員に十分周知されていると,接遇スキルの向上のための研修の素材としても用いられているというような,そういう具体的な工夫がそれなりになされていると。あるいは日弁連に対しても弁護士用の研修資料として,そういう弁護士に対する苦情の事例を提供するという形で,サービスの改善にも取り組んでいるといったような,全体を評価してAでいいんではないかという御意見ですが,それに対してBの御意見の委員の方々,そういったような部分は評価できるけれども,なおこの苦情・意見というものを,業務の改善,組織の運営に反映させるということは非常に重要なので,端的に言えば,この程度の取組では十分ではないと。これをやったからといって,苦情が今後減るということには必ずしもなっていないのではないかという,もう少し将来検証していく,将来の状況を見守る必要があるんではないかというところからBとされているように見受けられます。   いかがでしょうか。どなたからでも。 遠藤委員 利用者の意見・苦情の対応と言いますが,これは非常に難しい課題です。というのは,利用者の意見とか苦情というのを細かに分析してみないといけない。   今回読ませていただきますと,分析結果に基づいて,リーダーの養成研修と弁護士会の働きかけという二つのことをおやりになっています。その前に,年度あるいは第一期の中期目標の中で,利用者からどういうふうな意見が集約的に寄せられたのかということの分析をしまして,それに対して,第二期においてはどういうふうな対策を立てていくのか。各年度計画の中に織り込まれて,今期はこの項目を重点的にやりました,次期はこういうふうにやりますと,この4年間の間で第一期に出てきた意見・苦情については処理しますよと,こういう基本的な考えがないといけないと思います。   その点からすると,本当に苦情だとか意見を十分に分析して,それを中期目標の中に反映しているのかという視点が,ちょっと足らないのではないかと思います。そういう意味から私はB評価にしました。準備段階における重要なことが抜けているのではないか。   つまり,実施しなければならない項目を具体化して,今期はこの項目をやります。以下については次期以降に実行していきますと,前向きの,これからどういうふうにして進もうかという方向性を明確にした方が良いと思います。 山本委員長 分析とそれに基づく具体的な方向性。 遠藤委員 そうです。この2点だけではないと思いますが。 坂本委員 意見というほどではないんですけれども,実は法テラスの現場事務所に訪問してきました。上から目線というようなものが全然なくて,非常に明るい雰囲気で接客対応が良くて,これも一つ苦情に対する改善をしているのかなというふうに受け止めましたので,御報告いたします。 山本委員長 ありがとうございます。   井野委員,どうですかね。民間のこの感覚からすると…… 井野委員 そうですね,先ほどおっしゃられたように,なかなか苦情が出てきたときに,その苦情に一つ一つ対応してつぶしていくというのは非常に難しいので,ある面でやはりリーダー,こちらに書いてあるように,リーダーを作って職員の意識の徹底を図るですとか,あとは直接指揮権がないので,弁護士会に連絡して注意を喚起するということをやるというのは,まず正しい方向だと思うので,私はA評価にさせていただきました。   変な話,クレーマーみたいな方もいる可能性があるので,どこまでそういったものをより分けるかというのも,特に難しい,何かを買うとかというところではないとは思うので,難しいエリアだと思うんですが,育成というところで取り組んでいるところは非常に着眼点としてはいいと思います。 嶋津委員 この前仙台にお邪魔しましたよね。そのときも,窓口はカメラが置いてあって,天井に,そういう状況を見ながら別な場所で接客の対応等見ておられるという状況を見せていただいたんですけれども,結局苦情処理というのは,全ての苦情する人に全部満足させるということが目的ではないと思うんですよね。今言われたみたいにやはりクレーマーみたいな,モンスターみたいな人もいるわけだから,職員に危害が加えられるようなことからも守らなくてはいけないわけですから,そういう手続がきちっとされているのかどうかということが,私は大事なことだと思いますので,中身がどうということよりも前に,そういうマニュアルとしての対応とか,そういうのがきちっとされているかどうかということで,評価をまずするべきだというふうに思って,私はA対応,今はきちんとされているというふうな印象を持ちましたので,そういう評価をいたしました。 山本委員長 分かりました。ほかにいかがでしょうか。 村瀬委員 私も同じ印象であったんですが,B評価の例えば苦情防止の意見数が減ったかどうかを検証するとか,これも先ほど御意見ありましたように,なかなかその件数を把握すること自体が至難の業ではないかというのが持った印象です。   それから,確かに苦情の内容を検証し,あるいは分析するというのも,容易ならばこれはやるべきかと思うんですけれども,その分析自体が非常に,ありとあらゆるレベルの苦情があると思いますので,そう簡単にできるのかなというのが漠然とした印象でして,その作業量が膨大な作業になるのではないか。むしろ大事なのは,そういう苦情があるということを現場とかあるいは弁護士会に周知することが大事,まず第一歩ではないかなと。そういうところからA評価でもいいかなと思ったんです。 山本委員長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。   そうすると,やはり皆さんの御意見としては,A評価,原案ということでよろしいのではないかということでしょうか。先ほど遠藤委員が言われたようなことが必要であるということは間違いないところだということだと思いますが,現実にはなかなか難しい部分もあるということで,現実的な評価としてはということでしょうかね。   いかがでしょうか,遠藤委員。私もB評価で,もう少し何とかできるのではないかという気もしていたりしてはいるんですが。 遠藤委員 せめて苦情を制度的な面での苦情と,それからそうではない個々の苦情がありますので,その辺のところぐらいは分類して,制度的なものについてはどういうふうな,組織も含めて検討しなければいけない,これが研修だとかにつながっていくと思います。そういうふうな意味での分析をして,どういう対応をしていくかということが必要だと思います。 山本委員長 そこの分析ですね。   それでは,そういうような御意見があって,確かにそういった,私もそれは感じましたけれども,自己評価の中で必ずしもそういう,ある程度のことはやられているのではないかという想像はするんですけれども,そこが必ずしもはっきりしていない部分もありますので,来年度以降,その評価に際してもそういったところにも留意をいただいて,法テラスに確認というか,お伝えをいただくということをお願いして。 井野委員 そもそも苦情処理を日本弁護士連合会に提供ということがあるので,ある程度の分析はその裏にはあるとは思うんですけれども。 山本委員長 そうそう,おっしゃるとおりだと思います。 松本部付 事務局からでございますが,我々が把握している限りにおきましては,定期的に開催されている執行部会におきまして,利用者からの苦情の報告がなされており,その資料の中には,例えば弁護士に関するものであるとか,職員の応対に関するものであるとか,制度に関するものであるとか,そのような形での分類がなされて報告されていて,もちろんその中から弁護士に関するものというのを抽出して弁護士会に提出していると。そういう分類のようなものは少なくともなされているというふうに承知しております。 山本委員長 遠藤委員の御意見,私もそうですが,もう少し分析をしてということですかね。 遠藤委員 せっかく分析されているのだから,その分析に対して,法テラスとしてどういうふうな施策をするんだという,次のステップを。そうすると苦情に対するマニュアルを作成するについても,非常に前向きな対応ができると思います。それらによって苦情を減らしていくステップになると思います。 山本委員長 今のような御指摘をいただいたということを…… 山﨑参事官 お伝え申し上げます。 山本委員長 お伝えいただくということで,評価としましてはそれではここはA評価の,原案を維持するということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは次に,今度は項目5ですね。これがかなり意見が割れているところでありますけれども,効率的で効果的な業務運営に向けた取組の状況という項目でございますけれども,A評価が3名,B+が4名,Bが3名ということで,ほぼ完全に意見が3分されている状況にございます。   これもその評価の理由を見ますと,組織運営理念の策定ということ,それから,各地方事務所で行われている業務の迅速化,効率化に向けた取組でいいものがあれば,それを推奨事例というような形で,ほかの事務所にも紹介して全国的な取組にしていくというような,具体的な活動。これについては評価に値するという点では皆さんの意見は一致しているということかと思います。ただ,職員の自発的な創意工夫を喚起するための具体的な仕組みの整理というのが必ずしも,発展途上ではないかということ,あるいは,先ほどの項目とも関係しますが,利用者のニーズに応える業務執行という観点からすれば,利用者の不満等に対する対応はまだ十分ではないと,改善の余地があるのではないかと。そういった観点から,BあるいはB+という評価が出てきていると思います。   一応,Aが3名,B+が4名,Bが3名ということですので,相対的には多数であるB+で原案は一応書かれているということかと思います。   この点につきまして御意見をいただければと思います。 遠藤委員 私はB+にしたんですけれども,B+にした理由というのは,組織運営理念を作成されました。これがどういうふうに展開していくかというのは,当事業年度の話ではなくて今後の話なんです。そうしますと,やはりそれがどういうふうに具体的に展開されていくかというのを,やはり見ていきたい。   そうしますと,AというよりはBですが,2番目の項目は,前の中期計画に比べるとかなり具体的に施策をおやりになっている。そういう面からするとBではなくてB+になる。したがって,一つの理念を作ったということと,それから,具体的な施策をしたということで,B+。Aというふうにするには,先ほど言いましたように,理念が今後どういうふうに具体的に展開されていくかということを見極めたいということで,AではなくてB+ということに私はさせていただいたんです。 山本委員長 この原案の評価の理由も大体そのような,今の遠藤委員の御指摘に沿ったような形で書かれているということかと思いますが,いかがでしょうか。 嶋津委員 私もBという評価をしたんですけれども,私は特別なことがないと,要するにB+という評価項目をあえて作られたわけですから,何かそういうのがあって,国債の格付けもそうですけれども,将来方向を表すというような意味で,何か特別なアクションがあったのかなと思いましたけれども,今遠藤さんの御意見なんかも承ると,こういう新しい理念を評価するという意味ではB+でも賛成です。結構だと思います。 山本委員長 ありがとうございます。B+でもよろしいのではないかという御意見ですね。 井野委員 私もB+を付けさせていただいたのは,基本的にかなり単純な理由で,コストとか効率的な業務運営というのは,基本的に毎日取り組んでいかなくてはいけないことなので,終わりがないというか,A評価というのは基本的に私はないと思っていまして,かといってBでもないでしょうと。ですので引き続き,今の取組をいろいろな形で続けていっていただきたいという気持ちを込めてB+にしました。 小林委員 私はA評価にしているんですけれども,結局同じことをどういうふうに表現するか,ほかの委員の先生方と同じかとは思うんですが,2番目に挙げられていますように,エクセルシートの改善というような,具体的な工夫をなさっていて,そうすると次の年は何しようかというのが大変なことかもしれないんですけれども,とりあえず22年度,具体的な工夫を分かる形でなさっているということを評価して,そういう意味では終わりがなくても一歩ずつ一生懸命なさっているということを評価して,Aとさせていただきました。 山本委員長 そうすると,基本的な認識は一致していて,それをAと見るのか,B+,将来に向けた取組を更に期待するという観点からB+という評価にとどめるのかという,見方の違いという感じでしょうかね。いかがでしょうか。 村瀬委員 私は一応努力はしているからと思って,Aにしたんですけれども,なお同様な努力は十分あり得るなという気持ちにもなりました。B+でよろしいのではないかと思います。 山本委員長 ありがとうございます。   それでは,小林委員の御意見もございましたが,中期計画の1年目ということでもありますので,今後,もう少し更に取組を見守るというような趣旨も含めて,B+という,新しく設けた評価段階でもありますので,原案の形で取りまとめさせていただいてよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それでは,この項目につきましては,項目5につきましては原案どおりB+と,評価理由も基本的にはこれに従うという形にしたいと思います。ありがとうございました。   この大項目1の部分は,皆さんの御意見が分かれているところが多いので,ここを終えて休憩を取りたいと思いますので,もうしばらく我慢いただきたいと思いますが,次は項目の9でございます。資料1の5ページですね。   常勤弁護士の確保に向けた取組状況ということで,これにつきましては,毎年いろいろな御議論があるところでございます。   委員の御意見は,これもかなり大きく割れておりまして,Aの方が4名,B+の方が2名,Bの方が4名ということで,かなり大きく割れているということで,原案は,これは真ん中を取ったという趣旨かと思いますが,B+ということで原案は一応書かれておるということでありますけれども,かなり大きくAとBとに分かれていると。   恐らくこれは,毎年のことでありますけれども,取組としてはかなり熱心に就職説明会とか,いろいろなエクスターンシップの受入れとか,シンポジウムとかいろいろな形でやられていて,この努力は認めるということは,恐らく認識は一致しておるところかと思いますけれども,問題は,その結果が,結局昨年度は42名の常勤弁護士を採用したということでありますけれども,25名の退職者が出て,純増は17名にとどまっている。この結果をどういうふうに見るか。取組としては頑張っているので,結果はやむを得ないと見ればAになるでしょうし,取組としては頑張っているけれども,やはり結果が出ないとBなんではないかということになればB評価ということで,そこの見方の意見がこう分かれているのかなというふうな印象を持ちますが,いかがでしょうか。御意見をいただければと存じます。 村瀬委員 今おっしゃられたように純増が17名というのは,やはりより充実を目指す時期にしては少ないのではないかなという印象で,私はB+にしたのですが,他方で,これは裁判官も同じなんですけれども,法テラスに興味があっても家庭の事情等で過疎地には行けないとかいう人も,結構優秀層が多いのではないかと思うんですね。その中ではそういう苦労がよく分かりますので,大変努力されているなという意味もありまして,B+ぐらいがよろしいのではないかなと思いました。 吉川委員 最初に委員長がおっしゃったとおりで,努力を見ればAで結果を見ればBというふうになってしまうと思うんですね。   私はよく常勤弁護士を集めることの困難さというのが分かっているつもりなんで,どうしても努力を見てしまってAにしたんですけれども,確かに結果も大事だよということからすると,ちょうど事務局案のB+というのが落ち着きがいいかなというふうに思いますけれども。 山本委員長 ありがとうございます。いかがでしょうかね。 嶋津委員 吉川先生がおっしゃるんだったら……いや,しかし去年から比べるとAの方の意見が増えましたよね。 山本委員長 そうでしたね。 嶋津委員 それはやはり努力は,私は依然として,B+で結構です。更に努力をしていただきたい。 山本委員長 B+ということですね。 知久委員 私も42名採用できたというところでAにしたんですけれども,今の御指摘を受けてB+でもよいかなと思いました。 嶋津委員 地域性の問題というのは大きな課題ですよね。それは恐らく弁護士会の中の努力もされているんだと思いますけれども,やはりそういう大きな問題がまだあると思うんですね。壁といいますかね。 山本委員長 そうですね。発足以来のところですけれども,なかなか岩盤のようなところがあるんではないかというふうに想像はしますが。 小林委員 私はAにしたんですけれども,ひょっと今,弁護士の数が増えている割には17名純増というのは,せいぜいB+かなと考え直しました。 井野委員 この25名,どちらかといえば質問なんですが,退職者というのは予定されている退職者なんですかね。退職者の引き止めとかはよく普通の会社だとやるんですが,そうしたところをすると結果的に純増が増えますよね。そのあたりの取組ってちょっとどうなっているのかなと今思ったんですけれども。 山本委員長 これは事務局で何か把握はされていますか。 松本部付 事務局からでございますが,常勤弁護士の任期は基本的に3年ということになっておりまして,その任期が来るのが何名かというのは,当然法テラスとしても把握できるところでございます。ただ,そのうち何名が更新するかというのは,結局最終的には本人の意思ということになりますし,もちろん,仄聞するところによれば,優秀な方には当然慰留というか,残ってほしいというようなことは言うとか,そういうことはなされているとは承知しておりますけれども,具体的に申し訳ございませんが,それ以上の詳細については把握しておりません。 井野委員 そうですね,よく我々リテンションと言っているんですが,リテンションは結構重要なんですよね。長くきちんと優秀な方に残っていただいたほうが,その後のリクルーティング活動なんかも非常にやりやすくなりますので,そのあたりにも目配りいただければなと思います。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,ここはかなり難航するかなというふうに思っていたんですが,委員の皆さんの御意見の大勢としてはB+ということで,こういうときのために作ったという部分もある評価かもしれませんけれども,おおむねそれで御異論はなかったということかと思います。ただ,井野委員からの御指摘があったように,更にその引き止めというんでしょうか,退職者に対する,それからもちろん新規の採用も含めて,更に努力はお願いすると。地域の問題も解消するような方向で努力をいただくということは当然前提として,評価としてはB+ということにさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,この大項目1の中では最後でございますが,項目11ですね。   これも今のお話と関連するわけでありますけれども,今度はどちらかといえば常勤弁護士の質の問題ということになろうかと思います。意欲的で国民の期待に応えることのできる常勤弁護士の確保に向けた取組状況ということであります。   ここも評価の分布はおおむね今の項目9と似ているわけですが,Aと評価された委員は4名,B+が3名,Bが3名ということで,4人,3人,3人ということで,これも3分されておる状況にあります。   これも恐らく評価の分かれは,今の先ほどの項目とほぼ同じということだと思います。その努力の側面を見るのか,その結果の側面を見るのかというところかと思いますけれども,努力としてはいろいろな取組でできるだけいい人材を確保するという,その取組は評価に値するということかと思いますけれども,ただ,現実的に十分な人材の確保,とりわけ中堅弁護士で既に実績を残しておるような弁護士を採用するというような,この評価委員会でも毎年常勤弁護士の質の問題というのは議論されているところでありますけれども,そこはまだ結果として十分とは言い難い状況にあるのではないかという部分を見るとBになるということで,恐らく御意見が分かれているのかなと思いますが。いかがでしょうか。 吉川委員 正に委員長おっしゃったとおりで,9と同じような考え方なんだろうと思いますけれども,私としてはこれはAでなくてB+にしたんですが,その理由は,今これも委員長おっしゃったように,中堅の弁護士を確保する努力がもっとあっていいのではないかな。今までの努力の大半は新人の確保に置かれていて,確かに中堅の弁護士を確保するというのが,これは新任よりももっと難しいということはよく分かるんですが,何か方法を開拓して,中堅弁護士に来てもらえるような方策をもっと考えてもいいのではないかなということで,私はこれはB+にさせていただきました。 山本委員長 ありがとうございました。いかがでしょうか。 村瀬委員 私もB+なんですが,これは個人的な思いなんですけれども,裁判員裁判が始まる前に私自身が思っていたのは,刑事弁護の中核,裁判員事件の刑事弁護の中核は法テラスが担うのかなと思っていたんです。個人事務所ではなかなか難しいということになると,恐らく公設弁護人制度のような立場にある法テラスが中核を担うのではないかと思っていたんですけれども,現状はかなり個人の弁護士の先生方がやられているというところがある。   それはそれでいいんですけれども,今刑事弁護で問題になっているのは,やはり刑事の質の問題なんですね。特に裁判員裁判において,刑事弁護の質がこれからもっと問われることになってくると思うんですけれども,やはり法テラスにはより中核になってほしいという,刑事弁護の質の向上を目指してリーダーシップを発揮していただきたいという思いがかなりありまして,現状ではやはりまだ足りないのではないかなという気はいたしております。そういう意味でB+にしました。 山本委員長 ありがとうございます。坂本委員は。 坂本委員 質問なんですけれども,中堅の弁護士が常勤弁護士にならない理由は,なんでしょうか。給与の点もありますか。 吉川委員 分かりませんが,それももちろんあると思いますね。それと,やはり一遍弁護士で事務所を出してしまいますと,なかなか一遍法テラスに来てまた戻るとか,いろいろな,もう既にあるお客さんにどういうふうに説明するかとか,あるいは今までのお客さんとの関係をどう処理するかとか,いろいろな新人にはない難しい問題が生じますので,非常に来るのが難しいというのは言えると思うんですね。   だから,私はそれを承知の上で,もうちょっと中堅を来てもらえるような努力をしたらいいのではないのかということを思ったんですけれども,今,村瀬裁判官おっしゃったのと同じようなことで,裁判員裁判を担うためには,やはりある程度刑事事件の経験のある弁護士が法テラスに来て,もうかなり専門的にこれをやってもらうというのが,非常にいろいろな面でいいということで,何とか中堅の弁護士をリクルートしてもらいたいなというふうに思います。   恐らく給料の問題もあると思いますけれども,いろいろなしがらみとか,自分がある意味拘束されていますので,それを切ってくるというのはなかなか難しい。それから,ここに来なくても刑事事件はもちろんできますので,そういうことで,だから行こうという人がいないのではないかと思うんですけれどもね。 嶋津委員 質問なんですけれども,その常勤弁護士の待遇について,今この評価理由のところに,同期の裁判官,検事と同等のものとなっているというのは,その今言った経験者についても全くそういうことができるんですか。それを教えてもらいたいんですけれども。ただ,同じような仕事を,常勤弁護士として新採で同じような仕事をするときに,そういう年齢とか経験年数によって差をつけることはできるんですか。   今の経験者の採用が難しいという中にそういうことがあるんだとすれば,そういう点の改善とか,そういうことを言わなければいけないのではないかと思うんですけれども。 山﨑参事官 給与に関しましては,どういう仕事をするかとか,例えば地域事務所に行くのか,あるいは地方事務所で扶助国選をやるのかということにかかわらず,基本的には同期の判検事並びだと思います。司法修習同期の裁判官,検事と並びの給与が法テラスから払われる。こういうふうな仕組みになってございます。 嶋津委員 10年経験をした人が常勤弁護士になったときにはどうなのですか。 山本委員長 10年目の裁判官と同じ。 山﨑参事官 10年目の判事,検事と同じレベルの給料と。 嶋津委員 ということができるわけですね。 山﨑参事官 できます。 嶋津委員 ああ,そうですか。それだと,それ以上の待遇というわけに,なかなか難しいんでしょうな。 吉川委員 それは流行っている弁護士はもしかしたらもっと稼いでいるかもしれませんから,そういう面もあると思いますが,ここはやはりより難しいのは,今までのお客さんをどうするかとか,事務所の維持をどうするかとか,あるいは,自分のいる場所が別なところへ移動するのが大変だとか,そういった問題が相当大きいのではないかと思いますね。本当の金の問題だけだったら,もうちょっと行こうという人いるのではないかと思います。 山本委員長 弁護士事務所の法人化を議論したときには,そういう法人化した弁護士事務所がそういう受け皿になって,だから行っても戻ってこれるのではないかとかという議論もありましたが。 吉川委員 実際にそういうことを目指して法人化したり,あるいは法人化しなくても,事務所の中から法テラスにだれかを派遣して,自分のところにまた引き取るとか,そういう取組をしている事務所は少しずつは増えてきております。だけれども,やはりこれもまた新人を対象にしてしまうんですね。10年ぐらいした人を一遍どこかに行ってもらってまた帰ってくるというのは,まだなかなかできない。徐々にそういう体制もできるかもしれませんけれども。 遠藤委員 これは弁護士と公認会計士とよく似ているんですけれども,公認会計士の場合には各関連団体には中堅クラスを積極的に外に出すんです。出して,3年なり5年なり外部で違ったいわゆる知識,あるいは素養というものを修得してまた帰らせるという制度,これはやはり法人組織が大きくなったからできるんです。小さいときには日々の業務をするのが精いっぱいですから,なかなか出せないですけれども,法人が大きくなってくると,組織を運営していくためには,同じ人間ではなくていろいろな人間が欲しくなってきます。ですから,弁護士法人が大きくなったところは,そういうようなことも制度的にはできるのではないかと思いますけれども。参考のために。 井野委員 出向みたいな形ですか。 遠藤委員 出向です。ただ,仮での出向はできないので,一応転籍になってしまうんです。ただ,帰ってくることを前提にした転籍にしますから。 山本委員長 そうですね,なるほど。 松本部付 ちなみに御参考でございますが,机上配布資料のBの,途中でページがいったんリセットされて1ページとなっている,22ページの次に1ページとなっているところがございますが,その1枚をめくっていただいて,別添1と書いてある資料がございます。これが質疑の中で出てきた法テラスからの資料で,これまでの常勤弁護士の法曹経験別の採用数一覧表です。例えば平成22年度でありますと,42名の新規採用のうち新人が34名,法曹経験者は8名で,その8名も5年以内の法曹経験ということになっております。 山本委員長 むしろこれを見ると減っているという気も……去年は5年以上の経験者はいないということですね。   いかがでしょうか。いろいろ難しい状況はあるにしても,しかしながら裁判員制度のこともありますし,地域事務所等においても,やはり一定の経験を備えた弁護士が常勤弁護士として勤務しているということは,法テラスの機能としては非常に重要なことであるということについては,恐らく委員の皆様の間にコンセンサスがあるのだろうと思われますが,問題はそれに向けた努力の部分を評価するのか,結果としてはまだまだ,なかなか理想どおりにはいっていないという部分を見るのかということで,先ほどと同じような問題ですが,出された委員の御意見は,基本的にはこの原案,B+と,ここでも努力はしているけれども,更に引き続き,特に中堅弁護士の確保に向けた努力が必要であるというメッセージを委員会として出すべきではないかという御意見であったように承りますが,そのような理解でよろしゅうございますか。 井野委員 1点だけ質問よろしいですか。   実績のところで60歳未満の弁護士に限っているというのは,何か理由があるんですかね。今ちょっと不足が叫ばれているんだったら,60歳超えた方でもいいのかなとふと思ったんですけれども。 山本委員長 なるほど。シルバーパワーを。 井野委員 そう,シルバーパワーで,特に経験ですとかそういうところであれば,シニアの方がかえって新卒というか,新規の方をトレーニングするにはちょうど逆にいいのかなと思ったんですけれども。何か理由があるのかなと思って。 山﨑参事官 法テラスに聞いてみて,時間内に間に合えばこの場で報告申し上げます。 井野委員 すみません,ありがとうございます。 山本委員長 分かりました。それでは,この項目11につきましては,評価としてB+として,評価理由についても基本的にはこのような形,ここにも今,村瀬委員から御指摘があった裁判員裁判のこと,あるいは吉川委員が言われた中堅弁護士の確保ということが書かれていると思いますので,このような形でよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それでは,これで一応大項目1については,全ての項目について意見の取りまとめができたと思いますので,ここで若干の休憩時間を取りたいと思います。              (休     憩) 山本委員長 それでは議事を再開いたしたいと思います。 松本部付 最初に,先ほどの井野委員からの御質問に対する回答を法テラスから聞き取ってまいりましたので,御報告いたします。   60歳未満に限っている理由ですが,実質的にはやはり給与面の問題が大きいということです。やはり同期の判事,検事並びの給料を支払っているということの関係上,公務員には定年がございますので,それを超える方をどう評価するべきか,また,余り御高齢の方を採用すると,給料が非常に高くなってしまうのではないかという問題がございます。あと, やはり司法過疎地域などに異動していただいたりするときに,余りに御高齢だとしんどいんではないかという,そういうような配慮もあるという話でございました。 井野委員 でも,もし御本人が希望してより安いお給料で,例えば今,田舎に帰って住んだりとか,別に気になさらない方だったら門戸を開くことは可能ですよね。 松本部付 御意見は承って法テラスには伝えたいと思っております。現状の説明としては以上のようなものでございます。 山本委員長 それでは,そういうような御意見が出たということはお伝えいただければと思います。   それでは引き続きまして,今度は大項目の2ということになりますけれども,業務運営の効率化のための措置という部分,まとまりですけれども,項目でいえば20から28までということでございます。   これは,先ほどのA-2を御覧いただければ,余り異論は多くないというところでございまして,項目の23を除けばいずれも異論の少ない,7名以上の委員の意見が一致している項目ということになります。   したがいましてこの部分,つまり20から22,それから24から28の各項目につきましては,特に御意見がなければ,多数意見である原案どおりの形で取りまとめをしたいというふうに考えますが,いかがでしょうか。御意見があればいただきたいと存じます。   特段よろしいですか。それでは,この大項目2の部分につきましては,項目23を除きましては,原案どおり,多数意見のとおりということで取りまとめをさせていただきたいと思います。   あと,意見が分かれた項目としましては,この項目23,支部・出張所の必要に応じた見直しという項目がございます。意見の分布といたしましては,Aが多いわけですが,Aにされた委員が6名で,B+が2名,Bが2名という形で分かれているということでございます。   これは支部・出張所について,効果的,効率的な業務運営に向けて,必要に応じて見直しをするということですが,昨年度につきましては,東京地方事務所管内の渋谷出張所について見直しをした,廃止をしたということが実績として掲げられていて,これをどう評価するかということで,A評価ということでは,この渋谷出張所の見直しというのは,支部・出張所について適切な見直しがされている一つの証左であるという評価ということになろうかと思います。それに対して,B+ないしBと評価された委員の御意見としては,これはむしろ当然のことだと,単にやるべきことをやったに過ぎないということで,もっと見直しをしていく,引き続き見直しをしていく必要性というのはやはりあるのではないかということで,特に東京都内においては,交通網の発達ということ,短時間で移動が可能であるということからすれば,更なる見直しが必要なのではないかという御意見が出ているということかと思います。   そこで御意見をちょうだいできればと思いますが,いかがでしょうか。 遠藤委員 この統廃合の場合には,必ず新設するとか廃止するとか,あるいは事務所を統合するというのは,年度計画の中で数値目標だとか,あるいは具体的にどこにするかというふうなことがあってしかるべきなんです。したがって,それに対してどうだったのかというところがちょっと不明確なわけです。そうすると,この渋谷をしましたとかどこどこしましたといっても,では,それはここにB+だとかBにありますように,当然やるべきものをやったんであれば,これは全体の中から見たら当然廃止をして,その分どこかに新設するという話があるんだろうと思います。その辺のところの,新増設に対する基本的な施策というものが見えてこないというのがあると思います。そうすると,AというよりもB+もしくはBではないかなというふうに私は判断いたしました。 山本委員長 ありがとうございました。   基本的な方針というか,どういう形で進めていくかという数値目標などを踏まえた取組というのが,まだ十分ではないんではないかという御指摘かと思いますが。 吉川委員 私はAにしたんですけれども,B評価の評価理由案のところに,支部・出張所に関する見直しをもっとすべきだというふうに書かれているんですけれども,これはそういう見直しする必要があるというのがどこから出てくるのか,ちょっと私は理解できないんですね。まだもっとどんどんいろいろなところに出ていってもらいたいときであるのに,逆にどこかやめてしまえというのは逆ではないかなと思うんですが,何か特段の見直しをすべきだという理由があるんでしょうか。それをちょっと教えていただきたいんですが。今の渋谷のは分かりますよ。これは全くある意味では当然のことで,第一東京弁護士会の公設事務所とかち合ってしまうので必要ないというのは分かりますが,ほかにそういう事例があるということで,この見直しということをおっしゃっているんでしょうか。 山本委員長 この支部・出張所に関する適切な見直しが行われたということでしょうか。 吉川委員 つまり,統廃合されてしかるべき出張所が廃止された,これはいいんですが,引き続き見直し作業をすべきだというのは,どういう見直しをするのかですね。ちょっと具体的によく分からないんですけれども。 松本部付 基本的には,中期目標あるいは中期計画の記載に対応しているものと承知しております。これも要するにつぶせばいい,統廃合すればよいという中期目標,中期計画になっているわけではございませんで,ただ,出張所を維持するための費用と維持による効果等の点を総合的に考慮して,廃止も含めて見直しましょうという,そういう記載になっております。なので,見直すということの意味が即直ちに廃止とか,そういうことではないわけでございます。中期目標,中期計画からはそのような義務というか…… 吉川委員 何かこれ,本当にその実態がどこかにあって書かれていることなのかどうかというのが,よく私にはのみ込めなかったんですけれどもね。過疎地なんかはもっとどんどん増やしてほしいと思うんですけれども。 山本委員長 恐らく,ですからそういう過疎地とか必要なところにはどんどん増やしていきましょうと。ただ,必ずしも必要性が十分検証されないようなところは,そこは必要に応じて見直していきましょうと。 吉川委員 そんなところがあるんですか。 山本委員長 だからそこも問題です。だから東京の……どうぞ,坂本委員。 坂本委員 私は見直すべきだと思っているんです。渋谷を統廃合したということでB+という形にさせていただいたんですが,その理由なんですけれども,東京都内にあるいろいろな法律相談事務所を考えますと,弁護士会はすぐ隣にありますし,その弁護士会が主催する無料法律相談というのがもうたくさんありまして,また司法書士会も様々な無料法律相談をやっております。東京都内には消費生活センターが55か所ぐらいありまして,そこでも法テラスで受けられるような相談は日常的に受けているんですね。それを民事法律扶助という形につないでいく方法も,法テラスを紹介すればできることですし,総合的に連携を図っていけば,十分に扶助関係とか,今法テラスがやっている事業についてつないでいくことができると思うんですね。   そういう意味では,余りに多過ぎると,選択するのに困ってしまう。どちらにお住まいですかというと,世田谷です,では渋谷が近いですねというのと,新宿までちょっと足を延ばすのかというのは,ほんの5分か10分ぐらいの違いなんですね。全然過疎地で足がなくて,そこにあるものを統廃合するというのではなくて,東京のような非常に利便性が高くて,しかも相談すべき機関がたくさんあるようなところについては,もう見直すべきではないかなと思います。それは利用者にとっての選択が難しいということと,紹介する側も難しい。余りにたくさん紹介すべきところがあって,もうちょっといろいろなところが連携し合って統廃合すると,スリムで非常に明確な,明快な紹介ができる。それをまたお互いが連携し合って,連絡会議を開いて情報の共有をするとか,そういうほうに目を向けたほうがいいのではないかなというのを感じます。 知久委員 今の坂本委員の御意見を聞いて私もそうだと思うところがあります。私の質問の回答として,資料Bの12ページに実績評価ということで御報告をいただいていますが,ここに示された件数は自庁処理というよりは多分持込み案件が大部分だと思います。持込み案件とは各弁護士,司法書士が相談や受任,受託をして,それを法テラスに持ち込むというもので,法テラス事務所内で自庁処理した件数がこれだけあるという数字ではないと思うんです。具体的な自庁処理の件数まではグラフに出ていないので,分かりませんけれども。   持込み案件であれば,山手線の沿線で,それも23区といいながら一部地域に限定したところにあるということについて,先ほど,坂本委員が5分延ばせば次に行けるでしょうという御指摘をされましたが,23区内でもう少し分散しているのかとは思ったんですけれども,意外と近くにあるということを改めて感じました。この区域に自庁処理案件が特別に多いということであれば,先ほど吉川委員が反対意見を述べられましたが,必要であれば存続もあると思いますが,単純に持込み案件の事務処理で大変なのかどう かというところまでは読み取れないので,再度その辺をよく見直していただいて,本当にここに必要なのか,例えば23区内の他の地域に移動するとか,事務処理だけでしたらどこかでまとめて処理することも可能ではないかとも思いますので,そういう点を含めて見直ししたほうがいいのではないかと思いまして,今回はB評価としました。 坂本委員 法テラスの趣旨は,だれもが法律の相談を受ける権利,法的な受益を受けるというところから発したわけですから,供給するところがたくさんあるところにはそれなりに少なくして,過疎地とか本当に困っているところには手厚くしっかりしていくという,そういうメリハリをつけるべきではないでしょうか。   多分この法テラスが都内にこれだけあるというのは,前身の法律扶助協会ですか,そこがあったところをそのまま継承したのではないかなと思うんですよね。 規模が大きくなれば情報が共有される分だけ,問題を拾い上げていくということができるようになると思うんですね。分散しなくても一か所に固めたほうが,情報を共有化させるという意味でも,そのほうがいいのかなというのを。すみません,ちょっと力説しましたけれども。 山本委員長 いえ,ありがとうございます。 吉川委員 私はむしろ反対でして,見方がですね。弁護士会なんかでも,最初は霞が関でしかやっていなかったんですね。法律相談は。ところが,だんだん必要があって,例えば四谷に出したり,池袋に出したり,新宿に出したり。それから立川やなんかにも出しているんですね。できるだけ市民の身近にそういう相談できるところがあるという発想でやってきているわけで,実は簡易裁判所が何年か前に統廃合して,今墨田簡裁と幾つか,非常に減ってしまったんですけれども,あれは国が予算の関係でそういうふうになったんだろうと思うんですけれども,こういう本当に困った人の相談を吸い上げる場所というのは,本当にもうダブってしまって無駄だというのであれば,それはもちろん統廃合したほうがいいと思いますが,今の段階でまだそういうような状況ではないのではないかなと私は思いますけれども。 山本委員長 分かりました。かなり基本的なお考えに相違があるようですが,ほかの委員の御意見を是非お伺いしたいと思いますが,いかがでしょうか。 小林委員 今までの賛成,反対の御意見を伺っていると,やはり現場に行ってみてみないことには。例えば新宿,渋谷,池袋ってものすごく近いようには感じますけれども,実は混み合っているということなのか,いや,本当にもう近くて利用者がばらけてしまっているのかというのが,実際上の情報がなくて,非常に判断に困るとしか言わざるを得ないです。 吉川委員 殺人的に混んでいるところありますよ。 小林委員 そういうことが私どもには分からないので。分からないと言って済ませる問題ではないように思いますので,そこは法テラスの方にお聞きしたほうがいいかなと思います。 吉川委員 呼んできて聞いてもらったらいいと思います。 井野委員 私,今お話伺っていて,投資配分の問題なのかなと思いまして,費用対効果というと言葉は悪いんですが,冒頭に遠藤委員がおっしゃられたことにもつながるんですが,そもそも各事務所がどの程度のお客様というか,ボリュームを想定して作られているかというところがちょっと明確でないんですね。例えば過疎の地域に置く場合は,当然都心部の事務所と同じようなボリュームはこなせないのが当然。ただ,それでも法テラスの目的を考えると正しい配置なんですが,それを限られた予算の中でどうやって一番いい投資効率を上げるかという話なので,それはやはり最初の当初の計画のときにどう見立てるかという問題にもつながると思うんですが。ですので,だから法テラスの方のお話を聞くのが一番だと思います。 山本委員長 それでは,法テラスの方を呼んでいただけますか。 遠藤委員 ここの年度計画のところに,費用対効果というのがあるわけですけれども,今,井野委員がおっしゃったように,こういう特に社会的要請のある面からインフラの整備です。それは必ずしも費用対効果だけでは測り切れないところがあるわけです。ただ,首都圏だとか大阪圏,関西圏,中部圏,そういうところは費用対効果でもって,つまり,どれだけの需要量があるからこれだけの対応しましょうというのがあると思います。   ですから,費用対効果で設置するところと,一つの社会的インフラとして設置するというところ,その場合は恐らくもう赤字だと思いますが,それはもう覚悟にやるというふうに分けて考えていかないと。そうしないと,先ほど吉川委員がおっしゃったように,ないところには設置しなければいけないわけです。ただ,ここのところは費用対効果を考えてしまうと設置できないという矛盾が出てくるわけです。全体として費用対効果をどういうふうに考えるかという視点です。そこが必要だと思いますので,これは新設もそうですし統合もそうですし,廃止も,そういう意味での見直しをかけていくというのがやはり必要だと思います。   もう一つは,坂本委員がおっしゃいましたように,前の法律扶助協会をそのまま引き継いで,そこのところの見直しというのは第一期ではやっていないんです。やはり二期,三期になってきますと,その辺のところもやはり既得権みたいなものもあると思いますけれども,これは法テラスとしてどうなのかという視点を持って,考えていくべきではないかなとは思います。 山本委員長 御指摘のとおりかと思いますが。   それでは,法テラスの担当者の方が到着されましたのでお尋ねしたいと思いますが,今の法律扶助協会との関係みたいなのは,要するに,これは法律扶助協会がもともと置いていただくところはそのまま法テラスに流れていると理解していいんですか。 松本部付 机上配布資料のBの11ページで追加の御説明をいただいているところですが,項目23の出張所の関係で,新宿,池袋,上野と,現在でもこういった出張所が存在している理由について,結局なぜここに出張所が必要なのか,現状として,例えばものすごい混み合っていてどうしてもないとさばききれないという事情でもあるのか,あるいは事務処理については本部かどこかに集約することも可能なのではないのかとか,そういった実情について委員から御質問が出ましたので,お答えいただければと思います。 谷戸課長 どうも御苦労さまです。総務課長の谷戸でございます。座ったまま失礼いたします。   東京23区内の出張所がなぜこういった形で存在しているかということにつきましては,追加で回答したところにも書いてございますが,法律扶助協会からのものを引き継ぎ,そうした中で利用者のアクセスを後退させるわけにいかない,あるいは地元の連携等々というふうな理由と同時に,物理的にここのどれかを廃止するということになると,ほかのところにしわ寄せがかなり行くというふうなことも理由の一つとなっております。   データを出させていただいたと思いますが,平成22年度の実績で見てまいりましても,22年度の実績につきましては業務実績報告書の資料9に扶助の実績のデータが載っておりますが,それと比較していただいてもお分かりになると思うんですが,相談援助の件数,一番少ない上野を見ましても5,500件ということになっておりまして,これは他県の状況を見てみますと,東京を除く道府県でいきますと11番目ということになります。一出張所で他のかなり大きな県と比較しても相当の件数になっている。また代理援助も同様,一番少ない池袋が2,500件となっておりますが,これも東京を除く他の46道府県から見ましても11番目という件数になっております。   現地に行っていただくとお分かりになると思うんですが,四谷の本所を含め,ほかの出張所でも相当混雑している状況にあります。そうした中で,このうちのどれか一つ廃止ということになりますと,それがまたほかの事務所に当然行くことになりますので,そういった点ではかなり物理的にも効率が低下するということが考えられます。このように,現に需要が大変あるということと加えまして,この件数があるところを一つ廃止するということになると,他へのしわ寄せについても,総合的に検討しなくてはならないということから,すぐに結論を出すというのはちょっと大変かなという状況にあると考えております。 山本委員長 ありがとうございました。御質問をいただければと思いますが。 遠藤委員 今,谷戸さんが説明をされたのは,確かに現状はこうです。そうすると,廃止ではなくて,例えば四谷の場合なんか,ほかに比べると約倍ぐらいの案件を持っているわけです。そうすると,さかさまにこれは分割するということも当然考えられるわけです。廃止という視点からするとできませんになりますけれども,では十分なニーズに対応するためには,むしろ分割をすると,それも見直しになると思います。そういうような視点は,先ほど吉川先生がおっしゃっていましたけれども,何かもう列をなしているというのが,本当に法テラスとしていいのかどうかということがあるわけです。   やはり見直すというのは廃止ではなくて,統合もあるし,それから分割もあるんだという見方をしていかないと,本当のニーズに対応することができないのではないかと思うんですけれども,その辺のところは何か具体的な案はあるんですか。 北岡部長 御指摘ありがとうございました。今の御指摘をいただいて,目からうろこが落ちる思いでございますが,分割の関係での具体的なプランが今あるかと言われると,正直まだございません。   分割するということになった場合に,総務的なセクションが必要になってくるところがございますので,そのあたりの人員の配置等々という問題が出てくるのが一つと,あとは物理的に分割しますと,建物を改めて借りなければいけないところが出てくるというコストの問題と,それから,先ほど御指摘いただいたような,確かに東京,非常に密集してお客様が多いものですから,列をなしているというところがあって,そこを分割することによってお客さんの列が短くなるかもしれないという利点も見据えて,いろいろな形で組織のありようというのを,これは確かに常に見直していかなければいけないというのは,正に御指摘のとおりだろうと思います。   東京地方事務所からも,扶助については,物理的に今,本当に仕事が多いので大変なんですという現状報告が寄せられていますので,それをどんなふうに組織として変えていったらいいのかというのは,ちょっとこれから確かに考えさせていただきたいとは思います。 山本委員長 ほかにいかがですか。 遠藤委員 北岡さん,分割というのは,新設して分割することもあるわけです。今あるものを分割するというのは非常にいろいろな問題あるんですが,まず新設しておいて,そしてそちらに今の1万人近い人を,例えば1,000人でも2,000人でも移転をさせてやると。そうすると必然的に今の四谷は減っていきます。そうなった段階でまた人員の配置を変えるという。今あるものを分割するのではなくて,新設して分割していくという考え方もあるわけですから,今あるものを二つに割るとかという,そういう考え方をあまりしないほうがいいのではないかと思います。 坂本委員 相談援助件数は,来所相談と電話相談はどのぐらいの割合なんでしょうか。 谷戸課長 相談援助では基本的に面談,来所になります。 小林委員 何か細かい具体的な話で申し訳ないんですが,渋谷を廃止したコストというのは,もし分割か新設か何か,その必要性があった場合に振り替えるということはできるんですか。   渋谷を廃止したということは,渋谷のために使っていたコストが浮いていることになっていますよね。その振り替えというようなことは技術的にできるんでしょうか。 谷戸課長 振り替えですね。実際そこの出張所がなくなったときに,そこの従来持っていた利用者の方が,そこがなくなった分について,当然ほかのところに行っていただくというふうな形にはなってはいます。そこで,ちょっと多少アクセスが遠くなったりするような方もおられるかも分からないですけれども,そこは残ったところでカバーしていくという体制にはなっています。 山本委員長 今の御質問はそこで浮いた予算で何か新しく作るかということですね。 谷戸課長 例えばそこで浮いた人間は,全体のあちこちで需要が出ているところでうまく調整させていただくというふうな,そういう形になります。 小林委員 では,もう吸収してしまったということ。 谷戸課長 そうですね,実際にはそういうことになります。 小林委員 分かりました。ありがとうございます。 山本委員長 ほかに御質問いかがですか。 知久委員 すみません,先ほどの12ページの表ですけれども,代理援助と書類作成援助の件数が示されていますね。先ほどの表の22年度の実績評価の表の中にある相談援助は面談相談であるという御報告がありましたが,ここにある代理援助と書類作成援助の件数についても弁護士,司法書士の持込み案件も含めた件数であってスタッフ弁護士が年間にこれだけ受任したということではないんですよね。 谷戸課長 そうではないです。 知久委員 ということは,持込み案件が多数であれば,他の地域に移転することも可能なわけですよね。   23区と言いつつ,非常に近い場所に偏っていることが気になっているのですが。自庁でこの件数のほとんどを受けていらっしゃるということで,新宿や池袋ではこれだけ大勢の相談者が利用しているということであれば,この場所での存続の必要性があるでしょうけれど,法テラスの近くの弁護士や司法書士が持ち込みをしているのであれば,移動することも可能なわけですよね。 谷戸課長 近辺ということですが,基本的に東京都区内です。 知久委員 そうですね。利用する相談者の利便性を考えて東京都区内で分散してはどうかと思います。再度確認しますが,スタッフ弁護士が受けている案件のみの件数ではないということでよろしいんですよね。 谷戸課長 はい。 山本委員長 よろしいですか。ほかには御質問は。よろしゅうございますか。   それでは,法テラスの方々はこれで結構です。どうも御苦労さまでした。 (日本司法支援センター退席) 山本委員長 ということが実情の御説明であったようですけれども,それを受けていかがでしょうか。   小林委員,どうですか。実情が分からないと,というお話でいらっしゃいましたが。 小林委員 混んでいるというところもあるという実情が分かりましたので,遠藤委員のおっしゃるように,見直しというのは別に廃止するということだけではなくて,増やすべきところは増やすという,そういう視点も含めた上の見直しをしなければいけないということだろうと思いますけれども。 山本委員長 そういう観点から…… 小林委員 そういう意味では…… 吉川委員 だけれども,ここでいう見直しというのは,これ前後の文脈で読めば,新たに出すというのも含めて見直しというふうには読めないんで,これは統廃合しろという意味にしか私はとれないんですよね。だからそういう文脈で読むと,このB評価の理由は私にはちょっと納得できないと思います。 山本委員長 もともとこの項目は業務の効率化の項目なので,別のところにサービスの向上という項目があって,それが分かれてしまっているんですよね。 吉川委員 だからこそ,この見直しというのは統廃合の意味でしょう。 山本委員長 恐らくここでの意味はそう,この廃止を含め必要な見直しというのはそういうことなんでしょうね。 吉川委員 急に見直しが分割も含むというふうにこの意味を理解して,だからこのBに該当するんだという御意見が出てきたけれども,それはちょっと違うのではないかな。 山本委員長 それは恐らくサービスの向上の話なんでしょうね。ここでは多分,中期目標のこれはそうなのではないかという,普通に読めばそうは思えます。 遠藤委員 年度計画は廃止を含め見直ししなさいと言っているわけです。ですから,それでいきますとB評価理由の案というのは,廃止に傾いた書き方をしているわけです。 山本委員長 それはそうかもしれませんね。 遠藤委員 私が先ほどお話ししましたように,あくまでも見直しというのは廃止だけではなくて,新設もあるし統合もあるし,分割もあるんだというふうな意味で 理解すべきですよ。そうしないと費用対効果だとか効率化の話は出てこないんです。廃止だけしていれば効率化かというとそうではないですから。 山本委員長 分割して効率化するんであれば,それはそれも含むんでしょうね。 山﨑参事官 事務局でございます。中期目標を作成した際に,その前に政独委等のヒアリングがあったと記憶していますが,その際にはやはり効率化というと,基本的にはこの統廃合とか,そういう方向の話が多かったものですから,そういう頭でこの理由案としても記載したというところがございます。   ただ,確かにこの中期目標でありますとか中期計画等の文章を見ますと,廃止を含め必要な見直しでございますから,逆に効率化に役立つなら,それは統廃合ではなくて分割というのも,読むことは可能ではないかと思われます。 井野委員 でも,だとすると今の御意見をまとめると,何か今,A評価をするほどの総合的な取組ができているようには私は聞こえなかったんですけれども,一部渋谷に関しては取り組んでいただいた。ただ,ほかにも何かあるかもしれませんし,例えばもう少し新設しなければいけないところもあるかもしれないので,Aというのはちょっと。今の議論を踏まえた上では,少しちょっと早い,時期尚早なのかなと私は思います。 吉川委員 だからつまり,この目標というのは,たくさんいろいろなところに出し過ぎて無駄だったら廃止したり統合したりして,効率化しろというのが目標でしょう。だから,現状が今そうなっているからもっと見直しすべきだというんでB評価にするのかという問題なんですよ,今。だけど僕は現状は全然そうではないのではないかと。今法テラスの人の説明にあったように,今東京の中にある各出張所はみんなどこもものすごく繁盛してて,暇だからほかと統合したりあるいは廃止したりするような状況ではない。だから,暇で無駄なことをやっているようなこともあるからB評価だというふうに,この理由の案が書かれているのは僕は違うのではないか。だからこれはAでいいのではないかと,こういうふうな結論なんですけれども。 山本委員長 吉川委員,先ほどからあれですけれども,この一応原案はAです。 吉川委員 いやいや,そうではなくて,Bにされた方もいらっしゃるので。 山本委員長 分かりました。いかがでしょうか。これはかなり分かれていますよね。 知久委員 すみません,同じ項目で私,もう一つ質問させていただいたのですが,それは資料Bの10ページに回答があります。ほかの地方事務所において,支部とか出張所の廃止等検討したところありますかと質問したところ,支部設置要望が出たけれどもこの中期目標にある規定が,廃止を含め,必要な見直しを行うという限定的なものなので応えられなかったというような回答もあるので,ある意味,その地域においてここに新設してほしいという要望があるにもかかわらず,規定が余りにも限定的なもので出せなかったというのも,これも一つ私がBにした要因になっているんです。今回,渋谷を廃止したということも大きいですが,そもそも必要があって設置を要望しても,体制や,支部・出張所を維持するための費用と維持による効果等の観点を総合的に考慮していくと応えられないという問題点も含めて評価してはどうかなと思うんですけれども。 山本委員長 これはどちらかというと新しいやつを出してくれという要望が来て,でもこの必要な見直しをしなければいけないんで,要望には応じられませんというんでお断りしたという,そういうことですよね。 知久委員 そうですね。先ほど遠藤委員が費用対効果ばかり言っていても,地方になればそう簡単に言えないことがあるという御意見もあったように,地元から是非ここにという要望があってもそこは応えられないというのは,法テラスの目的を考えると納得しにくいですね。 山本委員長 そこは要するに,そういう過疎地域に地域事務所を新たに出すのは,基本的には費用対効果の問題ではなくて,やはりサービスの質の向上を図るという観点なのではないかという認識においては,恐らくこの委員会の認識は,この法テラスの回答が正しい,相当かどうかということはありますけれども,委員会の認識はそれでおおむね一致している。ただ,それがこの項目の問題なのかというところが,何か認識がちょっと違っている。 井野委員 目標の設定がどうなのかなという感じですよね。 小林委員 ほかの項目のところで私が御質問差し上げたかと思うんですけれども,節約をしなければいけないという問題意識と,それからサービスを向上させなければいけないという問題意識と,二律背反するようなところがあって,それを全体的に見るような部署なり項目というのが本当にあるかというと,どうもお答えがはっきりしなかったんですね。それは今後,しっかり考えていかなければいけないところではないかと思うんです。そこがしっかりしていないから,今の統合見直し,見直しを図るというふうな項目が出てきたときに,節約するという問題意識でしか評価がされていなくて,吉川委員にいみじくも混み合っているところもあるから,減らせばよいというものでもないという御趣旨で指摘されたというようなことになってしまったと思うので,その考え方が少し足りないというか,項目の立て方として足りない部分があったと。統合的に見るというものが一つ必要でないかなと思います。 嶋津委員 何か少し議論が輻輳してしまっているのではないかと思うんですけれども,今まで法テラスができて以来,ずっと全国に支部・出張所を展開してきたわけですね。それで充実して,これからもまだ地方で要望もあるし,検討しなければいけないところもある。しかし,今の業務運営の効率化のための措置というところでいうと,東京に従来あった事務所のうち,かといって四谷にあるし新宿にもあるし,といって渋谷にあったから,その渋谷の事務所を廃止しましたと。効率化のために廃止しましたと,評価してくださいということなんで,私は単純にAということでいいのではないかというふうに思ったんですね。   だから,今後ともそういう展開をしたり,あるいは廃止したりするということは,当然必要に応じてやるということを前提にして,しかしそうは言っても,今までもあったやつを思い切って廃止しました,したがって評価してくださいということではないかなと思って,それは非常に従来あったやつをなくしてしまうというのは大変なことですから。それでも,弁護士会とかそういうところのカバーもあるから,思い切って廃止しました,だからそれは評価してもいいのではないかというふうに,単純に思いました。 村瀬委員 私も同意見なんですが,渋谷を廃止するのは件数からいって当たり前ではないかと,もっと見直すべきだという,こういう言い方というのはちょっと厳し過ぎるかなという印象があります。見直しは中長期的には常に必要だと思うんですね。ただ,渋谷から更に都内ほかの出張所も含めて,どんどん廃止を検討して見直しを進めるかということまでは,ここでは言えないのではないかという気がします。費用対効果の関係から見ても,恐らく統合すれば簡裁の統合と同じように,立派な建物を考えなければいけないとか,いろいろ費用も出てくる話だと思いますので,そう簡単な話ではないのではないかという気はします。   それで,見直しの中でも一番大変なのは,やはり廃止だと思うんですね。裁判所の統廃合のときでも,廃止するというのは相当なエネルギーを使って廃止した経緯があるわけなんで,それはそれで評価してもいいのではないかというのが私の感想です。そういう意味で,今年度はAでも,こういう廃止というのはめったにないものですから,Aでもいいのではないかなと。次に翌年,やはり問題がありそうなところがあるにもかかわらず,全然議論が進んでいないというなら,そのときはBでもいいのではないかというような意見で今いますけれども。 坂本委員 全体のパイをどういうふうに分配していくかといったときに,司法過疎地に,需要があるところにできるだけ法テラスを設置していくということは,もうだれもが望むところだと思うんですね。そういう観点をしっかりと見据えて,都内の事務所が行列ができるくらい大変だというところは認識いたしましたので,長期的に利便性を考慮しながら,長期的な視点で常に検証するということを,一つ付け加えておいていただきたいなと思います。 山本委員長 分かりました。ということは,現状においては,そういう先ほど御説明があったような状況なので,そういうことでは現在渋谷を廃止したということで,それなりの順次見直しもしていると。   ただ,遠藤委員が先ほど御指摘になったことと同じことだと思いますけれども,やはり長期的な視点とか計画とか踏まえて,常時それぞれの事務所の状況を踏まえながら,必要な見直しを計画的に行っていく。もちろん重要なのはやはり利用者のサービスの向上というところであるので,それが前提となるけれども,費用対効果の点も十分踏まえて見直しをしていくということが必要であると。そこは恐らく御異論のないところであるかと思いますので。   それでは,いかがでしょうか。評価としてはこの原案のAの評価を,現段階ではまず渋谷が廃止されたという,今年度そういう状況もありますので,Aということを維持するけれども,ただ,今のような長期的な視点というものが必要であって,坂本委員も強調されるような統廃合の利点と,それによってサービスが向上するという面もある,費用対効果のみならずですね,そういう面もあるということは確かにそのとおりだと思いますので,そういうことも十分勘案して,法テラスには引き続き必要な見直しを計画的に行っていただくということでいかがでしょうか。 井野委員 そうですね,廃止したからAという議論にしてしまうと,廃止が発生しない年は,では取り組んでいないのかという話になるので,来年引き続き同じ取組をしていただいても,もしかすると何も廃止対象がないかもしれない。でも取組としてはAかもしれない。 山本委員長 おっしゃるとおりです。ですから,廃止すべきものがあったときに廃止していくのであって,廃止すべきものがないのにそれで廃止しないからといってBになるわけではないですね。 井野委員 それはおかしな議論なので,そこは明確に。 山本委員長 そうですね,廃止すべきものがきちんと廃止されていると,廃止すべきでないものは維持されていると。 井野委員 それでまた極端なことを言うと,先ほど混雑しているところを緩和するために適切な投資をするというのも効率化の一部だと思うので,その視点も入れていただければ,引き続き,もし,良い評価のまま推移できると思います。 山本委員長 おっしゃるとおりですね。 小林委員 そういう意味では,今,井野委員がおっしゃった視点というのは,この中期目標からいうと,語感からしてちょっと読みにくいんで,それはそういうふうに読むんだということをきちんと書いておいたほうがいいかなと思うんですけれども。 山本委員長 それは我々の間で確認して。 小林委員 そういう意味なんだよというのを。 遠藤委員 事務局案のAに,今委員長がおっしゃったことの趣旨を入れれば,十分に中期計画,年度計画の文案からは意味がとれると思います。そうしないと,井野委員がおっしゃったように,廃止したからAだよと,廃止しなかったらCになってしまいます。ですから,委員長がおっしゃった趣旨を文章化していただくということであればAでいいと思います。 山本委員長 分かりました。それではここの部分については,評価理由につきまして,先ほど私が申し上げたような趣旨を踏まえて,若干修文を加えるということで,評価としてはAとさせていただいて,その細かな文言につきましては,基本的に今の趣旨に沿った形で,私と事務局にお任せいただくということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   白熱した議論をいただいたと思いますが,それでは恐縮ですが,ちょっと時間も迫ってきておりますので,引き続きまして大項目の3ですね。今も出てきましたサービスその他の業務の質の向上の大項目,項目番号でいえば29から50ということになりますが,ここに入りたいと思いますが,ここにつきましては幸いというべきか,御意見かなり一致をしておりまして,やや意見が分かれているのは項目37だけでありまして,残りの29から36,それから38から50の項目については,概ね7名以上の委員の意見の一致があるという項目でございます。   ということですので,ここは多数の御意見に従った形で原案が作成されておりますが,特段の御異論がなければ,この原案どおりで取りまとめたいと思いますが,もし御意見があればお出しいただければと思いますが。 知久委員 皆様の評価に異論はないんですけれども,評価に当たって確認させていただきたいことがあるのですが,42番の指名通知時間の目標設定およびその達成状況という,皆様A評価をつけていらして私1人B評価なんですけれども,実際,弁護士が指名されるまでの待つ時間の被疑者の気持ちがどうなのかは分かりませんが,目標時間の設定はそれぞれ設定されていて,それについて99%の達成率であるということを考えれば,A評価としてもいいのかなとは思うのですが,中期計画の中に,原則として数時間以内,遅くとも24時間以内に設定しとある中で,たとえ1%といえども時間内にできなかったことについて,これはもう,これ以上改善の余地がないと考えるのか,あるいは仕方がない部分と考えるのか,もしそうであったとしても,やはり数百件という件数がある以上,まだ改善の余地があると考えたほうがいいのかということについて,A評価とした皆様に御意見をいただけたらと思います。 山本委員長 なるほど。原則数時間以内,遅くとも24時間以内となっているけれども,24時間以内というのが99%ということで,逆に言えば1%は24時間を超えているといえばそういうことなんでしょうね。ということからすると,果たしてAでいいのかということでしょうか。 知久委員 資料Bの15ページの報告で,年々減少しているということがわかるのですが,24時間を超過した件数ということで,23年度もそうですけれども,22年度は710件が超過しているという回答があったものですから,これを見て,これはもうしようがない範囲内と考えていいのかどうかということですね。 山本委員長 これはいかがでしょうか。村瀬委員,もしこの何か,コメントが。7万件は24時間以内,けれども710件,24時間は超過して,1%ですよね,ちょうど。 松本部付 この点に関しまして,なぜこの1%が発生するのかということについて,法テラスから若干聞き取ってまいりました。   理由を4つほど法テラスは述べております。まず裁判所からの指名通知請求自体が,夕方の非常に遅い時間になってから来てしまうことがあると。そうすると,指名通知に備えて契約弁護士に待機をお願いしていても,その待機時間が切れた後に裁判所から通知が来るということになって,なかなか迅速な処理が進まないんだと,そういうようなことがあるというのが一つ。   それから,同じ被疑者に先行する事件があって,既に国選弁護人が付いているような場合には,当然同じ方に打診をするということになりますが,その方には待機をかけておりませんので,連絡がなかなかつかないというようなことで,若干時間が延びてしまう,そういうようなことがある。   3点目としては,その日に勾留される被疑者の数が予想よりもずっと多いということがままあると。そういう場合には,待機制の名簿を用意していても,名簿の人数を超えてしまうと個別に探さなければいけない。こういうようなことがあるというのが3点目。   そして,最後は,弁護士数自体が少ない単位弁護士会では,そもそも待機名簿自体を用意することができず,したがって,契約している弁護士に個別に連絡をとって当たらなければいけないという,そういう事情がある会もあると。   こういったものが複合的に発生していて,100%達成というのはかなり正直,非常に難しいというのが,法テラスの説明でございます。 村瀬委員 私自身の経験でも,全然ないというわけではありませんで,何で今ごろになってついたのかという例もあります。それは今おっしゃられたように,連絡がうまくいかないでやむを得ないなというケースは過去に経験したことはありますので。多くの場合はそういうやむを得ない事情ではないかなとは思いますが。 山本委員長 いかがでしょうか,知久委員。そういうような事情だということで。少しずつではあるけれども,減ってはいると。1.3が1になり,今年度は0.7に更に今のところなっているようですけれども,こういう状況。 知久委員 分かりました。今4つの事情を聞いて,なかなか苦労されていることが分かりましたので。結構でございます。 山本委員長 よろしゅうございますか。   それでは,この項目42につきましては,一応原案どおりAとして取りまとめたいと思います。   ほかの項目についてはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。 小林委員 34について質問なんですけれども,項目34。   22年度の目標は,例えば②ですけれども,関係機関情報の積極的な利用の促進を図るための周知を行うというふうに書かれていますので,周知を行ったということであればそれでもうAという評価になると思うんです。ところが,中期計画の各項目の欄なんですけれども,最後に関係機関情報の積極的活用を促進するというふうに書かれていまして,そこを実際に活用されたかどうかということが問題になるようにも見えるんですね。実は中期目標はまた,単に必要な措置を講じると書かれていまして,ここが実際にはどうすればいいのか,法テラスの人に分かりにくいのかもしれないですね。もし例えば促進するということをきちっと意識していただくということであれば,利用が実際に促進されたかどうかということ,つまり,その実績を取るということ,そういうことが可能かどうかというのを教えていただきたいんですけれども。 山本委員長 なるほど。ここはいかがでしょうかね。中期計画,初年度なのでとりあえず周知を図るということなんだろうと思うんですが,しかし最終的には積極的な活用を促進しなければいけないので,積極的に活用されているかどうかということを,何らかの形で把握する必要があるわけですが。 小林委員 どういうふうに情報を取るか。 山本委員長 事務局で何か分かりますか。 山﨑参事官 答えられるかどうか法テラスに聞いてみます。 山本委員長 分かりました。ちょっとそれは伺ってみましょう。 小林委員 すみません,迫っているのに余分な質問を…… 山本委員長 いやいや,とんでもないです。   ではその前の時間で,ほかの項目についてもございましたら。 井野委員 すみません,44番なんですが,私,ずっと長年といいますか,こちらずっと余り進歩,改善が見られないなと思ってCを付けさせていただいたんですが,事前に松本部付……今いらっしゃらないのですが,御説明をいただいて,なかなか取り組んでいるもののうまく進まない理由というのも御説明いただきましたので,納得しましたということを。 山本委員長 そうですね,これが正に先ほどのお話で,司法過疎地域の。 井野委員 そうですね,なかなか難しいんだということは認識しましたので。 山本委員長 いろいろな問題があるということで,いつも委員会でも問題になるところなんですが。 井野委員 事情は分かりました。 山本委員長 評価としてはBということになっているということで。   それでは,今の点はちょっと一応留保させていただいて,そのほかの項目については,この大項目3の部分については,項目37を除いて一応この原案どおりで取りまとめをさせていただくということでよろしいでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,この項目37ですね,残っておりますところで,この法律扶助のニーズを反映した事業計画の立案,実施という部分でございます。これにつきましては,A評価の委員が5名と多いのですが,B+が3名,Bが2名で,意見が分かれているということでございます。   これは原案はB+になっているということですかね。 山﨑参事官 Aの方が5名いらっしゃって,あとはB+,Bということでございますが,確かにややAの方が多いんですけれども,微妙なところで,B+というところにしております。 山本委員長 微妙なところということですね。というのが一応原案になってはおります。   基本的な考え方としては,これはこのニーズ調査というのが第一期中期計画で行われるということになっていて,現実に行われたわけであります。それを踏まえて,この民事法律扶助制度改善プロジェクトチームというのを設置して,そこで検討を行って,事業計画の実施立案に向けた取組を行っているという説明がなされておりまして,それを評価された委員はA評価にされているということだと思いますけれども,その点はいずれの委員も評価しているということは一致しているんだと思いますけれども,ただ,その具体的な事業計画の立案にまでは至ってはいないということで,そこをもう少し見守りたいと。そのニーズの調査というのがどの程度,この具体的な事業計画の立案に結実するのかということを見守りたいという評価の委員はBないしB+の評価に至っているかと思います。   また,委員の中には,対応が遅いのではないかということで,もう少し早い対応というか,そもそも日常的な業務に追いまくられて,こういうニーズ調査,それへの対応というような業務がちょっと,端的に言えば片手間になってしまってはいないかというような御批判,それはやはり,こういう利用者のニーズに基づく業務というものは,非常にやはり重要なものであるという認識のもとに,やや対応不十分ではないかという御意見もあると。そういうような意見の分かれのように思われますけれども。   さて,いかがでしょうか,御意見をいただければと存じますが。 遠藤委員 今委員長おっしゃいましたように,確かにいろいろな事業が緒についただけなんです。そこのところでAというよりも,それが次期以降にこれが具体的に展開されるのであれば,それを評価してAにするとかというのあると思いますけれども,第一事業年度においては,やはり緒についただけですから。ただ,従前とは違って,かなり具体的なことをおやりになっているわけですね。そうするとBではなくてやはりB+というところが妥当ではないかなと私は思います。 山本委員長 いかがでしょうか。原案でよいのではないかという御意見ですが。 吉川委員 私も同じ意見です。委員長のまとめられたような趣旨でB+が妥当だと思います。 山本委員長 今後の展開をもう少し見守るというところでしょうか。よろしいですか。 (各委員了承) 山本委員長 ちょっと皆さん疲れてきた……大丈夫でしょうか。   それでは,この項目につきましてはB+ということにさせていただければと思います。ありがとうございました。   それでは,一応これで大項目の3,50までは終わりまして,次に大項目の今度は4,項目番号で言えば51から56,財務内容の改善に関する事項ということになります。   この項目は御覧いただければ,51,それから54から56の各項目につきましては,これはおおむね異論がなく多数意見ということになっておりますが,これはよろしゅうございましょうか。 吉川委員 これは自己評価自体がBですので,項目54ですが,自己評価がBですからBでも私は結論的には構いませんけれども,私はあえてAにした一人だけの中の形なんですけれども,なぜそうしたかといいますと,有償事件が増えるかどうか,有償事件がどの程度のパーセントを占めるかというのは,これは依頼者側の問題なんですね。つまり,民事扶助事件をやってほしいという依頼者が多ければ,当然扶助事件が多くなって有償事件は少なくなる。法テラス側がいかに頑張っても,どういうパーセントになるかというのは,これは依頼者側の事情で決まるということで,有償事件が増えたから優秀であると,増えないから駄目だという発想でこの問題を評価するのは,私は妥当ではないのではないかと。もしそういう考え方が非常に有力になってきますと,扶助事件になるようなものはできるだけ避けて,有償事件になるようなものだけを法テラスが受けるというふうにもつながりかねないわけで,あくまでも法テラスというのは困窮している方に法的サービスを提供するということですから,有償事件を増やそう増やそうというのは,もちろん財政的観点からすればそれはいいことなんですけれども,それをその第一義にするのは私は誤っていると思う。という意味で,あえて法テラスに反省を求めるという意味でAにいたしましたので,議事録にとどめておいていただければと思います。結論としてはBでも,自己評価のとおりでも構いませんけれども,その視点はやはり重要ではないかと思います。 山本委員長 分かりました。ありがとうございます。   結論としてはBという,自己評価もBですのでBということで,ということですけれども,今のような視点は,私も非常に重要なことであるというふうに思いますので,是非そういう視点を見失わないようにということは,法テラスに確認というか,お伝えを願えればと思います。 山﨑参事官 分かりました。 山本委員長 ほかの点はいかがでしょうか。よろしゅうございますか。   それでは,この大項目4のところの51,それから54から56については,この原案どおりということで取りまとめさせていただきたいと思いますが。 嶋津委員 毎回同じことを申し上げますけれども,55のところですけれども,これも私のいつも言っていることをあれするんですけれども,やはり地方団体からの財政的支援で事務所を安く借り上げようとか,そういうのはこすい考え方ですから,そういう考え方は良くないということを申し上げておきます。適正な値段で適正に借りなければいけないです,それは。 山本委員長 それは確かにそうです。ありがとうございます。その点もちょっと,それでは加えてお願いいたします。   それでは,あと御意見が分かれている項目で,項目で言えば52及び53ということになります。   ここは基本的な問題は同じで,これも毎年問題になりますけれども,要するに償還金の点ですね。償還金の確保と。民事法律扶助の立替金債権の償還・管理・回収という点についての評価ということになります。   まず項目52から申し上げれば,これはA評価が5名,B+が2名,Bが3名という形で分かれておるということであります。これは,例年に比べればA評価の委員の方がかなり多いような印象を受けますけれども,やはりセンターとしても,この立替金債権の管理・回収につきましては,かなりいろいろな形で工夫をされているということは間違いなくあるんだろうというふうに思いまして,そこは全ての委員が基本的には評価されているということだと思います。   問題はただ,その結果として十分な償還がなされているか,あるいはその償還の見込みがないような債権の償却処理というようなところが,結果として十分に行われているかという部分で,その評価が分かれているのかなというふうに思いますけれども,これもA評価が5名の委員がおられるわけですが,原案としてはB+が原案ということになっているということですね。   それでは,この点についての御意見をお願いできればと思います。 遠藤委員 私は立場上,債権回収だとかいうのは,どうしても見方がきつくなってしまうわけですけれども,現在,いろいろ担当の部署からお聞きしますと,担当部署自身が,かなりいろいろな前向きな,債権管理のシステムどうするかということで検討されている段階なんです。その中でシステムにつきましても,いろいろな新しいシステムを採用したいんだという検討をされているわけです。したがって,現段階では債権回収あるいはその管理の状況として,Bまでいくのはちょっとどうかなというのはあるんですけれども,取組の姿勢を考えていくと,今後のことも考えてB+ということもあり得るのか。ただ,Aという評価は,今のシステムだとか,実際その個別管理についてはかなり混乱しているようなところがありますから,そうするとA評価というのはちょっと甘過ぎるのではないかなというような感じがいたします。 山本委員長 他の方々はいかがでしょうか。 小林委員 私はA評価にしたんですけれども,遠藤委員がおっしゃるような実際の調査をした上ではなくて,この報告書だけの判断なんです。そこで,個別管理の点で混乱しているというところが具体的にどういうことなのかを教えていただけると有り難いです。それからA評価にした理由というのは,やはり回収の効率が上がるというのは,回収しなくていいという判断をして,回収しなくて済むものはもう別の処理に回すということが,かなり効いてくると思ったところです。これについて,その判断の客観性を持たせるために,情報交換をするなり,あるいはうまくいったところの事例をほかの事務所に参考にしてもらうようにすると,そういったところが客観性を担保するために非常にいい点ではないかなというふうに評価をしたのです。しかし,その評価の点でのプラスの方向と,それから,今遠藤委員に教えていただいた,実際はすごくまだ混乱しているという状況であれば,両方とも勘案してもう一度考えたいと思うので,具体的にどんなふうに混乱しているのか,教えていただけますか。 遠藤委員 私が今お聞きしたところでは,要するに担当課は残高管理と新規の立替金の処理が明確に区別されていないということなんです。つまり,管理をするに当たって,期中で管理するのか,期末で管理するのか。あるいは期末で管理するにしましても,ではその管理するのはどういう視点で管理するのかというのがあるわけですよ。   少なくとも担当課がするのは,立替金を新規にしました,それが期末の段階でどうなっているかということ。この把握と,それから期首における残高が期末においてどういうふうに推移したのかという,この2点の管理が必要なんです。担当課で聞きますと,そこのところに,いわゆる錯誤があるんです。少なくとも期首における残高管理と,それから当期における新規の立替金の処理です。それらを,最終的には期末で見るわけですけれども,発生する事象は全部違いますから,そこのところは分けてまず理解するということ。   それから,もう一つ,担当の民事法律扶助課というのは,立替金を支出して,代金回収をするというのが基本的な業務だと思うんです。したがって,民事法律扶助課が債権者の管理だとか債務者の区分をするというのは必要ないんです。基本的には,正常に回収されているか,滞留しているか,あるいは支払い猶予になっているのか,償却するのか。この管理でいいわけです。   先ほど言いました債権管理になりますと,これは会計課の話なんです。期末の時点において立替金が,これが例えば正常な一般債権なのか,あるいは一般債権ではないいわゆる滞留になるものなのか。つまり,それから破産更生になるのかという判断をしていけばいいわけなんです。ちょっとその辺のところの管理も,お聞きすると何か民事法律扶助課が債権管理の考え方を持ってきて,本来やるべきいわゆる個別管理といいますか,個人別管理というのが必ずしも十分にできていないというところがあるものですから,これはもう少しシステムの変更も含めて,状況を見て最終的にどうなのかという判断をしたほうが私はいいと思います。 山本委員長 管理体制がやはりまだまだ十分でないということがあるんではないかという御指摘ですかね。 小林委員 私はその会計についてはほとんど分からないんですけれども,今,話をお聞きした範囲で,ここのその債権管理の問題にとどまる問題なのか,よく分からないんですけれども。 遠藤委員 基本的に民事法律扶助課というのは先ほど言いましたように,あくまでも個人別管理が中心なんです。つまり,遠藤にどれだけ立替金を出したのか,遠藤に立替えに出したものがきちんと正常に回収しているのか,あるいは途中から短期滞留になったのか,あるいは長期滞留になっているのか,場合によってはこれは償却しなければいけないのか。その個人別の管理をするのが民事法律扶助課の業務なんです。会計課は,それを含めた期末の残高において,その個人別管理されたものが,これが正常な債権なのか,あるいはこれは破産に近い債権なのか,破産したものなのか,あるいは償却すべきものなのかということの会計処理すればいいんです。そこのところが今ちょっと錯誤しているんです。 小林委員 錯誤しているということが,それは法テラスの会計処理全体の問題……ではないんですか。 遠藤委員 いや,会計処理ではない。会計処理といわゆる個別管理するとは違うんです。簡単に言えば,民事法律扶助課というのは会計処理をしなくていいんです。つまり資金の受払管理をすればいいんです。資金の流れというものを管理すればいい。会計処理は会計課がやればいいんです。 小林委員 今,錯誤とおっしゃっていたのは…… 遠藤委員 だから今,民事法律扶助課がやらなくていい会計処理,会計処理に関するものを担っているわけです。それは必要ないです。あくまでも民事法律扶助課は資金の受払 管理。   それは何かといいますと,普通商品なんかの棚卸しするものがあるではないですか。それが例えば納品されまして,倉庫の中に入ってきました。それを払い出しました。それだけやっていればいいわけですね。それを例えば,どういう単価のものが幾ら入ってきて,それが棚卸しでどういう評価されるというのは会計処理の話なんです。それは会計課とか経理課がやればいいんです。 山本委員長 本来やらないでいいようなことまでやってしまっているということで書いてあるんですか。 遠藤委員 本当にやらなくていいんです。あくまでも自分のところの担当課は何をやればいいのか。資金の受払管理をやっていればいい。資金管理をやっていればいいわけです。 山本委員長 そこの体制が必ずしも…… 遠藤委員 必ずしもうまくいっていないようなところはあります。ちょっと混乱しているというか,錯誤するところがあると思うんです。 山本委員長 いかがでしょうか。ほかの委員。 吉川委員 私は遠藤先生のような専門的な観点からはよく分かりませんけれども,実際問題として,この法律扶助を受けた人のような,そういう人たちを相手に回収するということは非常に大きな困難を伴います。これはいろいろな場合,人がいるわけで,どこかにいなくなってしまったり,いろいろなことがありますので。   この法テラスからの個別の質問に対する回答のところを読ませていただきましたけれども,相当いろいろなことをやっているんですね。ですから,専門的な意味での管理の手法についていろいろ問題があるというのであれば,私はちょっとそれについてはよく分かりませんけれども,相当回収に向けた努力はしていることが,この個別の質問に対する回答の12ページ,13ページを見ますと,うかがえますので,私は実はAにしたんですけれども,今度新しくB+という評価基準ができたので,間をとってB+というところでいいのではないかなと思っております。 山本委員長 あがりとうございます。   いかがでしょうか。本件につきましては,B+ということでよろしゅうございましょうか。 井野委員 遠藤委員がおっしゃったように,もしシステム上の取組等が功を奏してきますと,大体今おっしゃっていただいたような問題は解決してくると思うので,それが一定のめどがつきましたら,評価をまた上に変更するということは十分可能だと思いますので,その期待も込めてB+というのは妥当だと思います。 山本委員長 おっしゃるとおりで,私もこれ実はBにしているんですが,次の項目との関係もあるんですけれども,この償還率を向上させるという目標でありながら,きっちりした償還率が算定できていないという状況それ自体,私自身かなり問題が,そういう遠藤委員おっしゃるような問題があるのではないかという気もいたしておりまして,ただ,それはシステムを今後改善するというふうに法テラスも言われておりますので,そういうことへの期待も込めて,本年度につきましては,それではB+ということでよろしゅうございましょうか。 井野委員 来年は是非Aにしていただきたい。 山本委員長 その希望は是非法テラスにも,法律扶助課にもお伝えいただいて。ありがとうございました。   それで,次の項目53も基本的には同じ問題で,効果的で効率的な回収方法の検討及び実施状況ということで,これも先ほど来出ている,いろいろな取組がなされているということであって,償還金額は4.7%前年度に比べて増加しているということではあるわけですけれども,ただ,立替額も増加しているので,この償還金の増加というのが成果として十分かどうかということの評価が委員の間で分かれていると。   これはちなみにA評価が4名,B+が4名,Bが2名と分かれているということで,やはり原案は先ほどの項目と同じでB+になっておりますが。   先ほどの御意見からすれば,これも原案どおりB+でよろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それでは,この項目の53につきましても,B+で取りまとめをさせていただきたいかと思います。   それでは,最後の大項目になりますが,大項目5,これは項目としては57,58の二つであります。業務運営に関する重要事項ということでありますが,ここにつきましては,皆さんの基本的にはおおむね意見の一致があって,いずれもA評価ということで原案となっておりますので,特段の御意見がなければこの原案どおりで取りまとめをさせていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。よろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,この原案どおりということにさせていただきたいと思います。   ありがとうございました。これで項目別評価表については意見の取りまとめができました。   ああそうか,先ほどのあれが残っていますね。事務局から御報告をお願いします。 松本部付 先ほど項目34について小林委員から御質問のあったところでございますが,関係機関情報の積極的活用ということで,関係機関情報のデータベースの利用状況を把握しているのかという御質問でございました。   法テラスに確認しましたところ,実はこの関係機関のデータベースの利用状況の統計というか,実績を取り始めたのが平成22年10月,昨年の下半期から数字を取っているということで,それ以前の数字との比較ができないということでありましたが,10月からこの前の3月末までの半期分で43万6,043件の利用件数があったという報告がございました。比較のしようがございませんので,これが増えているかどうかということは,恐縮ですが御報告できませんけれども,そのような現状であるということです。   あと,御参考までに,法テラスのホームページ自体の閲覧数,これは各年度ごとで把握しておりまして,平成21年度であれば241万7,520件のヒット,ページビューがありました。これが平成22年は246万8,857件と,5万件ほど伸びたとのことです。これを多いと見るか少ないと見るかいろいろあるかと思いますが,一応伸びていると。そういう報告があったことをご報告いたします。 山本委員長 そうすると,その関係機関の利用状況というのを,来年度以降はそれと比較して伸びているかどうかということは把握できると,そういうことですね。 松本部付 22年度分は半期分でございますが,一応,比較の参考になる数字は出たということでございます。 山本委員長 ということですので,来年度以降は多分それが把握されて,評価に表れてくるということになろうかと思います。   それでは,これでこの項目別評価表については意見が取りまとめることができました。今後,表現等,形式的な部分については修正あり得るところでありますけれども,恐縮ですが,その点につきましては私と事務局に御一任をいただければと存じます。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。 小林委員 評価項目の4なんですけれども,Aにするということになったかと思うんですが,議論の中で,利用者からの苦情というのがどんなものかというのがよく分からないという話が何回もありました。その一方,分かることは分かっていて,それで取りまとめを行っていたというふうにも読めるというふうに皆さんもおっしゃっていたので,せっかくAにしているので,Aの根拠にもう一つプラスになるように,どのような苦情があったか,あるいは主にどんなものであったかとかいうような,具体的なものが少し書けるんであれば追加をしていただきたいと思います。 山本委員長 評価理由のところでということですね。よろしいでしょうか,法テラスからちょっと伺っていただいて,具体的なあれも付加すると。では,具体的には私と相談させていただきますので。   ありがとうございました。それでは,以上で項目別評価表の評価は終わりまして,総合評価表に移らさせていただきます。   資料2になりますが,総合評価表の評価表(案)でありますけれども,これについて,これは事前にお目通しをいただいていると思いますので,特に御説明はなしで,御意見をいただきたいと思います。   この資料2ですね。大きくは年度計画の項目で,これは今,御議論をいただいた各大項目に対応して,言わばその内容をコンパクトに要点をまとめているという部分でありまして,それから5ページ以下が全体評価ということで,正に全体的にそれを文章の形で取りまとめているということで,ここでは全体総括という部分で,東日本大震災における取組等,すぐれた取組を一方で挙げ,他方では解消されない課題として認知度の問題,常勤弁護士,あるいは司法過疎問題,それから償還金の確保,回収の問題といったようなところを未解消の課題という形で取り上げるという形でまとめております。   それから,特にこの内部統制に関する取組につきましては,いわゆる政独委から御指摘を受けたということも踏まえて,やや詳しめにこの内部統制に係る取組についての評価を記載しておると。そういうような構成になっているかと思いますけれども,どの部分でも結構ですので,御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。 遠藤委員 内部統制についてお話しさせていただきたい。   全体評価の総括では,非常に良くまとめられていまして,これでいきますと,今後法テラス自身が,次期の内部統制を実施するに当たって,かなりの課題を与えられていて,かなりやらないと総合評価のとおりにならないのではないかという思いがしますので,その辺のところは事務局が,内部統制のところにつきましては,23年度についてもしっかりとこれに沿うようにやるように,是非伝達をお願いしたいと思います。非常に良くまとめられています。 山本委員長 いろいろ更なる取組を求めるところがいろいろありますけれども,是非取り組んでいただきたいということですかね。   ほかにいかがでしょうか。 嶋津委員 今回の議論で,結果的には事務局案どおりになっているわけですから,総合評価表のまとめ方も大体そんなに変更はないですよね。 山本委員長 基本的にはそうですね。 嶋津委員 だからよろしいのではないでしょうかね。 山本委員長 よろしゅうございましょうか。   それでは,基本的にはこのような形で,総合評価表につきましても取りまとめをさせていただきたいと思います。この部分につきましても,個別評価と同じように,若干の文言の修正はあり得るかと存じますけれども,その点につきましても御一任いただければと存じます。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,更に引き続きまして,これは資料の3になります。評価の視点等を踏まえた評価ということでありまして,冒頭資料説明の際に事務局から御説明をいただきましたけれども,「独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点」及び「平成22年度業務実績評価等の具体的取組について」という,これは政独委で指摘された事項について,今回からは書面にまとめた形で当評価委員会の評価を示すということになった関係で,この資料3のような資料が作られているということであります。   基本的には,この個別評価のところ,問題がありそうなというか,あり得るようなところについては,個別評価のところに委ねていると。例えば立替金の償還の回収の問題でありますとか,あるいは,今御指摘があった内部統制の問題等ですね。こういったようなものはそれぞれの項目別評価あるいは総合評価のところに委ねられているということで,あと個別的には対応して,基本的には当委員会の評価としては適切に業務運営がされているという形に,ただ若干の留保がされている項目はあると。大体こういうような形で取りまとめられておるかと思いますが,これにつきましても,いずれの項目でも御意見がもしあればお伺いしたいと思いますが,いかがでしょうか。   特段の御意見はございませんでしょうか。よろしいですか。   よろしければ,この資料3のとおり,当委員会の評価を決定させていただきたいと思いますが,御異論はないということでよろしいですね。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,この資料3の形で,当委員会の評価とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。   これで,平成22年度の業務実績評価,つまり議題の1は終了いたしました。   本日取りまとめました項目別評価表,総合評価表,それと資料3の評価表の今後の取扱いにつきまして,事務局から御説明をいただきます。 山﨑参事官 説明いたします。   本日定めていただきました評価表につきましては,公表手続を行うとともに,今月末までに総務省の政策評価独立行政法人評価委員会に通知をいたします。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,引き続き議題の2,財務諸表の承認に関する意見についてお諮りしたいと思います。   これは机上配布資料のD-2に,平成22年度のセンターの財務諸表等をお配りしております。   法務大臣がこの財務諸表を承認するにつきましては,本委員会の意見を聴取するということになっておるわけでありますが,結局委員会としては,法務大臣がこの財務諸表を承認することを相当とするか,相当としないかということになるわけでありますけれども,これについて,承認を相当としないという御意見がありましたらお伺いしたいと思いますが,いかがでしょうか。   特にこれ,遠藤委員,もし何か御意見があれば。 遠藤委員 監査もきちんとされています,内容的には。これは専門的なんですけれども,今回重要な会計方針の変更として,資産除去債務に関する会計基準の適用ということで,新たにそういう会計処理をしていますので,そこのところだけ確認していただければと思います。従来とは違った処理をしています。 山本委員長 ということですね。中身については相当なものだと。 遠藤委員 相当なものと思います。 山本委員長 いかがでしょうか。そうすると,委員会としてはこれ法務大臣に対しまして,この財務諸表を承認して差し支えないという意見を申し上げるということで,よろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。それでは,そのようにさせていただきたいと思います。   それでは,議題の最後になりますけれども,役員の退職金の業績勘案率の問題に入りたいと思います。   まず,事務局から趣旨を御説明いただければ。 山﨑参事官 御説明申し上げます。   机上配布資料F-1を御覧ください。   本年4月の寺井前理事長退任に伴い,今般,支援センターから同氏に係る業績勘案率の算定依頼がなされております。そこで,当委員会が平成21年7月に定めた「日本司法支援センターの役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」に基づいて,寺井前理事長に係る業績勘案率を算定していただく必要があります。そのためにはまず,従来の決定方法自体を改訂していただく必要がございます。   すなわち,業績勘案率は,機関業績勘案率と個人業績勘案率の2種類の合計として算定されますが,基本となるのはあくまで機関業績勘案率です。そして,従来の決定方法では,この機関業績勘案率について,退職役員の在職期間中における業務実績評価の結果,つまりABC評価がそれぞれ幾つあるのか,これをベースに定めることとしています。ところが,先日の評価委員会におきまして,項目別評価に新たにB+という評価段階を加えたことから,機関業績勘案率の算定においてもこれを考慮できるように,決定方法を修正する必要が生じているわけでございます。   資料4として用意したのが,決定方法の修正案ですが,机上配布資料F-2として,従前からの変更点を赤字見え消しで表示したものも用意しておりますので,そちらを御覧いただいたほうが分かりやすいかもしれません。   この3ページ目の右肩に別紙というのがございます。この表を御覧いただければお分かりのとおり,従前は項目別評価におけるA評価を3点,B評価を2点,C評価を1点としておりました。ここにB+評価を2.5点と換算する旨の記載を挿入しております。これによりまして,先ほど決定していただいた平成22年度業務実績評価の項目別評価の結果についても,従前の評価結果との整合性を保ちつつ,適切に点数換算をすることが可能となります。   以上のとおりでございますので,まずは,このような形で決定方法を修正することの可否について御審議いただきたいと存じます。 山本委員長 ありがとうございました。要するにB+が新たに加わったことによって,B+をAとB,従来3点と2点だったわけですが,その中間として2.5点という形で計算したらどうかという,純粋な計算方法の問題でありますけれども,これについて御意見ございますでしょうか。原案どおりでよろしいでしょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,このような形で,この決定方法については改訂させていただきたいと思います。   それでは,引き続きまして,この決定に基づいて具体的な案件ですが,寺井前理事長の業績勘案率を算定していくということになりますけれども,その具体的な手順につきまして,事務局から御説明いただきます。 山﨑参事官 御説明いたします。   まず,今新たな資料を配布しておりますので,お手元に渡りましたら御覧いただきたいのですが,実はこれは,机上配布資料F-3の差し替え分でございます。このF-3というのは,まだ22年度の分の業績評価等を含めたものについては決まっておりませんでしたので,はてなマークを付けたものでございましたが,今御決定いただきましたので,その決定結果をも含めて記載したのが,お手元にお配りしました差し替え分の紙でございます。これは機関業績勘案率についての考え方をまとめたものでございます。   まず,平成18年度から平成22年度に至るまで,所定の方法で計算,22年度分は先ほど御決定いただいたのですが,これについて所定の方法で計算しますと1.0となるということでございます。   次に,まだ業務実績評価が行われていない23年度の実績評価につきましては,前年度に当たります22年度の基準値等を引用して算出することとされております。その結果,平成18年度から平成23年度までの基準値は,全てが1.0となりますので,結局,在職月の基準値の平均値である機関業績勘案率も1.0ということになります。   次に,これを前提に,支援センター提出に係る寺井前理事長の業績をまとめました,机上配布資料F-4を御覧いただきたいんですが,F-4に基づきまして,プラスマイナス0.2の範囲で個人業績勘案率を決定していただくということになるわけでございます。   その際に参考になりますのが,机上配布資料F-5の政独委の決定,役員退職金に係る業績勘案率に関する方針です。   これによりますと,業績勘案率は1.0を基本とするとされております。これは独立行政法人におきましては,中期目標の達成など,良好かつ適切な業績が上げられた期間中に,対象となる役員が適切に職務を果たした場合には,業績勘案率が1.0になるという意味であると解される点がポイントと思われます。   これらの要素を参考に,寺井前理事長の個人業績勘案率を決定していただいて,最終的な業績勘案率を決定していただきたいと思います。 山本委員長 それでは,規定に基づきまして,寺井前理事長の業績勘案率を決定したいと思います。   要するにこれは,機関業績勘案率が1.0であることを前提として,個人業績勘案率についてプラスマイナス0.2の幅で調整するかどうかということに尽きるわけでありますけれども,支援センターからの報告,それから,我々の委員会で見聞した限りにおいて,寺井前理事長が適切にその職責を果たしておられたことは疑いないものというふうに認識しております。   他方で,先ほど御説明があったこの業績勘案率の方針ということに鑑みると,適切に業務を遂行していれば,基本的には1.0が基本になるということで,よほど特別の事情があればプラスの加重ということになるんだろうと思いますけれども,さすがにそのようなところまでは認められないようにも思われるところでありますので,個人業績勘案率としてはプラスマイナスゼロということで,原則に従いというか,1.0ということでよろしいのではないかと思われますけれども,もし御意見があればお伺いしたいと思いますが,いかがでしょうか。よろしいですか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,寺井前理事長の個人業績勘案率につきましては,1.0という形で決定したいと思います。ありがとうございました。   それでは,時間を超過して休憩も取らずに恐縮ですけれども,これで本日の全ての審議事項は終了することができました。   事務局から何かありましたらお願いします。 山﨑参事官 議事録の作成については,委員の確認手順等,従前と同様の段取りとさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,これで本日の会議は終了したいと思います。   -了-