法制審議会 会社法制 (株式・株主総会等関係)部会 第14回会議 議事録 第1 日 時  令和8年5月27日(水)    自 午後1時01分                         至 午後4時21分 第2 場 所  東京地方検察庁会議室1501 第3 議 題  参考人からの意見聴取 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○神作部会長 それでは、予定した時刻が参りましたので、ただいまより法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会の第14回会議を開会いたします。   本日も皆様御多忙の中、御出席いただき誠にありがとうございます。   本日もウェブ会議の方法を併用して議事を進めることとさせていただきます。初めに、事務当局からウェブ会議に関する注意事項の御案内をお願いいたします。 ○宇野幹事 事務当局より御説明を差し上げます。ウェブ会議を通じて御参加されている皆様につきましては、御発言される際を除き、マイク機能をオフにしていただきますよう御協力をお願いいたします。御質問がある場合や審議において御発言される場合は、画面に表示されている挙手機能をお使いください。指名がされましたら、マイクをオンにして御発言ください。御発言が終わりましたら、マイクをオフにし、また、画面の挙手ボタンを再度押して挙手を下げていただきますようお願いいたします。   なお、御発言の際はお名前をおっしゃってから御発言されるようお願いいたします。会議室にお集まりの皆様におかれましても、ウェブ会議の方法で出席されている皆様にはこちらの会議室の様子が伝わりにくいため、お名前をおっしゃってからの御発言に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ○神作部会長 御説明どうもありがとうございました。   本日の会議の出欠について申し上げます。本日は、北村委員が御欠席と伺っております。   続きまして、本日の審議に入ります前に、事務当局から配付資料についての御説明を頂戴いたします。 ○宇野幹事 配付資料について御確認いただきたいと思います。   本日は、参考人としてお越しいただいている皆様からの御提供資料を五つ配付しております。まず、参考人提供資料「社債権者集会等について」は、日本証券業協会の大津様から御提出があったものでございます。参考人提供資料「社債権者集会に関する会社法改正について」は、株式会社みずほ銀行の渡邉様、森田様から御提出があったものでございます。参考人提供資料「実質株主確認制度整備に向けた実務者検討会中間報告書」は、一般社団法人全国銀行協会の清田様、日置様から御提出があったものでございます。最後、参考人提供資料「『中間試案』に対する主なコメント」と「欧州第2次株主権利指令」は、一般社団法人国際銀行協会の塚田様、鳥海様から御提出があったものでございます。それぞれの資料につきまして、後ほど参考人の皆様に御説明いただければと思っております。   配付資料の御紹介は以上でございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   それでは早速、本日の審議に入ります。前回に引き続き、本日も今回の見直しの対象となる事項について深く関わる方々を参考人としてお呼びしておりますので、参考人の皆様からのヒアリングを実施したいと存じます。   本日は、参考人として四つの団体にお越しいただきました。具体的には、まず第1に、社債に関する見直しの関連で日本証券業協会と株式会社みずほ銀行、また第2に、実質株主確認制度の関連で、一般社団法人全国銀行協会、一般社団法人国際銀行協会の皆様にお越しを頂いております。どうもありがとうございます。   まずは、社債に関する見直しの関連で、日本証券業協会及びみずほ銀行からお話を伺いたいと存じます。参考人としてお越しいただきましたのは、日本証券業協会、大和証券デット・キャピタルマーケット第三部シンジケート課長担当部長の大津大様、みずほ銀行資本市場部調査開発チーム次長、渡邉展行様、みずほ銀行資本市場部調査開発チーム部長代理、森田克俊様でございます。   大津様、渡邉様、森田様におかれましては、大変御多忙のところ、資料を御準備いただき、また、本部会に御来臨賜りまして誠にありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。   ヒアリングの進め方といたしましては、まず大津様から、次いで渡邉様、森田様から御説明を頂戴した後、まとめて質疑応答の時間を設けたいと考えております。   それでは、早速でございますけれども、大津様、御説明のほどをよろしくお願いいたします。 ○大津参考人 大和証券の大津でございます。本日はこのような発言の場を与えていただきましてありがとうございます。私は大和証券で債券の引受け、販売の業務に関わるデット・キャピタルマーケットという部門におります。今日は10分ぐらいで、社債権者集会等について現場の意見を御参考で申し上げさせていただきますが、その前に少し今のマーケットの状況のお話を是非したいと思っています。私も20年ぐらいこの仕事をやっておりますが、最近随分と社債ですとか金利という言葉がニュースになる、新聞を開くと載るようになってきました。何年か前はこんなことはありませんでした。大体年間で今、発行体の数でいうと300ぐらい社債発行企業が出ていて、まだまだ少ないです。過去に出したことがあるのも含めると500社ぐらいで、東証プライムの上場が1,500~1,600社、上場企業が4,000社ぐらいある中で、まだそれぐらいしか出ていないと。ただ、発行額自体は随分と増えてきていまして、十数年前は5兆円、7兆円ぐらいだった頃から、今は15兆円まで社債の発行が増えています。金利は随分と上がりましたけれども、企業の資金調達ニーズは強くて、どんどんとこれからも社債を多く発行し、それが企業の成長と投資家さんの投資拡大につながっていけばいいと思っています。   ところで、ここ数年特に痛感していることがございまして、企業のコーポレートアクションが随分増えてきました。昔は大企業が社債を出しているぐらいでしたが、最近は少し小さめの企業も社債を出しています。小さめな企業は、例えばTOBであったり、若しくは非公開化する、この場合は社債権者集会を開いて、その先の取扱いを考えなければいけない、こういった事象が出てきました。ただ、これは小さい企業さんだけではなくて、今の時代、大きい会社さんでもTOBの対象になることもあれば、非上場化の対象になることもありますので、本当にここ1、2年ぐらいですかね、社債権者集会について、現場にいる私としてもかなり課題感を持っています。   事前に御覧いただいているとおり、資料にありますけれども、社債権者集会を開くためのプロセスは御承知のとおり結構大変です。これは保護預かりさせていただいている証券会社しかり、証券保管振替機構さんに直接アカウントをお持ちの機関投資家様しかり、振替法第86条証明書を請求して、発行体のところに送って、相当時間が掛かっていて、議決権行使も実際に会場に行くか、書面決議か、いろいろありますけれども、随分と社債発行企業の顔ぶれも増えてきて、今までよりも社債権者集会が開かれるようになってきて、きっとこれからもっと増えてくるのだと思います。経済産業省さんの動きでもございますが、社債をより多く発行し、その際にコベナンツを付けるですとか、いろいろな話が出てきます。そうすると、今までよりも一層社債権者集会を開く可能性が出てきますので、それに向けてこの機会に効率化について、是非前向きな議論を続けていただきたいと思います。   では、最初に1ページ目を御覧ください。本協会では、と記載がございまして、この資料は日本証券業協会と一緒に作りました。社債市場の活性化に向けて取り組んでおりますので、一番下に記載ございます3点、いずれも原則として賛成でございます。   2ページ目を御覧ください。まず最初にバーチャル社債権者集会、これはハイブリッド型も含めて導入に賛成です。強く賛成を致します。実際に社債権者として権利をきちんと主張する、これはとても大事なのですけれども、プロセスの大変さは先ほど申し上げたとおりです。ただし、会場に行くのか、行かずに決めるのかは余り関係なくて、実際に会場に集まる方はゼロということもございますので、是非ハイブリッド型も含めてバーチャル化の導入をお願いしたいと思います。これによって意思決定の迅速化、効率化が期待されると思います。また、現場にいて感じることとしましては、バーチャル化が実現された以降の社債だけを対象にするのではなく、募集要項にバーチャル化の定めがない過去のものについても是非ともバーチャル化が可能になるように、お願いしたいと思います。内容次第ではありますが、このバーチャル社債権者集会については、過去のものに遡及適用して困るという方が出てくるとは余りニーズとして感じられませんので、もし今後、バーチャル社債権者集会は避けたいという発行体がいれば、それは新しい要項で定めれば十分なのではないかと、このように感じております。   一番下に決議の不認可の特例がございますが、こちらは時間の都合で省略を致しますが、株主総会との相違点を踏まえて御議論を既に頂いておりますので、御提案の内容について賛成でございます。   続いて、3ページ目を御覧ください。振替法第86条証明書に関するものです。この書面制度について、電磁的記録による証明書の提示、これを可能とすることについて賛成でございます。冒頭申し上げたとおり、これからきっと社債権者集会は増えてくると思います。より活用されるべきだと思います。その際に課題となる時間や手続の効率化、このためには投資家さんが取引できない期間は極力短縮をしたいニーズがあり、これは郵送で振替法第86条証明書を送り、返送してもらうよりも、電磁的な手段で完結させた方が短縮できますので、その観点で申し上げました。   あと、この電子化の利用場面において、これは矢印の三つ目に記載を致しましたけれども、社債権者集会において議決権行使する場合においてのみ電子化が可能と提言されているように思われますけれども、振替法第86条証明書の制度自体について、電子化を可能としていただきたいと思います。細かくいろいろ書いていますけれども、社債権者集会での決議が必要な事項以外でも、発行体さんが、しっかりとこの人が社債権者さんだと確認した上で意思を確認したい場面はあると思いますし、これからいろいろ出てくると思いますので、利用用途は幅広く御検討いただきたいと考えております。   続いて、4ページ目です。その証明書のオリジナルデータを特定することを可能にすることについて、これはなかなか悩ましいところかと思いますが、書面と比べて過度に厳格な措置となると、これは電子化の障壁となりかねませんので、実務を踏まえた現実として運用がしやすいもので是非とも御検討いただきたいと思います。いろいろ書いておりますが、「・」の二つ目のところに、振替法第86条証明書によって社債の振替の申請か抹消の申請をすることができなくなりますから、防止する必要があるのは多分、振替法第86条証明書を使って凍結を解除して社債を譲渡したのだけれども、権利行使を行おうとする場合などだと思っていますけれども、これは何かしらの方法で解決できるのではないかと思っています。「・」の三つ目に一案として記載しましたが、振替法第86条証明書の交付と返還の都度、その情報が発行体さんに報告されていれば、発行体さん側で突合して、権利のない方の権利行使は防止できると思います。ちなみに、株式と違って社債は保有者が分からないという課題が昔からありましたので、少しそこのお話ともつながっていきます。いずれにしても、まず証明書のオリジナルデータの特定については、これは電子化の障壁とならないように、実務において支障がない柔軟な御対応を是非とも御検討をお願いしたいです。   5ページ目です。今ほど申し上げました、株と違って社債は権利者の状況がなかなか容易には把握できない状況ですが、これは今後こういった電子的な証明の議論の中で何かしら議論が進むのかもしれません。発行体による社債権者の把握という大きな論点を含んだとても大事な問題提起、それが今回のものだと思っています。ただし、「・」の二つ目の中段ぐらいから記載いたしましたが、実際に誰が保有者かを把握するような仕組みを導入しようとすると相当関係者のコストが掛かりますから、そのコストメリット、特に利用者として発行体さんがどこまでのコストを許容できるかが相当論点になっていきますので、ここは今回の振替法第86条証明書の電子化の話とはもう少し別で、より将来的な課題として検討いただければと思います。ですから、社債の保有者が誰かという課題はあるのですが、これは今回ではなくて、もうしばらく先の将来的な課題として、保有者が誰か全般的に明確にするという議論をするのがよいのではないかと思っております。   続いて6ページ目です。今まで私が御説明いたしましたのはバーチャル社債権者集会と振替法第86条証明書の電子化でございましたが、こちらに記載がございますのは多数決による書面決議を可能とすること、これについても賛成でございます。矢印の二つ目の中段以降に記載いたしましたが、多数決による意思決定を可能とすることは、冒頭より申し上げているとおり、意思決定の効率化に資すると考えております。実際に社債権者集会の会場にいらっしゃる方が少ない点は冒頭に申し上げましたが、多数決の書面決議、こちらはその点を踏まえた良いアイデアだと思っております。矢印の四つ目に、中間試案においてA案とB案が記載されていることについて、A案は負担の軽減、B案は加えて手続の迅速化の向上が期待されるものです。これはそれぞれ異なる内容、異なる特徴がありますので、どちらかのみを存続させるのではなくて、ケース・バイ・ケースで使い分ければよいと思っており、並存することも考えられるという考え方に賛成でございます。一番下の矢印に記載いたしましたが、A案とB案どちらが適しているかというのは、これは本当に内容次第でございますので、余りこの場合はA案、この場合はB案と相当細かく規定してしまいますと、実務上制度が複雑になって分かりにくく、なかなか使いにくくなってしまうと思われます。別の件でも申し上げましたが、実務をスムーズにして、社債権者集会を通じて日本の資本市場がよりスムーズに大きな調達と運用のマーケットになるために、実務に即した御検討をお願いしたいと思います。もし何らか規定が必要であれば、最低限、B案ではなければいけないのはこうだ、それぐらいの法定はいかがでしょうかという御提案でございます。   最後のページ、7ページ目を御覧ください。多数決の書面決議で振替法第86条証明書の提示が必要かどうかについては、これは証明書制度の見直し次第かなとは思っております。ただし、実務上何らかの方法で社債権者集会の確認は行うでしょうから、どういったやり方でそれを証明するのかというのは、振替法第86条証明書の提示でもよいですし、ほかの方法もあろうかと思いますので、その辺りは柔軟に御検討いただくのがよいのではないかと、このように考えております。私は現場で社債ビジネスをやっていて、正に投資家さん又は発行体さんが社債権者集会の始まりから終わりまでの一連のプロセス、慣れていない方は尚更、相当大変なのを身をもって感じていますし、結構早めに準備しても、投資家さんはやはり間に合わなかったりするのですね。それが解消していくと、これから日本のマーケットをもっと大きくするために、きっと良いことがあると思いますので、我々は社債マーケットを大きくして企業さん、投資家さん、皆が喜ぶマーケットを作っていきたいと思いますので、それを法制度の面で是非サポートしていただきたく、本日は意見を述べさせていただきました。   発言は以上になります。 ○神作部会長 御説明どうもありがとうございました。   それでは、続きまして渡邉様、森田様から御説明を頂戴したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○渡邉参考人 みずほ銀行資本市場部の渡邉と申します。まず、私どもからは、社債市場の全体感を御説明した上で、今検討されている会社法改正における各論点について、私ども実務家としての意見を申し述べさせていただきたいと思います。   では、まず3ページ目を御覧いただければと思います。先ほど大和証券の大津様からも御案内のありましたとおり、足元はマイナス金利が明けて金利が立ってきている状況でございまして、今正に社債をより一層拡大するチャンスであると思っています。さはさりながら、まだまだ社債市場の拡大においては法制度面での課題があると思っておりまして、今このように法制審議会様の方で御検討されているのは絶好のタイミングと考えているところでございます。   社債権者集会の効率化、円滑化の必要性については、3ページ目で御説明させていただいておりますけれども、我が国の社債市場は、御案内のところもあろうかと思いますが、事業法人の資金調達に占める社債の割合というのはアメリカと比較するとしても、やはりパーセンテージで見ても半分以下ということで、まだまだ拡大する余地があるのではないかと。取り分け格付別の社債発行状況では、投資適格の社債がアメリカでは相応のボリュームを占める一方で、我が国ではBBBのところでも5%程度ということで、BB格の社債というのはほとんど発行がないという状況でございます。日本の社債発行企業というのは、上場企業3,800社のうち1割強ということでございますので、まだまだ上場企業でも社債の発行を拡大していく余地は大いにあるのではないかと考えているところでございます。   4ページ目を御覧いただきますと、日証協様及び経産省様で社債市場の活性化については議論をしていただいているというところでございまして、日証協様では2023年12月から活性化に向けたインフラ整備ワーキンググループが開催され、我々も委員として参画して議論をしておりますし、経産省様においても社債市場の在り方に関する研究会ということで、直近でも報告書を公表していただいたところでございます。その中での議論では、やはり社債市場の活性化に当たっては、適切なコベナンツの付与とその柔軟性確保ということで、柔軟性の確保という点では社債権者集会の効率化、円滑化が必要という結論でございます。取り分けコベナンツという意味では、相対的に信用リスクの高い社債市場の創設のためには、今は余りコベナンツというものが付けられて発行されておりませんけれども、チェンジ・オブ・コントロールやレポーティング・コベナンツ、その他のコベナンツも付与していくことが必要なのではないかと。ただし、やはり社債というのは5年、10年と長い期間でございますから、その中で御発行体の環境変化に応じて柔軟に変更ができるというような制度設計が必要なのではないかということでございます。   社債のコベナンツの変更という点では、社債権者集会を現状では開催しなければいけないわけですけれども、先ほど大津様の御説明もありましたとおり、社債権者集会の開催というのは、どうしても場所の確保が現状必要であるため機動的な開催が困難である、又は場所を確保して郵便で送付してというようなことでございますと、コスト面でもそれなりに御発行体の負担が多いということでございます。取り分け個人向けの社債などは、数万人の社債権者様が存在しますので、そういった意味でもリアルで開催するとなった場合に、例えば東京ドームを確保しなければいけないかとか、そういったことも考えなければいけないということもございますので、そのような御発行体の心理的な、物的負担を軽減していくということが必要なのではないかと考えているところでございます。   5ページ目は、それで社債権者集会の効率化、円滑化が図られた場合に、どういった効果が期待されるかということをまとめてございます。先ほど申し上げましたとおり、社債の発行企業の裾野を広げていく、そういう意味で言うと、より信用リスクが高い企業でも発行いただけるような環境を作っていく、これが一つございます。あとは、LBOやプロジェクトファイナンスなど、こういった多様なコベナンツが付いている、現状ではローンで対応されているものも、社債に間口を広げていくということも考え得るかと思います。あとは直近、金融庁様の方で事業性融資推進法という形で立法に御尽力いただきましたけれども、これも社債を被担保債権とすることができるということになっておりますので、その活用促進ということにもつながるのではないかと思っているところでございます。   6ページ目でございますけれども、直近、先ほど日証協様の方でワーキングの報告書を取りまとめていただいたと申し上げましたけれども、2025年にはBBB格以下などの一定の格付の銘柄については、チェンジ・オブ・コントロール条項やレポーティング・コベナンツの付与状況を引受証券会社様が確認するということを自主規制で取り決めていただいております。その中で、コベナンツ付き社債管理補助者債が増えてきているという状況でございまして、そういった観点からも、社債権者集会を効率化していくという必要性は今正にあるのではないかと考えているところでございます。   7ページ目は、経産省様の研究会を概略まとめているところでございます。世の中的に機運が高まっている今だからこそ、こういった会社法改正を是非御検討いただければと思っております。   では、これからは森田の方から、今御検討いただいている会社法改正における各論点に関して、実務家からの要望として個別の意見を申し述べさせていただければと思います。よろしくお願いします。 ○森田参考人 みずほ銀行の森田でございます。僭越ながら、中間試案で継続検討とされている事項を中心に、実務家の立場から幾つか意見を述べさせていただければと考えております。   では、右下9ページ目を御覧いただければと思います。まず、バーチャル社債権者集会の導入に関しましては、バーチャル社債権者集会があれば機動的な開催が可能となる点、また、社債権者にとりましても遠隔地にいる場合の出席だとか、前後の予定が詰まっている場合であっても出席が可能となりますので、社債権者保護に資するという観点から、バーチャル社債権者集会を導入していただきたいというのが私の意見ではございます。   次に、募集事項に関する記載でございます。募集事項に定めがなくともバーチャル社債権者集会を実施可能としていただきたいというのが意見でございます。募集事項の定めが必要とすると、既に発行済みの社債はリアル開催、これから発行する社債はバーチャル社債権者集会での開催となり、異なる事務フローが並走する懸念が考えられます。そうした場合、招集者である発行会社にとっては極めて煩雑となりますので、過去から定期的に社債を発行している発行会社においては事実上、バーチャルオンリーの社債権者集会の活用が難しくなるおそれがあると考えております。こういった観点からも是非、募集事項に定めがなくとも、バーチャル社債権者集会を実施可能としていただきたいと考えているところでございます。   次に、10ページ目を御覧いただければと思います。こちらは延期又は続行時の通知に関する規律に関してでございますが、発行会社などの招集者は当然、決議を成立させる観点から実務上、社債権者に延期又は続行した旨の周知をするということになると考えております。また、発行会社の方から社債権者への通知方法に関しましては当然、公告といった方法もありますけれども、この時点では既に振替法第86条証明書の提示を受けておりますので、社債権者が誰であるか認識しており、個別にメールや電話で連絡することも考えられますので、規律で通知方法が限定されてしまうと、機動的かつ柔軟な対応ができないといったことが懸念されます。そうした観点から、規律は不要としていただけないかと考えているところでございます。   最後に、バーチャル社債権者集会に関しまして、知れている社債権者への通知、交付に関してでございますが、現行法上、電磁的方法による招集通知を実施する場合においては、事前に社債権者から電磁的方法による招集通知を行うことの承諾を得なればならないということになっておりますけれども、当該事前の承諾を不要とする見直しをしていただきたいと考えております。社債権者集会の実務において、バーチャルオンリーで社債権者集会を開催する場合の多くにおいては、全ての手続を電磁的手段で完結させることが発行体及び社債権者の双方の利便性の観点から望ましいと考えております。招集通知に関しては、事前の承諾なく電磁的方法によることができるものとし、個別に請求があった場合に限って書面交付を義務付けるような形で、オプトアウト方式での方法も考えられますので、そういったところも含めて御検討いただければと考えております。   次に、右下11ページ目を御覧いただければと思いますが、こちらは飽くまで参考でございまして、中間試案で御議論いただいている内容をまとめたものでございますので、お時間のよろしいときに御覧いただければと思います。   続きまして、右下13ページ目を御覧いただければと思います。振替法第86条証明書の書面制度に関しての意見でございます。まず、振替法第86条証明書の電子化の要否に関しましては、中間試案で御提示いただいているA案に賛成でございます。バーチャル社債権者集会の導入と併せて、振替法第86条証明書の電磁的記録による証明書の提示も可能としていただきたいというのが意見でございます。振替法第86条証明書だけ書面提示を要するままでは、バーチャルオンリー社債権者集会の実現における利便性及び機動性を大きくそぐことになりますので、電磁的記録による証明書の提示は必要と考えているところでございます。   次に、A案の①として、電磁的証明書の技術的要件を求める案、こちらに関しまして意見でございますが、振替法第86条証明書のために、例えば振替機関等において市場共通のシステムを導入するということが考えられますが、コスト負担等を考えますと、短期的には難しいと考えます。オリジナルデータを特定する技術的要件についても、必ずしも法令上の要件とする必要はないのではないかと考えているところでございます。というのも、オリジナルデータを特定するための技術的要件の必要性については、PDFファイル等の改ざんも刑法上の犯罪に該当し得ること、また、振替法第86条証明書は社債権者を名宛人として書面上も明記されていることが通常でございますし、また、本PDFファイルと併せて本人確認資料等の提出により名宛人と提示者の同一性を確認できれば、無権利者による議決権行使が介在するリスクは可及的には回避可能とも考えられますので、実務上の対応に委ねることで足りるのではないかと考えているところでございます。   右下14ページ目を御覧いただければと思います。A案の②、発行会社が振替機関等に対して情報の提供を求めることができるようにする案についてでございます。こちらに関しまして、社債権者集会の1週間前までに振替法第86条証明書の提示が求められていることを前提としますと、発行会社は社債権者集会当日までの短期間に振替機関又は口座管理機関に確認しなければならなくなること、振替機関又は口座管理機関において短期間の間に受付、確認を行う体制の構築が必要となるといった課題が考えられますので、実務的にも採用が難しいのではないかと考えているところでございます。   現状、中間試案では先ほど申し上げたA案①とA案②が示されているところではございますが、現行の事務フローを可能な限り踏襲をしまして関係者の実務負担を少なくする案として、次のページ、右下15ページのようなものが考えられるのではないかと私どもとしては考えております。振替法第86条証明書の電子化につきましては、書面による証明書の場合には物理的に一つである状態を確保することが容易である一方、電磁的記録による証明書では複製、コピー等が容易に可能であるために、物理的には一つしかない状態を確保することが困難でございます。ですので、発行会社へ証明書を提示した後に、当該証明書の複製を用いることで口座凍結が解除されるということが考えられまして、二重に議決権行使がされてしまうということが課題かと認識しております。   この点に関しましては、振替法第86条証明書の機能を二つに分けることができまして、一つ目が、当該提示者が社債権者本人であることを証明するといった機能、それと、当該証明書が口座管理機関に返却されるまでの間の口座凍結を行うことで議決権を確定する機能の2点だと思われます。後者の方に関しましては、発行会社が口座凍結解除に関する通知書を送付して、その通知書に解除の機能を担わせるといったことで、当該課題を解決の上、現行のフローを大きく変更することなく振替法第86条証明書の電子化が可能ではないかと考えているところでございます。   具体的なフローに関しましては、図のとおりでございまして、現行法のフローが左側になりますが、社債権者が口座管理機関に対して振替法第86条証明書の発行の依頼をし、口座管理機関がそれに応じて振替法第86条証明書を発行します。そのタイミングで口座が凍結されますが、それを受けて社債権者は振替法第86条証明書を発行体に提示して議決権行使を実施し、社債権者集会が開催された後に発行会社から社債権者を経由して口座管理機関に返されて、口座管理機関が口座の凍結を解除するのが現行のフローでございます。   私どもが考えている案が右側の案になりまして、社債権者が口座管理機関に対して振替法第86条証明書の発行依頼をし、口座管理機関が振替法第86条証明書の電磁的証明書を発行します。そのタイミングで口座凍結をしまして、社債権者はその電磁的証明書を発行会社に対して電磁的に提示をします。それを受けまして議決権行使をしますけれども、その後、社債権者集会が開催された後に発行会社から口座凍結解除の電磁的通知書を出して口座管理機関まで戻すことで口座凍結が解除されると、そういったフローを考えております。   仮に社債権者集会開催前に社債を売却するような場合においては、この口座凍結解除の書面を発行体に対して出していただくといったような形になると思っています。ですので、凍結解除通知書が発行されている場合においては、既に一旦提示のあった振替法第86条証明書は効力が失われるような形に規律する必要があるかと考えておりますがこれにより二重行使を防ぐことができるのではないかと考えているところでございます。   右下16ページ目は実際のフローのイメージでございますので、参考に御覧いただければと思います。   また、右下17ページ目も中間試案の概要をまとめたものでございますので、参考に御覧いただければと思います。   では、続きまして右下19ページ目を御覧いただければと思います。社債権者集会の決議があったものとみなす制度の見直しに関しまして、意見を述べさせていただければと思います。まず、多数決型書面決議に関しましては、是非導入をしていただきたいと考えておるところでございます。社債権者集会は基本的にはコベナンツ違反の対応の場面など、機動的に意思決定をする必要が類型的に高い場面に利用されることも想定されますので、株主総会以上に多数決による書面決議の制度を導入する必要性が高いと考えているところでございます。   次に、実際に中間試案で提示されておりますA案とB案に関しましての意見でございます。こちらに関しましては、A案及びB案の両案を採用していただきたいと考えております。実務上では、例えば私募債のように社債権者がある程度特定されているような場面においては、既存の全員同意(みなし決議)又はB案を採用することで、より迅速に意思結集が可能になるものと考えます。また一方で、公募債・振替債の場合のように社債権者が多数で社債権者が誰であるのか分からないような場面においては、A案を採用することで、社債権者集会を開催するよりも迅速に意思結集を図ることが期待できますので、両案の利用場面を考慮して、両案とも採用いただきたいと考えているところでございます。   次に、右下20ページ目を御覧いただければと思います。知れている社債権者への通知、交付に関しまして、こちらは、先ほど申し上げたバーチャル社債権者集会で触れた知れている社債権者の通知と同様に、電磁的方法による通知を認めていただき、事前の社債権者の承諾は不要としていただきたいと考えております。   次に、振替法第86条証明書の提示に関する規律に関してでございます。こちらに関しましては、A案に関しましては必須、B案は必須とはしない方向で検討いただけないかと考えているところでございます。現行制度と同様、手続的規律を前提とするA案に関しましては、振替法第86条証明書の提示は必要と考えております。ただ一方で、B案は迅速な意思決定を可能とする趣旨から手続的期間の規律を設けていませんけれども、仮に振替法第86条証明書の提示を必要とすると、投資家が口座管理機関から振替法第86条証明書を取得するのに期間が必要となりますので、当該趣旨が実現できなくなる懸念もあると考えております。そのため、手続的な規律は設けず、実務に任せる方向で御検討いただきたいと考えているところでございます。   また、最後に本件の既発債への適用に関しましても、バーチャル社債権者集会のところでも申し上げさせていただいたとおり、既発債にも適用できるように御検討いただきたいと考えているところでございます。   みずほ銀行からの説明は以上となります。 ○神作部会長 御説明どうもありがとうございました。   それでは、続きまして質疑応答の時間とさせていただきたいと存じます。ただいま御説明いただきました大津様、渡邉様、森田様からのプレゼンテーションにつきまして御質問のある方は、挙手で発言希望の意思をお示しください。いかがでしょうか。 ○行岡幹事 大津様、渡邉様、森田様におかれましては貴重な御説明を頂き、誠にありがとうございました。私からは2点ほどコメントと、大きく2点ほど御質問をさせていただければと思います。少し長くなってしまうかもしれません。御容赦いただければと思います。   コメントの1点目は、バーチャル社債権者集会の適用対象に関しまして、日証協様の資料では2ページ、みずほ銀行様では9ページが該当しますけれども、原則としてバーチャル社債権者集会の制度を適用できるようにすることが望ましい、もしどうしても排除したい場合はオプトアウトできるようにすればよいということをおっしゃっていただきました。私は以前の会合でマジョリタリアン・デフォルトとしてはそのようなものではないかということを申し上げたかと思いますが、それが実務家の方にとってもその感覚に沿うものであることが確認できたということであると受け止めました。   コメントの2点目ですけれども、振替法第86条証明書を利用できる場面について、日証協様の資料の3ページの下半分で御提案を頂きました。振替法第86条証明書は同条第1項本文の場合以外でも請求できるようにすることを明確化するべきであるということですが、この点は私も賛成でございまして、例えばみずほ銀行様の資料の4ページで指摘されておりましたコベナンツの管理などの場面でも、この振替法第86条第1項の証明書を利用することが適切である場面が考えられますので、振替法第86条証明書は振替法第86条第1項に規定する場面以外にも利用できるということを可能であれば条文上明確化することが望ましいと思います。これは現行法の解釈としても、できると私は理解しておりますけれども、条文上そのことが分かりにくいというのはおっしゃるとおりだと思いますので、可能であれば御指摘の明確化をすることが望ましいのではないかと考えます。   以上がコメントでございまして、少し御質問をさせていただきたいことがございます。まず、御質問の大きく1点目は振替法第86条証明書の電子化に関する話です。プレゼンの中で御指摘いただいたとおり、振替法第86条証明書を電子化することでどんな問題が生じるかといいますと、振替法第86条証明書が発行された時点ではその人が社債権者であるということは確認できるのだけれども、現在もなお社債権者であり続けているかどうかを確認するすべがない。従来は物理的な振替法第86条証明書という媒体があって、それを口座管理機関に返さなければ社債を譲渡できないという制度になっていたので、その人が現在も社債権者であり続けているということが物理的な媒体を通じて確認できるようになっていたのだけれども、電子化することで容易にコピーができる状態になるので、そういった制度的な前提が崩れてしまうと、そういう問題があるわけです。   そこで、電子化された振替法第86条証明書の所持者が現在も社債権者であり続けているかどうかをどう確認できるようにするのか、そのためにどう制度を作っていくのかが課題であると理解しております。中間試案の(注3)では、発行会社が振替機関や口座管理機関に対して情報提供を求めることができるものとするという制度が提案されておりましたけれども、これについては、発行会社側が情報提供を請求して、それに対して振替機関や口座管理機関が応答するという一手間が発生するので、そこに一定の負担が発生すると。みずほ銀行様の資料の14ページは、そのような事務負担に対する懸念を示していただいたものだと理解しております。そして、この点に対応するものとして、今回、参考人の日証協様とみずほ銀行様にはそれぞれ少し異なる内容の御提案を頂いたものと理解しておりますけれども、それぞれについて少し御感触をお伺いしたいことがあります。   まず、日証協様の御提案では、4ページのポツの三つ目、振替法第86条証明書の交付及び返還の都度、当該情報が発行体に報告されれば無権利者による権利行使を防止できるのではないかという御提案がされていて、これはおっしゃるとおりだと思います。おっしゃるとおりというのは、この御提案は、現行法と同様に、振替法第86条証明書が交付されている状態だと口座が凍結されるという制度を維持することが前提のお話だと思いますけれども、そういう前提だとすると、振替法第86条証明書が返還されているかどうかがその都度発行体に知らされるようになっていれば、発行体としてはその社債を譲渡できる状態になっているかどうかをリアルタイムで確認できるようになるので、無権利者による権利行使を防止できると、そういう御提案だと思います。   しかし、私が少し気になっておりますのは、このような仕組みを作ることが口座管理機関の実務的にフィージブルかどうかということです。すなわち、確かに中間試案の(注3)と比べると、会社が請求して口座管理機関が対応するという、その一手間がなくなるので、その意味で手続が簡素化される、すなわち、振替法第86条証明書が交付されたり返還されたりしたその都度、自動的に発行会社にその旨が伝達されるということになるので、手続は簡素化されるのですが、とはいえ、その交付、返還の都度情報提供することとなれば、口座管理機関等の負担がそれなりに大きなものとなり得るようにも思われまして、ここは実務的には許容できるコストだと受け止めてよいのかという点について、確認をさせていただければと思います。   他方、みずほ銀行様の御提案は、発行体側が言わば口座凍結の解除のイニシアチブを持つ制度を構想しておられるということだと思います。これは、私の理解するところでは、現在の社債権者集会の実務を言わば電子化するようなイメージで考えておられるのだと思います。すなわち、現在の社債権者集会の実務では、1週間前の提示の時点で振替法第86条証明書を発行体側が事実上預かる運用がなされており、それを発行体側が社債権者に返還しなければ振替法第86条証明書の返還による口座凍結の解除ができないということになる、したがって、そのような運用の下では、現行法上も、社債の口座凍結解除ができるかどうかのイニシアチブは発行体側が持っている状態になっているところ、それと同じような状態を振替法第86条証明書の電子化においても実現しようと、そういう構想なのだと理解いたしました。これは確かに今の実務とは連続的に理解できるものなのですが、ただ、現行法が法令レベルで定めている内容とはやや立て付けが異なる制度であるということは、少し意識しておく必要があるのかなと思います。   その上で、私がみずほ銀行さんにお伺いしたいのは、というか、日証協さんとみずほ銀行さんそれぞれに、お互いの提案についてどのように思われるのかをお伺いしたいということかもしれませんが、特に、みずほ銀行さんにお伺いしたいのは、日証協さんが提案されている内容、すなわち証券会社からその都度やってくる情報を管理するということが、発行体ないし財務代理人側として、許容できるコストだといえるのかという点について、お考えをお聞かせいただければと思います。   以上の振替法第86条証明書の電子化に関する御質問が、御質問の大きく1点目ということになります。   御質問の大きく二つ目は、これも振替法第86条証明書関係なのですが、多数決書面決議の場面における振替法第86条証明書の話です。日証協さんの資料だと7ページ、みずほ銀行さんの資料だと20ページが該当しますけれども、これに関してまず素朴にお伺いしたい点が1点ありまして、みずほ銀行さんの資料の20ページで、投資家が口座管理機関から振替法第86条証明書取得に関する期間が必要になるということが指摘されている点に関して、差し支えない範囲で教えていただければと思うのですが、この期間というのは大体どれぐらいの期間だと考えればよいのかという点です。   その上で更にお伺いしたいことは、特にB案のように迅速性が求められる場面において、振替法第86条証明書という特定の確認方法が強いられると迅速性の要請に反する場合があり得るという御指摘は、確かにおっしゃるとおりかなと思いましたが、さはさりながら、振替法第86条証明書さえ確認すればよいという制度が法制度としてあることに一定のメリットを感じる場面もあり得るのかなという気もするのです。そこで、これは一つのアイデアにすぎませんけれども、デフォルトルールといいますか、原則として振替法第86条証明書の提示が必要だけれども、募集事項の決定ないし社債要項においてそこからオプトアウトして、適宜の本人確認方法を定めることができるというような制度にすることはどうでしょう。実務的にそれでワークするといえそうかという点について、御意見を頂ければと思います。   一度にたくさんのことを申し上げてしまい、申し訳ありません。私からのコメントと御質問は以上でございます。 ○神作部会長 御質問がありましたので、それぞれ大津さん、それからみずほ銀行の方からお答えをお願いいたします。 ○大津参考人 主に私は1点目ですかね。今御指摘いただいたとおり、実務を担う上では紙のときと電子のときで物理的、時間的に電子の方が短いものの、実際の手間自体がオートマチックにゼロになるわけではないので、手間自体は掛かってしまうのだと思います。ですから、ものすごく社債権者集会がたくさん開かれる、いろいろな社債権者さんの振替法第86条証明書のやり取りをするとなると、これは困難だと思います。ただし、現在は社債権者集会が年々ものすごい数開かれるという状況ではございませんので、最初のステップとして紙から電子、これによって随分関係者は効率化できます。ただし、おっしゃるとおり手間自体がたくさんになったときに許容できるかというと、これは到底難しいと思いますから、その際にはもう一歩踏み込んだシステム制御ですとか何かしらが必要で、そうなるとまた例のごとく、社債権者さんは結局どなたなのですかという、もう1段上の話で、相当コストの掛かる話になりますから、まずは電子化を実現することとし、手間を許容できる範囲には正直なところ限界があると思っています。   2点目は、これはみずほ銀行さんですか、1点目もですけれども。 ○渡邉参考人 行岡先生から御質問があった点、2点あると思いまして、みずほ銀行から回答させていただきます。   1点目、これは日証協様の御提案について、私ども銀行の立場からのフィージビリティはどうかというような御質問だったと思います。この点につきましては、詳細はこれは証券保管振替機構様の制度に立脚しておりますので、ほふり様の方に御確認いただく必要性があるかと思いますけれども、私どもの理解としては、現行の振替法第86条証明書の交付及び返還に係る情報が財務代理人等に共有される仕組みというのは、確かにほふり様の業務規程に記載がございますが、これは支払日、償還の期日等が近しい場合に、凍結がなされているという情報を我々に共有して、実際に我々が償還事務に対して支障がないようにするというような趣旨と思っておりまして、そういった意味で行きますと、財務代理人に還元されるのは限定的な場合、かつ、私どもの理解としては各社債権者様の情報までは私どもに共有されてこないという状況だと理解しておりますので、振替法第86条証明書発行の有無については共有されるけれども、各社債権者様の名前までは共有されないという点からすると、それを直ちに応用するというのは難しいのではないかと考えてございます。   確かにこのような仕組みが実際に設けられれば、振替法第86条証明書の電子化ということはある意味、対応は可能かと思いますけれども、現行そのような制度設計にはなっていないという理解からすると、それなりの対応が必要になってくるのではないかと考えておりますし、口座管理機関様の業務を私どもの部としては営んでおりませんので、詳細は手触り感としては申し上げるのは難しいですけれども、やはりその都度、御発行体若しくは財務代理人等に共有するというのは、システマチックな対応がないと、口座管理機関様の負担にもなるのではないかと推察しているところでございます。   2点目の御質問につきましてでございますけれども、私どもの資料の20ページ目のところでございます。こちらは、おっしゃられるとおり、私どもの理解としても、ほぼ行岡先生の御発言と余り大きな認識の相違はないかと思っておりまして、B案の場合でも原則振替法第86条証明書の提示を求めるということなのかなと。ただ、そこまで原則、例外という形で規定せずとも、裁判所の認可というものが要求されていることからすれば、実務上どのように社債権者であることを確認したかということの疎明資料としては、やはり必要となってくるのかなと思っておりまして、法律上の規定がなかったとしても、そのような運用が必要に応じてなされるのではないかという意味で、実務に任せる方向と記載しておりましたので、例えば本当に社債権者数が限定的な私募債のように、各社債権者も契約書に調印するような形で発行されているような場合は、その契約書の提示をもって本人の確認を取ったというような形もあるのかなと思っており、そのような場合も考えると運用に委ねてはどうかというのが実務家としての意見でございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。行岡幹事、追加の御発言はありますか。 ○行岡幹事 1点だけ。振替法第86条証明書取得に掛かる期間というのはどれぐらいか、御存じであれば。 ○渡邉参考人 失礼いたしました。これも口座管理機関様の実務でございますけれども、請求されてすぐにというのはやはりなかなか、私どもも銀行として証明書の交付を求められた場合に、内部的な決裁等、又は本人確認等が必要でございますので、最短であってもやはり一両日ですね、翌日なのかなと思っていまして、多く見て2、3日というところはやはり期間としては必要かなと。場合によっては、やはりこの振替法第86条証明書というのは発行が非常に異例なものでございますから、もしかしたら1週間程度掛かるというようなところも、口座管理機関様によっては、あるのかなという感触でございます。 ○行岡幹事 大変よく分かりました。ありがとうございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○加藤幹事 御説明ありがとうございました。日本証券業協会様に1点と、みずほ銀行様に1点質問があります。   1点目は日本証券業協会様の3ページについてで、社債権者集会の決議が必要な事項以外でも発行体が社債権者の意思を確認したい場面があり得るので、その際に振替法第86条証明書が使えるということを明確にしてほしいとの御要望があったかと思います。このような場面があり得るとして、振替法第86条証明書には取引制限という負担が社債権者に掛かってきますが、こういう負担はあるのだけれども、やはり振替法第86条証明書を使いたいということなのかということについて、御意見いただければ幸いです。   2点目は、みずほ銀行様の資料の15ページについてで、こちらは行岡幹事の御質問にもあったのですけれども、ここで御提案されているのは現行実務の電子化であるかと思います。現行実務の特徴は、15ページの現行フローイメージの※のところで書いてあるとおり、社債株式振替法が想定しているのとは若干違った形で振替法第86条の書面を預かってしまう点にあるかと思います。その結果として、社債権者が一旦振替法第86条証明書を提示した後は、もう譲渡したいと思ったとしても、恐らく返してもらえることはできるかもしれないですけれども、相当手続が煩雑になるので、事実上議決権行使をする意思があるのだったらもう譲渡はできませんという取扱いになっているのだと思います。これに対して、日本証券業協会様の4ページで御提案されているものは、社債権者が一旦振替法第86条証明書を提示した後も、それをいわゆる撤回というか、その後、社債権者集会の前までに撤回して譲渡をしたいというような需要に対して柔軟に対応する、振替法第86条証明書の提示後に事情が変わって譲渡したいというニーズが存在する可能性を考えられた提案かと思います。私の御質問というのは、今後社債の発行市場を活性化していく観点から、議決権行使をしたいのであれば振替法第86条証明書を提示した後は譲渡はできないという仕組みを、維持した方がいいのかどうかということです。 ○神作部会長 御回答をお願いいたします。 ○大津参考人 ありがとうございます。まず、今の御質問に御返答いたしますと、日証協の資料の3ページ目で、実際に社債権者集会以外でも発行体に社債権者が意思を確認したいというところはあろうかと思いますが、その際に売買が止まってしまうのは、これはもう本当におっしゃるとおりです。ただし、債券の場合は、非常に頻繁な売買が実際の商習慣として行われているかというと、必ずしもそうでもございません。よりマーケットが大きくなって流動性が高くなれば売買が増えるとは思いますが、何かあってすぐに売買するようなものではありませんので、現実に即すると、そこまで考慮しなくても大丈夫かなと、多少売買ができない期間があっても、振替法第86条証明書をもってやり取りをする、そのメリットはあった方がいいのだろうと思っています。ただしこれを紙で対応すると、これは少ししつこいようなのですけれども、本当にものすごく時間が掛かってしまって、請求して手元に届いて、それを発行体のところに持っていって、話して返してもらう一連の手続なので、これを1週間でできるかというと、まずできなくて、数週間掛かってしまうので、せめて電子化のタイミングでこれを入れておくのがいいのではないかという考え方でございます。   あと、行岡先生のところの御質問で、私はみずほ銀行さんの件についてどうかというところをコメントができておりませんでしたので、コメントいたしますと、みずほ銀行さんの資料の15ページ目の凍結解除通知案のフローイメージですね、これは私の理解ですと、今まで実際の紙か郵送で行っていたものを電子的に変えるというものでございますので、ワークはするのだと思います。ただしこれも私が先ほど申し上げたものと重複してしまいますけれども、すごい頻度でいろいろな発行体でやろうとすると大変ですから、飽くまである程度の件数であればできるのだろうな、ぐらいでございます。もし、年間何十も何百も社債権者集会が開かれるようなことはないと思いますけれども、そうなるのだったらそれなりのシステム整備みたいなものは必要なのだとは思います。 ○神作部会長 それでは、みずほ銀行からお願いいたします。 ○渡邉参考人 ありがとうございます。加藤先生の御質問に関し、確かに譲渡ができないというところは、もしかしたら不便に感じるところがないわけではないとは思います。ただ、基本的に私どもの発想としては、また現行法の発想としては、議決権を行使するのであれば譲渡ができないというところは甘受するということが法律の想定なのではと考えており、そういう意味で、今の現行法の思想にのっとって考えるとすると、御提案したような設計案があるのではないかというのが私どもの考えでございまして、もちろん加藤先生や大和証券大津様のおっしゃるとおり、譲渡を自由にできるようにするというようなことができれば、それが実務的に、又はシステム的にも制度的にも可能なような形になるのであれば、それはもちろん望ましい姿かなと。ただし、やはり現行の制度ではなかなかそこが実現は簡単ではないというところからすると、あえてコストを掛けてシステム的に整備するかどうかというようなプロコンの問題になってくるのかなと考えてございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○齊藤委員 本日は貴重な情報提供を頂きましてありがとうございました。今の点にも関わるのですけれども、システム変更も視野に入ってくるといたしますと、今回の改正だけでなく、その先の方向性も、つまり、問題提起いただいたように、将来のより本格的な電子化、効率化の方向性も見据えつつ、今回、それに向けた最初のステップとして、どの程度対応するべきかという形で議論するのが、無駄も少なくなるように思われます。その際に、売買がそれほど頻繁に行われるわけでないという点を重視するのか、売買の必要性が高いという点を重視するかによって、何を優先すべきかが変わってくるように思われました。それで、将来的な話として、株式の基準日制度のようなものの導入、すなわち、社債権者集会で議決権を行使できる者を特定の日の保有者とし、その日以降に売買することも事実上可能とすることが、社債という金融商品において本質的に受け入れられないものなのか、をおうかがいいたしたく存じます。基準日制度を入れますとエンプティ・ボーティングの問題が生じるように思うのですけれども、その代わり売買の可能性と権利行使者の確定を切り離すというようなこともできると思うのですけれども、そういった方向性を長期的に考えるということについては、いかがお考えでしょうか。 ○神作部会長 それでは、みずほ銀行渡邉参考人、お願いします。 ○渡邉参考人 ありがとうございます。もうこれはおっしゃられるとおりでございまして、基準日という制度は、これはそういう意味で言うと日証協様、大和証券様の御提案を敷衍していくと、そういった方向性になるのかなとは思ってございまして、その場合の現状のネックといたしましては、今の振替社債制度は無記名社債ということで、社債権者が誰かは通常は分からないという立て付けでございますので、そこを例えば株式と同じように、総株主ならぬ総社債権者通知のような制度を証券保管振替機構の方で設けていただくというようなことが必要かなと思ってございます。ただ、その場合にはやはり証券保管振替機構の方の事務手間等も発生することでございますので、そこら辺、関係各所が調整されれば、もちろんそういった方向でやっていくということはありますし、そういう意味で行きますと、日証協様、大和証券様の3ページ目の御提案につながってくると理解しております。通常時であってもコミュニケーションがとれるよう、社債権者が誰かということが分かるような方向性は、総論としては私どもも賛成でございまして、おっしゃられるとおり、どこまで現段階で対応すべきかというお話なのかなということでございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。ほかにお答えがございますか。 ○大津参考人 もう本当に将来的な話で、基準日を定めて、そのときの保有者に対してアクションを起こすのか、いずれ、見た目は変わらないのだけれども、中身はブロックチェーンで動いていて、基準日ではなくてもその時点のものが適切なフローを経れば分かるような仕様になるのか、いろいろなパターンがあると思いますが、猛烈にコストが掛かり、いろいろなシステムを整備する話になり、ではどこが負担するのかというと発行体さんの負担も掛かるでしょうし、なかなか悩ましいので、現時点ではまず振替法第86条証明書の電子化を実現すべきと考えます。ただし、そこで将来のことまでを織り込んだ設計はなかなか現実的に難しいのかなと、これは本当に個人的には思っておりまして、議論としては、振替法第86条証明書ではなくて、もう少し広い話としてコストを含めて議論していく際には、本当におっしゃるとおりの論点が生じると思います。 ○神作部会長 どうもありがとうございます。 ○久保田委員 今日は御説明ありがとうございました。私は大きく分けて2点、お聞きしたいことがあります。   一つ目は、社債権者集会における議決権行使の状況についてでして、これは御説明の中にも出てきましたとおり、社債権者集会の議題とか社債権者の数、あるいは大口の保有者の有無等によって変わるとは思いますけれども、その点も含めて、社債権者集会における議決権行使比率について、把握されている範囲で構いませんのでお教えいただきたいと思います。またあわせて、行使された議決権のうち事前に行使された議決権の比率はどれほどなのか、逆に言えば、債権者集会の場での議決権行使の比率はどれほどなのか。先ほどの御説明の中では、社債権者集会の場における出席者がゼロの場合もあるという話でしたけれども、この点についてもう少し詳しく御説明いただければ有り難いと思います。これが一つ目です。   二つ目は、これはみずほ銀行様だけに対する質問なのですけれども、資料10ページから11ページにおいて、社債権者集会の招集通知等を電磁的方法によって発することについて、社債権者の事前の承諾を不要としてほしいという要望が出されています。ここに書かれているとおり、確かにほとんどの社債権者が通常メールアドレスを保有しているであろうことはおっしゃるとおりだと思うのですけれども、ただ現状、発行会社は社債権者のメールアドレスを把握しているのか、また、社債権者がふだん利用しているメールアドレスが変更になる場合もあるかと思いますけれども、そのような場合でも変更されたメールアドレスを適時に入手できるような体制というのがとられているのかという点について、お教えいただければ有り難く思います。 ○神作部会長 2点御質問いただいたと思いますけれども、まず第1点について、はじめに大津参考人からお答えいただけますか。 ○大津参考人 どうでしょう、権利行使をどれぐらいされているのかと、実際に郵送と実地でどれぐらいの比率かというのは、我々が社債管理者などではございませんので、存じ上げませんので、これはみずほ銀行様だとは思いますが、せっかくですので証券会社としての知見を御紹介いたしますと、まだそれほど多くないですが、やはり社債権者集会を開かれる企業さんが何件か気にされているのは、本当に社債権者が皆さんきちんと議決権を郵送なり実地なりで行使してくれるのかということです。周知はするけれども、周知もなかなか行き届くわけでもなくて、かつ、繰り返しですが、何しろ手続が煩雑なので、ほかの人が議決権を行使してくれるから自分は行使しないという方も正直いて、若しくは間に合わないということもあり、発行体としては社債権者の皆さんはアクションしてくれるのか、郵送を含めてどれぐらい集まってくれるのか、こういった不安があります。これは恐らく電子化によって多少なりとも解消されるのではないかとは思っています。   みずほ銀行さん、よろしくお願いします。 ○森田参考人 社名は申し上げられませんが、昨年、私どもみずほ銀行としましては幾つかの社債権者集会の開催を支援させていただきました。3社支援をさせていただきましたが、議決権行使をされた方は議決権総数の70から80%程度で、その中で実際に書面投票された方が90%程度でございました。社債権者集会に実出席された方も、0名または1名、多くても2名でございました。   また、知れている社債権者への通知に関しましては、まず、アドレスを入手できる体制というものはございませんが、そもそもの前提としまして、振替制度上、社債権者が誰なのかというのは通常知り得ない中、既に知れている社債権者になっているということでございますので、何かしら個別にコンタクトできる状態であるということだと思います。実際にも知れている社債権者が発生した場合では、個別に社債権者と話をする中でメールアドレスをお聞きして、当該アドレスへ書類を送付したといったような事例もございます。知れている社債権者を前提とすれば、アドレスを把握することは可能ではないかと考えているところでございます。 ○久保田委員 ありがとうございます。最後の森田様の教えていただいた点についてなのですけれども、現状を前提にすると、特段の法規制、法的な手当てがなくても実務はうまく回るという理解でよろしいでしょうか。 ○森田参考人 私どもとしましては、もし仮に通知をした後に書面でどうしても必要な方、実際には余り想定はされないと思いますけれども、そういった方を保護するのであれば、オプトアウト形式のような形で、請求があった場合には書面にてお渡しをするよう規律をすることも一つの案と考えているところでございます。 ○久保田委員 ありがとうございます。あと、特定の例という話でしたけれども、議決権行使比率が70から80%というのは私の想像よりもはるかに多かったのですけれども、これは何か理由があったのでしょうか。何か特別に議決権行使を働き掛けるということをされたとか。 ○森田参考人 はい、まず実務的には社債権者宛に情報を送付する方法として証券保管振替機構が提供する「社債情報伝達サービス」による通知というのがございます。当該通知を利用しつつ、一方で、私どもが今回社債権者集会の開催の支援をさせていただいた案件では、口座管理機関に対し社債権者へのコンタクトについて御協力を要請しました。情報管理の問題もございますので、当該配慮をしつつ、御協力いただける口座管理機関を経由して社債権者へ個別に呼び掛けをしていただきました。ただ、全ての社債権者集会においてそのようなことができるわけではございませんので、自然体で開催をした場合にどの程度の人数が行使されるのかに関しましては正確な数字は持ち合わせていないところでございます。ただ、集会を開催するにあたって私どもの方で情報収集をした限りでは数割程度しかなかったといった情報もございました。この点は集会の開催事例によって幅はあるのだと思います。 ○久保田委員 ありがとうございます。もう1点だけよろしいですか、すみません。特別な働き掛けがない場合についてですけれども、これは先ほどの大津様の御発言でも、情報がどれだけ周知されているかがよく分からないところもあるというような話がございました。この点、社債権者集会があったとみなす制度について、A案の方を採る場合には、実効的な情報周知がされないと、ごく一部の社債権者の議決権行使だけによって決議の結果が決まってしまうということが起こり得ると思うのです。それでも社債権者の選好とか利害状況というのは基本的に均一だと思いますので、特別な事情がない限りは、ほかの多くの社債権者に不利益が及ぶことは考えにくいのではないかと個人的には思っているのですけれども、実務から見て、ごく少数の社債権者だけが積極的に議決権行使したことによって決議が可決されることによって、ほかの多くの社債権者に不利益が及ぶという可能性がどれぐらいあるのかについて、もし御意見をお持ちでしたら、可能な範囲でお教えいただければ有り難く思います。 ○渡邉参考人 基本的に、例えば社債以外のところで何らかの利害関係を発行者の方とお持ちの場合は、そういった少数で決めてくるという弊害がもしかしたら出る場合があるかと思いますけれども、実際の実務としては、そういった実例が発生したというのは現状ではないという状況ではございます。我々どもからしますと、御発行会社様とお話をさせていただくと、最終的には裁判所の認可というところで多数決の濫用等の審査が入る中で、やはり少数で議決をして決めようというところは回避したいという考えが働くところでございますので、そういった観点からすると、やはり極力周知を可能な限り尽くした上で決議をするというのが発行体の考え方かなと思っておりますので、余り少数で決めてしまうというような弊害が際立つような形にはならないのかなとは考えているところではございます。   一方で、例えば定足数なりで一定の要件を定めてしまうと、無記名であるというところで、どのように票を集めていくのかというところとのバランスがありますので、そういう意味で言うと、今の現行法はそういった思想の下で作られたのかなというのが我々の理解しているところではございます。 ○大津参考人 私も発言いたしますと、考え方は同一でございまして、最終的には裁判所の認可のフローがあると。ただし、その前段の部分で、証券保管振替機構さんからきちんと情報自体は届きます。証券保管振替機構さんに直接口座を持っている方にはほふりさんから直接届き、口座管理機関、つまり証券会社等を通じて間接的に持っていれば証券会社に届き、証券会社の下に保護預かりで持っているお客様には証券会社から、お伝えをするようにはしています。ただし、何しろメールなりチャットなり、投資家さんにおいても情報がものすごくあふれていますので、発行体さんの気にするのは、通知する制度があって通知が飛んでいるのは分かるけれども、投資家さんが見逃していることはありませんかということです。だから証券保管振替機構さんから直接届いている先でも、できれば証券会社さんから、連絡が届いているということを少しフォローしてもらえないか、というお願いを受けることがあります。それに対して、我々は実際にどの方が持っているかは分かるようで分からないのです。新発で買ってくれた人、その後セカンダリーで買ってくれた人について、我々が分かっているものはあるのですけれども、分からないものも結構あって、ですから、持っていそうな人、当社が持っていると思う人にはお声掛けしますとお答えしています。何が言いたいかというと、周知をよりしやすくする仕組みというのは、将来的にはあったらいいなと思っています。今はそれを証券会社なり銀行さんなりが手作業でフォローしているような感じです。 ○臼井委員 2点質問させていただければと思います。   1点目は、電子化による期間の短縮の効果について伺えればと思います。市場参加者にとっては、債権者集会前後の取引不可期間というのがプロセスにおいて負荷になってまいります。先ほど大津様の方から現状では数週間掛かることもあるという御発言がございましたが、これが電子化されることによってどれぐらいまで短縮し得るのか、現時点の見方で結構ですので、お聞かせいただければと思います。   2点目は、現状では社債権者集会は年間でそれほど多くはないという御指摘がありましたが、例えば2000年代後半の金融危機の新興不動産セクターのように、短期間に社債権者集会やクレジットイベントが多発するといった場合、現状の書面のプロセスと、電子化したプロセスというのを比べると、素直に考えれば簡便化・電子化されたプロセスの方が処理力が高いと思われますが、そういった理解でよいのか、プロセスに負荷が掛かるような事態を想定した場合に、電子化していることがどのように働くのかという点について、御意見をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○大津参考人 1点目は、どれぐらい短縮できるか、これはなかなか予想は難しいわけですけれども、例えば慣れていない方が紙でもらおうとすると、こういうプロセスです。まず、そもそもこれは何だっけ、どうやってどこに要請して、どうやってもらうものだっけ、ということについて調べて、社内に聞いて、証券会社に聞いて、やっと要請して、それが郵送届いたら発行体に送って、ということが生じています。これが電子化でどれぐらい短くなるかというと、慣れていないと多分、最初のプロセスはありますから、イメージが付きませんが、それでも1週間ぐらいは多分掛かるのだろうなと推測しています。ただし今の制度ですと本当に3週間あっても間に合うか分からないと地方の投資家さんは言われるのです。調べて郵送して、東京から届いて、また東京に送るわけで、またそれが返ってきますから、これが電子であれば、ある程度慣れていたら、本当に推測でしかなく明確には分からないですけれども、1週間ぐらいで何とかなるのかなとは思いますが、実態と異なっていたら申し訳ありません。   2個目は、振替法第86条証明書を使う頻度が増えたときに、紙より電子の方がよいと思われるが、実際にその認識で合っているか、といった御質問だと思うのですけれども、これは正にそのとおりだと思って、特段疑いの余地もないかなとは思っております。 ○渡邉参考人 大津様がおっしゃられたとおりでございまして、やはり郵送の負担というのは投資家のみならず、書類を受け取るサイドの発行会社も、大量の紙の書類が届くということにそもそも慣れていらっしゃらないということもございますので、当然投資家の負担というのはそのとおりなのですけれども、発行会社の負担としても、紙の管理負担という意味で言うと、かなりそこは負担感が高いのかなというところを付け加えさせていただきます。 ○矢野幹事 私からは、少し違う話を質問させていただければと思います。社債権者集会の決議があったものとみなす制度についての、そのうちのB案の提案権者の範囲についてお考え、あるいは実務的なニーズだとか、そういった観点からお聞かせいただければと思います。   細かい話になりますので、少しだけ補足させてください。証券業協会さんの資料だと下のページで5ページ、みずほ銀行さんのものだと21ページの6の辺りかと思います。今回、A案とB案と二つありまして、A案の方は現行の制度を倒産法制のように非開催型にするというようなコンセプトで、B案の方は全員同意の書面決議をある意味緩和するといったようなコンセプトかと思います。現行法上は、全員同意の書面決議というのは単独の社債権者、特に10分の1とかそういった定めはない形になっているのですけれども、今回の提案は、B案の方もA案も10分の1以上という形になっているかと思います。そこで、書面決議というコンセプトとか迅速性の観点からすると、必ずしも10分の1にこだわらなくてもいいのかなと思う反面、いろいろ意見が分かれているとかそういった場合だと、かえって発行会社の負担が増えるという場合もあり得るのかなと思いまして、逆に10分の1でないという考えもあり得るのかなとも思ってはいます。それで、恐らくどちらかといえば小規模私募債ということが想定される事例ではないかとは思うのですけれども、具体的なこれまでの検討だとか具体的なニーズの把握の範囲において、特にB案の方の10分の1の点について何かお考えとかそういったものがあったら、教えていただければ幸いです。 ○渡邉参考人 B案のところの活用の想定スコープとして、仮に社債権者の数が限定された私募債であれば、基本的には全員同意のプロセスに近付けていくというのも一つあるのかもしれませんけれども、一方で社債権者が提案をして、その後で発行体の方がそれに応答しなければいけないということになりますと、負担が大きくなりますので、ある程度限定した形で濫用がないような形をするという、そこのバランスをどうするかというところかなと思っておりますので、ここが、今のところどのようなケースでこれが使われるのかというところが見えていない状況からすると、やや保守的に構成するのも一つの考え方なのかなとは思っているところでございます。 ○加藤幹事 振替法第86条証明書の電子化の方法について、実務の方の感触を伺いたい点がありますので、発言させていただきます。証明書の電子化というと、証明書をPDFファイルの形で社債権者に発行して、それを社債権者が社債発行会社に送るというフローを想定しがちなのですけれども、それが唯一なのかというと、そうではない気がいたします。仮に証明書の技術要件について詳細なことを定めないのであれば、一番簡単なのは、無記名社債の提示に相当するような、議決権行使したいという意図があったという情報を口座管理機関が集約して発行会社に伝えるという手続があれば、足りるような気がするのです。そういった手続すら口座管理機関や発行会社にとっては負担なのかということについて、つまり、紙に相当するようなPDFファイルのやり取りの方が楽なのかということについて、御感触を伺えればと思います。 ○大津参考人 口座管理機関は、例えば証券保管振替機構さんにぶら下がっている信託銀行さんですとか証券会社が該当しようかと思いますけれども、これはやはり大変だと思います。どうしても作業が生まれますから、作業にはコストとミスを防止する仕組みが必要で、ではそれを減らすためにシステム投資をするかというと、それもコストが掛かり、発行体さんへの影響もあろうかと思います。御指摘のとおり、紙からPDFというのは、そのもう一歩先はないのかと言われると、もうそのとおりだなと思うものの、現実のコストですとか作業を鑑みますと、まずは紙から電子への移行、ここから始まるのかなと実務を担っている者としては感じます。集約できるのではないかと思いがちですが、そういうものも多くて、なかなかコストが掛かる問題でございます。 ○神作部会長 みずほ銀行から何か追加のコメント等はございますか。 ○森田参考人 今、大津様からおっしゃっていただいたとおりと思っております。口座管理機関から議決権行使をする方(振替法第86条証明書を出した方)の情報を発行会社に教えていただければ、それが一番シンプルとは思います。ただ、口座管理機関においては恐らく相応の負担が発生すると推察されます。特にリテール債のような場合ではたくさんの社債権者がおりますので、行使をしようとしている方(振替法第86条証明書の請求があった方)と行使をしようとしていない方(振替法第86条証明書の請求がない方)、これをきちんと分けて管理し、回答をしなければなりませんし、また、取り下げた方に関しても管理し回答をしなければならないということだと思います。これを手作業でやるということであれば、それなりに負担は大きいと推察するところでございます。一方で、これがシステム化等されていれば良いとは思いますけれども、現行でそういった事務が確立しているわけではございませんので、負担が大きくないとは言えないと考えるところではございます。 ○松中幹事 私からは、まず、振替法第86条証明書に関してお伺いします。今回提案されているような仕組みのいずれであっても、オリジナルデータを特定するような措置を求めるルールはむしろない方がいいということになろうかと思いますし、それから、(注3)で書いているような、発行会社が振替機関又は口座管理機関に対して情報提供を求める仕組みというのも、これも不要なだけではなくて、ない方がいいということになろうかと思います。そうすると、法制度上、電磁的記録による証明書の提示を可能にするだけでよくて、それ以上の枠ははめない方がいいとお考えでしょうか。それとも、何かそれとはまた別に何らかの一定の制約は掛けた方がいいとお考えでしょうかというのが1点です。   もう一つは、少し細かい話ですが、みずほ銀行様の御提案の15ページから16ページのところで提案されている内容で、社債権者集会後に凍結を解除する部分のフローで、社債権者集会があって議決権行使がされて、もう凍結をしておく必要がなくなる段階というのは、その前の段階で個別に凍結を解除していくのとは違って、一斉にもうこの時点で解除していいですよというのがはっきりする場面だと思います。それでも、しかし、16ページを見ると、発行会社から通知をして、社債権者から更に口座管理機関に通知をしてという、このステップを踏まなければいけないのか、それとももう少し何らかの形で一斉に解除できる方法というのもあり得るのか、この点について教えていただければと思います。もしそれが可能になれば、僅かかもしれませんけれども、取引ができない期間が短くなって、よりよいのかなと思った次第です。 ○神作部会長 それでは、まず1点目につきまして、これは大津様、お願いいたします。 ○大津参考人 証明書のオリジナルデータを特定するすべでございますけれども、例えば、実務にそれを委ねていただくことを含めて御検討いただきたくて、我々も当然ながら、少しおかしいなと思うものを排除するような実務としてのフローはございますので、その辺りで対処できると考えています。完璧にPDFのオリジナルデータを証明するといっても、もう今はテクノロジー、ITの時代ですから、どこまで行っても終わりのない話になります。一方で、いわゆる基本的、常識的な範囲のものであれば通常の取引同様、当然証券会社でも内容をチェックしたり、発行体さんのところでもあろうかと思いますが、そういった実務の範囲内でやることでどうかという意見でございます。 ○神作部会長 1点目について、みずほ銀行からコメントはございますでしょうか。 ○渡邉参考人 おっしゃられるとおり、特段そこら辺の技術的な要件というのは法令上定める必要はなく、実務に委ねていただければと考えてございます。ただ、先ほどおっしゃられたように、15ページの案を実際に採用いただく場合には、この電磁的凍結解除通知書というようなものを定めていただくなり、又はその凍結解除通知書が発行された場合には既に提示があった振替法第86条証明書の効力が失われると、こういったような規定の法令上の手当ては必要になってくるのかなというところでございます。 ○神作部会長 2点目についてはいかがでしょう。これはみずほ銀行に向けられた御質問だったかと思います。 ○渡邉参考人 おっしゃられるとおり、社債権者集会が開催されて、それで一律に口座管理機関がそれを見て解除を行うというような対応も考えられなくはないと、我々の方の検討でもそういった考え方はあったわけですけれども、ただし、解除する場合は必ずしも社債権者集会が終わった場合ではなくて、場合によっては、やはり社債権者が気が変わって譲渡をしたいという場合もありますので、非常にそれは例外的な場合だとは思いますけれども、そういった場合も対応し得るという観点からすると、発行体から個別にその場合は解除通知書を出してもらって、それを口座管理機関に提示するというような必要があると考えております。そうしないと社債権者集会が完了しない間はずっと凍結が行われてしまうというような状況になってしまいますので、そういったことも想定して、こういった案を考えさせていただいた次第でございます。 ○大津参考人 私は証券会社ですから、投資家さんとやり取りしますけれども、投資家さんから言われたことに、振替法第86条証明書を提出するのはよいのだけれども、気が変わって売りたいと思ったときに売れないというタイムラグは本当に厳しい、だから少し提出するのが嫌だなという声もありますので、それを短縮するために、紙ではなくて電子、そして今、渡邉参考人がおっしゃっていただいたようなフローは検討の余地があると思っております。 ○松中幹事 少し補足的な御質問なのですが、発行会社の方で、社債権者集会の決議がありました、もうこれで終わりましたというアナウンスのようなものをして、それで口座管理機関が社債権者のアクションなしで凍結解除するというのは、現実にはできるでしょうか、それとも、それはそれで少し難しいでしょうか。 ○森田参考人 16ページ目の一番下のところで、社債権者を介さないで凍結解除通知をするという形、これはおっしゃるとおり、実務上可能であると思います。ただ、現行のフローを踏襲するのであれば、一旦、社債権者を介して、社債権者から口座管理機関へ通知をするのが通常の流れと考えている次第でございます。また、社債権者も口座凍結が解除されたかどうか認識はされたいと思います。ただ、もし口座管理機関と社債権者が許すのであれば、直接発行会社から口座管理機関へ凍結解除通知をすることは、先ほどのとおり、あり得るものと考えるところではございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   ほかに御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは、追加の御質問がないようですので、この辺りでヒアリングは終了とさせていただきます。   改めまして、大津様、渡邉様、森田様にはお忙しいところ大変丁寧な御対応を頂き、本当にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。   それでは、ここで一旦休憩とさせていただきます。後ろの時計で大体15分後にお集まりいただければと思います。           (休     憩) ○神作部会長 それでは、皆様おそろいのようでございますので、再開いたします。   実質株主確認制度に関しまして、全国銀行協会及び国際銀行協会からお話を伺いたいと存じます。   御参考人としてお越しいただきましたのは、みずほ銀行全銀協会長行室室長の清田次郎様、みずほ銀行決済営業部部長の日置貴史様、ステート・ストリート信託銀行株式会社取締役コンプライアンス部長、塚田則彦様、一般社団法人国際銀行協会事務局次長、鳥海巌様でございます。   清田様、日置様、塚田様、鳥海様におかれましては、大変御多忙のところ資料を御準備いただき、また本部会に御来臨賜りまして、厚く御礼申し上げます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。   ヒアリングの進め方につきましては、先ほどと同様に、まず清田様、日置様から、次いで塚田様、鳥海様から御説明を頂き、その後まとめて質疑応答の時間を設けたいと考えております。   それでは、早速でございますけれども、清田様、日置様、御説明をどうぞよろしくお願いいたします。 ○清田参考人 みずほ銀行全銀協会長行室の清田と申します。よろしくお願いいたします。本日は、今年の3月に公表しました実質株主確認制度整備に向けた実務者検討会中間報告書の内容について、全銀協が事務局を務めておりましたので、御説明させていただきます。私の隣におりますのは、みずほ銀行でサブ・カストディアンの業務を統括している日置でございます。よろしくお願いいたします。   内容の前に、まず実務者検討会のメンバーについてお話しさせていただきます。報告書のページで、1ページを御覧ください。発行体と投資家というところに加えて、グローバル・カストディアン、サブ・カストディアン等の仲介機関も参加し、議論を行っています。発行会社、それから投資家に関しては、こちらの法制審部会においても所属する委員の方からの意見が出ていると認識はしておりますけれども、実務者検討会の方では実務に携わっている、仲介機関、特に海外からの投資フローに関わる仲介機関の実務に携わっている人が議論に参加し、意見を出しているというところに特徴があると思っております。   次に、この中間報告書の位置付けです。実務者検討会は2025年3月に設置され、これまで4回開催して議論しております。必ずしも実務者の意見の全体を一つにまとめるということではなく、こちらの法制審部会で議論されている論点について各実務者が意見を出し合う形で議論をしています。本報告書も、各実務者からどのような意見が出されたかというのを属性ごとに整理をしている、そういった位置付けと御理解いただければと思います。中間報告書に記載されている議論の対象ですが、実務的な影響の大きい株式会社から実質株主を確認する制度に関する実務上の論点といったところについて、整理しているものです。内容の方に入らせていただきます。   初めに、制度の趣旨、目的に関する論点です。報告書、7ページを御覧ください。制度趣旨に関する議論というのは、こちらの法制部会でも議論されていたかと思います。実務者検討会の方での議論といたしましては、発行会社様の方からは、株式会社と株主との間の建設的な対話に加え、株主共同の利益の保護も含めるべきだとの意見が示されています。投資家からは、株式会社と株主との間の建設的な対話の促進を前提に、権利確定日や月末、四半期ベースなどの一定の基準を設けることが望ましい等の意見が示されています。仲介機関からは、本制度の目的である株式会社と株主との間の建設的な対話の促進を前提に、制度の対象となる名義株主、実質株主の範囲を限定していくこと等を検討すべきではないかというような意見が示されています。   次に、より詳細な部分の議論についてでございます。ページを飛んでいただきまして、11ページを御覧ください。次に、仲介機関の定義といったところに関する論点でございます。11ページの上部、上半分になります。投資家サイドからの意見としましては、仲介機関の定義が実質的に資産管理銀行やカストディアン等を指す内容になっているのであれば、特段問題はないという意見が示されています。次に、仲介機関からの意見としましては、グローバル・カストディアン等の海外金融機関も仲介機関に含まれるということを明確化してほしい、それから、名義株主ではない常任代理人は法令上の義務を置かないということを明確化してほしい、それから、仲介機関、その背後に誰かがいて、それが仲介機関である可能性もあれば指図権者、投資家ですね、である可能性もあるということですけれども、それを誤認した場合、あるいはまた逆で誤認した場合、そういった場合でも何か義務違反になるというふうな制度にはすべきではないのではないかという意見が示されています。発行会社の方からは、会社から海外の実質株主を確認する場合、海外の仲介機関を経由することになると考えられるため、そうした海外の仲介機関が漏れることがないような定義付けが必要だという意見が示されています。   次に、指図権者の定義に関する論点です。同じく11ページを御覧ください。投資家の方からは、建設的な対話の促進という制度の趣旨に照らせば、エンゲージメントや議決権行使指図を行っているアセットマネジャーまでを開示すれば足りるのではないかという意見が示されています。仲介機関も、アセットオーナーを重層的にたどっていくというのを義務付けるような仕組みとすべきではないという意見を出しています。発行会社の方からは、株式会社と株主との間の建設的な対話の促進が制度趣旨であるところ、実質的に議決権行使に影響を与える主体であるアセットオーナーを把握する必要があるという意見が提出されています。   次に、実質株主に関する情報の範囲に関する論点です。12ページを御覧ください。投資家からは、建設的な対話の促進という制度趣旨に照らせば、実質株主を特定する情報及び権限を有する株式数で足りるとし、回答する情報の範囲が多くなればなるほどコストがかさむなど、発行会社にとってもデメリットになるのではないかとの意見が示されています。仲介機関からは、現時点では必要最小限の情報は何かということを認識を共有した上で、今後実務運用に関する議論を進める中で具体的な情報の範囲を定めていくことがいいのではないか、という意見が示されています。発行会社からは、大量保有報告書の記載事項、特に提出者に関する事項や、その中の保有目的に係る情報、直近の株主総会における実質株主の議決権行使の内容、さらに外国法人を特定可能な情報、こういったものも検討に値するという意見が示されています。   次に、依頼を受けてから回答するまでの期間、回答期間に関する論点です。12ページ下部を御覧ください。投資家からは、法的義務として定める回答期間であるから、どの社においても対応が可能な十分な長い期間を定めるべき、画一的な短い期間の定めは、過度な負荷を掛けないという趣旨にはなじまないのではないかという意見が示されています。仲介機関からは、実務フロー等が固まっていない現時点において具体的な回答期間をこれと定めることはなかなか困難だという意見、それから、法令上は相当の期間であるとか一定の期間と定めた上で、今後実務指針等を何か固めていくに際してフィージビリティを考慮しつつ具体的な回答期間を定めるか否かを検討することが考えられるのではないかとしています。発行会社の方からは、欧州の事例と少なくとも同じ回答期間とすべきであり、また、プラットフォームの活用による一層の短期間化も検討すべき、それから、具体的な回答期間を明示し、期間内に回答しないことに対してペナルティーを課さないと、限られた時間内で最終的な指図権者を特定することは困難ではないかという意見が示されています。   次に、確認の基準時の要否に関する論点です。13ページ上半分を御覧ください。投資家からは、株主名簿が確定する基準日ベースが基本、これは基本的には期末あるいは中間期末といったところを念頭に置いたものだと思います。それ以上の頻度が実務上可能な場合でも、前月末等、ある程度のピンポイントの時点に絞るべきというふうな意見が示されています。仲介機関からは、直近の株主名簿が確定する基準日時点の情報をベースとしつつ、その時点での指図権者情報を保有していない場合には、請求時又は回答時で仲介機関が保有している最新の指図権者を返すというようなものはどうかという意見が示されています。発行会社の方からは、実質株主を把握するための制度であることを踏まえると、議決権行使の基準日時点のみでなく、会社が指定した時点を基準日とすべきであるというふうな意見が示されています。   実務上の論点の最後は、確認の基準時というものをどこまで遡ることができるのだろうかという論点でございます。同じく13ページの下部を御覧ください。投資家からは、建設的な対話の促進という制度趣旨に照らし、アセットマネジャーポジションの情報等の機密保持といった観点からも、過去の保有株数やその推移を開示する必要はなく、直近の基準時における情報で足りることから、確認の基準時の期間制限を設けるべきだというふうな意見が示されています。仲介機関からは、より簡潔に、請求時の1年前以降ということでいいのではないかという意見が示されています。発行会社からは、期間制限を厳格にしすぎると照会が機能しなくなるおそれがあるため、一定の範囲を設ける、そうしても柔軟な範囲を運用が可能となるようにしてほしいというような意見が示されています。   以上が実務者検討会で六つの論点について投資家、仲介機関、それから発行会社から出された意見でございます。第4回の実務者検討会においては、欧州において実質株主確認のプラットフォームサービスを提供している企業、これはICJであり、Proxymityという会社ですけれども、こちらをゲスト参加者として招き、EUにおける制度概要やデータフロー、プラットフォームの特徴などについてのヒアリングも実施しております。この中間報告書の後ろの方にアペンディクスとして添付しているものになります。   以上が中間報告書の内容になります。制度の姿が固まっていない、あるいは現状何か存在するフローの改善というものではない、新しいフローになるという中での議論や意見であるということもあって、実務者の立場ごとに有する意見は大きく異なっているというのが実情でございます。ただ、実務上全くできない、不可能なもの、あるいは負荷が余りに大きいものを作ってしまうと、これは実効性のない制度に結局はなってしまうということだと思います。引き続きこういった形で実務者の意見というものを聴いていただきながら制度を検討いただければと考えております。   私からの報告は以上でございます。 ○神作部会長 御説明どうもありがとうございました。   それでは、続きまして塚田様、鳥海様に御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○鳥海参考人 ありがとうございます。まず私、国際銀行協会の事務局の鳥海からお話を差し上げたいと思います。   本日はお招きいただきまして、こうした機会を賜りまして誠にありがとうございます。10分少々でお話を差し上げたいと思いますが、まず、私どもの協会の立ち位置だけ簡単にかいつまんで御紹介させていただきますと、国際銀行協会と名のっておりまして、1984年から日本で活動しております。最初は外国銀行の在日支店、その後、2000年頃に外資系の証券会社が加わりまして、さらに一昨年の秋には外資系の資産運用会社も会員に迎えて、現在80社ほどの会員を抱えております。外資系というくくりではございますけれども、銀行と証券、それから資産運用という三つの業態を包含する日本で最初の業界団体と自負しております。   私どもの会員のビジネスを見てみますと、当然日本の発行体様の起債ですとかM&Aのお手伝いなどのビジネスがございます一方で、海外を中心とした投資家様による対日投資のお手伝いのビジネスもございます。そういう意味で、発行体側、それから投資家、株主側の両方と接点を持っております。本日は、その間をつなぐ仲介機関を担う会員の視点からお話をさせていただきまして、御参考になればと存じております。   まず、それでは資料の中で、先週までに締め切られた中間試案への私どもの意見について、主なポイントを御紹介させていただきます。資料の方で総論と書いてございますけれども、まず、私どもは株主確認制度の導入には全くもって賛同するところでございます。インベストメントチェーンの透明性の向上に資するものでございますし、発行体と株主の間の対話やエンゲージメントに資するものと存じます。欧州におけるSRDⅡの取組と同様に、発行体と株主の双方に付加価値のある制度作りというのが期待されるところかなと思っております。   海外の投資家の大多数を見てみますと、発行体へのいわゆるエンゲージメントよりは経済的な利益を期待しているのが正直なところかなと思います。株主確認制度は、こうした経済的利益を期待する投資家を不必要に詮索したり、あるいは、ましてや制裁を加えたりということはないようにすべきではないかと考えております。制度の主たる趣旨が建設的な対話ということでございますので、発行体側におかれましては対話の機会を是非確保していただきたいと思いますし、現在既に株主になっている投資家だけではなくて、将来株主になる可能性がある有望な投資家にも対話の機会というのを確保していただきたいと考えております。確認制度によって発行体が入手する情報というのは、建設的な対話にやはり活用していただきたいと考えておりまして、例えば企業防衛とか投資家への牽制、こういったことに使われるのは好ましくないのではないかと思っております。   それから、これは目先、施行のタイミングの話になりますけれども、投資家など、いわゆるステークホルダーとのコミュニケーション、制度内容の周知徹底というのが制度導入の成功の鍵になると思っておりまして、この点は先例がございまして、2020年に外為法で事前届出制度などが大きく改正された際に、我が国の財務省様が非常によい先例を作ってくださったかなと思っております。英語で資料を発信したりとか、海外のロンドンとニューヨークで投資家向けの説明会を開催してくださいまして、こういった辺りも御当局には御参考にしていただけたらと思っております。   続きまして、具体的に確認制度の方について申します。欧州で既に施行されている確認制度と同様に、日本においても仲介機関はカストディ口座に口座を開けている保有者の情報をもって回答するということになろうかと思っておりまして、裏返して申しますと、インベストメントチェーンを遡って最終投資家の素性を突き止めることまではするべきではないと考えております。発行体は、確認請求をする度ごとに実質株主に関する情報を入手することになりますけれども、実質株主に対してその株数の増減要因などに関する問合せが余り頻繁に行われますと、これは受ける方にとっては大きな業務負担になりますので、発行体からこうした問合せが過度なものにならないように御配慮いただきたいと思います。   それから、同じように発行体がこの確認制度を通じて株主の保有高を知り得ることになるわけですけれども、既存の大量保有報告制度ですとか、あるいは米国のいわゆるフォーム13Fによる報告とは異なりまして、一般にその情報が開示されることは想定されていないと思っております。すなわち発行体だけが知り得る立場になろうかと思います。こうした情報の中には、特定の株主が投資しているという事実そのものが株価の形成に影響があり得るかもしれませんし、あるいは単に投資してもらっているのだという事実を第三者に喧伝したくなる場面もあるかもしれません。そういう意味で、情報の管理とか取扱いに関する既存のルールの周知徹底ですとか、何らかのルール作りも必要になるのかなと思っております。それから、細かい話でございますけれども、こうした確認作業に掛かる費用を仲介機関が適正に徴収できるような担保をしていただきたいと思っております。   それから、制裁措置につきましては、議決権停止よりは過料かなと思っておりますけれども、不遵守の当事者が海外にいるような場合に、この過料が当該者に直接課されるべきでありまして、その代わりに日本に所在する関係する仲介機関などに課されるようなことがないように、是非していただきたいと思っております。仲介機関はいろいろ業務がございますけれども、事務過誤等ですね、こういったものの場合には過料の対象外としていただきたいと思っております。   続きまして、通知義務について移らせていただきます。通知義務は、現行の大量保有報告制度と整合的なものにしていただきたいと思っております。現在の閾値5%をそのまま維持していただきたいと考えます。制裁、これは今、議決権停止ということだと思いますけれども、故意あるいは重過失による不提出又は記載内容の重大な誤りに限定していただきまして、軽微な提出の遅延ですとか軽微な過誤は除外されるような基準が設けられるべきだと思っております。現在、皆様御存じのとおり、大量保有報告制度では一定の条件を満たす場合、金融機関はいわゆる特例報告制度というのが認められております。こうした金融機関については制裁の対象からは除外していただきたいと考えております。   それから、現行の制度では、金融グループに属する各社の保有分というのは、その資本関係に基づいてみなし共同保有とみなされまして、合算された上で大量保有報告の要否が判定されるわけなのですが、最近は各社が独自にエンゲージメントの方針を策定しているというような場合もございまして、こうした場合も含めて合算するということについては必ずしも合理的とはいえない面もあるのかなと思っております。ポイントとしましては、グループの中の1社で通知義務違反が起こった場合に、それと合算されるグループ内の他社の保有分にまで議決権停止が及ぶといった、そういった引き金が引かれるといったことがないようにしていただきたいと考えております。   そのほかでございますけれども、海外の投資家とも私どもは接点がございますので、聞こえてくる声としましては、株主総会の出席については現状、名義株主に認められておりますけれども、実質株主にも出席あるいは議決権の行使の権利を与えていただきたいといった声ですとか、議案提案権を与えていただきたいといった声ですとか、あるいは、国内の投資家も含めてでございますけれども、実質株主に損害賠償請求などの原告としての適格性を与えていただきたいと、こういった声が聞かれるところでございます。   私どもの中間試案に対する主な意見は以上でございます。   それでは、続きましてもう一つの方の資料でございますけれども、欧州の参考になるような情報をお話しさせていただきます。御存じのとおり、欧州では第2次株主権利指令、SRDⅡが2020年9月に施行されております。SRDⅡの内容というのは非常に多岐にわたっておりまして、株主確認制度にとどまりませんで、株主による総会情報へのアクセスですとか議決権行使機会の確保など、幅広い内容となっております。   既に御存じかとは思いますけれども、改めて株主確認制度の実務フロー例を欧州の例に倣って申しますと、まず発行体あるいはその代理人が確認請求を仲介機関宛てに発出いたします。これを受け取った仲介機関は、口座保有者の情報をもって回答いたします。口座保有者が名義株主、仲介機関である場合には、その仲介機関宛てに確認請求を転送いたします。こうした転送を順次経て、最終仲介機関が株主情報を発行体側に回答すると。最初の仲介機関が全ての回答を名寄せして取りまとめたりといった立て付けにはなっておりません。仲介機関は、いわゆるプラットフォームプロバイダーに確認作業を委託することも多くございまして、こうした確認に要する費用は仲介機関から発行体に請求することもございます。こうして発行体に寄せられる回答は、通常は言わば生データでございまして、株主との建設的な対話にすぐに供するには、まず株主ごとに分類する等の整理作業が必要かと思います。発行体あるいはその代理人におかれてそういった作業を行っていただくことも可能でございますけれども、あるいは先ほど申したような外部のプロバイダーさんからそういったサービスを購入することも可能でございます。同じようなプラットフォームはその後、イギリス、オーストラリア、香港、シンガポール、南アフリカなどでも提供され始めております。   足下の状況でございますけれども、SRDⅡは現在、課題の洗い出し等、必要に応じた見直しを視野に入れて欧州委員会が作業を進めております。今年の2月にパブリック・コメントの募集を開始しまして、5月の初旬に締め切られたところでございます。主な論点としましては、株主の定義がEUの加盟国でまちまちでありますけれども、統一すべきかどうか。それから、仲介機関から請求される各種費用はどうあるべきか、これは確認制度に係る費用に限らず、総会の招集通知ですとか議決権行使に係る費用なども含めての話でございます。それから、株主総会の形式はどうあるべきか、こういったことについて諮られております。   欧州委員会によるコール・フォー・エビデンスと言われておりますけれども、これに対しては80件の意見が寄せられておりまして、委員会のホームページで公開されております。発行体のみならず投資家、仲介機関、そのほかEU加盟国の政府機関とかシンクタンク、フィンテック事業者など、幅広い立場から様々な意見が寄せられております。これに加えましてコンサルテーション、これに対して100件余りのコメントが寄せられておりますけれども、こちらは非公開となっております。今申しましたコール・フォー・エビデンスの80件の方はホームページで見られますので、確認制度に関する部分にのみ絞ってその一端を御紹介させていただきますと、次のようなものでございます。   株主の定義に関しては、統一の必要性を指摘する声も目立つ一方で、既に株主は実名で登録しているので、特にその定義をいじる必要はないという国もあったり、必ずしもワンボイスとはなっておりません。確認の閾値については、現行制度では0.5%までであれば加盟国ごとに閾値を規定することはできますが、おおむね評判はよくない、芳しくございません。数だけ見ますと多数の株主が捨象されてしまう問題ですとか、さらに仲介機関ごとに0.5%といった仕切りを適用しても、複数の仲介機関からの回答を合算した結果というのは当然異なってまいります。それから、そもそも発行済み株式数も、発行体やその代理人におかれては把握されていると思いますけれども、仲介機関の側で正確には閾値の計算ができないおそれもございます。費用について、発行体が確認請求する前提条件として、あらかじめ費用が明示されていないと請求しづらいという声がございます一方で、仲介機関からは、確認に掛かる費用をきちんと負担していただきたいという声も上がっておりまして、ルールづくりが求められております。   それから、制裁についてなのでございますけれども、実はこれは目立った意見が見当たりませんでした。SRDⅡが、いわゆる指令でございますけれども、制裁措置は指令ではなくて各国の法制のレベルで設けられているようでございまして、恐らく今ステークホルダーの本音は、目の前で直面している課題の洗い出しとその解決策を提案して要望するという論調がほとんどなのではないかと、まずは制度が円滑に運用されるように様々な課題を解決していくことが先決で、制裁を課せば解決する問題なのかというような意識もあるのかもしれません。   今後のステップとしましては、欧州委員会はこうしたパブリック・コメントも勘案しまして、2026年、今年の第4四半期をめどに新たな提案を予定しております。我が国もこうした動向も踏まえて株主確認の御議論をまとめていただくとよろしいのではないかと考えております。   私どもからの説明は以上となります。御清聴ありがとうございました。 ○神作部会長 御説明どうもありがとうございました。   それでは、続きまして質疑応答の時間とさせていただきます。ただいまの清田様、日置様、塚田様、鳥海様の御説明につきまして、御質問のある方は挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。 ○矢野幹事 今日は貴重なお話をありがとうございました。国際銀行協会さんにお伺いしたいのですけれども、ただ、すみません、今日御説明いただいた実質株主の話とは少し離れてしまうのですが、余り今御質問がなかったようなので、最初ということで、お許しいただければと思います。   もし御存じだったらという程度で構わないのですけれども、今日頂いた資料などを見るとSRDⅡの見直しの論点が入っておりまして、その中でバーチャル総会の関係のことも一言書かれているかと思います。この辺りの、ハイブリッドなのかオンリーなのかとか、その辺りの欧州の議論の状況についても少し教えていただければと思いました。あともう一つ、もし今回の中間試案に関連して、外国の機関投資家さんなどからのほかの論点についての御意見等でもし御紹介できるものがあれば、教えていただければと思いました。 ○神作部会長 それでは、国際銀行協会から御回答をお願いできますでしょうか。2点御質問があったかと思います。 ○鳥海参考人 ありがとうございます。総会の開催形式につきましては、対面式なのか、バーチャルオンリーなのか、ハイブリッドなのかという選択肢があると思いますけれども、私がこのパブコメを拝見しましたところ、投資家側はほぼ、バーチャルオンリーは好ましくないという声で一色でございました。それはやはり現場における場の雰囲気、議事の進行ですとか動議の出方等について画面上では分かりかねると、そこは対面で参加するような機会も確保していただきたいということかなと思っております。もちろんクロスボーダーの投資の文脈では、なかなか、例えば日本で申せば、来日して参加するというようなことが全ての投資家にできるわけではございませんけれども、日本に拠点がある場合もあったりしますので、欧州でも恐らく、そういったいろいろな投資家の観点からしますと、オンラインだけではなくて対面も含めて、ハイブリッドというのを基本にしてほしいということかと思います。何らかの形式を義務付けてもらうのは好ましくないという声が発行体側にはございますけれども、数だけ言えば、今申したような雰囲気なのかなと思います。   それから、そのほか実質株主に限らずということでございますと、目立つのは、例えば議決権行使助言会社についての規制の在り方とかいったことがございます。これは日本では恐らく開示規制の方で、ディスクロージャー・ワーキンググループとか、あるいはコーポレートガバナンス・ワーキンググループとか、そういったところで取り上げられてきた話題かと思いますけれども、今回のSRDⅡの文脈では、議決権行使助言会社について、その在り方、提言、推奨のクオリティーの中身ですとか、あるいはそのレポートに発行体がなかなかアクセスできないとか、アクセスできたとしても有償で対価を求められるとか、十分にいろいろ精査して反対あるいは反証する機会が設けられていないとか、議決権行使会社、現在はかなりそこのクオリティーがまちまちで、そもそも定義付けをきちんとしたりとか、それぞれの形態に応じた規制をもう少し緻密にすべきなのではないかといった声が見られたところでございます。 ○神作部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。 ○臼井委員 御説明ありがとうございました。1点目として、SRDⅡの御説明を頂きましたが、今回会社法の見直しに当たってSRDⅡを参照対象としているということを踏まえて、現状のSRDⅡの課題や限界について、どのように見ていらっしゃるかを伺えればと思います。   具体的には、利用の面では識別請求を行う企業が急増している一方で、こちらの資料にもあるとおり、生データの問題、すなわち標準化の規定がないことや、最終的に建設的な対話に寄与しているのかについてはまだ議論の余地があるというところかと思います。一方で市場の構成を見ますと、EUと違って日本は法域が単一で、システムも比較的統一されていますので、こうした前提を踏まえれば現在SRDⅡが抱えている課題であってもある程度カバーできるのか、実務家の立場から御覧になって、何か示唆されるところがあれば、御紹介いただければと思います。   2点目は、先ほどサンクションのお話がありましたけれども、現状、株主から通知する制度については通知義務違反として議決権停止という案が中間試案で出ておりますが、こちらについて会員の皆様を始めとして、どういったフィードバックがあるか等、御紹介いただければと思います。 ○神作部会長 それでは、SRDⅡについては国際銀行協会の方からお答えいただけますでしょうか。 ○鳥海参考人 ありがとうございます。SRDⅡはEU域内27か国で導入されておりまして、現在はディレクティブ、指令というレベルでございますので、レギュレーションのレベルまでは達していないと、細かい作り込みは各国の当局に委ねられているということでございまして、そもそも株主の定義自体があったりなかったり、あってもまちまちだったり、したがって株主名簿の仕上がり具合も国によって違うと、実名が載っている国もあれば名義人ばかりの国もあったりということでございますので、先ほど申しましたように、株主の定義を統一する必要があるのではないかと、そこが出発点ではないかと、こういった論調はございますが、成り立ちが違う国が27か国集まっていますので、必ずしもその方向でというところにはまだ話はまとまっていないのかなと思っております。   それから、確認対象となる商品についても、基本的には現物株なのでございますけれども、これも国によってそこのルールがはっきりとはきっちり決められていない場合には、本来SRDⅡが意図していたような対象ではないような商品についても確認請求がたくさん来てしまう、むしろそちらに対する確認請求の方が多かったりするものもあったりします。そういった事象が生じております。それから、国によって確認請求を発する主体も、発行体が発する場合もありますし、その間に証券保管振替機関が入る、ほふりみたいなものですね、CSDが入る場合もございまして、これもまた国によって担っているCSDが異なる会社だったりするわけですけれども、CSDからそういった確認請求がなかなかうまく発信されないといった苦情が寄せられている国があったりとかいたしますので、2020年施行から5年がたつわけですけれども、SRDⅡにして、まだそういった段階なのかなと。各方面のステークホルダーがその辺りは呻吟しながら、制度の改善にこれから取り組んでいくという状況かと思っております。 ○神作部会長 株主から報告する制度についての議決権停止についての御質問があったと思いますけれども、これは双方にお聞きすることでよろしいでしょうか。   それでは、まず全銀協からお願いいたします。 ○清田参考人 その制度における過料がいいのか議決権停止がいいのかという、実務者検討会においては特に議論というのはしておりません。というのは、実務的に影響が全体に及ぶのは、株式会社から全体の情報を集めるスキームだと思いますので、そちらにフォーカスして議論をしておりました。そういった観点では、何か特に今現在において株主から通知するという制度に関する制裁をどうすべきかというところに関する意見というのは、特段何かまとめているというものはございません。 ○神作部会長 それでは、国際銀行協会からお願いできますでしょうか。 ○塚田参考人 当社の親会社は外国銀行でありカストディアンであります。当社は本邦で免許を受けた信託銀行で、親会社のカストディ業務に係る代理人として活動しているのですけれども、海外の投資家から議決権行使については幾つかの懸念が寄せられていますので、その視点等を御紹介できればと思います。   みなし共同保有についての論点は、先ほど鳥海参考人から御紹介申し上げましたので割愛させていただきますが、補足情報とすると、グループに属する各社はそれぞれ独自に議決権行使を判断していますし、運用業者においてもインデックス運用、アクティブ運用、アクティブ運用の中でも様々な運用戦略がありますので、それぞれ別の観点から議決権行使については判断しているという状況でございます。結果としては賛成、反対に集約されるので、余り大きなバリエーションはないのですけれども、いろいろな主体として、一つのグループの運用会社の中でも様々な視点で議決権行使を検討しているという実態がありますので、みなし共同保有の中で1社が違反したからといって全体にサンクションが及ぶというのはなかなか厳しい、反対意見が強いところでございます。   それから、大量保有変更報告書の不提出と虚偽記載についてのサンクションということなのですけれども、ここのところはやはり反対が強くて、あってももう少し議論の対象を絞ってはどうかという話も聞こえてまいります。例えば、不提出については、みなし共同保有も含めて保有比率が5%を超えているのに提出していないという場面があるかもしれませんが、それは投資家本人も分かりますし、確認制度を導入した後には上場会社においてもある程度分かることになるかと思います。ただ、このような不提出が上場会社に分かっている場合にまで議決権を停止することが妥当なのかどうか、課徴金を課すのがより適切なのではないかとも考えられます。   上場会社には不提出が分からない事例とすると、みなしではなくて実は共同保有の実態があり、共同保有者の保有比率を合算すると5%を超えているのに、単体で5%を超えていないような場合が考えられます。また、名義貸しを行っている保有者がある場合、保有者名について虚偽記載があると考えることもできます。このような意図的に共同保有の実態を隠して議決権を行使するような場面や名義貸しの場面が問題であるのなら、こういうことに絞って議決権停止も含めて議論されてはいかがでしょうかという気もしております。   また、虚偽記載については、保有目的を純投資として報告していたのに、実は重要提案行為等を行ったといった場面が考えられます。ただし、保有目的を純投資として報告していたのに重要提案行為等を行ったことを理由として議決権が停止される可能性がある場合、運用会社とすると、株式会社との建設的な対話の促進に対する萎縮効果があることには留意する必要があります。つまり、通知を義務付ける制度自体が確認制度の趣旨に対して萎縮効果を持つという構図になってしまい、そもそも建設的な対話の促進などを本当に望んでいるのかというメッセージが海外の投資家に伝わりかねないというところでございます。何が重要提案行為に当たり、何が当たらないのかというところにつきましては、金融庁からQ&A等の整理という別途の文書が昨年公表されておりますので、実際に議決権停止が妥当だと思われる場面を絞って御議論いただくのも一つの考え方かなと思います。   次には、グロカスレベルでの議決権停止というのは実務的にはなかなか困難で、お客様との契約関係もあり、また確立された事務フローもあるので、我々グローバル・カストディアンにおいて特定のお客様から届いた議決権行使結果を上場会社又は株主名簿管理人に送付しないという対応は無理かなと考えております。ですので、議決権の停止は上場会社又は株主名簿管理人において、違反者に係る議決権行使を減算するという方法しかないのかなとは思います。   あとは実務的な問題として、大量保有報告制度における情報だけであると、停止すべき議決権行使、停止すべき株主の特定が困難ではないかということが考えられます。そこに書かれている情報だけではグローバル・カストディアンのどの口座のどの株について停止をすればいいのかというところの情報が若干不足しているようで、正しく情報が突き合わないのではないかという懸念を持っております。だとすると、大量保有報告書に新たな情報を報告させるのかとか、何かそういう手当てが必要なのかなという気もしております。   以上、海外の投資家の反応と実務的な対応について、若干意見を述べさせていただきました。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。 ○内田委員 二つあるのですが、一つは通知義務のところで、先ほど塚田参考人からお話があったみなし共同保有についてお聞きしたいと思います。現行の大量保有報告制度においては、みなし共同保有という制度を使って、ある意味で定着した報告制度になっていると思います。今回の御意見の中では、罰則については個別に課すべきではないということで、グループ全体に一蓮托生で過誤や違反の罰則を課すべきではないという主張だと思いますが、これについては報告制度の方でも各エンティティがそれぞれに分けて報告した方が良いと考えているのかをお聞きしたいと思います。グローバルカストディアン、サブカストディアンから見て、みなし共同保有制度は、グループ全体として一括して報告できるというメリットもあると理解していますが、報告制度についても分けて報告できる方が良いという意見なのか、それとも、報告については従来の大量保有報告制度のみなし共同保有の制度を使いながら、罰則だけは事象が発生したエンティティに個別に課した方がいいと考えているのか、その点を確認させていただきたいと思います。   それからもう一つは、これはSRDⅡについてですが、実際には議決権停止が事象としては起きていない、つまり事例としては余り発生していないという点が、恐らくパブリックコメントでもこれが余り議論になっていない背景と思っています。この要因をどのようにお考えになっているのか。つまり、制度設計としてなかなか議決権停止まで行くような仕組みになっていないということなのか、制度の牽制力がうまく機能して投資家が十分に対応しているということの帰結として適用事例が比較的少ないということなのか、どちらの見方をしていらっしゃるのか教えていただきたいと思います。 ○鳥海参考人 内田委員のおっしゃられたとおりでございまして、みなし共同保有につきましての私どものメッセージは、1社が通知義務にもとった場合に他社もグループ内だからと、みなし共同保有だからということで一蓮托生で罰せられることのないようにと、そこに尽きているのかなと思っております。その前提としてのみなし共同保有という制度自体については、これは私どもは外資系でございまして、日本拠点だけではなくて海外の拠点も合わせて報告しているというケースがたくさんございますので、それぞれが単体でばらばらに報告ができるかというと、なかなかそれも難しい面もございまして、日本拠点が何らかの形でそこに関与していくといったケースも多くございます。したがいまして、そこはみなし共同保有をある種選択的にできると解決していくのかなと思っていまして、その場合でも、先ほど申したように一蓮托生で制裁を課されるというところだけは回避したいということでございます。   それから、2番目のSRDⅡの下で議決権停止等が発出されているというケースがほとんど見られないのはなぜかということなのでございますけれども、私どもが聞いております範囲では、2020年9月施行ということでコロナ禍での滑り出しとなったということもありまして、最初の2、3年ほどは非常に寛恕的といいますか、そもそもこの制度が滑り出すのかどうかということで、いろいろ問題は現在でもあるわけですけれども、直ちに制裁をということにはなっていないと。そもそもSRDⅡがそれなりに円滑に回り始めたのは、この1、2年ぐらいと聞いております。ですので、先ほどの冒頭の御説明でも御紹介しましたように、まずはこの制度がうまく回るようにということで、目の前の障害について、それぞれある意味前向きに課題解決に取り組んでいるというのが実情でありまして、制裁を打てばそれが解決するのですかと、実際欧州のこのインフラストラクチャー、議決権行使、それから株主確認というインフラストラクチャーが制裁を打つほどに成熟しているのかどうかというところが基本的な彼らの問題意識なのではないかと思っております。 ○塚田参考人 私からは、みなし共同保有について述べさせていただきます。みなし共同保有自体は、先ほど申し上げたように、各主体が個別に議決権行使を判断するとはいうものの、ある種の機械的な方法でグループの合算をするということ自体は投資家の役には立っているのだろうと思いますので、今、みなし共同保有自体に何か手を入れるということについては、投資家のためには余りならないかなとは思います。ただ、共同保有、みなし共同保有の差を分かっていただいて数字は御覧いただきたいなとは思います。 ○神作部会長 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。 ○田中委員 国際銀行協会様にコメントと質問をさせていただきます。大変分かりやすく重要な御意見を頂き、ありがとうございます。出された論点はいずれも制度設計において検討が不可欠のものばかりと思いますので、中間試案、パブリック・コメント後の審議では、これらの論点を詰めて審議する必要があるかと思いますので、私も御意見を参考に、この審議の中で意見を述べさせていただきたいと思います。   質問としては、特に海外の投資家の間で、実質株主の権利行使を認めてほしい、総会出席権や議案提案権、それから証券訴訟等における損害賠償請求権についても肯定してほしいという意見があるかと存じます。私も、何らかの形でこういった権利行使を認めていく必要があると思っていまして、今後の審議の中でも意見を述べたいと思っているのですが、もしお分かりになればで結構なのですが、投資家の方の御感触として、これらの株主権を実質株主が行使するときに、名義株主の代理人あるいは名義株主から委託を受けて名義株主のために権利を行使するという制度でよいのか、それとも、やはり実質株主として、自己の名で株主としての権利を行使するという制度にしてほしいと考えているのか、この点についてもしお分かりであれば教えていただきたいです。特に、損害賠償請求をするときに、名義株主からの委託を受けて、日本でいうと任意的訴訟担当ということになると思うのですけれども、そういう委託を受けて訴訟をすると、これだとやはり難しい、不都合だということがもしあれば、是非教えていただきたいと思います。 ○神作部会長 それでは、国際銀行協会から御回答をお願いいたします。 ○塚田参考人 必ずしもこの会社ではなくて前職のときの経験なのですけれども、日本のある会社に対して有価証券報告書の虚偽記載に基づく損害賠償請求訴訟があったときに、日本の国内投資家の場合はそれができましたと、海外の投資家、グローバル・カストディアンに株式を預けている投資家はできるのですかねというのが議論になって、多分できるのでしょうと、カストディアンの名義でできるのでしょうという議論にはなったのですけれども、そこが余りはっきりしないものですから、何らかの追加的なコストを掛けてまで損害賠償請求訴訟をやるのはやめようということにはなりました。投資信託については、受託銀行様の名義で損害賠償請求訴訟を起こして、損害は一部回復できたのですけれども、海外の投資家は損害が回復できなかったという事例を二つぐらい経験しておりました。そのときの損害賠償請求訴訟を提起するかどうかの意思決定は、主に運用会社、アセットマネジャーが運用の一環として判断したということでございました。つまり、口座の名義人ではなくて、運用権限を委託を受けた運用会社が損害賠償訴訟を提起するかどうかの判断をしたということでございます。 ○神作部会長 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。 ○森委員 ちょうど今、私もお伺いしたいと思ったことが論点になったので、同じようなところでお伺いしたいのですけれども、その他のところです。実質株主にも株主総会への出席及び議決権行使を付与すべき、それから議案提案権を認めるべきという御主張をされている背景というか、おっしゃっている方々は、名義株主と一緒に実質株主にも出席権を認めるべきだと言っているのか、実質株主が出ると言ったら名義株主は出させないようにすべきだと言っているのか、それから、意見がもし違っていたりした場合に、名義株主が意見を投票するなり考えていることと実質株主が違っているときに、実質株主を優先すべきだとまでおっしゃっているのか。多分、実際の株主総会の実務においては、実質株主も参加できる、若しくは議決権行使できるとなってしまうと相当混乱することが想定されるのですが、やはり実質株主になった以上はそこまでの権利を認めるべきだという趣旨でおっしゃっているのかどうか、若しくはそういうことを全く考えず、単に何らかの権利を認めてほしいと言っているだけなのか、その辺は何か御議論がもしあったのであれば、お教えいただけますか。 ○神作部会長 これも国際銀行協会から御回答をお願いいたします。 ○鳥海参考人 そういった議論があったかどうかというお尋ねに対しては、私はそれは具体的に耳にしたことはございません。逆に、名義株主と実質株主の間でそういった利益相反というか意見の違いがあったといった事例があったのであれば、その辺りは私も少し勉強してみたいと思うのですが、言わんとしていることは、基本的にこれはエージェンシー理論に照らせば、実質株主の方がプリンシパルで、名義株主はエージェントであるはずなので、全ての利益は実質株主に属していて、議案の提案権とか行使権とか、実質株主が行使できて当たり前なわけですけれども、いかんせんこれはクロスボーダーのインベストメントチェーンということなると、言葉の問題とかいろいろな問題がございますので、日本に所在する名義株主さんが口座を開けて株主総会等に参画するというのが実務だということは理解しております。しかし、海外の実際にお金を出している投資家からすると、何で自分が参加できないのだと、何で提案できないのだと、行使できないのだというのは、当然そういった口調になるわけですので、そこについて私どもはやはり問題提起をさせていただくということが必要なのかなと考えております。 ○塚田参考人 今要望として聞こえてくる先というのは、海外のファンドの運用者の要望として聞こえてきますので、実質株主ということになるのでしょうか。ファンドではなくて、ファンドから運用委託を受けている運用者という形です。名義株主であるステート・ストリートが出てくるというよりは、そういうファンドの運用会社だと理解しています。 ○神作部会長 よろしいでしょうか。   ほかに御質問はございませんか。 ○松尾幹事 今日は詳細な御報告をありがとうございました。全銀協さんにお尋ねしたいのですけれども、実質株主の確認の基準時についてですが、中間報告書では仲介機関の意見として、基本的には基準日ベースの情報で足りることにしてほしいという御意見であって、これは会社が指定した任意の時点等にすると御負担が大きくて厳しいということなのかなと理解いたしました。一方で、参考で付けていただいたICJさんの欧州での実務を見ると、会社が指定した任意の日に対応しておられるということなのですが、これは今、欧州では行われているシェアホルダー・ディスクロージャー・ハブというのですかね、こういう仕組みがあるから任意の日でも対応できているという理解でよろしいでしょうかということと、日本でもこのような仕組みが導入されれば、投資家さんの御意見はまた別にあると思うのですけれども、仲介機関さんとしては、発行会社が指定した任意の日の情報を出すということもそれほど過重な負担なく対応できるという可能性はあるとお考えでしょうかということをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○神作部会長 では、全銀協よりお答えをお願いいたします。 ○日置参考人 まず、株主権利の確定する基準日を基本とするのがよろしいのではないかというのがベースにはございます。一方で、そうではない任意の日ができるかできないかというところについては、できるとは思っております。ただ、実務上どのように行うかというと、当然過去の一定の指定した日の株数を確認しようと思いますと、過去の情報に遡ってシステム上から情報を引っ張り出してくると、こういう実務があります。それに一定の労力と時間が掛かるということです。それは過去に遡ればのぼるだけ、国内にも複数のサブ・カストディアンがおりますけれども、いつまでのデータを比較的取りやすい方法で蓄積しているかというのはそれぞれの会社によって異なります。したがって、そういったものが一つ、障害になろうかなと思います。   本件のそもそもの制度の趣旨として、なるべく速やかに御回答申し上げるというのが一つのポイントだと思う中で、余りこれを遡りすぎると、逆にそういったデータを遡ることに負担を及ぼすようなサブ・カストディアンなどが出ますと、そこの部分の報告が遅れていくということにもなりますので、そういった趣旨から、一番、権利確定日のようなものがまずはベースとしてあり、その次に、実際の任意の日でも可能は可能ですけれども、そこはどこまで遡るかということに係ってくるかなと考えております。 ○松尾幹事 1点だけ、遡る方ももちろんそうなのですけれども、基準日よりも新しい情報というか、これも多分発行会社としては知りたいということだと思うのですが、それもやはり同じような御負担があるということでしょうか。 ○日置参考人 将来のということですか。 ○松尾幹事 基準日よりも直近のということですかね。 ○日置参考人 それは大体1年以内ぐらいということになろうかなと思います。この1年というのが、その会社によって必ずしも1年のデータを取りやすくなっているかどうかというのは、これはやはりまちまちだと思っております。 ○松尾幹事 ありがとうございます。 ○塚田参考人 今、中間試案では、上場会社は仲介機関である名義株主に対して、直近仲介機関又は指図権者に係る情報の提供を請求することができるという記載になっています。日本で口座管理機関となられている日本の銀行様は多分ここの中では名義株主ではないので、株主名簿管理人又は上場会社の方々から直接グローバル・カストディアンに情報請求が来るのだろうと理解しています。そうすると、今おっしゃっていただいたことの課題の一つとして、総株主通知に係る基準日に該当しない日付時点に係る情報請求では、上場会社において把握しきれない名義株主が存在する可能性があるということ、今の段階ではそうなっているということでございます。中間試案では、上場会社は総株主通知で通知され株主名簿に記録された名義株主に対して情報を請求することになると理解しております。総株主通知による通知は、発行者である上場会社が定めた基準日その他時点の株主について振替機関が通知するものとなっています。なので、年に2回とか4回程度といった頻度で通知されることが多いと聞いております。毎日更新されるものではないということでございます。   上場会社は正当な理由があるときは、振替機関に対して当該振替機関が定めた費用を支払って、当該上場会社が定める一定の日の株主についての通知事項を通知することを請求することができるとなっていますけれども、正当な理由は振替機関の業務処理要項において限定列挙されておりまして、正当な理由以外の事由により総株主通知を請求することについては、振替機関はその請求を受理しないこととされています。さらに、振替機関が請求を受理したとしても、多くの上場会社から高い頻度で総株主通知請求があった場合に、振替機関において事務処理が対応可能かという課題もございます。   他方、名義株主であるグローバル・カストディアンにおいては、前回基準日以降にグロカスに開設された口座に関する情報というのは、当該口座の開設日以降の時点における情報の請求が行われれば、上場会社に提供する情報に含まれるということになります。毎日来れば、毎日お返しするということにはなります。海外SRDⅡで対応していますので、日本のマーケットに対応するシステム開発はしなければいけないですけれども、そういうことについては対応は可能かなとは思います。   あとは、実質株主である投資家において上場会社からは確認しづらいように株式を保有したい場合には、日本のサブ・カストディアンさんに口座を開設して当該口座で株式を保有すれば、次回の基準日までは上場会社には把握されないと、次回の総株主通知までは把握されないということにはなります。ですので、もし上場会社が前回基準日以降にサブ・カストディアンに口座を開設した名義株主に関する情報も入手したいということであれば、多くの上場会社からの高頻度の総株主通知に対応する振替機関における事務処理体制を確保した上で、正当な理由を追加する等の業務処理要項の訂正だとか、又は上場会社から口座管理機関であるサブ・カストディアンへの情報請求をするルートの確立をするであるとか、そういったような方法の検討をする必要があるのではないかとは思います。   あとは、総株主通知で通知される名義株主の中に、金融機関ではない人たちが名義貸しみたいなことをやっている場合には、この制度の下で問合せをすることもできません。ですので、そういう方々については本制度の対象となっていないので、そこのところも今、一定程度の限界があるということは我々は認識しなければいけないのかなとは思っております。 ○神作部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○青委員 国際銀行協会様にお伺いしたい点がございます。株主からの情報提供の仕組みに関しては、投資目的の理解の仕方が異なる、みなし共同保有の判断でミスが生じ得る懸念、あと一般的な事務過誤が生じ得る懸念を踏まえ、議決権停止は慎重に考えるべきではないかといった趣旨の御発言があったかと存じます。他方で、会社としても、重要提案を行おうとする株主の情報をシビアに知りたいということになるかと思いますので、なかなか妥協点を見いだすことは容易ではないと想像しております。特例報告の利用者に関しては、よほどの悪意がなければ議決権停止は不要という制度に仮になった場合、そうした御懸念は依然として強い状況のままであるのか、感触をお教えいただけると有り難いです。 ○神作部会長 では、国際銀行協会から御回答をお願いいたします。 ○塚田参考人 重要提案行為等が別にやってはいけないことでも何でもなくて、きちんとやっていただければいいのですけれども、帰結が結構大きいものですから、例えば特例報告が使えなくなりますというと実務上は結構大変です。それから、外為法上の対内直接投資にかかる事前届出制度について包括免除が使えなくなるかもしれないという課題があるので、外資系金融機関としてはここの線引きというのは結構シビアに見て、実務対応しています。その点、金融庁様ともいろいろ意見交換させていただいて、昨年Q&Aが出たので、よかったなとは思っています。ただ、課徴金に加えて議決権停止があると二重処罰のように見えて、近付きたくなくなってしまうような雰囲気があるので、建設的な対話を促進したいということであると、そこは少しお考えいただくのがいいのかなと、そういう感じは受けています。 ○青委員 ありがとうございます。投資目的の理解の仕方について、様々な考えがあったり、判断が微妙であることや、みなし共同保有における事務ミスといった懸念は、特例報告の利用者がそもそも議決権停止の対象から除外されていれば、余り問題とはならないといった認識でよろしいでしょうか。 ○塚田参考人 発行体の皆様が御懸念なさっているような状況と、外資系の特例報告しているような人たちが言っていることに随分差があるような気がするので、発行体の皆様が御心配になっているところに絞って御議論いただくとうれしいなという気がします。 ○青委員 ありがとうございます。 ○神作部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○森委員 2回目で申し訳ありません。サンクションのところで、国際銀行協会の方から過料にすべきだという御意見が出ているということなのですけれども、今の試案の中では、株主からの大量保有報告に関連する方は議決権停止、これは過料という案がありますけれども、一方で全体的に議決権停止をすべきだという意見もかなり出ていたのは出ていたという状況もありまして、一般的な話としてお伺いしたいのですけれども、EUとか海外の方においては議決権停止ということで制度化が進んできているという状況において、日本においては過料にすべきだという、その違いをあえて主張されている背景が何かもしあるのであれば、お教えいただけますか。 ○神作部会長 国際銀行協会からお答えいただけますでしょうか。 ○鳥海参考人 制裁の在り方はEUの各国で多少まだら模様かなと思っておりまして、歴史的に検討が早くスタートしたイギリスでは株主の権利をいろいろ、4類型ぐらい停止することができると、配当とか、処分譲渡権とか、議決権とかいったものが停止され得るということかと思います。フランスでは裁判所に訴えて、止めることもできますし、それから株式会社の方が議決権を制約するということもできるかと思います。それから、ドイツでも議決権については自然消滅するような措置というのも盛り込まれていますけれども、日本においては既に私ども、この部会が昨年の4月から御検討を重ねてこられた経緯を拝読しておりまして、もしもこの制度趣旨というのが建設的な対話の促進ということなのであれば、やはりその制裁措置として議決権の停止というところまで踏み込むのは重たすぎるのではないかといったお声が多数なのかなと理解しております。   であれば、やはり過料というところなのかなというところが恐らく部会での御意見の大宗なのかなと思っておりまして、先ほど申しましたように、特に海外の投資家の多くはエンゲージメントではなくて経済的な利益を期待して投資しておりますので、必ずしもそういった投資家は発行体との対話すら特に期待はしていないのかもしれないと、素性を明かせということで確認制度が施行されれば、もちろん素性が明かされることはやぶさかではないということだと思います。何らかの理由でその素性が必ずしも十分に正確に発行体に伝わらない場合に制裁措置がありますよというときに、過料ぐらいであれば納得感も得られるのかと思いますけれども、そもそも株主の根源的な権利である議決権なども停止されるということになると、日本がそういった制度を入れるということになりますと、それなりのメッセージ性とかインパクトも懸念しなければいけないのかなと思っておりますので、私どもの関係者から聞いた限りでは、議決権停止よりは過料だろうといった声が多かったと思っております。 ○塚田参考人 関係者の話を今振り返ると、議決権停止が妥当であろうというような場面もきっとあるのだろうとは思っていて、それはどういう場面かをきちんと考えて、少し今回の制度趣旨とは違うところかもしれないですけれども、そういうものはどういう場面なので、どのようにしてそのような制裁まで持ち込むかというのを場面を限って議論すれば、投資家の理解も得やすいのかなとは思います。例えば、ウルフパックみたいなことかもしれないですし、名義貸しみたいなことかもしれないですし、そういうところに発行体の上場会社の方々の御懸念を具体的に提示して議論すると、投資家の理解も得やすいのかなという感触は持っています。 ○神作部会長 よろしいでしょうか。 ○藤井委員 御説明ありがとうございました。国際銀行協会の皆様にお伺いしたいのですけれども、話が戻ってしまって恐縮なのですが、実質株主の総会出席というところなのですけれども、実態をお聞きしたいと思っていて、私はこの部会の場でも少し発言をさせていただいたのですけれども、今現状でも実務においてガイドラインがあり、出席若しくは傍聴みたいな形で参加することは可能だと認識しておりますが、一方で出席する実質株主の方は極めて少ないと認識をしております。   今回、総会の出席は認めるべきとおっしゃっていただいている海外の投資家の方々は、これまで総会の出席を試みようとしたところ、うまくいかなかったような事情があるのか、又は現状も出席していて、法令上に規定された形でこれからも出席したいと考えているのか、今回法令に規定されると、出席したいと思う海外投資家の方がかなり増えるのか、そうすると海外投資家の皆様が、先ほどの議論でもありましたけれども、バーチャルオンリーというのは反対しているということであれば、発行会社側にハイブリッドみたいな形での総会の開催を求めているのか、来日してでも出席したいと思っているのか、投資家の方々がどのように感じられているのかといったところの実態を少しお聞かせいただければと思います。 ○神作部会長 それでは、国際銀行協会から御回答ください。 ○鳥海参考人 ありがとうございます。確か部会のこれまでの議論の中でも、実際に総会に出てくるケースは余り多くはないといった御議論が交わされていたような記憶がございます。ただ、海外の投資家で、現状だと実質株主なのでそのままでは総会には出られませんといった場合も、日本に拠点があってオフィスがあったりします。近隣の国からすぐ日本に来日することもできます。そういった場合に、もしこういった今回の検討の延長線上で、実質株主にもそういったいろいろな権利が認められることになるのであれば、それは出席したいといったことは十分に考えられますし、これはこれまでの、例えばコーポレートガバナンスの検討ですとかディスクロージャーの検討などにおいても、やはり外国の投資家団体からそういったいろいろな要望が出されている中に含まれておりますので、潜在的な需要というのは確かにあるのだろうと思っております。   逆に、今回日本における実質株主の確認制度ということで、株主の素性というのが問われれば明かしますよ、回答しますよという制度が入るわけですけれども、当然これは発行体様にとっては大きな前進だということは間違いないわけですけれども、では実質株主の側に一体この制度というのはどういったメリットが具体的にあるのですかと問われた場合に、なかなか我々は答えようがないというのが正直なところです。そこが、冒頭申しましたとおり、SRDⅡとやや様相が異なるのかなと。SRDⅡは非常に間口が広くて、かの地ではそもそも総会の招集通知とか総会資料が届かないと、あるいは議決権行使の連絡が来たけれどももう行使期限がすぎているとか、いろいろな話が伝わってきていまして、そういった現状に満足できないので、SRDⅡの取組というのが今も続いているのだと思います。日本はそこまでの状況ではないのかもしれませんけれども、海外の投資家から見ると、日本もSRDⅡに倣って確認制度が入るということなのだけれども、ならば実質株主には何かそれでベネフィットはあるのですかと言われたときに、メッセージ性が何もないと、冒頭申しましたとおり、やはりこの制度の内容を十分周知していく際に、メッセージとして、ややそこが片手落ちになるのかなと思っておりますので、潜在的な需要があるのだとすれば、やはりそこに道を開いてあげるというのは妥当な検討なのかなと思っています。 ○塚田参考人 具体的に聞こえてきた声、立ち話に近いので、そういう声なのですけれども、株主総会への出席を希望したのだけれども断られたとか、あとは、参加できたのだけれども極めてアンインバイテッドゲストみたいな扱いだったとかという話は聞こえてきました。なので、場合によってはもちろん出席していることもあるのだろうと、では今回制度が入ったからものすごく増えるかというと、多分そういうことはないのだろうとは思っております。 ○神作部会長 ほかに御質問はございますでしょうか。 ○塚田参考人 1点だけ、中間試案で少し皆様に、我々の理解と同じかどうかということで、オブザベーションというのですか、共有させていただきたいのですけれども、グローバル・カストディアンではどういう形で口座が開かれているかというと、口座名があります、そこにはファンドの名前であったり、アセットオーナーさんが直接開かれるのであったならば、アセットオーナーさんの名前で口座が開かれましたと。それと一緒に、運用するときに誰から運用指図が来るのですかという運用指図の送付元、多くの場合は運用会社です、と記録されます。それから、議決権行使は一体誰から来るのですかという名前が記録されます。そういうのをシステムで持っているので、問合せが来れば、そういうものをお返しすることができるということになります。議決権行使は誰から来るのですかといったときに、おおむね議決権行使助言業者、ISSとかグラス・ルイスという名前が登録されることになります。そこが実際に議決権行使を判断しているかどうかは別問題で、そこの契約関係は我々に見えないです。多くの運用会社は、自分自身で議決権行使して、事務委託をする形でそういう助言会社に事務委託をしているのだろうと思いますけれども、我々から見えるのは、どこから来るかという情報です。   中間試案では、仲介機関は指図権者ごとに情報を提供することが求められています。グロカスでは個別の議案について、グロカス口座の名義人と議決権行使の送付元との間にどのような契約関係にあるかは知る立場にはないので、もし指図権者として議決権行使助言業者の名前だけが出てくるということになってしまうと、多分上場会社の方々にとって余り有効な情報ではないのではないかと思います。運用会社の情報が必要なのだろうと思います。なので、どのように法律に書くかは大変難しいと聞いていますけれども、できれば口座名義ごとだとか、運用指図送付元、又は議決権行使送信元ごとに情報の提供を受けることができるような制度になると、有用なものになるのかなと思っています。そうすると、先ほど鳥海から申し上げたように、膨大な生データが上場会社に来ると思います。これを整理して上場会社の方々に有効なサービスとして提供するのは、株主名簿管理人であったり、プラットフォームプロバイダーの仕事になるのかなと思っております。 ○神作部会長 今の点について、何かコメントはございますか。 ○青委員 議決権の指図権者として助言会社の名前が出ているということでございますけれども、飽くまで助言会社は、運用者など実際に指図をする人に対して助言をしているにとどまり、助言をした上で、指図をする人から聞いた内容をそのまま入力するだけというのが実情であって、助言会社が実際の判断をしているわけではないという理解でよろしいでしょうか。 ○塚田参考人 グローバル・カストディアンとしてはそこの契約関係が見えないですけれども、運用会社の実態とすると、そんなことをしたら委託者に説明が付かないので、議決権の意思決定自体は運用会社が持っているものと考えています。 ○神作部会長 今の点について、更に御質問あるいはコメントを頂ける方はいらっしゃいますでしょうか。   一般的な御質問ですが、議決権行使助言会社がそういった運用指図権を持って指図するという契約も実態としてはあるのですね。 ○塚田参考人 あり得ます。助言だけですけれども、助言をして、そのとおりにやってくださいなのか、いや、これは私たちのポリシーに合わないのでこのようにやってくださいとか、運用会社と助言会社の間の契約関係でいろいろ決まっていると。 ○神作部会長 非常に多様な契約関係があると理解してよろしいでしょうか。   どうもありがとうございます。 ○内田委員 それについては、私の方からも少し言及します。大手議決権行使助言会社は議決権電子行使プラットフォーマーと連携していますので、実際の議決権行使のためのプラットフォームとして活用しているということです。例えば一般的には、助言会社のオリジナルのガイドラインがあって、それぞれの運用会社も独自の基準があるのですけれど、それに上書きするような形にするわけです。ですから、基準が乖離するところについては独自の基準で助言会社のそれを上書きしてもらうというやり方をするのですけれども、これは非常に解釈が難しくて、上書きするところが非常に僅かだったりする場合に、果たして指図権者は上書きする方のアセットマネジャーなのか、それともほとんどの議決権行使をデフォルトで決定しているプラットフォーマー、つまり助言会社なのかというと、なかなか判断が分かれると思っています。契約内容でどちらが主体かは判別することはできるかもしれませんが、発行体が考える実質株主と合致するかどうかは、解釈が分かれると思います。 ○神作部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。   もしこれ以上御質問がないということでございましたら、実質株主確認制度等についての質疑応答の時間はこれにて終了したいと存じます。   本日御発表いただきました清田様、日置様、塚田様、鳥海様におかれましては、大変丁寧な御対応を頂き、厚く御礼を申し上げます。   それでは、本日はこの程度にいたしたいと存じますけれども、本日参考人の皆様からお伺いした内容につきましては、今後の当部会の調査審議にいかしてまいりたいと存じます。どうもありがとうございました。   それでは、少し予定よりも早いのですけれども、次回の議事日程等について事務当局から御説明をお願いいたします。 ○宇野幹事 次回の日程は、6月24日水曜日の午後1時から午後5時30分まで、場所は法務省20階の第一会議室を予定してございます。   次回の会議におきましては、先週末まで行っていたパブリック・コメントの手続の結果の御報告をさせていただきました上で、中間試案の第1部の株式の発行の在り方に関する規律の見直しと、第2部の株主総会の在り方に関する規律の見直しに関する検討事項の一部までを取り上げた部会資料を作成してお送りすることを予定しておりますけれども、どこまでの検討事項を次回取り上げるかにつきましては、これまでの御審議の状況ですとかパブリック・コメントの手続の結果も踏まえて検討させていただきたいと思っているところでございます。 ○神作部会長 どうもありがとうございました。   それでは、これをもちまして法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会の第14回会議を閉会とさせていただきます。   本日も大変熱心な御議論を頂きありがとうございました。特に参考人の皆様には、御報告と質問への御対応をいただき、誠にありがとうございました。 ―了―