日本司法支援センター評価委員会 第33回会議 議事録 第1 日 時  平成25年7月10日(水)   自 午後 1時30分                         至 午後 4時40分 第2 場 所  法務総合研究所第5教室(中央合同庁舎6号館赤れんが棟3階) 第3 議 事  (1) 日本司法支援センターの業務実績評価について  (2) 法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について  (3) 日本司法支援センターの業務評価のための項目別評価表及び総合評価表について  (4) 今後のスケジュール 議        事 伊藤委員長 お暑いところ御苦労さまでございます。   定刻になりましたので,ただ今から日本司法支援センター評価委員会第33回会議を開催いたします。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。   最初に,本日は10名全ての委員に御出席をいただいておりますので,法施行令第7条第1項に規定する定足数でございます過半数の出席要件を満たしていることを確認させていただきます。   議事に入ります前に,当評価委員会の委員に変更がございましたので,御報告申し上げます。   本年6月1日付で,新たに池田江津子委員を当評価委員会にお迎えいたしました。池田委員から,一言御挨拶をお願いいたします。 池田委員 池田でございます。現在,ジャルカードで営業とマーケティングの仕事をしております。法律につきましては本当に素人でございますので,皆様からいろいろ教えていただかなければいけない点があるかと思いますが,どうぞよろしくお願いいたします。 伊藤委員長 こちらこそ,どうぞよろしくお願い申し上げます。   それでは,議事に入らせていただきます。   議題の主なものは,お手元の議事次第にございますとおりですが,大きく分けますと3つでございます。第1に,日本司法支援センターの業務実績評価についてでございます。第2に,法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見についてでございます。第3に,日本司法支援センターの業績評価のための項目別評価表及び総合評価表についてでございます。   各議題につきまして,事務局から説明をお願いいたします。 松井参事官 法務省司法法制部参事官の松井でございます。本日は事務局を務めさせていただきます。昨年3月のこの評価委員会に御参集いただいておりますが,その後,事務局のメンバーが若干変更になっておりますので,御紹介申し上げさせていただきたいと思います。   まず,本年4月に司法法制部付に就任した毛利栄吉でございます。 毛利部付 毛利でございます。よろしくお願いします。 松井参事官 次に,本年7月に司法法制部付に就任した宮木恭子でございます。 宮木部付 宮木でございます。よろしくお願いします。 松井参事官 それでは,改めまして議題につきまして御説明をいたします。   まず,1番目の議題でございます日本司法支援センターの業務実績評価についてですが,お手元に資料が配付されていると思うのですが,資料2といたしまして,平成24年度の業務実績につき,支援センターの評価とその理由を記した資料を用意しております。本日は,支援センターからこれらの資料について御説明をいただき,また,各委員からの御質問に対して回答をしてもらうという予定になっています。それを踏まえまして,次回の会議で各委員に御議論いただきまして,業務実績評価についての結論をいただきたいと考えているところでございます。   次に,2番目の議題でありますが,法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見についてでございます。   総合法律支援法の上では,支援センターは財務諸表を作成し,法務大臣の承認を受けなければならないとされているところでございますが,法務大臣がその承認をするに当たりましては,あらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないとされております。その関係で,例年同様でございますが,法務大臣から,支援センターの平成24年度の財務諸表を承認するに当たっての意見をこの評価委員会に求められているところでございます。そこで,この議題についても,本日,支援センターから資料の御説明をいただいた上で,次回の評価委員会で各委員に議論いただき,当評価委員会としての意見の取りまとめをしていただきたいということでございます。   次に,3番目の議題でございますが,日本司法支援センターの業績評価のための項目別評価表及び総合評価表についてですが,日本司法支援センターの業績評価に係る基本方針におきまして,項目別評価は評価委員会が定める項目別評価表に基づき行うと,総合評価は評価委員会が定める総合評価表に基づき行うとされているところでございます。これも毎年の話でございますが,今回も項目別評価表を定めていただくとともに,今回は項目別評価表のうち評価の指標の変更についてお諮りした上で,本年度の評価に用いる様式について決定していただきたいということでございます。   以上でございます。 伊藤委員長 それでは,ただ今説明ございましたような順序で議事を進めたいと思いますが,それでよろしゅうございますか。        (各委員了承) 伊藤委員長 それでは,そのように進めさせていただきます。   なお,本日の会議は16時30分終了を予定しておりますので,そのあたりも皆様方の御協力をお願いできればと存じます。   続きまして,本日の配布資料につきまして,事務局から説明をお願いいたします。 松井参事官 配布資料につきましては,今お手元にあるとおりでございますが,毎回大量の資料を差し上げて大変恐縮している次第でございます。   説明をさせていただきます。   まず,赤いインデックスが貼ってあります資料1でございますが,これは本年6月1日以降の当評価委員会の委員名簿でございます。先ほど御紹介がありましたとおり,池田江津子委員が新たに委員になられているところでございます。   次に,資料2ですが,これは支援センターの業務実績評価に関する項目別評価表でございます。ここに記載されました実績や自己評価とその理由については,後ほど支援センターから御説明をいただく予定でございます。   次に,資料3−1から3−6という資料がございますが,これらは平成24年度の支援センターの業務実績報告書,それから財務諸表,事業報告書,決算報告書,更に監事の意見,会計監査報告書でございます。これらにつきましても,後ほど支援センターから説明をしていただく予定でございます。   次に,資料4でございますが,これは支援センターにおける契約の点検結果を記載した監事の意見書でございます。   次に,資料5についても資料5−1,5−2,5−3とございますが,まず資料5−1,5−2につきましては,本年度の業務実績評価に用いる項目別評価表の様式案,それと総合評価表の様式案でございます。資料5−3は,項目別評価表の様式案中の評価の指標の変更に関する資料でございます。これは先ほど御説明いたしましたとおり,事務局から御提案させていただくものでございますが,この評価委員会でこの書式を使うかどうかの決定をしていただくということになってございます。   次に,机上配布資料ということで青いインデックスが貼ってあるものについてですが,資料A−1,A−2,A−3につきましては,総務省政策評価・独立行政法人評価委員会の「独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点」,「平成23年度における日本司法支援センターの業務の実績に関する評価の結果についての意見」及び「平成24年度業務実績評価の具体的取組について」というものでございます。資料A−1は,昨年の評価の際に御覧いただいたものから変更されていませんが,資料A−2,A−3は,今年新たに送付されたものでございます。今般の評価に当たって特に留意すべき事項が幾つか記載されてございます。次に,資料A−4は,資料A−1,A−3に記載された事項に係る支援センターの取組状況をまとめた資料でございます。政独委から,これらの事項についても,「法人の取組状況に対する評価委員会としての見解を評価の結果において言及するべき」との指摘が過去になされているところでございます。   最後に,資料Bですが,これは「日本司法支援センターの業務実績評価に係る基本方針」でございます。こちらは平成22年度業務実績評価の際に変更したものになりまして,本年度も引き続きこの方針にのっとって評価を行っていただくこととなります。   資料の説明は以上でございます。 伊藤委員長 委員の皆様,お手元に資料がそろっておりますでしょうか。   それから,あらかじめ御了解いただきたいところでございますが,支援センターの業務実績報告,財務諸表の承認につきまして,当委員会としての認識,理解を深めるために,毎年のことではございますけれども,支援センターから梶谷理事長を初めとする皆様方に御出席いただいて説明をお願いしたいと存じますが,この点もよろしゅうございますか。        (各委員了承) 伊藤委員長 ありがとうございます。   それでは,議事を進めたいと思います。   まず,議題の(1)日本司法支援センターの業務実績評価について及び(2)法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について,この2点についての議事を進めたいと存じます。   これらに関する資料につきまして,支援センターから説明をお願いし,各委員より御質問をちょうだいし,8月に開催予定の当委員会の会議で審議をお願いしたいと考えているところでございます。   そこで,初めに資料2の自己評価及びその理由,並びに資料3−1から3−6まで及び資料4の業務実績報告書等の資料につきまして,支援センターから説明をお願いしたいと存じます。3つのブロックに分けて説明をいただきまして,その間に質疑応答の時間を設けるといった形で進めたいと存じます。また,本日は支援センターの藤原監事,山下監事にも御出席をいただいておりますので,支援センターから1,2ブロックの説明を受けた後と,それから3ブロックの説明を受けた後に,それぞれ御意見をちょうだいしたいと思います。先ほど申し上げましたとおり,御説明をいただく事項が大変多岐にわたっておりますので,そのあたりにつきましても御配慮をいただければと存じます。   それでは,支援センターからの説明をよろしくお願いいたします。 梶谷理事長 日本司法支援センター理事長の梶谷剛でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。   伊藤委員長を初め評価委員会の先生方には,大変お忙しい中,また記録的な猛暑の中,私ども支援センターの業務実績を評価していただくために御参集いただきまして,本当にありがとうございます。心から厚く御礼を申し上げます。例年同様,長時間にわたる御審議をいただくものでございますが,本当に大変なお仕事をしていただくということで,心から感謝を申し上げます。   私ども支援センターの役員等が,この4月に相当程度変更になりました。名前だけ御紹介をさせていただきたいと思います。   田中晴雄常任理事でございます。相原佳子事務局長でございます。竹中理比古総務部長でございます。外山太士常勤弁護士総合企画部長でございます。また,新部第二事業部長が事務局次長として兼任をすることになりました。また,先ほど御紹介ありましたように,山下泰子監事が御就任になっておられます。課長以下も大分変更しておりますが,これは御説明のときにまた自己紹介すると思います。   さて,平成24年は,当センターの第二期中期目標中期計画の3年目でございました。当センターが市民に身近で頼りがいのある存在となるよう,常にその原点を念頭に置きながら業務を推進してまいったつもりでございます。   このような中で,未曽有の災害をもたらした東日本大震災の被災者が,弁護士,司法書士などを依頼したくても,既存の民事法律扶助制度の枠組みの下では資力要件などの制約がありまして,それがアクセスの大きな障害となっているという現場からの指摘がありました。これを受けて,昨年3月23日にいわゆる震災特例法が成立され,4月1日に施行されました。昨年度は,まず,これへの対応が幕開けの業務となったわけでございます。組織一丸となって業務方法書の変更等の準備を終えて,4月16日には説明会などを行いまして,審査委員,職員に制度・業務のポイントの迅速な情報提供を行うなど,業務が滞りなく開始・運営され,被災者が利用しやすい態勢の整備に努めたところでございます。   また,大震災の被害が甚大であった宮城県,岩手県,そして福島県につきましては,地方事務所の相談窓口が各1か所に限られていた,また法的支援に地理的な限界があったということから,被災者にできるだけ寄り添った法律相談をする拠点を設けようということで,これらの県内に合計7か所の被災地出張所を設置することを計画いたしました。そして,平成23年度には宮城県に3か所,岩手県に1か所,平成24年度には福島県に2か所,岩手県に1か所をそれぞれ設置し,目標を達成いたしました。現在もまだまだ需要が多いわけでありまして,震災からの復旧復興に当たっての様々な場面で法的な問題の解決が求められているために,関係機関・団体との連携の下,今後も被災者支援に全力で取り組むことといたしております。   震災対応以外の本来の業務につきましては,各業務とも着実に前進していると思っております。最近でのトピックを申し上げますと,今年の1月,昨年度でありますが,1月7日にコールセンターへの架電が200万件を突破いたしました。これはコールセンターへの架電,メールでございまして,それに地方事務所に各地の住民の方から直接架電をしてくる,これがコールセンターへの架電の大体6割と見込まれておりまして,そうすると100万以上加えられますので,300万件以上の方が支援センターに架電をしてきたということでございまして,市民のアクセスが大変広がっているということを感じておるところでございます。更に誠実にこれからも対処して,社会にとって従来以上に役に立つ,頼りにされる支援センターになることを日々希求し,実行する所存でございます。   本日は,平成24年度の業務実績を御報告申し上げまして,これは自己評価も含んでいるものもございます。あるいは甘過ぎると思われるかもしれませんが,委員の皆様方からの忌たんのない御意見,御指摘をいただきまして,業務の改善につなげていきたいと考えておりますので,どうぞよろしくお願いを申し上げます。 伊藤委員長 梶谷理事長,ありがとうございました。   それでは,引き続き説明をお願いいたします。 竹中部長 総務部長の竹中でございます。引き続きまして,私から説明をさせていただきます。   説明の前に,大変恐縮ではございますけれども,理事長,ちょっと所用がございまして,ここで退席をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 梶谷理事長 恐縮でございますが,どうぞよろしくお願い申し上げます。 竹中部長 恐縮ではございますが,座って説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。   それでは,平成24年度の業務実績について説明をいたします。   時間の関係もございますので,特に重要と思われる事項やこれまで評価委員会で重要なテーマとして議論いただいてきた事項を中心に説明をさせていただきます。説明時間ですが,最初の第1ブロックとして,資料2の項目別評価表の項目1から28までを最初に説明させていただき,説明時間はおおむね20分ないし25分を予定しております。   それでは,まず資料2の項目1を御覧ください。   項目1のうち,東日本大震災の被災者支援の取組として,平成24年度は新たに震災特例法に基づく震災法律援助業務を円滑・適切に実施いたしました。また,被災地における法的サービスの拠点として,新たに福島県内に2か所,岩手県内に1か所の合計3か所の被災地出張所を設置し,平成23年度に設置した宮城県の3か所,岩手県内の1か所と合わせて,目標であった7か所の被災地出張所の設置を完了させ,被災地のニーズに応じた法的サービスの提供に努めました。福島県双葉郡広野町に設置したふたば出張所では,新たにテレビ電話を利用した法律相談ができる態勢を整備いたしました。さらに,移動相談車を被災地出張所7か所に配備し,仮設住宅などを訪問して相談活動を実施いたしました。   以上から,自己評価はAとさせていただきました。   続きまして,1つ飛んで項目3を御覧ください。   この項目は,高齢者・障害者等に対する適切なサービスの提供に向けた取組に関するものです。   平成24年度は,新たに視聴覚障害者向けの点字パンフレットを作成し,全国の点字図書館など89か所に配布して,その利用を図りました。また,高齢者・障害者など自ら相談場所に赴くことが困難な方を対象とした出張法律相談を1,790件実施し,地域の病院などを巡回することにより,2,629件の巡回法律相談を実施いたしました。   以上から,自己評価はAとさせていただきました。   続きまして,項目4を御覧ください。   この項目は,利用者からの苦情等への対応に向けた取組に関するものです。   平成24年度は,新たに一般契約弁護士に対して利用者の声を伝達する制度を導入しました。この制度は,利用者から支援センターに届けられた声を,支援センターの業務の主たる担い手である一般契約弁護士に伝達することにより,よい良い法的サービスの提供につなげたいという趣旨に基づくものです。この制度は,平成25年5月時点において18か所の地方事務所において実施しており,今後も実施事務所の拡大に努めてまいります。   以上から,自己評価はAとさせていただきました。   続いて,項目6を御覧ください。   この項目は,効率的・効果的な広報活動に向けた取組に関するものです。   平成24年度は,本部と各地方事務所が連動するよう広報計画を策定し,4月10日の「法テラスの日」には,本部のプレスリリースなどとタイミングを合わせて地方事務所が地域的な広報活動を実施するなど,広報効果を高めるよう努めました。また,平成24年度は新たにツイッターによる広報を実施すべく準備を整えました。さらに,内閣府政府広報室と連携し,支援センターの被災者支援への取組等についてのテレビ番組の放映を果たすとともに,最高裁判所の協力を得て,全国の家庭裁判所に支援センターのパンフレットを備え置くことを実現いたしました。   しかしながら,認知度が微増にとどまったことから,自己評価はBといたしました。   続いて,項目7にまいります。   この項目は,民事法律扶助事件の担い手の確保に向けた取組に関するものです。   この項目に関しては,全国の地方事務所において各地の弁護士会,司法書士会に対し,民事法律扶助契約の締結に向けた働き掛けを積極的に行うなどの取組を行いました。その結果,いずれも前年度比で平成24年度末の時点における一般契約弁護士数は1,293名の増加,一般契約司法書士数は290名の増加となりました。また,新たな業務である震災法律援助業務の担い手の確保に努めた結果,弁護士2,387名,司法書士1,017名を確保いたしました。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目8を御覧ください。   この項目は,国選事件の担い手の確保に向けた取組に関するものです。   この項目に関しては,各地方事務所において支援センター主催の説明会を開催するなどの取組を進めた結果,平成24年度末の時点でいずれも前年度と比べて,国選弁護人契約弁護士数は991名の増加,国選付添人契約弁護士数は1,002名の増加となりました。また,被害者参加契約弁護士数も前年度より321名増加して3,335名となり,全ての地方事務所で女性の被害者参加契約弁護士を確保いたしました。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目9を御覧ください。   この項目は,常勤弁護士の確保に向けた取組に関するものですが,平成24年度においては,「スタッフ弁護士採用案内」を改訂するなど常勤弁護士の業務実態に関する理解を深めることができるよう工夫を凝らしつつ,合計11回の就職説明会を実施したほか,司法修習生,全国の法科大学院のエクスターンシップ実習生の受入れを積極的に行いました。また,実務経験のある既登録の弁護士の確保に向けて,新たに日本弁護士連合会が開設して運用している司法修習生向けフェイスブックに就職情報を掲載するなどの採用活動を実施した結果,常勤弁護士数は13名の増加となりました。   以上から,自己評価はAといたしました。   1つ飛びまして,項目11を御覧ください。   この項目は,国民の期待に応えることのできる常勤弁護士の確保等に向けた取組に関するものです。   項目9で述べたとおり,既登録の弁護士の確保に向けた採用活動を実施した結果,新規採用63名中,法曹実務経験者14名を採用することができました。   以上から,自己評価はAとさせていただきました。   1つ飛びまして,項目13を御覧ください。   この項目は,効率的・効果的な研修の実施に関するものですが,一般職員に対しては階層別研修等を実施し,研修内容も討議形式を導入するなど研修員が能動的に参加できるよう工夫いたしました。常勤弁護士に対しては,実践的な知識や技術が身に付くよう,日頃の実務を通して学ぶべき必要があると実感しているテーマを常勤弁護士の側から提出させて,意見交換などを行う研修を実施いたしました。また,相談者が精神疾患を抱えている場合に常勤弁護士がより適切な弁護方針を立てることができるよう,パーソナリティ障害対応研修を実施いたしました。   裁判員裁判については,実際の裁判員裁判用の法廷を使用し,研修参加者全員が複数回模擬の尋問を行うなどの研修を実施するとともに,裁判員裁判弁護技術研究室によるバックアップを継続して実施いたしました。   裁判員裁判以外の事件については,常勤弁護士業務支援室において日常的に指導・助言を行い,新人常勤弁護士に対しては起案の添削指導を行うなど,常勤弁護士の業務遂行能力の向上を図りました。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目14にまいります。   この項目は,内部統制・ガバナンスの強化に向けた取組に関するものですが,理事長が的確な判断を行い,リーダーシップを適切に発揮できるよう定期的に開催している執行部会において,理事,幹部職員等による活発な議論や多角的な観点からの知恵出しなどが行われました。   また,平成24年度は,ガバナンス推進委員会の活動として,全組織を対象とした業務・組織の点検を行ったほか,コンプライアンス・マニュアルを作成し,全役職員に周知しました。また,社内報として10回にわたり「ガバナンスレポート」を発行し,全職員にガバナンスの重要性を浸透させました。   内部監査の体制についても,監査室の人員を増加させて強化し,内部監査,監事監査,会計監査人の監査の連携を一層図っており,内部統制・ガバナンスの充実強化を図りました。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目15にまいります。   この項目は,過誤事例等の発生防止に向けた取組に関するものです。   この項目については,国選弁護報酬の過大請求発覚により導入した不正請求防止のための接見資料制度を根付かせるとともに,一般契約弁護士から諸規程への理解を得るべく,国選弁護業務に関する解説書を作成・配布したほか,研修等を通じて職員の諸規程に対する理解力向上や,本部と地方事務所・支部との認識共通化にも努めるなど,過誤事案発生のもとを断つ地道な努力を続けました。   以上から,自己評価はAといたしました。   少し飛んで,項目20にまいりたいと思います。   業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置の項目でございます。   項目20ですが,この項目は,一般管理費等の合理化・効率化に向けた取組に関するものです。   これまでどおり,当センターでは国家公務員給与法と同じ内容の給与規程を導入して,給与水準の適正を維持しています。平成24年度における国家公務員との給与水準の比較指数であるラスパイレス指数は81.6となっております。   経費の節減については,一般管理費は前年度比3%以上,事業費については前年度比1%以上を削減目標とし,節減に取り組みました。一般管理費については,目標達成には約6,900万円の削減が必要であったところ,広報経費や複写機リース料などを削減した結果約3億1,000万円を,事業費については,目標達成には約1,300万円の削減が必要であったところ,ネットワーク回線使用料やシステム保守料を削減したことにより約11,200万円を削減するなどした結果,いずれについても目標を達成いたしました。   以上から,自己評価はAといたしました。   1つ飛びまして,項目22にまいります。   この項目は,常勤弁護士の配置についての新たな取組に関するものです。   平成24年度は,常勤弁護士を地方自治体や社会福祉法人に派遣し,外部研修を受けさせました。なお,本年度からは被災自治体への派遣も開始し,宮城県東松島市,福島県相馬市には既に常勤弁護士を派遣しており,今後も福島県の浪江町,宮城県気仙沼市などへの派遣を予定しております。   他方で,福祉分野の関係機関との連携協力関係を確保・強化すべく,東京法律事務所において,いわゆる司法ソーシャルワークのモデルケースとしてパイロット事業を進めておりますが,これらの取組が常勤弁護士の適正な配置・採用に結び付くまでには至っておりません。そのため,自己評価はBといたしました。   続いて,1つ飛びまして,項目24にまいります。   この項目は,情報提供業務の効率的な運営,コールセンターの利用促進に関するものです。   この項目に関しては,情報提供業務に関するコールセンターと地方事務所の役割などについての関係機関・団体への説明を継続して実施したほか,地方事務所からコールセンターへの内線転送を促進し,この内線転送件数は平成23年度より増加して,1万4,156件となりました。平成25年1月にコールセンターの利用件数が200万件を突破したことに伴い,プレスリリースを実施するとともに,仙台市内において報告会を実施いたしました。そうしましたところ,コールセンター利用件数200万件突破のニュースが地元のテレビ報道で取り上げられました。   その結果,貸金業法の改正に伴う多重債務事件の減少といった要因があったにもかかわらず,情報提供件数は平成24年度は53万8,191件と,前年度と同程度の件数を維持することができたとともに,全体に占めるコールセンターでの応対件数は6割を超える割合を維持しております。   また,コールセンターの自主運営が2年目に入り,コールセンターにおいて民事法律扶助の資力要件を確認の上,地方事務所へ転送する運用を開始するなど,効果的・効率的な業務運営を図る施策を実施いたしました。   以上から,自己評価はAとさせていただきました。   続きまして,1つ飛んで項目26に行かせていただきます。   この項目は,民事法律扶助の事務手続の合理化に向けた取組に関するものです。   この項目に関し,書面審査を全ての事務所で実施し,単独審査を34地方事務所で実施いたしました。また,審査実務に精通した審査委員が集中的に事前準備を行う地方扶助専門審査委員制度を充実し,これを全国34事務所で実施いたしました。   さらに,平成24年度は新たに地方事務所が家事事件で被援助者に提出を求めている書類の実態調査を行い,提出書類の統一化・合理化の必要性について地方事務所との意識共有を図りました。   以上から,自己評価はAといたしました。   項目27,28は省略をさせていただきます。   以上,項目28まで第1ブロックの説明を終了させていただきます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   それでは,ただ今の竹中部長からの説明を中心にいたしまして,委員の方々から御質問があれば御自由にお願いいたします。   髙部委員,どうぞ。 髙部委員 項目22についてお尋ねいたします。   先ほどの御説明で,「司法ソーシャルワーク」という言葉が出てまいりましたが,司法ソーシャルワークというのは具体的にどういうものを指すのか,まずは御説明をいただいてよろしいでしょうか。 竹中部長 司法ソーシャルワークは,法的なトラブル等を抱えている人たちに対して,社会的な関係機関等のいろんなインフラを総合的に利用して,より良い生活を実現するための取組ということで理解しております。 伊藤委員長 どうぞ,髙部委員。 髙部委員 そこで,続けて御説明を伺いたいんですけれども,支援センターの中で司法ソーシャルワークという取組をされるに当たって,主としてどういう方が担当されるのか。誰に任せるとか,そういうような形のお話についての御検討はもう進んでいるんでしょうか。 竹中部長 検討を進めているところでございます。具体的にどういう形で取り組んでいるのかという点でございますが,司法ソーシャルワークによる取組の対象となる方々は,一般的には自ら我々のところに支援を求めてくることができない社会的な弱者であるということで理解しております。そういう方々に対して,きちんとした法的なサービスを提供するためには,こちらから出向いていってサービスを提供することが必要であると。しかも,出向いていくに当たって,対象となる方々に対して直接出向いていったとしても,必ずしも十分なサービスを提供することはできない。すなわち,そういった方々は,自らが法的なトラブルを抱えているということを認識されていない方もおられるということで,そういった意味では,そういう社会的な弱者の方々を取り巻いてお世話をしている方々との連携,情報共有が極めて重要であると考えております。   そういう意味で,福祉機関の方々とは,まずは地方事務所の職員が具体的に,お互いに顔を合わせて問題点等についての情報を共有するという形での取組を始めております。そして,最終的に法的トラブルを解決するに当たっては,弁護士や司法書士その他の専門家の方々の取組も当然必要になってまいります。そういったところで,専門家がどういう形で取り組んでいくのか,どういう形で関わっていくのかということについての検討も始めているところでございます。 伊藤委員長 どうぞ,髙部委員。 髙部委員 最後の質問になりますが,今のお話を前提にすると,やはり常勤弁護士に基本的には足を運んでもらって法的トラブルの関係を解決するということが期待されている方向かなと,今の御説明を聞いて認識しているわけです。そこでお尋ねですが,要するに先ほどからも若干御説明があったんですが,常勤弁護士の各都道府県への配置状況はどのようになっているのでしょうか。 小島課長 常勤弁護士総合企画課長の小島と申します。よろしくお願いします。   各都道府県の配置状況ということですけれども,簡単に申しますと,配置していない県と,している県と分かれていると,そういう状況でございます。全県配置を目指していきたいということでやっておるんですが,まだ配置できていない県が数県あるという状態です。 髙部委員 具体的に何県で,かつ,どこの県なのかということを教えていただけませんか。 小島課長 養成中の弁護士も含めて配置していない県というのは,北からいきますと宮城県,石川県,山梨県,大分県という状況になっています。 伊藤委員長 どうぞ,髙部委員。 髙部委員 当然のことながら,当該県に常勤弁護士がいないということになると,今問題になっている,いわゆるアクセスが非常に難しいかなという気がするんですが,今後この問題に関して支援センターとしてどういう取組をお考えになっているのか,最後にお尋ねをさせていただきたいと思います。 竹中部長 まずは,一般の契約弁護士などにできるところについて協力をいただきながらやっていきつつ,常勤弁護士についてのセーフティネットとしての取組が十分にできるような取組を進めていきたいという考えは持っております。 髙部委員 ありがとうございました。 伊藤委員長 坂本委員お願いします。 坂本委員 そのソーシャルワークのことについて,引き続き御質問させていただきます。   ここの資料によりますと,東京地方事務所で実践をしておられるということですが,実態としては,地方事務所に常駐する弁護士が一人くらいで,全ての需要に応えることは難しく,この体制を作っていこうとすると,相当な数の弁護士やスタッフが必要になるんだろうと思うんですね。   一方で,社会的なニーズからいくと非常に適切な方向に向かっておられて,この体制を作っていくというのは社会が求めていることであって,ここに重点を置く必要があると思うんですね。このソーシャルワークのモデルケース事業を広げていくためには,ハードルが非常にたくさんあると思われます。今模索をしておられるということで大変な時期なんだろうなと思うんですけれども,将来の展望として,どの程度までやっていく心づもりでおられるのかというのを是非お伺いしたいと思います。非常に関心を持っていまして,これからの支援センターの事業としては非常に重要な位置付けになっていくのではないかなと感じております。 竹中部長 御指摘いただいたとおり,現在の取組は,例えば個々の常勤弁護士がばたばたと取り組んでいると,まさに御指摘のとおりでございます。 坂本委員 東京地方事務所がどんなことをしているのかというところを具体的に教えていただくとありがたいです。 田中理事 理事の田中でございます。よろしくお願いいたします。   東京の事務所では,1年半ぐらい前からこういう取組を意識的にやりましょうということになりまして,これまで報告されているところでは約80件,関係機関との連携の中で事案の解決に結び付いたというような経験を持っていると言われております。地域包括支援センターとの協力であるとか,福祉課だとか,そのタイプはいろいろのようでありますが,それを現在,法社会学の研究者の方にも入っていただきまして,どういうような傾向があるとか,どういう形での解決が有効であるかとか,その効果についての分析も併せてやっていただいているところでありまして,3年ぐらいの計画で成果の検証をしましょうということで研究を進めているという,その途中ぐらいの段階にあります。   御指摘のとおり,陣容はまだまだ不十分でありまして,目的としたところは,23区のうち2つの区でまずやってみましょうということで進めているわけですが,始めたところ非常に需要が多いと,反応が強いということが分かりまして,徐々に陣容を拡大して対応しているというところでございます。   非常に手間のかかる,事務量の多い仕事になってくるというのが実感としてありまして,今すぐに全国展開をするというところには至りませんけれども,こういう活動について非常に高い関心を示している常勤弁護士が全国の中に点在しておりまして,東京での経験を常勤弁護士同士で情報交換をして,自分のところでもやってみましょうということで始めているところもあると聞いておりますので,東京を中心としますけれども,幾つかの地域でそれが実践されて徐々に広がっていく。私どもとしても,常勤弁護士が担う部分,あるいは一般の弁護士さんでも担っていただける部分,いろいろ住み分けを考えて,より広くその活動を展開していきたいと考えているところでございます。 坂本委員 ありがとうございます。東京地方事務所がやっている具体的な例として,ケースワーカーだとかいろいろな方々と連携の取り方をどのように行っているのか,例えば80件の解決の具体的な流れというんですか,それを教えていただけたらと思います。 田中理事 今日は手元に用意しておりませんので,後ほど準備させていただきたいと思いますが,いろんな公刊物にも発表してきておりますので,そういった資料も取りそろえて後日お届けしたいと思いますが,よろしいでしょうか。 坂本委員 はい,結構です。 伊藤委員長 取りあえず,例えばということでお話しいただいて,後から,より正確な資料を出していただくということでもいいと思いますが,何か説明をお願いできればありがたいと思いますが。 小島課長 常勤弁護士総合企画課長の小島ですが,一例として,例えば親子3世代が住んでいる家で,おじいちゃん,おばあちゃん,お父さん,お母さん,子供,みんな精神障害であると。たまたまケースワーカーが家を訪ねてみたら,新しい布団とかが置いてあると。何で買ったのかと,いや,訪問販売で買いましたと。必要もないのに買ってしまったと。本人たちは,なぜ必要がないか判断もつきにくい精神障害があると。で,生活保護とかの申請もきちっとしていないというようなところで,弁護士が入っていってケースワーカーと一緒に会議をしたりして,生活保護の担当者も入れたりして,生活のお金の支援もしていく,あとは福祉的な観点から住む場所を変えたりとか,精神的な問題があるならお医者さんも入れて,その中で法的問題については弁護士が担当して,そういうところで総合的に問題を解決していくと,そういうケースが代表例と言われております。 坂本委員 ありがとうございます。   そうしますと,1件を解決するために物すごい労力がかかりますね。そうすると,スタッフ弁護士が1人や2人じゃどうにもできないと思うんですね。じゃ,それを100人に増やします,200人を増やしますなんていうことは到底予算的にもできないことですので,体制として,どういう形を作っていこうと考えておられるのか,そのシミュレーションを是非,次回で結構ですので教えていただけたらと思います。 伊藤委員長 いかがでしょうか。今後のことですから確定的なことをおっしゃっていただく必要はないかと思いますが……。 相原事務局長 では,事務局長の相原からお話しさせていただければと思います。   まだ残念ながら,全国的な展開というところまでは行っておりません。ただ,先ほど田中理事からも申し上げましたし,委員が御指摘くださいましたように,どういう方向の解決があるのかを探っています。それからいわゆる地域包括支援センターとか地域定着支援センターとか,それぞれいろいろな問題に対する専門のセンターがあるわけですが,それらが厚生労働省の管轄であったり,各自治体の中の福祉機関の問題であったりしますので,関係機関との連携を相当重ねていかなきゃいけないということは非常に明確になってきております。   先ほど申し上げたケースも,ケースワーカーや,社会福祉の知識を持った方と連携してやっていかなければならないということは非常に明確になってきております。その方向性を探ろうとしている途上にあるというような状況で恐縮ですが,頑張っている常勤弁護士の中では,「司法ソーシャルワーク」という言葉自体がかなり定着しつつあるかなと思います。広報誌などでも常勤弁護士の活動を紹介させていただいているんですけれども,実施状況を探りつつ,次回からの目標等には是非組み入れさせていただきたいという希望を持っております。   今明確なお答えをできなくて恐縮ですが,是非御理解いただければと思います。ありがとうございます。 伊藤委員長 坂本委員,いかがでしょうか。 坂本委員 産みの苦しみをなさっておられて,大変御苦労されていると思いますけれども,期待していますので,よろしくお願いします。 伊藤委員長 どうぞ,小林委員。 小林委員 時間もありますことですので,疑問に思っていることをお伝えしまして,お答えは次回までとか,あるいは次回までの間ということで結構でございます。   司法ソーシャルワークについては,そもそもどういう解決の仕方があるかというところから取り組んでいらしていて,取り組み始めとしては,私はうまくいっているのではないかと。始めたばかりのところですので,ここから皆さんが気持ちを込めて進めていける走り出しになっているかなと,私は非常に評価できると思います。   それから,質問に移ります。   1点目の質問ですが,御説明いただいたものが全部の項目ではなかったんですけれども,それを選んだ基準がどういうことだったかということ。幾つかありますので,今でなくて結構です。   次に項目3ですが,点字図書館等の89か所に資料をお配りになったということなんですけれども,例えば全国に点字図書館というのはどのぐらいあって,そのうちの89か所なのかということをもし分かれば教えていただきたい。   それから,項目5の認知度ですね。余り上がっていないので,自己評価をBにしたとおっしゃっているんですが,全体のパーセントということで少ししか上がっていないということをお聞きしていますが,その中身ですけれども,どのくらい御存じかという認知の質も大事かなと思いますけれども,その辺の分析としてはどういうことなのか,また今度教えていただければと思います。  項目15について,これは不正請求という不都合なことがないようにということで,努力なさったということを説明いただいていたんですけれども,その努力なさった成果がどういうことなのか。そもそも本来あってはいけないことが今ないという,そういう現状というだけのことかもしれないんですけれども,その努力をなさった成果というのがこれと言えるようなことがあるか,あれば教えてください。   項目24についてですけれども,地方事務所からコールセンターへの転送の件数が上がったということをおっしゃっていて,これは事前説明のときにも御質問差し上げたんですけれども,もともと転送すべきものが増えて,だから転送が増えたのか,あるいは転送ということの周知が徹底したので,転送すべき内容としての母集団が同じだったけれども,転送件数が増えたのか。正確なことは分からないでしょうけれども,実態として,感覚としてどちらなのか,もしおわかりになる方がいらしたら,また今度のときまでにでも教えていただければと思います。   以上です。 伊藤委員長 小林委員がそういう趣旨で質問しておられますので,いかがでしょうか。検討されて,より正確な御説明を次回までにちょうだいし,それをまた委員全員で共有するということでよろしいですか。今,何か特に今御発言があれば…… 竹中部長 そのようにさせていただきます。 伊藤委員長 そうですか。はい,分かりました。   どうぞ,遠藤委員。 遠藤委員 項目24と25のコールセンターについてお聞きしたい。コールセンターも平成23年度,24年度と2年間,実際に運営されてきているわけです。そうすると,コールセンターというのは,もともと量的な測定というのか,それが比較できるところだと思うんです。量的な測定ができれば,当然それの貨幣的な評価もできると思うんです。そうすると,ここに書いていただいているのは,いずれも抽象的な言葉しか書いていないわけです。コールセンターは,もともと効率,また効果を求めて仙台に持っていかれたし,実際にそれを運営されているわけです。   そうすると,ここに実績と要旨をお書きになる場合には,こういう数値目標を立てて,こういう数値目標を達成したんだということが記載されないと,ここに書いてある「効果的」だとか,「効率的」だということが報告にならないんです。その辺のところをどのようにお考えになっているかということを,できましたら明確に教えていただきたいなと思います。特に,コールセンターが仙台に行きましたときには,従来と比して,いわゆる費用がこれだけ削減できるんだということを非常に強調されていたわけです。では,コールセンターが実際に運営されて,平成23年度,24年度になって費用の面でどのような経過をたどっているのか。つまり費用が削減されたのか,あるいは削減されていないけれども,業務量の展開においてこれだけの質的な変化に伴う効率的な,あるいは効果的なものが出てきたんだということを数値として出していただかないと,これが果たして効率的であるとか効果的であるという判断を,どのように判断されたか全く分からないんです。例えば24番についてはBからAにしたというのは,何をもってそのような評価をされたのか。つまり支援センターの評価の考え方,基準なりを明確にしていただかないと,このような評価はできないんじゃないかと思います。是非,次回までにその辺のところの取りまとめをしていただきたいと思います。 伊藤委員長 ただ今の遠藤委員からの御質問の趣旨,十分御理解いただけますでしょうか。   それでは,その御理解を踏まえて,適切な形での追加的説明をお願いしたいと思います。   どうぞ,毛利部付。 毛利部付 事務局から1点補足させていただきます。   先ほど常勤弁護士の配置状況について御質問があったところですが,平成25年3月31日現在の配置状況につきましては,お手元に配布させていただきました資料3−1の中に,「業務実績報告書(資料)」というものがあるかと思います。この中の26ページに資料がございますので,そちらを御覧いただければと思います。   その資料を見ますと,どの地方事務所にどれだけという人数と,養成中の常勤弁護士といわゆる実働の弁護士とが分かるようになっておりますので,こちらを御覧ください。 伊藤委員長 分かりました。 髙部委員 資料3−1の26ページですか。 松井参事官 3−1は,「業務実績報告書」という本体の後ろに「(資料)」というのがございまして,その資料の26ページです。 伊藤委員長 どうぞ,髙部委員。 髙部委員 今見せていただいていることとの関係でもあるんですが,もう一度お尋ねをしたいんですけれども,少なくとも1人ないし2人を各県に配置することが不可能な人数の常勤弁護士の数ではないということが,この資料からも確認できると思うんです。先ほど事務局長さんのお話によると,関係機関との連携が不可欠であるというお話がございました。この配置ができないかどうかということに関して,関係機関との連携が十分進んでいない可能性があるんでしょうか。その点についてお尋ねしたいと思います。 伊藤委員長 事務局長,お願いできますか。 相原事務局長 関係機関との連絡関係につきましては,常勤弁護士の存在だけではなくて,地方協議会といいますか,関係機関との連絡協議会自体は,各地方事務所において,非常に緊密に持っていただくようにしてあります。ただ,その内容につきましては,今まだ本当に着手されたところであったり,今後,密度濃く実施すべく,そういう関係の構築を地方事務所が重ねている最中でございます。またこれ以上のことは,今ここでお答えできる材料が手元にないのですが,今の委員の御質問のとおり,私どもも常勤弁護士にいい取組をしてもらい,それを常勤弁護士のいないところに紹介しつつ,広めたいという気持ちはもちろんあります。   繰り返しになりますが,全くできていないということではもちろんないわけですが,常勤弁護士がやっているような取組等に関し,まだ常勤弁護士が配置されていないところにそういう実例なんかも紹介していきたいと思います。おっしゃるような形での推進の方向性としては,十分気持ちはあるというところでございます。 髙部委員 最後に1点だけ。   要するに,地域の弁護士会が反対しているから常勤弁護士の配置ができないという問題があるのではないですかということを余り率直には言いたくなかったので,そういう質問の仕方をさせていただいたんですが,その問題についての今後の解決の方策があるのかどうかということをお尋ねしてみます。 田中理事 理事の田中でございます。   御指摘のような御心配が多分あるんだろうなと思っておりますが,法曹人口自体が全体として増加の傾向にある中で,ある程度の地域的なまとまりがあって,なおかつ自治体との連携も弁護士会がより積極的に行っていたという地域が幾つかございます。そういうところは,高齢者,障害者の問題なども専門の委員会をつくって非常に活発な活動をしておられるために,なかなか常勤弁護士の魅力がその地域で理解されない。自治体側からも,余りぴんとこないというようなところも多分あるんだと思うんです。   ですから,私どもの常勤弁護士の特異性のある活動について,いろいろ目に見える形で御紹介をする中で,自治体などからも,これは是非来てもらった方がいいという雰囲気を醸成し,弁護士会などにも,まだ弁護士会の手が届かない,司法書士の手も届いていないようなエリアの活動をするんですよということをよく御理解いただいて,現在は常勤弁護士を配置できていない地域についても,できるだけ早い時期に常勤弁護士を配置していくことを実現したいと思っているところでございます。 髙部委員 ありがとうございました。それで結構です。 伊藤委員長 ほかにも御質問があるかと思いますが……。   では,嶋津委員お願いします。 嶋津委員 被災地支援の出張所の関係なんですけれども,御苦労さまでした。7か所設置を済ませていただいたんですけれども,今後の問題なんですが,被災地の状況というのが,いろいろな法律問題も含めて,まだまだこれから法律問題に対する相談のニーズはあるのではないかと思うのですが,今の7か所で当初計画したけれども,これで十分だというお考えなのか,あるいはもう少し地域の状況も聞いた上で対応するということなのか,その辺のところはいかがですか。 伊藤委員長 どなたか御担当の方,お願いいたします。 原部長 第一事業部長の原からお答えを差し上げたいと思います。   まず,被災地出張所につきましては,平成24年度中までには7か所つくるという計画で頑張ってまいりまして,7か所設置いたしましたので,まずはこの7か所の実績などを見て,今後の在り方を検討したいと考えております。   それから,ニーズにつきまして,今まだまだあるのではないかという御指摘をいただきましたが,私どもも実績を見ておりまして,今のところ,例えば相談件数等につきまして減少傾向の兆しは全く見えておりません。ですので,まだまだニーズはあるのではないかとは感じております。   以上です。 伊藤委員長 よろしいですか。   どうぞ,池田委員。 池田委員 項目6の認知度のところでございますが,先日私も東京事務所を視察させていただきましたが,大変立派な活動をしていらっしゃる中で,支援センターの認知度というのが昨年対比で0.3%しか上がっていないというのは,大変残念なことだなと思います。   後日で結構でございますけれども,教えていただけましたらと思いますのが,平成24年度の活動としてホームページのリニューアル,ツイッターという形で書かれておりますので,リニューアルをされた前と後で,平成23年度,24年度でページビュー数にどれぐらいの違いが出ているのかということと,それからツイッターについては,フォロワーの数,それの御自身での評価についてお伺いできたらと思います。   それから,ファーストコンタクトの際に,皆さんが何をきっかけで支援センターをお知りになったのかということを,きっとアンケート等々でお聞きになっていらっしゃるのかなと思いますので,知られたチャネル,きっかけの統計等々がもしおありでしたら,次回のときにでも御紹介いただけたらと思います。 伊藤委員長 池田委員からの御質問の趣旨を御理解いただいて,次回までにお願いいたします。   どうぞ,市川委員。 市川委員 やはり認知度の問題なんですけれども,実績報告書を見ると,認知度の向上にはテレビの利用が一番だと総括されているんですよね。そこだけから言いますと,テレビ広告というのは今後増やしたいでしょうし,できれば減らしたくないと,理屈はそうなるのではないかと思うんですけれども,昨年の一般管理費の削減の数字を見ると,3億円も一般管理費を減らした,13%減らした。これだけ減らして,その中でテレビ広告費も減らしている。テレビ広告費を減らす必要はなかったんじゃないかとも思われるのですが,なぜ減らしたのかということについて事情をお伺いしたいと思います。 伊藤委員長 お願いします。 竹中部長 削減の目標が設定されておりまして,その目標を達成するために,要するに血のにじむような努力をして,削るところがほかになかったということでございます。 市川委員 30%減らしていますよね。ですから,テレビは減らしても減らさなくても,目標値は十分にクリアできたんじゃないですか。 鈴木課長 財務課長の鈴木と申します。   テレビ広告につきましては,広報効果等を考えますと,支援センターとしては引き続き実施してまいりたいと考えていたところでございますが,予算が措置されないと何分実施しにくいところでして,その点に関して財政当局の理解が得られなかったので実施を控えたというのが直接的な答えになろうかと思います。   もっとも,被災者支援の関係につきましては,テレビ広告によって被災者の方々に支援センターの制度や,二重ローン対策の制度があることを周知することは必要であるということから,平成25年度には,この6月に,被災地を中心に,支援センターのフリーダイヤル等を紹介するテレビ広告を行ったところでございます。   以上でございます。 市川委員 そうすると,テレビ広告は減らせと,そういうすう勢というか,財政当局からそのようなお話が来ていると,そういうことなんですか。 鈴木課長 政府全般におきまして,テレビ広告を含む広報経費に関する削減の要請というのは相当に強いものがあるようでございます。   一方で,支援センターや法務省からは,テレビ広告による広報効果が高いという,説明を行っているところでございますが,費用対効果等を踏まえて別の手段があるのではないかという財政当局からの指摘があり,この点について財政当局を説得し切れなかったというところにあるかと思います。 伊藤委員長 よろしいですか。   どうぞ,坂本委員。 坂本委員 そのテレビコマーシャルの件なんですけれども,過去に何回か私が発言させていただいたことの中に,ばく大な予算を使ってテレビコマーシャルをするよりも,テレビが取り上げてくれるような事業を展開したらどうかというような御提案をさせていただいております。   その中で,例えば110番事業をやると,例えばNHKがお昼の時間帯で流してくれるなど,マスコミが取り上げてくれて,ぐっと認知度が上がるというようなことがあるんです。弁護士会などもよくやっていますけれども,そういう御提案をさせていただいたことが何回かあるんですけれども,そのことについて,支援センターが110番事業を実現できない理由があるのかどうかということを教えていただきたい。   資料編の46ページの資料26には,実績として無料法律相談会とか出張相談会というのをプレス発表しておられますよね。無料法律相談というやり方で行く方が効果があるのか,例えば労働相談110番とか,DV110番という様なテーマを決めてやる方が効果があるのかというところの比較検討をしていただきたいなと思っております。 伊藤委員長 いかがでしょうか,今何か御説明があれば。 原部長 貴重な御意見,どうもありがとうございます。   今の110番に関しまして,まさに今実施しております震災フリーダイヤルは,一つ同種の機能を持っているのではないかなと私どもでは考えておりまして,できればこのようなことはいろいろやっていきたいと思っているところでございます。 伊藤委員長 それでは,ほかに御質問があるかと思いますが,適宜追加で事務局を通じて出していただきまして,それに対する支援センターからの説明を全員で共有する形で進めさせていただければと存じます。   そこで,引き続きまして,次のブロックについて支援センターからの説明をお願いいたします。 竹中部長 引き続きまして,竹中より説明をさせていただきます。   資料2の項目29から58について説明をさせていただきます。   若干時間が押しているようでございますので,説明時間は10分ないし15分程度でやらせていただきたいと思います。   まず,項目29を御覧ください。   この項目は,情報提供に関する客観的評価の実施等に関するものです。   平成24年度は,電話による情報提供の音声ログを基に応対の評価に加え,法制度や関係機関情報等の紹介が正確かつ十分に行われているかの点についても評価を行いました。また,平成24年度は全国の窓口対応専門職員80名を対象に,音声ログの評価結果に基づき個別事例の検討と問題事例の適示を行うとともに,地方事務所における情報提供トークフローとマニュアルを改訂いたしました。   以上から,自己評価はAといたしました。   3つ飛んで,項目33に行かせていただきます。   この項目は,充実した情報提供を行うための方法の工夫などに関するものです。   平成24年度は,平成23年度に作成・配布した「東日本大震災相談実例Q&A集」の内容を支援センターのホームページ上に掲載し,随時更新・追加しました。また,ふたば出張所においては,先ほども述べましたとおり,テレビ電話を利用した相談を実施する態勢を整えました。そのほか,平成25年4月からのツイッター開始に向け,関係省庁からの情報収集に努め,投稿設備の準備や広報素材の収集を行いました。さらに,利用者からの電話を関係機関へ転送して,相談予約をとることができるようにするなどの外線転送サービスも実施いたしました。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目35に行かせていただきます。   この項目は,法教育の推進に向けた取組に関するものです。   平成24年度は,学校教育の場における法教育の普及の基盤整備について一定の役割を果たすことができたと考えております。法教育については,法律に関する難しい知識を教えるものだろうという,その内容に関する誤解などが普及を妨げてきたのではないかと言われております。そこで,法教育に対するこのような誤解を解消し,一般の教員の方々に積極的に授業に導入してもらえるよう全国2か所でシンポジウムを開催し,地元で法教育に取り組んでいる学校の先生や弁護士に授業の実践例を紹介してもらうなどの取組を行いました。   このほか,地方事務所においては,市民講座における講演や学校における出前授業など約1,600件の法教育に関する活動を実施いたしました。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目37にまいります。   この項目は,ニーズを適切に反映した事業計画の立案・実施に関するものです。   この項目に関し,代理援助については,代表的事案の収集や関係機関との意見交換を実施し,援助件数が増加している家事事件について,平成24年度は新たに民事法律扶助制度の利用促進ワーキングチームを設置し,DVによる離婚等家事事件における法的ニーズの調査,各地方事務所での業務実態調査,業務改善策の検討を行いました。   東日本大震災の被災者の法的ニーズへの対応については,平成24年度に新たに設置したふたば出張所において,テレビ電話を利用した相談態勢を整えるなど被災者が利用しやすい環境整備に努めました。   さらに,東日本大震災の被災者の法的ニーズの実態を明らかにし,被災地における法律相談の仕組みやサービスの改善を図ることを目的として,被災地の仮設住宅居住者を対象にアンケートによるニーズ調査を実施いたしました。本年度は,このニーズ調査をもとに,アンケートに答えていただいた方から直接詳しい事情を聴取した上で,被災地の法的ニーズの分析を深めていきます。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,少し飛ばせていただきまして,項目47にまいりたいと思います。   この項目は,犯罪被害者への適切な情報提供に向けた取組に関するものです。   この項目に関しては,犯罪被害者担当職員研修において,障害者虐待防止法が施行されたことから,障害者の権利擁護に取り組んでいる弁護士による講義,警視庁犯罪被害者支援室の臨床心理士による犯罪被害者の心理と二次被害の防止等についての講義,少人数のグループでの事例検討会を実施しました。また,コールセンターの被害者支援ダイヤルのオペレーターに対して,DV,性犯罪の被害者対応についての研修や精通弁護士による実際の支援活動に基づく講義を行ったほか,コールセンターの一般ダイヤルのオペレーターの中で適性のある者に対して,犯罪被害者に対する情報提供のスキルを向上させるべく研修を行い,被害者支援ダイヤルのオペレーターのバックアップに当たらせるなどの取組を行いました。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目50に行かせていただきます。   この項目は,犯罪被害者に対する適切な情報提供に向けた取組に関するものです。   この項目に関しては,経済的に余裕のない被害者に対する支援として,コールセンターにおいて,民事法律扶助制度や日本弁護士連合会委託援助を説明するとともに,地方事務所へ取り次ぐ際には利用希望の情報を取次依頼書に記載するなど,統一した対応を行うよう配慮しています。   また,地方事務所では,精通弁護士を紹介するに当たり,その弁護士が民事法律扶助や日本弁護士連合会委託援助の契約を締結しているか否かを確認し,犯罪被害者の経済状況に応じて適切に弁護士に取り次ぐ体制を整えています。   東京地方事務所など5つの地方事務所においてはDVの専門相談を実施しており,専門相談の実施が困難な地方事務所においても,契約時のアンケート調査などで把握した各契約弁護士,司法書士の取扱分野を相談予約時に考慮して法律相談援助を実施するなどの工夫で対応しております。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目52に行かせていただきます。   この項目は,民事法律扶助の立替金の管理・回収への取組に関するものです。   本部では,債権管理・回収計画の基本となる骨子を作成して地方事務所に示し,地方事務所が作成する債権管理・回収計画における最低限の取組内容を提示しました。また,平成24年度から本格稼働した債権管理システムの活用を図り,各地方事務所において適宜システムから回収実績を確認することができるようにし,自発的な取組を促す環境を整備いたしました。   このほか,民事法律扶助第二課の設置による管理体制の強化,自宅を訪問する取組の全国拡大,裁判所を利用した支払督促申立ての実施などを行い,督促体制や手法の取組を強化し,生活保護受給中の被援助者の増加,多重債務事件の減少による償還金額の大幅な減少,景気の低迷による償還期間の長期化といった悪条件が続く中,99億8,236万円の償還を実現し,償還額の前年度比を3.6%の減少にとどめました。   その一方で,償還の見込みがない立替金債権については償却を進め,援助終結時に生活保護を受給している被援助者に対し,立替金の償還免除が可能である旨を周知し,所在が確認できない被援助者の立替金債権については償却処理などを行いました。その結果,償還免除金額は44億9,951万円,みなし消滅額は7,001万円と,いずれも前年度比で大幅な増加となりました。   以上から,自己評価はAといたしました。   続いて,項目53ですが,この項目は効率的・効果的な回収方法の工夫に関するものです。   これに関し,平成24年度は本格稼働した新基幹システムを活用した債権管理,コンビニエンスストアを利用した償還方法の整備,償還率の高い地方事務所における取組方法の全国普及,集中的な督促体制の整備,被援助者に対する償還に係る意識付けの強化などの取組をし,効率的・効果的な立替金債権の回収に努めました。   新たな基幹システムを活用した債権管理については,平成24年度から本格稼働した債権管理システムにより,償還方法や被援助者の生活状況といった属性に応じた債権の分類が可能となったほか,償還予定表の作成,督促履歴,償還実績,償還残高,免除実績などの把握などによる債権管理が可能となりました。そのため,地方事務所と連携して被援助者との連絡を密にし,約束どおりの償還が難しい被援助者には償還月額の変更や猶予を案内するなど,生活状況に応じた償還を促し,個々の債権の特性に応じ償還に向けた具体的な対応をすることが可能になりました。   コンビニを利用した償還方法の整備については,被援助者による償還の利便性を高めるため,平成24年11月から督促対象を拡大し,完済に至るまでコンビニで償還金を支払うことが可能となる取組を実施いたしました。   償還率の高い地方事務所の取組方法の全国普及については,これを担当職員研修において紹介したほか,償還率の高い地方事務所の取組を参考に作成した地方事務所向けの督促指針となる「立替金債権管理回収の手引き」を全国の地方事務所に活用させました。   集中的な督促体制の整備については,本部内に電話督促を担当する職員を配置し,初期滞納者に対する集中的な電話督促を実施するとともにコンビニ督促を行い,6か月を超えて滞納している者に対しては,本部からの一斉の郵便による督促,それでも償還しない一定の長期滞納者に対しては自宅訪問,さらに,全国の簡易裁判所における支払督促の申立てといった取組を行い,効率的・効果的な立替金回収に努めました。   また,このような取組と並行して,期間を限定して銀行振込を推進するキャンペーンや,業務時間を延長して集中的に電話督促を行う電話督促強化週間なども行いました。   被援助者に対する償還に係る意識付けの強化としては,援助開始時における償還制度の説明の徹底,平成22年度から作成している「返済のしおり」をより分かりやすく修正をした上で利用者に配布したほか,償還開始前の被援助者への個別の連絡といった取組を行いました。   以上から,自己評価はAといたしました。   資料2についての説明は以上でございますが,受託業務につきまして,項目別評価表には盛り込まれておりませんけれども,その業務実績について説明をさせていただきます。   当センターでは,受託業務として,日本弁護士連合会委託援助業務と中国残留孤児援護基金委託援助業務の2つを行っております。   日本弁護士連合会委託援助業務については,平成24年度の総申込受理件数は2万3,160件であり,平成23年度と比較すると3,334件の増加となっております。中国残留孤児援護基金委託援助業務については,平成24年度は予定件数5件に対し,申込件数は5件であり,全てについて援助を開始しております。   以上,項目58まで第2ブロックの説明を終了させていただきます。 伊藤委員長 それでは,ただ今説明のありました項目を中心にして御質問をお願いいたします。   どうぞ,坂本委員。 坂本委員 項目35の法教育の件ですが,私の記憶で確かではないのですけれども,平成23年度と比べたら格段に件数が増えたんじゃないかなと思います。平成23年度との比較を教えていただきたいと思います。 中井課長 情報提供課長の中井でございます。   法教育の件数でございますが,1,600件というのは全国の地方事務所等で行われているものでございます。大きなシンポジウムとしては年3回行っているというのが回数的なお話でございます。中身については…… 坂本委員 確かな記憶ではないんですが,平成23年度は800件くらいでしたでしょうか。すごく増えたなというので,これは私の感想として,すばらしいなと思いました。法教育というのは非常に重要なところで,こういうところを通しても支援センターの周知というのができるのではないかと思います。項目6の広報のところにも,法教育を通して支援センターをPRしたというところが書き加えられてもいいのかなという様な感想を持ちました。 中井課長 申し訳ございません。平成23年度の正確な数字が今手元にないのですが,本部からもお願いしながら,各地方事務所で積極的に,地域での活動を進めておりますので,またそういう形で引き続き努力してまいりたいと思います。どうもありがとうございます。 伊藤委員長 正確な数字の推移については,補足して資料の提出をお願いいたします。   ほかにいかがでしょうか。どうぞ,知久委員。 知久委員 関連ですけれども,今の学校における出前講座ということで,対象は,やはり高校生,中学生でしょうか。 中井課長 対象は様々でございます。高校生を対象にしているものもありますし,小学校,中学校,出前講座のような形で行っているものもございます。業務実績報告書資料編の74ページに資料48というのがございまして,「法教育取組一覧」と出ておりますけれども,学校に出向いてというものもございますし,いろんな施設に出向いてというのもございますように,対象は様々ということになっております。 知久委員 どうしてそういう質問をしたかと申しますと,一般的な法教育というのは,司法書士も弁護士もいろんなところに出向いてやっているところなんですけれども,最近特に,多重債務の案件以外に,大学の授業料を払うために奨学金を受ける場合,優秀な方ですと無料ですが,そうではない方は貸与になりますので,卒業後に就職をして返すという段階になって,自分の勤め先がなくて返せないために,結局,保証人である親や親戚とかそういう方が払う,あるいは,消費者金融から借りて返済するというようなケースも見受けられるようです。貸与の奨学金は,返済することも十分に認識の上に借りていただかなくてはいけないのですが,なかなか契約社員とかそういう形になりますと,本当に短い期間の勤めで終わってしまってどうしても払えないときなどは,その間,支払停止もできるようですが,保証機関を使っていない場合には,なかなかそれが認められないケースもあります。単なる法教育だけでなく,やはり社会に送り出していくそういう未成年者に対して,奨学金とはいえ単純に軽い気持ちでお借りにならないようにという,そういう現状を踏まえたような内容にしていただけるといいなと思っているところです。 伊藤委員長 ただ今の知久委員が御指摘の問題の所在は認識されていらっしゃるということでしょうか。そのあたりの説明をお願いいたします。 中井課長 様々な対象にいろんな観点から取り組んでいるところでございます。子供に向けた教育としてということもありますけれども,法律を活用していくとか,法律を守っていくとか,そういったことの一番基本的なところを是非そういう機会でという話もしておりますので,御指摘の点を踏まえながら取り組んでまいる所存でございます。どうもありがとうございます。 伊藤委員長 よろしいですか。   それでは,小林委員,お願いします。 小林委員 項目37について,ふたば出張所におけるテレビ電話を利用した相談制度の導入ということなんですけれども,これが被災者が利用しやすいと御説明くださったんですが,テレビ電話というのは,従前はビデオ会議システムというものを使っていて,両側でビデオ会議のシステムを持っていないとそういう電話会議はできなかったんですけれども,ここでおっしゃっているふたば出張所におけるテレビ電話というのは,どういった種類のものか教えていただけますか。誰でも使えるようなものなのか,Skypeみたいなものなのか。 原部長 フレッツフォンというNTTの製品を導入しました。 伊藤委員長 もうちょっと具体的に,私にも分かるようにイメージ的に説明していただけますでしょうか。 田中理事 理事の田中でございますが,液晶画面付きの電話と考えていただければいいと思います。よくコマーシャルなどでもありますけれども,お年寄りがお孫さんの声を聞きたい,顔を見たいというようなときに主として使われることを想定したような製品と聞いております。それほど高価なものではないものですから汎用性がありまして,通信回線が敷設できればそれが利用可能ということです。 小林委員 そういう電話機というのは,どのぐらい普及しているものなんですか。誰でも使えるというものなのでしょうか。 原部長 はい,誰でも使えます。 小林委員 それはそうなんですが,まだ誰でも持っているというものではないかと思うんですけれども。 原部長 普通の御家庭でも導入していただくことが可能な製品でございました。 松井参事官 そういうことをお聞きになっているんじゃなくて,現状,どことどこに電話があって,どういう形で使われているかという説明をお願いします。 原部長 実際の運営についてでよろしいですか。 小林委員 買いさえすればというのだと,特に被災者の方々は,本当に買えるかどうか分からないわけですよね。ですので,現状どのぐらいの方が…… 原部長 現状,テレビ電話は法テラスふたばと二本松,そして福島にございます。いずれも支援センターの建物の中にございます。そして,ふたばの場合,実際に弁護士が相談に当たるのは週1回としております。これは,ふたばを設置しております福島県双葉郡広野町は,もともと人口5,000人の町でございましたけれども,帰還している住民の方が1割強であるということで,ニーズを見ながら弁護士の体制を強化していこうということがございまして,弁護士,週1回で始めました。 松井参事官 単純に申し上げますと,ふたばの事務所に利用者の方が行かれて,その電話の前にお座りになって,弁護士さんがいらっしゃる二本松の事務所の電話とつながってお話ができる,こういうシステムになっているということです。 小林委員 はい,分かりました。 伊藤委員長 ほかにいかがでしょうか。   どうぞ,遠藤委員。 遠藤委員 立替金の管理なんですけれども,今回新しいシステムが導入されたものですから,これからは個別管理,全体管理ができると思うんですけれども,そういたしますと現在の立替金の残高,つまり平成25年3月の残高が3つの層になっているということを御理解されていると思うんですが,よろしいですか。1つは法律扶助協会の残高があります。それから,法律扶助協会から支援センターができて平成24年に新しいシステムが入りました。そこまでの残高があります。それから,平成24年度に新しく基幹システムができましたから,それに伴う残高がある。つまり,平成25年3月の残高はこの3つの層に分かれているということを御理解されて,そしてそれぞれの管理をしなければならない。これをシステムの中にごちゃごちゃにしますと,せっかく新しいシステムを入れましても管理ができなくなります。   ただ,考え方としては,平成24年度から新たに入れた個別管理のものが全体管理になっていきますから,それを徹底的に管理をされるということ。   というのは,それ以前のものは,技術的にもう残高の回収しかありませんから,これは何になるかというと,結局債権を免除するか猶予するか,あるいは回収するかしかないわけです。法律扶助協会のものは,恐らく今後は回収というよりも免除の方が多くなってくるのではないかと思いますので,そういう管理の目標といいますか,その辺のところを是非,十分に徹底していただくようお願いしたい。   できましたら,平成25年度単年度,あるいは第二期の中期目標,中期計画の事業報告がございますので,是非その辺のところを報告に織り込んでいただくと,第二期の中期目標,中期計画期間において立替金管理というものが,これだけ十分な管理ができるようになったということが報告できると思いますから,この第二期の中期計画の報告のときには是非それを織り込んでいただきたいと思います。これは要望と併せてお願いしたいと思います。 伊藤委員長 ただ今の債権の発生時期に応じた管理の対応や方針につきまして,今の段階で御説明がありましたらお願いします。 田中課長 扶助二課長をしております田中と申します。   特に御説明ということではないんですけれども,今御指摘いただいた点,よく踏まえて検討させていただきます。ありがとうございました。 伊藤委員長 では,よろしくどうぞ御検討ください。   ほかにいかがでしょう。   どうぞ,知久委員。 知久委員 項目32のところで,各士業によるワンストップ相談会の実施ということで,自己評価のところで,利用者の立場に立ったサービスの充実に努めることができたということでございます。被災地に限って行っているものでございますが,実績等が分かりましたら後で教えていただければと思います。 松井参事官 時間かかるようでしたら,後でまた確認の上,資料を出していただくということでいかがでしょうか。 伊藤委員長 分かりました。では,知久委員,そういう扱いで御了解ください。 知久委員 はい。 伊藤委員長 ほかにはいかがでしょう。  どうぞ,市川委員。 市川委員 債権回収のことについてお伺いいたします。   随分と御努力されて,それなりの効果を上げているということは,この文面からお伺いできるのですが,一方で,免除要件について,今の免除要件でいいのかどうなのかという問題も何かありそうな気がするんですけれども。そうでなければ,要らない努力ばかりずっとエンドレスに続けなきゃいけないということにもなりかねないものですから,その免除要件について何か検討されているのか,あるいはされていないのか。されているんだとしたら,どういう方向で検討されているのか,その点についてお教え願いたいと思います。 原部長 恐らく,一番それに問題意識として近い取組としましては,準生保免除という制度の活用をどれだけ行えるかということかと思っておりますが,やはり免除要件の判断に当たりましては,財政的な観点からもしっかりチェックすることが必要だという要請も片やございまして,なかなか検討というか,実施,取組に頭を悩ませているところではございます。 伊藤委員長 今の御発言の最初の言葉が聞き取れなかったのですけれども。 原部長 準生保免除です。準ずるの「準」に,生活保護の「生保」です。 田中理事 理事の田中でございます。今は生活保護を受けている方については,事件中は猶予,あるいは事件終了後は免除ということをまず基本にしておりますが,実態としまして生活保護は受けていないものの,実際の生活レベルは生活保護受給者よりもかなり苛烈な状況にあるという方も中にはいらっしゃいます。そういう方に対しては,生活保護受給者と同じような扱いをすべきではないかという問題意識で,準生活保護というような観点で,今,原部長が申し上げたような扱いを基準として持っております。   ただ,その運用についてはいろいろな考え方があるところでございまして,日弁連からも様々な御要請や御意見をちょうだいしておりまして,どういう形で免除,猶予の扱いをするのがいいのかということについては,継続的に協議会を持ちましてそれを検討し,また実情の調査などもしているという状況でございます。 伊藤委員長 分かりました。よろしゅうございますか。   それでは,この点も先ほどと同様の取扱いで,追加の御質問等があれば,それに対する説明をまた委員間で共有させていただくことにいたします。   引き続きまして,今まで支援センターから説明をいただいた2つのブロックにつきまして,監事からの御意見を伺いたいと存じますが,よろしくお願いいたします。 藤原監事 監事の藤原でございます。監事をやらせていただいて,今年で4年目になりますけれども,どうぞよろしくお願いいたします。   最初に,総論的なことで申し上げますと,支援センターは,理事長の総理の下に,本部,それから地方事務所,それぞれの職員が熱意を持って業務に取り組んでいるということで,全般的には大変適正な事務処理が行われているのではないかと考えております。   それで,支援センターの業務分野は,情報提供とか民事法律扶助,国選弁護その他多岐にわたることもありまして,今日,全体に触れて申し上げることはなかなかできないんですけれども,幾つかの評価項目をピックアップして少し意見を申し上げたいと思います。   まず,項目1の関係になるかと思いますけれども,東日本大震災の被災者に対する対策といいますか,その点に関しましては,先ほど支援センターから説明がありましたように,震災法テラスダイヤルという,これは震災被災者に対する情報提供というふうに特化したものでございますけれども,そういう電話による情報提供,それから,震災特例法に基づく震災の法律援助の中には,法律相談,代理援助などが含まれます。それから,震災の被災地にこれまでに合計7か所の出張所を開設して対応してきております。その出張所の関係では,更に仮設住宅に対して巡回して法律相談にも当たることも含めて,そういう活動がなされているわけですけれども,これらのいろいろな取組によって,代理援助自体の件数はそれほど多くはないんですが,情報提供,それから法律相談の件数というのは相当数に上っておりまして,被災者の様々な法的な悩みとか法的なトラブルに対して適切に対応できていると考えております。   御参考までに申し上げますと,後にも少し申し上げますが,いわゆる支援センターの認知度ということで,これが一つのテーマになっておりますけれども,出張所の一つに南三陸というところがあるわけですが,ここの地域での出張所の認知度といいますか,支援センターの認知度というのは,ある調査によりますと7割くらいに達しているというようなことで,地域の多くの方が,ここに支援センターの出張所があるということでそれを利用していただいているという大変いい状態にあるのではないかと考えております。   次は,項目6の関係で,今申し上げました認知度について少し申し上げますと,認知度調査は毎年実施されてきているわけですけれども,年々認知度は上昇しているのですが,残念ながらまだ50%を下回っているというふうなところで,今日配布されました資料3−1の業務実績報告書の資料の48ページに最近の認知度調査の結果が円グラフで示されているわけですが,こういう状態なんですね。認知度の合計として42.4%という数字が出ております。これはいかんせん,ここで御覧になって分かりますとおり,名前だけは知っているとか,名前はそういえば聞いたような気がするとかいうことも含めての認知度なものですから,実際に支援センターの利用につなげていくという意味では,名前を知っているだけじゃなくて,どういう業務をやっているか,その一部でも知っていてもらいたいというところがあるわけですけれども,その辺の部分は,残念ながらまだ低率に終わっているということでございます。   これは,本部,それから地方事務所が広報・宣伝の必要性というのは十分に理解されているようで,これまでも予算の範囲内で鋭意いろいろな工夫をして広報・宣伝に努めてきているわけですけれども,いかんせんこういう数字にとどまっているというところでございます。見方を変えますと,例えば情報提供,これは地方事務所とコールセンター両方で行っておりますけれども,これの情報提供件数を試みに合計しますと,これまでの間に400万件近くの件数に上っているというわけです。その数字を見ると,結構多くの人に知られて利用されているなという感覚はまた一つあるというところでございます。   今後ともこの認知度というものを上昇させるべく,現在も本部,それから地方事務所を含めていろいろな対策を練って検討されているという状況でありますので,今後に期待したいと考えております。   その次に,項目14でございますが,ガバナンスとか内部統制というところの関係で申し上げます。   これも支援センターから先ほど説明がありましたように,いわゆる内部統制のフレームワークの概略を取りあえず申し上げますと,執行部会というのが月に2回開かれているわけです。理事長と理事が中心でございますけれども,監事もそれに出させていただいておりますが,それ以外に,最近では執行部懇談会と称して,特定のテーマについてみんなで集中して意見を交わすというのが,やはり月2回ぐらいのペースで行われております。そういうことで,全て理事長の主催の下に行われているわけですけれども,その時々の重要課題についてみんなで意見を交わして,そして方針を決定しているという場でございます。   そういう決定は,適切な方法で本部内とか地方事務所とかそういうところに伝達されて,徹底が図られているということでございますが,それ以外に,毎年全国の所長会議とか事務局長会議がありますし,ブロック協議会というのも開かれておりますし,理事長を初め本部の幹部の皆さんが視察を兼ねて各地方事務所を訪れる。その際に実情を見ると同時に,本部の方針の徹底を図っているという面もございます。   それから,内部監査がこれはまた大変精力的な形で行われております。毎年30数か所の地方事務所なり支部なりを回って,現地の監査を行っている。その結果が,詳細な報告として理事長に上げられているということがあります。また,私ども監事は執行部会とか懇談会などにも出席して,適宜意見を述べさせていただいておりますけれども,それ以外に,本部の事務局とか地方事務所を訪れて実地の監査をして,その結果は理事長に報告しているということでございます。   そういうことが従来からずっと引き続き行われてきまして,内部統制のフレームワークとしては大変有効に機能してきたんじゃないかと思われますけれども,それに加えて,平成23年3月ですけれども,ガバナンス推進委員会というものが設置され,そしてまた,平成24年3月にはコンプライアンス・マニュアルというものが作成されて,更に内部統制の強化が図られているというところでございます。   そういうことで,ほかにも業務方法書とか,いろんな規程とか規則とか細則とか,そういうものも内部統制のフレームワークの中の一つとして考えるべきだと思いますけれども,このフレームワークによって,全体としてはフレームワークが有効に機能して,全般的に適正な運営が図られていると考えられます。   ただ,これに関連して申し上げますと,例えばの話ですが,代理援助の関係でガバナンスの一環ということで,代理援助の受任者から援助案件に関する着手報告,この仕事を始めましたという着手報告,あと,終わりましたという終結報告,またその途中経過,事件の進行に関する報告などの報告書の提出を求めて,支援センターの立場で援助案件の処理の進行状況というのを的確に把握するということが業務方法書で定められているわけですけれども,ほとんどの案件については,その定められたとおり着手報告書,終結報告書が適時に提出されて,事件の進行管理,全般的に適正に行われているところですけれども,中にはこれら報告書の提出が少し遅延しているという例が見受けられます。報告書の提出の遅延というのは,これは基本的には受任者である契約している弁護士ですね,この方々の意識の問題だということになろうかと思います。その意味では,支援センターの内部統制というのはなかなか及びにくいということでありますけれども,支援センターとしてやるべきこととしては,内部統制の問題として,提出の遅れている受任者に対して,事件処理の状況,今どうなっていますかと確認して,そして報告書の提出を督促すると,そういう取組を徹底していくべきだろうということで,そういう問題意識はきちんと持っておりまして,その努力もなされているというところでございます。   次に,項目29の関係,情報提供ですけれども,簡単に申し上げますと,情報提供の件数は,平成21年度が件数的にはピークだったわけなんですね。その年は,地方とコールセンターを合わせて64万件くらいに達しているかと思います。平成24年度は53万件ぐらいだと先ほど報告があり,少しずつ減少傾向にあるわけですけれども,この分野に関しましては,いわゆるFAQを更新したり追加したりと,結構たくさんのものが更新・追加されておりますが,そういうことを積極的に行い,それからまた震災相談のQ&Aというのをホームページに載せるということで,情報を必要としている利用者に的確な情報提供を行うべく努力がなされていると認められます。   次に,項目9,11,44,45にある常勤契約弁護士に関して少し申し上げますが,常勤契約弁護士の配置ということでは,先ほども少しお話が出ましたけれども,地域事務所の開設ということも含めて,各地の弁護士会の理解を得て実現していかざるを得ないというところがあるわけでございます。そういう関係で先ほどもお話が出ましたが,幾つかの県では,常勤弁護士がまだ配置されていないというようなところですね。   少し細かくなりますが,たまたま昨年度,私が監査に行った3つの地方事務所は,偶然でありましたけれども,常勤弁護士が配置されていないところだったわけですね。それで,どうして配置されていないんだということを,いろいろ聞いてみましたけれども,簡単に言えば,各県の支援センターの所長の立場にある弁護士の方から聞いた話ですけれども,各地の弁護士会は,常勤弁護士が特に配置されていなくても,支援センターのやるべき仕事,支援センターとしてやるべき仕事,具体的には民事法律扶助,それから国選弁護その他ですけれども,これは契約弁護士の立場でカバーしていけるというようなお話が結構多かったですね。支援センターとしては,もちろんそれで引き下がるべきではなくて,今後とも十分理解を得るように努力して,そういうところにも配置を実現していくという方向で取り組むべきだと思いますけれども,現時点ではそういうところでございます。   また,常勤弁護士の人数ですけれども,予算上の定員よりは少し下回っており,現在の時点での常勤弁護士の数は233名で,現時点での業務量に照らして,差し障りが出ているものではありませんが,例えば次に申し上げる司法ソーシャルワークとか,その他関係機関との連携をもっと密にしていくとか,そういう活動分野が今後更に拡大されていけば,それはもちろんのこと,今のままの人数では足りないという関係になってくるわけでありまして,そういう意味では,設定されております予算定員というものをできるだけ実現していくように努力していく必要があると考えおります。   あと,さらに,常勤弁護士は,例えば高齢者とか障害者,こういう法的なサービスを受けることが困難であって,開業弁護士,一般の弁護士では対応しにくい分野,こういうところにおける法的サービスを提供するということも期待されているわけですけれども,そのために地方自治体とか社会福祉協議会とか地域の包括センターとか民生委員なども含めまして,こういう方々との連携に努め,高齢者とか障害者の抱える法律問題を,いわば掘り起こすというようなことですね。掘り起こしてそれに適切に対応していくと,これが司法ソーシャルワークと言われるものだと私は理解しているわけですけれども,そういうものへの取組が意識的に進められております。   それからそれ以外に,民事法律扶助とか国選弁護事件の受任処理のほかに,支援センターの業務説明ということで各地の自治体とか関係機関を訪問して連携を探るというか,連携を深めることに努めたり,あと支援センターの広報を兼ねて,いわゆる法教育の活動もしていると。そういうことで,常勤弁護士の活動領域の拡大に努めているという人たちも少なからず出てきているということで,常勤弁護士の在り方として大変望ましい方向ではないかなと考えております。   最後になりますけれども,評価項目52,53の立替金の償還ということで少し申し上げますが,立替金の償還は,一般的に本部と地方事務所が従来から役割分担をして,鋭意償還の確保に努めているところでありますけれども,平成24年度は,民事法律扶助第二課を設置しました。それまでは民事法律扶助課という1つの課であったわけですが,それを一課と二課に分けたということで,この二課が債権管理システムによって立替金債権を管理して,そして償還が遅滞している案件については,例えば集中的に電話督促を行うとか,又は,従来は余り行われていなかったんですけれども,適切な案件をピックアップして支払督促というものを積極的に行うということで立替金の償還に努めて,かなりの成果を上げているということでございます。   この立替金の償還率ですけれども,例えば平成18年度中に発生した立替金の金額が今までの間にどれだけ償還されているかというのを見ますと,平成24年度末現在のいわば累積償還率といっていいんでしょうか,それは84.7%になっております。これは,免除されたもの,あるいはみなし消滅という部分は除いた数字でございますけれども,平成18年度に立て替えたお金の85%くらいが平成24年度末までの間に償還されているというのが実績でございます。本来は,それは理想を言えば100%,もう7年もたっているんだから100%近く償還されてもいいんじゃないかという感覚もあるかもしれませんけれども,一方で,そもそもが資力の乏しい方々に対して援助をするというのがこの制度でございまして,そういうことから見ると,累積償還率はかなり高い率を上げているんじゃないかとも見ることができるのではないかと思われます。   一応,以上でございます。 伊藤委員長 ただ今の藤原監事からの御説明に関して,何か御質問等ございますか。いかがでしょうか。   どうぞ,小林委員。 小林委員 平成18年度の立替金の償還率が平成24年度末においては約85%ということで,これは本立替金の性格から見て,まあまあという評価かなと思いますけれども,ほかに比較になるようなものの償還率というのがもし分かれば,100%とはとてもいかないだろうとは思うんですけれども,85%がまあまあなのかどうかというところまではちょっと私どもには評価の資料が少し足りないなという気がしますので,もしほかに資料というか,判断材料があればありがたいなと思います。それは藤原監事に直接お伺いするというよりは,支援センターの方が御存じかもしれませんが。 伊藤委員長 どうぞ。 田中課長 扶助二課の田中ですけれども,内部的にも比較をしてはどうかということで指摘がありまして,同じような制度を持っている独立行政法人等の調査をしてみたんですけれども,実は償還率の算出方法等も,法人ごとに異なっておりまして,なかなか比べることが難しいというのが現状でございます。引き続き,いろいろな法人について調査をしてみたいと考えております。 小林委員 ありがとうございます。 伊藤委員長 どうぞ,遠藤委員。 遠藤委員 もともと支援センターの立替金の管理において,他のところと比較しても,意味は少ないと思います。   というのは,こんなことを言ったら申し訳ないですけれども,要するに回収をするという前提よりも,支援センターのもともとの目的を達成するためにそういう仕組みがあるわけですから。ほかのところは,いわゆる貸付けをするとか,未収金で上げるなり,それは100%回収することを前提にしているんです。もともと債権として支出したときから意味合いが違うわけです。   ですから,他の法人と比較するのではなくて,現在残っている残高がどういう内容であるかということです。それを年度別に比較する方が意味があると思います。恐らく支援センターと同じような債権はないですから,むしろ,支援センターができてから以降の年度別の残高がどういう層になっているか,どういう内容になっているかということを比較して,そこのところについては今後どういう債権の回収計画を立てるのかということの方が意味合いあると思いますから,視点を変えた方がいいと思います。 田中課長 本当にありがとうございます。おっしゃるとおりだと思っております。   ただ,やはり回収についてもかなりしろというお話があるものですから,それも引き続き努力はしたいと思います。 伊藤委員長 ほかに御質問はありますか。   それでは,よろしければ,このあたりで10分ほど休憩をとることにいたしましょう。4時から再開したいと思います。           (休     憩) 伊藤委員長 それでは,よろしいでしょうか。再開したいと存じます。   それでは,支援センターから最後のブロックについての説明をお願いいたします。 竹中部長 それでは,引き続きまして第3ブロック,評価の視点と財務諸表に関して説明をさせていただきたいと思います。   評価の視点についての説明は,私,総務部長の竹中からさせていただき,財務諸表についての説明は会計課長から,いずれもポイントを絞りまして,それぞれ5分程度でやらせていただきたいと考えております。   評価の視点につきましては,本日配布資料のA−4に,「独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点」についてというペーパーがございます。こちらを御覧いただきたいと思います。   まず,政府方針等についてですが,政府方針等については該当がなく,会計検査院等からの指摘等もありません。   財務状況につきましては,後ほど説明をさせていただきます。   保有資産の管理・運用等についてですが,実物資産として保有しているのは,購入した事務機器,業務システムなどですが,いずれも有効に活用しており,資産規模についても問題はございません。   金融資産は,現金・預金及び民事法律扶助立替金債権のみであり,保有の必要性,資産規模のいずれについても問題はなく,投資等の運用も行っておりません。   知的財産等については,該当がございません。   続いて,資産の運用・管理ですが,民事法律扶助の立替金の管理・回収については,業務実績報告において説明したとおりでございます。貸倒懸念債権等の金額や,これらが立替金残高に占める割合は増加しておりますが,その原因は,経済状況の悪化,生活保護受給者に対する事件進行中の償還猶予などにあると考えられ,特段の問題はないと考えております。   管理・回収計画の実施効果については,コンビニ督促により6億円以上を回収したなど,その効果は着実に現れていると考えておりますが,必要に応じて管理・回収計画を見直しながら,より一層の償還に努めていく必要があると考えております。   人件費管理についてですけれども,当センターの給与水準は,国家公務員の給与水準に対するラスパイレス指数が81.6ポイントであるほか,福利厚生費についても適切な管理を行っております。   契約についてですが,契約に関する規程類は適切に整備されているとともに,適切に運用されており,個々の契約手続に係る執行・審査体制も適切であると考えております。随意契約によらなければならない場合についても,見積り合せ方式によるなどして契約金額が適切になるよう努めております。   内部統制については,ガバナンス推進委員会において,全センター,本部課室,地方事務所,法律事務所に区分し,点検項目を個別に設定して,業務の有効性,効率性,法令遵守などの確認に努めるなどいたしました。   中期目標期間終了時の見直しを前提にした評価についてですが,中期計画,年度計画の見直し項目については,全て第二期中期計画に盛り込んでおります。その対応関係については,独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点について,18ページ以降に対応表の形で記載しております。平成24年度の年度計画はこれを具体化したものであり,その達成度合いは業務実績報告書に記載しているとおりでございます。   続いて,業務改善のための役職員のイニシアティブについての評価についてでございます。   業務改善のための役職員のイニシアティブにつきましては,理事長が的確な判断を行い,適切にリーダーシップを発揮できるよう,理事長,理事を含む役職員において執行部会で活発な議論がなされているほか,全国地方事務所長会議など本部主催の会議の場などで,各地方事務所に対し適切な指示をするなど,リーダーシップを発揮いたしました。   続きまして,財務諸表については会計課長から説明をさせていただきます。 千葉課長 会計課長の千葉でございます。よろしくお願いいたします。   それでは,早速ですが,平成24事業年度財務諸表等について御説明させていただきます。   資料番号は3−2から3−4まで,財務諸表,決算報告書,事業報告書の3点となっております。なお,これらの財務諸表等につきましては,監事による監査結果報告書におきまして,会計処理は適正に行われているとの評価,また,独立監査人の監査報告書におきましても無限定適正意見をいただいておりますことを,まず御報告させていただきます。   財務諸表等の概要説明に当たりましては,法人単位財務諸表を前提といたしまして御説明させていただきます。   それでは,財務諸表の1ページを御覧ください。貸借対照表につきまして御説明いたします。   貸借対照表は,資産と負債及び純資産の合計額がバランスしているものでございまして,期末時点における支援センターの財政状態を明らかにしたものでございます。   平成24年度末における資産合計は219億600万円であり,前年度末との比較では14億5,600万円増加しております。これは現金及び預金が10億5,500万円増加,民事法律扶助立替金が3億7,400万円増加,こういったことによりまして流動資産が15億3,600万円増加いたしました一方で,固定資産が8,000万円ほど減少したということが主な要因となっております。   次に,この資産に対応いたします負債合計は215億8,500万円でございまして,前年度末との比較では14億7,400万円増加しております。これは運営費交付金債務が18億8,300万円増加した影響によりまして,流動負債が12億1,400万円増加したこと,それから資産見返運営費交付金が3億6,600万円増加したことなどによりまして,固定負債が2億5,900万円増加したことなどが主な要因でございます。   また,純資産の部に繰越欠損金として7,000万円を計上しておりますが,これは前年度末繰越欠損金5,200万円と当期総損失1,800万円との合計額でございます。これは,独立行政法人会計基準に従いました資産除去債務,それからファイナンス・リース取引による会計処理の結果でございまして,業務運営の結果による欠損金ではございません。したがいまして,この影響額を除きました繰越欠損金は0円となっております。   続きまして,2ページの損益計算書を御覧ください。   損益計算書は,一会計期間における支援センターの運営状況を明らかにしたものでございます。   まず,経常費用は328億1,800万円であり,前年度との比較では5億2,000万円減少しております。これは,貸倒引当金繰入額が10億1,000万円減少,人件費が7,300万円減少したことなどが主な要因でございます。   一方,この経常費用に対応いたします経常収益は327億9,500万円となっておりまして,前年度との比較では5億2,500万円減少しております。これは,資産見返運営費交付金戻入が5億4,900万円減少,民事法律扶助事業収益が1億200万円減少したことなどが主な要因でございます。   このような損益計算の結果,当期総損失といたしまして1,800万円を計上しておりますが,これは貸借対照表と同様,独法会計基準に従った会計処理の結果でございまして,業務の結果による損失ではございません。この影響額を除きました当期総損益は0円となってございます。   続きまして3ページ,キャッシュ・フロー計算書について御説明いたします。   まず,業務活動によるキャッシュ・フローは16億9,100万円となっておりまして,前年度との比較では24億9,400万円減少しております。これは,政府受託収入が6億8,100万円減少,それから契約弁護士報酬等の支出が6億3,100万円増加したことなどが主な要因でございます。   次に,投資活動によるキャッシュ・フローは,マイナスの2億8,700万円となっておりまして,前年度との比較では1,000万円増加しております。これは,有形固定資産の取得による支出が4,800万円減少したことなどが主な要因でございます。   財務活動によりますキャッシュ・フローは,マイナス1億5,000万円となっておりまして,前年度との比較では4,000万円減少しております。これは,リース債務の返済による支出が増加したことなどが原因でございます。   これらキャッシュ・フローによりまして,資金期末残高は113億6,900万円となっております。   最後に,4ページの行政サービス実施コスト計算書を御覧ください。   行政サービス実施コスト計算書は,納税者である国民の立場から,支援センターの業務運営に関し損益計算上の費用だけでは把握できないコストも含めまして,国民負担となるコストを計算しているものでございます。   損益計算書の経常費用は328億1,300万円となっておりまして,ここから自己収入である民事法律扶助事業収益,有償受任事業収益など188億9,400万円を差し引きまして,国民負担となる業務費用といたしましては139億1,800万円が計上されることになります。この金額に,運営費交付金を財源とするため,貸借対照表上,引当金計上されておりません賞与見積相当額でございます引当外賞与見積額2,000万円及び同様の理由で引当金計上のございません引当外退職給付増加見積額1億7,700万円と,他の機会に用いられたならば得られたであろう利益を計算しております機会費用200万円を合計いたしまして,平成24年度に国民負担となりましたコストは141億1,800万円となっております。これは,前年度と比較いたしますと5億6,500万円減少しております。これは,一般管理費が減少したことなどによりまして,業務費用の合計が5億2,800万円減少したということが主な要因となっております。   財務諸表に関する説明は以上でございます。 伊藤委員長 それでは,引き続きまして監事からの御意見をお願いいたします。 山下監事 支援センター監事の山下と申します。よろしくお願いいたします。   まず,財務諸表につきましては適正に会計処理されておりまして,会計監査人の監査の方法及び結果は妥当であると判断しております。   評価の視点につきましては,先ほど説明のありましたとおり,適正に業務遂行がされているところであります。   このような業務の適正性を確保するために,内部統制の充実強化を含む法人の業務をモニタリングする仕組みとして,支援センターでは以前より執行部会における報告,会計監査人監査,監事監査,内部監査の実施と各監査の連携を業務運営の中に組み込んでおりますけれども,さらに,平成24年度よりガバナンス推進委員会を設置し,この取組を強化しております。先ほど藤原監事から御説明のあったこととかなり重複して大変恐縮ではございますが,支援センターの適正な業務運営を支える仕組みとして,非常に重要な仕組みでございますので,繰り返し御説明させていただきます。   まず,執行部会においては,支援センターの抱える業務運営上のリスクを明確にして迅速な対応を図るため,各課室が現状と課題を報告して,この課題について議論をしております。その後の執行部会において課題に関する進捗状況を報告して,取組の遅れている課題については必要な対策を講じております。各監査の連携につきましては,会計監査人の監査計画につきまして事前の説明を受け,会計監査人と連携した監事監査,内部監査を計画いたしております。会計監査人の監査結果,内部監査結果をその後の監事監査,内部監査に反映させるとともに,各監査においては,それ以前の各監査での指摘事項の改善状況を確認しております。業務運営,業務・組織の点検を行うとともに,点検の結果,課題とされた事項についての改善策を検討するため,平成24年度にガバナンス推進委員会を設置し,全組織を対象とした業務・組織の点検を実施しております。業務・組織の点検結果につきましては,平成25年度以降の業務運営に反映させていくことを予定しております。   平成23年度に監事監査報告で要望事項といたしました民事扶助事業における立替金債権の管理・回収につきましては,管理・回収計画の策定とその実施により,回収強化が図られています。引き続き,管理・回収計画の策定とその実施により回収強化を図っている状況をモニタリングするとともに,平成24年度の監事監査報告で要望事項といたしました事項,認知度向上と援助案件の進行状況の把握に関しての改善状況をモニタリングする必要があると考えております。   以上です。 伊藤委員長 ありがとうございました。   そういたしましたら,評価の視点,それから会計書類についての説明,併せてただ今の監事からの御意見に関連いたしまして,委員からの御質問等ございましたらお願いいたします。   どうぞ,小林委員。 小林委員 今,山下監事から最後に,今後モニタリングが必要ということをおっしゃっていたんですけれども,具体的にどのようになさっていく御予定なのか,教えていただければと存じます。 山下監事 立替金債権の管理・回収計画については,執行部会において1か月に1回御報告がありますので,その中で回収強化が以前と同じような形で図られているかどうかということをモニタリングしていくという形になるかと思います。 伊藤委員長 よろしいですか。 小林委員 はい。 伊藤委員長 それでは,どうぞ他の方で御質問等お願いいたします。   そういたしましたら,何か御質問等ございましたら,事務局にお伝えいただいて,それに対して支援センターから補足の説明をいただき,それを委員全員で共有すると,こういう形で進めさせていただきます。   そこで,以上で本日の議題(1)及び(2)については終了ということにいたしまして,引き続きまして,議題(3)の日本司法支援センターの業績評価のための項目別評価表及び総合評価表につきまして,議事を進めたいと存じます。   資料5−1が項目別評価表の様式案,5−2が総合評価表の様式案,5−3が項目別評価表の様式案のうち,今回,委員の皆様に御検討いただく評価の指標の変更に関する資料ということになります。   変更点等につきまして,事務局からの説明をお願いいたします。 松井参事官 昨年度におきます当委員会の平成23年度業績評価の結果に対しまして,政独委から,今後の評価に当たっては年度計画及び同計画の評価指標に中期目標及び中期計画の内容が的確に反映されているかについてもチェックした上で,より一層厳格な評価を行う必要があるとの意見が述べられております。その政独委からの意見につきましては,机上配布資料のA−2の,表裏になっていますが,裏側の下のところに「評価指標の妥当性」という項目がございまして,これがその指摘でございます。   これによりまして,平成23年度の業績評価に当たって用いた評価の指標につきまして,中期目標,中期計画の内容が評価の指標に的確に反映されているかどうかについてチェックした結果,平成24年度の業績評価に当たりまして用いる評価の指標につきましては,先ほど御説明がありました資料5−3のとおりに修正することとしたいと考えております。   御説明申し上げます。   まず1点目,項目16でございますが,この資料に従って御説明いたしますが,平成23年度の業績評価に当たりましては,「利用者及び関係機関等の意見を参考とした当該地域の実情に応じた業務運営へ向けた地方協議会の開催状況」としておりましたが,中期計画,中期目標を踏まえまして,これを「地方協議会で検討された利用者及び関係機関等の意見を参考とした当該地域の実情に応じた業務運営への取組状況」と変更いたしたいと考えております。   趣旨は,この中期目標,中期計画の欄を見ていただくと分かるのですが,中期計画の欄の最後を見ていただくと,計画の内容としては「当該地域の実情に応じた業務運営を行う」という形になっているわけでございます。したがって,評価の指標といたしまして,地方協議会を開催したかどうかとかそういうことではなくて,それが業務運営にどう反映しているのか,こういうことも含めて評価の対象として読み込めるようにしたいという趣旨でございます。   基本的には,それと同じようなことでございまして,2点目の項目41につきましては,もともとこれも同じように「協議状況」というような形にしていたものを,「協議の結果の運用への反映状況」というような形にするということでございます。   3点目の項目47につきましては,中期目標,中期計画に,犯罪被害者支援について,「適切かつ効率的な情報提供」という記載があったわけなんですけれども,「効率的な」という部分が落ちていた関係があって,これを付け加えまして,効率的な業務運営への取組についても評価の対象として読み込めるようにしたいということでございます。   4点目,項目48につきましては,これも「研修の実施状況」という形で従前はなっていたのですが,これは研修をしたかどうかということではなくて,研修を実施したことによって質の高いサービスを提供できていたかどうか,その取組状況という形に直したいということでございます。   5点目,項目52につきましては,「立替金債権等の管理・回収計画等の策定・検証・見直し及び債権管理コストの削減に関する取組状況」としていたわけですが,中期目標,中期計画を踏まえまして,これは「償還額の増加」という部分について付記しまして,償還額の実績が評価の対象として読み込めるようにしたいということでございます。   6点目の項目53についてでございますが,これにつきましては,「効率的で効果的な回収方法の検討及び実施状況」となっていたものを,「償還率の向上に向けた」という文言を付記したいということでございまして,償還率の実績について評価の対象として読み込めるようにしたいという考えでございます。   以上でございます。 伊藤委員長 ただ今事務局からの説明ございましたとおり,基本的な変更というよりは,むしろ中期目標,中期計画の内容を的確に評価の指標に反映するという趣旨の変更かと思いますが,委員の皆様方から何か,ただ今の説明に関して御質問等あればお願いいたします。   どうぞ,遠藤委員。 遠藤委員 項目52のところなんですけれども,「立替金債権等の管理・回収計画等の策定・検討・評価・見直しによる償還額の増加」にしてしまいますと,今後は必ずしも増加しないのではないかと思うんです。増加というのは,絶対額の増加だとお考えだと思うんです。現に平成24年度は増加していないんです。それは何かというと,内容を御存じのように,これは貸倒れであり,みなし償却をしたとか,そういうものが出てきているわけです。そうすると,絶対額の増加を目標に入れられてしまいますと,常に達成をしていないということになってしまうわけです。   したがって,私は,ここは債権額の回収の促進だろうと思うんです。絶対額じゃなくて,そういうふうな方向性に行くんだというもの,ここはむしろ抽象的な言葉の方が支援センターとしてはやりやすいと思います。「増加」というと,これは絶対額のことを求めることになりますから,私はそういう言葉はこの中に入れない方がいいと思います。結果として増加すればいいとは思いますけれども,恐らく,新しいシステムが動き出しますと,必ずしも前年度より増加したということにならないと思います。 伊藤委員長 どうぞ。 松井参事官 事務局といたしましては,中期目標,中期計画の項目に記載ある事項を踏まえまして「償還額の増加」という文言を入れさせていただいたところでございますが,もとより,これは事務局案でございまして,委員方の御協議によって決定されるものと承知しておりますので,御協議いただいた上で,遠藤委員のような御意見になるのであれば,そのように訂正することにいたします。 伊藤委員長 分かりました。   中期計画の項目中には「償還額の増加を図る」というような表現がございまして,それを意識してのことだと思いますが,遠藤委員の御指摘,私もなるほどと思いまして,どうでしょうか,どんな表現が一番適切ですかね。中期計画の趣旨も尊重しながら,指標として表現するとしますと。   どうぞ,髙部委員。 髙部委員 髙部ですけれども,回収計画を策定するんですよね。その回収計画の到達度という形は,一つの指標になるのかなという気がいたします。したがって,今,遠藤委員の御指摘も踏まえて,「回収計画等の策定・検証・見直しによる」,この言葉の使い方については次回にもう一度というか,委員長に御一任するにしても,要するに回収計画の到達だけでは駄目かもしれませんが,「到達等」ということではいかがでしょうか。ただ,私の個人的な意見としては,余りに抽象的過ぎると,政独委のもともとの御趣旨に沿わないのではないかという意識がございまして,できれば計画の到達度であるとか,客観的にそういう意味での評価が可能になるような文言をこの中に含めていただければありがたいなと思います。   ただ,今ここで非常に限られた時間の中で,その文言を確定するのは,ちょっと無理かなという気がいたします。 伊藤委員長 どうぞ,遠藤委員。 遠藤委員 この中期目標とか中期計画の段階では,平成24年度から採用しましたいわゆる新システムは考えていなかったわけです。今回,新システムができたことによって個別管理が可能になったということです。個別管理になってきますと,結局,当法人の性格からしますと,実際貸す段階から,ある程度,100%回収するもの,50%ぐらい回収するもの,もともと貸したときから回収を見込めないものというように分かれるんです。 髙部委員 そこはいろいろな考え方があって,この問題に関しては,まさに欧米風のいわゆるリーガルエイドの考え方をこの制度が採っているのかどうかという根本まで遡らないといけない話になりかねないと思うんですが,少なくとも私自身が随分前に関わっていた状況を踏まえると,私は,少しでもお返しいただいて,次の方のお役に立てるようにしていこうというのが,そもそものこの制度の出発点であったという認識なので,確かにお金がない人から取りようがないというのはあるんですけれども,その中でも,やっぱり日本人ですから,お世話になったものは少しでもという気持ちを持っている方からは,少しでもお返しいただけるような,相互扶助的な発想でこの制度自体がそもそも成り立っていたのではないかというのが私の気持ちなものですから,いささかそこは遠藤委員とはちょっと意見が違うのかもしれません。 遠藤委員 それは,法人の事業の内容からすると髙部委員おっしゃるとおりなんです。ただ,これを債権管理という点から見ますと,結局そういうふうな考え方でいかないと管理できないんです。一体として管理するのは非常に難しいわけです。だから,そこのところは,あくまでも内部の管理の話と支援センターが持っている制度としての考え方とは,分けないといけないと思うんです。管理する段階で,抽象的に管理することはできませんから。   ですから,あくまでも事業目的というのと,それが債権になった段階の管理というところは,ある程度分けて考えていかないといけないんじゃないかなということで私はそういう話をさせていただいているんです。 伊藤委員長 どうぞ,嶋津委員。 嶋津委員 中期計画の文章の検討に遡らなくてはいけないと思うんです。だから,遠藤委員のおっしゃったような意味も分かりますけれども,中期計画では,「償還を要すべき者からの立替金債権等の回収に最大限努力して,償還額の増加を図る」という文章で中期計画を定めているわけだから,この文章だけ取るというのも,やや無理があると思うんですよ。   だから,この計画の立場からいうと,「増加」じゃなくて「確保」ぐらいの表現がよかったのかもしれないけれども,それは我々が中期計画を認めているわけですから,次期中期計画からそういう議論をするとして,そういうことを了解した上で,私は文章はこのままでいいのではないかと思います。償還を要する人からという文言を入れていますから,要する人からは,やはり回収しなければならないのであって,そこが入っているから,その趣旨でいえば,取りあえずこの表現でいい。次期計画のときは,「増加」というのがぎらぎらしているとすれば,やはり「確保」とかそういう形にしておいた方がいいのかもしれないと思います。 伊藤委員長 どうぞ,遠藤委員。 遠藤委員 今度評価されるときには,評価委員の方々は,単なる増加じゃなくて,そういうふうな意味合いがあるんだということを踏まえた上で,ここのところの評価はお願いできるのであれば,これでいいと思います。それであれば,この文章はこのままで結構です。 伊藤委員長 そうですか。   松井参事官,これは今日決めないといけないんですね。 松井参事官 いいえ。先ほど委員の方々がおっしゃったように,委員長に一任していただいて,また別途こちらで,例えば対案があるのであれば起案してということで御協議することも可能なのですが,今の議論の流れだと,原案でいいという話になっているのではないかという認識であるのですが,そこの部分はいかがでしょうか。 伊藤委員長 分かりました。   どうぞ,市川委員。 市川委員 先ほど償還額の増加は見込めない状況だという御指摘がありましたけれども,事実そうなんですか。償還額,絶対額自体の増加は,これはもうあり得ないというか,ほとんどないんだという,それはそれで正しいんですか。 松井参事官 私どもは,そういう認識は持っていないのですが。 伊藤委員長 どうぞ,遠藤委員。 遠藤委員 そういう考え方ではないんです。つまり,今出ているのは絶対額の回収の話を言っているわけです。絶対額の回収は,確かに平成24年度は減っているわけです。それで,今後新しいシステムが動き出しましたら,結局それが層別にどのような回収状況になっているかということが,これからは区別できるようになるんです。そうなってくると,嶋津委員がおっしゃったように,回収すべき人からは90何%回収しましたというような表現ができるわけです。今は絶対額しか出ていませんから,そうすると,回収をするんだとなると絶対額で比較されてしまいますから,実態と合わないのではないかと。 髙部委員 余りこの件をここで今議論したくないんですけれども,回収すべき者からということについてのコンセプトが,実はそこは非常に微妙な言い回しになっていて,それは繰り返し先ほど申し上げたとおりでありまして,逆に言えば,一定の要件があった場合には,必ず何も要らないんだという形での制度設計になっているという認識はないのです。   ですから,ここは中期計画自体が,非常にそういう意味では玉虫色に書いてある部分があって,これをいわば一つ一つ定義立てて,この人たちからは取らなくていいんだとか,この人からは取らないといけないんだということが明確に言えるような制度システムになっているという認識は私にはないものですから,ちょっとそこのところは,繰り返しになりますけれども,指摘をさせてください。 伊藤委員長 先ほど来の御意見を承っていまして,変更の原案でも,「償還額の増加に関する取組状況」ですから,この指標を当てはめたときに,絶対的な増加がなければ駄目だとか,そういう趣旨のことではないという読み方で,恐らく皆さんの御意見はその点に関しては一致していると思いますので,その点の御了解が得られれば,文言としては,この原案でいかがでしょうか。よろしゅうございますか。        (各委員了承) 伊藤委員長 事務局,よろしいですか。 松井参事官 はい,ありがとうございます。 伊藤委員長 それでは,そういう趣旨で了解いただきました。   ほかに何か御質問等ございますか。それでは,ただ今の審議を踏まえまして,趣旨の確認もございましたけれども,評価の指標の変更を反映した資料5−1及び5−2の様式を用いるということで御了解いただければと思います。   それでは,以上で本日はよろしいですか。 松井参事官 ありがとうございます。 伊藤委員長 それでは,以上をもちまして本日の予定の議題につきましては,全て審議をしていただいたことになります。   事務局から今後のスケジュールを含めまして,説明をお願いいたします。 松井参事官 本日は,大変お暑い中,長時間,大変活発な御協議をいただきまして,ありがとうございます。   事務局から何点かお知らせがございます。   まず,本日の議論につきましての議事録の作成についてですが,従前から事務局において原案を作成させていただきまして,御出席の委員の皆様に内容を御確認いただきまして,最後に委員長に全体を御確認いただいてから公表するという手順をとっておりましたので,本会議におきましても同様の手順でと考えております。よろしいでしょうか。        (各委員了承) 松井参事官 ありがとうございます。そのように進めさせていただきたいと思います。   次に,次回の会議の予定につきましてですが,8月8日の木曜日,14時30分から18時10分まで,長時間になりますが,考えております。その際に,業務実績評価,財務諸表の承認の件について御検討いただきまして,当委員会としての意見を取りまとめていただきたいと考えております。   それから,評価表につきましてですが,今年度は,まず事務局で相当と考える案をお作りいたしまして,できるだけ早く各委員に送付をいたします。お忙しい中,恐縮でございますが,7月25日,木曜日の18時までに事務局宛てにメール又は郵送等で送付をいただきたいと考えております。評価表をいただきましたら,まずは事務局で各委員の評価とその評価の理由を整理いたしまして,評価委員会の取りまとめ案を作成いたしまして,次回の評価委員会の前にできるだけ早くお示ししたいと考えております。   それから,委員長からもございましたが,本日,資料の内容等に関しまして様々な御質問をいただきました。それについて,支援センターの宿題になっていることもあるかと思いますが,更に御質問等があれば,遠慮なく事務局にお申し付けくださればと思います。事務局を通じて支援センターに確認し,お返しするという作業をしたいと思います。   以上でございます。 伊藤委員長 次回の期日まで大変厳しい予定でございまして,御負担かけるかと思いますけれども,どうぞよろしくお願いいたします。   それでは,以上をもちまして本日の評価委員会を終了させていただきます。ありがとうございました。 −了−