日本司法支援センター評価委員会 第1回会議 議事録 第1 日 時  平成18年4月7日(金)   自 午後1時33分                        至 午後3時38分 第2 場 所  法務省第1会議室(20階) 第3 議 題  (1) 委員及び事務局紹介  (2) 委員長選任及び委員長代理指名  (3) 議事     ・ 日本司法支援センター評価委員会運営規則(案)について     ・ 日本司法支援センター設立の経緯及び概要について     ・ 中期目標(案)について  (4) 今後の予定について 議        事 井上課長 それでは,ただいまから第1回日本司法支援センター評価委員会を開催いたしたいと思います。  委員の皆様におかれましては,本日は御多忙中のところ御参集いただきまして,まことにありがとうございます。  私は,本日事務当局を務めさせていただいております法務省司法法制部司法法制課長の井上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日の議事の進行につきましては,後ほど委員長を選出していただきますが,それまでの間,仮に私の方で務めさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。  なお,勝手でございますが,お手元に評価委員の任命の辞令をお配りさせていただきました。御確認をお願いいたします。  それでは最初に,私の方から本日御出席いただきました委員の方々を御紹介させていただきます。 (出席している委員が,順次紹介された。) 井上課長 本日は吉永みち子委員が御都合によりまして御欠席されてございます。  委員名簿は資料1として配布してございます。  委員は総勢10名いらっしゃいまして,うち9名の御出席をいただいておりますので,総合法律支援法施行令に規定しております定足数であります過半数の出席を満たしておりますことを御報告申し上げます。 (法務省側の出席者が,順次紹介された。) 井上課長 それでは,議事に先立ちまして,司法法制部長から一言ごあいさつを申し上げます。 倉吉部長 司法法制部長の倉吉でございます。本日は御多忙のところこの評価委員会をお集まりいただきまして,まことにありがとうございます。また,このたびはこの評価委員会の委員をお受けいただきまして,ありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。  日本司法支援センターは,平成16年6月2日に公布されました総合法律支援法に基づき設立される法人でございます。来週の月曜日ですが,4月10日に設立し,10月から業務を開始する予定となっております。既に御案内のことかと思いますが,総合法律支援法は民事,刑事を問わず,あまねく全国において,法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会の実現を目指すことを基本理念としておりまして,この理念を実現するために,その中核を担う法人として,独立行政法人の枠組みに従いましたこの日本司法支援センターを新たに設立するということにしているわけでございます。こうして設立される支援センターは,国民に対し法的トラブル解決に必要な情報を提供する情報提供業務を初めといたしまして,民事法律扶助,それから国選弁護人確保,司法過疎対策,そして犯罪被害者支援といった各種の業務を一体的に迅速かつ適切に行うことによって,これは司法制度改革のテーマでございますが,国民に身近で頼りがいのある司法を実現することを目指すものであります。  こうした役割を担う日本司法支援センターの運営につきましては,中期目標,それから中期計画を中心とする目標管理のもとで,基本的にはこの法人の主体的判断と責任のもとで行われるということになります。そこで,日本司法支援センターが初期の目的に照らして十分な成果を上げるためには,まずもってこの前提となる的確な中期目標と中期計画を設定することが大変重要な課題となってまいります。  この委員会では,支援センターの開業までに,法務大臣の定める中期目標についての御意見をいただくとともに,支援センターが今度は中期計画を定めますが,その中期計画や具体的な業務方法の要領を定める業務方法書等に関する法務大臣の認可につきまして御意見をいただくことになっております。その後,各事業年度の業績,さらには中期目標期間全体にわたる業績についても評価していただくことになっております。このように,本評価委員会には支援センターの適正な運営の確保に対しまして重要な役割が期待されております。  委員の皆様方には,この評価委員会の意義を御理解の上,活発な御議論,忌たんのない御意見をいただきたく,重ねてお願い申し上げまして,冒頭のごあいさつにかえさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。 井上課長 では,初めにお手元の資料の確認をさせていただきたいと存じます。 (配付資料が,順次確認された。)  以上,お手元に資料はそろっておいででございましょうか。  それでは,早速議題を進めさせていただきたいと存じます。最初は委員長選任の件でございます。総合法律支援法施行令第5条第1項によりまして,委員長は委員の互選により選任することとされておりますので,委員長の互選をお願いいたしたいと存じます。委員の皆様方の中でどなたか,委員長の選出についてお考えがございませんでしょうか。 田島委員 山本委員に委員長をお願いしたいと思います。山本委員は,司法制度改革推進本部のADR検討会,それから仲裁検討会委員,最高裁判所の裁判の迅速化に係る検証に関する検討会委員などを歴任されて,この分野に大変御造けいの深い方で,適任でいらっしゃると思いますが,いかがでしょうか。 井上課長 ただいま田島委員から山本委員の推薦がございましたが,いかがでございましょうか。 (「異議なし」の声あり) 井上課長 それでは,御賛同いただきましたので,山本委員に委員長をお願いしたいと存じますが,よろしゅうございましょうか。 山本委員 身に余る大任ではありますが,全力を尽くしてやらせていただきます。 井上課長 ありがとうございます。それでは,委員の互選により山本委員が委員長に選出されましたので,以後の議事進行につきましては山本委員長にお願いさせていただきます。では,どうぞよろしくお願いいたします。 山本委員長 それでは,一言ごあいさつをさせていただきます。  ただいま御指名いただきました一橋大学の山本でございます。先ほど倉吉部長の方からお話がありましたように,総合法律支援法というのは,今般の司法制度改革の関連法におきましても,国民に身近な司法を実現するという課題にとって最も重要な法律であると認識しております。この法律に基づいて設立される日本司法支援センターというものは,法律家にとってはもちろんでありますけれども,一般の国民の関心も非常に高いものがあると思います。そういう意味で,日本司法支援センターがその使命を適切に果たしていくことができるように,本評価委員会の運営というものは非常に重要なものであると思いますので,どうか委員の皆様方におかれましても,是非積極的に活発に御意見をいただきまして,この委員会が円滑に進むことができますように,御協力をよろしくお願い申し上げます。  それでは,議事といたしまして,議題の(2)のところで委員長代理の指名というものがございます。総合法律支援法施行令の第5条第3項に,委員長に事故があるときは,あらかじめその指名する委員がその職務を代理するという規定がございます。これに基づいて委員長代理を私の方で指名させていただきたいと存じます。この点につきましては,第二東京弁護士会の会長,財団法人法律扶助協会の副会長の御経験をお持ちで,日本司法支援センターに対しましても造けいの大変深い吉川委員にお願いしたいと存じますが,よろしゅうございましょうか。 吉川委員 任が重いと思いますけれども,誠心誠意務めさせていただきますので,よろしくお願いいたします。 山本委員長 どうかよろしくお願いいたします。  それでは,引き続きまして議事に入りたいと思います。まず,日本司法支援センター評価委員会運営規則(案)についてという項目でありますが,その案の内容について,事務局の方から御説明をいただきます。 井上課長 評価委員会運営規則案について,概要を御説明申し上げます。  資料3に運営規則の案がございますが,その前提を若干御説明申し上げますと,まず評価委員会につきましては,法律上の根拠は総合法律支援法の第19条でございまして,第19条に設置根拠と基本的な所掌事務に関する定めを置いた上で,組織とか委員の構成等につきましては広く政令に委任してございます。その委任を受けまして定められた政令が,資料2にございます総合法律支援法施行令でございまして,資料2は施行令のうちの支援センター評価委員会に関する第2章の部分だけを抜粋したものでございます。評価委員会の組織・運営に関する基本的事項がかなり詳細に定められた政令となっております。  少し具体的に見ますと,まず2条1項で,委員は10人で組織するということ。3条1項で,委員は法務大臣が任命すること。4条におきまして,任期は2年で,再任され得るということ。5条にいきますと,委員長は委員の互選により選任すること。一つ飛ばして7条で,定足数は過半数であって,議決は出席委員の過半数によることなどが定められてございます。その一つ手前の第6条に,部会を置くことができる旨の規定がございます。そして,最後の第10条のところで,この政令に定めるもののほか,委員会の議事手続等,運営に関し必要な事項は,委員長が委員会に諮って定めるとございまして,この政令の規定を受けまして定めようとする運営規則の案が資料3になるという構造になってございます。  それで,資料3を御覧いただきたく存じますが,政令の規定がかなり詳細でございますので,補足して規定すべき事項はそれほど多くはございませんでした。具体的に申しますと,第2条で,会議の招集について,これは委員長が招集するということにしてございます。  第3条で,議決の特例という規定がございまして,やむを得ない場合には電話その他の方法により議決を求めることができるという規定がございます。  第4条で,議事録の作成・公開について規定してございます。議事録は,委員長が作成して,これは公開する。ただし,必要があるときには非公開とすることができる。会議の資料については,審議の途中にあるものその他公開に支障があると委員長が認めるものを除いて公開すると,原則公開の規定になってございます。  第5条は,部会運営上の細則でございます。  議決の特例規定である3条などは,他の省庁の評価委員会の運営規則にも同種の規定も見られることでございまして,万が一必要な場合があるかもしれませんので,一応本案にも入れてございますが,飽くまでやむを得ない場合の例外的な措置ということでございます。  なお,附則におきまして,この運営規則は本日から施行するという案にしてございますので,本日御承認いただけますと,本日の議事録の取扱いにつきましても原則公開,4条2項ただし書きの特段の事由がない限りは公開することとさせていただくということになるわけでございます。  運営規則案の概要は以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。  それでは,ただいまの御説明に対して,何か御質問,御意見等ございますでしょうか。 田中委員 田中でございます。公開の方法は,どのような方法を考えておられるのかについて伺いたいのですけれども。 山本委員長 どうぞ。 井上課長 これは,法務省のホームページに載せることを予定してございます。 吉川委員 吉川でございます。その関連でございますけれども,発言者の名前も特定した上での公開でしょうか。よく法務省等の審議会等に○と書いてあって,だれが発言したかわからないで,その発言の内容だけが出ているというものがありますけれども,その辺はどうなんでしょうか。 井上課長 まさにこの会議でお決めいただく事項でございますので,その決めに従いたいということでございます。 山本委員長 吉川委員は,その点について何か御意見というか……。 吉川委員 私は,名前も言って,そのまま公開していただいて結構だと思いますけれども。 山本委員長 どうぞ,田中委員。 田中委員 顕名に差し支えがあるという方が一人でもおられれば配慮すべきですが,全員がよいということであれば名前を載せるという形で結構です。 山本委員長 という田中委員の御指摘がございましたが,できれば……。どうぞ,岡田委員。 岡田委員 司法制度推進本部の検討会でも,当初は5つぐらいしか顕名ではなかったのですが,最終的にはほとんど顕名になったと思います。やはり発言した者としては,自分の責任のもとに発言しているわけですから,名前は出すべきだろうと思います。 山本委員長 名前も公開してもよろしいのではないかという御意見でございますが。どうぞ,嶋津委員。 嶋津委員 基本的には,公開しても差し支えないと思いますが,今後,審議内容によりまして,それぞれのお立場で公開することがまずいという場合も出てくることはあり得るのではないでしょうか。したがって,すべて全部決めてしまうというのは,難しいのではないかなという感じがいたします。 山本委員長 なるほど。それはいかがなんですか。この4条2項のただし書きで,必要があると認めるときは,委員会に諮って非公開にすることができるということですが,例えば名前を出さないというのも部分的な非公開という感じもしますが,これでそういう取扱いができるのであれば,原則は名前を出して,何か問題がありそうなときは,委員会で協議して,場合によっては名前を伏せるとかということもあり得るかなと思いますが。 井上課長 現在の規定で,委員長のおっしゃるような解釈は読めると思います。 山本委員長 そのようなことでよろしいでしょうか。特に,原則として名前を出さない方がよろしいのではないかということはないですね。  それでは,今のような取扱いで,原則としては名前を出す形で公開して,ただ,議題と場合によっては御意見をいただいて,また委員会で協議するということにさせていただければと思います。ありがとうございました。  ほかの点で何かございますでしょうか。--よろしいですか。  それでは,今の点は,この規則の運用ということになろうかと思いますけれども,評価委員会運営規則案それ自体については,この案のとおり御承認をいただいたということにいたしたいと思います。ありがとうございました。  それでは引き続きまして次の議事としまして,日本司法支援センター設立の経緯及び概要についてという点でありますが,この点も事務局の方から御説明をいただきたいと思います。 井上課長 事実経過の説明になろうかと思いますが,資料4-1と4-2を御覧いただきたいと存じます。  資料4-1につきましては,支援センター設立の日程表のようなものでございます。大もとになる総合法律支援法は,平成16年6月2日に公布されてございます。平成17年に,理事長となるべき者が指名されてございます。本年になりまして,2月24日,施行令の方が閣議決定されてございます。そして,4月5日以降,設立に向けた具体的な法的な作業が進みまして,本日はちょうど中ほどにある○,日本司法支援センター評価委員会開催(4月7日)というところまで進んできているわけでございます。  今後のことにつきましては,予定でございますが,発足の予定日である4月10日には,政府の出資金が払い込まれて,設立準備完了の届出がなされて,その事務が理事長予定者に引き継がれた上,設立の登記がなされて,設立の登記によりまして法人が成立して発足するという運びになる予定でございまして,今のところ事務は順調に進んでおります。  そして,資料4-2で,日本司法支援センターについての概要の御説明でございます。もう御承知の方も多いと思いますので,概略にとどめますが,目的は,総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うということでございます。  この法人の性格につきましては,法律の40条以下に規定がございますが,独立行政法人の枠組みに従った法人でございます。すなわち,法務大臣が一定の期間を定めて中期目標を支援センターに指示して,支援センターが中期計画を策定して法務大臣の認可を受け,自主的に業務運営を行った後,中期目標期間終了後に法務大臣が組織・業務全般にわたる検討を行い,所要の措置を講じる。そのような間接的な監督の枠組みで行うということになってございます。  出資金は,政府全額出資で,3億5,100万円ということになってございます。  支援センターの業務につきましては,法律の30条に列記してございますが,①から⑥までを法定の業務としてございます。情報の提供,民事法律扶助,国選弁護人の確保,司法過疎対策,犯罪被害者支援,関係機関との連携強化,そのような業務でございます。  組織につきましては,本部を千代田区九段北の市ヶ谷ビルに置くことにしてございます。役員としては,理事長が1名,それから理事が4名,監事が2名と予定されております。本部の職員としては,非常勤を含めて50名程度採用して発足する予定にしてございます。なお,本部の組織といたしまして,審査委員会というものがございます。これも法律上規定されてございますが,業務の運営に関して特に弁護士等の職務の特性に配慮して判断すべき事項について審議させるため,法曹三者及び有識者で構成される機関でございます。  それから,組織としては地方組織が大きくございます。地方事務所として,全国50か所,すなわち地裁本庁所在地に設置することにしております。その他の事務所として,いわゆる支部等,さらには司法過疎地域に置く必要がある場合にはそこに事務所を設置する予定になってございます。地方事務所の職員体制といたしましては,所長・副所長は非常勤としてございますが,事務局長以下の事務職員,情報提供担当職員などを配置していく予定でございます。  法人の設立は4月10日を予定してございまして,業務の開始は約半年後10月の頭を予定してございます。  以上が日本司法支援センターの概要でございます。 山本委員長 ありがとうございました。  それでは,ただいまの御説明に対して何か御質問などがございますでしょうか。どうぞ。 知久委員 プレ地方協議会というのが各県にございますけれども,それに何度か参加したことがございまして,その中で,運営費といいますか,総額100億円ぐらいかかるといったお話をお伺いしております。今回,出資金額は全額3億5,100万円という御提示がこちらにあるのですけれども,この差額というのはものすごい金額になっておりますが,この辺はどのようにさせていただけるのでしょうか。 小山参事官 参事官の小山でございます。私の方からお答え申し上げます。  平成18年度の司法支援センターの予算は,今まさに知久先生から御質問がございまして,御指摘がございましたとおり,約103億円程度,百数億円の予算を確保しております。そのうち出資金が3億5,100万円,先ほど申しましたとおりでございまして,残りの約100億円がございます。これは,司法支援センターが平成18年――今年の10月から開業する前提で,言ってしまえば,そのおおむね半年分の事業関係の経費,それから4月10日の設立から10月の開業までの間の準備経費を入れまして,約100億円の予算を確保しているところでございます。 山本委員長 よろしいでしょうか。  ほかにいかがでしょうか。どうぞ,小林委員。 小林委員 委員の小林でございます。細かい話なんですが,4番の組織の4行目の審査委員会のところで,弁護士業務の「特殊性」とおっしゃったように聞こえたのですが,「特性」でよかったのでしょうか。 山本委員長 いかがでしょうか。 井上課長 「特性」でございます。 小林委員 ありがとうございました。 山本委員長 ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。--よろしいですか。  今のは事実の経緯,日本司法支援センターの概要についての御説明でしたので,これは後の中期目標案の審議にも関連してくるところだと思いますので,また後の議事の際に御不明な点は御質問いただいても結構だと思いますので,とりあえずは,それでは先に進ませていただきたいと思います。  本日の議事の中心であります中期目標(案)についてという項目に入らせていただきたいと思います。この点につきましても,まず事務局から御説明をいただいて,その後各委員の御質問,御意見をちょうだいしたいと思います。まず御説明をお願いします。 井上課長 それでは,資料5から8までを用いまして,まず日本司法支援センター評価委員会の所掌事務全般について御説明を簡単にさせていただいた後で,本委員会の最初の本格的な事務となります中期目標の設定に当たる意見をちょうだいするに当たりましての内容に関する御説明に進ませていただきたいと思います。  まず資料5を御覧いただきたいと思います。1と2は省略いたしまして,3の職務内容のところを御覧ください。(1)として平成18年度の事務,(2)として平成19年度以降の事務と,一応分けて記載してございます。このうち(1)平成18年度の事務としておりますものは,当初業務を開始するまでに当たって必要な諸準備になるものが中心でございます。6項目を規定してございます。まず,中期目標策定に当たっての御意見,それから役員報酬等に関する御意見,中期計画に関する大臣認可に当たっての御意見,業務方法書,法律事務取扱規程,国選弁護人の契約約款に関する,いずれも大臣認可に当たっての御意見,このようなものを今後御審議いただくということになるわけでございます。  (2)平成19年度以降の事務として掲げてありますが,この中には性質上,毎年度行われるべきものと,中期目標期間が終わったときに行われるべきものと,該当事由があるときに行われるべきもの,種類は幾つかあろうかと思います。例えば,一番最初の各事業年度における業務実績に対する評価につきましては,各事業年度,毎年度行うことにもなりますし,2番目の○の中期目標期間終了時における大臣の検討に当たっての意見というのは,まさに今回の中期目標の期間の終了時点において行われる事務ということでございます。  それでは,1枚めくっていただきまして,資料6-1,6-2でございまして,これは中期目標の関係につきましての意義等の御説明資料でございます。多分に観念的な部分がございますし,また先ほどの部長のあいさつの中でもかなり出てまいりましたけれども,中期目標の意義と趣旨というものを一応おさらいさせていただきたいと思います。  中期目標は,ここに記載してございますように,法務大臣が,3年以上5年以下の期間においてセンターが達成すべき業務運営にかかわる目標を定めて,センターに指示するものでございます。センターは,この中期目標に基づいて目標を達成するための計画,すなわち中期計画を作成いたしまして,大臣の認可を受けるということになります。そして,大臣は,中期目標期間の終了時において,その業務を継続させる必要性,組織の在り方その他の全般にわたる検討を行い,その結果に基づいて所要の措置を講ずるということが法定されてございます。  このような中期目標の趣旨が第2項に記載してございます。独立行政法人法制におきまして,主務大臣が中期目標というものを使って法人に達成すべき目標を設定して,法人はその目標に基づいて計画的に業務を遂行するという形での管理を行う。そして,第三者機関たる評価委員会の評価を受けつつ,その中期目標の達成への関与を行っていくといったやり方になっているわけでございます。このような中期目標制度が設けられております理由は,国から法人への事前関与・統制を極力排しまして,事後チェックへの重点の移行を図るため,所管大臣の監督,関与を制限するという独立行政法人制度の基本的な考え方に基づいているものでございます。その結果,3年以上5年以下という法人の自主性・自律性が発揮できる中期的な期間内における,ほぼ唯一の法人に対する指示手段としての性格を持っているものが中期目標ということになるわけでございます。  この中期目標に定めるべき事項は,1枚めくっていただきまして,4のところに6項目ございます。これは法定されているものでございまして,中期目標の期間から,6,その他業務運営に関する重要事項までございます。この具体的内容は,後ほど御覧いただくことになるわけでございます。  資料を1枚めくっていただきまして,6-2を御覧いただきたいと存じます。中期目標の設定・中期計画の認可の手続という一種の簡単なチャート図になってございます。本日の段階は,一番上の枠の中で,法務大臣が中期目標策定に当たっての事前の意見聴取等を行う中の一番上,評価委員会からの意見聴取,ここの段階を今お願いしているわけでございます。最高裁からの意見聴取,財務大臣との協議と,中期目標につきましてはこの他の2つの事柄も同時並行的に進められているところでございます。このようにして中期目標が決定されますと,法務大臣が支援センターにその内容を指示いたしますとともに,これを公表いたしまして,最高裁にも通知いたします。その後,支援センターの方で中期目標に基づいて中期計画を作成いたしまして,法務大臣に認可申請をいたしまして,法務大臣がその認可に当たっての意見を聞く。これも評価委員会,最高裁から意見を聞くとともに財務大臣と協議するということでございまして,この中期計画に対する認可に当たっての御意見も今後この評価委員会において御検討いただくということになるわけでございます。そして,中期計画が認可されますと,それも公表され,その中期計画に基づいて支援センターの業務が具体的に進められていくということになるわけでございます。  以上が前提でございまして,これから資料7と8を用いまして,今回御審議いただく中期目標に関する御説明をさせていただきます。  まず資料7は,中期目標案の概要で,見出し的に,要約的に作りましたダイジェスト版になります。ゴシック体で1から6まで記載してある見出しが,法定の中期目標事項でございます。この見出し的なものと資料8の全文を適宜並行して御覧いただきながら,説明をさせていただきます。  まず1番,中期目標の期間の点でございます。これは,法律上,3年から5年の範囲内で定めることとされておりますが,約4年間,4年弱の期間を中期目標の期間として定めました。設立が4月10日という年度が開始して少したったところから始まりますということと,なぜ約4年に設定したかという点につきましては,設立4年目になります平成21年度は裁判員制度が始まる年度でございます。そしてまた,その年度には被疑者国選弁護事件の対象事件の範囲が非常に大きく拡大されることになります。このような非常に大きな業務の拡大が予定されていることから,一応そこまでは今回の目標期間の視野に入れつつも,実際に平成21年度に拡大された業務の実情を踏まえまして次の中期目標につなげていくのが適当かなと,そのような考慮に基づいて約4年間という目標の期間が設定されたものでございます。  第2番目で,総合法律支援の充実のための措置に関する事項を御覧ください。この事項は,通常の独立行政法人の中期目標としては法定されていない,このセンターに特有の目標事項と言うことができようかと思います。すなわち,一般的に言いますと,通常の独立行政法人でありますと,通則法という法律がございまして,そこでは中期目標において定める事項といたしまして,第1番目に中期目標の期間,第2番目には業務運営の効率化に関する事項等々となっております。その他の規定事項はこの日本司法支援センターの場合も同じですが,本センターの場合にはこの総合法律支援の充実のための措置に関する事項というものがプラスされているということになってございます。この趣旨につきましては,業務の効率化を目指すということの必要性とともに,これを強調する余り,総合法律支援の充実がないがしろにならないようにという考えに基づくものと解されるところでございます。  さて,その内容でございますけれども,(1)として総括的な事項,(2)以下に各論的な事項が規定されてございます。総括的な事項として,①から④まで記載してございます。すべて読み上げるのもややうるさいかと思いますので,概要だけ申し上げますと,①といたしましては,国民に身近で頼りがいのある司法を実現するために各種業務を行う支援センターの役割に照らしまして,利用者の立場に立った業務遂行に常に心がける姿勢を基本とすべきであるということでございます。②といたしましては,各地域における関係機関・団体及び利用者から意見を聴取して,業務運営上の参考とすべきことが規定されております。3番目に,運営に関する協議会を設ける場合には,人選に特段の配慮をすべきこと。4番目に,常勤弁護士・契約弁護士・司法書士の確保に努めること。このようなことが規定されているところでございます。  次に,(2)情報提供・関係機関連携強化の事項でございますが,その内容といたしましては,弁護士会・司法書士会その他の隣接法律専門職者団体との連携強化を図るべきことが規定されております。  (3)民事法律扶助に関する事項といたしましては,例えば②の方,利用者アンケート等の実施等によりまして,法律扶助のニーズの把握に努めるべきこと等が規定されてございます。  (4)国選弁護人確保に関する事項といたしましては,全国的に均質な確保を図ることが規定され,(5)司法過疎対策に関する事項といたしましては,日弁連との連携協力の中で,必要な地域における過疎対策を図るべきこと,(6)犯罪被害者支援に関する事項といたしましては,連携する支援団体の範囲の拡大,連携強化を図るべきことなどが定められているところでございます。  さて,次の3番目,業務運営の効率化に関する事項でございます。ここも(1)の総括部分と(2)以下の各論的な部分に分けて記載してございますが,(1)の総括の前半部分あたりでございます。支援センターは,いわゆる切り出し型の独立行政法人と異なりまして,全く新規に設立される法人でございまして,その設立・業務開始時点において既に可能な限り効率化を図るということになっております。そのことを前提として,総合法律支援の充実を図りつつ,効率化の目標を達すべきこととされているわけです。  なお,ページを1枚めくっていただきまして3ページ目になりますが,「また」以下,ちょっと技術的なものでございますが,これは政府全体のIT戦略の基本方針と言うべき最適化計画の方針がございまして,その趣旨にのっとりまして,支援センターの開発する情報処理システムを可能な限りはん用性のあるものとして,システムの調達に当たって随契ではなくて競争的手法の導入を可能とするなど,そういう意味でのコンピューターシステムを中心としたシステムの調達に当たっての効率化ということがここにうたわれているわけでございます。  (2)以下の各論的な記載でございますが,情報提供業務等に関しましては,電話による情報提供業務の一元化,これは全国1か所にコールセンターを設置して行うという形での業務の効率化等を図るべきこと。(3)民事法律扶助・国選弁護人確保に関しましては,一定の弁護士に複数事件の包括的な委託をあらかじめ定めた報酬でお願いするといったやり方の活用などが掲げられてございます。効率化の観点からの目標が幾つか定められてございます。  次に,4番目,提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項につきましては,これはある程度具体的なものが多うございますが,記載されているとおりでございます。情報提供に関しましては,情報提供の質・量の向上というものがございます。  (2)民事法律扶助に関しましては,期間の短縮,質の向上,充実した援助の提供等を求めてございます。  (3)国選弁護人確保に関しましては,これは新たに今回行われていく業務でございますけれども,迅速・確実な国選弁護人の選任が行われる体制の確保というものがまず第一にございまして,契約弁護士の研修等による活動の充実を図るということなども定められております。  (4)犯罪被害者支援の関係につきましては,被害者の心情に配慮した懇切丁寧で迅速な情報提供に努めるべきことなど,4点ほど規定してございます。  それから,司法過疎対策,関係機関連携強化につきましても,具体的な定めを記載してございます。  5番目,財務内容の改善に関する事項でございますが,総括的な項目として,補助金・寄付金の自己収入増に努めるべきことがございます。  民事法律扶助につきましても,償還金収入の確保に努めるということでございます。  (3)の司法過疎対策といたしまして,有償事件の受任等による自己収入増に努めるということがございます。  そして,最後,その他業務運営に関する重要事項といたしましては,これは総論的な記載でございますけれども,所要の人的・物的体制の適切かつ計画的な整備を図るということが目標に定めてございます。  やや中途半端な説明になってしまいましたけれども,以上が本日御意見を伺います中期目標につきましての内容でございます。よろしくお願いします。 山本委員長 ありがとうございました。  それでは,この中期目標案について御審議をいただきたいと思いますので,御質問あるいは御意見をどうか御自由にお出しいただければと思います。いかがでしょうか。吉川委員,どうぞ。 吉川委員 何点かあるのですけれども,実は,本当はメモをしてくればよかったのですが,ちょっと時間の関係でメモができなかったので,口頭で申し上げますので,メモをしていただいてお答えいただければ大変有り難いのですが。  まず最初に,総体的なコメントといたしまして,業務運営の効率化ということが強調されておりますが,当然,国のお金で業務をやる以上,業務運営が効率化されるということは重要なことであり,これは全くもっともなことだと思うんですけれども,効率化ということと,サービスの質の維持ないし向上ということとは,場合によると相矛盾することがあり得るわけです。つまり,できるだけ安いお金でたくさんの仕事をさせるということが効率化ということであるとすると,実際に現場で働く弁護士・司法書士その他の人たちのモチベーションにもかかわってくるので,そのあたりの兼ね合いというのがなかなか難しいのではないかということで,このあたりを,これは実際には運営に当たる理事その他の方々がお決めになることだと思いますけれども,是非御配慮をいただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。  その上で幾つか具体的な質問があるのですが,2の(1)の③の最後のところに,「人選について特段の配慮をする」と書いてあるのですが,この「特段の配慮」というのは具体的にはどういうことを御配慮になるのか,どういうことを頭に入れて人選をなさるのかということを伺いたいと思います。  2点目の質問は,次の④でございますが,常勤弁護士について,一番下の方に実務経験年数を考慮すると書かれておりますけれども,具体的に大体何年ぐらいの実務経験のある人を想定されているのか,あるいは,いろいろな種類といいますか,実務経験の割合多い人と比較的若い人と両方をお考えになっているのか,そのあたりのことをちょっと伺いたいと思います。それから,常勤の人は何人ぐらい雇って,大体任期はどのくらいをお考えになっているのか,それを伺いたいと思います。  もう一つ,それとの関係なんですが,専従ということがうたわれておりますが,これは全くの専従で,例えば弁護士がだれか知り合いの人からたまたま何か相談を受けたりしたようなときにも全く何もできないという意味での専従なのか,それとも多少余裕を持った考え方でやっておられるのか。つまり,これはいい人を探せるかどうかということとの絡みがあります。具体的に申しますと,今,日弁連で「ひまわり」という名前の公設事務所をやっているのですが,これをやってもらっている弁護士は,一応専従ということなんですけれども,若干の余裕があって,多少の自分の仕事もできるということで,ある意味ではひまわり公設事務所と司法支援センターの常勤弁護士が互いに,どっちに行くかといったことでの一種の競争のようなことがあり得るので,それとの関係でこの専従というものをどれだけ厳格に考えるべきなのかというのが問題になろうかと思うので,ちょっと伺いたいと思います。  それから,たくさんあって恐縮なんですが,2の(3)の①に「均質な受任者」という言葉が使われているのですが,これはわかったような気もするのですけれども,「均質な」というのは具体的にどういうことをお考えになっているのか,それを伺いたいと思います。  次に,同じく(3)の②にアンケート調査等の実施ということがあります。これとの関係でちょっと伺いたいのですが,司法支援センターというのは,広告宣伝といいますか,広報といいますか,そういうことをどのようにされるとお考えなのか。つまり,もちろん司法支援センターが多くの人に利用されるということが望ましいわけなんですけれども,私の聞いているところでは,刑事の方はオープンエンドで必要な数の事件を全部処理するということで伺っておりますけれども,民事の方は予算内でしか扱えないということをお聞きしておりますので,非常に件数がふえますと,私は扶助協会にちょっと関係していたことがあったものですから,かなり切実に感じたことがあるのですけれども,一時自己破産事件が急増いたしまして,本当にさばき切れないので断らなければならないということがありました。そのこととの関係で,どれだけ宣伝広報をして件数をふやすのかという問題と,極めてふえた件数をどう賄っていくかということとが,ある意味で非常にアンビバレントな関係に立つ問題だろうと思いますので,そのあたりはどのようなお考えなのかということを伺えればと思います。  次に,3の(3)でございます。これは,常勤弁護士の確保ということの次に「複数事件の包括的な委託の活用などにより,業務処理の効率化を図る」と書かれているのですか,「複数事件の包括的な委託」というのは,具体的にはどのようにされるのか。イギリスのLSCのやり方でいわゆるフランチャイズ制という,やりたい人を募集して,一種のビッディングをやって,それで一番効率的にきちんとやる事務所にだけ業務を配転するといったことをイギリスでやっているようですけれども,ここでお書きになっている「複数事件の包括的な委託」というのは,そういうことまでも含めた業務運営をお考えなのかどうか,それが一つでございます。  それから,これが最後でございますが,4の(5),これは単に確認ですけれども,司法過疎対策というのは,弁護士を紹介して,有料で業務をさせるというものと,それから民事法律扶助の要件に該当すれば,今度はそっちの制度を使って民事法律扶助事件として処理させるという両方があるのかどうか,多分そうだろうと思うんですが,ちょっとそれを確認したいと思います。  以上でございます。大変長くなって恐縮でございますけれども,よろしくお願いいたします。 山本委員長 ありがとうございました。  それでは,事務当局の方からお答えをお願いいたします。 小山参事官 御質問ありがとうございます。ちなみに,吉川先生から御質問のあった点につきましては,司法支援センターの方で具体的にこの目標に従った計画として立てる部分,それから実際の業務運営の在り方の部分というところがございまして,法務省からここでお答えをするのがどうかという部分もあるかと思います。ただ,皆様御承知とは思いますけれども,我々はこの準備段階,今年の3月31日までの段階では,総合法律支援準備室という名前で,まさに司法支援センターの準備にも当たってまいりましたので,そういうところでの検討状況も踏まえた内容でお答えさせていただきたいと思います。今後,中期計画の御審議をいただく段階では,司法支援センターの執行部の方からも御出席いただいて,さらに具体的な御回答もいただけるのではないかと思っておりますが,この時点でのそういう立場でのお答えということでお許しいただきたいと思います。もちろん,目標そのものにつきましては,法務省の立場としてお答え申し上げます。  まず,この中期目標の1ページの2の(1)の③のところについてのお尋ねがございました。「人選についての特段の配慮」というところでございます。これは,前段もちょっと見ていただきますと,「支援センターの業務運営の公正・中立性及び関係機関・団体との連携協力関係の確保が重要」と書いてございます。要するに,支援センターは,関係する方々が非常に多い。もちろん弁護士会・司法書士会のような士業団体もありますし,地方公共団体というところもございます。もちろん犯罪被害者の団体,いろいろな団体がございます。ですから,そこで支援センターがいろいろ,②にも関係しますけれども,地方協議会といった会議をやる。そのほか,例えば運営に関する,先ほど田中委員からもお話がありました地家裁委員会のようなものとか,いろいろな会議を開催することがあり得るわけでございます。その場合は,お声かけをする相手として,幅広い機関・団体からお声かけをした方がいいのではないかという考え方でございます。  2番目は,常勤弁護士についてのお尋ねでございました。これは,この中期目標の1枚目の(1)の④に係る部分でございます。実務経験年数をも考慮するということでございます。この点につきましては,司法支援センターの運営において,具体的に,実務年数がどの程度の場合が,要は採用が容易であり,非常にうまく支援センターの業務についていただけるかというところから考慮していただければいいのではないかと思っております。その採用計画につきましても,いろいろな数が言われております。と申しますのは,これまで,司法支援センターが来週の月曜日まで存在しないものですから,その任用に係る作業につきましては実際にやれる人がいなかった。ですから,法務省の総合法律支援準備室において若干の動きもやりましたが,ベースは日本弁護士連合会――日弁連さんの方で相当に若い弁護士の先生,中堅も含めて,お声かけをしていただいてやってきているわけでございます。ですから,ここに書いてございますように,特に司法過疎対策も含めて,各種の業務を効果的にやっていくためには,相当多い数の常勤弁護士が必要だと思いますけれども,それはおのずから,司法支援センターが設立されて,当初の目標期間の中で業務を展開していく中で増やしていくということになるのではないかと思っております。ですから,この時点で何人ということまでお話しできる段階にないということをお許し願いたいと思っております。  3番目に,中期目標案の2ページの(3)の①の民事法律扶助について,「全国的に均質な受任者の確保態勢」についてのお尋ねがございました。この点につきましては,ちょっと細かい資料になって恐縮ですが,今日の配布資料の一番後ろの方に総合法律支援法をつけてございます。これは2段構えになっておりまして,5ページの下段の左の方に「支援センター等の義務等」と書いてある32条の条文がございます。この第1項を御覧いただきますと,「支援センターは,前条に規定する業務が,これを必要とする者にとって利用しやすいものとなるよう配慮するとともに,第30条第1項第2号及び第3号の各業務については,その統一的な運営体制の整備及び全国的に均質な遂行の実現に努めなければならない」とされているところです。  ちょっと細かくなりますが,第30条第1項第2号と第3号とは何かということを御説明申し上げますと,ちょうど32条の上のあたりでまず目につきます「三」が第3号に当たるものです。ここに国の委託に基づく国選弁護人の選任に関する業務が書いてございます。ですから,この国選弁護人の選任に関する業務が第3号の業務でございます。ちょっと戻っていただきまして,4ページの下段に第30条,業務の範囲という規定の第1項があります。この最後から2行目の「二」が第30条第1項第2号でございまして,御覧になっていただきますと,「民事裁判等手続において自己の権利を実現するための準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない国民若しくは」云々とありまして,その次のページにいきまして,「生活に著しい支障を生ずる国民等を援助する次に掲げる業務」となりまして,イ,ロ,ハ,ニと書いてございまして,これがいわゆる民事法律扶助の業務に関する部分なわけでございます。端的に申しますと,その弁護士費用あるいは司法書士さんの費用の立てかえに係る業務でございます。  ですから,先ほどの5ページの32条の第1項のところに戻っていただきますと,民事法律扶助,まさに第30条第1項第2号の業務につきましては,「統一的な運営体制の整備及び全国的に均質な遂行の実現に努めなければならない」。先ほどの中期目標の案の該当部分は,「全国的に均質な」,これが「受任者」にかかるとちょっと変な感じになりますけれども,「均質な受任者の確保態勢の確立を図る」と読んでいただきますと非常に有り難いと思っております。ですから,32条第1項の規定を受けたものでございます。なぜ法32条第1項の規定がこうなっているかと申しますと,もちろんこれは御承知のとおり,民事裁判の弁護士費用の立てかえ等の業務は,憲法に規定いたします国民の裁判の受ける権利の担保に直結するものでございます。ですから,これが均質に全国的に行われなければいけない。そういうところでございますので,これを前提といたしまして,この中期目標の案におきましても,各地においてその受け手がいないとできない事業でございますので,このように書いているところでございます。  次に,4番目のお尋ねで,民事法律扶助が予算の範囲内で行われることによって非常にアンビバレントな部分が生じるのではないかといったお話もございました。この点につきまして,民事法律扶助の事業につきましては,御承知の方が多いとは思うのですけれども,現時点におきましては,吉川先生もいらっしゃいました財団法人法律扶助協会が,民事法律扶助法という法律に基づきまして,指定法人として取り扱っております。その予算額でございますけれども,平成12年度,これは民事法律扶助法が施行された年だったと思いますけれども,その前後では20億円ぐらいの年間予算でやっておりました。それが,昨年度平成17年度におきましては補助金の額が45億円と倍増しております。この45億円という額によって相当な件数の処理がなされております。例えば弁護士さんなどを頼みます代理援助で言えば,5万件ぐらいの件数が処理されているのではないかと思っております。ですから,現時点の補助金の予算においても,逐次その予算額が増加,倍増にまで至ったことによって,相当な程度が処理されているのではないかと考えているところでございます。  それから,これは非常に固い言い方になってしまいますけれども,自ずから,裁判を受ける権利とはいいましても,刑事の国選弁護人に係る部分は,特に刑事被疑者,被告人の権利,刑事訴訟法あるいは憲法上の権利の部分であるのに対し,民事裁判の部分は,弁護士がいなくても当事者でも裁判を起こせる分野でございますので,そういうところとの若干の違いはあるのかなと思っております。  いずれにいたしましても,平成18年度の支援センターの予算におきましても,相当な配慮をしているつもりでございます。ちなみに,先ほど申しました後半の平成18年秋からの支援センターの予算としては100億円程度を出資金を除いて確保していると申しましたが,その前半の今年の9月末までの間は,先ほど申しました財団法人法律扶助協会がまだ指定法人として残っておりまして,扶助の事務を行います。これに対しても,半年分でございますが,約24億円の補助金を法務省として確保してございます。ですから,それを単純に倍していただきますと,48億円ぐらいの額になりまして,先ほど申しました平成17年度の補助金の額が45億円程度でございまして,それからしても伸びがございます。  また,これもちょっと細かくなって恐縮でございますが,今,財団法人法律扶助協会は,その事務職員の確保についての基本的な補助金はないものでございますけれども,支援センターにおいてはその事務職員の事務体制についてはすべて運営交付金等によって賄われることになりまして,その事務体制の確保も十分できているのではないかと思っております。  そういうことを前提にすれば,今後の民事法律扶助は,もちろん広報が進むことによって件数が増されることもあると思いますけれども,その体制というのは相当程度できるのではないか,また今後,支援センターの執行部にもよく御検討いただきまして,そういう体制をとっていただけると有り難いなと思っております。  それから,常勤弁護士について,専従ということでぎちぎちにすると,非常に来手がないのではないかというお尋ねがございました。その点につきましては,これまでの日本弁護士連合会等との検討の中でも議論になっているところでございます。ただ,これは最終的には司法支援センターの方の任用政策の問題になりますので,要は非常にきつ過ぎるような形だと人が集まらないということも踏まえてお考えになるのではないかと思います。もちろん,逆に言えば,まさに吉川先生がおっしゃいましたように,国費を投入して弁護士を確保してやっていく部分もございますので,そこはおのずから中心的な業務に常勤弁護士が当たっていただくということは極めて重要なものでございます。ないとは思いますけれども,ほかのところのアルバイトにかまけて本来的な業務,刑事国選弁護の業務や法律扶助の業務等を十分できないということがないようにする必要は十分ございます。そういうこともございまして,中期目標の3ページの上の方の3の(3)のところには,十分業務に専念していただくというところも入れさせていただいているところでございます。  それから,同じ項目の3ページの(3)のところでお尋ねがございました。「複数事件の包括的な委託の活用」というところでございます。これも,具体的には司法支援センターの方でお決めいただくべき問題だろうとは思っております。先ほどイギリスの制度の御紹介をいただきましたけれども,いろいろなやり方があると思います。ただ,ここにありますのは例示でございまして,我々の検討のプロセスの中では,例えばブロック契約というのがあるそうでございまして,一定の類型の事件を複数件,一定の金額でお受けいただくといったことも考えていいのではないかということでございます。具体的には今後,支援センターの方で,そういうものができるものか,できないものか,またそういうことをやっていただける弁護士や司法書士の先生方がいらっしゃるかどうかも踏まえて,検討が進むであろうと考えております。  最後のお尋ねは4ページの上の方の(5)でございまして,司法過疎対策についてのお尋ね,ありがとうございました。この点について,非常にわかりにくい分野でございますので,また法律の条文に従ってちょっと御説明をさせていただきたいと思います。先ほどの総合法律支援法の条文を見ていただきまして,5ページの下の方が先ほどの32条でございますが,上の方に「四」とございます。これは,条文の数で言いますと,第30条第1項第4号に当たるところでございます。司法支援センターの司法過疎対策と言われる部分は,主としてといいますか,まずこの条文について言われることが多いわけでございます。これは何かと申しますと,まず読んでいただきますと,「弁護士,弁護士法人又は隣接法律専門職者がその地域にいないことその他の事情によりこれらの者に対して法律事務の取扱いを依頼することに困難がある地域において,その依頼に応じ,相当の対価を得て,適当な契約弁護士等に法律事務を取り扱わせること」となってございます。この条文は,要は弁護士さん等がいらっしゃらないような地域で,「相当の対価を得て」,要はお金をお持ちの依頼者の方であればお金をいただいて,「適当な契約弁護士」,ここで想定されておりますのは常勤弁護士が主となりますけれども,それに法律事務を提供させるということでございます。これはまさに吉川先生御指摘のとおりでございまして,もちろんお金をちょうだいしてやるというのもありますし,先ほど言いました民事法律扶助に関する,資力のない方について事件を処理して差し上げるというのも当然常勤弁護士がやることを予定しております。  その場合どうなるかと申しますと,まず先ほど申しました有料で事件を処理する場合の仕組みとしては,常勤弁護士には支援センターから給与が支払われる。ですから,依頼者からちょうだいするものにつきましては,支援センターに入れていただきまして,常勤弁護士には給与をお支払いする。また,民事法律扶助の世界で申しますと,一般の契約弁護士さん,一般の先生方に今やっていただいておりますけれども,そこにお願いする場合は,支援センターが弁護士費用の立てかえをして差し上げるというものですが,常勤弁護士が処理する場合には,立てかえではなくて,常勤弁護士は事件を処理して,常勤弁護士には給料が払われているというものでございます。もちろん,そのほか刑事の国選弁護,被告人,また今後は被疑者のものも一部出てきますけれども,その国選弁護についても常勤弁護士がその事件の処理に当たるということが予定されてございます。  長くなりましたが,以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。  吉川委員,いかがでしょうか。 吉川委員 ありがとうございました。 山本委員長 それでは,ほかの点についての御質問を。嶋津委員,それでは。 嶋津委員 今のお話は,専門的な御説明なので,ちょっと頭の中に入りにくいんですけれども,少なくとも2ページの「均質な」という言葉の使い方とすれば,今この表現だと吉川先生が言ったようにしか読めないので,修文が必要なんじゃないでしょうか,と思います,第1点は。  第2点は,これは質問なんですけれども,全国に1つつくる支援センターと,50の地方事務所ができる。そういう「地方事務所」という言葉が1ページに出てきますね。それと,3ページの司法過疎対策のところで,「司法過疎地域における事務所については」の「事務所」というのは同じなのか,別な言葉なのか。それから,4ページの司法過疎対策のところで,「地域事務所に配置された常勤弁護士」という言葉と「地方事務所」という言葉とはどう使い分けておられるのか,端的にこの点についてちょっと御質問をします。 小山参事官 参事官の小山でございます。御説明させていただきます。  「地方事務所」と申しますのと「地域事務所」,確かにこの概念の書き分けがこの中期目標に明確にされていなくて,ちょっとわかりにくくて恐縮でございます。「地方事務所」と申しますのは,地方裁判所の本庁所在地に置かれる事務所のことを想定しております。「地域事務所」と申しますのは,主として司法過疎地域等に置かれる,常勤の弁護士が配置される,その地域だけの事務所ということでございます。 嶋津委員 ということになると,3ページの(4)の「司法過疎対策における事務所」というのは,「地域事務所」という意味なんですか。それでは,同じ表現にしておかないとおかしいですね。だから,括弧して,「そこを地域事務所という」とかと書いておけばいいんですかね。 小山参事官 わかりました。はい。 嶋津委員 いやいや。そういうことなんですか。 小山参事官 そういうことでございます。はい。 嶋津委員 それで,具体的な内容の御質問をしますと,今の司法過疎対策というのがわかりやすいので,その点について言いますと,2ページの司法過疎対策では,要するに過疎地域について,そういうものの解消に取り組む方法というのは,幾つかの方法があると思うんですけれども,この中期計画の中では,要するにそういうところで弁護士さんに仕事をやってもらうようにあっせんするとか誘引するとかということはやるのか,やらないのか。地域事務所といいますか,そこに常勤の弁護士さんを配置するということが唯一の方法なんですか。それ以外の方法ということは考えられないのか。  それと,そこでそのように言いながら,効率化対策のところでは,司法過疎対策について言うならば,3ページのところでは,事務所については見直しをして,やめてしまうといった書き方がしてありますね。その関係はどう読めばいいのだろうかという,ちょっと基本的な疑問を感ずるんですけれども,どうすればいいのか。 小山参事官 まず,この中期目標が想定しております司法過疎対策,これまで準備段階から検討してきました司法過疎対策は,今,嶋津委員がおっしゃられたような,地域事務所にスタッフの常勤弁護士を配置していくというものを中心に考えてきております。具体的に誘引策というものがもしあれば非常にいいのでございますけれども,そこまでの検討は今の段階ではなされていない。今後,司法支援センターで具体的にこの目標とはまた別に考えられるということは,あるかもしれません。  それから,まさに効率化の部分に書かれております3ページの(4)の部分だと思いますが,これは,このベースがございまして,御承知の法曹人口の拡大というものがこの前提の政策でございます。まさに今,嶋津委員がおっしゃったこととも関係していると思うんですけれども,法曹人口がふえることによって自然にその地域に法曹が定着していくというのが,本来ベストである部分もあると思っております。ただ,なかなか難しいところもあるものですから,日弁連のひまわり基金の公設事務所,要は弁護士会の特別会費によってそういうところに弁護士事務所を開設していくというのもありましたし,この支援センターの司法過疎地域のいわゆる地域事務所もあるわけでございます。ただ,3ページの(4)のところにありますように,「支援センターの業務の補完性」,これは条文の中にもあるのですけれども,これは例えて言えば,支援センターの地域事務所があることによって,かえってそこで開業されている弁護士さんの業務を阻害するといいますか,これは端的に言えば非常に経営を圧迫するとか,そのようなことがあってはいけないだろうということがございます。ですから,また法曹人口がふえていく,あるいはいろいろな地域に弁護士さんが定着していくということになれば,司法支援センターがその地域に地域事務所を置くということは,業務展開の在り方として,別のところに地域事務所を転進させるとか,いろいろなやり方が考えられるだろうという内容でございます。 山本委員長 いかがでしょうか。 嶋津委員 ちょっと今の御説明を聞いても具体的なイメージがわいてこないんだけれども,例えば司法過疎地域というのが,「実働弁護士がいないか1名しかいない地域の解消」と書いてありますね。そして,その後で,3のところでは「補完性」とか,そういうことを言っていると,例えば一人いるところにもう一人事務所をつくるというのは,当然にもう一人の弁護士さんの仕事を奪うことになりますね。その「補完性」とか,そういうものの定義がちょっと具体的ではないから。あるいは,弁護士がいない地域においても,隣接の地域の人がテリトリーとして考えているような地域もあるかもしれません。そうすると,「補完性」ということからいったら,そのような地域に地域事務所を設置すること自体が,そこにいる弁護士さんが反対したらもうできないということになりかねませんか。そういう疑問が出てくるんですが,どうなんでしょうか。 小山参事官 お答え申し上げます。まず,いわゆる弁護士ゼロワンと言われるワンの地域はどうなんだということだと思うんですけれども,特に民事の裁判になりますと,原告側と被告側と大体代理人が必要な場合も多くございまして,そういうところもあって,今まで日弁連さんの司法過疎対策,ひまわり基金の対策においても,弁護士ゼロワン地域と申しますのは,現在地方裁判所の支部が全国に203ございまして,それから本庁の管轄が50で,253の地域が全国にございまして,その地域ごとにゼロワンということで見ていき,この支部というのはそういう意味なんですが,そこで今この時点でもまだ10か所ぐらいはゼロで,三十数か所ぐらいはワンだそうでございます。ですから,そういうところ,もちろん将来的に事件数がふえていって,ゼロワンでなくても,2でも3でも足りないんだということになるのかもしれませんけれども,まずは支援センターとしては,今まで日弁連さんがやってきたことともタイアップしながら,そういうゼロワンのところの解消に頑張ってもらいたいということでございます。  それから,先ほどお話にありましたように,隣接,特に司法書士さんのようなものとの関係はよく考えなければいけません。ただ,吉川先生の御質問にもございましたように,民事法律扶助の世界では,簡易裁判所の代理の範囲では司法書士さんができる部分もございます。ただ,地方裁判所の代理の分野あるいは刑事の国選弁護の分野になりますと,これは司法書士さんに権限はないわけでございます。先ほどの私の御説明はちょっとわかりにくかったかもしれませんけれども,お金をちょうだいしてやるというものだけではなくて,当然国としてやらなければいけない国選の分野があるわけです。となりますと,司法過疎といいますのは,一般のといいますか,普通に生活されている方が困っているのもありますし,被疑者・被告人が困っているという分野,そこにおいても必要な部分がございます。ですから,仮に司法書士さんがいらっしゃっても,弁護士を配置しなければいけない分野もあるだろうとは思います。  ただ,この「補完性」という言葉が確かに明確な概念ではない。法律に書かれている部分でも,余り明確ではない分野もございます。そこは,その地域の実際の法律サービスの需要,それはもちろん人口とか民事事件の数あるいは刑事事件の数などをよく見て,支援センターで具体的な配置を御検討いただくべきだろうと考えております。 山本委員長 いかがでしょうか。  それでは,岡田委員,どうぞ。 岡田委員 岡田です。私は,司法制度改革推進本部の法曹制度検討会の委員をやったのですが,あのとき,当初は,日弁連と法務省と最高裁が何かお互いに,言葉は悪いのですけれども,腹の探り合いのような感じを私は受けたんです。ところが,途中から,法曹三者が共通の目的のためにお互いに力を合わせてというのがとてもよくわかるようになりました。その結果,現在,司法制度改革の効果が大変出ているように思います。今回の法テラスに関しても,最近ある弁護士会の会報紙を見ましたら,まだまだ弁護士会においても周知徹底されておらず,知らない先生方がいるということですが,これは私ども消費生活センターの相談員もよくわかっていないといえます。司法制度改革推進本部の中でお互いに共通の目的で協力が確立した法曹三者において,この法テラスに関しては,そこへ地方自治体が入ってきますから,是非団結して地方自治体と連携していくということに力を発揮していただかなければいけないということをお願いしたいと思います。是非とも元へ戻るようなことだけはないようにしていただければと思います。  そこで,4つほど質問したいと思います。まず,1ページ目の2の(1)総括のところなんですが,この4行目に,「懇切・丁寧かつ迅速・適切な対応その他高齢者及び障害者に対する特別の配慮」ということで,これは私たち相談員からすればとても期待しているんです。聞くところによりますと,相談の部分で,資力の乏しい方に関しては,扶助制度を利用して出張相談を受けるとのことですが,条文では特別資力のない人に限っていないと思うんです。32条の2項ですね。では資力があって,是非相談に来ていただきたいといった方に関しては,今後どういう手当てがされるかというのが一つ。  それから,今度は(2)情報提供・関係機関連携強化というところですが,ここに裁判所のことが書いていないんです。法律の条文では30条の1号のイのところできちんと「裁判その他の法による紛争の」と書いてありますので,これは単純に落ちたのかどうなのかわからないんですが,消費生活センターでは弁護士会とか裁判所とかに振り分けることがありますが,まず裁判所というのは弁護士会以上に敷居が高いんです。その意味で,今,最高裁の方ではいろいろな事件ごとのリーフレットをつくっておりまして,地方自治体の法律相談の方にはいっぱい置いてあるのですが,なかなか消費生活センターまで届かないのと,ましてや国民のところまで行かないという部分で,是非ああいうパンフレットを活用していただきたいというのが一つ。なおかつ,パンフレットをポンと出して,それで紹介だけではなくて,できたらその地域の裁判所が入り口から入ってどういう方向に行けば相談センターがあるとかないとか,それから申立てをするときにどんな用紙があるとか,その辺まで誘導していただけるのかどうなのか。これは是非していただきたいなと思いますので,それが2点目です。  次は3ページなんですが,4の(1)の②,「即日に質の高い情報」とあるのですが,これはどんなことを言っているのかというのが3点目です。  最後なんですが,同じ4の(4)犯罪被害者支援のところですが,どうも犯罪被害者という言葉を耳にしたときに,私たちは,切ったはったというか,傷害とか殺人とか,何かそういうことをイメージしてしまうんですけれども,いわゆる詐欺事件,経済的な犯罪,その被害者も入るかと思うんです。そういう被害者の中には,自分が被害者だという認識がないんです。そういう人たちに対してどのように対応していただけるのか。その4点についてお願い致します。 山本委員長 ありがとうございました。  では,事務局の方からお答えをお願いいたします。 小山参事官 小山の方からお答え申し上げます。  まず最初に,特に高齢者・障害者に対する配慮について,資力のある障害者・高齢者等について,出張して相談できるのかどうかというお尋ねがございました。この点につきましては,まずは,先ほど申しましたように,司法過疎地域において支援センターの常勤弁護士等が配置されている場合には,そこの支援センターの業務のやり方として,そういう可能性はある,これは支援センターの方でお決めいただくことは可能だろうと思っております。また,都市部においてはどうだろうということになりますと,これは支援センターの業務の在り方として,弁護士会あるいは司法書士会さんとの連携が重要でございます。ですから,これは支援センターの方で今後,今の岡田先生のような御意見もお伝えいたしますので,業務運営の在り方として御検討いただく必要があるのかなと思っておりますし,また各地の弁護士会あるいは司法書士会の御協力が得られるということが重要ではないのかなと思っております。  2番目のお尋ねで,1ページの下の方で,情報提供・関係機関のことでございまして,これは裁判所をあえて抜いたわけではございません。もちろん裁判所は前提でございまして,この条文を引用するのは煩さになりますので,大体条文の中で「国」と書いてあるものには政府ではなくて裁判所も入ってございますので,裁判所にも当然連携していただく前提でございます。準備段階におきまして,さっき知久先生からも若干御紹介がありましたが,各地でプレ地方協議会が開かれたということがございました。これは,全国の地方事務所50か所に対応いたしまして,各地の関係機関を集めた協議会をやっていただいたのですが,実はこの協議会を主催していただきましたのが地方準備会という機関でございました。もうこれは3月31日で解散になりましたけれども,その中には地方自治体の関係者も入っていただきましたし,地域によりますけれども,あとは裁判所あるいは検察庁,それから司法書士会,あるいは扶助協会の支部の方,それからもちろん弁護士会,そういうところも入っていただきまして,各地における支援センターの地方事務所の準備をしていただいております。その中にまさに裁判所は,地裁の所長と家裁の所長の両方に入っていただいて,いろいろ御協力いただいておりますので,今後も支援センターの業務には十分御協力いただけるだろう。また,その中で支援センターもその地域の情報をよく集めるように,いろいろ頑張って準備してきましたし,今後も設立されましても準備を続けることになりますので,先ほど岡田先生がおっしゃったような非常に懇切・丁寧な情報をお伝えできるようにできればいいなと思っております。  また,その関係で,3ページの4の(1)の②で「質の高い情報」,もちろんこれは非常に抽象的な概念でございますけれども,「質の高い」といいますのは,「木で鼻をくくったようなものではない」というだけのものになってしまうかもしれませんけれども,先ほどまさに岡田先生がおっしゃったような意味で,いろいろな地域に根差した情報,あるいはそのときそのときにテーマになっているいろいろな問題,消費者トラブルの問題も含めまして,そのようなものを懇切に紹介することによって,質の高い情報提供をしたということになると思っております。  最後に,4ページの上の(4)のところでございますけれども,確かに自分が犯罪被害者であることがよくわからないという方もいらっしゃると思います。それは,恐らく民事的な被害を受けていることによって,そこが回復するか,あるいはこれから被害を受けるかもしれないということで,まだ自覚がないのかもしれません。もちろん,この地域の犯罪被害者の各種の団体,犯罪被害者の早期援助団体というのもあるようでございますけれども,そのようなものともよく連携をしておきますので,そういう経済的な被害を受けた方についても,必要なケアは当然この支援センターとして,その地域のネットワークの中でやっていくことになると思っております。 山本委員長 岡田委員,よろしいでしょうか。  それではほかに。どうぞ,吉川委員。 吉川委員 中期目標と中期計画の関係なんですけれども,この中期目標は,私も御質問させていただいたし,またほかの委員の方々からも御質問があったように,かなり抽象的な表現も含まれておりますが,中期計画の段階では,このセンターが具体的に立ち上がった後にセンターの理事長・理事以下の人たちが,この中期目標の文言の範囲内で想定できる,もっと具体的な計画を立てる。それについてもう一度,我々はこの委員会でも御意見を述べさせていただく機会があるという理解でよろしいんでしょうね。 山本委員長 これはそういうことですね。 小山参事官 はい,そうでございます。 吉川委員 つまり,これはまだかなり抽象的なので,具体的にどういうものになっていくのかというのがいま一つ具体的なイメージとしてわからないんですけれども,中期計画の段階になると,もうちょっと具体化されたものが我々の前に提示されるという理解でよろしいのでしょうか。 小山参事官 もちろん,より具体的なものになると思います。また,中期の数年間の目標とそれに対応する計画が出てきますので,法人としてはその中でまた,この評価委員会におかけするまでもない分野も含めて事業計画を立てて,またさらに個々具体的なやり方も決めていきます。自ずからこの目標は非常に抽象的,計画はもうちょっと具体的,それ以下のものは更に具体的と,段階を追っていくと思います。それから,事業のやり方そのもののマニュアルといいますか,それは業務方法書と申します。それから,国選弁護人の報酬の約款,これも細かいものになると思いますけれども,そのようなものも今後この評価委員会で御審議いただきますので,要は業務のマニュアル等には,目標計画よりもさらに具体的なやり方が記載されてまいります。 山本委員長 よろしいでしょうか。  どうぞ,知久委員。 知久委員 何点か質問させていただきたいのですけれども,先ほどの岡田委員の質問に関連してですが,まず質の高い情報ということで,既に鳥取と茨城で実験的にされたということで,かなり効果があったといったお話をお伺いいたしました。ただ,こちらの場所で相談を受けるのではなく,飽くまで情報提供ということですので,実際にそれを振り分けていただいた市民の方がそれによって満足したかどうかといったその後の調査とかフォローというものは,今後どのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。 山本委員長 どうぞ。 小山参事官 実際の満足度の調査までどのようにやるかというのは,司法支援センターの方でお考えいただくべきものなのかもしれません。ただ,いずれにしても,まさに知久先生がおっしゃったように,いわゆるたらい回しの機関がふえたようなものでは余り意味がないわけでございます。そこで,今までの検討のプロセスにおきましては,司法支援センターの今後の在り方として,段階があるだろうと。要は,相手方のあることですので,相手方の機関の御了解を得なければなりませんけれども,お互いにただお客様,依頼者の方,困った人が来たときに紹介し合うだけのものもあるでしょうし,よく話を伺った上で,もちろん依頼者の方の御了解を得て,その話をメモにして相手にお伝えするものもあるでしょうし,あるいはさらに段階が進みまして,相談機関の予約時間とかが決まっている場合において,その予約をちゃんととって差し上げる。そのような各種の段階がございます。それは今後,司法支援センターの中でさらに具体的に検討が進むと思いまして,その中でより満足度の高いものにしていく必要があるだろうなと思っております。  ちなみに,今,知久先生から御紹介いただきました,実は我々は試行と申しておりますけれども,昨年の12月にまずは鳥取県で,電話だけでございますけれども,司法支援センターの情報提供業務の練習をいたしました。また,今年に入りましてからも,今度は茨城県で似たようなことをやってみました。一応,電話で情報提供の担当者が対応して,関係機関に振り分けるということをやってみまして,その振り分けだけの段階では一応アンケート的なものをして,要は「今の振り分けの内容で満足いただけましたか」といったことをお聞きしたところ,鳥取の段階では特に,「10点満点で何点でしたか」とお聞きしますと,大体平均で言いますと9点ぐらいの点数はちょうだいしていたようでございます。もちろん,これは今後,支援センターとしてもそのフォローの仕方をよく考えなければいけないと思っております。 知久委員 それが,こちらの2ページの(3)の②の民事法律扶助の方にはアンケート調査を実施してということが入っておりますが,こちらの3ページの方には特にそれが入っていなかったものですから,できれば同じようにされたらよろしいのではないかと思ったものでございます。  次に,もう一つ質問ですけれども,同じく3ページ,(2)の①でございますけれども,電話による情報提供ということですが,インターネット環境が整ってまいりました昨今では,ホームページとかEメールとか,そういった形の情報提供もお考えになったらどうかなと思うのですけれども,その辺はいかがでしょうか。 小山参事官 資料を用意しておりますので,机上にお配りさせていただきます。これは,これまでの準備段階の検討の内容をまとめたものでございます。もちろん,具体的にはさらに司法支援センターの方でお考えいただくべきものでございますが,今までの検討でまいりますと,今まさに知久先生がおっしゃいましたように,日本司法支援センターというのは右の大きなところにありまして,上の方に「ホームページ」と書いてあります。ですから,当然ホームページでの情報提供というものは前提としておりますし,この紙に書いてありますように,メールでのものも想定されております。電話の一元化というのがこの中期目標の中に書いてあります。これは,この真ん中辺にございますコールセンターといったものを想定したものでございます。 知久委員 ただ,民事の場合には24時間体制ということはまず必要ないと思うのですけれども,今後,刑事ということになりますと,多分365日24時間体制と,そこまではいかないとは思いますけれども,もしかしたらそういった要望が出てくる可能性もある部分だと思うのです。その辺も踏まえて質問させていただきました。 山本委員長 よろしいでしょうか。  それでは,ほかに。どうぞ,小林委員。 小林委員 委員の小林でございます。幾つか質問がございます。質問と御提案とをまぜて,順番に申し上げます。  1ページ目の2の(1)の④のところで,これは吉川委員が一番初めに御質問なさった部分にも含まれるところなんですけれども,④の最後から2番目の段落,結局これは若手の方をたくさんという理解でよろしゅうございましょうか。  それから,3ページ,(2)の②ですが,私は内容的にちょっとイメージがわかない部分がございまして,3行目から,「関係機関・団体が支援センターにおいて集約整理した情報を活用して自ら情報提供を行う」,支援センターがどのように集約整理した情報を関係機関・団体がどのように利用できるのか,もう少し具体的に教えていただけると有り難いです。  それから,(4)の司法過疎対策で,これにつきましては嶋津委員が少し,弁護士が一人いらっしゃるところにもう一人という問題を提起なさいまして,一応裁判所の事件であれば,両当事者の代理が必要ということもあろうかと思いますけれども,このように地域にたくさん根差した体制をつくるということになりますと,各地域のいろいろな事情があったり,あるいは事案の数にむらが出てくるということも結構あるかと思いますので,地域の事務所に専属で属してしまうということではなくて,割と緩やかに連携をとりながらできるような,実際に実行していく上で,地域同士でかなり自由に動けるようにする,そういう自由度を残すといいのではないかという気がいたします。  それから,3ページの4の(3)のところで,国選弁護人の選任のところで今までは時間がかかっているという前提で記載されているように感じるのですけれども,これは多分地域によって違うのではないかとも思いますけれども,今どのぐらいで,努力目標がどのぐらいの感じなのか,教えていただけたらと,以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。  お答えをお願いします。 小山参事官 私の方からお答えします。  まず,1ページの常勤弁護士の採用でございます。それはおのずから,特に例えば司法過疎対策などを行います弁護士さんについて,相当年齢の高い方にどこに行ってもらうというのは難しいというのもあるかもしれません。ただ,具体的な任用については支援センターの方でお決めいただくことになっておりますので,この中では先ほど私が申し上げたようなニュアンスが若干出ているかもしれませんけれども,最終的には支援センターの方でお考えいただくべき問題だろうと思っております。  また,地域事務所同士の関係ということでしょうか,その自由度といいますか……。 小林委員 はい。 小山参事官 そこはもちろんいろいろやり方があると思います。ですから,今後,特に地域事務所をどこに配置するかというのは,まさに司法支援センターで,弁護士をどれぐらい確保できるか等も含めて考えますので,その中で,ちょっとお答えになっているのかわかりませんけれども,今までのいろいろな検討の中では,特定の地域に事務所として配置してしまうだけではなくて,ある程度巡回するとか,そのようなやり方もあっていいのではないかといった検討もされておりました。これはまたさらに,この中期目標の中でも少し出ているようなところもあったのではなかったかと思いますけれども,具体的には支援センターの方でお考えいただくべき問題かなと思っています。  最後に国選弁護の関係でございますが,この支援センターが開業するときは,今までの国選弁護とすごく大きく事情が変わるところがあります。それは,被疑者に対する国選弁護が始まるということです。ですから,被告人,要は裁判になった段階の国選弁護で申しますれば,検察官が起訴いたしまして裁判になります。そこから第1回の裁判の期日までの間が,例えば1か月とか,そういう時間的な余裕がある場合もあるわけです。ただ,被疑者の国選弁護人になりますと,これはちょっと技術的なことで恐縮なんですけれども,最初に逮捕というのがありまして,その後裁判所がお認めになると勾留という,原則10日間身柄を拘束するという手続がございます。その段階から国選弁護人をつけなければならないということになります。それがありまして,特に迅速な対応というものがここにうたわれております。実際にどの程度がいいのかということは,もちろん速ければ速いほどいいということになりますけれども,支援センターの方でも御検討いただいて,もちろん被疑者の段階だけではなくて,被告人の段階も含めて,迅速な対応をとっていただきたいと思っております。 山本委員長 よろしいですか。はい。 小林委員 すみません,3ページの(2)の情報提供のところをお願いいたします。 小山参事官 すみません,お答えを漏らしてしまいまして。これはどういうものかと申しますと,先ほど机上に配らせていただきましたデータベースにつきましては,司法支援センターの情報提供の担当者がそれを活用するのも当然でございますけれども,できれば,例えば地方公共団体,それを御了解いただける団体には,この内容も提供して,そこでも使っていただけるようにしようと思っています。その情報の収集の仕方ですけれども,今この準備段階から,地方公共団体も含めまして,士業さんも含めまして,各地の窓口を持っているようなところには,どういう窓口がいつ開いているかとか,そういうアンケート調査をしております。それを今まで2回にわたってして,集約整理中でございますが,さらに司法支援センターが設立された後は,司法支援センターで,まさにお配りしたものの右側に情報提供システムというのがございますけれども,今はまだ具体的にここでシステムとしてきれいに御紹介できる段階になっておりませんが,今後,設立後にこれが半年間の間に相当な作り込みがなされて具体的なものになります。その中に各地で集められた情報が入っていくということを予定しております。 山本委員長 よろしいですか,小林委員。 小林委員 関係機関・団体が活用するというところが,支援センターが関係機関・団体から収集した情報をもう一度関係機関・団体が活用するということですか。 小山参事官 そういうことです。要は,各地でばらばらになっている情報があるわけです。自分の窓口の情報は各機関でお持ちです。いつ開いているとか,そこを支援センターの方でアンケート調査をしたりして,具体的に情報として集約整理して,データベースに落とし込みます。そのときに,御協力いただける関係機関にはそのデータベースの内容を御提供することによって,要はほかの機関でどういうことをやっているかがその連携関係にある機関でわかるようになって,例えば支援センターを経由して自分のところに自分の専門外の方が来られて,どこかにつながなければいけないというときに,支援センターを経由してつなぐこともできますけれども,場合によってはそのデータを使えば,直接つなぐという連携関係もできるかもしれない。これは,今後この支援センターのつくるシステムが相当作り込まれて,十分に関係機関と連携ができた,その段階でできることだろうとは思っております。 小林委員 わかりました。例えば,たらい回しではなくて,各地元の人が的確なほかの団体を紹介することができるということですね。わかりました。ありがとうございました。 山本委員長 どうぞ,岡田委員。 岡田委員 先ほどは質問だったので,意見を2つほど述べさせてください。  再三ここに懇切・丁寧に,しかも的確に情報提供をするとあるのですけれども,そこで一つ提案なんですが,まずは紹介した先に対しての苦情というのも積極的に受けていただいて,その後に対して,今後,将来的にそこをどうするかということも検討していただきたいということが一つ。  もう一つは,消費者というのは,まず私どもにしろ,弁護士さんにしろ,これは裁判をやって勝ちますかという,そこを一番知りたがるんです。勝つのであれば,弁護士さんもお願いしたい,裁判所に行きたいと言うのですが,なかなかそれは弁護士さんもはっきりと言いません。ですけれども,できたら,これは住宅リフォームセンターがやっているのですけれども,過去の判決とか判例というものを集約しておいて,同じような事件でこういう判決が出ていますという情報を提供していただくことによって利用者が決断する,そういう情報提供も是非ともやっていただきたい。今はそれが消費者センターでも難しいんです。国民生活センターで以前から判例収集しているのですが,最近集まりにくいということを聞いています。過去には消費者関連の判決というのは地方の下級審で多かったのですが,最近は,東京の地方裁判所や高等裁判所でも大変いい判決が出る様になりました。それを提供していただくことによってもう一つ勇気を奮っていけるのではないかと思います。どうか検討して頂きたいと思います。   山本委員長 今の点については,何かございますか。 小山参事官 具体的な運用の御提案だろうと思っております。それは支援センターの執行部の方によくお伝えいたしまして,今後の検討に生かしていただくようにしたいと思っております。なお,支援センターでは,勝敗,これだと勝てますよというところまでお教えすることまではちょっとできないという仕切りです。弁護士法72条という条文などもございまして,弁護士さんができる分野とは若干違うところもあるんです。そこのところの限界はございますけれども,その前提となる情報をなるべく詳細にお伝えするということだろうと理解いたしております。 岡田委員 ありがとうございました。 山本委員長 ほかに御意見は。どうぞ。 宮野委員 私は公認会計士でありますが,実際にこういう法律の事件には未経験でありましたことから,私に何ができるのか心配しております。ただ,専門の分野では,財務内容の改善に関する事項,これについてはまだ恐らく中期計画,業務方法書,そういったものが出てきてからという,あるいはその結果,このようなことで意見を言うところが出てくるのかなと思って,きょうは実情を勉強させていただいております。ただ,このセンターでは会計監査人が監査するということになっておりますけれども,この会計監査人というのは財務諸表監査で支出とか収入の事実が確かであるかどうか,あるいは事業目的に沿わない支出等があるのかということをやりますけれども,業務監査ではありません。そこで,この評価委員会では,業務監査,まさに中期目標に沿って,効率的なむだのない支払いが行われているかという観点からこれから見ていこうかなと一応私は思っているわけです。ここで今,有償でやるサービス業務もあれば,補助で無料のものもある。有料の場合は,4ページの5,財務内容の改善に関する事項の総括のところに書いてある「補助金・寄付金の自己収入増加に努める」とか,(2)の「滞納率を引き下げることなどにより,償還金収入の確保に努める」,これは具体的にどのような方法でやろうとしているのか,ちょっとよくわからない。それから,その収入の内容の説明が要約されておりますので,おっしゃっていることをどのようにイメージすればよいのか,わかり難い。このようなことをちょっと感じております。以上で,これからその辺で検討させていただこうかなと思っておりますけれども。 山本委員長 では,御説明は。 小山参事官 では,簡単に。これはもちろん,その方向性は,この法人自体がまだないものですから,まず補助金や寄付金で申し上げるならば,今後,そういうところをよく集めていただきたいということです。それから,滞納率につきましても,今の財団法人法律扶助協会の中での滞納率の算定方式というのはまだはっきりしていないようでございまして,調べれば把握できるのでしょうけれども,ぱっと数として出てこないようでございます。支援センターでつくります民事法律扶助に関するシステムの中でこの滞納率を明確にカウントして,それを引き下げていくということによって,要は返ってくるお金をなるべく早く返していく。そのような非常に漠然としたもので恐縮でございますが,そういうイメージでございます。 山本委員長 よろしいでしょうか。--ありがとうございました。  そろそろ予定された時間になってきておりますけれども,この評価委員会の任務としましては,本日の時点では,中期目標を法務大臣が定めるについて,この評価委員会としての意見を申し上げるという点にあるわけでありますけれども,今までいただいた御意見において,日本司法支援センターに対する要望ということはさておきまして,中期目標それ自体について,この点を変えるべきではないかとか,この点を加えるべきではないかという御意見は,私が伺った限りでは,そこまでの御意見はなかったようにも思われたのですが,修文といいますか,文言としては,ややわかりにくいのではないかという,例えば2ページの(3)の①で,「全国的に均質な受任者の確保態勢」という「均質な」というのが「受任者」ではなくて「確保態勢」にかかるというところが,これは日本語としてわかりにくいのではないかという御指摘が嶋津委員などからあったかと思います。それは踏まえていただくということで,法務大臣に御意見を申し上げるというまでのことはないかなという感じがいたしますが,いかがでしょうか。 小山参事官 今御指摘いただいた若干の修文,字句の修正というところであれば,ちょっと委員長と相談させていただいてやらせていただけますと非常に有り難いと思っておりますが。 山本委員長 それはそのようなことでよろしゅうございましょうか。あと地域事務所についても御指摘があったと思いますが。どうぞ。 嶋津委員 ちょっと気がついたことだけ申し上げますと,3ページの4の(1)の②,「情報を求めて訪れた利用者100%に対して」という表現もやや唐突な感じで,「100%」というのは要らないんですかね。お気持ちはわかりますけれども,90%ということはあり得ないんだとすれば,みんなにということだと思うんですが。(笑声) 小山参事官 委員長とよく相談させていただきまして,検討させていただきます。 山本委員長 あと,内容に当たる部分についてはいかがでしょうか。あえてこの目標案について修正ということは。どうぞ,吉川委員。 吉川委員 私も御質問させていただきましたし,ほかの委員からもいろいろ御質問がありましたように,かなり表現が抽象的なので,若干わかりにくい点もありますけれども,書かれていること自体に特に異議はないので,今後これを踏まえてセンターの方で中期計画をつくった段階で,またもし内容的にいろいろ何かあれば,そこで御意見を申し上げるという前提で,きょうはこれでいいのではないかと私は思います。 山本委員長 ありがとうございました。ほかの委員は,そういうことでよろしゅうございましょうか。  それでは,そういうことで,今の文言につきましては,私と事務当局で御相談させていただくということにさせていただきたいと思いますが,中身自体については特に付すべき意見はないという形で法務大臣に御報告するということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。  それでは,大変活発な御意見の交換であったかと思いますが,私の不手際で時間を若干超過して申し訳ありませんでしたが,本日の第1回評価委員会につきましてはこの程度にさせていただきたいと思います。  それでは,今後の予定につきまして,事務局の方から御説明をお願いします。 井上課長 次回の委員会につきましては,事前に委員の方々のスケジュールの確認をさせていただきまして,全員が必ずあいているという日が残念ながら一つもございませんでしたので,申し訳ございませんが,なるべく多くの方が出席できるという観点で日程を調整させていただきました。次回につきましては,4月18日,近いところでございますが,午前10時から12時までの2時間ということにいたしまして,場所はこの隣,東京高等検察庁17階の第2会議室というところでございますが,事務局から改めて詳細の連絡をさせていただきます。  次回の主な議題といたしましては,センターの方で策定を事実上進めております中期計画案というものがございますので,それと役員報酬規程案というもの,その2点につきまして現在のところ予定してございます。  なお,本日の議事録の作成について,手順的なことでございます。本日の審議の内容につきまして,事務当局で議事録の原案をまず作成いたしまして,御出席の委員の皆様に発言内容が尽くされているか,御確認いただいた上で,委員長にその全体を御確認いただき,その上で公表するという手順で進めさせていただきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。  では,本日の議事を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 -了-