売買春に係る規制の在り方検討会 (第8回) 第1 日 時  令和8年8月24日(月)   自 午前 9時31分                        至 午前10時37分 第2 場 所  中央合同庁舎第6号館A棟20階会議室 第3 議 題  1 取りまとめ報告書(案)について         2 その他 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○栗原参事官 ただ今から、売買春に係る規制の在り方検討会の第8回会議を開催いたします。 ○北川座長 本日は、御多用中のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。まず、事務当局から、お配りした資料について説明をしていただきます。 ○栗原参事官 本日は、配布資料7として、「取りまとめ報告書(案)」をお配りしています。その内容につきましては、後ほど御説明いたします。 ○北川座長 それでは、議事に入りたいと思います。前回会議におきまして今後の議論の進め方について、本日の会議で取りまとめ報告書の案をお示しすることも含めて私の方で検討する旨をお伝えし、御了承を頂いていたところです。その後、これまでの本検討会における議論の内容を改めて精査した結果、本日の会議では取りまとめ報告書の案をお示しして、本検討会としての意見の取りまとめに向けた議論を行うことが適当であると考えるに至りました。   取りまとめの方法につきましては、特段の定めはありませんけれども、本検討会の趣旨に照らしますと、論点ごとに、どの論点についてどのような意見があったのかが分かるような形で議論を整理して取りまとめることが適当ではないかと思われました。そこで、そのような方針の下、座長である私の責任において、事務当局に取りまとめ報告書の案を作成してもらいました。   本日は、事前に事務当局を通じて皆様にお伝えいたしましたとおり、その案に基づいて議論を行っていきたいと存じます。そのような進め方とさせていただくことでよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○北川座長 ありがとうございます。それでは、まず、本日お配りしてあります配布資料7の「取りまとめ報告書(案)」の構成等について、事務当局から説明をお願いいたします。 ○栗原参事官 配布資料7の「取りまとめ報告書(案)」は、本検討会におけるこれまでの御議論を踏まえ、座長の御指示の下、事務当局において作成したものです。   全体の構成としては、「第1 はじめに」で、本検討会の趣旨等について記載をした上で、「第2 本検討会の開催状況」で、本検討会の開催状況等について記載しています。そして、「第3 各論点についての議論の結果」で、論点ごとに、委員の皆様からの御意見を要約して記載をし、「第4 終わりに」で、本検討会の総括的所見を記載しています。   「取りまとめ報告書(案)」についての事務当局からの御説明は、以上です。 ○北川座長 それでは、この報告書案に沿って、取りまとめに向けた議論をお願いしたいと存じます。本日の会議では、新たな観点からの御意見を頂くのではなくて、これまでの議論を前提としつつ、報告書案の記載に関し、より適切なものとするという観点から、具体的な御意見を頂戴したいと考えております。   そこで、議論の進め方ですけれども、まず、この報告書案の全体の構成、「第1 はじめに」、そして「第2 本検討会の開催状況」の記載について、まとめて御意見を頂くこととし、次に、メインテーマである「第3 各論点についての議論の結果」の記載について、論点ごとに順次御意見を伺い、最後に「第4 終わりに」の記載について御意見を伺うこととしたいと思います。   それでは、早速ですけれども、まずこの報告書案の全体の構成、そして「第1 はじめに」、「第2 本検討会の開催状況」の記載について、御質問や御意見がありましたら、いずれの項目についてのものであるかを明らかにした上で、御発言をお願いします。   よろしいでしょうか。それでは、最初の方の全体の構成等については特段御意見がなかったということで、先に進めさせていただきます。   それでは、メインテーマの「第3 各論点についての議論の結果」について、まず、「1 売春の定義(法第2条)」の記載について議論を行いたいと思います。この点につきまして御質問や御意見がありましたら、御発言をお願いいたします。 ○古川委員 この全体について異論等はございませんけれども、4ページの一番下の「○」の文章、下から3行目から始まる文章ですが、私はこれに関連する発言もいたしましたが、意図としては、個人の自由を最大限強調しても、膣性交だけは特別であり、売買が禁止されることに理由があるという文脈でありまして、膣性交に伴う特別の問題に触れるものではありますが、いわゆる性交類似行為に禁止対象を拡大することに理由がないと言っているわけではございません。それゆえ、例えば「規制することにも合理性がある」と改めるか、より正確を期するなら、例えば「人の生命・尊厳に関わる特別の問題を伴う性交を『売春』の対象として特に規制することにも合理性がある」と改めていただくのがよいのではないかと考えておりまして、御検討をお願いできればと存じます。 ○北川座長 御指摘の点は4ページ目、一番下の「○」ですね、古川委員の御発言の要約ということでしたけれども、具体的には今、おっしゃいましたように、最後の語尾あたりのところ、「規制することには」と書いてあるけれども、語調的には「にも」というニュアンスを込めて修正を頂きたいと、こういう御提案でよろしいでしょうか。 ○古川委員 もっとはっきりさせることが可能であれば、「性交のみを」と書くと、限定しなければならないというふうなニュアンスに受け取られるのも少し気になる点がありますので、この点は御検討次第ではございますけれども、「性交を『売春』の対象として特に規制することにも合理性がある」というような表現だと、一番そごがないかなとは思います。ただ、細かいところでございますので、こだわる趣旨ではございません。 ○大沢委員 売春の定義に関しては、肛門性交のみであっても、対象に加えることについては社会全体のコンセンサスを得られているとは言い難いということを踏まえて、最終的に私自身も慎重な意見を述べて、取りまとめにも反映していただいていると思っております。ただ、第6回会議でも発言したことですが、私自身は、この売春の定義というのは、国民の意識の変化を見ながら、今後も検討課題として残るのではないかなと思っておりまして、また、この売春防止法という法律は、社会情勢とか国民の意識の変化というものにアンテナを張りながら、見直すべき状況に来れば見直すということが求められる性質の法律なのではないかなと思っています。   そういった問題意識から、例えば、4ページの下から三つ目の「○」の「肛門性交のみであっても、『売春』の対象として規制する行為を拡大することについての社会的なコンセンサスがあるとはいえない」というところですけれども、ここに、例えば「現時点では社会的なコンセンサスがあるとはいえない」というように、「現時点では」を入れていただいたら、そういうニュアンスを伝えられるのかなと思って、御提案させていただく次第です。 ○古川委員 ただ今の大沢委員の御発言とも文脈的にはつながっており、同じ文脈の発言にはなりますが、対象拡大の可能性を将来的にも否定すべきであるとの強い意見は見られなかったと認識しておりますので、4ページから5ページにかけての「性交以外の性的な行為を『売春』の対象とすることについては慎重な検討が必要であるとの意見が大勢であった。」というまとめにおいても、例えば「現時点では慎重な検討が必要であるとの意見が大勢であった。」との表現にした方がより正確であろうと考えまして、付け加えて発言する次第です。 ○薄井委員 非常に細かい点ですけれども、今の肛門性交のみを売春の対象行為に加えることに関して、4ページ目の下から二つ目の「○」のところで、「性風俗産業従事者への影響等が生じることは否定できない」となっていますが、従前の議論からするとニュアンスとしてちょっと強いのかなというような印象は受けておりまして、「生じないかは不明である」とか、そのぐらいの趣旨だったように思いましたので、その点だけ御検討いただければと思います。 ○北川座長 そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは、「1 売春の定義(法第2条)」についてはこの程度とさせていただきまして、次の「2 売春及びその相手方となる行為に対する規制の在り方」の記載について、御質問や御意見があれば御発言を頂戴したいと思います。 ○佐藤委員 6ページ目の上から三つ目の「○」でございますけれども、「売春をする者は一律に保護の対象である一方で、売春の相手方となる者は一律にその搾取者であることを前提に、後者を処罰対象とすべきと考えることは困難である」と、ちょっと強い表現が使われているのは気になっております。こういう考え方が、例えばスウェーデンとかで採用されているのは事実ですが、他方でドイツみたいに売買春を適法にする国もあって、それゆえ恐らく今回の改正ではどちらにも依拠しないというスタンスに立ったものと思われます。そうすると、困難であるというよりは、「現段階では困難である」とか、「という考え方はあるけれども、そちらにだけ依拠することはできない」とか、そういうふうな形で少し、この可能性がおよそないと読み取らせるような表現は避けた方がいいのかなと思った次第でございます。 ○古川委員 佐藤委員の御指摘、なるほどと思いまして、どう表現するかということをこれから検討されると理解しておりますが、確かに、一つの結論に固めることが現時点では困難であるということから、そういう考え方を一律に採用するというのが現時点では困難であるとか、十分なコンセンサスを得られないおそれがあるとか、そういった表現ぶりにすることによって、佐藤委員の御指摘は適切に反映できるのではないかと思い、少し後押し的なつもりで発言しようと思った次第です。  また、6ページの一番下の「○」の文章で、下から6行目から始まる文章の後半部分ですが、これも内容的には異論はございませんけれども、一般の方に論理が伝わりにくいのではないかということが気になりました。というのも、当罰的な行為を切り出して規定することが困難であると言われると、明確な条文を作れないのが課題だというようにも聞こえますが、ここで指摘されていたのは、例えば、売春防止法第7条に売春の相手方となった者は罰すると書くこと自体は可能だけれども、成人間でそのような性交をした者について、同意が否定されて性犯罪になるほどではないけれども、金銭の授受等を伴っていれば犯罪とする、つまり、専ら金銭授受等の有無で犯罪性評価が白黒逆転するというのが犯罪論的に正当化困難ではないかということであったものと理解しております。   そうすると、例えば、「不同意性交等罪には至らないものの、金銭の授受等を伴う性交である場合において」とか、更に正確に言うなら、そういう「場合に限って当該性交が罰せられるという処罰規定を理論的、法的に正当化することが困難である」といった文章にした方が、理論的な課題について誤解がないのではないかと思いました。 ○北川座長 ありがとうございます。一番下の「○」についての後段の方で、不同意性交に至らないけれども金銭の授受を伴う性交である場合を犯罪化するのは理論的に困難だという趣旨に表現ぶりを改めるという御提案だと理解してよろしいでしょうか。 ○古川委員 おっしゃるとおりです。不同意性交等ではないと言っておきながら、金銭の授受等があれば犯罪になるというのはかなり説明が困難だろうというのが、検討会の議論に出てきた意見だと承知しております。 ○北川座長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、「2 売春及びその相手方となる行為に対する規制の在り方」につきましては、この程度とさせていただきます。次に、「3 勧誘等に対する規制の在り方」の記載についての議論を行いたいと思います。こちらの方については、勧誘等に対する規制の在り方のうち、まず、「(1) 売春の相手方となる者による勧誘等に係る処罰規定について」の記載につきまして、御質問、御意見を頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。 ○入江委員 9ページ目の二つ目の「○」のところ、つまり、「徘徊行為を処罰対象として規定した場合、売春の相手方となる目的を有する者とそうした目的を有しない者とを客観的な挙動によって区別して立証することには実務上の困難が伴うと考えられる」とされているところですけれども、これは本検討会の第5回会議における私の発言を踏まえたものではないかと思います。この点について、発言の趣旨を明確にする観点から若干補足して申し上げたいと思います。   確かに私は第5回会議においてそのような発言をしたのですが、それは売春をする者を物色して徘徊する行為についての処罰規定が不要であると考えているためではなく、あくまで現行の売春防止法第5条第3号の「客待ち」の該当性の判断や立証に関する捜査・公判実務等の経験を踏まえまして、実務を担う立場から、処罰規定を設ける際の留意点を述べたというにとどまるものでございます。私としても、近時の路上等における売買春の実情を踏まえまして、売春者を物色する行為や物色する目的で路上を徘徊する行為を処罰対象とすることを検討することについては、十分行う必要があると考えておりまして、そのことを前提に、捜査・公判実務を担う立場から、そうした徘徊行為等を処罰対象とすることを検討するに当たっては、売春の相手方となる目的を有する者の客観的な挙動によって、一般人による待合せや通行行為と区別できるかといった観点にも十分に留意しつつ検討する必要があるというふうに考えて発言したものでございます。   そのようなことからいたしますと、今ある文章の末尾の部分でございますが、「実務上の困難が伴うと考えられる」で終わっておりますが、ここを「実務上の困難が伴い得ると考えられることから、今後、処罰規定の新設に向けた検討を進める場合には、その点にも留意する必要がある」というふうに修正していただければと思います。 ○薄井委員 私もここの部分は若干気になりまして、今の入江委員の趣旨からすると、最初の「徘徊行為を処罰対象として規定した場合」というのが、徘徊行為だけではなくて、法第5条第3号の「客待ち」行為に対応する行為を処罰対象とすることについてのお話なのかなというふうに思いましたので、そこの部分をそのように修正することは検討してもいいのではないかなと思いました。 ○大沢委員 売春の相手方による勧誘等に係る処罰規定のところで、インターネットとかSNSとか、そういったものに関連する言及をしておかなくていいのかなというのを思ったものですから、発言させていただきたいと思いました。法制定当時と大きく異なって、現在はインターネット空間が非常に巨大な情報空間となって存在していて、第6回会議でも御説明があったとおり、検挙件数ベースで見ても、法第5条第3号違反の一定数はインターネット利用のケースだったと思っています。   勧誘等のもたらす社会的な弊害が、売買春をやってもいいのだという風潮を作り出すということにある点を踏まえれば、インターネット上での売買春の勧誘とか誘引行為が野放しにされないことが大事なのではないかなと思っておりまして、今後、法改正が行われて、問題となっていた路上での売買春の穴はちゃんと塞ぐことができて、ただ、ネット上の売買春という穴は残ってしまうというようなことは避けなければいけないと思っており、どの「○」のところに付けるということにはならないかもしれないので、あくまで御提案ということなんですけれども、少なくともこの処罰対象行為を考える際には、インターネット上での売買春目的での勧誘等のやり取りが横行することを防ぐという視点も含めて検討したらどうかというような趣旨のことをどこかに書き加えておかなくていいのかなと思ったものですから、それで御提案させていただいた次第です。 ○北川座長 具体的にはどの「○」というわけではないけれども、どの「○」かに付随して、あるいは工夫をしながら、ネット上の勧誘等の行為について、特に買う側についてもそういう行為を処罰する具体的規定を設ける、売る側については第5条第3号の広告その他の類似する方法に当たるけれども、ネット上でのやりとりは昨今問題になっている点でもあるので、そういったネット利用のものを明示的な形で入れ込んではいかがかと、こういう御意見、御提案ですね。 ○大沢委員 多分、法に落とし込むときは、なかなか、いろいろな技術があると思うので、必ずインターネットということを入れるということではないんですけれども、そういう視点というか観点を持って検討されたらいいかなと思ったものですから、一言付け加えさせていただきました。 ○北川座長 今の点、いかがでしょうか。対応する行為、例えば、8ページ目、下から二つ目の「○」ですかね、「公衆の目に触れるような方法での勧誘等」とありますよね、これは法第5条各号に規定された行為と同様の行為を、今回、買う側の方にも処罰対象とすることが考えられるという趣旨の項目ですけれども、第5条第3号に対応するということで、ここにネットを利用する行為も入れるということで、ここの「等」に入るような感じですよね。ここの「等」の記載について、特出ししてネット上での行為にも言及するという感じですかね。 ○大沢委員 そういう趣旨ですね。 ○北川座長 今の点、いかがでしょうか。事務当局から何かありますか。 ○栗原参事官 今、座長からお話があったとおり、下から二つ目の「○」の「勧誘等」の「等」のところですが、現行法の第5条第3号でインターネット等を利用した誘引行為も同号の対象となりますので、買う側の同様の行為についても、ここの「○」で規制対象とすることが考えられるといった趣旨で、このような記載にしたところでございますが、座長とも御相談の上、検討させていただきたいと思います。 ○星委員 今の御議論に全く賛同するものでありまして、この「等」の中にネット利用が含まれているということであれば、それは、今回の議論のきっかけの一つでもありますし、この後のメディア広報ということも含めて、その文字が入っているということの意味合い、あるいはインパクトを考えると、無理やりフォーカスするわけでもないんですが、現実問題としてその問題があるということは明示した方がいいのかなと思いました。 ○古川委員 9ページの最後の「○」の文章に関してでございますが、私自身は買春目的での周旋公然依頼の処罰規定もあった方がよいという意見を申した立場ではありますけれども、それへの懸念として、「売春者側の同様の行為についても処罰対象となり得るが」との御指摘については、そうした処罰拡張を主張する意図はございませんし、現行法上処罰対象となり得ないのは明白ですので、このままではちょっとかみ合わない印象が残るのが気になりました。懸念する御指摘の意図というのは、買う側の処罰を広げたせいで売る側の処罰も広げる議論が招かれてしまったらよくないので、慎重にせよという御趣旨であろうと理解しておりますので、この部分を、例えば「それとの均衡上、売春者側の同様の行為についても新たに処罰対象とする可能性も生じるが」という文章にしていただくなどするのが、検討会で交わされた意見の論理的なつながりが正確に示されるのではないかと考えまして、御検討をお願いできればと存じます。 ○佐藤委員 古川委員の御主張のとおりでございまして、私自身としても「売春者からの勧誘に応じる行為や自己を相手方とする売春の周旋を公然と依頼する行為」を処罰対象にすべきではないという趣旨でこういう発言をしたわけではなく、処罰対象とした場合、理論的にこういう可能性が出てくるけれども、それは気をつけないと駄目だよねという趣旨でございましたので、先ほどの例に倣うと、例えば「この点に留意しなければならない」とか、そういうふうな形での修正もあり得るのかなと思ったところでございますが、いずれにせよ古川委員の御主張には賛成するところでございます。 ○北川座長 ほかに御意見ありますでしょうか。よろしいですかね。   それでは、「(2) 売春目的での勧誘等に係る処罰規定(法第5条)について」の取りまとめのところについて、何か御意見があれば頂戴しておきたいと思いますけれども、修文の御意見、御提案があればお伺いしたく思います。   こちらの方は特段御意見がないということでよろしいでしょうか。   それでは、「4 法定刑」の記載について、何か御意見ございましたら、よろしくお願いいたします。   よろしいでしょうか。   それでは、「5 その他」の記載について、まず「(1) 法第1条の目的規定について」の取りまとめの部分に入っていきたいと思います。この取りまとめにつきまして御意見があれば、頂戴したいと思います。 ○櫻井委員 13ページの一番上の「○」ですけれども、こちらは私の発言を反映していただいた箇所かと思います。この箇所ですけれども、二つございまして、私自身が発言しましたのが、三つ並列的に規定されているという話をしまして、そのうち性道徳の部分は不要とする一方で、社会の善良の風俗という箇所は、新宿区の現状等からすれば検討を要するというふうに発言をさせていただいたかと思います。現状のこちらを見ますと、いずれも削除し、買春を主語とすべきであるという、ちょっと強い形になっておりますので、善良の風俗を乱すという点は「削除」となっているところと、「するべきである」となっている点が、私の意見とは少し異なるように思いましたので、例えば「少なくともやや時代と乖離しつつある性道徳に反するという点は削除することが考えられる」などにしていただけますと有り難いので、御検討いただければと思っております。 ○古川委員 13ページの四つ目の「○」、「法が規定する罪は」で始まる文章ですが、その2行目から3行目にかけて「個人的法益に重きを置いた解釈とした場合」とありますけれども、「解釈とする」という日本語がやや不自然な上に、この箇所は、法第1条の規定を見直すべきかについての議論の取りまとめであることに照らすと、「解釈」という語はいささか違和感もありますので、例えば「個人的法益に重きを置いて捉えた場合」と表現した方が、言葉遣いも平易になりますし、文脈的なそごも防げますので、ベターではないかと考えまして、御検討をお願いできればと存じます。 ○大沢委員 13ページの下の方の「法において『買春』との用語を規定することについて」というところに関連するかと思うんですけれども、私は、この法律の適用を受ける国民の一人としてこの法律を読むという場面を考えたときに、買春という用語を盛り込む余地というのはあるのではないかなと思っていて、売るという行為と同じく、買うという行為もこの法律が禁じる違法なことなのだということを国民に対して明確に示すメッセージとして、あるいは教育の場で教えることも含め、この法律を広く周知することを考えたときに、買春という言葉も意味があるのではないかなと思っていて、第7回会議でも同趣旨の発言もしたかと思いますので、例えば、下から2番目の「○」のところにそういう趣旨のことを付け加えていただくとか、そういったことをしていただければ有り難いかなと思ったものですから、付け加えて申し上げました。 ○北川座長 そのほかには、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。   それでは、「(2) 売春をする者に対する保護・支援の在り方について」の記載についての要約、取りまとめ、書きぶりについて、何か御意見があればお伺いしたいと思います。 ○入江委員 2番目の「○」ですね、「類型的に保護の必要性や責任減少が認められるとまではいえないものの」の段落なんですけれども、これにつきまして、最後のところが「といった意見が複数の委員から述べられ、異論は見られなかった。」とされておりまして、確かに当時、異論を述べたわけではないのですけれども、「法に何らかの規定を設けることも含め」という点について若干、懸念点というか留意点がないわけではないので、実務を担う検察官の立場から意見を申し上げたいと思っております。   検察官のいわゆる起訴裁量に関する規定といわれております刑事訴訟法第248条におきましては、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯行後の状況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」と規定されておりますところ、検察におきましては、前回も申し上げたように、売春防止法第5条違反の事案においても、この「○」の中に書かれておりますような「売春に至った経緯や経済的事情、支援の必要性等の事情」を含む刑事訴訟法第248条の規定にあるような事情を十分に勘案して、個別の事案における被疑者の処分を決しているところでありまして、また、一般的に裁判所においても、そうした事情が考慮された上で量刑判断がなされているものだと認識しております。   そうした中で、仮に売春防止法において検察官の訴追裁量や裁判所の量刑判断に当たって考慮すべき事項に関する規定を設ける場合には、刑事訴訟法第248条の規定が既に存在し、かつ、他の犯罪について刑事処分や量刑判断に当たって特定の事項を考慮する旨の規定が置かれていない中で、売春防止法第5条の罪についてのみそのような規定を設ける必要性及び相当性について、合理的な説明が可能なのかという観点からの検討も必要であるように思われます。   それに加えまして、本検討会におけるこれまでの議論やヒアリングの中でも言及があったように、売春防止法第5条の罪を犯す者の中に、経済的事情によりやむを得ず売春をする者や支援の必要性が高い者がいるということには全く異論がございませんが、その一方で、売春するに至った事情に特にしんしゃくすべきものが見当たらず、支援の必要性も高いとはいえない者が一定数いることも事実だと思います。同条の罪を犯した者について刑事処分や量刑を考えるに当たりまして、前者のようなケースである可能性を念頭に置いて売春に至った経緯等を十分に検討することはもとより重要なことですし、その点に異論を差し挟むつもりは全くないですけれども、法律の規定として、同条の罪について検察官の訴追裁量権の行使や裁判所の量刑判断に当たっての特別な配慮規定を設ける場合には、「同条の罪を犯す者は、そうした特別な配慮規定を要するほど一般的に、犯行に至る経緯や支援の必要性等について特別な事情を抱えているものだ」という、必ずしも正確とはいえないメッセージを発することにもなりかねないように思われまして、こうした観点からの検討も必要なのではないかと思っております。   ですので、取りまとめ報告書のこの二つ目の「○」について、最後に「異論は見られなかった。」としてしまうと、今申し上げたようないわゆる留意点みたいなものもないかのように誤って受け取られるおそれがあると考えるので、最終行については、そういう意見が「複数の委員から述べられた」といった記載にとどめていただけないかと思っております。 ○大門委員 警察の立場からも現行の運用に関して一言申し上げておきたいと思いますけれども、警察の取組につきましては、第6回会議でも発表させていただきましたとおりでございますけれども、令和6年4月から施行されております困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、この法律の趣旨に基づきまして、警察としましては、支援を必要とする方に対して関係機関への積極的な取り次ぎといったことの支援を推進しているところでございまして、売春防止法第5条の罪による検挙者については基本的には面談等を通して確認をしている。また、検挙者でなくても、例えば佇立する女性に対する声かけ支援、こういったことも警察は取り組んでおりますので、こういったことから支援につながっていることもあるということは御理解を頂いた上で、御考慮いただければなというふうに思っております。 ○星委員 私自身、同じ部分の記載にあるような意見を述べたと思われる複数の委員の一人として申し上げますと、検討が少し甘かったかなというところはあるのですが、念頭にあったのは、自動車運転処罰法の第5条に、結果が軽かった場合には刑の免除規定を設けると、もちろん交通事犯でも刑事訴訟法第248条の規定に基づいた訴追裁量というのは当然あるわけですけれども、そこにあえてかぶせているという例もあるなといったようなことを考えたんですよね。ただ、そこに関しては今、入江委員あるいは大門委員の方からお話があったように、自動車運転処罰法でいうほどの類型性が認められるかというと、そう話は単純ではないだろうなというところも改めて思っているところでございまして、「異論は見られなかった」と記載してありますけれども、実際はそうではなかったかなという認識がございましたので、今の御提案に私としては賛同するものでございます。 ○北川座長 ほかに何か御意見、御指摘があれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。  よろしいでしょうか。  それでは、「第3 各論点についての議論の結果」についてはこの程度とさせていただいて、最後に、「第4 終わりに」の記載についてでございますが、この点についても御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。  よろしいでしょうか。  以上で「取りまとめ報告書(案)」の内容についての御議論は終えたいと思いますけれども、今一度振り返られて、取りまとめ案について何か言い忘れたことなどございましたら、是非最後に、更なる御発言があれば、御確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  よろしいでしょうか。それでは、以上で本日の議論は終了ということになります。   この「取りまとめ報告書(案)」につきましては、本日頂戴いたしました御意見を踏まえて、どのように改訂するかを検討しまして、次回会議で改訂版をお示ししたいと思います。その検討結果につきましては、次回会議までの間に事務当局を通じて皆様に御連絡させていただきたいと思います。そのような進め方とさせていただくことでよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○北川座長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。   次回はその改訂した報告書案を基に、再度、取りまとめに向けた議論を行っていただいて、可能であれば最終的な取りまとめということにしたいと思います。   次回の会議の日程につきましては調整の上、なるべく早くに確定させて、事務当局を介しまして皆様にお知らせすることとしたいと思います。   本日予定しておりました議事につきましては以上となります。   最後にいつものとおり、議事公開等につきましての御確認をさせていただきたいと思います。本日の会議の議事については、特に公表に適さない内容にわたるものはなかったというふうに思いますので、通常どおり発言者名を明らかにした議事録を作成して公表することとさせていただきたいと思います。また、配布資料につきましても公表するということにしたいと思いますが、そのような取扱いでよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○北川座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。 -了-