法制審議会 刑事法(犯罪被害者関係)部会 第1回会議 議事録 第1 日 時  令和8年7月30日(木)   自 午前10時02分                        至 午前11時07分 第2 場 所  中央合同庁舎第6号館A棟7階会議室 第3 議 題  1 部会長の選出等について         2 諮問の経緯等について         3 犯罪被害者等の刑事手続への関与等に関する規律の在り方についての意見交換         4 その他 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○松島幹事 ただいまから、法制審議会刑事法(犯罪被害者関係)部会の第1回会議を開催いたします。 ○佐藤(淳)委員 法務省刑事局長の佐藤でございます。 本日は、御多忙のところ、犯罪被害者等の刑事手続への関与等の在り方についての御審議に御出席いただき、誠にありがとうございます。 部会長が選任されるまでの間、慣例により、私が進行を務めさせていただきます。   最初に、この度、当部会が開催されるに至った経緯等につきまして、御説明申し上げます。   本年6月15日、法務大臣から、「犯罪被害者等の刑事手続への関与等の在り方に関する諮問」(諮問第130号)がなされ、同日開催された法制審議会第205回会議において、この諮問については、まず部会において審議すべき旨の決定がなされました。 そして、同会議において、この諮問について審議するための部会として、「刑事法(犯罪被害者関係)部会」を設けることが決定され、同部会を構成する委員及び幹事が、法制審議会の一任を受けた会長から指名され、本日御出席いただいたところでございます。   委員・幹事の方々におかれましては、初対面の方も少なくないかと存じますので、まず、自己紹介として簡単にお名前、御所属等を伺えればと存じます。 自己紹介をしていただく順番ですが、荒木委員から着席順にお願いいたします。 ○荒木委員 大阪地方裁判所の裁判官の荒木でございます。私は裁判官としての経験ほとんどを各地の裁判所で裁判実務を担当してまいりました。大阪からの参加ですので、ウェブという形で参加する機会も多くなるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 ○川出委員 東京大学の川出と申します。大学では刑事訴訟法と刑事政策を担当しております。よろしくお願いいたします。 ○古賀委員 東京高等検察庁の公判部長をしております古賀と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ○小西委員 早稲田大学法学学術院で教員をしております小西暁和と申します。大学では刑事政策、犯罪者処遇法、少年法といった科目を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○酒巻委員 早稲田大学で刑事訴訟法を教えております酒巻でございます。どうぞよろしくお願いします。 ○佐藤(隆)委員 慶應義塾大学で刑事訴訴法を担当しております佐藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ○池亀幹事 池亀と申します。千葉大学に勤めております。刑事訴訟法を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○川瀨幹事 最高裁判所刑事局第一課長をしております川瀨と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ○北嶋幹事 最高裁判所家庭局第一課長をしております北嶋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ○久保幹事 弁護士の久保と申します。第二東京弁護士会に所属しております。刑事事件の弁護人を務めることが多いですが、犯罪被害者の代理人や被害者参加弁護士を務めることもあります。私自身、公判前整理手続に付された事件や被告人が無罪を主張する事件の被害者参加弁護士を務めたこともあります。どちらの立場であったとしても、法律の範囲内で依頼者の意向に沿って最善の努力をすることを心掛けております。本部会では弁護人及び被害者参加弁護士の経験を踏まえて発言したいと思っております。よろしくお願いいたします。 ○中山幹事 警察庁刑事局刑事企画課長の中山です。どうぞよろしくお願いいたします。 ○吉田(誠)幹事 内閣法制局第二部の参事官をしております吉田と申します。よろしくお願いいたします。 ○重松委員 警察庁刑事局長の重松と申します。よろしくお願いいたします。 ○田岡委員 弁護士の田岡と申します。香川県弁護士会に所属しております。私も久保弁護士と同じように、刑事事件の弁護人を務めることが多いのですけれども、逆に犯罪被害者から依頼を受けて、被害者参加弁護士やその代理人を務めることもございます。どちらの立場であったとしても、法律の範囲内で努力をするというのが弁護士の責務であると考えておりますので、本部会では、いずれの立場ということではなく、それらの経験を踏まえて発言したいと考えております。よろしくお願いいたします。 ○平城委員 最高裁判所刑事局長の平城でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○宮下委員 日本テレビ報道局の宮下と申します。現在は真相報道バンキシャほか、幾つかの報道局の番組の責任者をやっておりますが、それ以前は社会部の記者として、あるいは取材の責任者として事件、事故、あるいは司法関係の取材をずっと続けてまいりました。この場では、私以外のほかの皆さんと違って私は法律のプロではございませんけれども、プロと一般国民の間をつなぐ立場でありますので、その立場でいろいろと関わらせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。 ○𠮷澤委員 和歌山弁護士会に所属しております、日弁連犯罪被害者支援委員会の事務局次長を務めております、弁護士の𠮷澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ○米田委員 新全国犯罪被害者の会、副代表幹事を務めております米田龍玄といいます。東京弁護士会所属の弁護士でもあります。私が入った事務所のボスが岡村勲という弁護士でして、昨年亡くなるまで、その薫陶を受けてまいりました。東京弁護士会の被害者委員会の委員長や日弁連の被害者委員会の委員も歴任しております。長年、被害者遺族の事件を多数手掛けておりまして、被害者参加事件ですと、上訴審も含めて40件以上を担当しております。新あすの会の会員の声とともに、自身の経験も含めて、少しでも部会の皆様に遺族、被害者の置かれた状況をお伝えしたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○松島幹事 法務省刑事局参事官の松島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○玉本幹事 法務省刑事局で刑事法制管理官を務めております玉本でございます。よろしくお願いいたします。 ○吉田(雅)幹事 法務省大臣官房審議官の吉田でございます。よろしくお願いいたします。 ○佐藤(淳)委員 ありがとうございました。   なお、本日、井上関係官は御欠席でございます。   次に、部会長の選任手続に移りたいと存じます。 法制審議会令第6条第3項により、部会長は、部会に属すべき委員及び臨時委員の互選に基づき、会長が指名することとされております。 そこで、早速、当部会の部会長を互選することといたしたいと存じますが、部会長の選任手続について、御質問等はございますでしょうか。   御質問等はないようですので、皆様の御意見を伺いたいと存じます。どなたか、御意見はございますでしょうか。 ○佐藤(隆)委員 僭越ながら、部会長選任について御意見を申し上げたいと思います。法制審議会の総会の委員であり、また、これまでに複数の部会で部会長、委員をお務めになったという御経歴や、被害者関係の諸制度、公判前整理手続に関する研究を含む刑事法の分野における御業績に照らして、本部会の部会長には酒巻匡委員が御適任であると考えます。 ○佐藤(淳)委員 ほかに御意見はございますでしょうか。 ○平城委員 誠に僭越なところではございますけれども、私としても、刑事訴訟手続はもとより被害者法制に関しても精通していらっしゃいますし、また、長年法制審議会の総会、部会の委員等として、法制審議会に御尽力いただいているところでもございますので、酒巻委員が適当ではないかと考えるところでございます。 ○佐藤(淳)委員 ほかに御意見はございますでしょうか。   ただいま、佐藤隆之委員、平城委員から、酒巻匡委員を部会長に推薦する旨の御提案を頂きましたが、この御提案に対して御意見等はございますか。   ほかに御意見はないようですので、当部会の部会長として、酒巻匡委員が互選されたということでよろしいでしょうか。 (一同異議なし) ○佐藤(淳)委員 酒巻委員におかれても、部会長をお引き受けいただくということで、よろしいでしょうか。 ○酒巻委員 よろしくお願いいたします。 ○佐藤(淳)委員 ありがとうございます。それでは、互選の結果、酒巻匡委員が部会長に選ばれたものと認めます。その上で、法制審議会会長に部会長を指名していただくこととなりますが、酒巻委員御自身が法制審議会会長でいらっしゃいますので、山本和彦法制審議会会長代理に部会長を指名していただこうと思います。 本日は、電話による指名となりますので、山本会長代理と連絡を取るまでの間、一旦会議を休憩とし、午前10時20分から再開したいと存じます。   では、一旦休憩といたします。              (休     憩) ○佐藤(淳)委員 皆様御着席のようですので、会議を再開いたします。   山本会長代理と連絡を取ることができ、山本会長代理により、酒巻匡委員が当部会の部会長として指名され、これをもって、酒巻委員が部会長に選任されました。酒巻委員には、部会長席に御移動いただき、この後の進行をお願いしたいと存じます。   それでは、酒巻部会長、よろしくお願いいたします。 ○酒巻部会長 ただいま、部会長に選任されました酒巻でございます。 議事が円滑に進みますよう、部会を運営してまいりますので、皆様方の御理解と御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。   まずは、法制審議会令第6条第5項により、部会長に事故があるときにその職務を代行する者をあらかじめ部会長が指名しておくこととされておりますので、指名をいたします。   川出委員にお願いしたいと思います。川出委員、どうぞよろしくお願いいたします。 ○川出委員 はい、承知いたしました。 ○酒巻部会長 次に、関係官の出席の承認の件でございます。本日は御欠席ですが、法務省特別顧問の井上正仁氏に関係官として当部会に出席していただきたいと考えております。よろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○酒巻部会長 それでは、井上関係官には、当部会の会議に御出席願うことといたします。   次に、当部会の議事録について、その作成・公開の方法を決めるに当たりまして、まず、これまでの法制審議会における議事録の取扱いについて、事務当局から説明をお願いします。 ○松島幹事 これまでの法制審議会における議事録の取扱いについて御説明をいたします。 議事録の公開方法に関しては、平成23年6月6日に開催された法制審議会第165回会議におきまして、総会については、発言者名を明らかにした議事録を作成した上で、これを公開することを原則とする一方、法制審議会の会長において、委員の意見を聴いて、審議事項の内容、部会の検討状況や報告内容のほか、発言者等の権利利益を保障するため当該氏名を公にしないことの必要性、率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれの有無を考慮し、発言者名等を公開することが相当でないと認められる場合には、これを明らかにしないことができることとされました。   また、部会についても、発言者名を明らかにした議事録を作成した上で、これを公開することを原則としつつ、それぞれの諮問に係る審議事項ごとに、総会での取扱いに準じて、発言者名等を公開することが相当でないと認められる場合には、これを明らかにしないことができることとされました。 したがいまして、当部会におきましても、発言者名を明らかにした議事録を作成した上でこれを公開することが原則となりますが、部会長におかれて、委員の皆様の御意見を聴かれた上で、ただいま申し上げたような諸要素を考慮して、発言者名等を公開することが相当でないと認められる場合には、これを明らかにしないこととすることができることとなります。 ○酒巻部会長 ただいまの御説明について、何か御質問はございますか。   よろしいでしょうか。それでは、ただいまの御説明を踏まえて考えますと、当部会における審議の内容を広く国民の皆様に知っていただくという観点からも、発言者名を明らかにした議事録を作成し、これを公開することが相当ではないかと考えるところでございます。 そこで、私といたしましては、発言者名を明らかにした議事録を作成した上で、原則としてこれを法務省のウェブサイト上において公開するという取扱いにしてはいかがかと考えます。 もっとも、今の説明にあったとおり、審議事項の内容その他の事項を考慮して、発言者名等を公開することが相当でないと考えられるような場合には、その都度皆様にお諮りして、部分的に公開しない措置を採ることとしたいと考えますがいかがでございましょうか。              (一同異議なし) ○酒巻部会長 御異議はないようですので、議事録につきましては、発言者名を明らかにしたものを作成の上、原則としてこれを公開するという取扱いとさせていただきたいと思います。   それでは、さきの法制審議会総会におきまして、当部会で審議を行うように決定のありました諮問第130号について、審議を行います。   まず、諮問を朗読してもらいます。 ○松島幹事 諮問第130号。 第5次犯罪被害者等基本計画(令和8年3月17日閣議決定)の趣旨に鑑み、犯罪被害者等の公判前整理手続への関与、被害者参加制度の対象犯罪、犯罪被害者等による公判手続等の傍聴並びに告訴及び告発に関する規律の在り方について、御意見を賜りたい。 ○酒巻部会長 次に、事務当局から、諮問に至った経緯及び諮問の趣旨等について説明をしてもらいます。 ○玉本幹事 諮問第130号につきまして、諮問に至った経緯及び諮問の趣旨等について御説明申し上げます。   本年3月に閣議決定され、本年4月から新たな計画期間が始まった「第5次犯罪被害者等基本計画」においては、5つの重点課題が掲げられており、刑事手続に関するものとして、犯罪被害者等の「刑事手続等への関与拡充への取組」が重点課題の一つとされております。 この「刑事手続等への関与拡充への取組」には、複数の検討事項等が掲げられており、法制度の在り方についての検討を要するものが含まれていることから、この諮問に至ったものです。   次に、諮問の趣旨等について御説明申し上げます。 今回の諮問は、第5次犯罪被害者等基本計画の趣旨に鑑み、犯罪被害者等の公判前整理手続への関与、被害者参加制度の対象犯罪、犯罪被害者等による公判手続等の傍聴、告訴及び告発に関する規律の在り方について、御審議をお願いするものです。   これらのうち、犯罪被害者等の公判前整理手続への関与に関する規律の在り方に関しては、基本計画において、「犯罪被害者等のニーズを踏まえ、公判前整理手続の趣旨等にも留意しつつ、現行の刑事訴訟制度の基本構造に反しない範囲で犯罪被害者等又はその代理人弁護士による公判前整理手続への関与の在り方について、制度と運用の両面から多角的な検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。」とされています。   次に、被害者参加制度の対象犯罪に関する規律の在り方に関しては、基本計画において、「被害者参加制度の対象犯罪を拡大することに関する犯罪被害者等の要望があることを踏まえ、現行の対象犯罪が定められた趣旨との整合性、非対象事件の犯罪被害者等との間の均衡等の課題があることも考慮して、被害者参加制度の対象犯罪の拡大の要否、可否等について多角的な検討を行う。」とされています。   次に、犯罪被害者等による公判手続等の傍聴は、公判手続・少年審判手続・医療観察審判手続の傍聴を含む趣旨であり、これらに関する規律の在り方に関しては、基本計画において、「犯罪被害者等のニーズを踏まえ、犯罪被害者等のプライバシー等に配慮した公判の傍聴の方法について、いわゆる優先傍聴の在り方、犯罪被害者等がビデオリンク方式により公判を傍聴することやその具体的方法、遮蔽措置の利用を含め、多角的な検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。」などとされています。   最後に、告訴及び告発に関する規律の在り方に関しては、基本計画において、「告訴への適切な対応」が盛り込まれているところ、今後、オンラインでも告訴及び告発をすることが可能になる中で、引き続き、これらに適切に対応するため、法制度の在り方についても検討する必要があると考えられたことから、基本計画により検討が求められている他の法整備事項と併せて、御審議をお願いすることとしたものです。   御説明は以上です。 十分に御審議の上、できる限り速やかに御意見を賜りますよう、よろしくお願いいたします。 ○酒巻部会長 次に、事務当局から、配布資料について説明をしてもらいます。 ○松島幹事 配布資料について御説明いたします。 本日は、配布資料1から5までをお配りしております。 配布資料1は、先ほど朗読した諮問第130号です。 配布資料2は、第5次犯罪被害者等基本計画の「第3 刑事手続への関与拡充への取組」のうち、今回の諮問事項に関連する部分を抜粋したものです。 配布資料3は、刑事手続等に係る犯罪被害者関係の主な立法の経緯をまとめたものです。 配布資料4は、被害者参加制度の創設等を内容とする平成19年の刑事訴訟法等の改正に関して、平成25年1月から平成26年7月まで、法務省において開催した「平成19年改正刑事訴訟法等に関する意見交換会」の議論の概要のうち、今回の諮問事項に関連する部分を抜粋したものです。 配布資料5は、今回の諮問事項に関連する基礎的な統計資料です。   配布資料の御説明は以上です。 ○酒巻部会長 ただいまの事務当局の説明内容について御質問等がございましたら、お願いいたします。   よろしいでしょうか。それでは、諮問事項の審議に入りたいと思います。   本日は、第1回目の会議ですので、委員の皆様の問題意識を相互に理解し、共有するため、諮問事項に関して、今後の検討に向けた総論的な御意見や、今後の審議の進め方についての御意見を頂くのが有益ではないかと思います。 特に御異論がなければ、そのように本日の審議を進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。              (一同異議なし)   ありがとうございます。それでは、そのように審議を進めさせていただきます。   諮問事項に関して、御意見等のある方は、挙手の上、御発言をお願いします。 ○𠮷澤委員 被害者支援の立場から、今回の具体的施策に対する各論点に関する意見を述べたいと思います。   まず、告訴についてなのですけれども、刑事訴訟法230条などにより、本来は適正な告訴は受理しなくてはならないと解されているにもかかわらず、実務においては、犯罪の成立要件とは違う、例えば内容の特定、横領の際の使途であったり動機であったり、そういった被害者側には分かりようがないことまで求められて、不当に受理されないということも実際にありますので、そういったことがないよう適正迅速に、オンラインになっても告訴は受理されるべきであると考えております。   公判前整理手続への関与の在り方の検討という点ですが、まず関与の対象として、公判前整理手続だけではなく、実際多く行われている事実上の打合せ期日への関与についても併せて検討すべきことを述べておきたいと思います。そして、いずれにつきましても、公判における被害者参加を十分に行うためには、期日に被害者等や代理人弁護士が在席する必要があります。実務におきましては、公判前整理手続や打合せ期日で事実上公判の中身が決まってしまっており、現在は全てが決まってしまった後の審理計画、証拠関係を基に公判で参加をしているという状況になっています。   なお、これらについては検察官を通じて被害者参加人等の要望にこたえることで足りるという意見もあるかもしれませんが、実際はそれでは全く十分ではありません。裁判員裁判においては先に審理日程が決定されており、それが事実上変更不可能である中、その期日の直前まで審理計画が変更されたり、証拠についても統合捜査報告書にどこまで入れられるのかとか、抄本とする場合にどこまで残すのかとか、そういった擦合せが直前までばたばたとなされることがよくあります。被害者側が幾ら検察官に状況を確認しましても事前、事後の説明がなされず、気付いたら被害者側としては使ってほしいと当初思っていた証拠が撤回されていたり、統合捜査報告書になる過程で抜け落ちていたり、それが事後的にしか分からないということが多くあります。これでは公判で想定していた訴訟活動をすることができず、被害者参加制度が認められた意味がなくなってしまうので、被害者側が公判前整理手続や打合せ期日に在席し、関与することは絶対に必要と考えております。   次に、被害者参加制度の対象犯罪の拡大についてです。まず、罪名としてストーカー行為等の規制等に関する法律違反、私事性的画像記録提供等罪、性的姿態等撮影罪等、迷惑防止条例違反、児童福祉法違反、暴行、住居侵入などについては対象犯罪とすべきと考えます。これらについては当初参加制度の対象犯罪とはなっていなくても、その後、特に性犯罪に関しては、新しい犯罪類型ができたり重罰化がなされるなど、社会の認識が変容しているといえますし、また、こういった犯罪も対象事件と同様、被害者にとっては大きな被害体験であり、大きな恐怖を感じるという点では変わりがありません。また、現在実務において支障が生じているという点から言いますと、科刑上一罪となる場合の被害者参加の非対象事件や、例えば殺人・死体遺棄で起訴されている場合の死体遺棄罪など、非対象事件については、参加制度を利用している際にも厳密にそれらを区別して訴訟活動を行うことが非常に困難という現状がありますので、参加の対象としていただきたいと考えています。   傍聴について述べます。特に性犯罪などについては、事件の内容について知りたいと思っていても、傍聴席というオープンな場所で自分の姿をさらして傍聴するのはプライバシーの侵害にもつながりますし、また、精神的にとてもできないということになります。そのため、ビデオリンク方式での傍聴や遮蔽措置の利用、この遮蔽措置については、被害者側からはよく状況を確認したいという要望がありますので、片面的遮蔽が望ましいと考えておりますが、そのように被害者が選択できる方策を多く備えてもらいたいと思っています。   また、被害者遺族が多数の事件については傍聴希望も多くなる一方、耳目を集める裁判であるため、報道機関の席も相当数確保しなくてはならないということで、どうしても物理的に裁判所の傍聴席を確保すること自体が困難となってしまうことがあります。そもそも被害者や御遺族は被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有することから、優先傍聴の配慮を行うように定められている中、この被害者多数の事件については、個々の被害者側の事情は全く関係がなく、ひとえに裁判所の施設のキャパシティーの問題により物理的に傍聴ができないということになっているのですから、こういった観点からもビデオリンク式による傍聴は認められるべきと考えております。   少年保護事件や医療観察対象事件については、被害者が受けた被害そのものは変わらず、加害者側の事情によって通常の事件との間に大きな差が生じているという状況です。いずれについても審理が非公開で、傍聴が許可されたとしても人数の制限が非常に厳しく、被害者の代理人弁護士には被害者参加弁護士のように独立した関与の枠が認められておりません。実際、傍聴が認められても被害者本人とあと1人ということが多く、弁護士が入るとその他の家族は入れませんし、また、被害者が入院中であったりすると被害者が傍聴できない以上、代理人弁護士も傍聴できないといった不都合もあります。代理人弁護士については独立した傍聴の枠が認められるべきですし、傍聴のニーズにこたえ、かつ少年や医療観察審判の対象者に対する影響を軽減し得る方策として、ビデオリンク方式による傍聴なども認めるべきだと思います。   さらに、医療観察審判の傍聴については裁判所の裁量が広く認められており、傍聴が不許可となるケースも多いですが、その理由も明らかではありません。ですから、医療観察審判については、当初審判だけではなく、退院に係る審判を含め、例えば傍聴は原則認め、例外的にこういったケースについては許可しないなどといった規定を設ける必要があると考えております。 ○酒巻部会長 ほかに御意見等のある方は、どうぞ挙手をお願いいたします。 ○米田委員 第5次犯罪被害者等基本計画策定の議論に関しては、令和5年5月以降の会議に随行として間近で傍聴しておりました。刑事手続に関しても、委員を通じて改正すべき点をかなり申し上げましたが、中でも今回諮問対象として取り上げていただいた被害者参加対象犯罪の拡大、公判前整理手続への参加、少年審判、医療観察審判における傍聴、刑事事件に関する傍聴についても、いずれも私自身、支援弁護士として多数の事件を担当してきた身としても不条理と必要性を感じてきたところでありました。   重大事件であればあるほど、被害者遺族は事件の当事者であり、全ての手続を知りたい、関わりたいと思っております。そのことは、お手元に配付された第5次犯罪被害者等基本計画の抜粋の中の冒頭でも述べられているところであります。特に裁判員裁判では、公判前整理手続に付され、遺族は年単位で待たされ、事件はどうなっているのかと落ち着かない日々を過ごしています。もちろん期日の度に検察官に問合せをして内容の説明は受けておりますが、事案によって長引く要因は様々ではあるものの、検察官からの説明を受けるというのではどうしてもディテールが落ちてしまうということがあります。それなのに、いざ公判期日が始まると、僅かな期間であっという間に裁判が終わってしまいます。殺人事件ですら、短ければ3日程度で駆け足のように終わってしまうこともあります。   被害者遺族は事件の当事者として刑事裁判を見届け、被告人や弁護人がどういった主張をするのか、少しでも知りたいと考えています。また、被害者遺族は被害者の視点で事件を見ておりますので、検察官とはまた少し違った視点ということがございます。ですので、検察官を通じてということであると、どうしても検察官が見落としてしまうということが生じてしまいます。被害者参加制度自体、刑事手続に適切に関与するために認められたものでありますので、そのための準備である公判前整理手続について被害者遺族が参加し、適切な発言ができるようにしていただきたいということは、正に法の趣旨に合致するところであると考えております。この点、公判前整理手続については実務上、打合せ期日が重ねられているのが実態でありますので、打合せ期日を含めていただきたいということは𠮷澤委員が述べたところと同じです。   そして、ここでまた傍聴なのか参加なのかという点がございますが、正に事件の当事者である犯罪被害者が適切に関与するというときに、権利として保障されることが犯罪被害者等基本法、基本計画の基本理念であります。傍聴というのはどうしても部外者がはたから眺めるという表現になってしまいますので、他人ごとではなく、当事者として参加をさせていただきたいと思います。被害者参加制度は平成19年の法律で平成21年から導入されていますが、公判においても、例えば被害者遺族が不適切な発言をするなどということはめったになく、裁判所の訴訟指揮によって十分な公判が実施されていると承知しています。公判前整理手続においても被害者遺族が参加したからといって特段の弊害は生じないものと考えておりますので、公判前整理手続への参加をお願いしたいと思います。   なお、証言の可能性がある場合に懸念点が挙げられることがありますが、個々の事案について、もし支障があるということであれば、都度、裁判所の訴訟指揮によって、その期日については参加しないということも十分あり得ると思います。実務上も、公判において証人として予定されている場合には証言まで参加を控えるというようなことが現に行われております。   次に、被害者参加対象犯罪の拡大について述べますが、趣旨としては既に𠮷澤委員が述べられたところと重なるところもありますので、少し省略を致しますが、対象事件として、𠮷澤委員が述べた犯罪のほかに、児童福祉法違反や児童買春、児童ポルノに係る行為の規制及び処罰等並びに児童の保護等に関する法律違反についても含めていただきたいと思います。また、暴行罪、住居侵入罪に関しては、ストーカー行為が行われた場合に、ストーカー規制法で検挙するのではなくて暴行罪、住居侵入罪で検挙される事例も多数ございますので、そういう意味で、これらも参加の対象に含められるようにしていただきたいと思います。   私の担当した事件では、ストーカー事件やリベンジポルノの事件で、被害女性がどうして自分が狙われたのか、どうしてそのようなことをしたのか、被告人に問いたい、あるいは裁判所に意見を述べたいと願っていましたが、被害者参加対象事件ではなく、一部検事にできる限り代わって質問をしてもらいましたが、やはり被害者参加のようにはうまくいきませんでした。何より、参加人であれば法廷で遮蔽措置をとることで被告人や傍聴人から見られずに手続を見届けることができますが、参加対象事件でないと、そのすべがありません。傍聴席で傍聴人に紛れて身を潜めて傍聴しましたが、途中でどうしても涙があふれてしまって、ほかの傍聴人からも奇異に見られるため席を立つなどしておりました。次の諮問事項である傍聴人に対する遮蔽やビデオリンク傍聴が認められることでクリアされる点もあるかとは思いますが、被告人質問や被害者論告など被害者参加に係る手続が認められるためには、被害者参加の対象犯罪として認めていただきたいと思います。   少年審判と医療観察についての傍聴については、おおむねこれも𠮷澤委員が既に述べられたところではありますが、いずれの事件も被害者にとってみれば命を奪われた、あるいは重大な被害を受けたという点では通常の刑事事件とは何ら違いがないにもかかわらず、加害者の属性によって被害者遺族の権利利益の擁護という観点において不合理な格差が生じているという点がいえると思います。特に、医療観察事件は平成15年に成立した法律ですので、犯罪被害者等基本法が成立したのが平成16年ですから、被害者保護法制から取り残された形になっています。医療観察における被害者の適切な関与については特に認められるよう、御審議をお願いいたしたいと思います。 ○酒巻部会長 ほかに、どうぞ御意見を。 ○田岡委員 被害者参加制度の在り方を検討するに当たっては、この制度の在り方を変更することによって現行の刑事訴訟の基本構造を変容させるおそれはないか、また、それにより被告人の防御権が不当に害されるなどの弊害が生じることはないかといった観点からの検討が不可欠であると考えます。 改めて申し上げるまでもありませんが、刑事訴訟法は公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし刑罰法令を適正かつ迅速に適用、実現することを目的としております。その目的を達成するために、検察官が訴因を設定し、事実についての主張立証を行い、弁護人がこれに対する防御を行い、これらを踏まえて公平中立な裁判所が判断を行うという基本構造を採用しております。被害者参加制度は、このような刑事訴訟の基本構造を維持しつつ、これを損なうことがない範囲内で参加を認めたものであると説明されてまいりました。そして、このような範囲内にとどまる限り、被害者参加制度により被告人の防御権が不当に害されることにはならないとも説明されてまいりました。第5次犯罪被害者等基本計画でも、現行の刑事訴訟制度の基本構造に反しない範囲でという文言が使われておりますので、このような基本構造を変更することは想定されていないことが、議論の前提として確認されるべきであると考えます。   その上で、日弁連は平成19年に被害者参加制度が導入された際に、この制度が刑事訴訟の基本構造を覆すこと、被告人の防御権に困難を来すおそれがあること、証拠法則が空洞化するおそれがあり、裁判員制度が円滑に機能しなくなるおそれがあることなどを理由として、制度の導入に反対する意見を表明しておりました。また、附則9条に基づく3年後見直しの際には、被害者等が不同意となった書証を実質証拠として引用して尋問を行ったり意見を述べたりするなど、刑事手続上の証拠法則が乱される弊害が現に生じていることなどを指摘した上で、被害者参加がなされた事件では心情意見陳述を制限することや、手続二分制度を導入した上で被害者参加の許可を量刑手続に限定することなどを提言しておりました。しかし、平成19年改正刑訴法に関する意見交換会では、心情意見陳述の制限や手続二分的運用の要否等についても議論はされましたが、関係者の意見が一致するに至らず、運用の改善に委ねるとして、立法的な措置は見送られることとなりました。 しかし、私が見聞きする限りでも、公訴事実に争いがある事件において被告人質問や心情意見陳述の機会を利用して、検察官の証明予定事実には記載されていない事実を前提にした質問や意見陳述がなされたり、不同意書証で検察が撤回している書証など証拠能力が認められていない証拠を具体的に引用した質問や意見陳述がなされた事例は枚挙に暇がありません。また、被告人質問や心情意見陳述の機会を利用して、捜査段階における黙秘権の行使や公判前整理手続における予定主張の明示やその変更、さらには上訴権の行使など、被告の権利行使について被告人を不当に非難する質問や意見陳述がなされた事例も多数報告されております。これらは、被害者参加人の訴訟行為が刑事訴訟の基本構造の範囲を逸脱し、被告人の防御権が不当に害されるおそれが現実化した事例であると言わざるを得ないように思われます。 また、被害者参加がなされた事件では、被害者参加人等の出席可能な日程を調整する必要があることに加え、法廷の確保や職員の配置、遮蔽措置の準備など様々な事務負担が伴うために、円滑な期日指定が困難になり、審理期間が長期化するという弊害も生じています。   このような様々な弊害が現に生じていることを踏まえますと、被害者参加制度や心情意見陳述の在り方を検討する前提として、その運用実態を正確に把握した上で、それが刑事訴訟の基本構造の範囲内に収まっているのか、また、被告人の防御権が不当に害されるなどの弊害は生じていないのか、運用面でむしろ改善すべき点があるのではないかといった観点からの検討が不可欠であると考えます。その上で、諮問第130号の諮問事項についても、平成19年改正刑訴法に関する意見交換会で運用の改善に委ねることとされた経過を踏まえて、現在、制度の在り方を変更する必要性が新たに生じているのかどうか、制度の在り方を変更することによって、先ほど申しましたような様々な弊害というものが生じないのかどうかといった観点からの検討が必要であると考えます。あわせて、事実認定に対する不当な影響を排除するために、事実認定手続と量刑手続を区分する手続二分制度を導入した上で、被害者参加の範囲を量刑手続に限定することについても検討する必要があると考えます。 ○酒巻部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○久保幹事 田岡委員がただいま述べられた点につきましては、いずれも私としても賛成いたします。公判前整理手続が導入されて以降、大きな課題として公判前整理手続の長期化が指摘されてきました。その要因につきましては様々な分析が行われていますが、現在も課題は解消されておりません。迅速な裁判を受ける権利はそれ自体、憲法上の重要な要請です。今回議論する内容が刑事裁判全体に果たしてどのような影響を与えるのか、迅速な裁判への影響も含めて、広い観点での検討が不可欠です。   新しい制度を検討するに当たっては、ニーズのみでそれが許容されることにならないのは、様々な法改正の議論においても指摘されてきたところです。今回の議論におきましても、ニーズに関する意見があるとしても、それによりどのような弊害が生じ得るのか具体的かつ慎重な議論が不可欠です。これまで被害者参加制度の問題点は、被害者のニーズのみならず刑事訴訟制度の基本構造との関係からも様々な問題が指摘されてきました。今回の諮問では第5次犯罪被害者等基本計画の趣旨に鑑みとされておりますが、田岡委員も指摘していたとおり、この基本計画では、犯罪被害者等の公判前整理手続への実質的参加は現行の刑事訴訟制度の基本構造に変容をもたらし得ることから慎重な検討を要するという点も指摘されております。   しかし、この刑事訴訟制度の基本構造という観点での問題については、必ずしもこれまで十分な検討の場があったとはいえません。取り分け刑事訴訟制度上の当事者たる被告人の立場から見て、そのような基本構造との関係でどのような影響が生じているのか、あるいは生じ得るのか、さらには防御権や迅速な裁判を受ける権利にまで影響が及び得るのかを検討することなく、ただ新しい制度を検討することがあってはなりません。検討の際には、既存の制度の導入当時に想定された前提が現在の運用においても維持されているのかについても検証が必要だと考えます。   今回、自身の経験だけでなく、広く弁護士の経験を踏まえた発言ができるよう、第二東京弁護士会の委員会内や刑事事件を取り扱う弁護士にも広くアンケートをとりましたが、田岡委員が指摘されたのと同様の事例や、証拠に基づかない質問、意見陳述がなされた事例が複数報告されました。私自身の担当した事件でもそうした弊害が顕在化した事件は多くあります。他方で、私が被害者参加代理人を務めた事件の元依頼者である被害者御遺族の方にも意見を伺いましたが、被害者多数で争点のある事件でもありましたので、相当長期にわたる公判前整理手続ではあったものの、一度も公判前整理手続に参加したいと考えたことはないとの御意見でした。また、知りたいと感じることと、刑事訴訟の構造上知るべきかということは別の問題であるという趣旨の御意見も頂きました。果たして現行法にどういう点に問題があるのか、その問題にはどのような方法で対処すべきなのか、慎重に議論できればと思います。   先ほど𠮷澤委員、米田委員から視点として御提示いただいたニーズには様々な点が含まれておりまして、例えば、統合捜査報告書の内容それ自体への関与をも含むものでした。公判の直前まで統合捜査報告書の内容の調整が続くということは、正に被害者の方というのが公判の直前まで潜在的に証人となり得る可能性を残し続けているということを示しています。そうした被害者の方のニーズが公判前整理手続への実質的な関与により解消されるべき問題なのか、そして、それがそういう形で解消されることが刑事訴訟法の基本構造に反しないのかという点が看過されてはなりません。   本部会においては当然、刑事訴訟制度の基本構造や被告人の権利保障に重大な影響を及ぼすような制度については慎重な議論がなされるものと承知していますが、刑事裁判が被告人の有罪、無罪を決め、判決が出た後はもちろん出るまでの身体拘束の期間にも影響する場であることを踏まえた議論をしていただきたいと考えております。 ○酒巻部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○古賀委員 本日は総論的なところということで、犯罪被害者関係の施策につきましては、犯罪被害者等基本法の制定を含めまして、これまで犯罪被害者等の権利利益の保護を図るために必要な立法が随時積み重ねられてきたと承知しております。検察庁においてはこれまでも、そうした立法の趣旨や犯罪被害者等の御意向を踏まえて実務上適切に対応してきたところであり、本部会においては、こうした検察の実務の観点から意見を述べることで充実した議論に寄与していきたいと考えているところです。   ここで、諮問130号にも入っております告訴・告発の関係で若干申し上げさせていただきます。告訴・告発については、単なる犯罪の情報提供とは異なりまして、受理した場合には捜査を遂げて事件を処理する必要があるなど法律上様々な効力が生じることになるわけです。その一方、受理に関する規律というものが明確ではなく、判断に困難を伴う場合が少なくないという実情がございます。それに加えて、告訴・告発を端緒とする事件については、それ以外の事件と比較しまして、捜査を尽くしても嫌疑がないですとか、あるいは罪とならないなどの理由によって不起訴処分となることがそれ以外の事件に比べて割合が顕著に高くなっているということがございます。   詳しくはまた今後の議論でということにはなりますけれども、本日お手元に配布していただいております統計資料の一番最後、第7表にもそういった数値が出ているところでして、第5次犯罪被害者等基本計画にも掲げられているとおり、告訴について可能な限り迅速かつ適切に対応していくことが必要なことから、この機会に告訴・告発に関する規律の在り方全体について合理化の余地がないかどうかということを検討することは有益ではないかと考えており、この観点からも検察実務の観点から意見を述べて、充実した議論になっていけばいいなと考えているところです。 ○酒巻部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○佐藤(隆)委員 概括的な話で恐縮ですけれども、最初の会合ですので、手短に意見を申し述べておきたいと思います。   公判前整理手続への関与、被害者参加制度の対象犯罪、傍聴時のプライバシーへの配慮といった点につきましては、犯罪被害者等のニーズももちろんですけれども、各制度の趣旨やこれまでの議論状況をも踏まえつつ、今後の検討を行う必要があると考えております。 また、先ほど、古賀委員から御発言がありましたけれども、告訴・告発につきましては、実務上対応に困難が生じているなどの課題があるのであれば、制度全体として、より合理化を図る余地があるかどうかということも含めて検討することが考えられるように思います。 ○酒巻部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○荒木委員 本日は第1回ということですので、個別の制度などについて具体的に発言することはしませんけれども、裁判という枠組みを通じて、いろいろな被告人ですとか被害者の方々が抱える事情、思いというものは、聞かせていただくことはあるのですが、本日改めて、各弁護士の委員や幹事の皆様からの問題意識を伺いまして、より良い被害者参加の制度を形作っていくため、どちらの利益に偏るということなく、実情なども把握しながら精査をした上で、変えるべきところと維持すべきところを見極めていかなければいけないなという思いを新たにしたところです。これから様々な御意見を伺える機会があると思いますので、それを真摯に検討させていただければと思っております。 ○酒巻部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○小西委員 今後の進め方に関わるところですけれども、これまでもいろいろな委員・幹事の皆様が御経験を踏まえて御発言され、特に実務的な観点からの御経験も踏まえてお話を頂きましたが、今回の諮問事項というのは直接的に被害者の方に関わることでありまして、被害者の方などから見た課題や意見を直接お伺いする、そのような必要もあろうかと思います。この部会では、委員・幹事の皆様の中には被害者の方、当事者の方は今回はいらっしゃらないとも把握しております。それぞれの委員・幹事の皆様はいろいろと御経験もあろうと思いますし、刑事政策学の観点からすれば、我々はそれぞれ被害者性や加害者性というのを持ちながら社会を形成しているという面もあるのですが、ただ、やはり当該事件で実際に被害者だった方から直接お話をヒアリングとしてお伺いする機会を設ける、御遺族の方などからもお話をお伺いする機会も、政策や施策における当事者の関与というのが今非常に重要だと思いますので、そうした場を今後設けていく必要があるのではないかと思います。 ○酒巻部会長 ヒアリングの御提案ということですね。   ほかにいかがでしょうか。 ○池亀幹事 私からも是非ヒアリングをお願いしたいと考えております。ヒアリングにおいでいただく方についても意見を申し述べさせていただきたいと思うのですけれども、犯罪被害者等のニーズを踏まえるという第5次犯罪被害者等基本計画と今般の諮問を踏まえますと、通常の刑事の公判手続を御経験された犯罪被害者等の方々にとどまらず、可能であれば少年審判手続や医療観察審判手続を御経験された犯罪被害者の方々においでいただくのがよろしいのではないかと考えております。 ○酒巻部会長 多くの方から意見を頂きましたが、ほかにいかがでしょうか。   よろしいでしょうか。   それでは、今まで様々な御意見を頂いたところですが、本日の審議はここまでとしたいと思います。   次回の議事については、本日頂いた御意見も踏まえ、そして、先ほど小西委員と池亀幹事からヒアリングの御提案も頂きましたので、犯罪被害者・関係者の方々からの直接の御意見を伺うという意味で、ヒアリングを行う方向で調整をしたいと思います。ヒアリングの対象者として適任者がいらっしゃる場合には、短期間となり恐縮ですが、令和8年8月4日までに委員、幹事の皆様から事務当局までお知らせください。 次回の日程も含めて、調整の上、できるだけ早期に確定させ、事務当局を通じて、皆様にお知らせすることとしたいと思います。 そのような方針でよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○酒巻部会長 どうもありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。   本日予定していた議事につきましては、これで終了いたしました。 本日の会議の議事につきましては、特に公開に適さない内容にわたるものはなかったと思われますので、さきに定めたとおり発言者名を明らかにした議事録を作成して公開することとさせていただきたいと思います。また、本日の配布資料についても公開することとしたいと思いますが、そのような取扱いでよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○酒巻部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。   本日の議事はこれで終了しましたので、閉会といたします。   皆さん、どうもありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。 -了-