日本司法支援センター評価委員会 第51回会議 議事録 第1 日 時  平成29年7月4日(火)    自 午後 1時58分                         至 午後 5時30分 第2 場 所  法務省共用会議室(中央合同庁舎6号館A棟1階集団処遇室) 第3 議 事  (1) 日本司法支援センターの平成28年度に係る業務実績評価について  (2) 日本司法支援センターの第3期中期目標期間の終了時に見込まれる,中期目標期間の業務実績評価について  (3) 法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について 第4 今後のスケジュール 議        事 伊藤委員長 それでは,若干定刻より前ではございますけれども,皆様おそろいでございますので,ただいまから日本司法支援センター評価委員会第51回会議を開催したいと存じます。   委員の皆様方におかれましては,御多忙のところ,お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。   最初に,本日は10名の委員全員の御出席を頂いておりますので,定足数でございます過半数の出席要件を満たしていることを確認いたします。   次に,議事に入る前に,委員に変更がございましたので御報告いたします。本年2月22日付で,鳥本喜章委員を新たに当評価委員会にお迎えいたしました。鳥本委員から一言御挨拶をお願いいたします。 鳥本委員 今,御紹介にあずかりました公証人の鳥本でございます。   髙部委員の後任ということで就任させていただきました。何分不慣れでございますけれども,皆様よろしくお願いいたします。 伊藤委員長 ありがとうございました。どうぞよろしくお願い申し上げます。   それでは,議事に入りたいと存じます。   本日の主な議事は,お手元の議事次第にありますとおり,(1)「日本司法支援センターの平成28年度に係る業務実績評価について」,(2)「日本司法支援センターの第3期中期目標期間の終了時に見込まれる,中期目標期間の業務実績評価について」,(3)「法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について」の3点でございます。   各議事につきまして,まず,事務局から概要の説明をお願いいたします。 山口参事官 事務局から御説明いたします。   お手元にお配りしましたクリアファイルの中に,議事次第,進行予定,出席者名簿,配席図,「事前に説明における御質問への回答」と表題の資料を入れております。   まず,議事次第の議事(1)につきましては,平成28年度の業務実績についての法テラスの自己評価とその理由等について,皆様に御議論を頂けたらと思います。   次に,議事(2)につきましては,第3期中期目標期間の見込評価についての法テラスの自己評価とその理由等について,御議論を頂けたらと思います。なお,法テラスは4年間の中期目標を設定して業務運営を行っており,本年度は平成26年度を初年度とする第3期中期目標期間の最終年度に当たります。これまで中期目標期間の業務実績評価は,当該中期目標期間が終了した翌年度にのみ行っていただいておりましたが,法改正により,今期からは中期目標期間の最終年度に,期間終了時に見込まれる業務実績の見込評価を行っていただくこととなりましたので,よろしくお願いいたします。   なお,「事前説明における御質問への回答」は,これまでに委員の皆様から頂戴した御質問への回答をまとめたものですので,御議論の際に御参照いただけたらと思います。   最後に,議事(3)につきましては,総合法律支援法上,法務大臣が法テラスの財務諸表について承認をしようとするときには,あらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないとされておりますことから,本日,併せて御議論を頂けたらと思います。   議事の説明は以上でございます。 伊藤委員長 それでは,ただいま事務局から説明のありました議事次第に沿って,本日は法テラスの業務実績や財務諸表につきまして,委員会としての理解を深めるために,宮崎理事長を始めとする法テラスの皆様方から資料についての御説明や委員からの御質問に対する回答をお願いしたいと存じますが,よろしゅうございますか。   (各委員了承)   それでは,そのように進めたいと存じます。   引き続きまして,本日の配布資料について,事務局から説明をお願いいたします。 山口参事官 それでは,お手元の配布資料目録のとおりにそろっているかどうかの御確認を頂きたいと思います。   資料1としまして,当評価委員会の名簿を配布させていただいております。   次に,資料2-1としまして,「年度評価」とタイトルを付けた水色の紙ファイルがございます。こちらが平成28年度の業務実績についての法テラスの自己評価等でございます。   次に,資料の2-2としまして,「見込評価」とのタイトルを付けたピンク色の紙ファイルがございます。こちらは第3期中期目標期間の見込評価についての法テラスの自己評価等でございます。   また,資料3-1としまして平成28年度の業務実績報告書,資料3-2としまして第3期中期目標期間の業務実績(見込)報告書,資料4-1としまして平成28年度の財務諸表,資料4-2としまして平成28年度の事業報告書,資料4-3としまして平成28年度の決算報告書,資料4-4としまして監査報告,資料4-5としまして独立監査人の監査報告書,最後に資料5としまして,「日本司法支援センターにおける契約の点検結果」という資料をつづらせていただいております。   最後に,別つづりで右側に赤いタグが貼られている机上配布資料でございますが,AからCまでの3点ございます。資料Aは,日本司法支援センターの業務実績評価に係る基本方針でございまして,本年度も引き続きこの方針にのっとって評価を行っていただくことになります。資料Bの独立行政法人の評価に関する指針と資料CのQ&Aは総務省から発出されたものですが,資料Aの基本方針は,これらを受けて策定されておりますものですので,参考としてお配りしております。   資料の説明は以上でございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   ここからは,各議事につきまして,それぞれに関連する資料について,法テラスから御説明を頂くとともに,各委員から御質問等をお願いしたいと存じます。   なお,議事(1)の年度評価と議事(2)の見込評価についてでございますが,評価の対象となる個別の評価項目は,年度評価と見込評価で共通のものになっております。そこで,法テラスには資料2-1の年度評価と資料2-2の見込評価について,同時並行で評価項目ごとにそれぞれの自己評価及びその理由の説明を頂く形で進めてまいりたいと存じます。   また,評価項目は全36項目にわたりますため,項目1-1から2-20までを前半,項目3-21から5-36までを後半として,二つのブロックに分けて御説明を頂き,それぞれに質疑応答の時間を設けたいと思います。   また,本日は法テラスの山下監事,津熊監事にも御出席を頂いておりますので,後ほど御意見をお願いしたいと存じます。   それでは,まず,法テラスの宮﨑理事長から,冒頭御挨拶を頂戴できればと存じます。 宮﨑理事長 日本司法支援センター理事長の宮﨑誠でございます。   評価委員の皆様には大変お忙しい中,当センターの業務実績評価のためにお集まりいただきまして,誠にありがとうございます。   当センターは,平成29年度が第3期中期目標期間の最終年度となります。この間の実績を見てみますと,コールセンターや地方事務所における情報提供件数は,合わせて年間52万件から55万件で推移しておりまして,創業以来10年余りの累積で見ますと,平成29年3月にはコールセンターによる電話における情報提供件数が約338万件に達しています。また,民事法律扶助業務における法律相談援助につきましても累計280万件を超えています。代理援助も累計100万件を突破しておりますが,こちらの直近の件数も順調に推移しております。今後も国民の皆様に対してより良い情報提供をし,また,身近な司法アクセスの窓口として,より良いサービスが提供できるように努めてまいりたいと考えています。   昨年の通常国会において,総合法律支援法と刑事訴訟法の一部改正法が成立いたしました。総合法律支援法の改正では,御承知のとおり,当センターの業務として,大規模災害の被災者に対して無料法律相談を実施するという業務のほか,認知機能が十分でない方,ストーカーやDV,児童虐待の被害者に対する資力を問わない法律相談の実施といった業務が追加されました。また,刑事訴訟法の一部改正では,被疑者段階での国選弁護の対象が勾留された全件に拡大されることになっています。   このうち大規模災害の被災者に対する資力を問わない法律相談の業務については,他の業務に先行して施行され,法テラスが熊本地震の被災者に実施した無料法律相談は約1万件,震災法テラスダイヤルでの情報提供は約2,000件に達しております。   また,その余の未施行部分につきましても,平成30年6月までに施行される予定になっており,これらが施行されることで高齢化社会や深刻な被害に進展するおそれが大きいストーカー,DV,児童虐待など,我が国が抱える大きな問題に対応して,法的な援助の手が届きにくい方々に,より良く司法へアクセスしやすくなることが期待されており,当センターでは円滑な実施に向けて体制整備を行っているところであります。   法テラスの業務は,このように年々拡大しておりますが,職員が一丸となってこれらの業務に取り組み,国民の皆様の御期待に応えてまいりたいと考えております。   本日は,委員の皆様方から忌憚のない御意見,御指摘を頂きまして,当センターの業務を改善し,質の高いサービスの提供につなげていきたいと考えておりますので,どうかよろしくお願い申し上げます。 伊藤委員長 宮﨑理事長,ありがとうございました。   それでは,引き続き法テラスから御説明をお願いいたします。 河原部長 それでは,総務部長の河原から,28年度の業務実績と第3期中期目標期間における業務実績の見込みについて御説明いたします。何分,大部になりますので,各項目につきまして,28年度の業務実績及び自己評価の評定とその理由について御説明した後に,簡単に第3期中期目標期間における見込評価の理由と自己評価について御説明するという形で進めさせていただきたいと思います。   それでは,早速ですが,一つ目,総合法律支援の充実のための措置に関する事項について御説明をいたします。   まず,項目1-1ですが,これはの震災法律援助事業に関する項目です。過去の援助実績の分析によりまして,震災法律相談援助から震災代理援助や震災書類作成援助に結び付く傾向が高い原発事故の損害賠償請求事件につき,引き続き原発弁護団と連携するなどして,震災代理援助や震災書類作成援助の利用促進に努めました。しかし,震災発生から一定程度時間が経過したこと等もあり,件数自体は減少いたしました。   一方で,移動相談車両を利用した巡回出張相談や夜間・休日相談,被災地出張所,法テラスふたばでのテレビ電話相談等,被災者の利便性を考慮した震災法律相談援助を実施しまして,震災法律相談援助は前年比97%と高い水準を維持することができました。また,震災法律相談援助利用者への満足度調査につきましても,満足度が高いという結果となりました。   これらのことから,28年度の所期の目標は達成できたものと考え,自己評価はBといたしました。また,見込評価につきましては,被災者の利便性を考慮した相談援助の充実に努めた結果,28年度まで高水準を維持しており,中期目標は達成できる見込みであることから,自己評価をBといたしました。   次に,項目1-2ですが,これは震災法律援助事業以外の手法による援助の充実に関する項目です。この項目では,各種専門家によるワンストップ相談会や震災法テラスダイヤル,女性の悩み事相談等を実施しました。また,震災法律援助事業の直接の対象とならない被災者に対しても,巡回相談や出張相談等の民事法律扶助制度を積極的に活用いたしました。   このように,被災者の多様なニーズに応じてきめ細かく対応し,28年度の所期の目標を達成しており,引き続きこれらの取組を進めることで中期目標も達成できるものと考え,年度評価,見込評価ともに自己評価をBといたしました。   次に,項目1-3ですが,これは高齢者・障がい者等に対する援助の充実に関する項目でして,司法ソーシャルワークの項目でもあります。28年度に司法ソーシャルワークの評価指標である連携を契機とした各種の法律相談援助件数を集計する仕組みが整ったことから,ここでは法律相談援助の実施状況を中心に,28年度の実績について御説明させていただきます。   まず,司法ソーシャルワークの事業計画では,福祉機関・団体の施設を民事法律扶助の指定相談場所として法律相談援助を実施するほか,福祉機関・団体職員を通じて出張相談の要請を受け付ける仕組みを整えるなどして,福祉機関・団体との連携を法律相談援助へとつなげていくためのスキームの構築を目指すこととしております。そこで,このスキームの担い手を確保するために,日弁連や日司連に働き掛けるなどした上で,弁護士会,司法書士会との協議を段階的に進めて法律相談担当者の名簿を整えるなど,スキーム構築の前提となる体制の整備を図るとともに,福祉機関・団体にも働き掛けて,指定相談場所の指定や出張相談の手続の整備を推進しました。   最近では,例えば常勤弁護士が精神保健センターを定期的に巡回して法律相談を実施した結果,ニーズの掘り起こしが進んでおり,今後,巡回する福祉機関・団体の範囲を更に拡大して実施するために,一般契約弁護士との共同体制を構築すべく,弁護士会との協議を開始したという事例が報告されるなど,司法ソーシャルワークの取組をより組織的に展開していく動きもございます。本部では,各地のこのような事例を整理し,連携スキーム構築マニュアルを作成し,これをテキストとして階層別の職員研修を実施するなどして,連携スキームを構築するための具体的ノウハウの組織内共有を進めました。   このような取組の結果,福祉機関・団体の施設を指定相談場所として指定した数は,27年度から67か所増加して152か所となったほか,福祉機関・団体を巡回して実施する法律相談の件数も,特に主要な連携対象機関である地域包括支援センター,福祉事務所,社会福祉協議会の3機関で実施したものは,27年度から57件増加して193件となりました。さらに,実績集計の仕組みが整った28年6月から29年3月までの10か月間においては,福祉機関・団体との連携を契機とした出張相談の件数は639件,センター相談・事務所相談の件数は2,578件となりました。   次に,高齢者・障がい者へのサービスの向上についてですが,障がいを理由とする差別の解消の推進に関する規定に基づきまして,全国の地方事務所等で取り組んだ合理的な配慮について,その取組事例を本部サービス推進室において集約し,全職員に共有するとともに,本部で行われた集合研修において,高齢者や障がいを持つ利用者への理解を深めさせる研修を実施するなどの取組を行いました。   以上のとおり,司法ソーシャルワークにつきまして,福祉機関・団体との連携を法律相談援助につなげるためのスキーム構築の具体的な方策・ノウハウを確立し,これを全組織的に共有・実施する段階に到達したことなどから,28年度の目標は達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価につきましては,28年度までに事業計画で示された取組の具体的なノウハウを確立し,組織内の共有を図るなど,事業計画を遂行するための環境が整ったことから,29年度に事業計画に沿った取組を継続することによって,中期目標に掲げた目標を達成できるものと考え,自己評価をBとしました。   次に,項目1-4ですが,これは職員の採用及び配置に関する項目です。一般職員の採用につきましては,本部の事務局長から係長,主任に至るまでの幅広い職員を面接員に任命して,複数回面接を実施し,多角的に適性を判断し,多様な人材を確保できるよう努めました。一般職員の配置につきましては,各地方事務所の規模,取扱事件数等を勘案し,業務の平準化及び事務の合理化の観点も十分に踏まえて行いました。   常勤弁護士の採用につきましては,就職説明会の開催や選択型実務修習の受入れ等を行うとともに,関係機関と連携してホームページ等を利用した情報提供を行うなど,広く常勤弁護士への応募を促すことにより,法曹経験者5名を含む26名の常勤弁護士を採用することができました。常勤弁護士の配置の必要性,妥当性につきましては,内部での調査に加え,日本弁護士連合会とも連携して検証に取り組みました。28年度末時点での配置人数は232名となっております。常勤弁護士の事件受任による財政的な効果につきましては,事務所ごとの収支の試算を行うなど,その把握,分析に努めました。   コールセンターでは,入電件数等,業務量増加の状況を踏まえ,新規雇用の人数を抑制しつつ,曜日や時間帯別の入電件数に合わせたシフト体制を敷くなど,効率的な運営を行いました。   以上のとおり,28年度において各種取組を実施したものの,常勤弁護士に関して,配置の必要性等の検証結果を踏まえて配置をするまでには至っておらず,常勤弁護士の事件受任により生じる財政的な効果についても,その試算を行うにとどまったことから,全体としてみると自己評価はCとせざるを得ないと考えました。また,見込評価ですが,常勤弁護士の配置の必要性や配置人数の妥当性について,29年度中に検証を終える予定ではあるものの,中期目標期間中に,この検証に基づく実際の配置を行うことまでは達成困難であると考え,見込評価もCといたしました。   次に,項目の1-5ですが,これは職員の能力の向上に関する項目です。27年度に研修制度に関するプロジェクトチームにおいて,当センターの研修制度の中核をなす階層別研修の大幅な改定につき検討を終え,研修要綱を策定しました。そして28年度には,当該要綱に沿った研修を実施しました。併せて業務研修について整理統合を進め,また管理職や指導担当職員向けに「OJTハンドブック」を作成,配布するなどし,職員育成に関する体制の整備を図りました。   常勤弁護士につきましても,裁判員裁判,弁護技術研究室及び常勤弁護士業務支援室を活用しながら,様々な研修を実施し,その能力の向上を図りました。   これらの取組から,28年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価につきましても,各年度において職員の能力の向上を図る取組を行っており,29年度においても着実に実施する予定であることから,中期目標は達成できる見込みであり,自己評価をBとしました。   次に,項目1-6ですが,これは一般契約弁護士・司法書士の確保に関する項目です。関係機関と連携し,多数回の説明会や協議会を実施したり,説明資料を配布するなどして,契約弁護士及び契約司法書士の確保に努めた結果,28年度における民事法律扶助契約弁護士・司法書士の人数は2万9,078人,国選弁護人契約弁護士の人数は2万7,667人,国選付添人契約弁護士の人数は1万4,272人,被害者参加弁護士契約弁護士の人数は4,709人となり,いずれについても,前年以上の契約人数を達成しました。   以上から,28年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価をBといたしました。見込評価につきましても,扶助,国選とも中期目標期間を通じて一般契約弁護士・司法書士の人数は,毎年度,前年度以上となっており,29年度も同様の取組を着実に実施して中期目標を達成できる見込みですので,自己評価をBとしました。   次に,項目1-7ですが,これはガバナンスの強化に関する項目です。まず,本部における組織運営等について,執行部会,全国地方事務所の所長会議,事務局長会議やブロック別協議会を開催し,支援センターが抱える課題や,課題への対応方針等について,検討・協議したり,理事長指示を伝達するなどし,また,地方事務所においても執行部会を開催するなど,理事長の決定事項や業務運営方針の周知徹底を図りました。   常勤弁護士につきましては,例えば本部主催の研修において,新規採用した常勤弁護士を対象に中期計画などに関する講義を行ったほか,地方事務所においても,常勤弁護士が開催する定例会議に地方事務所長等が出席して,常勤弁護士が当センターの役割や業務運営方針を理解し,その実現のため,意欲的に業務に取り組むよう努めました。   以上から,28年度の所期の目標を達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価につきましても,各年度においてガバナンス強化の取組を行い,29年度においても着実に実施する予定であることから,目標達成の見込まれますので,自己評価をBとしました。   次に,項目1-8ですが,これは監査の充実強化に関する項目です。監事監査につきましては,本部ほか6地方事務所で,内部監査は本部ほか33地方事務所・地域事務所等で,情報セキュリティ監査は25地方事務所で,それぞれ実施しました。28年度は事前の予備調査を充実させ,適切にリスク評価を行い,監査全体の質的向上を図ることができました。   また,会計監査人監査との連携を図り,監査全体を効率的,効果的に実施したほか,情報システムに係る規程類の整備状況及び運用体制を点検する情報システム監査も実施しており,全体として,監査の充実・強化を図ることができたと考えております。   以上から,28年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価をBとしました。また,29年度もこれらの取組を継続し,中期目標を達成できる見込みであり,自己評価をBとしました。   次に,項目1-9ですが,これはコンプライアンスの強化に関する項目です。この項目につきましては,業務方法書の変更に伴い,27年度からガバナンス推進委員会を内部統制推進委員会に組織再編し,この委員会の下に設置した小委員会において,内部統制の基盤を強化しました。28年度において,業務管理小委員会では各種監査での指摘に対する改善を,コンプライアンス小委員会では職員に対するコンプライアンスの意識の向上を図りました。   こうした各種取組により,コンプライアンスの一層の強化を図ることができ,29年度も同様に取組を継続していくこととしているため,年度評価,見込評価とも自己評価をBとしました。   次に,項目の1-10ですが,これは情報セキュリティ対策に関する項目です。まず,この項目では,改定した情報セキュリティ関連規程にのっとり,情報セキュリティ委員会を設置し,情報セキュリティ対策を推進するための体制を整備しました。   次に,対策の実施ですが,各種研修における講義の一つとして,標的型攻撃メールの実例や対策を盛り込んだ研修を実施しました。また,標的型攻撃メールの訓練を実施したり,情報セキュリティ教育を全職員を対象に実施し,チェックシートを利用した自己点検を行わせるなどして職員への注意喚起と意識向上を図りました。なお,支援センターでは,現在,各種情報システムの更改作業を進めており,今後の政府の方針等も踏まえて,重要情報を適正に管理し,情報流出が起こらない情報セキュリティ対策の構築を進めていきたいと考えています。   以上から,28年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価につきましては,これまで政府方針に基づいた情報セキュリティ関連規程の改定と教育を実施しており,29年度においても同様の取組を継続しますので,自己評価をBといたしました。   次に,項目1-11ですが,これは効果的な連携方策の策定に関する項目です。地方協議会につきましては,議題や開催方法等に応じて関係機関,団体等の出席者を検討した上で,全国50の地方事務所において毎年度実施し,28年度には合計87回開催しました。うち33の地方事務所では,複数回の開催をしています。   また,地方公共団体やその他関係機関団体に対する業務説明や意見交換等を,前年度を上回る3,038回実施し,関係機関等との連携の維持強化を図りました。29年度においても,こうした取組を推進することとしています。   以上から,年度評価,見込評価ともに自己評価をBといたしました。   次に,項目の1-12ですが,これは連携強化のための体制構築に関する項目です。関係機関団体との緊密な連携体制を構築するために,支援センターの業務の実施を担う地方事務所の執行部に,地方自治や福祉関係等の知識,経験を有する人材の起用を検討し,28年度は1地方事務所において福祉関係者を副所長として起用することができました。また,その他6地方事務所においても,次年度の起用に向けた調整を行っており,多様性のある執行部体制の構築を着実に進めております。このような取組は,第3期中期目標期間を通じて行っており,29年度も6名の起用に向けた調整を行い,多様性のある執行部体制の構築を図っています。   以上から,年度評価,見込評価ともに自己評価をBとしました。   次に,項目1-13ですが,これは報酬・費用の立替・算定基準に関する項目です。民事法律扶助業務に関しては,現行基準の下での運用の適正化・平準化の取組を進めるべく,対応案を検討し,全国審査委員長会議等で協議を行いました。   また,国選弁護等関連業務に関しては,現行基準に対する契約弁護士の不服申立ての内容を分析し,適切な国費支出の観点も踏まえて,基準の改正案を作成し,関係機関と協議を行うなどしました。   以上から,28年度の所期の目標を達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価につきましては,29年度も同様の取組を継続し,目標達成できる見込みであることから,自己評価をBとしました。   次に,項目1-14ですが,これは自然災害等に関するリスクへの対応の構築に関する項目です。まず,業務継続計画についてですが,自然災害発生時における業務継続計画策定に必要な情報収集と分析を行い,計画策定に向けた準備をしてきたところ,28年4月に発生した熊本地震において,職員の安全確認体制が不十分であることが明らかになり,この点について対応すべく,計画案を変更することとしました。そのため,28年度中に計画の策定・公表をすることはできませんでした。なお,業務継続計画につきましては,29年度中に策定,公表できる見込みとなっています。   次に,システム復旧関係の整備についてですが,遠隔地に設置されたデータ保存センターに保存されたバックアップデータからデータを復旧させる訓練を実施し,体制の整備を行うとともに,データ復旧のための手順を整備しました。   以上から,データ復旧の体制と手順については整備されたものの,28年度は,先ほど申し上げたとおり,業務継続計画の策定・公表に至りませんでしたので,年度評価をCとしました。しかし,29年度にはこの業務継続計画を策定・公表して目標を達成できる見込みですので,中期目標期間の自己評価をBとしました。   次に,ここからはⅡの業務運営の効率化に関する事項に移ります。   まず,項目2-15ですが,これは一般管理費及び事業費の効率化に関する項目です。人件費につきましては,業務の内容に応じて常勤職員,パートタイム,フルタイム非常勤職員を柔軟に配置し,給与体系についても国の制度に準じた内容の給与規程を維持するなどして,人件費の合理化,効率化を図りました。   一般管理費及び事業費につきましても,職員住宅借上料の削減や研修経費の削減等による経費削減を推進し,効率化係数が織り込まれた厳しい予算額の範囲内で,効率的な予算執行を達成しました。   次に,契約手続ですが,前年度同様,競争性,透明性,公正性を確保する方策を講じました。その結果,一者応札につきましては,27年度は28件中2件,率にして全体の7.1%でしたが,28年度は42件中4件,率にして9.5%と,昨年度同様の低い水準を維持することができました。   以上のとおり,全体として効率化に努め,28年度の所期の目標を達成したことから,自己評価をBとしました。見込評価につきましても,経費削減を推進し,効率化係数が織り込まれた厳しい予算額の範囲内で効率的な予算執行を達成しており,29年度においても同様に効率化の取組を続けて目標を達成できる見込みですので,自己評価をBとしました。   次に,項目の2-16ですが,これは事務所の業務実施体制の見直しに関する項目です。出張所に関しては,出張所が設置されている地方事務所及び支部の執行部と協議を重ねるなどして,業務実施体制の見直しを検討した結果,26年度に新宿出張所を廃止し,その後も業務量,利用者の利便性などを地域における法的ニーズなどの把握・分析を継続しました。また,被災地出張所につきましては,震災特例法が30年3月末まで延長されたのを受け,被災地自治体の要望などを踏まえて関係機関と協議・検討し,いずれも設置期間を30年3月末まで延長しました。   司法過疎地域事務所に関しましては,設置基準,その他の諸要素を踏まえ,設置可能性のある地域を把握し,候補地を挙げるなどしましたが,当該地域の法律事務の取扱業務量,採算性等の要素をも総合勘案した結果,28年度中の新規設置は行いませんでした。既存の司法過疎地域事務所の存置等の必要性や常勤弁護士の配置人数につきましては,取扱件数が業務量に直結しないなどの事情の把握に努めつつ,事務所ごとの業務量の把握,分析を行いましたが,その結果を踏まえた見直しには至っておりません。   以上のことから,28年度の所期の目標を達成するには至っていないと考え,自己評価をCとしました。見込評価につきましては,業務量や採算性等を総合勘案するとともに,設置に係る検討過程を明らかにした上で,司法過疎地域事務所を2か所設置しました。しかし,既存の司法過疎地域事務所の存置等の必要性や常勤弁護士の配置人数については,先ほど申し上げたとおり,29年度中に検討を終える予定であるものの,必要な設置及び見直しには至らない見込みのため,自己評価をCとしました。   次に,項目2-17ですが,これは情報提供業務に関する項目です。27年度に開始した地方事務所,支部が話し中で応答できない電話及び着信から10秒以内に応答できない電話,これをコールセンターに自動転送する取組を継続するとともに,地方事務所からコールセンターへの内線転送の更なる促進や,メールによる情報提供について,スマートフォンや携帯電話からの問合せも可能とするなどし,コールセンターの一層の活用によって業務の効率的運用を実施いたしました。   コールセンターのオペレーターにつきましては,入電傾向を分析し,限られたオペレーター人員のうち,入電が多い平日午前中の人員を増やし,平日夕方から夜間の人員を減らすなど,効率的な人員配置を行うことにより,応答率97.1%を達成し,入電したものの受電できなかった電話が極めて少ない状態を維持いたしました。   1コール当たりの運営経費は,27年度,941.2円でしたが,28年度では764.8円となり,運営経費が増加した27年度だけでなく,25年度や26年度と比較しても大幅に減少させることができました。   以上のとおり,この項目につきましては,28年度の所期の目標を大きく上回る成果を上げることができたと考え,自己評価をAとしました。見込評価につきましては,27年度の評価はCでしたが,28年度に運営経費の効率化を達成し,29年度も同様の取組を継続して中期目標を達成できる見込みですので,自己評価をBとしました。   次に,項目2-18ですが,これは民事法律扶助業務に関する項目です。まず,簡易な案件につきまして,単独審査の積極的活用を進めた結果,単独審査を実施する地方事務所の数は前年度より2事務所増え,48地方事務所となりました。   また,民事法律扶助業務に係る暫定標準モデル,これは民事法律扶助業務における事務手続の全国統一化を目的として作成したものですが,この暫定標準モデルを28年6月から全国で実施し,その結果を検討した上で,民事法律扶助標準モデルを策定し,29年4月の実施に向け準備を行いました。   常勤弁護士の共同受任につきましては,共同受任マニュアルに基づき取組を推進しました。   以上から,28年度の所期の目標を達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価ですが,事務手続の平準化・合理化につきましては,単独審査の積極的活用を進めたほか,民事法律扶助標準モデルを策定の上,29年4月から実施しており,29年度中に全国での定着を達成できる見込みです。また,常勤弁護士同士の共同受任につきましては,共同受任マニュアルに基づいた取組を継続して行っており,29年度も同様に取組を継続させる予定です。したがって,中期目標は達成できる見込みですので,自己評価をBとしました。   次に,項目2-19ですが,これは国選弁護等関連業務に関する項目です。報酬算定に係る不服申立てにつきまして,地方事務所限りでの処理を可能とする制度を引き続き運用し,345件の不服申立てのうち47件,率にして約13.6%をこの制度の下で処理しました。28年度は,27年度よりも件数,処理率ともに増加し,本部及び地方事務所の双方で事務手続を軽減させるこの制度の運用が定着しており,地方事務所ともその状況等を共有して,一層の活用を促しています。   また,一括国選弁護人契約を締結している弁護士数も,28年4月1日時点では9,967名でしたが,29年4月1日時点では1万563名と,年々,着実に増加しています。   以上から,28年度の所期の目標は達成できたと考え,自己評価をBとしました。また,29年度も取組を継続し,目標を達成できる見込みであり,見込評価もBとしました。   次に,項目2-20ですが,この項目は司法過疎対策業務に関する項目です。この項目につきましては,司法過疎地域事務所の設置以外の司法過疎対策としまして,支援センターが行う研修への参加を,司法過疎地域に設置された公設系法律事務所に派遣される予定の一般契約弁護士に対しても認めました。また,昨年度に引き続き,巡回法律相談を新たな地域で実施するなどしました。こうしたことによって,より効率的かつ効果的な形での司法過疎地域における法律サービスの提供を検討・実施しました。   以上から,28年度の所期の目標を達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価につきましても,各年度において,より効率的・効果的な形での司法過疎地域における法律サービスの提供を検討・実施しており,29年度も着実にこれを行う予定であり,中期目標を達成できる見込みのため,自己評価をBとしました。   私からは以上でございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   それでは,項目が多岐にわたりますが,ただいま御説明があった範囲に含まれるものにつきまして,どの点からでも,委員の皆様から御質問等をお願いいたします。   どうぞ,池田委員。お願いいたします。 池田委員 池田でございます。   それでは,項目2-17,情報提供業務における取組状況についてでございますが,対応されている内容が拡充されていたり,1コール当たりの運営経費が大幅に下がっていたりということで,自己評価をA評価とされている内容そのものについて特に異論があるわけではございません。   また,追加で頂きました「事前説明における御質問への回答」の中に書いていただいた稼働率につきましても,27年度の66.45%に比べ,28年度は73.27%と,6.8%の改善がされているということで,これも大変大きな改善だと思います。したがいまして,オペレーターの稼働も上がっており,いろいろな意味で効率化が図られているのだと思います。   ただ一方,コールセンターのオペレーターの稼働率は,通常85%くらいまでは上げられると一般的には言われておりまして,これを超えるとやや稼働率が高すぎて離職等のリスクが高まると言われておりますので,73%は決して天井ではないと存じます。   したがいまして,配置人数や時間帯についても工夫をしているということではございましたけれども,より一層の効率化については,まだ余地があると思いますので,それを申し添えさせていただければと思います。 伊藤委員長 ただいま池田委員から,項目2-17に関して,オペレーターの稼働率が改善されていることは評価でき,稼働率は一般的に高ければ高いほど良いというものではないが,やはり一定の目標とすべき稼働率の数値があるとの御指摘がございました。    その点に向けて,更にどのような努力が考えられるのかについて,現時点で,センター側で御説明いただくことがございましたらお願いいたします。 菅沼部長 情報提供課長兼務の菅沼でございます。   御指摘ありがとうございました。今回,稼働率についての御質問を頂きまして,このような形で数字を出させていただきました。実は,オペレーターの稼働率については,つぶさに数字を把握していたわけではありませんでしたので,池田委員からの御指摘により,非常に良い視点を頂いたと思っております。   稼働率を曜日別に見ますと,特に平日については,昨年度からかなり改善をしていると認識をしております。それは,入電数の傾向であるとか,それを見越してシフトの体制,配置を見直すといった努力によるものでございまして,更にどのような努力が考えられるかにつきましては,すぐに,具体的に申し上げられるわけではありませんが,引き続き努力をしてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。 伊藤委員長 池田委員,よろしゅうございますか。 池田委員 結構でございます。 伊藤委員長 ほかにいかがでしょうか。   どうぞ,山中委員。 山中委員 先日,事前に説明を伺って,全体として,以前に評価委員会でいろいろ議論して指摘をさせていただいた点について,評価方法の見直しや実際の業務運営の在り方についての見直しなど,非常にきちんとした対応をこれまでしてこられたと私は受けてとめております。その上で何点か質問と,私の考え方を申し上げておきたいと思います。   一つは,震災等の際の対応についてですが,去年,熊本地震の際に職員の方1人と連絡が取れない時間帯があったと伺いましたが,確かに,事務所も被災地に含まれていれば,職員も被災者であるわけです。そうは言っても,東日本大震災のときもそうでしたけれども,その中でも様々な法テラスとしての法律支援業務をやっていかなければならない。そうすると,相談件数その他,周囲のいろいろな状況によっては,その発生時,あるいはその後1年とか2年の間は,単独の事務所だけではなかなか対応できないという状況も考えられる。   そこで,どこでどういう災害が起こるかは分からないので,結局,起きたときの対応は臨機応変ということでやらざるを得ないのか,あるいはあらかじめ,例えばブロック単位で,何かあったときには,若干広域的な応援体制をあらかじめ用意しておくということで,とりわけ大きな災害のときに対応しておられるのか,その点をお伺いをしたいのが1点です。   次に,司法過疎対策については,法テラスの重要な業務の一つではあるのですが,毎年,事務所等をニーズのありなしでころころと変えるわけにいかないわけですよね。つまり,何かあったから事務所を増やすとか,何かあったから減らすというわけにはいかない。そうすると,この項目は,元々,単年度での評価になじまない性質のものでして,29年度を含めて中期目標期間全体をまとめた評価をするということになったときに,私はあまりA,B,Cという評価にはこだわらないのですが,B,Bと続いたからBだなど,結局平均点的な評価をせざるを得ない。これはこれで仕方がないと思うのですが,とりわけ司法過疎対策については,単年度でBだ,Cだという評価よりも,やはり3年とか4年のタームで,どの地域にどういうニーズがあって,どういう体制整備が必要かという,正に中期目標期間全体を見て考えるべき話だと思うのです。年度評価を否定するつもりはないのですが,司法過疎対策については,単年度の評価をどうするか,あまり神経質に考えることもないのかなという気がしています。   それと,もう一つは,項目2-15で人件費の話が出ておりましたが,職員のモチベーションを高めていくためには,法テラスの社会的使命を皆さんがきちんと自覚をしておやりになる,これも大変大事なことなのですが,やはりその処遇をきちんとしなければならない。事前説明でラスパイレス指数が80程度と聞き唖然としたのですが,大体,都道府県の場合は100を少し超えていて,市の場合で85とか90程度で,町村の場合でも80というのはあまりないですよね。これは非常勤職員や派遣職員等を含むなどラスパイレス指数の算定方法の影響もあるのかもしれませんが,80程度という数値を字義どおりに受け止めるとすれば,相当低いわけです。人件費を上げるとなると,内部でも外部でも抵抗感が非常に強いのかもしれませんが,今後,どういう心づもりでおやりになっていくのか,お答えをお聞かせいただければと思います。 伊藤委員長 ただいま山中委員から,1点目は,震災等の被災者の援助に関して,ある程度,広域的な体制を考えていく必要があるが,それについてどのようにセンターとしては考えておられるかとの御質問がありました。   それから,2点目は,これはどちらかというと御意見になるかもしれませんが,司法過疎対策については,単年度でその取組についての評価を決定するということは,なかなか難しいのではないかという御指摘がありました。   それから,3点目は,人件費について,ラスパイレス指数の数値だけから見ると,やや低すぎるが,センターの適正な業務運営にとってどうなのかという御質問がありました。   それぞれセンターの側から説明をお願いできますでしょうか。 河原部長 御質問ありがとうございます。総務部長の河原からお答えいたします。   まず,震災の際の機動的な体制ということについてでございますが,実情はやはり起きたときに,発生したときに,臨機応変にやっていくということでやらざるを得ないというのが現状でございます。ただ,昨年度は震災はいつ起きるか分からないということを,職員全員が強く感じたところでございました。常日頃から,起きたときにはどうするのかということを地方事務所ごとに折に触れて具体的に話をして,安否の確認,それから業務を継続するためにどこに連絡してどうするか,このような意識付けに努めようと考えまして,以前から作っていたマニュアルについて,ブロック別協議会で伝達し,地方事務所内でもそういった意識を共有できるようにしております。また,熊本地震を経験をした職員に,全国の会議の場で発表してもらうなどして経験を共有するといったことも行っております。なお,実際に災害が起きたときには近県の地方事務所の職員が応援体制を組むことなどについても,人事課で取りまとめを行ったりしました。   次に,司法過疎対策についてですが,少し長期の期間で評価すべきとのことで,単年度ごとの評価の平均で評価を考えなくとも良いのではないかとの大変心強い御意見を頂き,有り難く思っております。やはり,ある一定の期間の中でやっていくべきものというのは,正に司法過疎対策を始めとして,幾つかの業務があると思っております。ただ,そうは申しましても,我々は,各年度ごとに自分たちが何を目標にやっていくのかという目標をもって,やっていくものと思っておりますので,年度目標に向かって,それが達成できたかどうかを御報告することとしておりますし,中期目標の4年間をどう評価していただくかは,評価委員の方々にまた御議論いただいて,評価をお願いしたいと思っております。   次に,ラスパイレス指数の関係につきましては,今,人事課長からどのようにしているかを説明させますが,我々としましては,国費で賄われている法人であるということで,絶えず国家公務員の給与体系,水準というものは横目に見つつ,能力,やる気のある職員が前向きな気持ちで職務を行えるようにというところを考えながら,人事制度を運用しているところでございます。 佐々木課長 では,詳細につきましては,人事課長から御説明します。   私ども職員の給与につきましては,国家公務員に準じた形にしておりますので,大学を卒業して新卒で入りました職員につきましては,基本的に国家公務員と同じ水準の給与になっております。ただ,当センターの特徴として,創業時に中途採用の職員を多く採用したことがあり,その中途採用の職員については基本的に2級以下に位置付け,そういった職員が現在も多く在籍しております。これらの職員の中で,特に40代から50代にかけての職員が国家公務員の同じ年齢の給与に比べると水準が低いということで,40代以上のところがかなりラスパイレス指数を下げている実態があります。ただ,中途採用で入った方も,やはりこれから頑張っていただかないといけないので,そこはハンデにならないように,適宜,救済措置を設けていきたいと考えております。 伊藤委員長 山中委員,いかがでしょうか。 山中委員 最後の点だけ。   新規採用時の格付は分かりましたけれども,中途採用の方というのは,やはりそれなりに社会の中でいろいろな経験を積まれて,いろいろな職業を経験しておられ,前歴換算をすれば一定のレベルでの格付というのは可能なはずですが,そういう配慮はされているんでしょうか。 佐々木課長 中途採用した時点では,そういう意味では2級以下,職員の級は1級から9級までありますが,その中の1級,2級という,最初のどちらかというと低いところに位置付けを行いましたが,最近はそのままではいけないということで,昇格等の際に,それなりの配慮は行っていますが,現状としてはまだ追い付いていないという実態があります。 山中委員 やはり初めの格付が低いと,いくら昇級等,いろいろなことをやっても追い付かないですよね。やはり個別によく見ていただいて,適切に給与面での処遇を行うように,せめて研究をしていただけませんでしょうか。 佐々木課長 御指摘大変ありがとうございます。引き続き対処していただきたいと思います。 伊藤委員長 それでは,他の委員の方,何か御質問ございますか。   どうぞ,池田委員。 池田委員 項目2-15について御質問がありましたので,質問というよりも感想に近いものになってしまうかと思うのですが,法テラスからの御説明では,3%の効率化減が反映された予算の範囲内での効率的な予算執行を行ったということで,自己評価をBにしていらっしゃるということでございました。   これは,法テラスの皆さんでどうこうできる話ではないのかもしれませんけれども,法テラスのように,行っている事業について常に見直しが図られ,必要なことについては必要なものとして拡充されていくような事業を行っている法人について,必要だと申請したものに対して一律3%の効率化が反映されるということになれば,3%を上乗せした形で申請したくなるのが人情ではないかと思います。正直言って,効率化減ということで行われていることの意味合いが,私には余り腹落ちするものではないというのが感想でございます。ほかの独立行政法人との関係等もあり,決まり事なんだろうとは思いますけれども,違和感を持つということだけは申し添えさせていただけたらと思います。 伊藤委員長 ありがとうございます。   これはセンターの方に説明をお願いするという性質のことではないと思いますので,ただいまの御発言については,私ども評価委員会の中で,評価を考える際の材料としたいと存じます。   事前説明の中で,佐藤委員から,常勤弁護士の採用に関して御質問があったように記載がございますが,その点はよろしいでしょうか。 佐藤委員 事前の説明では,常勤弁護士の採用人数は書いてあったのですが,何名必要と考えていて,それが何名採用されたのか,その辺が分からなかったので質問をしましたが,30名程度の採用を予定していて,26名の採用があったとのお答えがあったので,この点については特にそれ以上の質問はありません。 伊藤委員長 今の採用予定人数と実際の採用者数との関係について,何かセンターの方から補充して説明していただくようなことはございますか。 磯部課長 常勤弁護士総合企画課の課長をしております磯部です。   まず,必要とする数ですが,今,佐藤委員からもありましたとおり,30名程度が必要な数と認識しております。それに対して,平成28年度は26人の採用だったのですが,やはりやや少なかったと認識しているところです。   この点につきましては,今後も必要な数を十分に確保できるように努めていきたいと考えているところです。 田中理事 理事の田中でございます。   これまでスタッフ弁護士の採用に毎年継続的に関わっておりましたので,ちょっと感想を申し上げますが,日弁連とも協力しながら,スタッフ弁護士の採用手続を進めており,採用の基準等については,設立して間もない頃から,それほど大きな変化をしているわけではありません。ただ,やはり司法試験の合格者数等との関係もあり,その年々の応募の数自体がかなり大きく変動しておりまして,ここ数年は右肩下がりで少なくなっている状況があります。母数が少なくなっているところに加えまして,基準自体はそれほど変動しない,人数が必要だからといって採用の基準を下げることはしていませんので,結果として,このような採用人数になっているということでございます。   また,法テラスからスタッフ弁護士として採用するという内定を出した後に,内定を辞退するという方も一定数おられまして,最終的な採用できる人数については,実際に司法研修所の修習修了を待ってみないと確定しないという事情もあり,非常に変動が大きいというのが最近の状況でございます。 伊藤委員長 司法ソーシャルワークに関して,司法書士会との連携について池亀委員から事前の御質問があり,それについてセンターの回答がありましたが,池亀委員,その点について御質問,あるいは感想がございましたらお願いいたします。 池亀委員 回答の末尾に,出張法律相談の実施体制を整備しているとあるのですが,司法書士会との関係で名簿の整備がどうなっているかを具体的にお尋ねしたかったので,その体制の整備というのは具体的にどのようなことを指しているのかということを補足してお聞かせいただければと思います。 伊藤委員長 では,その点,センター側からお願いいたします。 森室長 司法ソーシャルワーク推進室の森と申します。   体制の整備の意味するところでございますけれども,まず司法ソーシャルワーク専用名簿がきちんと整って,その名簿に基づいて実施していくパターンのものと,そうではなくて,案件が発生した都度,司法書士会の方に案件を委ねて,司法書士会が配点をしていくというパターン,あるいは司法ソーシャルワークの出張相談のための名簿ではないけれども,民事法律扶助の契約司法書士の通常の名簿がありますので,その中から配点していくというパターン,そういったいくつかの体制が混じっている状況でございます。 伊藤委員長 池亀委員,いかがでしょうか。そのような何種類かのやり方を基礎にして実施をしているということのようですが。 池亀委員 分かりました。 伊藤委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。 それでは,ここで一旦,10分ほど休憩にしたいと思います。           (休     憩) 伊藤委員長 それでは,再開したいと存じます。   引き続きまして,法テラスからの説明をお願いいたします。 河原部長 それでは,次は,Ⅲ.提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項に入らせていただきます。   項目としましては,まず項目3-21,情報提供業務の質の向上に関する項目です。コールセンター及び地方事務所で第三者による客観的評価,いわゆるミステリーコールと呼ばれているものですが,その結果で,特に評価結果が良い音声ログを活用するなどして,電話応対等について実効性を確保した研修を行ったほか,オペレーター等の自習用の教材となる事例集を作成し,コールセンター及び地方事務所の全職員に共有しました。   また,電話による多言語情報提供サービスの対応言語にベトナム語を追加するといったサービス拡大を実施したり,FAQ,関係機関データベースの新規登録や更新を行うなどしました。さらに,熊本地震の被災者からの問合せに対応するため,熊本地震に関するQ&Aの作成や,震災法テラスダイヤル,これはフリーダイヤルですが,こうした被災者のニーズに適した情報提供も迅速に実施しました。   満足度調査につきましては,5段階評価のアンケートで,コールセンターは4.7,地方事務所は4.4と,いずれも高い水準を達成し,全体平均でも4以上の評価を得ることができました。   以上から,28年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価をBとしました。また,見込評価ですが,29年度には,これらの取組に加えて,FAQや関係機関データベースの登録内容の見直し,コールセンターでの法律相談予約等の取組を進める予定であり,中期目標を達成できる見込みですので,自己評価をBとしました。   次に,項目3-22,法教育に資する情報の提供等についてです。28年度は,法テラス設立10周年に当たる年であり,法テラス設立10周年を冠した法教育イベントを複数実施しました。本部では,26年度,27年度と東京都内で法教育シンポジウムを開催しておりましたが,全国に法教育を普及させる観点から,28年度は札幌市と大阪市で開催しました。この二つの都市では,これまでに演劇と寄席を活用した法教育イベントを開催してきた実績を取り入れ,一般市民に広く,身近で分かりやすいものといたしました。   具体的には,札幌市では,「法テラス劇場~おとなのための法教育2016~」を開催し,一般市民254名の参加を得て,演劇や参加者参加型のクイズを取り入れた分かりやすい法解説を行いました。実施後のアンケートでは,分かりやすかったとの回答が約99%,有意義だったとの回答も95%を超えました。大阪市では,「第10回法テラス寄席」を開催し,一般市民289名の参加を得て,寄席の演目を題材に現代の法律によるとどのような問題があるのかなど,分かりやすい法解説を行いました。実施後のアンケートでは,分かりやすかったとの回答が約94%となりました。なお,二つのシンポジウの内容を撮影した動画,写真等を法テラスのホームページや法務省の動画サイトに掲載して公開いたしました。   一方,地方事務所では,全国各地で社会人,一般市民向けの講演会,意見交換会,学校における出前授業,センターの業務内容説明会等を実施しました。全国の50地方事務所全てにおいて一般市民に向けて開かれた企画を実施するなど,趣向を凝らした取組を実施し,実施回数は合計で2,335回,延べの参加人数は19万133人となり,実施回数,延べ参加人数は,いずれも27年度を上回りました。   主な取組としては,山梨地方事務所における「高齢者・障がい者の権利擁護と司法ソーシャルワーク」をテーマとしたシンポジウム,福岡地方事務所におけるDV被害者支援に関するシンポジウム,徳島地方事務所における落語を通じて高齢者・障がい者への法的支援を考えるシンポジウム,佐賀地方事務所におけるグループワーク等を交えた障がい者への合理的配慮を考えるシンポジウム等を実施しました。   以上のとおり,この項目の年度評価については,本部及び地方事務所ともに法教育に資する情報の普及につき,所期の目標を大きく上回る成果を上げることができたと考え,自己評価をAとしました。また,見込評価につきましても,29年度も同様の取組を継続し,中期目標期間全体として所期の目標を大きく上回る成果を達成できる見込みであるので,自己評価をAとしました。   次に,項目3-23,これは民事法律扶助に関する項目です。まず,利用者の利便性を向上させるため,前年度同様の取組を行い,全50地方事務所のうち49事務所で代理書類作成の援助申込みから14日以内に援助開始決定を行うことができました。   次に,利用者に対する適切な援助を実施するため,専門相談の実施に努め,15事務所においてDV,労働,女性,消費者,医療,外国人等の問題に関する専門相談を実施しました。また,4月14日に発生した熊本地震につきましては,熊本県の弁護士会,司法書士会と協議し,被災者に迅速かつ適切なサービスを実施するための方策の検討にいち早く着手しました。さらに,6月3日改正の総合法律支援法に基づく被災者法律相談援助を実施するために,法改正から約1か月の短期間のうちに,業務方法書等の規程類の改正作業やマニュアルの整備を行い,7月1日の施行日から被災者法律相談を円滑に開始することができました。   以上から,28年度は通常業務の質を向上させつつ,突発事象である熊本地震への対応についても速やかに対応し,十分な援助ができたものと考え,所期の目標を大きく上回る成果を達成できたとして,自己評価をAとしました。見込評価につきましては,29年度においても同様の取組を継続し,中期目標を達成できる見込みですので,自己評価をBとしました。   次に,項目3-24,これは迅速かつ確実な選任・選定態勢の確保に関する項目です。この項目につきましては,まず,支部を含む全ての地方事務所において,関係機関との間で年度内に1回以上,国選弁護人及び国選付添人の迅速かつ確実な選任態勢についての協議の場を設けました。28年度において,その数は延べで488回に及んでおります。   また,支部を含め,全ての地方事務所において,裁判所,弁護士会と協議の上,裁判所から国選弁護人等候補者指名通知請求を受けてから指名通知を行うまでの目標時間を設定しております。特に,被疑者国選弁護事件につきましては,全地方事務所において,休日を含め,原則として数時間以内,遅くとも24時間以内との目標を定めており,28年度は全事件の99.4%で24時間以内に指名通知が行われています。   以上から,28年度の所期の目標は達成できたものと考え,自己評価をBとしました。また,見込評価につきましては,中期目標期間を通じていずれの数値も前年度以上となっており,29年度もこれらの取組を継続して中期目標を達成できる見込みとなっていますので,自己評価をBとしました。   次に,項目3-25ですが,これは,裁判員裁判対象事件への対応態勢の強化・充実に関する項目です。支部を含む全地方事務所において,毎年度1回以上,裁判員裁判用名簿の作成やこの名簿登載者の質の確保等について,関係機関との協議を実施しました。その結果,裁判員裁判用名簿が作成された地方事務所,支部の数は前年度より増加し,複数の地方事務所では,名簿の登載要件あるいは更新要件として,弁護士会における研修等が義務付けられるようになりました。また,裁判員裁判に関する知識・経験が多くの契約弁護士に共有されるよう,46の地方事務所・支部において,裁判員裁判に関する研修を実施しました。   常勤弁護士につきましては,常勤弁護士が実際に取り扱った裁判員裁判事件を基に,主張の在り方等を議論する事例研修を3回,裁判員裁判事件を多く取り扱う常勤弁護士を対象として少人数で行う専門研修を2回,それぞれ実施いたしました。   以上から,28年度の所期の目標は達成できたものと考え,自己評価をBとしました。中期目標期間を通じまして,裁判員裁判に対応できる国選弁護人の選任態勢は強化されつつあり,29年度においても,これらの取組を継続する予定です。また,常勤弁護士につきましても,各年度において裁判員裁判対象事件への対応態勢の強化・充実を図る取組を行っており,29年度にも着実に実施する予定であることから,中期目標は達成できる見込みです。したがいまして,見込評価についても自己評価をBといたしました。   次に,項目3-26ですが,これは契約弁護士のサービスの質の向上に関する取組に関する項目です。支部を含む全地方事務所において,説明会を実施したり,「国選弁護関連業務の解説」,「国選付添関連業務の解説」等の説明資料を配布するなどして,契約弁護士に対する適時・適切な情報の周知に努めました。また,28年度には,支部を含む56の地方事務所で延べ211回,中期目標期間を通じますと527回,弁護士会との共催又は地方事務所の主催で,弁護士活動の質の向上を目的とした研修を実施しました。   以上から,年度評価,見込評価ともに自己評価をBといたしました。   次に,項目3-27ですが,これは犯罪被害者支援業務の質の向上に関する項目です。前年度同様,利用者のニーズの把握と関係機関との連携を図るための取組や,犯罪被害者支援に係る職員の質の向上を図る取組を実施しました。   例えば,地方事務所では,前年度より多い,合計1,378の関係機関,団体から法テラスに対する意見等を聴取し,本部では日本弁護士連合会と連携しながら犯罪被害者支援に携わる弁護士に関する利用者の意見をアンケートにより聴取し,ニーズをくみ上げ,業務の改善に役立てました。また,事務局長や,被害者と接する機会の多い職員等を対象に,臨床心理士を講師として招くなどして,二次的被害の防止を目的とした研修・講義を実施しました。   精通弁護士紹介体制の整備については,女性弁護士842名を含む,犯罪被害者支援に精通している弁護士3,663名を確保しました。女性弁護士の数及び精通弁護士の数は,いずれも前年度より増加しております。   以上から,28年度の所期の目標は達成できたものと考え,自己評価をBとしました。また,見込評価ですが,中期目標期間を通じて同様の取組を実施し,29年度もこうした取組を着実に実施する予定であり,目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。   次に,項目3-28ですが,これは被害者参加旅費等支給業務の適切な実施に関する項目です。被害者参加旅費等の支給につきましては,裁判所,法務省等と情報を共有し,恒常的に裁判所と連携を図りながら制度の周知を行い,適切な支給に取り組むとともに,マニュアルの充実化により,支援センター内部における効率化にも取り組みました。その結果,全ての請求に対し,受理から概ね2週間以内に支給を行うことができました。   以上から,28年度の所期の目標は達成できたと考え,自己評価をBとしました。また,中期目標期間を通じ,概ね2週間以内に支給を行っており,29年度も同様の取組を着実に実施し,中期目標を達成できる見込みであるので,見込評価も自己評価をBとしました。   ここまでがⅢの事項であり,次からはⅣの財務内容の改善に関する事項に入らせていただきます。   項目4-29ですが,これは自己収入の獲得に関する項目です。寄附金収入獲得への取組につきましては,法テラスの公式ツイッターやホームページ等での呼び掛けに加え,寄附金の使途を特定することで寄附者の意向に沿った活用ができる使途特定寄附金の制度や,贖罪寄附に関するチラシ等を作成して配布するなど,寄附金獲得に向けた様々な方策を実施しました。   常勤弁護士の有償受任等による自己収入の確保につきましては,研修等において自己収入の確保の必要性や重要性について認識させ,各地域の事情に応じた自己収入の確保に努めたところ,受任件数は前年度から減少したものの,事業収益を前年度から増加させることができました。   地方公共団体等からの財政的支援の獲得につきましては,事務所の新規開設はなかったので無償貸与を受ける事務所等の増加はありませんでしたが,これまで無償提供を受けていた事務所を引き続き維持することができました。   以上から,28年度の所期の目標は達成できたものと考え,自己評価をBとしました。見込評価ですが,各年度において寄附金や自己収入の獲得に向けた取組を行っており,29年度もこれらの取組を着実に実施する予定で,中期目標は達成できる見込みですので,自己評価をBとしております。   次に,項目4-30ですが,これは効率的かつ効果的な立替金債権等の管理・回収方法の工夫に関する項目です。この項目につきましては,滞納を発生させないよう,確実に口座から引き落とすべく,生活用口座からの引落しを推進するとともに,滞納を早い段階で解消させるべく,口座引落し不能者に対し,コンビニエンスストアでの支払いを可能とした督促や,この督促の発送に合わせた電話による督促を組み合わせて実施しました。こういった取組が功を奏し,立替金の償還実績は27年度比104.4%の108億7,299万円となり,回収に大きな成果を上げることができました。また,償還免除及びみなし消滅も,一斉償却等の施策により,前年度並みの約45億円を実施しました。   以上から,28年度の所期の目標を大きく上回る成果を達成できたものと考え,自己評価をAとしました。また,見込評価につきましては,29年度もこれらの取組を継続することにより,所期の目標を大きく上回る成果を達成できる見込みですので,自己評価をAとしました。   次に,項目4-31ですが,これは償還率の向上に関する項目です。立替金回収に関する各種の取組により,償還率は27年度の84.6%から86.8%に向上しました。   以上から,28年度の所期の目標は達成できたものと考え,自己評価をBとしました。また,見込評価につきましても,各種取組により償還率は年々上昇しており,中期の目標を達成できる見込みですので,こちらも自己評価をBとしました。   次に,項目4-32ですが,これは立替金債権等の管理・回収状況の開示に関する項目です。毎年度の業務実績報告書において,支援センター設立以降の発生年度ごとの立替金額や償還金額等,立替金債権の管理・回収に関する基本的なデータを一覧表にして明らかにしていますが,28年度にも業務実績報告書にこの一覧表を掲載しており,29年度も同様に掲載することとしています。   以上から,年度評価,見込評価とも自己評価をBとしました。   次に,項目4-33ですが,これは立替金等の悪質な償還滞納者への対応の構築に関する項目です。悪質な償還滞納者等への対応について,過去に発出した事務連絡をマニュアルに取り込み,対応の徹底を図りました。   以上から,28年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価につきましては,29年度も統一的な対応の徹底に継続して取り組むこととしており,中期目標は達成できる見込みですので,自己評価をBとしました。   次に,項目4-34ですが,これは財務内容の公表に関する項目です。まず,財務諸表等におけるセグメント情報の開示につきましては,従来の区分経理によるセグメント情報の開示から,一定の事業等のまとまり別のセグメント情報開示への展開を進め,28年度決算においては情報提供業務や民事法律扶助業務,国選弁護業務等,センターの事業のまとまりごとに財務諸表の附属明細及び決算報告書を作成し,これを事業報告書及び業務実績報告書にも記載しました。   次に,事業報告書につきましては,27年度に引き続き,貸借対照表,損益計算書,キャッシュ・フロー計算書及び行政サービス実施コスト計算書について,各データの経年比較をグラフ化することによって決算情報を視覚化したり,決算情報と業務実績を関連付けて,各業務における主な収入及び支出に関する経年比較を記載するなどして,開示情報の充実化を図るなど,財務内容公表の透明性及び分かりやすさのための従来からの取組を継続しました。   以上から,28年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価をBとしました。見込評価につきましても,業務別セグメント情報の開示及び事業報告書上の開示情報の充実化の取組を継続することにより,所期の目標を達成できるものと考え,自己評価をBとしました。   ここまでがⅣの事項であり,次からは,Ⅴのその他業務運営に関する重要事項に入ります。   まず,項目5-35ですが,これは認知度の向上に向けた取組の充実に関する項目です。広報活動につきましては,本部と地方事務所の活動を可能な限り連動させ,効率的かつ効果的に実施しました。   関係機関との連携を通じた広報活動につきましては,昨年度同様,金融庁,日本弁護士連合会及び日本司法書士会連合会と連携して「多重債務者相談強化キャンペーン2016」を実施したほか,法務省のイベントに出展しました。認知度向上の取組につきましては,ここ数年と同様,業務認知度を上げることに重点を置いた広報活動を行いました。例えば,被災者向け広報を例にとりますと,東日本大震災の被災者に向けた新聞広告では,業務内容を具体的にイメージできるよう,毎回異なる実際の問合せ内容を紹介しました。また,熊本地震の被災者に向けたラジオ放送では,3分程度のインフォマーシャルを放送し,具体的な業務内容がイメージできるようにしました。   認知度調査については,前年度同様,各都道府県100サンプル,合計4,700サンプルで,インターネットによるアンケート調査を実施しました。その結果,まず,名称認知度が56.4%で,27年度比プラス5.8ポイント,業務認知度は16.1%で,27年度比プラス1.5ポイント,記憶喚起の手掛かりを得たものも含む業務認知者の割合は39.5%となりました。名称認知度が上昇した理由としては,業務開始10周年ですとか,熊本地震発生等の出来事でメディアに取り上げていただく頻度が増加したこと等の影響もあったことが考えられると思っております。   以上から,28年度の所期の目標は達成したと考え,自己評価をBとしました。見込評価についても,29年度にもこれら取組を継続し,中期目標を達成できる見込みですので,自己評価をBとしました。   最後,項目5-36ですが,これは業務運営の体制維持に関する項目です。職員数又は業務量の変動に応じ,備品整備,設備・施設の見直しを行うとともに,人的体制の確保のため,業務量の変動を適切に捉えた上での人員配置,能力主義に基づく若手職員の積極的な登用を実施しました。こうした取組は,第3期中期目標期間を通じて行っており,29年度も,同様に進めているところです。   以上から,年度評価,見込評価とも自己評価をBとしました。   私からは以上です。 伊藤委員長 それでは,これも多数の項目にわたっておりますが,どの点からでも結構ですので,御質問等をお願いいたします。   どうぞ,増田委員。 増田委員 項目3-21について,オペレーターの質の向上も著しく,アンケート調査で常に4以上の評価を受けているということ,応答率も97.1%ということでした。応答率が高く,かつ対応の評価も良いというのは,ほかでは滅多にないのではないかというぐらいすばらしいなと思います。ただ1点,ホームページにおけるアンケート調査の評価が3.3という点についてですが,若者等は,対面であるとか,自分で電話をするということをあまりせず,ネット上で手軽に確認できるツールがあれば,そちらの方にシフトしているという状況にありますので,今後は,やはりホームページの充実や分かりやすい表記等について,御検討いただく余地があるのかなと思います。   多分,電話対応はすごく訓練されていて,対応がすばらしいのだろうと思いますけれども,消費生活相談においても,若者からの相談はやはり少ないのです。ただ,それは被害あるいはトラブルがないということではなく,やはり自分でネット検索をして,自分で解決してしまうというケースが想定されていて,それが正しい解決,適切な解決になっているのかどうかというのが確認できないという状況がありますので,是非この情報は正しいものであるというところをアピールしていただいて,かつ中身も分かりやすいものにしていただくと良いのかなと思いました。 伊藤委員長 ただいまの増田委員からの御意見に関連して,池田委員からもホームページにおけるアンケート調査について事前の御質問があったと思いますが,何かございましたら,併せてお願いいたします。 池田委員 ここ何年かずっと気になっておりましたが,ホームページのアンケート調査の結果について,回答者数がいつもすごく少なく,正しい評価になっているのかどうか大変疑問を持つと同時に,評価がほかのチャネルに比べると低いということが気になっておりました。   先日,質問させていただいたところによると,このホームページのアンケート調査は,電話等で御説明を受けた方が,その場でアンケートに答える時間はないけれども,後日ホームページで答えてくださっていると思われるもの以外に,メールでの問合せに対して法テラスが回答するメールの最後のところにアンケートへの御協力をお願いしているという話がございました。メールによる回答は,多分,今も増えていると思いますし,今後も増えていくであろう一つの回答方法なのかなと思うと,回答メールが皆様に満足をしていただけているのかどうかの評価はきちんとしていく必要があるのかなと思っております。   そのためには,やはりある程度の数がないと,評価として正しいのかどうかが分からないと思ったものですから,先日,メールの最後でどのようにアンケート調査への回答を求めているのですかということを訊きましたところ,その御回答が今日頂いた回答書に書かれているものになるのだと思います。これを拝見して思ったのですが,「よろしければ,当サービスに関するアンケートに御協力ください」というのは,多分,忙しい人にアンケートに回答を促すのには,やや弱いのではないかなと思っております。「法テラスのサービス品質の向上のために,是非アンケートへの御協力をお願いいたします。」等々,もうちょっと背中を押すような表現がないと,なかなか皆さん,回答をしてみようかなという気持ちにならないのではないかなと思いました。また,ホームページの評価と,それから回答メールへの評価,これは別々にきちんと集計するべきなのかなと思いますので,回答メールへの評価については別のURLを用意されるべきですし,ホームページページを見た方が役に立ったかどうかということについては,別に評価をとるべきなのではないかなと思った次第でございます。 伊藤委員長 ホームページにおけるアンケート調査について,ただいま増田委員と池田委員から御質問や御指摘がございましたが,この点に関しては,センターの側から御回答をお願いいたします。 菅沼部長 では,情報提供課長兼務の菅沼からお答えをさせていただきます。   御質問,御意見,ありがとうございました。まず,ホームページ上のアンケートの点でございます。池田委員から御指摘いただきましたように,ホームページ上と,それからメールの末尾に「よろしければ当サービスに関するアンケートにご協力ください。」という文言を入れてアンケートをお願いしているわけですが,確かにメールの長い回答の末尾にこのお願いがちょっと入るという状況になっておりまして,今御指摘いただいたような,背中を押すような御協力のお願いとなるよう,御指摘を踏まえて工夫をしたいと思っております。   それから,ホームページ上のアンケートの御協力のお願いにつきましては,これも現在,右端の下の方にあまり目立たない形で入っているものですから,ホームページ上も,もう少し御協力を積極的にお願いできるよう,目立つ位置に変えることを今進めているところでございまして,そのような取組によってアンケートの回答をもっと増やす努力をしていきたいと思っております。   それから,このアンケートについて,メールへの評価とホームページの評価は,別にアンケートをとるべきではないかとの御指摘を頂きました。本当に大変ごもっともなことだと思いまして,その点も努力をしたいと思っております。実は現在,ホームページ上でやっているアンケートの中には,メールの評価,それから電話,面談の評価が入っているのですが,ホームページによる情報提供について,明確な形で評価をする項目立てになっておりません。この点については早急に改善したいと思っております。   それから,増田委員から御指摘を頂きました,現在,特に若者などを中心に,ネットで情報提供を受けるということが増えているのではないかという点は,本当にそのとおりだと思っております。スマートフォンの利用も非常に増え,スマートフォンからインターネットに入っていくことも増えていることから,スマートフォンからもメールによる情報提供が受けられるようにしまして,その結果,平成28年度はメールによる情報提供が増えております。   さらに,今後は,スマートフォンから,現在ホームページ上に公開しておりますFAQ等にもっとアクセスが増えるようにしていきたいと考えております。現在,スマートフォンからホームページに入っていくと,FAQの検索はホームページの大きな画面に接続するようになっており,スマートフォン仕様になっていないという問題があります。この点につきましては,今後スマートフォンからも見やすいFAQ等の画面になるよう工夫していきたいと思います。 伊藤委員長 よろしいでしょうか。 池田委員 もう1点だけよろしいですか。 伊藤委員長 どうぞ,池田委員。 池田委員 今,FAQのお話が出てちょっと気になったのですが,先ほど拝見した項目3-21の資料によれば,27年度は50万件のFAQ閲覧人数があったのに対して,28年度にはそれが8割弱になってしまっているのですけれども,せっかくFAQの登録件数を増やし,いろいろカバーをしているにも関わらず,閲覧人数が8割弱になってしまったことについて,何か評価というか,法テラス内で分析をしていらっしゃる点があれば,共有いただければと思った次第です。 伊藤委員長 いかがでしょうか。 菅沼部長 ありがとうございます。   この点につきましては,スマートフォンから入ってきた場合に,FAQの検索に入る前にメールでの情報提供,あるいはコールセンター,地方事務所への電話による情報提供の方に先に誘導が入るという仕組みになっておりまして,スマートフォンから入った場合には,ネット上のFAQ検索に入るよりも,メールでの問合せや電話の方に誘導されるということが多くなってしまっているのかなと思います。   それから,先ほど申しましたように,スマートフォンからFAQの検索に入った場合の画面が,スマートフォンからでは非常に見にくいという問題があり,この辺が影響しているのかなと考えております。 伊藤委員長 いかがでしょうか,よろしいですか。 池田委員 はい。 伊藤委員長 それでは,他の点につきまして,御質問をお願いいたします。   どうぞ,黒田委員。 黒田委員 民間企業ですと,1株当たりの利益あるいは配当,株価,こうした定量的な指標があるので評価はそれほど難しくないのですが,法テラスの場合はそれに相当するような重要な指標が,いわば36項目あるということだと思います。ほとんどは定性的な指標なので,なかなか評価が難しいのですけれども,その中の一つで,項目4-32の立替金債権等の管理・回収状況の開示については,中期目標においても,年度計画でも,債権等の管理・回収状況を開示するという課題があり,それに対しては100%適合しておりますから,別に何の問題もないのですが,この表の中で,一つ教えていただきたいことがあるのですが,立替金に対する免除の割合が,例えば18年度ですと,およそ10年を経過しているのですけれども,約10%弱ぐらいである。ところが,21年度,22年度,23年度,この辺になると,免除の率が相対的に非常に高いのですが,何か時代的な特徴みたいなものがあるのでしょうか。また,免除のルールのアウトラインを教えていただければと思います。   それから,もう1点,この表において,立替金債権の管理・回収状況はおおむね適切に開示されていると思うのですが,この表の右側の「立替残処理率」というのが,算式としてはよく分かるのですが,「立替残処理率」という表現がいまいちぴんと来ないのです。例えば,18年度で見ますと立替金が52億円発生して,現在の未処理の残額は3億7,700万円,未処理の割合でいくと7.1%となるのでしょうけれども,むしろこれは立替金の処理率というか,免除を含めた総合の処理率ということになるのだと思うのです。表現としてここに「残」という言葉が入っているのがどうもぴんと来ないのですが,この点について何かお考えがあれば御説明を頂戴したいと思います。 伊藤委員長 項目4-32のところですけれども,この表の中での免除についての数値あるいはその割合の変動原因というのが1点と,それからもう1点は,その表の一番右の「立替残処理率」という表記の仕方が果たしてその内容を適切に表現しているのかという御指摘がございましたが,この点についてはセンターの方で回答をお願いできますか。 八尋課長代行 民事法律扶助第二課課長代行の八尋と申します。   まず,免除の割合が年々増えてきているという御指摘ですが,法テラスは利用者は元々生活が苦しい方であり,こういう方であれば免除ができるという案内を,年々,徹底してきました。案内が進むにつれ,免除の割合も上がってきたといえるかもしれません。   次に,免除の要件ですが,事件が終結したときに生活保護を受給している方であったり,生活保護基準に近い方,いわゆる準生活保護の方を対象にしています。   最後に,「立替残処理率」という表記については,確かに御指摘のとおりだと思いました。立替残の処理率というのはやはり用語がおかしいと思いますので,表現を検討したいと思います。 伊藤委員長 どうぞ,黒田委員。 黒田委員 この開示の表の用語については御検討いただければ結構ですが,今の御説明ですと,免除の要件をできるだけ周知するようにした結果,免除が増えてきたというように受け取れるのですけれども,そうだとすれば,本当は免除されるべき人が免除されなかったということはなかったのかという心配もするのですが,そこのところをもう少し御説明いただけますでしょうか。 八尋課長代行 今,御指摘いただいたとおり,生活保護受給者と生活保護に近い準生活保護受給者については,具体的な要件が規定で定まっているのですが,例えば,65歳以上の高齢者や身体障害者手帳の1級から4級の交付を受けている方等は,その要件が細かくなっており,利用者の方にとっては少し分かりづらいくなっているのかもしれません。そこは分かりやすく案内をするように努めないといけませんし,委員の問題意識のとおり,利用者にとって少し分かりづらいくなっている点はあったかもしれません。 田中理事 説明をさせていただきます。理事の田中でございます。   18年度,19年度,20年度,法テラスが設立されて3年ぐらいの時期は,法テラス設立前の法律扶助協会からの業務を引き継いで間がない時期でした。扶助業務を担当する職員も,一般の公募で大量に採用するなどしまして,まだまだ法テラスの業務が安定しておらず,法律扶助協会の時代のルールを見よう見まねで何とか処理しているというような時代でした。とりわけこの時代は,多重債務案件が非常に多くて,事件がどんどん増えていく,立替金がどんどん増えていくという時代で,援助を開始していくところに何とか追い付いていかなければならないということで,注力する先が援助の開始のところでした。   一方で,償還金の回収については,意識はあったのですが,なかなか手が回らないという実情がありまして,初めに決めたルールで自発的に償還してもらえるところからは回収するとして,回収できなかったところ,不良債権になっていくところについて,十分手当てができないし,免除に誘導するというようなマンパワーも必ずしも十分ではなかったものですから,その十分ではなかったところが数字となって現れているのかなという感じはいたします。   その後,徐々に法テラスの業務も安定し,多重債務の事件も天井を打ったような時期の後は,徐々にマンパワーを,償還金の回収や免除のところにも振り分けられるようになり,それが数字にも表れているのではないかと感じております。 伊藤委員長 どうぞ,黒田委員。 黒田委員 念のため一つ確認なんですが,この事業開始以来,免除の要件そのものは変わってはいないんですね。 八尋課長代行 そうです。 黒田委員 分かりました。 伊藤委員長 よろしいですか。   それでは,ほかにいかがでしょうか。   黒田委員,どうぞ。 黒田委員 もう1点お伺いします。   前のところにちょっと戻ってしまうかもしれませんが,センターの使命というのは幾つかあって,いかにニーズのある方を漏れなく救済していくのか,いかに対応していくのかというのも使命だと思うのですけれども,そういう中で,もちろん必要なコストは当然掛けなければなりませんし,コストが上がるからといって,サービスの質を落とすということは絶対に許されないと,そのように思っています。   そういう中で,無駄は絶対に省かなければいけないと思っておりますが,そういう無駄を省く一つの手法として,一般的に問われているのが,いわゆる随意契約をなくして,できるだけ競争入札にしていこうということがあります。当センターも,そういう方向感がおありだと思うのですけれども,中期的な目標として,一般競争入札比率を何%にするなど,何か数字的な目標があれば,教えていただきたいのですけれども。 伊藤委員長 その点はいかがでしょうか。どうぞ。 澁谷課長 財務会計課長の澁谷と申します。   項目2-15を御覧いただければと思います。項目2-15の一般管理費及び事業費の効率化という項目で,中期計画の項目がア,イ,ウと並んでいるところのウに,「各種契約手続については,競争性,透明性及び公正性を高めるため,原則として一般競争入札及び企画競争等の競争的手法により行う。また,少額随意契約による場合においても,複数の業者から見積書を徴する競争的手法により行う。これらの取組によって経費の削減を図る。」との目標があります。競争的手法の活用という一般的な話にとどまっていますが,項目2-15の業務実績報告の項番3の「各種契約手続の競争性,透明性,公正性の確保」に記載させていただいるように,一般競争入札における一者応札の件数がかなり低い水準に抑えられて,42件中4件という低い数字にとどまったこと等の御報告をさせていただいております。 伊藤委員長 よろしいですか。 黒田委員 はい,結構です。 伊藤委員長 ほかにはいかがでしょうか。特にセンターの自己評価で所期の目標を大きく上回るということで,Aという評価をしている項目が数点ございますが,そうしたものについても何か根拠等に関して御質問があれば,お願いしたいと存じます。 栃木委員 ちょっとよろしいですか。 伊藤委員長 どうぞ。栃木委員,お願いします。 栃木委員 これは教えてほしいことなのですが,項番3-22の法教育に関する情報の提供に関して,本部主催の法教育シンポジウムを2回開催され,全ての地方事務所においても様々なことをやったということなのですけれども,常勤弁護士の配置先の一覧という資料5を見ますと,大分とか岡山,それから石川,佐渡を除く新潟,宮城,それから札幌には常勤弁護士がいないのだろうと思います。また,常勤弁護士数が18名くらい減っている状況の中で,こうした法教育に関する情報の提供の担い手は常勤弁護士がやっているのかなと思いますと,常勤弁護士がいないところでは,どういう形で誰がやっているのかを教えてもらいたいと思います。常勤弁護士が減り,いろいろ忙しい状況の中で,どんな形で法教育をしているのかを教えてもらいたいと思います。。 伊藤委員長 常勤弁護士がいない地域での法教育の実施の状況について,センターから御回答をお願いいたします。 菅沼部長 それでは,情報提供課長兼務の菅沼からお答えをいたします。   常勤弁護士がいないところにつきましては,様々なやり方があり,地方事務所の執行部である所長,副所長には弁護士もおりますし,司法書士の方もおります。そのような方が,例えば,演劇を題材にして法律テーマについて分かりやすく解説をするというような企画で,役者として出演したり,あるいはその解説を行うというような形でやったりしております。   それから地元の弁護士会,特に関連する委員会の先生方に御協力を頂きまして,例えば高齢者の問題であれば,高齢者に関連する委員会の委員の弁護士に講師となっていただき,セミナー等を行うということもあります。このように,地方事務所の執行部,あるいは地元の弁護士会等の会員,あるいは司法書士会等の会員の方に御協力を頂いて運営しているということでございます。 伊藤委員長 いかがですか。 栃木委員 ありがとうございました。 伊藤委員長 ほかはどうでしょうか。   どうぞ。増田委員,お願いします。 増田委員 熊本の震災を始め,震災関係に関しまして,いろいろ御努力されているということで,すばらしいと思っております。   やはりそういう経験はしないほうがいいのですが,日本においては今後もあるだろうということで,熊本の震災についてこういう相談があったとか,件数が何件であったとか,今後の震災対応を効果的なものとするために,いわゆる震災に関するマニュアルなど,取りまとめをするようなことはもう既にされているのか,あるいは,する予定があるのか,その辺はいかがでしょうか。 伊藤委員長 センターの震災対応の経験に関して,センターから御回答をお願いします。 杉岡課長 民事法律扶助第一課の課長の杉岡から,まずお答えさせていただきます。   今回の熊本地震の対応につきましては,改正総合法律支援法の被災者法律相談援助としては初めてのことでしたので,マニュアル等を急いで作った面はありましたが,当時から,被災者法律相談援助が将来また利用されることを想定して作成しておりました。   また,被災者法律相談援助の状況につきましては,月ごとに地方事務所から件数や内容について報告を受け,本部で取りまとめをして,関係機関に提供しておりました。   取りまとめた結果から,一定の傾向が見えてくるところもございまして,熊本市内は,建物が比較的多いところですので,全国の一般法律相談援助よりは不動産賃貸借に関する相談が多かったなどの,一定の傾向はありました。ただ,このような傾向は,地域性があるものだと思いますので,熊本地震での経験は経験として,また違うパターンもあるであろうことを踏まえながら,今後もこの経験をいかしていきたいと思っております。 菅沼部長 情報提供課長の菅沼でございます。   熊本地震の被災者の方からは,コールセンターで,あるいは地方事務所の方で,情報提供としての問合せも受けております。   昨年7月1日から,被災者法律相談援助という新しい業務を開始したのですが,それに先立つ広報におきまして,それまでに被災者の方から寄せられた問合せ内容を分析し,どういう傾向の問合せが多かったかを,メディアや自治体等に広報しております。 鈴木局長 個別のものではなくて,まとまったものがあるのかというお尋ねだったかと思うのですが,法改正で災害対応をするようにということが法に組み入れられ,初めての経験だったこともあり,また,広報の関係あるいは情報提供の関係でも,それなりの蓄積が法テラスでもできたと思っておりますので,皆様に情報提供できるようにまとめていきたいと思っております。 伊藤委員長 よろしいですか。 増田委員 はい。 伊藤委員長 ほかにいかがでしょうか。   では,私から一つ伺いたいのは,項目3-21の情報提供業務の質の向上,特に外国人のニーズに対する対応ということで,今般,新しくベトナム語を追加したということがございますが,これは統計等に基づいてニーズを把握したということですか。ここには,英語から始まってベトナム語までございますが,特にベトナム語やポルトガル語,スペイン語について,実際,相談等の件数は,相当あるものですか。 菅沼部長 情報提供課長兼務の菅沼でございます。   今のお尋ねの件につきましては,28年度の多言語情報サービスを利用していただいた件数が,全体で約2,500ございます。そのうち一番多いのがやはり英語でございまして,約750件になっております。その次がポルトガル語で631件,その次が中国語で395件,次がスペイン語で336件という状況になっております。   ベトナム語は,昨年度から開始したということもありまして,まだあまり多くはないのですが,それでも年間で55件の問合せがある状況です。 伊藤委員長 分かりました。ポルトガル語については,何となく想像しますと,例えばブラジルから来られている方というイメージですね。 菅沼部長 はい,さようでございます。若干特徴的なことを申しますと,全般的に多言語情報サービスを利用される方は,家族の問題に関する問合せが多いのですが,ポルトガル語圏の方につきましては,職場に関する相談が比較的多いのが特徴的かなと思っております。 伊藤委員長 分かりました。ありがとうございます。   ほかにはいかがでしょうか。   黒田委員,どうぞ。 黒田委員 もう一つ教えてください。   立替金の効率的な回収に関する項目4-30について,本年度も前年度に引き続き自己評価がAになっていますが,A評価の根拠について,定量的なものがあれば,その指標を教えていただきたいということと,業務実績の御説明で,債務免除及びみなし消滅が全部で45億円と書いてありますけれども,このみなし消滅の部分は,項目4-32の表の免除のところに入っているのか,あるいは,どこか別のところに入っているのか,この表との関係を教えていただけますでしょうか。 伊藤委員長 ただいま黒田委員からの御質問が2点あったかと思いますが,いかがでしょうか。 八尋課長代行 民事法律扶助第二課課長代行の八尋です。   まず,項目4-30の自己評価をAとした理由ですが,例えば,督促状を送付する際に,生活口座からの引落しに登録変更しませんかという案内文を同封したり,それぞれの方の属性に応じて督促したり,様々な督促を工夫して実施しました。その結果,償還金が平成27年度の約104億円から,28年度は約108億円と,約4億円増加しました。効率的,効果的な督促が功を奏したといえますので,A評価としました。償還金が何%増加すればA評価にするという基準が決まっているわけではありません。   もう一点についてですが,項目4-32の表中の「免除」の金額には,みなし消滅の金額も含まれております。ですから,例えば,18年度で言えば,7.1%が,みなし消滅も除いて残っている立替金の割合になります。 伊藤委員長 よろしいですか。 黒田委員 はい,分かりました。 伊藤委員長 ほかにはいかがでしょうか。 山中委員 よろしいですか。 伊藤委員長 どうぞ,山中委員。 山中委員 評価委員に就任して3年目になるのですが,初めから法教育に何となく引っ掛かりを持っていまして,評価がずっとAですよね。一生懸命,取組をされておられるので,評価はAで良いのですが,それでもなお,何か私自身,違和感が残るのです。その原因が何だろうかと,ずっと評価委員会が近付くたびに考えるのですが,これはやはり法務省なり文部科学省なり,国の役所を含めて,法教育の全体像がどうも見えないことと,そもそも法教育って一体何だろうかというところが,私自身の中でもいまだにはっきりしていないためだと思います。   法テラスとしては工夫を凝らしながら一生懸命におやりになっているということはよく分かりますので,評価はAで良いのですが,教育とは,教え,育むことですよね。中期目標や中期計画を拝見すると,国民に身近な司法の実現とか,法的問題に関する地域住民等の対応能力を高めるべく,それを狙いにして法教育をやるとされているが,では,要するに,何をするのか。弁護士に頼まず,自分で裁判所に行くような人間を増やすのか,あるいは司法制度や裁判員制度等を含め,司法に対する理解を深めるのか,あるいは様々な数多くの法律の中身を国民に知ってもらうのか。確かに,法律の中身を知ることも大事でしょうけれども,我々が学生の頃はリーガルマインドを養成するなどと言われて,個々の法律の条文よりも,法律的な物の考え方を養えと言われました。国民の法意識とか,法による支配とか言われますけれども,結局,国家の成り立ちとか,連綿として続いてきた社会の慣習とか,そういうものと法とは密接に結び付いているわけですね。ですから,ある意味,法教育をどういう狙いを持ってやるかということは,その社会をどう変えていくかということとも結び付くような,非常に難しい話だと思うのですよね。   ここまでは私の今考えていることでして,目標とか計画は書いてあるとおりでいいと思うのですが,法テラスとして,法教育は具体的に何をどう教え,育んでいくことなのかをお聞かせいただいて,それを踏まえて,また私なりに考え方を整理して,今後の法テラスとしての法教育の取組について,何かお役に立てるようなことを申し上げることができればという気持ちでおります。 伊藤委員長 法教育の理念と申しますか,目的に関しまして,大変根源的な御発言でございましたが,今の段階で,センターから御回答がありましたら,お願いします。 鈴木局長 事務局長の鈴木からお答えします。   御指摘の点は,実は法テラス内でも悩ましくやらせていただいているところでございます。特に,元々法務省が法教育の研究会を作り,推進協議会を作っていただいて,法教育を進めるための枠組みの中で進んではきたのですが,法テラスとしては,学校の法教育を法テラスが中心になってやるという形ではなく,それをサポートをしていくのだろうということがあって,また,弁護士会や法務省や検察庁や裁判所等もおやりになっていることと,我々がどう連携するのかということを考えていく中で,法テラスが一つの選択をしたのは,大人向けに法制度や法情報をきちんと伝えるということを法教育として位置付けようではないかという考えでございます。   ただ一方では,山中委員がおっしゃるように,では,その個別の法を伝えることが法教育なのかというところについて,これも実は法テラス内でも悩ましさが生じたところでありまして,また,誰がやるべきなのかということも,今,悩みながらやっているところで,一部スタッフ弁護士が担当しているところももちろんありますけれども,契約弁護士,あるいは弁護士会,司法書士の皆さん,更には一定のレベルは職員も含めて,制度的なことをお伝えするというものも含めて,法教育と位置付けられるのではないか。   また,ターゲットとして大人といいましてもも,お年寄りから学生までいらっしゃり,どのような層に向けてやるのかということも,法務省とも協議を始めさせていただいたところです。また山中委員からも御意見いただければ有り難いなと思っておりまして,悩ましくやらせていただいているものですから,すぱっとしたお答えができないで申し訳ないのですが,よろしくお願いいたします。 伊藤委員長 法教育についてはセンター自身も検討されて,その上でいろいろな形での努力をされているのだと思いますが,どういう視点で評価をすればいいのかという意味では,我々自身の問題であると思いますので,今度は当委員会として議論をしたいと考えております。   ほかにいかがでしょうか。   どうぞ,増田委員。 増田委員 外国人への対応の部分ですが,訪日外国人の増加ということもあり,訪日外国人向けの対応について,在日外国人とは,相談内容が全く違っていると思うのですけれども,現状,訪日外国人に対する対応の件数が増えているのかどうか。それから,今後消費生活相談においても,訪日外国人に対する対応を強化しろと言われているのですが,実際のところ,自治体にはお金がなく,そうした対応は無理な状況です。そういう体制を組めそうな法テラスで引き受けて,ある程度カバーしていただくことが非常に良いのかなという気はしているのですが,今後の方向性について,財政的な面等も含めてお教えいただければと思います。 伊藤委員長 どうぞ。 菅沼部長 情報提供課長の菅沼でございます。   今の在日と訪日と言われたのは,日本での在留資格を持っている方が在日,旅行等でいらしている方が訪日という,そういう理解でよろしいでしょうか。 増田委員 はい。 菅沼部長 まず,実績のところで申しますと,約2,500件の件数がある中で,旅行中という方は16件でした。多くの方は在日といいますか,今現在,日本に居住をしている方からの相談になっております。   訪日の方に関しては,やはりこういうサービスがあることをどこで知っていただけるようにするのかが,ポイントになるだろうと思っております。国際交流のことをやっておられる団体であるとか,大使館等に,法テラスでこういうサービスをやっていることを周知をすべく努力をしているところですが,今後は引き続きそういう取組を強め,結果として旅行中の方からの問合せにも応じることができるようになればいいなと考えているところです。 伊藤委員長 いかがでしょうか。よろしいですか。 増田委員 はい。 伊藤委員長 どうぞ,佐藤委員。 佐藤委員 先ほどの法教育の点で質問したいのですが,項目3-22を見てみると,中期計画に,「支援センターが取り組む基本方針,実施方法等を盛り込んだ計画を策定,実施し,法教育に資する情報の普及により一層取り組む。」と書いてあるのですが,中期計画ではこれをやるということですね。それで,その計画は現在進行中ということですか。 鈴木局長 そうです。 佐藤委員 そうすると,今はそういう基本方針がないまま,取りあえず法教育であろうと思われることをやっているということなのでしょうか。それとも,全然何もないというわけではなくて,とりあえず不十分ながらもある程度の方針というものはあって,それに基づいておやりになっているということなのでしょうか。何をやったかということは分かるのですが,どういった基本方針で臨んでいるかちょっと分かりづらいと思ったものですから,質問させていただきました。 伊藤委員長 中期計画と年度計画,それから28年度に実施したこと等との関係について,補充して御説明いただけますか。 鈴木局長 基本方針,実施方法等を盛り込んだ計画自体は作成はしているのですが,今手元に持ってきていないものですから,おってきちんとお伝えいたします。   計画自体は策定をしまして,これに基づいてやってくださいと伝えて,地方事務所で実施しており,全く何もないわけではありません。 伊藤委員長 いかがですか。 佐藤委員 では,次回の会議ときにそれを見させていただければと思います。 鈴木局長 速やかお伝えいたします。 伊藤委員長 それでは,そのようにしていただきます。   もしほかに御質問,御意見がございませんようでしたら,センターから御説明いただきました業務実績評価について,監事からの御意見をお願いしたいと思いますが,よろしいでしょうか。   (各委員了承)   では,お願いいたします。 津熊監事 監事の津熊でございます。私の方から意見を申し上げます。   まず,法テラスの業務は,全般的に見まして適正に運営されていると認められます。   次に,個別事項4点につきまして,若干の意見を申し上げます。   第1に,項目1-3中の司法ソーシャルワークの取組についてであります。26年度に策定された司法ソーシャルワークに関する事業計画に基づきまして,27年度からその取組が開始されたわけですが,28年度におきましても,福祉機関・団体との連携を契機とした法律相談援助件数を増加させることを目標として,事業計画を実施してきたわけでございます。   すなわち,28年度におきましては,司法ソーシャルワーク,高齢者・障がい者支援をテーマにした地方協議会を40か所の地方事務所,支部で,合計62回開催したほか,福祉機関・団体職員を対象とした業務説明を1,300回余り実施し,連携関係を構築するための作業工程等を整理した「連携スキーム構築マニュアル」を作成して,組織内共有を図るなどして,福祉機関・団体等との連携強化に努めたと認められます。   これら取組を行った結果,福祉機関・団体との連携を契機とした法律相談援助が大幅に増加いたしました。すなわち,連携対象機関の指定相談場所が27年度の82か所から152か所に増加し,地域包括支援センター,福祉事務所,社会福祉協議会等の主要な連携対象機関で実施した巡回相談は,27年度の136回から193回に増加するなど,指定相談場所相談,巡回相談を拡充させました。また,連携を契機としたセンター相談,事務所相談は,27年度は673回でしたが,28年度は2,578回実施し,そのうちの約70%が連携対象機関からの紹介を契機とするものでした。   以上のように,28年度におきましては,司法ソーシャルワークの取組が着実に進展していると評価できると考えられ,今後もさらなる全国的な展開が望まれるところでございます。   第2は,項目1-4中の常勤弁護士の採用及び配置等についてです。法テラスは,この項目につきまして,「常勤弁護士の配置の必要性,配置人数の妥当性の検証結果を踏まえた配置に至っていない」旨,自己評価しております。確かに,常勤弁護士の採用に関しましては,応募人数,採用人数とも,26年度から徐々に減少している実情にございます。また,その配置に関しましては,弁護士会との協議が不可欠であるわけですが,全国的に見ますと,常勤弁護士が配置されていない地方事務所がいまだに存在する実情にありまして,問題の困難さを示しているところでございます。   ところで,中期目標,中期計画におきまして,常勤弁護士には総合法律支援の適切な実施を行うために,関係機関等との連携協力関係を適切に構築し,強化していく役割が期待されております。現在,常勤弁護士は,司法ソーシャルワークの分野におきまして,福祉機関・団体との連携構築,連携強化のための取組に積極的に関与し,司法ソーシャルワークの重要な担い手として,なくてはならない存在となっております。司法ソーシャルワークの取組が今後全国的に展開されることが期待される中,ますます常勤弁護士の果たす役割は重みを増してくると思われます。   他方,従前から高齢者・障がい者に対する法的サービスの取組を行ってきている各地の弁護士会に対しましても,法テラスの行う司法ソーシャルワークの取組の進展度合いに応じまして,常勤弁護士の果たすべき役割の意義を理解していっていただけるのではないかと期待感を抱いているところでございます。法テラスとしましては,今後とも粘り強く各地の弁護士会と協議を重ねるなど,常勤弁護士の配置への努力をお願いしたいと考えております。   また,中期目標,中期計画におきまして,常勤弁護士は,大規模災害等における機動的な法的サービスの担い手としての役割も期待されています。28年4月発生の熊本地震の被災地支援として,弁護士会と連携して無料相談会を実施いたしましたが,常勤弁護士も相談員として参加いたしました。   28年度には法テラスの活動に対する意欲が強いと認められる26名の常勤弁護士が新規採用され,年度末には総勢232名が配置されている状況です。常勤弁護士の諸君に対しては,期待される役割を深く自覚し,活躍されることを強く願うものでございます。   第3に,項目3-23の民事法律扶助業務についてです。民事法律扶助業務に関しては,利用者の利便性の向上を図るため,休日,夜間相談のニーズに対応して,休日相談は37地方事務所で,夜間相談は36地方事務所で,それぞれ実施しましたほか,代理援助,書類作成援助の申込みから,援助開始決定までの平均所要時間を14日以内とする目標につきましても,全50地方事務所のうち49地方事務所で達成し,迅速な援助を提供することができたと考えております。   また,熊本地震への対応といたしまして,業務方法書等の規程類の改正作業や,マニュアル類の策定,日弁連,日司連等との協議等を迅速に行うとともに,利用促進のための効果的な広報を行うなどして短期間で準備を遂げ,28年7月1日から円滑に援助を開始いたしました。移動相談車両を利用して巡回相談を実施するなどして,29年3月までに9,339件の被災者法律相談援助を実施いたしました。   以上のとおり,28年度は日常の民事法律扶助業務を適切に実施するとともに,熊本地震につきましても,迅速かつ適切に扶助業務を実施したものでありまして,所期の目標を大きく上回る成果を上げたものと考えます。   第4に,項目5-35の認知度の向上に向けた取組の充実についてです。27年度の認知度は,前年に比し低下いたしました。これを踏まえ,28年度は本部と地方事務所が連動してプレスリリースを行い,認知度の低調な地域に対して重点的に広報するなど,広報効果が期待できるよう工夫したほか,震災法律援助事業促進のため,東北被災地3県においては地元地方紙へ広告を出し,他方で,被災地3県以外へ避難されている方々を対象に,新聞社,ホームページ上に広告を出し,また,熊本地震の被災者向けにテレビ,新聞,ラジオ,ウェブ広告を行うなど,被災者に寄り添う広報活動を実施しました。また,業務認知度向上に軸足を移した様々な広報活動を展開しております。   その結果,名称認知度は56.4%となり,業務認知度が16.1%となりました。より多くの市民に利用され,頼りにされる法テラスを目指し,今後も地道な広報活動を展開されることを期待いたします。   私の意見は以上でございます。 伊藤委員長 ただいま津熊監事より,司法ソーシャルワーク,常勤弁護士,民事法律扶助及び認知度を柱とした御報告がございましたが,これについて,委員の方々から何か御質問等がございましたらお願いいたします。   どうぞ,山中委員。 山中委員 ソーシャルワークと直接関係はないのですが,項目1-11を見ると,28年度の地方協議会の開催は87回ですよね。これは白書を去年か一昨年に拝見したときに,各事務所,最低1回は開催していて,全体で九十何回というときがあって,確か茨城かどこか,複数の地方事務所で結構な回数を稼いで,それで全体が100回近くの開催回数になっていたように記憶しています。   それで,中期計画を見ると,「複数回の地方協議会等を開催する地方事務所の数を定め」となっており,年度計画で,その地方事務所の数は28地方事務所とするとなっているのですが,これは,なぜわざわざこんなことを書いてあるのですか。それぞれの地方事務所に,関係団体との関係の緊密性等,様々な事情や都合があって,何も会議をたくさんやればいいというものではないかもしれませんが,やはりお互いにいろいろな実態の認識を共有したり,それぞれの問題意識を分かち合ったりするためには,各年度ごとに最低2回ぐらいはいろいろなことをフィードバックしながら協議していくということが大事だと思います。   そうすると,各地方事務所が最低2回開催したとしても100回を超えるわけで,なぜこういうふうになっているのかお尋ねしたい。やはりちょっと少ないような気がするので,もっとどんどん発破をかけて,地方協議会の開催を密にしていくというような方針はおありなんでしょうか。 伊藤委員長 地方事務所ごとの地方協議会の開催状況について,今の山中委員からの御質問についてセンターの方でお願いできますか。 田中理事 理事の田中でございます。   地方協議会の開催のテーマ,あるいは開催回数については,地方事務所の主導で決まっていくことが強いものですから,なかなか本部でコントロールしにくいところがありますが,地域的に東西に長いような地域については三等分にして,毎年できないまでも,順番に地域を変えて開催している地方事務所が幾つかございます。   そのほかに,年によってテーマを変えているところもありまして,そうすると,関係機関もお声掛けするところがどうしても変わってくるものですから,その年にお声掛けしたところは,次の年はまた,開催の場所は同じにしても,また違う関係機関になったりということで,年によってかなりバラエティーに富んでいるところがあります。そのため,確かに御指摘のとおり,全国に50の地方事務所があって,その2倍の数にもいかないということで,数が少ないのではないかと私自身も少し感じるところはありますが,実情としては,今申し上げたような地域性,あるいはテーマによって開催の頻度に影響するところがあるのかなという感じがしているところでございます。 伊藤委員長 山中委員,いかがですか。 山中委員 認知度の問題や法教育の問題等を含めて,やはりその地域のいろいろな団体と連携を密にしていくことが,ひいては地域の人たちの法テラスに対する理解を深めていくことにもつながるわけですから,日常の業務で忙しいというのはよく分かりますが,こういうものも一つの重要な場だとして是非大事に活用していくよう,意識をお持ちいただければと思います。 伊藤委員長 ほかに,先ほどの津熊監事の報告に関しまして,御質問等ございますでしょうか。 池亀委員 よろしいでしょうか。 伊藤委員長 どうぞ,池亀委員。 池亀委員 先ほど,山中委員からもお話のあった項目3-22の法教育につきまして,昨年,私もいろいろ意見を申し上げたところでございましたが,事前説明のときに,28年度の年度計画では,従前の計画どおりに進めているとの説明があり,一方で法テラスとして行うべき法教育事業の充実についての検討を進めていただけるとのことで,28年度実績のうち,参加人数が20名以上の出前授業や意見交換,講演会などは,法教育事業として806回になるという内訳を出していただきました。今後はこの基準を目安に,法教育事業を増やす方針ですとの御説明を受けまして,実績報告書の記載の仕方も29年度から変更されると伺ったところですが,もう一つ,法教育事業と司法ソーシャルワークの事業説明の回数の関係性について,昨年もお伝えしたかと思います。項目1-3に司法ソーシャルワークの事業説明の回数が書かれていて,地方協議会を40か所の地方事務所・支部で行い,地方協議会以外の福祉機関・団体職員を対象とした業務説明等を合計1,308回行ったという記載がありますが,これらの具体的な内訳について,法教育のような,どなたに向けてどこの地域でどのぐらいを行ったのかという表が見当たらないように思います。項目3-22の法教育については,28年度の実績報告書の資料47「平成28年度 法教育取組一覧」に記載があり,本当にたくさんおやりになられており,具体的にどこでどのような法教育事業を行ったのか,何名を対象にして行ったのかなどが書かれています。恐らくこの表の中で20名以上の部分だけを拾ったのが,先ほどの806回ということだと思っているのですが,この表の中に,司法ソーシャルワークの業務説明等の1,308回が含まれているのか。もし含まれているということであれば,先ほどの法教育は何を指すのかという問題に関係しますが,司法ソーシャルワークで行う福祉関係者に対する事業説明は,法教育なのかどうかを,少し検討した方がよろしいのではないかと考えているところです。この点については,今すぐということではなく,今回,また新たに中期目標をお作りになられると思いますし,先ほどの山中委員からの御意見のとおり,そもそも法教育とは,どんなことを目指していくのかというところにも関連すると思いますので,併せて整理しながら御検討いただければと思っている次第でございます。 伊藤委員長 項目1-3にあります1,308回という業務説明と法教育との関係について,説明をお願いできますでしょうか。 鈴木局長 おっしゃられたとおり,昨年も御指摘いただいたところでございますけれども,これまでの取りまとめの中では,協議会も含めて法教育として取り上げていたところであって,今年度もそれを特段外しているわけではございません。ですので,司法ソーシャルワークに関係する関係機関に対する業務説明も,協議会として取り上げられていれば,資料47に載ってきているという理解でございます。   ただ,問題意識は持っておりまして,次期中期計画の中で,そのような指標をとるのは問題なのではないか,きちんと分けるべきではないかということで,今,内部で検討しているところということで,御理解いただければ有り難いと思います。 田中理事 理事の田中でございます。   法教育に関する御質問が複数ございましたので,少し申し上げたいと思います。   法教育という言葉は,非常に多義的な使い方をされまして,今も御紹介ありましたような法的な考え方を育むという考え方で使う場合,一方で,法律的な知識を教えるというタイプのもの,この二つが両極にあるもので,その中間にいろいろなタイプがあるんだと思います。私ども,法テラスで実際にやっている活動を見てみますと,恐らくその中間にあるようなタイプの一つなのだろうなと思います。   何かといいますと,まず,東日本大震災が起こった後に,私どもで被災地のニーズ調査を行いました。そこで,私どもが明確に意識したのは,自分が法的な紛争を抱えている,それは周囲の人から見れば,必ずそれは紛争を抱えているよねと思うような人たちが,自分は法的な紛争を抱えていない,そんなの全然自分とは関係がないんだと思っている人がかなりの率でいらっしゃるということでございます。また一方で,自分は法的な問題を抱えているということを意識していても,それを解決するための道筋を付けるような情報を持っていないので,解決ができないという人も少なくないわけでございます。   そこで,法テラスが実際何をしているかといいますと,そういった法的な問題を意識していない人,あるいは解決のための道筋を付けられない人たちに対して様々な情報を提供することによって,中期計画に書かれています法的問題に関する地域住民等の対応能力を高めるというところを意識して,活動をしているところでございます。法教育は多義的な言葉ですので,非常に分かりやすいタイプのところに法テラスの活動内容が収まるわけではないのですが,意識してやっている活動内容はそういうところでございまして,それを実現するために,後ほど資料は提供いたしますが,法教育の活動の計画を毎年作り,それを各地で実践をするということを繰り返している状況でございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   それでは,ここで,10分弱の休憩をいたしまして,その後,残りの財務諸表の承認等についての御審議をお願いしたいと思います。           (休     憩) 伊藤委員長 それでは,再開いたします。   引き続きまして,議事(3)の法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見についてに入りたいと存じます。   法テラスから,財務諸表等についての説明をお願いいたします。 澁谷課長 それでは,財務会計課長の澁谷と申します。   平成28事業年度財務諸表等につきまして御説明いたします。   お手元の財務諸表というタイトルがついた資料4-1から4-3までを御覧ください。   資料4-1の財務諸表は,法人全体の状況を表示する法人単位財務諸表と一般勘定及び国選勘定の勘定別財務諸表の計3種類により構成されています。   次に,資料4-2の事業報告書は,主要な損益の発生要因を明らかにするなど,法テラスの運営状況につきまして,国民に分かりやすい形での情報開示を行うものでございます。   さらに,資料4-3の決算報告書は,年度計画において定めました予算の区分に従い,決算の状況を表示するものです。   以上,3点の平成28事業年度財務諸表等につきましては,監事による監査結果報告書におきまして,会計処理は適正に行われているとの評価,また独立監査人の監査報告書におきましても,無限定適正意見を受けておりますことをあらかじめ御報告いたします。   それでは,法人単位の財務諸表により概要を御説明いたします。資料4-1の財務諸表の1ページから4ページ目までとなります。なお,併せまして主要な財務データの経年比較に関しまして,資料4-2の事業報告書の18ページにも記載しておりますので,こちらも参考に御覧ください。   まず,貸借対照表について御説明いたします。貸借対照表は,期末時点における法人の資産,負債,純資産の状態を示すものでございます。平成28年度末現在の資産合計は188億6,900万円であり,前年度末との比較で3億1,700万円増加,1.7%増しております。これは,一部システムのリースアップによるソフトウェア,1億4,500万円の減少等がある一方で,運営費交付金債務残高の増加等により,現預金が4億9,200万円増加していることが要因でございます。この資産に対応する負債の合計は184億6,400万円であり,前年度末との比較では2億6,500万円増加しております。これは,国選弁護報酬等未払金1億4,700万円の減少等がある一方で,償還金収入の増加等により運営費交付金債務が3億8,200万円増加したこと等が要因でございます。   続きまして,損益計算書について御説明いたします。損益計算書は,法人の運営状況を明らかにするため,1会計期間に属する全ての費用と,これに対応する全ての収益を記載したものでございます。経常費用は合計332億200万円であり,前年度との比較では12億8,200万円減少しております。これは,立替金の償還免除実績額に対応して貸倒引当金繰入額が7億1,300万円減少及び国選弁護事件数の減少に伴い,契約弁護士報酬が6億7,200万円減少したこと等が要因でございます。   一方,経常費用に対応する経常収益は,合計332億5,400万円であり,前年度との比較では12億1,600万円減少しております。これは,国選事件の契約弁護士報酬の減少等に対応して,政府受託収益が7億4,200万円減少及び原価償却費の縮小に対応して,資産見返負債戻入が6億2,400万円減少したこと等が要因でございます。   なお,経常収益の中の運営費交付金収益の計上方法につきまして,会計基準の改定がございました。平成28年度から新基準により同収益を計上しております。平成27年度までは費用として使用した分だけ収益を計上しておりましたが,平成28年度以降は業務の進行に応じて収益化を行う業務達成基準が原則化されたため,費用の財源に充てるためにあらかじめ各業務に配分していた運営費交付金予算の金額を収益に,計上するという方法になっております。そのようにして計上した運営費交付金収益を含む収益の合計額と費用の合計額の差額としまして,当期総利益5,200万円を計上しております。   続きまして,キャッシュ・フロー計算書について御説明いたします。キャッシュ・フロー計算書は,発生主義に基づく損益計算書とは異なり,法人の1会計期間における資金の動きを示す財務書類でございます。まず,業務活動によるキャッシュ・フローは,プラス6億1,600万円であり,前年度との比較では1億9,900万円増加しております。これは,日弁連受託事業による収入4億9,200万円の減少等がある一方で,民事法律扶助立替金の償還等による収入が5億8,700万円増加したこと等が要因でございます。   次に,投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス1,200万円であり,前年度との比較では2,700万円増加しております。これは敷金・補償金の差入れによる支出の800万円増加等がある一方で,ソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出が3,500万円減少したことが要因でございます。さらに,財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス1億1,200万円であり,前年度との比較では2,100万円増加しております。これは,リース債務の返済による支出が減少したことが要因でございます。これらのキャッシュ・フローにより,資金期末残高は80億600万円となっており,前年度末との比較では4億9,200万円増加しております。   最後に,行政サービス実施コスト計算書について御説明いたします。併せて事業報告書の25ページも御覧ください。行政サービス実施コスト計算書は,納税者である国民の観点から,法テラスの業務運営に関し,損益計算書上の費用だけでは把握できないコストも含めて表示しているものでございます。   まず,損益計算書の費用332億200万円から,民事法律扶助事業収益や有償事業収益などの自己収入184億8,500万円を差し引きまして,国民負担となる業務費用が147億1,700万円となります。この金額に,将来交付される運営費交付金によって賄われるために,貸借対照表上に引当金を計上する必要がないとされております引当外賞与見積額500万円及び引当外退職給付増加見積額1億9,700万円並びに機会費用22万8,150円を合計しまして,国民負担となるコストは合計149億1,900万円となります。前年度との比較では5億7,700万円の減少をしておりますが,これは政府受託収益の7億4,200万円の減少等がある一方で,業務費が14億7,800万円減少したことが要因でございます。   財務諸表に関する説明は以上でございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   それでは,次に,監事の御意見をお願いいたします。 山下監事 では,御報告させていただきます。先ほど澁谷課長から御報告あったところとかなりの部分,重なる部分が多いかと思いますけれども,御報告させていただきます。   財務諸表のうち貸借対照表については,平成28年度は平成27年度と比較して,資産が3億1,700万円の増加,負債が2億6,500万円の増加となっています。これは,運営費交付金が3億8,200万円増加していることに伴って,現預金が4億9,200万円増加していることによるものであります。   また,損益計算書については,経常費用では,平成28年度は平成27年度と比較して契約弁護士報酬が6億7,200万円の減少,貸倒引当金繰入額が7億1,300万円減少,貸倒損失が1億1,000万円の増加となっております。契約弁護士報酬の減少は,国選勘定での契約弁護士報酬が減少した結果です。貸倒引当金繰入額の減少は,過年度に発生した立替金の免除実績の減少により繰入率が低下した結果です。貸倒損失の増加は,当年度に発生した立替金について,適時かつ適正に免除処理を進めた結果です。   経常収益では,平成28年度は平成27年度と比較して,政府受託収益が7億4,200万円の減少,資産見返運営費交付金戻入が6億2,300万円の減少となっております。政府受託収益の減少は,国選勘定での契約弁護士報酬が減少した結果です。資産見返運営費交付金戻入の減少は,原価償却費の減少に伴うものであります。   また,平成28年度は,平成27年度と比較して当期純利益が6,600万円増加しております。これは,運営費交付金の収益化基準について,会計基準の改定に伴い業務の進行に応じて収益化する業務達成基準を採用し,この結果,収益費用の差額として5,200万円を当期純利益として計上したためです。   これを受けまして,平成28年度に係る財務諸表,決算報告書は会計監査人有限責任あずさ監査法人の監査を経ており,監事の監査報告の中で,会計監査人有限責任あずさ監査法人の監査の方法及び結果は相当であると認めるとしております。   以上です。 伊藤委員長 よろしいですか。   それでは,ただいまの財務諸表等についての御説明ないし御意見を含めまして,本日の議事全体を通して,何か御質問や御意見があればお願いしたいと存じます。いかがでしょうか。よろしいですか。   (各委員了承)   もし,追加的な御質問がございましたら,事務局を通じて法テラスに質問していただくことができますので,お気付きの点がございましたら事務局宛てに適宜の方法で御連絡いただければと思います。   それでは,ほかに特段の御発言がございませんようでしたら,以上をもちまして,本日の議事は終了します。   最後に事務局から,今後のスケジュール等につきましての説明をお願いいたします。 山口参事官 まず,本日の議事録についてですが,従前,事務局で原案を作成した後,委員の皆様に御確認いただきまして,最後に委員長に全体を御確認いただきましてから公表するという手順で行っておりますので,本会議におきましても同様に行いたいと考えておりますが,よろしいでしょうか。   (各委員了承)   ありがとうございます。   次に,次回の会議の予定ですが,御案内のとおり,8月1日火曜日,15時から18時までで予定させていただいております。その際に年度評価等の本日の議事事項につきまして,評価委員会としての御意見を取りまとめていただきたいと思っております。取りまとめに当たりましては,本日の御議論を踏まえまして,まずは事務局でたたき台の案を作り,来週7月10日月曜日を目途に委員の皆様にメールでお送りし,併せて翌日11日を目途に郵送でもお送りいたしたいと思っております。   委員の皆様におかれましては,大変恐縮ですが,その次の週の7月18日火曜日の18時までに事務局宛てにメール等で御意見を頂けたらと思います。   御意見を頂きましたら,事務局で整理をいたしまして取りまとめ案を作成し,次回の評価委員会の前に,できる限り早くお伺いして,お示ししたいと考えております。この間に更に御質問等がございましたら,何なりと事務局宛てにお申し付けください。   以上でございます。 伊藤委員長 次回の委員会までに委員の皆様方にしていただくことがございますが,期間が限られておりまして恐縮でございますけれども,よろしく御協力をお願いいたします。   それでは,以上をもちまして本日の評価委員会を終了といたしたいと思います。   法テラスの方々も御苦労さまでした。ありがとうございました。 -了-