法テラスの在り方に関する有識者検討会 ~もっと利用しやすく、もっと身近な 司法アクセスを目指して~ 第4回会議議事録 第1 日 時 令和8年6月11日(木) 自 午後2時57分 至 午後6時00分 第2 場 所 日本司法支援センター本部会議室 (東京都中野区本町1-32-2ハーモニータワー8階) 第3 議 事 (1)「中長期在留外国人に対する法的支援」について ア ヒアリング 川田翔子氏(京都府八幡市長) イ 質疑応答・意見交換 (2)「犯罪被害者支援」について ア ヒアリング 近藤さえ子氏(新全国犯罪被害者の会(新あすの会)幹事) 吉田知明氏(警察庁長官官房犯罪被害者等施策推進課長) イ 質疑応答・意見交換 (3)「司法DXへの対応」について ア ヒアリング 内田雅之氏(日本司法書士会連合会常任理事) 奥村倫子氏(日本司法書士会連合会法テラスとの連携推進委員会委員長) イ 質疑応答・意見交換 議 事 青木参事官 定刻より少し早いのですが、委員の皆様おそろいとのことでございますので、ただいまから、法テラスの在り方に関する有識者検討会~もっと利用しやすく、もっと身近な司法アクセスを目指して~第4回会議を開催させていただきます。本日は法テラス本部での開催となります。皆様、御多忙のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。   本日は大屋委員が御欠席となりますが、座長含め14名の委員に御出席いただいております。では、ここからの議事進行につきましては、佐藤座長にお願いしたいと思います。それでは、お願いいたします。 佐藤座長 それでは、議事を進めさせていただきます。初めに本日の配布資料につきまして、事務局から説明をお願いいたします。 青木参事官 それでは、配布資料について御説明いたします。 資料1は、法テラスにおける「中長期在留外国人に対する法的支援」についての資料でございます。在留外国人に関する統計や、外国人在留支援センター通称FRESC(フレスク)を紹介するとともに、法テラスの取組として、本部国際室の取組、あるいは、多言語情報提供サービスの支援などをまとめた資料となります。 資料2は、「犯罪被害者支援」についての資料です。法テラスが行う各種犯罪被害者支援、特に令和8年1月から施行となりました犯罪被害者等支援弁護士制度を中心にまとめた資料となります。 資料3は、「司法DXへの対応」に関して、民事裁判手続のIT化と、それに伴い新たに始まりました電磁的記録の作成援助に関する資料、それから、当事者本人が訴状等を電子申請する際に、その支援を行う本人サポートの概要などをまとめた資料となります。 資料4から7は、本日のヒアリング報告者の皆様から御提出いただいた資料となります。ヒアリングの際に御参照ください。 資料8は、猪之鼻委員御提出の資料でございまして、会議資料として取り扱ってほしいとの御要望を受けて資料とさせていただきました。 資料等の説明は以上でございます。お手元に資料はそろっておりますでしょうか。では、座長に戻させていただきます。 佐藤座長 ありがとうございました。事務局から説明がありました資料について、何か御質問はございますか。よろしいでしょうか。 それでは、本日の議題に入らせていただきます。本日の議題はお手元の議事次第のとおりでございます。本日は、「中長期在留外国人に対する法的支援」、「犯罪被害者支援」、「司法DXへの対応」の三つのテーマを取り上げます。これらはいずれも独立したテーマであるため、前回とはやや進め方が異なりますが、ヒアリングと質疑応答・意見交換は、それぞれのテーマごとに行い、テーマを横断した意見交換の時間は特に設けてございません。 その上で、補足的な御意見や今回のテーマに限らない検討会全体に関する御意見を頂く機会として、最後に10分程度の時間を設けてございますので、御発言がありましたらその際にお願いいたします。本日は長丁場となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。します。 それでは、「中長期在留外国人に対する法的支援」に関するテーマから入らせていただきます。初めに、自治体における外国人支援の取組の例として、京都府八幡市の取組を御報告していただきます。報告者は、本検討会の委員であり八幡市長を務めておられる川田翔子委員です。川田委員からは八幡市での外国人支援の取組と、支援をする中でどのような点に法的支援の必要性を感じられるかといったことについて御報告をいただきます。川田委員、どうぞよろしくお願いいたします。 川田委員 それでは、八幡市における急増する外国人居住者と地方自治体の状況についてお話しさせていただきます。 まず、簡単に自治体としての八幡市の状況について御紹介させていただきます。八幡市は、大阪との府境にございます京都府南部、山城地域の町でございます。面積は約24平方キロメートル、大体4キロメートルかける6キロメートルのコンパクトな町です。人口は6万7,876人で、実は30年間人口は減少し続けております。後ほど詳しく御説明させていただきますが、現在、外国人の方は3,000人以上で、4.9%を占めます。高齢化率は32%で、全国平均より少しだけ高い状況になっております。町としては非常にコンパクトながらも、京都市内からでしたら30分程、大阪市内からも30~40分でアクセスできる、立地の利便性は一定程度ある近郊都市でございます。一方で人口は減り続けておりますし、30~40年前に一気に住宅開発が進んだ方々が今、一斉に高齢化を迎えている状況でございます。  また、高速道路が集積して交通利便性が高い町ではございますが、一方で高付加価値産業に乏しいという弱みがございます。地域の歴史や自然も豊かでございますし、農業や暮らしなど様々な要素が含まれておりますけれども、そういった意味では、コンパクトながらも自治体としての様々な特徴を併せ持っているといえるのではないかと思います。  何よりも外国人居住の状況が特徴的であるところで、今回、このように発表の機会を頂いております。外国人居住の状況につきまして、グラフのとおりとなりますが、十数年前の平成25年には800人程度であった市内の外国人の方々の人口が今、3,300人という形で、全体でも4~5倍になっております。  本市内にこれだけ外国人が増えている背景といたしましては、特に水色の棒グラフのとおり、男山地域という、大きな団地がございます。高齢化によって空いてきた団地のお部屋に一斉に外国人労働者の方々が入っておられる状況もございまして、男山地域における団地の居住者がその中でも大きな割合を占めている状況でございます。男山地域に限りますと、この期間で9倍の増加という形になってございます。一方で、市全体の人口はおおむね減少を続けている状況でございます。  この外国人の増加の状況ですけれども、全国的にも非常に高い増加率となっておりまして、外国人住民の5年増加率という統計によりますと、2018~2023年の5年間における増加率は、全国で5位にランクインしており、今、全体の外国人居住者の方々の割合としてはもっと高いところがありますが、急激に増えている状況が特徴かと思います。  こういった背景には、先ほども申し上げましたけれども、男山団地という立地の状況や、高速道路が集積していることによりまして、市内に大型の食品工場や金属加工工場、また物流拠点等々がございますことから、そこでの特定技能等の労働者の受入れによって外国人の方々が一気に入ってきている状況がございます。半数以上がこの団地に集中していること、また、近年は母国で日本語を勉強していないと思われる家族滞在の方々の人口が増加しているのも大きな特徴でございます。入ってきている方々の在留の資格形態などもグラフに載せさせていただいております。や、高速道路が集積していることによりまして、市内に大型の食品工場や金属加工工場、また物流拠点等々がございますことから、そこでの特定技能等の労働者の受入れによって外国人の方々が一気に入ってきている状況がございます。半数以上がこの団地に集中していること、また、近年は母国で日本語を勉強していないと思われる家族滞在の方々の人口が増加しているのも大きな特徴でございます。入ってきている方々の在留の資格形態などもグラフに載せさせていただいております。   また、ベトナムの方が非常に多いのも特徴的でございます。国内では在留外国人といいますと、少し前までは中国、朝鮮、又は韓国の方が多いという統計がございましたが、本市におきましては近年急激に増加しているベトナム人、また、ベトナムでも最近日本円が弱くなりますとベトナム人も来なくて、インドネシア、スリランカ、また資料には載っていませんがネパール等々の方々が増えてきているのが現状でございます。  こういった形で、今、空洞化した地域コミュニティに急激に外国人の方々が入ってきている状況ではございますけれども、本市としてどういった取組をさせていただいているかを申し上げますと、まず防災です。ベトナムは地震がございませんので、いざというときにパニックになってしまわないようにと、防災リーダー研修という事業をやらせていただきました。ベトナム人の方々にも日本に住む上での防災の知識をつけてもらい、ベトナム人同士でも教え合って防災の知識を広めていけるように、ベトナム人の方々に対して、雇用の企業者さんやJICAさんと協働して行わせていただきました。   また、定例的に行わせていただいております、「すぽーつまるしぇ」というイベントがございます。言葉を使わなくても打ち解けやすい、スポーツと食をテーマとした地域交流イベントを男山地域で開催しております。天気にもよりますが、例年数十人単位の方々に参加いただいて、気軽に交流できるようにという形で開催させていただいております。  もう一つ、非常に大きな要素だと思っていますが、地域のボランティアの皆さんによる日本語教室を行っていただいております。市もバックアップをしておりますが、特徴としては、高齢者の方々なども含めて地域住民の方々に日本語指導の講習をさせていただいて、その方々が地域の外国人の方々に日本語を教える。しかも、日本語だけではなくて、桜の季節には桜を見に行こうとか、日本の季節ごとのイベントを一緒にやろうとか、お出かけをしたり、日常のコミュニケーションや生活オリエンテーション、交流会等も込み込みで日本語教室を地域でやっていただく取組がございます。外国人の方々にも、地域コミュニティへの参画という意味でも非常に大きな意味合いを持っていただいていると考えております。   こうした取組も功を奏しまして、地域の自治会さん側から例年やっている夏祭りの参加者が少なくなってきて寂しいので、外国人の方々にも参加してほしいと申し出がありまして、市が協力して夏祭りのポスターのベトナム語翻訳を手伝いまして、掲示をして、実際に外国人の方々にも参加していただきました。   このように、様々な交流・取組等も行わせていただいているところでございまして、現時点では10年で9倍という、エリアにおいては急激な増加をしている外国人の方々でございますけれども、今はイベントの開催や地域住民の方々の御協力をいただきながら、コミュニケーションも込みでの日本語教室等々を行っていることによって、今のところ大きな不満の声やトラブルは起こっておりません。その上で、一定の相互理解と共生は今の時点で成功していると考えております。ころ大きな不満の声やトラブルは起こっておりません。その上で、一定の相互理解と共生は今の時点で成功していると考えております。   しかしながら、私としては、この状況はかなり薄氷の上に成り立っているという認識がございます。現行の雇用制度の下、雇用いただいている企業の研修カリキュラムやメンター制など、企業が責任を持って外国人の受入れから、その方々の地域に行く上での教育などもかなり熱心にやってくださっておりまして、マナーや日本のルール、生活する上での基本的なこと、語学、こういったところに力を入れてくださった上で地域に入っていただいているからこそ、一定の共存が図られていると思っております。   今は、技能実習生等は企業が責任を持って面倒を見るという状況になっておりますので、そういう意味で、企業側も責任感を持って対応していただいていると思います。これが今後の制度改正によりまして、転職が一定自由化される等々が入ってくるとお聞きしておりますので、そうなった場合、地域コミュニティに深刻な影響を及ぼす可能性があると、私としては危惧をしております。  転職が自由になってしまった場合、企業のメンター制等にかかってこない状況になりますと、どこにおいても語学や日本で生活をする上での様々なルールをあまり身につけていない状態であることを誰も把握できない状況になることが見込まれます。そういったときに地域コミュニティでどのように共生を図っていくのか、一気に難しくなる可能性があると考えております。  現状におきましても、特に連れてこられたお子さんの学校現場における語学指導の教員加配や、保育園においても小さいお子さんはなじんでいけるのですが、保護者とのコミュニケーションが取れないなどの課題は、現場にかなりの負担感としてのしかかっております。教員加配については国の財源等々もまだまだ整っていないところもございまして、我々行政の現場といたしましては、いらっしゃる外国人の方は現に存在するサービス需要として御対応していくしかないわけでございますので、それがかなり後手に回りやすい。増えてきてから対応するしか我々には選択肢が残されていない状況が、一つの課題かと思っております。  本市で行っております法律相談につきましては、ニュアンスが変わってくるのですが、御覧いただいたら分かりますように、法律相談支援はもちろん対応させていただいているのですが、どうしても日本人の方々向けの相談という形になっております。八幡市は県庁所在地ではございませんので、法テラスもございません。ですので、弁護士会に委託をして、月3回の法律相談を実施している状況になります。年間約250~260件の実績で、予約枠は満杯、ニーズとしては主に相続・贈与関係が不動のトップで、あとは金銭や親子関係、土地・家屋、損害賠償といったものが入ってくる形になってございます。  また、性暴力被害やDV被害による相談ニーズを見込んで、令和6年度より別途で女性弁護士相談を開始しておりますが、まだ開始したばかりでございますので、月1回で、年間実績はまだ15件程度となっております。   自治体で行っている法律相談支援としては、なかなか外国人居住者の方々にはすぐにお使いいただく形にはなってございません。一方で、実績としまして、外国人の方々から寄せられる相談もございました。家族が逮捕されたのですがどうすればいいですかといった相談であったり、こういったものは緊急性も非常に高い上に、勾留中の当事者への連絡手段や法的制度の理解と言語の壁がございましたので、なかなか行政では対応し切れない実態がございました。こちらについては、日本弁護士連合会が行われている当番弁護士制度を、京都弁護士会を通じて御紹介させていただいて御対応いただいた事例がございました。いった相談であったり、こういったものは緊急性も非常に高い上に、勾留中の当事者への連絡手段や法的制度の理解と言語の壁がございましたので、なかなか行政では対応し切れない実態がございました。こちらについては、日本弁護士連合会が行われている当番弁護士制度を、京都弁護士会を通じて御紹介させていただいて御対応いただいた事例がございました。  また、日本語のスピーチコンテストで私が実際に外国人の方々から聞いたお話ですけれども、興味深かったのが体験談です。実際に来られた労働者の方々からお聞きしました。雇用されたのですが、言葉も十分に分からないままに、建設会社でかなり激しく怒られながら仕事をしていて非常につらかった。肉体労働も労働環境も非常につらかったけれども、相談場所が分からないので、何度も逃げようと思った。しかしながら、その方はここで逃げたら、人生逃げっ放しになると自分で奮起されて、思いとどまって、仕事と日本語学習を頑張り、今は安定して仕事も暮らしも確立されているのですが、こういったケースは全国においても発生し得るのではないかと思っております。  やはり、中長期在留外国人においても雇用主との労働問題等で法的ニーズ自体は存在すると感じております。また、先ほどあったように、そういったときに法的支援が分からないことによって逃げてしまうとか、ニュース等でも話題になっておりますのが、雇用先から逃げてしまった外国人の方々が在留管理や支援の枠組みからこぼれ落ちてしまって、最悪の場合、犯罪に走ってしまうケースが問題化していると思います。そういったところに走るくらいなら、その手前で労働問題等の相談ニーズに一定対応していく、セーフティーネットとしての法的支援は必要ではないかと感じております。  何よりも地域の共生で一番危惧すべきは、外国人コミュニティが孤立化してしまうことだと感じております。地域とコミュニケーションが取れなくなることは、アンコントローラブルになるということですので、どんどん行政の見えないところにコミュニティが逃げていってしまうことによって、必要最低限のルール、コミュニケーションも取れなくなるのが最も危惧すべき事態かと思っております。   自治体ではなかなか相談窓口で対応しきれないケースもございますので、今後自治体の枠を超えた実態把握や窓口設置における国や都道府県との連携強化などが求められると感じております。少し長くなりましたが、私からの発表は以上でございます。 佐藤座長 御報告いただき、ありがとうございました。なお、川田委員から自治体において外国人支援を行う中で必要な法的支援についてのお話がありましたが、実際に法テラスでは外国人支援として具体的にどのような支援を行っているのか、簡単に説明いただけますでしょうか。髙橋本部事務局長、よろしくお願いします。 髙橋本部事務局長 ここからは法テラス本部事務局長の髙橋より法テラスの取組について簡単に御報告申し上げます。  まず、法テラス本部国際室の取組でございますが、机上に配布されている資料に基づいて御説明させていただきます。  資料1の4ページ、「外国人在留支援センター及び法テラス本部国際室の取組」を御覧ください。法テラスにおきましては、政府が令和2年7月に開設いたしましたFRESCの中に法テラス本部国際室を設置して外国人支援に従事しております。FRESCでは、出入国在留管理庁在留支援課を始め、4省庁8機関が入居して相互に連携・協力しながら在留外国人や外国人を雇用する企業、地方自治体の支援に当たっています。その中で国際室は、外国人や外国人を支援する方からの問合せに対して情報提供を実施し、ほかのFRESCの入居機関からの相談取次や同席相談にも対応しております。しながら在留外国人や外国人を雇用する企業、地方自治体の支援に当たっています。その中で国際室は、外国人や外国人を支援する方からの問合せに対して情報提供を実施し、ほかのFRESCの入居機関からの相談取次や同席相談にも対応しております。  資料の5ページを御覧ください。「国際室に対する問合せ件数推移」のとおり、設置以来、問合せ件数は大きく増加しております。令和7年度には設置当初の3倍以上に増加している状況でございます。増加の背景にございますのは、資料の7ページに記載しております支援者向けセミナーになります。こちらは令和4年度からオンラインで年数回実施しておりまして、各地の国際交流協会や地方自治体など、外国人を直接支援している方々に向けて法テラスから情報提供をし、法テラスを通じて支援をできるようにするなど、司法アクセス全体の向上に努めているものになります。  次に、国際室におけます外国人支援の取組の具体例として、外国人本人からの相談事例を御紹介いたします。資料の8ページを御覧ください。相談者は、レストランで働いていましたが日常的なパワーハラスメントや暴力を受けた末に突然解雇され、生活に困窮していた方になります。この方のケースにおきましては、東京労働局から法テラスに相談への同席依頼があり、連携して対応いたしました。法テラスにおきましては、弁護士による損害賠償や解雇無効を争うための裁判手続についての情報提供を行いました。労働局からは、解雇予告手当の請求や個別労働紛争解決制度などを案内しております。同席することにより、問題解決の手段のメリット・デメリットを同時に示すことができたことになります。  次に記載しておりますのは、DV被害を受けた外国人女性について、支援者である自治体のケースワーカーから相談を受けた事例になります。こちらも東京入管と協力して、在留資格と離婚手続について同時に案内することができました。  次に、地方事務所での取組についても一部御紹介いたします。資料の9ページを御覧ください。浜松は日系人の工場労働者が集中している地域でありまして、国際交流協会の活動も活発であります。法テラス浜松では、浜松国際交流協会や弁護士会と連携をして定期的に外国人向けの法律相談を実施しております。また、群馬では、外国人向けのワンストップセンターが指定相談場所となっております。全国各地で関係機関と連携を築いてきた法テラスの経験が、外国人対応においても活かされている形になります。  最後に、多言語情報提供サービスについて御紹介します。資料10のページを御覧ください。法テラスでは三者間通話を使って10言語での情報提供を実施しており、利用件数が年々増加しております。令和7年度は、英語、中国語、ポルトガル語の利用件数が大きく増加しております。在留外国人が増加する社会情勢におきまして、今後ますます外国人支援のニーズが増大し、法テラスの業務負担が増加することが予想されます。  例えば、先ほどの多言語情報提供サービスは通訳を介した情報提供となりますので、対応に単純に2倍の時間がかかることになります。法テラスにおきましては、現在実施している外国人支援の取組を維持・充実させていくためにも、体制を整備する必要があるものと認識しております。今回の有識者検討会の外国人支援の議論に当たりまして御参考になれば幸いです。 佐藤座長 髙橋本部事務局長、どうもありがとうございました。  それでは、ここからは川田委員の御報告と法テラスの髙橋本部事務局長の御説明を受けて、質疑応答と意見交換の時間とさせていただきます。けて、質疑応答と意見交換の時間とさせていただきます。  御報告内容に関する御質問や御意見がございましたら、挙手にて御発言をいただければと思います。オンラインで御参加の委員の皆様は、挙手機能を使って御発言ください。質疑応答及び意見交換の時間は、今後の予定もございまして、おおむね35分程度を予定しております。なお、御質問の際にはどの方への質問であるかを明示して御質問をいただければと思います。  では、寺町委員、お願いします。 寺町委員 3点質問をさせていただければと思います。  まず、1点目は八幡市長の川田委員に対してですけれども、市の相談での外国人の方への通訳については、どのように対応されているか、お尋ねしたいと思います。  2点目が、法テラス又は法務省に対しての質問ですけれども、外国人に対する法律相談に当たりまして、通訳人の確保という問題が、特に地方都市において深刻な状況がございまして、少数言語や、通訳人を務められる方のリソースが限られている場合に、地方事務所で名簿を持っていらっしゃるのですけれども、刑事事件があるとそちらが優先になってしまうので、十分なリソースがない状況にあると認識をしております。  今日の資料の10ページで、先ほど多言語情報提供サービスの御紹介をいただきました。これが情報提供にとどまっているわけですけれども、オンライン通訳システムを民事法律扶助の法律相談や代理援助にも利用することができないでしょうかという質問です。今、通訳費の実費を担当弁護士に支払う方法が取られているわけですけれども、現物支給の形でオンライン通訳システムを法テラスに提供いただけると、地方における法律相談体制の確立につながるのではないかと思っての質問です。  3点目が出入国在留管理庁への質問です。出入国在留管理庁が取り扱っておられます外国人受入環境整備交付金について、各自治体の実施する法律相談において外国人に対する法律相談を行う場合の法律相談費用や、外国人に対する法律相談に当たっての通訳費用として利用することが可能かどうかについて、御教示いただければと思います。 佐藤座長 ありがとうございます。それぞれ質問の相手が違いますので、最初に川田委員への御質問について、川田委員、よろしくお願いいたします。 川田委員 本市窓口における外国人への通訳対応の体制について御質問をいただきました。申し上げ漏れましたけれども、本市におきましては、ベトナム人の方を1名、会計年度任用職員で雇用させていただいております。その方に日常的なコミュニケーション対応などの補助をお願いしているところです。  また、窓口におきまして、難聴の方々等にも兼用で対応するコトバルというiPadのようなモニターを導入しておりまして、場合によっては来られた窓口に翻訳機能の付いたタブレットで通訳をする形の対応をさせていただいております。  それ以外で少し対応が難しい場合は、都道府県のセンター窓口に振る場合もございます。 佐藤座長 寺町委員、よろしいでしょうか。髙橋本部事務局長、二つ目の質問について、お願いします。 髙橋本部事務局長 2点目のオンラインによる通話システムの利用ですが、こちらは法テラスの各地で実施しておりますセンター相談の場面では、現在利用できる状況になっております。おります。 佐藤座長 それでは、三つ目の質問についてですが、出入国在留管理庁の中嶋在留支援課長、よろしくお願いいたします。 中嶋課長 委員から御指摘のございました交付金でありますけれども、こちらは自治体が設けます相談窓口への支援として行っているものでありますが、具体的にはその窓口に配置される相談員の方、あるいは通訳も兼ねているケースもございますけれども、そういった方の人件費に充てることができるものでございます。その意味で、通訳の機能にも使えますし、翻訳の機器を用意する場合の費用にも充てることができるということでございます。  その上で、そもそも通訳の人材が確保できるのかという課題もあるところでございまして、私どもの事業といたしまして、これは配布させていただいている資料の3ページの下段に、「地方公共団体との協力・連携」という、私どもの関連施策をまとめたスライドを掲げているところでございますけれども、このスライドの真ん中が、地方公共団体の行政窓口に対する通訳支援としてございます。窓口を訪ねる方におけます通訳ニーズにつきまして対応するものでございます。  具体的に、私どもの交付金を使っておられる自治体の一元的な相談窓口において、通訳を確保することもできますけれども、しかし、人材確保の問題もあるので、このサービスを使いたいときには使える。つまり、私ども出入国在留管理庁で一括契約した民間事業者による通訳支援サービスを受けられる形でございます。 佐藤座長 寺町委員、よろしいでしょうか。 寺町委員 これは行政窓口とありますけれども、法律相談にも利用できるということでしょうか。 中嶋課長 行政窓口でございますので、私ども交付金で措置をさせていただいております、いわゆる一元的相談窓口で使っていただくことも可能ということでございます。 寺町委員 ありがとうございます。川田委員からのベトナム人の方を会計年度職員で雇われている予算は、どういうところから出ているのか分かりますでしょうか。 佐藤座長 川田委員、よろしくお願いします。 川田委員 現在のところ、市の持ち出し、完全に市の独自財源でやらせていただいております。 寺町委員 ありがとうございます。それから、今、髙橋本部事務局長から法テラスのセンター相談ではオンラインシステムを利用できるということですが、契約弁護士の事務所で相談する場合に、これを使えるようにすることは可能性としてはあるのでしょうか。 髙橋本部事務局長 現状はそういった形で広げる予定はございません。 寺町委員 検討いただければと思います。 佐藤座長 それでは、川野委員、よろしくお願いします。 川野委員 八幡市長の川田委員、それから事務局の方、御説明ありがとうございました。地方の話になりますけれども、先ほど、川田委員から外国人が増加しているという全国の自治体の様子を見せていただいたのですけれども、私が消費生活相談員で勤務しておりました地方自治体が入っておりました。  たぶん同じくらいの外国人がそこにはいたのですけれども、私が市役所にいました時に、消費生活相談窓口が給付金の窓口になっていて、在留外国人の方が給付金のことで来られました。その時に企業の雇用者の方が外国人の方たちに説明をして下準備もしていらっしゃると、市役所で非常にスムーズに給付金の手続ができて、一番身近な雇用者の方の支援が非常に大切だということが分かりました。身近な企業の雇用者の方が支援していくと、在留外国人の方が法律相談を受けるときも、よりスムーズに受けられるのではないかと思いました。に、消費生活相談窓口が給付金の窓口になっていて、在留外国人の方が給付金のことで来られました。その時に企業の雇用者の方が外国人の方たちに説明をして下準備もしていらっしゃると、市役所で非常にスムーズに給付金の手続ができて、一番身近な雇用者の方の支援が非常に大切だということが分かりました。身近な企業の雇用者の方が支援していくと、在留外国人の方が法律相談を受けるときも、よりスムーズに受けられるのではないかと思いました。  それから、先ほど聞き逃したのですが、通訳に関して、費用は立替え制度の対象外になるのかと、FRESCは今、東京だけにしかないですけれども、今後、大阪や福岡などにできる予定はないのでしょうか。 佐藤座長 ありがとうございます。1点目は川田委員に、2点目は、出入国在留管理庁でということで、まずは川田委員から、今の御質問について何かコメントがあれば、よろしくお願いいたします。 川田委員 ありがとうございます。おっしゃっていただいたとおり、私の方でも少し触れましたけれども、やはり窓口における対応につきましては、雇用者の企業からきちんと説明をされていることが非常に重要になってくると思います。給付金自体は自治体によってどの窓口が担当されるかは違ってくるかと思いますけれども、どちらにせよ、あらゆる手続で、今、現状では、本市におきましても、まとまって雇用されている方々については、企業できちんとレクチャーを受けてから、頭に入った状態で来られますので、多少コミュニケーションに難があっても、我々としては一定対応できている段階ですが、これが本当にあるとないでは、かなり違ってきます。正直、コミュニケーションも難しいし、手続も全く分からない状態の方が同じ数来られると、多分、対応し切れないのではないかと思います。企業のサポートといいますか、今の雇用形態の中できちんとサポートされてから動かれていることが、正直、現行では前提になってきていると感じます。 川野委員 ありがとうございます。 佐藤座長 それでは、2点目の質問について、出入国在留管理庁からお願いいたします。 中嶋課長 FRESCを東京以外にもという御指摘でございました。実は、私ども地方展開という言葉を使っておりまして、努力したいと思っております。例えば、地方公共団体におけます共生施策を行っている拠点のようなところがあればそこに入れていただいたり、あるいは近場に関係機関が集積しているようなところがあれば、そこの間の連携を強化するような形で進めていくことができるのではないかと思っております。  当面、すぐにできる、やりやすいこととしましては、私ども地方入管の職員が、地方公共団体の相談窓口に応援派遣のような形で参加をさせていただいたり、あるいは合同相談会という方式もございます。これは関係する機関、専門的な機関も含めて合同で相談会を開いて様々な相談に対応できるという方式のものでございます。こういうことも進めておるところでございまして、努力を続けていきたいと存じます。 川野委員 ありがとうございます。 佐藤座長 それでは生水委員、お願いします。 生水委員 川田委員、御説明どうもありがとうございます。コロナ禍の時に、特に社会福祉協議会が実施しました特例貸付けの影響により、外国人の方からの相談が自治体の生活困窮相談の窓口に非常に多く寄せられました。これは全国同じ状況だったと思います。今までつながっていなかった外国人の方からの相談が、コロナ禍によって生活困窮の窓口につながって見える化したことになろうかと思います。今までつながっていなかった外国人の方からの相談が、コロナ禍によって生活困窮の窓口につながって見える化したことになろうかと思います。  私が勤めていました野洲市では、電話による自治体向けの多言語通訳サービスを市が契約しまして、これをコロナ禍におきましても、外国人の方の相談・支援に大いに役立てました。この状況は恐らく八幡市さんでも同じだろうと思いますが、実際、外国人の方からの生活支援等々の相談があろうかと思います。どのように、現状御対応なされているのか、お分かりの範囲で構いませんのでお教えいただきたいのと、あと外国人の方への対応に関して法テラスに求められることがもしありましたら、この点もお願いできればと思います。 佐藤座長 ありがとうございました。では川田委員、よろしくお願いいたします。 川田委員 現状、生活困窮については、ベトナム人等労働者の方々でございましたら、一定市民平等というところで受けているのですけれども、雇用されている方が非常に多いので、そういった意味では、比率として現状は多くはないというのが、実績でございます。福祉の窓口でももちろん御対応はさせていただいておりますけれども、そちらについては先ほど申し述べましたような通訳システム等々を使いながらの対応という形になっております。 生水委員 ありがとうございました。 佐藤座長 先ほどの川野委員の御質問の2点目には、通訳費用は民事法律扶助の立替えの対象かという内容も含まれていました。こちらについては法テラスからでよろしいでしょうか。 髙橋本部事務局長 はい。立替えの費用に含まれています。 佐藤座長 どうもありがとうございました。では、谷口委員お願いします。 谷口委員 川田委員のお話を、本当に強くうなずきながら聞いておりました。まず、移民の方、外国ルーツの方たちがどのように扱われるかということは、各国を見ていると今のこの社会の分岐路になる可能性がすごくあると思っていまして、支援の網からこぼれ落ちてしまうことが、社会の分断・不安定要素化につながっていくのではないかという危惧は大変共有するところです。  10年前に外国人に法的支援を特化して行う部門を所内に立ち上げて、これまで数千件のそういう相談を受けてきました。その中で法テラスとの関連で提言したいことが幾つかございまして、そのことを発言させていただきます。  ニーズに対応し切れているかというところで3点。それから受け皿の弁護士側に関することで1点、お伝えしたいと思います。  一つは、外国人相談を受けるところが、現状でもものすごく少ないのです。法テラスの方は先ほどの10言語対応の情報提供等、法テラス自身がやるものとしては充実してきているのかもしれませんが、多くのジュディケアの弁護士たちは基本的には日本語ができない外国人相談はなかなか受けられないし、在留資格など関連していくとよく知らないから受けないとなっていたりもします。  それは資力の有る無しにかかわらずなので、外国人相談に関し資力要件を震災のときと同じように、例えば、1回目の相談等を撤廃して、法テラスで相談を受けることも検討してもいいのではないかと考えています。  というのは、民業圧迫のことなどがいろいろあって、そういう設計になっていると思うのですが、ともかく受け皿がないという現状があります。例えば、私がいる豊島区はもう10%が外国ルーツの人です。新宿区は11%で、どこの自治体も人口は減り、外国人人口が増え、20代前半ではもう3割を超えているような状況だったりもします。でも、受けられる弁護士はほぼいないような状況なので、そうするとそこが放置されてしまう可能性があるのではないかということです。  もう一つは、今回も議事の設定が中長期在留外国人に対する法的支援となっていて、短期滞在の方と在留資格がない方は議事の対象にも上ってこない制度設計になっているということです。たくさんの人たちも旅行に来てトラブルに遭ったり、在留資格がない状態でも交通事故に遭ったりはするわけです。あるいは消費者被害に遭ったり、だまされたりというようなこともあります。そういう時、果たしてその人たちはどこに行くのかという問題が残ると思います。それはその人たちの人権もそうですし、相手方にもなり得るわけです。相手方が誰も弁護士がついておらず、逆に被害に遭った方がすごく困るような相談も数多くあります。  こうしたときに、果たして、あまねく人々に法的支援を提供する法テラスの在り方として、本当に短期滞在の方、あるいは在留資格がない方等を一律に排除することが、果たして適切なのかと。それは、税金を使っているのでその人たちを利するものはという論理もあるわけですけれども、利しているのは本当に個人の利益なのかというところを考える必要があるのではないかと考えています。  もう一つは、法テラスの支援対象には行政手続一般が入っていませんので、在留資格の取得や手続に関して法テラスの支援から漏れているわけですけれども、外国人の人たちの事件をやると必ず在留資格の得喪が問題になってきます。労働事件をやっても離婚事件をやってもどんな場合でも在留資格を考えて手続をしないと、非正規化してしまうわけです。  クルドの方々の問題がヘイトも含めて社会問題化していて、昨日大学で講義した時に、19歳の男の子が今の社会問題は外国人の人が騒いでいることですというようなことを言って、私は衝撃を受けたのですけれども、それはなぜかというと、非正規化してしまっているので在留資格もなければ仕事もできないような状況が、いろいろその背景にあるわけです。そういうことを手当てすることによって分断を防げる部分もたくさんあるのではないかと思っております。  この点についても、本当にどこがやるかといえば法テラスしかないのではないかと考えておりまして、そこも検討する必要があるのではないかと思っています。  最後に受け皿の問題ですが、さっき通訳費用の立替えの話がありました。通訳費用は立替えで出るのですけれども、外国ルーツの人が相談をすると、結局は倍返さなければいけないことになるのです。弁護士費用と通訳費用を出さなければいけなくて普通の人よりハードルがすごく高くなるのと、受けている弁護士側も、言語ができる人でも同じ金額なので、結局プレミアは全くもらえないで対応しなければいけないという問題があります。また、外国人事件は、裁判文書等も全てその言語に訳し対応することを、全部しなくてはいけない。困難な離婚事件の話がこの間ありましたけれども、労力としては1.5倍とか2倍かかっているけれども、立替え金額としては、支援金額としては一緒で、本人たちの負担は更に2倍に近くなるという問題があります。そこの問題も解決しなくてはいけないのではないかと考えています。で、本人たちの負担は更に2倍に近くなるという問題があります。そこの問題も解決しなくてはいけないのではないかと考えています。 佐藤座長 ありがとうございました。今の谷口委員の御意見、この検討会の今後の検討にとって重要な内容が含まれていたように見受けましたけれども、何か関連しての御発言・御提案等があればお願いいたします。 猪之鼻委員 まずは川田委員、それから事務局、御説明を本当にありがとうございました。関連していると思っておりますが、まず、通訳費用という点につき、併せて翻訳の費用という問題もあるのではないかと思っているところです。  外国人の抱える法的な問題については先ほど谷口委員からも御発言がございましたけれども、離婚のようなかなり困難な事件、あるいは外国法等の理解が必要となる特有の問題もある一方で、借金の問題や、また居住している場合の賃貸借の問題といったような、外国人特有の問題ではない事案もあると思っております。  また、これからは超高齢社会・多死社会になってきますので、相続の問題も出てくると思いますし、中でも相続放棄の問題も出てくると思っています。そして、相続放棄に関しては、さほど紛争性が高くない事案も見受けられるのではないかと思っております。  先ほど、資力要件を撤廃してもいいのではないか、ある程度外国人の方には中長期以外に短期の方にも対応していいのではないかという御意見がありましたけれども、やはり財源の問題は切っても切り離せないと思いますので、そのような中、翻訳という言葉を出しましたけれども、書類等の作成援助といった支援の選択も、ある程度、振分けとしては外国人支援の中では重要になってくるのではないかと思っているところでございます。  この場合、現時点でも援助開始決定前の外国語の契約書の翻訳料の支出が、追加支出も含めて難しいと伺っているところです。今後につきましては、極力広く翻訳や通訳の費用をお認めいただくと、支援についても広がりが出てくるのではないか思っております。  また、翻訳に至っては、通訳以上にインターネットで受発注でき、一定程度画一して依頼をすることにより、費用を低廉に抑えることも検討できるのではないかと思っておりますので、やはり費用や完了日までの日数も考えて一元化を図るようなことも御提案申し上げたいと思って意見をさせていただきました。 佐藤座長 猪之鼻委員、どうもありがとうございました。書類作成援助の関係は今日の議題の3点目とも関係するかと思いますが、差し当たり翻訳費用についての現在の扱いはどのようになっていますでしょうか。念のための確認です。 髙橋本部事務局長 翻訳費用につきましても、民事法律扶助の実費の対象となっております。 佐藤座長 ということは、関連して償還対象になっていく可能性があるというわけですね。 髙橋本部事務局長 そのとおりです。 佐藤座長 ありがとうございました。ほかに御意見ございますか。板東委員、お願いします。 板東委員 頂いた資料の中の11ページ、多言語情報提供サービスの利用に関して、外国人人口が多い大阪では利用が大変少ないというお話がありました。これは地域などのほかの体制が整っているのか、在留資格や国の特性の関係なのか、あるいはこういったサービスが十分に知られていないのか、この辺りの理由分析を法テラスでされていれば教えていただければと思いました。かの体制が整っているのか、在留資格や国の特性の関係なのか、あるいはこういったサービスが十分に知られていないのか、この辺りの理由分析を法テラスでされていれば教えていただければと思いました。 佐藤座長 まず、髙橋本部事務局長から御質問に答えていただければと思います。 髙橋本部事務局長 例えば、今、大阪の例を出されましたけれども、こちらは多言語情報提供サービスの利用なので、日本語を話される外国人の方は含まれていないわけです。大阪ですと、いわゆる在日コリアンの方が多いこともありますので、その場合、日本語でお話することとなり、このサービスは利用されない形になりますので、そういった意味で利用件数が伸びていないのかと考えております。 板東委員 単純に属性の問題だと理解できるのであればよいと思いました。 佐藤座長 御意見もあるということでしたが、実は恐縮ですが、川田委員は次の御予定で間もなく御退席をされることになりますので、川田委員に御質問等があれば、それをまずは優先したいと思いますが、いかがでしょうか。  それでは、恐縮ですけれども、私から川田委員に一つだけ教えていただきたいことがあります。外国人支援というと、日本人の支援以上に問題が複合的であると感じております。  例えば、生活支援が法的問題と関連をする、あるいは法律相談であるけれども、実は生活支援とも関わっているということも多々ありそうで、そういう複合的な問題については、関係機関が連携をする、あるいは関係機関がネットワークを組んで対応していくことが重要になりそうな気がいたします。  この点で、FRESCはワンストップでそういう対応ができる点で大変優れた取組ですが、これはどの自治体でもできるというわけでは当然ありません。川田委員の御経験から、自治体レベルでこういう外国人支援について、関係機関・窓口が連携して対応することについて、その可能性としてはどういうものがあるのか、何か御示唆があれば教えていただければと思います。 川田委員 ありがとうございます。自治体の窓口におきましては、もちろん横の連携は役所間でも非常に綿密に行っているところでございます。  うちのような一般市におきましては、役所の規模感からも、比較的近い関係で普段から仕事をしておりますので、情報連携、それから体制の連携は取っているところではございますけれども、やはりおっしゃったように複雑である、緊急性が高い、それからコミュニケーションが非常に難しい。こういった複合的な問題に対応するのは、現場でもかなり苦労をしているところでございます。頻度が低ければ、丁寧に我々も連携をして対応していけるのですけれども、頻度が高くなればもちろん対応は苦しくなってくるのかと思います。  外部機関、FRESCも非常にすばらしいものではあると思うのですが、東京にあるということで、今後、オンラインも含めてこういった一元窓口と連携させていただくのも一つの手法なのかと考えております。 佐藤座長 ありがとうございました。確かにオンラインで連携するのは重要な可能性かと思いました。  それでは、川田委員は次の御予定があると伺っておりましたので、ここで御退出をいただければと思います。改めまして、本日はどうもありがとうございました。ただければと思います。改めまして、本日はどうもありがとうございました。 川田委員 ありがとうございました。 佐藤座長 それでは、板東委員、よろしくお願いいたします。 板東委員 私が意見として申し上げたかったのは、今、佐藤座長が言われたお話ですけれども、やはり連携の必要性は非常にあると思います。確かにFRESCのような形が理想的ですけれども、必ずしもそういう国の機関の連携だけではなく、先ほどからお話しのように、自治体の窓口がなるべく一元化してやっていき、それにどう関わっていくのかということや、前回ですか、災害対応についての連携のお話が出ましたけれども、やはり外国人の場合も違う意味でいろいろな関係分野の連携が必要になってきますので、それを是非、こういった法テラスの役割との関連でも少しアピールしていく必要があるのかと思います。  特に外国人の問題はかなりいろいろ複雑な要素が、先ほど、在留資格といった問題との絡みが離婚問題その他にまで関係してくるという話がありましたけども、非常に複雑にいろいろな問題が関わってくることがありますので、一層連携を進めていくことができるような、仕組みなりサービスの在り様を考えていく必要があると感じさせていただきました。 佐藤座長 ありがとうございました。御指摘重要かと思います。ちょうど次回、第5回のテーマが関係省庁あるいは地方自治体等、関係機関との連携の在り方ということですので、そこで少し議論を深めることができればと思っております。  ほかにも御質問・御意見あろうかと思いますが、本日、更に二つのテーマが予定されております。このテーマについての議論はここまでとさせていただきたいと思います。  それでは、よろしければ本日は長丁場になりますので、ここで一旦5分程度休憩を取りまして、再開後に次のテーマに移りたいと思います。 (休 憩) 佐藤座長 それでは会議を再開したいと思います。  引き続きまして、「犯罪被害者支援」に関するテーマに入らせていただきます。  初めに、新全国犯罪被害者の会(新あすの会)の幹事である近藤さえ子様、それから、警察庁長官官房犯罪被害者等施策推進課長の吉田知明様から、それぞれヒアリングを行います。  まず、近藤様からのヒアリングです。近藤様からは、犯罪被害者遺族のお立場から、また犯罪被害者支援に関わっていらっしゃる御経験を踏まえ、法テラスの犯罪被害者支援に対しての御意見をお話しいただきます。近藤様、よろしくお願いいたします。 近藤氏 新あすの会の近藤さえ子と申します。  本日は、犯罪被害者遺族の私の声を聞いていただく機会をつくっていただいて、本当にありがとうございます。まず、私の経験を少しお話しさせていただき、1月から始まった犯罪被害者等支援弁護士制度について問題点を皆様と共有できればありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  被害者である私の主人は、会社の証券を持ち逃げして会社を辞めた元上司に対する裁判を担当していて、この元上司に逆恨みをされて殺されました。元上司は5人の若者を10万円で雇い、主人を拉致させ、殺害しました。2004年11月のことです。私は、主人を殺されてしまった悲しみの中、葬儀、死ぬはずのなかった40代の人間をこの世から抹殺するための膨大な事務作業、子供たちと両親を守るための作業、それらが一手に降りかかってきました。主人を殺されてしまった悲しみの中、葬儀、死ぬはずのなかった40代の人間をこの世から抹殺するための膨大な事務作業、子供たちと両親を守るための作業、それらが一手に降りかかってきました。  両親の病気や介護、子供たちの学校のことは大変でしたが、自治体や地域にもアドバイスをしてくださる方はいました。例えば、介護ヘルパーさんや家事サービスを頼む、学校の先生や児童館の職員等と連絡を取り合いました。しかし、殺人事件、刑事裁判を経験している人など、どこを見回しても誰もいません。22年前は法テラスもありませんでした。殺人事件の被害者の弁護を引き受けてくれる弁護士を見つけることはできませんでした。急遽、義理の兄の知り合いの弁護士さんにお願いをしました。自費です。  犯罪被害者、また遺族は、体調を崩してしまうかわいそうなだけの人ではないのです。自分の意思とは関係なく、急に司法の世界にたった一人で投げ込まれて、加害者と加害者の家族、加害者の弁護士と対峙しなければなりません。刑事手続、民事裁判、マスコミ対応、毎日毎日が殺人事件の後片づけです。もしあの時、私が弁護士さんを頼んでいなければ、私は6人の加害者の家族と加害者の弁護士にどのように対応できていたでしょうか。  主人の死に加えて、誰からも手を差し伸べてもらえない孤独とつらさで生きていられなかったかもしれません。行政や地域の人が助けてあげると簡単に言えない、法を知らない者には助けたくても助けられないところが、他の貧困や障害、高齢、子供などの社会的弱者と言われている人たちと犯罪被害者の置かれている立場が違うところなのではないかと私は思います。  主人の死が分かってから約2か月後、主犯を含めて6人の犯人の親族たちが我が家の前に謝りに来ました。2日にわたり、3回に分けて10人が弁護士に連れられてきました。私は裁判前のこの段階で、弁護士さんが私にもいて本当に良かったと心から思いました。そうでなければ、どうやっていたのか想像もつきません。  弁護士さんは6人の加害者の弁護士と連絡をとり、1年間に13回あった刑事裁判に付添い、裁判の仕組み、裁判所の場所、傍聴の手配、検事からの説明を丁寧に私たち遺族にしてくれました。主犯には控訴もされました。民事を含めると、加害者側には10人以上の弁護士がつきました。スライドは、それぞれの段階で弁護士さんが裁判のためにかかったおおよその時間を出してあります。お金も、民事の着手金・報奨金と出ていますけれども、全然こんな金額はもらえていません。刑事裁判、民事裁判、再提訴、時間にすると約100時間以上、弁護士さんは働きました。犯人は6人ですから、私も今までに複数の弁護士さんをお願いしました。その方たちが働いた時間を足すと100時間ではとても済みません。全てが私の自費です。  ここでお示ししたのは、裁判に関してだけです。弁護士さんはそれ以外にマスコミ対応等たくさんの仕事を担ってくれました。ほかの家庭の子供たちが家族で旅行に行ったり、楽しい時間を過ごしている時も、我が家は殺人事件の後片づけをずっとやっていました。子供たちにはつらい思いをさせ、私のボーナスは全て殺人事件の後処理のためになくなりました。それでも残された家族は弁護士さんを頼りに、被害者遺族が歩まなければならない道を死なずに頑張って歩んでくることができたのです。  私たち犯罪被害者等は法律を勉強して被害者になったわけではありません。警察、検察、裁判所、加害者、加害者についている弁護士、今まで全く縁のなかった人たちに対峙していくには、法的な知識を持っている弁護士の存在が必要なのです。犯罪被害者に弁護士は絶対に必要です。このスライドに映っているようなことを、弁護士さんは仕事としてやっています。これはほんの一部ですけれども、対応をしています。察、裁判所、加害者、加害者についている弁護士、今まで全く縁のなかった人たちに対峙していくには、法的な知識を持っている弁護士の存在が必要なのです。犯罪被害者に弁護士は絶対に必要です。このスライドに映っているようなことを、弁護士さんは仕事としてやっています。これはほんの一部ですけれども、対応をしています。  当時はまだ、矯正施設での心情等伝達制度はありませんでしたので、私は保護局での心情伝達制度も約10回以上行いました。再提訴も、10年で時効になってしまったので行いました。そしてもうすぐ20年目で、また時効を迎えます。事件から20年以上経っても、まだ弁護士を必要としているのです。  我が家の事件から22年が経ち、公的な支援などほとんど何もなかった被害者支援は驚くほど進みました。被害者専門の相談窓口があり、家事サービスや見舞金制度なども受けられるようになった自治体もあります。そして新たに今年の1月から犯罪被害者等のために支援弁護士制度が始まり、被害者にとって、以前より使いやすく、ありがたい制度ができたものと期待していましたが、どうなのでしょうか。  まず、被害者等の資力の要件についてです。新たに被害者のために弁護士制度ができたにもかかわらず、もし今、我が家の事件が起こったとしても、私は弁護士を自費でつけなくてはならないことに変わりありません。たとえ被害直後に資力があったとしても、高齢者であれば、こつこつ真面目に働いて老人ホームに入るための資金だったかもしれません。我が家もとても国立大学などに入れない子供たちのために、少しは貯金をしていました。  家族を殺されてしまうというこの世の中で最大の悲劇、犯罪被害者等に対して、国が用意した弁護士をつける制度は、あなたにはその資格がありませんと、ばさっと切られてしまう。これはとてもつらいし、悲しい気持ちになります。資力要件の撤廃、あるいは資力が少しある人にも、せめて国からの支援・補助は出していただいてもよいのではないかと思います。  次に、世帯合算についても問題です。今までは、個人ごとの資産で判断されていたことが、世帯の合算になりました。性被害に遭った方は、そのつらい思いを、世帯合算という事務的な手続をこなすために御主人に話すことができるでしょうか。制度が変わったので、要件を満たすために話すことで心の傷はより深く、最悪は被害者の未来を、将来を奪うことにはならないでしょうか。我が家の事件でも、主人の資産を確認するには多くの時間を要しました。弁護士をつけるには、スピーディーでなければならないのです。  国選被害者参加、犯罪被害者等援助は個人の資力になっています。なぜこの制度だけ世帯の合算になってしまっているのでしょうか。資力の世帯合算を個人ごとの判断に戻すべきと考えます。  次に、ここで示している、傷害、ストーカー、リベンジポルノ、盗撮、痴漢などの犯罪は委託援助の対象でしたが、新制度では対象外なので、民事事件について民事法律扶助を利用すると弁護士費用を償還しなければなりません。事件名でなく、被害の深刻さ、支援の必要性から対象を考えていただけないかと考えます。  そして、被害者にとって、この新しい制度の一番の問題点と言ってよいと思いますが、弁護士報酬の切下げです。日本弁護士連合会委託援助では、受任時に速やかに13万2,000円が支払われ、1,000万円以下の金額で示談した場合は示談額の13.2%が払われました。新制度では、受任時には払われませんが、上限16万5,000円となっているので、一見弁護士報酬は上がったかのように見えますが、理解しがたい減額事由が複数あり、むしろ報酬は下がってしまいました。000円が支払われ、1,000万円以下の金額で示談した場合は示談額の13.2%が払われました。新制度では、受任時には払われませんが、上限16万5,000円となっているので、一見弁護士報酬は上がったかのように見えますが、理解しがたい減額事由が複数あり、むしろ報酬は下がってしまいました。  示談した場合の報酬も、示談金が1,000万円以下の場合、示談額かける11%になってしまいます。示談金が11%になってしまい、新制度以前の報酬よりも低額になってしまっているのです。さらに、刑事対応と民事手続を、新制度を利用して同一の弁護士が行った場合、民事法律扶助の着手金相当分が10%減額されてしまっているのです。これは大概同一の弁護士が行います。被害者はそれが安心なのです。ただでさえ少なかった以前の報酬より低額の報酬では、被害者を助けてくれる弁護士はいなくなってしまいます。少なくとも従前の基準以上にしていただきたいです。不合理な減額事由も是非見直していただきたいと思います。  また、新制度では、受任後すぐに基本報酬が支払われず、事件対応を終えた後の支給に変更になりました。中間報告をしても、もらえるのは6か月後です。6か月はタダ働きです。これでは事務所の家賃も払えなくなってしまいます。これでは弁護士は複数の事件は受けられません。減額事由も、捜査機関とのやり取りが単なる事務連絡とみなされ、25%の減額など、被害者等にとって必要な支援である仕事が減額の対象になっているのです。また、示談交渉をしなかったら25%の減額などの減額事由もあります。  被害者は処罰を求めていて、示談等は求めていないのです。望まない示談を被害者に強要する弁護士が出ないか心配です。さらに、記録の謄写費用や、立替え、持ち出しなど、あまりにも弁護士の負担が大きいのです。これではまだ収入の乏しい若い弁護士は、被害者の弁護士にはなってくれません。担い手不足は深刻化し、地方では更に影響が大きくなるでしょう。犯罪被害者等には弁護士が絶対必要なのです。それなのに新たな支援制度は、成り手がいなくなる、育たない制度なのです。  今年、第5次犯罪被害者等基本計画ができました。計画が着実に遂行されれば、被害者支援は確実に広がります。法テラスによる支援もこう書かれています。途中からですが読みます。「早期の段階から弁護士による包括的かつ継続的な援助を受けられるよう、必要な体制や担い手となる弁護士を十分に確保して、犯罪被害者等支援弁護士制度の運用の充実を図るとともに、制度の在り方についても、ニーズや運用状況等を踏まえつつ、不断の検討を行う。」とあります。  「必要な体制や担い手となる弁護士を十分に確保して」とありますが、先ほど来、私が申し上げていたように、どのように確保するのですか。弁護士さんたちが事務所も借りられない、そういう状況で被害者支援をやってくださるのでしょうか。十分どころか、このままでは担い手はいなくなってしまいます。  現在、このようにニーズを聞いてくださる、不断の検討を行ってくださる場、この場を私はそう思っております。法務省、こういうことをやっていただいて本当にありがたいと思います。こうやって皆さんに被害者の立場を聞いていただけること、本当に心から感謝しております。犯罪被害者のための弁護士がいなくなってしまうという事態を、どうにか避けていただきたいと思います。  より良い制度のために、今、申し上げてきた資力の要件の撤廃、対象犯罪の事情に合わせて拡大、四つ挙げているのですけれども、3の弁護士の「支給額を少なくとも従前基準以上に」、「不合理な減額を見直す」、4の「担い手不足を防ぐ」ために、「着手金の支給は、受任時に」、この3、4はすぐに改善できるのではないでしょうか。被害者には弁護士がどうしても必要なのに「こんな安いお給料で弁護士は働けないよ」と皆さんおっしゃっているのです。1と2は結構難しいと思いますけれど、この3と4は直ちにでも改善できます。是非皆さん、早急な検討をお願いします。わせて拡大、四つ挙げているのですけれども、3の弁護士の「支給額を少なくとも従前基準以上に」、「不合理な減額を見直す」、4の「担い手不足を防ぐ」ために、「着手金の支給は、受任時に」、この3、4はすぐに改善できるのではないでしょうか。被害者には弁護士がどうしても必要なのに「こんな安いお給料で弁護士は働けないよ」と皆さんおっしゃっているのです。1と2は結構難しいと思いますけれど、この3と4は直ちにでも改善できます。是非皆さん、早急な検討をお願いします。  高校生の息子さんを少年たちによる暴行で殺された、少年犯罪被害者当事者の会代表の武るり子さんも、令和5年9月の地方における途切れない支援の提供体制の強化に関する有識者検討会の時点で、「事件直後弁護士で困ることが多い。犯罪被害者支援に関わる弁護士が少ない。収入につながらないと若い人が育たない。せっかく被害者支援をやっていてもやめてしまう。きちんと職業として成り立つように、費用が出るようにしていく必要がある。被害者を支援する、信頼できる弁護士を見つけるのは大変。被害者に寄り添ってくれる弁護士と出会えるか出会えないかで、その後の人生が変わってしまう。犯罪被害者等に関わって、とても悩まれる弁護士の先生がいる。被害者から料金をもらってはいけないという空気があるが、それは違う。きちんともらった上でやっていただく、そういうこと。被害者から料金を取ってはいけないと言わないでほしい、国から弁護士へ出すことをしっかり考えていかないといけない。」、このようにおっしゃっています。本当にそのとおりだと思い、御紹介させていただきました。  新しい制度が、法務省・法テラスが掲げる、犯罪被害者等にとって、真に包括的・継続的支援になる、犯罪被害者等支援弁護士制度になるように、御検討いただくことをお願いいたします。大変お手数をおかけしますが、被害者支援弁護士を育てることは、これから社会に広がっていく被害者支援全体の存亡がかかっているのです。急速な改善を求めます。どうぞよろしくお願いいたします。  途中の図は、一つ一つ説明していませんのでどうぞお読み取りください。御清聴ありがとうございます。 佐藤座長 近藤様、大変な御経験を踏まえての貴重な御報告・御意見どうもありがとうございました。  それでは続きまして、吉田様からのヒアリングです。吉田様からは、政府における犯罪被害者等支援の取組と相談・支援の体制、その中での法テラスに期待される役割などに関する御報告をいただきます。吉田様、よろしくお願いいたします。 吉田課長 ただいま紹介いただきました、警察庁犯罪被害者等施策推進課長の吉田でございます。本日はお招きいただきましてどうもありがとうございます。私ども警察庁は、犯罪被害者支援について法技術的には総合調整の権限が与えられておりまして、司令塔としてこの施策の推進に当たっているという立場から、本日御指名をいただいたものと理解してございます。  早速、御説明を進めたいと思うのですけれども、本日お話し申し上げる内容につきましては二つございます。一つ目は、政府における犯罪被害者等支援の取組について、二つ目として犯罪被害者等の相談支援体制についてということでございまして、主に法テラスとの関係は、この二つ目において御説明申し上げようと思います。  まず、政府における犯罪被害者等支援の取組でございます。年表がお手元の資料にあるかと思いますけれども、そちらを御覧いただければと思います。犯罪被害者等のための施策の歩みというのは50年の歩みがございます。この中で、支援の担い手や制度が拡大してきたという歴史がございます。るかと思いますけれども、そちらを御覧いただければと思います。犯罪被害者等のための施策の歩みというのは50年の歩みがございます。この中で、支援の担い手や制度が拡大してきたという歴史がございます。  我が国におきましては、このピンクの色を付けているのが政府の取組になりますけれども、「犯罪被害者等のため」という支援を正面から捉えたのは、1981年に施行された犯罪被害者給付制度が最初でございます。その後、1990年代には、警察、検察の取組が加速いたしまして、また民間における取組も、この間、拡大しております。  そして、2000年代に入りますと、2004年の犯罪被害者等基本法の制定を契機といたしまして、国・地方・民間が連携を図りつつ、社会全体で被害者を支える段階へと進んでまいります。政府におきましては基本法に基づき、総合的な政策プランとして、先ほど近藤様からもお話がありましたが、犯罪被害者等基本計画を決定しておりまして、これに基づいて施策を進めております。  現在は、2026年3月17日に閣議決定をいたしました第5次の基本計画が、この春から運用開始となっている状況でございます。そして、この年表の中で2023年には国家公安委員会が司令塔になったと書いてございますが、国家公安委員会、警察庁が、先ほど申し上げた総合調整権限を付与されたことを受けまして、関係省庁と私ども連携をしながら、司令塔として施策の推進に当たっているという現状でございます。  ちなみに、オレンジ色を付しておりますのが法テラスの関係でございまして、この中の年表に入れることによって、被害者支援の歴史の中で法テラスというのがどのような位置付けなのかということが、何となく御理解いただけるかなと思ってございます。  続きまして、犯罪被害者等のニーズと取組の方向性ということを御説明申し上げたいと思います。先ほど近藤様からもお話がございましたが、犯罪被害者の方は被害に遭った直後から中長期にわたりまして、様々な形で困難に直面されます。  左に三つの絵が描いてある図がございますけれども、被害者のニーズといたしましては、三つに大別することができると考えております。一つは、一家の大黒柱を失った、あるいはけがや心の不調で仕事が続けられなくなったといった「日々の生活」、すなわち経済的支援に関するニーズがございます。  二つ目の「こころ・からだの健康」でございますけれども、例えばPTSDを発症したとか、心ない言葉で二次的被害を受けたといった方の、心と身体の健康に関するニーズというものがございます。  そして、三つ目といたしまして、事件の真相をお知りになりたい、あるいはお気持ちを伝えたいといったような、刑事手続などを「知りたい・関わりたい」といったニーズがございます。  おおむねこの三つのニーズに大別できると考えてございます。私どもが進めております犯罪被害者支援と申しますのは、すなわちこの三つのニーズを踏まえまして、被害者の方が再び平穏な生活を営むことができるように、途切れることなく支援を届けるということがその基本的な考え方になります。  右側が、それに応じてこれまで進めてきた施策の方向性でございますが、ピンクの部分にありますように、犯罪被害者等のニーズに見合った支援でありますとか制度を整備・充実させております。  そして同時に、青い部分になりますけれども、被害者の方々に支援を届けるための体制を整備しまして、社会の理解を醸成するという両面から、被害者の施策を講じているところでございます。  ここに五つの項目が並んでおりますが、これが犯罪被害者等基本計画に掲げられている五つの重点課題となっているところでございます。  以上が支援の取組の概要になりますが、ここからは犯罪被害者等の相談・支援体制についてお話し申し上げます。  今、御覧いただいているスライドは、被害者支援の現場におきます、主なステークホルダーを主体別に分類したものでございます。色分けをしてございまして、ピンクを付けているものが、主に警察の所管する支援の中核をなす関係者ということでございます。緑色が自治体でございまして、オレンジ色を付しているのが法テラスということになります。  このように法テラスも含めまして、多くの主体が現場の被害者支援を支えておりますけれども、これを更にイメージ図化したものがこちらでございます。  これらのステークホルダーの現場における連携状況を示したものが、このイメージサークル図でございます。被害者と最初に接する機会は、警察が仕事柄多いということでありますけれども、もちろん最初に法テラスに相談される方もいらっしゃれば、その他の民間の早期援助団体に相談される方もいらっしゃいます。  つまり、被害者の方にとってみては、このいずれの機関・団体も相談の入り口になり得るというところでございます。こうした中で、これだけの主体が提供しているそれぞれの支援に、被害者の方が御自身で、自力でたどり着くということは大変難しいと考えているところでございまして、令和7年度から、真ん中に「コーディネーター」という絵がございますけれども、都道府県にコーディネーターを配置するようにいたしまして、どの機関・団体に被害者の方が御相談されたとしても、コーディネーターに情報が集約されまして、関係者が一体となって、ワンストップで必要な支援につなげる仕組みを構築しているところでございます。  今、都道府県に配置と申し上げましたが、実態といたしましては、都道府県が早期援助団体、先ほど来、早期援助団体と申し上げているのは、被害者支援センターなどと俗称されておりますけれども、そちらに委託しているケースもございます。都道府県に配置されているコーディネーターの身分というのは、当然、都道府県職員になりますが、この早期援助団体に委託している場合というのは、コーディネーターは早期援助団体の職員ということでございます。  続きまして、その実際につなぐ仕組みをご紹介いたします。被害者の方はどの機関にも相談に行く可能性がございますけれども、通常は犯罪発生当初というのは、警察でありますとか、早期援助団体というものが身近な存在であることが多く、警察、早期援助団体とコーディネーターというものが、まず緊密に連携することが重要でございます。  そして、左下に実際に支援を提供する主体を幾つか並べておりますけれども、この支援を提供する主体から被害者の方に対してシームレスに支援を提供するために、都道府県に配置したコーディネーターが、①として、まず被害者の方に支援のニーズを聞き、支援のニーズの把握を行いまして、②として支援の内容を、必要に応じて関係者を集めた調整会議というものを開催して、支援パッケージをここで議論し、作成し、それを③として実際に犯罪被害者の方に提供していくという、こういった流れで進めているところでございます。た調整会議というものを開催して、支援パッケージをここで議論し、作成し、それを③として実際に犯罪被害者の方に提供していくという、こういった流れで進めているところでございます。  このコーディネーター制度につきましては、先ほど少し触れましたが、令和7年度から全国展開を進めておりまして、現在は46都道府県に114人を配置してございます。そして、今年度中には全都道府県で配置が完了する予定となっております。  このコーディネーターでございますけれども、様々な福祉の関係の支援につなげる技能と申しますか、知識といったものが必要になったり、あるいは被害者の方と接する上で、様々なカウンセリングの知識なども有していることが望ましいと考えておりまして、実際このコーディネーターの方につきましては、福祉の関係とか、あるいは心理の関係の資格を有している方が一定数いらっしゃいます。  おおむね3割くらいというところでございますけれども、残りの資格のない方がコーディネーターをしている場合でも、周りの職員でありますとか、あるいは関係機関・団体がコーディネーターをサポート、補完する体制を構築するように努めているところでございます。  実際に、このコーディネーターと法テラスのつながりというところに特化して資料を作ったのが、こちらのスライドでございます。当然、被害者の方の中には、精通弁護士の紹介を受けたい、民事法律扶助を受けたい、そして犯罪被害者の支援弁護士制度の活用をしたいといった、法的支援を求める方もいらっしゃいます。そのような場合には、コーディネーター、あるいは警察や早期援助団体が被害者から把握したニーズに基づきまして、法テラスと支援内容の調整を行って、そして法テラスから具体的な支援を提供いただいているところでございます。  また、本年から始まりました犯罪被害者等支援弁護士制度につきましては、運用に先立ちまして、対応した捜査員から被害者の方に対して制度を御紹介するなど、私ども警察としてもこの制度の周知に御協力しているところでございます。  このコーディネーター制度が更に有効に活用するように取り組んでいる活動がございまして、事案が発生した際に、すぐ関係者が連携して動けるようにするためには、日頃からの連携が重要になってまいります。このような観点から、各都道府県におきましては、法テラスも含む関係者を集めた被害者支援連絡協議会というものを開催しております。  先ほどコーディネーターが支援パッケージを作ると言ったのは、いわばケース会議になりまして、顔の見える関係を作るための連絡協議会というのは、顔の見える関係を作るための会議と御理解いただければと思います。この中におきましては、被害者のお考え、お立場を理解するための研修、実践的なシミュレーション研修等を実施しておりまして、実際の事案が発生した際にスムーズな連携が行われるように、体制を整備しているところでございます。  以上、御説明申し上げたことを最後にまとめさせていただきます。犯罪被害者等が求める支援は非常に多岐にわたります。その支援を実施する主体も様々でございます。このため、犯罪被害者等支援コーディネーターを中核とした、多機関ワンストップサービスの仕組みによりまして、関係する機関・団体が一体となって、被害者のニーズを踏まえた支援を提供していくことが必要でございます。えた支援を提供していくことが必要でございます。  この中にありまして、法テラス様につきましては、犯罪被害者を法的支援につなぐ役割を担っている重要なステークホルダーであると考えておりますことから、我々といたしましても、今後とも法テラスにおける法的支援を充実していただき、困難な状況にある犯罪被害者等を一人でも多く御支援いただくことを望んでおります。  また、地方公共団体、警察、民間の支援団体を含む関係機関・団体との連携ということも重要になってまいりますので、こちらとの連携も御協力いただければと考えているところでございます。 佐藤座長 吉田様、どうもありがとうございました。それでは、犯罪被害者支援に関しましてお二人からヒアリングを終えましたので、ここからは質疑応答と意見交換の時間とさせていただきます。  お二方の御報告内容に関する御質問や御意見がございましたら、挙手にて御発言いただければと思います。オンラインで御参加の委員の皆様は、挙手機能を使って御発言ください。質疑応答、それから意見交換の時間、大体20分から30分を予定しておりますけれども、犯罪被害者支援、重要なテーマですので、必要な時間を取りたいと思います。  なお、御質問の際には、どの報告者への質問であるかを明示して御質問いただければと思います。それでは、まず寺町委員お願いします。 寺町委員 近藤様、本当につらいお話をありがとうございました。私も子供が亡くなった事件の遺族会の方たちと一緒に活動したり、あるいは東京都の性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの相談員を務めてまいりました。その観点から少し補足的に発言をさせていただければと思っております。  資料2の8ページを御覧いただければと思います。こちらを見ていただきますと、今年の1月13日にスタートして、4月30日までの利用実績の速報値ということで、かなり性犯罪の事件の数が増えております。利用者も女性が多いということで、事案の内容の特徴からいたしましても、女性弁護士を望まれる方が多い中で、特に性犯罪の事件において、今回の制度の報酬体系が従来の日本弁護士連合会の仕組みよりも減額される可能性が高いという状況になっており、非常に女性弁護士たちを圧迫しているという現状がございます。  資料2の5ページの下段を御覧いただければと思います。※でなお書きがある部分ですけれども、この①・②の両方に該当すると50%基本報酬減額、一方に該当すると25%減額という仕組みになっておるのですが、この②の要件を見ていただきますと、まず一つ目の「加害者又はその代理人との交渉」ということで、性犯罪の場合に加害者側が示談を言ってこないこともありますし、また、被害者の方も積極的に接触を求めないという方もいらっしゃるのは、先ほど近藤様もおっしゃられたとおりです。  それから二つ目の丸で、犯罪被害者等給付金の支給の要件に該当しない方というのも多々おられます。また、「行政機関その他の関係機関又は団体への対応」というところにつきましても、行政機関への対応がないようなケースも多々ございます。  そして、「報道機関への対応」というのも、性犯罪の被害者の方は、むしろマスコミに知られたくないというニーズの方のほうが多くございまして、割とこの②の要件に該当してしまうケースが多く含まれているということがいえるかと思います。当してしまうケースが多く含まれているということがいえるかと思います。  そうしますと、原則として25%を基本報酬カット、しかも民事に移行すると、民事の方も10%カットということが適用されることになってしまいまして、従前の日本弁護士連合会の委託援助事業の方が報酬がまだよかったというのは、本当に近藤様がおっしゃられたとおりの状況で、性犯罪だとほぼそういう事件ばかりになってしまうということです。  特に女性弁護士への需要が高い分野で、ただでさえ女性弁護士の方が所得が少ないということも傾向としてはっきりしている中で、地方で特定の女性弁護士にばかり負担が過重していく状況があるということです。  心情的には本当に被害者の方を支援したい、社会正義を実現したい、そういう使命感で頑張っている人たちがたくさんいるのですけれども、でもやはり使命感だけではバーンアウトしてしまうという状況があるということを、是非御理解いただければと思います。 佐藤座長 寺町委員、先ほどの近藤様の御報告とも関連する貴重な補足説明、ありがとうございました。それでは大村委員、お願いいたします。 大村委員 近藤さん、非常に貴重なお話をいただきましてありがとうございます。そのお話の課題を達成していくためにも、警察庁の吉田課長からあった支援のネットワークの話は非常に重要だと思います。  質問をさせていただきたいのですが、この中核となるコーディネーターの方は、根拠はどういう形で設置されているのか、基本法などの関係だと思うのですが、その設置の根拠を教えていただきたいのが1点目です。  それから、2点目に、財源はどうなっているかということ。  3点目に、寄り添って長く支援する必要があると思いますが、都道府県には人事異動があります。その点はどのように考慮されていますでしょうか。  4点目に、各都道府県、先ほどのお話ですとコーディネーターは平均的には1人か2人かと思いますが、1人で何ケースくらい扱われるのか、その点を教えていただきたいと思います。 吉田課長 御質問ありがとうございます。お答え申し上げますと、根拠につきましては、こちらは法律に書いてあるものではございません。警察庁が出している通知に基づいてやっておりまして、あと、予算的な裏付けはあるというところが、強いて申し上げますと根拠ではあるのですが、そのような意味では、法令にまだこの仕組みを作れていないというところが、一つの今後の課題かなと思っているところでございます。  財源といたしましては、警察庁から都道府県に対して補助金を出して、2分の1の補助をしておりまして、その補助の用途といたしましては、人件費に要することに使っていただくこともできますし、研修を受けたりとか、あるいは移動したりとかいう、様々な活動費用に使っていただける補助金を出してございます。  人事異動につきましては、当然、県の職員の方がコーディネーターをされる場合には人事異動がございますので、そこは考慮しないといけないわけですけれども、警察庁におきましては、コーディネーターのために定期的に研修を実施しておりまして、そのような形で一定のスキルを身に付けていただける体制を整えているところでございます。  4つ目の御質問について、令和7年度から始めているものであり、配置を順次進めている関係から、全国でこういう数字の水準だということは明確に申し上げにくいのですけれども、一例で申しますと、ある都道府県につきましては大体40名を対応して、支援調整会議は15回しているというのが、おおむね去年の4月から12月の状況でございます。8か月の状況として、それくらいの対応をしているという実績がございますが、これはまだまだ数字をきちんと取っていかなければいけない段階でございます。 大村委員 分かりました。ありがとうございます。 佐藤座長 大村委員、よろしいでしょうか。それでは、赤堀委員、お願いいたします。 赤堀委員 近藤様及び警察庁の吉田様の御報告を踏まえて、法テラスにおける被害者支援について意見を申し上げます。経団連におきましても、犯罪被害者やその御家族や御遺族への支援の重要性について、警察庁と連携しながら理解の促進に取り組んでおります。昨年7月に開催した幹事会という会合におきましては、警察庁の幹部の方に犯罪被害者等支援について御講演いただくとともに、犯罪被害者週間の周知や広報啓発への協力の呼びかけをしていただきました。その際に頂いた「ギュっとちゃん」の人形を、経団連事務局に置かせていただいております。  企業としても、社員やその御家族が犯罪に巻き込まれた場合、一刻も早く平穏な社会生活を取り戻せるよう、社員が安心して働ける環境整備が必要だと考えております。犯罪被害者が孤立せず、社会全体で支えていくことが重要であるという認識は、経済界としても共有しているところであります。  その上で、法テラスによる犯罪被害者支援に関連して2点申し上げます。第一に、地域ごとの支援体制の偏在についてです。事務局資料にございますとおり、法テラスによる犯罪被害者支援については、地域によって実際に支援を担う契約弁護士の数や活動状況に、かなり差があるという点が大きな課題であると考えます。制度として存在していても、地域によって十分に機能しているところと、そうでないところがあるのであれば、被害者支援の地域格差が生じてしまいます。  そのため、単に担い手を増やすというだけではなく、なぜ地域による差が生じているのか、そのネックとなっている事情を丁寧に見極める必要があります。例えば、弁護士側の負担感、地域ごとの弁護士会の対応方針、あるいは支援ネットワークとの連携の未整備など、様々な要因が考えられます。  また、本日の吉田様の御報告にもありましたとおり、警察庁が主導する形で、各地で犯罪被害者支援のコーディネーター的役割を担っている方も増えてきているとのことでありますので、法テラス単独で考えるのではなく、そうした既存の地域ネットワークとも連携しながら、地域間の偏在を是正していくことが重要ではないかと考えます。  第二に、被害者支援を支える体制、財源の問題です。近藤様の御報告にもありましたとおり、犯罪被害者支援は、専門性が高く、継続的な体制整備と安定的な財源確保が必要な分野であります。法テラスの被害者支援業務についても、更なる充実を図る観点からは、なお財源面の課題もあるのではないかと感じています。  他方で、国の財源には限りがあります。冒頭で申し上げたとおり、そもそも犯罪被害者支援は行政だけで完結するものではなく、社会全体で支え合うという視点が重要ではないかと考えます。その意味では、法テラスが受けるしょく罪寄附の更なる拡大に向けた取組などにより、独自財源を充実させ、被害者支援の強化につなげていくことも検討していくべきではないかと考えます。た取組などにより、独自財源を充実させ、被害者支援の強化につなげていくことも検討していくべきではないかと考えます。  また、その関係で事務局にお願いですが、法テラスにおけるしょく罪寄附その他の寄附などの独自財源の受入れ額や、こうした独自財源の拡大のための更なる理解や協力を得るために行っている周知・広報活動の状況について、今後、御紹介いただければ大変参考になると考えています。 佐藤座長 ありがとうございました。地域ごとの支援体制の偏在の解消と、それから安定的な財源確保、非常に重要な御指摘であったと思います。御発言の中に、しょく罪寄附の充実について、現状の体制がどうなっているのかという御質問がありましたが、法テラスからお答えいただけますでしょうか。 髙橋本部事務局長 この点、追って確認をして回答いたします。 佐藤座長 それでは追って御説明をさせていただきます。重要な御指摘ありがとうございました。生水委員、お願いいたします。 生水委員 近藤様、吉田様、貴重な御報告ありがとうございます。正直、本当に近藤様のお話を伺って驚いています。なぜこのような新制度になってしまったのか。初めて知って、自分がもし被害者になった時に、このようなことではとても不安だし、誰も弁護士に助けてもらえない。そういったことは恐ろしいことだと思います。  寺町委員からも先ほど御指摘がありましたが、この新制度について、例えば日本弁護士連合会の方がこの新制度についておかしいとかいう意見を出されたのか、そこのところを伺いたいと思います。  2点目は吉田課長に伺いたいのですが、先日、私、地元の自治体に話を聞いたのですけれども、裁判が終わった性被害者の方の対応につきましては、地域の自治体等につないで、地域で支援を行っていくという方針の説明があったとのことでした。  このことにつきまして、先ほど御説明くださったコーディネーターの役割として、地域につないで、そこで終結となるのか。それか、このコーディネーターの役割としては、地域にたとえつないだとしても、その後もずっと一緒に関わりを持たれるのか、この辺りのもし決まっていることがありましたら、お教えいただければと思います。 佐藤座長 ありがとうございました。生水委員から2点、御意見と御質問があって、1点目は新制度について日本弁護士連合会としての意見表明があったのかということですが、これは寺町委員から御紹介いただくことでよろしいですか。 寺町委員 一応、事前に、昨年度の前半に日本弁護士連合会の犯罪被害者委員会、あるいは執行部と法テラスとの協議をしてきて、この結論になっているということです。そういう意味で申しますと、現場で担っている立場から見ると非常に残念な結果ですけれども、日本弁護士連合会としても、一応これについて合意をしたということにはなっております。 佐藤座長 日本弁護士連合会としての対応は以上のようですが、生水委員、よろしいでしょうか。今後少し議論すべき論点なのかもしれないなとは思っております。  では、2点目については、吉田様から御説明をお願いいたします。 吉田課長 御質問いただきました性被害の実例でございますけれども、性被害の方については、裁判が終わった後も、その後も精神的な苦痛に苦しまれるということもありまして、そこは長い支援が必要になるケースもございます。て、そこは長い支援が必要になるケースもございます。  そのような場合につきましては、自治体にその後つないだら終わりということではなく、コーディネーターの方がきちんと、その方がもう大丈夫だというところまで責任を持って見るということが、制度の基本理念となっているところで、そのように運用しているところでございます。  また、私の資料の7ページのサークル図に戻っていただきまして、真ん中に「都道府県」、「コーディネーター」と書いてございますけれども、その二つ隣に、「【内閣府】性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」というものがございます。性犯罪につきましては、いろいろな方にあまり知られたくないという方もいらっしゃいまして、例えば警察に行きたくないとか、そういったニーズも一定程度ございます。  そのような場合には、この内閣府のワンストップ支援センターにつないで、ここで対応していただくというケースもございますけれども、いずれにいたしましても、ちゃんとその方が回復するまで寄り添うということを基本としてございます。 生水委員 安心しました。「SATOCO(サトコ)」のことだろうと思います。ありがとうございます。 近藤氏 いいですか。 佐藤座長 近藤様からの御発言をいただいた後に、諏訪委員からの御発言を受けたいと思います。 近藤氏 しょく罪寄附に対してですけれども、被害者の中ではそれがとても嫌だという人もいます。私などは、損害賠償とかも払わないから何でもいいからとにかく払えと思うのですが、やはりそれは嫌だという被害者も結構いるということで、そこは難しいところです。もちろんいいという人もいるし、嫌という人もいるので、その受入れということが被害者にとってどういうマイナス面があるのかについて検討する必要があると思います。  ですから、本来はこんな大変なことというのは、国に本当に出していただきたいという思いはあります。でも、しょく罪寄附をまた別の形で、直接被害者にというのではなく、弁護士費用にするというのもおかしいのかもしれないですが、有効な使い方にはしていただきたいと思います。いろいろ提案していただいて、本当にありがとうございます。 佐藤座長 ありがとうございました。それでは、諏訪委員、よろしくお願いいたします。 諏訪委員 警察庁の方にお伺いしたいのですが、要は、これは予算の問題であって、例えば2025年度の『犯罪白書』によると、犯罪被害者等施策関係予算額は82億円と、額としては少ないと思うのです。  この予算というのは、基本的にはシーリングの枠内で、警察庁の中でいろいろ処理して捻出しなさいという種類のものなのか、それともシーリングを超えて、新しい課題なので国がもっとお金を出しますという姿勢の中で確保できる予算なのか、その点を教えてほしいということ。  やはり第5次の犯罪被害者等基本計画を見ていても、定性的には良いことを書いているのだけれども、予算額をどうしていきたいのか、あるいはどれくらいの方を助けていきたいのかといった定量的な目標がないために、かなり作文的に終わってしまっているのがとても残念です。のがとても残念です。  やはり予算をどれだけ増やしていくのかというのを、警察庁としても、あるいは関係省庁と話し合って、額を出して、どれくらいの方を助けるのでこうしますという方向性を出し、それから、先ほどしょく罪寄附もありましたが、足りなければ官民から基金を募るとか、あるいは郵便局の休眠預金を少しもらってくるとか、いろいろな形で集めるという努力もされた方がいいのではないかと思います。  基本的には、予算をどう増やしていくのかというその方向性と、それができれば、先ほどあった所得要件も撤廃するなり、あるいは300万円でパチッと切るのではなくて、500万円だと半額まで出すとか、被害者が所得に関係なく、まずは相談を受けて、それで後々どれくらい出していくかというような話をできるような仕組みに変えていった方が当然被害者の救援に役立つと思います。そういったパースペクティブをお持ちなのかどうか、お教えいただければと思います。 佐藤座長 それでは吉田様、よろしくお願いいたします。 吉田課長 この予算につきましては警察庁が全体を取っているということではなく、各省庁が取っている予算の額を合算した、トータルとして被害者の方のために使っている予算という形で、計上させていただいているものでございます。  こちらの予算につきましては、毎年の財政当局への要求の中で、それぞれ必要なものを要求していき、そして査定を受けてという通常のプロセスの中で獲得をしていかなければならないものでございまして、今、被害者施策に十分予算があるのかと言われますと、まだまだ足りないと思っておりますので、そこは各省一丸となって頑張っているところではございます。  他方で、今お話しいただきました、そういった予算にとらわれずに柔軟な形で財源を確保すべきだという議論におきまして、そういった御指摘は、これまでのこの基本計画を作る有識者会議の中でも御指摘をいただいているところでございまして、第5次基本計画におきまして、海外の事例をしっかりと調査すべしとされておりますが、財源につきまして各国の進んだ制度をしっかりと学んで、それを制度に活かしていくことを、この5年間の課題としているところでございます。  そして、一つ補足させていただきたいのですが、第5次基本計画につきまして、定性的な話ばかりで云々ということがございました。そのような記述が多いのは事実でございますけれども、今回の第5次基本計画から一つ設けましたこれまでと違う点といたしまして、最後に参考指標という項目を作ってございます。これは数値目標ではないので、今、委員から御指摘のあった部分に真正面から答えるものではございませんが、やはり我々も客観的に司令塔として各省の施策をチェックしていく上で、何らかの指標が在る必要があろうという問題意識がございまして、この参考指標というものを設けて、この数字を見ながら施策の効果を見ていくこととしておりますことを、補足させていただきます。 諏訪委員 ありがとうございました。 佐藤座長 それでは谷口委員、お願いします。 谷口委員 まず前提として、近藤さんがおっしゃられた制度の今の問題点や、こう改正すべきというところは、私も全て同意して賛成です。ただ、少しだけ、もしかしたら、この場に誤解が生じないようにしたいと思うことがあります。資料が今の制度のことしか書いていなくて、旧制度とどう変わったのかというところについてはあまり記載がない点を私から補足しておきたいと思いました。の場に誤解が生じないようにしたいと思うことがあります。資料が今の制度のことしか書いていなくて、旧制度とどう変わったのかというところについてはあまり記載がない点を私から補足しておきたいと思いました。  というのは、従前の制度に比べるとすごく画期的な部分も幾つもあって、そこの前進自身は評価しておく必要があるのではないかというところは指摘しておきたいと思います。  これだけの改善が進んだことは本当に大変だったと思うので、たぶんすごく努力された方々がおられるのだろうと思っています。一つは、やはり償還しなくてよくなったというのは本当に大きなところで、いろいろな分野でそれが言われていても達成できていたところが少なかったので、この点は本当に良かったと思います。  あとは裁判の支援だけだったものが、その前からスタートしたというところや、その包括的ないろいろな手続をできるようになって、この大きな三つの点が、たぶん旧制度からこの新制度は改善しているので、その点に関しては、現行制度の問題の前提として、すごく評価すべきところではないかと思います。  その上で、まだ足りない部分に関しては、次なる動きとして獲得していく必要があるのかなという、一応その整理だけはしておいた方がいいのかなと思いました。 佐藤座長 ありがとうございます。我々の理解を深める上で、大変重要な御説明でした。 板東委員、お願いいたします。 板東委員 先ほど御指摘のように、やはり地方偏在がかなりあるという、その辺りの理由のところをもう少し分析した方がいいのかなと思います。例えば、資料2の9ページ目を見ますと、先ほど御指摘の偏在が出ているのですが、一方で精通弁護士との比較も出ておりまして、長野県などはもともと精通弁護士の数は非常に多く上がっているのに、新制度の下で7名だけとか、岐阜県もかなり数に差があるので、何か制度的に、先ほど御指摘の報酬だけの問題ではない何かがあるのかどうかという点について、これは法テラスの方でお答えいただけるのか、あるいは弁護士会の方の関係も実情を教えていただいた方がいいのか、非常に疑問がございましたので、その辺りの分析があればお聞かせいただければと思いました。 佐藤座長 ありがとうございます。数字の背後にある理由の読み取りというのは、大変重要かと思います。これは日本弁護士連合会からお答えいただけますでしょうか。 高橋副会長 日本弁護士連合会の高橋です。私から、今、分かっている限度で回答させていただきます。  実は、この新制度というのは、スタートがもう決まっておりまして、そこまでの準備期間が必要だったというところがあります。そのために、契約弁護士を登録するための要件として、研修が必要だったり、いろいろなことがあって、各単位会においてその研修の体制が間に合わなかったりするという関係で、従来の精通弁護士が多くても、この制度に対応するための研修が遅れたり、単位会によっては研修システムを作るのに時間がかかってしまったということで、こんな状況になっております。  現段階では少しずつその辺りが改善されて、非公式というか、ここで公表できるようなはっきりした数字は申し上げられないのですが、増えつつあるということだけ御報告させていただきます。 佐藤座長 よろしいでしょうか。事務局から様々な資料が提出されて、その数字の背後にある原因を探るというのは、この有識者会議にとって非常に重要だと思いますので、今のような御質問は是非積極的にしていただければと思います。  それでは、一旦これで終了させていただきますが、近藤様、せっかくですので、これまでの一連の議論を聞いて、先ほどしょく罪寄附についての御発言がありましたけれども、最後に何か御発言があれば、あるいは先ほど時間の関係で言い足りなかったようなことがあれば、お伺いをしたいと思います。 近藤氏 本当に本日はありがとうございました。今、御質問された皆様が本当に犯罪被害者のことを理解してくださっていて、涙が出そうにうれしく思いました。私一人が「こんな大変なのよ、こんな大変なのよ」と言っても、皆様の中でどのくらい分かってくださるのかとても心配だったのですけれど、やはりそのような経験をされている弁護士の先生もいらっしゃいますし、どうしたら良くなるかということを皆様が考えてくださって、良い方向に持っていってくださるということが、ここで私、確認できましたので、本当にありがたく、ここに呼んでいただいて感謝しております。是非犯罪被害者のことを、これからよろしくお願いいたします。 佐藤座長 ありがとうございました。  近藤様、吉田様、本当にありがとうございました。  それでは、ここでまた5分ほど休憩を取って、次のテーマに移りたいと思います。 (休 憩) 佐藤座長 それでは会議を再開いたします。  引き続きまして、司法DXへの対応に関するテーマに入らせていただきます。まずは日本司法書士会連合会常任理事である内田雅之様と、同じく日本司法書士会連合会法テラスとの連携推進委員会委員長の奥村倫子様から15分程度のヒアリングを行います。  お二人からは、書類作成援助の課題のほか、本年5月に全面施行された民事訴訟手続のIT化に伴い、訴状等の電子申請が可能となったことに関する課題についてお話いただきます。では内田様、奥村様、よろしくお願いいたします。 内田氏 ただいま御紹介いただきました日本司法書士会連合会で常任理事を務めております、内田雅之と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は、非常に重要な論点の議論をなされている中で、こういった報告の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。司法書士の立場から、特に書類等作成援助の重要性と今後の在り方について、御報告をさせていただきます。スライドは11分の1からページを付けさせていただいております。11分の10、11については、日本司法書士会連合会が実施したモデル事業について、当連合会の法テラスとの連携推進委員会の委員長の奥村より御説明をさせていただきたいと思います。  本題に入る前に、少しだけ私の自己紹介と、現場の実情についてお話をさせていただきたいと思います。  私は現在、日本司法書士会連合会の担当者として、民事裁判のデジタル化への対応に取り組んでおりますけれども、ふだんは鹿児島市内に事務所を構えております。出身は鹿児島県の種子島というところです。離島でして、高校生まで種子島で過ごしました。現在も鹿児島市から種子島まで船で1時間半程度ですので、種子島にお住まいの方々の成年後見人を務めさせていただくなど、特に種子島、屋久島等の離島での業務にも多く携わっているところでございます。成年後見人を務めさせていただくなど、特に種子島、屋久島等の離島での業務にも多く携わっているところでございます。  これまでの議論の中でもございましたとおり、離島や地方では、法律の専門家にアクセスすること自体が、非常に高いハードルになっております。相談したくても窓口が近くにないですとか、相談の待機期間が長いといった司法過疎の問題は、今も深刻な課題であると認識しております。  ですので、地域の身近な法律家である司法書士の活用ですとか、これからお話しさせていただく書類等作成援助、そしてデジタル化による司法アクセスの向上といったものは、地方に住む市民の権利を守るために必要不可欠なものだと、日々痛感しているところでございます。本日はそうした地方の現場の視点も交えながら、お話をさせていただきたいと存じます。  それでは、スライドの1ページを御覧いただければと思います。私たちが今回最もお伝えしたいのは、何度も申し上げておりますけれども、書類等作成援助をより積極的に活用すべきである、活用していただきたいという点でございます。  市民が抱える法的トラブルの中には、必ずしも代理人を立てなくても、裁判所への提出書類を専門家が作成支援することで、御自身で十分に解決できる事案が一定数存在するという記載をさせていただいております。  特に、同時廃止が見込まれる自己破産申立ての事件ですとか、相続放棄、成年後見の申立てといった、ある程度、裁判所に提出する書類が定型化されている事件においては、書類作成のサポートが非常に有効であると考えております。  また、これらを活用することで、司法過疎地での相談窓口不足の解消ですとか、御高齢の方、障害のある方、被災された方への迅速な対応が可能となると考えているところでございます。  司法書士は簡易裁判所の所在地において99%存在しているという意味で、カバー率99%としています。このように、司法書士は全国津々浦々に根を下ろしておりますので、この人的インフラを活かさない手はないのではないかと考えているところでございます。  しかしながら、課題がございまして、現在の法テラスの利用実績を見ますと、令和6年度時点ではございますが、代理援助が10万件に上るのに対し、書類作成援助は約3,000件から4,000件ということで、代理援助の30分の1にとどまっているという現状がございます。  なぜこれほど少ないのかというところですけれども、書類作成援助が伸びない最大の要因は、制度上の谷間にあると考えてございます。現在、裁判所提出書類等の作成のための相談は民事法律扶助の対象になっておりません。そのため、初期相談の段階から書類作成までを、切れ目なく法テラスの制度内で完結させることが非常に難しく、結果的に代理援助のルートに流れてしまうという、構造的な課題があると考えております。  スライドの2ページ目を御覧ください。司法書士は、150年前の司法職務定制の制定後、一貫して、裁判所提出書類作成の専門家として市民に寄り添ってまいりました。現在では、法務大臣の認定を受けた認定司法書士が、140万円以下の簡易裁判所における民事訴訟の代理業務も行っておりますけれども、全ての司法書士に共通する業務は、裁判所提出書類の作成とその相談となっております。裁判所提出書類の作成とその相談となっております。  この点、司法書士法第3条第1項第1号から第5号までにより、全ての司法書士が行うことができる業務として、登記・供託手続の代理や、法務局、裁判所に提出する書類の作成、また、これに関連する相談があり、また、司法書士法第3条第1項第7号により、認定司法書士が行うことができる簡裁代理業務に関する相談の2種類が規定されております。このうち、司法書士法第3条第1項第5号に定める相談は民事法律扶助の対象外となっているということで、スライドでは丸の中に「法」のマークがありますけれども、この印を付けさせていただいている業務が民事法律扶助の対象になっており、第5号は対象になっていないという現状です。  スライドの3ページ目を御覧ください。現在の民事訴訟の実態として、これは統計の取り方というか、数え方にもよるかと思いますが、日本の裁判においては本人訴訟、つまり訴訟代理人を立てずに御自身で裁判を行う割合は非常に高くて、地方裁判所で約60%弱、簡易裁判所に至っては約95%弱が本人訴訟となっております。御自身で裁判に臨む理由は、自分で訴訟を追行したいという自己決定の尊重のみならず、費用対効果の問題ですとか、経済的理由など様々でございます。しかし、法律用語というのは非常に難解で、本人訴訟の当事者の方は、手続を含め、不安がつきまとっております。  そこで私たちが裏方に回り、書類作成を通じて当事者をバックアップする本人訴訟支援が、非常に重要な役割を果たしているのではないかと考えているところでございます。  続いて、スライドの4ページになります。令和8年5月21日に、改正民事訴訟法が全面施行されまして、民事裁判手続のデジタル化が進んでおります。訴状のオンライン提出ですとか、ウェブ会議の活用などの場面が広がっております。  裁判所に行かなくても手続ができるようになるということは、私が活動している離島などの地方にとって、正に画期的な変化であると考えておりまして、特に司法過疎地と呼ばれる地域における司法への距離を一気に縮める可能性を秘めているのではないかということで、私個人としても期待をしているところでございます。  これに合わせて司法書士法や総合法律支援法も改正されまして、法テラスの援助業務の中に、電磁的記録の作成が明確に位置付けられました。スライドにも書いておりますが、国会の衆議院・参議院の法務委員会でも、本人訴訟における弁護士や司法書士等による支援環境の整備などが附帯決議で求められています。  次にスライドの5ページを御覧ください。デジタル化というのは大変便利なのですが、その一方で、IT機器に不慣れな方にとっては新たな障壁、いわゆるデジタルデバイドを生むおそれがあると考えております。また、最近、報道等でもありましたが、海外の例を見ますと、今後はAIの活用により、本人訴訟が更に増加する可能性も指摘されているところでございます。  ただ、AIは不完全でして、虚偽の情報が混じっていたり、資料が膨大になったりする傾向があるということで、裁判所のリソースを圧迫するのではないかといった懸念も指摘されているところでございます。だからこそ、裁判所における円滑な審理を促進するためにも、専門家による電磁的記録作成を含む書類等作成援助の必要性は、今後、ますます高まっていくものと考えております。  日本司法書士会連合会では、司法書士法に定められた電磁的記録の作成と、本人サポートといわれるIT支援によって、これらの支援を行うための取組を始めているところでございます。ートといわれるIT支援によって、これらの支援を行うための取組を始めているところでございます。  スライドの6ページを御覧ください。日本司法書士会連合会ではIT化に対応した本人訴訟支援といたしまして、アカウント作成のお手伝いですとか、紙の証拠のPDF化ですとか、電子申立ての操作補助など、きめ細かなサポート体制の構築を進めているところでございます。  特設ページの開設や、動画での周知、また、全国の司法書士会に設置されている総合相談センターを通じた対応など、誰もがデジタル化の恩恵を受けられるよう取り組んでいるところでございます。また、内部的には、本人サポートを提供する司法書士への助成制度を創設する準備を進めております。  こういった網羅的な施策を進めまして、ITに不慣れな方のデジタルデバイドを緩和し、本人訴訟の円滑化に寄与していきたいと考えているところでございます。  7ページ目に移ります。ここで改めて課題に戻りたいと思います。先ほど申し上げた谷間の図解をしたものになりますが、現在、市民が書類作成だけ支援してほしいという形で、法テラスに仮に相談に来たとしても、書類等作成援助に特化した相談メニューがありませんので、通常は法律相談援助を案内されることが多いと感じております。法律相談援助の場合は、主に代理援助を前提としているため、結果的には書類作成にはつながりづらく、代理援助を利用することが多くなっているのではないかと思います。  私たちが提案したいのは、課題を解消した相談フローということで、法テラスの窓口で市民のニーズを的確に酌み取っていただき、ダイレクトに書類等作成援助につなぐルートを作ることです。そして、裁判所提出書類等作成に関する相談も援助の対象とすることで、相談から書類作成までをシームレスに、継ぎ目なく、市民の御負担がない形で完結できる仕組みを構築することだと考えております。この仕組みにつきましては、財務的にも非常に合理的だと考えております。  8ページを御覧ください。例えば、自己破産事件の場合、現在の規定では、代理援助では約15万5,000円の立替金が発生しますが、書類作成援助であれば約10万5,000円となり、費用削減になっております。  財務省の予算執行調査資料もお付けしておりますが、書類作成援助の活用を積極的に検討すべきとの指摘もありまして、各地方事務所へのアンケートでも、管財事件以外の自己破産事件や相続放棄の申述などについては、書類作成援助での対応が可能であるといった回答もなされているところでございます。   このような回答などを受けまして、実際に法テラスと連携して行ったモデル事業の結果を、次のスライドの9ページに掲載しておりますので、ここから奥村に交代し、報告いたします。 奥村氏 日本司法書士会連合会で、法テラスとの連携推進委員会の委員長をさせていただいております、奥村倫子と申します。よろしくお願いいたします。  ここからは私ども日本司法書士会連合会が、私の地元の愛知県を含め、神奈川、埼玉で実施をさせていただきました、書類作成援助活用のためのモデル事業の御報告と、そこから見えてきた、更なる書類等作成援助の活用の可能性について、御説明をさせていただければと思います。スライドは9ページになります。  これまで、内田が御説明をさせていただいたとおり、現在、民事法律扶助において、裁判所提出書類等の作成を前提とした相談は、法テラスでの援助の対象にはなっておりません。そのため、法テラスに寄せられた相談のうち、書類作成援助での利用が可能であると思われる案件につきましても、司法書士が法テラスの仕組みを使わず、司法書士独自で相談をすることは可能であるとしても、法テラスの仕組みの中で相談を行うことが現時点ではできないことになっております。  そこで、このような事案について、法テラスの御協力をいただきながら、司法書士の相談、書類作成を前提とした相談に配転をすることで、書類作成の利用につながるのかどうか、書類作成援助を求める方々のニーズに対応できるのかということを実証したく、法テラス本部、地方事務所の御協力をいただきながらモデル事業を実施いたしました。  愛知・神奈川・埼玉の三つで実施をしておりますけれども、各地域における法テラス地方事務所と司法書士会の連携状況は様々ですし、課題を見つけたいというところもございましたので、それぞれの地方事務所において、違う形態でモデル事業の相談枠を設置して事業を実施させていただきました。  実施に際しては、職員の方々にまず司法書士の業務を適切に御理解いただくことが最大の課題であると考えましたので、各地方事務所に私どもが直接出向かせていただき、司法書士業務の研修をさせていただくとともに、配転をしていただくときの留意点や課題になりそうな点についてもお話をさせていただいて、職員の方の不安の解消に努めながら事業をさせていただきました。  それでも事業を進めていく中で、職員の方々には疑問点等が出てくることもありましたので、各地方事務所に司法書士の副所長、私も愛知の副所長を務めているのですが、副所長を通じて、職員の方々の疑問の解消に努めさせていただいたり、副所長以外にも司法書士会とも連携しておりますので、司法書士会の担当者が個別にフォローさせていただいたりするなどの形をとりながら事業をさせていただきました。  このモデル事業を実施すると決まった後に新型コロナウイルス感染症が拡大してしまい、若干事業に影響が出てしまったというようなところもありますし、埼玉においては台風19号の被害が発生した時期に重なりまして、被災者法律相談援助が並行して進むといった事情もあり、相談の流れが通常時とは違う結果が出ているところはありますが、神奈川・愛知等においては、一定の予約数、相談件数、その後の書類作成援助の利用につながったという数字が出ていると感じておりまして、一定の実績を上げることができたのではないかと考えております。  スライド10ページを見ていただきますと、モデル事業を実施した時期以降、書類作成援助の利用件数は全国的には横ばいですが、愛知・神奈川では増加傾向になっています。ただ、それぞれの結果が出るまでに少々タイムラグが生じているところは各地域の実情があるとは思っておりますが、実績が出ていることになります。  また愛知では、モデル事業で取り組んだ、法テラス愛知、愛知県司法書士会との連携の中で、書類作成の相談を司法書士にしてもらうことで利用者の方が対応できている案件があるということで、協力を引き続きさせていただくことができていますので、モデル事業が終わりました後、令和5年の途中から、愛知県司法書士会の中に法テラスとの連携のための相談枠という特別な相談枠を設けて、扶助相談と書類作成を前提とする相談の両方に対応する、司法書士会独自の相談枠を司法書士会に設け、そこに相談を取り次ぐ連携を続けております。談の両方に対応する、司法書士会独自の相談枠を司法書士会に設け、そこに相談を取り次ぐ連携を続けております。  その結果、愛知では令和6年度の書類作成援助の利用件数が前年比で76%増となり、そこから書類作成の援助につながった案件が多く生じていると思っております。  このように、利用者の方が相談から書類作成まで、一貫して対応できるルートを適切に整備することができれば、書類等作成援助が市民の皆様のために機能する制度の一つになると思います。この先、DX、デジタル化が進む中で、本人サポートという司法書士会の取組も、書類等作成援助の中で活用していただくことになりますので、そのような場面でも必ずお役に立てる制度なのではないかと思っております。  私からの説明は以上とし、再び内田にマイクを戻させていただきます。 内田氏 最後にスライドの11ページで、まとめとさせていただきます。  これまでお話ししてきましたとおり、民事法律扶助制度をより市民の皆様にとって使いやすいものにするためには、3点が必要だと考えております。  一つ目は、書類等作成援助の谷間を解消し、切れ目なく支援につなげる仕組みを作っていくことです。  二つ目が、デジタル化への対応でございます。本人サポートや電磁的記録の作成に関する支援など、ITに不慣れな方を置き去りにしないための支援ですとか、環境整備が急務であると考えております。  そして三つ目が、司法アクセス改善と司法インフラの活用でございます。私の出身地である種子島は、弁護士の先生がお一人と司法書士が4名おります。人口は3万5,000人前後おりますが、隣の屋久島町は人口が1万数千人の中、司法書士が2人で、弁護士の先生はいらっしゃらない状況です。司法書士も高齢で、もう廃業したいという声も聞き及んでおり、司法アクセスという面では、地元を含めた司法過疎地が非常に問題になっているということを、私は常々感じているところでございます。  こういったところを受けまして、実情を把握した報酬体系の見直しについては、前回も議論されておりましたけれども、見直しを行っていただいた上で、離島ですとか地方を含む、全国どこでも等しく法の恩恵を受けられる社会を実現するために、全国津々浦々に存在する司法書士というインフラを、是非とも積極的に御活用いただきたいと思っております。  ただ、司法書士会にも契約司法書士数の増加を目指さないといけないことを始めとして課題も多くございます。しかしながら、私自身、種子島、鹿児島での現場において、特に多重債務などの法的なトラブルへの取組を行ってきましたが、そのような法的なトラブルに悩みながらも、相談先が分からずに一人で抱え込んでいた方々を数多く見てまいりました。  今回の検討会を通じまして、より法テラスがそのような方々に光を照らして、誰もが費用を抑えつつ、適切な専門家のサポートを受けながら、自らの力で紛争解決できる道しるべとなってくださることを心より期待いたしまして、報告を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。 佐藤座長 内田様、奥村様、御報告ありがとうございました。  それではこの司法DXへの対応に関しまして、お二人からのヒアリングを終えましたので、ここからは質疑応答と意見交換の時間とさせていただきます。御質問・意見交換の方法は省略させていただきます。質疑応答及び意見交換の時間、だいたい20分くらいが限度かと思いますけれども、その時間でよろしくお願いいたします。ので、ここからは質疑応答と意見交換の時間とさせていただきます。御質問・意見交換の方法は省略させていただきます。質疑応答及び意見交換の時間、だいたい20分くらいが限度かと思いますけれども、その時間でよろしくお願いいたします。  それでは、まずは寺町委員、よろしくお願いいたします。 寺町委員 ありがとうございます。私からは、意見をまず述べさせていただいた上で、五つほど質問させていただければと思います。  まず現在、法テラスの法律相談援助の利用につきましては、特別な研修を受けた認定司法書士の方に対しましては、債権額が140万以下の簡易裁判所において取り扱う事件において、現に既に、相談援助ということで認められていると認識しております。  その上で、ただいまは書類作成援助に関する相談に関する御意見を頂いたところでございますが、司法書士の業務というのは、飽くまで委託者の主張を法的に整序する、整えることにあるというのが裁判例でもございまして、委託者の主張を聴取するということは書類作成援助業務の正に中身で、その一環として行われている基本的な業務なので、既に書類作成援助業務に含まれているのではないかと考えております。  また、この部分を超えて書類作成援助の相談が行われてしまう場合には、法律で認められた司法書士、認定司法書士ではない司法書士の権限を超えて法律相談になってしまうおそれが高く、こういった違法行為にもつながりかねない可能性があることを、法的な機関である法テラスが業務の中で行ってしまう可能性があるということについては強く懸念しているところでございます。司法書士の権限を超えた相談が行われた場合に、かえって法テラスを利用される方々に不利益が生じてしまうのではないかという点も、大いに危惧しているところでございます。  その上で、質問をさせていただきます。まずスライドの3枚目、本人訴訟、代理人によらない訴訟支援というところで、本人訴訟の割合が、地裁が59.5%、簡裁が94.7%という記載がございます。  法テラスの対象となるのは基本的には個人ということで、個人の方に法人がくっついている場合だけ法人の事件もやるということになっている関係上、御確認したいのですが、簡裁の法廷に行きますと、貸金業者などの法人が多く出頭しているという印象を持っておりますが、このスライドで「本人」と書かれているのは、自然人・法人の双方を含む数字でしょうかというのが、質問の一つ目です。  それから質問の二つ目になります。9枚目のスライドの左下を拝見いたしますと、モデル事業では破産申立てが86%と大半を占めるということですので、モデル事業の内容についてお尋ねしたいと思います。  弁護士のサイドから見ますと、債務整理の相談を受けた際に破産申立書を作成するまでの間に、破産手続がいいのか、個人再生がいいのか、任意整理がいいのか。また、任意整理の前提として消滅時効が援用できないか、過払金が回収できないか。ちなみに過払金の額も140万円を超える場合も多々ございます。あるいは、生活保護受給者で破産一択に見えるような場合でありましても、詐欺とかギャンブルとか、そういう免責不許可事由がある場合には管財事件になるかならないかなど、微妙な事案が含まれております。  そのような、いかなる債務整理の方法がいいのか、メリット、デメリットを説明して、弁護士なりの意見を述べながら利用者に手続の選択をしていただいているのですけれども、司法書士の書類作成の相談の中身として、利用者にとって何が最善の手続なのかという部分については、書類作成の相談に含んでいるのか、いないのかということについてお尋ねしたいと思います。弁護士なりの意見を述べながら利用者に手続の選択をしていただいているのですけれども、司法書士の書類作成の相談の中身として、利用者にとって何が最善の手続なのかという部分については、書類作成の相談に含んでいるのか、いないのかということについてお尋ねしたいと思います。  3点目、書類作成援助で破産を申し立てる場合に費用が安く済むという御指摘がございましたが、破産申立ての書類を作成して本人が申し立てた場合に、裁判所が調査をする必要があるという理由で破産管財人を選任する場合、予納金が法テラスの実費立替基準の上限額を超えて高額、例えば30万とか50万とかになるケースがあると認識しておりますが、書類作成援助を選んだ場合に、その予納金等の経済的負担を利用者本人が負うケースが出てくるのではないかと思うのですが、その点についてはどのようにお考えになっていますでしょうか。  それから4点目、相続放棄についてですけれども、限定承認や一部の相続人による承認など、全員が相続放棄するだけではない、他の選択肢も含めてメリット・デメリットを説明する必要があると考えておりますが、相続放棄が適切な方法であるという部分についてはどのように振り分けていらっしゃるのか。利用者の利益を考えると、書類作成援助だけではなく、法律相談が必要な場面ではないのかというふうに思いますが、そこはいかがでしょうか。  最後の質問です。モデル事業では、司法書士会の職員の方が振分けをしてくれたというように理解したのですけれども、利用者の置かれた状況を聴き取って、法律相談ではなくて、書類作成援助の選択が適切だという振分けの判断はどのようになさるのか。これは、もし法テラスの事業ということになった場合には、法テラスのコールセンターなり予約を取る地方事務所なりで、職員の方が振分けをしなければいけないことになるかと思うのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。 佐藤座長 ありがとうございます。御意見に当たる部分と、具体的な質問5点ということでした。まず具体的な質問5点について、御説明よろしくお願いいたします。 内田氏 まず1点目、スライド3ページの、本人訴訟の「本人」に自然人・法人を含むのかという点につきましては、説明の中でも少し触れましたが、純粋な自然人だけではなくて、法人も含むものだと考えておりますので、そのように御認識いただければと思います。  次に、2点目は、スライド9ページ、「破産申立」が「86%」ということで、これはモデル事業の中でどのように考えたかという御質問でよろしかったでしょうか。 寺町委員 そうですね。いかなる手段を採用するかが債務整理の方針を立てるときに非常に重要だという認識でおりまして、そこは我々法律相談だと認識しているのですが、モデル事業の86%は、法律相談を経ないで破産申立てでよいという振分けをしているということなのだと思います。そこではどういう御判断をされているのか。書類作成相談には、そういう債務整理の手段を選ぶような意見にわたる部分の法律相談というのは含まれてこないのかというところを、御確認したいと思います。 奥村氏 これから先、相談自体をどのように考えるかという点は、また別のお話になるかと思っているのですけれども、最後の寺町委員の御質問にあったところにも関連しますが、モデル事業をさせていただくときには、そもそも法テラスの職員の方が司法書士相談に振り分けるのか、弁護士でやっているセンター相談に振り分けるのか、それ以外の関係機関に紹介するのかという、法テラスの地方事務所に入った問合せをどこの相談で対応するか振り分けていただくという事業でしたので、司法書士会の職員は、一切その振分けなどの判断はしていないところになります。談に振り分けるのか、弁護士でやっているセンター相談に振り分けるのか、それ以外の関係機関に紹介するのかという、法テラスの地方事務所に入った問合せをどこの相談で対応するか振り分けていただくという事業でしたので、司法書士会の職員は、一切その振分けなどの判断はしていないところになります。  法テラスの職員の方々に対応していただくに際しても、司法書士が遂行できる業務は幅が広く、書類作成でも様々な事案があると思いますが、書類作成援助の利用が多い事案として、破産、成年後見、相続放棄というのが実績として上がっているため、その辺りを中心にと思っている中で、利用者の方が法テラスに問合せをしてこられたときに、例えば破産をしたいといったお話をされたところを、まず一つの基準に考えていただいていたというところはあるかと思います。  その中で、司法書士が何でもできるかというと、そうでもないところもありますので、モデル事業のとき、特に愛知等で気をつけていた点としては、免責不許可事由があるような事案、ギャンブル等で破産に至る要因がある、2回目の破産である、過去に事業をやっていた、会社を今、並立していて、個人の破産と会社の破産双方を申し立てたいなど聴き取りの時点で分かったものについては振分けしないでくださいというお願いをしており、それに基づいて対応していただけていました。  また、法テラス愛知では、司法書士のセンター相談、民事140万円以内の相談も並存しておりまして、職員の方が、司法書士の代理権の範囲内の相談が何で、それに当たらない相談が何かというところの、ある程度のスキルがありましたので、そこのところはもし破産というようなお話があったとしても、借金の総額を聞いた上で一番大きな借金の額は幾らですかと、3社で300万と言われたら、一番大きな1社は幾らですかというようなところの聴き取りまでしていただいた上で相談という形にしていました。  代理権を超える相談にはならないように、モデル事業を実施する時点では、法テラスの職員の方も慎重に取り扱われておられましたし、そういうところの割当てを法テラスの方がしてしまったことで、職員の方に利用者の方から苦情が入ってもいけませんので、司法書士の代理権の範囲内で対応可能な相談を割り振っていただくというように、最初の神奈川などはなかなか難しい部分があったのですが、反省点を生かして、最後に実施した愛知ではそのような点に留意しながら、当時は職員の方に、利用者の方が破産をしたいというところで書類作成でも対応できるであろう案件について、配転をしていただいていました。 内田氏 続きまして4点目の、限定承認ですとか相続放棄はどちらが適切なのか、そのような判断をするときには法律相談が必要になるのではないかといった御指摘ですが、これにつきまして、誤解を招かないように先に御説明させていただきたいのが、司法書士法第3条第1項第5号に定める相談というのは司法書士法に定められた立派な業務でありまして、その範囲内で相談を受けて費用を頂くということは、当然認められていると私どもは認識しているところでございます。  ですので、書類作成援助にその費用が含まれているかどうかという御意見がありましたけれども、その点については今回の議論の対象ではないと思いますが、前提として、司法書士法第3条第1項第5号の相談というのは適法な相談であると考えております。  その上で、仮に、例えば法律相談が必要になるのではないかといった相談が来た場合にどう対応するのかというところについては、司法書士の業務では日常的に考えられるところでございまして、基本的には法律相談が必要と判断した場合には、法テラスの仕組みでいえば法律相談援助につないでいくことになるのだろうと思われます。にどう対応するのかというところについては、司法書士の業務では日常的に考えられるところでございまして、基本的には法律相談が必要と判断した場合には、法テラスの仕組みでいえば法律相談援助につないでいくことになるのだろうと思われます。  実際、日本司法書士会連合会で行いましたアンケートによりますと、紛争性のある遺産分割協議の相談があった場合にどのように対応したかといった調査を行った結果、複数回答にはなりますが、85%近くが「弁護士に相談するよう勧めた」という回答をしていますし、その他の回答においても弁護士会や法テラスを紹介したという回答になっており、多くの司法書士がそのような対応をしているのが現状であろうと思っております。  ですので、基本的には今後このような相談を認めていただくことを検討していく中では、法テラスの方で弁護士さんですとか他の専門職との連携が重要になってくると思いますので、法テラスではその中心になっていただいて、連携の要の役割を担っていただければと考えているところでございます。  最後に、モデル事業の振分けの判断基準については、先ほど奥村からの説明と重複するので省略させていただきたいと思います。 佐藤座長 ありがとうございました。寺町委員、とりあえずよろしいでしょうか。   赤堀委員、お願いいたします。 赤堀委員 司法DXについて1点申し上げたいと思います。経団連といたしましては民事訴訟法の改正に当たり、IT化の推進に向けた意見を公表してまいりました。  民事訴訟手続の全面IT化が施行され、法テラスの書類作成援助業務についても、従来の訴状等の作成支援だけでなく、電磁的記録の作成等も対象に含まれることになったということでございました。  こうしたIT化の動きは利用者の利便性の向上だけでなく、現在の企業実務や社会全体のデジタル化の流れとの整合性を確保する観点からも非常に望ましい方向性であり、是非積極的に進めていただきたいと思っております。  他方で、裁判所と弁護士との間でIT化が進む中、仮に法テラスだけが紙を前提とした運用のままであると、法テラスが関与する場面だけ紙の提出ややり取りが必要になるといった、極めて非効率な状況も生じかねません。本日、法テラスの東京地方事務所を視察させていただきましたが、率直に申し上げて、ファクスや紙を前提とした業務の文化が、なお非常に強く残っているという印象を持ちました。  もちろん利用者への配慮、とりわけデジタル機器の利用に不慣れな方への丁寧な支援は不可欠であり、直ちに全てをデジタル化することは難しい面もあるとは思いますが、今回の司法DXを一つの契機として、法テラスにおいてもできる限り紙による業務を減らしていくため、利用者支援と業務効率化の両立を図りながら具体的な取組を検討していく必要があるのではないかと考えております。 佐藤座長 ありがとうございました。重要な論点をいろいろ御指摘いただきました。もう少し検討すべき点があるということが本日は確認できたと思いますが、時間になりましたので、一旦今日はこれで終了させていただきます。  最後に赤堀委員から御指摘のあった司法DXは、利用者の利便性向上と業務効率化、両方にまたがってもう少し検討すべき課題であると思います。このことも確認できた点は非常に重要であったと思います。いろいろと御質問・御発言、どうもありがとうございました。は非常に重要であったと思います。いろいろと御質問・御発言、どうもありがとうございました。  この後に、冒頭申し上げましたように本日のヒアリングの意見交換を受けての補足的な御意見、あるいはこれまでの会議を踏まえて言い足りなかったことについての御要望等をお受けする時間を設ける予定でしたが、既に時間がなくなりましたので、次回以降、また改めて、そのような時間を設けさせていただきたいと思います。  皆様、本日も様々な御意見、御議論をいただきありがとうございました。本日お伺いした御意見は座長と事務局において整理をさせていただき、更に本検討会において改めて深く掘り下げた議論を行う回を設けたいと考えております。それに向けて準備を進めさせていただきます。  それでは時間になりましたので、本日の第4回会議はここまでとさせていただきたいと思います。最後に、事務局から今後のスケジュールについて説明をお願いいたします。 青木参事官 今後のスケジュールについて御説明させていただきます。  第5回会議でございますけれども、事前に御案内しておりますとおり、7月3日金曜日午前10時から午後0時30分を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。法務省会議室での開催を予定しております。次回のテーマでございますけれども、「関係省庁・地方自治体等の関係機関との連携の在り方に関して」とさせていただきたく存じます。 佐藤座長 以上をもちまして第4回会議を終了させていただきます。   本日はどうもありがとうございました。 ―了―