法制審議会 会社法制 (株式・株主総会等関係)部会 第12回会議 議事録 第1 日 時  令和8年3月18日(水)    自 午後1時02分                         至 午後3時28分 第2 場 所  法務省地下1階大会議室 第3 議 題  会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案の取りまとめについて 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○神作部会長 それでは、予定した時刻が参りましたので、ただいまから法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会の第12回会議を開会いたします。   本日も御多忙の中、御出席いただき誠にありがとうございます。本日もウェブ会議の方法を併用して議事を進めることといたします。初めに、事務当局からウェブ会議に関する注意事項の御案内をお願いいたします。 ○宇野幹事 事務当局より御説明を差し上げます。ウェブ会議を通じて御参加されている皆様につきましては、御発言される際を除きマイク機能をオフにしていただきますよう御協力をお願いいたします。御質問がある場合や審議において御発言される場合は、画面に表示されている挙手機能をお使いください。指名がされましたら、マイクをオンにして御発言ください。御発言が終わりましたらマイクをオフにし、また、画面の挙手ボタンを再度押して、挙手を下げていただきますようお願いいたします。なお、御発言の際はお名前をおっしゃってから発言されるようお願いいたします。会議室にお集まりの方々におかれましても、ウェブ会議で参加されている方々にはこちらの会議室の様子が伝わりにくいため、お名前をおっしゃってからの御発言に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   続きまして、本日の審議に入ります前に、事務当局から配付資料についての御説明を頂戴します。 ○宇野幹事 配付資料について御確認いただきたいと思います。   まず、部会資料12-1「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案(案)」、部会資料12-2「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案(案)(変更点の説明付き)」がございます。部会資料12-1は中間試案の案として、いわゆるゴシック体の部分のみをまとめたものでございまして、当部会の中間試案として取りまとめる対象として御審議いただきたいものでございます。また、部会資料12-2は、12-1のゴシック体の部分、中間試案の本体になる部分の案に加えまして、部会資料11のゴシック体の部分から変更した箇所等について、その理由等の補足説明を付したものでございます。変更した箇所の理由等については、正に補足説明に記載させていただいたとおりでございますので、それ以上の事務当局からの御説明は割愛させていただければと思います。   また、参考資料28「規制改革推進会議第10回スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループにおける座長取りまとめの要旨」は、内閣府に置かれております規制改革推進会議のスタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループにおける座長取りまとめの要旨でございます。この資料につきましては、後ほど事務当局から御説明をさせていただきます。   最後に、参考資料29「「会議体」としての株主総会等に関する規律の見直し」は、森委員から御提出があったものでございます。この資料につきましては、後ほど森委員に御説明いただければと思っております。   配付資料の御紹介は以上でございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   それでは、本日の審議に入りたいと存じます。初めに、事務当局から参考資料28についての御説明をお願いいたします。 ○宇野幹事 参考資料28について御説明させていただきます。この資料ですけれども、本年の3月2日、規制改革推進会議第10回スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループが開催され、会社法制の見直しに関する中間試案のたたき台を基に、過年度の規制改革実施計画に係るフォローアップが行われました。ワーキング・グループにおきましては、西村あさひ法律事務所の武井一浩弁護士が有識者として登壇され、株式交付、実質株主確認制度を中心に議論が行われました。   株式交付につきましては、何が会社組織の基礎に本質的変更をもたらす行為であるかは必ずしも自明なことではなく、特別決議によって組織再編が承認された場合において、反対株主に投下資本回収の機会をどこまで与えるかは立法政策の問題であるとの指摘がございました。その上で、反対株主の株式買取請求権の撤廃の必要性、取り分け大規模買収や手元資金に余裕がない場合に株式買取請求権の存在が株式交付を行う際の障害となることや、株式交付の実施後、株式交付子会社の企業価値向上のために必要な資金の流出につながることへの懸念が指摘され、政府の重要政策の一つである成長投資の促進の観点から、株式買取請求権は撤廃すべきとの指摘がなされました。また、撤廃に慎重な立場への反論として、まず、株式交付の対価が不公正であることは実質的には株式の有利発行と同視し得るところ、有利発行においては反対株主の買取請求権は認められていないとの指摘がございました。また、現物出資規制との関係については、会社法制部会において株主総会の特別決議を得ることを要件として検査役の調査を見直すことなどが議論されていることを受けて、株式交付においては株式交付計画に関する株式交付親会社の特別決議を経ており、現物出資規制との関係が株式買取請求権を撤廃する障害とはならないのではないかといった指摘がございました。   続きまして、実質株主確認制度については、株式会社から実質株主を確認する制度の実効性を確保するための規律を過料とした場合、特に海外投資家との関係で十分な情報が得られないことへの懸念が示されました。その上で、上場会社における持続的な成長、中長期的な企業価値向上のため、株主の適切な意思決定を確保するための基盤整備や資本市場の透明化を制度の法制的根拠とし、制度の実効性を確保するための規律としては、違反者の議決権停止を可能とすることを求める意見がございました。また、取得する情報の範囲や情報提供の方法などに関して、中間試案のたたき台で想定している制度設計は欧州と同様のものであるとの認識の下、欧州では議決権停止の規律が導入されており、資本市場がグローバル化する中において、我が国も同様の制度とすべきこと、また、議決権停止措置の導入を懸念する意見に対しては、欧州同様の制度設計とした際においても当てはまる懸念があるかなどについて再検討が必要なのではないかといった指摘がございました。また、株式会社から実質株主を確認する制度の実効性を確保するための規律を過料にとどめた場合、株主側から株式会社に対する通知を義務付ける制度において、特に通知義務の違反者が名義株主でない場合には、通知義務の違反者が保有する株式を会社が特定できず、議決権の停止を株主総会の決議に反映することが困難となるとして、強い懸念が示されました。   このほかの論点では、従業員等に対する株式の無償交付について、株主総会による決議を要することなく子会社の役職員等にも広く交付を可能とする方向で検討を行うこと、バーチャルオンリー株主総会について、定款の定め及び場所の定めのある株主総会の請求権を不要とする方向で検討を行うことが求められております。   ワーキング・グループでは、以上のような議論を受けて、落合孝文座長から、取りまとめとして参考資料に要旨を記載しております御発言があったところでございます。 ○神作部会長 御説明どうもありがとうございました。   本日は、中間試案の取りまとめをしていただければと存じます。本日は便宜上、部会資料12-1ではなく、補足説明付きの部会資料12-2を用いて御議論をお願いしたいと存じます。また、部会資料12-2について、特にセクションを分けずに第1部から第3部までの全体について御議論いただきたいと思います。本日は中間試案についての議論でございますので、これまでの議論で両案が示されていた論点でいずれの案に賛成するかというタイプの御意見ではなく、中間試案にどのように記載すべきかという観点からの御意見を中心に頂ければと存じます。   まず、参考資料29を御提出いただきました森委員から、参考資料29についての御説明をお願いいたします。 ○森委員 このタイミングになって意見書を出す形になって、申し訳ございません。本日の会議におきましても株主総会の在り方につきましてはいろいろと意見が出されるだろうと考えましたし、これまでも株主総会決議の冒頭宣言方式ということについて私の方から何度か口頭で御説明してまいりましたけれども、どうしてもなかなか口頭では説明し切れないところがございましたので、実務の実態をまず御説明した上で、どのような問題意識から本提案を主張しているのかということを御説明したく、本書面を提出させていただきました。   まず、実務の現実の株主総会の状況ですけれども、上場会社においては大体、株主総会に1社当たり数十人から数百人の株主が参加しておりまして、多いところでは1,000人以上の株主が参加しているという状況なのですが、ほとんどの会社において拍手によって賛否が採られているということになっています。実際上のカウントですけれども、事前の書面による議決権の行使状況、それから、会社に対する委任状の提出状況を事前にカウントしておきまして、開催前に賛成票をカウントしておきます。ほとんどの、90%以上の会社が、ここでもう賛成票が決議要件を満たしているということが確認できているというのが実態であります。   当日出席した株主につきましては、会社に対する委任状提出によって形式的に出席扱いとなる人を除いて、出席した以上、意見を変えるかもしれないという前提で、その出席者については、当日出席が確認できた段階で、一旦賛否未定の白票に戻ります。最終的に当日の賛否表明については拍手で行うわけですけれども、誰が実際に拍手したかというのは実際上カウントできませんので、実際上もカウントはしておりません。賛否を集計するに当たって、当日現実に出席した株主のうち明確に賛成行為をしている、拍手をしていることを確認した大株主ですとか、同じように拍手をしていることを確認した与党株主の人の賛成票をカウントする場合がありますけれども、本当に誰が拍手したのかというのはなかなか難しいので、基本的には当日出席者のほとんどは賛成票にはカウントされていないというのが実態であります。ただ、会社に対して委任状を提出している人は賛成意思が明確なので、賛成票にカウントしているということになっております。賛成の委任状を提出している人についてですね。反対の委任状はまた別ですけれども。   このように、当日出席している株主が仮に全員反対したとしても、事前の議決権行使賛成数と会社に対する賛成の委任状数が決議要件を満たすほど集まっている場合は、それによって決議を成立させている、すなわち、カウントすらしない拍手によって決議を成立させているというのが実態になっています。ただ、一方で賛否が拮抗する場合もありますので、その場合はきちんとカウントすべくマークシートを配ったりして投票をカウントしているということになっています。   このように、ほとんどの上場会社においてはこのようなカウント方法で、ある意味形骸化した拍手による決議方法で決議がされているというのが実態でありまして、実際上は当日動議が出ても、ほぼ絶対通らないような議決権状況の中で、動議が出たらどうしようと、それから、決議取消しリスクになったらどうしようということを考えながら、非常に慎重な抑制的な株主総会の運営がされているというのが実態でありまして、その準備を含めて社会経済的コストが非常に膨大になっているというところが問題意識の原点にあります。仮に事前の議決権行使等によって決議の成立が明確な状況において、例えば、株主の当日の議決権行使期待権ですとか、決議取消しのプレッシャーの中で質問する権利ですとか、そういったことをどう考えるかというのは、ここに書いてあるとおりでございます。   いずれにしましても、本法改正の結果、事前の賛成の議決権行使、それから会社に対する賛成の委任状提出を踏まえたら、当日の実出席株主による議決権行使を踏まえても決議の成立が明確であるというような状況であれば、株主総会の冒頭で決議を成立させた上で、その後の株主総会については株主への説明、質疑応答をしっかりとやっていく、積極的なエンゲージメントを株主と図る場としていくということをこの法改正によって期待したいと思っております。   こういった実務を前提といたしますと、現在のB案において、事前の議決権行使が勘案されるとなっているのですけれども、実務の実態を踏まえると、事前の議決権行使に加えて会社に対する委任状も勘案した方がいいのではないかというのが私のこの修正の提案になっていまして、会社に対する委任状の提出は、これは賛成の委任状とした方がいいかもしれませんけれども、委任状の提出も勘案するような法改正ができないかと考えております。ここの書き方については、今後法文を詰めていく中で、更に詰めていく必要はあると思いますけれども、そういった方向性もあっていいのではないかというのがこの意見の主なものであります。   さらに、(後注)についても同じように修正をするか、若しくは委任状の提出とか当日の出席といったかなりテクニカルな規定をするのではなくて、以下のように修正することも考えられるのではないかということを改めて提案しております。株主総会の目的である事項に係る議案について、事前の議決権行使及び会社に対して提出された委任状により、当該議案について議決権を行使することができる全ての株主が出席した場合における株主総会の決議を満たし、かつ、株主総会に出席した者による議決権行使によっても株主総会の結果が変わらないことが確認できた場合においては、株主総会の議長がその旨宣言したときは決議が成立するというものです。要は、いろいろなことを勘案して、どう考えてもこれは決議の結果が変わらないということが確認できた場合は宣言できるという、大枠の規定みたいなイメージですけれども、B案ですと、当日出席した株主とか委任状がどうのこうのというと、少しテクニカルなところに入っていくかなと思ったので、より大枠の規定の仕方がないかなということを考え、改めて提案しています。   B案の(後注)にある冒頭宣言方式については、説明義務違反がそもそも株主総会決議取消事由となり得るのかということが論点としてあり得るかなということは思っております。部会資料12-2の25ページですけれども、そこに表を付けていただいていたと思いますが、その表の会社のメリットの欄で、B案をも採用する必要があるのではないかと記載されているのは、この説明義務違反による決議取消しの可能性があるため、それを排除するためにB案の規定を同様に設けるべきではないかというふうな問題意識であろうと思っております。しかしながら、ここで、ある意味、理論的な議論というか机上の議論ではなくて、実際の状況を踏まえて検討してみますと、既に冒頭で決議が成立している状況で、かつ、当該株主総会においては決議がひっくり返ることが100%ない議決権数の株主が出席している状況において、当該決議を取り消さなければならないほどの説明義務違反というのが本当におよそ想定できるのだろうかと考えておりまして、ほとんど机上の空論のような感じもしますので、万一決議取消訴訟が提起されたとしても、会社にとってはほとんどリスクがない形で訴訟はあっという間に終わると思いますし、そのような訴訟を提起する株主もほとんどいないのではないかと思っています。   したがって、ここの会社のメリットの、B案も採用する必要があるように思われると書かれていますけれども、私としてはむしろ、説明義務違反が決議取消事由を構成し得るかという点については、あえて規定するまでもなく、オープンな状況でも実務的には問題ないのではないかと考えています。   そうではなくて、説明義務違反が取消事由とならないことを明確化する必要があるのではないかという前提に立って、そのために、仮に株主総会でどんな不正が起こっても、株主の質問を全く無視したところで決議の成立と関係ないというふうな規定をしようとしているのが多分B案だと思うのですけれども、そういった規定の仕方はむしろやりすぎなのではないかと私は考えておりますし、会社法第314条の説明義務規定の空文化をもたらすリスクがあるのではないかと考えております。したがって、B案ではなくて(後注)の案の方がいいのではないかということをこれまで意見として述べてまいりました。   25ページの表について、少しだけ更に付言いたしますと、会社のメリットの段落における(後注)の考え方の欄に関して、括弧書きが不要なのではないかというのは今申したとおりなのですけれども、それに加えて、A案と同様に、②の修正動議が不要になるというのは、これは(後注)でも当てはまるのではないかと思っていますので、ここも②は書いてもいいのではないかと思いました。また、株主権の制約の欄ですけれども、(後注)における決議取消事由が生じることによる牽制が効かないという②ですが、これは先ほど申しましたとおり書かない、若しくは括弧書きにしてもいいのではないかと考えております。 ○神作部会長 御説明どうもありがとうございました。   それでは、ただ今御提案いただいた点、あるいはそのほかの点についても、御意見のある方はどうぞ挙手をして御発言いただければと存じます。いかがでしょうか。 ○矢野幹事 少しお時間頂くかもしれないですけれども、全体的にお話しさせていただければと思います。   まず、第1部の第1、従業員への無償交付の点ですけれども、1のB案の(注2)のところ、修正は今回なしという形になっているのですけれども、ここは枠をどれだけ使っているかも開示事項に含める必要があるとは個人的に思ってはいます。ただ、この点は規則事項になりますので、最終的には更に後ほどパブコメといった形になるかと思いますから、本文への記載にはこだわりません。ただ、補足説明等にはこうした規律の必要性といった指摘もしていただければと思っております。   次が、第3の現物出資です。こちらも中身というよりは、この後、パブコメの補足説明の話になるかと思いますが、2(1)イの前回α案、β案だったところですけれども、こちらも現行法でも検査役の検査の手前までは契約不適合責任が類推適用されるとされている点も踏まえますと、むしろA案、B案の併用というのが債権法改正後の現行民商法の規定には、より整合的、適合的であるというのは思っているところですので、そういったところを補足説明に記載していただければとは思っております。   次が第2部で、第1のバーチャル総会関係で、5の開催請求権のところですが、(注2)は修正なしとなっておりますけれども、この点につきましては、定めることができるとする考えだけではなく、少数株主権とする考えもあるということを(注)に明記いただきたいと考えています。   次に、6(2)、出席型の関係の修正が入っていまして、今回の修正案でパブコメに付すということには異存はないですけれども、規制に関する考えについては少し述べておきたいと思ったことがありましたので、述べさせていただきます。私は業務上、中小企業の法務に関わるということが非常に多いのですけれども、会社法は決して規制というわけではなくて、会社を守ってくれたり、あるいは指針を与えてくれるものとして日々機能しているとは感じています。会社法は私法でありますけれども、その中では理由のない規制といったものは非常に少なくて、ある人には規制に見えるかもしれないですけれども、その背景には当事者間の関係の調整だとか、標準化による社会的コストの低減といった理由があると思っておりまして、規制となるから自由と考えると、特に法務にリソースを割きにくい中小企業では使いにくくなってしまって、かえって社会的なコストが増加して、経済成長の妨げにもなるとは感じています。この部分に限らず、補足説明の中には、そういった関係者の調整だとか標準化によるコストの低減といった観点からも記載を頂きたいと考えています。   次に第2、実質株主関係ですが、2の(注5)の不当なとか差別的な費用といった表現が少々きつい表現かなと思いまして、この辺りは例えば、不当な表現は過度な費用だとか、差別的な費用は会社ごとに異なった費用といったような形で、マイルドな形に直してはどうかと思いました。   次に、第4です。会議体関係、こちらは、すみません、個人的には、弁護士会としてはかなり懸念を持っているところですので、少しお話しさせていただければと思います。1に関して、12-2の資料25ページに新たに表が記載されていますけれども、このまま中間試案の補足説明に記載するということには強く反対いたします。株主のメリットのところは、ないと明記するのが適切だと思います。実質化されるということは書かれていますけれども、これまで実質化とは何かについてここで議論されたということもありませんし、その方策を設けることを前提に何かを問うといったことも今回、中間試案ではしていません。弁護士会として気にしているのは、やはり現行法では、例えば不祥事があったときなどが典型的なのですけれども、会社にとって不都合な質問でも質問し、説明を求められるというものが、今回の案では事実上それがなくなってしまう、都合が悪ければ質問すら受け付けないというようなことになりかねないということは、会社のガバナンスの観点から極めて問題だと思っています。   また、表の最後、もう1点、株主の意思の反映についても、A案の記載は「反映されないが」の後で「が」で続いているのですが、「が」以下は不要と考えます。A案にしたら締切りが現状の実務より後になるといった関係には全くないから、こうした記載はミスリーディングであると思います。この論点は、株主の権利の後退であるということは結構はっきりしているところですから、その上でも改正すべきかというところを正々堂々と問えばよいというのがパブリック・コメントとして適切な姿勢だと私は考えます。この点に限らずなのですけれども、今回の検討内容はかなり株主権の大幅な後退となっている内容でございまして、これが諸外国から見ても先進的な取組で学ぶべきであるというものであれば、特段異存もないですけれども、逆に、我が国が後進的な国と考えられて、より選ばれなくなってしまう、より経済成長にとってはマイナスになるのではないかということをかなり懸念しています。   次の3、社債権者集会についてもお話しさせていただければと思いますが、こちらはA案の3行目に書面決議制度という形で、本文ですね、残っていますけれども、こちらみなす制度といった形の表記の修正が必要かと思いました。あと、B案の方も(1)で提案権者も修正いただいているのですけれども、こちらは少しA案とは違って、条文でいうと書面決議の会社法第735条の2の次の3か何かになる場所だと思いますので、必ずしも社債権者を外さなくてもいいのかもしれないとも思っています。ただ、この点は今後の議論のところではありますので、本文の修正までは必ずしもこだわりはいたしませんけれども、A案とB案はよって立っている考え方が違うということを補足説明の方で明記いただければと思います。   最後、第3部です。第3部、1の指名委員会等設置会社関係は、(後注)のところは修正がないというところなのですけれども、前回確か内田委員がおっしゃった内容だと思うのですけれども、社外取締役の役割とか責任を定めて、人の面から制度を考えるといった御指摘がありまして、それになるほどなと思いましたので、ここでもそうした記載を少し入れられると、より問題意識が伝わりやすくなるのかなと思いました。   最後、第2、責任限定契約の2のところは、この表記でやむを得ないとは思いますけれども、利益が相反する条件があるというときに行われたという本文の表記だけだと、やはり非常に決め打ちに見えるというところは気になっておりまして、補足説明で十分記載していただきたいと思います。   中身的には以上になりまして、本文関係のところをまとめますと、第2部の第1、バーチャル総会関係の5の(注2)のところを併記いただきたいというのが一つ、次が、第2の実質株主関係のところの(注5)の表記ですかね、あと、第3部の(後注)だと思います。この辺りを本文として御検討いただければと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。冒頭に申し上げましたように、本日は中間試案の取りまとめを目的としております。補足説明における記載の仕方については、いろいろ御意見とか御注文があろうかと思いますけれども、中間試案の取りまとめという観点から御議論を頂ければと思います。 ○久保田委員 まず最初に、森委員と矢野幹事が取り上げられました事前確定型決議について、少しコメントをさせていただきます。   森委員に説明していただいた現在の実務及びB案の趣旨というものを考えますと、B案及び(後注)の内容について森委員がされた提案は合理的なものであるように思います。そのため、御提案に従いB案及び(後注)の内容を修正することも考えられるかと思います。ただ、これまで部会で必ずしも十分に検討したというものではありませんので、中間試案の本文や(後注)はこのまま維持した上で、補足説明等の中で森委員の御提案の内容を詳しく取り上げていただくということが望ましいのではないかと考えています。   もう1点、森委員及び矢野幹事の御説明に出てきた点で、私も非常に気になっていますのは、決議の結果が確定している場合であっても、株主総会の当日に決議取消しの訴えというプレッシャーのある中で経営陣に質問する権利が保障されるべきであるという考え方の当否です。以前の部会で私が内田委員と臼井委員にお聞きしたときは、決議取消しの訴えというプレッシャーのある中で経営陣に質問する権利が重要であるというお答えがあったわけですけれども、それは決議の結果が確定している場合であっても同じなのか、変わらないのかといったことがここでの一つの大きなポイントになるかと思います。仮に決議の結果が確定している場合は別だという可能性があるのでしたら、必ずしも株主権の後退とまではいえませんので、やはり今回の中間試案はこのまま維持した上で、今後の部会において改めて投資家の皆様の御意見を伺いながら検討するということでよいのではないかと考えています。   次いで、今回の規制改革推進会議スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループ、以下では単にワーキング・グループと呼ぶことにしたいと思いますけれども、このワーキング・グループから参考資料28に掲げられた検討要望が出されており、それらについても中間試案の取りまとめの前に検討しておいた方がよいのではないかと思いますので、幾つか意見を述べさせていただこうと思うのですけれども、これはよろしいでしょうか。 ○神作部会長 はい、結構です。どうぞ、おっしゃってください。 ○久保田委員 まず、株式交付制度の見直しについてです。私は、株式対価M&Aを行いやすくするための見直しをすべきであるというワーキング・グループの問題意識には強く共感しています。これは私だけではなく、本部会のメンバー共通のことなのではないかと思います。そして、そのような問題意識もあり、中間試案では株式交付制度の見直しに加えて現物出資規制についてもこれまでに見られなかったような大幅な見直しが提案されています。この提案が実現しますと、反対株主に株式買取請求権を与えることなく株式対価M&Aを行いたいという場合は、現物出資を用いて株式対価M&Aをすることが現実に可能になるわけであります。   これに対しワーキング・グループは、飽くまで株式交付の更なる見直しを提案していますところ、その背景には、現物出資は株式交付と比べて税制上の取扱いが不利であるため利用しにくいという問題意識があるかと思います。私はこうした問題意識にも共感するところが小さくないわけですけれども、ただ、これは飽くまで第一義的には会社法の問題というよりは税制の問題ですので、税制の見直しをしていただくことによって対応していただくべきものであると思います。   また、これは少しデリケートな話になるかもしれませんけれども、私は仮に現物出資に係る税制の見直しが実現困難であるとして、会社法上の株式交付制度の見直しをして子会社株式の追加取得一般を株式交付の対象とするとともに反対株主の株式買取請求権を撤廃したとした場合において、本当に期待されているような税制上の特例が認められるのか、場合によっては税制上の特例の対象から除外されてしまう可能性もあるのではないかという懸念を持っています。なぜなら、そのような見直しをすると、これまで部会で繰り返し指摘されていましたように、株式交付という行為はこれまでの株式交付とはかなり異なる行為になってしまうからです。   この点について個人的には、組織再編として一般に要求される手続を踏んで行われる行為であれば、その行為は会社法上の組織再編であると整理することは可能であろうと思います。しかし、ワーキング・グループが提案しているような見直しをする場合は、そのような整理も難しくなってしまいます。何とか整理を付けるためのよい理屈はないかという点も含めて、本部会でいろいろ検討した結果、説得的な理屈は見当たらないという意見が多数を占めている中で、ワーキング・グループが提案するような見直しを進めた場合に、本当に税制上もこれまでどおりの特例を認めてもらえることが期待できるのかについては、慎重な検討が必要ではないかと考えています。   次いで、実質株主確認制度についてです。ワーキング・グループからは、株式会社から実質株主を確認する制度についてもサンクションとして議決権停止を可能にするための制度を検討すべきであるという要望が出されています。私は、もし事務処理の誤り等による場合は議決権停止の対象にならないことを確保するような制度を作ることが現実に可能なのでしたら、経営支配権の獲得を目的としない大半の投資家にとっての負担も大きなものにはなりませんので、このワーキング・グループの要望には一定の合理性があるのではないかと考えています。そのため、個人的にも、中間試案の補足説明でも構いませんので、この点について取り上げていただければ有り難いと思っております。   最後に、従業員等の株式の無償交付についてです。私は先日のワーキング・グループでの議論を録画で拝見いたしまして、今後の我が国において従業員等の株式の無償交付が非常に重要であるというワーキング・グループの問題意識に強く共感いたします。ただ、ワーキング・グループでは、B案だけを導入する案だけでなく、A案とB案の同時導入案についても、それでは駄目だという議論がされているところ、私はワーキング・グループの要望に照らすとB案だけでは駄目だということは理解できるのですけれども、A案とB案の同時導入案でも駄目だという理由がよく理解できなかったものですから、この点について少し意見を述べさせていただきます。   これは内容に関わることですけれども、中間試案の書きぶりにも関わることだと思いますので、少しお時間を頂きたいと思います。すなわち、ワーキング・グループでは従業員等への株式報酬やストック・オプションが有利発行に当たると解される余地はないという考え方を出発点として、A案とB案の同時導入という形であっても、B案を導入すると、それによって従業員等への株式の無償交付が有利発行に当たると解する余地が生まれてしまうから、A案とB案の同時導入案も駄目だという趣旨の議論がされているようです。   しかし、この部会でも議論してきましたように、そもそも従業員等への株式報酬、株式無償交付が有利発行と当たると解される余地はないといえるかどうか自体に疑問があるわけです。現に江頭憲治郎教授によって、子会社の役職員へのストック・オプションについては有利発行に当たると解さざるを得ないという見解が有力に主張されているところです。確かにこれまでは有利発行性が争われる訴訟が提起されたことはないのですが、今後従業員等への株式の無償交付が拡大していった場合には有利発行性が争われる訴訟が提起される可能性は否定できないのではないかと思います。また、そうした可能性は、従業員への株式の無償交付が労働基準法上の賃金には該当せず福利厚生等であるという整理がされた場合は、より一層大きなものになると考えられます。そして、そのような有利発行該当性のリスクがネックになって従業員への株式の無償交付を拡大しにくいということになりますと、それこそ本末転倒であると言わざるを得ません。そこで、上場会社の中には有利発行該当性のリスクを回避したいという会社もあるに違いないことから、そうした会社のために、A案に加えてB案も同時に導入しようというのがA案とB案の同時導入案であると理解しています。   また、これも繰り返し議論してきましたように、諸外国の例を見ても、今後従業員等への株式の無償交付を拡大していこうとするときは、これまで以上に投資家の方々の理解を得ることが重要になってまいりますので、その意味でもB案のような制度も同時に導入することもより、上場会社にとって負担になりすぎないような形で株主総会決議の手続を踏むことができるようにすることは、むしろ今後における従業員等への株式の無償交付の拡大に貢献するものであると考えることができます。   このように、ワーキング・グループでの議論に見られたようなA案とB案の同時導入案によって有利発行に該当するとされる可能性が生じるであるとか、あるいは、現在の実務に対して規制を強化するものになるといった意見には誤解があるように思います。また、A案とB案の同時導入案によって従業員への株式の無償交付の拡大が阻害されるという意見にも誤解があるのではないかと考えているところです。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○松中幹事 まず、第1部、第3の現物出資、説明付きの方の5ページ以下について、現段階で申し上げるのは大変恐縮なのですが、総会決議と関係者の責任の発生要件の関係を整理する必要があるのではないかという点に気付きました。具体的には、これは取締役と証明者と引受人、それぞれについて少しずつ違うのですが、取締役については現行法で検査役調査を受けている場合は責任を負わない旨の規定が会社法第213条第2項第1号にございます。もし今回新しく導入する総会の特別決議を経た場合が、検査役調査と同じ、あるいは同じようなものだと考えるのであれば、取締役の責任についても検査役調査がある場合とそろえるのが整合的だということになります。これは現行法と異なる政策判断を行うわけではない話ですが、前提問題として総会決議の位置付けを考える必要があるのかなと思います。これはもちろん今後ということであります。   他方、証明者の責任については現行法で検査役調査を経た場合の規定がございません。恐らく検査役調査と証明者を両方使うというのは考えづらいからなのかなと思います。これについて、別に現行法のままでもいいように思いますし、改めて、その場合に証明者の責任を負わせる必要はないというのであれば、その旨の規定を設けるというのもあり得ない話ではないのかなと思います。   そして、最後に引受人についてですが、現行法では検査役調査があっても引受人の責任には影響がないような規律になっています。現在提案されている引受人の責任の内容、A案であれば、これは現行法の会社法第212条第1項第2号を削除するのに近いので、この場合、通謀あるいは故意重過失がある場合に責任を負うということですから、総会決議がある場合でも責任を負うというのは割と通用しやすい話かなと思います。他方でB案の場合は、会社法第212条第1項第2号の著しい不足の判断時点を前に持ってくるのに近いので、通謀や故意重過失がなくとも責任を負う場面は残ることになります。そうすると、総会決議があるのだったらやはり責任を負わなくていいのではないかという議論も、そうしなければいけないという話ではないと思うのですけれども、あり得るかと思います。   このように、取締役についてはほぼ何か考えなければいけない、あとについてはいろいろ考える余地があるという感じで、責任との関係について、本当は現段階で何らかの方向性を示して本文に入れた方がいいのだと思うのですけれども、従来議論していなかった話ですので、何か今後検討する必要がある、無視しているわけではないというのが(注)なり補足説明なりで入った方がいいのかなと思っております。   もう1点、今度は参考資料28の点です。先ほど久保田委員がおっしゃった点と重なってくるかと思いますが、特に株式買取請求権をなくすという話についてです。これは単なる組織再編の規律の形式的な整合性の話ではないということを強調しておきたいと思います。これは株式を対価とする組織再編において買収会社側の株主をどの程度どのような手段で保護するのかという重要な問題に関わってくる話です。買う側が大盤振る舞いしてしまうというのは決して現実離れした話でもなく、実証的にもそういうのはある話ですし、現実に見られる問題であります。株式交付だけ買取請求権をなくすのであれば、株式交付はなぜそのリスクが低いといえるのかが問題になるわけですし、さらに、ではほかの株式対価の組織再編も同様になくすのだということであれば、そもそも組織再編全般について大盤振る舞いのリスクにどう対処するのかという、より大きな問題に形を変えるだけであって、問題が消えるわけではないことになります。実質論としては、これらに説得的な回答がなされない限り、一定の、あるいは全ての組織再編で買収会社側の買取請求権をなくすということを示すのは難しいように思います。そうした議論は必ずしも出ていなかったように思いますので、今回の中間試案でそうした選択肢を示す必要はないのであろう、すなわち今のままの案でいいのだろうと思います。   そして、参考資料28とその基になっている議論では、有利発行の議論に触れているのですが、これは久保田委員がおっしゃったとおり、今回の改正では現物出資規制も合理化されるわけですから、それをやりたいのであれば現物出資を使ってくださいということだろうと思います。もう少し一般化すると、組織再編と新株発行というのは実質的に同じ部分はどうしてもあるわけですが、あえて異なる二つのトラックを設けているという建て付けになっているわけです。他方の都合のいいところだけ持ってくるようなものではないはずなのです。もしそんなことができるのであれば、規制強化をしたい側は、有利発行規制には簡易要件がないのだから簡易株式交付は要らないのだと、こんなむちゃくちゃな議論が成り立ってしまうことになるわけです。でも、もちろんそんなことは我々はやらないわけでして、ほかのところで同じようなことをやっていいわけではないと思っています。どちらかにそろえるというロジックを徹底すると、結局これは他方は要らないということになりますし、一方の規制が緩い部分だけを参照するというのは単なる御都合主義ですので、参考資料28のような議論を受け入れる余地はないと私自身は考えております。   更に言うと、規制改革推進会議のスタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループの議論は全体的に、株主の利益の保護という視点が大きく欠けているように思います。会社法は株主の利益だけをみているわけではないというのは、もちろんそうなのですけれども、株主の利益を十分に考慮せずに見た感じの使い勝手をよくするということが中長期的に見て成長につながるのかというのは疑問が残るわけでして、慎重な議論を重ねてきた部会の示している中間試案を変えるに至るようなものは出ていないのではないかと考えております。 ○神作部会長 ありがとうございました。   ○北村委員 中間試案の取りまとめとして、ゴシックの部分に関係するもののみ2点、指摘したいと思います。   まず、第2部の第6、その他の1、会社法第316条第2項、いわゆる2項調査者の制度でございます。第11回会議のときに私は、この2項調査者の調査に対して会社側が調査を拒む場合に、裁判所の許可は要らないのではないかと申し上げました。そのことは部会資料12では反映されていないわけでございますけれども、中間試案の取りまとめの直前の機会ですから、前回申し上げた点をもう少し敷衍して述べさせていただきたいと思います。   私は、2項調査者と、会社法第358条の業務の執行に関する検査役選任制度が両方存在しているという状況の下で、2項調査者の制度の有する今日的な意義は、裁判所が関与しないで調査をするということと考えています。すなわち、その会社の私的自治ないし自浄作用によって2項調査者が存在するものと考えております。会社法第358条の検査役選任申立てのための少数株主要件と、2項調査者選任のための前提となる会社法第297条の株主総会招集請求のための少数株主要件は、ほぼ共通するにもかかわらず、2項調査者の選任をするということは、これは裁判所を関与させずに調査をするというところに意義があると考えられます。   現在のゴシック体のとおりの改正がされますと、調査を拒みたい取締役としては裁判所の許可を求めるということになって、それによって裁判所を関与させるということになりますから、2項調査者制度の意義の重要な部分が失われるのではないかということでございます。裁判所の許可なしに取締役が株主共同の利益を著しく害するかどうかの判断を行うということになると、2項調査者の調査が進まなくなるのではないかということが、裁判所の許可を得ることの理由と思いますけれども、取締役が恣意的に2項調査者の調査を拒むということであれば、それはもはやその会社では自浄作用が作用しない、期待できないということになっているわけです。そうなれば次の段階、例えば取締役を解任させるとか、そこで初めて会社法第358条の検査役選任の申立てをするということになるものと考えます。言い換えれば、2項調査者の制度ないし権限というのはその程度のものであって、私的自治の枠内のものということになるわけでございます。そこで、私の意見としては、A案の(4)の「裁判所の許可を得て」というところに、例えば(注)を付けていただいて、裁判所の許可なしに拒めるというような考え方もあるということを付言していただければと思います。   そういたしますと、(5)の方の裁判所の許可を得て調査結果の報告をやめることができるという部分はどうするのかですが、私はこちらは裁判所の許可が必要であるとして構わないと思います。なぜなら、先ほど私的自治と申し上げましたけれども、株主総会の決議によって調査者を選ぶ以上、その調査者は調査結果を株主総会に報告するのは当然のことですから、それをあえてやらないというのだったら、そこで裁判所を関与させても構わないと思います。これが1点目でございます。   もう1点は、先ほどの森委員からの御提案でございます。私も久保田委員と同じように、背景をお聞きして、おっしゃりたいことは非常によく分かりました。森委員が参考資料29の3ページ目で提示されていることと現在のB案との大きな違いは、現在のB案は、会社に賛成の委任状が提出された場合のことを考慮していないのだけれども、森委員の御意見はこの場合も含めて制度構築を検討すべきという御指摘と理解いたしました。ただ、中間試案取りまとめまでにそれを議論するのは間に合わないと思いますので、森委員の考え方は共感するところがございますけれども、補足説明で記入するということが考えられるかなと思っております。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   ○藤井委員 私からは2点発言をさせていただければと思います。   本日、森委員から意見も御提出されておりまして、多くの委員から意見が出ております会議体としての株主総会等に関する規律の見直しのところにつきまして、今回B案の括弧書きが修正されているわけでございますけれども、その点につきまして、現状の実務の状況を少し数字で御紹介をしたいと思っております。   現状におきましては、この制度自体がまだ創設がされておりませんので、一般的に当日出席を予定している株主、特に大株主につきましては事前に議決権行使を行うというケースは限定的であると認識をしております。その上で、私が所属しております三菱UFJ信託銀行が証券代行を受託しており確認がとれた1,000社を超える企業の直近1年の状況を御紹介させていただきますと、事前行使の議決権数を総議決権数で除した数字、今回こちらが決議の要件になると思いますが、50%を超えるという企業が半分弱、3分の2を超える企業の割合が2割強という状況でございます。これに、分子に当日本人出席分、委任状の出席等も含めた当日出席分を加えますと、50%を超える企業が95%、3分の2を超える企業が約8割というような状況でございます。つまり、今回修正された括弧書きは、森委員も御指摘されているところではありますが、当日出席の株主の議決権が算入されないということになりますので、半数を超える企業で50%すらクリアができないというような状況になります。   今回、事前確定型決議というものが創設されますと、特にA案であれば、現状当日出席をしている株主、特に大株主については事前行使した上で総会に出席するというような行動になると考えております。現状のB案とか(後注)であれば、大株主等が総会当日に出席してしまいますと、その条件というものがクリアしにくくなり、やはり少し使いにくい制度になってしまうのかなと私も感じているところでございまして、森委員の御提案であれば、もう少しその使える幅というのが広がると理解をしております。   もう1点は、今回新しく参考資料として出されました参考資料28の点で1点だけ、実質株主確認制度について触れさせていただきたいと思います。実質株主確認制度につきましては、中間試案の(注6)にも記載がありますとおり、制度の実効性を確保するための規律として違反者の議決権を停止する考え方もあるという御意見があることは私も承知をしておりまして、記載にも全く異論はございませんけれども、参考資料28の3ページ目の1行目のなお書「なお、経済安全保障の観点でも必要な仕組みとなるので、必要性に関してはその点も勘案して検討を行うこと」と、記載がされております。仮に議決権停止をサンクションとして入れる場合、その制度趣旨は株式会社の支配に関する重要な情報の把握という形になり、こちらに経済安全保障の観点まで含むということになりますと、この制度趣旨を少し超えているように私は感じておりまして、仮にそういった観点を含めるということになりますと、そもそもこちらの部会で議論をしてきた実質株主の定義自体を見直す必要が出てくる上に、その再定義をした実質株主次第では、実質株主を確認するための実務構築のハードルというのが上がるのではないかと、実務を検討している中では感じているところでございますので、こちらの点につきまして少し付言をさせていただきました。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。   ○仁分委員 私の方からは、参考資料28についてのみ一言申し上げたいと思います。こちらの参考資料28の内容につきましては、我が国経済の更なる成長の実現という政策的観点の重要性を改めて確認した上で、検討の方向性を示すものであり、経済界が求める方向性と一致していると考えております。今後の議論の方向性に反映していただきたいと思っております。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。   ○豊田委員 今回、補足説明についての議論はしないということでございますが、全体を通じた中間試案の考え方について日弁連において懸念を持っている部分がございますので、現段階で特に太字部分の変更の希望として申し上げるものではありませんが、2点申し上げたいと思います。   まず、全体として本中間試案の内容を見たときに、先ほど松中幹事もおっしゃっておりましたように、会社側の利便性の確保という視点が強く出ており、株主の権利についての視点がかなり弱いという印象を受けております。合理化、効率化が企業価値を高めるという面があることは十分承知しておりますので、それを否定するものでは全くございませんが、今回の中間試案の内容が本当に会社の成長に資するのかどうかということを正面から議論する上では、株主の視点も持った上でバランスのとれた議論が必要ではないかと思っております。弁護士会としてはそのような視点からの意見を言うことも必要ではないかと考えています。   例えば、12-2の資料の25ページで会議体としての株主総会の見直しにつきまして各案の比較が出ておりまして、先ほど矢野幹事からも話がございましたが、株主側のメリットとして、株式会社と株主の間の議論を形式にこだわらない実質的なものにするというような内容が記載されております。恐らくこれは株主懇談会のような場の方がざっくばらんに話ができるといったような御主張を記載しているのだと思われ、そういう面があることも理解はしますが、法的に確保すべきという点からは、不祥事ですとか業績悪化などの会社としては言いたくないことについても、きちんと説明義務があって株主が説明を求められるということであって、そのあたりも御留意いただきたいところでございます。   他方で、この表の株主権の制限というところで、株式会社への牽制という用語がありますが、説明責任ですとか、もう少し分析的に書く必要があるのではないかと思います。私どもは株式会社への総会等での法的アドバイスをする中で、説明責任が、株主総会のみならず普段の経営者の行為の判断に影響を及ぼす場面を多々見ております。そういう意味では、総会のみ、決議のみにフォーカスするのでは足りない面があるように考えております。これは一例ではございますけれども、この表を見て懸念を持ちましたので、補足説明を記載する際にそういう株主の視点を持っていただきたいと考えております。   2点目として、同じ視点ではございますけれども、少し具体的な点で、第3部の第3の事業報告及び有価証券報告書の開示の合理化につきまして、一体化した場合の事業報告の内容について、一般株主に分かりにくい開示になるのではないかという点を前回発言させていただきましたが、今回、一本化という内容自体が中間試案の太字のところにはなっていないので、その点の記載を入れるのは難しいのだとは理解しておりますが、会社法を、会社と株主とのコミュニケーションがしっかりとれるような法制とするために必要だと思いますので、補足説明などで入れることを御検討いただければと考えております。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   ○臼井委員 まず、実質株主確認制度について申し上げます。議決権停止、今回ワーキング・グループの取りまとめのところにも一部言及がございましたが、こちらについては株主権の剥奪につながるため、プロセスには慎重に慎重を期すべきであるということを申し上げたいと思います。今回、軽微な変更や過誤については除外する、停止に当たっては違反の内容を明らかにする、また、争う機会についての明記を加えていただいたことは有り難いと思っております。機関投資家は株主や受託者として、投資先企業の持続的な成長に資するよう議決権行使を適切に行うという義務を負っており、これを安易に制限するということは日本の資本市場の発展、資産運用立国の実現に逆行しかねないという懸念を持っております。前回の問題意識の繰り返しになりますけれども、株主の権利の確保、中でもコーポレートガバナンスの質の向上、制度的な担保というのは、国際的なベストプラクティスに向けた競争にもなってきている中、日本の資本市場の信頼性、改善期待に水を差すような内容にならないよう、先ほど矢野幹事からも御発言がありましたが、そういった点を御考慮いただきたいと考えております。   続いて、株主総会の在り方について申し上げます。株主総会は、全株主に開かれ、かつ法的な説明義務が課され、議事録として公に残るというところで非常に重要な公開の説明責任の場であると私どもは考えております。こうした役割は、事前の議決権行使でその帰すうが明らかになっていたとしても失われない、経営陣の姿勢や資質を公的な場で確認する重要な機会であると考えております。先ほど藤井委員からデータの御紹介がございましたけれども、現状の機関投資家による議決権所有の増加を踏まえますと、事前決議を導入した場合にはかなり多くの企業で成立してしまう可能性が高く、その場合に総会できちんとした説明が行われないとなると、総会の更なる形骸化、ガバナンスの後退につながるのではないかということを懸念しております。現状、総会日程の集中や実質株主の参加のハードル等といった問題がある中で、きちんとした建設的な対話を進められるような方策が、まず必要なのではないかと考えております。   こうした問題意識を基にA案、B案、それから(後注)の内容を拝見すると、いずれの案も株主にとってのメリットというのは基本的にはないと考えております。どの案も株主権の後退につながり得るものの、A案については定款変更を必要としている分、相対的には許容できるという観点でおります。株主総会の本質、経営の監督というところを考えると、議決結果が確定した後も説明責任は残り、その観点から決議取消しリスクが残ることによるセーフガードは必要であると考えております。   資料12-2の25ページのところに各案の整理としてテーブルを載せていただいております。まず、開催や株主の質問権について、ありとされていますが、質問できるのだけれども、誠実かつ中身を持った回答がなされるのかは不透明であると考えます。また、株主のメリットのところに、形式にこだわらない実質的なものとすると記載がございますが、これは会社の裁量に大きく依存するところでございまして、株主のメリットとして捉えるのは難しいのではないかと考えます。株主権への制約のところで牽制が効かないという表現をしていただいておりますが、こちらが正に懸念の根幹であります。日本の企業においては、取締役会の独立性・実効性が低い、経営への監督が効きにくい、少数株主の利益が損なわれやすいというのが従来から私どもの問題意識としてございます。そうした中においては、株主総会における規律というのが非常に重要な意味を持つと思っておりまして、こうした点を諸外国との違いという面では考慮いただきたいと思います。   決議取消しリスクについては、もちろん運営負担にフォーカスが当たっているというところは理解を致すところでございますけれども、ガバナンスを担保する上でのメリットを無視するべきではないのではないかと考えます。決議が成立した後の事後的制裁、説明義務のみをよりどころにした場合に、取締役の再任で落とせばいいのではないかというような御意見もあるかと思うのですけれども、これは時間的に遅い、要は経営判断の評価をきちんとできないまま議案が成立してしまう可能性があり、こうした対応では投資家、受託者としての責任を適切に果たせないのではないかと考えます。事前の議決権行使によってある程度結果が見えていても総会は必要であり、かつ、総会当日の質疑応答を実質化し、かつその説明拒否を抑止する仕組みとして、決議取消しリスクを残すというのは不可欠ではないかと考えております。   最後にワーキング・グループにおける座長取りまとめの要旨ということで、今回部会資料で出していただいていますが、こちらについて、先ほどの松中幹事の御発言に同意いたします。株主権の後退、ひいては日本への投資後退につながりかねないのではないかという懸念をしておりまして、是非これまでの部会における議論を尊重した方向で進めていただければと考えます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   ○鮫島幹事 今回の会社法改正の議論は、日本企業の「稼ぐ力」の強化につながる項目があり、日本経済全体の強化の観点からも非常に有意義だと考えてございます。この中間試案に対して経済産業省としては全体として賛成でございますので、この会社法改正案が政府案としてまとまるよう経済産業省も尽力したいと考えてございます。その上で、パブコメ後の更なる検討においては、政府の一員である内閣府が本日参考資料28にて御提出された御意見も含めまして、また、森委員から参考資料29で追加の御披露があった現場の実務の御知見も踏まえまして、より広い御意見を反映させた改正案の検討が重要だと考えてございます。   例えば、株式交付については株式買取請求権が撤廃されなければ想定外の資金流出リスクがあり、せっかく会社法を改正しても実務で活用されない懸念が内閣府からも指摘されているところでございます。この改正案は、政府から国民や国会へ提案する以上は、改正の趣旨に沿って十分に活用される案とする方向で引き続き御検討いただくことが重要かと考えてございます。   また、業務執行に係る定款変更議案を株主提案することの制限や、2項調査者制度の廃止、さらには事前の議決権行使によって株主総会決議が成立したものとみなすことについても、より広い御意見を反映させた改正案の検討が必要と考えてございます。   さらに、会社の方から実質株主を確認する制度については、海外投資家から十分な回答が得られない可能性も踏まえまして、議決権停止も含めて実効性が十分に確保されなければ、我が国の資本市場の透明性、経済安全保障が諸外国から遅れをとりかねないという点にも留意して、その制度趣旨の説明ぶりも含めて御検討いただくことが重要かと考えてございます。   まとめとしましては、経済産業省としては、この中間試案には全体としては賛成でございますが、内閣府の意見、また経済界からも寄せられた幅広い御意見を十分に踏まえまして、会社法改正案が政府案としてまとまるよう、経済産業省としても尽力したいと考えてございます。ありがとうございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○行岡幹事 私からは大きく1点だけ、第2部、第4の1、つまり事前確定型株主総会に関してコメントを申し上げます。   結論から申し上げますと、私はB案ないし(後注)の考え方は、前回も少し申し上げたとおり、十分にあり得る考え方であると考えており、定款の根拠規定なしにこのような取扱いを認める制度の創設を中間試案で提案することに異存ございません。B案で行くか(後注)で行くかという話については、私の理解では、これらは実質的には同じ方向を向いているものだと理解しておりまして、中間試案段階では現在のような形でB案と(後注)という形で記載すればよいのではないかと考えています。   このような提案をすることに反対の御意見もあったところなので、少しだけ補足いたしますと、森委員が参考資料29で先ほど指摘されたように、現行法には決議取消しの訴えというプレッシャーのある中で経営陣に質問する権利を保障するという意味で、総会運営に規律付けを与えるという意味があったといえるかと思います。しかし、既に決議の成否が事実上確定している場合にまで決議取消しというドラスティックな手段で総会運営の規律付けをする必要があるかは議論の余地があるところだと考えております。確かに先ほど臼井委員や矢野幹事が指摘されたように、決議取消しという威嚇がなくなることでおかしな総会運営がなされるおそれが高まる、そういった可能性は否定できないのですが、そのような場合には、取締役としての資質を疑われて再任議案が否決されるなど、ほかの規律付けの手段で十分という見方も、これは先ほど森委員がおっしゃったことですけれども、政策判断としては十分あり得るところではないかと思います。ですので、少なくともパブコメに付することはしてよいのではないかと考えているというのが総論的なコメントです。   以上を申し上げた上で、各論的なことについて幾つかコメントを申し上げたいと思います。まず、B案に関しては現在、総議決権ベースで考えるという御提案になっていますけれども、少なくともB案のような場合であれば、実際に行使された議決権を分母として既に成立要件を満たしている場合には決議成立を認めてもよいという考え方もあり得るのではないかと思っています。ただ、この点は今このタイミングで本文を変更するとか(注)に記載するということを検討するには時期を失していると思いますので、補足説明での記載をするかどうか御検討いただければと思います。   2点目ですけれども、こちらの方がより重要なのですが、森委員が提案された修正点、つまり委任状の取扱いについてのコメントです。実は私はこの点、個人的にはちゅうちょを覚えております。それはなぜかというと、理屈として説明がしにくいのではないかと思うためです。どういうことかといいますと、委任状というのは、たとえそれが会社提案に賛成あるいは株主提案に反対という趣旨で会社に提出されていたとしても、制度の建前としては、その代理人が会場で議決権を行使して初めて賛成なり反対なりの議決権行使がされたことになる、そういう制度の仕組みになっていると理解しています。確かに森委員に先ほど御紹介いただいたように、現行法の実務上、平時の株主総会では採決を拍手で行っているということなのですが、私の理解では、少なくとも大株主から委任状を受け取っている代理人については、採決時にきちんと拍手しているかどうかは事務局側で確認をしているのではないかと思います。   今回の森委員の御提案だと、株主総会の当日に採決をしていない、つまり代理人としての議決権行使をしていないにもかかわらず、あたかも代理人が議決権の行使をしたかのように扱って、冒頭成立の要件としての議決権にカウントするということになるのですが、これは委任状に基づく総会当日の議決権行使を代理行使するという制度の立て付けと理屈として整合するのかどうか、疑問があるということでございます。もちろんこれも立法政策の問題だと割り切って制度化してしまうということもできるのかもしれないですが、個人的にはちゅうちょを覚えるということでございます。   念のために付言いたしますと、今のB案、すなわち事前の書面投票ないし電子投票については、今申し上げたような問題は発生しません。なぜなら、事前の書面投票、電子投票をした株主が当日総会に出席しなければ、そのことによって事前の書面投票ないし電子投票それ自体が有効な議決権行使となるためです。そうであるがゆえに、事前の議決権行使をした株主が出席していないことが明らかとなった段階で、事前の議決権行使を確定的な議決権行使として扱って決議の成否を判断することが正当化できる、それがB案ないし(後注)の制度の理論的な正当化根拠になっているのだと思います。以上を要するに、森委員が提案された修正には、直ちには賛成することができないというのが私の意見です。   ただ、先ほど来、北村委員や久保田委員がおっしゃったように、実質論としては森委員がおっしゃることは理解できるし、共感もしています。どういうことかといいますと、先ほど申し上げたような会社提案に賛成、株主提案に反対の委任状が会社に提出されている場合というのは、議案への賛否に関する株主の意思は事前に確定的に表明されているといえるわけで、そういう意味では事前の書面投票や電子投票と実質的に大きな違いはないともいえるわけです。そうであれば同じように扱うべきだというのが、恐らく森委員の御提案の背後にある基本的な価値判断なのだと理解しています。これは実質論として理解できるし、共感も覚えるのですが、ただ、先ほど申し上げた理由から、少し私の頭が固いのかもしれませんが、これを制度化することには少しちゅうちょを覚えるということでございます。   それを申し上げた上で、森委員がおっしゃるアイデアはB案や(後注)の制度の下でも実務運用で対応できないのかということを考えています。すなわち、委任状については、そもそもなぜ会社が委任状を取得するかといえば、それは主として当日の手続的動議に対応するためであると理解しています。そうであれば、実質的な議案についての賛否は事前の書面投票ないし電子投票という形で確実に議決権行使をしてもらった上で、手続的動議への対応に限定して委任状を取得すれば、森委員がおっしゃる目的は達成できるし、B案ないし(後注)が目指している目的も達成できるのではないかと思います。また、先ほど藤井委員が指摘された大株主の当日出席についても基本的に同様でありまして、やや技巧的な対応かもしれませんが、当日出席の方についても事前に書面投票や電子投票を提出してもらった上で、当日は傍聴という形で参加してもらうことで、B案の下での事前確定を実現するという方法もあり得るのではないかと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○齊藤委員 中間試案への記載方法につきまして、意見を申し述べさせていただきます。   まず、現物出資規制についてですが、2(1)、8ページにある現物出資者の責任の内容に関するイ、矢野幹事も言及された点でありますが、以前の意見の繰り返しになりますが、選択肢は、A案またはB案よりも、A案か、A案とB案を併用する案かとするのが、現行制度との整合性の観点から収まり所がいいように思います。   松中幹事が御指摘くださったところでございますけれども、現物出資規制において株主総会決議がどのような位置づけになるかと関連しますが、検査役に代えるということであれば、松中幹事がおっしゃったとおりになると思いますし、会社法第207条第9項の例外を増やすということになりますと、現在の案のようになるかと思いまして、その辺りがまだオープンであるなら、今後詰めるべきことになるのだろうと思いました。   次に、会議体としての株主総会等に関する規律の見直しに関する事項ですが、(後注)の森委員の意見につきまして複数意見があった、その複数の一人は私なのだと思いますので、一言申し述べさせていただきます。(後注)とB案がどのように異なるのかにつきまして、私が考えているところでは、B案は抽象的におよそ取消事由にならないと法律で宣言するわけで、例えば、株主総会自体はこれまでとおり、先に質疑応答した後に決議をしたとして、そのうちの議事運営の瑕疵の一部は取消事由にならなかったのだと事後的に裁判所で明らかになるという建て付けでございますところ、(後注)の森委員の案というのは運営上、行為規範上も、それがはっきりと分かれておりまして、冒頭か議事のどこかで、(後注)に従った決議をすれば、当該議案に係る議事運営の瑕疵は取消事由にならない、他方、そのような宣言がなされなかったときには、より実質的な審議がなされる、そのような審議の在り方にふさわしい扱いが取消事由との関係でもなされることになります。行為規範と裁判規範を併せて明確にするという意味で、B案とは少し違う案なのではないかと思っております。B案における委任状の取扱いについては、行岡幹事の整理に賛成いたします。   最後に、規制改革推進会議の御意見でございますけれども、本日既に仁分委員と鮫島幹事からお話が出たように、同会議から提出された内容は、本部会において繰り返し産業界と経済産業省から出された意見と内容において重複しておりまして、御指摘のあるニーズがあるということは十分酌み取った上で今回の案をまとめてきたように思います。同会議の御提言は、そのような産業界等の御意見が本日再び提出されたというものと思われますところ、中間試案の本文は、今申し上げたように十分議論した上で取りまとめてきたものであるので、変更する必要はないように思うのですけれども、改めて意見が出されたことを踏まえ、例えば(注)あるいは補足説明などでその意見を酌み上げるということは考えられるのではないかと思います。   その上でなのですけれども、久保田委員からも御指摘がありましたが、株式の無償交付に係る事項における株主総会決議を不要とする案は、規制緩和ではなく、不公正発行や有利発行の監視を発行ごとに株主がするというもので、A案とB案では株主のリスクのとり方が違うにとどまります。A案とB案を併用するという案も、そのような認識のもとで対等に扱ってよいと考えているのではないかと思いますし、そのように理解されるように補足説明等で御提示いただければありがたいと思っております。   次に、実質株主確認制度の違反において議決権を停止するべきであるという点も、繰り返し意見として出されてきたところでございますけれども、現在の建て付けは仲介機関に義務を課すものになっております。久保田委員もおっしゃったように、事務手続の瑕疵を十分排除できるのであれば考えられない案ではないかもしれませんけれども、実際にはそれは非常に難しいのではないかと思われます。議決権停止をサンクションとして課すということであれば、制度の設計から議論をし直さなければならないのではないかと思います。   経済安全保障は、地政学的リスクが深刻になっている現在、決して軽視されるべき話ではないとは思うのですけれども、会社法ではおおよそ株式会社、おおよそ上場会社一般に適用するものとして規律することになりますところ、地政学的なリスクや経済安全保障の観点から注意しなければいけないのは、それとは違ったカテゴリーではないかと思いますので、そのような課題は、外為法など別の法律で対応していくのが我が国の法制度には合っているのではないかと思っております。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○青委員 私からは2点、内閣府からの御意見のうち、株式交付と実質株主確認制度についてコメントを申し上げます。   まず、株式交付に関しましては、株式交付が活用されることの重要性は十分理解しており、この部会でも、活用を促進する方向で議論が行われてきたと思います。一方で、株主に対する考慮がない形の立案となりますと、規律がなかなかうまく働かず、中長期的な企業の成長につながっていくのかどうか、やや疑問もございます。双方の規律の下で、株主から見てもよりよい形になるような制度が結果として経済全体の成長につながる、といった発想を持つべきではないかと全体感としては思うところです。   参考資料28の議論を見る限りでございますけれども、反対株主の株式買取請求権の見直しを行うのであれば、組織再編全体を視野に入れて議論することが当然必要になると思われるところ、現に株式交換や株式移転が行われている中で、株式交付のところだけを取り上げ、そこについてだけを特別な扱いをすべきだという発想になる理由が、正直なところよく分からなかったところでございます。単に他の制度との整合性をとるということではなく、株主が対価の不公正によって損害を被らないよう救済することは会社法の重要な柱の一つという前提に立ちつつ、他の株式交換等の手続とのバランスも踏まえ、より適切な制度にする発想が必要だと思ってございます。   また、株式買取請求権の撤廃以外の案は特に出ていないようですので、代替手段が何もない中で一方的に買取請求権だけを撤廃する案を中間試案として提示するのは、十分な説明が難しいのではないかと思われます。   次に、実質株主確認制度についてです。いわゆるA案に議決権停止を導入するという御意見があることは十分承知してございますけれども、やはりA案では議決権停止までは行わず対話の促進にとどめ、支配権に関する情報に関しては議決権停止も含めて検討する、という現状の案が一番現実的であり、かつスピーディーに制度を構築し得るのではないかと考えます。経済界のニーズとしては、必ずしも十分ではないという御意見はあるかもしれませんけれども、相当程度の水準で実現し得る案にはなっているのではないかと思うところです。   この制度は初めて導入するものであり、仮に全ての株主に対して議決権停止を行うこととすれば、更に慎重な議論が必要になると思いますし、多くの株式を保有しない株主に対してもサンクションとして議決権停止を及ぼすことの必要性や正当性についても、十分な議論が求められると思います。   経済安全保障の観点については、先ほどから御意見が出ておりますように、基本的には外為法による対応が最も適切だと思われるところです。仮に一般的な会社法の枠組みに取り込むとなると、会社法が通常想定する株主と会社の関係を随分超えることとなり、これまでの議論とは異なる観点から議論する必要があると思われ、技術的に誰をどのように把握すべきかというところを含めて一から考え直すべきという話になると思います。そのような議論は、今回の実質株主確認制度が念頭に置いている目的からは相当程度離れたものとなりますので、仮に経済安全保障の観点を取り込むのであれば、そのキーワードを加えるだけではなく、その中身が会社法上適切かどうかを十分検討することが前提となるべきと思います。藤井委員からも御指摘があったように、そもそも誰を把握すべきなのかというところについて、対象として議決権を持っている人で本当によいのかどうかというところが全く異なってくると思われますので、その点も十分に考慮する必要があるということから、現状の中間試案の記載にとどめるのがより適切ではないかと思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○藤田委員 お示し頂いた中間試案について、特に強い意見がないので発言しようかどうか迷っているのですけれども、まず今日の会合で何を話さなければいけないかということと関わるので、確認させてください。例えば、今日出た新しい提案については、たくさんの賛成がこの場であったと判断されない限り、原案が維持されるという前提でよろしいですね。つまり、本日出された意見について、何も言わなかったら黙示の承認であると理解されるとすると、この場で出た発言全てについて、賛成でない限り逐一反対しなければいけなくなるのですが、そんなことはないですね。少し心配になってきたもので、確認させて下さい。  それでは、今回出された二つの文書を中心に若干コメントさせていただきます。   まず規制改革推進会議の意見は、私も読ませていただきました。既にこの会議が始まる前から規制改革推進会議ワーキング・グループの意見は出されており、それを前提にすれば、こういう意見が出てくるのは理解できるところです。ただ、一般論として、この部会は法務大臣からの諮問事項についてこたえるために検討してきましたし、その結果が現在の中間試案です。こういう意見があることは十分、認識した上で、部会として適切だと考えた案を提示しているということのはずですので、そのことが分かるような形で中間試案を提示されればいいのだと思います。   ただ、具体的に今回も挙がっていることの幾つかについて付言しておきますと、株式交付については、ここで書かれた意見を前提としても、当部会としては現在の案を維持すると言わざるを得ないと思います。そして、なぜこういう考え方に至ったかということを、中間試案の補足説明などで丁寧にしていただくことになると思います。つまり、株式交付を使いやすくすることそれ自体には、多くの委員が言われましたけれども、この部会でも誰も反対していないのです。また、それに部分的には資するかもしれないものとして現物出資規制も見直していることも、どなたかがおっしゃったとおりです。その上で、現物出資の柔軟化ということでこの問題に対処することも論理的にはあり得るけれども、恐らくは税法上の理由から、現物出資の特則ではなくて、飽くまで組織再編の一種として整理してほしいという強い要望がいろいろな方面から寄せられていて、そういうことなのであれば、それはそれで受け止めましょうという判断を前提とした上で、ただ、飽くまで組織再編の一環として整理するのだったら、できることにはある程度の制約はありますねというのが、恐らくこの場での多くの意見の前提だったと思います。極論すると1株買うのにも使えますという制度にするのは幾ら何でも組織再編の枠組みでやるのは無理で、現物出資の柔軟化の方で対応してくださいとならざるを得ないですねということで現在の提案になっています。そういうところが根本的に受け入れられないという意見が出されたことから、根本的に我々の認識と違うという意見がこの世に存在することが分かったとは言えても、当部会の提案が変わることにならないと思います。   株式買取請求権も、これが負担だという意見があること自体は、当部会の委員は皆は分かっており、それに対して何らかの理屈が立つのであれば外すこともあり得るという前提で十分検討した結果として、どうしても理屈が立たないということで今の案が出ているわけです。少なくとも規制改革推進会議ワーキング・グループのこの文書で挙がっている理由は、当部会においても検討した上で、その理屈は立たないということになったことは説明する必要があるのではないかと思いますが、提案それ自体が変わることはないと思います。こういった点は、本文を変えない以上は、本文に現れることはないのですけれども、仮に中間試案の補足説明の方で触れるのであれば、株式買取請求権を外すという意見に対して、主として久保田委員などが今日説明されたような反論のあることも同時に触れざるを得ないのだと思います。そこまで内容に立ち入って異論と反論を紹介するほどのことはないというのであれば、紹介しなくてもいいのかもしれません。   従業員への株式報酬も同じようなことで、総会決議が不要として欲しいという要望は、部会においても繰り返し強く出されて、そのことも認識して、真剣に検討してきました。だからこそA案が中間試案に載っているということになります。B案という案もあったことに加え、併案という形で、しかも、前回の私からの要望も入れていただいて、併案というのも十分に重要な選択肢であることまで示唆する形で提示されています。したがって中間試案では、取締役会限りで発行する可能性を完全に否定するような示し方がされているわけではない。現在の中間試案の提示の仕方に反対し、A案だけにせよと主張するとすれば、A案、B案の併用となり、会社に選択肢があると将来、投資家の声に押されて決議が必要になるのおそれが出てくるのが嫌だとか、株式報酬はおよそ有利発行にならないことを明示するためにA案だけにしてくれという説明になります。前者については投資家の意向を聴く耳がないのだということを意味することになりかねないので、多分正面からそういう主張はされないと思いますが、後者の方については非常に大きな問題があると思います。まず仮にB案を削除としても、それだけで従業員等への株式の無償発行が有利発行該当性がなくなると裁判所が解釈してくれるとは私には思えません。取締役会で発行できるとした上で、有利発行規制を排除する条文を置けば別かもしれませんけれども、さすがに従業員への報酬という形をとれば常に有利発行となる余地がないというのは難しいと思います。  そうなると、結局総会決議を不要として欲しいという要望を受け入れつつ、最大限できることは、今中間試案で出ているような案を提示した上で、取締役会の限りで発行するということについてもそれなりのサポートがあるようだったら、それを立法化するという選択肢を示すという以上のことは、当部会としては、現段階では提案できないのではないかと思っております。   次に森委員から出された書面につきまして、まず、従来の提案文言を前提にこの案の内容を理解しておりまして、それは今日の御提案と違っておりました。そこを明らかにしてくださったことについては感謝いたします。どこが違っていたかというと、従来の提案の内容について、会社に対して提案された委任状も含めて議場で行使できる議決権を全部反対票とカウントしても結果が変わらなかった場合だけに、議案の可決を宣言できるという案だと私は理解していました。それは、従来の提案の文言がそう読めたということに加えて、行岡幹事が言われたような実質的な理由からです。つまり、当該総会会場で生きている議決権が全部反対に回っても決議が成立しているなら、もはや決議するには及ばないというなら、論理的にも非常に強い根拠を有する提案ですから、そういうものだと理解していました。今回はそういう趣旨ではなくて、その場で現に反対するかもしれない者だけが全部反対したという意味だということは分かりました。   もう一つ気付いたのは、B案とは多数決を判断する母数も違うのかもしれないということです。つまり、B案だと当該議決に行使され得る議決権総数が母数ですが、恐らく森委員の案だと、総会当日出席の議決権と事前行使された議決権の合計になると思います。現に総会を開催し、会社宛てに提出された委任状以外全部が反対した場合でも可決される場合という意味だと、そうならざるを得ないと思います。そうなりますとこの提案の記載の仕方が気になります。すなわち、23ページのB案に対する(後注)という形で書かれているのですが、このB案と(後注)は、似ているように見えて、実はいろいろな点で違う提案であることが分かります。現在の記載ではB案の変種のような書き方になっているのですが、もう少し書き方を工夫し、要件や性格が異なること、たとえば賛成とみなす数のカウントも違い、賛成の割合を判断する母数も違うことが分かるようにした上で、森委員の考えている内容に(後注)を書き直す必要があると思います。   ただ、この案への賛否については、多くの方がある種のシンパシーを持つのはよく分かるのですが、現段階では様々なシナリオについて十分検討されていない点が残っているのは確かだと思います。本日示された提案文書の記載についても、例えば、当日の動議との関係について、分からないところが残ります。本日の森委員の資料には、「当日の動議対応を恐れながら」という表記があるのですが、当日出される動議との関係でこの提案がどういう意味を持つかが、腑に落ちないところがあります。すなわち可決を宣言をすることができるのは、事前の議決権行使の対象となっている議案に限定されるはずで、例えば手続的動議、議長を替えろといった動議――世の中でどれだけ起きるかどうかはともかく――そういう動議が出たら、その当日の議場における決議で否決せざるを得ないとは思います。議長を替えろという手続的動議が出ているのに、これを諮る前に議長が可決を宣言するというのは、さすがにできないのではないかと思いますが、この提案では、この辺りははっきりはしないです。   また、手続的動議ではない実質的な動議については宣言で排除できるかもよく分からないところがあります。そもそも当日いきなり議場でどういう動議を出せるかということ自身、学説上も実務上も、議論があって、はっきりしないところがありますが、仮に当日提出することができる実質的な内容の動議が存在するとすれば、そのような動議について、宣言によって決議が成立したとみなされたことでどの範囲でそれが排除されるかよく分かりません。宣言によって可決されたとみなされた決議と矛盾しないものであれば、動議は出せるとすると、その議場で行使可能な議決権の行使で否決していくしかないと思われます。そうすると、森委員の資料に書かれている当日の動議に対する安心感ということが、この提案とどう関係しているかは、論理的には分からないような気がします。  宣言の性格についても、決議があったとみなすということの法的効果について明らかにする点が残っています。例えば、これが数え違いで要件を満たしていなかったら、決議不存在になるのかといったのはその一例で、この辺りも少し検討する必要があるかと思います。   また総会に関連する実務家の方からは、報告事項を全部済ませた後で決議しなければいけないというのは負担が重いので、決議はさっさと済ませた後で、決議に影響がない形で報告したいということをよく聞きます。本日出た緊張感ある状態で説明せよということの裏返しの感想はそういうことになると思います。今回の案は、宣言は冒頭でできる、だから報告事項は宣言の後回ですることができるということを意図していると想像しますが、提案自身は、宣言によって決議の成立とみなすだけなので、宣言をいつやるべきかということということは、この提案自体からは当然には出てこないはずです。総会全体の立て付けの中で、どういう位置付けでどの段階で宣言するのかといった辺りも、この提案について気になるところです。   いろいろなところを申し上げましたが、この提案が成り立たないというほどネガティブな意味合いで申し上げているつもりはありません。ただ少なくとも、この提案については検討を要する論点がかなり多く残っているというのは否定できないとは言えると思います。そうなると、中間試案においては、独立の選択肢というよりは、(後注)で触れるという扱いにせざるを得ず、その(後注)の内容も、先ほど申し上げたB案とは相当いろいろな点が違うことを明示した上で、今後議論をする余地を残しておき、もしパブリック・コメントで支持が集まれば、本日申し上げたような点も、改めて詰めていくという手順になると思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○田中委員 私が元々用意してきた意見は、中間試案の中で一番最後のところに関わっているのですけれども、会議体としての株主総会等に関する規律の見直しについてのA案、B案、それから(後注)についてかなり議論がありましたので、少し私の意見を述べさせていただきます。   基本的には案としてはこの案を付けていていいと思うのですけれども、特に、どういう議決権行使があれば特別のルールの適用を認めるのかについて少し議論があって、このA案とB案だけで尽くされていない選択肢があるのではないかということが議論されたと思っているのです。私は森委員の御議論の中で、私自身がこの部会でお話しした問題意識に沿っているところがあると思っていまして、それは、特にB案で決議取消事由にならないための要件として、事前の議決権行使によって決議の帰すうが決まっているということなのですけれども、私が理解している株主総会実務ですと、やはりかなりの数の株主は当日大株主として出席したり、あるいは委任状出席をしていて、この出席分をもって事前の議決権行使をカウントしないということになると、それだけで決議の成立が確定しない状態になってしまうケースがかなりあるのではないかと思っていました。今回、藤井委員から調査の結果も御紹介いただきまして、どうやらかなりあるなと思いまして、この部分に関して、B案に立つにしても、森委員のように、委任状の部分によって賛成が確定しているというものも勘案して、事前の議決権行使によって全ての決議の結果が確定していると認めていい場合もあると思うのです。そういう意味では少し、森委員の言われた(後注)とB案がそこで異なるというよりも、B案であっても森委員のような見解を入れる余地があるのではないかと思います。これは現在の案そのものを変える必要はないかもしれませんが、そういったことをやはりもう一つ(後注)で、そういう考え方があるということを指摘してもいいのではないかと思いました。   ちなみに、私自身は実は行岡幹事が言われたような考えを持っていまして、事前の議決権行使をしても、当日審議に参加するという限度でのみの出席というのを認めることができて、従前、大株主から審議に関する動議が出たときに対応するという理由で委任状を取るような実務は、今後は、例えばA案であれ、B案であれ、新しいルールができれば、大株主からは事前の議決権行使をしてもらった上で、議事に関する動議に対応するという限度で手続的問題についての委任状のみを得るという実務になるのではないかと思っているのですが、ただ、これは実は審議のみの出席というものがあり得るという、かなり早くから学説は主張しているのですけれども、必ずしも全ての実務家にとって受け入れられたとはいえない解釈が前提になっているので、そういう考え方ももちろんあり得るのですけれども、もしそういう考え方をとらないのであれば、委任状による賛成分も事前の議決権行使による賛成と同視するようなルールを設ける必要はあると思います。こういった点について、何らかの形で中で(後注)で書くことはあり得るかなと思いました。   それ以外の点については、中間試案の現在の案を見直す必要はないと思っておりまして、それは規制改革推進会議のワーキング・グループ報告を読んでも特に考えは変わりません。この点については多くの委員、幹事から御意見がありまして、私も同じように考えております。   私が元々用意してきた案は、38ページですかね、最後の第3の事業報告と有価証券報告書の開示の合理化というところで、この案は基本的に私も賛成ですし、是非実現していただきたいと思っているのですけれども、まず一つは、最後の(注)のところで、本文1の見直しをする場合には、有価証券報告書の事業報告等の開示事項に相当する部分について会社法の規定を適用するということになっているわけですけれども、この事業報告等の開示事項に相当する部分というのが具体的にはどこを指すのかについて、少し検討の必要があるということを何らかの形で入れていただきたいのです。それで、できればパブリック・コメントなどでも意見を述べられるような形にしていただくと有り難いと思っています。   というのは、これは何人かの実務家の方から、特に監査をされている方から伺っているのですけれども、有価証券報告書のうち事業報告等の開示事項に相当しない部分というのは実はないのではないかという懸念があって、これは一つには、事業報告の記載というのは株式会社の概況に関する事項とか、そういうキャッチオール的な条項が付いているので、有報の記載も、ある事項については事業報告の記載事項であり、ほかの事項はそうではないとはっきり区分けできない可能性があるのではないかと。どちらかというと事業報告と有報も記載事項には大きな差がなくて、ただ現実的に有報についてはより詳しく記載しているという違いがあるにすぎないのではないかという感じもしていて、したがって、この事業報告等の開示事項に相当する部分というのが、これを区分けしようとするとかなり難しいのではないかと思います。この部分は省令委任事項だからということで、余り議論なくそのまま省令のルールに任せてしまうと、少し実務にとって予想外になるケースもあり得るかなと思っていて、この点について何らかの、論点としてあるのだということを明確にしていただきたいです。   それからもう一つは、これはもしかすると案のそのものの文言に関わるのかもしれませんが、第3の2で、会計監査人が1の有価証券報告書について金商法に基づく監査をした場合は、会社法に基づく会計監査人の監査をすることを要しないと書いてあるのですけれども、これは本来想定しているルールは、むしろ会社法に基づく会計監査人の監査をしたとみなすというのが本来想定しているルールなのではないかと思いまして、実際に監査をすることを要しないとしてしまうと、会計監査人の監査はないことになってしまって、そうすると監査役や監査委員会の監査も、会計監査人の監査がないことを想定した監査になってしまうのではないかと思うのです。実際はもちろんそういうことは意図していないわけで、会計監査人の監査をしたのと同じことになっているので、監査役は会計監査の方法及び結果を相当する旨の意見を述べるかどうかと、そこが監査の中心になるはずなのですけれども、現在の案だと本当にそのようになるかについて読んだ人がよく分からないという印象を持っているようですので、ここはできれば今の趣旨が明確になるようにしていただきたいと思います。   それからもう一つは、現在金商法の書類というのは会社法上の書類以外の書類も含まれているわけですので、金商法上の監査法人の監査があった場合、その書類のうちで会社法上の計算書類、連結計算書類の範囲に入る部分だけ会計監査人の監査がされたとして、その範囲について監査役は監査の方法及び結果を相当とするかどうかを意見を述べるという形になるのではないかと思うのですけれども、この2番は、先ほど言ったように会計監査人の監査をすることを要しないと書いているので、そのことも少々曖昧ではないかと思っていて、もし今私が言ったような趣旨であれば、そのことを明確にしたような内容にした方がいいのではないかと思いました。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○森委員 まず冒頭、すみません、私も説明をずっとしてきたのですが、それがなかなか伝わっていなくて、この期に及んでという感じになってしまって、本当に申し訳ありません。決議の成立のところですね、ずっと問題意識がうまく伝えられていなかったということを大変反省をしております。   先ほどの藤田委員からの御意見などを踏まえて、25ページの表のところをもう一度コメントしたいと思ったのですけれども、冒頭決議宣言と私は呼んでいて、イメージとしては、事前の議決権行使と当日の委任状で賛成がもう明らかであれば、総会の冒頭で決議を宣言してしまって、その後はエンゲージメントの場にしようという、それが発想としてあったので、冒頭宣言方式と言っていますけれども、必ずしも冒頭にやらなければいけないわけでもないので、ここで会社のメリットとして②をこちらにも入れていいのではないかと、動議がなくなるのではないかというふうなことを先ほど申しましたけれども、必ずなくなるわけではないということも含めて、例えば、冒頭で決議成立を宣言した場合は修正動議がされずという、そういう書き方はあるのかなと少し今考えたというところです。それも書かずに、別に動議も受け付けてもいいかもしれないので、動議を受け付け、かつ、当然手続的動議は受け付けるべきだと思うのですけれども、動議を受け付けた上で宣言してしまうというやり方があっても全然いいと思うので、動議がなくなるよというのは、すみません、逆にミスリーディングかなというのは、先ほど藤田委員のお話をお伺いしていて思いました。ただ、冒頭でやってしまえば実際上はもう動議もなくぱっと終わるのが総会運営のかなりの可能性としては出てくるかなというふうなことは引き続き思っております。その点だけ少し、すみません、補足で申し上げておきました。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。 ○内田委員 久保田委員の方から、実務ベースで実際にどのように考えているのかというお話だったので、少しうちの社内の人間ともヒアリングしたので、御報告させていただきたいと思いますけれども、もうある程度出ているかと思うのですが、原則というか、全て事前行使ということですので、やはり修正動議が非常に困るということであります。修正動議が出て、それがひっくり返されることと、それから決議取消事由になるようなことが起きるということが不確実性を生むので、基本的には事前行使して、それが動かない方がいいということであります。   それで、株主総会での議論というのは非常に重要だとは思うのですけれども、それがもう事前に決定している場合とそうではない場合に影響があるのかという話で行くと、やはり影響はあるということで考えています。つまり、もう決議が決まっている上で議論しても、そこについては大分その効果が減じられると思いますし、事前決議ではなく総会でいろいろ発言して決議をしようということを支持している方も、恐らくそれは決議が決まっていないからそういうことをおっしゃっていると思うので、決議の内容が決まっている場合においてはそういうことには該当しないのかなと思います。ですから、影響を受けると思います。   昨今の状況を踏まえると、やはり総会当日ではなくても事前にいろいろなところで、例えばアクティビストのウェブでのキャンペーンとか情報共有、ミーティングも踏まえて様々な情報が出てきていますので、総会の外で情報とか意見の収集というのがかなりできるようになってきていますので、他の株主を聞いて判断するということは、今でももちろんあるとは思うのですけれども、かつてほどは大分そこの効果というのは少なくなってきているのかなと思います。むしろ、やはり発行体の方の実務負担、いわゆる決議取消しにならないように対応するということの負担の方が重いと思いますので、もちろん当日意見を聞いて判断するという投資家もいると思うのですけれども、実質株主の権利でも議論があったと思うのですけれども、なかなか機関投資家が総会でのオプションを行使すべく総会に出るというのは難しい状況であって、名義株主しか出られないので、実質株主だといろいろな手を使って、名義株主になったりとか、会社が発行体の善意というか、そういうところで陪席したりとか、出席したりすることは今できると思うのですけれども、なかなかそこについてはやはり不確定ということなので、総会当日までオプションを温存するということのメリットがかつてほどはやはりないのかなということで、事前に決まって、そこでそれが動かないということも一定のメリットがあるのかなと思っています。   ですから、これも多分いろいろな投資家がいる中でいろいろな考え方があると思うのですけれども、ある意味、直接株主がガバナンスを行使するということではなくて、取締役会にガバナンスを委任するという形だと思いますので、やはりA案のような形で定款できちんとそこで定めて、場合によっては、例えば取締役の構成なども考慮して、社外取締役が過半であるというような条件なども付加して条件を設定していけば、十分選択肢としてはあり得るのかなと思っております。   それから、株式買取請求権については結構もう皆さんから意見が出てきたので、あれなのですけれども、私も同じ意見なのですけれども、仮に請求権の廃止を進めるのであれば、少数株主の保護に関する取締役の責任が重くなりますので、その部分も並行してやはり、くどいようですけれども少数株主の利益保護であるとか取締役、特に社外取締役の法的責任の厳格化というようなことも一緒に議論しないと、やはり株式買取請求権だけを取り出してイコールフィッティングということではなくて、やはりトータルの、欧米と比べて少数株主の権利保護とか取締役の法的責任とかというのは大分状況が違うわけなので、そこを同じ条件で議論するのは今のM&Aの課題に対処していることにはならないのかなと思いますので、そこも併せて議論するのであれば、十分そういったことも将来的というか、考え得るとは思うのですけれども、やはり条件付きかなと思います。   それから、一言だけというか、今回は実質株主確認制度について、18ページ目で、株主側から株式会社に対する通知の義務ということなのですけれども、今回は議論の中で注書きとかには議論しないということなので、あれなのですけれども、恐らくこれを見ると投資家サイドとしては、例えば、データの過誤というのでしょうか、ミス、記入漏れとか事実過誤というところはコミットされていないので、注書きのところに軽微な変更の具体については議論をするとかと書いてあるのですけれども、恐らくこれがコミットされていないと、かなりここについては不安に思うというか、議決権停止ということに対して過大に懸念するような構成になっているような感じがいたしまして、1のところはそういうことはないのですけれども、やはり2のところは議決権の停止というところにまで踏み込んでいますので、特に、例えば追完後に1年とか、あるいは追完後最初に招集される総会とかというところの記述を見ると、やはり相当厳しい罰則だなと捉えられると思いますので、もちろん訂正する必要はないとは思うのですけれども、恐らくそういう反応が多く出るのかなと思います。要するに、議決権行使停止についてかなり慎重な意見が出てくるのかなということが、この内容であると予想されるということでございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 ○宇野幹事 今までの御議論を頂いていて、ゴシック体の部分を中心に、このような形で受け止めたということをまず御報告させていただいて、その上で、更にそれを修正する必要があるかどうかについて御意見いただければと思っているところでございます。   一番多く御意見を頂いた森委員の会議体のところについては、森委員の問題意識についてかなり共感される御意見が多かった一方で、藤田委員が言われたように、なお詰めなければいけない課題が多く残っているということも恐らく事実だろうと思いますので、A案、B案と(後注)という形で書かせていただき、また、分母をどのように考えるのかとか、委任状提出者をどのように扱うのかといった、いろいろな問題がこれについては派生してあるということは、補足説明で丁寧に書いていきたいと思っているところでございまして、ゴシック体としてはこのままの形で、補足説明で丁寧な記載を心掛けたいというのが、ここについての対応で考えているところでございます。   あとは、少し細かいですけれども、松中幹事と齊藤委員から言われた現物出資者のところの総会特別決議がどういう位置付けになるのかというところは、その旨を恐らくこれから検討していかなければいけないということについては、意見自体はお二人でしたけれども、そういう検討事項が残っているということを注記することに恐らく反対される方は余りいないのではないかと受け止めて、そのような注記を付したいと思っているところでございます。   あと、田中委員がおっしゃられた38ページ目の、要しないというところが少し分かりづらいというのを、みなすなどに変えた方がいいのではないかというところも、恐らくそれでよいのかなというふうな御意見だったかと受け止めましたので、そのように直させていただき、その上で、開示事項につきましては今、不足があれば小長谷幹事からも補足いただければと思いますけれども、法務省と金融庁で正に差分の精査というのをしているところでございますので、補足説明時点まででどういう対応ができるのかというのは検討させていただければと思っていますけれども、できる限り分かりやすい形になるように心掛けていきたいとは思っているところでございます。   あとは、これも多く議論いただいた株式買取請求権のところについては、仁分委員あるいは鮫島幹事から重要性についての指摘が繰り返しされ、ただ、なかなか理論的にはこれまでこの部会で検討されてきたところで難しい面もあるのではないかと、最後に内田委員が、これをやるのであればもう少し検討しなければいけないこともあるはずだということを言われ、場合によっては、齊藤委員が言われたように、そういう考え方があったということを注記しつつ、いろいろな課題があるということを併せて書くぐらいで、ゴシック体を注記の形で残してはどうかと思ったところではございます。   あと、矢野幹事と北村委員からゴシック体の修正を求める御意見があったところでございまして、2項調査者のところと、矢野幹事からは数点、バーチャルオンリーのところを含めて、ございました。そこは、今特にその他に御支持される意見がなかったので、今のところは現状維持で考えているというところが、これまで頂いた御意見を踏まえて、今のところゴシック体レベルで事務当局で考えているところでございますので、是非更に御意見いただければと思っております。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。ただいま宇野幹事から、これまでの議論を聞いて、現時点で事務局としてどのような対応をするかという方向性を示していただきましたけれども、この方向性を中心に、是非更に御議論を頂ければと思います。特に、やはり一番大きな問題は、森委員から御提案のあった部分で、本日も最も活発な議論がなされていると思いますので、この点をはじめに御議論いただければと思います。 ○森委員 度々すみません。基本的に全てお任せいたしますけれども、多分ここの改正というのは今回の会社法改正の目玉の一つになるのではという気もしていまして、実務的には非常に注目が高いと思うのです。是非ともしっかりとパブコメに載っていってほしいなと思います。そういった意味で、今日いろいろ論点がある、議論があることはよく理解もしましたし、引き続き検討しなければいけないことはあると思うのですけれども、例えば、B案とか(後注)に関して、こういった論点があるからなかなか難しいというトーンではなくて、なるべく前向きなトーンで、全体的にしっかりと検討の俎上にのるような、パブコメをしっかり引き出せるような書き方にしていただきたいという、すみません、情緒的なコメントで恐縮ですけれども、お願い事項です。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。   先ほどから議論になっております会議体としての株主総会等に関する規律の見直し以外の御意見についても、先ほど宇野幹事から現時点での対応の方向性が示されましたけれども、その他の論点についても是非、御意見がございましたらお願いします。特に、今日出された修正の御意見について賛成の意見があるという場合には、それを明示して御意見をおっしゃっていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。   1点だけ私から、田中委員が御指摘された一番最後の、「みなす」という言葉と、それから現在の「要しない」という文言ですけれども、今の文言になっているのは、理由が一応あるのではないかと感じておりまして、みなすのではなくて、そもそも会計監査人の監査を要しないとした上で、少し比喩的な言い方ですけれども、一旦白紙に戻して、例えば監査役の監査の範囲等については監査の一元化にふさわしい新しいルールを作っていくという考え方に基づいているように思います。田中委員が御指摘された、責任の範囲をどう考えるかというようなこととも関係してくると思いますけれども、「要しない」という文言にしたのにはそれなりの意味があったのではないかとは思うのですけれども、もちろん「みなす」という表現がわかりやすい素直な表現だとは思いますが。 ○田中委員 すみません、今、白紙にするとおっしゃったのは、どういう。 ○神作部会長 会社法に基づく会計監査人の監査と金商法に基づく監査が一本化される状態で監査役の監査の範囲等について改めて検討するという前提です。 ○田中委員 現行法ですと、会計監査人による監査をしているときは監査役は、監査等委員会などは一歩引いた会計監査をすることが許されて、会計監査人の監査の方法やその結果を相当とするかどうか、そういうことの意見表明が中心になると思うのです。これは会社法上の会計監査がやられていることが前提なので、もし会社法上の会計監査がやられていないとすると、会計監査自体を監査役がやらなければならないという会社法の本則に戻ってしまうのではないかと思うのです。   この提案はそういうことを目指しているわけではないと思うのです。監査法人が金商法に基づく監査をしたとすれば、会社法上の書類に対応する書類も会計監査を正にやったといえるものだから、だからこそ監査役や監査等委員会は、その監査の方法や結果を相当とするかどうかの意見を述べるだけにすることが許されるということになるのだと思うのです。そのことをはっきりさせるためには、「要しない」にするのではなくて、したと「みなす」にする方がいいのではないかと。いずれにせよ私のような考え方は、もちろんみなすという言葉を使わなくても、全部そのルールを今私が言ったように規定すればできると思うのですけれども、現状だと単に要しないとしか書いていないので、試案を見た人が、これはどういうことを目指しているのかが分からなくなってしまうのではないかということなのです。これはいずれにしても誤解の生じないようにすればいいと思うので、表現についてはお任せしたいのですけれども。 ○神作部会長 宇野幹事、あるいは事務局の方から何かございますでしょうか、今の点について。 ○近藤関係官 田中委員がまとめてくださったように、表現ぶりとしては「要しない」でも「みなす」でも意図することは同じようにできると思うのですが、元々「開示の合理化」ということで、企業の思いとしては、金商法の監査証明をしたら会社法の会計監査もやったような状況になり、重複する会社法上の会計監査は要しなくなるというイメージで、「要しない」としていました。ただ、実際の規定としては、田中委員がおっしゃったように、今会社法上やらなければならないことをやるべきとする規定ぶり、つまり現行法に相当する規律が及ぶ規定ぶりにはなるべきだと考えています。その「やらなければならない」範囲がどこまでになるのかという問題は田中委員がおっしゃったとおりあるのですけれども。なので、どちらの文言にするかは表現の問題なのかなとも思っているところでして、どちらの方が分かりやすいかを踏まえて判断し、あとは補足説明でどういう内容を意図しているかをしっかり書いていくというところかなと思いました。 ○神作部会長 今の点について先生方の御意見、あるいは実務家の方の御意見はいかがでしょうか。 ○松尾幹事 今お話を伺っていて考えたことですので、まとまっていませんけれども、例えば、あったものとみなすとしたときに、仮に有価証券報告書にしか記載されない部分について監査法人が監査意見を差し控えたというような場合には、会社法上の監査はあったことになるのか、なかったのかというようなことについて、やはり何かしらルールを設ける必要は出てくるのではないかと。つまり、みなすにせよ、要しないにしたとせよ、その場合に特有の何か考えられる問題については対応する規律を新たに設ける必要があるのではないかと思いまして、そういうことであれば、先ほど白紙とおっしゃったのは、ゼロベースで構築するという御趣旨かなと思いましたので、そういうことでよろしいのではないかと思いました。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○藤田委員 まず感触だけ言いますと、私も元々田中委員の言われたような受け止め方をしておりました。むしろこのままの表現で出して、部会長の言われたように白紙というふうな受け止められ方を前提にパブリック・コメントに対する返答が出てくると、我々としてそれをどう受け止めていいか迷うようなことも出てきかねないと思います。もしこの表現で出すのであれば、要しないとした場合に、いろいろな関係する条文をどのように手当てするかということは明示していただいた方がいいと思います。したがって、みなすという形で提案する――その場合も細かなところをいろいろ手当てしなければいけないかもしれないですが――か、要しないという表現を維持した上で必要な条文の手当ても示していくか、どちらもあり得ると思います。やりやすい方でやっていただければいいと思うのですけれども、具体的に、その対象としてはどんなことがあるかは、認識を共有できればと思います。例えば、株主総会による計算書類の承認が必要でなくなる要件として、会計監査人の監査を受けていることがありますけれども、多分この案の下では、監査することを要しないので、承認を受けた場合と同じように扱って、総会の承認は要らないという扱いになるのだと思います。ただ、現在の書き方だと、今の条文についてどう読んでいいかよく分からないです。こういったところについて実質としてどのようなことになるかというところを、せめて主要なところについてだけは誤解が生じないような工夫をしていただければと思います。その上で、みなすと書くか、今の表現のまま具体的な帰結について(後注)なり補足説明で適用のあり方について具体的に書くかについては、実質について誤解のおそれさえなければ、どちらでもいいと思います。 ○神作部会長 これまでの議論を伺っておりまして、確かに中間試案を読む方からすると、「みなす」という表現の方がイメージしているものに近くわかりやすい印象があります。ですから、ここのところは「みなす」にした上で、補足説明の方で、特別ルールが設けられる場面があるというようなことを指摘するということではいかがでしょうか。   いかがでしょう。よろしいですか。それでは、一番最後の第3の2のところで、「要しない」という文言は、会社法に基づく会計監査人の監査をしたものと「みなす」という形に修正することとさせていただきたいと思います。   そのほかは、先ほど宇野幹事から御報告があった方向性に従った修正をするということでよろしいでしょうか。念のために、宇野幹事、改めてゴシック体の箇所について修正の御提案を御確認いただけますでしょうか。 ○宇野幹事 ゴシック体レベルで申し上げますと、会議体のところはいろいろ御議論はありましたけれども、結論としてゴシック体の部分の修正はしないということで、補足説明で、委任状の話ですとか分母の話ですとか、いろいろ分かりやすく書き込んで、先ほど森委員が言われたように、余りいろいろな課題があって後ろ向きだと見られないような配慮はできるだけしたいとは思っておりますが、そのような対応をさせていただくということと、松中幹事と齊藤委員が言われた現物出資のところの総会の特別決議の位置付けに関連して、なお検討課題があるということを注記で書き加えるということと、あとは今、部会長もおっしゃられた一番最後のところの、会計監査人の監査をしたものと「みなす」と書き直すということと、株式買取請求権について、恐らくは場所としては債権者保護手続の廃止ということを書いている5ページの3のところの(注)の後に(注2)みたいな形で、上場会社に関して株式買取請求権を廃止するという考え方があるが、これこれこういった課題があるということを併せて書き記すという修正を、ゴシック体レベルではさせていただくということで予定しております。 ○神作部会長 いかがでしょうか、ただいま御確認いただいた修正を加えるとこととし、それ以外の部分については、部会資料の12-1のとおり、本法制審議会の会社法制(株式・株主総会等関係)部会として中間試案をおまとめすることとさせていただきたいと存じます。   よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。 ○矢野幹事 社債権者集会のA案の3行目だけは、これは私は誤記というか修正漏れではないかと思っていまして、すみません、もう少し早く申し上げればよかったのですけれども、A案の3行目のところで、書面決議制度と、上のところを書面決議からみなす制度に直したのですけれども、そこの3行目だけは残ったものになっているので。分かりにくく申し訳ないのですけれども、27ページ目の、誤記みたいなものは全体的に見ていただいて、そこは適宜直すということで。 ○宇野幹事 表記の関係の調整は最後に全体的に確認させていただこうと思っておりまして、今の点は27ページ目のA案のところの多数決による書面決議制度というところを、決議があったものとみなす制度と書き方をそろえるという御趣旨だと思いますので、それは対応させていただきます。 ○矢野幹事 表記の関係はお任せするという趣旨であれば、異存ありません。 ○神作部会長 御指摘どうもありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは、中間試案といたしましては、先ほど宇野幹事から御説明がありました点を除いては、部会資料12-1で提示している内容で取りまとめ、宇野幹事から修正について御確認いただいた点については、そのとおりに修正するということで、当部会としては中間試案をまとめさせていただきます。   ただ、先ほど矢野幹事からも御指摘がありましたように、最終的な中間試案の字句の若干の修正等、実質的な内容の変更には関わらない、そういった範囲での微修正が生じる可能性があろうかと存じます。そのような場合には、大変僭越かつ恐縮ではございますけれども、部会長である私と事務局の方に御一任いただければと存じます。よろしゅうございますでしょうか。   どうもありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。   本日、中間試案が取りまとめられたものとして取り扱わせていただき、今後、中間試案の公表とパブリック・コメントの手続をとらせていただきます。どうもありがとうございました。   続きまして、この中間試案の補足説明についてでございますけれども、本日も補足説明の書き方について様々な御意見を頂いておりますけれども、事務当局の責任において中間試案の補足説明を取りまとめていただき、公表していただきたいと存じます。これまでの会議におきましては、皆様から中間試案の補足説明の書きぶり等についても御指摘を頂いたところですので、事務当局におかれましては、必要な範囲でそれらの御意見を踏まえて補足説明を作成していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。   それでは、次回以降の議事日程等について事務当局から御説明をお願いいたします。 ○宇野幹事 今後は、本日頂きました中間試案(案)に対する御意見の修正を適切に反映させていただきまして、部会長とも御相談させていただいて、中間試案の語句の確定をしてまいりたいと思っております。また、事務当局において、先ほど部会長からもありましたように、中間試案の補足説明について適切に作成してまいりたいと思っております。   中間試案の公表とパブリック・コメント手続の開始の時期ですけれども、字句の確定や補足説明の作成作業にどれぐらいの時間を要するかにもよりますけれども、現時点では4月の初めを目途に中間試案と補足説明の内容を確定して、パブリック・コメントの手続を開始したいと考えております。パブリック・コメントの期間は、おおむね1か月半程度を予定してございます。   また、この部会自体の次回の日程は4月15日水曜日の午後1時から午後5時30分までを予定してございます。場所は、今日と同じく法務省地下1階大会議室でございます。 ○神作部会長 それでは、ただ今、宇野幹事から御説明がありましたように進めてまいりたいと思いますけれども、次回以降の会議について少しお諮りしたいことがございます。   次回及び次々回の会議はパブリック・コメント期間中又はパブリック・コメントの結果の集計中ということになると考えられますけれども、その期間を使って、今回の見直しの対象となる事項について深く関係する方々を参考人としてお呼びして、いろいろ御意見を伺ってはどうかと考えております。具体的には、次回及び次々回の4月及び5月の部会におきましては、事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化に関する参考人として日本公認会計士協会、スタートアップの方々の御意見を御説明いただける団体として内閣府規制改革推進室に適任者を御相談した上で参考人候補といたしました一般社団法人Fintech協会、実質株主確認制度に関する参考人として一般社団法人全国銀行協会及び一般社団法人国際銀行協会、社債に関する課題についての参考人として株式会社みずほ銀行、社債に関する課題及び株主総会のデジタル化に関する参考人として日本証券業協会、以上の団体を参考人として招致してはどうかと考えております。   このような内容で4月、5月の当部会を進めさせていただくということにつきまして、御異議ございませんでしょうか。   よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、御異議がないようですので、先ほど申し上げさせていただいたとおりに進めさせていただきます。   それでは、これをもちまして、法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会の第12回会議を閉会いたします。   本日も大変熱心な御議論を賜りまして誠にありがとうございました。どうもお疲れさまでした。 ―了―