法制審議会 戸籍法部会 第6回会議 議事録 第1 日 時  令和4年5月17日(火) 自 午前10時29分                      至 午前10時50分 第2 場 所  法務省地下1階 大会議室 第3 議 題  戸籍法等の改正に関する中間試案(案)について 第4 議 事  (次のとおり) 議        事 ○窪田部会長 それでは、予定した時刻になりましたので、法制審議会戸籍法部会の第6回会議を開会いたします。   本日は御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。   それでは、事務当局から本日を含めたこの部会の開催方法等についての御説明をしていただきます。 ○櫻庭幹事 今回もウェブ参加併用の形で行わせていただいておりますので、前回までと同様、御注意いただきたい点として2点申し上げます。   まず、御発言中に音声に大きな乱れが生じた場合につきましては、こちらの方で指摘をさせていただきますので、それを踏まえて、適宜御対応いただければと存じます。また、発言をされる委員、幹事の皆様におかれましては、冒頭に必ずお名前を名のってから御発言を頂きますよう、よろしくお願いいたします。 ○窪田部会長 本日ですが、金子委員、手嶋委員、藤原委員、若月委員、それに上仮屋幹事、衣斐幹事、小林幹事が御欠席の予定と伺っております。   それでは、本日の審議に入ります前に、配布資料等の確認をさせていただきたいと思います。事務当局からお願いいたします。 ○櫻庭幹事 お手元に配布資料目録、議事次第を配布しております。また、事前に部会資料6-1「戸籍法等の改正に関する中間試案(案)」、6-2「部会資料5-1からの変更点の説明」をお送りさせていただいております。   部会資料6-1は中間試案の案ということで、パブリック・コメントに付す予定の資料となってございます。資料6-2は、資料6-1の中間試案の案を作成するに当たりまして、前回の第5回の戸籍法部会の資料からの変更を示すものとなっておりますので、本日はこの資料6-2を使って御議論いただく予定としております。   なお、前回は部会資料5-3ということで、中間試案の案をパブリック・コメントに付す上で、その考え方について補足するためのものとして、事務当局のクレジットで公表する補足説明資料のたたき台をお示ししたところでございます。前回も申し上げましたが、中間試案の補足説明は通例、部会における御議論を踏まえ、中間試案の内容の理解に資するよう、試案の各項目についてその趣旨等を補足的に説明するものとして、飽くまでも試案の内容について検討を加える際の参考資料として作成するものでございますので、今回の中間試案の取りまとめをする部会では、議論の対象といたしません。もっとも、これまで頂いた御意見を反映した形のものを作成中でございまして、後日完成したものを、委員等の皆様に参考送付する予定でございますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。   配布説明の御説明は以上でございます。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、審議に入ります。   本日は、「戸籍法等の改正に関する中間試案(案)」について御議論いただきます。「戸籍法等の改正に関する中間試案(案)」について、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 それでは、部会資料6-2を御覧ください。   部会資料6-2において、中間試案の案であるゴシック部分について、部会資料5-1からの変更点を記載しており、実質的な変更点に下線を付しております。   第1について御説明いたします。「第1 氏名を平仮名(片仮名)で表記したものの戸籍の記載事項化に関する事項」でございます。この部会資料6-2の1ページ、第1の「1 戸籍の記載事項への追加」を御覧ください。   これにつきましては、本文に変更はございませんが、(注)につきまして、前回会議における御意見を踏まえまして、より正確な記載となるように、下線を付した部分を追記しております。   同じく1ページ、第1の「2 氏名を平仮名(片仮名)で表記したものの許容性及び氏名との関連性」につきましては、本文、(注)のいずれも変更はございません。   以上です。 ○窪田部会長 それでは、ただいま御説明いただいた第1の部分について、何か御質問、御意見等ございましたら、どなたからでも結構ですので、自由に御発言を頂ければと思います。いかがでしょうか。 ○舩木委員 すみません。今回の変更部分ではないですが、第1の(注1)の甲案について法令に規定することも考えられるという点のところですけれども、この法令というのは、戸籍法という認識でよろしいでしょうか。甲案のところに戸籍法には規定を設けずと書いていますので、その辺をちょっと確認したくて手を挙げました。 ○窪田部会長 その点、事務当局の方で御確認お願いいたします。 ○櫻庭幹事 戸籍法には規定を設けずということではございますが、法の一般原則によるということですので、法の一般原則によるということを法令に書けるのではないかということでございます。この法令は、通常、法律、政令、省令を指しますので、政令、省令だけでなく、一般的に考えたときには法律も含まれるものですので、そこは法律、政令、省令に法の一般的な原則により規律されるというような、書きぶりはちょっとまた今後検討ですけれども、そういったことが規定されるというようなことも考えられるということで、お示ししたものでございます。 ○窪田部会長 舩木委員、それでよろしいでしょうか。 ○舩木委員 はい、了解しました。ありがとうございます。 ○窪田部会長 ありがとうございます。   それでは、ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。   よろしいでしょうか。   それでは、第2について、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 それでは、次に2ページになります。第2の「1 氏又は名が初めて戸籍に記載される者に係る収集」につきまして、御説明します。   この点につきましても、本文、(注)、いずれも変更はございません。   続きまして、第2の「2 既に戸籍に記載されている者に係る収集」を御覧ください。   まず、本文が1案のみとなったことを踏まえまして、従前、第1文として記載しておりました、次の案により収集するものとする旨の記載を削除いたしました。また、前回会議において、本文の市区町村が本籍地の市区町村を意味するのか、住所地又は所在地の市区町村を含むのかが明確でないという趣旨の御指摘があったことを踏まえまして、本文において、本籍地の市区町村であることを明記するとともに、(注1)において、所在地の市区町村長を加えることも考えられるとの記載を追加いたしました。   次に、前回会議において、申出に係る氏名を平仮名、片仮名で表記したものが第1の2により許容されるものではないとして、戸籍に記載されなかった場合における不服申立ての方法について御指摘があったことを踏まえまして、(注2)において、不服申立てについては、戸籍法第122条の規定を準用するものとすることが考えられるとの記載を追加いたしました。   さらに、(注3)につきまして、前回会議において、申出と届出との区別が分かるように記載すべきとの御意見があったことを踏まえまして、下線を付した前半部分の記載を変更しております。   説明は以上です。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、この第2の部分について、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。 ○村林委員 村林でございます。   この内容についての直接的なことではないのですが、前回もちょっと話題になっておりました、これ、収集して実際に登録された仮名を、どうやって知ることができるかという話があったと思うんですけれども、もちろん謄本を取れば分かるんでしょうけれども、今回の元々のこれをやる趣旨の一つに、本人確認の項目を増やすことによって、不正防止という観点につながるということがあったと思います。普通、本人確認というのは、免許証であるとか、あるいはマイナンバーカード等で行われますけれども、例えば、免許証に今は読み仮名というのがないんですけれども、これに登録されることにより、免許証とか、マイナンバーカードは何か海外何とかというのが今までの議論の中であったかもしれませんけれども、普通の読み仮名が振られるということになると理解してよろしいんでしょうか。   ちょっと今回の法令の趣旨というか、内容とは違うとは思いますけれども、趣旨に鑑みると、何かそういうことはどこで検討するのかなと、ちょっと私、この辺の手続が不慣れなものですので、ちょっと疑問に思って質問させていただいております。 ○窪田部会長 ありがとうございます。   それも、事務当局からお願いいたします。 ○櫻庭幹事 戸籍に氏名が表示されているのと一緒に、読み仮名も新しく記載されるということになりますと、通常、住民票の方も連動して、そちらの方にも読み仮名というのが付されるのかな、と思っているところです。そういう意味では、戸籍や住民票に読み仮名が付されれば、それを通じて読み仮名というものが公証される手段ができますので、あとは御本人が、例えば、色々な行政機関に行くときに、その読み仮名を戸籍事項証明書や住民票の写しを通じて証明していただくということも考えられます。あとは、行政機関間の連携ということで、行政機関同士で読み仮名の情報をやり取りするということも考えられるわけですけれども、その辺は、それぞれの事務ごとにどういうふうな形で読み仮名を収集するかを考えていくということになるのではないかな、と思います。いずれにしましても、今まで読み仮名というものが法制化されていなかったわけですし、一番大事な根っこの部分というのがはっきりしなかったところが、今回、戸籍に記載されることになりますので、それが活用されていくのかな、と考えています。 ○窪田部会長 ありがとうございました。運転免許証、マイナンバーカードは、それぞれ所管の官庁が違うという形になると思いますので、こちらの方で、氏名の読み仮名も戸籍事項とした上で、それを更に免許証に載せるのか、マイナンバーカードに載せるのかというのは、恐らく省庁間の検討も踏まえた上で決まっていくことになるのではないかと理解していますが、村林委員、よろしいでしょうか。   ○村林委員 趣旨の一つである、繰り返しますけれども、本人確認というのは、金融機関等では免許証、マイナンバーカード等、あとほかにもありますけれども、それで本人確認をするということになっていますので、そこに載っていなければ、何の趣旨も果たさないので、そこまできちんと、その辺のところまで対応されていくということを期待しております。 ○窪田部会長 御趣旨は大変よく分かりました。ありがとうございました。   ほかに、先ほど、舩木委員、手が挙がりましたかね、違いますか。 ○舩木委員 はい、ありがとうございます。私も今の村林委員の意見と全く同感でございます。   まず、今の話をちょっと付け加えさせていただきますと、戸籍法部会資料の5-3の理由、最初の1ページ、2ページ、特に2ページのところに書いてある、登録、公証が必要な理由として(1)、(2)、(3)というのが書いてあるわけですけれども、これを実際にどうやって実現していくのかということを、もう少し具体的なイメージを付けて説明しないと、結局は、運用がうまくいかないだろうと思っています。自分の名前を公証する権利というのは、自分の名前はこうだというのを、戸籍謄本をいちいち示さないといけないのか、それとも、マイナンバーとかどこかの運転免許証、それについても記載するようになるのかとか、今後の社会ではどのようになるのでしょうか。あるいは銀行預金の口座についても、それを一人一つの口座という、名義というものをはっきりさせるのかどうか、どういうことまで考えているのかということが、大事になるのだろうと思います。   それは意見としておいて、今日はそこの問題だけではなくて、パブコメの内容ということですので、今回の6-2の第2の2の(注1)というのが今回記載されています。その点についての質問ですが、ここで、当該戸籍を管掌する本籍地の市区町村を想定しているが、所在地の市区町村を加えることも考えられるという、所在地というのはどの範囲なのでしょうか。要するに、全国どこの市区町村でも、申出の受付を行っても良いと思いますけれども、そこまで広がるのか、住所地の市区町村に限定するというような考えなのか、その辺についても法務省の案を説明いただければと思います。 ○窪田部会長 そうですね。その点は、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 戸籍法の25条で「届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の住所地でこれをしなければならない。」となっておりまして、法律上の表現として、届出人の所在地でこれをしなければならないということで、所在地という表現を使っておりますので、それと平仄を合わせる形で所在地という表現を使っています。戸籍の実態が、本籍地とあと住所地の方で届出を受けるというふうな立て付けになっておりますので、住所地も含むもの、住所地のイメージとして、この所在地という言葉を使ったということでございます。 ○窪田部会長 舩木委員、その点いかがでしょうか。 ○舩木委員 例えば、DVとかで逃げている家族とか、そういう者が申出したいという場合には、住所地も明らかにしたくないということがあります。その辺は、受付の際にどう考慮するかという別途の検討が必要と思いますけれども、全国どこの市区町村でも受け付けることができるという制度で良いと思いますが、その点について、もし御意見があれば教えていただけたらと思います。 ○窪田部会長 ちょっと今、2点問題になっているのだろうなと思うのですが、1点は…… ○新谷委員 今の舩木委員とのお話の中で、それから、幹事の方から所在地の関係で出ました戸籍法25条の関係ですけれども、現実には、本籍地、それから届出人の所在地ということですが、現実に、実務的には一時滞在地も含めた取扱いをするとやっていますので、今、舩木委員のお話の内容からすれば、一時滞在地でもやはり申出を受けるということの方が、よりいろいろな面で利便性があるんではないかと、私は思います。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   今の御指摘も踏まえると、住所地という表現にはむしろしない方がいいのだろうと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。   あるいは、舩木委員、今の所在地という表現で残した方が、むしろ御趣旨は反映できるのではないかという気もするのですが。 ○舩木委員 要するに、居所も含むということで所在地ということであれば、その方がいいと思います。それで結構です。 ○窪田部会長 一切制限を加えないのかどうかというのは、かなり実質的な判断に当たる部分だろうと思いますが、これまで十分に議論していなかったところですので、それについて、この場で文言を決めるというのは、ちょっと避けたいと考えております。   ほかにいかがでしょうか。   それでは、第2の部分については以上ということにさせていただきたいと思います。   続きまして、第3の部分について、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 次に、資料の3ページ、第3の「1 氏又は名の変更に伴わない場合の規律」につきまして御説明します。   この点につきましては、本文、(注)のいずれも変更はございません。   同じく3ページ、第3の「2 氏又は名の変更に伴う場合の規律」を御覧ください。   これは、本文が1案のみとなったことを踏まえまして、従前、第1文として記載しておりました、次の案によるものとする旨の記載を削除したところでございます。   説明は以上です。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   この第3に関しては、実質的な変更部分はないということでございますが、これについて何か御質問、御意見等ございますでしょうか。   よろしいでしょうか。   それでは、ただいまの議論を踏まえまして、基本的には修正という形ではなく、今この部会資料5からの変更点ということを踏まえた資料6-2に示されたような形で中間試案をまとめるということにさせていただければと思います。   万が一ということになりますが、字句の修正等に関して、場合によっては必要が生じるというようなことが出た場合には、実質的な内容に関わらない範囲であれば、部会長と事務当局の方に御一任を頂くという形でお願いできればと思っております。よろしいでしょうか。   ありがとうございます。   それでは、本日の審議は以上ということになりますが、今後のスケジュール等につきまして、事務当局の方から御説明を頂きたいと思います。 ○櫻庭幹事 それでは、最後に事務当局から今後の予定につきまして御説明いたします。   まず、部会長及び事務当局に一任を頂きました字句等の修正、そういったことがありましたら、部会長の御了解を得た後に、事務当局の責任において作成させていただく中間試案の補足説明とともに、中間試案を公表いたしまして、パブリック・コメントの手続に付すことを予定しております。   次に、パブリック・コメントの期間でございますけれども、5月下旬から6月上旬頃から開始いたしまして、約1か月のパブリック・コメントを実施することを考えております。   続きまして、次回、第7回の会議の日程ですが、本年8月2日火曜日の午後1時半から、場所は法務省7階共用会議室6、7を予定しております。   以上です。 ○窪田部会長 それでは、法制審議会戸籍法部会の第6回会議を閉会させていただきます。   本日はお忙しい中、御審議に加わっていただき、どうもありがとうございました。 -了- - 6 -