法制審議会人名用漢字部会第4回会議 議事録 第1 日 時  平成16年5月28日(金)  自 午後1時30分                        至 午後3時50分 第2 場 所  法務省第1会議室 第3 議 題  字種の選定について         字体の選定について 第4 議 事 (次のとおり)               議         事 ● それでは,本日御出席予定の委員・幹事の皆様がそろいましたので,法制審議会人名用漢字部会第4回の審議を始めます。   最初に,事務局から資料の説明をお願いいたします。 ● 事務局から資料の説明をさせていただきます。     (幹事の異動紹介省略) ● 手順が前後しまして失礼いたしました。   それでは,説明を続けていただきます。 ● 資料の説明をさせていただきます。   本日お配りしております資料でございますが,お手元の名簿の次でございますが,まず,本日の議事次第でございます。そして資料目録でございますが,本日は,資料17,18,19,20を部会資料として配布させていただいております。   部会資料17でございますが,これは本日の審議項目でございます。「字種の選定について」と「字体の選定について」でございます。   資料18でございますが,これは,前回の部会後に開かれましたワーキンググループにおける検討結果をまとめたものでございます。後ほど説明をさせていただきます。   資料19,20は,漢字データベース第4版のⅠ・Ⅱでございます。Ⅰが第1水準,Ⅱが第2水準でございます。   資料16,次に漢字データベース第2版でございますが,これは前回の部会に配布した資料でございます。参考として配布させていただきました。   また,資料12がありますが,漢字データベース②でございます。これは,第2回の部会で,JISの第3水準,第4水準又はJIS外の漢字のうち要望があるものをまとめたものでございます。本日も参考のために配布させていただきました。   その次に,2枚物のペーパーでございますが,「漢字出現頻度数調査(頻度順位3000位以降)に出現する常用漢字一覧」と表題のあるペーパーでございます。これは,後ほど○○幹事の方から御説明をいただく際に使用するものでございます。   また,本日も常用漢字と人名用漢字の一覧表と参照条文を配布させていただいております。 ● それでは,お手元に資料がそろっているようでしたら,部会資料につきまして事務局から御説明をいただきます。 ● それでは,まず,「WGにおける検討結果」のペーパー及び漢字データベース第4版Ⅰ・Ⅱについて,事務局の方から御説明申し上げます。   このワーキンググループでございますが,前回第3回の部会におきまして,このペーパーの一番上の(1)から(4)までの点を踏まえて集中的に詰めた作業を行った上で,その結果をこの部会に御報告せよという御指示がございまして,この部会の中から,○○委員,○○委員,○○委員,それと幹事の皆様方に御参加をいただきまして,2回にわたって検討を行ったものでございます。その結果がこのペーパーにまとまっておりますが,御説明いたします。   まず,【具体案】を御覧いただきたいわけでございますが,前回の部会の中でも,まず, 候補となり得るものとして大きな案を一つと,その中で比較的厳しく見た小さな案を一つという大きな目安を示していただきましたので,それに基づいて,第1案・第2案の2案を考えてみたということでございます。   と申しましても,第1案は,既に前回の部会で資料としてお配りいたしました漢字データベース第2版に記載されたものがすなわちこの第1案でございまして,これは,JIS第1水準の漢字の中でまだ現在用いることのできない771文字全部に,第2水準の適切だと考えられる字をプラスしたもので,合計1,088字が載った案ということでございます。   それに対しまして,その2回の作業部会で具体的に作業を行った結果,この第2案,計629字という案が考えられたわけでございます。この第2案は漢字データベース第4版Ⅰに計629字が載っているわけでございますが,これにつきましては,実際に作業部会に参加させていただきました関係官の方から御説明いたします。 ● それでは,漢字データベース第4版のⅠ及びⅡについて説明をさせていただきます。ワーキンググループでの最終的な議論を踏まえてこのデータベースを作成したものでございます。   まず,データベース第4版Ⅰでございますが,これにつきましては,出現順位が3012位--これは出現回数が200回以上でございますが--以上の漢字については常用平易と認められるとして,すべて採用としております。これが497字あります。   また,出現順位が3013位以下でありますが,その異体字の出現順位が3012位以上の漢字についても掲載しております。これがデータベース第4版Ⅰの20ページ,整理番号498から525でございます。○25の「異体字1」の項目のところでございますが,異体字の出現順位が3012位以上のものでございます。   次に,出現順位が3013位以下の漢字につきましては,これは要望法務局数を考慮いたしまして,要望法務局数3以上のものを採用としております。それが29字あります。データベースでいいますと21ページ,22ページでございます。 ● なお,途中でございますが,若干このペーパーに誤記がございまして,アの①の右端の方,(整理番号1~496)となっておりますが,これは「497」の誤記でございます。それから,②の2行目は,同じように1個ずれまして,(整理番号498~525)ということでございます。大変失礼いたしました。 ● 要望法務局数が2以下のものにつきましては,22ページで,これは採用しないということで網かけをしております。   また,要望法務局数はありませんが出現順位順に整理した不採用の字を24ページ以下に掲げさせていただいております。   次に,データベース第4版Ⅱの方でございます。JIS第2水準の漢字でございます。   こちらについては,出現順位順での検討もいたしましたが,やはり第2水準につきましては平易ではない字が多いということで,個別に見ていこうと。また,その際に採用する要素として,やはり要望法務局数を考慮するということで採否を検討いたしました。   まず,出現順位が3012位以上の漢字につきましては,要望法務局数3以上のものを採用としております。これが第4版Ⅱの1ページと2ページでございます。   なお,2ページの整理番号28(薔)でございますが,これは要望数としては,法務局数は2でございますが,「薔薇」の組合わせとして,「薇」の方が,1ページの方を御覧いただきたいと思いますが,整理番号21に採用ということになっております。それとの絡みで一応要検討ということで,チェック欄には三角をつけております。   次に,出現順位が4009位以上3013位以下でございますが,これにつきましてはかなり出現順位が低いということで,常用平易ではない漢字の固まりが非常に多くなっています。そういうこともあって要望法務局数を少し上げようという話になりまして,具体的に漢字を見ていきましたところ,大体要望法務局数5以上からでいいのではないかということとなりました。データベース第4版Ⅱの 12ページを御覧ください。ここが,3013位以下4009位以上の固まりの漢字について,要望法務局数5以上で切ったものでございます。   13ページでございますが,要望法務局数5と4のところが出ております。ここで線を引くことがどうかという議論もありますが,まず要望法務局数4の漢字,整理番号で言いますと,325,326,327,328,329でございますが,やはり比較的難しいと思われる字が多いということで,4というところで線を引いたものでございます。   なお,整理番号333の「蓼」でございますが,これはチェック欄に三角を付しておりますが,これにつきましては,要望法務局数は3でございますが,地名で「蓼科」というのがありまして,若干なじみがあるということで,これは要検討ということでチェック欄に三角をつけたものでございます。   次に,最後の固まりでございますが,出現順位が4010位以下の漢字でございます。これはデータベースの35ページ,36ページでございます。この出現順位レベルになりますと,かなり難しい字が非常に多くなっておりますが,一つの切り方としまして,整理番号927の,これはいとへんに「広」という字でございますが,要望が一応7あるということでございます。ただし,これは誤字でございまして,「広」の2画目と3画目が交わっているのが正しい字でございます。ですから,要望数7で入れてしまいますとこの誤字が入ってくるということもあり,7と8の線で切ってみたということでございます。   なお,整理番号の911の「淕」でございますが,これは要望法務局数が19とかなり高い数字となっております。ただ,○22の「出現順位」のところを御覧いただくと,何も記載されておりません。すなわち,これは約3,330万の字の調査でも1回も出現していないということでございますので,これについてはおよそ常用平易とは言えないであろうということで,不採用としております。   他方,整理番号913の「逞」でございますが,これについても出現順位が入っておりませんが,異体字の方(「逞」の「王」の部分が「壬」)で見ていただきますと,こちらが3045位ということで,要望数も15でございますので,これは要検討ということでチェック欄に三角を付したものでございます。   概略は以上でございます。 ● さらに補足させていただきますが,この部会資料18の2ページの注のところを御覧いただきたいと思います。この検討結果のペーパーの2ページの(注1),(注2)以下でございます。   まず,検討の基本的な考え方につきまして補足させていただきたいと思いますが,(注1)は,前回の部会で,JIS第1水準の漢字のうち国民の日常の生活で触れる機会ある漢字数は多く見積もって3,500字前後であるという御検討がございましたので,まずは出現順位3500位というのを大枠として検討を始めたということでございます。   (注2)でございますが,先ほど,この第1水準の大きな切り口の一つとして,出現順位3012位以上,出現回数に直しますと200回以上ということを申し上げました。これには相応の根拠がございまして,それはここに書いてあるとおりでございます。この出現回数と申しますのは,文化庁作成にかかる「漢字出現頻度数調査(2)」,以前,○○幹事の方から御説明いただきましたけれども,これによったわけであります。これは,既に御説明がありましたように,対象の書籍は辞典類・単行本・月刊誌等延べ385誌,漢字総数3,330万1,934字と極めて広範囲に及んでおり,我が国において使用される漢字はこの調査によりほぼ網羅され,この結果に基づいて,一般の社会生活における表外漢字を使用する場合の字体選択のよりどころである「表外漢字字体表」が作成され,基本的に,3227位,出現回数143回より上位の漢字が表外漢字として選定されているわけであります。   そして,出現回数が200回以上と申しますのは,平均的に調査対象書籍385誌の過半数の書籍に1回以上出現し,読者の過半数の目に触れている漢字ということができるわけであります。また,出現回数200回以上の漢字は,ここに幾つか掲げさせていただいておりますように,読み書きにおいては比較的容易と言えると考えられます。   これに対して,出現回数199回以下--つまり順位がそれ以下ということでございますが--の漢字につきましては,ここに例示で掲げておりますけれども,やはり相対的に難解な漢字が多いというふうに考えられます。   さらに,出現回数200回という線の位置でございますけれども,これは3012位であるわけでございますが,仮に平均的に出現回数385回,平均的に調査対象書籍385誌に1回出現する回数ということで考えてみますと,これは2637位ということでありまして,その順位の差というのも比較的小さいということでございまして,とにかく,国民の方々,あるいは読者の方々の過半数の目に触れているということは一つの非常に合理的な基準であると考えられるわけでございます。   以上によりまして,このような出現回数,200回以上,3012位以上の漢字を,常用平易として整理させていただいたものでございます。   途中の注は今のところは省略させていただきますが,これに対しまして,1ページの(2)のJIS第2水準の漢字についての選定の手法は,出現順位と要望法務局数という二つの軸を使って,これをクロスさせて一定のところを拾っていったと,そういう手法になるわけでございます。   3ページでございますが,(注5)の第2パラグラフ目のなお書にも書いておりますように,法務局に対する要望ということの意味合いにつきまして,要望の多寡が常用平易性を直接左右するものではありませんが,要望数が多いほど要望された区域の広がりを示し,それだけ人名としての常用平易性を裏づける要素となり得ると考えられるわけであります。   このような観点から,全体的に要望数が3,更には,このペーパーの1ページ目で出てまいりましたけれども,5あるいは8というような線をそれぞれ採用したということでございます。   ただ,付け加えますが,このワーキンググループによる検討結果は,機械的に3・5・8というものを当てはめたということではなくて,3・5・8という数字を目安にして個別に検討した結果,その線以上については常用平易と認められるという個別の御判断がされたというふうに理解しております。   事務局の方からは以上でございます。 ● ワーキンググループの皆様には,短期間に集中的に作業をしていただきまして,厚く御礼を申し上げたいと思います。   それでは,ただいまの事務局の御説明に基づきまして,この漢字データベース第4版を片手にしながら御意見を伺ってまいりたいと思います。当面は字種の問題からということでありますが。   まず,第1水準の漢字につきましては,3012位,出現回数200回以上の漢字は常用平易と認めるということで,3012位まで,整理番号でいくと1から497までの漢字につきましてはすべて採用する。あわせて,3013以下ではあるけれども,異体字の出現順位が--これは字体の問題になりますけれども--3013位以下の漢字28字をこれに付け加えるということです。それと,3013位以下の漢字については,要望法務局数3以上のもの29字が一応採用の候補として挙がっているということでございますけれども,まず,この点について御意見をいただければと思います。   ○○委員,○○委員,ワーキンググループにも御参加いただいて,作業をしていただきましたけれども,何か補足的に御説明になるようなことはございますでしょうか。 ● ワーキンググループで,3012位,使用度数200というところで私も賛同したのですけれども,実際の漢字の数が3,000万あって,3,000万の中で200という使用が本当に常用平易かどうかというところの,先ほど,実際の雑誌が約390ぐらいであるとありました。その中の200だから,まあ過半数という計算をしたけれども,本当にそうなのかというところは,私もそうだとはなかなか言いにくいのですけれども,一つの考え方としては示されたというふうに思っております。そこを,例えば30分かけて,200だから常用平易であることを説明せよというと,ちょっと大変に苦しいところがありますが,まあこんなものかなと思います。 ● ○○委員,何かございますでしょうか。 ● 特にございませんけれども,ただいまの○○委員と同じことで,要するに,やはりこうやってきますと,何かよりどころということではもうこうなってしまうと思いますが,そうなると,常用というのは何に対して何が常用なのか,説明するときにこれでいいのかなという気が一方ではちょっといたしますが,しかし,だからといってほかに根拠とするものはないと思います。これだけの統計資料がありますのでね。   ということで,私は,まあこんなものかなという,変な言い方ですけれども,そういうような結論です。 ● ほかの委員・幹事の方で何か御意見がございましたら。あるいは,ワーキンググループでの採用の補足のようなことでも結構でございますが。 ● 資料番号なしのお手元にある資料を見ていただきたいのですが,これは,3,000という数字がどういうことを意味しているのかということを皆さんに少し見ていただくときの資料ということで,今日出していただきました。   左側の方は,「漢字出現頻度数調査(頻度順位3000位以降)に出現する常用漢字一覧」ということで,実は常用漢字の中にも3000位以下のものがあります。そこに挙がっているようなものですね。「朕」だとか,御名御璽の「璽」だとか,こういったものは常用漢字だけれども頻度としては極めて低い,よく言う憲法漢字などと言っているものですけれども,こういう低いものがあるということです。   右側を見ていただくと,「漢字出現頻度数調査における常用漢字の出現状況一覧」というのがあります。これを見ていただきますと,一番左側が,今回使っている新凸版印刷の出現状況一覧ですね。   表外漢字字体表を作るときには,前にも申し上げましたように,五つの頻度数調査を統計的に組み合わせて使っていますので,非常に複雑な議論をしているのですが,一番主として使ったのが,今見ていただいている新凸版印刷というところにあるものです。   これで見ていきますと,当初私は,ワーキンググループのときに,2500ぐらいがいいのではないかというような意見を出したのですが,議論の中で3000というふうになったわけです。   私が2500と言ったのは,そこを見ていただきますと,2500の下に点線があります。右の方を目で追っていただきますと,②となっている。下を見ていただきますと,①は累計度数が95%,②は99%,③は99.9%を超える位置をそれぞれ示しているということです。ですから,常用平易というときに,今,○○委員,それから○○委員からもお話があったのですが,どれぐらいが常用なのかという認定というのは非常に難しいわけですね。   一つは,そういう意味で,これは調査規模としては,1億2,700万の総文字,漢字を抽出すると3,330万という,恐らく今ある中ではもっとも大きな調査だと思うのですが,その中で99%の漢字がそこに入っていれば,ある程度そこは常用と言えるのかなということで,2500ということを最初に申し上げたのですが,議論していく中で,そういうこともあるけれど,常用平易というところをぎりぎりに広くとっていったらどこまでとっていけるのだろうかということで,いろいろな見方はあるのでしょうけれども,今の表の2500位以下を見ていただきますと,まだこのあたりは常用漢字がぽつぽつと出ているのですね。ぽつぽつと出ていまして,3000のところで,そこから以下は3とか2とかいう数字になってくるということで,3000ぐらいのところぐらいまではぎりぎりそれなりに出てくるということが言えるのではないだろうかと思います。   ちなみに申し上げますと,今回人名用漢字に入った木曽の「曽」は,出現順位で言いますと1979位です。回数で1,175回ということで, そういう意味では,この資料からも明らかに常用されているということが分かりますし,木曽の「曽」の康熙字典体,今回のは上が「ソ」の形になっていますけれども,上が「八」の字に開いた旧字体の方は実はもっと順位が高くて,1584位,数にして2,403回という数が出ているのです。ですから,もうこの「曽」については非常に常用だということはだれでも納得できると思うのですけれども,下に行くに従って,どこで切るかというところが非常に難しくなってくる。それをぎりぎりまで広目にとったのがこの案だというふうに理解していただければ,ワーキンググループの意図が先生方に伝わるんじゃないかなということで,補足申し上げます。 ● あわせまして,3013位以下の漢字につきましては,要望法務局数3以上のものを29字拾い上げておりますけれども,これらは具体的にどんな字を拾っているかというのを御覧になっていただいた上で御意見をいただいた方がよろしいかと思うのですが,御説明をいただけますでしょうか。 ● 要望法務局数3以上の字でございますが,お手元のデータベース第4版Ⅰの21ページでございます。整理番号526の「桔」から始まっております。   それから,次の22ページでございますが,これが要望法務局数3と2の限界に線を引いたところでございます。   要望法務局数2以下については網かけをしております。   要望法務局数3についてでございますが,整理番号で言いますと550以下でございます。ただ, この字を実際に見ていただくと,輔弼の「弼」でしょうか,それから整理番号551が「葎(リツ)」,次が「盈(エイ)」,「夙(シュク)」,「迩(ジ)」と続いておりますが,私,個人的には若干難しいかなというようなところもあります。ワーキンググループでも,これはどうかなというような意見が大勢を占めましたので,チェック欄には三角を付しております。この3というのがいいのかどうかは少し御議論をいただければと思っております。 ● この点につきまして,補足的な御説明,あるいは御意見を御自由にお出しいただければと思います。   要望法務局数の数え方なのですけれども,これは⑰の欄で見るのか,あるいは⑰,⑱,⑲,⑳を合算した数で見るのか,どっちでしょうか。 ● ⑰で見ていただければと思います。   ⑱,⑲,⑳につきましては,期間が1か月でございますので,非常に狭いスパンの要望でございます。仮にこの1か月を合わせて3か月で見た場合には,同じ法務局からの要望であれば1というふうに置きかえられてしまいますので,⑱,⑲,⑳を余り重視することは適切ではないと思います。基本的には⑰を重視して,補充的に⑱,⑲,⑳を見ていただければと思います。 ● 分かりました。 ● この三角は,今日のうちにもう決めてしまうのでしたかね。 ● できれば今日決めていただきたいと存じます。 ● すべての三角を決めていくということですね。 ● とりあえず今はこの要望局数3で切るという点でございます。 ● この中でも,554というのは右側に正字がありますね。そういう問題もある。何か種類があるような気がするのです。それはどうするのでしたか。そのすぐ上の553,「夙」というのは,これも地名で「夙川」とかあります。それに対して,その上の552の「盈(みちる)」というのは,これは昔の人の名前にはよくあるものですね。そういうような個別の事情というのでいくのか,それとも,三角を一括して,もうやめようとか,入れようとかいうようなことでいくのか,そこをちょっと説明していただけると……。 ● 整理番号554の「迩」でございますが,これは異体字として正字が右側の方に掲げられていますが,この整理番号43というのは,データベース第4版Ⅱの方の43でございます。   このデータベースの作りでございますが,この整理番号は,その二つ下のところに「-729」とありますが,本日の作りでは,マイナスがついているものがデータベース第4版Ⅰ,マイナスがついていないものが第4版Ⅱの方でございます。   それで,データベース第4版Ⅱの方の43を見ますと,2ページでございますが,こちらは網かけがされておりまして,2水としては不採用となりますので,これについては考慮しなくていいのではないかと思っております。 ● 今の21ページと22ページですけれども,この部分については,先ほど説明がありましたように,3以上ということでワーキンググループで拾ったのですが,今こうやって改めて見ると,実は私,ちょっと気になったのは,21ページの一番下に「唖」という字が入っているのですね。これについては一応バツがついているということで,これはもともと頻度でいうと3735位ということで,もちろん落ちるのですが,要望が5あることと,それの異体字が,右の欄を見ますと,3016位ということで入ってきているわけですね。   ですから,こうやって改めて見ると,3まで入れるという話が出ていたのですが,今問題になっている字を見ていくと,必ずしも平易ではない字が多い。つまり,547から554までの字を見ても,決して平易でない。   それから,21ページの方に戻って,「唖」という字,それから「葱」ですね。なぜ「葱」という字をつけたいのかよく分かりません,「葱太郎」とか,そういうのがつけたいのかもわからないのですが。それから,その上には,波涛の「涛」という字ですね。この「涛」についても,右側を見ていただきますと,実はこれの正字という字体の問題が絡んでくる。   そうすると,これを皆さんがここで合意いただければということで,一つの考え方として出させていただきたいのですが,例えば要望数6までで切ったらどうかと。   一番心配しているのは,こういう基準で,本来は「唖」という字が入るはずなのにそこだけ落としたということで,そこだけを問題にして,なぜ「唖」という字を落としたんだなんていうことを言われるのが,私,非常に怖いと思っているのです。ですから,ここまでは要望数6までにして,ちょうどこの6の一番下は,おんなへんに「圭」という字で,これは「ア」とか「アイ」,これもほとんど使わないと思うのですけれども,意味としては美人というようなことですね。だから,娘に美人になってほしいというところでつけるというのはあるのかなと思うので,例えば要望数6までで切っておいて,「唖」については触れない形にすることができれば非常にいいのかなと思います。たかだかここで減る漢字というのはそんなにありませんので,一つの考え方として,今,要望数3をどうするかということが問題になっていますので,この際,要望数6以上を入れるというふうにしたらどうでしょうか。 ● 一つの御提案ですけれども,いかがでございましょうか。 ● 私も今のに賛成です。   「唖」というのは,これは落とすわけにはいかない。理由がつかない言葉ですね。「おし」というように訓で言えばよくないけれども,音で言えば,やっぱり「聾唖」という言葉として生きている言葉ですから。だから,何を落とすか,何を入れるかというのは後でまた検討していただけると思うけれども,「唖」というのは非常に落としにくい字だと私は思います。そういう点で,ここで5以下は落とすというようにしていただけると,これは大変結構だというように思います。 ● この要望法務局数というのも,たまたまある時期にそういう数字が出てきたということですから,そんなに絶対的に考えなくてもいいというふうにも言えますが,他方で,ここを6に絞った場合に,これは第1水準ですね,第1水準の中で6未満は落としたとなると,今度は,第2水準でそれよりも要望数が少ないのを拾うというのがまた説明しにくくなるかもしれない。その辺の兼ね合いはどうですか。 ● それに合わせてまた検討は必要だと思います。 ● 私の希望としては,第2水準はそれに応じて更に要望数を高めていくというふうにしていただきたいと思います。   ○○委員はいかがでございますか。 ● 先ほどもおっしゃいましたが,常用平易と要望数というのが,どうも私はその関係がよくのみ込めないのです。その要望というのは必ずしも常用平易で出たものではありませんので,だから,やっぱり,要望数が幾つというその根拠もなかなか難しいので,私もどちらかと言えば,常用平易はこんなに広がらないような気もしますので,要望数というのはそれほど,どこの線かというのははっきり根拠が示せないとすれば,今のような少し数を上げるということの方が,さっきの「唖」の字もそうですけれども,ほかの問題を引きずらないで済むだろうということは思います。これだけをバツにすることは非常にまずいと思いますので,ほかの例もありましたが,どういう字の組み合わせかによっては非常に好ましいことになるかもしれませんし。という点では,もし要望ということが常用平易ということとうまく話が通じるようなことと考えたら,やっぱり要望数がかなり多いところの方がむしろ常用平易につながるのかなという気もいたしますから,私も基本的には今の○○委員,○○幹事のに賛成です。 ● ほかに御意見いかがでしょうか。   6以上のものということになりますと,数としては18字をカウントするということですね。   この中で,要望はいいけれどもとても常用平易とは言えないというような字があるとまた問題ですが,まあ第1水準ですから,そんなに難しい字はこちらの方では入っていないというふうに一応言えるかと思います。   第1水準に関しましては,今の御提案に従いますと,(1)のイ,出現順位3013位以下の漢字は要望法務局数6以上のもの18字を採用するという案が提案されたところですけれども,事務局の方も一応これに従うということでよろしゅうございますか。   それでは,イを,要望法務局数6以上のもの18字というふうに変更させていただきます。   また第2水準の方を見ていって,兼ね合いで少し見直すということがあるかもしれませんけれども,とりあえず第1水準についてはそういうことにさせていただいて,部会資料18の1ページ,下の方,「(2) JIS第2水準の漢字について」というところに移らせていただきます。   データベース第4版Ⅱで1ページ目から2ページ目にかけて,網のかかっていない27文字というのが,資料18の①,出現回数200回以上というもののうち要望法務局数が3以上のものでございます。まず,これを御覧いただいて,特に御異論がない場合に②に移りたいと思いますが,いかがでございましょうか。   ここまで来ると,かなり,そうだれもがなじんだ字というわけにはいかないものがたくさん入ってきておりますが。   この辺につきましても,ワーキンググループの委員・幹事の方から何か補足的な御説明がございましたら,お出しいただければと思います。 ● 恐縮でございますが,事務局から。   先ほど,第1水準の3013位以下の漢字につきまして,要望法務局数6以上という基準を立てていただきましたので,おのずと第2水準につきましてもまずそこからスタートすることになろうかと思います。このデータベースの中の6以上ですから,基本的には整理番号11までが形式的に入り得るもので,12が要望の⑱,⑲,⑳の欄にも複数の要望がございますので,ここらあたりまでを,あるいはそのもう一つ下の13までを候補として御検討いただければと思います。 ● 3・5・10にクエスチョンマークがついているのは,これは異体字が……。 ● 異体字が常用漢字又は人名用漢字のものでございます。 ● 要望法務局数が6以上というのは,私も,前との兼ね合いでそれがよいと思います。   それをどこで切るかというときに,13で切るのがやはりよいと思うのですけれども,そのときに,13以上をすべてよいとするかどうか。私は,13は何かこのままでもいいような気がするのです。さんずいに「目」というのは,これは何かいいような気がするのですけれども,問題はその上の10(凉)ですね。にすいとさんずいの問題というのは,これは何かちょっとややこしいなと思うのですが。上の方の5の「萬」という字は,常用漢字の「万」と,それに対する旧字というか正字の「萬」という関係ですから,これは何かいいような気がするのですけれども……。   まあ,一応13以上をよしとして,そのクエスチョンをどうするかというところで検討していくというのはいかがでしょうか。 ● クエスチョンマークのついたものにつきましては,いろいろなパターンがあるかと思うのですが,また字体の問題として改めてほかの部分も含めて検討させていただくことにしたいと思います。   そこで,今の御提案は,そういう個別的に落とす方がいい文字も含まれているけれども,一応13を一つの線にしてはどうかという御提案でございますね。   この12の「徠」というのも,出現順位では3007位ですが,これは出てくるとしたら人名で出てくるのですね。 ● 荻生徂徠しかないと思うのですけれども。 ● それ以外には余り見ないですね。 ● そこでしかほとんど接しない。ですから,近世に対するあこがれかなと思います。 ● いかがでしょうか。形式的に要望数6で切れば11ですけれども,その下に,要望が,⑰では5ですが,それ以降も断続的に要望の出ているということで,今の「徠」,その下の「泪」を入れて13までを一応の候補にするという御提案ですけれども。 ● 私は,この委員になって以来,法務局数を非常に尊重する立場をとっていまして,ところが,どうも事務局の方はそうでもないみたいなので,だから,私の方がちょっと勇み足なのかなという気があって。   それで,今,○○委員がおっしゃったように,「徠」という字は,確かに荻生徂徠の「徠」しかない,それ以外の一般名詞等に使うことはないのですね。だから,そういう点で,厳密に,これは数字で言うと11で切ることはできるわけですが,だからもう11で切りましょうというのも一つの筋だというふうに私は思っているのです。   その点,○○委員,「徠」についてはどうでしょうか。 ● 私はちょっと違う考え方で。   確かにこれは全くほかに使えない,日常生活に出てこない字ですね。しかし,逆に言うと,荻生徂徠という歴史に出てくる非常に有名な人物がいますから,人名用の本当に専門の字としては使いたい人がこれだけ出てくるのは当然のことで,私は,専ら人名用の字でこれだけ要望があるのだったら,そういう意味では,とってもいいのではないかと。   ちょっと○○委員と違うのは,「泪」の方,こちらの字をとる必然性があるかなというような気がするのですね。要望数を比べてみても,後の⑱以下のは随分違いますから。というようなことで,この辺になると,もう個別の--にすいの方はどうも趣味的なものが多くなってきて,字の形,くさかんむりがついているとか,おんなへんだとか,そういう好ましい字とか読みとかという問題ですから,そういうようなことで言うと,この「泪」という字は,どういう根拠でこれを使うかななんて思うと,ちょっとためらいがあるのですが。 ● ほかに御意見いかがでしょうか。今,11案,13案というところですけれども。   一字一字見ていくと,余計決め手に欠ける,どっちの意見も成り立ち得るようなことになるかもしれませんけれども。 ● 要望数が,私もさっき,常用と要望がどうつながるのかという話をしましたが,しかし,やっぱり根拠としては数字が一番はっきりしていますから。これを一々吟味し出すと,みんなとらなきゃいけない,あるいはみんな外すとか,いろいろ意見が分かれると思いますから,やっぱりどこか数字で切った方がいいと思います。今の○○委員のような数字の切り方もありますし,私なんかはもうちょっと上のところで……。「徠」は⑰以下すべてのところで数が入っていますから,ここまではとらざるを得ないのかなという気もいたしましたけれども。 ● これも,どっちかというと,すぱっと決まった方が……,どうも思い切りの問題ということになってしまいますか。だから,ほかの委員・幹事の方の御意見を伺って……。 ● では,私も○○委員に賛同して,「泪」を切って荻生徂徠の12までとします。これは,法務局のところで言うと,荻生徂徠の「徠」は,それぞれの月単位にたくさん出ている。それに対して,「泪」は,5足すあるところの1であるということで,12のところで切る,ただしクエスチョンの問題は残す,こういうことでどうでしょうか。 ● いかがでございましょうか。 ● 賛成です。 ● それでは,この資料18の表現でいきますと,(2)の①,出現順位が3012位以上の漢字については要望法務局数6以上のものを採用するとしておきつつ,注のところで,12番については,5ではあるけれどもその後も継続して要望があるので6に準ずる取扱いにするというようなことで,一応ここが13字。この後,字体の関係でクエスチョンマークのついたものについては再検討されるということになろうかと思います。   それでは,②の出現順位が4009位以上の漢字ということで,同じデータベースの整理番号302以下のところですが,要望法務局数5以上というのも,これも連動して基準数が上がるべきことになりそうにも思いますが,これは整理番号が,むしろ299からでしょうか。 ● そうですね,299ですね。 ● 整理番号299からのものでございますが,一番上の「苺」はどうしても入れざるを得ない字の一つだろうと 思うのですけれども,それをどこまでかということで,原案の要望数5以上ということになると,厳密に5でいくと,13ページの320で切ることになりますかね。ここの5以上というのは,今,白抜きになっているところが,⑰,⑱,⑲,⑳を足した数が5になっているものが言われているのだと思いますけれども。それで,この部分はクエスチョンマークのついている異体字がたくさん入ってきております。 ● 先ほどは3を6に高めたのですね。ですから,ここの5というのも8まで上げていただけるとよろしいのでは,まあ8がよいかどうか分かりませんけれども。そうすると,315の「圓」というところまでいくのですね。 ● これもほかのところと同じように一番左の要望数だけに注目していくと,312で切れるということになりますが。先ほどのところは,⑰,一番左の要望数で6というのを基準にしたので。 ● 私は,312で結構であります。   結構であるけれども,次の13ページの上の方に,どうかなという漢字もありました。例えば珈琲の「珈」という字ですけれども,要望が7・1・1とあるものですから,これをどうするのか,もう7で切ってしまってよいのかという,これも法務局数を考えたわけです。 ● これもむしろ異体字の問題ですけれども,許してもらえるなら「学」の旧字(學)を使いたいなんていうのはあり得るのかもしれないですね。上の方の「実」の旧字(實)は入ったのに,なぜ「學」はだめなのかというふうな議論を引き起こしかねないかもしれませんけれども。   そういう意味では,要望数8で312,あるいは実質的に8に非常に近い313,それから314,315も数字の出方は同じになりますから,そこまでということになりますかね。そんなふうな切り方というのも一つの案かもしれません。 ● 恐縮ですが,事務局から。   ○○委員がさっきおっしゃったように,313は落としにくいという気がいたしますので,実質8ということで315まで入れていただくと,何となく落ち着きがいいかなという感じがいたしますが,いかがでしょうか。 ● ○○委員,いかがですか。 ● 賛成です。   先ほど,5であっても後の⑱以下の法務局数をちょっと参考にしていましたので,やはり今と同じような扱いでいいと思いますが。 ● ほかの委員・幹事の方々の御意見はいかがでございましょうか。315というところを一つの区切りにするということですが。   まあ,これも素直に要望法務局数7以上だとすっきりいくのですけれども,これはやはり形式上は8という数字にしておきますか。 ● 段差があった方が説明のクリアさの問題でよろしいかと思いますが。 ● これで字数といたしましては17字だと思います。299から315までの17字ですね。   それから,出現順位4010位以下の漢字につきましては,35ページ,910番以降の漢字でございますが,原案では要望法務局数8以上ということでございますが,これも,⑱,⑲,⑳を加算して,原案としては37ページの937までが含まれております。   ここまで来ると,かなり変わった字がありますね。 ● これも提案ですけれども,先ほど,3をそれぞれ足しているものですから,8以上というところに3を足すと11ですね。それで11のところを見ますと,918か919のどちらかになるのです。できればここは918までのところで切っていただけるとよいように思います。   理由は,919(檸)は,下の方の926(檬)と関係があって,合わせてレモンなものですから,ですから,片方を捨てるということで,両方捨てる。ということで,918のところでいかがかと。単純に3を足しただけのことなのですけれども,いかがでしょうか。 ● その点,いかがでございましょうか。   似たような話では,この資料の1ページ目の21(薇)と2ページ目の18(薔)で合わせてバラが,原案では両方入っていたのが今回の修正案では落ちることになりましたから,レモンも一緒に落ちてもらうというようなことになるのかもしれませんが。   918で,11以上の要望という御提案でございますけれども。   その下では,人名に比較的出てきそうなのは937(聰)ですが,これは人名用漢字で,旧字でなければ 現在使える。旧字をあえて使わすかどうかは,これはむしろ字体の問題ということで処理されれば足りるかという気がいたします。「螢」も同じですね。常用漢字があるにもかかわらず旧字を使わすかどうかというたぐいの問題で考えればいいという気がいたします。   いかがでございましょうか。910から918までの9文字,要望数11以上という御提案でございますけれども。 ● 結構だと思います。   結局,919から網かけの前の926までは,個人的に,もし親の立場で見れば,何か字の選び方としては,くさかんむりとかおんなへんとかをちょっと選びたい,当て字のように使いたいというのが出てきます。これをやると切りがないわけですね。ですから,このレベルのものは,要望数で二桁の数あるとか,しかし,今の919は下のとの組合わせで使えるもので,この1字ではちょっと使えませんので,そういうことで言えば,○○委員のおっしゃったので私も賛成です。 ● ○○委員,何か御意見ございますか。 ● 結構です。特にございません。 ● それでは,この部会資料18の(2)③は,要望法務局数11以上のものを採用ということで,9文字……。 ● 8文字でございます。911(淕)が抜けていますので。 ● 失礼しました,8文字です。   それで,911は抜かすという御提案も御承認いただけますでしょうか。   それでは,部会資料18の2ページ目,「(3) 人名としてふさわしくない漢字について」ということで,アは,先ほどの聾唖の「唖」が形式基準で外れることになりましたので,具体案としてこの(3)のアを適用する必要はなくなりました。   ほかに何かありますか。(注10)では「糞」が出ておりますけれども。 ● 恐らく,これまでのこの部会での御議論を踏まえますと,この「糞」の字が一つ問題となろうかと思います。 ● この点についてはいかがでございましょうか。 ● 私どもの一番の関心があるところは実はここだったのです。ワーキンググループでも,この漢字がよい・悪いということでかなり熱戦が繰り広げられたのです。   とりわけ,今日欠席している○○委員からはファクスでも送られてきたし,いろいろと提案があって,私は,しかし更に輪をかけた数のものを提案しました。ところが,それは結局のところ,頭で思い描いていただけると分かるのですけれども,一つの数直線があって,ちょうど真ん中がゼロで,マイナスの部分があって,それで,ここにある「糞」というのは本当にマイナスの極みだと思うのです。そこからゼロのところまで,かなりの数多くの漢字があります。ただ,それを配置せよというと,私が配置する場合,○○委員が配置する場合,○○委員が配置する場合でちょっとずつずれてきて,これはいいじゃないかという出入りも出てくる。   ということで,私どもが一番関心があるのは,よくない意味の漢字ということで,例えば,「糞」がだめだったら,下にある「膿」ですね,膿を出すとかというような,にくづきに農業の「農」という字ですが,これなんか,私は「糞」と同じぐらいによくないと思うのです。ですから,もし,「唖」が落ちて「糞」だけ残るのであれば,私は,「糞」も削る,そして,ここの人名漢字の提案では意味の上での選択はしなかったという形での提案の方がまだよいと思うのです。もし「糞」を出してくるのだったら,私は,20個ぐらい,あるいは30個ぐらいを……,この20個ぐらい,30個ぐらいの決め手がないのが申し訳ない。それが事務局と私どもの差だと思うのですね。ですから,かえってないようにする方がよいのかなというように思うのですけれども。   これは,しかし,そのとき○○委員もおいでだったので,委員にも聞いていただきたいと思います。 ● 申し訳ありません,今,部会資料18の(3)のアについてだけ御紹介申し上げましたけれども,イの方,これは例の「悪魔ちゃん」の判決だと思いますが,差別以外にも,一般の常識から著しく逸脱しているという理由です。これは漢字の問題ではなくて,名前そのものの観点ですから,単純な選び方に直結はしないかもしれませんけれども,こういう観点のものもあるということで,(注10)のほかに(注11)ということで,今まで,問題かもしれないということで恐らくワーキンググループや何かで挙げられた字がずらっと並んでいるわけでございますけれども,ただいまの○○委員の御発言に続きまして,○○委員に御意見をいただければと思います。 ● 私も,ワーキンググループの最初の回のときに,やはりこういった字はある数までは出てきますので,そういったものはもともと人名にふさわしくないということでというふうに考えていました。ただ,こうなりまして,(注10)にあるように「糞」だけ出てくるのだと,逆に非常に異常なような気がしますので,それだったら何もこういうものを考えない方がいいですが,私の本当の気持ちとしては,もう絞りに絞ってでいいのですけれども,やっぱりもうちょっとこの類のものは出て本当は構わないと思うのですがね。でも,時代と社会が変わると「糞」でもいいのかなという気もするのですけれども,大体この字を書けるかどうか分かりませんので,どういうイメージを持つか分かりませんから。   ということで,ちょっと何かあれですが,ただ,これだけが取り上げられるのはちょっとおかしいような気もしますから,もしこれが取り上げられるなら,やはりある数は同じようなものが出てこないとおかしいような気もしますが,いかがでしょうか。 ● 私も,今の○○委員の御意見に賛成です。   これは「糞」だけ落とした。何によって落としたのかというと,この部会の見識によって落としたのだと思うのですね。つまり,「糞」という名前をつけるのは余りにも常識に欠けているだろうと。   じゃあということで,4ページにある(注11)ですね,ここにいろいろ話題になったような字が,「尻」だとか,湿疹の「疹」だとか,「膿」だとか,「癌」だとか出てきますけれども,「糞」が見識によって外されたということであれば,「膿」というのはいいんですか,強姦の「姦」はどうなんですか,淫乱の「淫」はどうなんですかとか,実は似たようなものが出てきて,やはり見識が問われるだろうと思います。何で「糞」だけなんですかと。だから,そういうふうに言われるのが,私は,この部会の立場とするとちょっとつらいんじゃないかなと思います。   ですから,もう「糞」も含めて,この際だから,前回,○○委員もおっしゃっていたのですが,常用漢字表というのは,あれはパックで入っているわけですね,パックで入っているから,一字一字についていいかどうかということは全く度外視して入っているものだから,「尿」も入っていれば,それに類するものも入っている。それで,これはもう親の見識において命名すればいいわけですから,今回も,もう「糞」も含めてパックで入れたと考える。つまり,さっきの一番最初のところですね,3012位以上ということで。   ですから,そういう考え方に立って,一切そういう判断はしない。そういう判断はしないという見識を示したという立場に立つか,少なくとも「糞」を落とすのであれば,やはりそれに類するものは落ちていないと,非常に見識を問われるだろうという気がしますので,どちらかだと思うのです。全く落とさないか,ある程度落とすか。   私は,そういう意味では,この(注11)に挙がっている中で,例えば「禿」だとかそういうのは仮にいいとして,それから萎縮の「萎」なんかもまあいいかなと。だから,なるべく親の良識に訴えるということで,そういうのは入れておいて,ただ,「淫」とか「姦」とか「膿」とか「癌」とか,それから「痔」も,こんな「痔」なんていう名前をつけられちゃったら,子供がいつもからかいの対象になるんじゃないかなんていうことも思えば,そういうのをあえて出すことにやはり見識が問われると思いますので,私は,この(注11)の中にある幾つかは生かしていいと思います。例えば「嘘」なんていうのは,「嘘も方便」ということもありますから,くちへんの「虚」は生かすとして,この中から,今の「癌」とか「膿」とか「姦」とか「淫」とか,こういうのだけはやはり「糞」と一緒に落としたらどうかなというふうに思います。 ● ワーキンググループの席では,これを落とすべしということを検討した。そして,次回にもう一度やりましょうというところで,その次回がなくなっているわけです。ですから,私の考えでは,その「膿」とか「淫」とか「姦」というのは落とすというところでストップしているわけです。それでふたをあけてみたら「糞」だけが残っているということで,今,それだったらもう「糞」はやめましょう,1字落とすのはやめましょうということを言っているわけです。   だから,さっき○○委員や○○幹事がこれだけはやっぱり落とす方がいいんじゃないかということになるとしたら,何を落とすかどうするかというのは,やっぱりもう一度ワーキンググループを開かせていただいて,そこで一字一字やらないといけないと私は思っているのです。もしそれをしないのであれば,常用平易という面だけでとにかく検討したという一線だけを主張する。それで,ふさわしいかどうかの検討はしなかったという,そういう判断でいくなら,もう検討はしない,それで「糞」も残す,こんな形ですね。そのどちらかだと私は思っています。   ただ,これは最初から人名用漢字の選定をやっているわけだから,本当に常用平易だけでいいのかどうかというのはあります,常用漢字とは違うものですからね。そこだけはちょっと私も非常に,ある部分落ち着かないところがあります。   しかし,やっぱり,私どもは漢字を研究する研究所である,こちらは法務省であるという,そこの一線は大変大きいと思うのです。ですから,私は,どうするかという最後のところはお考えに従いたいというふうに思います。 ● 私も,個人的な気持ちを言うと--「誰」とか「俺」とかは非常に頻度が高かったんですよね。ですから,私も,今,入れるということに賛成していますけれども,本当の気持ちを言うと,要するに,「誰」なんていう名前をつけられたら,おまえは誰だ,俺だよというような……,また「俺」という字も入っているわけですね。要するに,おまえは誰だ,俺だみたいなことで,新聞などでもやゆされるような記事が出そうな心配はしているのです。   ただ,それはそれとして,極めて頻度が高いものですから,そこのところはもう私も納得して何も言いませんけれども,ただ,今の○○委員がおっしゃったように,それ以外の,「癌」だとかこういうのをなぜあえて入れるのかということは相当いろいろなところから言われるような気がするのです。ですから,さっきからの繰り返しになりますけれども,もう本当に何もそういうことを判断しなかったということでの見識を出すならともかくとして,そうでないという立場に立つのであれば,やはり,わざわざ物議を醸すようなものを入れておく必要はないんじゃないかというふうに私は思います。 ● いずれにしましても,(注10)に挙がっているものの「唖」が消えて,「糞」だけを除くという行き方はとらないという点では一致していると思います。   あとは,先ほど一応御了解いただいたような形式基準で決まって,それで一括採用,使い方や何かは全部ユーザーで決めてくださいという行き方でいくか,そうは言ってもどう考えてもふさわしくない字がある,であるとしたら,これは今この場では多分決められませんので,また個別にワーキンググループを開いて検討しましょうと,こういう二つの考え方があるということだろうと思うのですけれども,この部会全体としては,一応の原案をつくってパブリックコメントにして,世間の皆様の御意見を伺って,それを踏まえて再度検討するということになるのですが,そういう二つの考え方があり得るということでパブリックコメントを出すのか,一方にもう決めて,もう一つの考え方はパブリックコメントの中で言われればもう一度検討し直すというようなことでいくのか,何通りかの対応の仕方があると思うのですけれども,この点について,どんなふうな行き方でいけば……。 ● いろいろ御指摘いただきまして,非常にもっともだと思うのは,自分がこの漢字を使って子供に名前をつけるかと言われたらだれもイエスと言わないような字が並んでいる,これは事実だと思います。これは,従来,人名として適切か否か,ふさわしいかどうかという観点を正面から議論に取り込んで人名用漢字を選定してきたというこれまでの経緯もございます。   ただ,事情が変わっているのは,これはもう既に初回の部会でも御紹介しておりますけれども,昨年の最高裁決定に代表されますように,現在の社会の目線,国民の方々の常識から考えると,もう端的にその文字が常用平易かどうか,そういう観点から物事を考える。あとは,最高裁の決定も,よく見ますと,省令に書いてある字だけ使って,省令に書いてある字に制限するというだけではなくて,それが明らかに常用平易な字を書いていない場合には,その明らかに常用平易な字は使えるのだという,国民の方から見た権利という性格をかなり強調しているわけであります。そうしますと,最終的には権利の持ち主が責任を持って自分の常識で選べというふうにもう時代の流れが変わってきているのかなというところは,もう正面からこれは認めざるを得ないのだろうと思います。   そういうことを考えますと,まず出してみて,○○委員がさっきおっしゃったようにパブリックコメントの手続が今後予定されますので,それで,○○幹事がおっしゃったように,何でそんなもの入れるんだというような御批判が大なり小なり出てくると思いますので,またそのあたりの重みを御勘案いただいて部会でもう一回御検討いただければと思います。   したがいまして,私ども事務局としては,先ほどのはっきり御説明できる基準で切ったものをお示ししておいて,個別に,最終的にこれはいかにも具合が悪いから落とそうというようなものは,その次の段階で御検討いただければというふうに考えております。 ● この辺,どうでしょうか。   ○○委員,何かお考えがございますか。 ● もう私はずっと終始,この(注1)に書いてある,名前というのはつける人なりの常識と責任に委ねるべきだと,ただし1字ではだめですよと,字を組み合わせることによってイメージは変わりますからということを申し上げてきておりますから,この注書きの考え方というので私はいきたいと思います。1字で議論するべきでは絶対ないと思っています。私は,それが世の中の大きな流れだというふうに思っています。 ● ほかに御意見いかがでしょうか。   ○○幹事,先ほどの事務局の説明でいかがでしょうか。 ● そういう考えであれば,「糞」も入れてお出しになったらどうでしょうか。 ● ○○幹事,いかがでしょうか。何か御意見ございますか。 ● 私も同じように考えます。 ● ○○幹事。 ● 私は,○○幹事の方が妥当かなと思っていたのですけれども,事務局がそういうふうにお考えであれば,それから昨今の時代の流れの変化ということであれば,それに逆らうことは難しいんじゃないかなというふうに思います。 ● ○○幹事,いかがでしょうか。 ● 私も,事務局の方々がおっしゃるように,法律の条文に従って,また判例に従って考えると,パックで示すというのも一つの方法だろうというふうには思います。これで国民の方々のパブリックコメントでの反応というのを見てみるのもいいかと思います。 ● ○○幹事,いかがでしょうか。 ● ただいま事務局の方から説明のあったような対応で特に異存はございません。 ● これは,JIS第1水準の漢字の出現順位3012位以上と言われてもだれにも何も分かりませんから, 具体的にこういう字ですよと字を並べてパブリックコメントに付することになるだろうと思いますから,その中には,今ふさわしくないと言われたような字が一覧表の中に入ってくるということになって,それに対しては御懸念されているような形の意見も出てくることは容易に予想されますので,そういった意見を伺いながら,パブリックコメントの結果を踏まえて再度検討させていただくということですね。パブリックコメントには,形式基準で選定した字がそれの説明をつけた形で出るわけですね。なぜこういう字が選ばれたかというのを説明してパブリックコメントに付したいということになりますね。 ● そのときに,注というようなものはつけていただけないものでしょうか。漢字の選定に意味の上での判断は入れていないというような。それを一言入れていただけると,パブリックコメントも大分違ってくると思うのです。何も注がないと,人名用漢字に本当にふさわしいと思っているのかどうかということを言われると思うのですね。 ● 具体的なパブリックコメントの出し方につきましては,事務局と私の方で御相談させていただきたいと思いますけれども,なぜこういう字になったのかというふうなことについての説明は不可欠だと思いますので,この字を選んだ理由を書かざるを得ないと思うのですね。その中に,意味の点から削除したりということは,議論はあったけれども,しなかったというようなことを書かざるを得ないと思うので。 ● それを書いていただいたら,私どもは助かります。 ● 特に,従前は一字一字,正にここの委員が投票して,いいとか悪いとかというふうにやっていた,その意味では一個一個の字の選別についての委員の見識というのが正面から出ていたわけですけれども,それと全然違う選定の仕方をするようになったわけですから,その選定に関する基本的な考え方,具体的な選定の手法というのを説明をしないでパブリックコメントに付することはできないと思いますので,事務局にしっかり工夫をしていただいて,意見といいますか解説を書いた上で字種の一覧を出すということになるのだろうと思います。   それでは,一たん,休憩させていただきまして,その後,字体についての御検討をいただきたいと思います。            (休     憩) ● それでは,予定の時間になりましたので,再開させていただきます。   本日予定されております議題の2,「字体の選定について」ということでございます。これにつきましては,先ほどの漢字データベースの中で,異体字がそれぞれ別々に順位でとられておりますが,重複しているものにつきましてはクエスチョンマーク等の標識がついていたと思います。この点につきまして,まず事務局から簡単に,データベースの読み方,あるいは基本的な方針があればそれについての御説明をいただければと思います。 ● クエスチョンのところでございますが,これについては,異体字が常用漢字又は人名用漢字のものについてクエスチョンをつけております。すなわち,これを採用した場合,同じ字種について二字体認めるということになりますので,今までの人名用漢字の別表の掲げ方,あれは字種表であり字体表でございますので,それと方針がかなり変わるということから,やはり考慮が必要だろうということでクエスチョンをつけているものでございます。   基本的な考え方としましては,先ほど御議論いただいたとおり,1水につきましては3012位以上という線で引いておりますので,確かに,相方が常用漢字であれば,その字だけを見れば,例えば,データベース第4版Ⅰの4ページ,整理番号103でございますが,「嶋」という字がございます。常用漢字はいわゆる「島」でございますが,この整理番号103では,やまへんがついた字でございます。この二つの字体を見比べますと,確かにやまへんの「嶋」の方は若干平易性に劣るかなということではございますが,先ほどの1水3012位以上という基準でいけば,これも常用平易に入るのではなかろうかというような考えを持っております。   概略は以上でございます。 ● そういう意味では,異体字につきましても,先ほどの順位及び要望法務局数の基準に従って入ってくるものは入れるというのが,このデータベースづくりの基本的な方針ということでございますけれども,この点につきまして御意見がございましたら,お出しいただければと思います。 ● 先ほどの4ページのところでいきますと,「島」という漢字が常用漢字であって,それに対して,「やまどり」という「嶋」というのが103番にある。それで,これについてはその前のチェック欄にクエスチョンをつけている。ですから,一応,3012までは認めるとしているけれども,このクエスチョンをつけているものについてはやはりちょっと残すということだと私は思っているのです。 ● 残すというのは,検討の対象とするということですね。 ● はい。   これは,何もなければチェックも何も要らないわけでして,その常用漢字の異体をどうするかということについてはワーキンググループでも十分に検討できておりません。こういう問題があるというところでクエスチョンをつけているわけですから,これをどうするかについてここで一挙に意見を言って,今日のうちにこれに決着つけるというのは非常に難しかろうと私は思うのです。ですから,私個人としては認めるという方向をとるにしても,ここで,じゃあそうしましょうというのは,ちょっとやっぱり……。もうちょっと検討して問題点を洗い出してみて検討すべきだと思います。洗ってないんですよ,まだ,十分には,どういうような波及効果があるかとかいうのは。ですから,できればここのところだけはワーキンググループに任せていただきたいと思うのですが,任せていただいた結果をこの部会では,先ですけれども,もう認めていただいたということで,あとは○○委員と事務局の方でパブリックコメントの方に持っていっていただくというのは結構だけれども,一度時間をかけて,2時間か3時間もあれば十分できると思うのですけれども,そういう機会をいただきたいというふうに思います。 ● この資料でクエスチョンマークがついているものは,常用漢字とのぶつかり合いだけですか。それ以外には……。 ● 常用漢字と人名用漢字でございます。 ● このはてながついているところも,もちろん字体上の問題がこれから検討されなければならないところなわけですが,実は,はてながついていない文字についても字体上の問題が,このデータベース上内在しております。   例えば,データベース第4版Ⅰの21ページを御覧いただきますと,先ほど来出ています,538番,任侠の「侠」という字があります。義侠心の「侠」でもありますが。これは,実際の法務局からの要望というものを集計してみますと,実は二つの字体が出現しております。ここに実際に出ている③の字体がほぼ半分,残りの半分というのは, いわゆる印刷標準字体の,人を二つ書くというものです。実は,このデータベース上は,技術的な問題もあって,統合した結果が出ています。こういうものもかなり多数,今,確認できておりまして,この資料もほぼまとまる段階にあります。こういうものも含めて細々とした議論がたくさんありますので,また時間をかけさせていただければというふうには思っております。 ● 字体につきましては,異体字が常用漢字・人名用漢字であって要望あるいは使用頻度が高いという場合の取扱いをどうするかというものと,常用・人名用に限らず異体字が複数の形で出ている場合にどうするかと,こういう問題がなお残っているということでございますけれども,これを,パブリックコメントに付す前の段階でワーキンググループの作業をして一応の成案を得てパブリックコメントに付すのか,あるいは,そういう問題を留保した形で,こういう原案ができているけれども,そのパブリックコメントをいただいて,最終的にそれを参酌して字体の問題をパブリックコメント後に決着をつけるという進め方と,二通り考えられることは考えられると思うのですけれども,○○委員はパブリックコメントの前に検討すべきであると。 ● この人名用漢字の最初のときに私どもに示された原則の第一は,一字種一字体とするということだったのです。しかし,今は,もちろんその原則は守りますけれども,どこまで例外を認めるかという検討が,私がお願いしているワーキンググループの仕事だと思っているのです。その例外も,やみくもに認めるのではなくて,どういう方針で説明できるかということだと思っています。   ですから,原則をどのように論理的に整合性を持って破っていけるかという,そういう検討をさせていただきたいということなのです。 ● 名前の問題は,やはり字の画数の問題が,縁起がいい・悪いまで含みますといろいろありますし,そういうことで言えば,私も自分の好みとしてはこちらの方が,あちらの方がといろいろ出てきますけれども,そういう問題ではなく,やはりこの異体字のことはいろいろな問題がきっと内在していると思うのです。その辺,少なくとも私個人はまだ十分このクエスチョンマークのついているところをよく認識していませんので,もしできれば,やはり1回ワーキンググループで,これは全然検討しませんでしたから,見せていただけると助かります。やはり,問題点があった上でパブリックコメントの方が,パブリックコメントに意思が響くか響かないかは別としても,一応こういうような問題があるというのは把握した方がいいだろうと思うのですけれども,いかがでしょうか。 ● 御参考までに,第1水準・第2水準共通でございますが,候補の漢字の異体字が常用漢字であるものが合計で25字ございます。それから,相方が人名用漢字であるものが合計で10字ございますので,今問題になっている観点から検討を要すると思われるものは合計35字あるということでございます。   事務局としてこのデータベースを作らせていただいたときの気持ちとしては,例えば出現順位で順番に区切っていって,先ほどの3012位という順位についての合理性,これは認識の御一致があったかと思いますけれども,それより上位に出てきている漢字について,なぜそれだけ外しているのだと。その理由としては,もう既に常用漢字あるいは人名用漢字で認められているからと,それだけの理由では逆になかなか説明が難しかろうと思うのです。ですから,そのあたりを外すなら外すで,納得のいく合理的な説明を国民の方々にできるようなものが必要だろうということでございます。この場で少し,例えば相方が常用漢字である場合にどういう問題が起こり得るのかということを整理していただいた方がよろしいのではないかと思います。 ● もう少し時間が必要だという趣旨の御発言だったと思いますけれども,常用漢字について異体字をあえて人名用として許容するというふうな方針をとったときにこういうことが問題になるという点を,今お出しいただける限りで御意見を伺わせていただければと思うのですが。 ● 先ほどの一字種一字体ということを最初に強く言われたのですけれども,それはどういうお考えなんですか,現在のところで言うと。 ● 私どもが申し上げたのは,一字種一字体の原則,これはいろいろなメリットがあって,従来からそういう考え方が基本的にとられてきているということですが,この部会での整理でもただし書がついておりまして,○○委員もおっしゃいましたけれども,合理的な理由があれば,その例外を全く許容しないということではないということでございますので,そこの例外的な部分について御検討いただくということでございます。全くやみくもに一字種一字体の原則というふうに縛ってしまえということではなかったということでございます。 ● 私が先ほど申したのは,合理的な理由を作る機会,この場ではなくて,それが欲しいと申したのです。   だから,一字種一字体にいきたいということを言っているのではなくて,そういう検討をして,これはもう二字体でやむを得ないじゃないか,二字体の方がむしろいいじゃないかというようなことをそれぞれの字について 検討する機会があれば。それで,それをまた○○関係官がおいでになって書いてくださればと思うのですが。 ● 私としては,関係官の立場として僭越なのですが,今,1水の3012で切った以上は,これを外すという合理的な理由を私が途中で提案することはちょっと難しいなという感触は持っております。なぜこれを外すんだというふうに国民から聞かれた場合に,これが常用平易ということで順位が上じゃないか,どうしてこれを外すんだと言われれば,今,1水の3012位というところでは常用平易だということで説明することはできるのですが,相方が常用漢字だからということだけで押し通せるのかというと,ちょっとそこはどうかなという感じがしております。   いろいろ問題点があるというのであれば,その点を御指摘いただければというような考えでございます。 ● いや,逆で,クエスチョンをつけている,そして今おっしゃったように,3012位の中にも入っているからクエスチョンは自動的に消えるのだという,そういう考えはちょっと今とりたくない,一つ一つ見たいと,そういうことなんですよ。 ● ただ,表外漢字字体表にも,「堺」とか大阪の「阪」が入っております。それはチェック欄をつけておりますが,「堺」とか「阪」は入ってくるんだろうなと思われて,では,「堺」と「阪」が入っているのになぜそのほかは入らないのだというと,そこはまた線引きを考えなければいけない。事務局としていろいろ考えてはおりますが,漢字の線引きは本当に水を切るような作業で物すごく難しくて,更に今回,1水の3012位という一つのスタンダードをつくって御了承いただいて,更にもう一つ線引きをつくらなければいけない,ダブルスタンダードを作るのかということになると,またそれに対する労力が物すごく必要で,すぐにはなかなか,いい,合理的な説明がつくのかなという感じがしております。 ● 今の大阪の「阪」と「堺」については,これは表外漢字字体表,多分皆さんのお手元にあると思うのですが,これの5ページに国語審議会の考え方が明確に述べてあるのです。   5ページの真ん中あたりに,「(2) 対象とする表外漢字の選定について」というところがありまして,「常用漢字及び常用漢字の異体字は対象外としてある」とあります。ですから,まずそれが全部対象外としてあるということです。なぜならば,常用漢字の通用字体,これが現在の文字生活における標準だという認識に立っているからなのです。   その上で,常用漢字の異体であっても,大阪の「阪」や「堺」などは対象漢字としたということです。それはどうしてかというと,「これらは使用頻度も高く,既に括弧内の常用漢字とは別字意識が生じていると判断されることを重視して対象漢字として残したものである」とあります。例えば大阪の「阪」であれば,括弧の中のつちへんの「坂」が常用漢字ですね。「堺」というのは,世界の「界」という字が実は異体字になります。括弧の中はそれぞれ常用漢字なのですが,例えば,「おおさか」と書くときに,今,つちへんの「坂」を書く--豊臣秀吉の時代はもちろんつちへんだったわけですけれども--そういう人はもうだれもいない。それから,「はんしん」だとかいうときにも,これは当然,括弧の外になっているわけですね。ですから,こんなふうに,異体字であっても今の文字生活の中で別の字だと認定されているものについては選びましたよということなんですね。   ですから,それと,そうではなくてこれは同じ字なんだけれどもというふうなものは,やはり同列には論じられないだろうと思います。   もう一つの問題点は,例えば,今,一番最初に出てくるのが,ちょっと話題になっていた,やまどりの「嶋」という字ですね。確かに,「しま」という字はいろいろな異体字が多くて,常用漢字は,103番の右側にありますように,山が中に入っている。もともと,「しま」というのは,山のように見えるところに鳥がとまっているというところから来ているわけですね。ですから,山があって鳥がとまっているということで,常用漢字は山が中に入っていますけれども,文字通り,山が下にあって,その上に鳥がそのまま乗っかっているのもあると,点々がついてですね。それから,山が上に来るのもあるとか,いろいろあるわけです。   そうは言いながら,一つ言えることは,今ちょっと手元にないので分からないのですが,確かに「嶋」は1848位ということで非常に出現順位が高いのですが,恐らく常用漢字の「島」はもっと高いだろうと思うのです。ですから,そういう意味で,常用性ということを考えるときには,より常用性の高い常用漢字があって,なおかつ,それは一般の文字生活における通用字体として広く認められているというものについては,私も,最終的に「嶋」を認めるというふうになれば,もちろんそれに賛同いたしますけれども,そこはやはり慎重に考えておかないとと思います。   特に,2回前に申し上げましたけれども,この字体の問題については,特に漢和辞典類などをやっている出版社などが非常に神経質になっていることもあります。今までの人名用漢字というのは,子供の名前につけられるだけだと言いながら,実はもう字体については常用漢字並みのことで,必ず辞書にはマル人マークがついているというようなことですので,今回出るものについてもそういう点でかなり注目されているので,可能であれば一度検討して,それで検討した結果,今,○○関係官がおっしゃったように,そうは言っても,やはり「嶋」も入れておいた方がいいだろうというふうになるかもしれません。つまり,それを否定する理由が見つからないかもしれませんので,見つからなければそれもあわせて入れて,今回はこういう考え方で両方示しているというところは整理しておいた方がいいのではないでしょうか。 ● ほかの御意見,いかがでしょうか。   字体の問題は断片的にいろいろな形で議論が出てきたのですけれども,一つは,常用漢字というものの基本的な考え方との関連ですね。   もう一つは非常に技術的なもので,字体が幾つあっても,一種の漢字には区点が1個しか振っていないというケースがかなり多いということとの関係で,一字種一字体というふうな原則が持ち出された経緯がもう一つ。   それともう一つは,やはり最高裁判決の木曽の「曽」自体が,あれは俗字をとれというふうに言われると,やはり俗字をとって正字を捨てるわけにはいかないというふうな問題での字体へのアプローチの仕方と,幾つかの観点から字体の問題を考えなければいけないと思うのですけれども。   JISとの関係では,どんなふうな感じですか。 ● 異体字について複数のポイントが振られているものもありますので,それはそれでいいのですけれども,全部がそうかどうかというのは,ちょっと今チェックしかねていますので,そういうことから私どもとしてはこの動きに非常に関心を持っているということで,人名漢字が決められれば,我々,今までもやってきたように,それに対応するということが原則でございますので,そういう観点から動向を見守っているということでございます。 ● 事務局から何かございますか。 ● 先ほどの○○幹事の御説明もございましたので,時間は余りございませんが,大急ぎでもう一回作業部会を開かせていただいて,そこで一気に検討させていただくということでお願いしたいと思っております。 ● あと,ここでは,異体字との関係では,データベースⅠの方のJISの1水,これは先ほど余り時間をかけて議論をしていなかったのですが,498から525までというのが,出現順位3013位以下で,その異体字の出現順位が3012位以上の漢字で,これの取扱いというのは,両方とるというのが,この原案ということでしょうか。 ● 今の○○委員からの御指摘につきましては,あくまでも3012位以上の漢字をとるということです。ですから,このデータベースで言いますと,○25の「異体字1」のところでございます。   ただ,相方が表外漢字のものにつきましては,若干,表外漢字を尊重するということであれば,③の方の字体を採用する方向で考えることもできようかなとは思っております。 ● では,それも集中的に御審議いただく事項の一つとして加えていただいてワーキンググループを開催していただきまして,字体に関する基本的な考え方,それから,異体字の出現頻度が別々にとられているものについてどういう方針で最終的に字を拾っていくかということについての基本的な考え方を御審議いただく。それで,それを踏まえてパブリックコメントにと。そのパブリックコメントには,字体の選定についての基本的な考え方みたいなものが入るということですね。   何通りかあるわけですね。つまり,字体を,字としては複数とっておいて,その字体についての考え方についても意見をくださいというような聞き方もあれば,字体が異なる場合には,例えば常用漢字があるときは常用漢字のみにするというふうにしておきつつ,違う考え方もあるので御意見を伺いたいというふうな聞き方にするのか,あるいは,もうこれは決まったことだというので意見を伺うか,その辺のところも少しワーキンググループの議論の中で大まかな方向性を決めていただければと思いますが,そういうことでよろしゅうございますか。   その上で,ワーキンググループで御議論いただいて,もう一度この部会を開いて,それからパブリックコメントという手順になりますか。それとも,ワーキンググループに一任して,その結果を踏まえてパブリックコメントというふうにするか。 ● 再度,パブリックコメントに付する段階で部会の御了承はいただくべきだと思いますが,形は,時間が余りない関係で,場合によっては持ち回りで御了解をいただくというようなことも含めて,まず作業部会の作業を急ぎたいと思います。 ● そういうことでよろしゅうございますか。委員・幹事の皆さんに御異論がなければ,部会の了承のとり方は事務局にお任せ願えればと思います。 ● 1点だけ,今の件で補足しておきたいと思うのですが。   20ページの,今話題になっていました「頬」からのところですね。これは整理の時間が必要だというふうに申し上げたのは,例えば503の骸骨の「骸」ですね,これは右側の方に異体字と入っていますけれども,実は,常用漢字表においても,表外漢字字体表においても,これは字体の差と認めていないのです。よこいちとたてはデザイン差としていますので。ですから,両方とも同じ字体だとした上で,どちらの字形をとるかという問題になります。そういう問題もあるので,やはり一度整理しておいた方がいいかなというふうに思います。 ● それでは,議事の進め方も含めて御意見ございましたら。 ● 字種のところに戻ることはよろしいでしょうか。   1点だけ確認なのですが,今日配られました資料で12というのがございますが,JIS第2水準に含まれない漢字で,法務局への要望によってのみここにあらわれている文字というものですね,こちらに挙がっているものというのは,今日の機械的な基準からすると,恐らく整理番号1番,2番ぐらいまでが検討の対象になり得るのかと思われますが,これらは,今日の基準からすると,もう採用なしという形になるということでよろしいでしょうか。 ● 本日お配りした漢字データベース②でございますね。第2回部会で配布いたしました,資料番号としては12でございますが,これは,具体的に,第3水準,第4水準又はJIS外の漢字であっても要望があるものをまとめたものでございます。パソコンで出ないものもありますので一部手書きになっておりますが,そのうち,特に,にんべんに「愛」という字が要望局数21,それから,けものへんの「(〓けもの偏+尞)」が要望法務局数7となっておりまして,ここら辺を字種の問題としてどうするかというところでございますが,事務局としては,例えば,にんべんに「愛」につきましては出現頻度数調査には1回も出ていない字ですので,およそ常用平易とは言えないであろうと。また,「(〓けもの偏+尞)」につきましても,これは頻度数調査で5508位とかなり下位でございますので,先ほどの基準から言ってもこれは落ちる。とすれば,あとほかの字につきましても同様に落ちてしまうということで,すべて字種としては採用しないという方向で考えております。 ● 先ほどの基準に当てはめるとそういうことになるということですね。分かりました。 ● 質問でございますが,先ほど,なるべく広く国民の権利をふやしていこうという御方針だということで,それはそれで結構だと思いますが,若干,私自身気になっておりますのは,先ほどの機械的基準ということで落ちた字の中に,例えば地方の地名だとか何かということで,現在要望があるかないかは別にしまして,多分将来そういう要望が出てくるであろうというようなことで,例えば郷土愛だとか,あるいは思い出だとか,そういうものに対する字が先ほど議論になっていましたけれども,「糞」が入っていて何でこの字が入っていないのだというようなことが出てくるんじゃないかなというふうに思いまして,それは,先ほどの事務局の説明ですと,パブリックコメントで拾っていくということなんですかね。あるいは事前に,その機械的基準で非常に下位にあるものは別だと思いますけれども,ボーダーラインにあったものについては,一度拾うというか,再チェックする作業が--事務局のスケジュールを遅らせるような話で恐縮なのですけれども--その辺がちょっと気になっているところでございますが。 ● 地名等につきましては,事務局でも確かに検討はしてみました。例えば,本日配布のデータベース第4版Ⅰで言いますと,22ページの560,長瀞(〓さんずい+靑+爭)の「瀞(〓さんずい+靑+爭)」,また,25ページでございますが,整理番号625,626。625の「鵡」は,鵡川というのが日本の川にあるということ。それから,626は,これは苫小牧の「苫」 などが地名としては比較的目にするところかなというところで検討はしてみましたが,やはり,地名を入れると,じゃあなぜうちが入っていないんだということになるかと思います。「苫」が仮に入ったとして,じゃあうちはどうしてだめだ,その基準を示せということで○○市長が法務省に要望してくる,またこれは基準を示さなければいけないということになりますと,やはり,本日御承認いただいた1水の3012位というところでシンプルに切ってしまえば非常に公平とも思われますので,確かに地名の問題もありますが,そこは基準に従って採否を検討すれば,というか,むしろそのようにすべきであろうという考えでございます。 ● そういうことであれば結構だと思いますけれども,今日,ボーダーラインが厳しくなって落ちたやつがあるんじゃないのかなというようなことが若干気になったということでございます。 ● これは,原案では蓼科の「蓼」がそれですね。 ● 気にしているのはそれなんですけれどね。何となくいいイメージのある地方名でございますので,いろいろ思い出のある方もいらっしゃるだろうし,そういうことでちょっと気になったわけです。 ● これも,とりあえず機械的な線引きで落ちたということで原案を処理させていただいて,またその上でいろいろな御要望を伺いながら再検討の可能性はあるということですね。 ● また法務局数でいくのですけれども,先ほどのにんべんに「愛」という字ですね,これは法務局数が21あるのです。先ほど,ないから落とせというのは,さんずいの「淕」,これ1字だけは落としているのですが,それが法務局数幾つだったかちょっと覚えていないのですけれども……。 ● 19です。 ● その19とか21とかいう数字は,私はかなり大きいと思うのですけれども。   このにんべんに「愛」というのは,今日来るときに○○幹事から,これを「ほのか」と読ませるのだとか,インターネット等での要望が大分出ているんだとかいう話を聞いたのですが,切ってしまっていいのかというところをちょっと心配するのです。 ● 補足しますと,インターネットの用例ですね。要望ではなくて,用例です。   インターネットになぜこの字が出ているかということなのですが,第4水準までに入っていないわけですが,補助漢字というものがJIS規格の中にあって,それによってコードが与えられている。その結果,ユニコードに採用されているので,マイクロソフト系のソフトを使いますと,それが容易に検索できるということです。   それで,実際に1文字この字を使った,チュウガクセイというような人の名前が検索されました。ペンネームかもしれませんが,そういうものがある。そのほか,山口県で「(〓人偏+愛)島」と読む島にこういう表記がされたことがあるなんていう用例がぽつぽつと見つかってきたということです。あと,芸名だと思われますが,「(〓人偏+愛)川」さんという方もシンガーソングライターでいらっしゃるということで,全く絶無ではないということでした。 ● ただ,常用平易とはちょっと言いにくいと思いますが。 ● 無視していいのかどうかという点だけは,ちょっと慎重に。その「淕」とですね。   「淕」というのも,前もこれは○○委員あたりから出たと思うのですけれども,ラリルレロという発音自身が日本語として少ないものですから,「リク」という漢字自身が本当に少なくて,大陸の「陸」というような字ぐらいしかない。そこで,さんずいをつけた「淕」が出てきたのかなと思うのですけれども,字の形からいうと平易ではあるのですが,常用ではないという問題がある。しかし希望が19ある。もちろん,「常用平易」の「常用」という点では「(〓人偏+愛)」も切ることができますが,法務局数の方は,これはよろしいわけですね。 ● やむを得ない,やっぱり法令上,「常用平易」というところが一番大きな基準であるということになるでしょうか。 ● 基本的には「常用平易」で線を引く。その判断に当たって,そういう希望が多いようなものについては,常用性の判断にしろ,あるいは平易性の判断にしろ,そうむちゃくちゃ難しいのは希望してないんじゃないでしょうか,それぐらいに希望があるのはそれなりに潜在的に用いられる可能性が高いんじゃないでしょうかという程度で,「常用」と「平易」を全く無視して,希望があるからというわけにはいかないんじゃないかとは思うのですけれどね。   そこはまたパブリックコメントの結果も見て最終的に決断することになると思いますが,やはり,希望が多いとどんな字でもというのは……,21局とはいっても,絶対数から言えば大したことない数にはなるわけですから。 ● そんなところでよろしゅうございますか。   地名の問題はなかなか難しい要素があると思いますけれども,とりあえずの原則ということで御了解いただいた線を前提にして,字体の問題につきましてワーキンググループで更に御審議をいただく,それを踏まえて部会の開催又は持ち回り審議ということで成案を得て,パブリックコメントに付したいと,こういう手順でございますけれども,御了承いただけますでしょうか。ありがとうございました。   それでは,今後の進め方等につきまして,事務局から御説明がございましたら,お願いいたします。 ● 一応,次回の部会の予定は,6月11日金曜日の午後1時30分から,場所はこの1階の東京保護観察所会議室を予定しております。   ただし,この部会終了後にまた作業部会のメンバーの方々にはお残りいただいて作業部会の日程調整をお願いしたいと思いますが,その日程をなるべく早いところに入れておいて,成案を早く得ることができましたら,この6月11日を待たずに,私ども事務局の方で先生方に持ち回りで御説明をして御了解をいただくという手続をさせていただきたいと思いますので,作業部会を終えたころを目途に,この6月11日の部会を実際に開くのか,それとも開かないのかの御連絡を差し上げたいと思います。 ● 6月11日までが2週間ですから,1週間以内ぐらいに,どちらになるかの結論をお知らせいただくということで,6月11日に開催されるか,あるいは持ち回りの審議になるということでございますが,よろしくお願いいたします。   ほかに特に御連絡等ございますでしょうか。以上でよろしゅうございますか。   それでは,長時間にわたりまして熱心な御討議をありがとうございました。本日はこれにて散会ということにさせていただきます。どうもありがとうございました。 -了-