法制審議会 第205回会議 議事録 第1 日 時  令和8年6月15日(月)   自 午前10時00分                        至 午前10時51分 第2 場 所  法務省大会議室 第3 議 題  (1)犯罪被害者等の刑事手続への関与等の在り方に関する諮問第130号について  (2)会社法制(株式・株主総会等関係)部会における審議経過に関する報告について 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○神渡司法法制課長 ただいまから、法制審議会第205回会議を開催いたします。   本日は、委員19名のうち、会議場における出席委員14名、ウェブ会議システムによる出席委員1名、計15名に御出席いただいております。したがいまして、法制審議会令第7条に定められた定足数を満たしていることを御報告申し上げます。   本日は、公務のため平口法務大臣が本審議会に出席できませんので、三谷法務副大臣から、法務大臣挨拶を代読させていただきます。 ○三谷法務副大臣 皆様、おはようございます。法務副大臣の三谷英弘です。平口法務大臣から挨拶文をお預かりしておりますので、代読させていただきます。   会議の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。  委員及び幹事の皆様におかれましては、御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  本日は、御審議をお願いする事項が一つ、部会からの御報告事項が一つございます。   まず、御審議をお願いする事項は、「犯罪被害者等の刑事手続への関与等の在り方に関する諮問第130号」についてでございます。  本年3月、「第5次犯罪被害者等基本計画」が閣議決定され、この4月から新たな計画期間が始まっております。  この基本計画においては、犯罪被害者等の「刑事手続等への関与拡充への取組」として、複数の検討事項等が掲げられており、その中には、法制度の在り方についての検討を要するものが含まれているところです。   そこで、基本計画の趣旨に鑑み、犯罪被害者等の公判前整理手続への関与、被害者参加制度の対象犯罪、犯罪被害者等による公判手続等の傍聴、告訴及び告発に関する規律の在り方について、御審議をお願いするものです。  今回の諮問については、速やかに審議に着手していただきたいことから、本日、臨時の会議を開催することとしました。   次に、部会からの御報告事項は、会社法制(株式・株主総会等関係)部会における審議の途中経過でございます。  会社法制(株式・株主総会等関係)部会におきましては、本年3月に中間試案が取りまとめられ、本年5月22日にパブリック・コメントの手続が終了したところです。今後、その結果も踏まえ、更なる調査審議が進められるものと伺っております。  本日は、これまでの部会の審議経過について、神作裕之部会長から御報告がございますので、委員の皆様から御意見をお伺いしたいと存じます。   それでは、これらの議題等についての御審議、御議論をよろしくお願い申し上げます。   以上、令和8年6月15日、法務大臣平口洋、代読であります。 ○神渡司法法制課長 三谷法務副大臣は公務のため、ここで退席させていただきます。           (法務副大臣退室) ○神渡司法法制課長 ここで報道関係者が退室いたしますので、しばらくお待ちください。           (報道関係者退室) ○神渡司法法制課長 まず、事務局から会議に当たりましての留意事項を御案内いたします。ウェブ会議システムにより御出席の委員におかれましては、御出席されていることを確認させていただくため、会議中は常にカメラをオンにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。また、本日の会議はペーパーレス化によりタブレット端末による資料配布となっております。操作方法等について御不明な点がございます場合には、事務局に適宜お知らせください。   では、内野関係官、お願いいたします。 ○内野関係官 司法法制部長の内野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。   本年3月16日をもちまして、前会長の佐伯仁志委員が御退任されました。委員の皆様の互選に基づきまして法務大臣が指名するという方法により、新会長を選任する必要がございます。新会長選任までの間、仮議長を選出すべきかと存じますが、特に御異議がございませんでしたら、私が進行を務めさせていただきたいと存じますが、よろしいでしょうか。   御異議もないようでございますので、それでは、私が仮議長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。   まず、互選の手続に入ります前に、前回の会議以降、本日までの間における委員及び幹事の異動につきまして御紹介いたします。詳細はお手元にお配りしております異動表のとおりでございますけれども、新たに就任された委員に本日御出席いただいておりますので、御紹介申し上げます。   まず、早稲田大学法学学術院教授の大澤裕委員が御就任されました。大澤委員、一言御挨拶をお願いいたします。 ○大澤委員 御紹介いただきました早稲田大学の大澤でございます。専門は刑事訴訟法でございます。これからどうぞよろしくお願いいたします。 ○内野関係官 続きまして、日本製鉄株式会社常務執行役員の原田剛委員が御就任されました。原田委員、一言御挨拶をお願いいたします。 ○原田委員 日本製鉄の原田でございます。海外関係の法務を長年やってまいりました。これからどうぞよろしくお願いいたします。 ○内野関係官 それでは、会長の選任の手続に入らせていただきます。   法制審議会令第4条第2項で、「会長は、審議会の委員の互選に基づき、法務大臣が指名する。」と規定されておりますので、皆様には会長の互選をお願いしたいと存じます。   まずは、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。 ○山野目委員 適任の委員がたくさんおられると承知しておりますところ、私からは酒巻匡委員を会長に御推挙申し上げます。御経歴に加え、学識、御見識、お人柄からいたしまして、酒巻委員がふさわしいと考えました。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○内野関係官 続けて御発言はございますでしょうか。 ○堀田委員 ただいま山野目委員がおっしゃいましたように、私も会長には酒巻委員が適任であると存じます。よろしくお願いいたします。 ○内野関係官 続けて御発言はございますでしょうか。   ただいま2名の委員から酒巻委員を御推薦いただきました。ほかに御意見はございますでしょうか。   それでは、ほかに御意見がございませんようですので、会長には酒巻委員が互選されたということでよろしいでしょうか。   それでは、ただいまの議事のとおり、会長には酒巻委員が互選されましたので、法務大臣に連絡をいたしまして指名の手続をとりたいと存じます。しばらくお待ちくださいませ。           (一時中断) ○内野関係官 お待たせいたしました。再開いたします。   ただいま、法務大臣において、法制審議会委員の互選に基づき、酒巻匡委員を法制審議会会長に指名した旨の連絡を受けましたので、御報告申し上げます。   それでは、私の議事進行はここまでとさせていただきます。御協力ありがとうございました。 ○神渡司法法制課長 それでは、酒巻委員、恐縮ですが、会長席へお移りいただけますでしょうか。 ○酒巻会長 指名していただきました酒巻でございます。私はこれまで大学で法律学の教育と研究に従事し、それ以外に能がないのでございますけれども、御指名でございますので、今後、委員の皆様の活発で充実した御審議に資するように進行に努めていきたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。   法制審議会令第4条第4項で、「会長に事故があるときは、あらかじめ会長の指名する委員がその職務を代行する。」と定められておりますので、会長代理をまず指名したいと思います。   本日は御都合により欠席でございますけれども、これまで長期間にわたり法制審議会で御活躍をいただいている、山本和彦委員を指名したいと思います。   それでは、本日の議事に入ります。   先ほどの法務大臣御挨拶にもございましたように、本日は、「犯罪被害者等の刑事手続への関与等の在り方に関する諮問第130号」について御審議をお願いしたいと存じます。   なお、今回の議題の内容に鑑みまして、松島参事官に関係官として審議に参加していただきたいと考えておりますが、皆さん、よろしいでしょうか。   御異議もないようですので、松島参事官に関係官として審議に参加していただくことにいたします。   では、始めに、事務当局に諮問事項の朗読をお願いいたします。 ○松島関係官 刑事局参事官の松島でございます。諮問事項を朗読させていただきます。   諮問第130号  第5次犯罪被害者等基本計画(令和8年3月17日閣議決定)の趣旨に鑑み、犯罪被害者等の公判前整理手続への関与、被害者参加制度の対象犯罪、犯罪被害者等による公判手続等の傍聴並びに告訴及び告発に関する規律の在り方について、御意見を賜りたい。 ○酒巻会長 続きまして、この諮問の内容、諮問に至る経緯及びその理由につきまして、事務当局から御説明をお願いします。 ○吉田関係官 官房審議官の吉田でございます。諮問第130号につきまして、諮問に至った経緯及び諮問の趣旨等について御説明申し上げます。   本年3月に閣議決定され、本年4月から新たな計画期間が始まった「第5次犯罪被害者等基本計画」においては、5つの重点課題が掲げられており、刑事手続に関するものとして、犯罪被害者等の「刑事手続等への関与拡充への取組」が重点課題の一つとされております。   この「刑事手続等への関与拡充への取組」には、複数の検討事項等が掲げられており、法制度の在り方についての検討を要するものが含まれていることから、御審議の上、御意見を賜りたく、この諮問に至ったものです。   次に、諮問の趣旨等について御説明申し上げます。配布資料刑1-1を御覧ください。今回の諮問は、第5次犯罪被害者等基本計画の趣旨に鑑み、犯罪被害者等の公判前整理手続への関与、被害者参加制度の対象犯罪、犯罪被害者等による公判手続等の傍聴、告訴及び告発に関する規律の在り方について、御審議をお願いするものです。   これらのうち、「犯罪被害者等の公判前整理手続への関与」に関する規律の在り方に関しては、「基本計画」において、「犯罪被害者等のニーズを踏まえ、公判前整理手続の趣旨等にも留意しつつ、現行の刑事訴訟制度の基本構造に反しない範囲で犯罪被害者等又はその代理人弁護士による公判前整理手続への関与の在り方について、制度と運用の両面から多角的な検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。」とされています。   次に、「被害者参加制度の対象犯罪」に関する規律の在り方に関しては、「基本計画」において、「被害者参加制度の対象犯罪を拡大することに関する犯罪被害者等の要望があることを踏まえ、現行の対象犯罪が定められた趣旨との整合性、非対象事件の犯罪被害者等との間の均衡等の課題があることも考慮して、被害者参加制度の対象犯罪の拡大の要否・可否等について多角的な検討を行う。」とされています。   次に、「犯罪被害者等による公判手続等の傍聴」は、公判手続・少年審判手続・医療観察審判手続の傍聴を含む趣旨であり、これらに関する規律の在り方に関しては、「基本計画」において、「犯罪被害者等のニーズを踏まえ、犯罪被害者等のプライバシー等に配慮した公判の傍聴の方法について、いわゆる優先傍聴の在り方、犯罪被害者等がビデオリンク方式により公判を傍聴することやその具体的方法、遮蔽措置の利用を含め、多角的な検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。」などとされています。   最後に、「告訴及び告発」に関する規律の在り方に関しては、「基本計画」において、「告訴への適切な対応」が盛り込まれているところ、今後、オンラインでも告訴及び告発をすることが可能になる中で、引き続き、これらに適切に対応する観点から、法制度の在り方についても検討する必要があると考えられたことから、「基本計画」により検討が求められている他の法整備事項と併せて、御審議をお願いすることとしたものです。   御説明は以上です。   十分に御審議の上、できる限り速やかに御意見を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○酒巻会長 どうもありがとうございました。   続きまして、配布資料について事務当局から御説明をお願いします。 ○松島関係官 配布資料の御説明をさせていただきます。まず、資料番号刑1-1は、先ほど朗読いたしました諮問第130号となります。資料番号刑1-2は、事務当局からの説明の中で触れました「第5次犯罪被害者等基本計画」の該当箇所の抜粋となります。   配布資料の御説明は以上でございます。 ○酒巻会長 どうもありがとうございました。   それでは、ただいま説明のありました諮問第130号につきまして、まず、御質問がございましたら承りたいと存じます。御質問のある方は、どうぞ挙手をお願いいたします。   よろしいでしょうか。  それでは、続きまして御意見がございましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。   特にございませんでしょうか。よろしいですか。   それでは、御質問、御意見、特にございませんようですので、ここで、諮問第130号の審議の進め方について、御意見があれば承りたいと思います。いかがでしょうか。 ○大澤委員 本日から加わった身でいささか僭越な気もいたしますが、刑事法分野の諮問でございますので、進め方について発言をさせていただきたいと存じます。   諮問第130号につきましては、専門的ないし技術的な事項がかなり含まれていると思料いたします。したがいまして、通例のこととは存じますけれども、新たに部会を設置した上で調査審議し、その結果を受けて更に総会で審議することとしてはいかがかと思います。 ○酒巻会長 御意見ありがとうございました。  ただいま大澤委員から、部会を設置する等の御提案がございましたけれども、このことにつきまして御意見がございますでしょうか。   よろしいですか。ほかに審議の進め方等について御意見があれば承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。   それでは、特に御異議もないようですので、諮問第130号につきましては、新たに部会を設けて調査審議をすることにしたいと思います。   次に、新たに設置する部会に属すべき総会の委員、それから臨時委員及び幹事に関してでございますが、これらにつきましては法務大臣において新たに臨時委員等を任命されることとなります。そのことも踏まえ、会長一任とさせていただきたいと思いますが、御異議はございませんでしょうか。   それでは、この点は会長一任とさせていただきたいと思います。   引き続きまして、部会の名称ですが、諮問事項との関連から、諮問第130号につきましては、「刑事法(犯罪被害者関係)部会」という名称にしたいと思いますが、いかがでございましょうか。   特に御異論もないようですので、そのように取り計らわせていただきます。   ほかに、これまでの点について、部会における審議の進め方も含めまして、御意見はございませんでしょうか。   よろしいですか。それでは、諮問第130号につきましては、刑事法(犯罪被害者関係)部会で御審議いただくこととし、部会の御審議に基づいて、総会において更に御審議を願うことにいたしたいと存じます。   本日の議題は以上でございますが、引き続き、現在調査審議中の部会から、その審議状況等を報告していただきたいと思います。   本日は、会社法制(株式・株主総会等関係)部会の部会長である神作裕之臨時委員にお越しいただいておりますので、部会における審議状況等を御報告いただいた後、委員の皆様から御質問等をお伺いしたいと存じます。   なお、今回の報告の内容に鑑みまして、民事局の宇野参事官に関係官として審議に参加していただきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。   御異議もないようですので、宇野参事官に関係官として審議に参加していただくことにいたします。   それでは、神作部会長、報告者席まで御移動をお願いします。   それでは、会社法制(株式・株主総会等関係)部会の御報告をお願いいたします。よろしくお願いします。 ○神作部会長 会社法制(株式・株主総会等関係)部会の部会長を拝命しております臨時委員の神作でございます。どうぞよろしくお願いいたします。   会社法制(株式・株主総会等関係)部会の中間報告といたしまして、部会におけるこれまでの調査審議の状況及び中間試案の概要について御報告を申し上げます。   初めに、資料の御確認をさせていただきます。席上、皆様のお手元に資料番号民1-1「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」と題する資料、資料番号民1-2「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案(概要)」と題するカラー刷りの資料、資料番号民1-3「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案の補足説明」と題する資料の合わせて3点をお配りしてございます。本日は時間の関係もございますので、資料番号民1-2のカラー刷りの資料を用いて御報告申し上げます。   まず、資料の1枚目を御覧ください。上段の「背景・課題」でございますけれども、会社法制につきましては、近時、株式対価M&Aの活性化、中長期的な企業価値向上に向けた建設的な対話の促進等の観点から、複数の課題が指摘されております。このような状況を踏まえ、昨年2月、法務大臣から法制審議会に対し、右側の諮問事項の欄に記載しておりますとおりの諮問がなされ、会社法制部会が設置されました。会社法制部会におきましては、昨年4月から調査審議を開始し、本年3月まで合計12回の審議を経て、全会一致で「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」を取りまとめました。   中間試案の概要の御説明に入らせていただきます。資料の1枚目の下段でございますけれども、見直しの概要の1点目は、「株式の発行の在り方の見直し」でございます。①の「従業員等に対する株式の無償交付」につきましては、国内外の優秀な人材の獲得・維持等の観点から、従業員等に対しても株式の付与を求める声がございます。その見直しに関する結論を得るに当たっては、労働基準法上の賃金該当性についての整理が必要となりますけれども、このような指摘も踏まえ、既存株主の利益に配慮しつつ、従業員等に対する株式の無償交付を認める枠組みを検討しております。   ②の「株式交付制度の見直し」につきましては、株式対価M&Aに用いられる株式交付制度、すなわち、買収会社がその株式を対価とする手法により被買収会社を子会社とすることができる制度について、株式対価M&Aをより円滑にする観点から、対象となる場面の拡大、手続の簡素化をするべきだという指摘がございます。このような指摘を踏まえ、子会社の株式を追加取得する場合ですとか、持分会社・外国会社を子会社とする場合を株式交付の対象とすること、また、株式交付親会社の債権者が株式交付について異議を述べることができる手続を廃止することを提案しております。   続きまして、資料の2枚目を御覧ください。見直しの概要の2点目は、「株主総会の在り方の見直し」でございます。①の「バーチャルオンリー株主総会」につきましては、会社法では完全オンラインのバーチャルオンリー株主総会の開催は認められないと解されている一方で、産業競争力強化法では、一定の要件を満たし、経済産業大臣及び法務大臣の確認を受けた上場会社に限って、バーチャルオンリー株主総会を開催することができる旨の特例が設けられております。この点につきまして、非上場会社も含め、両大臣の確認を受けない場合であっても、バーチャルオンリー株主総会を開催することを許容すべきであるという指摘がございます。このような指摘を踏まえ、産業競争力強化法の規律を参考にしつつ、会社法でバーチャルオンリー株主総会を実施可能にすることを提案しております。   ②の「実質株主確認制度」につきましては、現行の会社法上、株主名簿に記載されております名義株主の背後に存在し、名義株主に対して議決権の行使について指図をすることができる者、いわゆる実質株主を確認することができる制度は存在いたしません。この点につきまして、機関投資家の投資対象となる上場会社では、実質株主に関する情報を把握できないことが株式会社と株主との間の建設的な対話の支障になっているという指摘がございます。このような指摘を踏まえ、見直しの方向性としては、まず、上場会社が資産管理銀行等の仲介機関に対し、その背後にいる議決権行使の指図権限を有する者の情報の提供を請求可能にする制度を創設することを提案しております。また、金融商品取引法に基づく大量保有報告制度における報告義務の範囲と基本的に同一の範囲で、株主側から上場会社に対する通知を義務付け、違反者を議決権制限の対象とする制度も併せて創設することを提案しております。   ③の「会議体としての株主総会等に関する規律の見直し」につきましては、特に上場会社では、株主総会の決議について、郵送やオンラインによる事前の議決権の行使によって株主総会が開催される前に大勢が決していることが多いにもかかわらず、当日の議事運営次第で株主総会の決議取消事由が生じ得ることから、過大なコストが生じているという指摘がございます。このような指摘を踏まえ、事前の議決権の行使がされた結果、株主総会の決議の要件を満たす場合には、「A:株主総会の決議があったものとみなす案」と、「B:当日の議事による法令違反等は株主総会の決議取消事由とはならないとする案」を提案しております。   資料の3枚目を御覧ください。上段の④の「株主提案権の見直し」につきまして、会社法上、取締役会設置会社では1%以上の議決権又は300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主に限り株主提案権を行使することができます。この点につきまして、昨今の投資単位の引下げの流れの中で、株式の保有比率が極めて低い株主にも300個以上という議決件数の要件によって株主提案権が認められることになり、株主提案権が濫用的に行使される懸念があるという指摘がございます。このような指摘を踏まえまして、「A:300個という議決件数の要件を廃止する案」と、「B:300個を例えば1,000個あるいは1,500個まで引き上げる案」を提案しております。   資料の3枚目の中段でございますけれども、見直しの概要の3点目は、「企業統治の在り方の見直し等」でございます。①の「指名委員会等設置会社制度の見直し」につきまして、近時は社外取締役の選任数が増加しているため、特に取締役の過半数が社外取締役である場合には、取締役の一部のみで構成される指名委員会のみが取締役の選任に関する議案の内容を決定する権限を有することは合理性が乏しいという指摘がございます。このような指摘を踏まえ、見直しの方向性として、取締役会全体で取締役の過半数が社外取締役である場合には、取締役の選任及び解任に関する議案の内容についての指名委員会の決定の内容を取締役会の決議によって変更することができるという規律を設けることを提案しております。   ②の「事業報告等と有価証券報告書の一本化」につきまして、現行法上、上場会社は会社法に基づく計算書類及び事業報告並びに連結計算書類と、金融商品取引法に基づく有価証券報告書をそれぞれ作成する必要がございます。この点につきまして、事業報告等と有価証券報告書の開示事項には重複が多い一方で、細目では多くの相違点が存在しており、これらの二つの書類を作成するのに多大な負担が生じているという指摘がございます。このような指摘を踏まえ、見直しの方向性として、上場会社が株主総会の日の3週間前までに事業報告等の開示事項の全てを記載した有価証券報告書を提出した場合には、事業報告等の作成を不要にすることを提案しております。   以上が、会社法制部会の調査審議の状況及び部会で取りまとめました中間試案の概要でございます。会社法制部会におきましては、先月22日までに行われましたパブリック・コメントの結果も踏まえ、また、皆様の御意見も十分にお伺いした上で、引き続き、調査審議を継続してまいりたいと考えております。   私からの御報告は以上でございます。 ○酒巻会長 どうもありがとうございました。ただいまの神作部会長からの詳細な審議経過報告につきまして、どうぞ御質問、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。大変重要な内容を含む会社法の大きな改正だと思いますので、どうぞ活発に御意見、御質問をいただければと思います。いかがでしょうか。 ○山野目委員 会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案の第2部、第1の1につきまして、意見を一つ申し上げます。   様々な種類の法人が現代日本社会においてそれぞれ果たす役割は、見方がいろいろあり得るところでありますけれども、株式会社をはじめとする営利法人と並び、非営利法人の活動領域が重要性を増してきている実態があると思われます。地方公共団体を含む広い意味における政府、そして営利法人、これらと並び非営利法人の世界が私たちの社会の重要なプレーヤーの一つとして発展していくことは大事であると見えます。  場所を定めないでする会議の招集につきましては、ぜひ、一般社団法人の社員総会や一般財団法人の評議員会につきまして、営利法人について得られる法制の見通しを機械的に及ぼすということでなく、それぞれの特質に目配りをなさっていただいた上で、関係法律の整備がされるとよいと考えます。   これから要綱案の取りまとめに向け、神作部会長をはじめ部会の委員、幹事、事務当局の皆様におかれて精力的な調査審議がされていくものと予想いたしますから、その万般、御順調を期します。 ○神作部会長 御意見どうもありがとうございます。この点につきましては、宇野関係官から御回答をいただけますでしょうか。 ○宇野関係官 宇野でございます。一般論として、会社法制の見直しを行う場合には、いわゆる整備法という枠組みの中で、委員御指摘の一般社団法人・一般財団法人法を含む法人法制における同種の規律についても、同様の見直しを行っている例があると承知をしておりまして、今般の会社法制の見直しにおいても同様の検討をする必要があると考えてございます。委員が御指摘になられたバーチャルオンリー株主総会に関する規律も含めまして、今後法務省としまして、会社法制の見直しに伴う他の法人法制の整備について、その所管省庁等ともよく協議をした上で検討してまいりたいと考えております。 ○酒巻会長 どうもありがとうございます。   ほかに御意見あるいは御質問をお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。   特にございませんでしょうか。   御意見、御質問はないようですので、それでは神作部会長、どうもありがとうございました。引き続き部会におきまして御審議のほどをどうぞよろしくお願い申し上げます。   以上で本日の予定は終了となります。ほかにこの機会に御発言をいただけることがございましたら、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。   よろしいでしょうか。   それでは、ほかに御発言もないようですので、本日はこれで会議を終了といたします。本日の会議における議事録の公開方法につきましては、審議の内容等に鑑みて、会長の私といたしましては、議事録の発言者名を全て明らかにして公開することにしたいと思いますが、いかがでございますか。よろしいでしょうか。   それでは、本日の会議における議事録につきましては、議事録の発言者名を全て明らかにして公開することといたします。   なお、本日の会議内容につきましては、後日、御発言をいただいた委員等の皆様に議事録案をメール等で送付させていただき、御発言の内容を確認していただいた上で、法務省のウェブサイトに公開したいと思います。   最後に、事務局から事務連絡がございましたら、お願いします。 ○神渡司法法制課長 事務局でございます。次回の会議の開催予定について御案内申し上げます。   法制審議会は、2月及び9月に開催するのが通例となってございます。次回の開催につきましても、現在のところは令和8年9月に御審議をお願いする予定でございますが、具体的な日程につきましては、後日改めて御相談させていただきたく存じます。  委員、幹事の皆様におかれましては、御多忙とは存じますが、今後の御予定につき御配意いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。 ○酒巻会長 どうもありがとうございました。   それでは、これで本日の会議を終了いたします。   本日は皆さん、お忙しいところをお集まりいただき御議論、御審議いただき、誠にありがとうございました。 -了-