法制審議会 商法(船荷証券等関係)部会 第9回会議 議事録 第1 日 時  令和5年4月12日(水)自 午後1時31分                     至 午後3時19分 第2 場 所  法務省大会議室 第3 議 題  倉荷証券に関する規定等の見直しについて 第4 議 事  (次のとおり) 議        事 ○藤田部会長 予定した時刻になりましたので、法制審議会商法船荷証券等関係部会、第9回会議を開会いたします。   本日は御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。   本日は衣斐幹事、小出幹事、後藤幹事、松井幹事が御欠席と伺っております。上田委員、金子委員、北澤委員、洲崎委員、松井委員、山口委員、久保田幹事、笹岡幹事、竹林幹事、新谷幹事はウェブで参加されると伺っております。   また、委員等が交代し、新たに横山委員、久保田幹事及び渡邉浩司幹事が就任されましたので、報告させていただきます。   それでは、本日出席されている横山委員、久保田幹事及び渡邉幹事には簡単な自己紹介をお願いいたします。その場でお名前と御所属の御紹介をお願いいたします。 (委員等の自己紹介につき省略) ○藤田部会長 どうぞよろしくお願いいたします。   それでは、開始いたします。まず、前回に引き続き、本日はウェブ会議の方法を併用して議事を進めたいと思いますので、ウェブ会議に関する注意事項を事務当局から御説明をお願いいたします。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。前回の部会と同様のお願いとなりますが、念のため改めて御案内をさせていただきたいと存じます。   まず、ウェブ会議を通じて参加されている皆様につきましては、御発言される際を除き、マイク機能をオフにしていただきますよう御協力をお願い申し上げます。御質問がある場合や審議において御発言される場合は、画面に表示されている手を挙げる機能をお使いください。   なお、会議室での御参加、ウェブ会議での御参加を問わず、御発言の際はお名前をおっしゃってから御発言されるようお願いいたします。ウェブ会議の方法で出席されている方にはこちらの会議室の様子が伝わりにくいため、会議室にお集まりの方々には特に御留意を頂ければと存じます。 ○藤田部会長 ありがとうございました。   次に、本日の審議に入ります前に配布資料の説明をしていただきます。事務当局からお願いいたします。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。配布資料について御説明させていただきます。今回配布した資料は、部会資料9「倉荷証券に関する規定等の見直しについて」の1点となります。こちらは事務当局が作成したものでございますので、後ほどの審議において事務当局から説明をさせていただきます。   配布資料の御説明は以上でございます。 ○藤田部会長 ありがとうございました。   それでは、本日の審議に入りたいと思います。   本日は、事務当局が作成した部会資料9である「倉荷証券に関する規定等の見直しについて」について検討したいと思っております。それでは、事務当局において部会資料9、第1部の説明をお願いします。 ○生出関係官 それでは、事務当局の生出から部会資料9の第1部について説明いたします。   まず、部会資料9の構成について簡単に説明させていただきます。倉荷証券の電子化を検討する際、同じ商法上の性質が類似すると思われる有価証券である船荷証券と倉荷証券については、基本的には同じ方向性で電子化を検討することがよいのではないかと考えております。そこで、倉荷証券の電子化を検討するに当たっては、船荷証券の電子化の際の議論を基本的に当てはめ、この考え方でよいのか、倉荷証券特有の問題点はないかといったような観点から検討を加えた内容になっております。   では、部会資料9に戻り、第1部の「第1 倉荷証券に関する規定の見直し」の箇所ですが、今御説明した基本的な検討の方針を記載しております。本部会資料においては、倉荷証券の法的性質や商法上の船荷証券と倉荷証券に関する各規定の比較を概観した上で、先月パブリック・コメントに付した船荷証券に関する規定等の見直しに関する中間試案の補足説明を踏襲する形で作成し、電子化された倉荷証券の名称、電子倉荷証券記録を発行する場面の規律の内容、電子倉荷証券記録の技術的要件、電子倉荷証券記録と倉荷証券の転換、電子倉荷証券記録の類型及び譲渡等の方式、電子倉荷証券記録の効力等に関する規律、電子倉荷証券記録を支配する者に対する強制執行に関する規律の内容について、順次検討しております。   次に、第1部の第2に入りますが、「倉荷証券の法的性質等」になります。「倉荷証券の法的性質」ですが、倉荷証券は倉庫営業者が貨物の受取りの事実を証し、かつ寄託者又はその指図人へ受寄物引渡しを約する有価証券で、倉荷証券が発行されると寄託物引渡請求権の行使、移転にその提示、交付が必要となりますが、倉荷証券は法律上当然の指図証券、要式証券及び受戻証券であり、物権的効力及び処分証券性を有しており、これらの点については船荷証券と変わらないものと考えられます。また、倉荷証券は有価証券であることから、原則として民法第520条の2以下の有価証券に関する規定が適用されるところ、この点についても船荷証券と変わらないものと考えます。   次に、「2 商法上の倉荷証券と船荷証券に関する各規定の比較」のところですが、倉荷証券の電子化を検討するに当たっては、まずは船荷証券の電子化における検討内容を参考にすることが考えられます。倉荷証券について規定されている商法第2編第9章第2節の規定と、船荷証券に関する規定とを比較しておくことが有益であると考えられます。比較の内容については、部会資料9の3ページから8ページの表を御確認いただけましたらと思います。   両者を比較すると、商法第2編第9章第2節の規定については大きく四つに分類することができると考えられます。一つ目は、船荷証券に関する類似の規定があって、倉荷証券の電子化を検討するに当たり船荷証券の電子化における検討内容と同様の方向性とすることが考えられるもの、二つ目は、船荷証券に関する類似の規定がなく、倉荷証券特有の規定であるものの、倉荷証券の電子化を検討するに当たり紙の倉荷証券の場合と同内容の規律を設けたり、電子化をした場合に関する文言を加えるなどすれば足りると考えられるもの、三つ目は、船荷証券に関する類似の規定がなく、倉荷証券特有の規定であり、倉荷証券の電子化を検討するに当たり別途検討することが必要であると考えられるもの、最後に四つ目ですが、倉荷証券に関する規定ではなく、倉荷証券の電子化を検討するに当たり検討は不要と考えられるもの、といった四つの類型に分類することができるものと考えられます。今後の検討の中心になるのは、主に三つ目に分類された類型と考えられます。逐条的な検討については、後に第2部の第6の2の箇所で御説明いたします。   第1部の説明は以上になりますので、事務当局からの説明は一旦ここで終えたいと思います。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、今説明のあった内容について、どなたからでも結構ですので、御意見等を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○渡邉幹事 日本証券クリアリング機構の渡邉でございます。本日、倉荷証券の電子化について御検討いただきましてありがとうございます。まず、倉荷証券の電子化のニーズのところについて、私の方から少しコメントをさせていただきたいと思います。   当社が清算を行っております大阪取引所や東京商品取引所などに上場しております商品の先物取引におきましては、現在でも金属ですとか農産物の受渡し決済でこの紙の倉荷証券を利用して受渡しを行っております。具体的にどれぐらい行われているかといいますと、昨年2022年の数字になりますけれども、2か月に1回ほどあるのですが、1回の受渡しで平均すると800枚を超えるような倉荷証券が先物取引の売方から我々を経由して買方の方に受け渡されているという状況がございます。   また、商品先物取引に当たりまして預託が求められる取引証拠金という担保がありますけれども、これは金銭に加えまして株券や国債といった有価証券でも預託することができます。株券、国債だけではなくて貴金属などの倉荷証券を取引証拠金に充当するというのも今の法制度では可能となっておりまして、今年の3月末現在で見ますと、合計すると1,000枚ぐらいの倉荷証券が取引証拠金として預託されているという状況でございます。倉荷証券を利用されている場面というのはそれほど多くないということではありますけれども、現在でも商品先物の世界では倉荷証券が利用はされているというところでございます。   この倉荷証券ですけれども、当然ですが紙媒体で受渡決済ですとか証拠金の授受を行っておりまして、当社を含めて関係者の事務負担になっているというところがございます。この電子倉荷証券が法制化されて、加えて取引証拠金への充当も可能ということになれば、先物取引の受渡決済から証拠金の預託とか、そういったところまで電子化が可能となりますので、事務効率化が可能となると考えております。   こういった貴金属ですとか農産物と同じく、紙媒体を利用して決済を行っているものといたしましては、ゴムの先物取引と、金融商品の方になりますが、日本銀行の出資証券の決済がありますが、このゴムの先物取引につきましては、これまで荷渡指図書という書面で受渡し決済を行っておりましたが、こちらは法制化の問題が余りないということで、今年の1月から弊社の方で電子化のシステムを用意しまして、事務効率化を実現したところでございます。もう一つの日本銀行の出資証券の取引につきましても、今、電子化に向けた法整備が進められていると認識をしているところでございます。簡単に言うと、残っているのはこの倉荷証券だけというような状況になっているところでもございます。当社としては、この倉荷証券も今回の機会を逃さずに、船荷証券の電子化と併せて、是非電子化を実現していただきたいと思っているところでございます。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。   そのほか、第1部、第1について御意見等はございますでしょうか。 ○猪俣委員 三菱倉庫の猪俣でございます。三菱倉庫としまして、発券業者として参加させていただいておりますけれども、主に船の上にある期間、長くて1か月内外の期間だけ機能する船荷証券と違いまして、寄託物が蔵置されている間、長いものでは20年、30年になるものもございますけれども、そういった長い間、また個人でも所有することがある倉荷証券につきましては、船荷証券とは随分使用方法が異なるものではあります。都度保管料の支払いが生じるといったところも船荷証券とは大きく異なるところでして、実務を預かる倉庫営業者といたしましては、電子化に対して反対するものではございませんが、現物主義を主とする倉庫業法と標準倉庫寄託約款というものがございまして、そちらの改正を要する必要もあると思っております。その辺、国土交通省様の準備が間に合うのかということと、こちらの船荷証券の動きと同じように平仄が合うのかというところが最も懸念されているところですので、一言最初に申し上げておきます。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。申し上げるまでもなく、この法律ができても使う、使わないは全く当事者の自由で、使わないという選択肢は完全に残されますから、深刻な問題にはならないのかもしれませんけれども、状況の違い、特に倉庫業者の電子化への要望の温度差については十分承りました。   そのほか、どの点でも御意見、御質問がございますでしょうか。   第1部についてはよろしいでしょうか。もしほかに意見がないようでしたら、事務当局において部会資料9、第2部の第1から第4の。 ○箱井委員 第1部の第2でもいいですか。   今の四つに分けるというところで、AとBの分け方です。AとBについては、当然にこう分かれるのかというと、私が見まして、Bとなっているものも考え方によってAになるのかなと思われます。ここのところを割とはっきりと分けられていますが、ここのところはこういうふうに分けた根拠なり何なり、何かポリシーがあったらお聞かせいただければと思います。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。御質問ありがとうございました。おっしゃるとおり、部会資料の3ページでいうところのAとBの分類については、かなり相対的なものでございまして、評価が入る部分が多いかなと思っております。特に、御指摘いただきましたとおり、Bの中でも事実上Aに近いというようなものもあるのかなとは思っておりますけれども、何かしらの検討が必要かなという部分をBとさせていただいて、ほぼ検討は要らないだろうというのをAにさせていただいたというところでございまして、その境界線は余りはっきりしていない部分があるというのは、本当におっしゃるとおりかと思いますので、後ほど逐条的な検討に入ると思いますので、その際にも各論的な御指摘等がございましたら、頂けますと幸いに存じます。 ○藤田部会長 ありがとうございました。理論的な学術論文的な意味での分類をしているわけではなくて、今後進めるに当たって、どのぐらい深刻に検討しなければいけないかという観点から、取りあえず分けてみたという程度のものだということですね。 ○箱井委員 「AまたはB」とかの選択的ではなくて、BとかAだけ書いてあるものですから、そこは分類者なりの基準があるのかと思って伺いました。ありがとうございました。 ○藤田部会長 そのほか、どの点でも御意見、御質問がございますでしょうか。   第2の方も含めて、第1部全体について、よろしいでしょうか。   もしないようでしたら、事務当局において部会資料9、第2部の第1から第4の御説明をお願いいたします。 ○生出関係官 では、部会資料9の第2部の第1から第4について、事務当局の生出から御説明いたします。   第2部は「倉荷証券に関する規定の見直しに関する論点の検討」となっております。「第1 電子化された倉荷証券の名称」ですが、電子化された倉荷証券の法律上の名称については、電子船荷証券記録と同様に考え、電子倉荷証券記録とすることを考えておりますが、この点について御検討いただけましたらと思います。   次に、「第2 電子倉荷証券記録を発行する場面の規律等」です。「1 電子倉荷証券記録を発行する場面の規律」ですが、倉庫営業者にその発行義務を認めるか否かが問題となるところ、電子倉荷証券記録についても電子船荷証券記録と同様、倉庫営業者に発行義務までは認めずに、倉庫営業者が寄託者の承諾を得て、すなわち倉庫営業者と寄託者の合意があった場合に限って発行を認める規律とし、承諾方法についても電子船荷証券記録と同様、電子倉荷証券記録の発行に際して相手方の承諾について特定の方式を要求することとはしないことにしております。このような方向性でよろしいか、御検討いただければと思います。   次は、「2 電子倉荷証券記録の記録事項」ですが、電子船荷証券記録と同様に考え、紙の倉荷証券の記載事項について定める商法第601条と同様の規定ぶりとしております。なお、作成地については、電子船荷証券記録については記録事項から除外することは検討されていないことを踏まえ、電子倉荷証券記録についても同様とすることが考えられます。また、追加記録については、電子船荷証券記録と同様、特段の規律を設けないこととしておりますが、法定の記録事項以外の事項を記録することや、発行後に記録を追加することについては許容されるものと考えられます。さらに、電子倉荷証券記録については、指図式の電子倉荷証券記録、記名式であって電子裏書を禁止する旨の記録がされている電子倉荷証券記録、それら以外の電子倉荷証券記録といった類型が観念されるところですが、いずれの類型に属するのかを法定記録事項とすることも考えられるところではありますが、この点についても電子船荷証券記録と同様、法定の記録事項とはしないこととしております。このような方向性でよろしいかどうかについても御検討いただけたらと思います。   次の「3 「支配」概念の創設及び関連概念の定義」ですが、電子船荷証券記録と同様、電子倉荷証券記録は物、有価証券、倉荷証券そのものではないという考え方を前提とした上で、電子倉荷証券記録の支配という新たな概念を創設することとし、その定義についても電子船荷証券記録と同様、甲案と乙案の二つの考え方を提案しております。最終的には、電子船荷証券記録における支配の概念と平仄を合わせることが相当であると考えられます。また、電子倉荷証券記録の発行及び電子倉荷証券記録の支配の移転の定義についても、電子船荷証券記録の場合と同様の定義としております。   次は、「第3 電子倉荷証券記録の技術的要件」の箇所ですが、「1 電子倉荷証券記録の定義及び信頼性要件以外の技術的要件」、「2 技術的要件としての信頼性の要件」、「3 電子倉荷証券記録の発行の技術的要件」、「4 電子倉荷証券記録の支配の移転の技術的要件」といった構成で記載しておりますが、これらについても、倉荷証券の実務における支障がない限り、電子船荷証券記録と同様の内容とすることが考えられますが、この点についても御検討いただけましたらと思います。   次は、「第4 電子倉荷証券記録と倉荷証券の転換」ですが、電子船荷証券記録については、船荷証券と電子船荷証券記録の転換に関する規定を設けることが一つの国際的動向と考えられていることに加え、現実にも船荷証券と電子船荷証券記録との間の媒体の変換を行う必要性が生じる可能性はあるため、転換に関する規定を設けることとしておりますが、一方で倉荷証券の利用場面は先物取引等の決済等に限定されているなど、利用される場面などが船荷証券とは大きく異なっているところではありますが、倉荷証券も船荷証券と同じく商法を根拠とするものである以上、倉荷証券の実務における特段の支障がない限り、電子船荷証券記録と同様の内容とすることが考えられます。このような方向性でよろしいか、御検討いただけましたらと思います。   第1部の第4までの説明は以上となりますので、一旦事務当局の説明を終了したいと思います。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。   今説明のあった内容について、どなたからでも結構ですので、御意見を頂ければと思います。特に、倉荷証券の実務において支障のない限りという言葉が何度か出てきましたけれども、支障がないかという辺りは慎重に検討していただければと思います。どなたからでも御意見いただければと思います。 ○渡邉幹事 クリアリング機構の渡邉でございます。私からは1点、この法制化が実現して、当事者同士でうまく合意ができた場合に、そのシステムを提供するという立場になる可能性が我々の方にありますので、そういった立場から少しコメントをさせていただきたいと思います。具体的には、部会資料の11ページにございます電子倉荷証券の技術的要件の中の信頼性の要件についてでございます。   こちらは、最終的には電子船荷証券記録についての議論と同じように、こちらの倉荷証券については整理をされるというところは理解しているところでございますけれども、システムを提供した後に無用な紛争などを起こさない観点から、システムを提供する立場として申し上げますと、この甲、乙、丙の三つの中では、甲案のように要件を定めないということが最も有り難いというか、望ましいと思っているところでございます。仮に信頼性要件の規定を設ける場合であっても、システムを提供する立場としては、有効性の要件とされない方が有り難いというか、望ましいと考えております。   また、丙案のところで列挙されております一から七の7項目については、これは飽くまで努力義務にすぎない信頼性の要件を充足するかどうかという考慮事項を列挙していると理解をしており、この七つ全部を満たさなければいけないというものではないと理解をしているところではあるのですけれども、この中の5番目にあります独立した機関によるシステム監査の部分につきましては、今後受渡決済のために電子船荷証券記録のシステムを作っていくことを考えた場合には、現状の受渡決済の規模とかを踏まえますと、そのシステムの規模は非常に小さく機動的に作るようなものになると想定をしております。ですので、この第三者による監査というものが求められますと、費用負担が想定よりも重くなってくるのではないかと思っておりまして、また、その監査に備えてシステムの機能改善とかを慎重にやっていかなければいけないところになってしまいますので、柔軟にシステム開発をしていくという面では足かせになる面が大きいと思っております。ですので、この独立した機関によるシステム監査については、これが必須の要件とされてしまいますとかなり障害が大きいのかなと思いますので、その点は御留意いただけると有り難いと思っております。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。事務当局から何か御反応ございますか。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。御指摘ありがとうございました。ただいま御指摘いただきました、例えば丙案でいうところの、何か考慮事項等を法務省令等で定めるということにした場合の例示として幾つか挙げさせていただいておりますけれども、これは正に御指摘のとおり、この全てを満たさなければいけないというものでもございません。元をたどればMLETR等で例示されているものをこういった形で入れた方が、MLETR準拠だということが分かりやすいのかなというところもあって、このような案を一応提示はさせていただいているところでございます。仮に、丙案を採用することになった場合も、こういった考慮事項を挙げるか挙げないかというところは、ブラケットで入れさせていただいておりますので、これは必ずしもそうしなければいけないというものでもございませんし、何か法務省令で入れるという場合であっても、この七つの事項を全部入れなければいけないというものでもございませんし、仮に入ったとしても、先ほど申し上げたとおり、全てを遵守しなければいけないというものでもございませんので、比較的柔軟なものとすることを事務当局としては想定しております。とはいえ、書かれてしまった以上、やらなければいけないというようなプレッシャーというものが事業者様に発生し得るということは、それはそれで、そういう部分はあろうかとは思っておりますので、今頂いたような御指摘も踏まえて、最終的にどのような形にするのかというところの御意見を皆様からも頂戴しながら決めていきたいと思っております。ありがとうございました。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。   そのほか、どの点でも御意見、御質問がございますでしょうか。 ○池山委員 池山でございます。本日は私は多分、立場上は積極的に御意見を申し上げる立場でもないし、実際そのつもりもないのですけれども、せっかくの機会なので一つ質問をさせてください。   第2の1、8ページの発行する場面の規律のところです。ここで立法案の前提として商法600条を引いて、倉庫営業者はその請求に応じて倉荷証券の交付義務を負うということが前提になっていますけれども、実際は、教科書などにも書いてありますけれども、倉庫業法上は国土交通大臣の許可を得ないと発券してはいけないという前提があります。だけれども、交付義務があるということと、許可を得ないと交付してはいけないという、一見内容的に矛盾する条文の関係について、教科書等には説明がないのです。実際にも、倉庫業法にそういう規定があることを前提に、国交省が定めた標準約款、先ほど言及がありましたけれども、にも甲と乙があって、発券業者の約款、非発券業者用の約款というのがあると聞いています。標準約款ですから、それは無効とは考えられないのでしょう。   そうすると、この商法の規定と倉庫業法の規定を矛盾なく解釈するのはどうしたらいいのだろうと思っています。恐らくそれを解決するとすれば、実はこの商法の規定というのは任意規定なのだと、実際その任意規定が働く場面というのはどの程度あるか分からないのですけれども、寄託契約は成立したけれども、発行するか発行しないか決めていないときには発行義務があるというだけだと、でも、実務上はもう許可を取るか取らないか、どちらの約款をとるかということで決まっていると、そういう整理なのだろうと理解しているのです。そして、この議論は実は、ひょっとすると船荷証券の交付義務の議論にも間接的に跳ね返るのかなと思っているのです。   いずれにしろ、そういう商法の規定と公法、業法規制ではありますけれども、倉庫業法の規定との関係について、今のような理解でよろしいのでしょうかというのを一応確認したいのです。多分それを前提に今回の立法もあるのだと思っていますので。すみません、質問で。 ○藤田部会長 今の点はどなたに伺えばいいのでしょうか。もし倉庫業者の代表の方から返答できるようであれば、お教えいただければと思いますが。 ○猪俣委員 実務的なものと法的なものというのは、また別だと思うのですけれども、我々は商法というよりは倉庫業法をメインにしか見ていないので、発券業者というのは国土交通省の許可がないとできないと思っております。昔は生糸ですとか綿花ですとか、そういった現物を本当に倉庫証券にして、倉荷証券にしてやり取りがされていた時代があります。ただ、今となっては先物取引にしか使われていないので、実務的な取扱いが昔と今とでは随分違ってきてしまっており、今、国内に500社以上の発券業者が登録されていると聞いておりますが、その中でも実際に発券している業者というのは今、先物取引に関係する日本証券クリアリング機構さんから指定を受けた指定倉庫業者しか動いていないので、昔と今の動きは一緒ではありませんが、実務的には我々としては国土交通省を先に見ているので、商法よりは国土交通省の発券許可業者でないとできないと思って動いてはおります。 ○藤田部会長 事務当局からは何かございますか。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。倉庫業法と商法の規定の整理、どのようにして読むべきなのかというところにつきましては、今すぐここで明確な回答を持ち合わせているわけではありませんけれども、池山委員の御指摘のような任意規定という意味合いですけれども、結局のところ、請求がなければ交付しなければならないということにはなりませんので、請求しなければ交付しないというところは600条からも導かれることだと思いますので、そういった処理がされているという考え方もできるでしょうし、あるいは商慣習のような考え方というのも場合によってはあるのかもしれませんけれども、いずれにしてもそのような、いろいろな考え方を使って両者を整合的に解釈していくということにはなろうかと思っております。   今回、資料の方で交付義務を負うという形で書かせていただいているのは、600条の文字面だけ見ればそういう形になるわけでありますので、それと同じような、そういったことを前提に電子化の規定を置いていきましょうということでありまして、何か電子化の規定を置いたからといって従前の商法第600条と倉庫業法の規定との解釈の仕方を変えようとか、そういったことではないということでございますので、現状の解釈というものを前提にどのように電子化していこうかと、こういう観点から書いたというものでございます。   差し当たっては以上でございます。 ○池山委員 ありがとうございます。 ○箱井委員 理論的に整理すれば、教科書に書いていないというのは当然といえば当然で、商法に基づいて発行されていれば、これは倉荷証券なのだろうと思うのです、業法違反していても。ただ、業法に反した倉荷証券の効力その他について議論する必要があるのかどうか。事件でも起きれば議論するのでしょうけれども、そういう必要性を感じていないので、議論していないということです。商法上は完全な倉荷証券であるけれども、業法に違反しているということになるのだと思います。私法と公法の関係は一般的にそういう理解だと思います。業法違反があれば直ちに倉荷証券ではないということにはならないと思います。 ○藤田部会長 この論点について、ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。   そのほかの点についても、もし御意見、御質問がございましたら。   第1から第4、よろしいでしょうか、信頼性の要件の点は御意見いただいたのですが、そのほか、ここに書かれているような方向で法改正したとしても、倉荷証券の実務に支障が生じるというのは余りないと考えてよろしいでしょうか。 ○猪俣委員 実務に支障というほどではないかと思うのですが、先ほど申し上げたとおり、倉庫業法には現物主義で書いてありまして、倉荷証券を発券したらば、何枚発券したということを国土交通省に報告することになっております。そういったものが、倉荷証券そのものではないというような電子化されたものに対してどういう取扱いになるのかというのは、国土交通省の問題ではありますが、懸念されるところではございます。 ○藤田部会長 もちろん業法の方で対応してくれなければ、電子化の規定が新しく設けられても事実上使えないということになるのかもしれませんが、この点につき事務当局から何かございますでしょうか。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。先ほど来、倉庫業法との関係等をいろいろ御指摘いただいているかと思います。そういった御指摘を頂けることは我々としても非常に有益なことだろうと思っておりますので、今後ともお気付きの点があれば、是非御指摘いただきたいと考えております。   実際に、例えば商法を改正して電子倉荷証券記録というものの規定を入れたときに、倉庫業法を併せて整備をするということは十分あり得るところだろうと思っております。その辺りにつきましては、国土交通省の方々とも我々の方で連携をさせていただいて、対応を検討させていただくということになろうかと思います。ただ、そうはいっても、まずはこの電子倉荷証券記録の実質を固めるというところが先決だろうと思っておりますので、そういったところが固まって、いざ改正が実現し得るということになった場合に、倉庫業法等をどうするのかということも改めて考えていかなければいけないとは思っておりますので、引き続き我々の方でも国土交通省の方々とも連携させていただいて、検討をさせていただきたいと思ってございます。 ○藤田部会長 ありがとうございました。その点の連携は是非お願いします。放っておきますと、逆に、電子倉荷証券記録は倉荷証券ではないので倉庫業法13条にもかかわらず、許可された業者でなくても自由に発行できることになりかねません。そういうことになると行政の方としても困るとは思いますので、仮にこの法律が作られることがあれば、調整いただくことになるのだと思います。   そのほか、どの点でも御意見、御質問がございますでしょうか。 ○箱井委員 質問させていただきたいのですけれども、業界の方に教えていただければと思います。先ほどからお話を伺っていますと、相当この利用は少ないということが前提のようでございまして、この電子化の議論をして電子化された暁には、それによって使いやすくなって利用が広がるとか、そういう見通しなどはあるのでございましょうか。   といいますのは、これは単に取引書類の電子化ではなくて、有価証券の電子化を議論しているので、それなりの重い要件、先ほど信頼性のところで問題になりましたけれども、ある程度重しが掛かってくるのも、やむを得ない部分もあろうかと思います。そうなりますと、たとえば数百枚あるいは1,000枚という僅かな証券を処理するためのシステムであっても、有価証券の電子化という船荷証券で議論しているようなものに準じざるを得ないと思いまして、果たしてそれに耐えられるのかというところも若干心配になっております。それとの関係でということですけれども、実務の見通しのようなものが何かありましたら、教えていただければと。これはだんだん細っていって、いずれなくなってしまうようなものの話なのか、あるいは現状で続いていくようなものか、さらにまた、逆に電子化されることによって、今は紙だから使いにくいということで止まっていたところが将来的に広がってくるのか、どういったふうに我々は考えながらこれを議論していったらいいのかということですね、教えていただけたらと思います。 ○藤田部会長 もし可能でしたら、お願いいたします。 ○猪俣委員 猪俣でございます。先ほど申し上げたとおり、昔と違いまして、今受渡しに使っているものしか、先物取引用の証券しか発券していないのが現実です。貴金属、金とか銀とかプラチナとかのほかに、小豆ですとかコーヒー豆とか、そういった先物取引に使われるものも発券をしておりましたが、今は貴金属以外はほぼ、当社でいえばですが、ない状況です。他社の状況は分かりませんが、三菱倉庫でいうと貴金属の発券しかしていないのが現実です。また、当社の方でこれは営業を掛けられるようなものではなくて、先物取引があったものについて発券依頼があって、そちらを発券させていただいているだけなので、当社の方で多いとか少ないとかというものをコントロールするものでもないので、当社においては、今後どうなるかと言われると、今度は日本証券クリアリング機構さんの問題かと思うのですが、先物取引が活発に行われるか否かという問題になってきてしまうと思います。 ○藤田部会長 ありがとうございます。 ○箱井委員 先物取引以外では、今後も電子倉荷証券あるいは倉荷証券そのものが使われるという見込み、見通しはないということでしょうか。 ○猪俣委員 昔は、先ほど申し上げたように、うちも一般貨物の発券をしておりましたが、今となっては一般貨物については発券依頼がもうないので、今後も一般貨物については発券することはないと思います。これは予測なので、現実的にあるかどうか分からないですけれども、当社でいえば、お客様から発券を依頼されても多分お断りすることになるのではなかろうかと思います。 ○箱井委員 ありがとうございます、大変役に立ちました。例えば商法の場合、これから議論になります分割請求とか、そういった一般貨物についてかつて倉荷証券が広く使われていた時代の状況を前提とした規定がずっと残っているものですから。今後それをどうするのかというときには、今後も先物にしか使わないのであれば、それ自体要るのか、要らないのか、そういった視点も必要になってくるのかなと思いました。ありがとうございました。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。 ○猪俣委員 もう一つ申し上げると、今発券されているものについては、大阪取引所さんとの取決めで、金なら1キロとか銀なら30キロとか、もう単位が決まっております。なので、分割ということは現実的にあり得ないものと思っております。 ○渡邉幹事 クリアリング機構の渡邉でございます。先物取引の受渡しについて申し上げますと、御指摘のとおり先物取引はやや低迷しておりまして、倉荷証券の利用というのも少しずつ減ってきているというのは現実としてはございます。ただ、これを活性化するために、我々のグループとして総合取引所などの取組を進めているところでございます。   海外の取引所の受渡しを見ますと、金の先物取引でいいますと、アメリカのCMEが主流ですけれども、CMEの方で電子決済のシステムを提供しておりまして、そこで電子倉荷証券に相当するようなものの授受で金の先物取引の決済というのは行われているようでございまして、日本の市場でいつまでも紙でやっているというところについては、国際的に見たときに参入障壁というか、そんな紙を扱うようだったらわざわざ東京では取引しません、みたいなこともあるかと思いますので、何らか電子化の取組というのはやっていければなと我々の方では思っているところではあります。それが奏功して先物取引が広がっていけば、倉荷証券の利用量も広がるということもあるかもしれないということかと思います。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。 ○池山委員 池山でございます。再度すみません。ある意味、初歩的な質問なのですけれども、先ほど来出ている先物取引における倉荷証券というのは、商法上の倉荷証券なのでしょうか。先ほどからのお話を聞いていると、やはり現物取引と先物取引というのは区別されていて、現物だと余りないというような話でしたけれども、商法の規定は、寄託契約があって、受寄物の引渡請求権を表象する証券としてあるのだと思うのですけれども、先物の場合は、概念的には存在するのでしょうけれども、現物は恐らくまだないのですよね。これもやはり概念的にはあるのですか。 ○渡邉幹事 クリアリング機構の渡邉でございます。先物取引の決済で使っているというのは、先物取引の最終決済ですね、先物取引ですので将来の日付で、例えば金であれば金1キロの売買をするという契約になりますけれども、先物取引で買ったものを最終日まで持ち越した場合には、実際にそのお金の授受だけではなくて、実際の地金というか金を授受することになります。その場面で実際に金の延べ棒を手で持っていって相手に渡すとかということはすごく煩雑なので、倉庫に預けている貴金属の倉荷証券を発券して、倉荷証券を受け渡すことで地金そのものを渡したのと同じ効果を得るという、そういう受渡しをしていまして、ですので、先物取引の最後まで行った場面の決済の話で倉荷証券が出てくるというものでございます。 ○池山委員 すみません、どうもありがとうございました。よく分かりました。 ○藤田部会長 そのほかに御意見、御質問はございますでしょうか。 ○箱井委員 これは部会の問題ですけれども、ということは理解としては、倉庫営業一般について、これまで商法にあるような倉荷証券をどうしようかという議論よりも、今ここで求められているのは、非常に特殊な取引、要するに倉庫営業そのものではなくて、先物取引における決済という場面で倉荷証券が今使われていると、そういう事実に基づいて、その業界からすると使いづらいからと、そういう話と捉えてよろしいのでしょうか。今日集まっているのは、これは私、商法の倉庫営業について一般的に用いられる倉荷証券、これまで学会で議論してきたような対象を前提に考えていたのですが、そうした証券は実際には使われていないわけですよね。特殊な使われ方をしているようなので電子化が必要だということだと、事務当局の方はこの点をどういうふうにお考えですか。やはり先物取引のその場面ということを念頭に置かざるを得ないと思うのですけれども、今後の議論をどういうふうに考えたらよろしいのでしょうか。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。我々の方としても現状、電子化のニーズがある場面というのが先物取引の最終決済場面だというのは、同じような認識でございます。ただ、そうはいっても結局、使われているのが商法上の倉荷証券ということになりますので、そこを何とか電子化しようというのであれば、商法の規定を改正するという方法によらざるを得ないのだろうと思っておりますので、今御指摘いただいているようなニーズに対する対応としては、商法の改正による対応というところが相当なのかということで今、議論の対象とさせていただいているというところでございます。 ○藤田部会長 よろしいでしょうか。 ○箱井委員 今後それがどういうふうに議論に影響するのかというのは、これからですね。ただ、実際の利用局面が特殊な場面に限定されているということは、相当念頭に置いておかなければいけない事実だというふうに思いました。私は今日初めてこれを知ったものですから。ありがとうございました。 ○猪俣委員 少し誤解があるといけないので、申し上げておくと、倉庫業法の規定と、商法もあるので、倉荷証券というのは存在していて、当たり前なのですけれども、私の言い方が少し極端だったのかもしれませんが、現実問題として今そういった特殊な使われ方がしているのを、うちの会社の中ではそういった取扱いになっていますが、他社さんの状況は分かりかねるので、私の今の言ったことだけで独り歩きされてしまうと、少し誤解を生じるといけないので、その辺だけ誤解のないようにお願いいたします。私の独り走りがありまして、ほかの状況を確認せずに、特殊だと思われてしまうと、少し違うかなという気がしますので、訂正いたします。 ○藤田部会長 そのほかに御意見、御質問はございますでしょうか。 ○洲崎委員 先ほどから議論になっている一般貨物と先物取引の違いについてですが、先物取引であっても最終的にその物を受け渡すときには倉荷証券を使っているということであったかと思いますが、そうすると、物自体は倉庫の中に入っているわけで、倉庫業者との間で寄託契約は成立している、ただ、証券が発行されるのが先物取引では最終的に受渡しがなされるときだけである、つまり一般貨物であれば、今倉庫に入っている物を売買するのだけれども、先物取引ではその受渡しがずっと先に行われることがあり、本当に受渡しをするときに倉荷証券が使われる、先ほどからお話を伺っていてそのようなものかと理解したのですが、そうだとすると、受渡しがいつなのかということが違うだけで、寄託契約としてはどちらも倉庫業者と寄託者との間では存在するということになるのかなと思ったのですが、そのような理解でよろしいのでしょうか。 ○藤田部会長 この質問は渡邉幹事に対してでしょうか。可能でしたら御返答をお願いします。 ○渡邉幹事 そうですね、先物取引の売方が最後までポジションをそのまま保有しまして、受渡決済になるという場面になったところで、一般的にはその少し前ぐらいの段階で地金を製造して、それを倉庫会社さんの方に持っていって、恐らく、倉庫寄託契約はあるのだと思いますけれども、倉庫会社に預けた上で倉荷証券を発券するという実務をしております。ですので、そうですね、寄託契約はあるのだろうと思います。 ○藤田部会長 洲崎委員、よろしいでしょうか。 ○洲崎委員 はい。寄託契約があって、それに基づいて倉荷証券が発行されているということでよいのですね。 ○渡邉幹事 そういう理解を私もしております。 ○洲崎委員 ありがとうございます。 ○藤田部会長 非常に特殊な使い方という表現がこれまでしきりに用いられたのですが、別に特殊な内容の取引をやっているのではなくて、最後の引渡しは普通の倉荷証券を使った引渡しをしているわけで、それは商法の規定している倉荷証券の機能と効果がそのまま適用されるものですね。ですから、使われる場面が、あるいは対象となる寄託物などが限定されているという意味で特殊なだけですね。 ○箱井委員 倉荷証券だということについては全然、これは全く異論ありません。商法に基づいているし、業法にも合致しているというところは私にも異論はないです。そこは全く異論がないけれども、ただ、教科書が一般に前提と見ていた状況、昔からあったような状況では全くなくなってしまっていて、証券の分割なども必要なさそうな相当限られた使い方がされているということです。ですから、先ほど来出ているような数百枚とか1,000枚というような非常に狭い取引に使うためにも耐えられるような制度というものを求めるような御発言があったりしています。そういったところで、私としては前提的な認識としては今日、実際の状況を伺ってよかったと思っております。ありがとうございました。 ○藤田部会長 そのほか、どの点でも御意見、御質問はございますでしょうか。   よろしいでしょうか。そもそも規定を置くのはなぜなのかといいますか、どういう場合に倉荷証券で使われているかという前提に関する情報を共有するような御質問、やり取りが多かったと思うのですけれども、仮に将来電子化されて使うとして、現在の提案で困るような点は、先ほどの信頼性の話は少し置いておくと、差し当たりはないと理解してよろしいでしょうか。 ○猪俣委員 今の使い方であればという意味で。 ○藤田部会長 はい。実際には余り使わないかもしれないけれども、仮に使うことになっても障害になるような規定があるわけではないということでよろしいでしょうか。   もし第2部の第1から第4について、特にこれ以上御意見、御質問がないようでしたら、次に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。   それでは、次に進みたいと思います。事務当局において部会資料9、第2部の第5から第7についての御説明をお願いします。 ○生出関係官 それでは、事務当局の生出から第2部の第5から第7の説明を致します。   まず、「第5 電子倉荷証券記録の類型及び譲渡等の方式」です。倉荷証券は船荷証券と同様、講学上は指図証券型、記名式所持人払証券型、その他の記名証券型、無記名証券型の4類型があるものと考えられます。そこで、電子倉荷証券記録の類型及び譲渡等の方式については、倉荷証券の実務における支障がない限り、電子船荷証券記録と同様の内容とすることが考えられますが、この方向性でよいか御検討いただければと思います。   次に、「第6 電子倉荷証券記録の効力等に関する規律の内容」です。まず、「1 規律の在り方の方向性」です。電子倉荷証券記録の効力等に関する規律の方向性についても電子船荷証券記録と同様、甲案、乙案、丙案及び丁案の4案を提案しております。倉荷証券の実務における支障がない限り、電子船荷証券記録と同様の内容とすることが考えられますが、この方向性でよいかについても御検討いただけましたらと思います。   次は、「2 効力等に関する規律案」です。電子倉荷証券記録の効力等に関する規律の内容に関して、先ほど御提案した丙案、つまり書き下す方向性、この案を採用する場合の規律の内容を記載しております。乙案を採用して読替規定を設ける場合における読替え後の規律についても、基本的には同様になると考えられます。逐条的に検討しておりますが、倉荷証券に特有の検討が必要なのは、(1)の商法602条に相当する規定、(2)の商法603条に相当する規定、(7)の商法608条に相当する規定、(10)の商法614条に相当する規定の主に四つになるかと思われますので、この四つについて御説明したいと思います。   まず、(1)商法602条に相当する規定です。これは帳簿の記載に関する規定ですが、倉荷証券を電子化するに当たっても実質的な変更は必要ないと思われるところではございますが、帳簿について商法602条に、「記載」しなければならない、とされていることから、電磁的記録によって作成されることは想定していないようにも考えられますため、この機会に、電子倉荷証券記録が発行された場合だけでなく、倉荷証券が交付された場合も含め、電磁的記録によって帳簿を作成することができるよう規律を改めることも考えられるところではございます。   次に、(2)の商法603条に相当する規定ですが、これは寄託物の分割請求に関する規定で、倉荷証券特有の規定となっております。倉荷証券の所持人は必要な費用を負担して、寄託物の分割及びその部分に対応する倉荷証券の交付を請求することができ、この場合には旧証券を倉庫営業者に返還しなければならない、とされております。電子倉荷証券記録が発行されている場合についても同様の規律を設けるべきであると考えられますが、その際には、紙の倉荷証券が交付されている場合には分割後に交付されるのは紙の倉荷証券、電子倉荷証券記録が発行されている場合には分割後に発行されるのは電子倉荷証券記録というように、寄託物の分割の前後を通じて媒体の同一性を求めるか否かが問題となります。   より具体的に御説明しますと、紙の倉荷証券が発行されている場合においては、分割された寄託物の各部分に対応する倉荷証券の交付を請求することに加え、倉庫営業者と寄託者の合意があったときに限って電子倉荷証券記録を発行することを認めるか否かが問題となります。一方で、電子倉荷証券記録が発行されている場合においては、分割された寄託物の各部分に対応する倉荷証券の交付を請求すること、電子倉荷証券記録の発行を請求すること、倉庫営業者と寄託者の合意があったときに限って電子倉荷証券を発行することを認めるか否かが問題になります。   これらの論点を踏まえて、部会資料9においては甲案と乙案の二つの案を提案しています。まず甲案ですが、これは電子倉荷証券記録を支配する者は、寄託物の分割を請求する際に、その各部分に対応する紙の倉荷証券の交付を請求することができるというものです。もっとも、この場合であっても、先ほど御説明した第2の1の電子倉荷証券記録の発行の場面の規律により、倉庫営業者と寄託者の合意があったときは倉荷証券の交付に代えて電子倉荷証券記録を発行することができるものとしております。また、紙の倉荷証券が発行されている場合においては、商法603条の規定により、分割された寄託物の各部分に対応する倉荷証券の交付を請求することができますし、先ほどの第2の1の規律により、倉庫営業者と寄託者の合意があったときは倉荷証券の交付に代えて電子倉荷証券記録を発行することができます。したがって、紙の倉荷証券が発行されている場合であっても、電子倉荷証券記録が発行されている場合であっても、分割された寄託物の各部分に対応する倉荷証券の交付を請求することに加え、倉庫営業者と寄託者の合意があったときに限って電子倉荷証券記録を発行することができるということになります。   なお、電子倉荷証券記録が発行されている場合において、先ほどの第2の1の規律によって分割された寄託物の各部分に対応する電子倉荷証券記録が発行されるときは、倉荷証券の交付に代えて行われるものですから、当該電子倉荷証券記録の発行に関する費用は、倉荷証券の交付に関する費用、に含まれるものと解されることを想定しております。また、倉荷証券の返還については、受戻証券性を定める商法613条に相当する規定と同様、電子倉荷証券記録の支配の移転に限定するのではなく、電子倉荷証券記録の支配の移転又は消去その他、当該電子倉荷証券記録の利用及び支配の移転をすることができないようにする措置を採ることとしております。   次に、乙案ですが、乙案は、電子倉荷証券記録を支配する者は、寄託物の分割を請求する場合に、その各部分に対応する電子倉荷証券記録の発行を請求することができますが、その各部分に対応する紙の倉荷証券の交付を請求することはできないとするものです。この考え方は、電子倉荷証券記録が発行されている場合には、寄託物の分割を請求するときであっても電子倉荷証券記録の発行しか認めず、転換の規定によらない限り媒体の変更は認めないというものです。このような考え方を採用する場合には、紙の倉荷証券が発行されている場合においては、倉庫業者と寄託者の合意があっても、転換の規定によらない限り電子倉荷証券記録を発行することは認めないものとすることも考えられるところで、そのように考えるのであれば、第2の1の電子倉荷証券記録の発行の場面の規律において、寄託物の分割請求がされる場合を除外することが考えられます。   続いて、(7)の商法608条に相当する規定でございますが、これは倉荷証券を喪失した場合の再発行請求に関する規定となっております。電子船荷証券記録については、紙の船荷証券とは異なり、電子船荷証券記録を紛失してほかの者がその支配をするに至るといった事態は通常では考え難いことなどから、民法第520条の11及び520条の12が規定する喪失の規定については設けないものとする方向で検討されております。このような方向性と平仄を合わせるのであれば、商法第608条に相当する規定は設けないものとすることが考えられ、このような考え方に基づくものが甲案となっております。   もっとも、電子船荷証券記録における検討は、非訟事件手続法が定める公示催告手続に相当する手続を別途設けて電子船荷証券記録を無効化することまでは必要ないというもので、その際の検討においては、システムを提供する者を含む関係当事者間で解決が図られることが想定されているのであるから、電子倉荷証券記録について相当の担保を供して再発行を求めることができるとする商法608条の規定の適用を排除する必要まではないとも考えられるところでございます。この考え方に基づくものが乙案となります。   事務当局としては甲、乙のいずれを採用するかについて決まった方向性を持っているわけではなく、皆様の御意見をお聞かせいただければと存じます。   次に、(10)の商法614条に相当する規定ですが、こちらも(1)で検討した商法602条に相当する規定と同様、倉荷証券の電子化をするに当たって実質の変更までは必要ないと思われるものの、帳簿については、「記載」しなければならない、とされていることから、この機会に、電子倉荷証券記録が発行された場合だけではなく、倉荷証券が交付された場合も含め、電磁的記録によって帳簿を作成することができるよう規律を改めることも考えられるところでございます。   次は、部会資料9の27ページの(23)の方に飛びまして、「その他」のところでございますが、商法及び民法において明示的に倉荷証券を規律する規定はないものの、そのほかの法律においては、倉庫業法の第1条や鉄道営業法の第13条、農業協同組合法第11条などの規定が存在します。これらについては、基本的には倉荷証券と併記する形で電子倉荷証券記録を追加するなどといった所要の整備を行うことを現時点では検討しております。   次は、最後になりますが、「第7 電子倉荷証券記録を支配する者に対する強制執行に関する規律の内容」についてです。こちらについても、倉荷証券の実務における支障がない限り、電子船荷証券記録と同様の内容とすることが考えられますが、この方向性でよいか御検討いただければと思います。   事務当局からの説明は以上になります。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。   それでは、今説明のあった内容について、どなたからでも結構ですので、御意見等を頂ければと思います。よろしくお願いします。 ○渡邉幹事 クリアリング機構の渡邉です。私から、これは事務当局への質問というような形になるかと思うのですけれども、今回、商法603条ですとか606条に相当する規律として、想定されている質権設定ですとか、あるいは寄託物の分割請求につきまして、仮にこの倉荷証券の電子化の法制化がなされて、我々の方で先物の受渡決済についてのシステム化をするとなった場合には、その受渡しの場面で使われるという前提で仕組みを構築するということを予定しておりまして、そうすると、分割請求の機能などについては先物の受渡しの場面では恐らく使われることはないと、先物の受渡しは、金でいいますと1キロの金の延べ棒に対して1枚、倉荷証券が発券されて、それがそのまま左から右に受け渡されるという形になりますので、分割ということは基本的に起こらないものでありまして、システムを作るに当たって余計な機能を付けてしまうと、それだけコストも掛かるというところもありますので、そういう場合には、例えばシステムの利用規約とかで、このシステムを使う場合には寄託物の分割請求とかというのはやりませんとかできませんとか、そういったものを設ければ、そういった機能を実装しなくても不都合が生じないと理解をしているのですけれども、その点はこうした理解で合っているかというのを確認したいと思います。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。基本的には御理解のとおりでいいのかなと思ってございまして、まず前提として、現状の倉荷証券の使われ方が商品先物取引の最終決済段階であり、そのような場合であるとするならば、基本的に分割請求ということはもう実務上ほぼ起こりえないということなのだろうとは思うのですが、とはいえ商法の改正でもって対応するという場合には、この603条に対応する規定をそのまま何もしないということもやはり難しいのかなとは思っておりますので、何らかの形の手当てというのは必要だろうとは思っております。   ただ、他方で御指摘いただきましたとおり、分割請求に対応することができないようなシステムだった場合にどうなるのかというところですが、このこと自体をもって何か無効になるということでは恐らくないのだろうと思います。ですので、その分割請求というものに対して何らかの手当て、先ほど御指摘いただきましたような利用規約等で排斥しておくとか、そういった手当てをすることによって、分割請求に対応することができないようなシステムを回していくということは可能なのだろうと事務当局としては考えているところでございます。 ○藤田部会長 よろしいでしょうか。   そのほか、どの点でも御意見、御質問がございますでしょうか。 ○猪俣委員 猪俣でございます。1点だけなのですが、証券を紛失した場合のことなのですけれども、一応、倉庫寄託約款上は公示催告を要するという決まりがございまして、その辺が電子記録との平仄が合うのかなというところが疑問になるところではございます。あと、クリアリング機構さんが多分システムを構築されて、この倉荷証券電子化の場合、そのシステムを使うことが主になろうかと思うのですが、先ほど渡邉様がおっしゃったように、一般のほかのシステムがないとも限らないので、そういったところは残しておく必要があるのかなという気はしております。 ○藤田部会長 ありがとうございました。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。今御指摘いただきました約款の問題というところは、いろいろ悩ましいところがあるのかなとは実は思っておりまして、この再発行の関係ですけれども、電子船荷証券記録のところでは公示催告の手続に相当するものは作らないという方向で検討がされておりますので、電子倉荷証券記録についてもそこは同様になるのだろうと思います。そういった中で、608条に相当する規定を残すということになると、約款上恐らく、608条ではなくて公示催告をしてくれという規定になっているかと思いますけれども、そこは多分、公示催告に相当する手続がありませんので、約款がどうなっていくのかというところはいろいろ悩ましい問題があるのかなとは思っております。   ただ、どういう方向がいいのかというところは明確に今、事務当局として何か方向性を持ち合わせているわけではございませんけれども、そういったところの問題意識も踏まえて、この608条に相当する規定を置くのか、置かないのかというところも御議論いただけると有り難いと思っているところでございます。 ○藤田部会長 ありがとうございました。公示催告の制度を電子的な運送証券や、船荷証券や倉荷証券について仮に作らないと、現在の約款だとまずいことになるかもしれません。その場合、ここで提案されている608条のような規定に対応する規定を電子倉荷証券記録について設けると約款での対応が難しくなるといったことはないでしょう。つまり約款で対処が難しいから、やはりこの規定がない方がいいということになるのでしょうか。 ○猪俣委員 電子取引の中で必要であれば、この規定を設けてもいいとは思うのですが、約款の方を逆に改正する形で電子化に対応した約款にする方がよいのではないかと個人的には思いますが、個人的な意見なので、ほかの方のことは分からないですけれども。どちらにしろ、この電子化が進んだ場合、始まる場合には、多分約款を改定しないと平仄が合わなくなってしまうので、いずれにしろ約款の改定は必要になってくると思いますので、そのときに電子化に対応する規定を作ればよいのではないかとは思います。 ○藤田部会長 ありがとうございました。   そのほか、どの点でも御意見、御質問はございますでしょうか。 ○山口委員 山口でございます。倉荷証券のことについては私、詳しく存じ上げないのですが、そのために少し倉庫業者さんとクリアリング機構さんに質問をしたいと思っております。船荷証券の場合、有価証券の類型が4種類あるわけですが、船荷証券については基本的には指図式証券と裏書禁止船荷証券の二つしか事実上使われていないのですが、将来的にこの電子化された場合には無記名証券あるいは記名式持参人払証券というのも生じるかもしれないということで、この4種類は維持するという結論に至っています。倉荷証券の場合、現状も指図式倉荷証券と裏書禁止倉荷証券の2種類しか多分存在しないだろうと思われるわけであります。このほかの2種類、すなわち無記名証券あるいは指図式持参人払証券の規定まで必要なのか、あるいは、必要性はないけれども、あっても別に邪魔にならないのかというのは、どのようなお考えでしょうかというのが質問でございます。 ○藤田部会長 猪俣委員、渡邉幹事から、もしお答えがあれば、頂ければと思います。 ○猪俣委員 倉荷証券は常に寄託者というものが存在しておりますので、無記名というのはあり得ないと思っております。倉荷証券の受渡しにおいては、裏書で受渡しがなされていくことになっておりますので、小切手のように、持参してきた人には、たとえそれが拾ったものであっても、裏書さえつながっていて保管料を支払っていただければ、持参者に払出しをするというところでは、持参人の形になっていますが、無記名だけはないのかなと思います。 ○藤田部会長 裏書で譲渡するということは、法律的にいうともっぱら指図式のものが使われているということでしょうか。指図禁止、すなわち譲渡禁止とされた記名式というのはあるのでしょうか。 ○猪俣委員 譲渡できないというものは、私の理解では、ないと思っておりまして、常に裏書で受け渡っていくというのが今の実務だと思います。 ○藤田部会長 指図式だけということですね。渡邉幹事もそこは同じでしょうか。 ○渡邉幹事 そうですね、受渡しで使われているのはいわゆる指図式の倉荷証券だと思います。ほかの種類については現行は使われていませんけれども、電子化したときにどうするのかというのは、選択肢は多い方がいいとは思います。 ○藤田部会長 船荷証券以上に使われる種類が限定されているようですけれども、山口委員、今の御返答でよろしいでしょうか。 ○山口委員 はい、どうもありがとうございます。   それから、もう1点、これは意見でございますが、倉荷証券の場合、強制執行の規定の問題がございまして、船荷証券よりはこの強制執行は実質的に行われるようにしないといけないだろうと思いますので、船荷証券の場合、この規定を設けないという選択肢はあったのですが、倉荷証券の場合は必ず何らかの形で設けておかないといけないと思われます。貴金属等において倉荷証券が発行されていると、所持人が何らかの形で債務を負ったときに債権者が執行するというのは、これは現実的にあり得るだろうと思われます。そのため、倉荷証券については少し船荷証券とは違う考慮が必要なのかなと考えております。 ○藤田部会長 2点目の質問について、御感触を頂ければと思います。強制執行について、船荷証券ではやや消極的な案もあったのですけれども、倉荷証券についてはあった方がいいかということについて、感触だけでも頂ければと思います。 ○猪俣委員 そうですね、倉荷証券の場合は、例えば差押えとかで見つかって、国税などから問合せを受けるようなこともあるかもしれないので、強制執行については規定があった方がよろしいかと思います。 ○藤田部会長 渡邉幹事も同じような感触でしょうか。 ○渡邉幹事 そうですね、我々が関与しているところには余り関係がないところ、というところが正直なところでありまして、余りここについてはスタンスを持ち合わせていないです。 ○藤田部会長 事務当局から何かございますか。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。事務当局から少し伺いたいこととしては、603条の分割請求のところ、事実上使われないということで、その前提で、どちらがいいでしょうかというのもなかなか聞きづらいところではあるのですが、甲案、乙案、両方出させていただいておりまして、要は、電子が発行されている場合の分割請求がされたときに、基本紙で対応するのか、もう電子だったら電子のみかというところで、甲と乙という形で分かれてはいるのですが、なかなか実際に使うことは想定されないとはいえ、立法化するときはどちらか態度決定をしなければいけないものですから、ここら辺りの御感触を頂ければと思っているというところがございます。   この論点につきましては、恐らく船荷証券でいうところの船積船荷証券と受取船荷証券のところとほぼ似たような論点ではありますので、あちらの方の結論と合わせるということもあり得るとは思うのですが、そういったところも含めた御感触なり御意見なり、現時点でのものがありますと有り難いとは思ってございます。 ○藤田部会長 いかがでしょうか。そもそも分割請求されても困るというのが実態だとすると、されたときの具体的な条文の書き方をどうすればいいですかというのは答えにくいかもしれませんが。 ○猪俣委員 証券の分割については、寄託約款上も規定が存在していまして、その規定があるので、分割はできることにはなっていますので、分割することは、現実的になくても構わないですが、やはり実務的には片方電子で片方紙というのは少し難しいのかなと思いますので、できればそろえたいと思います。 ○藤田部会長 一旦電子で出した以上は、分割請求に応じて出すのも電子であるべきであるという考え方ですね。船荷証券の方でも、受取船荷証券が出された後、船積船荷証券を出す場合の扱いについて同じような議論はありましたけれども、そこでの議論は分かれていました。渡邉幹事も同じでしょうか、答えにくいかもしれませんが。 ○渡邉幹事 分割請求の場面が余り想定されないというところもあるので、ここも我々の方としては特に、どちらがいいというのはないところではあります。 ○藤田部会長 分かりました。事務当局、もう一つお願いします。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。すみません、今御議論いただいている範囲と、少し戻ってしまうのですけれども、部会資料でいいますと13ページ、14ページの転換のところでございまして、具体的には14ページのところでございます。   電子から紙への転換の場面においては、転換の請求権というものを認めてもいいのではないかという議論が船荷証券の場合にはございまして、それを認めるという案と認めないという案が議論されております。背景といたしましては、船荷証券の場合は結局、行った先で紙が要求されるような場合もあるので、紙への転換についてはある程度強制的にできるような仕組みをしておいた方がいいのではないかという問題意識があり、そういったところで紙への転換請求権を認めるという考え方もありつつ、他方で、そういった場合は事実上対応するわけなので、権利化までする必要はないのではないかという考え方、こういったところが議論されているわけですけれども、倉荷証券の場合に、紙への転換をするということをある程度保障しなければいけないような状況というのがあり得るかどうかというところにつきましての御感触を少し頂けますと有り難いと思ってございます。 ○藤田部会長 これも答えにくいかも知れませんが,可能でしたら感触を頂けますでしょうか。 ○猪俣委員 感触的には、せっかく電子で発行したものを紙にするということは、逆に倉庫業者にとっては手間が増えるので、極力避けたいところではあると思います。電子でやると印紙も要りませんし、そういった意味でも、せっかく無料でというか、システム利用料だけで済むものを、印紙を貼ってまた発券するということは、できれば避けたい。 ○藤田部会長 船荷証券の場合ですと、電子船荷証券記録を受け取った所持人が、例えば外国の税関に提出しようとしたら、紙の船荷証券を要求されたりした場合の対応といった形で割と具体的な必要性というのが想定できたのですけれども、倉荷証券についてはそういう場面というのは基本的には余り想定できないと考えてよろしいでしょうか。つまり寄託者の立場として、紙の倉荷証券が入手できないと困るというような局面ですが。 ○猪俣委員 例えば、寄託者が死亡して相続のときに手続が要るとか、そういったところで必要でなければ、別に寄託者的に紙でなければいけないという理由は見当たらないのですけれども、でも、最悪あれですね、寄託者が受け渡っていく間に、裏書というかシステムで受け渡っていった先で、その何人目からの寄託者が私は紙で欲しいという請求をされる可能性は、なきにしもあらずかと思いますが。 ○箱井委員 前提として、あまり考えたことがなかったのですけれども、船荷証券に関しては、先ほど事務当局あるいは座長からお話がありましたように、紙への転換請求が駄目だと法律に書くのはどうかと思いますけれども、そうでない限りは処分権行使でどちらにしても請求できるかなと思っているのですが、倉庫の場合はどうなのでしょうか、荷送人の処分権に当たるような、寄託者からのそういった処分権のようなものは、恐らく誰も議論したことがないと思うので、ここで聞くのもどうかと思いますけれども、運送とこの点を同じように考えられるのか、若しくは何か前提が違うのか、事務当局はそこのところは考えられましたか。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。処分権の行使としての転換ということだろうと思いますけれども、それが可能かどうかというところは十分な検討ができておりませんで、といいますのも、これまで紙という媒体しか認められていないわけですので、電子版に変えられるかどうかというのが従前の解釈論であるはずもないわけですから、こういった制度を新たに作った場合に、媒体の転換というのが処分権の一つとして読み込めるかどうかというのは、正に作ってから多分、解釈上問題になる話なのだろうと思いますので、そこのところは従前の解釈論なりを見て直ちに分かるものではないということなのだろうと思いますが、他方で、そういった問題状況の中で、転換という規定を別途設けるということになりますと、やはり転換の規定を別途設けたことによって処分権の枠組みから外れるという解釈になるのが自然なのかなという感じは個人的には持っております。 ○箱井委員 船荷証券もそういうふうに理解するのですか。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。転換の規定を入れて、こういった場合には転換できるという定めを別途設けるということになれば、それとは別に処分権という方法で転換ができるという解釈は採りにくくなるのではないかと個人的に思っております。 ○箱井委員 法律上請求できない形にしてしまったら、処分権としても求められないという、そういう理解で。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。転換の規定の中で、もちろん合意があればできるわけですけれども、そこをあえて請求権という形にしなかったということで転換の規律を設けるのであれば、転換というのはそもそも転換の規定によってやってくださいと、処分権の行使としてやるものではないという解釈というのがあり得るのかなとは、今、思い付きではあるのですけれども、そんな考え方もあるのかなと思っております。 ○箱井委員 私は処分権の一種、それを明示的ないし注意的に書くのだと理解をしておったのですけれども。ですから、強行法的に禁止されるならともかく、特段処分権行使が禁止されるというような理解はありませんでした。   この分割請求も転換も、特に分割請求の場合は、倉庫営業に関していえば、元々はこれは非常に重要な規定ですよね。ただ、限定的にしか使われていないことをどう見るのかの問題に尽きてきますが、さしあたりフルスペックでやろうというふうな話としますと、やはり分割についても重要な規定であると考えざるを得ないと思いますし、転換にしても船荷証券のときと全く同じではないかと思います。電子で発行されても、やはりそれを譲り受ける者が電子で対応できない場合というのは同じようにあろうかと思いますので、現実的かどうかは別として、フルスペックできれいにということで議論するのであれば、恐らくそういうことになるのではないのかという感想を持っております。 ○藤田部会長 ありがとうございました。 ○池山委員 池山でございます。今の点は少し船荷証券の議論とも関係するので、一応意見だけは申し上げてよろしいかと思うのですけれども、私は船荷証券における転換の規定の問題は運送品処分権の問題とは全く違うという理解でおります。運送品処分権というのは、そもそも運送契約の役務の性質の特殊性に由来するもので、それは時間的にも空間的にもということですけれども、あるいは当事者的にもですけれども、本来の当事者である荷送人又は傭船者とは別に、荷受人という当事者ではない、でも重要な第三者というのが想定されると、それから場所的にも移っていくと、そういう役務の特殊性に根差して、いってみれば一定の条件付きで契約の変更請求権を認めるというものなのだろうと思うのです。正に条文上も、運送の中止とか荷受人変更その他の処分というのは、正に本来契約で決めたことを変えていいというわけですよね。それは確かに合理的な理由があって、一番分かりやすい運送契約である宅急便の運送契約であっても、やはり戻してくださいということは言えてしかるべきだと、そういう発想から来ていると。そのことと、この媒体の変更の問題というのは、正に甲案、乙案、両方対立があるのは理解していますけれども、少なくとも運送品処分権があるのだから媒体の変換請求権があっていいと、そういう論理的な関係にはないのだろうと思っております。恐らく法務省の渡辺幹事もほぼ同じような趣旨をおっしゃったのではないかというのが私の理解です。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。 ○箱井委員 箱井です。そうしますと、媒体の変換と、例えば証券の種別の変更、書換えというのとは全然意味が違うと、そういう理解でしょうか。 ○池山委員 ええ。意味が違った上で、甲案、乙案の対立がどちらがいいかと、これはまた別個考えなければいけない問題だと、そういう整理なのだと思うのです。それは今日の議題ではないと思うのですけれども。 ○箱井委員 私には理解できないのですけれども。 ○池山委員 逆に処分権の一種だと性質決定をすると、当然。 ○箱井委員 契約の変更とおっしゃいましたよね。正に記名証券で出してもらったものを、やはり指図証券に変更してくださいということとか、運送品の返還もそうですし、例えば生動物であれば餌やり方法の変更など、要するに契約内容の変更を広く処分権だと理解しておりますので、転換も特に規定がなければ、船荷証券の場合には処分権の範囲内で転換請求するということになるのだろうとは思っているのですけれども。 ○池山委員 再度、池山でございます。恐らくそういう整理をされると多分、処分権という言葉の定義あるいは利用法が先生と私とでずれていて、実質はそれほど変わらないだろうと思うのです。私が申し上げたかったのは、少なくとも商法580条で想定している、その運送品処分権、条文の表現だと、荷送人による運送の中止等の請求権とは、今回の媒体の変更の議論とは違うのではないかという、逆にそれ以上でもそれ以下でもないです。 ○箱井委員 規定がなければ請求できるのではないですか、やはり処分権として。 ○藤田部会長 規定がなかった場合ではなくて、少なくとも転換の規定を置いてしまうともっぱらそれでいく、運送品処分権によって紙の船荷証券を求めたりすることは想定されていないというのが、事務当局のご説明ですね。 ○箱井委員 そうすると、書き方次第かもしれませんが、処分権を制約するような強行法的な性質に当然になると、そういった解釈があり得るのだなと、先ほど御紹介いただいて認識しました。そこまでは考えていなかったものですから、勉強になりました。 ○池山委員 分かりました。いずれにしろ、多分今日の議題としてこれ以上話すのは適切ではないと思うのですけれども、箱井委員の問題意識は非常によく分かったので、またこちらでも検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。一応、事務当局の現時点での整理ということを申し上げさせていただきますと、媒体の転換の規定は、まず、置くというのが一つの前提でございます。媒体の転換の規定について、これが処分権の範囲外ということであれば、もちろんその規定に従うということになると思いますし、仮に処分権の一内容であるというような解釈が前提にあったとしても、転換の規定を別途置けば、基本それに従って、その要件を満たさないものが後で拾われるということはなくなるというような整理を申し上げたというところでございまして、前提となる解釈についてどちらの結論をとったとしても、転換の規定の中で全て決着を付けるという形でいいのではないかと思っているというのが事務当局の現時点での整理でございます。 ○池山委員 ありがとうございます。 ○箱井委員 箱井です。先ほどの藤田先生の御発言を受けて、私の理解を確認しようと思ったのですけれども、もしかして私が誤解したのかもしれません。規定がどうなるかにかかわらず、取引的には運送人側が対応されるかのようなお話が先ほどあったかなと思いまして、それをどう理解したらいいのかということだったのですが。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。失礼しました。先ほど私の方から、仮に転換請求権というものを認めなくても、事情が事情ならば事実上対応するのではないかというようなことを申し上げたのは、それは現実問題として、行った先の国で、もう紙でないと駄目だということになったときに、運送人が拒否をするのかというと、それは恐らく拒否はしないのではないかと、そういうことからすると、紙への転換請求権というものが実際に必要になってくる場面というのはほとんどないかもしれないと、そういったところで権利性までは認めなくてもいいのではないかという御議論があったということを紹介したというところでございます。 ○箱井委員 箱井です。ですから、その場面で処分権で別途可能となれば、これは結局は転換してもらえるわけですけれども、事務当局の御理解ですと、これは運送人が転換を拒否できるということになってくるということですか。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。先ほどの事務当局の整理を前提にすると、転換請求権という形では認めないということにした場合には、恐らく処分権の行使としてそれを別途できるということにはならないのではないかという整理ですので、拒否ができるということにはなろうかと思います。ただ、従前の御議論の中でも出てきたお話としては、そういった形で本当に不当な場面で拒否をするような場合ですと、それはそれで何らかの義務違反に問われたりする可能性というのは別途、一般条項等から導かれるということはあり得るのだろうとは思いますので、そういったところで転換請求権までを認めるかどうかというところの御議論があったのではないかと、このような理解でございます。 ○箱井委員 ありがとうございました。処分権を前提にみれば、どちらでもよいといったら何ですけれども、何を原則とみるかの形式的な規定なのかと思っていましたら、そうではなく非常に重要な規定だということが分かりました。ありがとうございました。 ○藤田部会長 ありがとうございました。   ちなみに、転換の規定を明示的に置いた場合の整理ですが、電子的な船荷証券の規定を含んでおり、かつ転換についても明示的に定めているロッテルダム・ルールズの整理は、条約10条で転換――紙から電子へ、電子から紙への転換――の規定が置かれていて、それと別に50条という条文が運送品処分権を規定しています。そして、これらはオーバーラップしない内容で、50条の運送品処分権に基づいて変更請求権として請求できたるという考え方は採られておりません。10条の要件を満たさない媒体の変更は認められないと整理をしておりまして、今の事務当局の説明は、それと全く同じような形で日本法の法制を作ろうとするものだと思います。何もない状態で運送品処分権の規定に何が含まれているか議論しているのではなくて、規定を置いた後の整理としてそうなるだろうという前提です。したがってその限りで、この転換の規定というのは、倉荷証券の場合にどれだけ意味があるか分かりませんが、船荷証券においてはいろいろ実質を持つ議論であることを前提に、今後の議論をしていただければと思います。   意外に船荷証券の方に話が跳ね返ってしまいましたが、倉庫の場合に戻りますと、こちらでは転換ということは余り想定しなくていいということでしょうか。電子版で出してくれと言った後、紙の倉荷証券にしてほしいといったときに、それを権利として保障しなければいけないか否かということを真剣に議論するだけのニーズというのはそもそもないということでしょうか。 ○箱井委員 箱井です。フルスペックにするかどうかということですね、結局フルスペックで行くなら、先物のこのケースだけでなく考えると、分割請求も非常に重要な規定だと思いますし、転換でも船荷証券と同じように、やはり譲受人次第では困ることがあるのではないかという点は考えなければならないように思うのですけれども。 ○藤田部会長 船荷証券についても結論はまだ出ていなくて、いずれの方向も同意を原則として必要とするというのが、むしろこれまで原則的な案だったような記憶もあるのですけれども、船荷証券の法制に合わせるということでいいのか、何か固有の事情を反映して違いがあるかというのが、今日の議題だと思うのです。フルスペックというか、両方規定を置くのは間違いないのですけれども、いずれか、倉荷証券と船荷証券とで何か違いがあるでしょうか、それとも単純に合わせればいいというだけでしょうか。   笹岡幹事、この点に関してでしょうか。 ○笹岡幹事 はい。笹岡です。一度すでに議論したところかと思いますが、転換請求権か転換義務かという話は、転換の費用をどちらが負担するかという問題と関連していたと思います。処分権という構成にすると、元々定まった法律関係を修正してほしいという側が費用を負担する。これは、先ほどの分割と同じような構成になるのかと思いますけれども、費用はその請求者側が負担するのだということになります。もう一方で、本来紙で発行すべきものを電子に転換しているとすると、元の紙に替えてほしいという趣旨での転換請求権となり、どちらが転換の費用を負担すべきかはすぐには決まりません。これが弁済費用だとすると、それは倉庫業者であったり運送人側が費用負担すべきだという解釈論につながるのではないかと。いずれにしてもこの文脈で処分権の話が出てきたわけです。転換請求権に関する規定がなくても運送品処分権の行使として転換を請求できるという議論はしておりませんでしたし、私自身もそのような結果にはならないのではないかと思っています。事務当局の御説明のとおり、転換の規定ができれば、転換の規定に従って請求をして、それは性質的には処分権に相当するので、費用は請求者側が負担すべきだという解釈論につながっていくという形で処理される、という方向もあるというだけで、それが絶対というわけではなく、そういう解釈もあるのではないかと。 ○藤田部会長 ありがとうございました。   そのほか、この論点でも結構ですし、ほかの論点でも結構ですが、御意見はございますでしょうか。   事務当局から特に確認したい点は、今の2点でよろしいでしょうか。   特にほかに意見はございませんでしょうか。 ○箱井委員 箱井です。今の船荷証券の場合と倉荷証券の場合、変える必要があるのかどうかというところの個人的な意見なのですけれども、現に使われていないということをどれだけ考慮するかは別ですけれども、ここは特に別なものとして扱う積極的理由はないように思いますし、むしろ同じだということを前提に議論していった方がよいのではないかと個人的には思っております。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。そうするとなおのこと、今後、中間試案の後の議論において、船荷証券に関して、先ほどの事務当局の整理を前提に、転換の規定の内容について改めて慎重に検討していただければと思います。   そのほか、どの点でも御意見、御質問はございますでしょうか。予定よりかなり早い進行なのですけれども、よろしいでしょうか。   ほかにもし御意見がないようでしたら、本日の審議はこの辺りまでにさせていただければと思います。   それでは、次回の議事日程等について事務当局から御説明をお願いいたします。 ○渡辺幹事 渡辺でございます。本日はどうもありがとうございました。   次回の第10回の部会は、令和5年5月31日水曜日、午後1時30分から午後5時30分まで、場所は法務省地下1階の大会議室を予定してございます。   6月以降の部会の日程につきましては、現在、法務省内部で調整中でございますので、決まり次第、正式なアナウンスをさせていただきたいと存じますので、いましばらくお待ちいただければ幸いに存じます。   既に御案内かと存じますが、船荷証券に関する規定等の見直しに関する中間試案につきましては、先月31日に無事パブリック・コメントに付すことができまして、来月12日まで意見を公募することといたしております。次回の第10回部会におきましては、このパブリック・コメントの結果等も踏まえた審議をすることができればと考えてございます。   事務当局からの説明は以上でございます。 ○藤田部会長 それでは、法制審議会商法(船荷証券等関係)部会の第9回会議を閉会にさせていただきます。   本日は熱心な御審議を頂きましてありがとうございました。 −了−