法テラスの在り方に関する有識者検討会 ~もっと利用しやすく、もっと身近な 司法アクセスを目指して~ 第2回会議議事録 第1 日 時  令和8年4月27日(月)    自 午前10時00分                         至 午後 0時40分 第2 場 所  法務省第1会議室         (中央合同庁舎6号館A棟20階) 第3 議 事  (1)検討テーマの説明     「地域における司法アクセス」について     「司法ソーシャルワーク」について  (2)ヒアリング     吉武直樹氏(雲仙市地域包括支援センター長)     村田陽次氏(東京都都民安全総合対策本部総合推進部若年支援事業課総括課長代理)     飯田高氏(東京大学社会科学研究所教授)     金澤万里子氏(法テラス千葉常勤弁護士)  (3)質疑応答・意見交換 議        事 青木参事官 定刻でございますので、ただいまから法テラスの在り方に関する有識者検討会~もっと利用しやすく、もっと身近な司法アクセスを目指して~第2回会議を開催いたします。   皆様におかれましては、御多忙のところ、また、本日は大変足元の悪い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。   本日は岡野委員が御欠席となりますが、座長を含め14名の委員に御出席いただいております。   まず、本会議から御参加いただくこととなりました関係機関を御紹介させていただきます。   出入国在留管理庁在留支援課長兼外国人在留支援センター長、中嶋章浩様です。   続きまして、内閣府孤独・孤立対策推進室参事官、堀江典宏様です。   次に、本年3月31日付けで法テラス丸島俊介前理事長が御退任され、4月1日より白石史子新理事長が御就任されました。白石新理事長から一言御挨拶がございます。 白石理事長 法テラスの理事長に就任いたしました白石でございます。皆様、お忙しい中どうもありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。 青木参事官 なお、丸島俊介前理事長におかれましては、関係官として、本検討会に引き続き関与いただくこととなります。   次に、委員及び関係機関の皆様で、4月になり肩書の御変更があった方や御異動があった方もいらっしゃいますが、そちらにつきましては配布しております委員名簿にて御紹介に代えさせていただければと存じます。   それでは、ここからの議事進行につきましては、佐藤座長にお願いしたいと思います。   座長、議事の進行をお願いいたします。 佐藤座長 それでは、議事を進めさせていただきます。   まず初めに、本日の配布資料につきまして事務局から説明をお願いいたします。 青木参事官 それでは、配布資料について御説明させていただきます。   まず、資料1-1から資料1-8でございますが、こちらは「我が国の人口動態・社会構造の変化と地域における司法アクセスの実状」についての資料でございます。人口動態の資料ですとか弁護士・司法書士の地域偏在に関する資料をまとめております。また、第1回会議での御議論を踏まえ、自治体内弁護士に関する統計資料も取りまとめております。   次に、資料2-1から資料2-9でございますが、こちらは「地域における法テラスの体制・実状」についての資料でございます。地域ごとの法テラスの事務所の人的体制や支援の実績などをまとめております。また、第1回会議での議論を踏まえまして、常勤弁護士が配置されている事務所ですとか、日弁連によるひまわり基金法律事務所が設置されている地域についても取りまとめております。   続きまして、資料3-1は「地域連携の例」として、法テラスが各地域の司法アクセスを充実させるために行っております関係機関との連携の取組をまとめた資料でございます。具体的には、「指定相談場所・巡回相談」、「ケース会議弁護士派遣モデル事業」、「オンラインアクセスポイント」の三つの取組を紹介しております。なお、このうちオンラインアクセスポイントの取組につきましては、第1回会議におきましても、「代理援助にまでつながることができているか。」という課題が示されておりました。そこで、このオンラインアクセスポイントにつきましては、設置している市町村の民事法律扶助の実績といたしまして、法律相談件数に占める代理援助等の件数の割合についてもお示しさせていただいております。   資料3-2は「司法ソーシャルワークの例」についての資料でございます。具体的には、制度化された「特定援助対象者法律相談援助」と「ワンストップ相談会」の取組について御紹介をしております。   続きまして、資料4でございますけれども、こちらは本検討会の検討テーマに関する資料でございます。こちらにつきましては、この後、座長の方から御説明がございます。   資料5から資料8でございますけれども、こちらは本日のヒアリングにおきます報告者の皆様から御提出いただきました資料でございます。ヒアリングの際に御参照いただければと思います。   資料9から資料11までは、委員から御提出がありまして、会議資料として取り扱ってほしい旨の御要望を受けて、資料とさせていただいたものでございます。このうち資料9が生水委員、資料10は寺町委員からの御提出資料でございます。また、本日御欠席の岡野委員からも、当日の御発言に代えるものとして意見書を御提出いただいており、資料11としております。   資料等の説明は以上でございます。お手元に資料はそろっておりますでしょうか。   では、座長に戻させていただきます。 佐藤座長 ありがとうございました。確認ですけれども、本日御欠席の岡野委員から御提出のあった資料11を見ますと、最後に資料の提出についての御指摘があるようにお見受けをいたします。こちらについては、事務局において御対応いただけるということでよろしいでしょうか。 青木参事官 はい、御対応させていただきます。具体的に申しますと、資料11の最後から2段目の段落の中で言及があるところでございますけれども、地方の法テラスの事務所と自治体や福祉機関との間で、ケース会議への参加等についての報酬の支払いや費用負担の在り方等について、書面による取り決めが行われている事例があれば、是非参考としてお示しいただければと思います、と御指摘がございました。この点につきまして、事務局において調査の上で、そのような事例がある場合には、次回以降に御紹介させていただければと思います。 佐藤座長 分かりました。それでは、そのほか事務局から説明のありました資料について何か御質問等はございますでしょうか。   よろしいでしょうか。それでは、本日の議題に入らせていただきます。   本日の議題は、お手元の議事次第にあるとおりです。最初の議題は、検討テーマについてでございます。先ほども述べましたとおり、第1回会議におきまして、皆様から本検討会で検討すべきテーマについて種々御意見を頂戴したところです。頂いた御意見は、第1回会議の資料10としておりました「検討事項の例」に掲げた各検討テーマのいずれにも言及されたものであったと認識をしております。そこで、本検討会といたしましては、「検討事項の例」に掲げた検討テーマの全てを取り扱うこととしたいと思います。   お手元の本日の資料4の「各回の検討テーマ」にあるとおり、まず第6回会議までに、記載の割当てで一旦全ての検討テーマを取り上げて議論することにしたいと思います。検討テーマにつきましては、前回会議におきまして皆様に御了承いただきましたように、私においてこのように取りまとめさせていただきたいと考えておりますけれども、この点について何か御意見はございますでしょうか。   よろしいでしょうか。では、この取りまとめに沿って今後の検討会を進めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。   それでは、早速でございますが、ヒアリングに入らせていただきます。   これから4名の方からのヒアリングを行います。ヒアリングのお時間はそれぞれ15分を予定しております。ヒアリングを受けて、皆様、報告者の方に御質問したいことが出てくるかと思います。その際、報告内容の趣旨確認など、その場で確認しておきたい簡単な御質問につきましては、各ヒアリングの後に時間を設けますので、そのときに簡潔に御質問をいただければと思います。他方で、内容に関わる具体的あるいは実質的な御質問につきましては、4名全ての方のヒアリングが終わった後にまとめて質疑応答の時間を取ってございますので、そちらでしていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。   それでは、ヒアリングに入ります。お一人目ですが、雲仙市地域包括支援センターの吉武直樹様からのヒアリングです。吉武様からは、過疎地域における司法アクセスの問題や、法テラスと連携することでその課題をどのように解決していったのか、今後の課題や法テラスに期待することなどについて御報告をいただきます。   では、吉武様、よろしくお願いいたします。 吉武氏 雲仙市地域包括支援センター長の吉武です。本日は、私と権利擁護事業を担当している社会福祉士にて発表させていただきます。   それでは最初に、雲仙市の概要からお話しします。長崎県の島原半島に位置する雲仙市は面積214.31平方キロメートルの中に七つの日常生活圏域を有しております。島原市や諫早市、南島原市と隣接しており、有明海や橘湾に囲まれた自然豊かな地域です。現在の統計では人口は4万123人ですが、この20年間で約1万1,000人も減少しました。高齢化率は37.27%に達しており、住民の3人に1人以上が65歳以上の高齢者という状況です。こうした背景から、平成17年には法定過疎市町村、そして令和6年4月に消滅可能性自治体として指定されるなど、非常に厳しい局面に立たされております。   特に、雲仙・小浜温泉街など、特有の課題が顕著です。移住者の方が多く、周囲に身寄りがない方が目立つこと、生活保護受給者が多いこと、公共交通機関等のアクセスが不十分であり、そして人材不足により介護事業所の閉鎖が相次いでいることが重なり、住民を支える基盤が揺らいでいます。このような複雑な課題を抱える中、雲仙市地域包括支援センターは現在1か所、19名体制で全ての課題に向き合っております。この限られた社会資源でいかにして司法アクセスという専門的な支援を届けるかが我々の大きなテーマです。   次に、司法アクセスの現状について説明します。現在、市内に存在する法律事務所は法テラス雲仙法律事務所の僅か1か所のみです。弁護士数については、令和3年以前は1名体制でしたが、現在は2名に増員されております。しかし、この2名で雲仙市と南島原市の広大なエリアを担当しており、必要に応じて諫早市や大村市もカバーしているのが実状です。島原半島を見渡しても、法テラスを除いた法律事務所は4か所しかありません。こうした状況を補完するために、次のような取組も行われております。雲仙市社会福祉協議会は、年に7回の巡回型無料弁護士相談、長崎県弁護士会は、高齢者のための無料電話相談窓口を設置しています。こうした支援策はあるものの、市全体として見れば依然として圧倒的に社会資源が不足しており、雲仙市は深刻な弁護士過疎地域であると言わざるを得ない状況にあります。   弁護士過疎地域においては、住民への影響として幾つかの課題が見られます。まず一つ目は、相談の待機期間の長期化です。弁護士の数が限られているため、相談予約が取りづらく、問題があってもすぐに対応できない状況が生じています。二つ目は、対応できる案件の限界です。一人の弁護士が抱えられる件数には限りがあるので、十分な支援が行き届かないケースも出てきています。そして三つ目として、これらの状況が重なることで、法的手段の利用自体を断念してしまう住民も出てきています。権利擁護に支障が出てくることが大きな課題となっています。このように、弁護士不足は単なる人手の問題にとどまらず、住民の生活や安心に直結する重要な課題です。   続いて、具体的な課題の一つとして、後見の担い手がいない問題です。雲仙市における成年後見人の不足は、平成29年頃から顕著に見られるようになりました。司法書士の成年後見センター、リーガルサポートや社会福祉士の権利擁護センター、パートナー長崎といった団体も含めて、全体的に手一杯となり、十分な受け皿が確保できない状態が続いていました。特に、法テラス雲仙では、限られた弁護士が多数の後見案件を受任せざるを得ず、その他の通常業務にも影響が出ていました。当時は、弁護士1名で15件ほどの後見案件を抱える状況で、業務が逼迫していたのが実状です。   この状況を打破するために、平成29年から令和元年にかけて、雲仙市地域包括支援センターが主催する地域連携推進会議において、この問題を地域課題として共有しました。法テラスの弁護士から、後見人不足の現状を行政や社会福祉協議会に訴え続けました。法テラス雲仙の弁護士自らが他市の法人後見センターの視察や裁判所との調整に奔走し、尽力してくださいました。その結果、令和元年11月に社会福祉協議会が法人後見事業準備委員会を立ち上げ、令和2年4月から正式に事業が開始されました。法テラス雲仙の弁護士には定款作成等の専門的支援をいただき、開始時には法テラスから6件のケースをスムーズに引き継ぐことができました。   二つ目の問題は、住民にとって司法が依然として遠い存在であることです。年に4回開催される雲仙市地域ケア会議において、「認知症になってもその人らしく暮らせるには」をテーマに意見交換した際、成年後見制度の活用が進んでいない課題が明らかになりました。これは、後見人の成り手不足など様々な要因が考えられますが、成年後見制度そのものが周知されていないことが一因ではないかと捉え、司法と福祉の連携強化及び成年後見制度の周知徹底に向けて動き出しました。   この地域ケア会議の中で法テラス弁護士より、福祉関係者向けに勉強会を開催してはどうかと提案があり、令和6年4月より3か月に1回、法テラスミーティングを企画・開催することになりました。法テラスミーティングでは、第1回の福祉と司法の連携を皮切りに、成年後見制度、相続、借金トラブル、消費者被害、カスハラなど、福祉職に参加してもらえるようなテーマを取り上げて開催しました。また、年に1回カフェプラスとして、お茶を飲みながらリラックスした雰囲気で意見交換ができる機会も設け、顔の見える関係性作りを進めました。   こちらが法テラスミーティングのチラシと会場の様子です。毎回20名から25名程度の参加があり、ケアマネジャー、相談支援専門員、病院相談員、行政職員、社会福祉協議会職員、包括職員等が参加しています。このミーティングを通じて、参加した福祉職からは、弁護士との敷居が低くなり気軽に相談できるようになった、トラブルが発生したときに気軽に弁護士へ電話をして法律相談ができるようになったとの声が聞かれるようになり、ミーティング開催前と比較すると心理的な距離が縮まったことが分かります。また、法テラスミーティングにとどまらず、法テラス弁護士が市のケア会議や個別ケース会議、多職種交流研修会に積極的に参加したことで、福祉関係者と法テラスの連携が一層強化されました。   また、心理的な面だけではなく、実務的な効果も出ています。法的トラブルの早期発見、早期対応が可能になり、適切な専門機関へのつなぎがスムーズに行われるようになったことで、結果として司法アクセスの向上につながっているのではないかと考えています。   このミーティングは、現在は弁護士だけでなく、司法書士、行政書士、社労士の方々を講師に迎え、これまで関わりがあまりなかった業種との連携構築を図っています。今後は、高い専門性を持つ業種と関わりを持つことで、法テラス弁護士に集中し過ぎていた業務の負担を軽減できると考えています。   続きまして、司法アクセス障害の解消に向けた法テラスとの具体的な連携と、その効果についてです。過疎地域においては、自分から相談に行けない層をどうするか、また、福祉専門職のみでは解決できない法的問題にどう対処するかが焦点になっています。雲仙市では令和7年度に計8回、法テラスの弁護士に個別ケース会議へ参加していただきました。これにより、複雑な権利関係を初期段階で法的整理する早期解決が可能となり、支援者が法的な裏付けを持って動けるという安心感につながっています。単なる法的解決にとどまらず、その後の生活再建までを見据えた重層的支援が実現できている点は、連携の大きな成果です。   一方で、依然として解消されない深刻な課題も残っています。これまで多職種連携によって弁護士不足を補完してきましたが、やはり弁護士にしか担えない業務は数多く存在し、根本的な弁護士不足そのものは解決していません。現在、法テラス雲仙の相談予約は非常に取りづらい状況にあります。時期によっては1か月半から2か月待ちとなることも珍しくなく、相談までこれほど時間を要してしまうことは、市民の問題解決を遅らせる要因となっています。   最後に、今後も持続可能な司法と福祉の連携に向け、法テラスや公的支援に期待する役割についてです。第1に、法テラスミーティングへの継続的な関わりです。法テラスミーティングの講師をしていただいたことで、地域の課題を共有し、顔の見える関係を築くことができました。このつながりを維持し、更に発展させていきたいと考えています。   次に、個別ケース会議への安定的な御参加です。福祉の力だけでは限界がある困難事例に対し、初期段階から法的知見をいただくことで、支援の質を向上させることができています。現場にとって本当に心強い助けとなっています。   そして、最後に切実な願いとして、弁護士不足の改善を挙げさせていただきます。法テラスの弁護士を増員いただくことで、法的トラブルを抱えた市民が必要なときにすぐに支援を受けられる体制を整え、また、地域全体で権利擁護のネットワーク構築をより強固なものにしていきたいと考えています。     以上をもちまして報告を終わります。御清聴ありがとうございました。 佐藤座長 吉武様、御報告をいただきありがとうございました。   委員の皆様、ただ今の御報告に関して、趣旨確認等、この場で確認しておきたいことがございましたら、簡潔に御質問いただければと思います。いかがでしょうか。   板東委員、お願いします。 板東委員 御説明ありがとうございました。大変良い取組が進んでいることや、増員もなされたということで、私も関わった者の一人として大変良かったなと思わせていただいておりますけれども、一つは大変、それでも弁護士不足があるということで、例えば、本所といわれている県庁所在地にあるような事務所に配置される弁護士との関係ですとか、あるいはオンライン等で、地域にいない弁護士の方、県内におられる方等にどういうふうに相談・アクセスできるかということも、相談待ちが非常に日常化している中では必要かなと思いますけれども、この辺りについてはいかがでございましょうか。 佐藤座長 板東委員、ありがとうございました。今の御質問ですけれども、本日のテーマに関する非常に重要な御質問であったかと理解をしております。したがって、委員の皆様のヒアリングが終わった後に、改めて取り上げさせていただきたいと思います。   諏訪委員からも手が挙がっているようですので、よろしくお願いいたします。 諏訪委員 ケース会議に法テラスの弁護士さんが出たときの費用負担は、包括支援センターさんの方でお金を出したりしているのか、それともそういった費用は発生しないという仕組みで進められているのか、ちょっとお金のことを教えてください。 佐藤座長 では、この点は確認的な質問かと思いますので、吉武様、今の点について御説明をお願いいたします。 吉武氏 基本、個別のケースを検討するケア会議については報酬は発生しておりませんが、市町村が開催する地域ケア会議になると報酬が発生する場合もあります。 佐藤座長 その報酬はどちらで負担をしているかという御質問であったかと思いますが、この点はいかがでしょうか。 吉武氏 報酬につきましては、介護保険の保険者が負担しております。 佐藤座長 諏訪委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 諏訪委員 大丈夫です。 佐藤座長 ほかに確認的な御質問があれば、よろしくお願いいたします。   寺町委員、お願いいたします。 寺町委員 今おっしゃられた、行政の会議には報酬が発生するというのは、今日プレゼンしていただいた中で言いますと、法人後見の準備などでしょうか。法テラスミーティングとかケース会議とか、いろいろなミーティングが行われているように御報告を受けたかと思うのですが、どこが報酬対象か、もう一度確認させていただけますでしょうか。 佐藤座長 吉武様、お願いいたします。 吉武氏 先ほどの地域ケア会議に関しましては、介護保険課、保険者が払っていますが、法人後見に関する委員会については、社会福祉協議会さんが費用は負担していただいております。 佐藤座長 法テラスミーティングとかケース会議の方はいかがかという御質問がありましたが、こちらはそもそも報酬が発生しているのでしょうか。 吉武氏 報酬は払っておりません。 佐藤座長 報酬はないということですね。寺町委員、よろしいでしょうか。 寺町委員 ありがとうございます。 佐藤座長 では、ほかによろしいでしょうか。   では、吉武様、改めまして、ありがとうございました。   それでは、次のヒアリングに移りたいと思います。お二人目は東京都都民安全総合対策本部の村田陽次様からのヒアリングです。村田様からは、都市部の司法過疎に注目して、東京都で行われている「きみまも」という相談窓口の取組と、そこで法テラスとどのような連携を行ったか、今後の課題等について御報告をいただきます。   では、村田様、よろしくお願いいたします。 村田氏 東京都都民安全総合対策本部で若者支援の担当をしております、村田と申します。今御紹介がありましたように、東京の新宿歌舞伎町でやっております「きみまも@歌舞伎町」という相談窓口における若者支援のお話をさせていただきます。それでは、資料6に沿ってお話をいたします。   まず、事業の経緯ですけれども、トー横問題の概要を書いております。コロナ禍の頃、2020年あるいは2021年と言われておりますけれども、御承知のとおり日本有数の繁華街である歌舞伎町に多くの若者が居場所を求めて集まるようになり、トー横問題として社会的に注目されるようになりました。そういった若者は、例えばビルから飛び降りて自ら命を絶つ、あるいはリストカットなどの自傷、薬物乱用、オーバードーズ、あるいは売春を含めた性被害、金銭トラブル、暴力沙汰、闇バイトへの勧誘、そういった様々なリスクにさらされておりまして、実際に犯罪被害に至ることも多いです。また、そうした状況がマスメディアやSNSを通じて拡散されておりまして、トー横キッズという呼ばれ方をされていることは皆様も耳にされたことはあるかと思います。そうした若者たちに話を聴いてみますと、「楽しげな雰囲気に惹かれた」とか、「自分や家族の問題から何らかの居場所を求めている」、「誰かがいると思った」など、集まるきっかけは様々ですけれども、悪意を持つ大人がそこに介在することも多いという状況です。   警察の補導や摘発を始め、関係機関が各種対策を講じておりますけれども、なかなか状況が改善しないということを受けまして、東京都は更なる対策といたしまして、2024年5月に気軽に立ち寄れる相談窓口として「きみまも@歌舞伎町」を開設いたしました。   次の3ページに「きみまも@歌舞伎町」の概要を記載しております。三つの機能を提供しております。まず一つ目は、リスクの高い歌舞伎町という街から切り離す形で、若者たちに安全で安心できる場所を提供しています。軽食とか充電器、Wi-Fi、絵の道具、ピアノ等がありまして、そこで一休みすることができます。二つ目は、相談サポートです。社会福祉士や心理士、看護師など、様々な年齢、性別、専門性のスタッフがおりまして、そうした信頼できる大人に悩み事・困り事について相談することができるという機能があります。そこで明らかになった若者の悩みや困り事につきましては、行政機関や各支援団体と共に解決を図っていく、というセーフティネットへの接続も重要な機能になっています。対象は未成年から30代までの若者ということで、週5日、午後3時から午後9時まで、歌舞伎町の中心から程近いハイジアというビルの17階で開所しております。   この「きみまも@歌舞伎町」の特徴ですけれども、居場所型の相談事業と位置付けておりまして、決まった相談内容があらかじめなくてもよい、何度利用してもよい施設です。また、若い人たちに心身を休めてもらえるように、床や照明の色を温かくしたりとか、利用ルールについてはやさしい日本語で伝えたりとか、そういった配慮も行っておりますし、体調不良の若者に対しては救護室も提供する用意を整えております。そうした空間で、雑談から時間をかけて若者たちとの間に信頼関係を作りまして、結果的に若者の悩みや困難を明らかにしていく、明らかになっていく、こういうスタンスで運営しております。   個別の相談に加えまして、例えば季節のイベント、クリスマス、ひな祭り、資料に写真もありますけれども、そういったものですとか、あとは誕生日プレゼントの贈呈といったものを行いまして、彼らの自尊心、自己肯定感等を向上する機会というのも提供しております。全体として、いきなり何らかの解決を図るのではなくて、安全・安心な場所で若者を一旦落ち着けまして、心身の回復から必要な支援につなげるための「踊り場」という位置付けで運営をしております。   5ページに、令和7年度の運営状況を記載しております。歌舞伎町の中心部に近いとはいえ、ビルの17階に設けた相談場所に路上に滞留する若者たちが来てくれるのかという心配はあったのですが、実際に運営しておりますと、予想以上に若者たちが訪れてきてくれております。1日当たり50人以上、延べ数ですけれども、この規模の若者が訪れております。年代別で言いますと、3分の1が未成年、ただ、それ以上に多いのが未成年より少し上、18歳から20代前半までの層の若者が非常に多くなっております。大半が20代前半までの利用者となっております。男女問わず使える施設ですけれども、性別につきましては男女ほぼ同数が利用しています。居住地は、都外に住んでいる人、都内に住んでいる人、ほぼ半々ですが、都外・都内ともにいろいろなところ、都外については全国各地から訪れている状況でございます。   6ページに若者の困難について書かせていただきました。多くの利用する若者が、いわゆる地雷系といいまして、例えば黒とかピンクとかの、一見大人から見ると派手だったり、髪もいろいろな色に染めています、メイクもばっちりしています、ピアスをしている子も多いです、言葉遣いなんかも決してお行儀よくありません。そうした一見奔放に見える若者たち、SNSでそれゆえに叩かれたりもするのですが、会話を重ねていくうちに、彼らが様々な困難を抱えていることが分かってきます。非常に多くの若者が精神疾患ですとか発達特性、あるいは知的障害、そうした障害ですとか、家庭における虐待経験等のトラウマ、そういった生きづらさを抱えまして、それを紛らわすために、つまり楽しむのではなくて、苦しいから市販薬の乱用やリストカットのような自傷行為をしていると。そうした状況にありますので、家庭や学校に居場所を見つけることができず、仕事や住まいが定まらず、安定した暮らしができない。その結果、歌舞伎町で先ほどお話ししたような様々な犯罪トラブルのリスクにさらされていると、こういう状況にある若者が非常に多いという内容です。   彼らに対して、時間をかけた傾聴・助言から、必要に応じて様々な外部支援につないでいきます。心や体の課題については、地域の医療機関につなぎます。生活・仕事の課題については、各自治体の福祉事務所ですとかハローワーク、就労支援の窓口等につなぐことが多いです。女性の、例えばDVを受けているといった相談につきましては、若い女性を支援するシェルター等につなぐこともあります。また、もちろん若い世代ですので、各地域の児童相談所、子ども家庭支援センター、あるいは安全を図るために警察と連携することもあります。多くの若者が、なかなか一人では支援先につながる力がないというのが現状ですので、スタッフが同行支援することが多いです。また、複合的な困難を抱えている方も多いですので、多機関・多職種の連携が重要となっています。   7ページに、これまでに対応した主な事例を挙げました。他県で夫や家族から虐待を受けて歌舞伎町に逃げ込んできた女性を、一旦女性支援団体のシェルターにつないで安全を図った上で、自治体の相談窓口に同行支援したというケースがありました。また、継続して死にたい気持ちを訴える20代前半の女性に対して、丁寧な対話とアドバイス、泊まる場所の確保、警察による保護等を組み合わせまして、何とか命をつないでいるうち、だんだん状況が良くなってきたというケースもありました。三つ目ですけれども、ネットカフェ泊まりなど不安定な生活を続けている20代前半男性が心機一転、昼職に就きたいと、安定した暮らしをしたいと申し出てきましたので、介護職の資格を取れるコースに案内しまして、様々な面で、生活面も含めてサポートして、資格取得、施設への就職に至ったケースがありました。また、一番下に挙げたのは、母親やその交際相手から虐待を受けた10代後半の女性について、そのきょうだいの安全も考慮しまして、児童相談所、子ども家庭支援センターと連携して速やかな介入をしていただいたというケースもありました。   そうした中で、例えば家族の問題や犯罪被害、金銭トラブル、生活困窮など、解決のために法的な観点からの検討や助言を要する内容も多いのですが、若者の大半は法制度ですとか弁護士という存在になじみがありません。弁護士という人がどういうことをしてくれるのかといったことに関する知識が欠けている子が非常に多いです。また、きみまものスタッフ、多職種いるのですが、福祉職が中心でございまして、法律的な問題についてはなかなか細かいところまでサポートし切れないところがありました。そこで、若者への支援を強化するために、昨年の4月から法テラスと覚書を結んで連携させていただいております。法テラスからきみまもに週1回程度、常勤弁護士の方を派遣していただいております。   右側に当初から来ていただいている鏑木弁護士の写真もありますけれども、弁護士の方は相談スタッフと同様のカジュアルな服装と態度で利用者に対応しまして、必要に応じてその中で法制度に関する助言を行っている状況です。このカジュアルな服装と態度というのが非常に重要でして、私も今日はビジカジの服装で来ているのですが、たまにうっかりスーツできみまもに行きますと、利用者がすっと近寄ってきて、「おじさん、もしかして刑事?」とか、こういうことを話したりするのです。おじさんではないだろう、お兄さんだろうとか思うんですけれども、それはともかく、やはりそうした若者は、大人とか公的な制度に対して不信感を持っている子も多いですので、そこの配慮が非常に重要であるということです。   最近では弁護士から数々の助言を行えるようになっておりまして、今年の春からは、きみまも自体が法テラスの指定相談場所になっておりますし、法律相談への取次ぎも始めているという状況です。また、利用者への対応に加えまして、相談員・相談スタッフへの研修・助言ですとか、あるいは会議等を通じた情報共有なども実施していただいているところです。右側に法テラスの周知用ポスターも挙げました。ここに描いてある服装がいわゆる地雷系ですね、こうした子たちが1日50人来るという状況です。このポスターについても、いわゆるやさしい日本語でということで、法テラスの皆さんと我々で一緒に作ったものであります。   その中で典型的な対応事例を一つ、9ページで御紹介します。継続的にきみまもを利用している20代前半の男性です。オーバードーズによる入院もありまして、精神的に疲弊している状態でした。所持金が乏しく、宿泊場所もなく、借金があって、非常に不安と恐怖に駆られていたという状況でした。これに対して、きみまもの相談スタッフと法テラスの弁護士が共同で支援に当たったケースです。相談員は生活福祉課、更生施設、精神科といったところに同行支援を行いまして、それと並行して、連携をしながら法テラスの弁護士が借金の債務整理に向けて調整をしてくれました。弁護士と自治体ケースワーカー、相談員が連携をしているおかげで、各困難が少しずつ、少しずつ改善に向かっているというケースでございます。その他、身に覚えのないクレジットカード請求等の金銭トラブル、これは歌舞伎町で非常に多いです、これに関する助言ですとか、友人間のトラブル、生活保護の受給、債務整理、あるいは虐待、人権侵害疑いなどについても、本人に対する助言やスタッフに対する助言を行っていただいているところです。   いずれにしても、きみまもは法的分野に限らず公的機関や民間団体のネットワーク化を進めて、多様かつ複合的な困難に対応しておりますが、法テラスもその中で欠かせない一員となっております。現場では、「弁護士が定期的にいてくれることは心強い」、「困難な例でも支援につながるケースが増えた」など、連携を高く評価しておりますし、利用者の中にも、法的知識を持って頼りになる方とお話ができるということで、メンタル面でも安定につながるケースも出てきているようです。   最後にまとめを挙げました。これまでお話ししたように、繁華街に集まる若者の多くは、生きづらさや困難を抱えながらも人とのつながりを求めているということで、居場所あるいは居場所相談に対するニーズは非常に高いです。きみまもは、若者にとって安心して一息つける場、支援につながるスロープをかける窓口として一定の役割を果たしていると私どもとしては考えています。その中で、きみまも、東京都と法テラスは今回の連携を通じて、支援につながりづらい若者を必要な法的支援につなげるスロープをかけるための、新たなアプローチを一緒に作り上げつつあるのかなと考えております。東京都は、今後も法テラスとの連携の継続・拡大を希望しております。   また、歌舞伎町の若者、先ほど全国から集まってきているとお話ししましたけれども、困難を抱える若者自体は広く存在しております。トー横の問題はトー横だけでは解決しませんので、今回の連携も含めて得られた知見の共有と、更なる連携の広がりが必要と考えます。   例えば、東京都は、同様の課題に取り組む大阪市、グリ下という道頓堀界隈や、福岡県の警固界隈といった場所もありますが、そういったところとも協力しております。私は、実は4月の人事異動できみまもの専任からは外れているのですが、「きみまも@歌舞伎町」にはつながっていないけれども困難を抱えている若者たちのためにサポートや居場所的な場所を増やすための取組、そういった取組をしている自治体やNPOを応援する業務をやっております。そうした方面でも今後連携が求められるかな、と考えております。私からの説明は一旦以上です。よろしくお願いします。ありがとうございます。 佐藤座長 村田様、御報告いただきありがとうございました。   では、委員の皆様、ただいまの御報告に関して、この場で確認しておきたいことがございましたら、御質問等をよろしくお願いいたします。   川田委員、よろしくお願いいたします。 川田委員 八幡市長の川田でございます。少し確認をさせていただきたいことがあるのですが、資料7ページの対応事例についてですけれども、おそらく他県で虐待を受けて、きみまもさんで補助をされたケースで、自治体の相談窓口へ同行されたということなのですが、これはもともといらっしゃった他県の自治体に同行されたのか、東京都で引き受けられたのか、どのような対応をされたのでしょうか。 佐藤座長 では、村田様よろしくお願いいたします。 村田氏 もともと他県で虐待を受けた方ではあったのですが、行き場がないということで、都内の方に逃げてこられまして、都内の自治体の女性相談の窓口に保護申請をしまして、受理されて保護に至ったという、都内の自治体で受けていただいた事例です。 川田委員 これは元のところに戻すといいますか、他県にも場合によっては行かれる場合もあるということでしょうか。 村田氏 基本的に、そういう場合もケースによって、可能性としてはなくはないのでしょうが、逃げてきたという経緯を考えますと、都内の自治体ですと、女性相談・女性保護に関しては現在地主義をとっておりますので、そのときに一番つなぎやすい窓口につなぎます。ただ、実際には都内でも区市町村がありまして、例えばこのケースですと、前泊していただいたシェルターと、きみまものある自治体が分かれておりまして、どちらにつなぐかと、実務的にはいろいろありますが、ただ、基本的な考え方としては現在地主義でやっているという状況です。 佐藤座長 川田委員、よろしいでしょうか。 川田委員 はい、ありがとうございます。 佐藤座長 それでは、大村委員と生水委員からお手が挙がっていますので、まず大村委員の方からお願いいたします。 大村委員 きみまもは、大変すばらしい取組で、各関係機関が連携されていて、非常に応用範囲の広い仕組みではないかと思います。経費的なことで確認させていただきたいのですが、きみまもに週1回程度、常勤弁護士を派遣いただいているということで、こういったところの経費についてどうなっているかということ、それともう一つ、非常に多くの機関が連携されている中で、東京都としてこの運営にどれくらいの予算をかけていらっしゃるか、賃料もあると思うのですが、もし賃料とそれ以外が分かればより有り難いですが、全体としてどれくらいの予算をかけていらっしゃるかが分かればと思います。 佐藤座長 村田様、よろしくお願いします。 村田氏 まず最初に、弁護士の派遣経費の件ですけれども、きみまもへの週1回の派遣については、法テラスの情報提供業務の一環としてお願いしておりまして、東京都側では経費は負担しておりません。東京都、きみまもの側で行っているのは、来ていただいて、弁護士の方々が利用者にアクセスできるように、例えば時間の調整であるとか、利用者との間をつなぐであるとか、あるいは弁護士の方々がそこに滞在するための環境作りといった面について東京都の側でやっているという役割分担になっております。   二つ目の経費についてですけれども、賃料を除いた予算額ですが、概算で大体2億円ぐらいの年間予算を用意しています。というのも、少し補足をしておくと、きみまもは非常に規模の大きい事業でございまして、ほかにも都内に先ほどお話ししたように居場所的な場所が増えつつあるのですが、その中でも歌舞伎町、若者が集まっている規模が大きいというのもありますけれども、1日50人受け入れるということで、常時10名ぐらいの相談スタッフを配置しているという事業になっておりますので、人件費を含めてかなりコストのかかる事業となっているのは間違いないと思います。予算額的には約2億円です。 佐藤座長 大村委員、よろしいでしょうか。 大村委員 大丈夫です。ありがとうございます。 佐藤座長 では、生水委員、よろしくお願いいたします。 生水委員 相談を拒否する若者が多い中で、様々な工夫をされて司法につなげておられるというのがよく分かりました。私からは1点教えていただきたいのが、先ほど村田さんが法テラスの連携の環境作りということでおっしゃったのと通じるのかなと思うのですが、きみまもが法テラスの指定相談場所になっていることについて、このメリットと、法テラスの指定相談場所になるということは、何か地域が準備をしてお願いすれば、それはどこでもできるのか、教えていただければと思います。 村田氏 まず、前提といいますか全体像みたいな話をすると、説明の中でもお話ししましたけれども、初めはほぼ必ず雑談なのです。私は今、困り事はこうで、といきなり話してくれる利用者ってほとんどいないのです。きみまもに来て、一緒にピアノを弾いたり、一緒に絵を描いたり、雑談や、カップラーメンを食べながらしたりという中で、だんだん話してくれるようになる。そういう輪の中に法テラスから週1回の派遣弁護士の方も入っていただいて、あるいはその日にいなかったら「明日詳しい人が来るから、また来てごらん」みたいな、何度来てもいい施設なので、そういう形でだんだんつないでいくのですね。ただ、込み入った話になってくると、情報提供業務の範囲を越えるということで法律相談になってくるのですけれども、法テラス自体もあちこちで相談をしていますし、別の弁護士の法律相談というのも各種窓口あるのですけれども、別のところに行ってもらうのが結構大変なのです。同行するといっても、同行のときに約束をすっぽかすみたいなことが多い。悪気がなくても起きられないとか、いろいろ課題がある子たちですので、そうするとできるだけ、きみまもの中でも法律相談のレベルまではしたいという思いが我々にもありますし、サポートしてくださっている法テラスの弁護士の方からもそういう助言がありまして、我々の方から法テラスに申請を出させていただいて、きみまもでも法テラスの扶助が利用できる、法律相談ができる空間として、後からそういう必要性が生じて、指定していただいたというような形でございます。どこでもできるかどうかは、私ども東京都の方ではあれですけれども、事前に法テラスと相談、お互いのニーズを突き合わせた上で、こちらから申請を出させていただいたという形でございます。 佐藤座長 よろしいでしょうか。   関連して、法テラスの指定相談場所の指定については、どこでどういう形で決めているのか、これは事務局でしょうか、補足があれば。 青木参事官 こちらは法テラスの側でお答えが可能であれば、お願いいたします。 髙橋本部事務局長 法テラス本部事務局長の髙橋です。指定相談場所につきましては、村田様からもお話がありましたように、法律相談をするので、例えば自治体の相談するような場所で、周りが密閉されて外部に声が聞こえないとか、そういったものも必要になってきますけれども、そういった場所が用意されている場所について、申請等を頂きましたら、各地の地方事務所長が指定をするという立て付けになっております。 佐藤座長 谷口委員、お願いいたします。 谷口委員 今回紹介していただいた法テラスとの連携は、現時点のある意味、完成形というか、たどり着いたところだと思うのですが、そのきっかけといいますか、どういう形で法テラスと連携しようとか、スタッフ弁護士を派遣してもらおうとか、そういう話がどちら側から来たのか、どのようにして形成されたのかを御紹介いただければと思います。 村田氏 どういう経緯、どちらからというお話がなかなか難しいところがあって、最初の細かい話になりますが、法テラス側から一回連絡を頂きまして、法テラスは困難を抱える方の司法に対するアクセシビリティを向上させる取組をいろいろやっていて、その中で、トー横で課題のある若者が非常に多いようだと、そこら辺について東京都の取組を聞かせていただきたいと御連絡を頂きました。私の方で法テラスの本部に赴いて、その時点では開所してからまだ1年も経っていなかったのですが、きみまもの状況をお話しして、なかなか複合的な課題を抱えているのだけれどもつなぎ切れない子が多いという状況をお伝えしたところ、法テラス側としても、そういった対象にアプローチしていくことで、より司法的な支援の充実、つながりを増やしていきたいというお話を頂きました。言ってみれば、お互い抱えてきたニーズが一致することがたまたまと言うとあれですけれども、お互い求めているところでうまく合って、そこで、ではどういった形がいいだろうというお話をさせていただきました。その中で、いきなり、例えば先ほどからお話ししているように「法律相談でございます」とやっても、なかなかそこで話してくれないだろうと。だとすると少し自然な形で入っていただくのがいいのではないか、そこも敷居を下げることが大事ではないかと、これも現場の実務の中で、実務担当者で話した上で、週1回来てもらって、格好もカジュアルにして、相談員と区別のつかないような形で入っていただくのはどうだろうというお話をさせていただきました。どちらが発案というよりも、お互い、現場も視察していただいた上で、そういう形がいいのではないかということで、現場レベルの発案で、こういう形に持ってきたのが始まりでございます。 佐藤座長 川野委員、お願いいたします。 川野委員 若者を相談の方につなぐまでって非常に大変だと思うのですけれども、例えば、債務整理は1回だけでは終わらないような手続ですが、週1回の派遣弁護士さんで手続を終了するようにされているのでしょうか、それとも何か他の場所で、先生の事務所とかにも行かれたりするのでしょうか。 村田氏 今回資料に書かせていただいたケースについては、結構初期からの事例でございまして、法テラスに派遣していただいている弁護士の方にそのまま受任をしていただいて、弁護士と本人がつながった形で継続している事例でございます。ただ、それですと法テラスの弁護士もそんなに何件も受任するわけにはいきませんし、場合によっては利益相反の問題も出てくる可能性もあったりしますので、今、法テラスと東京都の方で少し覚書を改定したり、読み替えたりもしておりまして、今後は法テラスの方に取次ぎをお願いして、法テラス経由で別の弁護士の方につないでいただくということも増えてくるかなと思います。   ただ、先ほどもお話ししたように、どこか別の場所に行くということに関してハードルが高いものですから、そういう意味では、きみまもですと、本人があそこに行けば何とかなると。今、我々は携帯で若者とつながればいいという発想になりがちなのですが、スマホもすぐなくす若者が結構いるのですね。あるいは、SNSだけでWi-Fiの通じるところでやっているとか、そういう子たちもいるので、そういう意味では、場所があって、少なくともきみまもは接点になり続けると。先ほど言った取次ぎで法テラス以外の弁護士につないだ場合でも、例えば待合せをきみまもにするとか、恐らくそういった場所としての接点は残るのではないかとお話をさせていただいております。 佐藤座長 私も一つだけ、今の話と関連しているのですが、支援につながりにくい人をどう支援につなげるのかというのは非常に重要だと思います。そのこととの関係で、きみまもの利用者数は非常に多いということで、9,600人、それから1日当たり50人を超えると、予想以上に多いということだったのですが、そもそも相談に来る若者たちは、きみまもをどうやって知ったのか、その認知の経路ですね。きみまもにつながることによって、取次ぎという形で更に法テラスにつながっていくということですが、そもそも入口の部分でどのような工夫があるのか、そのことについて何かお話があれば、よろしくお願いいたします。 村田氏 工夫としては、例えばSNSでのいろいろな啓発の動画に併せてきみまもを周知するとか、あるいは地域で活動して、子ども食堂をやったりとか、夜回りをやっているようなNPOの方がいらっしゃいますので、そういった方々と連携して、アウトリーチのときにきみまもを周知してもらったり、あるいは場合によっては連れてきてもらったりといったこともやっています。   ただし、今、利用者の中で実際に来ている人たちに話を聴いてみると、新規の中でも、そういった形で声掛けをして、来てくれている子は一部、少数派なのです。大多数は口コミで知ります。若者同士、緩やか、緊密、いろいろな人間関係がありますけれども、その中で、きみまもというのは、きれいで、安全で、カップラーメンが食べられて、どうも警察にも捕まらないらしい、といった評判が、SNSだったり直接の口コミで広がっています。なので、今、新規の登録のときには必ず、どこで知ったのかと聴くのですけれども、一番その中で割合が多いのは、知り合いから聞いたというものです。ですので、呼び掛けも大事なのですが、そういった若者たちの間の口コミが重要かなと思っております。 佐藤座長 ありがとうございました。それでは、次に移りたいと思います。村田様、改めまして、どうもありがとうございました。   3人目は、東京大学教授で法社会学を御専門に研究されている飯田高様からのヒアリングになります。飯田様からは、法テラスが実施した法的ニーズ調査の結果に基づき、地域の違いに注目しながら、法的支援のニーズがどこにあるかといった点について、統計的な分析に基づく御報告をお願いいたします。 飯田氏 東京大学社会科学研究所の飯田高と申します。私は、法社会学という分野を専門にしているのですが、その立場から、2025年に実施されました法テラスの一般ニーズ調査、法的支援に係るニーズ調査という名称ですけれども、こちらの調査に関わらせていただきました。資料7を御覧いただければと思います。本日は、その一般ニーズ調査の結果の一部を御紹介した上で、地域における司法アクセスという観点から若干の分析を行いましたので、その結果について御報告したいと思います。   初めにお断りしておきたいことが2点ございます。第1に、この調査のデータは現在分析中でして、報告書が今年の夏までに出る予定になっております。今回の報告は暫定的な分析に基づいておりまして、資料に掲載されている数値も確定的なものではございません。その点は御留意いただければ幸いです。第2に、今回の検討会では地域性の観点から分析をするという課題をいただいていたところなのですけれども、このニーズ調査では地域について細かく分けているわけではございません。回答者の市町村に関するデータは取っておりません。今回の報告では三つのグループに分けております。一つ目のグループが東京23区と政令指定都市で、これは「大都市」という名称になっています。二つ目のグループが10万人以上の都市、これが「中都市」です。それから、三つ目が10万人未満の市及び町村ということになりまして、こちらは資料では「小都市・郡部」という名称にしてあります。したがいまして、かなり大ざっぱな分析となりますので、その点は御承知おきくださいますようお願いいたします。   結果の報告の前に、調査の概要について簡単に御説明します。この調査は、法テラスを実施主体として2025年8月から10月にかけて行い、調査票は郵送、回答は郵送とウェブのどちらでも可能という形で行われました。対象者は全国の18歳以上の男女です。送付数は3,000です。回答数は、次の2ページにありますように、764でしたので、回収率は25.5%ということになります。法テラスでは、2008年にもニーズに関する調査を行っていまして、今回はその2回目の調査という位置付けとなっています。ただし、すぐ後で申し上げますように、調査の方法は全く同じではありませんので、単純に比較するのは少々難しい面がございます。   では、調査の内容に移ります。資料の1ページ目、「Ⅱ」の問題の経験です。この調査では、回答者に法律問題の経験を尋ねた後で、そのうち最も重要であった問題一つに対してどのように対応したのかについて尋ねております。資料の1ページ目には、調査票に載せていた法律問題のリストをお示ししておきました。質問文もこちらに載せていますが、「あなた御自身またはあなたのご家族は、最近5年ほどの間に、このような問題について、困ったことや不満に思ったことがありますか」と尋ねています。これは複数回答可となっておりまして、当てはまるものがあれば幾つでもチェックをしてよいという形式になっています。   その回答結果を資料の2ページ目に載せています。有効回答数は764です。リストに挙げた1から38の問題のいずれか一つ以上を経験したと答えた人は764人中349人でした。どのような問題を経験したのかを示したのが、資料2ページの【表1】と、次の3ページ目の【図1】です。3ページ目の【図1】は頻度順に並べてありますので、そちらの方が分かりやすいかもしれません。上位にありますのは「近隣とのトラブル」、「商品やサービスの不足や欠陥」、「職場でのいやがらせ(パワハラ・セクハラ等)」、「交通事故」、「相続、遺言」などです。2008年の調査で上位にあったのは、当時は分け方が違ったのですけれども、「職場での問題」、「相続、遺言」、「近隣関係の問題」、「騒音・振動・日照」など、それから「消費者問題」でしたので、おおむね類似した傾向が見られると言ってよいかと思います。   これを規模別に見るとどうなるのかです。3ページ目の【表2】は、法律問題の経験の有無を「大都市」、「中都市」、それと「小都市・郡部」の三つに分けて示した表です。こちらは無回答を除外しています。これを見ていただきますと、どこも5割前後になっています。都市規模が大きいほど問題が多いというわけではございません。2008年の調査、つまり17年前の調査と比較しますと、まず問題経験者のパーセンテージが上がっています。2008年のときは大都市で32.2%、中都市で24.9%、小都市で20.9%だったということです。ただ、2008年の調査では家族が遭遇した問題は含めていなかったので、そういうことに起因するかもしれませんし、リストの項目を増やしたという事情もありますので、参考程度の比較ということになります。   より重要なのは、大都市、中都市、小都市の間の差が17年前と比べて狭まっているという点かなと思います。どこのエリアも大体同じような問題経験状況であるということです。ただし、経験されている問題類型を見ますと、次の4ページ目ですが、都市規模による違いが見られます。大都市で最も多いのは「商品やサービスの不足や欠陥」、中都市では「職場でのいやがらせ」、小都市・郡部では「近隣とのトラブル」でした。【表4】は、都市規模別の問題経験状況を細かく示した表になります。まとめますと、発生頻度の点で言えば、大都市、中都市以外の地域でも法的問題は同じように生じているということ、ただ、問題類型を見ると地域ごとに違いがあることが言えると思います。   それに対してどういう処理・解決をしたかということですが、資料の5ページ目、「Ⅲ 問題の処理・解決」をご覧ください。司法アクセスと関係する、問題の処理・解決の方に移ります。司法アクセスにもいろいろなものがあるのですけれども、ここでは相談と、法的手続の利用の二つを取り上げています。回答者にとって最も重要な問題を選んでいただいて、その問題を解決するためにどのようなことをしたのかを尋ねています。回答者が最も重要なものとして選んだ問題として一番多かったのは「職場でのいやがらせ」でした。「相続、遺言」が2番目、「近隣とのトラブル」が3番目になっています。それがどこに書いてあるかなのですが、6ページ目に問題類型の相談率の表(【表7】)があり、そこに実数を記載しています。   その問題について誰かに相談をしたかどうかを尋ねているのですが、その回答を都市規模別に示したのが5ページ目の【表5】と【表6】です。そのうち大都市では相談率が75%に達しているのに対して、中都市が6割未満にとどまっています。中都市では、相談していない人の割合がやや高いということになります。弁護士・司法書士への相談に絞ったものが【表6】です。こちらでも中都市では低くなっています。相談先として最も多いのはどこなのかというと、これはまず「家族・親戚」です。それで、以下こちらの資料に示しましたように、「友人・同僚」、「国、都道府県、市区町村などの相談窓口」、「その他」、それから「弁護士・司法書士の事務所」の順になっています。   回答した337人のうち、弁護士又は司法書士に相談したのは28.8%になっています。これは【表6】の合計のところです。この数字は第1回の2008年の調査とほぼ変わっておりません。この「弁護士・司法書士に相談」についてなのですけれども、この調査は調査票の設計上、残念ながら、はっきりとした数字を示すことができません。そのことを5ページ目の脚注1に書いておきました。簡単に申しますと、国や自治体の公的相談窓口という選択肢がありまして、そこに弁護士・司法書士がいる場合と、いなかった場合の両方があり得ることになります。それを踏まえて、【表6】では2種類の数字を示しております。弁護士・司法書士への相談率を都市規模別に見ますと、大都市で高くて中都市で低い傾向が見られます。ただし、大都市における相談は公的相談窓口を経由している場合が多く、公的相談窓口を除くと、割合はかなり低下してしまいます。   次の6ページの【表7】のところに問題類型別の相談率を示しております。実数が10件以上の問題類型に限って言いますと、弁護士・司法書士への相談率が高いのは「相続、遺言」、それから「介護」、「離婚・関係破綻」、「土地・建物の売買、建築・改築」、「借金」となっています。他方、弁護士・司法書士への相談率が低いのは「賃金、残業代、退職金」、「職場でのいやがらせ」、「商品やサービスの不足や欠陥」、「職場や働き方に関する上記以外の問題」です。   一般に、当事者が契約関係にある場合に相談率が低いように見えます。売買契約や雇用契約等の契約関係で問題が起こった場合、そうでない場合と比べて第三者からの支援を受けにくい構造にあると言うことができるかもしれません。それから、この表には直接には表れていないのですが、弁護士・司法書士への相談率について、重要と思われる点を【表7】のすぐ上に記しておきました。それは若年層、29歳以下ということになりますが、弁護士・司法書士への相談率が非常に低いという点で、今回の調査では約3%しかありませんでした。これは人数で言うと35人中1人だったということです。先ほどの村田様のお話とも関連する点かなと思います。   どこにも相談しなかった人に対しては、なぜ相談しなかったかについて質問しています。これが7ページ目の【図2】と【表8】です。【表8】は都市規模別に肯定回答の割合を示したものになっています。サンプル数は少ないのですが、都市規模によって肯定回答の割合がかなり異なっていることがお分かりになるかと思います。特に、地域差という意味では、「手続が難しそうだったから」、「自分で解決したかったから」という項目で比較的大きな差が見られます。なお、「時間」や「費用」については年齢の若い層が気にする傾向があり、逆に、「他の人に知られたくなかったから」という理由は、年齢が高い層で多くなっています。この年齢層による違いについては、2008年調査でも同様の傾向が見られます。   調停や裁判の利用につきましてはサンプル数が少ないという事情もありますので、簡単にお話をするにとどめたいと思います。8ページ目の【図3】のとおり、調停・裁判をした人は約1割でした。ここでは、調停や裁判をしなかった理由に関する質問への回答について、結果を【図4】の方で示しておきました。肯定的な回答をした、つまり調停や裁判をしなかった理由として当てはまると答えた人なのですけれども、これは幾つかの項目で半数を超えています。「時間」と「費用」、それに加えて「精神的・心理的負担」も肯定回答が半数を超えているということになります。特に小都市・郡部で「精神的・心理的負担」を挙げる人が多くなっています。   最後に、9ページに地域差を示した表を挙げておきました。こちらを見ますと、統計的に有意な差ではないのですが、幾つかの項目で違いが見られます。先ほどの「精神的・心理的負担」のほか、「手続が難しそう」という項目でも肯定回答が小都市・郡部の方で多くなっています。それとは逆に、大都市では「自分で解決したかったから」という項目で肯定意見が多くなっていまして、この点は相談と似たような傾向が出てきています。   「おわりに」のところは、これは私の個人的な所感ですので、もし時間があれば、質疑応答のところでお答えしたいと思います。 佐藤座長 飯田様、御報告ありがとうございました。   委員の皆様、ただいまの御報告に関して、この場で確認しておきたいことがございましたら、御質問をお願いいたします。   大屋委員、お願いします。 大屋委員 御報告ありがとうございました。6ページの冒頭のところが気になったのですが、ほかのデータからも、弁護士・司法書士がファーストタッチではないというか、ほかの相談窓口に比べるとやや劣後した優先関係にあるのが読み取れるということを前提とすると、契約関係があるから相談率が低いのではないかとお書きになっていますけれども、ほかの公的窓口があるからということの方が大きいのではないかなという気はしました。つまり、例えば、商品の不足や欠陥は大体消費生活センターに行くだろうとか、賃金の問題だったら労働基準監督署へ行くでしょうということの影響の方が大きいのではないかなという気がしたのですが、いかがでしょうか。 飯田氏 契約関係にあるような状況で発生する問題類型では、公的窓口も含めてほかの人に相談したかどうか、つまり相談率自体が低かったように思いますが、確認してみたいと思います。もし時間内にお答えすることができましたら、また後ほどお答えします。 佐藤座長 では、後ほどお願いいたします。   ほかに確認的な御質問はございますでしょうか。   それでは、私から1点なのですが、お話の中で、中都市が大都市や小都市と比べて特徴があるというお話がございました。データにもそれが表れているのですけれども、中都市では弁護士や司法書士への相談率が低くなっていて、その理由をお尋ねしようと思います。一つの可能性は、御報告の中であったように、公的な相談窓口への相談、公的な相談窓口に弁護士や司法書士がいて、そこに相談をしていることが多いか少ないかということによって、弁護士・司法書士への相談率が影響を受けているという解釈が可能なのですけれども、そのような理解でよいのかどうか。つまり、逆に言うと、大都市や小都市では公的な相談窓口での相談率が高いので、弁護士・司法書士への相談率が高くなっている、中都市はその逆であるとすると、仮に中都市で弁護士や司法書士、法律専門家への相談率を高めるためには、この公的な相談窓口の媒介のチャンスを増やすことが効果的なのかどうか、そういう政策的なインプリケーションが導かれるのかどうか、その辺りについての飯田様の御所見を伺えればと思います。 飯田氏 中都市でこの数値が低くなっている理由として、はっきりとしたことは正直なところ分かりません。一つの可能性としては、先ほど佐藤座長がおっしゃったことですね、公的相談窓口なのかもしれません。ただ、中都市といってもいろいろな場所があります。個々の背景事情ははっきりとは分かりませんので、ちゃんとしたことは申し上げられないのですが、一つの可能性としてはあるかなと思いました。 佐藤座長 では、大屋委員の御質問については後ほどお答えいただければ、お願いをしたいと思います。   ほかはよろしいでしょうか。   では、飯田様、御報告ありがとうございました。   では、最後のヒアリングになりますが、それでは、次は法テラス常勤弁護士であり法テラス千葉法律事務所に勤務されている金澤万里子様からのヒアリングになります。金澤様からは、長崎県対馬市や千葉市で常勤弁護士として勤務されている中で実際に携わった司法ソーシャルワークの活動について御報告をいただきます。また、金澤様の御報告の後に法テラス本部から、法テラスとして司法ソーシャルワークを広げていく上で課題と考えている点についても御説明をしていただきます。   まずは金澤様、よろしくお願いいたします。 金澤氏 法テラス千葉の金澤です。私は、スタッフ弁護士として法テラス対馬に約7年、法テラス千葉に約3年いました。まずは、対馬の活動から報告をさせていただきます。対馬は、朝鮮半島の南に浮かぶ長崎県の離島です。人口は、私が赴任した2016年当時、約3万4,000人でした。高齢化率は約32%、当時の全国平均の約28%を大きく上回っていました。単身独居の高齢者、子どもはいるけれども、みんな島の外に出ていってしまっている、そういう高齢者がたくさんいました。   成年後見制度という制度があります。認知症等で判断能力が衰えた高齢者等に、裁判所から選ばれた成年後見人が、その高齢者の財産の管理や身上保護を行う制度です。2016年10月当時の対馬市内の成年後見制度の利用者数は、補助、保佐、後見、全て合わせて10名程度でした。新規の後見申立て件数も直近2年間は毎年0件という状況でした。なぜこんなにも成年後見制度の利用が少ないのか、高齢化率からいっても、もっと需要はあるはずだ、赴任した私がまず初めに思ったことでした。どうして後見制度の利用が少ないのか。見えてきたのは、制度の利用に対する島民の敷居の高さでした。   「そんな制度を使ったら笑いものになる」、「裁判所で手続するだと、訴訟沙汰にでもする気か」、申立てを勧めにとあるお宅を訪ねたときに、集まってきた親族から言われた言葉です。また、福祉職の人たちからも後見制度に対するマイナスの発言が聞かれました。「後見制度があることは知っています、でも難しそう、よく分からない、いい制度という実感がない」、そんな声が聞かれました。後見制度が島の中には全く浸透していませんでした。本当に後見制度を必要としている人に制度が行き渡っていないのではないか、私が当時抱いた問題意識でした。制度の浸透と利用の促進、これが課題となりました。   そんな中、裁判所の書記官からこんなことを言われました、「先生、申立てが増えても対馬には後見人の成り手がいませんよ」。対馬では、弁護士は法テラスと日弁連の公設事務所の二つのみでした。後見制度を担っている司法書士や社会福祉士も、当時は0人という状況でした。専門職の成り手がほとんどいなかったのです。そこで、私は思いました、だったら受け皿も作ったらいい。後見人の成り手である受け皿の整備、これも課題となりました。受け皿の整備に当たり私が目標としたのは、対馬市社会福祉協議会による法人後見の実現でした。対馬では、弁護士も司法書士も社会福祉士も少な過ぎました。そうであれば、地域に根づいた社会福祉協議会が法人として成年後見人になっていくのがいいのではないかと考えました。   さて、この二つの課題をクリアするために島の人たちとの活動が始まりました。まず、島の人々に後見制度について知ってもらわなくてはなりません。法テラス長崎地方協議会in対馬というイベントを開催し、後見制度についてのパネルディスカッションを行いました。また、老人クラブや福祉専門職向けの研修会等で後見制度についての研修を次々と開催していきました。受け皿の整備については、委員会を立ち上げました。メンバーには、スタッフ弁護士、医師、市役所職員、福祉職の人たちなどが加わりました。家庭裁判所の調査官や書記官もオブザーバーとして加わってくれました。月に1~2回、委員のメンバーで集まり、どのような法人後見にするかという組織の在り方を練りに練り、考えに考えました。その間、少しずつですが後見制度も浸透していきました。そして、2019年7月に社会福祉協議会の内部に相談窓口と法人後見を担う機関として権利擁護センター対馬が開設されました。これがテープカットの様子、これが記念式典の様子です。壇上で対馬市長が挨拶をしてくれました。   さて、開所して以来、権利擁護センター対馬には、「自分の利用者さんでいつも通帳をなくす人がいる」、「後見制度の申立てをお願いしたい」、「親族がいないので今後に備えておきたい」、そういう相談が殺到しました。僅か2~3年前に後見制度って何という状態だった島で、制度の浸透は肌で感じられるほど急激なものでした。島内の後見申立て件数もみるみる増えていきました。対馬市社会福祉協議会が法人として受任をした件数は、私が対馬を出る直前の2023年3月末時点で計53件に上りました。後見制度そのものが浸透しておらず、ましてや法人後見なんて誰もが必要ないと思っていた対馬では、僅か2年半で権利擁護センター対馬が作られました。長崎県内一、全国一の後見後進地域だった対馬には、全国の自治体からも視察や問合せが殺到しました。厚生労働省からも度々ヒアリングを受けるようになりました。   スタッフ弁護士として、私が対馬で行った活動は実にシンプルなものでした。地域課題を発見し、その課題を地域の人たちと取り組む、そして、その地域に仕組みを作っていく、そういう活動になります。これが私の対馬での活動の一つです。   2023年6月に、私は対馬から千葉に異動となりました。離島から一転、県庁所在地の千葉市に赴任となり、当初スタッフ弁護士として何をしたらいいのかと悩みました。しかし、弁護士がたくさんいたとしても、ほとんどの弁護士が扱わない分野があります。例えば、精神障害者の強制入院の問題です。いわゆる刑務所等の刑事収容施設に収容されている被収容者は全国で約4万人います。その一方で、精神科病院に強制的に入院をさせられている精神障害者は約13万人います。そして、そのほとんどの精神障害者は、弁護士による適切なアドバイスを受けることなく精神科病院に隔離されているという実態があります。こうした刑事収容施設の被拘禁者の実に約3倍もの精神障害者が強制入院させられているという問題は、ほとんどの弁護士ですら知りません。   各弁護士会では、こうした精神障害者が病院の中から弁護士を呼んだときに、弁護士会から弁護士を派遣する精神保健当番弁護士制度が作られています。千葉でもあります。しかし、千葉ではその担い手は少なく、全部で1000人近い弁護士がいる中で、この制度を担っているのは僅か25名という状況です。今、私は都市型法テラスのスタッフ弁護士として、この精神障害者の問題に取り組んでいます。都市部であっても、弁護士がたくさんいる地域であっても、担い手がまだまだ少ない分野が存在します。そうした分野で積極的に取り組むことこそ、都市部に置かれたスタッフ弁護士の使命であると思っています。 髙橋本部事務局長 それでは引き続き、今報告がありました司法ソーシャルワーク活動を広げるに当たっての課題につきまして、法テラス本部事務局長の髙橋より補足して御説明申し上げます。課題としましては大きく3点、引継ぎの課題、全国展開が困難であるという課題、人的資源の課題、この3点ございます。それぞれ御説明いたします。   1点目、引継ぎの課題ですが、スタッフ弁護士を含む法テラス職員にも関係機関の方々にも人事異動がございます。これにより人的関係が途絶えてしまい、連携関係が希薄になるといったことがございます。人事異動に当たりましては、それぞれの機関との挨拶の機会を設けるなど工夫をしているところでもありますけれども、従来どおりの連携を行うことができない場面もございます。また、スタッフ弁護士については、1年間の養成を終えたばかりの若手の弁護士から職務経験20年を超える弁護士まで、様々な弁護士がおります。そして、それまで得てきた経験も様々です。それに加えて、各弁護士には得意分野もございます。法テラスとしましては、様々な弁護士が様々な業務に取り組んで、それぞれが得意分野を作っていくことは、法テラス内部においても多様な価値観をもたらして、組織の内部に柔軟性や組織全体としての適応力を維持・強化するにとって有用なことと考えています。他方、スタッフ弁護士は司法過疎地を含めた全国各地に配置するため、人事異動により配置転換をすることも、全国あまねく法的サービスを提供するという法テラスの使命を果たすため必要なことであり、避けられません。   このような人事異動や個々の職員の差異による連携関係の希薄化に対して、関係をしっかり引き継いで、後任者にもそれまでの経過とともに経験を伝承することを途切れさせないことにするため、現場では個別に工夫をしておりますが、それとともに組織的な対応をすることが必要であり、また、そのために関係機関に御協力いただかねばならないということが課題となっているところであります。   2点目、取組を全国展開することが困難であるという課題ですが、スタッフ弁護士は赴任している地域の実情も様々であり、期待されている役割も異なっております。地域によっては、当該地域の弁護士の数の実情から、スタッフ弁護士には専ら民事法律扶助事件や国選弁護事件の担い手としての役割が期待されているといったところもあります。そうしますと、個別事件の対応で手一杯となってしまって、それに加えて司法ソーシャルワークの活動を実施することはなかなか難しいということがございます。また、地域ごとに法テラスを取り巻く環境や人的・物的リソースも異なっております。さらに、各自治体や関係機関が置かれている状況、あるいは地域課題も様々です。そうした中で、ある地域の成功事例、これがそのままほかの地域に適用できるかというと、必ずしもそうではありません。このような点で、全国展開をすることが困難であることが課題となっているところです。   最後に、人的資源の課題ですが、近年一般職員も弁護士も同様に、就職活動市場が売手市場となっていること、就職活動が早期化していること、転勤を敬遠する方が増えていること、大都市志向が強まっていること、そういった諸般の事情から、スタッフ弁護士を含む職員採用については非常に厳しい状況が続いているところです。法テラスにおきましては、このような状況に対応するべく、採用に向けた広報活動の強化をするなど、可能な限りの努力と工夫を続けておりますが、今後も厳しい状況が続くであろうと考えております。また、スタッフ弁護士については、仮に数を確保できたとしても、現在のスタッフ弁護士の定数のみで全ての自治体と連携事業をするとともに受任した事件対応をするということは現実的には不可能です。そのため、法テラスが実施する司法ソーシャルワーク活動への一層の理解と一般契約弁護士等による協力が必要となってきます。   なお、法テラスでは、本日お配りしている資料3-1記載の例のとおり、福祉機関等の関係者が集まって問題を抱える人へ取組方針を検討するケース会議に一般契約弁護士等を含めて派遣する取組を行っておりますが、これは、現在は寄附金等によって実施しております。この取組を持続可能なものとするための方策についても、全国展開をする課題とともに、人的資源の確保のために重要な課題であると認識しています。   以上をまとめますと、司法ソーシャルワークの取組を進めるためには、中長期的にはスタッフ弁護士や一般契約弁護士等の担い手の層を今以上に厚くしていくことが必要であり、また、弁護士等専門職も含めた核となる法テラス職員の人材確保も必要であり、そのための体制整備が急務となっております。そして、地域に根差した持続的・総合的な取組を進めるため、自治体や関係機関等の御協力も得ながら、法テラスとの人的交流を実施するなども考えられます。さらに、各地域の一般契約弁護士等から法テラスの中に入って役割を担っていただく方法なども考える必要があると思われます。   法テラスとしましては今後、有識者の皆様の御提言を頂き、このような課題への対応をより進めていくことにより、司法ソーシャルワーク活動を拡大し、全国において司法アクセスを確保・改善していきたいと考えておりますので、よろしく御検討いただきますようお願い申し上げます。 佐藤座長 ありがとうございました。   では、ただいまの金澤様の御報告と、それから法テラス本部からの御説明に関して、この場で確認しておきたいような御質問があれば、よろしくお願いいたします。   猪之鼻委員、よろしくお願いします。 猪之鼻委員 金澤先生、御報告ありがとうございました。先生が対馬に赴任されて活動された結果が法人後見につながっていったのだと思っております。お聞きしたいのは、2023年度の離任時点で53件の後見につながっているということでしたが、社会福祉協議会の権利擁護センターは何人で御対応されているのかというのがお聞きしたい1点目です。また、今後、高齢化率が更に進んでいくと考えられますけれども、社会福祉協議会だけで足りるのか、それとも次なる施策を考えて離任されたのかという点をお尋ねしたいです。 佐藤座長 金澤様、よろしくお願いします。 金澤氏 御質問ありがとうございます。まず初めに、人員体制の問題ですけれども、専門員、社会福祉士資格のある職員を1名と、資格はないけれども、その下に補助の人員を2名と、初めは全部で3名体制で権利擁護センター対馬をスタートしております。その後、市民後見人の育成の方を、私が対馬を出る頃から始まっていまして、その市民後見人として今後ひとり立ちしてもらう方たちを、まずは補助員として、例えば毎月の定期訪問とかそういったものを行ってもらうという形で、市民後見人候補を社会福祉協議会の中で取り入れていくという体制を今進めている状態です。 佐藤座長 よろしいでしょうか。   生水委員、よろしくお願いします。 生水委員 髙橋本部事務局長に伺いたいのですが、スタッフ弁護士等の採用困難というところで、最大の課題は何でしょうか。スタッフ弁護士をされていた先生が、スタッフ弁護士は給料制なので損得関係なく思い切り働けるが、事務所を持つと法律扶助案件は心配でなかなか受けられない。スタッフ弁護士にはそういったメリットがあるとおっしゃっていたのです。それでも、採用が難しいという最大の課題について教えていただければと思います。 佐藤座長 では、お願いします。 髙橋本部事務局長 こちらは第1回の有識者検討会で丸島前理事長からもありましたとおり、弁護士の方が全体的に大都市での志向が強まっているという点が一番大きいのかなと思います。法テラスはどうしても全国転勤がございますので、その点で、そもそも転勤をしたがらない、転勤を忌避される傾向があるので、応募に至らないということもあるのかなと思っております。また、業務の内容についてもこの間、広報には努めてきているところですけれども、まだまだ十分に弁護士志望者の中に浸透し切れていないところもあるかと思っていますので、それも課題かなと思っております。 佐藤座長 ほかはいかがでしょうか。   谷口委員、お願いします。 谷口委員 髙橋本部事務局長と、それから金澤弁護士と、1個ずつ質問なのですが、法テラスの方には、ケース会議の弁護士派遣モデル事業の持続可能性ということを先ほどおっしゃられたと思うのですが、最初、寄附金で実施をしていて、途中で自治体に予算化を促すという試みも、少なくとも私が法テラスにいたときはしていたと思います。その後、結果的に自治体の方で予算化されたケースはどのくらいあるのでしょうか。 髙橋本部事務局長 今手元に数字はないのですけれども、数か所ございます。 谷口委員 金澤弁護士に質問なのですが、各スタッフ弁護士がそれぞれいろいろな司法ソーシャルワークの取組をしていると思うのですが、どのようにして報告するのか、あるいはそれを受けて法テラスの方がどのように評価するのかといったことの現状は、今どのようになっているのでしょうか。 金澤氏 まず、年に1回、全国のスタッフ弁護士がめぼしい活動を報告する全国経験交流会というものがありまして、それで全国規模でスタッフ弁護士の活動が共有されています。あとは各地域で、長崎ですと長崎中のスタッフ弁護士でソーシャルワークの共有をしようという取組は、私の赴任しているときにありました。ただ、課題の中にもあるとおり、どうしてもその人、属人的なところでのソーシャルワークの発展というところになり、かつ、うちではこういうことをやっているよといっても、それがほかのところに共有された上で普及するかというところは、引き続きの課題かなとは思います。 佐藤座長 ほかはいかがでしょうか。   板東委員、お願いします。 板東委員 髙橋本部事務局長にさせていただきたいのですけれども、スタッフ弁護士の場合には転勤があるということで、この転勤問題というのは非常に人材確保の上でも大きいと思うのですが、今平均してどれぐらいの期間の中で、スパンの中で動いているのか、この辺りについて最近の状況を教えていただければと思います。 髙橋本部事務局長 転勤については、個人差もかなりありますし、それ以外の実情に応じてなのですけれども、大体平均すると2年から3年ごとに転勤される場合が多いです。 板東委員 転勤の話はまた後でいたします。 佐藤座長 そうですね、今の御説明を踏まえて御意見・御提案等があれば、後ほどお願いできればと思います。ありがとうございます。では、改めまして、金澤様、どうもありがとうございました。   4名の方からヒアリングを終えましたので、ここからは質疑応答と意見交換の時間とさせていただきたいと思います。   まずは、ただいま御報告いただいた4名の方について、既に幾つか御質問いただいておりますけれども、御報告内容について御質問がございましたら、挙手にて御発言をいただければと思います。オンラインの御参加者の方には、Teamsの挙手機能を使って御発言をいただければと思います。なお、御質問の際には、どの報告者への質問であるかを明示していただけますと大変有り難く存じます。   まず最初に、先ほど吉武様の報告に関して板東委員からの御質問がございました。御報告の中で、雲仙市包括支援センターに対して、弁護士不足によって課題があるということでございましたけれども、法律相談の待機時間が長くなるなど、そのことについて板東委員の方から、例えば長崎の本庁にいる常勤弁護士の活用であるとか、あるいは県内の弁護士のオンラインでの相談等という可能性について、どのようにお考えになるのかという御質問がございました。この御質問、一般的に言いますと、地域の弁護士をどう充実させていくかということについて大変重要な御質問であったかと思いましたので、少し議論させていただければと思いますが、まずは吉武様、この板東委員の御質問について何か御説明あるいは御示唆がございましたら、よろしくお願いいたします。 吉武氏 そういった県の常勤弁護士への相談というのは、僕は存じ上げていなかったので分からなかったのですが、民事法律扶助に関しましては、今、島原市の個人弁護士事務所の方が、法テラスとの契約といった形で受けてくださることも増えております。 佐藤座長 それでは、板東委員の方から、更に吉武様への御質問があるか、あるいはそうでなければ、この有識者検討会として検討すべきことについての御発言があれば、お願いいたします。 板東委員 理想的には、その地域におられる方にフェイス・トゥ・フェイスで御相談をするということだと思うのですけれども、遠隔地であったり過疎地域であったりという場合に、最近、医療に関しても遠隔医療の問題であったり、いろいろな意味で工夫をせざるを得ない状況も出てきているのかなと思います。例えば、オンライン等の活用などというのをどれぐらい高齢者に対しても広げていくことができるのか、これは、かなりそれをサポートする人も必要になってくるということも、例えば福祉の側で、ということもあるかとは思うのですけれども、そういうことも含めて考えていかないと、先ほどの時間的な点でかなり待たざるを得ないというような問題が、実際なかなか物理的なところで配置が難しい中で、いろいろな方法を考えていかざるを得ないのかなと思います。この辺りについて何かお考えなどございましたら、教えていただければ有り難いなと思います。あるいは、実状から見て、なかなかそういうところは難しいということがあれば、お教えいただければと思います。 佐藤座長 理想からいえば、その地域における弁護士・司法書士の資源を充実させることが重要なわけですが、遠隔地等でそれが難しい場合に、そういった地理的なバリアというものをどういうふうに越えていくのか、様々な工夫が必要ではないかと、こういう御指摘であったと思います。   まずは、今日の事務局資料にも含まれている現在の実績について、何か補足の説明があれば、これは事務局の方で、よろしいでしょうか。 青木参事官 事務局でございます。資料でいうと、資料3-1の中の「地域連携の例(3)」でお示しをさせていただいていまして、オンラインアクセスポイントという形で、自治体との連携による法律相談の実施方法という形でお示しをさせていただいております。こちらは書かせていただいたとおり、2020年12月に初めて開始されまして、現在は全国10か所の自治体となっております。また、隣のページに設置市町村の民事法律扶助実績として挙げさせていただいておりまして、地図が、例えば青森県が載っておりますけれども、こちらにつきましては、例えば法律相談の件数を人口1,000人で割って、その密度が高いものが濃くなるという図となっていまして、この黄色の丸がその設置ポイントとなります。   また、上の表ですけれども、こちらは、第1回の中で、法律相談を実施したけれども、この代理援助につながっているかという点について課題がありましたところから、法律相談援助のうちの代理援助の件数の割合を示していまして、例えば、設置ポイントではない青森市でありますと36%、これは全国と大体同様でございますが、三沢市とか十和田市はそれよりも低くなっております。こちらについて、それぞれのところからアンケートをとったわけではございませんので、原因としては必ずしも定かでないですけれども、そのパーセンテージとして、事務局としてお示しさせていただいているところです。 佐藤座長 既にオンラインアクセスポイントということで試行的な取組がなされているということですが、このことに関わって、現在、全国10か所ということのようですけれども、これを全国展開していく上での課題であるとか、あるいは御提案とか、それぞれのお立場からのお気づきの点があれば、御意見を頂戴したいと思います。   大屋委員、お願いします。 大屋委員 先ほど金澤先生から共有の話をいただいたのですけれども、一つだけ簡単に伺いたいのは、その際に失敗事例とか、その要因は共有されているのでしょうか。 金澤氏 法テラスのスタッフ弁護士同士が司法ソーシャルワークの共有をするときに、失敗事例も共有されているかということですよね。スタッフ弁護士間で個々の共有のときに、もちろん、例えば事件も含めて、ソーシャルワークに限らず、活動の中でこういった失敗があるというような共有はあります。ただ、一方で全国経験交流会等で発表される事例で失敗事例の報告があるかというと、必ずしも多い割合は占めていないという印象はあります。 大屋委員 ありがとうございます。やはりそうなるだろうと思いまして、大体失敗したことは人に言いたくないわけですね。ただ、組織の観点から言うと、どういうケースでどういう状況のときに成功して、どういうときにどういうことをやったら失敗したかという両方のデータが非常に重要であると、髙橋本部事務局長がおっしゃったように、特に弁護士さんの個人的な能力が重要であったり、地域特性が重要であったりすると、必ずしも中央からあれをやれ、これをやれというふうには言えないのだけれども、だからこそ分権的に、自分たちのいるところはこうで、自分の能力はこうだから、こういうことはきっと有効だろうなという判断ができるような状況整備というのを、恐らくこれは中央の側できちんとしていかなければいけないということだと思うのです。   その点で、オンラインアクセスポイントの話に戻るのですけれども、一般的にこれはすごくいい取組だと思いますし、特に地方自治体は1,700以上あって、全国津々浦々をカバーしますので、ここと手を組んでそのアクセスを増していくということは非常に有効な取組になるだろうと思います。ただ、この資料を見て最初に思ったのは、何で二宮町かということでして、二宮町は小田原まで3駅ですから、行けばいいだろうというところがあると、一見して非常に有効そうな、例えば北海道とか岩手とか広いところではなくて、何で小田原でやったのかというのは非常に気になるわけです。そういう辺りで、もちろん要因分析をするために、広くてアクセスが大変そうなところと、そうでもなさそうなところと両方とりましたみたいに、意思決定に基づいてやっているのだったらいいのですが、そういうことなのかどうかは結構気になります。   それと、連携の仕組みを進めるときに、弁護士個人の実力頼みにしてしまっていると、やはり続いていかない、あるいは横に広がらないということがあり、連携の中枢として、地方の側でもう出来合いの組織なんかがあれば、それに乗っかっていくことを考える方が有効であろうと、例えば、社会福祉協議会はもう全国津々浦々にあるわけですから、そういうところと顔の見える関係を作っておく、中に入っておくということは考えるべきではないかと思います。   たまたまですが、昨年秋の行政事業レビューで厚生労働省の重層的支援体制整備事業というのを扱いまして、これは医療とか、介護とか、障害とか、あと困窮という問題が事例では複合的に起きるものだから、それを支援する組織間でちゃんと連携するようにしましょうという事業なんです。だから、病院とか、介護施設とか、地域包括支援センターとか、そういうところをつなげていきますという事業なのですが、資料全体を確認したのですけれども、法テラスのほの字も出てきませんでして、困窮とか生活保護が問題としては意識されているのですが、地域作りの方に行ってしまって、老人クラブとかが出てきます。これを厚生労働省が見ていないのもどうかという話ではあるのですけれども、よその省庁だということで顔が見えていないところがあるのだとすれば、それは改善していった方がよろしいかなと思います。 佐藤座長 種々、重要な御指摘だったと思います。成功事例だけではなくて失敗事例も含めてこの場で共有するということは、課題の認識とそれに対する対応策を考える上で非常に重要な御指摘だったと思います。関係機関には是非そういうスタンスで、よろしくお願いできればと思います。それから、オンラインアクセスポイントの選定理由につきましては、後ほど関係機関の方から御説明いただければと思います。3点目として、弁護士個人の実力頼みということではなく、組織にある様々な社会資源を利用していく、あるいは組織的な資源を利用していくことの重要性も、これも御指摘のとおりだと感じました。最後に、省庁縦割りではなく、生活者の視点に立った総合的な取組という観点から、法テラスが果たすべき役割を考えていく必要があると、これもこの有識者検討会として検討すべき重要な御指摘だったと感じました。   それでは差し当たり、確認的な御質問でしたけれども、オンラインアクセスポイントの選定基準について、何か補足の御説明があれば、よろしくお願いいたします。 髙橋本部事務局長 まず前提から少しお話をさせていただきますが、法テラスでは、各地方事務所ごとにですけれども、司法アクセスの地域課題を分析して、利用し得る支援センターの人的・物的リソースを踏まえた地域課題の解決策と行動計画の策定を行っているところです。御指摘いただいたオンラインアクセスポイントの設置につきましては、人口当たりの法律相談援助件数が少ない地域、こちらを抽出した上で、交通アクセスが悪いですとか、あるいは弁護士を派遣することが容易でない、あるいはその他様々な事情に基づいて、当該地域の自治体と協議をしまして、相談が実施できるように協定書を締結するなどして連携を構築しているということになります。この際、先方の自治体の方にも御協力を求めなければなりません。例えば、相談する場所ですとか、あるいは機材ですとか、あるいは相談者が来たときの対応ですとか、そういったことがございます。また、受け手となる弁護士の方の確保も必要になります。こちらは弁護士会・司法書士会と協議をしまして、受け手となる方を確保するということが必要になってきます。   そうしたことに基づいて行っているところですが、先ほど少しおっしゃられた、例えば二宮町につきましては、今日お配りしました資料3の6ページ目を御覧いただきますと、こちらは令和6年度になりますが、二宮町、人口1,000人当たりですが、法律相談の援助件数が1.41とあり、お隣の小田原市が2.58というところで、大分差があるところであります。この二宮町については、弁護士が少ないことに加えて、さらに、自治体においても定例の法律相談会を実施していないといった事情があったこともあり、自治体の方から申出もありまして、月1回程度でオンライン相談会を実施するに至ったと承知しております。その他の地域につきましても、今申し上げた個々の様々な事情に基づいて、実施を順次進めているところでございます。 佐藤座長 よろしいでしょうか。ほかに御質問がございましたら、お願いいたします。   大村委員、お願いいたします。 大村委員 課題の中でも指摘をされていましたけれども、人事異動があって、なかなか引継ぎが難しいということがありました。今回発表いただいた非常にうまくやっていらっしゃる事例として雲仙市、それからきみまもにおいて、法テラスの弁護士の方も異動しますし、自治体も異動がありますので、その点についてどのような工夫をされているかという点があれば、御紹介いただきたいと思います。 佐藤座長 御質問は、村田様に。 大村委員 はい。 佐藤座長 では、お願いします。 村田氏 法テラスの弁護士の方も東京都の方も、人事異動があるというのは全く御指摘のとおり大きな課題でございまして、法テラスとの本格的な連携が始まってから1年になりますけれども、実はその間でも法テラスの派遣弁護士の方が異動されて、別の方が入っているという状況があります。そこは法テラスの側で恐らく工夫をしていただいているところがありまして、週1回いらっしゃる弁護士の方が特定の人に偏らないように、今たしか3人か4人ぐらいの弁護士の方で回していただいているはずです。そうなると、お一人の方が異動されても残りの方がきみまものことを知っているということで、そういうふうにオーバーラップしていくのが重要なのかなと思います。東京都の側も、私はこの春異動したのですが、昨年まで一緒にやっていたチームの人間は残っておりますし、それと、実は後任を今日同席させて、話をがっちり聞かせているのですけれども、一般的な話になるかもしれませんが、そういった工夫が重要かなと思います。   それに加えて、今日御報告の中でもお話ししたような、きみまもとしての支援の考え方の基本的な部分であるとか、あと法テラスとの間で今培いつつあるものについて、きちんと関わっているメンバー皆で共有していくことが大事かなと。単に人がオーバーラップするだけではなくて、そういったベースとなる考え方の部分をきちんと引き継いでいく、これが大事だろうと思っております。そこが上辺だけになってしまうと結局、人が入れ替わる、入れ替わらないにかかわらず、だんだん良いものが薄まっていくのかなと考えております。 佐藤座長 今のお話を伺いますと、法テラスの事務所に複数の弁護士がいるということが、一人だけで全部替わってしまうということではない工夫としては重要かなという印象を持ちました。   それでは、時間の関係もございますので、もちろん御質問も含めてになりますけれども、意見交換の時間に入らせていただきたいと思います。   申し訳ありません、見逃しておりました。諏訪委員から御質問がございました。よろしくお願いいたします。 諏訪委員 法テラスにお伺いしたいのですけれども、法テラスも含めて法律家がいない地域が多いというのは、これは法テラスの予算が不十分なのでそういうところまで配置できないのか、それとも法テラスの、言いにくいのですが、弁護士に対する給与が低いので行きたがる弁護士が少ないのか、それとも給与が平均以上は出しているのだけれども、弁護士の都会志向が強いために、なかなか行ってくれる弁護士が見つからないのか、どういった要因で法テラスなりが地方に十分な人を置けないという理由になっているか、お教えいただけますでしょうか。 髙橋本部事務局長 こちらは先ほどの御質問の回答とも重複する部分かもしれませんけれども、御指摘の中で申しますと、全体的に弁護士になろうとする方もそうですし、なった後も現在そうですけれども、どちらかというと大都市志向が強まっている点が大きいのかなと思います。さらに、転勤に対して忌避感を覚える方も非常に増えているということが大きな要因かなと考えております。給与につきましては、こちらは規定上ですけれども、同期の裁判官と検察官、これと同じ水準の給与を支給しており、また、その他手当も支給しているという状況でもありますので、その点で敬遠されているとは現在のところ感じていないところです。 佐藤座長 よろしいでしょうか。   それでは、意見交換の方に入らせていただきたいと思います。本日のテーマの地域における司法アクセスについてと、司法ソーシャルワークに関してになりますが、本日のヒアリング、あるいは事務局提出資料等を踏まえて、この点について御意見を頂戴できればと思います。   それでは、谷口委員、生水委員の順番にお願いいたします。 谷口委員 司法ソーシャルワークは、かなり初期から、自分自身でやるところから後輩たちの支援まで含めて関わってきました。幾つか重大な問題があると思っていますので、その点についてお話をさせていただきたいと思います。端的に言うと、司法ソーシャルワークに関しては大きなねじれがあるのではないかと私は思っていまして、つまり、その意義や効果のすばらしさがある一方で、具体的なものに結びつく形ではほとんど評価されていないという、そういうねじれがあるのではないかと私は常々考えてきました。   まず、意義の点ですけれども、もう少しマクロな観点で、今日皆さんがお話しいただいたところに幾つか付け加えたいことが3つほどあります。一つは、今日は関係機関との連携の話が多かったのですが、依頼者自身にとっても、例えば破産事案で来るというときに、その根本的な原因があるわけで、その原因が解消されなければ、もう一度債務の問題を抱えるようなことがあり得ます。それを根本にある障害だとか、貧困だとか、家庭の問題とか、そういうところを関係機関と連携して、真の長期間の利益を実現していくという点も司法ソーシャルワークのすばらしいところであり、長期的なインパクトがあるところと思っています。もう一つは、行政の効率化にもものすごく役立つところがあって、福祉の人たちだけではどうしても解消しないで長期化している問題について、弁護士が法的な力であったり金銭への介入であったり、そういうようなことをすることによって実現したりすることが可能となることがあります。三つ目には、スタッフ弁護士は幾つもの行政に関わるので、いろいろな行政に、あっちの自治体はこういうことをやっていますよ、みたいなことの広域のコンサルティングみたいな役割も果たすような、そういう役割があったりします。   ただ、こうした活動にはすごくリソースがたくさんかかっています。例えば、金澤さんがやられていたこととかも、すごくシンプルなお仕事とおっしゃったのですが、実際には広告代理店のプランナーであったり、行政だったり、コンサルだったり、時には芝居で役者をやったりとか、弁護士をやったりみたいな、全ての役割を彼女が一人で果たして、それを実現していくということなのだと思います。さっき村田さんがおっしゃられたことも、なかなか村田さんみたいに、法テラスの方から投げかけに対して打てば響くように返してくれる自治体ばかりでないので、情報提供という名で法テラスはいつもいろいろな自治体を回って、その中でようやく反応してくれたところと一緒に連携をしていくみたいな、その1個の成功事例の裏に、50個ぐらいうまくいかなかった事例がたくさんあるわけで、そういうアウトリーチや試行やコーディネーションや調整みたいなもの、すごくたくさんのリソースがかかっているわけです。これについてさっき、大村さんも諏訪さんも岡野さんもおっしゃっていたのですけれども、お金は別に自治体とかからはほぼ出ていないんですね。ケース会議について何か所か予算化されたというのが先ほどありましたけれども、本当にごく僅かで、法テラスの方でそれをある意味支出している、寄附金とかで賄っている状況です。外から予算化されていません。   では内部的にそこが予算の積み上げの中でどのくらい評価されているかというと、それも実はあまりうまくいっていないというのが私の認識で、普通の民事法律扶助を何件やったかとか、そういうようなことでいまだに評価されている実態があります。   だから、司法ソーシャルワーク自身はすごくいろいろなところで意義があるので評価され、話されます。今日みたいな場でこうやって語られたり、いろいろな人が評価をしたり、語られたりするのですけれども、では、それに伴う何か裏付けが公的になされているかというと、自治体からも出ていないし、内部からも出ていないしということがあるのではないかと私は思っています。この問題を、正面切ってどうにかしないと、せっかくこの有意義な実践が廃れてしまうのではないかと思っています。   さっき髙橋本部事務局長が、給与は安くないというようなことをおっしゃられたと思うのですけれども、実際には今の修習生の半分以上が四大事務所と呼ばれるようなところから内定をもらっていて、そちらの方に多くが流れていくので、実際そういうところと比較すると給料は断然私は安いと思います。本当に金澤さんのような仕事には数千万円ぐらい出したって全然おかしくないような、そういう効果を生んでいると思うのですけれども、その辺りが正当に評価されていないので、結果的には、給料を考えずに幾らでも好きなことができるという、要はやりがいだけで勝負しているという実態があります。お金の方では特にサポートされていないので、どんどん目指す人も減っていっているのではないかとも思います。この司法ソーシャルワークの意義と実際の評価とのねじれをどうにかして解消しなければいけないのではないかというのが私の強い思いです。 佐藤座長 重要な御指摘をありがとうございました。幾つかの御質問の希望をいただいていますけれども、今の谷口委員の御発言に直接関わる御発言があれば、お願いいたします。   康委員、お願いします。 康委員 GVA TECHの康です。今のところで、ちょっと鶏と卵みたいな問題があるかなと思っているんですね。弁護士の報酬が安い、ではどこからお金持ってくるのかというところに関連して、自治体で予算化できたと、できなかったとさっき髙橋本部事務局長がおっしゃっていたかなという記憶なのですが、できた事例とできなかった事例の一番の違いって何なのかというところ、今、谷口委員がおっしゃっていたところに関わるところで、予算化できるところがもっと増えるのであれば、もちろん財政も潤沢になってくるので、その分弁護士に還元と、こういうつながりかなと勝手に思っていたので、そこの予算化できる、できないの分水嶺はどこら辺にあるのかなというのをちょっと聞いてみたかったという質問になります。 佐藤座長 お答えいただけますか。 髙橋本部事務局長 こちらは最終的には自治体側の事情なので、私どもの方で正確に、このような理由なのではないかとは申し上げられないところもあると思いますけれども、自治体自体の予算の状況によって、こちらの方に振り分けられることができるか、できないかというところなのかなと思います。 康委員 僕も今、事業会社をやっていて、例えば相手が上場企業だったときに、予算なんてもちろん最初はなくて、それをつくりにいくというか、ある種、お金を頂く側がつくりにいく、この予算の立て付けが何で、なぜこの予算組みをする必要、ニーズがどれぐらいこの会社にとってあるのかというのを僕らがつくっていくという形ではあるのだけれども、そういう活動は法テラス側でやっているというよりは、ある種、偶発的に予算化される場合とそうではない場合があるという感じなのですか。 谷口委員 やっています、実際には、法テラスは、まず寄附金を使って試行の事業をして、その過程の中で、そろそろ予算化してくれませんかという折衝をして、それでも実現したのが数か所という状況です。 康委員 ありがとうございます。理解しました。 佐藤座長 ありがとうございます。谷口委員及び康委員の御指摘は、司法ソーシャルワークは非常に重要な意義・効果を発揮しているけれども、その組織的あるいは財務的な基盤を整備するための取組が必要なのではないかと、こういう御指摘であったと思います。   そのことに関わる御発言があれば、お願いしたいと思います。   生水委員、お願いします。 生水委員 資料9を出しているのですが、今の予算の話を少し先にさせてください。自治体の予算につきましては、第1回有識者検討会の資料で、野洲市がどのような予算活用をしているかをお示ししております。重要なのは、自治体がどういう予算活用をするかを、そのノウハウを伝えていく、しっかり省庁の方が自治体に対して活用の周知徹底をしていくことは必要だろうと思っております。   資料9を御覧ください。先ほどの大屋委員、谷口委員の御意見にも通じるところですけれども、地域における司法アクセスについて、1ページを御覧ください。これも第1回の資料でお示ししました生活困窮者自立支援制度、こちらは全国の自治体の生活の困り事の相談窓口を設置しておりまして、相談員が寄り添いながら、関係機関と連携して支援を行っているところです。ここの相談者の多くが民事法律扶助制度の対象者であるところから、相談員が司法ニーズをキャッチして法テラスへつなぐ役割を担うことは地域における司法アクセスとして大変有効ですし、重要です。また、法テラスが直接対応した相談者においても、福祉的支援が必要と思われる相談者については、法テラスから居住する自治体等につなぐことが求められます。そのためには、法テラスで相談のアセスメントを行って、自治体等につなぐ役割を担うスタッフ弁護士以外のコーディネーター役を担える職員を設置する必要があると思います。この法テラスと自治体等が相互につながれる体制をとることで、法的な問題と生活課題の両面から包括的な支援が可能となります。   3ページを御覧ください。司法アクセスの参考例としまして、自治体の生活困窮窓口と弁護士会の連携につきまして、厚生労働省が発行しているニュースレター48号の事例を紹介しています。まず、愛知弁護士会では生活困窮者自立支援法律支援業務として、愛知県内の自治体に個別に担当弁護士を配置することで、困窮者に対する法律相談、そして支援調整会議に参加されています。担当される杉本弁護士が言われるには、これは生活困窮者支援と司法の理想的な関係であって、司法側としても行政の人が関わることで支援がしやすくなること、そして、一人の方をみんなで助けることで一つのチームとして応援できることをメリットとして述べられています。   次に、4ページを御覧ください。大阪弁護士会でも大阪府内の自治体と連携しながら法律相談業務委託事業を行っておりまして、月1回役所で開く定例相談のほか、随時相談、相談員向けの研修会開催等をされております。弁護士だけでは解決できない事案も、相談員の支援、これがあることで円滑な解決につながるとして、困窮者支援の中で法律相談は絶対ニーズがあるので、全国でもっと活用されるべきであると述べられています。また、特徴的なのは、この法律扶助制度の猶予・免除制度を徹底活用して、相談者の経済的負担の軽減が図られているところです。   次に、1ページ「2」の司法ソーシャルワークについて述べます。包括的な支援の実践には、単独の機関で全て解決できることではなくて、また、自治体の行政サービスは多様で複雑です。このスタッフ弁護士等が相談事例を抱え込むのではなくて、法的支援は弁護士等が担い、生活課題の支援は自治体等の関係機関が担うといった、こうした役割分担をして協力し合うことが必要であって、こうした多職種によるチーム支援の視点がこの司法ソーシャルワークには必要です。そのためにも情報共有の場である支援会議、そして相談者の支援プランを検討する支援調整会議等のケース会議に法律家が参加することで、多職種との連携につながります。   例として、資料3-1のケース会議弁護士派遣モデル事業を先ほど御説明いただきましたが、原資が寄附金のため、継続性の担保がないということでした。そこで予算の話をすると、国はこうした支援調整会議や支援会議に参加した場合には、生活困窮者自立支援事業費等負担金等の中から報酬を支出できるとしているので、こうした厚労省の予算活用も有効です。先ほど御紹介した弁護士会の事業もこの予算を活用されています。 佐藤座長 資料は全員に配布されていますので、適宜おまとめいただければと思います。 生水委員 予算の話で、以上です。 佐藤座長 大変恐縮でした。 生水委員 後でもし個別事例を御紹介できる機会がありましたら、またお願いします。 佐藤座長 ありがとうございます。今の御発言、自治体の現場に即した大変重要な御説明であったと思います。関連の御発言があるかと思いますが、一通り御発言を伺っておきたいと思います。   では、次に猪之鼻委員、よろしくお願いいたします。 猪之鼻委員 日本司法書士会連合会の立場から、地域の司法アクセスの点で、支援リソースの確保について意見を述べさせていただきたいと思います。こちらは司法ソーシャルワークにもつながるのではないかと考えております。   私どもの団体では、平成16年に、司法書士は司法へのアクセスを必要としている人がいる限りこれに応じる責任があるという考えに基づき、司法書士をあまねく存在させる宣言を行ったところです。そして、平成18年度以降、司法過疎解消の取組として、原則5年以上の定住を前提とした司法過疎地での開業支援事業というものを実施してまいりました。その結果、令和8年3月末日現在、105名の司法書士と4つの司法書士法人の開業支援につながっており、司法過疎の解消を今現在も目指しているところでございます。   また、前回検討会での諏訪委員からの御指摘、法律家のリソースに余裕はあるのかという点にも関わってまいりますけれども、法テラスの支援リソースであります弁護士の先生、それから司法書士のブロック別の人数は資料1-7のとおりですが、首都圏においては弁護士の先生と私どもは人数に大きな開きがある一方、中国ブロックであったり、また東北、四国ブロックでは若干司法書士の人数の方が多いという現状がございます。このことから、司法書士は地方に多くいる、支援リソースとして活用できるという点をお伝えしたいと思います。先ほど大屋先生の御発言にもございましたが、地方自治体の数約1,700と法テラスの事務所数、これは本部と地方事務所を入れまして104、スタッフ弁護士も190名ほどと伺っております。場所と数のミスマッチといいましょうか、そういったものもあるのだろうと思っており、地方では法律相談の予約が取りづらい、また、解決までに時間がかかるとの課題があるものと認識しております。   このことから、地方におきましては、地方に事務所を構え、また地域に根づいている司法書士のリソースを活用・連携することが重要だと考えております。もちろん、社会福祉協議会等もその一角を担うものと思っておりますが、まずは、契約司法書士の連携活用を進めていただければ、司法アクセスの拡充・支援リソースの確保につながると考えているところです。   なお、資料2-4も示しておりますが、こちらは民事法律扶助の契約司法書士数の契約率を掲載しています。契約数があまり高くないという点は、私どもといたしましても改善策を検討する必要性を認識しております。 佐藤座長 では、一通りお話を伺えればと思いますので、次に板東委員、その後、寺町委員からお願いいたします。 板東委員 先ほどからの御指摘のように、司法ソーシャルワーク等に関して恒常的に動かしていくためには、やはり予算確保、ある種の仕組み作りということが必要だと思っておりまして、先ほど大屋委員からも御指摘がございましたように、他の分野ともう少し組織立った連携が必要になってくるのではないか。特に省庁でいえば厚生労働省の関係のいろいろな仕組みなどで、もっとそこに司法関係というのが必要なものとして組み込まれていくことが必要だと思っております。それから、これは、実際措置をしても使われるかどうかという問題はあるのですけれども、地方交付税とかそういう中にも、必要な枠組みとしてケース会議的なところへの参加の取組を入れていくとか、いろいろそういう全国的に展開できる可能性を持った仕組みをできる限り利用していくことも、これはむしろ法務省に対するお願いということになるかもしれませんけれども、必要ではないかと思います。   それから、法テラスの側としては、やはり法テラスとしてどういう機能、どういう理念を実現していくのかというのを改めて明確にしていく必要があるのかなと思います。司法ソーシャルワークとかそういうものに対する、どういう取り組み方をしていくのかということを、地方によって違いますというだけではなくて、法テラスとしては最低限こういうミッションを持っているのだということを、あるいはスタッフ弁護士としてこういうミッションを持っているのだということの整理も必要になってくるのではないかと思います。そういう整理をしても、さらに、それこそ地域ごとに状況は違うと思いますけれども、それで最低限どういうものを担うのかということを、この20周年を契機として、整理をしていく必要があるのではないかと思います。先ほどのように寄附金を利用するような仕組みはトライアル、実証実験にはいいのかもしれないですけれども、恒久的な制度なりミッションの中に位置付けていくには非常に難しいと思いますので、そういう恒久的に動くような仕組みなり位置付けというのを、この際考えていただければと思います。   それから人材確保の点で言いますと、これは司法の他の職種、裁判官とか検事の場合もそうなのですが、やはり地方転勤が一つの大きなハードルになっているところもございまして、先ほど髙橋本部事務局長からも、地方の人材を確保するというようなお話もありました。いろいろな工夫をしながら、また人によっても考え方、キャリアをどう描いていくのか考え方が違うということもありますので、そこも含めながらなのですけれども、もっといろいろな人材の確保の仕方、柔軟な仕組み、こういうことも含めて考えていかなくてはいけないのではないかという感じがいたしました。 佐藤座長 それぞれについて議論を深めたいところですが、時間の関係がございますので、今お手を挙げていただいている寺町委員、諏訪委員、川田委員、赤堀委員、ここで一旦御質問・御発言は終えさせていただきたいと思います。   では順番に、寺町委員、お願いいたします。 寺町委員 司法ソーシャルワークと弁護士の過疎・偏在という点について3点申し上げたいと思います。   まず1点目、司法ソーシャルワーク、今日は民事関係のものが全てを占めておりますが、一応民事だけでなく刑事司法の分野におきましても司法ソーシャルワークと呼ぶべき福祉的支援の活動がございますので、資料10-2を御提出しております。簡単に申しますと、高齢者、障害者などの事情から犯罪を繰り返してしまう方へのアプローチとして、福祉的ケアにより課題を解消することで再犯防止をしていくという取組になります。支援の場面としましては、被疑者・被告人という刑事司法手続の開始段階で福祉サービスにつなぐ支援、いわゆる入口支援と呼んでおりますが、それから、矯正施設を出るという刑事司法における処遇の終了段階での社会復帰支援、いわゆる出口支援と呼んでおります、これらに分けられます。現在は、国選弁護人が入口支援も担っておりますし、そこで社会福祉士等と協働して更生支援計画が作成されれば、実刑となった場合でも、それが刑務所に引き継がれて出口支援にもつながっています。これらの活動につきまして、日弁連は、会員から徴収した特別会費を財源といたしまして補助金を支出しております。当事者本人の更生・救済に加えて、犯罪が減少するということで地域の安心・安全を築くことにもつながりますので、将来的には国費化を目指しているということを申し上げておきたいと思います。   それから2点目、スタッフ弁護士と弁護士会、契約弁護士との関係についてなのですけれども、資料3で挙げられている地域連携、オンラインアクセスポイントあるいは司法ソーシャルワークにつきましても、また資料9の生水委員の自治体連携の厚生労働省のニュースの例にしましても、また、私の方で提出いたしました資料10-1でスタッフ弁護士の座談会の記事を提出させていただきました。金澤弁護士にも登壇、登場いただいている座談会ですけれども、それぞれの場面において、スタッフ弁護士だけが担っているのではなくて、契約弁護士も同様の役割を担っていることに御留意いただければと思います。地域によって、スタッフ弁護士が主体となって関係を構築していって、そこに契約弁護士が連携して水平展開して面として支えている地域もあれば、他方で単位弁護士会が中心となって地方自治体との連携関係を作って、契約弁護士が中心となって担っている地域もございます。マンパワーの問題がありますので、スタッフ弁護士には採算性の点でジュディケアの契約弁護士がなかなか受任しにくい困難案件であるとか、あるいは司法過疎地域における司法サービスの担い手として補完的な役割を担っていただいているという関係にございます。   最後に、前回板東委員がおっしゃられたスタッフ弁護士の全県配置についてです。資料1、資料2のとおり、人口も弁護士も都市部集中の傾向の中で、スタッフ弁護士の人数が減っており、令和6年度は190人の配置にとどまっているということで、この限られたスタッフ弁護士をどのように配置をしていくかということが問題になっております。本庁にスタッフ弁護士がいない地域は、単位弁護士会の考え方として、契約弁護士が地域連携を担うのだという考え方を持って自治体連携を展開しているところもございます。例えば、札幌とか神奈川とか岡山などは、特定援助対象者法律相談援助の利用件数が多くなっている地域になります。むしろ弁護士過疎対策に関しまして、全国どこにおいても法による紛争の解決に必要な情報あるいはサービスの提供が受けられる社会を実現するという目的のために、日弁連でも会員から徴収した特別会費でひまわり基金を設けまして、弁護士過疎偏在地域にひまわり基金法律事務所を設置してまいりました。 佐藤座長 恐縮ですが、コンパクトにお願いできればと思います。 寺町委員 承知しました。今、ひまわり基金法律事務所が、一時期125か所あったのが、定着した地域もあれば、後任が確保できなくて閉鎖している地域もございます。ひまわり基金法律事務所は独立開業の自営業者なので、後任が来なければ閉鎖せざるを得ないということもございます。そういう意味で、法的ニーズがあるけれども、自営業者であるひまわり基金法律事務所の後任が確保できずに閉鎖した地域とか、あるいは地域からの要望が非常に強い地域などで、法テラスの7号事務所を優先的に設置するということを御検討いただければと思っております。 佐藤座長 ありがとうございます。また次回以降も、関連の資料があれば御提出いただければと思います。   では、諏訪委員、お願いいたします。 諏訪委員 予算の関係の話がいろいろ出てきたので、少しお伺いしたいことと、次回でまた資料を頂ければと思うのですが、今、厚生労働省からいろいろな形で予算が出ているということですが、それの費目とか、あるいはどういった法律に基づいて予算がきているのか、補助金がきているのか、また教えてください。   それで、予算をどう確保していくかとなると、包括的な法律を一つ作るのも一つの手だと思います。例えば、司法ソーシャルワーク促進法なり何なりを幅広にカバーするような形で作って、そこに基づく補助金なり交付金を作るというのが安定的な予算を確保する一つの方策ではないかなと思います。法テラスが総合法律支援法に基づいてやっていると思いますけれども、これを読んでいる限りはそんなに幅広く予算をゲットできるような内容になっていないので、そういった議論を国会でしてもらうためにも、司法ソーシャルワークを認知してもらうためにも、そういった法律作成を法務省なり、あるいは弁護士会の方で働き掛けていくのが一つの戦略ではないかなと思います。同時に、そういったことをすることで、先ほど地方交付税に入れるという話もありましたが、高齢者がいるとか人がいる限り司法が必要だということの認定に立てば、人口に応じてそういった司法ソーシャルワークに必要なお金を交付税の算定根拠に入れていくといった運動もできるのではないかなと思いますので、そちらは法務省の方に検討していただければと考えます。 佐藤座長 貴重な御提案、ありがとうございました。厚生労働省予算に関する点については、次回補足説明をお願いできればと思います。   では、川田委員、よろしくお願いいたします。 川田委員 八幡市長の川田でございます。本日、地域における司法アクセスに関してということで、ヒアリング対象でございましたのが長崎県の雲仙市と東京都ということで、本市といたしましては、やはり大都市でもない、また過疎地域でもない、中小都市として発言をさせていただければと思います。   本日、飯田様のヒアリングでも、いわゆる司法相談にアクセスされた率が中都市で最も低かったという事例に関して、原因がまだ分からないというようなお話もありました。また、オンライン相談で、小田原のすぐ近くでも非常に相談率が低かったので、オンライン相談を開設されたという事例もございました。私の方から御意見を述べさせていただきますと、やはり都市部のいわゆる近郊ですね、中小都市になってまいりますと、非常に自治体連携に任せますと、自治体の面積・規模が非常に小さくなってまいります。本市も20平方キロメートル、雲仙市の10分の1しかございませんで、すぐお隣にはあるいわゆる法テラスの事務所も、自治体職員自体も知りませんし、隣で何をやっているかに関してはなかなか知らない、また周知も難しいという現実がございます。こういったところで、都市部はいわゆる自治体の規模が小さいがゆえに、面積的な広域連携というのが市民周知・情報周知において、アクセスや、またフォローアップが非常に難しい傾向にあるというのを申し述べさせていただきたいと思います。そういったところで、包括的な何か周知・連携・フォローアップが仕組み的に必要なのではないかと思います。   また、何度か自治体の予算化というお話も出てございました。自治体の立場から言わせていただきますと、予算、また業務量、双方において、現場としてはもうパンクどころではない騒ぎになってございまして、やはり行政課題は多岐にわたるものですから、そういったところで予算が必ずしも国からも付かずに自治体現場に下りてくる、また、地域コミュニティの弱体化によって、これまで地域コミュニティが担っていた業務も自治体に上がってきているものですから、こういった台所事情から、交付税項目も有り難いのですが、交付税も実態のところ、そのカバー率で申し上げますと、非常に申し上げにくいのですが、厳しいですので、予算というものは、自治体での予算化を自治体に頼るとむらが出るのは仕方がないというのが現場の意見でございます。 佐藤座長 貴重な御意見ありがとうございました。時間になってまいりましたので、本日御発言できなかった方で御希望があれば、後ほど会議の事務局の方にお伝えいただければと思います。   赤堀委員で最後にさせていただきます。 赤堀委員 今回の地域の司法アクセスのテーマは大変重要であると認識しております。経団連は、地域経済社会の活性化を中長期ビジョン「FUTURE DESIGN 2040」や事業方針の柱の一つに掲げ、最重要課題の一つとして取り組んでおります。特に、各地域において地元の企業や大学、自治体など多様なステークホルダーが主体的に地域課題の解決や地元の魅力向上に取り組むことを内発型の地域作りと定義し、その実現に向けた取組を後押ししております。   本日御紹介のありました各地における法テラスによる取組については、地域の実情に即した創意工夫がなされており、各地において法テラスが地域の司法インフラとして機能し、住民を支える役割を果たしておられることを評価しております。他方で、こうした先進的な取組がその時々のスタッフ弁護士個人や自治体の中の限られた優秀な職員の尽力に依存する形にとどまると、各地域における人口減少や少子高齢化が深刻化する中、継続性の確保が難しくなり、単発の取組で終わってしまうことが懸念されます。第1回の議論でも、地域における取組を業務として持続可能なものとする必要性が指摘されておりました。こうした先進的な取組を個人に依存するのではなく制度として位置付け、持続可能な仕組みとしていくことが重要であると考えております。   その一つの方向性として、法テラスの特定の事業として先進的な取組を位置付けていくことについて御検討いただきたいと思います。すなわち、現状のこうした取組は情報提供という非常に幅広い業務の一つとして位置付けられているとのことですが、個別業務として明確に特定されていないため、担当のスタッフ弁護士が交代した際に、その取組自体が終了してしまうリスクが高いことが懸念されます。そこで、本日御説明があったような取組について、特定の事業として明確に位置付けることが有効な方策ではないかと考えます。特定の事業とするための方策として、地域との連携に係る業務を法テラスの本来業務として定めるという方法も考えられますが、地方自治体ごとの取組は多様であると思われますので、そうした自治体ごとの特性に即した方策とする方が望ましいのではないかと考えます。   そこで、前回申し上げたとおり、法テラスが地方自治体から委託を受け、受託業務として、その自治体に最も適した取組を担えるようにしていただきたいです。具体的には、受託業務において現行法で定められている業務方法書で定められなければならないとする枠の設定をなくし、自治体の要望に沿う内容の委託契約書を作成することなどにより、柔軟な形で業務を実施できるようにする方策が考えられます。こうした形で事業化や制度化を図ることにより、財政的な観点を含めて、法テラスの地域における司法インフラとしての機能や司法ソーシャルワークの取組をより安定的かつ持続的に展開できる仕組みを検討いただければと存じます。   なお、事務局に一つお願いがございます。現在受託業務となっている日本弁護士連合会からの受託業務について、事業費と比較してどの程度の管理費が支払われているのかが分かると、具体的なイメージが分かると思います。次回以降で結構ですので、それが分かる資料を御提出いただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 佐藤座長 皆様、様々な御意見・御議論いただいてありがとうございました。本日お伺いをした御意見は私、座長と事務局において整理をさせていただいて、本検討会におきまして改めて深く掘り下げて議論をさせていただければと思います。本日、幾つか次回に向けて御質問いただきましたけれども、それについては次回のときに補足説明をさせていただきたいと思います。   では、既に時間を過ぎておりますけれども、本日の第2回検討会はここまでとさせていただきたいと思います。   最後に、事務局から今後のスケジュールについて説明をお願いいたします。 青木参事官 それでは、今後のスケジュールについて御説明させていただきます。   まず、第3回検討会でございますけれども、5月25日月曜日午前10時から午後0時30分を予定しております。第3回検討会のテーマにつきましては、先ほど座長において取りまとめを御説明いただきましたけれども、「民事法律扶助の諸課題」、それから「被災者支援」とさせていただきたく存じます。 佐藤座長 それでは、以上をもちまして検討会を終了させていただきます。   本日もどうもありがとうございました。 ―了―