法テラスの在り方に関する有識者検討会 ~もっと利用しやすく、もっと身近な 司法アクセスを目指して~ 第1回会議議事録 第1 日 時  令和8年3月27日(金)    自 午前 9時32分                         至 午前11時28分 第2 場 所  法務省大会議室         (中央合同庁舎6号館A棟地下1階) 第3 議 事  (1)法テラス丸島理事長からのヒアリング  (2)検討事項案について  (3)意見交換 第4 今後のスケジュール 議        事 青木参事官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから法テラスの在り方に関する有識者検討会~もっと利用しやすく、もっと身近な司法アクセスを目指して~第1回会議を開催いたします。   皆様におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。   本検討会の開催に当たり、まず司法法制部長の内野から御挨拶させていただきます。 内野司法法制部長 本日は御多忙のところ、この法テラスの在り方に関する有識者検討会にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、委員の皆様方におかれましては、本当に御多忙の中、この検討会の委員をお引き受けいただきましてありがとうございます。皆様に円滑かつ有意義な、また建設的な御議論をしていただけるように、所管部長として、ないしは所管部局といたしまして精一杯務めさせていただきたいと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。 青木参事官 次に、法テラス丸島理事長より挨拶をさせていただきます。 丸島理事長 日本司法支援センター、法テラスの理事長を務めております丸島でございます。本日はよろしくお願いいたします。   私は、この3月末をもちまして4年の任期を満了いたしますので、理事長としては最後の機会となりますが、法テラスのこの間の活動の経過や現在直面している課題などについて、御説明をさせていただきますので、様々な御意見や御提言を頂ければ有り難く思います。よろしくお願いいたします。 青木参事官 続きまして、本日御出席いただきました委員の方々を御紹介いたします。   佐藤岩夫委員です。佐藤委員には、本検討会の座長をお願いしております。 佐藤座長 東京大学特任教授の佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 青木参事官 赤堀一成委員です。 赤堀委員 一般社団法人日本経済団体連合会の赤堀と申します。経団連経済基盤本部で経済法制や司法制度を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。 青木参事官 猪之鼻久美子委員です。 猪之鼻委員 日本司法書士会連合会常任理事の猪之鼻久美子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 青木参事官 大村慎一委員です。 大村委員 静岡大学客員教授をしております大村慎一と申します。どうぞよろしくお願いします。 青木参事官 大屋雄裕委員です。 大屋委員 慶應義塾大学法学部教授の大屋でございます。よろしくお願いいたします。 青木参事官 岡野貞彦委員です。 岡野委員 日本生産性本部上席フェローの岡野と申します。よろしくお願いいたします。 青木参事官 オンラインで御出席をいただいております川田翔子委員です。 川田委員 京都府八幡市長の川田翔子と申します。自治体行政の現場の立場から発言させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 青木参事官 川野玲子委員です。 川野委員 公益社団法人全国消費生活相談員協会専務理事の川野玲子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 青木参事官 康潤碩委員です。 康委員 GVA TECH株式会社という会社、リーガルテックの会社で取締役をしております弁護士の康と申します。技術的な部分だったり、しっかりと尽力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 青木参事官 生水裕美委員です。 生水委員 一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワーク理事の生水と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 青木参事官 オンラインで御出席いただいております諏訪雄三委員です。 諏訪委員 一般社団法人共同通信社編集委員兼論説委員の諏訪と申します。防災と地方自治を主に担当しています。よろしくお願いします。 青木参事官 谷口太規委員です。 谷口委員 弁護士の谷口と申します。元スタッフ弁護士で、現在も扶助・国選をたくさんやっている弁護士です。よろしくお願いします。 青木参事官 寺町東子委員です。 寺町委員 日本弁護士連合会の副会長を来週まで務めております。その後も参加をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。寺町東子でございます。 青木参事官 板東久美子委員です。 板東委員 丸島理事長の前の法テラスの理事長を務めさせていただきました板東と申します。よろしくお願いいたします。 青木参事官 オンラインで御出席いただいております、山本克己委員です。 山本委員 京都大学名誉教授で現在追手門学院大学教授として勤務しております、山本でございます。よろしくお願いいたします。 青木参事官 続きまして、関係機関等からの御出席者を御紹介いたします。会場に御出席の皆様は、お名前をお呼びいたしますので、その場で御起立の上、一礼をお願いいたします。なお、代理の方に御出席いただいている関係機関もございますが、時間の都合上、御登録いただいている方のお名前のみをお呼びさせていただくという対応で御容赦いただければと思います。   まず、福島県弁護士会所属、高橋金一弁護士です。   本日はオンラインでの御出席であります、日本司法書士会連合会、稲本信広専務理事です。   最高裁判所事務総局総務局、吉岡大地第一課長です。   内閣府政策統括官(防災担当)付、立岩里生太参事官です。   オンラインで御出席いただいております、こども家庭庁支援局虐待防止対策課、野中祥子課長です。   オンラインで御出席いただいております、こども家庭庁支援局家庭福祉課、伊藤涼子企画官です。   警察庁長官官房犯罪被害者等施策推進課、吉田知明課長です。   文部科学省初等中等教育局教育課程課、武藤久慶課長です。   文部科学省高等教育局大学振興課、石橋晶課長です。   文部科学省高等教育局専門教育課専門職大学院室、若林徹室長です。   厚生労働省社会・援護局地域福祉課、野﨑伸一課長です。   厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課、吉田慎課長です。   法テラス、丸島俊介理事長です。   法テラス、菅沼友子理事です。   法テラス、髙橋太郎本部事務局長です。   法務省大臣官房司法法制部部長、内野宗揮でございます。   法務省大臣官房司法法制部司法法制課課長、神渡史仁でございます。 青木参事官 それでは、ここからの議事進行につきましては、佐藤座長にお願いしたいと思います。   座長、議事の進行をよろしくお願いします。 佐藤座長 まず最初に、今後の議事運営上のルールについて、あらかじめ皆様から了承いただきたい点がございます。   1点目ですけれども、この検討会では、法テラスの業務に関する具体的な事案等についても言及される場合があり得るものと思います。場合によってはプライバシー面での問題も出てまいりますし、このような事案を踏まえた忌憚のない意見交換を行うためにも、会議については非公開、つまり傍聴人等を入れないで行うこととしたいと思いますが、いかがでしょうか。              (各委員了承)   ありがとうございます。   それでは、2点目ですけれども、検討会の資料及び顕名で作成させていただく議事録は、検討会終了後、速やかに法務省ホームページで公表することといたしますが、同様の趣旨により、座長が必要と認めるときは本検討会にお諮りをした上で公表しないことができる、としたいと思いますが、いかがでしょうか。              (各委員了承)   ありがとうございます。   3点目ですが、座長が何らかの都合により本検討会に出席できない場合の座長代理として、板東久美子委員を指名したいと思いますが、いかがでしょうか。              (各委員了承)   ありがとうございます。それでは、いずれも御賛同いただきましたので、本検討会の運営につきましては、今申し上げたとおりとさせていただきます。委員の皆様から活発な御議論をいただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。   次に、本日の配布資料について事務局から説明をお願いいたします。 青木参事官 それでは、配布資料について御説明いたします。   資料1から9でございますけれども、こちらは、法テラスの概況、組織図及び各業務の実績等についてまとめた資料となります。法テラスに関する基礎資料としてお使いいただければと存じます。   資料10でございますけれども、こちらは、本検討会の検討事項につきまして、座長と事務局において作成しました、たたき台でございます。   資料11でございますが、こちらは、この後に行われます法テラス丸島理事長からのヒアリングについての発言項目等をまとめた資料でございます。   資料12及び資料13は、委員から御提出のあった資料について、会議資料として取り扱ってほしい旨の御要望を受けて、資料とさせていただきました。まず、資料12は、寺町委員から御提出をいただきました資料でございます。資料13は、生水委員から御提出をいただきました資料でございます。   資料は以上のとおりでございます。お手元に資料はそろっておりますでしょうか。   では、座長に戻させていただきます。 佐藤座長 どうもありがとうございました。それでは、議事を進めさせていただきます。   まず、法テラス丸島理事長からのヒアリングです。丸島理事長は、平成22年から日弁連において日本司法支援センター推進本部の副本部長を務め、さらに、平成29年から法テラス理事、そして令和4年から同理事長に就任されました。中からも外からも法テラスの活動を長く見てこられました。本日は、丸島理事長から、法テラスが直面する課題等について御報告をいただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 丸島理事長 改めまして、法テラスの理事長を務めております丸島でございます。本日は、法テラスの在り方に関する有識者検討会の開催に当たりまして、報告の機会を与えていただきましてありがとうございます。お手元の資料11に私の発言項目について、粗々なものをまとめてございます。それに資料として別紙1・2を付けておりますので、適宜御参照いただければと思います。   初めに、法テラスの設立についてですが、1990年代から2000年代を通じて取り組まれてまいりました司法制度改革がその源となっております。資料11の別紙1に、「司法制度改革」等について簡単にまとめておりますが、冒頭の4項目に掲げましたとおり、司法制度改革は、我が国の社会経済・政治行政等の一連の改革を法の支配の理念の下に結び合わせる最後の要として位置付けられ、司法機能の充実強化を目指し、司法が国民生活に深く根を下ろして、広く国民的な基盤を確立することが必要であるとして、新しく生まれた法テラスが果たす役割に期待が寄せられてまいりました。   また、同じく別紙1の「総合法律支援法」の欄に記載がありますとおり、総合法律支援の基本理念は、あまねく全国で全ての人々が法的サービスの提供を受けられる社会の実現を目指すことにあるとして、主要業務である民事法律扶助は、私人間の紛争解決を図る民事裁判等の利用を図る公共性の高い事業であるとしております。そして、総合法律支援の実施について、国・自治体・関係機関等のそれぞれの責務を明らかにして、これら関係機関の連携の確保・強化を図らなければならないとしました。総合法律支援法のこうした規定は、いずれもこの法律が求める重要な視点でありまして、法テラスの事業はこれらの法の趣旨に基づき、この間進められてまいりました。   続いて、「法テラスの20年」について触れますが、設立以来20年間の事業展開の概要は資料11の別紙2にまとめておりますとおりでございます。法テラスは、平成18年4月の設立後、離島や過疎地等から大都市に至るまで全国各地に多くの事務所を立ち上げて、同年10月から情報提供ほか主要5業務を開始して、今日に至っております。現在までの到達点については、この後、利用件数等を御覧いただきますが、この20年の間、法テラスが提供する支援サービスは、相次ぐ法改正等に伴い、高齢者・障害者、子ども・若者・女性、外国人、自然災害の被災者、様々な人権侵害や犯罪の被害者等へとその対象を広げ、法テラスの利用件数は、年々増加してきております。法テラスの業務は、質・量ともにこれに伴って広がり、多様化・複雑化が進んでまいりました。   法テラスの各サービスの利用件数は、資料5から9までが、設立以来、令和6年度までの主な業務の利用件数の推移でございます。近時の状況について若干申し上げますと、法テラスの情報提供業務では、コールセンターや地方事務所の情報提供窓口等への問合せ件数は、令和7年度はコールセンター・地方事務所ともに増加をし続けておりまして、チャットボットの利用も含め、全体の利用件数は、令和6年度までを10万件以上上回り、年間70万件をはるかに超える、かつてない多くの利用が見込まれております。法制度に関する様々な情報があふれる時代にあればこそ、信頼できる情報を得られることへの期待は大きく、増加する問合せに対応する職員らも、高い業務負荷の中で専門性を磨きつつ、適切な法情報の提供と相談窓口の紹介に努めているところでございます。   次に、民事法律扶助でありますが、民事法律扶助事業は、資力の乏しい方々のほか災害の被災者など様々な困難を抱えた方々も利用できるよう、順次対象者が拡大され、提供するサービスの多様化が図られてまいりましたが、この間コロナ禍の影響や厳しい財政状況を反映して、令和2年度以降の利用は一時停滞をしてまいりました。しかし、令和7年度は、財政面での措置も講じられ、コロナ禍前の状況に利用が戻りつつあります。   次に、国選弁護等の指名通知業務では、従来減少傾向にありました刑事事件がコロナ禍明け以降増加に転じており、それに伴い国選弁護事件の増加が続いております。法改正により刑事手続も変化しておりますが、困難事件も少なくなく、弁護人の確保に相応の努力を要する状況が見られております。   資料には出ておりませんが、犯罪被害者支援業務については、犯罪被害者支援ダイヤルへの問合せ件数やDV・児童虐待等の法律相談援助の利用は増加傾向が続いており、さらに、この1月からは新しい犯罪被害者等支援弁護士制度がスタートしておりまして、その利用状況を注視しているところでございます。   そして、法テラスの業務を担う弁護士のうち、法テラスに常時勤務するスタッフ弁護士と呼ばれる常勤弁護士について述べますと、離島を含む司法過疎地を始め、地方から大都市まで法テラスの事務所に配置された約200名が、それぞれの地域で人々の司法アクセスを保障し、法的サービスを提供する活動を展開しておりまして、一般の契約弁護士とも協力・分担をしながら、民事法律扶助や国選弁護事件を担当することはもとより、地域の関係機関と連携・協働しアウトリーチするなどして取り組む司法ソーシャルワークの活動、例えば、成年後見制度の周知・利用促進や自然災害の被災者支援活動、生活困窮者支援などの重要な担い手となっております。また、裁判員裁判を含む困難な刑事弁護の活動や、罪を問われた人の更生支援、そして、孤独・孤立の中に陥りがちな若者・女性への支援、法教育や、その他地域の公益活動に取り組んでおります。最近の例では、東京歌舞伎町に東京都が設置しました若者向けの相談所には連日多くの若者・女性らが集まりますが、そこでのスタッフ弁護士の活動も大都市における活動の典型の一つでもあります。   また、政府が開設しました外国人在留支援センター、略称FRESC(フレスク)といいますが、ここには各関係機関とも連携して法テラスも国際室を設置し、スタッフ弁護士らが外国人への情報提供等の活動を行い、利用件数はここでも年々増加をしております。また、外国人支援者向けのセミナーを連続開催するなどして支援者との連携を深め、活動の幅を広げているところであります。   その他、法テラスは、本来業務に支障を与えない範囲内で関係機関・団体等から業務委託を受けることができるとされ、現在は日弁連から委託を受けた権利擁護事業について、事業費とともに一般管理費の提供を受けて業務に当たっております。   これらの一連の活動を通じて法テラスが果たしてきた役割については、大きくは2点ございます。一つは、困難を抱えた一人一人の方に対して法的な支援サービスを提供して、その権利擁護を図り生活の再生に繋げていくとともに、さらには、このような一人一人の支援を通じて、多様な人々が互いに尊重し合い、共に生きる地域コミュニティを形成して、包摂的な社会の実現につながり得るという社会的な意義を有するものではないかと考えるところであります。   次に、法テラスの現下の課題についてでありますが、この20年の社会状況の変化に伴いまして、法テラスの業務は年々広がり、多様化・複雑化が進んでおります。社会の多様なニーズに応えて事業の持続的な発展を図るためには、業務と組織運営の重要な基盤に関わる課題への取組が不可欠でありまして、主な4点について述べたいと思います。   1点目は、有為な人材確保の課題であります。困難を抱えた人々に向き合う対面の窓口業務といい、また相談業務といい、あるいは地域での連携活動といい、人が要となる法テラスの業務は、司法アクセスを担うにふさわしい有為の人材を十分に確保・育成することが何よりも重要であります。しかし、担い手となる法律専門職については、弁護士人口の大幅増加が図られる一方で、弁護士の大都市集中・大事務所集中の傾向が強まり、法テラスの常勤弁護士や弁護士会の公設事務所の弁護士、地方や過疎地、また、民事法律扶助や国選弁護を始めとする人権と公益活動分野を担う弁護士の確保が重要な課題となっております。法曹養成課程を含め、司法関係者が協力して、公益活動の担い手となる弁護士の確保のために、その育成の在り方や質の確保と執務環境の整備、処遇の改善の課題等も含め、必要な取組を進める必要があると思われます。   法テラスを担う職員についても同様であります。業務に必要な法律・福祉・心理・行政等への基礎的理解とデジタル・ITに関するリテラシーや豊かなコミュニケーション能力など、公務としての司法アクセス保障の業務の担い手にふさわしい専門性を有する人材の確保・育成のための努力を続けなければなりません。また、そのような人材が集まり育つことにより、法テラスにおける司法アクセス業務のブランドを高め、新たな人材確保にもつながるサイクルへと好循環となることを期待しております。   2点目は、地域連携構築の課題であります。様々な問題を抱え困難の中にある人々が自ら進んで声を上げて法的支援につながることは、決して容易なことではありません。それだけに、人に向き合い、地域の関係機関等との連携構築に取り組み、積極的に問題を酌み取り解決に向かう活動は、ますます重要な課題となっております。地域における関係機関との連携活動や司法ソーシャルワークの活動など、先駆的な経験を共有しつつ、地域における連携拠点や連携スキームの在り方など、より持続可能で効果的なものとなるよう、地域の司法関連インフラの充実を図らなければなりません。   3点目は、デジタル化の推進と事務の簡素化・効率化、利用者の利便性の向上に関する課題であります。法テラスの業務は、相次ぐ法改正等を経て業務が広がり、多様化・複雑化が進み、業務量は年々増加をしています。地域の関係機関連携を図り、地域の人々のニーズを酌み取り解決につなげることは、現場を担う地方事務所の重要な業務であり、主要な役割となっていくものと思います。ここに重点的に力を注ぐためには、増加する事務作業の簡素化・効率化を図ることは不可欠であり、また、利用者の利便性の向上にも資するものであります。   そして、広がるニーズに応え、それを支える業務基盤の整備・充実のためには、安定した財政基盤の確立が不可欠でありまして、今後新たな社会課題や社会の要請に対してどのようにして適切な法的支援を提供していくのかを検討する上でも、財政の裏付けの検討が必要となります。これが4点目でございます。   次に、持続可能な総合法律支援制度の実現を図るために、法テラスが目指しております10年後のビジョンについて簡単に触れます。法テラスは今、これらの業務基盤に関わる諸課題に取り組むとともに、全ての人と司法を結ぶ架け橋になるとの運営理念に基づき、10年後の事業の在り方を構想する「ビジョン2035」の作成に全職員の参加を求めながら、令和8年度中に公表する予定で取組を進めております。法テラス職員らが中心となって作成している「ビジョン2035」に基づき、法テラス自らが目指したいと考える方向性についても、この検討会における議論の参考に供していただけますと有り難く存じます。   最後に、この有識者検討会の検討テーマとの関連で、若干述べさせていただきます。テーマの一つとして、地域社会の課題と法テラスの取組について挙げられております。先ほど来申し上げておりますとおり、地域の関係機関連携の構築は今後、更に法テラスの柱となる重要業務として位置付けられると思われますが、この検討会においても委員各位の多彩な御経験を踏まえて、地域における社会課題に取り組む上で、司法インフラの機能強化や司法ソーシャルワーク等の地域の関係機関連携等の意義を踏まえて、その具体的な実践や全国展開をしていくために必要な取組や方策等について御提言を頂ければ有り難く思っております。   また、直面する課題について申し上げますと、福祉機関等の関係者が集まり協力して様々な困難を抱える人への支援の取組方針を検討するケース会議に弁護士を派遣する取組について、現在は法テラスが寄附金等によって賄い実施をしておりますが、この取組の有効性とともに、業務として持続可能なものとするための方策等についても御提言いただければ有り難く思っております。   さらに、民事法律扶助や、その他の支援制度の在り方に関するテーマについてであります。民事法律扶助等の支援制度の在り方については、現在の社会情勢を反映して、多様なニーズに応えるべく、対象者の範囲や対象事件の拡大の要請が様々にあり得ることと思われます。これは、利用者負担の在り方や裏付けとなる財政措置等にも関わる課題となりますし、また、民事法律扶助制度が、支援の多様化とともに手続や利用要件の複雑化が増しており、利用から償還に至るまで、制度全般の簡素化や利用の公平性の確保など、積み重ねられてきた制度の在り方の必要な見直しも検討されてよい時期にあるかもしれません。   その他、法テラスが行う情報発信や法情報の提供、法教育の取組などは、広く国民の法的リテラシーの涵養にも資するものと考えられますが、そのような活動の今後の在り方等についても御提言いただければ幸いであります。   次に、持続可能な総合法律支援の体制の整備と充実・強化というテーマについてでありますが、持続可能な体制の充実を図るために大きな課題は、先ほど来申し上げておりますとおり、職員、スタッフ弁護士、一般の契約弁護士を含む人材確保をめぐる課題であります。法テラスの業務に求められる資質・能力を明らかにして、それにふさわしい人材の確保・育成、専門性の向上とキャリア形成、志を生かしやりがいある業務と執務環境の改善等の取組を進めていかなければなりません。職員の育成策や研修実施体制については、現状の研修プログラムの充実や、関係省庁等への出向等に加え、地方公共団体等との人事交流など新たな方策が必要であるところ、どのような方策があり得るのかなどについても御検討いただきたいと思っております。   スタッフ弁護士については、養成事務所等での1年間の指導と実践を経て各地に赴任し、その後も充実した研修プログラムが用意され、業務支援室による支援も受けられる環境にあり、更にその力量を高める努力を続けたいと思いますが、他方、現在の社会経済状況を反映して新規の採用が困難になっており、スタッフ弁護士の希望者の増加、採用数の増加など、人材確保の必要性について御提言を頂き、日弁連や司法研修所、法科大学院等とも連携・協力して、スタッフ弁護士希望者の増加、採用増加につなげていきたいと考えております。とりわけ、法曹養成課程における公益活動の学びや活動の魅力に接することなどは、早期からの取組が必要であると考えております。また、一般の弁護士が常勤ではなく非常勤のスタッフ弁護士として活躍したり、判事補・検事の弁護士職務経験の採用元としてスタッフ弁護士をメニューに加え、スタッフ弁護士として受け入れるなどの方策についても検討を要する課題だと思われます。さらに、スタッフ弁護士のキャリア形成の観点から、関係省庁や地方自治体、その他公的機関等との更なる連携や人事交流等による育成・連携強化により、スタッフ弁護士の活動を広げていくことも検討に値することと思われます。   業務の効率化とデジタル・AI等の活用に関するテーマについては、先ほど申し上げましたとおり、地域連携の構築等の法テラスの現場の人と地域に関わる業務を重視して取り組んでいく上で、複雑多様化した業務の簡素化等の改善を図る観点から重要な課題です。法テラスは、従来からの取組に加え、令和10年度に予定している業務システムの更改に向けて、現在特別の体制を組んで新たなシステムの構築に向けて全力を挙げて取り組んでいるところであり、新システムにより紙からの脱却を図り、膨大な事務作業の効率化を進めていきたいと考えております。大規模な事務の効率化は簡単なものではなく、システム更改なしに一朝一夕にはできないものであるため、このシステム開発予算が当初予算の要求段階で、必要性を訴えた上でしっかりと措置されることが必要不可欠となっております。   以上、デジタル化の推進により事務の効率化を図り、有為の人材を確保・育成して地域における連携活動を強化する、これら一連の活動については、安定した財政基盤の確立が不可欠であることは改めて申すまでもありません。   この検討会において様々な御提言をいただきまして、私どももこれらの諸課題に取り組み、司法アクセス拡充を目指す法テラスの活動が持続可能な発展を遂げるよう、役職員が一体となって全力を挙げて取り組みたいと考えておりますので、何とぞよろしく御検討いただきますようお願い申し上げます。 佐藤座長 丸島理事長、どうもありがとうございました。いろいろ御質問等もあろうかと思いますけれども、それは後ほど自由討議の中でお願いできればと思います。   さて、これから委員の皆様には、本検討会における検討テーマについて御議論いただきたいと思いますが、その前に、資料10の「検討事項の例」について、その趣旨を簡単に御説明申し上げます。   こちらは、事前に委員の皆様に本検討会の説明をさせていただく中で皆様から頂いた御意見を踏まえて、座長と事務局において作成した検討事項のたたき台ということになります。第1として「地域の司法アクセス」、第2として「民事法律扶助その他の法的支援制度」、第3として「法テラスを含めた支援体制の充実強化」を大きなテーマとして掲げ、それぞれの大テーマごとに中テーマを幾つか掲げております。また、第4として「その他関連事項」を掲げております。   これらは、あくまで検討テーマを議論する上でのたたき台として作成したものに過ぎませんので、これからの検討テーマについての御意見を頂くに当たっては、この「検討事項の例」の記載内容にとらわれずに、ここに記載されていないことも含めて自由に御意見を頂戴できればと思っております。   それでは、丸島理事長の御報告や、今御説明をした資料10のたたき台も踏まえつつ、検討テーマについて議論をしていただければと思います。まずは、委員の皆様から御意見を頂戴したく、赤堀委員から順番に3分をめどに、お一人ずつ検討テーマに関する御意見を頂けますでしょうか。   まずは、赤堀委員、よろしくお願いいたします。 赤堀委員 丸島理事長、御丁寧に御説明いただき誠にありがとうございます。   これまでの法テラスの活動は、情報提供、民事法律扶助、国選弁護体制の整備、司法過疎対策、犯罪被害者支援など、総合法律支援の理念を具体化してきたものとして、経団連としても高く評価しております。また、社会構造の変化の中で多様化かつ複雑化する法的なニーズを踏まえ、法テラスの使命や未来ビジョンを改めて整理し、次の10年に向けた方向性を示そうとする本検討会の意義は極めて大きく、是非前向きに検討を進めていただきたいと考えております。   その上で、次回以降で御議論いただきたい点がございます。2014年6月に取りまとめられた前回の有識者検討会の報告書においては、法テラスが実施する受託業務について、他の独立行政法人と比較して要件や規定が厳格であり、その結果として法テラスのインフラやノウハウを十分に活用できていると評価できないと指摘されていました。特に、規模が大きくない特定の地方で実施される事業の委託や、事業内容が限定的なものも含め大臣認可を要する業務方法書の改正を要する点や、受託業務が法律事務に限定されている点が要件として厳格であるという記載がありました。こうした要件を緩和することで、本来業務に支障のない範囲で法テラスが受託できるようにすることを検討すべきであると提言されておりましたが、その後、この提言に沿った法改正はなされなかったものと承知しております。   前回の報告書が取りまとめられてから12年ほどが経ちますが、その間にも社会の法的なニーズは一層多様化かつ複雑化しているものと考えられます。例えば、経団連では震災が生じた際の被災者・被災地支援活動を行っているところですが、被災地域においても、あらゆる面で法的にお困りの方が生じております。現在でも、法テラスによる被災者支援の制度が設けられているようですが、より柔軟で多様な支援を実施するべく、対応策の一つとして、法テラスが被災した地方自治体等からの委託を受け、震災に関連する法律相談等の法的支援を担うといった枠組みも考えられるのではないかと存じます。   こうした議論を深める観点からも、本検討会では法テラスの受託業務の在り方について改めて検討をお願いできればと思います。 佐藤座長 次に、猪之鼻委員、よろしくお願いいたします。 猪之鼻委員 日本司法書士会連合会の猪之鼻でございます。理事長、説明ありがとうございました。   まず、法テラスの使命ですけれども、総合法律支援法のとおりでありまして、あまねく全ての人と司法を結ぶ架け橋であると思っております。その使命の実現のため、法テラスの事務局を始め、弁護士の先生、日本弁護士連合会、そして私たち司法書士、日本司法書士会連合会、隣接法律専門職団体が活動を続けてきており、今回司法書士の立場から、次の10年に向けて意見を述べる機会を得たことを大変有り難く思っているところでございます。   一方、資料にもございますとおり、日本は人口減少・超高齢社会となり、お一人様の増加、専門家の都市部偏在、災害の頻発など、社会経済情勢の変化により求められる支援が多様化・複雑化していることは論を待ちません。法テラスが今後持続的な発展を図るためには、担い手である人材の活用が重要であると考えております。業務の一端を担ってまいりました司法書士の視点から、限られた人材を十分に活用しつつ、地方自治体等との連携が必要との視点で発言をしたいと思っております。   検討テーマとしては、二つ大きく挙げたいと思います。少し細かいのですが、民事法律扶助業務についてでございます。書類作成援助と相談の在り方について、是非御検討をお願いしたいと思っております。超高齢社会、ひとり親支援、空き家・所有者不明土地問題、子どもの問題など、増加傾向にございます家族の問題への対応は急務であると考えており、法テラスへの期待も大きいものと思っております。一方、法テラスの人的・財政的な基盤は有限でございます。市民のニーズに対応するための環境整備や施策について、本検討会において協議をお願いしたいと思っているところです。特に、書類作成援助は償還金の負担も少なく、全ての司法書士・弁護士が関与することができる業務であります。人的資源の確保の側面からも有益であると考えております。成年後見申立てや相続放棄申述、遺産分割調停申立てなど、書類作成援助と比較的親和性の高い事件類型等について、司法書士や弁護士が相談に応じ、また、書類作成援助をより積極的に活用する環境や体制整備等について御検討をお願いしたいものです。   2点目は、司法アクセスの更なる向上に向けた取組の検討になります。司法過疎、災害対応、司法ソーシャルワークなど、司法アクセス向上も法テラスに求められる重要なテーマだと思っております。司法過疎対策は、これまで常勤弁護士を中心に行っておられますところ、司法書士は全国にあまねく存在しており、司法過疎対策復興支援事務所の独自の開設を行っていることから、連携を強化することで更なる成果を上げることができるのではないかと考えております。また、今後、自治体窓口と士業間の連携、ネットワーク化による対応強化と併せて、人員不足や場所の問題解消にはデジタル化が施策の一つであると思っております。司法のデジタルトランスフォーメーション化に当たりましては、日本司法書士会連合会は本人サポート支援の体制を準備しておりますが、法テラス・日本司法書士会連合会・日本弁護士連合会が一丸となってデジタル化へどう対応するかについても検討をお願いしたいものでございます。   3点目、最後にまとめになります。司法書士は、主に書類作成援助を通じてこれまで民事法律扶助協会の事業に参画してきた経緯がございます。平成14年の司法書士法改正以降は、法律相談援助及び代理援助においても民事法律扶助に関与し、平成18年の法テラス設立後は、全ての業務において担い手として対応を行ってまいりました。多重債務が社会問題化した際には破産申立ての書類作成援助、また代理援助による不当利得返還訴訟に関与し、最近では書類作成援助を通じて後見申立てにも多く関与しているところでございます。検討課題として先ほど二つ挙げましたが、民事扶助法律業務に携わってきた専門職、司法書士としての在り方についてもテーマとして取り上げていただけると幸いに存じます。 佐藤座長 次に、大村委員、お願いいたします。 大村委員 まず、法テラス20年の活動と、その成果に深く敬意を表させていただきます。   私は、総務省というところで主に地方行財政、過疎対策など地域活性化、消防・防災等に携わりますとともに、全国5箇所の自治体で勤務をしてまいりました。また、新型コロナ対策の時期には、国と地方の連携強化ですとか、内閣官房の孤独・孤立対策といった仕事に携わってまいりました。   そうした中で、この20年を考えてみますと、委員の先生方からも御指摘がありましたように、社会構造の変化の中で、年代・地域を問わず、望まない孤独・孤立に苦しむ方が増えているといわれています。これは、生活困窮や心身の障害に起因したり、DV、いじめ、高齢者、鬱など様々な要因が複合的に絡む場合が多くあると思います。このような複合的な課題を抱える方が、法テラスの支援の対象になっている場合もかなりあると思います。その場合、法的な支援はもとより、福祉を始め、行政の各分野や、また民間のNPOの方々、社会福祉協議会等の多様な支援組織とのネットワークの中で取り組むことが有効な場合があるのではないかと思います。こうした基本的な認識の上で、3点申し上げたいと思います。   まず1点目として、法テラスの機能をより発揮していただいて、司法のアクセス空白を生じないようにするために、今回の検討事項の中にも入っている地方自治体との連携は、非常に意義があると思います。ただ、これまで必ずしも地方自治体と両者の業務上の接点は全般的に多いとはいえないと思います。問題意識の共有が幹部同士でできているかどうか、また、そもそもお互いを個人的に知らないということもあるのではないかと思います。今後、現場での人的な交流を更に深めていただくとともに、一方で制度面でも連携しやすい仕組みの検討ということは必要ではないかと思います。   2点目に、地域住民の皆様の様々な課題に対して、各省庁はそれぞれの関係機関や地方自治体を通じて相談機能や窓口機能を有しておられます。また、相談の支援におきましては、NPOなど民間の相談対応が重要な役割を果たしていると思います。こうした各種の相談窓口において、これまで以上に法テラスの存在を認識していただいて、相談のネットワークの中で法テラスが司法アクセスの横断的な受け皿となるようなことが必要ではないかと思っております。また、そうしたネットワークによる対処が、法テラスに携わっていただいている弁護士の先生方の負担の軽減にもつながるのではないかと思っております。   それから、3点目ですけれども、自分自身、自治体勤務で犯罪被害者の対策に多少関わらせていただいた中で、今回の犯罪被害者等支援弁護士制度に対する関係者の期待は大変に大きいと思っております。ただ、やはり制度全般にそうですが、運用が重要であると思っております。特に、非常にセンシティブな事案を扱う分野ですので、経験とノウハウのある弁護士の先生方をどう増やしていくかということは非常に大切ではないかと思います。また、この分野においても、地方自治体を始め、各機関におられる、例えば心理職等の専門職の方や、NPOを始め、その他関係機関との連携は非常に重要ではないかと思います。そういったネットワークの強化ということについても、是非この検討会で建設的な御議論をお願いしたいと思います。 佐藤座長 次に、大屋委員、お願いいたします。 大屋委員 大屋でございます。私の専門は法哲学といって、法学部の中でも一番役に立たないことで有名な学問でございますが、私は、その中で情報化社会論と申しますか、情報技術の発展が法や経済のシステムをどう変えるのかということを30年ほど研究してまいったものでございます。当然ながら、ここ10年ほどはAIが主要トピックでございまして、私は、法哲学者の中では少ない公法畑の出身なので、訴訟というものとはかなり縁が遠いのですけれども、そのような状況で、先日も司法研修所の方で裁判官の方々向けに民事訴訟におけるAIの利活用ということでお話をさせていただいたような経緯もございます。今回の検討会でも、主にそのような観点からお話をさせていただくことになろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。   法テラスの担ってこられました業務というのは、民事法律扶助にせよ、国選弁護にせよ、非常に公益性の高いものでして、これらが維持・発展させるべきものであるという点について大きな異論はなかろうと思うものでございます。ただ、私の認識ですと、このような公益性の高い業務は従来、プロボノという形で弁護士さんたちがかなりボランティア意識の高いところで取り組まれてきたところがあったかと思いますが、司法制度改革等によって弁護士さんたちの競争環境も激しくなってきておりまして、そのような法曹としての義務感に頼るだけでは制度を維持することがだんだん難しくなってきているという実情があろうかと思います。   その中で、この問題を解決するために、寺町委員から提出された御意見の中にもありましたけれども、やはりインセンティブを引き上げていかなければいけないという議論は当然あり得ると思います。それはそうだということを踏まえた上で、ただ、それ以外に、弁護士さんたちが公益性は認識しつつもこのような業務から遠ざかってしまう要因としてのディスインセンティブがないかということについても検討していく必要があろうかと思っております。   特に、聞いた範囲ですが、なおファックスを利用しないといけない手続が残っているといったような問題もあると聞いておりまして、理事長からの御説明の中にもありましたけれども、やはりこのアナログな手法というのを見直していく必要があろうかと思っております。DXという言葉もよく使われておりますが、これはデジタルトランスフォーメーションですから、単にデジタル技術を導入するだけでは十分ではなく、アナログ技術を消し去っていく、排除していくということとセットでなければいけない。それをしないと、逆にアナログ・デジタル、2系統の手続が併存することになって、手間がかかるだけであるということは認識される必要があろうかと思っております。   また、デジタル化を進めるということは、業務の広域化とか均質化に資するという点にも注意する必要があると思っておりまして、これは人口減少社会において地域差のない形で継続的に司法アクセスを確保していくためには、欠くことのできない手段であるということについても認識すべきかと考えております。その際に、法テラスの各事務所における決裁者の人数や決裁に要する時間、またその過程がデジタル・アナログのいずれで行われているかなどの実態について把握することが必要であると考えておりますし、各事務所における決裁プロセスの在り方を整理して、課題や改善の方向性をより明確にするということも必要ではないかと思っております。   これもたまたまのぞいた範囲であるのですが、昔、法務局での司法書士さんの手続についてお話を伺った際に、私は名古屋大学にずっといたのですけれども、名古屋の本所と岡崎の支所で書類の並べ方が違うとか、そういうことが実際あったようなのです。だから、特にアナログな手続を放任しておくと、こういうローカルルールがとめどなく増殖していくと、それに対応すべき士業の方々としては余計な手間がかかるということになるものですから、こういったものをできるだけ消し去っていくことが必要であろうと考えております。   また、法テラス本部の方針が各事務所においてどのように共有・実行されており、地域によって提供されるサービスに差異が生じていないかといった点についても検討の対象とすべきではないかと考えております。 佐藤座長 次に、川田委員、お願いいたします。 川田委員 京都府八幡市長の川田でございます。まずもちまして、このような委員としての発言の機会を頂きまして誠にありがとうございます。本市は、法テラス設置のない、いわゆる県庁所在地以外の一般自治体という立場での参加とさせていただいております。このような、実態としては県庁所在地以外の郊外、また都市近郊の自治体にお住まいの皆さんというのも非常に多い中で、そういった皆さんへの司法アクセスをいかに維持していくかというところの観点で、是非お話をさせていただければと思います。また、もう一つ大きくは、最近非常に増えております外国人住民への対応に関しても、本市は、外国人住民比率の過去5年増加率が近年全国トップ5に入ったことがあるなど、非常に外国人増加が急激に起こっている自治体でもございます。こういった観点から、外国人共生と司法アクセスについても、一定の皆様との御議論をさせていただきたいと思っております。   近郊自治体の司法アクセスにつきましては、現在、本市におきましては法テラスの設置がございませんので、住民サービスとしては無料弁護士相談を行わせていただいております。年間実績約250件程度でございますが、予約は常に満杯でございまして、こういった中で昨年度から女性弁護士による女性弁護士相談も、また別途、DV、離婚関係等でのニーズを見込んで開設をさせていただいております。こういった自治体が行う司法サービスと、法テラスさんとの連携、現状は御案内をして終わりとなっていることが多いものですから、これをいかに実務的な、また実体的な窓口連携をさせていただけるかというのも、是非御議論させていただければと思います。   また、外国人対応につきましては、現在のところ大きな地域トラブルは起こっていない状態ではございますけれども、これもいわゆる技能実習生制度に基づいて企業単位で非常に教育をしていただいている中で地域に入っていただいているから、ぎりぎり共生できているのかなという、非常に薄氷の上での共生の実態感がございます。こういった中で、今後こういった技能実習生制度等もどんどんまた法改正、制度改正が見込まれている中で、外国人共生、また、外国人とのいわゆるルールの共有、司法アクセスについても、また議論をさせていただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。 佐藤座長 では、大変恐縮です、前後してしまいましたが、岡野委員、よろしくお願いいたします。 岡野委員 岡野と申します。よろしくお願いします。今は日本生産性本部におりますけれども、昨年まで経済同友会の事務局に45年おりまして、様々な提言を書いてきたのですけれども、その一つが1994年にオリックスの宮内さんがまとめられた司法制度改革の提言で、そこから私のこの問題に対する関わりが始まりました。ただ、専門職ではありませんので、多くの知見を有しておりませんので、事実認識とか考え方について、まだまだ皆さんにいろいろ御指導いただきたいと思っておりますが、今日、幾つかの課題についてお話をさせていただきたいと思っております。   1994年のその提言以降、日本生産性本部と非常に連携がありまして、政治改革・司法改革について、様々、経済同友会と日本生産性本部が連携するようになりました。日本生産性本部では、法テラスの創設の背景となった司法制度改革の議論に民間側の立場から関与し、司法へのアクセス拡充の必要性を訴える提言を行ってきたと認識しております。その意味で、この改革のうねりの中で誕生した法テラスが20周年をお迎えになったことは誠に喜ばしいことではないかと思っております。   ただ、個人的には、経済同友会の司法改革の提言というのは、実は身近な司法がメインコンセプトでありました。裁判沙汰という言葉をなくそうというところが当時の宮内さんの標語だったのですけれども、そんなところから、今でも身近な司法というのは重要な課題ではないかと思っておりまして、その一つの視点は、法教育の活性化、法テラスの認知度の向上といった点が非常に重要ではないかと考えております。   次に、皆さんの御指摘がありましたDX関係です。社会のあらゆる分野でデジタル化が進んでいます。司法分野においても様々な検討がなされていると思いますが、法テラスの事業分野についても、具体的な相談援助のプロセスにどこまで利用可能か、例えば、コールセンター業務にはどこまで活用が可能か、具体的、詳細な検討が必要だと思っています。デジタル化は重要課題なのですが、民間部門、私も幾つかの企業に今関わっておりますが、人を相手にする業務では、その利用方法については大変な工夫がそれぞれの業務によって必要となっています。バックオフィス機能はかなりDXで活用できると思うのですが、フロント業務についてどこまでAIを使ったり、自動化にするのかというのは大変な課題に現実にはなっておりますので、そういったところの議論ができれば大変面白いなと思っております。   最後に、これも皆さんの御指摘がありましたが、法テラスと地方自治体との関係です。身近な司法の入口として、自治体との連携は大変重要だと思っております。司法試験の合格者が増えたときに、法務省と日弁連が推進された、法曹有資格者を企業や外交や地方自治体という分野で活動範囲を広げましょうという運動のプロジェクトに入らせていただいて、私が企業の責任者をやらせていただきました。いろいろな企業を回ったりしてきましたが、その一つの分野が地方公共団体でした。そこで見学に行った場所は明石市がありました。非常に面白い取組をされていらっしゃって、印象的だったのですけれども、そういった法テラスと地方公共団体の連携の在り方が現在、地域によってどのように異なっているのか、また、もう一歩踏み込めば、先ほど御指摘があったかもしれませんが、今年の1月から開始された新しい犯罪被害者を支援する制度について、地方公共団体への周知や活用状況に地域差があるのかないのか、そういった点も含めて、地方公共団体との連携が十分に機能しているかということを実際の具体的な状況を踏まえながら検討していくことも重要ではないかと思っております。   これは余談ですが、一昨年から昨年にかけて日弁連が事務局をされた死刑制度を考える検討会がありまして、私もその中に入れていただいたのですが、犯罪被害者支援制度というのは結構、まだまだ課題があると思っていますし、そこへのリーチとしての法テラスの在り方というのは、具体的な検討課題として意味があるのではないかと思っております。 佐藤座長 次に、川野委員、お願いいたします。 川野委員 全国消費生活相談員協会の川野と申します。私ども全国消費生活相談員協会は、地方自治体の消費生活センターや消費生活相談窓口で相談員をしている者が主な会員になっておりまして、日頃、消費生活センターにおいて消費者相談ということで、商品やサービスの苦情について問合せとか、それから問合せについては情報提供したり、被害については助言をしたり、あっせんをしております。それで、私どもの会員は直接消費者の方、市民の方に接している窓口なのですけれども、今非常に消費生活相談は詐欺的な被害も多く、被害も本当に高額なものがたくさんあります。それから、非常に解決困難な事案が多くて、私どもの窓口で法テラスを御案内することが多いのです。私も26年ほど消費生活相談員をしてきましたが、その中で法テラスさんの御紹介を市民の方にする場合、法テラスが作成していただいた本当に見やすい、字も大きくて、そしてふりがながしっかり付いているパンフレットを使用させていただいて、利用条件等も説明させていただきまして、本当にそこで理解をしていただくのですけれども、最初に、法テラスのことを御存じですかとお問合せしますと、ほとんどの消費者の方が、いいえ、知りませんということで、そこで初めて法テラスのことをお知りになって、私どもで御紹介して相談を受けていただくことになるのです。法テラスは資力がない方でも安心して法的な救済を受けられる重要なセーフティネットです。ただ、制度の存在が十分知られていないため、手続をちゅうちょして、利用をためらったりするケースも多いのです。   法テラスを住民に説明する機会が多い地方自治体の、私ども消費生活センターもそうですけれども、地方の市役所とか役場の職員の方から法テラスの案内を受けることもあるのですけれども、そこで、ここに電話をしてくださいというだけの御説明も結構あって、私どもの窓口に来たときは、何かここに電話をするように言われましたと言われる方も多くて、法テラスについての知識が周知されていないために、そこの架け橋となる職員の方等が、なかなか知識がなくて説明ができていないという現状がありますので、そういった地方におけるアクセスについて検討していただきたいと思います。   あと、私どもでもそうなのですけれども、見守りをする人たちへの啓発事業というのが非常に今重要視されておりまして、私も今、法テラスのこの委員になりまして反省しているのですけれども、そういった研修において、啓発事業において、もっと法テラスのことについて取り入れた研修を、市民の方、消費者の方に講座をしていかなければいけないと思っております。そういった研修の支援も検討の課題の中に入れていただければと思います。 佐藤座長 次に、康委員、お願いします。 康委員 私、GVA TECHというリーガルテックの会社の取締役をしております弁護士の康です。先ほどDXといったお話もあったのですけれども、リーガルテックの企業の役員として、この場で僕としてはしっかり協力したいなと思っているところは、技術的な面かなと思っております。例えば、皆様方もAIを使われているのではないかと思いますけれども、弊社ですと弁護士向けだったり、企業の法務向けにAIを使って書類を作ったり、いろいろな壁打ちも含めてですけれども、もう自前のシステムを作っています。その中で、本当に技術的な部分、あとはセキュリティですね、最近Claudeという汎用性AIにて、Claude Code、computer useとか出ましたけども、あれはコンピューターの中、PCの中をうろうろして、勝手にサイトのログインを叩いて勝手に何か持ってくるみたいなものとかができちゃうんですが、これを手放しで許容していいわけではないと思うのです。そういう面でしっかりとお力になれたらいいなと思っております。   法テラスの、この検討会に何で参画したのかというと、本当に理念として素晴らしいなと思っているのです。僕が弁護士になろうと思った理由は、弱っているというか傷んでいる人の救済になりたいなと思って弁護士になって、気が付いたら事業会社の役員をやっていたという、いつの間にか株式上場もしていたという形になっているのですけれども、非常に共感していますし、良くしたいという方向性で議論したいと思っています。なので、これが駄目、あれが駄目みたいなところは、いかようにでもうちの会社もあるのですが、あれが駄目だ、これは駄目だ、これはボトルネックだみたいな、言ったら切りがない気がしていまして、より良くする方向でお話しできたらすごくうれしいなと思っております。   僕も国選弁護を1年目やりまして、夕方に行って、夜に接見に行って、そのまま委任状をもらって、そのままほぼ徹夜で書面を書いて、朝一の始発で被害者のところへ行って和解して、その足でそのまま検察庁へ行って、まだ事件の配点も終わっていないのに検察庁で待つという、そうやって被疑者の身柄が釈放されるということで、やりましたので、そういうことがもっと広がっていったらいいなと思っております。   技術的な面でやれるところは、僕としては、調べるとかもそうですし、こちらから準備できるもの、ただの口だけだと意味ないと思うので、こちらとして協力できることだったりとか、提供できるものは惜しみなくやりたいと思っております。それに当たって、課題というか、先ほど駄目なこととかは良くないとお話ししましたけれども、より良くするために、こういうところをてこ入れしたらいいみたいな部分で、報酬のお話だったりとか、いろいろありましたけれども、あまり僕は難しい話はできないので、関係者を定着させるのと関係者を増やすといった部分が大事かなと思っていまして、定着させるためには、どの弁護士も理念は皆さん絶対同意されていると思うのです。これを否定するというのは、何しに弁護士になったのかという話だと思うのですけれども、その部分で、報酬であったりとか、あと非効率ですよね、僕は技術的な部分で非効率への抵抗感みたいなのもなくしたいなと思っています。例えば、よくあるのが、Teamsで今、裁判とかをやっているではないですか。Teamsに招待するのにメールアドレスをファックスで送ってくださいみたいな、正気の沙汰とは僕も思えなかったのですけれども、そういうのを含めて、非効率の部分にしっかり僕もてこ入れしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 佐藤座長 次に、生水委員、お願いいたします。 生水委員 私は24年間、滋賀県野洲市の自治体職員をしまして、主に生活困窮支援、消費者行政等の相談業務を担当しておりました。現在は、いのち支える自殺対策推進センターの地域支援室長として、全国自治体の自殺対策に関連する支援を担っております。検討会では、こうした経験を踏まえて現場の声をお届けしたいと思っております。   自治体との連携に関しまして資料を提出しておりますので、資料13を御覧ください。市役所の窓口に届く悩みというのは、離婚、多重債務といった個別事案だけにとどまらず、住居喪失、失業、精神疾患、こうした生活基盤を脅かす要因が複合的に絡み合っています。また、困窮される方ほど法律相談を利用される現状がなかなかなくて、司法へ自らたどり着くということがとても困難です。この司法と福祉の隙間、これを埋めることこそが今求められている改革だと思っております。   まず、資料の3ページ「3」を御覧ください。これは野洲市市民生活相談課の総合相談窓口の体制図です。留意点としまして、市民がどこに相談すればよいかが分かりやすいこと、そして、庁内の各部署や地域の関係機関からも頼れるセーフティネットとして機能することが重要です。   4ページを御覧ください。市民生活相談課では、国や市の予算を組み合わせて活用し、法律家が支援の現場に加わる仕組みを構築しております。資料の「①」は、市の単独予算で市民法律相談を実施しております。「②」は、厚生労働省の予算を活用して、生活困窮者支援分野において相談者の支援プランを検討する月1回の支援調整会議に法律家が構成員として参画していただくことで、福祉と司法の顔の見えるつながりを実現しております。次の「③」から「⑥」は、消費者庁の予算を活用した事業です。「③」は、自殺防止の視点を取り入れた多重債務相談におけるケース検討において専門的助言を受けております。   次に、5ページを御覧ください。「④」は、条例に基づく行政指導への助言など、行政判断の根拠として法的知見を組み込んでおります。「⑤」は、市内7か所にありますコミュニティセンター・図書館へ弁護士・司法書士の法律家を派遣しまして、地域に出向くアウトリーチ型の相談会を実施して、市民の方が身近な場所で専門的助言を受けられる導線を作っております。「⑥」は、法律相談をより身近に柔軟にするために、オンラインを活用して相談を実施しております。   戻りまして、1ページを御覧ください。地方自治体と法テラス等の連携について意見を述べさせていただきます。1点目は、多制度との連携についてです。社会福祉法に基づく包括的支援体制、この枠組みを視野に入れまして、認知症・高齢者等の権利擁護において福祉と司法が一体となった支援を行うこと、そして、法テラスの業務規程に生活困窮者自立支援法に基づく支援機関との協働、こうしたことを明記することで、相談員が司法ニーズを掘り起こして法テラスへつなぐ連携を強固にする必要があるかと思います。   2ページを御覧ください。消費者安全法に基づく消費者安全確保地域協議会、これはいわゆる見守りネットワークでございますが、こちらに法テラスが参画して専門的助言や成年後見の橋渡しを行うことは、地域における被害の未然防止に極めて有効です。   2点目は、司法ソーシャルワークについてです。法的課題が精神的負担となり自殺を考えるほど追い詰められた方々に対して、精神的な支援も併せて行えるような、そうした体制を整えるべきだと思います。また、生活困窮者自立支援法及び社会福祉法に基づく支援会議、こちらにスタッフ弁護士が構成員として参画して、顔の見える関係で専門的見地から助言を行う体制の構築が必要だと思います。   3点目は、法律扶助制度の改善についてです。特定援助対象者法律相談援助の利用件数に見られる顕著な地域格差につきまして、その要因を分析して改善を図る必要があります。また、法律扶助の対象となり得る方への情報提供がなされない実情があると聞きます。適切に利用されるよう要因を分析して、環境整備をする必要性があるかと思います。そして、償還免除につきましては、ひとり親家庭や生活困窮者に対して償還免除を拡充することで、経済的理由による司法へのアクセスの断絶を防ぐべきです。   最後に、司法の支援というのは困窮して精神的に追い詰められた方々にとっての生きることの包括的な支援だと思います。法テラスが多制度とシームレスにつながって、誰もが法の支援を受けられる、そうした社会が実現することを期待して議論に参加したいと思います。 佐藤座長 次に、諏訪委員、お願いいたします。 諏訪委員 法律の専門家とかそっちの方ではないので、取材を通じていろいろ考えていることを今回提言させていただければと思います。その中で、今回は被災者支援、それから地域の司法アクセス、つまり自治体との連携について2点申し上げたいと考えています。   一つは、被災者支援ですが、被災者に寄り添うタイプの新しい支援を考えた方がいいのではないかという趣旨で申し上げます。これまではインフラを復旧すれば経済も社会も元に戻る、復興するという考え方が主にあって復興が行われてきました。ただ、阪神大震災以降、特に東日本大震災や能登半島地震を見る限り、地域の高齢化あるいは人口減少もあって、インフラの復旧だけでは到底復興できないという状況になってきています。現在、被災者の高齢化や家族関係の希薄化、それから家族の孤立化というのもありまして、被災者の生活の再建、つまり人の復興をどうすればいいのかが大きな課題になっています。東京電力福島第1原発事故も、被災者の生活再建を考えた場合には、一人一人に寄り添う、そして、再建の処方箋はそれぞれ異なるということが分かってきています。この人の復興にどう関わっていくかということも法テラスとして考えるべき段階にあるのではないかと思います。   法テラスの災害対応を見ていますと、能登半島地震も含めて、被災者からの土地や家屋等の法律相談を受けることが中心になってきています。そのような考え方を変えていきたいと思います。今年11月には防災庁ができます。そして、その後、国としても復旧や復興の体制についてもっと強化していこうという議論に進むと考えています。その際には、人の復興の観点から、例えば被災地ごとに、あるいは自治体ごとに、介護のケアマネージャーのように人の復興、生活支援のケアマネージャーというようなタイプの専門の人たちを配置するようにすべきだと思います。法テラスとしては、その地域のケアマネージャーの相談を受けるような専門の人材をつくって、被災者一人一人の復興の相談相手になれるような専門家を是非つくっていくべきではないかと考えています。   それから、地域の司法アクセスということで、先ほど日本生産性本部の岡野委員の話も出てまいりました。現在、自治体内弁護士という方々が増えていらっしゃいます。御存じのように、自治体が弁護士資格のある方を雇用するという形ですが、この法務職につく弁護士と法テラスが何らかの連携はできないのかなというのを最近、取材を通じて考えています。例えば、自治体の法務職の仕事と法テラスの仕事の掛け持ちをしてもらうのはいかがかということです。つまり、雇用に係る費用については、自治体と法テラスがそれぞれ働いている日数に応じて応分の負担をしていくのがいいのではと考えています。   この法律家の生活については、人口が少ないところでもいろいろな仕事ができて安定することになります。地域にとっても法律家にアクセスしやすい方法になると考えています。結果、これまでより小規模な市町村で法務職を置くことができるということも考えられますし、法テラスの空白地、あるいは県庁所在地以外で空白になっているような地域に法テラスの仕事をする弁護士を置いていけるのではないかと思います。人口減少の社会では今後、地域を維持するためには、そこに住む人々が多くの仕事をこなす、マルチタスクをしていくことが前提になってきます。法テラスを市町村ごとに置くのは難しいかもしれませんが、自治体内弁護士を活用するという形で法テラスの全国展開を進めていく仕組みがつくれないか、検討していただければと考えています。 佐藤座長 次に、谷口委員、お願いいたします。 谷口委員 弁護士の谷口です。私が弁護士になったのが2005年、法テラス設立の前年の年でした。司法制度改革の理念に惹かれて、過疎地、離島とかに行って風光明媚な土地で素朴な相談を受けて海産物をお礼にもらうみたいなことを夢見て弁護士になったのですけれども、1年後に法テラスができ、谷口君は法テラスねと言われて気づいたらスタッフ弁護士になっていたという経緯があります。しかも、離島どころか20分の距離の埼玉県の浦和に行くようにと言われ法テラスのスタッフ弁護士を始めたのです。   当時はまだ、今も多少あるかもしれませんが、法テラスに対して法務省の傘下に、在野であるべき弁護士が入っていいのか、みたいな批判もすごく強いときだったので、反対をしている弁護士も多く、内心そんなところに行くのは嫌だなとか思いながらその仕事を始めたわけなのですが、ところが実際にやってみると、これはすごい、何というか、めちゃくちゃ大きな仕事だと感じるようになりました。やっていることは扶助と国選のみなのですけれども、私の業務は都市部だったのでそういう業務だったのですが、DV・離婚の事件だったり、債務整理の事件だったりをしていても、その効果が、ただ離婚が成立して戸籍が分かれるとか、借金がなくなるということを超えて、ものすごく社会全体、コミュニティ、家族に大きな影響を与える仕事だということを途中で感じるようになりました。   例えば、離婚の話を聞いているとき、陳述書を作る過程とかでも、大変でしたねなどと声をかけながら伴走していくことで、セラピーとなり、そしてまたエンパワーメントをして、その人たちが社会復帰をしていくみたいな、その個人に対して与える影響もありますし、それから、債務整理一つは、その家庭にもお子さんがおられます。借金が払えないために子ども名義でお金を借りてみたいなことをして、そのためにその子どもが大学を辞めざるを得なくなり、その後にずっと日雇い労働的なものを続けている子の債務整理をやったこともありました。そういうような家庭全部に影響があって、もっと小さいと虐待になっていったり、あるいは自殺につながっていったり、あるいはずっとそのときにあった家庭の不安定な状況を引きずって、その後それが犯罪に結び付いていっている子たちなんかも見ることがあります。   そういうことを考えると、今いろいろ出ている改革の課題は、お金・予算の面がすごく大きく、そこが予算が付けばどうにかなるということが多いのだろうと思うのですが、実際にこの民事法律扶助や法テラスの仕組みというのが社会全体、あるいはもう少し狭くてもコミュニティとか家族全体とか、そういうところに一体どれだけのインパクトをもたらしているのか、どれだけそれを変えているのかというようなことについて、この会議の中でも是非議論、あるいは何らかの調査をするとか、そういうようなことができるととても良いのではないかなと思っているところです。 佐藤座長 次に、寺町委員、お願いします。 寺町委員 来週の31日まで日本弁護士連合会の副会長を務めております、寺町東子でございます。東京弁護士会所属で、来週で32年の弁護士経験となります。また、肩書きに社会福祉士とありますけれども、2003年に社会福祉士の資格を取りまして、2005年から5年ほど東京弁護士会が設置・支援している池袋の都市型公設事務所に所属しまして、自ら法的問題を抱えていることに気付いて弁護士にたどり着くことができない方々に対して、豊島区や板橋区等の地域自治体と連携して司法サービスを提供する、いわゆる司法ソーシャルワークの活動に従事をいたしました。また、この都市型公設事務所から若手弁護士をOJTで養成して、全国の弁護士過疎地域にひまわり基金法律事務所や、2006年に設立した日本司法支援センター、法テラスのスタッフ弁護士として派遣する事業にも従事をしてまいりました。このときに、弁護士過疎地域では、法律はあっても、実際に相談し依頼できる弁護士がいなければ権利は絵に描いた餅であるということを知りました。   翻って、日弁連は、総合法律支援法第10条第1項に基づきまして、総合法律支援の基本理念、民事・刑事を問わず、あまねく全国において法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現するという、これにのっとって総合法律支援の実施及び体制の整備のために必要な支援をする責務を負っております。この20年間、日弁連といたしましても、主体的に全国の裁判所支部や独立簡裁地域など、弁護士過疎・偏在地域への弁護士の誘致、定着に努めてまいりました。また、国民・市民の様々な法的ニーズに対応するために、各地の単位弁護士会で高齢者・障害者のための相談であるとか、消費者被害の相談、多重債務の相談、DVや虐待の相談など、様々な専門相談を展開しております。また、法テラスの民事法律扶助の契約弁護士として、全国で2万4,000人余りの弁護士が登録をしています。そして、刑事の国選弁護人契約弁護士は、全国で3万2,000人余り登録をしております。   他方で、検討事項の例の第3の1に挙げられています支援リソースの確保という観点から申しますと、近年は民事法律扶助の契約も国選弁護人契約も、そもそも契約しない弁護士や契約を解除する弁護士、契約をしていても実働していない弁護士が増えてきておりまして、制度の持続可能性に懸念を生じております。法テラスの事件の報酬が低廉であることが最大の理由であります。刑事も民事も基本報酬は長年据え置かれております。特に民事法律扶助の報酬は、法テラスの前身の法律扶助協会時代から約25年間据え置かれています。近時、法律紛争の複雑化、弁護活動の高度化、そして人件費や物価の高騰といった経済環境の変化によって、自営業者である個々の弁護士の使命感や善意に頼るというのにも限界に達しているということが挙げられるかと思います。とはいえ、経済的に困難を抱えている方々が法テラスの利用者であり、現在の償還制を前提とすると利用者の方々の負担が重くなってしまうことから、原則償還制を原則給付制なり応能負担制に抜本的に制度を転換することと同時でなければならない、その上で弁護士報酬の見直しをしていく必要があると考えております。   具体的に本検討会での議論が必要だと考える論点につきましては、本日配布資料12の意見書に記載をいたしましたので、お目通しをいただければと存じます。よろしくお願いいたします。 佐藤座長 次に、板東委員、お願いします。 板東委員 それでは、板東から、皆様の御意見以外のところをできる限りお話を申し上げたいと思います。ただ今、いろいろな委員の先生方からの御発言をお聞きしておりますと、私も法テラスの理事長時代にいろいろ感じて、こうあったらいいなと、こういうところが進んだらいいなというお話をいろいろな角度からしていただいて、本当に心強く感じているところでございます。   私自身は、もともと文部科学省、最後は消費者庁ということで、行政の出身でございましたが、司法制度改革の関係では法曹養成制度の改革等に若干関わってまいりましたので、そういう意味で司法制度改革全体についての漠然とした知識はございましたが、この法テラスに関しては非常に限られたことしか我々は知っていなかったなということを、理事長になって初めて知ったことが多いという状況でございました。例えば、民事法律扶助という制度自体があるということ自体は漠然とは知っておりましたけれども、どういう人たちによりこれが支えられているか、先ほどのお話のように、契約した弁護士・司法書士の方々に大きく支えられ、また、法テラスでスタッフ弁護士という中核になる役割を担う弁護士がいるという仕組み自体もなかなか知られていないということではないかと思います。また、国選弁護制度というのはあっても、それが実際この法テラスが実質上支えているのだと、また、それに契約していただいている弁護士の方々、あるいはスタッフ弁護士によって支えられていると、これもあまり知られていないということではないかと思っております。   そういう意味では、法テラスの役割は非常に増えてきている状況にある中で、それを実際にどういう仕組みで、どういう財源をもって支えていっているのか、この辺りの理解を十分に国民の方々、幅広い方々に知っていただく必要があるだろうと思います。そうでないと、本当に先ほどから御指摘のように、それを支える人的なリソースの問題、それから財源の問題、そういったところに非常に大きな課題があるままで、なかなか実際の社会的ニーズに対応できないという状況が変わっていかないと思いますので、この検討会を機会にして、そういう社会的な発信・説明ということ、知っていただくことから始めていく必要があるかなと思っております。   それから、今日いろいろお話が出ておりました、スタッフ弁護士については、私は、法テラスの中でも重要な役割を持って動いていただいていると思っております。先ほどからお話しの、例えば、大規模災害等が起きたときの被災者支援の関係でも、発災以降というだけではなくて、実は災害の前から自治体やいろいろな士業団体その他と連携をして、災害が起きたときにこういうふうに全体的に動ける仕組みとか関係を作るというのを、例えば広島等のスタッフ弁護士が始めて、それを各地で取組を広げるような形になりつつございます。そういうようなある種のコーディネーターの役割というのも、今日も自治体との連携等のお話もありましたけれども、いろいろな関係者、関係団体も含めてコーディネートをしていく役割をスタッフ弁護士等にもっと果たしていただけるように、充実をしていく必要があるのではないかと思います。それから、司法ソーシャルワークもそうでございますけれども、これも実際ニーズはあっても、例えばケース会議等の参加についての必要性、ニーズはあっても、実際はスタッフ弁護士が少ないとか、なかなか必要なところに配置できていないという状況ですと、広がっていかないということもございます。   こういったスタッフ弁護士の役割というのが非常に重要だと、特にコーディネーターとしての役割、連携の要としての役割というのが重要だと考えたときに、これは弁護士会等も含めてのお願いなのですけれども、やはり今、全国全県にスタッフ弁護士が配置できている状況にないというのがございます。これは法テラスの発足のときなど、先ほどお話があった、多少弁護士会の方でも警戒感があったというのもあるかと思いますし、また、仕事を取られるのではないのといった御懸念もあったと思うのですけれども、やはり全県に配置をして、そういったコーディネート的な役割も含めて果たすことが必要になってくるのではないかと思います。また、実際いろいろな事件等への対応ということを考えましても、やはり最後の砦としてスタッフ弁護士が球を反らさないといいますか、そういう機能をしていくということは大きいと思っておりますので、スタッフ弁護士の全県配置を、是非関係団体の御理解もいただきながら、早急に進めていく必要があるかなと思っております。   それから、そのためのリソースの確保という点は、今日もいろいろ御指摘ございました。やはりロースクールとか司法修習との連携が必要だと思っておりまして、是非こういう法テラスであったり民事法律扶助とか、そういうところに関する理解・知識をもっと得ていただく、あるいはエクスターンシップなどをもう少し広げていくことができればと感じるところでございます。そのためのいろいろな組織も、これから充実していかなければいけないと思います。先ほどから申し上げていることは、法務省に対しては財源や人員の確保を是非お願いしたいという話につながってきてしまうかなと思いますが、私が理事長でおりましたときも非常に助かったのは、被疑者国選の制度が拡大したときに、定員を付けていただいたことで、その前のいろいろな業務の増のときにはなかなか付かなかったのを、そのときに付けていただいて、大変助かったということがございました。やはり業務の拡大とともに、それに必要な体制や財源の整備ということは欠かせないと思いますし、そのためには、委託業務の話も今日出ておりましたけれども、政府予算の対象以外の取組に関しても、いろいろなところと連携しやすい仕組みというのも一緒になってくると思います。   それから、最後にもう1点、行政におりましたので、法テラスに来て非常にびっくりしましたのは、やはり非常に重要な国民のお困り事についての正にビッグデータを法テラスは持っているのではないかということです。本当に今日、消費者センターのお話もありましたけれども、例えば消費者庁とか国民生活センターですと、全国の消費生活センターから情報を頂いて、ネットワークで結んで、そのデータをある意味でいろいろなことで活用させていただいていて、例えば、立法等の立法事実としても使わせていただいたり、実際の政策反映にも非常に大きな役割を果たしていただいていると思います。それが法テラスの場合、もっと総合的にいろいろな国民のお困り事が入ってきておりますし、例えば、先ほどお話があった外国人のいろいろな支援に関わることから課題もきっとかなり見えてくる。もちろんプライバシーとかそういったことに十分配慮した上でということでありますけれども、そういうビッグデータを政策や制度等にいろいろ活用していくという、これは各省、いろいろな分野が関わってくると思いますけれども、そういうことも将来的には期待したいなと、それが非常に国民全体のいろいろな課題というものを解決するところにも法テラスが違う形で寄与できるのではないかなと思っております。 佐藤座長 では、最後になり恐縮ですが、山本委員、お願いいたします。 山本委員 山本でございます。私は大学で民事手続法、典型的には民事訴訟法を専門にし、それを教えてきておりますので、民事手続に関連する観点から発言させていただきたいと思います。   私は、法テラスの根拠法である総合法律支援法の制定過程において、政府の司法制度改革推進本部に設けられました司法アクセス検討会という委員会の委員をやっておりましたので、制定に少し関わってきたということでございます。この司法アクセス検討会というネーミングですが、これはもう明らかにアクセス・トゥ・ジャスティスというものの考え方を日本語にしたものではないのかなと思っております。   このアクセス・トゥ・ジャスティスという考え方ですが、これは大体1970年代に現在のEU圏を中心に広がって、世界中に拡散していったものの考え方で、単に裁判所制度を作って、こういうのを使えますよ、だけでは駄目で、もっと、ジャスティスの翻訳としては司法と訳したり、裁判と訳したり、あるいは正義と訳したり、いろいろな訳し方をして、それによってニュアンスが変わってくるのですが、ともあれ裁判所へのアクセスというものを容易にする方策というのをどんどん考えていかなければいけないのではないかということを、それだけではありませんけれども、内実としていたわけです。したがって、民事法律扶助というのは、正にそのアクセス・トゥ・ジャスティスを高めるための方策であるわけです。   私は、1984年に大学の助手になりまして研究者生活を始めたのですが、その頃、そういうアクセス・トゥ・ジャスティスに関する論文等を、あまり真剣に、何というか、自分の専門分野にしようということではなくて、民事手続法学者としての最低限のリテラシーを得るために勉強していた程度なのですが、読んでおりまして、その中でアクセス・トゥ・ジャスティスというときに考えられているのは、訴訟や二当事者対立型の手続、例えば、訴訟以外では家事審判のうち養育費の請求等を念頭に置いていたと認識しております。   総合法律支援法が成立して民事法律扶助が拡充されるという中で、そういうところに民事法律扶助のニーズがあって、そちらの方にお金が行くのかなと私は推測して、漠然と考えておったわけですけれども、蓋を開けてみますと、かなりの部分が自己破産や債務整理というような方に民事法律扶助の財源が使われているということを知り、驚いたような次第です。その傾向は現在も変わらないと伺っております。自己破産というのも裁判による自然人に対する支援の一つですので、それに対してお金を出すことが悪いとまでは申しませんが、もう少し、もっと広い分野にお金が回るような仕組みというのができてもいいのではないのかなと感じております。   それから、もう1点申し上げますと、私は総合法律支援法の法案が国会にかかっていた時点で参議院の参考人質疑に呼ばれまして、参考人として法務委員会に出席したのですが、その際に法務委員会に属される国会議員の関心は、かなりの部分がいわゆる司法過疎問題に話が集中していて、私に対する質問はほとんどなかったのですけれども、そのときに、弁護士会が日弁連の事業としてやっておられるひまわり基金に基づく法律事務所の弁護士が参考人として来ておられて、その方に質問が集中していたということで、司法過疎問題についてはかなり国会議員の方は関心を持っておられるのかなという印象を持っておりました。そういうことで、自治体との連携ということは先ほど来、何度も皆さんおっしゃっていますが、それ以外に日弁連のひまわり基金に基づく司法過疎対策との関連が一体どうなっているのか、そういうことを知るための基礎データとして、日弁連の方の事業の状況等の客観的な資料を頂いた上で、その連携の在り方等を考えることも一つの重要な視点ではないかと考えております。 佐藤座長 それぞれ有意義な御意見、どうもありがとうございました。是非今後の審議に活かしてまいりたいと思っております。また、委員の皆さん相互の間でそれぞれの問題意識が共有できて、大変有意義だったのではないかと思っております。ありがとうございました。   では、委員の皆様から一通り御意見をお伺いいたしましたので、ここからは挙手制で、更に御意見を頂戴できればと存じます。先ほどの御意見を補足する形で御発言をいただくことでも構いません。なお、本日多くの御意見を頂戴したいと考えておりますので、御発言の際にはなるべく簡潔におまとめをいただくことをお願いしたいと思います。それから、オンラインで御参加の委員は、Teamsの挙手機能を用いて挙手をしていただければと思います。   それでは、どの論点からでも結構ですが、いかがでしょうか。 寺町委員 先ほど何人かの委員の方々からDXのお話を頂きました。それで、もちろんDXによってバックヤードの仕事が改善されていくということは非常に重要だと我々も考えていますが、他方で、法テラスの依頼者の方々の特性を考えたときに、そこがネックになってくるのではないかという部分について、少し補足的に発言をさせていただければと思います。   谷口委員、岡野委員、川野委員、生水委員からもお話があったかと思いますが、法テラスの依頼者の方々、ベースとして経済的に困窮している方でございます。そうしますと、日々のお金をどう回していくか、どう生活していくかというところで非常に切迫した精神状態に置かれている方も多い。また、DVやストーカー、犯罪被害者の相談等も含めまして、PTSDや鬱等の精神疾患にかかっていらっしゃる方も非常に多いという状況がございます。そうしますと、依頼者との対応の部分というのは、その人その人のお話をよく聞いて差し上げて、その人の不安にマッチするところにアプローチしていくという、対人関係として難しい、非常に専門性の高い相談といえるかと思います。そういう部分でDXを導入しても、利用者の方がオンラインでアクセスして資料をどんどん提出してこられるというような状況にはない方が多くおられまして、インターフェースの部分で人対人の部分がどうしても重要だというところは、共通の前提認識として議論の出発点に置いていただけると大変有り難いと思いました。 佐藤座長 せっかくですので、今の寺町委員の御意見について何か、お願いいたします。 生水委員 先ほど、野洲市ではオンライン相談をしているとお伝えしましたが、今、寺町委員がおっしゃったとおり、相談者御本人が自らオンラインで相談を単独でできるということはありません。必ず生活困窮の相談支援員が事前に相談を受けて、話を整理して、そしてオンラインを設定し同席をして、弁護士事務所とオンラインでつなぐというやり方をしておりまして、相談者の方が単独でオンライン相談を自ら行うというのは困難だろうと思います。そこには必ず支援が必要です。 佐藤座長 大屋委員、お願いいたします。 大屋委員 今の点ですが、お二人の委員の先生方からの御意見には心から賛同いたします。むしろ、依頼者の方々との関係で対面でのコミュニケーションを維持しなければいけない以上、全体的なワークリソースの中でバックヤードのDX化、アナログ手続の放逐というものを進めていかなければいけないということだと思いますし、例えば、弁護士との関係であれば、これはコミュニケーションは裁判所の方もどんどん電子化していくということになっておりますので、それと平仄を合わせる形で電子化を進めていくとよいという形だと思います。こういう形で、フロントとバックを分けて考えていくことが必須だと私も思います。 佐藤座長 川田委員、お願いいたします。 川田委員 先ほど来の議論の中で、もう一つ別の観点で、自治体窓口と法テラスさんとの連携について何回かの御指摘があったと思いますので、それについて私も意見を述べさせていただけたらと思います。   幾つか御指摘ございました中で、役所窓口からの周知不足、また、役所現場での知識不足を御指摘いただく点もございました。実際に私もそれはあると思っています。実際に役所職員を含めて、先ほど別の委員からもございましたけれども、法テラスさんと日弁連さんのひまわり基金等々の、法テラスさんと日弁連さんのすみ分けが明快にお伝えできない、また、我々も少し理解し切れていないところがあるのかなと思っています。この辺りの論点の整理、また、それを法テラスさんとしても、また自治体としても明快に伝えていく体制というのを整えていく必要があるのかなと思っております。   また、人的な現場交流を進めていってはどうか、また、制度面の整備等についての御指摘もございました。この辺りも実質的にはかなり現実的にはやっていけることの一つなのかなと思っております。野洲市の事例は非常に興味深い事例でございまして、こういったところの横展開については検討させていただきたいと思います。   あともう一つ、自治体内弁護士、自治体が雇用している弁護士を法テラスに活用してはという御意見もございましたが、これについては、現実を申し述べさせていただきますと、政令市以外の一般市で弁護士を直接雇用できているというケースは少ないのではないかと思っております。私、政令市の京都市にも勤務経験がございますが、京都市にはいらっしゃいました。でも、一般市にはおりません。京都市等の大都市で勤務しております弁護士資格を持った職員も、内部の膨大な量の条例・規則の立法に関するリーガルチェックに忙殺されておりまして、なかなかいわゆる一般市民への法律相談というところにリソースを割ける状態ではないのかなというのが私の意見でございます。 佐藤座長 今の御意見、広い意味での地域の連携ということに関わっていたと思いますが、この点に関わって何か他に御意見があれば、お受けをしたいと思います。いかがでしょうか。   それでは、他の点でも結構ですので、御意見があればお願いいたします。   谷口委員、お願いいたします。 谷口委員 地域の連携に関連するわけではないのですが、今、川田委員からおっしゃられたことに関連して、法テラスと日弁連の使い分けみたいな話があったと思うのですが、それって、例えば、外国人の支援の関係は日弁連の委託援助を使わないといけないとか、そういうような区分けがありまして、私が今所属している事務所の中には外国人の支援を専門にしている部署があって、そこはものすごい繁忙を極めていまして、豊島区ということもあるのですけれども、自治体の窓口等に行くと、もう外国人住民の人たちがいる割合がものすごく増えてきているというような状況です。   結局、地方行政に関連すること、コミュニティの中でも今、外国人住民の人たちのプレゼンスが非常に増えてきていて、その人たちがトラブルなく普通に生活していけるのか、あるいは、いろいろなトラブルに巻き込まれたり、主体になっていくのかということは、結構これからの日本の地域社会の中にとってとても大きな課題の一つなのではないかと思います。そこに法テラスがどのように関われるのか、今かなりの部分が日弁連でないと使えないみたいな部分をどうしていくのかということは、今回の検討事項の例にも入っておりますけれども、非常に地方自治という観点からもとても大切なのではないかと考えております。 佐藤座長 諏訪委員、よろしくお願いいたします。 諏訪委員 全体状況をどなたか教えてほしいのですけれども、法律家のリソースそのものに余裕があって、それを法テラスにどんどん使ってもらおうという回りなのか、それとも、法テラスの職員をどんどん増やしていける状況にあるのか、それとも法テラスの職員はこれ以上増やせなくて、仕事の優先順位を付けて見直していかなければいけないのか、つまり、法テラスとその周辺の法律家のリソースとの関係、それから今後の見通しについて、全体状況が私は見えていないので、教えていただければ有り難いと思います。 佐藤座長 それについては事務局の方でしょうか。 青木参事官 事務局でございます。今頂いたところについて、また次回以降で検討する形にさせていただければと思いますが、簡単に司法法制課長の神渡から御説明させていただきます。 神渡司法法制課長 お配りしている資料3・資料4に、職員定員数の推移と運営交付金等の推移という形で、予算と定員の関係についての資料を付けさせていただいております。諏訪委員からの質問、非常に難しいところであるのですが、業務が増えるにつき、当然、法テラス側からの定員の要望等がございますし、年々相談件数や民事法律扶助の件数も増えている状況の中で、予算措置について法テラス側からの要望も受けながら法務省の方で措置をしているところでございます。   したがって、今後もうこれ以上人が増えないとか、これ以上予算は増えないというところではなくて、我々も努力をしていかなければいけないところではあるのですけれども、現状なかなか難しいところがございます。例えば、資料4で見ていただきますと、平成18年度においての運営交付金というのは約100億円を切っているような状況だったものが、令和8年度を見ていただきますと、もう330億円を超えているという状況になっております。これだけ年々仕事が増えていく中で、当然必要な人、予算が増えていっている状況になっている関係にございまして、こうした状況の中で、取るべきものは取っていく、それで効率化していくべきものは効率化していくというような現状にあると認識をしているところでございます。 佐藤座長 諏訪委員、まず、今の回答でよろしいでしょうか。あるいは、何か問題意識等がございましたらお願いいたします。 諏訪委員 全体の法律家のリソースに余裕があるかどうかなどについては、また次回説明いただくということでよろしいですか。 佐藤座長 寺町委員、お願いいたします。 寺町委員 諏訪委員、ありがとうございます。現状といたしまして、弁護士になる人たちのうち、今7割前後が大都市で登録をしているという現状がありまして、地方の単位会に登録する弁護士が減っております。都道府県プラスアルファ全国に52単位会がありますが、弁護士が一人も登録しなかった単位会が毎年複数出ているという状況になってきております。日弁連としましても、地方で弁護士をするというイメージを早い段階に先ほど来、修習生やロースクール生にというお話もありましたが、もっと早い段階から手を打っていかないといけないのではないかということで、中高生、大学学部生向けのそういうイベントを開催したり、情報提供するなどの取組をしているところです。   そういう意味で申しますと、司法過疎地に弁護士がどんどん赴任するという状況にはないのが現状です。また、法テラスの契約弁護士につきましても、民事法律扶助の契約弁護士数がここ数年は2万4,000人程度で頭打ちになっています。毎年弁護士が1,000人ぐらいずつ増えていっていますので、契約比率はだんだん下がってきているという現状にございます。また、その中で実働していない人も出てきているので、弁護士費用の問題を手当てしなければ制度を維持できないという非常に切迫した危機感を持っております。 佐藤座長 今の御質問、御発言いただいた点、非常に重要な点で、今後この検討会の中でも改めて検討させていただくことがあるのではないかと思います。   皆様、様々御意見、御議論いただいて、ありがとうございました。本日お伺いをした御意見を基に、座長である私の方で検討テーマを選定したいと考えておりますので、この点、御一任をいただいてよろしいでしょうか。              (各委員了承)   ありがとうございました。では、そのように進めさせていただきます。   それでは、時間になりましたので、本日の第1回の検討会はこの程度にさせていただきたいと思いますが、最後に事務局から今後のスケジュールについて説明をお願いいたします。 青木参事官 それでは、今後のスケジュールについて御説明させていただきます。   まず、第2回検討会でございますけれども、4月27日月曜日午前10時から午後0時30分を予定しております。第2回検討会のテーマ案につきましては、この後、委員の皆様に諮らせていただきたく存じます。第3回以降の検討会の議事進行等については、追って御連絡させていただきます。   事務局からは以上です。 佐藤座長 ありがとうございました。   なお、本日の御議論も踏まえますと、地域における司法アクセスの問題、あるいはそれに関連して司法ソーシャルワークの問題については、多くの委員の方から検討テーマとして取り上げるべきであるという御意見を頂戴したところです。そこで、第2回におきましては、「地域における司法アクセス」及び「司法ソーシャルワーク」を検討テーマとして取り上げさせていただきたいと思いますけれども、委員の皆様、この点いかがでしょうか。 谷口委員 今おっしゃった地域というのは、過疎地ということではなくて、あらゆる地域という趣旨ですね。 佐藤座長 はい、一般的に、人々の生活圏、コミュニティということです。              (各委員了承)   ありがとうございます。では、そのようにさせていただきたいと思います。   事務局の準備の関係もございますので、第2回検討会では、「地域における司法アクセス」と「司法ソーシャルワーク」を取り上げさせていただきたいと思います。   それでは、以上をもちまして第1回の検討会を終了させていただきます。   本日はどうもありがとうございました。 ―了―