法制審議会 戸籍法部会 第8回会議 議事録 第1 日 時  令和4年9月26日(月) 自 午後1時29分                      至 午後3時32分 第2 場 所  法務省7階 共用会議室6・7 第3 議 題  戸籍法等の改正に関する要綱案の取りまとめに向けた検討(1) 第4 議 事  (次のとおり) 議        事 ○窪田部会長 それでは、予定した時刻にはまだ少しありますが、全員おそろいになっているので、法制審議会戸籍法部会の第8回会議を開会いたします。   本日は御多忙の中、御出席を頂きまして、誠にありがとうございます。   議事に先立ちまして、今回会議から新たに出席される方の御紹介をさせていただきたいと思います。   今回の会議から、松井委員、寺田幹事、戸苅幹事、廣瀬幹事、並びに次回会議以降の委員として御出席いただく予定の馬渡関係官が御出席されていますので、自己紹介をお願いいたします。   まず、松井委員からお願いいたします。 ○松井委員 法務省民事局担当の官房審議官となりました、松井と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○窪田部会長 次に、戸苅幹事からお願いいたします。 ○戸苅幹事 最高裁家庭局第一課長の戸苅でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○窪田部会長 よろしくお願いいたします。   次に、廣瀬幹事からお願いいたします。 ○廣瀬幹事 9月から外務省旅券課の課長に着任いたしました廣瀬と申します。どうぞよろしくお願いします。 ○窪田部会長 よろしくお願いいたします。   次に、馬渡関係官からお願いいたします。 ○馬渡関係官 最高裁家庭局長になりました馬渡と申します。よろしくお願いいたします。 ○窪田部会長 よろしくお願いいたします。   それでは、事務当局から本日を含めたこの部会の開催方法等についての御説明をお願いしたいと思います。 ○櫻庭幹事 今回もウェブ参加併用の形で行わせていただいておりますので、前回までと同様、御注意いただきたい点として2点申し上げます。   まず、御発言中に音声に大きな乱れが生じた場合につきましては、こちらの方で指摘をさせていただきますので、それを踏まえて適宜御対応いただければと存じます。また、発言をされる委員、幹事の皆様におかれましては、冒頭に必ずお名前を名のってから御発言を頂きますよう、よろしくお願いいたします。 ○窪田部会長 どうぞよろしくお願いいたします。   本日ですが、衣斐幹事、国分幹事が御欠席と伺っております。   それでは、本日の審議に入ります前に、配布資料等の確認をさせていただきたいと思います。事務当局からお願いいたします。 ○櫻庭幹事 お手元に、配布資料目録、議事次第、戸籍法部会今後の日程と題する書面を配布しております。また、事前に部会資料8「戸籍法等の改正に関する要綱案の取りまとめに向けた検討(1)」をお送りさせていただいております。また、参考資料8として「漢字とその読み方の例」を配布しております。   配布説明の御説明は以上でございます。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、審議に入りたいと思います。本日は、部会資料8「戸籍法等の改正に関する要綱案の取りまとめに向けた検討(1)」について御議論いただきます。   それでは、部会資料第1の「1 戸籍の記載事項への追加」について、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 それでは、まず初めに、今回の検討内容について御説明させていただきますが、読み仮名の収集につきましては取り上げておりません。これは次回の戸籍法部会で取り扱わせていただく予定でございますので、あらかじめ御了解いただければと存じます。   それでは、部会資料8の1ページ、第1の「1 戸籍の記載事項への追加」を御覧ください。本文のとおり、戸籍法第13条に規定する戸籍の記載事項に氏名の振り仮名を追加する、戸籍法第13条に氏名の振り仮名に用いる文字及び記号の種類は法務省令でこれを定めるとの規定を設けることを提案しております。   補足説明の構成としましては、各項目に共通することですが、1において、これまでの部会における議論の整理、2において、パブリック・コメントの概要、3において、パブリック・コメントの意見を踏まえた検討を記載しております。   1ページ、3(1)に記載しておりますが、用語につきまして、これまで「氏名の読み仮名」や「氏名を平仮名(片仮名)で表記したもの」という用語を用いておりましたが、法令上の用語とするに当たり、民事執行規則第31条の2第1項第1号イの例を参考に、「氏名の振り仮名」という用語を用いることを提案しております。   3(2)では、平仮名表記とするか片仮名表記とするかという点につきまして、現状として金融機関を始めとする民間企業において片仮名が用いられていることを考慮すると、片仮名表記とすることが相当であると思われる旨、記載しておりますが、皆様から御意見を頂きたいと存じます。   また、2ページの3(3)に記載しておりますが、氏名の振り仮名には平仮名又は片仮名のほか、長音といった記号も含めることを想定していることから、本文②のとおり、その表記に用いる文字及び記号の種類については、併せて法務省令で規定することを提案しております。   第1の1に関する説明は以上です。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   それでは、ただいまの櫻庭幹事の御説明につきまして、御質問あるいは御意見がありましたらお伺いしたいと思います。順番はどちらからでも結構です。また、どなたからでも結構ですので、御自由に発言をお願いできればと思います。いかがでしょうか。 ○若月委員 主婦連合会の若月です。御提案の中に、法務省令でこれを定めるとあったのですが、実際にこれがもし、法務省令でこれを定めるというふうにこの提案が受け入れられた場合、今後のこの部会では、例えば平仮名か片仮名かという検討はしないで、あとはもう法務省の検討に委ねられると、そういう意味になるのでしょうか。この辺がよく分からなかったので、質問させていただきました。 ○窪田部会長 そうですね、その点、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 この第1の1②の表現ですけれども、法務省令でこれを定めるといいましたのは、元々今回は戸籍法の改正ということが前提になっておりましたので、法律上はこういう、法務省令で定めるというふうな形で委任規定を設けさせていただいた上で、実際、氏名の振り仮名に用いる文字を平仮名にするのか、片仮名にするのというのは、これは省令で規定しなければならないものですから、この戸籍法部会でどちらかに決めた上で、その内容を省令で規定したいという趣旨でございます。 ○窪田部会長 そういう御説明ですが、若月委員、それでよろしいでしょうか。 ○若月委員 はい、分かりました。ありがとうございます。 ○鷲崎幹事 鷲崎です。ありがとうございます。今回そういった声も踏まえた、片仮名という方向性について、方向性としてはよいのではないかと拝聴しました。また、以前にこちらの審議でもありましたように、元々外国籍の方の帰化ですとか、戸籍取得といったケースも考えた、その点も踏まえまして、片仮名という方向性は一つ、よいのではないかと拝聴しました。   その上で、私は以前に少し、平仮名とする考え方もあるであろうということについて一言申し上げましたのは、やはりほかの届出との整合性であります。御存じのように現状の戸籍関連の届出は、振り仮名の記載は出生届から死亡届、入籍、婚姻など、全て平仮名で現在は統一されていると理解しております。また、国籍関連の届出におきましても、国籍取得届ですとか、基本的には全て平仮名で統一されているように見受けられます。ですので、やはり国民において混乱がないということは重要かと思いますので、今回この戸籍の記載について振り仮名を片仮名でするということであれば、以降のこういったほかの戸籍関連ですとか、それから、可能であれば、国籍関連の届出につきましても、それであれば、やはり片仮名で統一していくという方向に徐々に改定されていくということが望ましいのではないかと思いました次第です。 ○窪田部会長 ありがとうございました。鷲崎幹事からは、提案の片仮名という方向でいいのではないかということとともに、他の届出等との整合性という点で注意すべき点があるのではないかという御指摘であったかと思います。この点について、何か事務当局の方からはございますでしょうか。 ○櫻庭幹事 戸籍、国籍、近しい形で事務を取り扱っておりますので、今回戸籍でこういった形で振り仮名を片仮名にするということになれば、統一的にほかのところも同じ扱いをするようになるのではないかと考えております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。鷲崎幹事、それでよろしいでしょうか。 ○鷲崎幹事 はい、ありがとうございます。 ○笹原委員 ありがとうございます。笹原です。今回、氏名の振り仮名という件で、これまでの読み仮名から振り仮名に用語を変えるという御提案があったと思います。戸籍行政ではこれまで傍訓という言葉を使っておられたので、より分かりやすい表現になったかと思っております。それで、読み仮名という場合には、漢字があって、どこかにその読みが仮名で示されていれば、それは読み仮名だといえるわけですが、振り仮名という場合には、例えば漢字の右隣に小さく振るとか、漢字の左の脇の方に小さく付けるもののほか、漢字の下に括弧を付けて書くなどというものも広い意味では振り仮名といえるかと思いますが、何かそういう漢字の脇に添えるというようなニュアンスが付いて回ると感じております。読み仮名でも振り仮名でも実は同義的に使っているのだということであれば、全然問題はないと思うのですが、念のため、辞書的な意味合いとしてはそういう違いがありえて、読み仮名とは少し違いが生じうるということを指摘しておきたいと思います。ありがとうございました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。笹原委員からは、それを踏まえて、どちらかにした方がよろしいという趣旨を含んでおりますでしょうか。 ○笹原委員 戸籍の形式として、いわゆるルビですね、例えば右隣に小さく仮名が添えられるということであれば、振り仮名が正にぴったりの表現ということになりますし、そうではなくて、戸籍の全然違う欄に、振り仮名と称して漢字と対等の文字の大きさで、括弧もなく表記されるというようなことであると、振り仮名という表現が少し一般の用法からずれるかなということなので、実際の書式がどうなるかとかいうこととも関係すると思います。取りあえずそういう点について指摘として申し上げたいと思います。 ○窪田部会長 ありがとうございました。この点は、事務当局、今の時点で何かございますか。 ○櫻庭幹事 まず、振り仮名を届出人に届け出ていただくということになりますと、多分、届書の記載には正に振り仮名のように、漢字の上の方に書いていただくような形になるのかなと。一方で、戸籍についてはもうデータ化されていますので、データとしてはいろいろな持ち方があって、それを表記させる編集の仕方についてはこれから考えたいと思っておりますので、御指摘を参考にさせていただきたいと思います。 ○窪田部会長 ありがとうございました。 ○笹原委員 ありがとうございました。 ○西幹事 ありがとうございます。西でございます。非常に些細なことで恐縮です。2ページの(3)の規定の方法のところの4行目です。記号も含めるということで、伸ばす音、長音、そういうものしか私は思いつきませんけれども、その記号の読み方は必ず一義的に決まるということなのでしょうか。つまり、振り仮名を付けるのに、その振り仮名の読み方がまた必要になるというようなことがないのか、少し気になりましたので。記号の範囲がどの程度かにもよると思いますが、教えていただければと思います。 ○窪田部会長 それでは、事務当局から御説明をお願いできますでしょうか。 ○櫻庭幹事 そうですね、今考えているのは長音で伸ばすというふうなことを考えておったわけでございますけれども、その読み方というものについて、確かに疑義が生じるということもあるとすれば、伸ばす音ですとか、何かそういう補足をどこかの形でするということが考えられるのかなと思います。 ○窪田部会長 ありがとうございました。長音以外には何か考えられる記号というのはあるのでしょうか。 ○櫻庭幹事 今のところ、すみません、すぐ出てこないのですが、今、長音を置いているということです。 ○窪田部会長 西幹事は、それでよろしいでしょうか。 ○藤原委員 藤原です。先ほど笹原委員から御指摘のあった点について、私も少し違和感がございまして、これまで読み仮名又は読み方で議論していて、それが法制化するということであれば、やはりどちらかというと読み仮名あるいは読み方の方がいいのではないかと思います。その理由としては、笹原委員御指摘のように、振り仮名というのはやはりルビを連想します。例えば、「かほり」という平仮名のお名前の方に、振り仮名だと「カホリ」と書く可能性もあります。その方が本当に「かほり」と書いて「かおり」と読むのであれば、「カオリ」という読み仮名、読み方を付ける必要があると思うので、やはりその辺の曖昧さを払拭するためにも、どちらかというと振り仮名ではなくて読み方の方が、今までの議論を踏まえた形になるのではないかとは思っています。 ○窪田部会長 ありがとうございました。 ○舩木委員 すみません、私も今の藤原委員と同じような意見を持っています。「読み方」という言い方と「振り仮名」という言い方は、先ほど笹原委員の御説明のとおり、やはり附属的なものというのが「振り仮名」であり、「読み方」はその文字をかくのごとく読む、という主張のような感覚を受けます。今回の戸籍法の改正の位置付けは、むしろ後者ではないかと思っています。今まで人を特定するのに氏名、住所、生年月日、性別という4要素で行っていましたけれども、それを更に5要素として「読み方」というものを加えるというのが今回の意味ではないかと考えており、「振り仮名」ではなく「読み方」とした方が、よりその性質がはっきりするのではないかと思っています。   今回「振り仮名」の用語を用いる根拠となっている民事執行規則の定めは、戸籍法で「読み方」・「振り仮名」という用語が規定されていないときに規則で「振り仮名」という文言を使用していたというだけで、特にそれは積極的な意味を持つものではない。むしろ今回戸籍法の改正において戸籍の記載事項として「読み方」が追加されると定めれば、上記民事執行規則の「振り仮名」という文言は「読み方」に変えることになるだけだと思います。現行の各種の届出書も、「よみかた」という表現を使ってきたことからも、「読み方」という方がむしろしっくり来るのではないかというのが意見です。 ○窪田部会長 ありがとうございました。振り仮名にするということについて消極的な御意見がお二方から出ておりますが、新谷委員からも御発言をお願いいたします。 ○新谷委員 私は読み方なのか、振り仮名なのかという問題について、ひとつ皆さん、お手元に戸籍六法があれば、366ページのところを開いていただけたらと思います。一つの具体的なイメージが湧くのではないかということで、発言をさせていただきたいと思うのですが、基本的には従前のように紙戸籍ですとルビということで、氏名を縦に書いて、その右脇に仮名を振っていたということですけれども、現在はもうコンピュータ戸籍になっていますので、付録24号様式というのがコンピュータ戸籍ですので、この場合に右脇に、右隣に振り仮名を振るというイメージはどうも私は湧かないので、私のイメージ的には、例えば、本籍、氏名というところの氏名の上に、やはり読み方を振った方が、公示をするところについても分かりやすいのではないかというようなことで、読み方の方がいいのではないかという意見でございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。書式の点も踏まえて、読み仮名という形でよろしいのではないかという御意見だったかと思います。   ほかにも御意見はございますでしょうか。 ○村林委員 私も読み仮名の方がいいと思います。皆さんがおっしゃったように、コンピュータ戸籍だということと、別項目であるということです。それから、用紙の話が先ほど出ましたけれども、これは別に紙の用紙というよりも、多分今後はオンラインで登録したりすることもあると思うのですけれども、そのときに、振るなんていう考え方はまずあり得ないと思いますし、読み仮名の方が適切なのではないかと思います。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   ほかにもこの点について御発言があれば、是非お願いしたいと思いますが。   今発言された中では、読み仮名にするべきではないかという方向からの御意見がかなり多く、また積極的な形で頂いたかと思います。この点については一旦、事務当局の方で引き取って、もう一度検討してもらうということにさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。   それ以外の点も含めて、いかがでしょうか。あと、片仮名を基本にするということと、記号のことがございましたが。   よろしいでしょうか。それでは、ただいまのとおりで、振り仮名にするという方向については、もう一度改めて検討していただくということで、次の議題に進めていきたいと思います。   それでは、部会資料第1の「2 氏名の振り仮名の許容性及び氏名との関連性」について、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 部会資料8、同じく2ページの第1の2「2 氏名の振り仮名の許容性及び氏名との関連性」を御覧ください。本文において、従前の甲案に加えて、従前の乙案及び丙案を基礎に、パブリック・コメントにおいて特に多く寄せられた、文字の音訓又は慣用以外は認めるべきではないとする意見を踏まえまして、新たな案としての乙案を提案しております。新たな乙案は、戸籍法に、氏名の振り仮名は氏名に用いられる文字に通常用いられる音訓によらなければならないとする規定を設けるというものです。   3ページ、3(1)に記載しておりますが、乙案における通常用いられる音訓は、氏名に用いられる文字の読み方として社会において慣用されている音訓による読み方を意味するものでありまして、常用漢字表に掲載された音訓に限られるものではなく、各種漢和辞典等に掲載されている名のり訓などもこれに含まれるとすることを想定しております。   また、本文の規律について検討するに当たりまして、3(2)に漢字とその振り仮名に関する具体例を記載しておりますので、これらの例を踏まえて、本文の規律について御意見を頂きたいと存じます。   具体例の趣旨を簡単に申し上げますと、アからカまでは、甲案とするか乙案とするかで違いが生じる可能性がある読み方を、キからサまでは、仮に広い甲案とした場合でも公序良俗違反等に当たる可能性があると思われる読み方を記載しております。具体的には、アからカまでは、甲案の場合はおおむね認められる読み方ではないかと思われますが、仮に乙案が採用された場合、通常用いられる音訓の訓読みといえるかというところで認められるかどうかが分かれてくるのではないかと考えてございます。また、キからサまでは、公序良俗違反等に当たるものの一つの類型として、今後、通達等を作成して市町村の戸籍の窓口で対応する場合のほか、家庭裁判所で審判する場合の考慮要素になるのではないかということで、提示したものです。こうした例示にかかわらず、委員の皆様からもこの戸籍法部会において具体的な御意見を頂き、その経過を記録に残すことが今後、通達等を作る際の参考になると思われますので、忌憚のない御意見をお聞かせいただければと思います。   また、参考資料において「清」という漢字を例に、漢和辞典に掲載されている具体的な音訓の読み方を記載しておりますので、こちらも御参照いただきたいと存じます。   さらに、部会資料4ページ、3(3)に記載しておりますが、乙案を採用する場合には、通常用いられる音訓とはいえないものも出てくる可能性があるところ、現に戸籍に記載されている者に係る氏名の振り仮名については、現に使用しているものである限り基本的にこれを認める必要があるものと考えられ、また、届出あるいは申出に当たっては、現に使用しているものであることを証する書面を提出しなければならないとの規律を設けることが考えられますが、これらにつきましても御意見を頂きたいと存じます。   最後に、部会資料そのものに関することではございませんが、1点、御報告させていただきたい事項がございます。前回会議において、パブリック・コメントの意見の数を踏まえると更なる調査等を実施すべきではないかとの御意見を頂いたことから、事務当局においてインターネットによるアンケート調査を実施することを予定しております。アンケートの内容としましては、第1の2の氏名の振り仮名の許容性及び氏名との関連性に特化したものとし、部会資料の3ページ、3(2)に記載したような具体例を挙げながら、本文の甲案、乙案のいずれを支持するかを問うものとする方向で検討しております。   第1の2に関する説明は以上でございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   今日出ている資料の中でも、特に議論をする必要がある部分なのだろうと思います。ただいまの御説明においては、幾つかの論点があったと思いますが、特にどのという順番は決めませんので、どの点からでも御質問や御意見がありましたら、御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。   それでは、少し私の方で整理させていただいて、こういう形で議論していただければと思います。一つは、中間試案のような形でこれから何か出すというわけではないのですが、それでも現時点で案として甲案と乙案という、この二つのものを示した形でこれから議論していくということについての是非というのが、まず課題としてあるのだろうと思います。その上で、そうだとすると、次に甲案なのか、乙案なのかという、より実質的な形での相互の、検討していくということがあると思います。それから3番目として、そうした議論があり得ることを前提とした上でアンケート調査、意見を聴取していくということが、言わば3番目の論点としてあって、その是非ということがあるのだろうと思います。   ただ、今こういう形で三つを整理したのですが、うまく整理しにくい問題として、甲案は今までもあったものなのですが、特に新たに示された乙案を採った場合に、アからサまででしたか、これで具体的にどうなるのかというのは余りはっきりしていないのかなという気がします。そこがはっきりしないと乙案の是非ということが議論しにくいということと、もう一つ、そこがはっきりしない形でアンケート調査をすることができるのかという辺りが問題になるのだろうと思いますが、私自身はこの資料を拝見して、そういうふうに全体の流れを整理したのですが、こうした点はいかがでしょうか。もう余りかちっとせずに、私はこういう点に気が付いたという形で議論をしていった方がむしろ進めやすいと思うので、どの順番からでもと思いますが。 ○新谷委員 すみません、少しずれるかも分かりませんけれども、3ページの3、検討の(1)本文の規律の中の第2段落に、各種漢和辞典等に記載されている名のり訓という、この等というところがどこまで含まれるかというところが一つあります。うちの子供たちが、私からは孫ですけれども、名前を付けるときに、赤ちゃん名前辞典とか、図書館に行ったり、いろいろな市販の本を買ってきて、いろいろ見ていると、かなりの許容範囲があるような感じもするのですが、漢和辞典等の等を具体的に、何でもそういう刊行物に載っていればいいのかどうか、それとも普通、漢和辞典とか漢字辞典とかいうところに載っている名のり訓だとかというような、いわゆるそういう形で縛りを掛けるのかどうかというところを一つ検討しておく必要があるのではないかと思うのです。 ○窪田部会長 ありがとうございます。この点はいかがでしょうか、事務当局から何かありますか。 ○櫻庭幹事 新谷先生のおっしゃるとおり、ここについては今のところ、等という置き方をしておりますけれども、どこまで広げるかというのは、またこの戸籍法部会で議論していただければと思っております。 ○窪田部会長 どこまで広げるのかというのは結構難しくて、オフィシャルなというか、著名な出版社が出している辞書に限られるのか、そうではなくて、もっとマイナーなものも含まれるのか、インターネット上の名前データベースというようなものに含まれるのか等、随分いろいろありそうなのですが、いかがでしょうか。今日は余り、方向性を出すというよりは、こういう形で検討できるというような視点を見付けることができるだけでもいいのかなとは思うのですが、いかがでしょうか。 ○新谷委員 名のりの中のところで、例えば振り仮名を振る、読み仮名を付ける、読み方のところで、例えば、月という字の上に葉という文字を付けて、「はつき」だとか「はづき」だとか「はずき」という読みがありますが、その場合に通常、月ですから「づき」というのが一般的だと思うのですけれども、あるところで「ずき」という読み方が出ていたのを見たことがあるのですけれども、その範囲の方もどうなるのかという、一つ疑問があるので、その辺を少し教えていただければと思います。 ○窪田部会長 それは、事務当局からお答えいただくのがいいのか、笹原先生にお答えいただくのがいいのかと思うのですが、笹原先生、手を挙げてくださいましたか。いかがでしょうか。「づ」と「ず」の使い分けは結構、一般的にもいろいろな問題があったかと思いますが。 ○笹原委員 すみません、ちょうど今、Teamsが落ちてしまっていたため、大切なところを聞けなかったかと思うのですが、「づ」か「ず」かの振り方、読み仮名の付け方ということでしたでしょうか。 ○窪田部会長 例えば、月の上に葉っぱの葉と書いて「はづき」と読ませるという場合に、本来であれば「葉月」は「づ」なのだろうと思うのですけれども、「ず」のものもあったように思われると、こういった点はいかがなのだろうかというのが新谷委員からの御質問だったと思います。 ○笹原委員 すみません。私が適任か分かりませんが、一般的には現代仮名遣いというもので振ると決めている人が多いようですね。要するに、「葉月」さんなら「つき」からなので「づ」で振ると。人によっては「づ」と「ず」は発音が違うと主張して、実際に発音を変えている方も日本語話者の中においでなので、難しい問題を少しはらんでいます。地域によっては本当にはっきりと発音し分けている高齢の方などもいて、違いが聞き取れるという方もいたりするので、緩やかにしておくのが現状に合っているのかなという気はしております。また現代仮名遣いというものは確か固有名詞にすべてを及ぼそうとはしていなかったはずですので、そういう点でも比較的自由度が高いのかなと思っておりました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。新谷委員、今の御説明でよろしいでしょうか。あるいは続けて御発言があれば、お願いしたいと思いますが。 ○新谷委員 笹原委員、どうもありがとうございました。今の御説明で結構でございます。 ○窪田部会長 ほかはいかがでしょうか。 ○舩木委員 乙案の「通常用いられる音訓」という基準というのが本当に基準となり得るのかというと、基準としては不適格だと思っています。そもそもこの名前の読み方の許容範囲について、そういう曖昧な表現を用いて本当に運用ができるのか、ということが一番出発点ではないかという気がしています。実際に今の「づ」や「ず」もあるでしょうし、ここのアからサまで書いてありますけれども、例えばイにしても、ウにしても、エにしても、オにしても、通常用いられる音訓で説明すると、ほとんど通常は読めないという具合に理解するのが一般的だと思っています。   上記ア乃至オについてもどうにか許容できるというのだったら、元々この「通常用いられる」という表現で良いのか、という気がしております。今までの運用は、文字の音訓読みという枠にとらわれずに名前の読み方を付けている実態が既に何十年も続いていると思います。これから氏名の読み方をどうするのかについて、今後はそのような読み方はできませんとか、あるいは今まで使用していた読み方は、これこれという要件を満たしているから慣用として認められますという判断を市区町村に求められることになると思いますが、それはほとんど無理だと思っています。   これでアンケートを出すにしても、乙案の「通常用いられる音訓」というのをどのように説明するのか明確にしないといけないと思っていますし、明確にした場合に、今後使用できないという判断の基準まできちんと説明しないといけないのだろうと思っています。 ○窪田部会長 ありがとうございました。乙案を採った場合に、通常という判断をどうするのかということと、具体例に関して実際にどうなるのか、それを踏まえた上でアンケートをするとしても、その点がどうなるのかという点を含めての御発言であったかと思います。 ○笹原委員 ありがとうございます。私もこの通常というところが解釈の余地を多く残すものだと感じておりました。また、音訓というものも多義性のある概念なので、後でいろいろな解釈が生じ得るだろうと思っておりました。   そういう点から、具体例を、と事務局の方にお願いしておいたことに対してだと思いますが、今回、漢和辞典から「清」という字を示してくださったことに感謝申し上げます。そこにはいろいろな読み方が挙がっています。この辞典はたまたま私も途中から少しだけ関わっているので、発言しにくいところもあるのですが、客観的な立場で申します。実際の名前の全体像というものは私も全く分からないわけですが、いろいろな名前のデータをサンプルとして見ているだけでも、例えば、「清」と書いて「さやか」さんという方がとくに若い方に多く見られます。こういう漢和辞典には名のり欄というものがよくあるのですが、昭和ぐらいまでのデータを基に作っていることがあります。また、固有名詞には常用漢字表と同様に対応が弱いところが漢和辞典はあります。というのは、元々漢和辞典というのは漢文、漢籍を読むための辞典であって、日本製漢字は一文字も載せないとか、国訓は一つたりとも載せない、載せても付録にする、まして名のり訓なんていうものは載せないといった歴史さえありました。私もそういうことは変えていかなければと努力している者の一人ではあるのですが、まだまだというところがあります。   「清」という字は大正、昭和時代には名前に非常に好まれていたようですが、最近は大分減っております。それでも、サンプルをいろいろ見ていると「清○」と書いて「せせらぎ」さんというお子さんがおいででした。これはなかなか辞書に見付けられないと思いますが、字義にかなっているかなと思われます。字義にかなっているというのも、イメージの世界と切り分けるのになかなか難しいところもあるわけですが、こういうものを今回、本当に切り捨てられるのかということは個人的にずっと思っております。   また、「清水」の「し」という読みは常用漢字表の付表に入っている普通名詞の一部です。名字などにもなっているものでありますが、この「清水」の「し」というものも、どこから来た「し」なのかというのは語源説が分かれていて、意味がまだはっきりしない読み方ということも指摘しておきたいと思います。そういうものをほかと本当に線引きできるのかということは、今回頂いた資料から改めて感じたものであります。   一旦ここまでにいたします。ありがとうございました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。「清」という漢字に関してもいろいろな形で御説明いただいて、ありがとうございました。「さやか」というのはサザン・オールスターズの「Tsunami」の冒頭に「さやか水」という歌詞があったような記憶がありますが。   その他の点も含めて、いかがでしょうか。恐らく今、甲案、乙案、この立て方がいけないというよりは、もう甲案、乙案を立てた上で、乙案について問題点を指摘していただいて、その方向で議論していただくということで全く構わないだろうと思います。   ここまでの部分で何か、事務当局からは御発言はありますでしょうか。   取り分け、舩木委員からも御指摘ありましたし、ほかからもあるのが、アからカまでで、一体これは通常の音訓に含まれるのか、含まれないのかというのが、含まれないということであればもう、ある種、簡単なのですが、本当にそうなのかというのがよく分からなくて、その点で少し議論しにくいというか、乙案が、要するに通常の音訓といっても通常が一体何を意味するのだという議論がかなり出ていますが、その点に関わってくるのだろうと思いますが。 ○冨田委員 ありがとうございます。冨田でございます。今までの先生方の御議論を聞いていて、少し感想めいたことになるかもしれませんが、いずれにしても甲案と乙案を立てて、仮にその中身の話を明確にした上で、アンケートをとるという話だったのですが、4ページ目の(3)既に戸籍に記載されている者の振り仮名の関係性から行くと、アンケートに答える方々は(3)の方々でありまして、この方々は今、自分が使っている読み仮名については基本的に使っていいと言われている中、それを否定するような、仮に、例えばですけれども、キからサに当たる方がアンケートに答えようとしたときに、自分の使っているものを否定するようなものに対して、これからを考えて公平性をもって、どちらがいいといったアンケートなどに答えられるのかどうかというのも少し疑問に思っております。その観点からすると、(3)には権利濫用に該当するものや公序良俗に反する読み仮名は認めるべきではないということしか書いていませんので、そうすると消去法的に甲案になっていくのかなと感じましたので、感想として申し上げておきたいと思います。ありがとうございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。見通しということで御発言いただいたかと思います。   ほかに御意見はございますでしょうか。 ○藤原委員 藤原です。乙案について3ページの中頃に、その意味として、社会において慣用されている音訓による読み方ということで定義されていますが、慣用がないと乙案では名前が付けられないということ、例えば、新たな名のり訓というか、初めてそういう文字をこう読もうと発想した方は、結局、乙案では付けられないという結論になるという理解でよろしいのでしょうか。慣用はないので。 ○窪田部会長 事務当局から御発言いただけますか。 ○櫻庭幹事 ある種、名前を付けるというのは、付け方として、自分の名前を付けるということで、どこかで踏み出さないといけませんので、そういう意味では一般的に、慣用というふうに慣れ親しむまでには少し時間が掛かるのかなというところではあるのですけれども、ただ、例えば小説の世界とか、歌詞の世界とか、文芸とか音楽とか、そういう世界で読み方というのができる、誰かが作るということで、それが通用されていくと、それを参考に、今まで使われていない読み方でも社会的に使われているので使うと、そういった読み方もできるのかなとは思います。ただ、先生がおっしゃるように、慣用ということを要件にしますと、これまでとは少し違う制約が出てくるのかなとは考えております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。 ○小幡委員 すみません、私も少し感想のような感じになるのですが、まず、(3)については、ここに書かれているとおり、要するに、現に使用しているものである限り基本的にこれを認める必要があるものと考えられると私も思うので、権利濫用と公序良俗に当たるかというのも、これはなかなか難しい判断で、既に使っているという状況でそこまでいえるかという感じもするので、(3)については、そういうことにならざるを得ないのかなと思うのですが、そうすると、甲案、乙案で新たに今度法律事項にするときにどう書くかというところだと思うのですが、乙案にある通常用いられる音訓という、私も非常に審査が難しいから甲案かなと今まで思っていたのですが、ただ、いずれにしても、乙案の通常用いられると書いたところで、通常用いられるという意味というのは、もしかするとものすごく広くもなり得るわけで、いずれ何かでもし、はねるというか、公序良俗、権利濫用とかを含めて審査基準で何か作るとすれば、大した違いは実はないかもしれないと思うのですが、そうすると、多分、乙案が出てきたというのは、これから新たに、振り仮名か読み仮名でも、どちらでもあれですけれども、そういうものが法律事項になるときに、考え方のポジションをどこに置くかと、そういうことを書いているにすぎないので、現に(3)で、既に使っている方はそのまま使えるようにやはりした方がいいと思うので、そうすると、それほどは実は違いがないのではないかという気がしております。   そうすると、やはり法律に書くときに、非常に大まかな基本原則で、ほとんどの方は大体、正に狭い意味での通常用いられるものを付けられるだろうと思うのですが、いや、それをもっと、あえて付けたいと思う人というのはどうしても僅かに出てくると思うので、そのときに、やはりそれをはじくというのはなかなか大変なので、そうすると、乙案にするにしても、そういう原則的な、何というか、まあまあの原則、大まかな原則を書いたにすぎなくて、それを外れたいという方はチャレンジをもちろんしてくるだろうし、という話なのかなと。   ただ、そこで検討の具体例のところで、アからカと来て、キからサというところですね、「高」を「ひくし」と読ませるとか、その辺りからがどうなのかなと、これが乙案だったらばはねて、甲案だったらはねられないかというのも、少しそこも分からない、似たような話かな、とか思ったりするのです。ですから、いずれにしてもキからサ辺りをどういうふうに考えるかということは、我々としては一応、考えておいた方がよいのかなと、そこまで認めてよいのか、いや、やはり「高」を「ひくい」と読むのもいいと言わなければいけないのかどうか、その辺りの考え方、皆さん、委員の方々によって少し差があるのかもしれないのですが、そこら辺りはどうかなというのを少し皆さんに伺いたいかなと思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。通常の音訓、社会において慣用されている音訓といっても、かなり幅広く取る可能性も考えられ、そうすると実質的な違いは余りないかもしれないということと、後半部分のキ以下について、これが公序良俗という観点から切れるのかどうなのか、その点も必ずしも自明ではないと思いますので、御意見を伺えたらということであったかと思います。   笹原先生の御発言に行く前に、私もキから下で少し気になったのはコなのですが、コは読み方の問題ではなくて名前の適否の問題ではないかと思いますので、ケとサの間に入っていると少し違和感があるのかなと思いました。多分「ぴかちゅう」のようなものを想定しているのだろうと思いますが。 ○笹原委員 ありがとうございます。今、小幡先生から御指摘のあった、キの「高」と書いて「ひくし」のようなものに関連して、前に私は反訓というような例について申しましたが、あれは伝統的な訓詁学の中で、「乱」という字については「おさめる」という読み方もあるとか、幾つかの字について定着したものがあるというもので、要するに、反訓のような方法を適用するならばいろいろな読み方ができてしまうということでした。私はキのようなものは積極的には支持していないものでありました。   お話し申し上げたいことは幾つかあるのですけれども、まずアンケートについてです。人々の一般の意識を知るというのはとても大事なことだと思っております。その一方で、言葉に関する、名前というのも一種の固有名詞で言葉であるわけですが、アンケートをとろうとすると、しばしば焦点を当てた部分に関する規範意識というものが大きな結論としての回答になります。例えば、文化庁ほかの審議会や委員会に出て結果を見ておりますと、「日本語は乱れていると思いますか」というような世論調査があり、そうすると80%、90%の人が、乱れていると思う、大分乱れていると思うというところに丸を付けてきています。しかし、乱れていると感じている部分というのは、現実の日本語全体を見るならばほんの数%、せいぜい数百語なんていうものではないかと考えられます。こういう言葉に関する意識というものが数値化されると、数字が大きくなって表れてしまう、そういうことがしばしば見られ、そこには危険性もあるというのが、まず1点です。   あと、今回まとめていただいた3ページの上の方に、試案に対する意見として、本来の漢字の読み方や意味と異なるものであるとか、漢字本来の読み方とか、伝統文化に根ざしたなどというような文言が出てきております。伝統文化などということを考えると、例えば、お茶の水女子大の名誉教授の方に、頼惟勤先生という方がいらっしゃって、頼山陽の御子孫ですね、漢文学者の方であるのですが、「頼」と「勤」、その間に「惟」、イとか、おもうとかいう字が入っているのですが、この名前では読みません。漢字があっても読まない、これはむしろ漢文の素養、教養がなせる業であって、伝統文化なんだということを言い始めたならば、こういう読み方も含まれてくるはずです。   また、漢字本来の読み方などということを言うと、何をもって本来とするか、3,000年前の中国なのか、奈良時代の日本なのかなどといって混迷を極めると思いますので、本当であれば一般の方々に、まず名前というのはこういうようになっていたのだということを知っていただく必要があり、その上でアンケートをとらなければ、出てくる回答というのも歪みをもったものになりかねないという心配を抱いております。「頼朝」の「とも」のようなものが名のり訓としてあったなどということも世の中で意外と知られていない、恐らく9割以上の人が、読めるけれども、「とも」が名のり訓と呼ばれるものだったという事実は、言われるまでは知りえないだろうと思われます。そういう中でとるアンケートにどのような意味付けができるのか、出てきた数字について何がいえるのかということは、考えておく必要があると思っております。   あと2点、簡単に申し上げます。名のり訓にも新作があるという藤原委員の御指摘に関して、おっしゃっていただいているとおりと私も繰り返しお話ししておりますが、例えば最近の大学生ですと、「彩」を「さやか」さんという読む人が多くいます。あるいは「さや」です。こういうものは漢和辞典の読み方、訓読みとしての読み方、国語辞典の見出しなどにもなかなか見付からないものであって、恐らく昭和以降に誰かが作り出して、そして少しずつ、辞書にはないけれども広まってきた、そういうケースだと思われます。辞典にあるものだけと絞ったならば、こういうサイクルを閉ざすことになるわけで、これは命名の慣習に大きなくさびを打ち込む、くびきを掛けるということになると思います。こういう現実を踏まえた上で一般の方々がアンケートに答えてもらえればいいのですが、それが難しい中で行われることの意味というものについては、ここで指摘しておきたいと思います。   また、芸能人のような方々にも、例えば「華」と書いて「はる」さんというような方がいて、「華」と書いて「はる」と読むのか、すてきだなと思ってあやかって命名をするなんていうことが歴史上、幾らでもあったわけですし、これからも起こると思われます。今まで登録されているものは認めるけれども、今後はそういうものは認めないとなると、そういうあやかりの類いがなくなっていく。芸能人には「虹」と書いて「なな」と読ませる方もいるので、きっと新たにあやかりが生まれてくるだろうと思うのですが、そういう継承が困難になっていくということもいえると思います。   もっというと、親子の間で名前の一文字を与える、親が子に自身の読み方で一文字を与える、「頼朝」も正にそうだったわけですが、そういう通字ですね、「とおりじ」と読みますが、通字というのは正に伝統文化であって、そういう方法を断ち切ることがこの委員会でできるのかということも指摘しておきたいと思います。   すみません、長くなりました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。大変に重い御指摘であったと理解しております。 ○古瀬委員 古瀬でございます。ありがとうございます。今の笹原先生のお話、すごく勉強になりました。ありがとうございました。   非常に一般的な感想で申し訳ないのですが、甲案と乙案というのは随分性格が違うものを並べているなと思っていまして、私はこれまでの議論を踏まえても甲案かなと思っていたのですけれども、例えば乙案の場合でも、通常用いられる音訓の通常が何かというのは今、いろいろお話があったとおり、いろいろなことが考えられると思いますが、普通に読める漢字を組み合わせても、権利濫用に引っ掛かったり、公序良俗に引っ掛かったりという名前は作れてしまうわけですよね。それを読ませるということになってしまうと、乙案を出すということがいかがなものかとずっと思っておりまして、甲案の中でどこまでのどういう基準を示すべきかというようなことを、アンケートをとるにしても、問うていくという方が分かりやすいのではないかと思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   いかがでしょうか。 ○舩木委員 ありがとうございます。まず、アンケートの観点から考えた場合に、甲案と乙案の違いは、甲案というのは、名前の読み方は基本的に自由に認めます、権利濫用、公序良俗という、よほどその一般条項に反しない限りは基本的に認めますと、認めるのだけれども、どういう場合で制約しますかという発想だと思います。これに対して乙案というのは、今まで自由にしていた読み方を制約します、そうでなければ文字の音訓読みとか日本の国字の文化にとって支障が生じるから制約します。制約の程度について今まで使っていたものもできなくするのか、今まで使っていたものは既に慣用と認められればできるとするのか、どのような状態であれば慣用として認められるのか、それが今後、市区町村の受付窓口で本当に判断できますかという問題が残ると思います。   アンケートを行うのであれば、甲案か乙案かというよりも、今まで同様に名前の読み方としては基本的には自由で良いという発想なのか、いや、この際、今まで使っていたものでも制約すべきなのだと、それをしないと日本の文字文化というのが守れない危険性もあるから制約すべきだと考えるのか、というところが主発点としてアンケートをとるべきではないかと思っています。一方で、甲案においても、どのような場合に制約を受けるのか検討が必要です。先ほどのアからサでいえば、私はアからカは甲案では認めることになるけれども、キ、ク、ケ、サというのは甲案でも否定するということになると思っています。乙案だったらアからカだってかなりの部分が否定されるということになるのが普通ではないか、私の感覚ではそう思っています。ただ、その中で今まで使っていた部分で認める範囲をどこまで認めますか、それが本当に判断できますか、という整理になっていくのではないかと思っています。 ○窪田部会長 ありがとうございました。大変たくさん御意見を頂いて、ありがとうございます。恐らく今後のスケジュールから考えると、甲案なのか、乙案なのかという議論はまだ十分にやっていく時間があるのではないかと思います。ただ、一方でアンケートを実施するということになりますと、アンケートに関してはさほど時間がないので、するかしないか、するとしたらどんな方向なのか、方法なのかという点も含めて、ある程度今日、具体的に議論をする必要があるのだろうと思います。   アンケートに関しては一定の形で、こういう形でこのまま聴くということについては消極的な御意見も複数出ていたかと思います。私自身も、このままの形で甲案、乙案という形でアンケートをするのはやめた方がいいのではないかという感じがしておりまして、というのは、乙案というのは多分、広いか狭いか全然分からなくて、先ほど小幡委員からもありましたが、通常というのをすごく緩めると実は甲案とほとんど変わらないぐらい、アからカも多分、いや、今みんなこんなのはごく当たり前に使っているよという意味で、入る可能性もあると、ただ、一方でパブリック・コメントのときの通常の音訓以外は認めるべきではないというのは、実はかなり狭いイメージで、普通の読み方以外のものは全部駄目なのだというニュアンスを含んでいたのではないかと思います。乙案にそれだけ幅があるとすると、乙案に賛成と言った人の中にも実は中身が全然違うものが含まれてしまいますので、仮にアンケートをとって、乙案がこれだけたくさんありますから、では乙案にしましょうといったときに、具体的な方向性が決まらないということになるのだろうと思います。   そうしますと、むしろ正直に尋ねてみたいのは、アからサのそれぞれについて、これが認められるかどうかという単純なアンケートの方がいいのかなとは思いつつ、具体的には、特にイからオぐらいになりますと、この名前を持った方もおられるときに、そのアンケートをするというのが妥当なのかどうなのかとか、幾つかの問題があるのだろうと思います。   少し私の方で踏み込んだ発言をしてしまいましたが、特にアンケートに関してはある程度、今日、方向性も出す必要があると思いますので、御意見があれば御発言を頂けたらと思います。 ○鷲崎幹事 鷲崎です。ありがとうございます。やはりアンケートのとり方としましては、特に今回の審議の中で私自身、勉強させていただいていますのは、やはり日本語の文化での、むしろ非常に、その多様性ですとか、そういった新たな表現を許容してきたというところについて、そこの背景の説明を尽くさないとなかなか伝わらないのではないかという印象を受けました。特に今回、中間試案におきましては日本語の文化、伝統文化が失われかねないといった解釈でのコメントが一定数寄せられたと思いますけれども、やはりそういった文化的な背景の説明を追加するなりですとか、あるいはアンケート回答の結果をこのように解釈して、国民に対してどのように説明するのか、そこでの説明の仕方については留意が必要と思いました次第です。 ○窪田部会長 ありがとうございました。 ○大谷委員 大谷でございます。改めまして、アンケートのとり方でございますけれども、甲案、乙案のどちらかを支持するかというような問い掛けというのは、やはり、その持っている意味についての誤解が生じる可能性というか、それぞれに幅のある考え方だと思いますので、アンケートをとる意味がほとんどないのではないかと思われますし、笹原委員が御指摘してくださったような問題点があり得るものだと思っております。   それで、実際に個々にアからサとか、その先までありますけれども、そういった個々の例について振り仮名、読み仮名とすることについて共感していただけるかどうかについて御意見を聴くということであれば、現在の命名文化といったものが日本国内でどのように受け入れられているのかという実情を知る手掛かりにはなり得るのではないかと思っております。   ただ、その際に、現在は私たちが分かりやすくなるように具体的な例をかなり踏み込んで書いていただいておりますけれども、そういった例があると分かりやすいのは事実ですけれども、実際にそのお名前を持つ方、そのような名前で呼ばれている方にとっては非常に影響が大きいと思いますので、例を挙げるのであれば複数の例にするとか、あるいは、例というのは一応、切り離して、抽象的な説明だけですね、特に字義との関連性のところについては、できるだけ抽象的な言葉で説明していただいて、仮にどのような例があるかとすれば、注釈のような形で、例えば「心」の一部を「こ」と読むとか、そういった言葉も入れていただくといいと思いますし、あとは、笹原委員から先ほど御指摘いただいたように、文字の一部をやはり読まないという方はたくさんお見掛けするところでもありますので、一つ一つの文字に全て振り仮名を振らなければいけないというようなカルチャーではなかったはずですので、それについてもこの機会にアンケートを通じて、日本の命名文化の豊かさというか、しかも柔軟性に富んでいる有様というのを知っていただくというような使い方ができるアンケートになるのでしたら、意味を持つのではないかと思います。そうでないようなアンケートで、数字の裏付けを取るというか、そういう形になってしまうのは極めて残念ですので、そうならないような御配慮、数々の委員の皆様から御意見を頂いたところなのですけれども、私もそういう意見に賛成でございます。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   少なくとも今、単純に甲案、乙案ということでアンケートをとることについては、かなり多くの方から消極的な御意見が出ていたかと思います。アンケートのとり方、あるいはアンケートをとる前提として、特に日本語の命名文化に関して必ずしもきちんとした理解がされないまま、日本文化を守るとかという議論がされているのだとすると、そうしたことについてのきちんとした説明をしていくといった点についても御指摘があったかと思います。法務省の方で一度、その点も含めて検討し直してもらうということでよろしいでしょうか。 ○櫻庭幹事 はい、了解しました。 ○窪田部会長 それでは、それ以外の点を含めて、この部分、いかがでしょうか。 ○西幹事 ありがとうございます。西でございます。すみません、流れを遮ってしまうかもしれません。アンケートのとり方については、今まで先生方からお話があったとおりで、私も全面的に賛成ですし、特に「高(ひくし)」などについては、かつてあったということで、よいと思いますけれども、現在よく使われている「まりん」についてどうなのかというようなことを想像させるような書き方は、少し慎重さが求められるように感じております。   他方、アンケートの使い方については、丸が多かったか、バツが多かったかということではなく、仮にバツの方が多かったとしても、それを許容するという丸の人が一定数いたという場合には、たとえ最終的に乙案を採る場合であったとしても、「通常」というものに読み込める、つまり、これだけ人がいたのだから、反対の方が多かったけれども、という形で裏付けに使えますので、その意味があるように思います。ゼロだった場合は別として、何人かいるのであれば、それは「通常」だとも言えるような気がしますので、乙案を採ることになった場合でも、そのアンケートの結果が生きてくるということです。   その上でなのですけれども、今更ではあるものの、そもそもこの乙案のようなものを戸籍法に書く必要があるのかということを実は疑問に思っております。例えば、今、子供の名前については戸籍法の50条に、常用平易な文字を用いなければならないということは書いてありますけれども、そこまでです。そうなりますと、今回の「振り仮名」でも「読み方」でもどちらでも結構ですけれども、それについてもこの並びで書くとしたらせいぜい、「振り仮名」は、あるいは「読み方」は、平仮名によらなければならないとか、片仮名によらなければならないとか、バランス的にはその辺りなのかなと。そして2項の方で、名前と同じように、その用いる文字の範囲については法務省令でこれを定めるという形にして、そこで初めてこの甲案とか乙案の話が出てくるような気も少しいたしました。戸籍法に書くことが既定路線であればともかく、そうでなければ、場合によっては、今申し上げたように一段落とすということもできるのではないかということです。いずれにしても決めておかなければならないのは確かなのですけれども、規定場所としては戸籍法から落とすというのも少し考えられるのではないかと思いました。 ○窪田部会長 ありがとうございます。ただいまの御発言は、甲案、乙案という議論が仮にあるとしても、それをどこに書き込むのか、戸籍法なのかどうなのかという点の御指摘も含むものであったかと思います。 ○鷲崎幹事 鷲崎です。ありがとうございます。今の御議論にも少し関連するかもしれませんが、アンケートを仮にとるという場合には、やはり今回の戸籍法改正のそもそもの目的、趣旨の説明というものを改めてきちんとしていただいて、つまり、ある個々の事項だけを提示してAかBかとなりますと、やはりそこだけを見て、その判断ということになりがちですので、改めてやはりきちんと目的や趣旨に沿ってそれぞれの事項について判断をしていただいて、それによってコメントを寄せていただくという形が望ましいと思いました。   今回の改正の目的は本来、やはり読み方も登録することでサービスのデジタル化を通じた利便性向上、本人特定の迅速性を向上させるというものがあったというふうに承知しております。つまり、命名権の濫用を抑えるですとか、何かそういったような動機が元々あるということでもないですし、そういった読み方を抑えていくと、そういった動機、趣旨が元々あったということでもありませんので、飽くまでもそもそものやはりこの改正の趣旨、目的というものを改めて提示いただいて、それに沿って判断いただく、そういうアンケートとしていただけると有り難いことと思いました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。今回の法制審議会の役割ということにも関わりますが、改正の目的ということを十分に踏まえる必要があるし、また、その目的を踏まえた上でのアンケートということの御指摘を頂いたかと思います。 ○常岡委員 常岡です。今、いろいろな御議論をお聞きしていて、私もほかの委員の言われたことにいずれもごもっともと思って賛成しております。   その上で、アンケートのとり方ですけれども、今の議論をずっと伺っていて、甲案と乙案を一応今回、出していただきましたけれども、戸籍法部会の大勢としては恐らく甲案の方向でいいのではないか、大方の御意見を集約すると、そうではないかという気がしております。そうであれば、アンケートをとるときに、この部会の提案の方向としては甲案であると、その上で乙案をアンケートに出す必要があるのかという点について、両案は方向性が違うというのもそのとおりですが、実質的には結局、「通常用いられる」というのが究極的には公序良俗とか権利濫用の問題に収斂するものであって、それほど差がないということであれば、甲案を出した上で、先ほどのア以降の個別の項目について、どういう名前を例に取るかは非常にデリケートで、慎重な配慮が必要かと思いますけれども、例えば公序良俗とか権利濫用に当たるような例として、具体例を挙げてみて、これが公序良俗、あるいは甲案に抵触すると思いますか、といった問い方もあるのかなと思いました。アンケートの具体的な一つの考え方として、申し上げます。 ○窪田部会長 ありがとうございます。甲案、乙案というふうな対比ではなくて、甲案というのをベースにしながら具体例についてアンケート調査をするという形での方向も考えられるのではないかという御提案だったかと思います。   恐らく、法務省の方で今回、甲案、乙案という形を並べてもらったのは、中間試案の中で甲、乙、丙と三つの見解があって、その中では甲案が一番多かったのですが、その他というものが実は数の上でいうと一番多かった、それが通常の音訓以外は認めるべきではないと。ただ、先ほど申し上げたように、そこでの通常の音訓というのはかなり狭いものを考えているのかなという感じはするのですが、いずれにしてもそれが一定数あったということを踏まえて、もちろんパブリック・コメントというのは多数決ではありませんので、当然にその数に左右されるものではないけれども、かなりの数にあったということを踏まえて、やはり乙案という方向性を考えてくれたのではないかと思います。   ただ、その上で乙案は幅が広いというのは、もう先ほどから出ていることですので、甲案か乙案なのかという議論の仕方をすると実は正しい意見聴取にもならないという可能性も先ほどから繰り返し御指摘を受けていたところだと思います。   ほかにございますでしょうか。   法務省の側としてはどうしますか。 ○櫻庭幹事 今回先生方から頂いた意見を踏まえまして、部会長とも御相談させていただいた上で、アンケートをとりたいと思っております。 ○窪田部会長 ですから、もう今日、明日中に、この方向でということではなくて、もう一度検討し直してもらってということになろうかと思います。   では、その他、第1の2の部分に関しては御意見はございませんでしょうか。 ○藤原委員 藤原です、よろしくお願いします。アンケートとは外れて、少し視点が違うのですが、2ページの2の甲、乙の(注)で、甲案について法令に規定することも考えられるという、この辺は余り今まで議論されていなかったと思うのですが、これは逆に古瀬委員にお聞きしたいのですけれども、戸籍の窓口でそういう受付というか申出があったときに、例えば、権利濫用等の規定を設けた方が、この戸籍法に載っていますよということで一応の説明ができやすいのか、一般条項なので戸籍法に規定をしなくてもいいのか、この辺、戸籍実務でどういう対応の方が望ましいのか、古瀬委員に聞きたいのですけれども。 ○窪田部会長 古瀬委員から御発言いただけますでしょうか。 ○古瀬委員 非常に難しいと思います。どのような例が出てくるのかというのが想像が付かなくて、ある程度規定があったとしても、またそこで恐らく争いが生じてくるので、難しいですね。家庭裁判所の方も非常に困られるのではないかと思いますが、必ず、法令に規定しているからということで、そこで窓口ですっとスムーズに行くかというと、そうでもないなと実感として思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。藤原委員、よろしいでしょうか。 ○藤原委員 例えば、申し出たときに少し難しいですねと言われたときに、どこにそんな規定があるのかということで、やはり戸籍法にこういう規定がありますという流れで行った方がいいのではということを少し感じた次第です。 ○古瀬委員 一般原則でというようなことにお答えしても、恐らく窓口ではもう受け切れないものが多分出てくるのかなとは思っておりますので、今、何ともお答えのしようがないと思います。申し訳ありません、答えになっていなくて。 ○窪田部会長 恐らく、でも、そうなのだろうなとは私も思います。公序良俗の規定を示したとしても、どこがという話なのだろうとは思います。   ほかにいかがでしょうか。 ○若月委員 若月です。大きなところをうまく考えられなくて、今更のように重箱の隅をつつくような小さいところをお尋ねして、非常に恐縮なのですけれども、ついこのア、イ、ウ、エ、オという事例が示してあると、そこに目が行ってしまいます。この中に、例えば「やまと」という例があるのですけれども、元々全体で「やまと」と読むのだとずっと思っていたので、そこの一部を取って「と」と読ませるという、こういう応用の仕方は既に認められているのでしょうか。そこが知りたいと思って、質問しました。 ○窪田部会長 それは、いかがでしょうか。 ○櫻庭幹事 認められているかどうかというと、今のところ名前の規律がないものですから、当て字として使われている方もいらっしゃると認識しております。 ○若月委員 では、やりたい放題みたいな感じ、になりますか。少し言葉は悪いですけれども。 ○窪田部会長 やりたい放題というと少し問題があると思うのですが、今は特に規制はありませんし、そもそも戸籍の記載事項になっていませんので、いろいろな場面で振り仮名を振るとしても、それについて何か制約をするという仕組みが用意されていないということなのだろうと思います。 ○若月委員 そのように考えればよろしいのですね。分かりました、ありがとうございます。 ○窪田部会長 ほかはいかがでしょうか。 ○笹原委員 ありがとうございます。今、「やまと」の例が出たので、補足的なお話ができればと思います。そもそも「大和」と書いて「やまと」と読むこと自体が相当イレギュラーなことで、奈良時代ぐらいから見られるようなのですが、本当は「和」だけでよかったわけです。「和」と書いて「やまと」と読む。しかももとは「倭(わ)」と書いて「やまと」と読ませていて、それを当て字にして「和(わ)」として「やまと」と読ませた。そこに、中国っぽく漢字は2文字にしたいと思った人たちが当時の天皇を始めとしていて、「大」という字を加えた。「大」は読まないけれども、今では何となく「大和」と書いて「やまと」と読むという熟字訓としての意識が出来上がっています。それで、今度は「和」の部分だけを切り取って「と」と読ませるという読ませ方が現実に名前などに広まっていて、それで今、御指摘いただくような違和感等につながっているのだと思います。   こういう熟字訓から読みを切り取るという方法は、名字などにも既に行われていて、今回は名字も振り仮名、読み仮名が付くわけですけれども、例えば「日月」と書いて「たちもり」さんなんていう方が何件も名字に実在しています。「一日(ついたち)」の「たち」ですね、また月末の意の「月隠(つごもり)」などの「もり」ということですね。熟字訓はそれでまとめて読むべきだという社会的なルールがあるにもかかわらず、そのように個々の字についてそう読ませるということを、名字では既にやってきた、100年、200年前からやってきたという現実があります。こういうことも、広い意味では日本の伝統であり文化であるといえるかと思います。   すみません、余計なことになりましたが、失礼いたしました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。漢字2文字で表記したいということについては、関西では「泉」というところを「和泉」と書いて、あれはその当時、2文字にするためだけだったということを聞いた覚えがあります。 ○小幡委員 笹原先生のお話を聞くといつも、何でも可能性があるなと思ってしまって、どうやってこれを駄目と、そもそも公序良俗とか権利濫用でも通常でも何でもいいのですけれども、はじくということ自身が非常に難しいなと改めていつも思うのですが、すみません、それはともかくとして、念のためお伺いしたいのですが、アンケートをとるというお話でしたけれども、予算などの関係で、恐らくどういうふうにということは決まっていらっしゃると思うのですけれども、とり方はすごく難しいと思うのです。パブリック・コメントというのがどういうものかというのは、もう大体いろいろ言われていて、非常に積極的に御意見を言いたいという方が言ってくるというのがパブコメなので、それはある程度の偏りというのは当然あるわけなのですけれども、アンケートもどういうふうなとり方、範囲とかですね、非常に関心のない方を含めて広く御意見を聴くとか、既にいろいろ法務省でやったことがあって、イメージというのはあると思うのですが、念のためお伺いできれば、どのぐらいの規模でやるのかなとか、すみません。 ○窪田部会長 それでは、事務当局の方から御説明いただけますか。 ○櫻庭幹事 アンケートですが、元々がこれはパブコメの意見が142件ということでしたので、もう少し幅広いところからアンケートをとった方がいいのではないかというお話がありました。それで、事業者の方に委託しまして、年代ですとか家族構成とか、そういったものを少し細分化しながら、5,000ですかね、もう少し単位を広いもので、ウェブか何かを使って調査したいと思っていて、今、事業者の方と少し調整しているというところでございます。 ○窪田部会長 小幡委員、それでよろしいでしょうか。 ○小幡委員 はい、今は大体そういうことになると思うのですけれども、何かポイントを付けるとやってくださったりとか、いろいろあったりして、なかなかすごく一般的な、興味のある方、ない方まで含めてのアンケートというのは非常に難しいなと思いますし、それから、本当に聴き方というのは、今まで議論がありましたけれども、かなり大変なので、それをどういうふうにこちらで分析するかということだと思うのですけれども、かなり気を遣う必要があるのかなと思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   それでは、アンケートに関しては一度、今日お示しいただいたのとは違う形のものも含めて検討していただくということで、それ以外の部分についてはもう少し議論をする時間もありますので、まずは一旦、第1の2の部分については以上とさせていただきたいと思います。   ここで一旦、休憩を取らせていただければと思います。今、手元の時計で55分ですので、3時10分まで休憩とさせていただきたいと思います。           (休     憩) ○窪田部会長 それでは、時間になりましたから、審議を再開いたしたいと思います。   先ほど御議論いただいたアンケートの件なのですが、今後の会議の開催日程も踏まえた上で、事務局の方から御提案がありますので、まず御説明を頂けますでしょうか。 ○櫻庭幹事 今のアンケートの関係なのですけれども、事業者の方と今、契約を既に結んで、いろいろ相談しているところです。契約期間が10月末までとなってございまして、部会にまた御報告するといういろいろな段取りを考えますと、なるべく早めにアンケートを出させていただきたいと考えておりまして、また、この関係でもう一度部会を開催するというのもどうかと思っておりますので、部会長とも御相談して案を作って、各委員の先生方に送らせていただいて、御了承を得るような形で決めていきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○窪田部会長 この法制審議会の次の会議は11月1日なものですから、かなり先になってしまいます。その際に決めてというのは時間的に無理だということがございますし、これは単に10月末までの契約しかないというよりは、11月1日に決めて、その後のアンケートでは恐らく取りまとめまでに十分に反映できないということもあるだろうと思います。その点で、先ほどかなり先生方からも具体的な形で御意見を頂いていますし、方向も示されていると思いますので、それを十分に踏まえた上で、私の専断で決めるという趣旨ではなくて、まずたたき台を法務省と私の方で協議して決めた上で、それを先生方にお送りさせていただいて、個別に御了解を得るという形で進めさせていただきたいと考えておりますが、それでよろしいでしょうか。 ○村林委員 村林でございます。それについては特に反対はないのですけれども、そもそもアンケートをとって、その後それをどう料理するかとか、その辺についてのストーリーというのは何か考えられていることはあるのでしょうか。 ○窪田部会長 後で法務省の方からも御説明いただいたらよろしいと思いますが、私の方で今、認識しているのは、パブリック・コメントで、パブリック・コメントというのはそもそもそれほど数が出てくるわけではないので、十分な数は出ていたと思うのですが、それでも、こうした問題について数が少ないのではないかという指摘が幾つかの方向から出てきていることは耳にしております。それを踏まえた上でアンケートをし、ただ、どういうアンケートするかということにもよるのですが、アから幾つかあったような形で個別、こういうものについてどうなのかということを踏まえた上で、我々の方としてはそれを、例えば甲案だったら甲案の中でどういうふうに反映させていくのかといった形のいかし方をするというのが考えられるのかなと私は個人的に思っておりました。法務省は法務省でお考えもあると思いますので、お答えいただければと思います。 ○櫻庭幹事 我々も、パブリック・コメントを開催したところでございますけれども、部会長がおっしゃったとおり、いろいろな方向から少し、全国民に影響がある案件にしては関心が少ないというか、もう少しいろいろな人の意見を聴いてはどうだと、そういった方向の御意見を頂いたこともございまして、改めてもう少し母数を増やして、甲案とか乙案とかというものを聴いてみたいと考えていたのが1点です。   また、先ほども申し上げましたけれども、通達とかそういったことを今後作るといった場合に、では、具体的にどういった規範が考えられるのかといったものを少し具体化して、国民の皆さんから聴いてみたいと思いましたので、それをアンケートの形で聴いて、それをまたこちらの戸籍法部会の方に御紹介して、最終的にはどういう案で法律を作るのかというのを決めていきたいと考えていた次第です。 ○村林委員 ありがとうございます。今までの議論の内容を聞いていると、甲案、乙案のパブリック・コメントとはかなり違ったアンケートになると私は理解したのですけれども、なので、母数を増やすという話ではなく、より具体的なアンケートをとるような形になると思いますので、それについて、それをどう活用するのかというのはよく考えて、アンケートをしていただきたいと思います。 ○窪田部会長 ありがとうございました。 ○藤原委員 藤原です。1点確認させていただきたいのですけれども、アンケート結果は公表される予定なのですか。集計して直ちにですか、この部会にアンケート結果を出したと同時に、ということですか。 ○櫻庭幹事 この部会で公表したいと思っております。 ○窪田部会長 以上の点はよろしいでしょうか。   それでは、慎重にこの点についても進めさせていただきたいと思います。   それでは続きまして、部会資料8の第2の1の部分について、事務当局から御説明をお願いできますでしょうか。 ○櫻庭幹事 それでは、部会資料の4ページ、第2の「1 氏又は名の変更に伴わない場合の規律」を御覧ください。本文において、従前の甲案と同様の規律を提案しております。   5ページ、3(2)アでは、中間試案において(注1)として記載しておりました、成年に達した者が自ら氏名の振り仮名を届け出た、あるいは申し出た後、これを変更しようとする場合には、その変更の許否はより厳しく審査されるべきものとすることも考えられるという点につきまして、パブリック・コメントの意見を踏まえ、家庭裁判所における変更許可の審理において個別の事情に応じて判断されることが考えられることから、規律を設ける必要はないと考えられる旨、記載しておりますが、皆様から御意見を頂きたいと存じます。   また、6ページ3(2)イでは、中間試案において(注2)として記載しておりました氏の振り仮名の変更の要件について、氏の変更よりも緩和し、やむを得ない事由に代えて正当な事由とする案も考えられるという点につきまして、氏とその振り仮名とで変更の要件に差異を設ける合理的な理由及び必要性を見いだすことができないのであれば、氏の変更と同じように、氏の振り仮名についても、やむを得ない事由を変更の要件とすることが考えられると記載しておりますが、この点につきましても御意見を頂きたいと存じます。   そして、6ページ(3)、(4)において、パブリック・コメントの意見を踏まえると、従前の乙案のように、氏及び名の振り仮名について一定の場合に家庭裁判所の許可を要しないこととする例外規定については、これを設けないこととすることが考えられると記載しておりますが、この点につきましても御意見を頂きたいと存じます。   第2の1に関する説明は以上です。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、ただいま御説明いただいた点について、御質問や御意見がありましたら自由に御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。   特に事務当局の方から御意見を伺いたいという点もございましたが、そうした点について何か御発言はありますでしょうか。 ○舩木委員 それでは、舩木の方から意見を述べます。これは最高裁の方の意見を聴くのが一番いいのかなと思っておりますけれども、基本的にはやはり個別事案に応じてそれぞれ検討するということにしておかないと、柔軟に適正な判断というのはできないのだろうと思っています。   ここで、「やむを得ない事由」と「正当な事由」という二つの要件があります。これは氏の変更の方が名の変更よりも基本的には要件が厳しいという一般的な感覚を示しているものだろうと思っています。「やむを得ない事由」の要件は、具体的にどこがどう違うという具合に説明できるかというと、なかなか難しいだろうと思っています。むしろ、こういう点を判断する場合には、現状の氏名の支障、あるいは読み仮名についてどういう支障があるのか、そういう問題と、それをどう変更したいと言っているのか、それによって氏名の同一性というものがどこまで大きく変わろうとしているのか、その辺の比較衡量を個々に考えて判断せざるを得ないし、それしかもうやりようがないのだろうと思っています。だから、そういう意味では全部個別の事情という形になっていかざるを得ないので、先ほど紹介のあった5ページの、成年に達した者が自ら届け出て、それを更に変更するという場合には濫用の問題として制約されるというのは、一般的な話としては当たり前のことで、ただ個別事情によって一律に駄目とか、そういうわけにはいかないということなのだろうと思っています。   具体的には、「やむを得ない事由」と「正当な事由」という形で、氏の方がより制限されますということと、今の使用状態についての問題点と、これから変えようとする内容、その比較衡量ということではないかと思っていますが、最高裁の方でもしアドバイスがあれば、よろしくお願いいたします。 ○窪田部会長 ありがとうございました。舩木委員の方からは、判断枠組みということについての御理解を示していただいて、その上でこの方向でということも考えられるということだったと思うのですが、最高裁、何か御助言のようなものはありますでしょうか。 ○戸苅幹事 最高裁の戸苅でございます。今の舩木先生の御発言に特に異論があるわけではございません。これまでの運用においてもやはり個別の事情に応じて審理してきたと、それで判断してきたというところですので、それは今後もまた変わらないのではないかと考えておるところです。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   それでは、第2の1の部分、特に御意見がなければ、ひとまずこれで、進めてよろしいでしょうか。   それでは続きまして、部会資料の今度は7ページ、第2の「2 氏又は名の変更に伴う場合の規律」について、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 それでは、部会資料7、第2の「2 氏又は名の変更に伴う場合の規律」を御覧ください。本文において、従前と同様の規律を条文に沿った形式で提案しております。   ①及び③につきましては、現行法上、氏又は名を変更する場合、家庭裁判所の許可を得て戸籍の届出をする旨の規定が置かれていますところ、通常、氏又は名を変更する場合には、その振り仮名も変更されると考えられることから、氏又は名の変更に併せて変更後の振り仮名についても家庭裁判所の許可を得たものを戸籍に記載できるよう、規律を設けるものでございます。   ②につきましては、現行法上、外国人と婚姻した方が、その氏を配偶者の称している氏に変更する場合、婚姻の日から6か月以内であれば、家庭裁判所の許可を得ないで戸籍の届出ができるところ、その際の振り仮名も家庭裁判所の許可を得ないで戸籍の届出ができるよう規律を設けるものでございます。   第2の2に関する説明は以上です。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   それでは、ただいまの櫻庭幹事の御説明につきまして、御質問や御意見はございますでしょうか。 ○新谷委員 新谷です。今の107条関係ですけれども、①、②、③とありますが、現行の107条3項、氏を変更した者がその後、婚姻解消した場合において、従前の、いわゆる変更の際に称していた氏に変更しようとするときの規定は、これはあえてここに書かなかったというのはどういう理由なのかということをお尋ねしたくて手を挙げました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。その点、事務当局から御説明がありますか。 ○櫻庭幹事 原案ですと、特に改正は必要ないかなというところで、この案にしたところでございます。 ○新谷委員 よろしいですか、続いて。   現行ですと、六法だと249ページのところに、前項の規定によって氏を変更した者が離婚、婚姻の取消し又は配偶者の死亡の日以後に、その氏を変更の際に称していた氏に変更しようとするときは、その者はその日から3か月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないでその旨を届け出ることができるという規定ですけれども、そのままで行くと、その旨を届け出ることができるというところに、振り仮名をどうするかという問題、読み方というか、それを具体的に規定しなくて大丈夫なのかというのが私の疑問です。   例えば、私は「新谷」と申しますけれども、読み方は従前は「にいや」ですけれども、例えば、婚姻解消した後に新戸籍を編製するときに、読み仮名を「しんたに」と付けて届けた場合にどうなのかという疑問が湧いたものですから、そのような発言をしたのです。そうすると、3項のところは現行ですと、その旨を届け出ることができるということだけですので、やはり変更の際に称していた氏の振り仮名を、というふうに具体的に規定しないと、窓口での審査に手間取るのではないかと、そういう疑問が湧いたので、こういう質問をしたところです。 ○窪田部会長 事務当局から御説明はございますか。御質問の趣旨は大変によく分かるような気がします。今の3項ですと、変更の際に称していた氏に変更するときは、その旨を届け出るだけでいいということにもなるわけですが、そのときに読み仮名も当然そのときのものになるということであれば、それについて規律を設けないと困るのではないかという御指摘であったかと思います。 ○新谷委員 そのとおりです。 ○櫻庭幹事 分かりました。御指摘を踏まえまして、再度事務局の方で検討したいと思います。 ○窪田部会長 それでよろしいですか。 ○新谷委員 はい、よろしくお願いいたします。 ○窪田部会長 ほかに御発言はございますでしょうか。   特に御発言はございませんでしょうか。   それでは、第2の部分についても、今後また検討課題が出てきたら、改めてその時点で検討させていただくことになろうかと思いますが、本日は以上とさせていただきたいと思います。   それでは、本日の審議自体は以上ということになりますが、今後のスケジュール等につきまして、事務当局の方から御説明を頂こうかと思います。よろしくお願いいたします。 ○櫻庭幹事 次回、第9回会議の日程ですが、本年11月1日火曜日の午後1時半から、場所は法務省11階、民事局会議室を予定しております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   法制審議会戸籍法部会今後の予定というのが一枚の紙で出ているかと思いますが、来年の1月12日の第12回会議、それから予備日が二つ用意されていますが、このタイミングでやっていかないと春の法制審議会の総会に掛けられないということになろうかと思います。様々これからも出てくるかと思いますが、御協力をよろしくお願いしたいと思います。 ○新谷委員 新谷ですけれども、この議題と別な議題といいますか、考え方なのですが、よろしいでしょうか。   恐らく今後の部会の中で、既に戸籍に記載されている者に関わる収集の問題についても何回か議論をしているところですけれども、その中で出てこなかった中で、一つ私なりに気が付いたところがあるのですが、日本の本籍人口は1億2,540万人ほどであって、そのうち海外に在留する邦人がどのぐらいいるのかということで、この間、外務省のホームページから検索したところ、平成3年10月1日付ですか、約134万5,000人の方が海外在住なのですね。そうすると、日本の本籍地市町村役場では、戸籍の附票を見れば、日本国内であれば住所地が分かるのですけれども、恐らく海外に転出した日本人については、私の記憶だと、附票に書かれるのは、外国名、例えばアメリカ合衆国カリフォルニア州に転出とか、そこまでしか書いていないのではないかという気がするのです。具体的に本籍地市町村長が、戸籍の筆頭者及びその戸籍に在籍している者が海外に行っている場合には通知のしようがないということになると、その人たちの戸籍に読み仮名を振るときは全て職権でやるということになると、またこれも大変ではないかということで、恐らく外務省さんの方と法務省の方で何らかの形でその辺の打合せを事前にやって、具体的にどういう方法が一番いいのかということを部会の前にある程度、方向性を示していただければ、自治体の方でも助かるのではないかというふうな感想を持ったものですから、少し発言をさせていただいたというところでございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。収集方法は次回、取り上げる予定ですけれども、今の御指摘の部分については事前に、特に法務省と外務省の間で、どういう方法が考えられるかということも含めて調整していただいた上で、次回の部会に臨むという形にさせていただければと思います。 ○新谷委員 ありがとうございました。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、以上をもちまして法制審議会戸籍法部会の第8回会議を閉会させていただきます。   本日は熱心な御審議を賜りまして、誠にありがとうございました。 -了-