これからの刑事手続に関する研究会 (第3回) 第1 日 時  令和8年7月30日(木)    自 午後3時04分                         至 午後4時45分 第2 場 所  最高検察庁大会議室(20階) 第3 議 題  1 ヒアリング         2 その他 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○小倉参事官 ただいまから、これからの刑事手続に関する研究会の第3回会議を開催いたします。 ○川出座長 皆様、御多用中のところ御出席くださり、誠にありがとうございます。   本日、宮木委員はオンライン形式により出席されております。   まず、事務当局から本日お配りした資料について説明をしていただきます。 ○小倉参事官 本日は、ヒアリング関係の資料として、ヒアリング出席者名簿をお配りしております。 ○川出座長 それでは、議事に入りたいと思います。   本日は、皆様から頂いた御意見を踏まえ、事前にお知らせしたとおり、お配りした出席者名簿に記載されている2名の方々から、ヒアリングを行うことといたします。   進行としては、ヒアリング出席者名簿の記載の順に、1名ずつ、25分程度お話を伺った後、15分程度委員の皆様からの御質問にお答えいただくという流れで進めさせていただきます。              (参考人入室) ○川出座長 お一人目の方は、島田順司様です。   本日は、御多用中のところ、ヒアリングに御協力いただきまして、誠にありがとうございます。   まず、島田様から25分程度お話を伺い、その後、委員の方々から質問があれば、15分程度質問させていただくという形にしたいと思います。   それでは、よろしくお願いいたします。 ○島田氏 本日私がこの場に立った理由は、二度と大川原化工機事件のような、捜査機関がねつ造するというようなことを繰り返していただきたくない、二度と私たちのような長期勾留、身体拘束がなされる人が出ないようにという強い思いでこちらに立っております。   私は、2020年3月11日に逮捕され、332日間の身体拘束を受けました。しかし、初公判の直前に、検察は、起訴は間違いだったとして取り下げました。この事件は、捜査機関が輸出規制を勝手に解釈し、違法な取調べを行い、作り上げた事件です。その結果、無実の者が逮捕、起訴、長期勾留されました。同僚の一人は長期勾留中にがんとなり、適切な治療がなされぬまま命を落としたという非常に悲惨な事件です。大川原化工機事件は、単なる一企業の問題ではなく、誰の身にも起こる事件であり、日本の刑事司法制度に重大な課題を提起した事件だと私は思います。   この事件は、検察が起訴を取り下げた後、我々は国家賠償請求訴訟を起こし、裁判所は、警視庁公安部の警察官による逮捕及び取調べ並びに検察官による勾留請求及び公訴提起が違法であると認定しました。また、私に対する取調べについては、偽計を用いた取調べであり違法としたのに加え、捜査官が私をだまして、私が了解していない内容を記載した供述調書に署名・指印させ、私の自由な意思決定を阻害し、供述調書を作成したとして、これも違法だと認定いたしました。このような事件を起こさないように、運用上、制度上、問題を改めていただきたいと考え、以下の提案をするものです。   一つ目に、私は全ての取調べの録音・録画の義務化をしていただきたいと思います。現在、捜査機関の取調べの録音・録画は一部の事件に限定されています。しかし、えん罪事件防止の観点から、取調べの適正化の観点からも、事件によって録音・録画の必要性が変わるものではありません。したがって、警察・検察が行う全ての取調べにおいて、始めから終了までの全過程の録音・録画をすることを義務付けていただきたいと思います。全面可視化こそが、捜査機関を守り、同時に市民の権利を守る最も有効な方法です。これをやらない理由、やれない理由はないと思います。さらに、被疑者・弁護人から請求があった場合は、原則として無条件に開示することを早急に制度化していただきたいと思います。   二つ目に、被疑者・被告人が自ら録音することを許可していただきたい。取調べは密室で行われることが多く、被疑者は極めて強い心理的な圧迫を受けます。取調べの中で、自分が何を質問され、どのように回答したのか、正確に記憶し続けることは容易ではありません。そのため、被疑者・被告人が望む場合は、事後の確認のため、録音を許可していただきたいと思います。取調べ中にメモを取ることや録音することは法律で禁止されていないはずです。しかし、取調べの現場では、身体検査をされ、スマホを取り上げられ、かばんの中まで全て調べられ、メモすら取れないのが現状です。録音は取調べに支障を来すものではありません。大川原化工機事件では、私自身が残していた録音記録が、後に作成された調書との間に大きな相違があるということが明らかになりました。事件解明のために客観的な記録を残すことは、違法な取調べの抑止力にもなり、被疑者の防衛のためにも必要だと思います。ぜひ録音を許可していただきたいと思います。   三つ目に、調書の写しを交付していただきたいと思います。被疑者・参考人が署名した調書・報告書については、その写しを交付することを義務付けるようにしていただきたいと思います。署名後の調書の写しを受け取れない現状の運用では、被疑者が、自分がどのような内容に同意したのか、後日確認することは困難です。実際に、私の任意の取調べは、1年半にわたり、39回行われました。うち14通の調書に署名・指印いたしました。その調書を見たのは、起訴後数か月たってから、弁護士先生に初めて見せていただきました。それを見て、修正に応じてもらえず見落としてしまった、「不正に」という言葉があることに初めて気が付きました。このように、長時間の取調べや身体拘束の下では、疲労や不安により判断能力が低下することがあります。そのため、署名したことと、調書の内容を十分に理解して同意したということは必ずしも同義ではありません。捜査の透明性を高める意味からも、署名済み調書の写しを本人に交付していただきたいと思います。   四つ目に、長期身体拘束の制御と保釈制度の見直しです。私は、無実にもかかわらず、332日間にわたり身体拘束を受けました。私は、逮捕前の任意の取調べのときからずっと、「罪を犯したことなどない」と話していました。これが正しかったことは、後に検察が起訴を取り下げたことや国家賠償請求訴訟により証明されました。ところが、私や大川原社長、相嶋さんが無罪を主張していることが身体拘束の理由にされたのです。検察は、私たちが無罪主張をしていることを捉えて、組織ぐるみで口裏合わせをしているなどと言い、裁判官もその検察の主張を受け入れました。罪を犯していない人が無実を主張するのは、当然のことです。しかし、そのことを理由に長期勾留・長期身体拘束がなされるとすれば、法治国家として許されるのでしょうか。なぜ無実を訴える者が裁判にかけられ、司法判断もなされないまま、11か月もの間、長期にわたり自由を奪われなければならないのでしょうか。これは事実上の刑に服しているということと何ら変わりません。   私は、2021年2月5日に、6回目の保釈請求でやっと保釈が認められました。しかし、同僚の相嶋さんは勾留中にがんになり、最後まで保釈が認められず、私が保釈された2日後の2月7日に他界しました。私は、保釈条件により葬儀にも参列できず、見送ることもできませんでした。彼とは任意の取調べのときに、たまたま原宿警察署の廊下で休憩中にすれ違ったことがあります。そのときに交わした、「これが終わったら一杯やりましょう」という言葉が最後になりました。まさかあんなに元気だった人が1年余りで亡くなるなんて、信じられませんでした。無実を知らぬまま亡くなってしまったことが悔やまれてなりません。   私も勾留中に突然血便が3日続いたことがあります。すぐに医者に診てもらいたいと申し出たのですが、専門家がいないということで、結局、診断を受けたのは2週間後でした。そんなときに、相嶋さんががんになり、保釈請求しても許可されないということを弁護士先生から聞きました。自分の体は自分が一番よく分かります。独房に閉じ込められ、一人、自分の体が徐々におかしくなっていくのをじっと我慢していなければならない、このつらさを私は痛いほど分かります。   また、私には最後まで接見禁止命令が解かれず、家族とも会えず、妻や子供たちがどうなっているのか分からず、また、会社の状況すら分かりませんでした。一人、独房で過ごす毎日でした。唯一、弁護士先生だけが毎日のように接見に来ていただき、何とか精神状態を保つことができました。これでやっと家族と共に正月が迎えられると思って、今か今かと待っていましたが、結局、検察が準抗告をし、別の裁判官がその準抗告を認め、保釈されませんでした。なぜ11か月余りも人を拘束し、正月ですら家族と共に過ごすことが許されないのか、なぜ裁判官はそのような判断をされるのか、私には分かりません。このように人の自由を長期間奪う身体拘束がなされてよいはずがありません。   有罪判決が確定するまで被告人は無罪と推定され、身体拘束は例外的な措置でなければなりません。人の自由を長期に奪うということは、単に移動の制限をするだけでなく、健康、精神、家族関係、社会的な信用、そして人生そのものも奪う行為です。その可否を判断するのは最終的に裁判官です。だからこそ、裁判所には、捜査機関から独立した立場で、憲法上保障された身体の自由を守る最後のとりでとしての役割が求められます。また、えん罪は、間違った捜査だけで生まれるものではなく、長期間の身体拘束によって精神的に追い詰められた人が事実に反する供述をしてしまうという構造によっても生まれることを私は身をもって経験いたしました。このような経験をする人が二度と出ることがないよう、裁判官には保釈は例外でなく原則であるという刑事司法の原則を徹底していただき、その本来の役割を果たしていただきたいと強く願います。 ○川出座長 どうもありがとうございました。   それでは、御質問のある方、いらっしゃいますでしょうか。 ○河津委員 本日は、御経験に基づく貴重なお話を頂き、ありがとうございました。幾つか御質問させていただきたいと思います。   島田さんは、保釈後、保釈条件として事件関係者との接触が禁止されていたため、相嶋さんの葬儀にも参加することができなかったと伺いました。保釈後、島田さんは、保釈条件を遵守し続けたのでしょうか。 ○島田氏 はい、遵守しました。 ○河津委員 島田さんの保釈請求は、口裏合わせのおそれを理由として繰り返し却下されたと承知していますが、もし島田さんが早い時期に保釈されていたとしたら、保釈条件を破って事件関係者と接触したであろうと思いますか。 ○島田氏 いいえ、思いません。私は、関係者に接触する必要性もありませんし、保釈を取り消されるということも当然あると思いますので、保釈条件を破る必要性もないし、口裏合わせの必要性もないと思っておりますので、条件を破るなんていうことは一切考えておりませんでした。 ○河津委員 当事者にとって、保釈条件に違反すれば保釈が取り消されるという仕組みは、どの程度の心理的効果がありましたか。 ○島田氏 いや、もう基本的には、その条件において保釈されたわけですから、その保釈が取り消されてまた拘束されるなんていうことがないように、非常に重く受け止めておりました。 ○河津委員 保釈して罪証が隠滅されると取り返しがつかないという御意見を耳にすることもありますが、島田さんが保釈されず身体拘束され続けることによって被った不利益は、取り返しのつくものだったのでしょうか。 ○島田氏 いえ、取り返しのつくものではないです。実際的に、私は逮捕・起訴されて、すぐに会社の取締役を辞任せざるを得なくなりました。これは、会社の役員3人が拘束されているので会社が回らないということで、即辞任いたしました。同時に、私は、会社のことよりも一番申し訳ないと思っているのは、家族に迷惑をかけたと。家族がどういう思いで、私が逮捕され、起訴されているのか、どんな思いでいるのか、非常に迷惑をかけたなと思っております。また、家族が世間からどのように見られているのか、非常に心配でなりませんでした。 ○河津委員 島田さんは、最後まで無罪主張を貫かれたと承知していますが、無罪を主張すれば身体拘束が長期化するということが、うその自白や無実の人を巻き込むうその供述を誘発するおそれについては、どの程度あると感じましたか。 ○島田氏 それは非常に大きい、実際に私自身もそのような取調べを受けました。例えば、「早く認めてやり直した方がいいよ」、「どうせ執行猶予が付くんだから、早く認めた方がいい」とか、あるいは、「黙秘していると罪が重くなる」ということを言われて、実際に心が揺らぐ場面もありました。私はうそをついているつもりはないので、実際、ほかの人は分かりませんけれども、勾留やその苦痛を避けるために、どうしても、うその自白をしてしまう可能性は非常に高いと思っております。 ○河津委員 島田さんの保釈請求に関与した数多くの裁判官が、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由があると判断し、保釈を却下したことについて、当事者としてどのように感じていますか。 ○島田氏 実際に、私は、全て、5回まで棄却された理由が、今言われた「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」ということで却下されたのですが、本当に私が罪証隠滅をすると考えて保釈を却下したのではなく、何かほかの理由があるのではないかと。分かりませんけれども、多分、自己保身か何か、検察に逆らえない何かがあるような気がしました。なぜならば、全てはんこを押したように同じ理由で却下されていましたから、そう思いました。 ○河津委員 当事者として刑事事件を経験して、裁判所に対する信頼はどのように変化しましたか。 ○島田氏 正直言って、私はここで申し上げたいことは、裁判官の方に、人の自由を奪う身体拘束というのは、私は大きな人権蹂躙をする行為だということをちゃんと認識を持っていただきたいと、その上で、さっき申し上げたように独立した判断をしていただき、国民の人権を守る役割を果たしていただきたいと、そのように強く思います。 ○河津委員 先ほど幾つか制度上の御提案を頂きましたけれども、裁判所あるいはこの国の刑事司法が信頼を回復するために最も必要なことは何だとお考えですか。 ○島田氏 先ほど申し上げたように、独立の機関なので、法に従って独立した判断をぜひしていただきたいと思います。 ○川出座長 ほかの方はいかがでしょうか。   では、私からお伺いしたいと思います。ただいま、保釈がなかなか認められなかったということについての御意見を述べられましたが、島田さんが受けられた取調べ、任意の取調べと逮捕勾留中の取調べの両方があったわけですが、それについてどのような問題があるとお感じになりましたか。先ほどのお話の中では、全ての取調べについて録音・録画を義務付けるという御提案をなされていましたが、もし島田さんの事件で取調べが録音・録画されていたとしたら、こういう取調べはなされなかったのではないかと、お感じになった点があれば教えていただけないでしょうか。 ○島田氏 任意の取調べのときに、実は私は録音したのですけれども、なぜしたのかといいますと、39回の取調べを受けた中で、私が何回も何回も繰り返し言っていることが調書にならないので、仕方なく、それを残しておかないといけないと思いました。なぜ私が話していることが調書にならないのかと、その理由は分かりませんけれども、その点を強く感じております。ですから、そのために、私が何をしゃべって何に署名したのか、やはりそれを残す必要があると思いましたので、今申し上げた提案をさせていただきました。 ○川出座長 そうしますと、先ほどのお話の中で、全ての取調べの録音・録画を義務化すべきとする理由として、取調べの適正化という点を御指摘になっておられましたが、それは、取調べの際に自分が話したことがちゃんと調書に記載されないような取調べの仕方がおかしいということなわけですね。取調べのやり方そのものについて、何かお感じになったことはございますか。 ○島田氏 やり方そのもの、実際に時間的だとか、あるいは言葉の使い方だとかいうことで脅迫的なことを言われたとか、そういうことは私はないのですが、私が主張していることが文字にならないということが一番残念でした。なぜそのとおり書いていただけないのかということと、先ほど申し上げたのですが、密室の中で取調べを受けるということは、非常に精神的に不安定な状態になって、先ほど申し上げましたけれども、何を話し、何を聞かれたのか、それすらよく覚えていない。その中で、「これにサインしろ」と。実際、私の取調べにおいては、読上げは一回もありませんでした。書いたものに、「これにサインしろ」と、私は、「できません」と、「ここを直してください」ということが十数ページの中にいろいろな場所にありまして、それを「直してください」と言ってもそれに応じてもらえず、あるいは交換条件を出され、「ここは直すけれどもここは残すよ」とか言われ、そういうことで、どうしても私の話していることが調書にならないなら、そこが一番私にとっては残念でした。 ○小川委員 貴重なお話をありがとうございました。   今お話しされていたのは任意の取調べの時のことだと思います。その後の身体拘束中の取調べはどのようなものだったのか、教えていただきたいのですが。 ○島田氏 任意の取調べにおいてそういう経験をしましたので、正直、信頼を失いました。身体拘束を受けた後には、私は、完全な黙秘をしました。ただ、先ほど申し上げたように、取調官からは、「認めないと長引くよ」とか、「認めてやり直した方がいいよ」とか、「黙秘しているということは反省していないことか」と、先ほど申し上げたようなことを言われ、これはやはり心が揺らいだ場面もありました。 ○小川委員 身体拘束中の取調べというのはどのぐらいの頻度で、大体1回どのぐらいの時間で行われたのでしょうか。 ○島田氏 2回逮捕されて、最初の逮捕のときには、検察庁に出向いての取調べは、確か10日に1回ぐらい、週に1回、2回だったと思います。その後、毎日のように、留置場に戻って、今度は警察官が取調べに毎日のように来ました。2回目の逮捕でも同じようなことがあり、合計、ちょっと回数はしっかり覚えておりませんが、そのような頻度で行われました。 ○小川委員 完全に黙秘されたというお話でしたが、取調室で黙秘している状態で、しかし取調べが続くということなのでしょうか。 ○島田氏 はい、そうです。黙秘して、一方的に取調官が話すだけですが、非常につらかったといいますか、反論したくて仕方なかったのですが、任意の取調べ、あるいは逮捕時の弁解録取のときのやり取りから、私は一切もう信用できないと思いまして、一切のものにサインはしませんでした。完全な黙秘、お茶も飲みませんでした。何一つ答えませんでした。 ○川出座長 ほかにはいかがでしょうか。 ○笹倉委員 思い出したくもない大変におつらい経験であったに違いないところ、お話をお聞かせくださり、誠にありがとうございました。   島田さんは、今回の件に巻き込まれる前に、一般市民として、例えば、日々の報道などで犯罪の捜査とか起訴とか裁判とかということについて見聞きされて、日本の刑事司法のありようはこういうものだろう、あるいは、このようにあるべきだろうということを何かしら思っていらっしゃったと思うのですけれども、今回の御経験を踏まえて、その見方が変わったところ、変わらないところがあれば、それぞれ教えていただけると有り難いのですが、いかがでしょうか。 ○島田氏 まさか私が逮捕されて勾留されるなんていうことは夢にも考えておりませんでしたので、刑事司法、警察、検察、裁判所がどういうものかと、私には全く関係のないというか、初体験といいますか、全てが初めての経験でしたので、その中で今、事件が終わって考えが変わったというのは、正直、警察も検察も裁判官も、やはり少し、若干ですが、失望しました。もう少し信頼に値するものだと思っていました。まさか警察官が事件をねつ造する日本だとは思っていませんでした。また、それを検察が調べもせずに起訴をするという日本だとは思っていませんでしたし、保釈を認めないということも初めて知った、その中で1年近くも、何ら覚えのないもので、無実の者が何で保釈すら認められないのかと、こういう日本なんだということを今になってやっと分かったというのが現在です。 ○川出座長 ほかはいかがでしょうか。 ○西廣委員 今日はお話しいただきましてありがとうございます。   先ほどの話で、1回目の逮捕後から毎日のように勾留場で取調べがあったというお話がありましたけれども、一つは、完全に黙秘されていたということで、取調べを拒否したいというようなお話をされたことがあるのか、又は弁護人を呼んでほしいといったようなお話をされたことがあるのか、この点についてどのようなことがあったか、御記憶の範囲で教えていただけますでしょうか。 ○島田氏 取調べの拒否をしたことはありませんし、拒否できるとも思っていませんでしたので、呼ばれたら行かなければいけないと思っていました。弁護士さんを呼べるのか呼べないのかも分かりませんでしたので、もうそのとおりに、言われたとおりにせざるを得ませんでした。 ○西廣委員 今思うと拒否をしておけばよかったとか、「弁護人を呼んでほしい」と言うことがもしできると知っていたらされていたとか、そういったことはありますでしょうか。 ○島田氏 知っていたら、必ず「弁護士を呼んでください」と言います。弁護士の方にどうのこうの指示や助言をしていただきたいという意味で言うのではなくて、横にいていただけるだけで、とも思います。心理的な状況が全く変わります。そうであれば、先ほど申し上げたように、何を聞かれたのかということも確認はできますし、私が何を答えたのかということも分かりますので、思いとしては横に、あるいは休憩中でもいいですけれども、いていただけるだけで助かる、全く心理的には違うなと思っています。 ○川出座長 そろそろ予定の時間になりましたので、これで終了させていただきたいと思います。   島田様、本日は非常に有益なお話を頂戴いたしまして誠にありがとうございました。お話しいたいただいた内容につきましては、本研究会における重要な参考とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。              (参考人退室)              (参考人入室) ○川出座長 お二人目の方は甲斐芳文様です。   本日は、御多用中のところをヒアリングに御協力いただきまして、誠にありがとうございます。まず、甲斐様から25分程度お話を伺い、その後、委員の方々から質問があれば、15分程度質問をさせていただきたいと思います。   それでは、よろしくお願いします。 ○甲斐氏 本日はこのような場にお招きいただき、ありがとうございます。私は、2500人規模の大分県警察で刑事部長を最後に退職いたしました。30年間刑事の職に就いておりました。巡査、巡査部長、警部補までの階級では直接取調べを行って、警部、警視、警視正の階級では取調べを管理してまいりました。本日は、犯罪捜査、取り分け取調べに関しまして、私自身の思いを申し述べさせていただき、併せて、取調べに関して警察ではどのような教養を行い、どのように実践させているのかにも触れさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。なお、申し述べる意見は飽くまで私の個人的なものでございます。私も現役を退いて2年たっておりますので、記憶の曖昧さもあるやもしれませんけれども、そのあたりは御理解のほどをお願いいたします。   私が刑事を拝命したのは昭和の時代でございます。刑事の道を歩み始めるに当たって、時の師匠から「般若心経を覚えろ」と言われました。「刑事が扱う御遺体には無縁仏もある、お経を唱えて成仏を祈るのも刑事の仕事」と、そんな時代でした。師匠からは取調べについて、こう教えられました。「取調べとは、自分が取り調べた被疑者とその後、街中でばったり出会ったとき、相手から、『あのときはありがとうございました、あなたが取調官でよかった』と頭を下げてもらうようなものでなければならない」と。これが私の原点でございます。その後、私は、その教えを守って、実践して、同じように後輩たちに教えてきました。私は取り調べた相手と人間関係がこじれたことはございません。正々堂々の取調べは私の矜持ですし、自負です。昨今の問題視されている取調べ、この人たちは何をやっているのだろうというのが正直な思いでございます。恐らく全国の取調官の多くは同じ気持ちだと思います。だから、問題視されるような取調べが多くで行われているというようなことは、どうか思わないでいただきたいです。   では、私の考える取調べについて、まず、取調べの機能や役割からお話ししたいと思います。犯罪捜査の現場では、客観的な証拠が少なく、取調べによらなければ真相を解明することができない案件は少なくありません。遺体なき殺人などは最たるものでございます。被疑者の自供から遺体が発見され、事件の解決につながります。物的証拠の乏しい汚職や現金買収などの選挙違反、放火によって現場の痕跡が消失している事案なども同じでございます。現場に残された指紋から容疑者が浮上したとしても、取調べによって合理的な理由が証明されて、容疑がないと判明することもございます。また、刑事法の実務では故意や過失などの主観的な構成要件も重要視されております。適正な量刑の実現のためにも取調べは欠かせないと考えます。また、取調べの結果、被疑者が自らの罪を悔いて、その更生につながることも多くございます。このように、取調べは、刑事司法の重要な要素であり、様々な機能を果たしていると考えます。客観証拠がそろえばよいという意見もございますが、客観証拠は供述証拠と相まって事実の解明に資するものと私は考えております。   次に、私が考える取調べでございます。取調べの本質は傾聴です。傾聴以外にありません。時に被疑者という立場に置かれた人の心を解きほぐして、良心を呼び起こして、丹念に丁寧に話を聴き取る作業、耳を傾けて注意深く聴いて、話を受け入れて理解する、それのみ、取調べはそれに尽きます。取調べは、自分の考えを押し付けるものでは決してありません。ただひたすらに真実を、本当のことを話すことがいかに大切かということを説いて、心を開いてもらって、知っていること、覚えていること、思い出せることを話してもらう作業です。カウンセリングみたいなものでもあり、懺悔を促すようなものでもあります。そもそも憲法では、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」、刑事訴訟法では、「強制、拷問又は脅迫による自白」は「証拠とすることができない」、犯罪捜査規範では、「自己が期待し、又は希望する供述を相手方に示唆する等の方法により」「供述を誘導し、」「供述の真実性を失わせるおそれのある方法を用いてはならない」との旨が規定されております。   次に、その取調べを現場でどう教えているかについてです。まず、取調べにおける被疑者との関係について、それは取調官対被疑者ではなく、個人対個人、人間対人間、繰り返しそう教えております。取調べは、相手の立場に立って話を聴くものです。話をよく聴いて、心情を理解して、信頼関係を構築するものです。虚心坦懐に耳を傾ける、仮説や持論に固執しない、断片的、一方的な印象を与えない、否定的な感情を持たない。そもそも被疑者から見て、取調官が話を真摯に聴いてくれる、心情や感情を理解してくれる、人格を認めてくれるという感情が湧かないと、真相は語ってくれません。こんなことを警察学校や捜査研修などで教えております。   また、取調べ経験豊富なベテラン取調官に、体験談を語ってもらっております。ベテラン取調官の話には次のようなものが多くございます。技術的なもの以前に、人格とか教養を高めることが説得力、信頼感につながる、血の通った人間として接し、理解と同情を示す、フェアな姿勢、被害者とも泣くが被疑者とも泣く、人情の機微に触れる取調べでないと事案の真相、奥深い部分は話してくれない、こんな話です。これが取調べの教養でございます。   次に、黙秘権、供述拒否権の告知についてお話しします。取調べは黙秘権、供述拒否権の告知から始まります。私自身は、このように告げてまいりました。「取調室なんて初めてでしょう。こんな鉄格子の入った部屋の中で話を聞くのは本意ではないのですけれども、警察での決まりですから御容赦ください。まず初めに、今日は選挙違反の嫌疑で話を聞かせていただきますので、あなたは被疑者という立場にあります。それで、最初に、あなたの権利、供述拒否権、黙秘権という権利について説明しておきます。ここであなたが話すことは、刑事手続上、あなたにとって有利にも不利にもなります。だから、あなたには供述拒否権、黙秘権と呼ばれる憲法で保障された権利があります。話したくないことは話さなくてもいい、何もしゃべらないでもいいという権利です。何も話さなくてもいいという権利ですけれども、うそをついていいとは思わないでください。黙秘ができるという意味で御理解ください。そして、私の言葉が、態度が横柄だったり、あなたの人格を傷付けたり、あなたの家族を侮辱するようなことがあったら、いつでも弁護士会に申し付けてください。私の取調べは問題となります。今日、私とあなたは取調官と被疑者という立場ですが、私はこう考えます。ここを出たあなたが路上でうずくまっている女性を助けた、それは私の家内だった、世の中にはそんなことがあります。それが私の人生観です。だから、私はあなたに横暴な態度はとらないと約束します。私たちは対等な関係です。そんな中で話を聴いていきます。私は、現場にいたり、目撃したりしたわけではありませんから、あなたの知っていること、覚えていること、思い出せることを、話せるなら話してほしいです。これから、あなたの生まれ育ちもお聞きします。だから、先に私の身の上なんかをお話ししておきます。」、このような感じです。取調べは相手にとって非日常の体験ですから、そんな話の後で刑事手続の概要、取調べの流れなども説明いたします。こうして取調べは始まります。   次に、取調べの在り方についてです。取調べは、取調官が冷静さを保ちながら、感情に走ることなく、言動にも注意して、相手の心情を理解しながら、記憶された出来事を思い出してもらって、取り出す作業です。そこで語られる記憶には正確性や完全性が欠けているものもあります。意図的ではないにせよ、情報がゆがめられたり、書き換えられてしまっている場合もあります。だから、記憶の過程や正確性、完全性に影響を及ぼす要因も探りながら、細かい点まで入念に聴き取らなければなりません。相手が記憶に基づく話を始めたら、まず、率直に聴きます。丹念に聴きます。遮らずに聴きます。そして、一通り聴き終えたら、その話を基に、当時の四囲の様子、情景、感じたこと、天候、行事などを尋ねたりします。無関係なこと、つまらないこと、ぼやけた構図、関連する記憶、思い浮かんだことなんかも聞いたりします。時系列的に整理してもらったり、逆の順序から説明してもらったり、これらで肉付けされて、その話が立体的な様相を呈すると、語っていることが真実なのかどうかが見えてくるように私は考えております。逆に言うと、肉付けができない話は信憑性を疑わなければなりません。話の聞き方は幾通りもあります。関係することを相手に自由に話してもらうやり方、知っていること、覚えていること、思い出せることを自由に話してもらうもの。あるいは焦点を絞ったやり方、いつどこで誰がなどを順に聞くもの。選択的なやり方、狭い範囲、知りたい範囲に焦点を絞って聞くやり方。「はい」か「いいえ」で聞くやり方もあります。「それはこのようなことと理解していいですか」と話を復唱して、確認していくやり方もあります。   こんな聞き方で、あるときは状況を心理的な面から話してもらったり、あるときは光景を広げたり、細かい記憶の確認なんかも行いながら話を深掘りしていきます。相手を観察しながら、顔を見ながら、うなずきながら、相づちをしながら、繰り返して、要約して、聞き直して、落ち着かせて、冷静に、ゆっくり確認しながら、相手から話を聴く。聴く、聴く、聴く。聴いて、聴いて、聴いて。被疑者に不利な面の確認も必要ですけれども、有利な面についても聞き流したりはしません。弁解も聴きます。否認には否認の理由がありますし、自供には自供の理由があります。否認して、言い訳をして、最後に真実を話す被疑者も多くございます。だから、細かい点にまで気を配りながら、広く、深く丁寧に話を聴きます。並行して、手持ちの証拠と矛盾する事項を確認したりもします。そんな取調べの中で絶対にやってはいけないこと。それは、取調官が感情的になったり、威圧的な態度をとったりすることです。不信感が生まれて、意思疎通を妨げます。絶対にやってはいけません。こうして取調室の中で取調べは進行していきます。   次に、その取調べにおける供述内容の検証についてです。私の基準は、被疑者の話にしつこくてどろどろした内容があるか否か、被疑者しか知り得ない話、取調官の想像を上回る内容があるか。しつこい話というのは、被疑者しか知らないことが随所に登場する話です。どろどろした話というのは、現場の様子が手に取るように分かる、臨場感があふれるような話です。例えば、選挙違反だと、「買収のお金を持ち込んだ日は相当に緊張しました。客間に通されて相手と2人になったので、すぐにジャケットの内ポケットから現金入りの封筒を取り出したら、ほぼ同時に奥さんがお茶を持って入ってきました。びっくりして、座っていた座布団の下に封筒を押し込んで隠しました。慌てた様子に気づいたのか、奥さんから『探し物ですか』みたいな声をかけられました。視線を落とすと、座布団にはこぶし大の星型の染みがありました。直後にトイレを借りて、便座に座って現金を数え直しました。壁に沖縄の風景が描かれたカレンダーが下げてありました。床の敷物にはたばこか何かの焦げた跡がありました。少し開けられた窓の網戸の端にはクモの巣が張ってありました。」みたいな話です。こんなしつこくてどろどろした話は、検証すると、ちゃんと裏付けられます。客観的事実と整合します。供述プラスその供述内容の確認とセットで検証することが欠かせません。取調べを管理する幹部の役目は、そのような確認や検証を怠りなく行うことです。   では、全国警察の状況はどうか。以上の話は、大分県警察における私の経験を踏まえたものでございます。でも、取調べを取り巻く事情は全国どこでもほぼ同じようなものです。警察庁から全国警察に対して指針が示され、それをベースにして指導や教養が行われております。私は警察庁に出向していた当時、全国の都道府県警察を回り、赴いた各地で取調べの実情を尋ねて回りました。どこも取調べに関しては今私がお話ししたことと似たような話をされておりました。各地では、「落としの○○さん」みたいな方々にもお会いしました。皆さん、にこっとされると、「ああ、この人には何を話してもいいな」と、つり込まれるような笑顔の持ち主の方ばかりでした。   次に、録音・録画に関してです。現在、警察では、殺人や強盗などの録音・録画制度の対象事件と、精神障害を有する被疑者を中心として取調べの録音・録画を行っております。録音・録画は適正な取調べの担保にもなりますが、マイナス面も少なくありません。まず、カメラの前だと誰しも供述をちゅうちょします。ガラス張りの中にいるような心理的圧迫を被疑者も取調官も感じます。信頼関係を構築して供述が得られるようになるまで、相当に時間を要します。現場の捜査員からは厳しい声も多くございます。逮捕した直後は自供していたが、録音・録画を告げると黙秘するようになって、改めて自供するまで相当な日数を要した。被疑者は、カメラがあるとうまくしゃべれないと話していた。留置場から取調室に入るまでは供述するものの、入った途端に無口になった。「録音内容は裁判の傍聴に来た人も見るんですか」と被疑者が言っていた。「カメラの前だから口を慎みますが、相手も決していいやつではないんですよ、これ、相手の家族の方が見たりしますよね。」と言う被疑者もいたそうです。殺人事件だと、取調官も、被疑者の供述に同調すると、遺族から被害者より被疑者に同情しているように見られかねない、被疑者の動機の深掘りが難しいと苦労しております。   こんな実情ですけれども、録音・録画の対象拡大となりますと、まず、組織犯罪だと、上層部の関与の解明は難しいと思います。自分の罪は認めても、共犯者や上層部のことは話さない、組織からの報復を恐れてしゃべらない、ほかにもいろいろな問題点が出てくると思います。   私自身は、現職の頃、録音・録画にまつわる人的・物的な負担も懸念しておりました。録音・録画を行う場合、取調官以外の補助者が2人必要となります。録音・録画の機材の事前点検を2人で行い、録音・録画自体は1人の補助者が機材を操作します。録音・録画した媒体、DVDは、保管に先立って録画内容を再生しながら確認します。DVDは1日に1枚、6時間程度の録画量です。勾留期間が20日だと、1事件当たり20枚程度、この確認作業には相当な時間がかかります。私は、公判を見据えて全件を確認させておりました。大分県警察で録音・録画を行っている事件の数は年間40件前後でございました。40件掛け20枚として、DVDは800枚ほど、1枚の確認作業に6時間を要したとすると、4800時間ほどになります。当時、大分県警察で取調べを行っていた被疑者の総数は年間で1500人ほど、これは交通事件を除きます。40件、40人で、DVDの確認に4800時間、これが約40倍になります。交通事件も入れるとすごい数になります。そもそも警察が取り扱う事件は膨大で、簡便に処理を行わせるために、簡易処理制度だとか、微罪処分制度だとか、交通特例制度などが整備されました。それらの制度と録音・録画対象事件の拡大をどう照らし合わせるのか。   また、大分県警察で管理していた録音・録画の機材は30台ほどでした。固定式と移動式で半々ぐらいです。機材によって値段は違いますが、1台当たり数十万から百数十万円ほどいたします。特殊な機材ですから、故障すると修理に結構な時間と費用を要し、財政的な負担も大きいです。対象拡大なら、機材を操作する補助者が確保できないから取調べができないとか、機材に不備があるから取調べができないなどの場面も生じようかと思います。在職当時、私は、裾野が広がったら現場はもたないなと憂慮しておりました。   他方、取調べに代わる捜査手段・手法の提案でもあるかと聞かれれば、現場の声としては、例えば、特殊詐欺は甚大な被害を生んでいるところ、さきに述べたように、末端の被疑者は共犯者や指示役の関与に口が重く、突き上げや全容解明は容易ではありません。被疑者が自主的に供述する仕組みや、被疑者の供述がなくても事件解決が可能となるような客観的証拠の収集手段の拡充などを考えてもらうと有り難い、自らの犯行について供述することで被疑者の罪が軽くなったり、共犯者や指示役を供述しないことで罪が重くなったりするという、供述することによる被疑者にメリットが生じる制度みたいなものが設けられると現場は助かる、というような声を聞いておりました。   最後に、日本は被害者のあだ討ちを禁止しております。無念を晴らせるのは法律による裁きしかありません。殺人被害者の遺族は言います、「なぜ殺されなければならなかったのか、それが知りたい」。それを解明できるのは取調べしかありません。遺体なき殺人事件を取調べなくしてどうやって解決するのか、発見に一刻を争う所在不明事案で行方を知るであろう者を取り調べずにどう対処するのか。やはり犯罪捜査に取調べは不可欠でございます。取調べの録音・録画対象拡大の話が理解できないわけではありません。現に苦しめられた方もおられます。でも、非難されるような取調べを行った者はほんの一部です。全国にあふれているわけでは決してありません。大半の捜査員は法にのっとって犯罪を捜査し、自己研鑽を重ねて取調べに臨んでおります。決められたルールに沿って真っ当な捜査を行っております。今日お話ししたような取調べの必要性と現状は、どうか御理解いただけますようお願い申し上げます。現役を退いた老兵の切なる思いでございます。   御清聴ありがとうございました。 ○川出座長 どうもありがとうございました。それでは、御質問のある方はいらっしゃいますか。 ○小川委員 貴重なお話をありがとうございました。   先ほど取調べの必要性との関係で、客観的証拠が少ない事件などは、やはり取調べで供述をとる必要があるのだというお話をされていたと思いますが、そういう事件というのは、どのぐらいあるのでしょうか。逆に言えば、客観的証拠だけで行けるという事件は、どの程度あるのでしょうか。 ○甲斐氏 私は現役を退いた身ですので、私の意見は本当に個人的な話として受け止めていただきたいと思います。大分県警察ですと、年間に裁判員裁判の対象になるような録音・録画事件の対象事件は、先ほどお話ししましたように40件前後でございます。そのうちで知的障害がある方が10名ぐらいですので、30件ぐらいが、いわゆる裁判員裁判にかかるような事件です。そのうちの9割ぐらいは、客観的証拠に供述証拠を合わせて立証できるものです。ただ、1割ぐらい、30件でいうと2件から3件ぐらいは、被疑者のしっかりした供述があって、そこから裏付けをしていって初めて全貌が分かる、そのような感覚です。ただ、これは、それぞれの地域によって差があろうかと思います。大分県は田舎の県でございますので、東京都やその近辺などとは数値的なものは変わってくると思いますけれども、私の肌感覚で言うと、客観的証拠が少ない事件は1割くらい、そのような感じでございます。 ○小川委員 客観的証拠だけでは足りないということで、取調べを行うとして、その場合、どのような理由で被疑者は供述をするのでしょうか。否認や黙秘をしていた被疑者が取調べによって自白に転ずるというのは、御経験ではどのような理由によるものだと思われますか。 ○甲斐氏 被疑者によって様々です。否認する被疑者もいろいろな理由がございます。前科があったり、処罰を恐れたり、肉親とかに迷惑をかけたくないという気持ちがあったりですね。それから、取調官に対する不信感とか不快感みたいなものも時には生じようかと思います。被疑者自身の心の混乱とか疲弊もあると思います。否認の内容も、犯行自体を否認したり、あるいは行為の外形的な事実は認めるのですけれども、犯意を否認したり、外形事実と犯意を認めて一部を否認したりと、様々です。私は、悪いことをしたら、できることなら処罰を逃れたいと考えるのが人間の自然だと思います。そんな被疑者にも、いろいろな弱い部分がございます。それは御家族との関係だったり、自分の前科との関係だったり、あるいは今置かれている環境との整合性だったり、そんなところを被疑者の境遇だとかそういったことを聞きながら、正直に話すことがいかに大切なことかということを説きながら、被疑者が何を隠そうとしているのかということを探りながら、相手に応じて説きます。被疑者において、正直に話すことの大切さが腑に落ちた時、自供が始まると思います。そもそも、事案の真相というのは奥の深い沼の底にあるようなもので、今は防犯カメラなんかが随分外に付けられておりますので、外形的事実は分かったとしても、その内面的なもの、動機だとか原因だとか、ここらは被疑者が語ってくれないと分からないものですから、真相解明という点からすると、やはり取調べは欠かせません。相手に応じて説得をして、その辺りも語ってもらうのが取調官の役目ではないかと考えております。 ○川出座長 ほかはいかがでしょうか。 ○河津委員 本日は貴重な御意見をお聞かせいただき、ありがとうございました。   先ほど、昨今の問題視されている取調べに言及されて、この人たちは何をやっているのだろうという思いをお聞かせいただきました。取調べの適正化の必要性については少なくとも15年以上前から指摘されていたにもかかわらず、このような取調べが繰り返されている原因について、取調官のお立場からはどのようにお考えでしょうか。 ○甲斐氏 教養の在り方なんかも時代に沿って見直す必要があると思うのですけれども、やはり最後は良心だと思います、取調官のです。一定数の人間が組織を形成しますと、同じように教育しても、どうしても一部にはそれに反する人が出てくるというのは、どこの組織も同じではないかと思います。私はそういった取調官は取調べから外しておりましたけれども、現場の状況によっては人手が足りなかったりして、どうしてもそういった取調官を取調べに従事させなければならないような事情もあるのではないかと思います。そもそも論でございますけれども、丸いものは丸でしかありませんし、四角いものは四角でしかありません。それを功名心で丸いものを四角にしようとすると、どうしても無理が生じて、このようなことになってくるのではないかなと思います。やはり根底は、人間の良心にたどり着くのではないかと私は考えております。 ○河津委員 取調べについて苦情の申出を受けた場合、取調室の中で何があったのか、事実関係をまず確認する必要があると思いますが、取調べが録音・録画されている場合は、そこで改めて録音・録画を視聴して確認するということになるのでしょうか。逆に、録音・録画されていないときは、どのような方法で事実関係の確認を行うものなのでしょうか。 ○甲斐氏 まず、委員がおっしゃるとおりで、録音・録画されている分は、それを検証いたします、本当にそういった事実があるのかないかを。録音・録画されていなければ、ほかの取調官が被疑者から入念に聴き取ります。いつどこでどのようなことを言われたのか、どういった状況の下でそういった発言なり行為が行われたのかということを聞き、他方で取り調べた取調官からも事情を聞きますので、それを対比しながら確認していくという作業になります。もしその被疑者が、警察の調査に納得しないのでしたら、「弁護士にもそれを申し出てください」と。大分県は当番弁護士制度がございまして、弁護士の方が熱心にそういった話を聴いてくださいますので、もし被疑者の立場に置かれた方が疑念があるのでしたら、「弁護士会にもうちの方から連絡いたします。」ということもお告げします。 ○河津委員 その場合、事実関係の確認は客観的な証拠では行うことができないことから、取調官の言い分と被疑者の言い分とを比較して事実関係の判断をすると。 ○甲斐氏 そうですね、対比してということになります。 ○河津委員 そうすると、事実関係の存否を確認できない場合も生じ得るということなのでしょうか。 ○甲斐氏 私はそのような経験がありませんので、ここでお話しすることも限られるのですけれども、委員がおっしゃるように、事実関係が確認できないということもあろうかと思います。ただ、それはお話ししましたように、警察で確認できなければ、弁護士にも入っていただいて、被疑者の申出を聴いていただいて、という流れになるのではないかと考えます。 ○河津委員 今おっしゃっているのは、弁護士から改めて苦情の申出を受けるということですか。 ○甲斐氏 弁護士会に連絡をして、弁護士に入っていただければ、被疑者は弁護士にも同じような説明をするのでしょうし、それから弁護士がどうされるかというのは、様々だろうと思います。そこまで事が荒立った経験はありませんけれども、弁護士から「取調べでこういったことに気をつけてくださいね」という文書も届きますので、委員がおっしゃるようなことと似たような形態とすれば、そういったことではないかと思います。強制の、いわゆる逮捕した被疑者でしたら、担当の検察官と協議します。大分県だと、どちらかといいますと警察に言うというよりも、その担当の検察官にそういったことを弁護士の方が抗議されることが多いようでございます。 ○河津委員 そうすると、そこで改めて弁護士会や検察官において両者の供述を比較した判断がされるということですか。 ○甲斐氏 そうですね、事案によってはそういったことになろうかと思います。 ○河津委員 その結果、結局事実関係の存否が判明しないということも起こり得るということに。 ○甲斐氏 そうですね、それは可能性は全くないとは思いません。 ○河津委員 先ほど黙秘権の告知について具体的な御説明を頂きましたが、被疑者が黙秘権を行使して供述をしない場合に、供述するよう働き掛けをすることについて、どこまでが許されて、どこから許されなくなるのかという点については、どのような基準が設けられているのでしょうか。 ○甲斐氏 例えば、証拠関係を被疑者に突き付けて自供を促すとなると、それは自供を迫っているようなイメージになるのではないかと思います。お話ししましたように、正直に話すことがいかに大切なことかということを説得する分は、私は、黙秘権の侵害に当たるとは考えておりません。その辺りが一つの物差しになるのではないかと、私は考えます。 ○河津委員 そうすると、指導や監察の場面で、これをやったら黙秘権の侵害になるという基準については、どのようにお考えだったのでしょうか。 ○甲斐氏 黙秘権の侵害の具体的な基準というのは、大分県警察では設けておりません。近年ですと留置場から出てこないという方もおられますが、そういった方に対してどう対処するかというのは、強制の被疑者でしたら、検察官と打ち合わせながら取調べの在り方を探ってまいります。取調室まで出てきて「何もしゃべりません」と言うのでしたら、取調べに応じて事実を話すことがいかに大切なことかを説得します。それは時間の長短にかかわらず、私は、黙秘権の侵害に当たるとは考えておりません。 ○河津委員 逆に、ここから先は許されないという基準について、共通認識のようなものは警察でもないということなのでしょうか。 ○甲斐氏 黙秘権の侵害となると、暴言だとか、相手を威迫するような言動は、これはもう黙秘権の侵害になろうかと思います。言わなかったらどうするとか、警察の捜査をどう考えているのかだとか、そういった言動になってくると、それも黙秘権の侵害だろうと思います。そうではなくて、正直に話すことがいかに大切かということを説得する分には、侵害には当たらないと思います。具体的には、その辺りが境界線かなと私は考えます。 ○河津委員 客観的な証拠に関してお尋ねしたいのですが、起訴後の証拠開示の場面で、証拠が検察官に送致されていなかったために開示漏れが生じたり、時には証拠が隠されていたのではないかという指摘がされることがありますが、検察官に証拠が送致されないという事態はどのような原因で起こり得るとお考えでしょうか。 ○甲斐氏 私の経験則上、警察が収集した証拠を検察官に示さないことはあり得ません。 ○河津委員 警察では、告訴をしようとする人やその代理人、あるいは事件関係者から任意に様々な資料や電磁的記録を受領することがあると思いますが、それらの資料や電磁的記録は全て証拠として認識されているのでしょうか。証拠として認識されるものと証拠として認識されないものがあるとすれば、その区別はどのように行われているのでしょうか。 ○甲斐氏 それは、刑事事件に関してというお尋ねでよろしいのですよね。刑事事件に関して警察が受領する分で証拠化していないというものは、まずないと思います。それが後々現実的に刑事事件として立件されるかどうかは別にしましても、関係者から証拠関連の品を預かるわけですから、何の資料も作成せずに、ただ「お借りしますね」ということは、まずあり得ないと思います。 ○河津委員 そうすると、御経験上は、電磁的記録であったとしても、捜査上受領したものは全て証拠として扱って、それらは全て検察に送致されるべきものということになりますでしょうか。 ○甲斐氏 はい、刑事事件に関して言うと、そのような警察段階で宙に浮いてしまうようなものというのは、まずないと思います。 ○玉本管理官 本日はどうもありがとうございました。これは地域によって異なるかもしれませんが、最近、以前と比べると、否認や黙秘が増え、取調べの中で自供する被疑者も減ってきているのではないかと思うのですけれども、大分県の事情はいかがでしょうか。 ○甲斐氏 今日、弁護士の方もおられるので、ちょっと失礼な話になるかもしれませんけれども、私の在職時は、弁護士が「黙秘しろ」と言うケースが、一昔前に比べれば結構増えてきているような印象を受けておりました。もちろん黙秘権は保障されている権利ですから、そこを推奨する分は私たちがいろいろと言う部分ではないんですけれども。ただ、刑事訴訟法は公共の福祉の維持と基本的人権の保障を照らし合わせながら、事案の真相を解明することが最後に求められるところなので、被疑者に黙秘権を行使することを推奨することが果たして全ての被疑者のためになるのかというのは、私はちょっと首をかしげるところです。黙秘権を行使する被疑者が増えた要因は、弁護士が促すところもあるような気がいたします。 ○西廣委員 今日はありがとうございます。   先ほど、録音・録画を始める前は自供していたのに、それが始まってしまうと、例えば報復を恐れたりだとか、これがどこでどう流されるのかが分からないということで拒否をされてしまうとか、口をつぐんでしまうとか、そういったお話があったかと思うのですけれども、ほかに、そういったことに流されるような心理的な変化や理由みたいなものが、ほかにもしあれば、教えていただけますでしょうか。 ○甲斐氏 私自身は、録音・録画制度が始まったときには取調べを管理する立場でしたので、カメラの中で取り調べた経験はないのですけれども、カメラを設置している取調室に入ったときに、まず、人ってカメラがある前では話はしにくいと思います。   私の経験をお話しさせていただきます。被疑者は、真相を語るとき、人間の愚かさとか醜さが露呈します。恥をさらすことになります。人は情けない姿を他人に見られたくないという思いがありますし、ましてや録画されて人前で再生されたくないという思いはすごく強いと思います。どういった場合に録音・録画が使われるかというのは取調官は説明しますし、その後、検察官の取調べも受けますので、どういったときにどう使われるというのは、ある程度イメージは被疑者でも湧くと思うのですけれども、とはいえ、人はそういった録画されたものを皆の前でさらされたくないという思いは強いので、大前提には、それがあろうかと思います。   私が取調べを行っていた当時、被疑者は、真実を口にしようかという思いになったときには、喉仏が鳴ったり、つばを飲み込んだり、水を欲しがったり、下を向いたり、煩悶の悩んでいる表情を浮かべたり、頭をかいたりしていました。いろいろな葛藤をしながら、言おうか言うまいかと考えていました。私は、もうこの被疑者はそろそろ真実を語ってくれるかなと感じたときには、補助者に、「ちょっといいかな、外してもらえるかな」ということで、二人だけで話を聞いていました。被疑者と二人だけになって、「もう二人だけですから、よかったらどうぞお話しください」と申し向けると、そこで号泣されたりしていました。その後、「実は」と自供が始まるのですけれども、そんな姿というのを人に見られるのは誰しも嫌なものでしょうから、カメラの前で正直に話してくださいという説明をしても、理屈では分かっていても、感情がそこに到達しないところが一番大きな原因ではないかと思います。それを被疑者が、「カメラの前でしゃべりにくい」という言い方をするのか、あるいはほかの理由をつけるのかは様々でしょうけれども、心理的に一番大きなところはそこではないかと私は考えております。 ○西廣委員 もう1点、そういったことになりますと、例えば参考人だとか被害者の方、そういった方たちにカメラの前で話していただくというのも、同じようなプレッシャーだったり、同じような悩みがあるということになりそうでしょうか。 ○甲斐氏 参考人等の取調べに関しては、供述の任意性の立証は余り問題にはならない、そもそも供述拒否権は告げませんし、警察段階での供述は、原則として公判では証拠になりませんので、任意性という立証の観点をすると、録音・録画は余り必要ないと思うのですけれども、一方で参考人等は非常に多くおられます。例えば、犯罪を目撃された方などですね。警察の現状で言いますと、目撃された方に「御協力願えますか」とお願いすると現場では話していただけるのですけれども、では、「今お話しした内容をちょっと供述調書にしたいので」とお願いすると、「いや、私は忙しいので」となるので、「いや、お聴きした内容を取りまとめて、空いている時間にでもお持ちしますので」というぐらいでしたら、「では」ということで協力してくださいますけれども、「空いたお時間にちょっと警察の施設まで来ていただいて、カメラの前で」となると、まず多くの方が、「私はもう関わりたくない」と。被害の関係者だとかでしたら別ですけれども、単なる犯罪の目撃者になりますと、恐らく協力を得るのはかなり難しくなるのではないかと考えます。 ○笹倉委員 今日は御経験に基づいてビビッドにお話しいただきましてありがとうございます。   1点お伺いします。現場に指紋が残っていたのだけれどもそのことについて合理的な説明がついたので疑いが晴れたという事例のお話がありました。取調べをめぐる議論で「真相解明」というと、有罪方向で結論が得られる場面が主に想定されていることが多いように思われます。被疑者として取調べをするのは、その人による犯行を疑わせる材料があるからこそであるわけですけれども、しかし、その人が実際には無実である場合には、そのことを明らかにし、疑いを晴らすこともまた「真相解明」であるわけでして、そのような観点から、取調べをしてみた結果、無実だと分かったという例が他にもあれば、差し支えない範囲で教えていただければと思います。 ○甲斐氏 先ほどの話は実例ですけれども、ある女性が性的な被害に遭う事件がございまして、その被害に遭った部屋がマンションの高層階でした。現場で鑑識作業をしておりましたら、ベランダの雨どいのパイプに指紋が残っていて、それが前科のある方の指紋で、その方が容疑者として浮上しました。なぜそこに指紋が付いたかというのは結局分からずで、では本人に確認してみようかとなって取調べを行うと、「短期のバイトでそのマンションを建築したときに現場で働いていたんです」と、それで雨どいに本人の指紋が残っていたと、本人のその話を聞き得て、裏付けしましたら、間違いなく建築作業に従事していて、その現場で本人が働いていたことが分かりました。もちろん事件当時のアリバイも確認しましたけれども、ちゃんと成立しましたので、そういった容疑を消すといいますか、容疑性をなくすという意味でも、取調べはやはり欠かせないと考えます。   また、取調べとは角度が違うかもしれませんけれども、よくよく話を聴いてみないと分からない案件もあります。侵入強盗事件で、被害者が「赤のシャツを着た人が犯人です」と言いましたので、緊急配備しましたら、その近くで赤シャツの男を確保しました。取り調べますけれども、本人はアリバイもあるようですので、被害者に直接見ていただいたら、「男の人は緑のシャツを着ているではないですか」という話になりました。要は、被害者の方は色覚が不自由でした。そんなこともございますので、やはり容疑があれば、御本人に確認してみないと分からないことは多くございます。 ○笹倉委員 今御紹介いただいた事例は、被疑者として黙秘権を告知して取り調べたというよりも、その一歩手前の話と理解してよろしいですか。 ○甲斐氏 現場に指紋が付いている、被害者の目撃証言があるとなると、かなり容疑性は出てきますので、本人には供述拒否権を告げて、「こういったことで話を聴くから」という手順は踏んでおります。 ○川出座長 予定の時間も過ぎておりますので、これで終了とさせていただきます。   甲斐様、本日は非常に有益なお話を頂きまして、誠にありがとうございました。お話しいただいた内容につきましては、本研究会における重要な参考とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。              (参考人退室) ○川出座長 以上で本日のヒアリングは終了です。   次回以降の会議の議事等につきましては、これまでに皆様から頂いた御意見も踏まえまして私の方で決定し、期日間に皆様にお知らせすることとしたいと思います。   本日予定していた議事につきましては、これで終了いたしました。   次回の日程については、調整の上、なるべく早く確定させ、事務当局を通じて皆様にお知らせしたいと思います。   本日の会議におけるヒアリングにおいては、具体的な事例に関する御発言もございましたので、御発言内容を改めて確認するとともに、ヒアリング出席者の御意向も伺った上で、非公表とすべき部分がある場合には該当部分を非公表としたいと思います。それらの具体的な範囲や議事録上の記載方法につきましては、相手方との調整もありますので、座長である私に御一任いただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○川出座長 それでは、そのようにさせていただきます。   本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。 -了-