法制審議会 会社法制 (株式・株主総会等関係)部会 第11回会議 議事録 第1 日 時  令和8年2月25日(水)    自 午後0時58分                         至 午後5時07分 第2 場 所  法務省法務総合研究所第6教室(赤れんが棟1階) 第3 議 題  会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案のたたき台について 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○神作部会長 予定した時刻よりも少し早いのですけれども、皆様おそろいでございますので、ただいまより法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会の第11回会議を開会いたします。   本日も皆様御多忙の中、御出席いただき誠にありがとうございます。   本日もウェブ会議の方法を併用して議事を進めることとさせていただきます。初めに、事務当局からウェブ会議に関する注意事項の御案内を頂きます。よろしくお願いいたします。 ○宇野幹事 事務当局より御説明を差し上げます。ウェブ会議を通じて御参加されている皆様につきましては、御発言される際を除きマイク機能をオフにしていただきますよう御協力をお願いいたします。御質問がある場合や審議において御発言される場合は、画面に表示されている挙手機能をお使いください。指名がされましたら、マイクをオンにして御発言ください。御発言が終わりましたらマイクをオフにし、また、画面の挙手ボタンを再度押して挙手を下げていただきますようお願いいたします。なお、御発言の際はお名前をおっしゃってから発言されるようお願いいたします。会議室にお集まりの方々におかれましても、ウェブ会議の方法で出席されている皆様にはこちらの会議室の様子が伝わりにくいため、お名前をおっしゃってからの御発言に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   本日の会議の出欠についてでございますけれども、松井智予委員と加藤幹事が御欠席と伺っております。   続きまして、本日の審議に入ります前に事務当局から配付資料についての御説明を頂きます。よろしくお願いいたします。 ○宇野幹事 配付資料について御確認いただきたいと思います。   まず、部会資料11「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案のたたき台」がございます。こちらは、当部会においてこれまで第一読、第二読と議論してまいりました各テーマについて、全体を一括して、中間試案のたたき台として全体像をお示ししております。補足説明では、これまでの部会資料からの主な変更点を示しておりますけれども、本日は終わりの時間が見えないという関係上、大変恐縮ですけれども事務当局からの説明は割愛させていただければと思っております。   また、参考資料27「中間試案のたたき台について」は、経済産業省の鮫島幹事から御提出があったものでございます。この資料につきましては、後ほど鮫島幹事の御発言の中で言及されると承知をしております。   配付資料の御紹介は以上でございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   それでは早速、本日の審議に入りたいと存じます。先ほど事務当局から御説明いただきましたとおり、本日は事務当局からの部会資料の御説明は割愛させていただき、早速意見交換に入りたいと存じます。部会資料11につきまして、第1部、第2部、第3部の三つのセクションに分けて御議論を頂きたいと存じます。   初めに、部会資料11の第1部に関して御議論を頂きます。本日は中間試案のたたき台についての御議論でございますので、これまでの議論で両案が示されていた論点でいずれの案に賛成するかといった御意見ではなく、中間試案にどのように記載すべきかという観点からの御意見を中心に頂ければと存じます。それでは、御意見のある方は挙手をお願いいたします。 ○鮫島幹事 第1部については2点、御発言いたします。   まず、従業員等に対する株式の無償交付につきまして、これは閣議決定された「規制改革実施計画」の実施事項とされている重要テーマではございますが、従業員の意欲向上という趣旨を損なわぬよう、現在の実務に対する規制強化とならない前提で御検討を頂ければと考えてございます。   二つ目が、株式交付制度の見直し、特にその手続についてでございます。反対株主の株式買取請求権は、企業に想定外の金銭支出を発生させるものでございます。そのため、上場会社である場合等々の要件を前提として、株式買取請求権を撤廃することにより、株式交付や株対価M&Aの促進、そして企業における成長投資の原資の確保につながると考えてございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○藤田委員 第1部に書かれていることは基本的にこれまでの意見、ここで出た議論を反映して、適切に中間試案に諮る内容になっているものと思いますので、内容は賛成です。   非常に細かな表現というかプレゼンテーションの仕方だけで、1点だけ申し上げます。最初の無償交付の対象のところ、部会資料3ページ(後注3)に、A案、B案、A案及びB案の規律をいずれも設ける考え方もあると書かれております。確かに、こういう意見がありましたし、内容もそのとおりだと思うのですが、この案にはかなりの支持があったような記憶をしております。そこで、こういう形で一番末尾に注として書くのではなくて、もう少し目立つ書き方が可能なら、お考えいただけないかと思います。要するに、パブコメにおいて、A案、B案と並んで、A、B両方を認めるという第3の案の三つから選ぶような形で意見を聴くような形にしてもらえないかということです。AがいいかBがいいかどちらかを選べという形ではなくて、三つの選択肢から選ぶ、両方を併存させるというのも重要な選択肢としてあるのだということを示して選んでもらった方が意見がうまく拾えるのではないかと思います。そこで、そういうことが可能であれば、表現として工夫いただけないかというのが意見です。 ○神作部会長 いかがでしょうか、事務局からお答えいただけますか。 ○宇野幹事 今の藤田委員の御意見については、確かに部会の意見分布としては御指摘になったところがこれまでの議論の経過だったかなと思いますので、ほかのところでやっておりますように、A案、B案を書く前の一番最初のところで、「【A案】若しくは【B案】のいずれか又は双方によるものとする」と書いているところがほかのところでもございますので、同じような形の書きぶりで、その両方を併用する案も有力な案であるということが分かるような形で、もう少し書き方は工夫したいと思います。ありがとうございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○豊田委員 三つほどございまして、まず、第1の1について、A案とB案の今の記載自体はよいと思いますが、少し追加でございまして、私も何回か発言させていただいたかとは思いますが、全体の希釈化に対する何か上限を法定してはどうかということを、(注)でも結構ですので、入れていただけないかということを申し述べさせていただきます。   この点につきまして、A案は、労働者の労働等で会社に便益が入るから対価性があるということで、理論上は株式の経済的価値は希釈化しないという整理だと思いますが、ここには一定のみなしが入ることにはなりますので、歯止めが必要ではないかと考えております。また、B案というのは株主総会の普通決議で上限を設定しますが、上限次第では経済的な希釈化という点でも既存株主に影響がかなりある場合もあると思います。このような観点から、例えば、希釈化の上限を法定することの要否について引き続き検討するといったような(注)があってもいいのではないかと考えております。   それから、第3の2、9ページになりますが、不足額塡補責任の見直しにつき、アとイに分けた上で、イの責任の内容についてα案、β案と書いていただいたものですけれども、これについてはいずれかの案ということではなく、α案とβ案のいずれかを選べるという案にしていただくのがいいのではないかと考えております。制度として両立し得ないということではございませんし、いずれかを選べることとしておいた方が柔軟な対応ができ、当事者の利益にも資すると考えております。   それから、第1の1に戻って、賃金該当性について整理が必要であるという記載がございますが、中間試案を読む人にとってこの部分の記載が分かりにくいのではないかということが懸念されますので、補足説明において、賃金該当性に関してどういう問題があるのか、どういう整理をするとA案、B案にどういう影響があるのかといったことを記載していただければと思います。 ○神作部会長 ありがとうございます。それでは、御意見はまとめて頂いて、必要に応じて最後にまた事務局からまとめて御回答いただければと思います。 ○仁分委員 1点だけ、現物出資構成に関してなのですけれども、現物出資構成に関しましてはA案とB案のいずれかの案によるものと記載されていますけれども、B案につきましては、長年にわたり広く行われてきた現物出資構成の実務への影響が大きいことを踏まえ検討する必要がある旨を(注)として記載いただきたいと存じます。第6回部会でも申し上げましたとおり、実務において現物出資構成は長年にわたり特に法的な問題を生じることなく行われており、株主総会決議を要件とする新たな規制を設けるべき立法事実はないと考えております。一方、このような見直しは明確な規制強化であり、既に広く行われている現行の実務に大きな影響があるという点で、ほかの論点の見直し案とは性格が異なるものと認識しております。したがいまして、その点を明示した上でパブリック・コメントに付していただきたいと考えております。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○矢野幹事 初めに、全体について少し御意見を申し上げたいと思っております。今回の内容をトータルで見ますと、やはりかなり株主権を後退させるという内容のメッセージが全面的に出ているという点について、弁護士会としてはかなり気になっているということは最初申し上げておきたいと思います。そうしたことも踏まえまして、パブリック・コメントに当たっては、現行法の維持というところも含めまして、丁寧な意見聴取を心掛け手いただきたいと考えているということを、まず最初に申し上げたいと思います。   その上で、第1部について若干述べたいと思いますけれども、まず、無償交付の先ほどのA案の希釈化の点は、私も豊田委員の意見に賛成です。その上で、B案につきましても、年限だとかそういったものが検討が必要かもしれないとは思っておりまして、(注)で入れるとしたら、A、Bの両方の(注)なのかもしれないということは御検討いただきたいと思います。   あと、(注2)のところで、A案とB案は同じ内容になっているかと思いますけれども、B案の方は枠を設けて使っていくという形なので、途中で株主になる人に対して、どこまで枠を使っているのかとか、そういった情報提供が必要だとは思っておりまして、これは前回も少し申し上げたかと思いますけれども、A案とB案では(注)の中身を少し変えないといけないのかなと思っておりますので、この点も御検討いただければと思います。   次、第2のところですが、株式交付のところ、1(1)A案に関して、今回の補足説明6ページ目の真ん中辺りに、複数回に分けて株式交付を行う場合には解釈で対処するというようなことが今回改めて書かれているところではあるのですけれども、実際問題として一体誰がどうやって争うのかというのが正直分からなかったところがありまして、この問題があるので、A案そのものを維持しておくのがどうなのかという気持ちはなくはないのですけれども、ただ、(注)でA案についてはこの対処について検討が必要だということは明記いただいた方がよろしいかと思っています。   あと第3、現物出資なのですけれども、2(1)イのα案のところの著しく不足する場合の不足額という記載が、著しい場合の著しいといわれた不足額ではないかという読み方もできなくもないという指摘も若干受けまして、確かにそう読めなくもないと思ったところもあったので、少し表記の工夫ができればいいのかなとは思いました。これは補足説明で説明いただければ十分ではないかとも思ってはいます。   あともう1個、今回立証責任の点でA案、B案を新しく書かれているかと思いますけれども、パブコメに付すことまでは反対はしないですけれども、ただ、この論点は著しくが立証された場合の話ということで考えると、著しくと過失、両方立証させるというのは少々立証のバランスとして変だなと思っているところではございます。著しくが立証されれば、普通はそれだけ下がることは分かっているよねということで、過失は転換される、推定される、推認されるという形で、抗弁として無過失という主張はバランスとして悪くないと思っているということは、意見として申し上げたいと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○齊藤委員 豊田委員からも御指摘があった9ページの責任の内容に関する点でございますが御提案を誤解しているかもしれないのですが、α案とβ案は拠って立つ考え方が違いますので、それを両方採るという案も確かにあるのですけれども、α案だけという選択肢も残していただきたいと思っております。β案を採用した上でα案と併用するというのはあり得ると思うのですけれども、β案というのは従来の資本制度の考え方を踏み出すものでございますので、その考え方を変更しないのであれば、α案だけということも考えられるからでございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○松中幹事 株式交付のA案とB案、それから簡易株式交付の判断基準との関係について申し上げたいと思います。   B案アの場合、私自身はここで紹介されている、先行する株式交付と一体的に評価する、その上で判断基準時は前倒しにすればいいと考えているのですけれども、部会資料11の6ページの捕捉説明で指摘されているとおり、個々の株式交付ごとに判断するという考え方もおよそ採れないわけではないと思います。すなわち、B案アの場合は簡易株式交付の判断方法と、どのような場合に株式交付ができるのかということが必ずしも連動しないことになります。A案の場合だと基本的には個々の株式交付ごとに判断した上で6ページに示された解釈で濫用を防ぐということにならざるを得ないのですが、B案アの場合は必ずしもつながっていませんので、多分補足説明のところでの書き方になると思うのですけれども、そのことが分かるような形で意見照会をしていただければと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○久保田委員 私は株式の無償交付の対象範囲の見直しについて、少しだけ意見を述べさせていただきます。   まず、藤田委員が最初におっしゃった点ですけれども、私も是非A案とB案の併存というのが有力な案であるということが分かるような形で中間試案に書いていただければ大変有り難く思います。   もう1点は説明の仕方でして、この説明の仕方が本来今回の部会の審議対象でないことは認識しているのですけれども、ただ、B案にとって4ページの株主総会の決議を普通決議とする理由をどのように考えるかというのは非常に大きなポイントになり、ここの説明が足りないと、場合によってはB案に対する反対意見が出る可能性がありますので、是非丁寧に補足説明のところで書いていただきたいと思っています。具体的には、4ページの真ん中より少し下の辺りの箇所で二つの考え方、①の考え方と②の考え方が示されているところ、ここでの書き方だと①の考え方や②の考え方という形で、どちらか一方の考え方を選択するかのように見える形になっているのですけれども、これは両方重ね合わせた説明もあるように思います。例えば、①の考え方というのは、株主総会の特別決議という厳格な有利発行規制を適用することまでは必要なく、もう少し緩やかな説明で足りるという根拠である。そのうえで、それでは具体的にどこまで有利発行規制を緩和するのか、あるいは排除までできるのかということになると、②の考え方に基づいて、排除することまでは認められず、せめて枠決議という形での株主総会の普通決議ぐらいは要求すべきであるというように、①と②の両方を重ねた説明もあり得ると思いますので、そういう説明があり得るということを補足説明で書いていただければと思います。   もう一つは、②の考え方について大盤振る舞いという言葉が用いられているわけですけれども、この点については、外部の方と意見交換していますと、数の問題だけであるなら、いわゆる授権株式数の範囲なら問題ないというような、おそらく誤解が含まれているのではないかと考えられる意見を耳にすることもありますので、ここも少し丁寧に説明していただく必要があるように思います。具体的には、無償交付の場合は金銭による報酬や給与の場合と違って会社財産の流出がないうえに、さらに、事後的な取締役の責任追及による規律付けも働きにくいということがあります。これがなぜ働きにくいかというと、事後的に従業員の株式の無償交付が企業価値の向上につながるかどうかの判断が非常に難しいからであろうと思います。このような事情のゆえに企業価値向上に役立たないような株式の無償交付がされる危険を完全には否定できないところ、これを大盤振る舞いされる危険と呼んでいるのであると思いますので、このことを少し丁寧に説明していただければ有り難いと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○青委員 第1の株式の無償交付の対象範囲の見直しについて、若干コメントさせていただければと思います。   まず、100%子会社ではない子会社の役員、使用人等への交付に関しましては、親会社に対して不適切なインセンティブが働き得るおそれがあるといった、少数株主との関係で構造上の困難が存在する点を考慮した上で決定する必要があるという趣旨を、できる限り明確にお示しいただければ有り難いです。A案とB案は構成の違いにとどまると考えられますので、そのような趣旨が主要な論点だとすると、会社本体に関する話と子会社に関する話を分けて書いていただいた方が、かえって論点がクリアになるのではないかと思います。   それから、中間試案そのものではないのですけれども、今後解説などを書かれる際には、先ほど鮫島幹事の方からもございましたように、従業員の意欲向上という趣旨やインセンティブ報酬といった基本的な性格が、できる限り伝わりやすい形で示していただけるとよいのではないかと思いました。 ○神作部会長 ありがとうございました。 ○内田委員 仁分委員からも御意見があったと思いますが、私も現物出資構成についての二つの選択肢については、もう少し説明が必要だと思います。株式の無償交付と同じ枠組みに改正するのであれば、規制強化ということだと思いますが、一方でA案、B案で議論してきたように、特にA案の課題、問題点はそのまま現物出資構成にも当てはまるところもあります。そこをそのまま手付かずにするにしても、その辺りの利点についてもう少し説明しないと、A案、B案のいかんにかかわらず、つまり株式無償交付の枠組みがそうであるならば、現物出資構成も一緒に合わせた方がいいという議論になるかと思います。これについては現物出資構成の現行法を温存するのか、それともA案、B案のどちらになるか分かりませんが、そこの問題解決に合わせて一緒に改正していくのかというところが多分論点だと思います。そういったことが分かるような書き方にした方がいいのではないかと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○森委員 私は8ページの株式交付の手続について1点コメントいたします。先ほど鮫島幹事からもありましたとおり、株式交付というのは、ある意味、成長投資の一丁目一番地になるようなスキームなのですけれども、なかなか使われていないという現状を踏まえて、今回、債権者保護手続を廃止するということになっていることに加えて、上場会社については株式買取請求権を廃止すべきという意見もあったということを(注)に書いていただくか、若しくはそれが難しいとすると、補足説明の中の2段落目において反対株主の株式買取請求権を認めないものとすることとありますけれども、これは一般論として行くと少し広すぎるので、少なくとも上場会社については廃止すべきという意見はそれなりに実務では多いので、そういった意見はあったということは補足説明の中で入れていただいてもいいのかなと考えております。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○臼井委員 第1、株式の無償交付の対象範囲の見直しのところで1点申し上げます。使用人等への株式無償交付について、株式での交付は株式の希薄化を通じた株主からの価値移転につながり、キャッシュの10万円と株式交付の10万円は本質的に異なるという点を踏まえ、目的を今後明確化していくという方向性を追加的に記載していただけると有り難いと思います。交付の目的が福利厚生なのか、それともインセンティブなのかによって透明性の確保におけるアプローチが大きく変わってくるかと思いますので、今後議論していくという方向性も踏まえて書いていただきたいということです。加えて、子会社に対する付与時の利益相反の対応に関する考え方について言及いただけると有り難いと考えます。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。   ほかにいかがでしょうか。第1部についてはよろしいでしょうか。   それでは、第1部についてゴシックの部分について、最初に藤田先生から御指摘がありましたし、その後、久保田委員からも御賛同があったと思いますけれども、A案とB案について両方とも採用するといいますか、併用するというような選択肢があるということを、これはゴシック体のところで加えるべきではないかという点については、最初の方で御議論いただいたところでありますけれども、その他も若干、例えば賃金の該当性のところですとか、あるいは株式交付制度の、これは(注)にするのかどうか、それとも補足説明なのかというところはありますけれども、反対株主の買取請求権の問題の御指摘もありました。また、不足額塡補責任の責任の内容についても御指摘がございました。これらの点につきまして事務当局の方から何かコメント等が現時点でありましたら、よろしくお願いいたします。 ○宇野幹事 今まで委員、幹事の皆様の御議論を頂いたところで、補足説明で受け止めるべき部分につきましては、事務当局において作成する補足説明の中で、御趣旨を踏まえて対応してまいりたいと思っておりますし、細かなゴシック体部分の修正については、一度引き取って検討させていただければと思いますけれども、大きなところで、今お話のあった株式買取請求権のところについて、鮫島幹事、森委員から御指摘があり、ただ一方、なかなかこれまでの部会の中で理論的な整合性がこれで付くのかといったような議論は繰り返されてきたところでございますので、今の時点としては、中間試案の補足説明の中で、このような議論がされた経緯と、中間試案のゴシック体に掲げられなかった理由を併せて記載するという形で対応させていただければと思っているところでございます。   あとは、ゴシック体で少しほかの委員、幹事の方々御感触を頂ければと思っておりますのは、豊田委員、矢野幹事から頂いた希釈化の上限を法定するかというところでございまして、補足説明も書く必要がある関係上、どういう割合ないし額を想定した御提案なのかといったところについて、何か補足があれば頂きたいと思っておりますし、また、9ページのα案、β案の併用のところについては、ほかの方の御意見を伺えればと思っているところでございます。 ○神作部会長 ただいま2点について、ほかの委員、幹事の皆様の御意見を是非伺いたいということでございますので、どなたか御発言はございますでしょうか。支持する見解、あるいは反対する意見でも結構ですので、是非おっしゃっていただければと思います。   希釈化について、豊田委員の方から補足の御説明、あるいは矢野幹事から御説明がありましたら、お願いいたします。 ○豊田委員 現時点で何%という数値について具体例を出すというところまでは、まだ議論が熟していないと思いますので、具体的な数値を記載するのは、今までの議論からすると早いのかなと思っています。希釈化の上限を定める考え方について(注)に記載して御意見を広く伺いたいというところでございます。 ○神作部会長 矢野幹事から補足説明はございますか。 ○矢野幹事 特にありません。すみません。 ○神作部会長 いかがでしょうか。この希釈化の問題については、それではゴシック体では取り上げないということでよろしいでしょうか。   よろしいですか。ありがとうございます。   それでは、続きまして9ページの現物出資者の不足額塡補責任の責任の内容、α案、β案につきまして御意見を頂戴できればと思います。いかがでしょうか。 ○北村委員 9ページの不足額塡補責任の見直しのゴシックのところは、アの責任発生要件がA案とB案、イの責任の内容がα案とβ案ということで、2掛ける2の4通りがあると理解いたしました。A案とB案は、相容れない考え方かと思います。α案とβ案なのですけれども、β案というのは、出資者は出資に見合うだけの株式を取得すべきであって出資に見合わない部分は会社に返還するという特殊な救済方法であり、ほかの制度との整合性をどう捉えるかという問題があるということから考えると、両者併用というのは、制度の在り方として適切ではなく、私はα案またはβ案ののいずれかしかないと考えております。 ○神作部会長 御意見ありがとうございます。 ○藤田委員 純粋に理屈の問題なので、余り意見が出にくいところだと思うので、意見を言わせてもらいますが、私も今、北村委員の言われたとおりで、この二つはよって立つ基本的な発想が相当違うので、どちらもありという選択肢は難しいという印象を持っておりますので、選択という、つまり、今の提示の仕方でよいと思っております。 ○神作部会長 いかがでしょうか。   御発言はございますか。事務局はいかがでしょうか。これまでの議論をお聞きになって、取扱いの方向について、何かあればどうぞ御発言ください。 ○宇野幹事 今、北村委員、藤田委員から頂いたところを踏まえますと、なかなかαとβを併用するという案を一緒に掲げるのは難しいのかなという印象でございまして、特にほかの方々で、いや、やはりこれは併用を書くべきだという御意見がなければ、そのようにさせていただければと思っているところでございます。 ○神作部会長 いかがでしょうか。 ○矢野幹事 同じ弁護士なので、あれなのですけれども、私は個人的にはα、β併用がよろしいかと思っているというのと、先ほど齊藤委員がおっしゃったとおりで、βのみというのはなかなかないのですが、αプラスβか、αのみの、実際はその選択ではないかと思ってはいます。 ○神作部会長 ありがとうございます。   いかがいたしましょうか。大勢の御意見は、αとβはいずれかを選択するという、現状のままの書きぶりでよろしいということで理解してよろしいでしょうか。 ○久保田委員 正に藤田先生や北村先生がおっしゃったことですけれども、α案とβ案というのは大分発想が違いますので、やはり併用ではなく選択という方が素直なのかなと思います。 ○神作部会長 御意見ありがとうございます。それでは、少なくともゴシックの記載については、現状のとおりでよろしいでしょうか。  ありがとうございます。   それでは、ほかに第1部について。 ○田中委員 すみません、つまらないことなのですが、私もα案、β案は少し考え方が違うので、併用でなく選択でいいと思うのですけれども、ここをαとβにあえてする必要はないと思います。議論の中でこれは2掛ける2のマトリックスだということで、こうなったと思うのですけれども、その経緯を知らない人は別にアとイが連結しているとは思わないわけで、それぞれについて意見を述べると思うので、A案とB案でいいのではないかと思ったのですけれども。 ○神作部会長 ここはゴシックに関わるところですけれども、ほかの御意見はいかがでしょうか。あるいは事務当局の御意見はございますか。 ○宇野幹事 田中委員のおっしゃるとおりで、ここだけα案、β案が出てきますので、ここもA案、B案にさせていただければと思っております。ありがとうございます。 ○神作部会長 それで特段異存ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。   ありがとうございます。   ほかに御意見はございますでしょうか。第1部について、事務当局からもよろしゅうございますか。   ありがとうございます。それでは、第2部に進ませていただきます。   続きまして、第2部について意見交換をさせていただきます。御意見のある方は挙手をお願いいたします。 ○鮫島幹事 部会参考資料27に沿って御説明いたします。大きく4点でございます。   まず、実質株主確認制度のうち会社から実質株主を確認する制度につきましては、結論から言いますと、(注6)で書いてあるような違反者に対する議決権停止につきまして、これを中間試案の案の中に明示的に含めた上で、その要否を広く経済界に意見募集する必要があると考えてございます。また、建設的な対話の促進にとどまらず、仲介機関の背後にいる実質株主の情報を会社が適切に把握することにより、株主総会決議の公正性を担保し、更には経済安全保障を確保することにもつながる重要な意義を有すると考えてございます。もちろん議決権停止のための適正な手続や要件が必要だという意見もありますので、中間試案の中には、議決権停止の要件や手続も入れるべきだと考えてございます。   また、27ページにあります株主側から会社に対する通知を義務付ける制度につきましても、結論としては、中間試案の注記で結構でございますので、例えば議決権保有割合3%又は1%の議決権行使について実質的な決定権限を有する者も通知義務の対象とする考え方についても書いてはいかがかと思っております。第7回の部会でも、株券等保有割合5%を超える大量保有者に関する情報だけではニーズにこたえられているか疑問という意見があったところでございます。また、これも注記で結構でございますが、変更報告書に関する通知義務の対象を議決権保有割合の増減だけに限定するのではなく、原則として通知義務の対象とした上で、名称、所在地その他の軽微な変更を除外するのが適切ではないかと考えてございます。   大きく分けて二つ目、会議体としての株主総会に関する規律についてでございます。これも結論としては、A案の中間試案の注記として、定款の定めを要しない考え方も追加した上で、経済界や資本市場に対して幅広く意見募集してはどうかと考えてございます。少なくとも過半数の議決権を有する株主が総会当日の株主権を放棄する意思を有しており、また、出席株主については総会当日の質問権も確保されていることから、定款の定めを要しないという考え方も不合理ではないと考えられるということでございます。   さらに、次の3ページでございます。第8回部会で森委員から御発言があったかと思いますが、事前の議決権行使により決議要件を満たし、かつ、当日出席者全員が議決権行使を行ったとしても総会決議の結果が変わらない場合において、株主総会の議長の宣言により株主総会決議があったものとみなすという案についても、中間試案のC案として追加してはどうかと考えてございます。   キャッシュ・アウトの手続につきまして、A案の中では、公正性担保措置のうちマジョリティ・オブ・マイノリティ条件、いわゆるMOM条件の設定のみが必要条件として記載されてございます。結論としては、このマジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定を含むという記載は、これを削除するか、MOM条件の設定が公正な手続として必要であるか引き続き検討する旨の注記を追加した上で、幅広く意見募集を行ってはどうかと考えてございます。その理由としては、経済産業省が投資家、実務家を含めた研究会で議論をして2019年に策定した「公正なM&Aの在り方に関する指針」におきましても、MOM条件の設定につきましては、企業価値の向上に資するM&Aを阻害する効果が懸念されるという指摘がなされてございます。また、MOM条件の設定の有無も含めて、講じられる公正性担保措置を全体として見て、公正な手続として十分かどうかが評価されるべきということが記載されているところでございます。   三つ目が、株主提案権でございます。まず、議決権数に基づく行使要件の見直しにつきまして、A案を含めた中間試案のたたき台に賛成したいと思います。訂正の意見はございません。他方で、業務執行事項に係る定款変更に関する議案提出の制限につきましては、中間試案で取り上げない旨が(後注)で書かれてございます。しかし、この業務執行事項に係る定款変更に関する株主提案は、実際に株主総会で実例が発生してございますし、また、業務執行事項に係る定款変更に関する議案提出を制限することが柔軟な経営判断にもつながるということの重要性にも鑑み、中間試案の注記に以下の趣旨のことを追記した上で、経済界に対して幅広く意見募集する必要があると考えてございます。   すなわち、業務執行事項の範囲が不明確であるとしても、取締役の過半数を社外取締役が占める取締役会等が業務執行事項に該当するか否かを判断するというプロセスを規定することで、判断の公正性を担保し、不当に過度に広範に解釈されるおそれを回避した上で、業務執行事項に係る定款変更に関する議案提出を制限する考え方もある、という趣旨の記載を中間試案に追記してはどうかと考えてございます。   4点目が、2項調査者制度でございます。結論としては、2項調査者制度を廃止する案もC案として明記した上で幅広く意見募集してはどうかと考えてございます。その理由でございますが、やはり一部の株主によって日本企業が有するノウハウ・機微技術等にアクセスされるリスクは排除できず、それによって企業の競争力の源泉が損なわれること、ひいては我が国の経済安全保障上の懸念も生じ得るということでございます。また、そもそも2項調査者制度の制度趣旨や立法趣旨は既に失われております。更には、不正行為や法令・定款違反がないにも関わらず、検査役の選任を認める必要性も乏しいと考えてございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○森委員 36ページの会議体としての株主総会等の規律の見直しに関するコメントをいたします。   この論点は元々、ほとんどの上場会社において9割以上の株主が総会に参加せず、決議結果もほぼ決まっているにもかかわらず、株主総会に向けて膨大な社会的コストが費やされているというところを立法事実として議論されてきたと認識をしております。この対応を要請する経済界からのニーズも非常に強いという認識です。   この点、A案については、以前も申し上げましたが、一旦議決権行使書面を送った後に不祥事が発覚したり決算修正があったような場合に、株主総会当日に取締役の説明を聞いたり、意見を変更できるという権利は、株主にとって重要な権利であって、株主がその権利を放棄する理由もインセンティブも全く見当たりませんので、定款変更を要件としてA案を制度化しても、定款変更が可決されることはほとんど想定できないと思っています。現に機関投資家の方からもそういった意見がございました。したがって、A案で法改正を行っても机上の空論のようなもので、立法事実には対応できないと思っています。一方で、A案は、先ほど申し上げたような株主の権利を奪う形になりますので、定款変更を不要とすべきだという立論もかなり苦しいと思っています。   また、B案については株主総会の決議の方法が法令若しくは定款に違反し又は著しく不公正なものであっても会社法的には問題ないという類型を規定する形になるので、個人的には立法技術として疑問がありますし、仮にB案を規定しても実務は変わらないということになる可能性もあると思っています。   これに対して、40ページにあります冒頭宣言案であるC案については、株主総会が意思決定の場ではなくなるため定款の定めが必要であると記載されています。しかしながら、C案についても賛否が拮抗している場合や大株主が株主総会に出席した場合は、当然に株主総会は意思決定の場になります。一方、仮に当日の出席者の議決権を勘案しても事前の議決権行使を踏まえれば決議成立が明らかである状況になった場合についてですが、その場合に少数の出席者が拍手をして議決権行使をするという実務を残す保護法益が何なのかという気持ちがあります。実際には、拍手した人の数すら数えていません。   なお、C案であっても株主総会の場において議案に対する株主からの質問や意見表明は当然認められるものであると考えられ、それに対する会社法第314条の取締役の説明義務は存在いたします。仮に取締役の説明が不十分だった場合についてですが、議決権的に当日の出席者が逆立ちしても決議がひっくり返らないという状況でしょうから、そういった場合ではいずれにしろどうしようもないのでありますけれども、この点は取締役の説明が不十分であることについて取締役の資質又は善管注意義務違反の問題として、将来における取締役再任等の考慮要素となるべきものだと考えています。   このように、C案の検討については経済界や、先ほどありました経済産業省からも含め、実務から非常に強いニーズがあるものと認識をしておりまして、前回の会議のときには齊藤委員や藤田委員からもパブコメに付すことについて前向きな御意見を頂いたと認識をしております。したがって、こういった強いニーズがある中で冒頭宣言案について中間試案としてパブコメにすら載せない方がいいという意見があれば、なぜかという理由を聞きたいと思っておりますので、そこら辺の御意見を是非頂ければと思っております。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。よろしいですか。 ○仁分委員 かなり多岐にわたるコメントなのですが、御容赦いただければと思います。   まず第1、バーチャル株主総会及びバーチャル社債権者集会に関して、バーチャルオンリー株主総会を実施する際の手続等についてでございます。部会資料の15ページ13行目の(注1)に、「保存することが求められる通信記録等の具体的内容については、議事進行の適正性の事後検証に必要な情報として、㋐、㋑、㋒、㋓などとすることを想定している。」と記載されていますけれども、第7回部会では、保存すべき通信記録等の範囲をより限定すべき、あるいは、より限定することも考えられるという意見が複数ありましたので、(注1)については例えば、「㋐、㋑、㋒、㋓などとすることを想定しているが、その範囲をより限定すべきであるとの意見があったことも踏まえ、引き続き検討する。」等と記載していただければ有り難く存じます。   次に、第2、実質株主確認制度に関してでございます。まず、実質株主による株主総会の代理出席等に関してでございますけれども、24ページの28行目(2)で、「実質株主による株主総会への代理出席及び議決権の行使について、次のア及びイの規律を設けるものとする。」と記載されていますが、当該規律を設けない考え方もある旨を(注)で記載していただきたいと存じます。「指図権者」の範囲が必ずしも明確でないこともあり、上場会社としては、代理人として株主総会に出席し議決権を行使しようとする者が「指図権者」に該当するか否かや、名義株主が保有する株式のうち何株について「指図権者」が指図権を有しているか等を確認するのは実務上、容易ではありません。そのため、当該規律を設けた場合、代理人としての出席及び議決権行使を認めるか否かの判断が困難なケースが多く生じることが想定されます。一方、当該規律を設けた場合、「指図権者」であるのに議決権行使を認めなかったケースと、「指図権者」でないのに議決権行使を認めてしまったケースのいずれの場合も、株主総会の決議取消事由となり得ます。したがって、当該規律を設けた場合、上場会社の実務上の負担が大きくなるとともに、決議取消しリスクが大きくなることが懸念されます。   現行法の下では、実質株主の株主総会への代理出席については、名義株主でない実質株主の代理出席を一律に認めないことも許容されるという考え方の下、実質株主の傍聴を認めるにとどめ、代理人として株主総会に出席し議決権を行使することまでは認めない方針をとっている上場会社が多数を占めています。当該規律を設けた場合、実務への影響が非常に大きくなります。他方で、実質株主が株主総会への出席を希望するのであれば、株式を1単元購入して名義株主となることで足ります。以上から、当該規律は設けるべきではないという考え方を(注)で記載していただきたく存じます。   次に、株主側から株式会社に対する通知を義務付ける制度に関してでございますけれども、27ページの27行目で、「変更報告書にあっては、株券等保有割合の1%以上の増減に係るもの及びこれに準ずる変更に係るものに限る。」との括弧書きが記載されており、変更報告書については、株券等保有割合の1%以上の増減に係るもの等に限って会社法上の通知義務の対象となるものとされています。しかし、例えば、「保有目的」を「純投資」から「重要提案行為等を行うこと」に変更したにもかかわらず変更報告書を提出しなかったようなケースも考えられ、そのようなケースについても本制度による議決権の停止の対象とすべきであると考えます。株券等保有割合の1%以上の増減に係るもの等に限定するのではなく、名称、所在地その他の軽微な変更に係るものを除き、変更報告書全般を広く対象とする形で記載いただきたく存じます。   また、部会資料28ページの19行目(6)で、「上場会社が議決権停止通知をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。」との記載がございますが、上場会社においては、急遽取締役会を開催することは通常困難ですので、議決権停止通知の決定についての取締役会の決議を要するということになりますと、例えば、株主総会の直前に株主の通知義務違反が判明したようなケースでは議決権を停止することができない可能性がございます。中間試案では、(6)の規律を設けない考え方もある旨を(注)で記載していただければと思います。   第3、株主総会のデジタル化に関するその他の検討事項については、特段コメントはございません。   第4、「会議体」としての株主総会等に関する規律の見直しでございますけれども、まず、事前の議決権の行使がされた場合における株主総会の決議の合理化に関してでございます。A案における定款の定めの要否については、定款の定めを不要とする考え方も(注)として記載していただきたく存じます。第8回部会でも申し上げたとおり、A案では、株主が事前の議決権行使をするか否かを通じて株主総会を意思決定の場とするかどうかを選択することが可能であり、多数の株主が株主総会当日の審議を踏まえて決議を成立させることを希望せず、事前に議決権を行使した場合に初めて事前に決議が成立し、株主総会が意思決定の場でなくなることになります。したがって、A案では定款の定めがなくても、株主総会当日の審議を踏まえて決議を成立させるか否か、すなわち株主総会を意思決定の場とするか否かについて、株主の意思が適切に反映されることになります。また、多くの上場会社では、株主総会の特別決議の定足数を定款で3分の1に引き下げていますので、定款変更の決議については、総株主の議決権の3分の1の株主が出席し、その3分の2の賛成で成立し得る、つまり総株主の議決権の9分の2の賛成のみで成立し得ることになります。これに対しA案では、株主総会ごとに事前の議決権行使によって、少なくとも総株主の議決権の過半数の賛成がなされなければ事前の決議は成立しません。したがって、定款変更よりも、株主総会ごとの事前の決議の方が、より多くの株主の意思を反映したものになるとの見方も可能であると思われ、この点からも、定款の定めを要件とする必要はないと考えます。以上から、定款の定めを不要とする考えも(注)として記載いただければと思います。   次に、B案に関してでございますけれども、今回、「株主総会において当該議決権の行使の内容を変更した株主がしたものを除く。」との括弧書きが追加されたことにより、株主総会当日に採決が行われるまで要件該当性を判断することができなくなりますので、会社にとってB案のニーズはより小さくなったと考えますが、B案も含めて意見募集をする場合、部会資料の37ページの10行目、「株主総会の議事によって」の部分は、「株主総会の議事」に限定せず、株主総会当日の瑕疵全般を広くカバーする表現にしていただきたく存じます。例えば、代理人の資格を株主に限定する定款の定めがある会社において、株主総会当日に株主でない代理人を入場させて議決権行使をさせた場合、決議取消事由になり得ますが、「株主総会の議事によって」という文言ですと、このような「議事」以外の場面で生じた株主総会当日の瑕疵が対象外となってしまいます。   次に、キャッシュ・アウトの手続の見直しに関してでございますけれども、A案について、部会資料の44ページ3行目以下で、「マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定を含む一般株主の利益の確保のための公正な手続がとられたものに限る。」と記載されていますが、MOM条件が設定された公開買付けに限定することなく、公開買付けにより総株主の議決権の3分の2以上を有することとなった者全般を「特別支配株主」に含めるという考え方もある旨を(注)で記載していただきたく存じます。MOM条件が設定された公開買付けに限定すると、それ以外の公開買付けについて、部会資料8の10ページから11ページに記載されている金銭の交付時期が遅れることへの懸念から生じる強圧性の問題が生じることに加え、MOM条件の設定については、企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念等も指摘されているところであり、MOM条件が設定された公開買付けを必須条件とすべきではないという考え方もあるものと存じます。   それから、第5、株主提案権に関する規律の見直しでございます。株主提案権の行使期限の見直しに関してでございますけれども、A案につきまして、部会資料46ページの30行目で「9週間又は10週間とすることを想定している。」と記載されていますが、9週間前ですと会社の負担は大きく変わらない一方、株主提案権の行使期限を8週間前より数週間前倒ししても株主が不利益を被ることはないと考えられます。参考資料20、「経団連 株主提案権の行使期限に関する実態調査 結果概要」の11ページにて望ましい行使期限とされている「10~12週間」としていただきたく存じます。   B案につきましては、部会資料46ページの33行目で、「株主総会の日を株主に対して通知した場合には」と記載されていますが、上場会社の場合、株主総会の4か月前までに全株主に対し株主総会の日を通知することは現実的ではありません。上場会社については、例えば、金融商品取引所の規則に基づく適時開示など、一定の方法による開示を行った場合、当該開示をもって通知に代えることができるものとしていただきたく存じます。   さらに、定時株主総会における株主提案につきましては、事業年度の末日から一定期間、例えば1週間が経過するときを行使期限とする、という考え方も(注)として記載いただければ有り難く存じます。株主提案権の行使期限を「事業年度の末日から1週間以内」とすれば、行使期限を明確に把握することができるようになるため、株主にとってもメリットがあると考えます。この点、部会資料の47ページの33行目以下で、議決権行使の基準日から一定期間を行使期限とする考え方について、「決算期末を基準日とし、かつ、株主総会の開催日を当該基準日からできるだけ後ろ倒しにするという実務を前提とするものであり、これは、決算期末に基準日を設定せず、かつ、株主総会の開催日と基準日の間隔をできるだけ短くするという本来在るべき方向性と逆行する可能性があること」等を理由として、消極的な意見が述べられたことが記載されていますが、「議決権行使の基準日」ではなく「事業年度の末日」から一定期間が経過するときを行使期限とするという規律であれば、「事業年度の末日」から「株主総会の開催日」までの期間をできるだけ長くするというインセンティブが働くことはあっても、「基準日」から「株主総会の開催日」までの期間をできるだけ長くするというインセンティブは直ちには働きませんので、消極的な意見が指摘する問題は生じないと考えます。   最後に、第6、その他の2項調査者制度の見直しに関してでございますけれども、鮫島幹事と同じ意見でございまして、C案として2項調査者制度を廃止するという案も記載していただきたく存じます。部会資料の52ページの33行目以下にあるとおり、沿革的に見ても、監査役が業務監査権限を有しないものとされたことに伴って代替的に導入された2項調査者制度については、昭和49年の商法改正で監査役に再び業務監査権限が付与されたことにより、その制度趣旨は失われており、これを維持する意義はないと考えます。また、株主は会社の業務執行に不正の行為又は法令、定款に違反する重大事実があると考える場合には、会社法第358条第1項に基づき、自ら裁判所に対し業務検査役の選任の申立てをすれば十分であり、B案のように、あえて裁判所に対する業務検査役の選任の申立てを株主総会の決議事項とする必要はないと考えます。以上から、2項調査者制度を廃止する案も記載していただきたく存じます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   第2部につきましては、鮫島幹事、森委員、それから仁分委員から、ゴシックの部分の修正等も含めた、あるいは追加等も含めた御意見を複数出していただいている箇所がありました。そのような点についての御意見も含めて、第2部について御意見を頂戴できればと存じます。 ○松中幹事 まず、第2部、第1のバーチャル総会の18ページにございますセーフハーバーの故意重過失の対象についてです。別に現在の案が悪いとかいいという話ではないのですが、故意重過失の対象として通信障害が生じたことではなくて取消事由が生じたことにするという考えについて、現時点でこれを必ずしも落とさなくてもいいのではないかとも思っています。18ページの辺りでは、通信障害が生じた後に株式会社が当該通信障害の発生を認識した上で議事を続行して、一部の株主が議決権の行使をすることができなかったような場合に、常に故意によって通信障害による取消事由が生じたと評価されるとされています。ただ、通信障害自体は故意重過失ではなくても、それによって議決権行使できない株主がいることが分かっていて続行したときに、現在提案されているセーフハーバーが適用されないのは、さらに決議の結果に影響を及ぼす数の株主が議決権行使できなかった場合なので、このような場合にセーフハーバーを適用するべきかどうかは少し議論の余地があるところだと思うのです。ですので、今の段階ではこれは落とさなくてもいいのではないかと思います。   続きまして、第2部、第4のいわゆる事前確定型、36ページの第2部、第4の1の方について、A案、B案がございまして、A案、B案は確かに形式的には両方採用することはあり得るかと思います。その意味では両方を選ぶという問い掛けは成り立つと思うのですけれども、実質的に本当にこれは両立するのでしょうか。つまり、A案とB案を採用した場合、A案の定款規定はないのだけれども、あるいは場合によっては定款変更議案が否決されたのだけれども、しかし事前の議決権行使で一定程度の賛成を確保できれば、当日全く質問に答えず、さらに議事が著しく不公正な場合でも取消事由にならないことになり、これはA案のように定款の規定を求めるルールがあることと本当に両立できるのだろうかと少し疑問に思うわけです。もう少し見てみると、B案というのは結局、定款変更をしないでA案のような結果を実現しようとする案のようにも見えるわけです。そうすると、両案は実質的には両立しないことになります。もしかしたら定款規定を要するA案と定款規定を要しないB案という問い掛けでもいいのかもしれませんが、今の段階でそれほど大きな変更をお願いするのもどうかと思いますので、本当に両立するのか疑問の残る案を両立させるかどうかについて、問い掛けをしなくてもいいのではないかと思っています。   続いて、第6、2項調査者制度についてです。単純廃止についても議論としては挙がっていましたので、選択肢として提示するべきという意見が出てくるのは自然ではあると思うのですが、私は、これは追加すべきではないと考えています。単純廃止の根拠になり得るのは、一つは沿革なわけですが、近時この2項調査者が使われるようになった背景には、恣意的な第三者委員会による調査に対する株主の対抗手段という事情があると指摘されてきたわけです。こうした事情であるとか、あるいは株主アクティビズムの勃興というのは、この沿革が形成された時期にはなかったものです。したがって、沿革を理由に廃止するということは、最近起きていることを余り考慮しないということになるわけで、これが妥当なのかというと、少しどうなのかなと思います。   もう一つ、見え方としても、あるいは実質論としても、第三者委員会の実務や運用を改善する行動をとって、それが功を奏してきた、だから2項調査者はもはや要らないでしょうと、こういう議論であればそれなりに説得的だと思うのですが、現状が本当にそうであるかというと、少し心もとないように思います。そのような状況で、眠っていた制度が使われるようになったら廃止するという案を出すというのがどのように受け止められるのかというのは、結構大事なポイントではないのかと思います。   その上で、現在出ているB案の方が、よりましだとは思うのですが、しかし、B案では、少数株主は招集請求をするために一旦裁判所に行って、それから決議を得てもう1回裁判所に行って、それで業務検査役を選任する。何のために2回裁判所に行くのか、特に2回目の裁判所の判断がどんな意味を持つのかというのが少し見えづらいと思います。言い方を変えると、株主は業務検査役を選任するという必要性は判断できて、株主に送る参考書類への記載などから目的と範囲についても判断すると考えられるわけですが、しかし誰を検査役にするのかは裁判所が決める、ここについてだけ株主は判断できない。ここまで判断させたら2項調査者と一緒になりますので、ここだけ株主の判断から外すというのはどういう考えに基づくのかというのが明らかになった方がいいように思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○北村委員 まず、第4の会議体としての株主総会等に関する規律の見直しのところから、コメントさせていただきます。   B案のゴシックの部分について少し疑問がございます。B案の2行目の括弧ですが、「株主総会において当該議決権の行使の内容を変更した株主がしたものを除く」と表記しておりますが、私はここは、「株主総会に出席した株主がしたものを除く」とすべきではないかと思っております。簡単な事例を挙げますと、全ての議決権が100あって、60の議決権が事前に普通決議の議案に賛成したという場合、そのうち20が出席すると、この20が内容を変更しなければ、このゴシックによりますと議事に関して法令定款違反又は著しい不公正があっても決議取消事由にならないということになると思います。では、賛成のうち20が株主総会に出席して、説明義務違反があったために事前の議決権行使の内容を変更しなかった、説明義務違反がなかったら変更していたという場合、事前の議決権行使の内容を変更していない以上説明義務違反は決議取消事由にならないのですから、その決議については取消事由はないという結論になるわけです。これは制度としてよろしくないと思います。だから、例えば80が賛成してそのうち20が出席しその20が事前の議決権行使の内容を変えるかもしれないけれども、その20を除いても60が賛成したのだから、その場合は決議取消事由がない、というように書き換えるべきではないかと思っております。   続きまして、2項調査者のところでございます。49ページの(4)では、株式会社が調査を拒むためには裁判所の許可が必要とされています。会社が恣意的に調査を拒絶するのを防ぐということが理由とされています。しかし、私は裁判所の許可を得てという部分は、少なくとも本文では外してはどうかと考えております。つまり、株主共同の利益を著しく害するときは取締役の判断で拒絶できるとすべきではないかと思います。裁判所の許可を得てというのは(注)あるいは補足説明で入れる方がよいと思っています。   なぜかといいますと、例えば監査役が監査業務を遂行する際に、取締役がある資料などを監査役に見せないなど調査を妨害する行為をした場合、監査役は必要な調査ができなかった旨とその理由を監査報告に記載します。それと同じように2項調査者も、調査を実施したところ取締役が株主共同の利益を著しく害するとして調査に応じなかった場合、調査ができなかった旨とその理由を調査報告に記載することになるのではないかと思っております。あとは、調査報告を受けて、株主ないし株主総会がどのように対応するか、例えば取締役が調査を拒んだことが善管注意義務違反になるとして株主が責任を追及する、株主総会が当該取締役を解任する、解任した場合に解任の正当理由があったかどうかが争われる、といった事後的な問題の処理に委ねるべきではないかと思っております。したがって、裁判所の許可を得てという部分は、少なくとも本文からは外してはどうかという意見を持っております。   三つ目でございますが、少し細かな点なのですけれども、34ページの書面による議決権の行使についての見直しのところでございます。34ページの(注2)では、バーチャルオンリー株主総会の実施要件と、1,000人以上の株主がいるときに書面投票か電子投票かを選択できることを関連付けてゴシックで説明されていますが、これは関連付けなくてもいいのではないでしょうか。バーチャルオンリー株主総会の実施要件と書面投票・電子投票の選択というのは別の問題であるのにここで説明されているのは、バーチャルオンリー株主総会を実施する場合インターネットを使用することに支障のある株主の利益を確保する措置として書面投票を採用するのであれば、電子投票ではなく書面投票をやらざるを得ないことを注意的に述べているのだと思います。しかし、注意的に述べるのであれば補足説明で記述しておくべきで、ゴシックにするべきではないと思っております。   最後に、これはゴシックのところではないのですが、バーチャルオンリー株主総会の決議取消事由のセーフハーバーに関する別紙についてでございます。第7回会議でもこれについてコメントしましたので引き続いて申し上げますが、この別紙の内容はかなりブラッシュアップされておりまして、(1)から(11)までの内容のうち、(6)以外については異存はございません。(6)ですけれども、バーチャルオンリー株主総会で通信が全くできなかったのだったら、これは決議不存在なのだろうと思います。一方、ハイブリッド型でインターネットを通じて参加する株主については全く通信ができなかったが、リアルの株主総会において決議を行ったという場合は、別紙の(1)から(3)と同じように考えればいいということかと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○田中委員 まず、バーチャルオンリー総会のときの決議の取消しの訴えの特則についてです。私がこれの読み方を間違えているのかもしれませんが、3の次の(1)及び(2)の「いずれにも該当するときに限り」株主総会の決議取消事由になるとありますが、これは、通信障害により株主総会の決議の方法が法令又は定款に違反した事実が決議に影響を及ぼすものであるとしても、株式会社の故意又は重大な過失によって通信障害が生じたものでないときは決議取消事由にならないということになるのだと思います。しかし、別紙の「セーフハーバールールに関する解釈の検討・整理」では、前提条件として、通信障害が株式会社の故意又は重大な過失によって生じたものではない場合であることが前提で、その場合であっても、事例の(2)にあるように、通信障害が決議の結果に影響を及ぼしたときはセーフハーバールールが適用されるべきではないという整理になっています。これについては、私は別紙の「検討・整理」のほうが正しいと思っていまして、例えば、会社の過失によって通信障害が起き、しかもその通信障害によって決議の結果に影響を及ぼしているときに、単にそれが会社の故意又は重過失によるものでないからといって決議取消事由にならないというのは妥当でないと思います。ともかく、ここは試案の本文の提案(16ページ)と別紙のセーフハーバーの解釈の検討・整理とで理解がずれていますので、少なくともどちらの立場をとるのか明確にする必要があると思います。   それから、35ページの3の株主総会の招集の電磁的方法による通知についての見直しにつきまして、私はこのような提案をすることに賛成ですが、これに関して議論があった点として、単に電子メールアドレス等について教えるだけで、株主は当然に全ての通知を電子メールですることに承諾したことになるのかという問題があったと思います。その問題について、36ページの補足説明の第1段落では、当該株主の都度の承諾を要しないことについても承諾を要するとの立場を想定しているとのことです。これは、私もそれでいいと思いますが、その次の段落の、具体的な承諾の取得の方法についてはなお検討するとなっているのですけれども、これはできれば中間試案のときに、どんな方法があり得るのかということを具体的に例示する方がいいように思います。これについては、株主の電子メールアドレス等の情報を誰がどのような方法で聞くのかということ自体がこれからの検討課題なのだと思いますが、どういう方法によるにせよ、電子メールアドレスを聞くときに、「ここに電子メールアドレスを記載された方については以後、株主に対する通知は電子メールアドレスによって行います」ということをある程度見やすいところに注意書きで書いておいて、それで電子メールアドレスを書いてよこした株主については、以後、通知を電子メールで行うことについても承諾したことになるという、このようなことを、具体的な承諾の取得方法の例として書いてはどうかと思います。そこまで注意書きがある中で、電子メールアドレスを記載した株主は、通知に関しても承諾をしたといってもいいですし、逆に、そのような注意書きを記載していない場合には、株主は電子メールで通知を受けることに承諾したとはいえないと思います。現在の試案の書き方だと、どういう方法で承諾の取得をとるのかが具体的に書いていないので、どういう制度になるのかが中間試案を見た人に分からなくて、なかなか賛成も反対もしにくいと思います。できるだけ具体的な案を例示するようにされた方がいいのではないかと思いました。   最後に、会議体としての株主総会等に関する規律の見直しに関してです。いろいろ議論はありましたけれども、私としては、もしA案を採るのであれば、やはり定款の変更が必要だと思っています。当部会の審議において、株主総会という会議体で審議をすることについて株主は重視しているという意見が出されたために、現在のA案の内容に落ち着いたと理解しています。定款の変更を必要とする理由としてそういう意見があったということを補足説明に書けば、その説明を検討した上で、やはり定款は必要ないのではないかという意見を出すこともできると思います。ですので、パブリックコメントに出す案としては、現在のA案の書きぶりでいいと思います。   次に、先ほど北村委員から指摘されたことですが、B案の括弧書きは私の意見を取り入れてくださったと理解しております。これは、株主総会で事前に議決権を行使したとしても、株主総会に出てきて賛否を変える株主もいるわけで、そのことを全く無視するわけにいかないのですが、かといって、株主総会に出てくる株主は、実際はいわゆる与党株主と昔からいわれている人たちで、会社の方で頼んで出てきてもらっているとか、あるいは会社側の人に委任状を出しているとか、そういうことなので、一般的には、株主総会の審議次第で会社提案賛成の議決権の行使を反対へと変えることは考えられていない人たちがいます。そういう人たちも含めて出席株主の議決権をカウントして、その人たちが全員意見を変えると決議の結果が変わるからといって、このB案が採用できなくなるというのは、やはり少しおかしいのではないかということで、この括弧書きの内容になったと思います。ですので、何らかの形で残していただきたいと思うのです。   もしB案にするとすれば、株主総会審議自体はこれまでどおり行われることになるので、質問も動議も行われて、採決までするということになります。その点で、私個人はA案の方がいいのではないかと思っているのですけれど、もしB案にするのであれば、今言った、事前の議決権の行使内容を変えることを想定されない株主がいるので、その株主も実際に会社提案賛成の議決権行使を変えなかったのであれば、その株主については、この括弧書きみたいに、最初から賛成だったのだというようなルールにした方がいいと思います。そういうことで、私は現在のB案のとおりでいいと思うのですけれども、この括弧書きの内容をどのようにするのかについては、もしかすると株主総会の会場に入場するときに、私はそういう(会社提案に反対することは想定しない)株主なのですということを意思表示させるとか、そういう制度がもしかしたらあり得るのかなと思います。ともかく、何らかの形で括弧書きについてはまた御検討される方がいいかと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○久保田委員 私は3点ほど意見を述べさせていただきます。   一つ目は、第2、実質株主確認制度のうちの2の株主側から株式会社に対する通知を義務付ける制度についてです。今回の中間試案のたたき台では、適用対象を金商法上の大量保有報告規制の適用対象とそろえることが想定されておりまして、私はそれが望ましいと考えています。これに対し、先ほど鮫島幹事からは3%又は1%の議決権行使について、実質的な決定権限を有する者というように適用対象を拡大すべきであるという提案がされました。こうした提案の趣旨はよく理解できるところですし、共感するところもあるのですけれども、他方で金商法上の大量保有報告規制の適用対象外とのずれがありますと、経営支配権の取得を目的としない大半の投資家を始め、実務上の負担が非常に大きいものになりかねないという大きな問題があります。また、そのように適用対象を拡大すべきなのであれば、本来的には金商法上の大量保有報告規制の適用対象を拡大することによって対応するというのが筋なのではないかと思います。このように考えますと、中間試案においてたたき台に記載された提案よりも適用対象を拡大すべきであるといった提案を記載することについては、たとえ(注)に記載するものとしても、慎重になった方がよいのではないかと考えています。   二つ目に、36ページの会議体としての株主総会等に関する規律の見直しについてです。このたたき台の内容自体には異論がなく、書き方の問題だけなのですけれども、A案ですと株主総会の開催は必須であることが前提とされており、そのことはよく読めば分かるものの、一読すると少し分かりにくいところがあるように思います。ここは重要な点であると思いますので、A案では株主総会の開催が必須とされていることが前提とされていることを中間試案のどこか、本文のところで明示していただいた方がよいのではないかと思います。   最後に、株主提案権の見直しについてです。これも先ほど鮫島幹事から、業務執行事項の範囲が不明確であるとしても、取締役の過半数を社外取締役が占める取締役会等が業務執行事項に該当するかを判断するプロセスを規定することで判断の公正性を担保し、不当に広範に解釈されるおそれを回避した上で業務執行事項に係る定款変更に係る議案提出を制限する考え方もあるという御意見が出されました。鮫島幹事の御発言は常々大変参考にさせていただいているところ、今回は反対ばかりで恐縮ですけれども、この御意見には疑問を感じています。   まず、業務執行事項の範囲が不明確であるのに、なぜ取締役の過半数を社外取締役が占める取締役会であれば業務執行事項に該当するかを判断できるのかがよく分からないということがあります。また、仮に公正な判断がされず、本来は取り上げるべきであった株主提案が取り上げられなかった場合は、株主総会決議が行われないことになりますので、株主提案をした株主としては事後的に決議の効力を争うことが難しいことになります。しかも、損害の立証もほぼ不可能であり、取締役の責任追及も難しいということになりますので、そうした意味では、仮に公正な判断がされなかった場合の弊害は大きいといえます。   これも何度も申し上げてきたことですけれども、業務執行事項に係る株主提案によって経営者による機動的かつ柔軟な経営判断が阻害される危険に対処する必要があるのであれば、むしろ勧告的決議を求める株主提案、いわゆる勧告的提案を明文の規定で認める方が効果的であろうと思います。そのようにすれば、株主はサステナビリティ事項を始め業務執行に関係するような事項については通常、勧告的提案という形で株主提案をするようになるであろうと考えられるからです。   したがって、株主の勧告的提案を認めることとセットであればまだよいのですけれども、そうではなく業務執行事項に係る定款変更議案の提出を制限することだけを中間試案に記載することには慎重になるべきであろうと考えています。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○藤井委員 私からは3点、申し上げさせていただければと思います。   1点目が第1のバーチャル株主総会及びバーチャル社債権者集会のゴシックの注記ですが、定款の定めを実施要件としない考え方もあるというところでございます。こちらにつきましては、この部会の中で定款の定めを置かないということが少数派であったということは私も重々理解はしつつ、今回注記の中で、場所の定めのある株主総会の開催請求権を認めることも併せて検討する必要があると記載を頂いておりますので、例えばなのですが、定款の定めがあるという場合と、定款の定めはないけれども場所の定めのある開催請求権を認めるというような形で、選択制がとれるということも検討の余地としてはあってもいいのかなと考えております。   続きまして、第2の実質株主確認制度でございます。こちらにつきましては、株主から会社に通知する制度のところで、28ページ目でございますけれども、上場会社が議決権停止を通知するか否かの決定をするには取締役会の決議によらなければならないと今回記載を追加いただいておりますが、通知する場合については株主権が制限されるということで、恣意的な判断を防止するために取締役会決議事項とすべきという補足説明の御説明は理解できるものの、通知をするか否かというところの「否」という判断まで取締役会決議としますと、例えば、少し場面を想像してみますと、違反の疑いのレベルであるというような状況であり、現時点では議決権停止の通知はしないという判断をする場合等も取締役会決議の範囲となってくるのか、取締役会決議を行うべき対象が少し曖昧になると思っておりまして、そうすると実務上の支障も出てくると考えておりますので、このような論点があるということは、例えば注記等で記載いただくことも御検討いただければと考えております。   最後に、第5の株主提案権に関する規律の見直しのところでございまして、今回、提案期限について新たなB案というものを記載いただいているのですけれども、こちらにつきましては先ほどの仁分委員の御発言に賛同するところでございまして、B案については非常にいい案とは思っておりますし、今回注記のところでA案及びB案の両方採用の記載についても、これは賛成させていただきたいのですけれども、やはり仁分委員からもありましたとおり、特に上場会社における通知の方法というのは非常に気になっているところでございます。通知の方法については、適時開示等で可能とすべきであり、総会前4か月までに全株主に書面等で通知するというのはあまり現実的ではないと私も考えております。加えて、その後新たに株主になった人に対して株主総会日を知らせるためにも、適時開示等、公衆の縦覧に供するというのが一番望ましいと考えておりますので、この点を補足いただきたいと考えております。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○矢野幹事 かなり細かいところも含めまして、少し長くなりますけれども、御容赦いただければと思います。   まず、第1のバーチャルオンリー総会の関係ですけれども、1については、14ページ目の8行目辺りの補足説明のところに産競法の話が書いてあるのですけれども、この点は補足説明ではなくて本文の(注)の形に入れたとしても特段御反対はないのかなとは思いました。ただ、議論は余りしていないといえばしていないところかとは思います。   2は(1)ウに関して、16ページ目の補足説明の最後に、こういった取扱いは許容されないといった記載があるのですけれども、(1)ウの記載からここまで読み込めるのか、少々気になったというところがありますので、少し表記の工夫ができればいいかなと思ってはいます。すみません、なかなかいい代替案はありません。   3は(1)の故意又は重過失という言葉と通信障害が生じたという文言が、やはりマッチしていないとは思っていまして、今回、補足説明の17ページ目から18ページ目ぐらいに取消事由が生じたこととしないとする理由についていろいろ書かれているところでありますけれども、私個人的にはやはり、先ほど松中幹事等がおっしゃったとおり、(注)で問うというのがよろしいのかなとは思っていますけれども、(1)の文言も恐らく、通信障害が生じたという文言になっているので、故意の対象が一体何なのかよく分からないということに起因しているのかなという気はしていまして、通信障害を生じさせたとか、あるいは生じただったら、専ら株式会社に責任がある場合とか、生じた原因について故意又は重過失があるとか、そういった形で何が対象なのかということを明確にした方がよろしいのかと思います。その上で(注)も入れて、取消事由が生じたことを対象にするのかとか、セーフハーバールール等の適用の関係でまた検討するということを入れた方がよろしいかと思いました。あと、先ほどセーフハーバールールの(1)、(2)の関係について田中委員がおっしゃったことを、私もそうだなと思ったということは付け加えたいと思います。   次に、5の(注2)のところで開催請求権の記載をしていただいているのですけれども、定款で定めるとなると、定款で定める会社は実際はないと思いますから、単に少数株主権として考える必要があると考えておりまして、すみません、従前もその旨の発言をしたつもりでおりましたので、そうした記載にしていただきたいと思います。その上で、できればB案としていただきたいと思いますけれども、ここにこだわりはありません。   6は今回新たに明記されたものと理解はしていますけれども、6のうち2の規律のうちの(3)と(4)、記録を残すところなのですけれども、これも必要ではないかと思いました。これらの記録は最良の客観証拠ですから、会社にとっても自分の身を守るものということで非常に大事だと私は思っておりまして、この記録の方法についてはそれほど小難しいものをやる必要はありませんので、前回申し上げたとおり、画面を録画して、あとチャットを保存するとか、そういった簡素な形で構わないと思うのですけれども、やはり(3)、(4)とかを入れておかないと、残さないという実務になって、後で自分の身を守れないということになってしまいますから、やはり入れた方がいいかとは思っています。本文で入らないにしても(注)で入れていただいて、あと(注)としては、ハイブリッドの場合の特有の注意点とかがないかということも聴いておいた方が、より意見が聴取しやすいかなと思いました。第1は以上です。   第2の実質株主確認制度は、今回1の(注)でいろいろ新しく書かれているところがあるのですけれども、結構細かいところが書かれていまして、(注3)辺りとかだと、これを会社法の規則に書くのかどうかとかがはっきり分からなくて、本文中に記載をするのか補足説明なのか分からないですけれども、どこに書くのかとか、そういったところもどこかでは書いていただきたいと思いました。   あと、2は(5)がかなりポイントになるところか思いますけれども、この点はまだ、かなり検討しないといけない部分が多いという状況ではありまして、今のだと(5)でどさっと全部まとまっている状況で、なかなか意見をどう書いたらいいのだろうというのが、書く側としても非常に悩ましいところがあるということは弁護士会内からも指摘を受けているところです。あと実際、いろいろな意見が出てくると取りまとめるほうも大変になるような気がしていまして、なかなか異例なのですけれども、少し小分けにしてみるとか、表記についてはもう少し意見しやすいようにいろいろ考えていただきたいと思います。例えば、現状ですと3末決算の会社で4月10日に違反が発覚と、違反が実際生じたといった場合は対象になるのですけれども、この場合に6月総会で止められるのかというところについて、例えば反対だという意見を持っていると、どこで意見を書けばいいのかよく分からないとかそういったものもあると。あと、ほかにも、議決権停止通知に何を書くのかというところは今回、本文中に特に書いていない、従前も議論はしていないのですけれども、停止の理由とかも実際は書くとは思いますので、もし(注)として書けるようなら、こういったものを書くことを想定しているというものを入れてもいいのかなとは思いました。それはこだわりがあるわけではありません。   次、第3のところで、1の補足説明でフルセットの現象と書面交付請求権のところを書かれているのですけれども、関係性の否定までは私もしませんけれども、この根拠で関係性があるというのはさすがに書きすぎではあると思っていますので、中間試案でこうした説明はしないでいただきたいとは思います。   あと、3の電子メールアドレス等のところで今回、等がここに入りましたけれども、ほかのところでも等が必要か、必要ではないかというのは改めて検討いただいた方がよろしいかと思いました。   あと、第4の1については、C案として現行法維持という考えも入れていただきたいというのが第1の希望ではあります。最低限(注)か(後注)かということで、こうした変更は許されないという考え方もあるということは明記していただきたいというのが希望です。特に今回のこの部分について、弁護士会内では変更を許容するという考えは現状では非常に少ないということは申し上げておきたいとは思います。   一旦その点はさて置いて、中身についても申し上げたいところがありまして、細かいところなのですけれども、A案の決議の成立時点については今回、補足説明で落としている、経過時点ということで、しているのですけれども、これを(注)を入れて聴いてもいいのかなと思ってはいます。と申しますのは、取締役の選任の時期の話だけを前回申し上げていますけれども、実務上は、例えば期限後に不祥事があって急遽撤回、当日撤回しますよということはある、それほど多くはないけれども実際に存在はしているというものかと思いますけれども、このみなしの場合だと、それができなくなるのではないかというところがありまして、その辺りは結構、実務の影響があるのだろうと思いましたから、その辺りでどういう構成が妥当かというところはきちんと聴いた方がよろしいのかなと思いました。補足説明で条件とか期限の話を書いてあるのは、そのとおりはそのとおりなのですけれども、ただ、これは最判は別に無限定ではないし、実際いろいろ条件もあったりとか、あと登記ができないとか、いろいろな問題があるので、最判があるから大丈夫だというわけではないですから、そこはミスリーディングにならないように補足説明も記載してほしいとは思います。   あと、B案の本文の方で、こちらも会社法第298条の第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合ということで一応、前提になっているはずなのですけれども、このB案独立の記載からだとそれが明確でないという指摘もありまして、ここに記載をするのか、A案の方に書いて以下同じという感じでするのかという形で、表記の工夫はしていただいた方がいいかと思いました。   次に3の社債権者集会なのですけれども、これ前回以降、更に考えまして、少し考えを変えたというところもありましたので、実質、二読ということでお話しさせていただければと思います。まず表題を、書面決議の見直しではなくて集会を開催しない決議といったような言葉で整理をした方がいいだろうと。その上で、A案なのですけれども、倒産法制の事例等も聴取した結果、やはり単独社債権者ができるというのが少し問題だというところには結論としてはたどり着きまして、この点を招集権のある者だけに整理をしていくと。そうすると結局どうなるかというと、社債権者集会の非開催型の書面投票による決議という形になりまして、会社更生の関係人集会とかであるタイプかと思いますけれども、これと同じような形で整理すればいいと、一方でB案の方は、書面決議の亜種という形で整理すると。そうするとA案、B案を整理できて、条文も全く違うところにあるということになるので、併存にもなるということかと思います。   あと今後の、これは中間試案以降だと思いますけれども、その場合、B案は1週間でできるけれども3分の2を取れるというのは結構レアな場合かと思いますので、どんな場合があるのかとか、他の局面に影響がないかといったところは別途調査が必要かとは思いました。   最後に、第6ですけれども、第6の調査者関係は、取りあえずこれでパブコメに付すということで差し支えないかと思うのですけれども、現実的には恐らくA案とBの違いは、選任する人の違い、調査する人を決定する場の違いですかね、株主総会で決めるか裁判所が決めるかというものと、あと恐らく予納金の必要性というところが実務上は大きく違っている点だと理解はしています。今の記載だけだと、そこ以外も含めて結構違いがあるような感じに見える表記になっていまして、それなので、A案ときちんとB案の対比ができるような形で、B案の方にもう少し(注)とか、(注)なのか分からないですけれども、加筆した方がいいのかなとは思いました。例えば、A案だと今回加わった(4)とか(5)とあるのですけれども、会社法第358条のB案の方はこうした規定はないのかと思います。逆に言うと、会社は調査に応じないといけないというふうになるだろうと。あと、裁判所や株主への報告というのは会社法第358条の規定に基づいて行われるといったところだとか、報酬は裁判所が決めると、ただ、実務上は予納制度になるのだと思いますけれども、そういったところを少し(注)で入れたりして、AとBを見ただけで比較ができるという形に表記はしていただきたいと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○内田委員 私は実質株主確認制度についてコメントさせていただきます。   まず、24ページの(2)で、実質株主の権利ということで挙げられていますが、実質株主の権利の獲得というのはこれだけではなく、つまり総会に代理出席できるというだけではなく、様々な内容がありまして、一つは議案の提案権、それから訴訟における原告適格性、それから発行体から質の高い対話にきちんと応じてもらえる、例えば発行体の対応者のレベルを踏まえての対話の機会が担保されること、それから株式の非保有をもって対話を拒まれないとか様々な権利が挙げられます。こうした権利の中で、代理人として株主総会に出席できるということはまずは第一歩だとは思いますが、これは欧州の株主の権利に倣ってそれを徐々に広げていこうという趣旨であるならば、制度はまだスタートしたばかりだと思います。この記述だけだと少しミスリーディングの印象があって、例えば注記において、この先、先ほど申し上げたような他の権利の獲得にむけて将来的に実現可能性があると想定できるような説明が必要ではないかと思います。総会への代理出席だけだといかにも限定的でありますし、実質株主の権利が得られたとか保証されたとはいえないと思います。ということで少し、これは書きぶりを変えていただくといいかと思いました。   それから、25ページ目の(注3)、(注4)で、様々な具体的な期限、日数、オペレーションについての記載がありますが、これについてあまり深く議論したということは恐らくなかったかと記憶しています。これは他国の制度を見習っての記載であり、こういうオペレーションがありますという事例紹介だと思います。したがって、例えば他国の事例と明記するか、ないしは欧州においてはこういうオペレーションが行われているというような例示形態の記述の方が誤解を招かなくていいと考えます。このままだと、ある程度議論が進んでこういう結論に達したと取られかねないと思います。   それから、27ページ目の2.株主から株式会社に対する通知の義務付けというところでは、これだと非常に答えにくいと思いました。まず一つは、大量保有報告制度の保有者概念というのは結構重層的というか、多数の保有者概念があって、例えば議決権指図者という概念と、それから投資判断する投資権限者というような考えがあったりします。したがって、報告する数字がずれたりとか、必ずしも一致しない例が出てくることが容易に想定し得ることだと思います。実務から見ると、それらを踏まえても議決権の停止という罰則が課されることに対して違和感を覚えると思います。これについては善意無過失ということだけでなく、事務過誤については一切問いませんということを明確にうたわないと、やはり賛同しづらいと思いました。それから、罰則についても金商法の大量保有報告制度の罰則、これは課徴金ですが、それと会社法上の議決権停止を合わせると、一見すると二重処罰にならないのかという懸念も出てくると思います。   それから、特例報告については(注1)で御指摘されているので、そこで重要提案行為を行わないという条件で通知義務から外すということが想定されます。一方、みなし共同保有についても議論があったかと思いますので、記載しても良いのではないかと思います。例えば、グローバルカストディアンが同グループ内でどこかの国でミスがあった場合、一蓮托生で機械的に共同保有者と扱われて全員が違反行為だと仮にみなされた場合には、各運用会社が付託された受託者責任、フィデューシャリー・デューティであるとか忠実義務を果たせないということにもなりますし、前にも少し申し上げましたが、資本関係があっても、スチュワードシップ理念に基づいてエンゲージメントポリシーを独自に保有しており、独自の議決権行使基準を持って、独立して議決権を執行しているのであれば、やはり別に分けて考えるという選択肢があっていいと思います。そこは自ら選択して個別報告という方法も設けていく選択肢があると、恐らく、過誤があった場合でも株主の方からそれほど強い反対はなかろうとは思います。これは今申し上げたような多くの条件がまだこの段階ではクリアになっていないため、あるいは少し分かりにくいので、やはり少し賛成しづらいと思います。   それから、3週間の異議申述の期間についても、これも3週間という期間が議論になっていますが、これに合わせて、議決権停止通知の根拠、違反の詳細な理由を提示して、それを付議しないと、なかなか3週間の申述期間をもってそれでいいでしょうとはならないと思いました。これについても明確に記載してほしいと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○青委員 実質株主確認制度のうち、株主から報告する制度について、現状の記載は、金商法と会社法の関係性を踏まえて、どう整理を付けるかという観点から御記載いただいたものということかと思います。代替案がすぐ出てくるわけではないのですけれども、通常想定される実務としては、金商法上のエディネットを使って提出されることがほとんどであろうと考えられる中で、エディネットで提出しない場合にどうするのかについて、どこまで詰めて検討すべきかはやや疑問があるところです。現状の記載はそのままでよいと思うのですけれども、よりよい制度設計とすることができないかは、引き続き検討していく余地があるのではないかと少し思ったところです。   先ほど指摘のあった、閾値を5%ではなくて3%や1%に引き下げるという御提案について、この制度はやはり大量保有報告制度を極力活用するというのが大前提だと思いますので、仮にその閾値を変えるという話になると、実効性の確保の仕方をはじめ、制度設計を一から考え直さなければいけないように思います。単に5%を3%に引き下げればよいという話では全くないということを十分認識した上で議論していく必要があるのではないかと思います。   また、特例報告の関係なのですけれども、こちらは機関投資家、取り分けアカウントをたくさん持っている方々について、集計や相互連携の難しさに起因してミスが起きやすいというような懸念が聞かれるところでして、資料でも、特例報告についても今後検討すると記載いただいておりますが、そういった懸念を解消、あるいはそれを軽減するものであるといったことを明記していただくと、そういった懸念を踏まえた反対意見をある程度防げるのではないかと思われますので、御検討いただければと思います。   それから、株主総会のデジタル化に関するその他の検討事項のうち、書面交付請求のところに関しましては、実務上の問題にとどまるのですけれども、情報入手についてはできる限り一定の配慮を期待したいという点を、中間試案の補足説明か、あるいは最終的に公表する際にでも触れていただく方が、株主の方々に対しては、単に権利が剝奪されるという印象を与えにくいかと思いますので、そういった配慮が望ましいと思います。   それから、キャッシュ・アウトの見直しについて、先ほどからマジョリティ・オブ・マイノリティの話もいろいろ御意見が出ているところでございますけれども、実現したいことは、対価に対する信頼感を高めるということだと思いますので、是非補足説明では、その点を念頭に置きながら御説明いただける方が、意図がクリアになるのではないかと思います。   それから、資料では、公開買付けを前置して株式等売渡請求をする場合に要件を3分の2に引き下げることについて御記載いただいておりますけれども、仮にそうして、公開買付けを前置することを前提にして3分の2をキャッシュアウトの基準として進めることになった場合に、公開買付けを前置せずに株式併合を行う場合との関係や対比などについて、その後検討する必要があると思われましたので、中間試案そのものに対するコメントではないのですけれども、今後の課題として少し付言させていただきました。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○行岡幹事 私からは大きく3点意見を申し上げます。   1点目は、社債権者集会の書面決議制度についてです。先ほど矢野幹事もコメントされましたが、資料43ページの(後注1)に記載されているように、社債管理補助者及び社債権者による提案については、現行法の下でこれらの者が社債権者集会を招集することができる場合に限定するべきだと考えております。なぜかといいますと、今回提案されている制度は、社債権者の集団的意思決定を可能とする制度として、基本的には現行法の社債権者集会と共通の考え方が妥当するものと考えるべきであり、特に区別すべき具体的な理由がない限り、社債権者集会と同様の規律とすることが望ましいと考えるためです。もし本日、委員、幹事の皆様から御異論がなければ、(後注1)に記載されている内容は本文に格上げしていただくのがよいのではないかと考えます。以上が1点目です。   2点目は、2項調査者についてです。資料50ページのB案は今回初めて御提案いただいたものであると理解しております。実は、個人的にはB案のような方向性もあり得るではないかと考えていたものですから、この御提案を後押しする意味も込めて、少しコメントをさせていただきたいと思います。   これまでの審議の中で、現行法上の2項調査者制度に対しては多数の委員、幹事の皆様から御懸念が寄せられてきたと思います。その中には、必ずしも会社の利益にならない形で調査がなされるのではないかとか、あるいは調査により収集された情報が不当に利用されるのではないかといった御懸念が含まれていたと理解しています。こうした懸念の背景には、現行制度上、必ずしも中立性や独立性が担保されていない者が2項調査者の候補者として株主により提案され、場合によっては決議で選任される可能性があるところ、そのような制度の下では、会社の利益とは異なる、言わば隠れた動機ないし目的を有する者によってこの制度が濫用されるおそれすら払拭できないという問題意識があったのではないかと拝察しております。   このような観点から考えますと、このB案は裁判所が具体的な調査者を選任するという制度になっておりますので、中立性、独立性のある者が選任されるということが制度的に担保されていると評価できるように思われ、そのような意味で先ほど申し上げた懸念に対処することができる御提案になっているのではないかと思います。なお、今私が申し上げた説明は、先ほど松中幹事が提起された、裁判所が調査者を選任するということにどのような意味があるのかという問題提起に対しても、必ずしも十分ではないかもしれませんが、少なくとも部分的にはお答えするものになっているのではないかと思います。以上が2点目のコメントです。   3点目は、少しこれは細かい話になるのですけれども、戻りまして資料21ページの86条証明書の電子化についてです。22ページの(注2)では、社債権者と社債発行会社との合意を基本的に要するものとした上で、募集事項に定めておけばよいとするかについては引き続き検討するということが書かれておりますが、ここで基本的に発行会社と社債権者の個別の合意を必要とするという考え方が、どのような理由ないし根拠に基づくものであるかについて、少し整理が必要ではないかと思います。   どういうことかといいますと、補足説明の22ページから23ページで、一定の技術的要件を満たすシステムの導入等に伴う負担に言及されているので、かかる負担の観点から原則として合意が必要だという考え方が採られているのだろうと思うのですけれども、このシステムの導入等に伴う負担には、恐らく大きく異なる二つのものがあり得ると思います。一つ目はシステムの構築や実装に伴う負担で、これは振替機関など振替制度のシステム提供者が負担することになるコストだと思います。二つ目はシステムの利用に伴う負担で、86条証明書の電子化に伴い実装された新しいシステムを利用する際に、発行会社や社債権者に何らかの追加的な負担が発生する可能性があると思います。しかるに、現在のこの記載では誰のどのような負担について考慮されているのかが必ずしも明確ではないのではないかと思われ、それゆえ、なぜ発行会社と社債権者の個別合意が原則として必要と考えられるのかが、少し分かりにくいのではないかと感じました。そこで、この(注2)について、少し説明を整理していただくのがよいのではないかと思いました。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   まだ第2部について議論が続いておりますけれども、開始から2時間たちましたので、ここで15分ほど休憩を挟みたいと思います。           (休     憩) ○神作部会長 それでは、皆様お戻りですので再開したいと存じます。   第2部について、引き続き意見交換をさせていただきたいと思います。第2部について御意見がございましたら、御発言ください。 ○松尾幹事 私からも2点申し上げます。   まず、会議体としての株主総会に関する規律の見直しのところですけれども、A案について、定款変更なしにこれを導入することを認めるということを記載した方がよいのではないかという御意見がありましたけれども、それは難しいのではないかと思います。定款変更なしにという御希望の中で、定款変更を必要とすると株主、特に機関投資家が反対して、定款変更議案が通らないということをおっしゃっておられましたけれども、そうすると、それは結局、企業からすれば大いなる無駄とおっしゃった会議体としての株主総会を無駄とは思っていない方がたくさんおられるということの証左でしょうから、やはり正面突破で定款変更について株主を説得するというのが在るべき姿だろうと思います。それから、ここについては現行の規律を見直さないというC案も入れてはどうかという御意見もありましたけれども、A案は定款変更を要求する限りは任意の規律ということになりますので、あえてC案として現行を見直さないというものを入れる必要はないのではないかと考えました。   続きまして、キャッシュ・アウトのところでございますけれども、マジョリティ・オブ・マイノリティのみをここの要件として入れると、マジョリティ・オブ・マイノリティは必ずしも効率的な買収の促進という観点からすると望ましくない場合もあるということで、そのようなかえって誤解を生じるのではないかということでした。けれども、こちらも、仮に特別支配株主の売渡請求を使えないとしても、併合を使えばキャッシュ・アウト自体はできるわけですので、むしろここは10分の9以上という要件に代わる要件でありますから客観的に見て明確なものが望ましいと思います。公正性担保措置として十分かどうかというようなことを入れてしまうと、結局は事後に争いになることが増えて、かえって予測可能性を損なうのではないかと思いますので、御提案のA案のとおり客観的に確認可能なものに限るというのは合理性があるのではないかと考えます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○臼井委員 まず、全体感について申し上げたいと思います。現状案では、総会運営の負担軽減、主に現場の負担軽減に関する議論がかなり先行しているということかと思います。様々な論点がある中で、非常に限られた期間の中で知恵を絞っていただいている結果、改正案は大きく現状を変えない、言わばテクニカルな対応に集中していまして、全体を見渡した際に、株主の権利縮小につながりかねない改正内容が多くなっているのではないかという懸念を持っております。   株主総会に関して申し上げますと、機関投資家の立場からは、総会開催日の集中ですとか、総会前開示の問題、名義株主以外の参加制限など、株主総会への参加を前提としたルール策定には様々な障害があるというのが現状で、こうした制度整備が不足した状態で、現状維持を前提としたテクニカルな合理化を進めてしまうと、株主権の縮小、日本の資本市場に対する信頼に関わってくるという問題意識がございます。これまで日本のガバナンス改革が着実に進められ、内外の投資家が非常に期待しながら注目をしているところですので、こうした点は改正の今後の議論にあたって是非御考慮いただきたいと思います。   続いて、各論についてコメントさせていただきます。第2の実質株主確認制度に関してですけれども、制度趣旨を明確化した上で支配権目的を含まないというところを明確にしていただければと思います。実質株主の確認制度の目的は保有比率が低い又は非保有の株主に対してもきちんと対話の門戸を開くというところも含めた対話の促進とした上で、支配権争いや敵対的買収への対応を目的としたものではないということを明らかにしていただいた方が、制度を作っていく上で議論がしやすいのではないかと思います。まず小さく作った上で、その後、ニーズや運用状況を踏まえて段階的に改善していくという方向がよいと考えます。   2点目に株主からの通知について、議決権の停止の通知があってから効果が発生するまでのプロセスを、もう少し明確化していただければと思います。今、資料の案ですと3週間から1か月の猶予期間というところが示されておりまして、その期間に異議を申し立てることができるのか、過誤により報告そのものが漏れてしまった場合にどうなるのか、そういった点が全く書かれておりませんので、この期間にどういったことができるのかということを、例示でも結構ですので、明記していただければと思います。   部会資料11の25ページ(注2)のところですけれども、こちらは要否というよりは内容の検討になると考えておりまして、今、要否については引き続き検討するという書きぶりになっておりますが、内容についてどのような制限を設けるのかという書き方が良いのかなと感じております。   細かいところが続いて恐縮ですが、同25ページ(注4)の基準日、先ほど内田委員も御指摘されたところでございますが、これまで基準日の実際の考え方については議論の中で何日以内にするのかといった点まで出てきていないかと思います。記載するのであれば、これらの考え方がどういったところから出てきたのかという点について明記いただければと思います。   第4の会議体としての株主総会のところ、1番の事前決議ですけれども、A案については定款の定めを必要としていただく形になっていて、これがよいのかなと思います。ただ、実際に定款変更が必要となった際に、どれだけ成立の可能性があるのかというと、かなり可能性は低いのではないかと思います。したがって、このA案においては、例えば事前の十分な情報提供のように一定の株主権、質問権等を担保するような内容を含めることで、株主の検討に値するような案になり得るのではないかと思いますので、今後、御検討いただければと思います。   4のキャッシュ・アウトの手続の見直しについて、MOMについて言及いただいておりますが、加えて、これ以外についても公正なプロセスの構築をしっかりと担保するという方向でただし書をしていただく方向に賛成いたします。   第6の2項調査者について、こちらは会議の際に、廃止という方向ではなく、現状の問題点を改善した上で残していただきたいと発言いたしましたが、そのような内容をA案に残していただき、ありがとうございます。B案については、業務検査役制度の統合ということで、業務執行の適法性中心ということになりますので、例えば総会手続なども株主として確認したい領域に含めるということを考えますと、株主の立場からはA案が適当なのではないかと考えております。利害関係については、法務省令で定める事項のところに利益相反関係、利害関係についてもより明確にするような形で進めていただければと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○齊藤委員 三つの点につきまして御意見を申し上げますとともに、加えて2点、小さなコメントをさせていただきます。   まず、バーチャル株主総会のセーフハーバーについてでございますが、既に田中委員などから御指摘があった点にもなるのですけれども、二つの要件、故意又は過失による通信障害が生じたことと決議への影響、これはアンドではなくオアという考え方もあり得るのではないかと思います。以前の会議で申し上げたのは、例えば、一部の人が審議に参加できなかった時間帯があった場合に、その人たちが参加して発言していればほかの人たちの行動が変わったかもしれないという抽象的な可能性が残る場合にも、それを救済するのはセーフハーバーの重要な役目ではないかということなのですが、決議への影響が実際にあったことを原告側に立証させるという立証責任の分配を通じて、適切な範囲に決議取消しの可能性を収めるということがよいのではないかということを申し上げたかったということです。通信障害の対策をとったのに故意又は過失により通信障害が生じたという表現についても、どういう場面を意味しているのか少し分かりにくく、矢野幹事の御意見に賛同いたします。   次に、28ページの大株主の通知義務についての(注5)ですけれども、この文章は、何が意図されているのか分かりにくいように思いまして、後の補足説明のところでは御説明があるのですけれども、(注5)の文章自体をもう少し分かりやすく書いていただいた方がいいのではないかと思いました。また、補足説明で書かれている、何か法的な手当てをするという表現の意味なのですけれども、これは名義株主でない者についての違反について、関連する株式の議決権を止めることもするということを所与の処理の前提としているのでございましたら、その在り方についてはまだ議論の余地があるのではないかと思っております。   内田委員が御指摘になった点にも関連するのですけれども、会社法上の株式を保有しているということと金商法上の保有概念というのは必ずしも一致しないので、この保有というのが名義よりも広い概念なのだとするといろいろ具体的に検討しなければならない問題が出てくるように思います。   例えば、一つの株式について金商法上は複数の保有者概念が考えられて、報告義務者が実際複数いる場合に、そのうちの一人についてだけ違反があるとして、その者に通知があり、議決権がその関連する株式について停止をされるというような事態になるということでよいのか、そうすると、もう1人の報告義務者は、報告義務を怠っていないのに、通知を受領する機会もないまま、自分が関係している株式について議決権が停止され、争う機会も保障されないことにもなりますので、そういうものとしてもう割り切ってよいのかという問題が一つございます。もう一つは、一つの報告書の中に合算対象になる複数の名義株主に係る保有状況が記載される場合で、その一つの報告書につき義務の懈怠があったときに、どの範囲の株式の議決権が止まるのかということです。   今の点と異なりますが、矢野幹事がおっしゃったように、議決権停止に係る通知について、なぜ停止されるかの理由は書く必要はあるのではないかと思いますので、その通知の内容についても引き続き検討するというようなことになるのではないかと思います。   次に3点目は、事前決議成立制度についてでありますが、森委員の意見に賛成でございまして、その案は補足説明のところに落ちてしまっているのですけれども、現行の会議体である株主総会の考え方を大きく変容することなく合理的な運営を可能にする現実的な案であるように思いますので、定款の定めを設ける必要があるという考え方もあり得るなら、そのような含みも持たせつつ、引き続き有力な提案としてお考えいただけると有り難いと思っております。   あと二つコメントでございまして、株主提案権の行使期限の見直しのB案に係るところで、仁分委員が株主への通知を求めるのはこの段階では現実的ではないとおっしゃった点は、私もそのように思いまして、通知又は公告などとするのがよいのではないかと思いました。   最後に、2項調査者の点につきましては、新たにB案を御提示いただきまして、これについて感謝申し上げます。私もB案のような方向が望ましい立法の一つではないかと思っております。松中幹事や行岡幹事が御指摘になったように、A案との差というのは調査者の人選を誰が行うかというところにあるということを、B案の特徴として分かるように補足意見に書いていただけるとよいのかなと思いました。この案では、裁判所が適切な人を選ぶノウハウを今後蓄積していただきたいと思うのですけれども、そうでなければ、松中幹事が御指摘になった、調査者制度が現在果たしている機能を代替できなくなってしまいますので、そういう課題がある案であると考えております。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○豊田委員 2点申し述べたいと思います。   まず、第2の実質株主に関する2について、今、齊藤委員がおっしゃいましたところと少し重なる点ではありますが、これを私は、違反者基準が必ずしも名義株主が違反者ではないと理解しておりましたが、そうしますと確かにこの名義株主との関係が非常に問題になり、実際に適用する段階で難しい問題が発生するのではないかと考えております。会社の立場から見ますと、一つの例としては、一部の違反を察知したけれども、その違反者に関する他の名義株主に関する違反まで把握できていないというような場合に、例えば、28ページの(5)の記載ですと、違反者が保有する間、会社が把握していない部分についても議決権を有しないという形になっていますので、違反者が関係する議決権を全部停止させないと総会に瑕疵があるというような結論になるのではないかとも思いまして、そうすると、なかなか現実的には適用が難しい場面も出てくるのではないかと思いました。   先ほど(注5)が分かりにくいという話もございましたが、私も(注5)は今述べた点を記載しているのかもしれないと思いつつ、この書き方ではやはりよく分からないと思っておりまして、議決権の停止を総会の決議に反映するということは、その議決権を決議に関しては行使させないということと思いますので、それ以外のことがあるのであれば少し違う書きぶりになるのではないかと思っております。今の私の懸念点に関して記載するならば、例えば、停止すべき議決権の全てを会社が把握できない場合についての手当てをすることの要否について検討するといったような形になるかと思います。   先ほど齊藤委員もおっしゃいましたように、一部の保有概念が名義株主と違うために難しい問題が生じ、もし2について立法が実現しないという場合があるとすれば、1の(注6)の書きぶりを少し変えてもいいのかもしれないとも思っており、違反者の議決権を停止するという、以前でいうとB案になるかと思うのですけれども、こちらについての指摘があるという記載を、少し格上げして、ひとつの案として意見を聴くというような方向性もあり得ると考えております。これが1点目でございます。   それから、2点目といたしまして、株主提案権、先ほども何名かの方から御指摘がありました基準日の点についての34ページのところですけれども、A案は、今の8週間では短いという点の手当てかと思いますが、やはり株主にとっていつ総会が開催されるか分からないという問題があるため、私もB案という方向性自体は非常によいと思っております。ただし、上場会社については株主の皆さんに通知するということが難しいので、通知のみならず公告等も入れなくてはワークしないのではないかと考えております。   それから、A案の問題点をB案で解消するという考え方と思われますが、A案とB案で期間が結構異なっていますので、その理由について説明があった方がいいように思っております。 ○神作部会長 ありがとうございました。 ○森委員 すみません、1点だけ冒頭でコメントできなかったので、2項調査者について一言だけ申し上げます。前回も申し上げましたとおり、この条項は国家経済安全保障上、極めて深刻な条項なので、見直しが必須だと思っております。C案として廃止案もできれば記載していただきたいと思いますけれども、仮にC案が難しいとした場合でも、例えばB案につきまして、業務検査役と同様に、不正の行為又は法令若しくは定款に違反した場合という要件を加えていただきたいと考えていますし、もしもそれが駄目であれば、そういう意見もあったということぐらいは是非入れていただけないかということをお願いしたいと思います。 ○神作部会長 ありがとうございます。 ○藤田委員 順に申し上げていきます。少し長くなって申し訳ないのですけれども、対象となるものの分量が多いものですから、御容赦いただければと思います。   第1のバーチャルオンリー株主総会は、ほぼこれでよいと思うのですが、若干コメントいたします。定款を要求する案だけを書いて、それに反対の人は反対するというコメントを出すということでよいと思います。次に、(注)に書かれている内容、つまり定款の定めという要件をなくすと対面の開催請求権が出てくるという話ですが、これを格上げして、これとパッケージで定款の定めを不要とするという対案を書くということまではする必要はなく、今の書き方の方がいいと思います。この(注)の表現は多分、以前の私の部会での発言を拾っていただいたのではないかと想像しますが、あの発言の趣旨は、もし定款はどうしても要らないと言い切ってしまうと株主の意思が全く反映されなくなるから、例えば対面の総会開催請求権みたいなものを真面目に考えなければいけなくなりますよという趣旨で申し上げたのであって、少数株主として対面の総会開催請求権を与えれば定款は要りませんと積極的に申し上げたくて言っていることではありません。私の発言の意図にこだわる必要は全然ないのですが、どういう代替措置を置けば定款に代わるような株主の意思の反映と見ていいか、たとえば少数株主権の要件はどうなるかといった点について、何一つこの場では詰められてませんので、対案として挙げられるだけの選択肢とはいえないのだと現段階では思われます。だから、こういうは議論があり得ることについての可能性を示唆するために(注)で触れるというのが穏当な扱いだと思いますし、そういう意味でこの点も含めて賛成したいと思います。   なお実施要件について、これも飽くまで書き方なのですが、14ページで書かれている産業競争力強化法の定款を有するものを本文(1)の定款があるものとみなすという点は、もう少し強調できないでしょうか。私も最近まで知らなかったのですが、このような定款変更をした会社は500社近くあるらしく、したがって、仮に定款変更を要求しても直ちに500社近い上場会社がこの制度を利用できるということになります。このように、この経過措置を置くことの影響は非常に大きいのです。経過措置をゴシックの注の形で書けるかどうかはよく分かりませんが、できるかどうか検討し、もし書けずに補足説明で書くとしても、どのぐらいの会社がこれに該当するかということも明示して記載していただければと思います。要するに、このような経過規定がもたらすインパクトが読者に見えるように工夫していただければと思います。定款の規定を要求することの是非を考える上で、多くの読者の印象を変える可能性がある要素ではないかと思うからです。   3のセーフハーバーについては、田中委員から指摘のあった(1)、(2)の関係は、言われてみると私も多少気になりました。確かに会社が故意に行った場合、極端な場合、特定の株主の回線をわざと切るようなことをした場合ですら、その効果が決議に影響がなければセーフハーバーが適用されますというのは、幾ら何でもおかしくないですかという疑問が出てくる可能性はあります。ただ、この疑問に対して、例えば会社が故意重過失で通信障害を引き起こすような場合は、基本的には会社法第831条第1項第1号の著しく不公正な方法に該当するから、およそセーフハーバーの適用外なのですと言えるのであれば、それはそれで一つの整理の仕方です。そう整理するなら、二つの要件を「かつ」で重ねてもいいのかもしれないですが、現在の説明だとこの辺りがよく分かりませんので、少なくとも故意重過失の場合に決議の結果の影響次第でセーフハーバーが適用されるという不当な結果にならないというなら、なぜそうなのかということが分かるように説明を追加する、もしそういう説明がうまく書け切ない、説明し切れないのであれば、「かつ/あるいは」というふうな形でパブリック・コメントに付すなど、少しこの辺りは今日の意見を踏まえた考慮をしていただければと思います。   4の延期、続行について、中身として私もこれに異論はないのですが、現在、当該株主総会の議長が当該株主総会の延期、続行を決定することができる旨の決議がある場合と書かれています。どなたも意見を言わなかったことを今頃持ち出すのは気が引けるのですが、バーチャルオンリー総会を可能にする定款の中でこういうことをあらかじめ定めておくという選択肢もあっていいかなという気もします。これはゴシックのところを変えろという趣旨ではなくて、補足説明とか(注)という形でも、もし今言った方向が問題ないようであれば、そういうことも加えることを考えていただければと思います。   6(2)のハイブリット出席型の場合ですが、「基本的に招集決定事項及び招集の通知事項に関する規律、株主総会の議事録の記載事項、並びに株主総会の決議の取消しの訴えの特則に関する規律に限定して規律を設ける方向で引き続き検討する」と書かれていて、最初読んだときには何も疑問に思っていなかったのですが、改めて読むとよく分からないところがあるので、意図を確認させてください。「規律を設ける方向で引き続き検討」とありますが、それは、これらの限られた事項についてはハイブリッド出席型についても規律は設ける、つまり規定を設けるほうに主眼があるのか、それとも、ハイブリッド出席型について規律を設けるか否かはこれから検討する、したがって現段階では規律を設けるか否かは白紙だけれども、仮に設けるとしてもここで書かれた事項に限定されるという趣旨、つまり検討する範囲を限定するという方に主眼があるのか、どちらとも読めるような気がします。この部会では余りこのハイブリッド出席型の場合の議論が詰まっていないので、ハイブリッドの場合にも規定を設けることを積極的にすべきだというところまで現段階で言えるかどうかよく分からないように思っていることから、私自身はどちらかというと後者、つまり設けられそうなのは今ここで挙げているような事項ぐらいしかないことは間違いないと思うのですけれども、そこから先は白紙かなと思っていたのですが、現在の記述の読み方がいずれにも読めると思いますので、いずれの趣旨なのか分かるように、はっきり書いていただければと思います。   実質株主確認制度で、基本的には前回どおりのところはほぼ異論ないのですが、今回修正があった点について申し上げます。23ページの実質株主による代理出席及び議決権の行使に関する部分です。ここでも説明されていますけれども、前回の提案では、会社が実質株主確認制度を用いて判明した実質株主について代理出席は拒めないという提案だったところを、今回はその確認制度の利用と無関係に実質株主の総会の代理出席は拒めないと変えたと理解しています。前回の部会はそういう意見が多数だったということで、そういうことならこれで中間試案に載るのも仕方ないとは思います。実は前回の会合で、この論点を議論しているときにやむを得ない用務で中座しておりまして、議論を誤解しているかもしれませんが、そういう意見が多数だったら仕方ないと思うのですが、ただ、前回の案と比べた今回の部会資料の案は単なる要件の緩和ではなくて、制度の性質を大きく変えてしまうことを考えると、私個人の意見としては、この修正を加えることは再考すべきだと思っております。ただ、仮にそうしないにしても、この新しい案で載せるのであれば、この新しい案というものの性格について、かなり立ち入った説明を補足説明でしてもらえればと思います。  つまり、前回の提案であれば、実質株主確認制度の趣旨からほぼ必然的に出てくる帰結を書いているだけでしたので、飽くまで実質株主確認制度の枠内にとどまる提案と理解できます。投資家との建設的な対話のために実質株主を確認する権利を認めるのだから、それによって判明した株主に対して株主総会への出席を認めないというのは、幾ら何でも自己矛盾であり得ないということで、この実質株主確認制度を設けることとの関係は非常に明確で、かつ、実質株主確認制度を設ける以上は必然的に出てきますねという内容になっていたと思います。   ところが、今回のような提案にしてしまいますと、実質株主確認制度とは無関係に代理人資格を株主に限定する定款規定を一部制限するという内容になっています。代理人資格を株主に限定する定款の適用については、これを実質的に制限解釈する裁判例が幾つも出ていますが、そういう裁判例がしているのと実質的に同じような作業を部分的に立法で行うという性格の提案をしていることになります。そういう実質株主確認制度と直接は関係ない規律をこういう形で実質株主確認制度との関係で導入するということにかなり唐突感があり、私は違和感を感じています。   前回の部会で、代理人資格を株主に限定する定款が原則有効という解釈を固定化しかねないというふうな懸念が表明されたのに対して、私はそんなことにならないだろうと申し上げましたが、それは飽くまで前回提案されたような、実質株主確認制度の趣旨から直ちに出てくるところについて、実質株主確認制度の枠内として設けるのであれば余り問題ないだろうという趣旨でした。今回のような書き方をしてしまいますと、やはりこの定款の趣旨について何らかの立法的な判断をしたということを含意してしまいますので、影響ないとはいえなくなってくる可能性があり、そういう意味でも多少気になるところがあります。   さらに、内田委員が言われたように実質株主の地位を何らかの形で認知していくという大きな流れの中の話の一環と捉えるなら、株主総会にもむしろ代理人ではなくて本人として出席でき、その他の株主の権利も何らかの要件の下で享受するという制度を作っていく、そのような流れの一環だという捉え方になります。私はそれはかなり重要な視点だと思うのですが、株主総会の出席だけを代理人資格を制限する定款の効力といったテクニックによって、一部だけ前倒しすることでその大きな流れの一部を先取りするような立法を今するのがいいかと問われると躊躇するところがあり、その観点からも私は疑問に思っております。  そういう意味で、余り多くの方が言われなかったのに、今になって言うのは非常に恐縮なのですが、今回の改正に盛り込む内容としては、私はむしろ前回の提案の方がよかったと思っております。   仮に今回修正した内容で中間試案に入れるとすれば、補足説明の中で、これが実質株主確認制度の枠内の話をしているものではない提案であるということ、代理人資格を株主に限定する定款の有効性一般について、その有効性を制約するという現行法でもあり得る解釈を実質株主との関係で立法で明示するという性格のものであること、本来は実質株主の権利の問題はいろいろ検討の余地があるところ、そのうちの一つについて代理人資格の制限の一部無効という手法で解決しているという位置付けになるといったことを、読まれる方に分かるように丁寧に書いていただく必要があるのではないかと思います。そこまでして前回の提案から直すのがいいかどうかについては正直、かなり抵抗があるのですが、現在の記載だと実質株主確認制度の中に提案が載せられているので、非常に紛らわしいイメージで書かれている印象を持っております。   実質株主から通知する場合の制度は、持株比率を拡大するというのは私は非常に大きな問題で、これは手は付けないで、今のここで書かれているままで維持するべきだと思います。確かに金商法上の大量保有報告制度とこの制度、この通知は一致する理論的必然性は必ずしもありません。それはそのとおりですが、そのことは百も承知であえて一致させているのは、金商法上の大量保有報告をきちんとしても、それでは足りず、会社に別途通知させるというのは投資家サイドの負担が重すぎるという懸念があるからで、あえてこういう選択をして、それを前提に議論してきたところ、現段階でこれを修正するのはかなり無理があって、これは今のままで載せるのがいいと思います。   最後に、会議体の部分の1のところについて、40ページで書かれている、C案と呼ばれていたものを対案として入れるかということです。議事録を読むと、私も前回かなり微妙な言い方をしていることに気付くのですけれども、余り積極的に推すというほどではないけれども、論理的に非常に問題がある案ではないから反対もしないというぐらいのスタンスで申し上げたと思います。ただ、このC案については、これまでその内容や要件について立ち入って議論をしていないという意味だと、載せるとしたら完全なC案ではなくて、(注)ぐらいで触れるという形になるかなと思います。   4のキャッシュ・アウトのA案について、MOMを要求するという今の提案でいいと思います。全てのM&AについてMOMを要求するとか言い出すとM&Aの阻害効果は甚大ですけれども、ここでは飽くまで特別支配株主の株式等売渡請求制度を利用をできる要件とするというだけで、株主総会の開催をしなくてよくなるという特典を与えるための要件にすぎません。そういう形でMOMに言及することは、決して公正M&A指針――私もこの指針のための委員会の委員でしたけれども――には全く反しないものと理解しています。もちろんM&Aの公正性担保措置はこれに限らずいろいろあるのですが、いろいろなものを合わせ技で総合判断して公正性担保措置として十分かを判断するというやり方をしますと、株主総会決議の省略の要件としては余りにも法的安定性を害すると思います。だから、形式的に判断できて、かつ、それさえ入れておければ公正性担保措置として十分といえるようなものを挙げるしかなくて、さしあたり思い付くものとしては、私にはMOMぐらいしかありません。それ以外に、例えば幾つかそろえることで十分公正性が担保されるのだというようなものが今後具体的に提案されれば、それはそれで考えればいいと思うのですけれども、今思いつくものがこれしかないとすれば、この提案でパブリック・コメントに付すというのが一番適切だと思います。   第5の株主提案も、現在の案でよいと思います。業務執行事項を対象から除くか、入れるかという話は、これまで何度もここで議論をして、結局ここで書かれている結論が多数だったので、こうせざるを得ないと思います。少なくとも社外取締役の割合を増やすことを要件に株主提案の範囲を限定するのは、どなたか御指摘だったと思いますが、理屈として成り立つと思えないものですから、そういうものを要件として選択肢に入れる必要はないと思います。   最後、第6の調査者の案は、かなり煮詰まってきて、これは更に詰めなければいけないところはいろいろあるのではないかと思っているものではありますが、差し当たりはこの二つの案を示すということでよいと思います。北村委員が言われた点も少し気になっていて、そういう修正をしてもいいかなと思います。この点は、どちらでもいいと思うのですけれども、基本的にはA案、B案という形で問うということでいいと思うのですが、問題は単純廃止案の扱いです。この制度の沿革から言えば、昭和49年改正の時点で監査役の業務監査権限が復活したときに廃止を検討されたとすれば、その時点で削除されていたかもしれないとは私も思います。ただ近年、評価は分かれるにせよ利用が始まった段階で削除を議論するとなると、昭和49年時点とはいろいろ状況が変わってきているということも確かなので、やりにくい面があると思います。むしろ削除案は、検査役制度に一本化するというB案に吸収されて提案されているとも理解できるので、実質的にはB案の中身をいろいろ検討することでその趣旨をできるだけ酌み取るような方向で考えると位置付け、B案の細かなところは更に修正を考えるにしても、今の二つの案を示すということでよいのではないかと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。1点御質問があったかと思います。19ページでしょうか、第2の6(2)について御質問がございましたので、事務局からお答えいただけますでしょうか。 ○吉田関係官 御質問いただいた19ページの6の規律の適用対象というところで、(2)のハイブリッド出席型バーチャル株主総会について、「…に限定して規律を設ける方向で引き続き検討するものとする」と記載していますけれども、この方向性として、藤田先生に御指摘いただいた二つの方向性、積極的に設ける趣旨なのか、それともそうではなくて限定する趣旨なのかということですけれども、これまでの議論を踏まえて考えていたのは後者の方、すなわち限定する方向で検討するというところかと思います。これまでの議論でもありましたけれども、ハイブリッド出席型というのは今も実務上できることなので、これに規制強化して規律を設ける必要性は基本的にはないという前提で、ではどういうことに限定して規律を設けるかということを考えたときに、(2)で記載したような事項についてはハイブリット出席型にも適用する、これらに限定して適用する方向性で検討すると、そういう趣旨でございました。 ○神作部会長 藤田委員の御理解のとおりかと思います。 ○藤田委員 分かりました。それでしたら私の読み方と同じなので、内容は結構なのですが、これを卒然と読むと、ハイブリッドについて規定を設けることが既定事項であるかのように読まれるおそれがあるので、そう読まれないような書き方を工夫していただければと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   ほかに御意見はございますでしょうか。   よろしいでしょうか。たくさんの御意見を頂きました。全てについて検討することはできないと思いますけれども、一番大きく御意見が分かれたと思われますのが36ページの第4の1だと思います。定款の定めを不要にすべきではないかという御意見、不要にするという案があることを少なくとも(注)に記載する必要があるのではないかという御意見が複数ございましたし、他方で現行法を維持すべきだという御意見も出されたと思います。また、森委員からはいわゆるC案というのでしょうか、40ページに記載されております御提案がございまして、この提案についても森委員のほかにも支持する御意見があったと思います。第4の1について是非、これまで既に発言してくださった方でも結構ですけれども、それ以外の方も、どのような形で中間試案を公表するのが適切かといった観点から、御意見、御示唆を頂ければと思います。 ○宇野幹事 事務当局から、補足する趣旨で少しだけ申し上げさせていただければと思いますけれども、今部会長がおっしゃられた36ページ目の会議体のところでございまして、部会長がおっしゃるように、定款の定めを不要とするような案もあるのではないかと鮫島幹事や仁分委員からあった御意見があった一方で、矢野幹事からはC案として何もやらないという案も書くべきであるというような御意見があって、さらに、田中委員などから定款を不要とすることには消極だというような御意見も示された中で、今事務当局で御議論を伺って思いましたのは、今の書きぶりをそのまま書いた上で、定款を不要とするという考え方と、あるいはこういう改正はそもそもしないという考え方は、中間試案の補足説明で書く形ではどうかと思ったところでございます。   一方で森委員が言われた、そういう意味でのC案については、皆さんの御意見をお伺いしたいと事務当局も思っております。B案を書かせていただきましたのは、先ほど北村委員と田中委員の御意見の中にもありましたけれども、基本的にはこちらは定款が要らない案ということで、可能な限り株主権の変容を伴わない形での規律付けを図るというものでございまして、その文脈で森委員のC案と従前言われていたものについて、事務当局として難しいなと思っておりましたのは、やはり趣旨が、冒頭の段階で決議をしてしまって、その後の事由について取消事由にならないというのは、極端な見方をするとA案の前日という議決権の行使期限がもう少し会議の直前になったという意味での変化であって、本質的な意味でB案で書こうとしていたような、全く定款の定めによる正当化を要しないような、同じだけの株主権の変容の少なさというものまでを実現するのは難しいのではないかと思ってゴシック体に書いていないところでございますが、この部分がどのように説明されるのかということ次第で、C案として書くのか注記として書くのか、いろいろ御議論はあり得ようかと思いますので、可能であれば森委員にその点を敷衍していただければと思っております。 ○森委員 ありがとうございます。これまでも申し上げてきましたけれども、C案は株主権に何か制限を加えようという意図は全くなくて、実務的にほとんど形骸化している株主総会について、形骸化していることをどこまで続けるかという問題意識から提案しております。基本的には、株主総会当日の投票が大事となる状況であれば、当然そこで議論もされるし投票もされるという前提なのです。そうでなくて、そこで投票したとしても全く結果が変わらないというのが明確な状況で、先ほども言いましたけれども、そこで拍手をさせる意味があるのかというところが根幹にありまして、何か議決権を奪うとか、若しくは制限を加えるということには全くなっていないというのが私の理解です。当日の出席も勘案した上で議決権をカウントしますので、何か制限を加えているという意識がないというのがこの提案の大本のスタートです。 ○神作部会長 いかがでしょうか。是非ほかの委員、幹事の方々の御意見も頂戴できればと存じます。 ○松尾幹事 今の森委員のお話ですと、実務では確かに拍手で最後に決議を採ると思いますが、その前に質問ですとか、それに対する説明というような機会があるはずです。この御提案ですとそれを奪ってしまうということになるので、やはり株主権は制約されているといえるのではないかと。その点はA案と、決議成立がいつの時点かというところが違うという点を除けば全く同じなので、やはり定款変更が必要なのかなと思います。A案について定款変更を求めるのであれば、やはりこれも求めるべきで、そうであるとすると、結局A案とは余り変わらないのではないかというような印象を受けました。 ○矢野幹事 中身としては私も、A案と同じというか、宇野参事官がおっしゃったとおりかなとは思いました。さらに、私が指摘したのは多分A案のときの、決議の時点で撤回ができる、できないの話があったと思うのですけれども、その話の撤回がぎりぎりまでできるというものが、ある意味では今、森委員がおっしゃったような話なのかなとは理解しています。 ○神作部会長 ありがとうございます。森委員、何か御意見はございますか。 ○森委員 質問権を制限するつもりもなくて、説明義務があるという前提で、会社法の第314条はそのまま生きているということでありまして、もしその質問をした結果、投票行動を変えたいという株主がいたとした場合に、その変えたいという意向を経済的若しくは社会的にどこまで尊重する必要があるかと、変えたところでもう結果は決まっている状況になっているわけですよね。なので、説明義務がないとか、質問できないとなると、それは制限していると思うのですけれども、そこの説明義務違反は当然あるし、質問もできるという前提の議論を考えております。株主権として、意見を当日変えられる権利をどこまで尊重する必要あるかと、そこでどんなに反対しても、もう決議の成立が決まっている状況でですね。そういうところで何か株主権の制限に本当になっているのかというところは、実質的判断として、あり得るのではないかと考えている次第です。 ○齊藤委員 私も仮C案に賛成している立場なので、私なりの整理について少し発言させていただきます。森委員と同じ発想であるかは分からないのですが、私も、決議成立後も抽象的な説明義務は引き続き残るのではないかと思っております。仮C案というのは、冒頭で決議をした時点でその決議に係る審議は終わったと法的に扱うものであって、もちろんその後も閉会をしなければ会議は続き、成立した決議についての質問が出ることはあり得、それについて取締役は誠実に説明しなければいけないわけですけれども、しかし、そこで何か仮に瑕疵があったとしても、冒頭で成立した決議に係る瑕疵ということにはならないという整理ができる点で、抽象的に書かれたB案の理論的な課題を形式的には払拭することができる余地があり、C案というのもあり得るのではないかと思っている次第です。決議に向けての審議というのは、最終的には決議要件を満たすかどうかというを明らかにするために行っているので、どのような事態になっても決議要件が満たされるということが分かっている議案については、それ以上の審議について取消事由となる瑕疵を問題にする必要はないという整理で、決議に向けた審議は冒頭で打ち切るとものと理解しています。   定款の定めの有無については、私はオープンでもいいのではないか、こういう会議をやるから、審議が必要だと思う人は当日株主総会に足を運んで、議決権行使の撤回なり変更なりの機会を留保してくださいということをあらかじめ注意喚起する必要はあるかもしれないとは思っております。会議ごとに知らせるのか、定款で知らせるのか、法律で知らせるのか、いずれもあり得るかと思っております。その点はそうとして、この案は、一応会議体としての意義を否定せず、これまでの実務の延長上で制度を実現できるという点で、A案のような大胆な発想の転換は求められていないのではないかと思った次第です。森委員がこの案を最初に御提案になったときには、仮にA案のようなものが実現しなかったとしてもこれはせめて実現してほしい、というニュアンスでおっしゃっておられ、積極的にA案には反対であって、C案がいいということではなかったと理解しておりまして、私は、C案ならあり得るのではないか、と意見申し上げてきた次第です。 ○藤田委員 私は積極的にC案というのを推しているわけではないと申し上げた理由は、要件が実ははっきりしていないこともあって、同床異夢なところがあるのではないかと思われるからです。A案の脱法になるのではないかという事務当局の意見も分かるのですが、違いは飽くまで開催された当該総会にどういう株主が出てきているか、もう誰もほとんど出てきていなければ事前投票がひっくり返ることはあり得なくなるともちろん考えられるので、そこを必ず確認するという要素が入っているために、A案と少し違った要素が出てき得るというふうな話で、現実にどんな人が出てこようが確定させるということにするのであればそれなりの事前手続が必要ですというのがA案の手続なのですけれども、現に出てきた人を見てということを入れているので、多少違った議論ができるかということなのです。ただ、そこから先の要件がはっきりしないと私が申し上げているのは、相当に持分を持っている人、持株数がある人が現に当日出てきたら、事前にどんな投票をしていようが、その場で自分の違った投票をすることで事前の決議をひっくり返すことは論理的にはできるので、そこをカウントしないで、事前の数だけでもう既に決まってひっくり返りようがないからと議論しているのであれば、やはりそれは少し法的には違うことになる。極論すると、当日出席という形で出ている割合が極めて僅かであって、それは幾ら足したって事前の投票をひっくり返せませんという要件でカウントするのであれば、それはあるのかもしれないと思います。この辺りはかなり実質的な要件を詰め直さないといけないですし、定款を要求するほどのことがないにしても、例えば、そういうやり方で今後開かれる総会では決を採りますよということぐらいは招集のときに明らかにした上で書面投票することで、自分が賛成して、それがどうカウントされるか、でも、出ていったらきちんと議論した上で決を採ってもらえることになるのかという、それが分かるような事前の手続を設けるとか、いろいろなことを考えなければいけないと思います。その辺りを詰めないまま、これをC案として、A案、B案という時間を掛けて検討した案と並ぶ形で提案することは難しいから、確かにこういうことを現行の解釈でやれると言っておられる方すらいらっしゃるので、既に全面的に否定することもないにせよ、(注)ぐらいで言及するというのなら考えられるかなと、そういう趣旨で先ほど申し上げました。一応補足させていただきます。 ○森委員 私の説明が不十分だったかもしれませんけれども、株主総会に当日出てきた人の議決権というのは計算されるので、来た人全員の議決権を勘案しても事前の議決権行使の結果がひっくり返らないというのが確認できた場合ということでこれまでも主張してきておりましたので、事前の議決権行使をした人だけということでは全くないです、なので、もう理論的にひっくり返ることないような状況における取扱いについて規定をするということで、これまでも御提案してきたつもりでした。 ○藤田委員 出てきた人がその場で従来の議決権行使をひっくり返した場合も変わらないのですか。 ○森委員 そうです、出てきた人が全員反対してもひっくり返らない場合の取り扱いというイメージです。事前投票している人も、投票していない人もいらっしゃいますけれども、出席者が議決権を全員反対行使してもどう考えてもひっくり返らない、というのは多分99%の株主総会はそうなっているのですけれども、そういう状況だと、もう理屈上そこの議決権行使の意味がないわけですよね。出席者全員をカウントし、その全員が反対した場合でも決議が成立する状況における取り扱いを規定する前提で、御提案したつもりでした。 ○北村委員 今の森委員のお考えであれば、B案の括弧の中を私がさきほど述べたように変更したのと同じになるのではないでしょうか。B案は議事の最後に拍手・挙手を行うことを想定しているかと思いますが、そのようなセレモニーを会議冒頭に議長の宣言によって行うという、そこが違うだけという理解かと思います。現行法でも採決を最初にするという実務もあるわけですから、C案はB案の中で(注)で記述する、ないしは補足説明に加えるということでいいかと思いました。 ○神作部会長 ほかに御意見はございますでしょうか。 ○行岡幹事 C案の趣旨について少し明確化させていただきたいと思います。ここでの御提案の前提になっているのは、株主総会当日に出席した株主が事前に行使していた議決権分は、当該株主が当日出席した時点で無効とする扱いが前提だということですね。また、事前に議決権を行使していた株主が包括委任状を提出して代理出席している場合であっても、当日代理人を通じて出席している以上、事前の議決権行使は無効とするという前提ですね。そのような前提の下で、当日出席した株主が全員反対したとしても決議が成立することが確実な状態、すなわち、決議の成立に十分なだけの賛成の議決権数が事前の議決権行使により既に集まっている場合を想定しているということですね。   そのような御提案であれば、私はC案のような提案も十分あり得ると思っています。なぜなら、そのような場合における株主総会当日の議決権行使は、先ほど森委員がおっしゃったように、儀礼化したものとなっていて、実務上はカウントすらしていないというのが現状であり、議決権行使としての実質は相当程度希薄化していると言わざるを得ないからです。そのような前提であれば、私はC案も十分あり得ると考えています。 ○神作部会長 ありがとうございます。 ○田中委員 今説明されたようなC案は十分考えられると思うのですけれども、40ページのその他で書かれているこの案は、飽くまでも決議があったものとみなされるだけで、その後の審議とかはどうなるのかを明確にする必要があると思います。現行法下の実務においても、冒頭採決方式というのは実際に存在しており、それは適法だという見解もありますが、その見解のもとでも、やはり現行法下では、株主総会の審議はしなければならず、そこで出された質問に対して重大な説明義務違反などがあれば、決議取消事由になると解されています。これに対して、立法論としてC案を出すのだとすれば、これは現行法の下でもできると主張されている案ではないのだと思います。つまり、C案において決議があったものとみなすというのは、その後の審議に瑕疵があっても決議の結果に影響を及ぼさないという考え方ではないかと思います。もしそうなら、その点をはっきりさせる必要はあるように思います。   他方、C案は、決議があった以上、そもそも審議はしなくてもよい、質問とか動議もそもそも受け付けなくてよい、というルールを提案しているのかもしれません。もしそうなら、C案は、A案に近いルールを定款なしで可能にする案ということになります。他方、そうではなくて、決議がされた後も審議はしなければならない、質問に対する説明義務はあるのだけれども、ただ説明義務違反があっても決議の結果に影響を及ぼさないという案であるなら、これは、むしろB案に近い考え方であるように思います。ですので、C案をどうするのかを考える必要はあると思いました。   それで、いろいろ今までの議論を聞いていて私が考えたことですが、もしもA案だと投資家の支持が得られないから定款変更が通らないとすれば、それはなぜなのかを少し考える必要があると思っています。このままA案とB案の並列で行ったとしても、本当に投資家側と企業側が非常に対立したような状況で、強引にどちらかを採るみたいな話になって、もしそれはできないとすれば何の法改正も実現しなくなるような気がします。投資家が考えていらっしゃる株主の利益はどういうものなのかという部分で、A案で直すべき点があるのかを少し考えた方がいいと思うのです。   今のA案は、事前の議決権行使の期限で決議の成立が判断されるので、その後、株主総会までに何か非常に重大な出来事が起きたときに、総会に出席して違う議決権行使をするという選択肢が封じられています。このことを問題にして、A案だと株主が定款変更に賛成しないから通らないということであれば、今言ったケースで行動を変えられるような選択肢を確保すればどうかと思います。つまり、例えば今の40ページの案のように、総会当日の議決権行使によっても決議の結果が変わらないことが確認できて初めて決議が成立するという、そういうA案もあり得るのではないかと思います。このような内容のA案であれば、株主総会の直前に重大な出来事が起きたときに賛否を変えたいという株主のニーズには対応できます。そういうケースは実際には非常にまれなことだと思うのですけれども、そのまれなことにルールが対処していないから投資家の賛成が得られないのだとすると、それは不幸なことで、まれなことが起きたときにはこの定款規定の効力も変わって、やはり採決が必要になりますよという例外ルールを作れば、株主の賛成が得られるのかもしれないので、そういう選択肢もあってもいいのではないかと思います。   ただ、他方でこの部会の審議の中で出てきた話として、やはり取締役の説明義務というのは非常に大事であって、これを意図的かつ重大な形で無視した場合には、やはり決議取消しというサンクションもあり得べきなのだという考え方の下に、A案では定款の規定に賛成しないのであれば、当然それはB案にもC案にも反対ということになっていくと思うので、C案というものができても解決しないと思います。   先ほど森委員から、C案でどうして株主の権利が制限されているといえるのかという御質問がありました。それに関して言えば、一応会社法の答えとしては、会社法は決議の結果に影響が及ばないような説明義務違反であっても、それが重大な瑕疵であれば決議取消しというサンクションがあり得ると、そういうルールの下に株主権が規定されているので、C案ではそれが制限されているというのが一応答えになると思います。ただ、そのような株主の権利が、本当にそれほど擁護すべき権利なのかというのは、議論の余地はあると思っています。私も、法改正はしてみたけれどもどの会社もこのルールを使わないことになるとすれば、やはり不幸なことだと思うので、今ここで意見の集約を図るのは無理なのかもしれませんけれども、今言ったようないろいろな論点があるということを鑑みて、この論点にこたえるためだったらこの案になるとか、何かそういうような形で立場の違いが案に反映されるようにするといいのではないかと思います。   すみません、すごく難しいことを申し上げたかもしれませんけれども、御検討いただければ幸いです。 ○神作部会長 ありがとうございます。今の田中委員の御発言に対して、臼井委員や内田委員から何かコメントはございますか。特段よろしいでしょうか。 ○臼井委員 まとまっていないところではございますが、御指摘のA案になったとしても非常に使いにくいのではないかというところは、そのとおりかと思います。A案、B案それぞれについて、田中先生御指摘のとおり、もう少し様々なケースや懸念について掘り下げて整理した上で案に反映していくことが必要なのではないかというところは賛同いたします。 ○神作部会長 ありがとうございます。内田委員、よろしいですか。ありがとうございます。   事務局の方から何かコメントはございますか。今の田中委員の御意見を聞きますと、むしろD案というのですか、見直しをしないという案も出すと対立軸が明らかになるように思いましたけれども、事務局からコメントがございましたら、お願いいたします。 ○宇野幹事 本日の部会があって、来月18日の部会で中間試案の取りまとめまでスケジュール的には行きたいと思っておりまして、その中でできる最大限のことはさせていただこうと思っておりますし、できる限り対立軸が明確になるような形で意見公募した方が、その先の有用な意見が得られると思いますので、できる限り頑張ってみたいとは思いますが、そこまでの大工事ができるかというと、若干心もとないところはあり、本日の御議論を聞いた中では、森委員が言われていた、従前C案といわれていたものを、まだAとBと並べて書くというよりは、注記をするぐらいのところで、あとは補足説明でできる限り対立軸が明らかになるような説明をするところまでが、現実的には対応できる限界かなという気はしておりますが、いずれにせよ検討させていただきます。 ○神作部会長 ありがとうございます。   それ以外の部分についても、大変貴重な御意見や御示唆、御提案を頂いたと思いますけれども、現時点で事務局の方から何かお答えをしたり、あるいは更に御意見を伺いたい事項がございましたら、是非おっしゃっていただければと思います。 ○宇野幹事 そうしましたら、1点だけ、24ページ目の実質株主の指図権者の代理人としての議決権行使のところにつきまして、前回の御議論を踏まえて、今回この制度を使った者以外にも範囲を拡張しておりますけれども、先ほど藤田委員の方から前の案に戻した方がよいのではないかというような御指摘を頂き、また、仁分委員からは、これを規律を設けないというような注記もするべきであるといったような御趣旨を頂き、この部分の取扱いについて、ほかの委員、幹事の先生方の中で御意見があれば、せひ頂ければと思っております。 ○神作部会長 いかがでしょうか。 ○齊藤委員 代理人の点につきまして、藤田委員の先ほどの御意見を受けて、考え直してみたときに、実質株主確認制度で確認された実質株主とされた者とで文脈を切り離すと、今後の解釈への影響も不透明であるように思われまして、本日も御意見として出たように、実質株主に株主としての権利を拡大していく解釈や立法を場合によっては塞いでしまう可能性もあるように思われました。というのは、株主は名義株主であって、それ以外の者は広く代理人としてしか会社に関われないという理解がされると、代理人としてはできないことまで実質株主に認めていくことも難しくなる可能性もあるように思われました。今回の改正の趣旨に照らしますと、実質株主確認制度の中の取扱いということが分かるような形にしていただくのがよいように思いました。 ○神作部会長 御意見ありがとうございます。   ほかの委員、幹事の皆さん、いかがでしょうか。 ○田中委員 私は、ここで規定されている実質株主というのは指図権者であって、指図権者を代理人にすることについては、現行法の解釈としても、定款で制限することはできないと思っております。ですので、そのことを立法で明示することには全く賛成です。その意味で、私自身は今回の案の方がいいと思います。ただ、これについては、必ずしも前回の審議の内容を受けて前回の案から実質株主の範囲が拡大されたというわけではないとはないので、やはり当然、反対意見もあると思いますので、元の案も注記にするか、代替案としてでも出すことは必要だと思います。   その上で、少し私の意見を申し上げますと、私も臼井委員がおっしゃったのと同様の懸念を持っております。今回提案されている改正は、やや企業の側のテクニカルな要望に対応した改正が多くて、株主側は、(実質株主の調査に対して答える)義務ないし負担は課される一方で、権利の方は何ら拡張されていない、少なくともそのように受け止められるかなという感じがします。やはり、実質株主確認制度というのは、単純に企業の側の便宜に答えるというだけでなくて、株式保有の機関投資家化が進んでいる中では、名義株主と実質株主が分離することがむしろ常態になっているという認識の下に、企業側は実質株主を把握できる一方で、実質株主の側にも正に実質的な株主として、株主総会の意思決定を含めた一定の権利行使を認める、そういう大きな流れが国際的に存在すると考えております。その流れの中で、わが国の今回の法改正は、ただ企業側の実質株主を把握するという、そこだけにフォーカスが当たっていると見られるのではないかと、そういうリスクが大きいと思っています。先ほど、なまじこういう(実質株主に代理人としての権利行使を認める)規定を入れると、かえって将来的な実質株主の権利行使の拡大が塞がれるのではないかという意見がありましたけれども、現実問題として、将来拡大するといっても一体いつ拡大するのだというのが率直な投資家の意見ではないかと思っていまして、実質株主の権利について何も規定を入れない方がはるかにネガティブな反応を受けるのではないかというのが私の見立てであります。   私は、先ほど内田委員もおっしゃったように、議決権以外の権利、例えば株主提案権などの権利行使についてどうするかとか、あるいは損害賠償請求権の行使主体はどうするかとか、そういうことについても、どのような法律構成をとるかはともかく、実質株主は権利の行使が実際上可能となるような制度にするという方向で議論を進めるのがいいと考えています。今回の中間試案には入れないとしても、そうした実質株主の権利の問題については、中間試案にの後でも何らかの検討機会を設けた方がいいのということを申し上げたいと思います。   取りあえず、当面の論点である実質株主の株主総会出席については、私個人は現在の案がいいと思っているということだけ申し上げておきたいと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○久保田委員 中間試案を取りまとめるという観点から見ますと、私は藤田委員がおっしゃったように、実質株主確認制度の中の制度として位置付けるのであれば、この制度を使って確認できた実質株主を対象にするというのが素直であろうと思います。他方で、臼井委員や田中委員がおっしゃったように、それで立法論として十分かというと必ずしも十分とは思えない面もありますので、例えば(注)の中で、この範囲を拡大する、あるいは権利についてはもう少し拡大するということを検討してはどうかというような形でまとめると、中間試案もまとまりますし、その後の議論の可能性も開かれるということで、よいのではないかと思います。 ○神作部会長 御意見どうもありがとうございました。 ○森委員 実質株主確認については、実効性を高める観点から、議決権停止もという議論があったと思います。それは、過料であれば、なかなかきちんと言わない人が出たときに対応ができないし、きちんと言わない人も出るのではないかという懸念もあったからなのですけれども、そういう意味では、実質確認制度をより効果的なもので、みんながきちんとこれに乗っていかなければというふうな思いを促進するためにも、まずはこの実質株主確認制度に乗った人はこの権利が得られるというのが、この制度のスタートとしては、有効にこの制度がスタートしやすくなるのではないかと、そういう思いがあります。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○松中幹事 私も前回、この元の案が出てきたときには、藤田委員御指摘のような形で、この制度を使って知ったのだから、その知った実質株主の議決権行使を拒む、これはそもそもこういう制度を入れるのであれば、してはいけないことだと、こういう割とミクロな部分を考えておりました。   現在出ている案はもう少し大きい話で、名義株主こそが株主だという建前を維持して、会社法はその世界だけでやってきたのが、実質株主を把握する制度ができるようになる。そうだとしたら、個々の会社がこの制度を使ったからというのではなくて、会社法全体として、実質株主を把握する制度を入れるのだから、その実質株主には何らかの権利をあげなければいけない、単に義務だけ負わせるというのは変な話であり、きちんと株主として扱う、こういうもう少し大きな話に基づいているのかなと思います。   この点については確かに、方向性として私はそのとおりだと思っているのですが、十分に議論したかと言われるとよく分かりませんので、少し切り離して、制度全体としてそういう考え方を採用するのだったら、別に代理出席に限らず、本当は本人出席かもしれませんし、ほかの権利を認めても全然おかしくないと思いますが、そういう考え方があり、それについてはまだ検討するということになるという具合に書いていくのが穏当なのかなと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。   ほかに御意見はございますでしょうか。   この辺りでよろしいでしょうか。どうもありがとうございます。   それでは、第2部につきましては大変たくさんの御意見や御提案を頂きましたので、事務局におかれましては大変だとは存じますが、次回までにまたブラッシュアップしてくださいますよう、よろしくお願いいたします。   それでは、第3部に移らせていただきます。第3部について御意見がございましたら、御発言ください。 ○鮫島幹事 部会参考資料27の4ページに基づいて、2点御説明申し上げます。   まず一つ目が、指名委員会等設置会社制度の見直しでございます。経済産業省としては、中間試案のたたき台のA案に賛成したいと思っております。その理由としては、まずA案は、各企業が自律的に機関設計を選択できることが大前提であるということでございます。この点を注記または補足説明に書くと、中間試案を見た企業の理解が進むと考えてございます。   理由の二つ目は、経済産業省として、実際に指名委員会等設置会社を選択しているまたは移行を検討した企業に対してヒアリングを実施し、取締役会の過半数が社外取締役である場合には、指名委員会の決定を取締役会全体で修正できる権利もあった方が望ましいという意見も伺っているということでございます。また、理由の三つ目は、A案は、第9回部会における経済産業省の提案、すなわち、取締役会の過半数が社外取締役である場合に、経営陣の迅速な業務執行を取締役会が監督し、経営陣人事も含めて広い権限を取締役会全体が持つという新たな機関設計案と方向性が一致しているということでございます。以上の理由から、A案を含む中間試案に賛成したいと考えてございます。   二つ目が、役員等の責任に関する規律でございます。結論としては、中間試案の注記に、新たな要件を設けない案も追記してはどうかと考えてございます。利益相反取引については、取締役会の承認を受けている事業運営上必要な利益相反取引について、取締役が善意無過失である場合についても一切責任限定の対象にならないとするのは、経営陣の適切なリスクテイクを阻害するおそれがありますので、実質的な利益相反の有無や程度についても、善意・無重過失の判断の中で考慮すれば足りると考えてございます。 ○神作部会長 ありがとうございました。 ○久保田委員 業務執行取締役等の責任の一部免除について意見を申し上げます。2点ありまして、一つは、前回の部会では、ここで提案されているのは責任限定契約による業務執行取締役等の責任の一部免除が認められない場合として、職務を行うにつき悪意又は重過失がある場合というのは維持した上で、利益が相反する状況にあるときに行った行為に基づく責任の場合を追加するという旨の提案であるという説明がされました。ただ、今回の中間試案のたたき台を見ると、やはりそのことが明確でないように思いますので、明確になるように記述を補っていただければと思います。   もう1点は、先ほど鮫島幹事がおっしゃったことでして、確かに利益相反取引、とりわけ取締役の兼任がある親子会社間での取引のような場合に、常に責任一部免除の対象にならないというのは妥当でないと思います。ただ、これについては「利益が相反する状況にあるとき」という文言の解釈次第で対応もできるのではないか、例えば、構造的な利益相反の影響を排除できるような一定の手続をとっている場合は、「利益が相反する状況にあるとき」には当たらないというような解釈による対応も可能であろうと考えています。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○矢野幹事 少し御意見を申し上げさせていただければと思います。まず第1は、1のところの(後注)という形で問題意識を書いていただいて、大変有り難いと思ったのですけれども、なかなか意見としてどう何を出したらいいのだろうという印象が少しあるという指摘も受けておりまして、もう少し何か工夫していただけるといいのかなとは思っております。すみません、ただ、代替案を出すことができません。2は、(後注)の①で取締役補助者というのが出ていて、少し不思議な感じもしたところもありますので、補足説明などで記載いただければ助かります。   第2なのですけれども、この点の、特に先ほどの利益相反の関係なのですけれども、2の(注1)関係、利益が相反する場合という用語だと、少し私は表現し切れていないのかなとは思っておりまして、ここは、なかなか代替案は出ないのですけれども、やはり利益が相反するという言葉がかなり用語として強くて、これだけを見ると、やはり利益相反だけという印象がすごく強いものかと思います。それなので、本当は利益が相反する状況その他何とか何とかと入れるといいのですけれども、その他が思い付かないので、例えば等とかぐらいを入れていただいて、まだ追って検討だということは、もう少し用語をはっきりさせていただいた方がいいかなと思いました。あと、(注1)の場所自体が、責任の後よりは、もしかしたらもう1行上で、行為の後とかに入れた方がより明確かもしれないとも思ってはいります。第2は以上です。   第3は、本文の(注)の関係で、補足説明の最後のところで開示事項の見直しは引き続き検討というのがあって、これを指しているのかそうでないのかというのがはっきり分からないという指摘もありました。ただ、この点はそれ以外のところの方だと思ってはいて、単に見直しをした後の規定の適用なのだろうとは思ったのですけれども、そうすると、せっかく補足説明の引き続き検討の部分を書いていただいているところがあるので、それは(注)できちんと入れた方がいいのかなと思いました。   その関係で、1のところの表記の仕方なのですけれども、ここの前提としては、いわゆる前のベン図であったAとBというので、BのところをAにくっつけるというか、入れることを一応前提にしているはずなのですけれども、これを見ただけだと、そこまでぱっとはなかなか受け取りにくいところがありまして、ぱっと見ると、やはり単に情報提供を減らしただけという感じにすごく見えるので、そうならないように少し表記は気を付けていただきたいと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○仁分委員 2点コメントをさせていただきます。   1点目は、監査委員会の権限等の見直しに関してでございますけれども、部会資料の58ページ23行目以下に記載されている規律を設けるものとする案をA案としつつ、B案として、「現行法の規律の見直しをしない。」という案も記載していただきたく存じます。第5回部会でも申し上げましたが、監査委員会は取締役会の内部機関であり、監査委員でない取締役による監査委員会の議事録の閲覧等は、監査委員会に対する取締役会の監督機能の一環として行われるものであります。また、監査委員の選定及び解職を行うのは株主総会ではなく取締役会です。したがって、現行法の規律の見直しをしない案も記載していただきたく存じます。   2点目は、責任限定契約制度の見直しのところでございます。こちらは鮫島幹事の御意見と同様なのですけれども、部会資料の60ページの12行目の2で、「株式会社と業務執行取締役等である取締役又は執行役との利益が相反する状況にあるときに行われた行為に基づく当該取締役又は執行役の会社法第423条第1項の責任については、責任限定契約による責任の限定の対象外とする。」と記載されていますが、62ページの1行目に㋓として記載されているとおり、「職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない」という要件の該当性の判断に当たって、実質的な利益相反の有無や程度等を考慮すれば足り、新たな要件を設けるべきではないと考えますので、そのような考え方も(注)で記載していただきたく存じます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○藤井委員 私からは1点だけ発言させていただければと思います。   第3の事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化というところでございますけれども、補足説明に立ち入って恐縮ではありますが、事業報告等の開示事項の見直しという最後の段落で記載を頂いておりますので、その記載をもって、包含していると理解してもいいのですけれども、やはり経済界としては、その前に書いている書類の記載事項の共通化というところに加えて、スリム化というところは是非実現したいというところでございますので、そういった記載が入ってくるといいなと思いまして、意見として申し述べさせていただければと思います。 ○神作部会長 御意見ありがとうございました。 ○豊田委員 第3について1点だけ述べさせていただきます。   具体的な有価証券報告書と事業報告の開示の一体化は、中間試案の中の太字のところには記載されておりませんが、前回述べましたように、一本化するに当たっては、個人株主に対する適切な開示になるかどうかという視点も非常に大切だと思っております。実際の法制化の場合に、会社法の省令以外の改正になるとしても、個人株主も含めた株主への適切な事業報告の内容の開示という点は会社法できちんと検討する話であると思いますので、個人株主も含む株主への開示方法の適切性を勘案するというようなことを(注)に書いていただくということができないかと思っております。 ○神作部会長 ありがとうございました。 ○藤田委員 役員の責任に関する規律の見直しの責任限定契約のところだけ、1点だけ申し上げます。この案に対して、特に私は申し上げることはなくて、今の案でパブリック・コメントに諮ることでいいと思うのですが、若干提起された問題についてコメントしたいと思います。   まず、この表現は既に法律上存在している会社法第348条の2第1項の表現をそのまま持ってきているものですから、これに等を付けるという話は少し違うと思います。これは取締役と会社の利害が対立する状況を表現する表現方法として、一応会社法上既に使われているもので、条文の目的が違うので完全に同じかどうかはともかく、そこで想定されているような状況というのがここでも参考には一応なるのだと思います。   ただ、それが一体どういう状況を指しているかというのは微妙に難しくて、これは久保田委員が言われたこととも重なるのですが、利益相反取引とどちらが広いのですかということがよく分からないというより、そもそもその問題の立て方がおかしい可能性もあると思います。利益相反取引は、取締役会決議を要求する範囲が形式的に判断できるようにその範囲が非常に広がっている面もあって、関連会社間取引も入ってきうるようになっているのですけれども、それが全部会社法第248条の2第1項が想定している状況に該当するかと言われると、第248条の2第1項の要求する利益相反の強度はもっと強いようにも思え、関連会社間取引のような形で形式的に利益相反的に当たれば当然に全部責任制限ができなくなるとは私も解釈していなかったです。ただ、ここは議論の余地があるので、何らかの明確化が必要かどうか、具体的にどれが含まれるかということを今後議論する必要はあると思いますけれども、関連会社間取引のようなものが含まれかねないということを根拠におよそこの要件を削除するというのは、逆の方向で極論かなという気がします。   このような要件が入ってきたのは、監視義務が問題となるような社外取締役や非業務執行取締役であれば、悪意重過失という意味もまだ分かる、現に悪いことをしているのを知っていたら責任制限できないとか、あるいは監視を怠ったことについて極めて落ち度が大きいと責任制限できないとか、割と把握しやすいのですが、業務執行取締役で現に業務執行をやっている人については、何を知っていたら悪意なのですかといったことがどうもはっきりしないため、うまく機能しないのではないかということが出発点だったのです。業務執行取締役については、悪意・重過失ではなく、特定の状況の下での行為に基づく責任については使えないということにしないと機能しないのではないかということから始まっているので、解釈次第では利益相反取引の特定の類型について責任制限ができなくなるおそれがあるというだけで、この発想そのものを全部否定するような形で提案するのはやはり無理があると思います。鮫島幹事が今言われたようなことを補足説明で書いて、そういうことは検討する必要があるとか、利益相反取引との関係などを整理する必要があるといったことは書いていいと思うのですけれども、それ以上に対案のような形で書くようなことはやめた方がいいように思っております。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○松中幹事 責任限定契約の今の藤田委員がおっしゃった点のところなのですが、確かに矢野幹事がおっしゃったように、利益相反という言葉を見ると、利益相反取引と勘違いしたり、あるいは356条1項の取引と思う人というのは、司法試験受験生から現役の法律家まで、結構いるのですが、誤解ですよと、そんなものではないですよということは明確に書いていただきたいと思います。その上で、実際会社法第356条第1項各号の取引のうち一部はここに含まれないことになるというのも、補足説明かとは思うのですが、明記していただいた方がいいかと思います。実際、端的に違うのであって、どちらが広い、狭いという問題ではないと思います。   更に言うと、利益が相反する状況にあるときというのを入れないというのは少し考えづらいので、これを入れないことを独立の案としては示す必要はないかと思います。というのも、もし故意重過失の中でここでいう利益相反を全て考慮できるのであれば、結果としてここに出ている案と全く同じ結果になるわけです。そうであればむしろ、故意重過失の中で利益相反を考慮できるというのは、利益相反を切り出す現在の案を支持するような根拠にすらなるのであって、入れないことを支持する根拠にはならないはずです。したがって、それを独立の案として入れる必要はないと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○矢野幹事 2回目になって恐縮なのですけれども、1点今のところで事務局に確認をさせていただきたいのですけれども、今回、補足説明61ページ目から62ページ目の辺りで、いろいろな考え方があってこの文言にしたというようなことが書かれているのですけれども、61ページ目の一番下辺り、348条の2第1項の文言をという意見もあって、最終的には、ただ、たまたま同じ文言には今回なっているけれども、別にこれに決め打ちした形で本文を作っているという理解でないという理解を私はしていたのですが、そうではないのでしょうか。それなので、それに決め打ちする必要はないということを申し上げたところなのですけれども。 ○神作部会長 事務局から御回答をお願いいたします。 ○相澤関係官 基本的には矢野幹事に御理解いただいていたとおりで、ここで前回と文言を変えた趣旨というのは、前回の議論では、少なくとも会社法第356条の利益相反取引と同じ範囲にはならないという点について一致する意見が多かったところですので、それを示す趣旨で、会社法第356条とは違う文言としております。会社法第348条の2は参考にはしておりますけれども、これで確定、決め打ちという趣旨ではなくて、引き続き検討するというところを(注1)に書いているというのが事務当局の整理でございます。 ○神作部会長 よろしいでしょうか。 ○矢野幹事 ありがとうございます。 ○神作部会長 ほかに御意見はございますでしょうか。 ○内田委員 まず、指名委員会等設置会社の見直しについてですが、(後注)のところでモニタリングモデルを志向する会社のための機関設計の在り方とあるのですが、これは現行の機関設計についての見直しであるとか、新たな機関形態について皆さんの意見を聴くという趣旨だと思います。特に3番目の、モニタリングモデルについてはどの機関設計においても実現出来ますし、対応可能と考えられますが、新しい機関形態を創設するとなるとそれより前に、いわゆる取締役会を構成する社外取締役の役割や責務をきちんと会社法で定めるということが一番モニタリングモデルに近付く道筋ではないかと思います。それを念頭に入れて、機関設計を考える、枠組みを規定するということが有効であると考えます。つまり、取締役会の中身について考えるということ、すなわち社外取の人材、求められる役割やスキルを規定することがより重要であると思うので、そういったことを含めて考えた方が幅広い意見聴取ができるのではないかと思ったのが一つです。   それから、簡単に言うと、第3の事業報告書、有価証券報告書の開示の合理化について、こういった形で一本化を進めていくことになりますが、出発点はやはり有報の総会前開示という議題がありましたので、ここについてはやはり、(注)への記載でもいいと思いますが、そういった議論があったことや実務の問題として総会前の有報開示の要請があって、全てとは言わないですが、それが大きな動機となって一本化を進めるという流れができたことを(注)において記述した方がパブコメにおける意見表明もしやすいのではないかと思いました。 ○神作部会長 御指摘ありがとうございます。 ○青委員 一番最後の開示の合理化のところ、63ページの2のところでございますけれども、こちらは有報と事報を一本化するということを目指していきましょうということと、開示事項の共通化を徹底することで、二つの法律で定まっていることによる不都合を修正するということが今回の趣旨の中心かと思います。先ほども少し御意見ありました、スリムにするという話を仮に入れるのだとすると、会社法の目的と金商法の目的、それぞれの目的を踏まえた上で、必要な事項はきちんと残しつつ再整理するという意味合いにとどまるわけであって、どんなことでも減らすということではないと思います。それぞれの規定の趣旨から必要な事項と、相対的に必要性が低い事項のバランスを適切にとるといった意味にとどめないと、少しまた誤解が生じ得るかもしれないというところだと思います。今回の案は、何日以内に開示しなければならないといった開示の早期化を前提にしているものではないので、今の点について認識のずれが生じないようにする方が、より適切ではないかと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○臼井委員 第1の指名委員会等設置会社制度の見直し、ゴシックの(後注)における全般的な見直しに関する記述、また、補足説明でも、中長期的な対応だけではなく相応に差し迫った課題であり、という記載を入れていただき、ありがとうございます。問題意識としまして、モニタリングモデルの導入について形式的な対応にとどまらないようにというところを是非お願いしたいと思っております。モニタリングモデルは、ガバナンス強化に向けた適切な機関設計であると私どもは思っているわけですけれども、飽くまでも機関設計は手段でありまして、目的はガバナンスの改善、企業価値の向上であります。書きぶりについては難しいところがあるかもしれませんが、目的は企業価値向上なのだというところが伝わるような形にしていただけますと、先ほどお話しさせていただきました問題意識とも重なり、今後の方向性が期待を持って見えるような形になるのではないかと思います。   それから、補足説明1の指名委員会の権限の見直しのところでございますが、社外取締役の真の独立性について留意をできるといいのではないかと思います。単に社外であるというだけではなくて、実際の利害関係がきちんと考慮され、独立性を担保された上で、社外取締役が過半である場合にはという形にできればと思います。   第3の事業報告等及び有価証券報告書の開示のところでございますが、有価証券報告書の株主総会前開示に関する記述が削除されたことは非常に残念であると思っております。元々は総会の3週間以上前の開示をきちんと各国に倣う形で行うことで、総会における形式的ではない議決権行使、併せて適切な対話を行えるように、そのために開示が合理化されるというのがそもそもの議論であったかと思いますので、総会前開示につきましても、今後検討するという書き方にするか、議論があったということが伝わるように何らか記述をしていただけますと有り難いと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○田中委員 第3部に関しては提案のとおりでよいと思います。特に、監査委員会の議事録の閲覧の制限については、消極意見があることは理解しておりますけれども、やはり監査委員会は、単に取締会の監督を受ける存在では決してないと思います。経営陣から独立した立場で監査をするということ、これは会社の機関設計を問わず貫徹されるべきことであると思いますので、少なくとも執行役を兼ねる取締役に議事録の閲覧を認めるという制度は、おかしいのではないかと思っていますので、原案のとおり提案していただきたいと思います。   もう1点、業務執行取締役等の責任制限について、利益相反のある状況においては適用外だというのは、先行して責任制限を行っている米国においては、一般に忠実義務違反の責任は免除できないという制約を置いています。もう一つ、日本で悪意重過失という意味に近い、bad faith がある場合も責任制限ができませんが、忠実義務違反はそれとは独立の制限になっていると理解しています。その意図するところは、取締役等が自分の利益のために行為していながらその責任が制限されるというのは公正ではないし、取締役等に対する規律を著しく損なうという考え方でありますので、こういったルールも是非入れていただければと思います。そうすることによって、ある程度、利益相反があるとはどういう場合をいうのかについての解釈論の蓄積の余地も生まれてくると思うので、そういったメリットもあるのではないかと思っております。   それから、臼井委員が言われたことを私も後押ししたいと思います。総会前開示を促すために会社法の規定を見直すことは難しいということで見送られたと思うのですけれども、総会前開示自体については、それを支持する意見はあったし、また、有報との関係を抜きにしても、株主総会が集中し、かつ、招集期間が短いので株主として十分に議案の精査ができないという意見もあったのだということは、是非補足説明に明記していただきたいとと思います。 ○神作部会長 どうも御指摘ありがとうございます。   ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。   第3部につきましては、論点になったと思われますのは、第1の2の監査委員会の権限等の見直しの中に現行法を維持するという選択肢を入れてはという御提案があったかと思います。この点について是非御意見を頂ければと存じます。いかがでしょうか。   特に御意見はございませんでしょうか。現状でよろしいという理解でよろしいですか。   どうもありがとうございます。それでは、事務局の方から第3部についてもう少し意見を聴きたいというところがございましたら、おっしゃってください。   よろしいですか。   それでは、一通り意見交換をさせていただきました。本日はこの程度にいたしたいと存じますけれども、次回の議事日程等について事務当局から御説明をお願いいたします。 ○宇野幹事 日程がタイトで恐縮ですけれども、次回の日程は3月18日水曜日の午後1時から午後5時30分までを予定してございます。場所は法務省地下1階の大会議室でございます。   次回の会議では、本日御議論いただいた内容も踏まえて中間試案の案をお示しさせていただきまして、中間試案の取りまとめを行えればと考えておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。 ○神作部会長 本日は大変たくさんの貴重な御意見を頂き、ありがとうございました。事務局におかれましては、是非次回までに中間試案を更にブラッシュアップしていただき、次回の充実した議論につなげていただきたいと存じます。   それでは、これをもちまして本日の第11回法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会を閉会とさせていただきます。本日も熱心な御議論をいただき、誠にありがとうございました。 ―了―