法制審議会 戸籍法部会 第14回会議 議事録 第1 日 時  令和5年2月2日(木) 自 午後1時30分                     至 午後2時40分 第2 場 所  法務省20階第一会議室 第3 議 題  戸籍法等の改正に関する要綱案(案) 第4 議 事  (次のとおり) 議        事 ○窪田部会長 それでは、予定した時刻になりましたので、法制審議会戸籍法部会の第14回会議を開会いたします。   本日は御多忙の中、御出席を頂きまして誠にありがとうございます。   それでは、事務当局から本日を含めたこの部会の開催方法等についての御説明をしていただきます。 ○櫻庭幹事 今回もウェブ参加併用の形で行わせていただいておりますので、前回までと同様、御注意いただきたい点として2点申し上げます。まず、御発言中に音声に大きな乱れが生じた場合につきましては、こちらの方で指摘をさせていただきますので、それを踏まえて適宜御対応いただければと存じます。また、発言をされる委員、幹事の皆様におかれましては、冒頭に必ずお名前を名のってから御発言を頂きますよう、よろしくお願いいたします。 ○窪田部会長 本日ですが、衣斐幹事、鷲崎幹事が御欠席と伺っております。   それでは、本日の審議に入ります前に、配布資料等の確認をさせていただきたいと思います。事務当局からお願いいたします。 ○櫻庭幹事 お手元に配布資料目録、議事次第を配布しております。また、事前に部会資料14-1「戸籍法等の改正に関する要綱案(案)」、部会資料14-2「戸籍法等の改正に関する要綱案(案)についての補足説明」をお送りさせていただいております。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、審議に入りたいと思います。本日は「戸籍法等の改正に関する要綱案(案)」について御議論を頂きます。   それでは、「第1 氏名の仮名表記の戸籍の記載事項化に関する事項」につきまして、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 部会資料14-2を御覧ください。部会資料14-2の1ページ、表題の下に記載しております(前注)について御説明申し上げます。前回と同様に、要綱案の案を太字で示し、必要な範囲で補足説明を記載しております。また、部会資料13-1における提案からの変更点に下線を付しております。   部会資料14-2の1ページ、第1の「1 戸籍の記載事項への追加」を御覧ください。第1の1につきましては、部会資料13-1から変更点はございません。   同じく、1ページ第1の「2 氏名の仮名表記の許容性及び氏名との関連性」を御覧ください。これまでの議論を踏まえ、本文の(注)として、市町村長の行う本文第1の2の審査においては、幅広い名乗り訓等を許容してきた我が国の命名文化を踏まえた運用とする、との記載を追加いたしました。   また、補足説明1において本文の規律の趣旨を記載しております。具体的には、本文の規律は、我が国における命名文化や名乗り訓が創造される慣習を否定したり、その創造を制約したりするものではなく、それらを前提とし、常用漢字表の制定経緯や名に名乗り訓が多用されてきた歴史的経緯等を踏まえて、氏名の仮名表記の許容性及び氏名との関連性に係る審査についての規律を設けるものでありまして、国民への周知に当たっては、こうした本文の規律の趣旨についても併せて周知することが考えられるところです。   そして、2ページの補足説明2においては、想定される運用について、従前と大きく変わっておりませんが、これまでの御議論を踏まえた内容を追加しております。主要な点としましては、補足説明2の「なお」から始まる二つ目の段落において、一般に認められているものといえるかどうかの判断は、特に届出を受理するかの判断をする戸籍窓口において問題となるものですが、それが適切に運用されることが重要であり、運用に際しては幅広い名乗り訓等を許容してきた我が国の命名文化を踏まえて柔軟に受け入れることが求められる旨の記載を追加いたしました。   第1に関する説明は以上です。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、ただいまの櫻庭幹事からの御説明を踏まえまして、御質問や御意見がありましたらお伺いしたいと思います。どうぞ御自由に御発言をして頂けますでしょうか。 ○新谷委員 新谷です。どうぞよろしくお願いいたします。私は、第11回の会議だと思いますけれども、戸籍の窓口対応についてお話をしましたが、例えば、窓口に出生の届出がされた場合に、その届書に記載がされている子の名の文字が子の名に用いることができない文字であったときは、届出人の方に、戸籍法に子の名には常用平易な文字を用いなければならないと規定されていますので、お客様が出されたこの文字を用いた届出を受理することができませんでしたというふうに説明することで御理解を頂いているのではないかと思います。ですから、今回の氏名の仮名表記の許容性及び関連性の審査につきましても、同様に戸籍法に規定していただいた方が、届書の審査に当たる担当者としてはお客様の方にも説明しやすいのではないかと発言をしました。   そこで、今、櫻庭幹事の方から説明がございましたけれども、戸籍法部会の資料14-2の補足説明のなお書のところに説明がありましたけれども、幅広い名乗り訓等を許容してきた我が国の命名文化を踏まえ柔軟に受け入れることが求められるということが付け加えられましたので、その運用が幅広くなったように私は思います。このような柔軟性を持たせた内容を法務省民事局長通達で分かりやすく、かつ具体的に示していただければ、戸籍の窓口担当者は助かるのではないかと思います。また、名乗り訓等が、漢和辞典や一般の辞典等に掲載されているものもその一つと思いますが、前回、日刊紙の、いわゆる新聞の記事に氏名にルビが振られているのを見たことがあるという発言をしましたけれども、柔軟に受け入れることが求められるということであれば、このような事例も、氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものとしてもいいのではないかと個人的には思っています。   したがいまして、氏名の仮名表記の許容性及び関連性の審査につきましては、より柔軟に受け入れられればよいと思います。そして、想定される運用の最後のところにも、戸籍窓口において統一的に円滑な審査ができるような内容の法務省民事局長通達を作成することを想定していると書かれていますので、広く情報等を求めて、具体的な内容の通達をお願いしたいと思います。 ○窪田部会長 ありがとうございました。新谷委員からは、戸籍の窓口における状況も踏まえた上で、特に今回、14-2の補足説明のなお書を追加したことで、非常に柔軟性があるということも明確になりましたし、一方で戸籍窓口での統一的な運用についても通達等によって対応することができるのではないかということで、基本的には御支持を頂く御意見を伺ったかと思います。   ほかに御意見はありますでしょうか。 ○笹原委員 笹原です。ありがとうございます。今回、氏名の仮名表記に関して、思い起こすと事前の氏名の読み仮名の法制化に関する研究会もありましたが、御出席の皆様と一緒に命名に関する制度と文化等についてじっくりと考える部会に関わることができて、非常に幸いでありました。今回、要綱を拝見すると、(注)として我が国の命名文化を踏まえた運用ということを明示してくださっていました。きっと事務局の皆様には大変な調整と最大限の配慮をしていただいた結果だと思い、感謝しております。今回この立法化によって、一人一人が日本語や漢字、そして氏名というものについてじっくりと考え直す非常によい機会が設けられたと思っております。これを契機としてこの先も、氏名に関してバランスのよい運用、社会と個人の幸せを促進するような状況が続くように、私も研究者としてできることに努めたく思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。笹原委員からは、第1の2の(注)の追加というのを評価していただいた上で、今回これが命名について考える大変よい機会となったこと、また、バランスのよい運用が今後も続くようにしていく必要があるということについて御指摘を頂いたかと思います。   ほかの委員、幹事の方からは何か御発言がございますでしょうか。   特にございませんでしょうか。すみません、私の手元のタブレットでうまく表示されていなかったようで、藤原委員、それから若月委員からお手が挙がっているということでした。すみませんが、順番がどちらの方か私の方で把握できなかったので、まず藤原委員から御発言いただけますでしょうか。 ○藤原委員 藤原です。本日の部会資料に至るまで、法務省の御担当者の皆様、いろいろと御尽力いただきまして、まず、そのお礼を述べたいと思います。私自身は本日の要綱案の取りまとめに関しては異論を差し挟むものではございませんが、前回若干、第1の2の文言について懸念を持っているということについて申し上げましたので、改めて少し言及させてください。   この文言にならざるを得なかったということは、法務省の方でも大変な調整をされまして、第1の2の(注)を入れていただいたこと、そして、補足説明においても、名乗り訓を始めとして慣習を、幅広に氏名の読み方について許容するという趣旨で盛り込まれたと理解しております。ただ、文言自体そのものに焦点を当てますと、やはり限定的な解釈がなされる懸念や危惧を持っております。ですから、今後法律が成立した場合の民事局長通達のみならず、国民への周知の場面において、この補足説明の趣旨が生かされるように、その趣旨に基づいて明確な説明をしていただきたいと考えております。そして、国民が氏名の仮名表記について不安や懸念を抱くことがないようにしていただきたいと思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございます。藤原委員からは、文言については依然として懸念は持っているということを確認した上で、しかし、文言がこのようにならざるを得なくなった経緯について御理解を頂いたこと、また、その上で今後の運用について、国民が不安を持たないような形で適切に運用されることをお願いしたいという形での御要望を伺ったものと理解いたしました。 ○若月委員 若月です。「一般に認められているもの」という表現は、やはり残らざるを得ないということですが、注記が付きましたし、また、想定される運用のなお書以下、これまで御発言の皆様と同じことになりますが、いろいろ工夫されて、これであれば従来のような感じで行けるのではないかと私自身は思いました。余りよく事情を知らなくて、甘いということもあるのかもしれないとは思いましたが。一般の人として、このように示された場合に、では実際どういうふうに考えればいいのかというところはよく分かるように、通達等で示してもらいたいと思いました。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。若月委員からは、今回の修正された部分も含めて、これであれば何とかやっていけるのではないかということで御了解を頂くとともに、実際の名付け等に際して戸惑ったりすることがないように、適切に周知徹底を図っていくということについての御意見を伺ったものと理解いたしました。 ○大谷委員 ありがとうございます。大谷でございます。皆様と同じように、この要綱案をまとめるに当たっての事務局の御苦心については感謝申し上げたいと思います。この補足説明というのは、この法制審の議論の中では用いられるものの、それが国民であり、あるいは閣議決定や国会の場にそのまま出ていくものではないと思いますけれども、ここにまとめられた許容性についての考え方の本質の部分を、是非閣議決定の場面、そして国会での議論の場面にもいかしていただけるように、そのリエゾンとなられる事務当局の皆様には引き続き御努力いただけるものと確信しております。それを前提といたしますと、一般に認められているものというのは、これまでいろいろ議論されてきたように、仮名表記の読み方そのものが一般に認められているかということよりは、読み方の一般ルールというのでしょうか、例えば、名前を漢字で書かれているものに外国語の読み方を付けるというようなことについても一般に受け入れられてきたといって差し支えないものだと思いますので、そのようなものも含めて一般に受け入れられているという判断をしていくというようなこと、それを共通の認識として、是非立法機関にもこの考え方を引き継いでいただくように強く願っております。   私からのコメントは以上でございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。大谷委員からも、基本的にはこの要綱案の補足説明までを含めた方向での御了解を頂いたものと思いますが、御指摘がありましたように、補足説明そのものは閣議決定等で表になって出てくるものではないですが、むしろその点を踏まえた上で、様々な場面、立法の場面でもこの内容をいかしていく方向で対応してほしいということ、それから、一般に受け入れられているという中には、外国語の言葉についての表記の仕方といったものについても従来からも認められてきているので、そうしたものも含まれるということを前提に運用がなされるように対応してほしいという御意見、御希望を伺ったものと理解いたしました。   それでは、ほかに更に御発言はありますでしょうか。   それでは、第1の点については以上とさせていただきたいと思います。   それでは、続きまして「第2 氏名の仮名表記の収集に関する事項」につきまして、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 部会資料14-2の2ページ、第2の「1 氏又は名が初めて戸籍に記載される者に係る収集等について」を御覧ください。第2の1につきましては、部会資料13-1からの変更点はございません。   同じく、部会資料の2ページ、第2の「2 既に戸籍に記載されている者に係る収集について」を御覧ください。本文について、部会資料13-1からの変更点としましては、本文(9)として、情報提供の求めに関する規律を追加しております。詳細は4ページの補足説明2に記載しておりますが、本籍地の市町村長による氏名の仮名表記の記載の場面、あるいは一般に認められている読み方以外の読み方による仮名表記が現に使用されているものか否かを審査する場面において、特定の者の氏名の仮名表記に関する情報が必要となることが想定されます。そこで、本籍地の市町村長は、本文(1)から(8)までに必要な限度で、関係地方公共団体の長等に対し、戸籍に記載されている者の氏名の仮名表記に関する情報の提供を求めることができるものとすることを提案しております。この規律を根拠として、旅券に記載された氏名のローマ字表記に関する情報の提供を求めることが考えられるところですが、詳細については今後、外務省領事局と調整を進める予定です。   次に、本文の変更点以外に補足説明に記載した内容につきまして御説明申し上げます。3ページの補足説明1として、氏の仮名表記に係る届出人を戸籍の筆頭者としている点に関し、これまでの御議論を踏まえ、整理した内容を改めて記載しております。具体的には、国民への周知に当たっては、同籍者と調整した上で氏の仮名表記を届け出ることが望ましい旨、そして、本籍地の市町村長が氏の仮名表記を戸籍に記載するに当たっては、筆頭者に係る氏の仮名表記が記載される旨を周知するなど、配偶者に対する配慮が必要であると考えられます。   第2に関する説明は以上です。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、ただいまの櫻庭幹事からの御説明につきまして、御質問や御意見がありましたらお伺いしたいと思います。どうぞ御発言ください。 ○舩木委員 舩木です。部会資料14-2の4頁の「2情報提供の求め」の記載と少し関連するところについて、外務省に対して少し教えてもらいたいことがあって、質問させていただきたいと思います。   今回の制度について、外務省の方としては従前のパスポートの記載と同じ記載で届出をしてほしいということが望ましいというのはよく理解できるのですけれども、現実の運用としてはパスポートの記載と異なる届出が出される可能性は十分あり、当該届出を否定できないことより、現実に従前記載と齟齬が生じることがあると思っています。そういう場合に、以前のパスポートの読み仮名というのは公証されていた内容であり、今度届出をした内容が以前のパスポートの読み仮名と異なっているという場合には、それをきちんとまたパスポートに表示しないといけなくなると思っています。そうなると、前の読み仮名と今回の新しい届出の読み仮名というものが二つ出てくるということになるわけですが、そういう場合にはパスポートの記載について工夫をどのようにしようとされているのでしょうか。例えば、(旧読み仮名)とか、そのような括弧書きとかを併記するとか、そういうようなことは考えられているのでしょうか。その辺について検討している内容がありましたら、教えていただきたいと思います。 ○窪田部会長 ただいまの御質問は、それでは、外務省の方にお答えを頂くということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。現時点で固まって答えられる範囲で構いませんので、検討状況等がございましたら教えていただければと思います。 ○廣瀬幹事 ありがとうございます。外務省旅券課の廣瀬でございます。今、舩木先生から御質問いただいた内容なのですけれども、これは前回も少し申し上げましたが、仮に現有旅券と異なる仮名表記を戸籍に記載された場合というのは、戸籍に記載した仮名表記に旅券の記載内容を変更するということを想定しているところです。したがって、今、先生から御指摘いただいたような、仮名表記を併記するということについて検討は特にしていないです。併記をするということはないと思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。舩木委員、何か続けて御発言がございますでしょうか。 ○舩木委員 ということは、以前の読み仮名と新たに届け出られた読み仮名が同一かどうかというのは、パスポート自体では分からないということになりますが、それでも大丈夫ではないかということなのですね。 ○廣瀬幹事 更に少し御説明しますと、公証しているという観点から申し上げると、例えばこの旅券上、氏名がAという記載をしていた場合、それを戸籍上はBとしたという場合は、過去に公証したAの取扱いが問題となり得るのですけれども、外務省としては同一人性の確認自体は氏名の仮名表記だけで実施しているわけではなくて、その他の個人情報、これは顔写真なんかも含めてですけれども、そういうものを総合的に確認しているので、同一人性の確認という観点からは大きな問題は特に生じないかとは思っています。ただ、前回お伝えしたとおり、海外に渡航したり滞在ということを考えると、統一されていることが最もトラブルを避けることができるのだと思うのです。したがって、外務省としては仮に戸籍の仮名表記と旅券に記載されている表記が異なるということになった場合は、速やかに記載内容の変更を申請してもらいたいということをアナウンスするのがよいだろうとは考えております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。舩木委員、よろしいでしょうか。 ○舩木委員 はい、分かりました。 ○冨田委員 ありがとうございます。冨田でございます。私も今の(9)のところで、実際の運用の場面を想定してお尋ねをさせていただきたいのですが、必要な範囲で戸籍に記載されている者の情報の提供を求めることができるということですが、これは(4)、(5)で、1年が経過し届出がない場合には、通知をした上で戸籍に名前を付すことができるとありますけれども、この場面で情報提供を求めるものなのか、どの場面で情報提供を求めることを想定されているのか、タイミングを教えていただきたいのが1点です。   その上で、仮に事前に連携で情報を持っている状態のときに、先ほど舩木先生もおっしゃっていましたが、読み方を変えたいという届出が本人からなされた場合には、本人の届出の内容が優先されるということでよかったか確認をさせていただきたいと思います。   それから、冒頭申し上げればよかったのですが、先ほどの第1の許容性に関する注記と、今回の補足説明で、氏の仮名表記の届出人を筆頭者とすることに対する配偶者への配慮の件などを含めて、様々申し上げてきた意見を踏まえていただいたことに感謝を申し上げます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。冨田委員からは2点、新しく追加された(9)で、情報の提供を求めることができるというのは、どのタイミングのものなのかということで、多分すごく早い段階なのか、比較的終わりの方の段階なのかということ、また、先ほどの点にも関わると思いますが、本人から届出がなされた場合には、それまでのものと異なる場合でもそれが優先するということでよいのかという確認、2点伺いましたが、これについては事務当局からお答えいただけますか。 ○櫻庭幹事 まず、1点目の質問に対してでございますけれども、今想定している方法を一つ申し上げますと、例えば届出の場面でございます。パスポートではこういう表記をしていますと。今回、読み仮名の届出の場面でパスポートを持ってきていないのですけれども、こういう表記ですと、ただ、パスポートは作ってありますといった説明があった場合に、パスポートの表記がどういったものかといったことを外務省の方にお聞きして、今持っていないけれども、パスポートの表記が届け出られた読み仮名と合っているということを確認できるとかですね、そういった場面です。仮の一例ですけれども、本人の届出があって、かつ情報の連携ができる部分については、本人の負担を軽くするような形でできないかといったところを想定しております。これは一場面でございます。   もう一つ、2点目、本人の届出が優先されるかどうかということですけれども、本人が届出をしていただければ、基本的にはそれが優先されるものと考えております。 ○窪田部会長 最初の御質問に関しては、もちろん今のでもお答えになっていたかと思いますが、冨田委員のご質問は、恐らく、あらかじめ戸籍に記載されている者に対して記載しようとする氏名の仮名表記を通知するという場面でこれを使うことになるのか、それとも1年経ったところでそれを書き込むという段階でやるのかという点についてのご質問を含むものであったと思います。これについては特に追加して頂くことはありますでしょうか。 ○櫻庭幹事 そういう意味では幅広く、これは関係機関の長に対して情報提供を求めるということですので、場面として、事前にですね、この条文を当てはめなくてもできるかもしれませんけれども、住民票のふりがな情報をもらうとか、そういった形で連携するといった場面にも使えるかなと思っております。そういった意味では、場面としては最初の段階でそういう情報を頂く、通知する段階で頂くということもあるでしょうし、通知して、本人が届け出て、現にこういう名前を使っていますといったところで、先ほどのパスポートの例ですけれども、確認してみてくださいと言われた場合にも使えるかなというところで、何個かの場面で幅広く使えるかなと考えております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。冨田委員、今のお答えでよろしいでしょうか。 ○冨田委員 私は、部会長がおっしゃっていただいたように、最初の段階でパスポートなどに登録されている名前と突き合わせがされた上で通知がされるのだろうと、そのためにこの規定が追加されたのではないかと思っておりましたが、今の御説明だと、それを想定しているわけではないということでしたので、もしそうであれば、せっかく(9)という形で旅券との名前の突き合わせなども可能になるということですから、可能な限り国民の負担を軽くするためにも、あらかじめ必要な情報を突き合わせた上で通知がされるようにお願いしたいと思いますし、先ほどの名前の許容性の部分もそうですけれども、どういう形でこの通知が来るのか、若しくは届出ができるのかということについては、国民の皆さんがきちんと理解をした上で届出ができるような環境整備も含めて、御検討をお願いしたいと思います。 ○窪田部会長 ありがとうございました。できるだけ早い段階で、持っている情報については突き合わせをしてほしいという御希望、御意見であったかと思います。それについては特によろしいですか。 ○櫻庭幹事 最初の通知、市町村から情報をもらって通知をするという場面では、恐らく住民票のふりがな情報をもって対応するということになるのかなと、考えています。つまり、先生の御意見としては、最初からパスポートとかと連携できたら、パスポートを持っていないかを確認して、持っているということが分かれば、通知の段階でもパスポートの読み方も含めて通知したらいいのではないかというところに趣旨があるのかなと拝察したのですけれども、通知の段階でパスポートを持っているか、持っていないかというところまで選別するのは少し難しいかなと思っております。今の建て付けとしては、悉皆的に振り仮名を付けるとすれば、同じようにある種、悉皆的に振り仮名情報を持っていると考えられる住民票の情報を基調とする。あと、パスポートについては持っている人、持っていない人というのがそれぞれ分かりませんので、本人の申出をトリガーとして、私はパスポートを持っているというふうなことが分かれば、それを確認するために情報連携するということが考えられるのかなというところで想定していたということでございます。 ○窪田部会長 冨田委員、よろしいでしょうか。 ○冨田委員 はい。 ○窪田部会長 恐らく、住民票のデータと違って、戸籍の附票に付いているようなものではないので、パスポートがあるかどうかというのは本籍地の方では分からない、ただ、それについてパスポートを持っているかどうか確認をする手続を入れるかどうかといった点は、検討の余地があるのかもしれないと思いながら伺っておりました。 ○小幡委員 小幡でございます。今のやり取りとも関わるのですが、この記述の中で(5)のところの、施行日後遅滞なく(4)により記載しようとする氏名の仮名表記を通知するというところですが、おそらく、これからいろいろ連携とかをお考えになるので、何に基づき、(4)により記載しようとする氏名の仮名表記になるのかということをここでは書けないと思うので、今の段階では私もこれでやむを得ないと思うのですが、やはり国民にとっては、自分が1年後、もし届け出なかったから記載されることになる仮名表記を誰がどうやって決めているのかというのは、それは当然、興味のあるところだと思いますし、社会的にマスコミ的にも明らかにしてほしいと考えると思われるので、どこかの段階で、これは何だということをある程度明らかにする必要があると思います。それから、先ほどの情報提供の(9)と、実は関わるのですが、今御説明がありましたように、昭和53年の出生届で仮に付けている場合と、そうでない場合と、違うかもしれませんが、今、ともかく市町村が持っているところの、何かデータで仕分する作業をするときに必要な、公証ではないけれども仮名があるというのをおそらく使われるのだと思うのですが、それのことを(9)で情報提供を求めるという話なのですかということを、今の御説明との関係でお伺いしたいです。   さらに、パスポートについては、冨田委員がおっしゃるように気になっているのですが、おそらくパスポートを持っているかどうかというのを全部調べるというのは非常に大変なので、それはできないのではないかと思ったのですが、そうすると、通知する予定のものを、情報提供で取るというのが、何のことなのか。今は要綱案ですので、これでよいと思うのですが、将来的にだんだんこれをもう少し細かく、国民に対して分かりやすく提示する必要があるように思います。   もう1点、舩木委員のお話にも絡むパスポートの件ですが、私も旅券について外務省の方が、もう公証されているということを前にもおっしゃっていたので、そこで少し気になっていたのですが、そうはいっても、逆にいうと、旅券は発行されていても5年とか10年とかで記載事項を変えられますよね。ですから、今回このように戸籍の方で改めて初めて仮名表記が法制度として法律事項になるわけなので、ここがある意味、スタートで、そうすると、こちらが決めれば、もし違えば旅券の方の表示を変えていただくということになるのではないかということを思っていまして、その方がはっきりするのではないかと思った次第です。   そうすると、先ほど旅券の方に情報提供で聞くというお話がありましたが、しかし、住民票の方で持っているもので予定して取りあえず通知をする、つまり、何も届け出なかったらこれですよという通知をする、もしその方が御自身で旅券を持っていて、違うということであれば、多分それを届け出ますね、自分はもう旅券でこうなっていて、このまま使いたいということであれば。そうすると、その旅券を提示して届け出るのですから、それはそれで問題ない話なので、そこで外務省の方の情報提供を受ける必要性はないのではないかという感じがしています。いずれにしても届け出るということが大事で、それで決まるわけなので、旅券の方でそのままやりたい、もしかすると旅券の方を変えたいということであれば、また別ですが、旅券を持っていらっしゃる方が、違うものが予定として通知で来たら、それは旅券の方の仮名表記を届け出ればそれで足りるので、いちいちそこで情報提供を受ける必要性はあるのか。届出のときに旅券を示して届け出るということをしない場合に、それで確認したいということですかね。いずれにしても、それが一般に認められているものというところだけで判断されるのであれば、届け出たもので、それで終わると思うので、少しその辺りが、旅券の方の情報提供は何なのか、初めにしないのであれば、少しそこを疑問に思ったのですが。   いずれにしても私が申し上げたかった一番のメインのところは、(5)のところの何を予定しているのかということをどこかの段階で世の中に明らかにした方がよいのではないかということです。 ○窪田部会長 ありがとうございました。小幡委員から何点か頂戴しましたが、一つは、(4)と(5)ということになるでしょうか、現時点の要綱案としては、もうこの表記でいいのだろうけれども、しかし、これから具体的に国民に情報を周知徹底していく中で、具体的に1年後どうなるのか等、この部分の持っている意味というものについてきちんと伝えるようにしてほしいということ、それからもう1点は、(9)の情報提供の意味ということで、ここでは専ら住民票等のデータを求めるということを想定されていると理解してよいのかということ、それと関連してということになりますが、先ほどパスポートの話がありましたが、パスポートは既に公証されているとはいっても、先ほどの外務省からの御説明にもあったとおり、届出をした場合にはそれが優先するということであれば、パスポートについて確認する必要というのは必ずしもないのではないかという点の御指摘、以上の3点だったかと思います。多分、外務省との関係はまだこれから詰めていかなければいけない点があるかと思いますが、現時点で分かる範囲でお答えいただけますでしょうか。 ○櫻庭幹事 大きい建て付けからいいますと、職権で記載する読み方の情報というのは住民基本台帳のふりがな情報を活用させていただきたいと考えております。それで、実際その通知を受け取る本人も、どういう読み仮名が付けられるかというのは非常に関心があるところだと思いますので、恐らく通知には、届出がされない場合には、住民票の方で管理しているふりがな情報を基にした、この読み仮名が付されることになりますよということで、ある種、出所を明示するというか、住民票のふりがな情報を活用しておりますといったことで明示した上で通知するのかなと思っております。   この(9)は、元々そういう、住民票のふりがな情報を活用できるというようなことも念頭に置いて、この規律というものを考えたところもあるのですけれども、実際、実務上は住民基本台帳と戸籍というのは様々な形で連携しておりまして、住民基本台帳法の解釈でも一応こういった連携ができるのではないかといったこともあります。もちろん、両方を重畳的に適用するという考え方もあるのかなというところで、この規定を提案しております。   具体的にどこで発現するのかというところで、先ほど例示でお知らせしたわけですけれども、パスポートで使っている名前があるときに、実際、読める読み方とは違いますと。パスポートでこういうものを使っているといって読み仮名の届出がされたときにパスポートを忘れたけれどもパスポートは持っていて、パスポート上はこういう読み方ですと。そういった場面では、市町村の方がパスポートではこういう読み方なのですかというふうなことで外務省の方に確認といいますか照会できると、そういったところにも活用できるのではないかということで、この(9)を提案しているところでございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。小幡委員、よろしいでしょうか。 ○小幡委員 はい、出所を明らかにして通知するということでしたので、それでよろしいと思います。旅券の方はよく分からないのですが、要するに、届け出ているものが一般に認められているものであれば問題なくて、それでない場合の話ということで、もしかするとあり得るのかなと、そういうイメージかと思いました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   今、お手が舩木委員、村林委員、外務省、総務省と挙がっていますが、先に外務省、総務省から、多分今の点に関連するかと思いますので、御発言を頂ければと思います。 ○廣瀬幹事 ありがとうございます。一度旅券が発給された後というのは、外国当局との関係で同じ表記を維持する必要がありますので、有効期限とは直接関係なく、有効期限が切れた場合であっても、次の新しい旅券を発給する際には旧旅券の表記等が引き継がれるというものでございます。ただ、もちろん先生方の中にも御経験ある方もいらっしゃるかと思いますけれども、婚姻とか養子縁組、それは記載事項の変更ということで、先ほど申し上げたように、届け出てもらって新しい旅券を申請していただくということになります。したがって、現有旅券で終わるということではなくて、基本的には新しい旅券にも記載事項というのは引き継がれていくというものでございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。引き継がれていくけれども、今回、届出の方が従来のパスポートの読み方と違うものを届け出た場合には、そちらの方が優先して変更するという扱いになるのだと理解いたしました。   総務省からもお手が挙がっていますが、関連することでしょうか。どうぞ御発言ください。 ○寺田幹事 総務省住民制度課でございます。先ほど通知の在り方について御質問があって、法務省の方からお話がありましたが、具体的な在り方は今後検討していく必要があるので、現時点での考え方を述べられたのだと思うのですけれども、いずれにしても、これまで何度か申し上げておりますが、今回、法律によって公証対象となる振り仮名が決まって、それを受けて住民基本台帳等もそれに合わせていこうということで考えております。現在事実上持っている市町村の住民基本台帳に書いてある振り仮名というのは根拠がはっきりしたものではないので、飽くまで参考情報として活用するということであって、それを受けて、今回通知をするに当たっては、戸籍の記載事項として公証対象とするものとして、こういうふうにするということでよいかということを問うということだと思いますので、根拠として住民基本台帳の事実上書いてあるものを使うということではないと理解をしております。その上で、(9)の部分も、今回の加えられた趣旨については、パスポートの関係のことをメインで書かれていると思いますし、法律的な整備と実務と両方、また関係省庁でしっかり連携して検討してまいる必要があると、このように思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。 ○舩木委員 ありがとうございます。今の返答とも関連するのですけれども、まず、この審議会でも話題になりましたが、旅券法第6条1項2号では旅券の記載事項の一つとして「旅券の名義人の氏名及び生年月日」を定めており、その「氏名」について旅券法施行規則第5条2項で、「氏名について国字の音訓及び慣用により表音されるところによる」と定めています。今回のこの戸籍法の改正が成立すると、これらの規定は当然改正されるのだと思っています。例えば、旅券法第6条1項2号は、「旅券の名義人の氏名・氏名の仮名表記及び生年月日」という具合に、氏名と生年月日で特定するとしていたものを、そこが多分、「氏名及び氏名の仮名表記と生年月日」という三つになり、それに合わせて旅券法施行規則第5条2項も、「氏名及び氏名の仮名表記は戸籍に記載されたものによる」等というように、今回、戸籍の届出をすれば、それに基づいて旅券に反映する規定の仕方もそこで多分変わらざるを得なくなるのだろうと思っております。   まず、もしその辺が違っておれば教えてもらいたいのと、今回の(9)のところについては、戸籍と住民票とか住基ネットというのはもう一連で突合できるように、システム上できるようになるけれども、パスポートについては完全な突合ができるようなシステムにまだなっていないのではないかと思っており、そういうところでこの辺の記載がされたのかなと思っていたのですが、それについて、教えてもらいたいという点です。 ○窪田部会長 ありがとうございました。2点ございましたが、1点は、旅券法6条1項2号ですか、これについて手当てする必要があるのではないかということで、これは外務省の方でもし分かれば、お答えいただけますでしょうか。 ○廣瀬幹事 舩木先生から御指摘のありました旅券法施行規則の改正ですけれども、あり得るかなとは思っておりますけれども、具体的な改正の要否等については、今回の正に戸籍法改正の具体的な案文等が明らかになっていく中で、法務省と協議しつつ検討していきたいと思っております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   それから、2点目の(9)に関しては、基本的には住民票のデータは多分、戸籍連携事務という形で対応できるのだろうと思いますが、(9)が設けられたのは、パスポートについては自動的に突合できるわけではないので、この規定が設けられたという理解でよろしいかという点であったかと思いますが、この点については事務当局から御説明をお願いします。 ○櫻庭幹事 住民基本台帳と戸籍につきましては、法律上の手当てがあり、いろいろ通知したりするというふうなことにはなっておりまして、システム的にもそういった通知の機能とかというのもいろいろ整備しているところでございます。ただ、事務は別ですので、そういう意味では、それぞれの事務に必要な情報を提供するということからすると、やはり住民基本台帳法とか戸籍法にやりとりの規定があるからというよりは、そういった連携というのはまた別に考える余地もあるのかなと思っております。旅券との関係は、特にシステム的にも法律的にも事実上も、そういった連携とかはございませんのでこのような規定があって初めて、情報提供の求めと具体的な情報の提供ができるのかなと考えた次第でございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。舩木委員、よろしいでしょうか。 ○舩木委員 すみません、もう1点だけ。今度は総務省の方に教えてもらいたいところがあるのですけれども、現在の運用について、今、住民基本台帳に記載している氏名の読み仮名を変更したいという場合には、住民異動届出の備考欄に、今までの読み仮名はこうだけれども、こういう読み仮名にしたいと届け出れば、それは受け付けてもらって、住民基本台帳の記載も変更できるという運用をしていると思っています。今の住民基本台帳の読み仮名というのは事実上のものであるとしても、今回の制度でいえば、先ほどの職権記載の場合には住民基本台帳の読み仮名を活用することになるし、その前の(5)の施行日の段階における事前通知の制度として、施行日後遅滞なく国民に対して、今の読み仮名、要するに住民基本台帳に記載している読み仮名を通知することを考えているという制度となっています。   そうすると、今の住民基本台帳の読み仮名の変更をするという手続をいつまで受け付けるのか、今回の法改正の施行日の前の段階で、受付を停止しないといけなくなると思うのですけれども、その辺についてもし検討とか、今後多分検討されることになるのだろうと思いますけれども、その辺についてもし検討している状況があれば、教えていただけたらと思います。 ○窪田部会長 ただいまの点については、総務省の方で、現時点で答えられる範囲で結構ですので、何かありましたら御説明をお願いできますでしょうか。 ○寺田幹事 総務省住民制度課でございます。御指摘の点についてということでございますが、住民票における氏名の振り仮名の記載につきましては、法令の規定はなくて、総務省が地方公共団体に対して示している住民基本台帳事務処理要領というものがございます。その中で若干の記載はあるのですけれども、御指摘のありました氏名の振り仮名の変更ということに関して、特に事務処理要領では定めておりません。飽くまで運用上の問題でありまして、どのような様式を使ってやっているかとかいうところも網羅的には把握をしていないところでございます。いずれにいたしましても、今回戸籍法が改正になるということになりますと、あわせまして住民基本台帳法の方も改正を致しまして、氏名の振り仮名についても住民票の記載事項とするという方向で検討をしております。したがいまして、法律が施行しましたら、住民票の氏名の振り仮名については戸籍で記載された振り仮名と一致させるということになってまいると、そういうことを想定しておりますので、その段階にあって住民票での変更の受付をするということはないと考えておるところでございます。いずれにしましても、運用のことでございますので、今後丁寧に検討してまいりたいと考えてございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。舩木委員、よろしいでしょうか。 ○舩木委員 はい、結構です。 ○村林委員 村林でございます。ありがとうございます。要綱案の内容についてというのではなくて、今議論になっています戸籍と住民基本台帳とパスポート、この三つというのは同一人名寄せができる状態ではないということなのでしょうか。といいますのは、前回も申し上げたのですけれども、振り仮名等がせっかく戸籍に公証されれば、そこに登録さえすれば、ワンスオンリーでパスポートにでも何にでも反映されていくということが望まれる、デジタル手続だと思うのですけれども、それもできずに、結局パスポートはパスポートで申請しないといけない、戸籍の情報がいかされないということになると思うのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。 ○窪田部会長 戸籍、住民基本台帳、パスポートの関係で、戸籍と住民基本台帳は多分、システム上も連携させることができると思うのですが、特にパスポートとの関係ということで、これは事務当局にお聞きした方がよろしいでしょうか、外務省にお聞きした方がよろしいでしょうか。いずれにしても、まだこれから詰めなければいけない点が残っていると思うのですが、いかがでしょうか。 ○櫻庭幹事 村林委員がおっしゃったように、ワンスオンリーというデジタル社会の基本原則といいますか、そういった理念は大事だと思っておりますけれども、今のところ、特に届出、事務自体はやはり別というふうなところになっています。そういったことで、なるべくワンスオンリーに近いようなものが何ができるかというのは、また外務省の方といろいろ協議して検討していきたいと思います。 ○村林委員 是非お願いします。通知するときも、例えばパスポートと住民基本台帳に便宜的に登録されているものとかが、こうですというのを一緒に通知した方が、多分分かりやすいと思うのです。そういう意味からしても、やはりその三つは名寄せすべきだと思いますので、是非御検討をお願いしたいと思います。 ○窪田部会長 何か追加で御発言はありますか。 ○国分幹事 幹事の国分でございますが、外務省との間では、この読み仮名の制度とは別に、戸籍法の令和元年の改正で、電子証明書を使った戸籍の参照をできるようになりますので、そういった点では、紙の戸籍謄本を取ったりする必要はなくなる世界が、令和6年度をめどに検討しているところでございます。 ○窪田部会長 どうもありがとうございました。   ほかに御発言はございますでしょうか。 ○新谷委員 ありがとうございます。新谷です。先ほどからの(5)の、本籍地の市町村長は施行日後遅滞なく、ということになっておるわけですけれども、通知をすると、事前通知をする話ですが、本籍数が昨年3月31日現在で約5,226万戸籍あり、本籍人口数が1億2,475万ほどあるわけですけれども、この作業量というのは非常に膨大になるのではないかと思います。そうすると、通知を施行後遅滞なくということになりますと、相当な準備期間が必要かと思われますけれども、前回も少し質問をしましたが、この辺をどの程度考えているかということですね、作業量がかなり膨大な数になると思います。それと併せて、予算措置の問題ですが、この辺のところはどういう形で予算措置を講ずるのかということを、分かっている範囲で教えていただきたいと思います。 ○窪田部会長 ありがとうございます。通知に伴う作業量は膨大なものになるだろうということで、それに関する準備あるいは予算の点について、これも分かる範囲でということになると思いますが、事務当局から御説明をお願いできますでしょうか。 ○櫻庭幹事 確かに本籍地の方から通知をするということになると、非常にその準備作業が必要になると考えております。今考えていますのは、なるべく公布の日から施行日までの間をある程度取った上で、市区町村が処理するのに十分な形でできればいいかなと思っています。予算措置の関係は、いろいろ関係当局があるところですので、粘り強くこの必要性を説明して、理解を求めたいと考えております。 ○窪田部会長 ありがとうございました。新谷委員、よろしいでしょうか。 ○新谷委員 はい、ありがとうございます。 ○窪田部会長 それでは、第2の点につきましては以上といたしまして、第3の点に移りたいと思います。部会資料「第3 氏名の仮名表記の変更に関する事項」につきまして、事務当局から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 部会資料の4ページ、第3の「1 氏又は名の変更に伴わない場合の規律」、そして、第3の「2 氏又は名の変更に伴う場合の規律」の本文につきましては、部会資料13-1からの変更点はございません。   第3に関する説明は以上です。 ○窪田部会長 第3に関しては特に変更はないということですが、この点につきまして御質問や御意見がありましたらお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。   特にございませんでしょうか。   それでは、以上を踏まえた上で、これから要綱案について最終的なお諮りをしていきたいと思います。これまでの通例の場合とは異なりまして、現在ウェブを利用した議事進行を行っております関係上、ウェブを利用して出席されております委員の皆様方と適時の意見表明、意思疎通が相互に可能な状態であるかどうかということをもう一度、念のために確認させていただきたいと思います。お手数をお掛けしますが、私の声が聞こえていらっしゃる方は挙手ボタン、あるいはジェスチャーでも結構ですので、聞こえているということをお知らせいただけますでしょうか、あるいはマイクボタンを押して直接お知らせいただいても結構です。いずれにしても反応していただきたいということで。   皆さん、挙手ボタンが上がっていますでしょうか。事務当局の方において確認していただけましたでしょうか。   村林委員、手が挙がっていないかな。 ○村林委員 すみません、聞こえておりますでしょうか。 ○窪田部会長 聞こえております。 ○村林委員 挙手ボタンの反応が悪くて、何回も押してしまったので、付いたり消えたりしたのだと思いますけれども、聞こえております。 ○窪田部会長 よろしいでしょうか。事務当局の方で確認をしていただきました。手を下ろしていただいて結構です。どうもありがとうございました。   出席されている委員全員と意見表明が相互に可能な状況にあるということが確認されました。それでは、これから「戸籍法等の改正に関する要綱案(案)」についてお諮りしたいと思います。挙手ボタンが付いている方は下ろしていただけますでしょうか、多分混乱すると思いますので。ありがとうございます。面倒くさくて申し訳ありません。   当部会といたしましては、基本的に部会資料14-1のとおりとして、戸籍法等の改正に関する要綱案を取りまとめることとしたいと考えております。しかし、御異議のある方は挙手を頂いてよろしいでしょうか。   特段の御異論はないと理解させて頂きます。ありがとうございました。   この要綱案に基づく取りまとめについて御異論はないと理解いたしましたので、全員一致により、当部会として要綱案を取りまとめることにしたいと思います。   なお、要綱案につきましては、これまでも字句や表現の修正がされてまいりましたが、今後、総会での答申に至りますまでの間にも、法制的な観点から形式的な表現等の修正があり得るものと考えております。そのような中身にわたらない形式的な修正につきましては、部会長である私と事務当局に御一任いただきたいと存じますが、よろしいでしょうか。   ありがとうございます。特段の御異論はないと理解いたしました。そのような形で取り扱わせていただきます。ありがとうございました。   それでは、ただいま御了承いただきました要綱案の今後の取扱いについて、事務当局の方から御説明をお願いいたします。 ○櫻庭幹事 要綱案をお取りまとめいただき、ありがとうございました。   今後につきましては、今月、法制審議会の総会が開催されまして、本日お取りまとめいただいた要綱案を御審議いただく予定でございます。総会において要綱案が取りまとまりますと、その後、法務大臣に答申されるという流れになります。その後、答申がされました場合には、その答申に基づき、法律案の策定作業を行い、速やかに法案を提出させていただくべく準備したいと考えているところでございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの櫻庭幹事からの御報告についての御質問、あるいは全体を通しての御発言、御感想でも結構ですので、これが本当に最後の機会になるかと思いますので、何かございましたら、御自由に御発言を頂ければと思います。 ○大谷委員 ありがとうございます。大谷でございます。皆様と一緒にこの氏名の仮名について学びつつ、また、国民の声を聴く機会も様々に設けていただきながら、要綱案の取りまとめに至りましたこと、その議論に関わらせていただいたことについて御礼申し上げたいと思います。法制化についての動きは、今回のものが皮切りに、関連する法制にも大きく影響が起きるものだと思いますので、その立法趣旨といったものがより伝わりやすく、また、関係省庁との連絡、連携がうまくいくようにと願っております。   あわせて、今回様々な通知が法務省あるいは自治体からなされるということが想定されておりますけれども、それを基にまた何か新たな詐欺、消費者向けの詐欺といったことが起こらないように対策を講じていただくことも必要ではないかと思っております。国、法務省だったり、また自治体の名前を使って、例えば、あなたの名前が変に登録されているので、それを直すためにはこれだけお金が掛かるというような何か通知が入ったりとか、想像ができないほど様々なことを考える人が後を絶たないというのが、残念ながら我が国の現状でもありますので、そういった想定できる詐欺行為などに国民が巻き込まれるということがないように、御配慮いただければと思っております。   僭越ではございますが、コメントさせていただきました。どうもありがとうございます。 ○窪田部会長 ありがとうございました。大変に重要な御指摘をありがとうございました。   ほかにも御発言いただける方はございますでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは、事務当局を代表いたしまして、民事局長の金子委員から御挨拶をお願いいたします。 ○金子委員 民事局長の金子でございます。着座したままで失礼いたします。当部会の御審議の終了に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。   当部会における審議は令和3年11月に第1回が始まりまして、本日までで計14回に及ぶことになりました。この間、委員、幹事の皆様におかれましては、大変密度の濃く、また、きめ細やかに御審議を尽くしていただいたものと認識しております。ありがとうございました。本日、要綱案の取りまとめに至りましたことは、窪田部会長を始めとする委員、幹事の皆様の多大な御尽力の賜物であると深く感謝しております。   今回の戸籍法等の見直しは、戸籍において氏名の仮名表記を公証し、これを一意のものとして官民の手続で利用可能とすることにより、各種情報システムにおける検索や管理等の能率、各種サービスの質を向上させるものであって、デジタル社会における重要なインフラを構築するものであり、その意義は非常に大きいものがあると考えております。   本日取りまとめをしていただきました要綱案は、今月開催されます法制審議会の総会における調査審議を経て要綱が決定され、法務大臣に答申されました後は、私どもといたしまして、所要の法案を速やかに国会に提出するとともに、早期に法律として成立することができるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。委員、幹事の皆様方には今後とも様々な形での御支援、御協力を賜りますよう、引き続きよろしくお願い申し上げます。   これまでの御熱心な御審議に重ねてお礼を申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。 ○窪田部会長 ありがとうございました。   当部会の最後に当たりまして、私からも皆様へ一言、お礼の挨拶を申し上げたいと思います。戸籍法の改正でも、氏名の読み仮名に関するものということで、比較的少ない回数で終わるのかなという気持ちも全くなかったわけではないのですが、思った以上に非常にいろいろな議論がありました。そのいろいろな議論というのは不愉快な議論ではなくて、私自身にとっては本当に面白い、今まで余り考えていなかった自分の名前、漢字の名前ではなくて平仮名の方の「なまえ」について、考える本当によい機会になりました。笹原先生を始めとして皆さんのいろいろなお話を聞けたというのもすごく楽しかったです。   ただ、一方で恐らく、前回までの議論を踏まえましても、皆さんの御意見、本音の部分では、いや、本当は私はこういうふうにしたかったとか、そういう部分はきっと残っているのだろうと思います。それは、恐らく立法という世界、法改正という世界ではいつも求められることなのかもしれませんが、どこかで妥協を求められて、折り合いを付けていくということなのだろうと思いますし、一方で、今回の補足説明を見ても非常に強く感じましたのは、法務省も非常に頑張って調整をしてくれたのだと思っております。   今日の議論の中でありましたように、これを実際の運用に乗せていくためには、恐らく法務省だけではなく、法務省と総務省、外務省とも連携しながら、もっと細かい部分を詰めていくということが求められるのだろうと思いますが、我々が願ったような形でそれが進められていくことが願われると思っております。   今日、御意見をうかがったことについても、それが周知徹底されて、そして進んでいくということを心から願っております。本当にありがとうございました。   1点だけ残念なのは、本当に、オンラインを併用する会議だったものですから、最後まで直接お目に掛かれなかった方も何人かおられました。また次の機会というのはない方がいいとは思うのですが、また別のところでお目に掛かることができればと願っております。本当にありがとうございました。   それでは、これにて法制審議会戸籍法部会における全ての審議を終了させていただきたいと思います。   改めまして、本日まで熱心な御審議を賜りまして、誠にありがとうございました。 -了-