日本司法支援センター評価委員会 第67回会議議事録 第1 日 時  令和3年7月5日(月)    自 午後 1時25分                        至 午後 4時27分 第2 場 所  東京保護観察所 集団処遇室         (中央合同庁舎6号館A棟1階101,102号室) 第3 議 事  (1) 令和2年度に係る業務実績評価の実施について  (2) 第4期中期目標期間の終了時に見込まれる,中期目標期間の業務実績評価について  (3) 令和2年事業年度財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見について 第4 今後のスケジュール 議        事 伊藤委員長 それでは,ほぼ定刻でございますので,ただいまから日本司法支援センター評価委員会第67回会議を開催いたします。   委員の皆様方におかれましては,御多忙のところ,また,感染症の収束を見ない時期に御参集いただきまして,誠にありがとうございます。    本日は,本会場に9名の委員の御出席を頂いているところでございます。   また,内田委員におかれましては,仙台市にお住まいでいらっしゃることや,現下の感染症拡大の影響に鑑みまして,本会場にお集まりいただくことが困難であり,ウェブ会議による出席が相当であると,これは運営規則3条1項にございますとおりですが,そのようにいたしたいと存じます。   内田委員を含めまして10名の委員皆様に御出席いただいておりますので,定足数でございます過半数の出席要件を満たしていることを確認いたします。    議事に入る前に,まず,委員に交代がございましたので,御報告いたします。   本年5月28日付にて和気委員を新たに当評価委員会にお迎えいたしました。   そこで,和気委員から一言御挨拶をお願いいたしたいと存じます。 和気委員 どうも,はじめまして。   今御紹介いただきました東京都立大学の教授をしております和気純子と申します。   私の専門は,社会福祉,高齢者福祉,それからソーシャルワークといわれているものでございまして,日頃より,認知症の方々,あるいは支援困難な事例といわれております様々な課題を抱えております方々の支援に関わる地域の関係者の皆様と,常日頃より様々な問題の検討等を行っております。   今回,旧委員の交代ということで参加させていただくことになりました。   どうぞよろしくお願いいたします。 伊藤委員長 どうぞよろしくお願い申し上げます。   それでは,議事に入りたいと存じます。   本日の議事は,お手元の議事次第にありますとおり,(1)令和2年度に係る業務実績評価の実施について,(2)第4期中期目標期間の終了時に見込まれる,中期目標期間の業務実績評価について,(3)令和2事業年度財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見についての3点でございます。   各議事につきまして,まず,事務局から概要の説明をお願いいたします。 澁谷参事官 それでは,事務局の方から本日の議事の概要を御説明いたします。   まず,お手元にお配りしたクリアファイルの中に,議事次第,進行予定,出席者名簿,配席図,配布資料目録,委員名簿を入れてございます。   そのうち,まず議事次第を御覧ください。   議事の1点目,(1)日本司法支援センターの令和2年度に係る業務実績評価につきましては,法テラスの令和2年度の業務実績について,法テラス側の自己評価を踏まえた御議論を頂けたらと存じます。    次に,議事の2点目,(2)日本司法支援センターの第4期中期目標期間の終了時に見込まれる中期目標期間に係る業務実績評価,これにつきましては,法テラスの第4期中期目標期間の見込評価につきまして,法テラス側の自己評価を踏まえた御議論を頂けたらと存じます。    最後に,議事の3点目,(3)令和2事業年度財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見,これにつきましては,総合法律支援法上,法務大臣が法テラスの財務諸表について承認をしようとするときには,あらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないとされてございます。本日併せてこの点も御議論を頂きたく存じます。   議事の概要の説明は以上でございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   それでは,ただいま説明がありました議事次第に沿って進めたいと存じます。    本日は,法テラスの業務実績や財務諸表につきまして,委員会としての理解を深めるために,板東理事長をはじめとする法テラスの皆様方から,資料についての御説明や委員からの質問に対する御回答をしていただくことにしておりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。   続きまして,本日の配布資料につきまして,事務局から説明をお願いいたします。 澁谷参事官 それでは,お手元の配布資料目録に沿って説明いたします。   まず,資料@の業務実績報告書は,資料集にありますピンク色の紙ファイルでございます。こちらが法テラスの令和2年度の業務実績と自己評価等を記載したものとなります。    続きまして,資料Aの業務実績(見込)報告書でございますが,これは資料集の水色の紙ファイルでございます。   法テラスの第4期中期目標期間の4年間の業務実績と見込評価等を記載したものでございます。    次に,資料集の緑色の紙ファイルでございますが,こちらが財務諸表等となります。   緑色のファイルのうち資料B−1が令和2年度の財務諸表,資料B−2は令和2年度の事業報告書,資料B−3は令和2年度の決算報告書,資料B−4は監査報告,資料B−5が独立監査人の監査報告書,資料Cが日本司法支援センターにおける契約の点検結果でございます。   資料の説明は以上でございます。   欠落等もしございましたら,いつでもお申し出ください。 伊藤委員長 ありがとうございました。   よろしゅうございますか,お手元にございますでしょうか。    それでは,議事を進めたいと存じます。   ここからは各議事につきまして,それぞれに関連する資料について法テラスから御説明を頂いた上で,各委員から御質問等をお願いしたいと思います。    議事(1)の年度評価と議事(2)の見込評価についてでございますが,評価の対象となる個別の評価項目は共通のものとなっております。   そこで,法テラスにはピンク色のファイルの資料@の年度評価と,水色のファイルの資料Aの見込評価について,同時並行で,評価項目ごとにそれぞれの自己評価及びその理由を御説明いただくように進めていただきたいと存じます。    また,評価項目は全24項目にわたりますために,項目1−1から2−12までを前半,項目3−13から5−24までを後半といたしまして,二つのブロックに分けて説明を頂き,それぞれに質疑応答の時間を設けたいと思います。   なお,本日は法テラスの松並監事,山下監事にも御出席を頂いておりますので,後ほど御意見をお願いしたいと存じます。    もう一つ,長時間にわたりますので,14時55分頃を目途に10分前後,16時35分頃を目途に10分前後の休憩を取りたいと考えております。    それでは,まず,法テラスの板東理事長より冒頭の御挨拶を頂戴できればと存じます。 板東理事長 ただいま御紹介いただきました法テラスの理事長の板東でございます。   本日はお忙しいところ,また,コロナ禍におきまして,このように会議に御出席いただきましてありがとうございます。   また,日頃から御指導,それから御支援を頂いておりますこと,心から感謝申し上げます。   せっかくの機会でございますので,最近の法テラスの状況につきまして少しお話をさせていただきたいと存じます。    本日は,令和2年度,それから,この第4期の中期計画の期間全体について御審議を頂くことになるわけでございますけれども,令和2年度の状況につきまして,幾つかの重要な点についてお話を申し上げたいと存じます。   言うまでもなく令和2年度は,やはり新型コロナウイルス感染症への対応ということに様々な面から迫られた年ということでございました。   特に,利用者,職員,あるいは契約弁護士,司法書士の方々をはじめとして,法テラスに関係される方々のやはり安全対策,感染防止対策ということを徹底しなくてはいけないと,しかし,その中で必要な業務をきちんと遂行していかなくてはいけないと,そういったことにまず心を砕くという状況でございました。   また,このコロナ禍におきまして,大変いろいろな困難,法的な問題に直面する方々,今まで思いも掛けないような困難に直面する方々がいらっしゃるわけでございますので,そういった新たな法的支援ニーズに的確に応えていかなくてはいけないと,その使命を果たしていくというのも法テラスの重要なことであると,そういう認識で業務を最大限進めていこうということで,臨んだわけでございます。   改めてお礼と御報告を申し上げたいと思いますけれども,昨年5月に業務方法書を改正いたしまして,今まで面談だけでしか法律相談ができないということに関して,電話やオンラインによる相談も可能ということで実施を始めたわけでございますけれども,その際にはこの評価委員会の先生方には,伊藤委員長をはじめ,大変御尽力いただきまして,極めて短期間においてその業務方法書の改正ということにこぎ着けさせていただきましたこと,本当に心から感謝を申し上げたいと存じます。   おかげをもちまして,電話等による相談というのは現在も実施をされておりますけれども,5月から2年度末までに4万件を超える電話等相談が行われました。   これは同期間の全体の相談の15%ぐらいに当たるということでございます。   特に,東京とか沖縄などにおきましては4割近い,全体の法律相談の4割ぐらいということで電話等相談が実施をされておりまして,この法テラスの必要な業務を行っていくという上で大変大きなステップになったのではないかというふうに思っております。   それだけではなく,様々な工夫を重ねながら,コロナ禍において,やはり必要な業務を行っていかなくてはということで,例えば,法教育とか地方協議会などをはじめといたしまして様々な会議を持つということも,集合型でというのは難しい状況がございましたけれども,できる限りオンラインとか少人数でといったようなことであったり,違う方法に変えていくというようなことも含めて,工夫をしながら実を上げていくということに努めたわけでございます。    また,必要な支援の充実ということに関しましては,例えば情報提供におきましても,ホームページに特設ページを設けて必要なQ&Aを提供するということを迅速に行うなど,新たな情報提供のツールもいろいろ試してみたりしながら,例えばYouTubeの活用などを今後考えていくということもあり得るかと思いますし,それから,オンラインによる様々な機会の提供ということも更に充実をしていかなくてはいけないのではないかというふうに思っているところでございます。   職員もおかげをもちまして順調に業務を進めているという状況でございます。    また,これからコロナ禍におけるいろいろな法的問題への対応については,今,例えば代理援助の件数などはまだまだ例年並みになっていないという状況がございますけれども,これから法律相談から更に代理援助へというように段階が進んでいくものというふうに考えておりますので,そういった必要な支援をきちんと実施していくということに努めてまいりたいというふうに思っております。    また,令和2年度は,これは最近,例年のことになっておりますけれども,大規模災害の対応ということにも引き続いて取り組み,昨年の7月豪雨などへの対応ということにも力を注いだところでございます。   また,大規模災害への対応ということでは,ずっと継続して実施をしております東日本大震災への被災者支援ということで,令和2年度も実施をしてきたわけでございますけれども,例えば法律相談は累計で45万件に及んだというような,着実な司法アクセスの推進,改善ということが特例法の下で実施をできたのではないかと思っております。   その特例法も2年度末に終期を迎えたということでございますけれども,それに伴いまして,被災地の出張所も7か所あったのを5か所閉鎖するということで,今,2か所だけということになっております。   しかし,この特例法の下におきまして,過疎地域を含めまして広がってきた司法アクセスの土壌ということを,我々も是非大事に耕していきたいというふうに思っているところでございますので,これからも被災者支援に限らず,現地の司法アクセスの拡大ということに努めてまいりたいというふうに思うところでございます。    また,後でまた詳しい御説明があるかと思いますけれども,外国人,特に在留外国人の支援の充実ということも令和2年度の非常に大きな課題ということでございました。   後で御説明をさせていただきます,国の外国人在留支援センターの方に新たに我々も国際室という拠点を設けまして,そこを通じて関係機関との連携ということにも力を注いでおりますし,多言語情報提供サービスであったり,各地方事務所における現場での多言語対応のための環境整備なども進めてきているというところでございます。   こういったところでも一層,法テラスとしての重要な役割を果たしていきたいというところでございます。    また,第4期の中期目標計画期間全体を通じまして,やはり制度改正に伴うもの,あるいは災害,コロナ,外国人といったような,やはり多様なニーズというものが生じて広がってきている,その司法アクセスニーズの拡大ということを改めて感じさせていただいた期間ということでございました。   業務全体が拡大をしている,多様化しているという状況であるかと思います。   まだまだ対応の不十分な点はございますけれども,この評価委員会におきまして忌憚のない御意見,御指摘を頂きまして,我々として,次の計画にもつながるような,そういった更なる改善,検討をしていきたいというふうに思っているところでございます。   ちょっと長くなって恐縮でございますけれども,私の方から改めてお礼と,忌憚のない御意見を頂きますことをお願い申し上げまして,御挨拶とさせていただきます。   本日はどうもありがとうございました。 伊藤委員長 板東理事長,ありがとうございました。   それでは,引き続きまして,法テラスから評価項目の前半部分の説明をお願いいたします。 犬木部長 法テラス本部総務部長の犬木でございます。   令和2年度の業務実績及び第4期中期目標期間における業務実績見込みについて,まず前半部分として項目1−1から2−12までを御説明いたします。   なお,主に令和2年度の実績について御説明した後,必要に応じ,中期目標期間の実績を御説明いたします。   また,B以外の自己評価とした項目,重要度,難易度が「高」とされた項目など,十分な御説明の必要があると思われる項目を重点的に御説明させていただきます。    項目1−1は,常勤弁護士を除く「職員の配置及び能力の向上」に関するものです。   職員の採用につきましては,利便性の向上及び新型コロナウイルス感染症対策の観点から,一部オンライン試験を導入したほか,中途採用試験等を実施するなど,多様な人材を確保できるよう努めました。   配置につきましては,各地方事務所の取扱件数や業務の平準化・事務の合理化の観点も十分考慮して行うほか,働きやすさの確保を目的とした転勤特例制度,組織の活性化を目的としたジョブポスティング制度を導入しました。   また,階層別研修については,新型コロナウイルス感染症の影響により,集合研修が実施できませんでしたが,オンライン研修やDVD教材を用いた研修など,全国の職員を対象に,研修の目的,内容に応じた適切な方法で実施し,業務に関する知識習得,能力向上に努めました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を継続し,中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    次に,項目1−2は,「常勤弁護士の採用,配置及び資質の向上」に関するものであり,難易度が「高」とされております。   常勤弁護士の採用につきましては,新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ,オンラインを活用した就職説明会を開催するほか,ホームページやSNS等を利用した情報提供を行うなど,広く常勤弁護士への応募を促し,さらに,内定者フォロー体制の整備も続け,法曹経験者3名を含む24名の採用に至りました。   また,配置の必要性等の検証結果を踏まえた配置を継続し,未配置だった地方事務所に常勤弁護士を新たに配置したこと,常勤弁護士に対する様々な研修を開催できたことなどの実績もありました。   常勤弁護士は地域の司法アクセス改善に向けて取り組んでいるほか,大規模災害の被災地の支援も積極的に行いました。   しかしながら,常勤弁護士1人当たりの事件処理数について,平成30年度から減少が続いていることから,この項目につきましては,令和2年度及び見込評価における自己評価をCとしました。    次に,項目1−3は,「一般契約弁護士・司法書士の確保」に関するものです。   本部及び地方事務所において関係機関と連携し,説明会や協議会を実施したり,説明資料を配布するなどして,一般契約弁護士・司法書士が提供するサービスの質の向上を図るとともに,一般契約弁護士・司法書士の確保に努めた結果,民事法律扶助契約,国選弁護・付添人契約,被害者参加弁護士契約,DV等被害者法律相談援助契約のいずれにおきましても,平成30年度から令和2年度までの間の各年度において契約者数が増加しました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を継続し,中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    次に,項目1−4は,「事務所の存置等」に関するものであり,重要度,難易度ともに「高」とされております。   被災地出張所につきましては,震災特例法が令和3年3月31日をもって効力を失うこと等を踏まえ,関係機関等との協議を継続して行った結果,同日をもって南三陸出張所等,五つの出張所を廃止することとしました。   扶助・国選対応地域事務所と司法過疎地域事務所は,令和2年度中の新規設置や統廃合は行いませんでしたが,司法過疎地域事務所につきましては,日本弁護士連合会との間で従前の定例会議に加え,新たに作業部会を設けるなどして,引き続き,新規設置すべき地域を検討し,関係機関との協議を進めております。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成できたものと考え,自己評価をBとしました。   また,見込評価についても,中期目標期間中に池袋出張所を東京地方事務所に統合したことや,扶助・国選対応地域事務所と司法過疎地域事務所をそれぞれ1か所ずつ廃止したことなどを踏まえ,目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    次の項目1−5は,「関係機関等との連携強化」に向けた取組状況に関するものです。   令和2年度は,通称フレスクと呼んでおります外国人在留支援センター内に本部国際室を設置し,運営協議会や各種の検討会,勉強会を通じて,フレスク入居機関との連携を深めたり,外国人支援者向けのオンラインセミナーを実施するなどして,外国人支援に関する連携強化を図りました。   また,地方公共団体,福祉機関・団体に対する業務説明を618回実施しました。   新型コロナウイルス感染症の影響により対面による業務説明が困難となる中,従来とは異なる新たな取組を開始しており,YouTube動画を作成するなど,次年度以降の業務説明体制の充実も図りました。   一方,地方協議会については,新型コロナウイルス感染症対策の観点から,オンライン方式による会議のほか,代替措置として資料送付,アンケート方式を認めるなど連携の維持強化に努めましたが,地方協議会を開催した地方事務所は48事務所,実施回数の合計は57回となりました。   以上を踏まえ,令和2年度の自己評価はCとしました。   令和3年度は,令和2年度の地方協議会の結果や聴取した意見を踏まえた新たな連携の在り方を検討し,新たな取組を活用しながら更なる連携強化を図っていく予定です。   また,外国人の支援について,国際室を中心に関係機関とより一層連携していくほか,DV被害についても,全国の配偶者暴力相談支援センター等と連携を深めていく予定であり,以上を踏まえると,見込評価につきましては,中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    次に,項目2−6は,「適切な情報提供の実施」に関するものです。   新型コロナウイルス感染症対策のための業務縮小の影響を受けてコールセンターの対応件数が減った一方で,ホームページに掲載した新型コロナウイルス感染症Q&Aページの閲覧者数は8万2,000人を超え,メールによる情報提供も5万8,000件を超えるなど,新型コロナウイルス感染症の影響に即した方法による情報提供について実績が増加しております。   また,令和2年7月豪雨に関しても,ホームページ上に特設ページを開設した上でQ&Aを掲載したほか,法テラス災害ダイヤルと名称変更した被災者専用のフリーダイヤルによる対応体制の整備を行い,迅速な情報提供に努めました。   そして,外国人のニーズへの対応として,フレスク内に設置した国際室におきまして,同一フロアに複数の機関が入居しているというメリットを生かし,他の機関との同席相談を実施するなど,ワンストップでの支援に努めております。   また,電話による多言語情報提供サービスでは,新たにインドネシア語を追加し,合計10言語での対応が可能となりました。   満足度調査については,5段階評価のアンケートで,コールセンターでは4.8と高水準を達成し,全体の平均でも4以上の評価を得ることができました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標を上回る成果を達成できたものと考え,自己評価はAとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を充実させていくなどして中期目標を上回る成果を達成できる見込みであるため,自己評価をAとしました。    次の項目2−7は,「法教育事業」に関するものです。   地方事務所において,相続や成年後見をテーマにした企画,図書館と共催した企画,大学の授業に組み込んだ企画など,一般市民向け法教育を実施しました。   また,新型コロナウイルス感染症対策として,各地で試行的にオンライン方式による企画を実施しました。   年度計画については,新型コロナウイルス感染症対策のため,年度の途中に実施回数及び参加人数に関する数値目標は定めない計画に変更しましたが,結果として,一般市民向け法教育を全国各地で合計100回実施し,合計5,425人の参加を得ることができ,感染症対策との両立を図りつつ,厳しい状況下であっても高い水準の成果を得ることができました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標を上回る成果を達成できたものと考え,自己評価はAとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を充実させていくなどして中期目標を上回る成果を達成できる見込みであるため,自己評価をAとしました。    続いて,項目2−8は,「民事法律扶助業務」に関するものです。   まず,高齢者,障害者等に対する支援の充実につきましては,客観的なデータを基に各地域の司法アクセスに関する課題を把握し,これを解決するための計画を策定し,実行する地域戦略という取組を全国で開始しました。   なお,この取組では高齢者,障害者,生活困窮者に限らず,遠隔地に居住する市民や外国人等に対する支援も対象としております。   福祉機関等との連携を契機とした法律相談援助件数の総数は,令和元年度は6,584件,令和2年度は5,240件となり,いずれも基準値とした6,941件を下回りました。   令和2年度に減少した主な原因は,福祉機関等との連携を契機とした法律相談の主な対象者である高齢者・障害者が新型コロナウイルスに感染することを懸念して利用を控えたことと思われます。   新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴い,感染リスク回避のため,当初,全国的に面談による法律相談を縮小・中止しましたが,令和2年5月からは電話等相談援助を実施し,その後,4万788件の実績に達しております。   民事法律扶助業務の利便性の向上につきましては,弁護士会,司法書士会など関係機関と連携,協力しながら専門相談の充実を図るとともに,専門相談を標榜するか否かにかかわらず,相談内容に配慮した相談運営を行い,利用者の利便性の向上に努めました。   また,増加傾向にある外国人利用者のニーズに応えるべく,通信端末を利用した通訳方式を令和3年2月より導入して相談体制を充実させました。   そして,被災者法律相談援助におきましても,令和元年台風第19号に継続して対応するとともに,令和2年7月豪雨でも日本弁護士連合会,災害発生地の弁護士会,司法書士会と連携して迅速に援助をスタートさせ,約9か月間で4,077件の相談実績を上げました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価については,福祉機関等との連携を契機とした法律相談援助件数を中期目標期間を通じ増加させるという指標の達成は困難な見込みです。しかしながら,電話等相談援助の実施による新たなニーズへの対応のほか,三つの災害における被害者法律相談援助の適切な実施,利用者の利便性向上に資する取組を継続していることなどを踏まえると,中期目標は達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    続きまして,項目2−9は,「国選弁護等関連業務」に関するものです。   国選弁護人及び国選付添人の迅速かつ確実な選任態勢を確保するため,支部を含む全ての地方事務所において,関係機関との間で延べ448回の協議を行うとともに,刑事弁護等に関連した研修,協議会等を延べ125回行いました。   また,被疑者国選弁護事件については,新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下におきましても指名通知業務を継続して行い,全事件の99.9%で24時間以内の指名通知が行われております。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標を上回る成果を達成できたものと考え,自己評価はAとしました。   また,見込評価につきましても,同様の取組を充実させていくなどして中期目標を上回る成果を達成できる見込みであるため,自己評価をAとしました。    続いて,項目2−10は,司法過疎地域事務所の設置以外の「司法過疎対策業務」に関するものです。   従前に引き続き,関係機関・団体との協定に基づく巡回相談を実施するなどして巡回相談を活用しました。   また,巡回相談を開催していた関係機関・団体の施設を指定相談場所化して法律相談を実施するなど,関係機関・団体との連携を深め,司法過疎対策の効率的かつ効果的な方策を実施しました。   新型コロナウイルス感染症の影響により,面談相談の実施が難しい状況が続きましたが,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価につきましても,同様の取組を継続し中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    続きまして,項目2−11は,「適切な(犯罪被害者)支援・援助の実施」に関するものであり,重要度は「高」とされております。   こちらにつきまして,全ての地方事務所において関係機関・団体から法テラスに対する意見等を聴取するとともに,本部におきましても被害者支援に携わる関係機関との意見交換を行うなどしてニーズを把握し,業務の改善に役立てました。   また,二次被害防止をテーマとして,被虐待児への初期対応技術に関する研修を本部等の職員を対象に実施しました。   さらに,神奈川県の犯罪被害者支援機関における取組を学び,これを録画したDVDを全国の地方事務所・支部に配布して研修内容を共有しました。   関係機関との連携に関しては,特に新型コロナウイルス感染症の影響に伴うDV被害が懸念されたため,内閣府の関係部署と改めて連携を確認し,支援現場での連携強化を目指しました。   この受皿となるDV等被害者法律相談援助については,民事法律扶助同様,令和2年5月から電話等による利用を可能としたこともあり,令和2年度の相談実施件数は対前年度比151件増の983件となりました。   実績の内訳では依然として児童虐待の相談が少ないため,児童に向けた制度周知のポスター及びポケットカードを引き続き配布し,令和2年度では新たに4県の全小中学校及び公立図書館に配布しました。精通弁護士紹介につきましても,登録弁護士数が令和元年度を88名上回る3,869名となり,犯罪被害者支援に精通している女性弁護士も全ての地方事務所で複数名確保することができました。   以上を踏まえ,令和2年度は所期の目標を上回る成果を達成したものと考え,自己評価をAとしました。   また,見込評価については,平成30年度,令和元年度の評価も踏まえ,中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価はBとしました。    続いて,項目2−12は,「被害者参加旅費等支給業務の適切な実施」に関するものです。   被害者参加旅費等の支給について,裁判所,法務省等と情報を共有し,恒常的に裁判所と連携を図りながら適切な支給に取り組みました。   令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により,特別な事情の検討を要する請求が増えましたが,全請求の97.9%について目標期間内に支給することができました。   以上を踏まえて,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価についても,中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    前半部分の御説明は以上となりますが,この機会に,令和2年度に作成しましたYouTube動画の一部を皆様に御覧いただきたいと思っております。   関係機関との連携のために作成した「法テラスの使い方〜地域福祉機関との連携〜」,一般市民向け法教育のために作成した「3分で解説!養育費の請求のしかた」の2本でございます。   では,まず「法テラスの使い方〜地域福祉機関との連携〜」から御覧いただきたいと思います。皆様から見て右手側のモニターに映されます。 (動画上映)   このように,福祉機関との連携の例を挙げまして,法テラスの使い方について説明をしているところでございます。   では,もう1本,「3分で解説!養育費の請求のしかた」を御覧ください。 (動画上映)   動画の再生は以上となります。   ありがとうございました。 伊藤委員長 御苦労さまでございました。   それでは,ただいま説明いただきました項目,多岐にわたっておりますが,どの点からでも結構ですので,委員の皆様方からの御質問等をお願いいたします。   内田委員も,よろしくどうぞお願いいたします。   職員や常勤弁護士の採用,活動,研修,あるいは,先ほど御説明がありましたフレスクにおける活動など,様々な実績についての説明がございましたので,どうぞ御遠慮なく御発言ください。 奥山委員 評価委員の奥山でございます。   質問というよりは,確認ですけれども,1−1の説明の中に,ジョブリターン制度を継続して適用したという説明がございました。   実際このジョブリターン制度を利用してもう一度復職したという方は、この年度で何名ぐらいいらっしゃるか,教えていただければ有り難いと思います。 犬木部長 総務部長の犬木からお答えします。   令和元年度に1名ございまして,令和2年度につきましてはゼロ名でございました。 奥山委員 ありがとうございました。 伊藤委員長 よろしいでしょうか。   どうぞ,長内委員,お願いします。 長内委員 長内と申します。   2−8,こちらに主要な経年データということで表が載っておるわけですけれども,その中の震災法律援助実施件数というところを見ていきますと,平成30年度の代理援助件数が216件,それから元年度が100件となっているのに対して,平成2年になって678件ということで,かなり違いが出ていますが,この辺の事情を何か御存じであれば教えてください。   よろしくお願いします。 設楽部長 第一事業部長の設楽からお答えいたします。   震災法律援助につきましては,件数は減少傾向でございますが,令和2年度は原子力損害賠償訴訟の控訴審の援助をいたしました。   したがいまして,一審で既に援助している利用者の皆様が,判決が出て,ちょうど控訴審が始まるタイミングで援助をいたしましたので,これは原審と控訴審はそれぞれ別の事件としてカウントしておりますので,控訴審分が一気に増えたと,こういう事情でございます。 長内委員 ありがとうございました。   伊藤委員長 増田委員お願いいたします。 増田委員 2−6の適切な情報提供の実施のところで,前年度よりも件数が減少されているという状況ですけれども,その背景として業務縮小があったと思います。   これはほかの相談業務におきましても同様の傾向がございまして,私たちの消費生活相談窓口も直接対面はお断りして,電話での相談も相談員を自宅待機させたり,交代ということで,非常に縮小した中で業務をして,なおかつ社会的に混乱がありましたので,相談件数は多分多かったと思うんですね,それをさばくに当たって,出勤しているときの業務が非常に多忙になっているという状況がありました。   そういうことも考えますと,応答率が高く,かつ満足率も高いというようなことからすると,非常にオペレーターの方も御苦労されたんじゃないかなというふうに思うんですけれども,その辺のオペレーターの方の状況はどうだったのかなというところを一つお伺いしたいということと,もう1点,フレスクの件ですが,これは非常にすばらしい取組だなというふうに思っております。   特に,こういう取組というのは小さい,例えば各自治体がそういうことをやると非常に効果的だし,電話であちこち回されるのではなくて,一つの所に行って,そこで解決できるというのは非常に有効な方法だと思うんですけれども,1か所ではなく,できれば地方で実施していただくといいなという希望はあるんですが,その辺の今後の予定とかいうことがおありなのかどうか,2点お伺いしたいと思います。 伊藤委員長 ただいま増田委員からの2点についての御質問について,いかがでしょうか。   理事長からですか。 板東理事長 フレスクのような取組が地方でもできないかという件について,私の方からお答えをさせていただきます。   地方においてはワンストップセンターというのができておりますし,また,ワンストップセンターでなくても国際交流協会などが相談を受ける業務をやっているということがございます。   そういうところと地方の中核的なワンストップ窓口と連携をするというのを今,心掛けているところでございます。   まだちょっと全体での取組が全部整備し終わっているわけではございませんけれども,そういった地方でのワンストップセンターとの連携というのがますます重要になってくるかと思います。   フレスクのように同じ場所に居を構えてというのは難しいかと思いますけれども,つないでいただくとか,あるいは指定相談場所などをそういったところの関係に設けて,相談における連携が図れるようにというような取組は始まってきているというところでございます。 伊藤委員長 それでは,センターの方から御説明をお願いします。 設楽部長 第一事業部長の設楽から,コールセンターの情報提供の関係で,コールセンターの方の状況を中心に御説明させていただきます。   御指摘のとおり,感染症の拡大に伴いまして,コールセンターのオペレーターも対応時間を短縮して運用する時期が1か月半ほどございました。   そのために,短縮した分,電話がつながらないという状況が生じてしまい,コールセンターでは,年間の応対数も減少しております。   ただ,その分,電話がつながらない方が地方事務所に直接お問合せを頂いたり,それから,メールでのお問合せなどの二次的な方法でお問合せを頂いているのではないかと想像しております。   したがいまして,コールセンターの方では,特にオペレーターのシフトを急遽変更するとか,そういうことはせずに,若干その応答率は上がりましたので,その分のストレスは掛かったかと思いますけれども,何とか対応することができたと,こういうふうに承知しております。 伊藤委員長 増田委員,よろしゅうございますか。 増田委員 はい,ありがとうございます。 伊藤委員長 他の委員の方で御質問等,お願いいたします。 内田委員 内田ですが,よろしいでしょうか。 伊藤委員長 どうぞ,内田委員。 内田委員 すみません,映像がちょっと今,見えない状態になっています。   声は聞こえますでしょうか。 伊藤委員長 大丈夫です。 内田委員 2点ほど確認したいことがございます。   1点目は2−8の,これは59ページになるんでしょうが,「電話等相談援助」の4万788件のこの数字というのが,資料の9の32ページ,そこの「法律相談件数」の一番下の29万860に含まれるという理解でいいのか,その資料,次の33ページの震災法律援助の「法律相談件数」の4万7101という中にも分かれる形で含まれるのか,そこの確認をしたいというのが1点でございます。   もう一つは,これも確認的なことですが,評価項目でいいますと2−7の「法教育事業」,55ページの左側の「1」の二つ目の,「具体的な取組としては,」で始まる段落の中で,「年度途中に年度計画を変更し,同感染症に係る問題に直面した社会や国民生活の状況に応じた内容とするとともに」というのは,面談相談を実施したことと併せて,すばらしいことだなと思っておりました。   それで,具体的にどのようなことかと思って,私が確認できたのは,資料47の番号でいいますと97番の活動内容の中に,「コロナ対応の政府の支援策及びその申請先の説明(関連する社会保障制度)」というのが出てきましたので,これが相当するんだと思いますが,ほかに見つけられなかったので,どういった活動をその法教育事業の活動としてされたのか,この点に関して御教示いただきたいというのが二つ目でございます。 伊藤委員長 内田委員,よろしゅうございますか。   ただいまおっしゃった2点ですね。   第1点目が,59ページの電話等相談援助の4万788件,この数字の内容について。   それから,もう1点は,法教育で55ページの,この資料47との関係で,ここでの記載の具体的な内容についての御質問がございましたが,法テラスの方々,よろしゅうございますか。 設楽部長 まず,御報告をいたしました電話相談の件数ですけれども,こちらは法律相談,扶助相談の全体数に含まれる数字でございます。   それから,震災での電話相談というのがございますけれども,これと扶助相談を電話相談の総数には含んでおります。 内田委員 はい,分かりました。   ありがとうございます。 伊藤委員長 法教育の関係はいかがでしょうか。 設楽部長 続きまして,法教育につきましてですが,コロナの関係を直接取り上げましたオンラインの法教育につきましては,資料47の97番でございます。   それ以外のものは,資料47で一覧にされているものが各地で実施された法教育ということになりますが,感染症に対応してオンラインを採用したものは,開催場所のところにオンラインと記載しております。   資料47の御説明になってしまいましたけれども,このような御説明でよろしかったでしょうか。 内田委員 はい,結構です。 伊藤委員長 内田委員,よろしゅうございますか。 内田委員 はい。 伊藤委員長 ほかにはいかがでしょうか。   どうぞ,増田委員。 増田委員 給付金の詐欺的な問題というのがありまして,これは消費生活センターに寄せられてもどうしようもない,御自身が犯罪に関わってしまっている状況があり,こういう自身が犯罪者にならないための教育というのが今後ますます必要かなと。   だまされて,被害者になるばかりじゃなくて,特に若い方は犯罪者にならないというのはすごく重要だと思うんですけれども,テーマの中にブラックバイトとかいうのがありまして,そういうことを今後,テーマとして取り上げていただきたいなということと,そういう方の相談窓口として,相談してくる方はまだましだと思うんですけれども,受入れをするようなところがあるといいなというふうに,ちょっとハードルを下げた受入れというか,相談受付みたいなのがあるといいなというふうにちょっと思っています。 伊藤委員長 ただいまの増田委員の御発言に関して,いかがでしょうか。 設楽部長 それでは,続きまして設楽の方からお答えいたします。   御指摘のとおり,だまされないための法教育というのがスタンダートなメニューではございますけれども,知らないうちに犯罪に巻き込まれないという教育テーマは,成人年齢が引き下げられますことと併せまして,今後必要が高まると承知しております。   若年成人向けの広報でございますとか,法教育でございますとか,そうしたことに力を入れてまいりたいと考えております。 伊藤委員長 増田委員,いかがですか。 増田委員 ありがとうございます。   大丈夫です。 伊藤委員長 いかがでしょうか。   どうぞ,奥山委員。 奥山委員 2−8のところで,タブレット型の通信端末の導入,それからYouTube動画の作成,先ほど見せていただきましたけれども,非常に新しい技術を積極的に導入していただくというのは大変評価できるとかと思っております。   この新型コロナによって,人々がいろいろなところにアクセスすることができる人とそうでない人に大分差が出てきている。人によってはある程度の年齢になってしまうとYouTube動画ということについてアクセスできない,昔ながらの対面だとかチラシしか見ることができない,一方,若い方はそういうものは利用しないということがはっきりしました。この新しい,YouTube動画がどのぐらいの再生回数があったかお分かりになりますでしょうか。 伊藤委員長 どうぞ,お願いいたします。 高橋部長 常勤弁護士総合企画部長の高橋でございます。   企画室担当もしておりますので,私から御説明いたします。   YouTubed動画公開からちょうど2か月たちますが,今朝確認したところ,先ほど御覧いただきました「法テラスの使い方〜地域福祉機関との連携〜」の再生回数につきましては520回となっています。   一般市民向けに作成した動画の再生回数につきましては,「3分で解説!養育費請求のしかた」は若干落ちまして172回ですが,「3分で解説!法テラスの使い方」は1,231回となっております。 奥山委員 ありがとうございました。   是非とも対象なり中身は,どういう人が専らアクセスするかを考えてやると,限られた予算の中での活動だと思いますので,その辺も今後,研究なさって,ますますこうした便利なツールを利用するのがよいのかなと感じました。 伊藤委員長 ほかにはいかがでしょうか。   どうぞ,池亀委員お願い致します。 池亀委員 池亀でございます。   よろしくお願いします。私からは書類作成援助について1点,お尋ねをしたいと思います。   コロナの関係で司法書士会も研修などを実施するのに非常に難儀をしておりますので,法テラスの業務に関して対面が原則というところを,感染症対策をどのように乗り切っていくのかということは実際,私自身も会務の中で直面しておりますので,大変な御苦労があるということはもう重々承知しております。   既に弁護士の先生方,御案内かと思いますが,司法書士の合格者が簡裁代理の認定を取るときに受講する,法務省の方で実施をされて連合会が実施主体となっている特別研修においても,全て対面でしたので非常に苦労があったわけですが,一部オンラインにしたことで,今年,私,10年ぶりぐらいにチューターというものを担当して,オンラインで授業をさせていただいたということを経験いたしました。   その中で,茨城の受講者を,遠くても受けられるということで,千葉の会場だったんですが,私が担当した中で,債務整理の仕事をやりたいんだと,先生,どのようにしたらいいんでしょうかということを聞かれたときに,まずこの特別研修を,100時間あるわけですが,欠席をせずに全部受講して,そして,法務省が実施する考査に受かって,まず認定司法書士になって,そして,あと,研修などの実施の数が少ない状況ではあるけれども,日本司法書士会連合会の研修ポータルサイトに債務整理の研修がたくさん載っているので,それを受講して,そして法テラスの契約司法書士になるのだというふうにお勧めをしました。   それで,新人にとってみれば,どこから仕事が来るのかというようなことで,一番弱い人たちの力になりたいと言っている新人の熱意にどう応えるといいのかなということを考えまして,その茨城の書類作成援助の数字がどのぐらいになっているのかなというのが見たくて,資料を送ってくださいとお願いをした次第でした。   それで,資料の38ページになるんですかね,それを拝見しますと,ばらつきがこんなにあるのかというのを拝見しているところですが,茨城ですと多重債務事件で6件の自己破産があって,その他1件で,7件しかないんだなというふうに思ったんですが,一方,神奈川などでは197件あったり,静岡165件あったり,福岡197件とか,100件を超えてくる地方事務所もある一方で,一桁,二桁でも十数件台というような状況になっている。   私自身が司法書士ですので,連合会に問合せをすることももちろん必要だというふうに承知しておりますが,こういうふうに差が出るということについて,何か数字が上がる事務所と上がらない事務所の違いというものを法テラスさんの方で承知されているのか,例えば,持込みの件数がすごく多い事務所だとか,あるいは職員の方々が書類作成援助に関して何かアプローチをされているような取組があるのか。   以前,視察に行かせていただいたときに,愛知の地方事務所の本体じゃなく支部の方に行ったときにちらっと拝見したのは,書類作成援助の勧めという,多分連合会が作成したものを活用されていて,電話のそばに置いてくださったのかな,有り難いなというふうに思っていたんですが,そういうものを活用していただいているので,こういう数が上がっているところがあるということなのか,そんな違いがもしあれば,連合会としても参考になるなと思うので,違いを,もしあれば,教えていただけたらなというふうに思います。 伊藤委員長 ただいまの書類作成援助に関する地域差と申しますか,それについて何か御説明があれば,お願いいたします。 設楽部長 第一事業部の設楽から御説明いたします。   書類作成援助の利用がどのぐらい進んでいるかにつきましては,様々な要因が実はございます。   例えば神奈川では,昨年,相談料は司法書士会様の方に御負担いただき,モデル事業として書類作成相談をセンター内で実施をいたしました。   その際に,書類作成相談にどういう問合せを振り分けるかということを事前に協議いたしまして,その上で実施をしたと,こういう経験がございます。   やはり,まず利用者からの第一報に対して,どのようにその後を御案内するかによっても書類作成援助の件数は違ってまいります。   また,司法書士相談が,持込みになるという件数が多い地域もございます。   ですので,一律の理由ではないんですけれども,幾つかの要因が作用して,増えた年,あるいは減った年というのが生じているように思われます。   また,情報提供専門職員の勉強会などに司法書士の副所長の先生が深く関わっておられるような場合も,異なってまいります。 池亀委員 ありがとうございます。   今年,私は実は書類作成援助を利用させていただいて自分の業務を行わせていただいたんですが,基準が高いとか安いとかということでなしに,一つ利用をやめたケースがありまして,というのは,代理援助だったんですが,この金額を頂くとちょっと高いので,もっと安くならないんですかというふうに利用者の方から言われました。   やはり借金で悩んでいるという方については,どうしても費用を負担するということが難しいという方が多い中で,弁護士先生に依頼するメリットも私は十分存じ上げていますし,一方,費用を節約するという面から言って,司法書士の書類作成援助を利用する場合も有用な部分もあるのではないかというふうに推測する部分がございます。   どのような形で進めていくのがよいのか,もちろん連合会とも協議をしながらということになるかと思いますが,是非利用者さんの立場から,費用が少なくて済む書類作成援助が進むような方策を共に考えていただけたら助かりますという御要望で,最後,終わらせていただきます。   ありがとうございました。 伊藤委員長 ありがとうございました。   和気委員,どの点でも結構ですが,御質問等ございましたら。 和気委員 すみません,1点だけ。   多言語対応につきまして,相談件数が増えているというのは大変望ましいことだと思うんですが,コロナ禍において失業ですとか解雇というようなこともあり,外国人の方が非常に苦境に立たされているというのは皆さん御存じのとおりかと思います。   一旦解雇等されますと,在留資格がそこでなくなるということで,実際に現場で悲惨な,医療が受けられないですとか,いろいろな状況は不法滞在の状態になってしまってから起きてくることも多く,そうなると,ますます御本人がこういう司法相談というようなところに自ら出向こうということにはならないので,更に問題が悪化してくるというのが一般的な状況だと思うんですけれども,そういう意味で,すごく予防的に,そういう状態になる前に,様々な相談をしておくということがいろいろな現場で必要になってくると思うんですけれども,質問としては,外国人の方が法律相談をすると,一般の日本人でも非常に壁が高いのに,更に言語ですとか文化ですとか,日本の制度を知らない外国人の方が相談するというのは非常に壁が高いだろうなというふうな状況のときに,どのように,先ほどのYouTube等で若者やシングルマザーですとか,なかなかそういう役所からの通知とかを見ない方に向けてのメッセージだったかと思いますが,この外国人の方に対して予防的な視点というものを含めて,相談に是非来てくださいというような方策というのは具体的になさっていますでしょうか。 伊藤委員長 この点はいかがでしょうか。 冨田室長 法テラス,国際室の冨田です。   よろしくお願いいたします。   今,入管もコロナで帰国困難の方にはかなり広めに在留資格を認めているので,御指摘の新型コロナウイルス感染症の影響で不適法滞在になった結果の生活困難という方には余り会っていないんですけれども,在留資格が短期しか認められない結果,コロナの経済支援策を受けられないという方とか,あるいは,もともと旅行の短期滞在で来ていたのに帰国困難となり旅行保険が切れてしまい,医療給付も受けられず困っているという方は,フレスクの方に結構相談が来ています。   御質問の点ですけれども,確かに日本人よりもはるかに壁が高いと思っています。   この点を何とか解消したくて,支援者向けのオンラインセミナーというものを始めてみました。   こちらは参加資格として,実際に支援団体やワンストップ支援センターで働いている方から,日本語以外の言葉ができて,周囲の外国人を支援したい方,例えば,同胞を日本国内で支援したい留学生であるとか,日本語学校で働いている職員とか,そういった個人まで対象にしております。   こういった方たちが実は一番先端で困っている方に直面するのだろうと考えています。給付金なども,レストランでたまたま会った日本人に書き方を教わる,青年海外協力隊のOB・OGなどが書くのを手伝っているというのを聞きまして,支援者が少しでも法的知識を持って私たちと身近になってくれることで,法的支援につなげていけたらなと思っております。 伊藤委員長 和気委員,いかがですか。 和気委員 あとは,いろいろなチラシとか,何かそういうものとか,ホームページで宣伝する場合も,多言語で書いていただくとか,そういうのも役立つかなと思います。   ありがとうございました。 伊藤委員長 それでは,前半部分の予定終了時間になってまいりましたが,一旦ここで休憩を取ることにいたしますが,よろしゅうございますか。   それでは,ただいまより約10分間,休憩を取りたいと思います。           (休     憩) 伊藤委員長 それでは,再開いたします。   後半の御説明に入る前に,前半の御説明に対して法テラスから若干,補足をしたいというお申出がございましたので,お願いいたします。 設楽部長 それでは,第一事業部の設楽から2点ほど補足して御説明をいたします。   一つは,電話相談についての御説明です。   もう一つは,外国人向けの情報提供に関するものでございます。    まず,電話相談につきましては,資料2−8関連でございますが,電話相談4万788件のうち,これに震災電話相談が含まれるかどうかにつきまして,先ほど震災電話相談も含んだ数というふうに御説明をしてしまったかと存じますが,震災電話相談は震災法律援助として法テラスの扶助相談と別に管理をしておりまして,4万788件は全て扶助相談でございます。震災法律援助の電話相談につきましては,今,具体的な数字が手元にございませんが,確認ができましたら御報告できるようになると存じます。   続きまして,外国人への情報提供サービスでございますが,中間支援者への研修なども始まったばかりでございまして,合わせて,昨年はホームページ上で10言語に対応できるような,まずホームページ本文の説明と,それからQ&Aとして,よくあるお問合せに関するQ&A,これは日本語でも作成しておりますが,リーフレットのような形で,問合せに関するリーフレットを何種類か作成しまして,これをやはり10言語に翻訳してホームページにアップしてあります。   また,コロナ特有のQ&Aにつきましても,外国語でのQ&Aをホームページ上に上げまして,ホームページで公開をしております。   補足して説明させていただきました。   ありがとうございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   第1の点は内田委員からの御質問に対する点,第2は和気委員からの御質問に関する件でございますが,よろしゅうございますか。 内田委員 はい。 伊藤委員長 それでは,法テラスから評価項目の後半部分の説明をお願いいたします。 犬木部長    では,後半部分として,項目3−13から5−24までを御説明いたします。    まず,項目3−13は,「一般管理費及び事業費の効率化」に関するものです。   一般管理費及び事業費につきまして,経費削減を推進し,効率化係数が織り込まれた厳しい予算額の範囲内で効率的な予算執行を達成しました。   また,業務の内容に応じて職員を柔軟に配置し,給与体系につきましても,労働法規を考慮しつつ,国の制度に準じた内容の給与規程を維持するなどして人件費の合理化・効率化を図りました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価につきましても,同様の取組を継続し中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    次の項目3−14は,「情報提供業務」に関するものです。   1コール当たりの運営経費は増加しているものの,新型コロナウイルス感染症対策として行ったコールセンターの業務縮小等により対応件数が減少したことや,オペレーターの待遇改善のため,これまで支給していなかった賞与を支給したことなどによるものでありまして,無理からぬ面があったものと考えております。   一方で,コールセンターでは入電傾向を分析し人員配置を工夫することで,前年度を上回る応答率93.3%を達成しました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,コールセンターの経費は令和2年度に引き続き令和3年度もオペレーターの待遇改善を予定しているために増加する見込みですが,対応件数は増加傾向にあることから,1コール当たりの運営経費は令和2年度より減少する見込みです。   また,応答率は中期目標期間を通じ90%以上を達成しているため,見込評価につきまして,自己評価もBとしました。    続いて,項目3−15は「民事法律扶助業務」に関するものです。   専門審査委員の活用,事務手続の平準化を行い,全ての地方事務所において書面審査,単独審査を活用する体制を整えるなど,事務手続の合理化を図ったことから,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価につきましても,同様の取組を継続し中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    続いて,項目3−16は,「国選弁護等関連業務」に関するものです。   報酬算定に対する不服申立てにつきましては,報酬算定業務の本部集約後も地方事務所による再算定を可能としております。   令和2年度は地方事務所限りで再算定した件数が大きく減少しましたが,これは契約約款をめぐる不服など,本部での処理が相当といえる複雑な事例が多くを占めるに至った結果であり,本部及び地方事務所の適切な業務分担による手続の合理化を図っております。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を継続し中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    続いて,項目4−17は,「自己収入の獲得等」に関するものであり,難易度は「高」とされております。   寄附金収入獲得への取組につきましては,使途特定寄附金制度やしょく罪寄附に関するチラシなどの配布に加え,法テラスのホームページ等を通じ寄附金募集の呼び掛けを行うなど,寄附金獲得に向け様々な方策を実施しました。   また,常勤弁護士の有償受任等による自己収入の獲得につきましては,常勤弁護士に対する研修等の機会に自己収入の確保の必要性や重要性を認識させることにより,各地域の実情に応じた自己収入の確保に努めました。司法過疎地域事務所での有償受任による自己収入は,事件数が大幅に減少した中でも微減にとどまりました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価につきましても,同様の取組を充実させていくなどして中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    続いて,項目4−18は,「民事法律扶助における立替金債権の管理・回収等」に関するものであり,重要度,難易度,いずれも「高」とされております。   立替金債権の管理・回収については,継続的な償還を確保するべく,生活用口座からの引き落としを推進するとともに,償還を滞納した被援助者に対してはコンビニエンスストア用の収納用紙を送付する手法を多く用いて,償還を促しました。   また,償還が見込めない立替金債権の償却を促進するため,本部による一斉償却を実施したほか,免除申請に関する事務を本部に集約して事務の合理化も行いました。   こうした取組により,償還率は令和元年度の89.7%から91.6%,償還滞納率は令和元年度の37.3%から33.1%に向上しております。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標を上回る成果を達成できたものと考え,自己評価はAとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を充実させていくなどして中期目標を上回る成果を達成できる見込みであるため,自己評価をAとしました。    次の項目4−19は,「財務内容の公表」に関するものですが,所期の目標を達成したと判断し,自己評価はBとしました。   また,見込評価につきましても中期目標を達成することができる見込みであるため,自己評価をBとしました。    続いて,項目5−20は「業務運営の体制維持」ですが,この項目も所期の目標は達成したものと考え,自己評価をBとしました。   また,見込評価についても,中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    続いて,項目5−21は,「内部統制の確実な実施」に関するものです。   ガバナンス強化のため,本部では執行部会を開催するとともに,決定事項を速やかに全職員に伝達し,地方事務所においても本部同様に執行部会議を毎月開催しました。   また,常勤弁護士の業務におけるガバナンス強化の取組としては,法律事務所の運営に関する規程について改めて周知したほか,業務研修において法律事務所マネジメントに関する研修を実施しました。   さらに,法律事務所代表会議を開催し,法テラスの各種規程や手続の周知等を図りました。    次に,監査については,令和2年度においても監事監査をはじめとした各種監査を実施したほか,過年度の監査結果を踏まえたフォローアップ監査を2地方事務所において実施し,監査結果の改善状況を確認しました。   また,監査技術の向上に資する研修を積極的に受講することで監査の充実強化を図りました。   そして,内部統制強化とコンプライアンスの推進については,内部統制推進委員会の下部組織として設置した業務管理小委員会では,各種監査における指摘事項について業務改善策の検証を行い,コンプライアンス小委員会では職員に対するコンプライアンスの意識の向上を図りました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を継続し中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    続いて,項目5−22は,「情報セキュリティ対策」に関するものです。   この点について,まず,「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準群」の改正を受け,支援センターの情報セキュリティ対策基準及び関連する規程を改正しました。   また,本部職員を対象とした標的型攻撃メールの訓練や,全職員を対象とした情報セキュリティ教育を実施するなどしました。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を継続し中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    次の項目5−23は,「業務内容の周知を図る取組の充実」に関するものであり,重要度は「高」とされております。   業務内容の周知の指標としての業務認知度は16.4%で,昨年度とほぼ同水準を維持しております。   名称認知度におきましては昨年度から減少しておりますが,これは新型コロナウイルス感染症の拡大による行動や意識への影響も考えられることや,平成26年度以降,50%超は維持できていることなどから,一定水準は達成した数字と考えております。   また,業務内容の周知を図る取組として,新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛などを踏まえ,外出先で目にするサイネージ広告を取りやめる一方で,インターネット広告の見直しや対象エリアに絞った新聞,テレビ広告などを実施しました。   また,ホームページの運用については,利用者が必要な情報を得やすいように掲載内容を定期的に見直した結果,ホームページの年間ページビュー数は1850万3418で,昨年度から10.85%増となっております。   以上を踏まえ,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価についても,同様の取組を継続し中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。    最後の項目5−24は,「報酬・費用の立替・算定基準」の検討結果の適切な反映に向けた取組状況に関するものです。   民事法律扶助の報酬・費用の立替基準,国選弁護等関連業務の報酬・費用のいずれについても,日本弁護士連合会と定期的に協議を行うなどしたことから,令和2年度の所期の目標は達成したものと考え,自己評価はBとしました。   また,見込評価につきましても,同様の取組を継続し中期目標を達成できる見込みであるため,自己評価をBとしました。   説明は以上となります。 伊藤委員長 ありがとうございました。   後半部分も多数の項目にわたっております。   特に,コールセンターの運営,実効的な情報提供の在り方,あるいは法テラスについての認知度などにつきましては,委員の皆様方の御関心が深いところかと承っておりますが,どの点からでも御質問等をお願いいたします。   中村委員,どうぞ。 中村委員 中村でございます。   それでは,2点,御質問させていただきます。   1点目は,最後の方で御説明いただきました広報の部分でございますけれども,認知度が下がったというところにつきまして,例えば車内広告等が減少したというような分析も頂いているかと思うんですが,一般的というか,ちょっと考えますと,既に周知されている方が知らなくなるということは余りないのかなというふうに考えたときに,もしかするとアンケートの対象先とか,そういうところの差とかもあるのかなという気もしたのでございますが,この数値の測り方といいますか,どういう対象で調べていただいているのかというところを一つ御教示いただければと思います。   もう1点は,内部統制のところなんですけれども,内部統制といいますと,法務省さんが主催というか,されている業務でございますし,弁護士さんが多く関わっているということで,余り問題が発生するということは想定しにくいのかもしれませんけれども,企業等の内部統制でいいますと,何か問題,例えばですけれども,この現場の事務所で何か事件があったとかいうこともあるかもしれませんけれども,そのときの報告体制みたいなところはどのようにされているかというところについて,御教示いただければと思います。 伊藤委員長 では,お願いいたします。 犬木部長 総務部長の犬木からお答えします。   まず,1点目の広報における数値の取り方についてでございます。   まず,平成30年度から令和2年度,つまり昨年度においてでございますけれども,こちらの調査方法自体はインターネットでございます。   対象者についてですけれども,全国,まず9ブロックに分けていまして,そこにおける20代,30代,40代,50代,60代以上の男女計100名,合計4,500名からアンケートを行っていると承知しております。   参考までに,このアンケートを行った調査会社でございますけれども,令和元年度と令和2年度は変わっており,いわゆるアンケートパネルが異なることも認知度が低下したことと影響しているものと承知しております。   さらに,御参考までに申し上げますと,昨年度におきましてベンチマーク調査,比較のために用いる指標として,国民生活センター等でございますけれども,こちらの関係機関8機関のうち6機関も認知度が下がっておりまして,最大6.7ポイント減少しているところもあるようでございます。   1点目は以上でございます。    2点目につきましては,問題の内容によるというところもございます。   例えば,基本的には人事課に情報を上げてもらって情報を集約するものの,内部通報的なものについては総務課が窓口になっておりまして,その対象となるような不祥事と申しますか問題によって,報告が上がってくる部署が違ってきております。 伊藤委員長 中村委員,いかがでしょうか。 中村委員 ありがとうございました。   今の点につきましては,周知というか,問題が起こったときにどちらに報告,どういう形ですればいいかというのは周知がされているという理解でよろしいでしょうか。 犬木部長 こちらについては周知されております。 中村委員 ありがとうございます。 伊藤委員長 よろしいですか。   それでは,他の委員の方々,お願いいたします。 奥山委員 奥山でございます。   今,ガバナンスの関係の御質問と御回答をお聞きしておりました。   それで,2点ほどお聞きをしたいことがございます。    1点は,執行部会がおおよそ月2回ペースで,22回も開催されているということで,大変立派なことだなと思います。   この情報を業務報告書の方には多分,記載の項目が決まっているので,書かなくてもいいのかなと思うんですけれども,書けるようだったら,これだけやっているので,書いたらいかがでしょうか。   月1回ぐらいの組織も結構あるので,記載したらよろしいかなと思います。   その上で、お聞きをしたいんですけれども,業務報告書では,理事の方は常勤の理事の方と非常勤の理事の方に分かれております。   非常勤の理事の方にも業務分担が記載されていますけれども,非常勤の理事の方の負担が大き過ぎるのではないのか。もちろん理事長が総理をするので,現実的には,実務部隊と理事長直結ということはあると思いますけれども,実際,各非常勤の理事の方々は,こうした自己の業務分担について理事会等で何か御報告というのはなさるのか,その辺をお教えていただけると有り難いと思います。 板東理事長 それでは,私の方からお答えをさせていただきます。   それぞれ業務分担を持っておりますので,担当の部課と一緒に理事打合せといいますか,一緒に打合せの場には出ていただくということは,多少頻度は担当によって違いますけれども,ございます。   ただ,執行部会で御報告いただくときは,担当の部長なり課長なりからしていただくということで,理事が取りまとめて御説明をするというものではないということで,ちょっとそこの御負担は軽くなっているかなというふうに思います。   いずれにしろ,それぞれの分野で非常に経験を持った方々でございますので,その正に経験,見識を最大限,発揮していただいているという状況でございます。   ただ,できるだけ負担は軽くということですけれども,そういう業務分担が決まっているというのは,かなりほかの法人に比べても,ユニークなところかなという感じもいたします。 奥山委員 ありがとうございました。   引き続きもう1点,これは質問というよりは,提案あるいは感想ですけれども,オンラインによる監査の一部,内部監査ですか,情報収集を実施したとあります。コロナ禍なので当然,対面を避けるということは非常にいいことだと思います。   多分,会計監査人の方も同様の手法を取っているかと思いますので,新型コロナがある程度収束しても同様の方法が多分,会計監査人の方は続く可能性が高うございます。   もしできたらそうした手法を学び,もしくは教えていただいて,内部監査の方も利用していくと,非常に短時間で効率的に監査もできると思います。これにより実施監査の方も効率的にできると思いますので,その辺も会計監査人と協調し,連携したらいかがかなというのが私の提案あるいは感想でございます。   ありがとうございました。 伊藤委員長 その点は御検討いただきますようにお願いいたします。   ほかにはいかがでしょうか。   コールセンターの運営などに関しまして,何か御質問はございますでしょうか。   どうぞ,奥山委員。 奥山委員 今,委員長からコールセンターということで,これは確認でございますけれども,今回,コールセンターの運営経費は,オペレーターへの待遇改善のため賞与を支給したということで,これは、昨今の状況から見ればやむを得ないかと思います。これは多分,一時的じゃなくて,今後も継続されるのではないかと思っております。そうした意味では,710円,740円から815円になってもおかしくはないかなと思います。   その上で今回,対応の件数も減ったので1コール当たりの単価は高くなったということで,これも理解もできることだと思います。   今後,また新型コロナの感染が増えてきたときに,先ほどシフトその他,いろいろお話があったと思いますけれども,効率的に何かできるようにしていただかないといけないと思います。なかなか今,コールセンターもやる方が非常に少のうございますので,集まらなくなる可能性があると思いますので,そこは御留意していただいた方がいいかなと思います。 伊藤委員長 ただいまの点,いかがでしょうか。 設楽部長    第一事業部の設楽から補足してお答えをさせていただきます。   委員のお話のとおり,優秀なオペレーターを確保し続けるということは,かなり困難な情勢に入っております。   したがいまして,待遇の改善ももちろんですが,研修の充実も併せて行って,応答率もそうですけれども,応答の内容,対応内容の向上にも努めてまいりたいと思っております。   ありがとうございます。 伊藤委員長 そのほかの御質問等はございませんか。   どうぞ,長内委員。 長内委員 今,オペレーターの採用についてお話がありましたが,その中で,優秀なオペレーターの採用が非常に困難になってきているんだとのお話がありました。   その原因についてもう少しお話していただければと思います。 設楽部長 まず,私どもが運営しているコールセンターは,そもそも問題を抱えてお問合せを頂くということで,商品の説明ですとか物品の販売ですとか,そうしたことに比べてマニュアル化が大変難しいコールセンター業務になっております。   Q&Aのデータベースを充実させたり,研修で対応の訓練を積んだり,あるいは自分の対応状況のログを聞いて,それを基に指導を受ける等,様々な対策を行っておりますが,研修を受けること自体も大変な状況でございます。   原因については,やはりオペレーターの業務に使命感を持っている方を見つけ出さなくてはいけないということと,それから,やはりコールセンターが増えて人の取り合いになっているという部分,マーケットの問題とコールセンターの業務の特徴という2点ほど大きく,原因としては挙げられると思います。 長内委員 ありがとうございました。 伊藤委員長 よろしいですか。   もし他に御質問,御意見がございませんようでしたら,法テラスから説明いただきました業務実績評価につきまして,監事からの御意見をお願いしたいと思いますが,よろしいでしょうか。 松並監事 それでは,監事の松並から意見を申し上げます。   まず,法テラスの業務全般についてですが,これまで御説明いただいた業務実績評価にありますとおり,全般的には適正に運営されていると思います。   その上で,以下の3つの個別的観点から私の意見を申し上げます。    まず第1は,項目1−2の「常勤弁護士の採用,配置及び資質の向上」についてです。   まず,常勤弁護士の採用人数についてです。   平成24年度からの減少傾向の中,平成30年度は過去最少の15名にまで落ち込みましたが,令和元年度は25名,令和2年度は24名を採用するに至り,若干の回復傾向が見られます。   これは,法テラスにおいて常勤弁護士の魅力等を学生に周知し,司法修習生に対する就職説明会を継続的に実施するなど,様々な工夫,努力を地道に行ってきたことが寄与していると思われます。   ただ,令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策のため就職説明会が思うように開催できず,司法研修所の法テラスにおける選択型実務修習が不実施となるなど,例年と比較いたしまして制約の多い状況でした。   また,司法試験の合格者数はここ3年を見ても漸減傾向にあり,昨年は1450人にまで減少しております。   このような状況にあっても採用人数をおおむね維持できたのは,オンラインによる就職説明会の工夫,ホームページの改良,あるいはスタッフ弁護士によるFacebook等を活用した情報の発信等,法テラス挙げての種々の取組が功を奏したものと思われ,一定の評価ができるのではないかと思っております。    次に,常勤弁護士の配置についてですが,令和2年10月,兵庫地方事務所に法律事務所を開設し,常勤弁護士を配置しております。   昨年度もその準備状況について御報告しておりますが,日弁連との連携のおかげをもちまして,平成25年の法テラス大阪法律事務所以来の地方事務所の本所に併設される新規の法律事務所を開設することができました。   今後,当地域の法的ニーズに応じた更なる法的サービスの充実を図れるものと期待しております。   ただ,全体の常勤弁護士の配置という観点から見ますと,常勤弁護士の新規採用に力を入れているとはいえ,その配置人数は平成26年度末の252名をピークに減少しており,令和2年度末時点で194名にまで落ち込んでおります。   これは平成30年度に過去最少の採用人数になったことや,近年の退職者数増加などが要因と考えられますが,年度計画において「総合法律支援の取組に意欲的で国民の期待に応えることのできる人材の確保」という点が挙げられている以上,更なる努力と工夫が求められるところです。    また,常勤弁護士1人当たりの事件処理件数についても,令和元年度の34件から30件に減少しており,その内訳としては民事法律扶助件数の減少が要因です。   令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により,従前のような対面での法律相談が困難となり,扶助事件を受任する機会が減少したことなどが影響していると思われますが,掲げられている達成目標は常勤弁護士1人当たりの事件処理件数が前年度比3%増となっていることを踏まえると,目標を大きく下回っていると言わざるを得ません。   このように,常勤弁護士の採用及び配置,資質の向上については,法律事務所の新設や採用活動に関する取組を評価できるものの,常勤弁護士の配置人数が伸び悩み,事件処理件数が減少していることについては厳しい評価とならざるを得ません。   よって,年度評価及び中期目標に対する見込評価としては,いずれもC評価となるのはやむを得ないと思われます。   ただ,各地の常勤弁護士においては地域戦略や司法ソーシャルワークなど,事件処理件数の増加に直接結び付くとまではいかないものの,地域の司法アクセスの改善に向けて熱心に取り組んでおります。   また,令和2年7月豪雨で大きな被害を受けた熊本では,巡回法律相談を企画するなど被災者支援にも積極的に取り組んだことなど,事件処理件数だけでは測ることのできない実績もあり,今後は業績を評価するに当たり,このような個々の取組にも着目し,指標としていくことが必要ではないかと考えております。    次に,第2の点といたしまして,新型コロナウイルス感染症の影響が顕著な項目について,幾つか申し述べたいと思います。   令和2年度においては新型コロナウイルス感染症が法テラスの業務に多大な影響を与え,年度計画も変更されたところであり,同感染症の影響を強く受けたと思われる主要業務について,まとめて意見を申し上げます。   まず,情報提供業務の中心となるコールセンターの業務実績を見ますと,対応件数は前年度比約4万5000件の減となっております。   コールセンターは仙台1か所にオペレーターを集約して業務に当たっており,昨年4月20日から約2か月間,オペレーターの出勤人数を5割から8割程度に減らすなどの方策を取ったことが要因で,対応件数の減少に直結しました。   これらの措置は感染対策上やむを得なかったと考えられ,その後もクラスター発生を防止するため可能な限りの対策を取ってきており,この観点からは適切な運営がなされていると思います。   このような情報提供業務に制約がある中,法テラスのホームページに掲載した同感染症関連のQ&Aについては,令和2年度の閲覧人数が8万2000人以上に達しており,また,メールによる情報提供件数が5万8000件以上となっております。   これは,コロナ禍において様々な不安,トラブル等に直面した国民に対し,法テラスが寄り添い,そのニーズに応えるべく,可能な限りその役割を果たそうとした結果であると思われます。    次に,民事法律扶助業務ですが,このコロナ禍にあって法律相談援助,代理援助のいずれも件数が減少しています。   法テラスの法律相談は,従来,面談によることを前提としていたため,その影響を大きく受けたものと思われます。   このような中で,令和2年5月から始めた電話等相談援助は,実施件数が4万件を超えるに至っております。   当然ながら,面談による法律相談援助の方が適切かつ有効であり,件数だけで評価できるものではありませんが,コロナ禍においても利用者が法律相談をしやすいよう速やかに対応を図り,新たな援助の在り方を模索し,一定の結果を生み出した点は十分に評価でき,今後も期待するところです。   もう一つの柱である国選弁護等関連業務及び犯罪被害者支援業務についても,総じて新型コロナウイルス感染症に対応しながら業務を適切に継続したと評価できるところです。   これらの各業務執行におけるコロナ禍での対応は,令和3年度も工夫,改善を積み重ねながら適切に継続することが見込まれるため,中期目標期間内も同様に評価することができると考えております。   今後は,新型コロナウイルス感染症への対応を契機として,大規模災害や想定外の事象が起こった場合の業務継続体制について更なる検討を深めるなど,非常時においても業務の質を維持し,国民が求める法テラスの役割を迅速に遂行できるような組織的取組を推し進めることを期待したいと思っています。    第3に,項目1−5の「関係機関等との連携強化」について意見を申し述べます。   法テラスは令和2年7月に,先ほど来話題に出ております,外国人在留支援センター,通称フレスクに本部国際室を設置しました。   フレスクでは複数の関係機関が在留外国人の相談に対応しており,国際室は共同で相談を受けたり,相互に相談者を引き継ぐなどの連携を図り,その効果を上げています。   とりわけフレスク内では各機関の垣根を越え,事例検討会や勉強会を開催し,外国人支援者向けのセミナーを実施するなど,在留外国人の法的支援を総合的,包括的に行い得る連携体制を構築しつつあり,この点は非常に評価できると思っております。   関係機関等との連携強化は今後ますます重要性を持つことは言うまでもなく,例えば令和2年度は,深刻化するDV被害への対応として,内閣府男女共同参画局との組織的な連携・協力体制を強化したことは評価するに値すると思われます。    他方,コロナ禍にあって,やむを得ず令和2年度の年度計画を変更し,地方公共団体,福祉機関・団体への業務説明について,回数目標を定めない方針を取らざるを得ませんでした。ただ,最終的には618回の業務説明を実施し,新型コロナウイルス感染症の拡大に対する取組に関する業務説明も95回実施することができました。今後も業務説明の実施には困難があるものと見込まれますが,対面によらない業務説明の手段・方法も模索することが重要であり,今後そのような取組が実を結ぶことを期待しております。    一方,地方協議会の開催実績という面では,年度計画において各地方事務所が1回以上,地方協議会を開催し,関係機関との意見交換等を通じて緊密な連携を図ることが求められているにもかかわらず,令和2年度は実施に至らなかった地方事務所が2事務所ありました。   これについては,その原因等を十分に省み,今後の改善を期待すべき事項であろうと思われます。   項目1−5の年度評価については,地方協議会の開催状況を踏まえると厳しいものにならざるを得ませんが,令和3年度においては国際室が1年を通じて連携強化の実績を上げることが期待できるほか,DV被害については全国の配偶者暴力相談支援センター等とも連携を深めていく予定であるため,これらの点を踏まえ,中期目標を達成できる見込みであるという自己評価については理解できるところと思われます。   私の意見は以上です。 伊藤委員長 ありがとうございました。   ただいま松並監事より,第1は常勤弁護士の採用活動等,第2はコロナの各種業務に対する影響,第3は関係機関との連携強化の在り方について,それぞれ課題の指摘と評価についての御意見を頂きました。   これらにつきまして,委員の方々より更に御意見があれば承りたいと存じます。   どうぞ御自由に御発言ください。   どうぞ,池亀委員,お願いします。 池亀委員 昨年も話がちょっと出たかなとは思うんですけれども,勤務されている弁護士の先生方の評価について,先ほども3%増加という,処理事件数でしたか,それが達成できていないのでということがあって,それが目標値として掲げられているというところがあったかと思います。   私が評価委員を拝命してから数年がたつ間に,いろいろ常勤弁護士先生方の職務の範囲というのが広がっていて,あと視察に行かせていただいたときにも感じたことですが,なかなか件数のアップというところだけで弁護士先生方の勤務の評価というのは難しいのではないかということを去年もちょっと申し上げたような気がしています。   これ,年度評価が終わりますと,また新しい目標をお立てになるということになりますよね。   そのときに是非,やはり3%増加を維持するとしても,別な評価の方法を何か掲げられないものなのかなというふうに感じています。   いろいろな御意見やお話を視察のときに聞かせていただく中で,単に件数だけだろうかということをやはり感じますので,それをやはりうまく評価できる仕組みが,ちょっと私も勉強不足で,すぐにこういう方法がよいのではないかということを御提案申し上げるところまでには至ってはおりませんが,是非そういう仕組みみたいなものが考えられたらよいのではないかなということを,また重ねてお伝えさせていただければと思います。   よろしくお願いします。 伊藤委員長 ただいまの池亀委員の御指摘に関して,現在の段階で法テラスの側,あるいは監事の方々からお話しいただくことはございますか。 高橋部長 常勤弁護士総合企画部長の高橋から一言申し上げたいと思います。   大変有り難い御意見,ありがとうございます。現在の中期目標期間の指標としましてはこのような指標を頂いておりますので,私どももこの指標の中でさせていただいております。   ただ,例えば出張相談をスタッフ弁護士が担っている割合ですとか,特定援助相談等を担っている割合等,そうしたものは内部的にはデータとして持っており,また,その点についてはスタッフ弁護士の方に積極的に実施するように申し伝えているところでもありますので,そうしたところも参考にしていただきながら,次期の指標を検討していただきたいというふうに考えておりますし,そうした資料も今後,法務省等にも提供していきたいと思っております。 池亀委員 3%が達成できていないので,やはりCですね,みたいになるのはちょっと,そうかなという,それはちょっと疑問なしとしないなというのが私の考えですので,付け加えさせていただきます。 伊藤委員長 ありがとうございました。 澁谷参事官 すみません,事務局からも補足して申し上げます。   先取り的なお話で恐縮でございますが,今年度,令和3年度,今,正に中期計画の4年目ということになってございます。   来年度が新たな中期計画期間1年目,始まるところでございますが,今年度末までに,来年度から始まる新しい中期計画,中期目標について定めるということになってございます。   ですので,実は,先取り的な話で申し訳ございませんが,恐らく来年2月,3月頃にまた評価委員会を開催させていただきまして,来年度から始まる中期計画,中期目標の案について,また,その案の中身につきましては今御指摘いただきましたような指標,法テラスの業務実績を評価する指標の在り方についても御意見いただくことになろうかと存じますので,その際にも頂いた意見等を踏まえまして検討しつつ,またもろもろの法テラスを取り巻く諸事情等も御説明しながらお諮りしたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 伊藤委員長 ありがとうございました。   他に先ほどの監事の御報告に関して御発言はございませんか。   それでは,またここで10分ほど休憩を取りたいと存じます。           (休     憩) 伊藤委員長 再開をいたしまして,引き続き,議事(3)の令和2事業年度財務諸表に関する法務大臣承認に当たっての意見について,入りたいと存じます。   法テラスから財務諸表等についての説明をお願いいたします。 丸山課長 財務会計課長の丸山でございます。   令和2事業年度財務諸表等につきまして御説明申し上げます。   資料につきましては,お手元の緑色のファイル,財務諸表というタイトルが付いた資料のB−1からB−3まででございます。    まず,B−1の財務諸表についてでございますが,財務諸表は法人単位財務諸表と一般勘定及び国選勘定の勘定別財務諸表の計3種類により構成されております。   次に,B−2の事業報告書でございますが,これは当センターの業務運営の状況の全体像につきまして,概要情報等の開示を行うものでございます。   さらに,資料B−3の決算報告書は,年度計画において定めました予算の区分に従い,決算の状況を表示するものでございます。   以上3点の令和2事業年度財務諸表等につきましては,監事による監査報告におきまして,会計処理は適正に行われているとの評価,また,独立監査人の監査報告書におきましても無限定適正意見を受けておりますことをあらかじめ御報告申し上げます。    それでは,法人単位の財務諸表により概要を御説明申し上げます。   財務諸表の1ページから19ページとなります。    まず,貸借対照表について御説明いたします。   貸借対照表は,期末時点における法人の資産,負債及び純資産の状態を示すものでございます。   令和2年度末現在の資産合計は255億5500万円であり,前年度末との比較で18億1400万円増加しております。   これは,現金及び預金が19億4300万円増加したことなどが要因でございます。   負債の合計は234億2100万円であり,前年度末との比較では16億8000万円増加しております。   これは,運営費交付金債務が16億2600万円増加したことなどが要因でございます。   次のページの行政コスト計算書について御説明申し上げます。   行政コスト計算書は,損益計算書上の費用及びその他行政コストに分類して,当期発生した全ての行政コストを記載したものでございます。   損益計算書上の費用は合計325億6100万円であります。   その他行政コストは該当がございません。    続きまして,次のページの損益計算書について御説明申し上げます。   損益計算書は,法人の運営状況を明らかにするため,当期の費用と収益を記載したものでございます。   経常費用は合計325億6100万円であり,前年度との比較では21億1500万円減少しております。   これは,民事法律扶助立替金の減少等の結果,貸倒引当金繰入額が17億2800万円減少したこと,契約弁護士報酬が4億8200万円減少したことなどが要因でございます。   他方,経常収益は合計326億9500万円であり,前年度との比較では25億2600万円減少しております。   これは,資産見返運営費交付金戻入が16億9500万円,運営費交付金収益が4億8700万円減少したことなどが要因でございます。   以上から,1億3300万円を当期総利益として計上しております。    続きまして,次のページの純資産変動計算書について御説明いたします。   純資産変動計算書は,貸借対照表の純資産の部に計上されている,資本金,資本剰余金,利益剰余金の当期変動額を明らかにしたものでございます。   当期の業務運営の結果,利益剰余金が1億3300万円増加いたしました。    最後にキャッシュ・フロー計算書について御説明申し上げます。   キャッシュ・フロー計算書は,資金の動きを示すものでございます。   当期のキャッシュ・フローにより資金期末残高は99億5800万円となっており,期首残高との比較では17億4300万円増加しております。   これは,業務活動による民事法律扶助立替金の支出の8億5600万円の減少等が要因でございます。   財務諸表に関する説明は,以上でございます。    なお,決算報告ではなく業務実績報告に関し,1点,おわび申し上げます。   財務会計課は毎年度,業務実績報告として契約状況を御報告申し上げておりますところ,昨年度は評価委員会へ提出した資料に掲載すべき契約が2件漏れていたことが判明し,追加報告をさせていただいたところでございます。   こういった事態が生じてしまったことを真摯に受け止め,業務フローを変えるなど,再発防止に努めているところでございます。   大変申し訳ございませんでした。 伊藤委員長 ありがとうございました。   それでは,次に監事の御意見をお願いいたします。 山下監事 先ほど丸山課長から御報告があったところと重なる部分が多いかと思いますけれども,御報告させていただきます。   財務諸表のうち貸借対照表については,令和2年度と令和元年度とを比較して,資産が18億1400万円,負債が16億8000万円増加しています。   資産については,現預金が長期短期合算して17億4300万円増加,有形固定資産の償却が進んだことによって1億6800万円の減少,負債に計上しております退職給付引当金の見合いとして計上した退職給付引当金見返が2億3400万円増加したこと等によるものであります。   負債については,運営費交付金債務が16億2600万円増加,リース債務がリース期間の進行に伴い長期短期合算して3億3300万円の減少,退職給付引当金が2億3400万円増加したことなどによるものです。   運営費交付金債務については,翌期の民事法律扶助業務に対する想定を超える件数の援助申込み等に対応するため,新型コロナウイルス感染拡大による雇用情勢等の悪化に伴う労働・多重債務関係事件の大幅な増加への備え等のため27億4500万円が計上されておりまして,翌期における予算の適正な執行が望まれます。   損益計算書については,令和2年度は令和元年度と比較して経常収益が25億2600万円減少,経常費用が21億1500万円減少しております。   経常費用については,人件費が業務費及び一般管理費合わせて5300万円増加,新型コロナウイルス感染症に関する支援情報周知等による広告宣伝費が4100万円増加している一方で,民事法律扶助立替金の順調な回収に伴いまして,貸倒引当金繰入額が17億2800万円減少,コロナの影響による事件数の減少に伴い,契約弁護士報酬が4億8200万円減少しております。   経常収益については,貸倒引当金繰入高の減少等に対応して資産見返運営費交付金戻入が16億9500万円減少し,コロナの影響による事件数の減少に伴いまして,運営費交付金収益が4億8700万円減少しております。   また,同様に政府受託収益も2億2900万円減少しております。   これらを受けまして,令和2年度に係る財務諸表,決算報告書及び事業報告書の会計に関する部分については,会計監査人有限責任あずさ監査法人の監査を経ており,監事の監査報告の中で会計監査人の監査の方法及び結果は相当であると認め,また,事業報告書は法令等に従いセンターの状況を正しく示しているものと認めるとしております。   以上です。 伊藤委員長 ありがとうございました。   それでは,ただいまの財務諸表等についての御説明及び監事からの御意見を踏まえまして,更に本日の議事全体を通じまして,御質問,御意見が委員の方々よりございましたら,お願いいたします。   どうぞ,奥山委員。 奥山委員 詳しい御説明ありがとうございました。   1点教えていただきたいのでございますけれども,財務諸表の12ページに,附属明細書の中に固定資産の増減の明細が付いていると思います。   その中に,ソフトウエアが今年,当期4億6,000万円,増えております。   業務統合管理システム,多分一昨年か昨年なのか,作っておりますという話を伺ったんですけれども,これはいつ利用開始されたのか,もし教えていただければ有り難いと思います。 伊藤委員長 よろしいですか。   お願いします。 丸山課長 財務会計課長の丸山でございます。   業務統合管理システムにつきましては,大きく分けて二つの時点で利用を開始しているというものでございます。   一つは令和元年5月から利用を開始しているというものと,あとは去年の12月に大きな改修,追加の構築が完了して,運用に供しているという状況でございます。 奥山委員 ありがとうございます。 伊藤委員長 よろしいでしょうか。 奥山委員 はい,結構でございます。 伊藤委員長 ほかに御意見,御質問等ございますか。   よろしいでしょうか。   もし追加的な御質問がございましたら,事務局を通じて法テラスに質問いただくこともできますので,事務局宛てに適宜の方法で御連絡をお願いしたいと存じます。   他に特段の御発言がございませんようでしたら,以上をもちまして本日の議事を終了いたします。   最後に,事務局から今後のスケジュール等につきまして御説明をお願いいたします。 澁谷参事官 それでは,事務局から御説明させていただきます。   まず,本日の議事録の作成についてでございます。   従前どおり,事務局におきまして議事録の原案を作成した後,御出席の委員の皆様に内容を御確認いただきまして,最後に委員長に全体を御確認いただきましてから公表するという手順で行いたいと考えておりますが,よろしゅうございますでしょうか。   ありがとうございます。    次に,次回の会議の予定でございますが,御案内のとおり,第68回評価委員会を8月12日木曜日午後2時から午後5時までで予定させていただいております。   その際に,年度評価等の本日の議事事項につきまして評価委員会としての御意見を取りまとめていただきたいと思っております。   取りまとめに当たりましては,本日の御議論を踏まえまして,まずは事務局の方でたたき台の案を作り,来週,7月13日頃をめどに委員の皆様にメールでお送りし,あわせて郵送でもお送りしたいと思っております。   委員の皆様におかれましては,大変恐縮ですが,その次の週の7月21日水曜日の18時までに事務局宛てにメール等で御意見を頂けたらと存じます。   御意見を頂きましたら,事務局で整理いたしまして取りまとめ案を作成し,次回の評価委員会の前に,できる限り早くお伺いしてお示ししたいと考えております。   この間に更に御質問等ございましたら,何なりと事務局宛てにお申し付けください。    また,本日使用した資料の郵送を御希望される委員の方がいらっしゃいましたら,資料をそのまま机上に残しておいていただければ,後日郵送させていただきます。   事務局からは以上でございます。 伊藤委員長 ありがとうございました。   委員の方々におかれましては,御意見をまとめていただく期間が限られておりまして恐縮に存じますけれども,御協力方々,またよろしくお願い申し上げます。    また,本日は法テラスの関係者の方々,理事長をはじめ,御苦労さまでございました。    以上をもちまして本日の評価委員会を終了といたします。   ありがとうございました。 ―了―