法テラスの在り方に関する有識者検討会 ~もっと利用しやすく、もっと身近な 司法アクセスを目指して~ 第6回会議議事録 第1 日 時  令和8年7月30日(木)    自 午後3時00分                         至 午後6時13分 第2 場 所  法務省共用会議室6・7         (中央合同庁舎6号館A棟法務省ゾーン7階) 第3 議 事  (1)「法テラスの生成AI・デジタル技術の導入と業務効率化」について    ア ヒアリング     ・ 大屋雄裕氏(慶應義塾大学法学部教授)     ・ 五月女有良氏(総務省自治行政局行政経営支援室長併任地域DX推進室長)     ・ 公森義貴氏(日本マイクロソフト株式会社パブリックセクター事業本部パブリックセクター技術戦略室)    イ 質疑応答・意見交換  (2)「支援リソースの確保・法教育・その他関連事項」について  (3)第7回以降に向けた総合的意見について 議        事 青木参事官 それでは定刻ですので、ただいまから、法テラスの在り方に関する有識者検討会~もっと利用しやすく、もっと身近な司法アクセスを目指して~第6回会議を開催いたします。   皆様におかれましては御多忙のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。   本日は岡野委員が御欠席となりますが、座長を含め14名の委員に御出席いただいております。   ここからの議事進行につきましては、佐藤座長にお願いしたいと思います。 佐藤座長 本日もよろしくお願いいたします。   本日の議事に先立ち、この度の熊本での地震により被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。現在、法テラスを始め関係機関において、被災された方々に必要な支援を届けるべく懸命な対応が続けられていると思います。被災された方々が1日も早く平穏な生活を取り戻されることを願っております。   それでは、本日の議事に入りたいと思います。   まず初めに、本日の配布資料について事務局から説明をお願いいたします。 青木参事官 では、配布資料について説明いたします。   まず資料1は、法テラスにおける生成AI・デジタル技術の導入と業務効率化に関する資料でございます。資料1-1では、法テラスの業務運営の現状や効率化の取組について、資料1-2では、政府や地方公共団体における生成AI活用等の先進事例について、それぞれ整理をしております。   資料2は、支援リソースの確保及び法教育に関する資料でございます。法テラスにおける担い手の確保、裾野拡大に向けた取組や、担い手の定着、活動環境の整備に向けた取組等について整理をしております。   資料3は、その他関連事項に関する資料でございます。これまでの会議における委員の皆様の御発言を踏まえ、法テラスの予算構造や独自財源確保のための取組について整理するとともに、ビッグデータの活用の一例として、消費者行政において活用されております全国消費生活情報ネットワークシステム通称PIO-NET(パイオネット)の概要等をまとめております。   資料4は、法テラスのビジョン2035に関する資料です。   資料5から7は、本日のヒアリングの報告者の皆様から御提出いただいた資料になります。ヒアリングの際に御参照ください。   資料8は、康委員から御提出いただいた資料でございます。後ほど康委員の御発言の際に御参照いただければと思います。   資料9-1及び資料9-2は寺町委員提出の資料でありまして、こちらにつきましても、本日の議題に関連する会議資料として取り扱ってほしいとの御要望を受けて資料とさせていただきました。   資料10から16は、本日の最後に皆様から総合的な御意見を頂くことに関連して提出いただいた意見書になります。   資料等の説明は以上でございます。 佐藤座長 ありがとうございました。   事務局からの説明がありました資料について、何か御質問等ございますでしょうか。   それでは、本日の議事に入らせていただきます。   本日の議題は、お手元の議事次第にあるとおりです。本日は複数のテーマを取り扱わせていただきますが、会議の構成としては、「法テラスの生成AI・デジタル技術の導入と業務効率化」、それから「支援リソースの確保・法教育・その他関連事項」と、テーマを二つのブロックに分けて御議論いただきたいと考えております。   一つ目のブロック、「法テラスの生成AI・デジタル技術の導入と業務効率化」においては、大屋委員、総務省自治行政局行政経営支援室長併任地域DX推進室長の五月女有良様、日本マイクロソフト株式会社パブリックセクター事業本部パブリックセクター技術戦略室の公森義貴様から、それぞれヒアリングを行います。その後、康委員から御発言を頂いた後に、質疑応答及び意見交換の時間を取らせていただきます。   次に、二つ目のブロック、「支援リソースの確保・法教育・その他関連事項」においては、まず板東委員からビッグデータの活用に関する御発言を頂き、それに続いて、事務局から法テラスの予算構造等についての説明をいたします。その後、委員の皆様から意見交換を頂くお時間とさせていただく予定でございます。   そして、二つ目のブロックの議論を終えた後に、これまでの会議の進行を踏まえて、第7回会議以降に向けた総合的な意見交換のお時間を取らせていただきます。このブロックでは、まず法テラスから先日発表した「法テラスビジョン2035」について説明をいたします。その後、各委員から中長期的な観点に立った総合法律支援の在り方や、その中で法テラスが果たすべき役割・使命について、順番に御意見を頂くことを予定しております。   以上、3時間の長丁場となります。私の方で無理に入れてもらった議題もあり申し訳ありませんが、本日もよろしくお願いしたいと思います。   それでは早速、「法テラスの生成AI・デジタル技術の導入と業務効率化」に関するテーマに入らせていただきます。   まず初めに、本検討会の委員であり、慶應義塾大学教授を務めている大屋雄裕委員から、日本国内でのAX・DXの動きと、それらをどのように活用し業務に取り入れるべきかといったことについて、報告をお願いいたします。   大屋委員、よろしくお願いいたします。 大屋委員 御紹介いただきました大屋でございます。   私、専門は法哲学という学問をやっていますが、その中でも情報化社会論といって、情報技術の発展が法や制度のシステムにどういう影響を及ぼすかということを、30年ぐらい研究してみたということになります。   御承知のとおり、ここ10年ぐらいのホットトピックスはAIでしたので、そこにも挙がっている人間中心のAI社会原則の策定等にも携わってきましたというのと、一方で、なぜかといわれると困るのだけれども、地方自治関係の仕事もずっとやってきていましたので、この後御紹介いただく自治体DX研究会だと、クライアントしかいないような状況になったりしておりました。   先ほど出ているように、ここのところ日本政府、それから自治体のAI活用ということについての機運が大分高まっていまして、昨年にAI法というものも制定されました。これは、何をやるかというと、多分特に何もやらないと書いてある法律で、法律事項はないのですけれども、人工知能戦略本部を作って、基本計画を作って、政府として推進しましょうという体制を作ったところがメインであります。それに基づいた基本計画は年末にできて、AI指針というものも取り決められるに至りました。これを受けて、これまであった総務省と経済産業省それぞれのガイドラインが統合されるような動きがあったり、総務省の方では、自治体におけるAI活用導入のガイドブックを作っていただいたり、デジタル庁がガバメントAIを作ったりというような動きが進んでいるということです。   その一方で、これと行政の様々な原則との関係はどうなのかということも問題になっていて、これは総務省の行政管理局の方で、行政通則法AI利活用ガイドラインというものを作っていかなければならないというような話になっているということです。   その中で、ひとえに行政事務といっても、非常に形式的というか、ルールに基づいた情報処理というものから、裁量性とか弾力性の非常に高いものというのはいろいろあるじゃないですかと、AIを活用するといっても、どこにどう活用するかということが問題で、それによって規律する程度が変わってくるということも整理されているわけです。   ただ、先ほど言ったとおり、私もここ30年ぐらいこの仕事やっているので、その観点から言うと、そもそも皆さん、AIを使うとかAIとは何かということについて、どのぐらいお考えになっているのだろうかと思うことはかなりあります。   例えばですけれども、人工知能ってそもそも何ですかというのを、先ほど言及した政府のガイドライン類を参照してみると、分からないと書いてあるのです。定義は様々であるとか明確なものはないといったことがきちんと書かれている。では、昨年のAI法だとどうですかというと、そこに書かれているように、「人工的な方法により人間の認知、推論及び判断に係る知的な能力を代替する機能を実現するために必要な技術」と書いてあって、これ、電卓も入りませんかといったことになるわけです。要するに、何がAIなのかということを我々は余りはっきりと決めないまま、AIを導入しましょうと言い合っているというのが実態です。   そもそもAIとは何なのかということをもう少し詳しく説明すると、要するに、現実的には、自動化されたプログラムの動作のうち、我々にとって見慣れないものをAIと呼んできているだけなのです。   これ、多分20年ぐらい前に、私、AI搭載エアコンという広告を見たことがあって、AIがエアコンに載るわけないではないですか。これは何かというと、要するに、それまでの温度で管理するのではなくて、温度と湿度から快適度を算出して、どのように動作させましょうねという表をあらかじめ作っておいて、それに合わせて動作するように仕組みましたというだけなのです。   あるいは、エクセルにオートフィルという機能があって、皆さんもよく使ってらっしゃると思うのですが、1、2ぐらいまで入れて、右下を引っ張ると10まで入れてくれるというものです。どこまでやれるのだろうと思って、私、実験してみたのですけれども、甲、乙からは癸までいきましたし、子、丑からは酉までいきますということです。あるいは、1、3、5と入れて、等差数列ができるかなと思ったらできました。一番右は、これ失敗したもので、フィボナッチ数列がつくれるかなと思ったのですけれども、1、2、3、5まで入れて右下引っ張ったら、謎の法則性を見出して変な数列ができました。   ただ、これ、皆さん日常的に利用している機能だと思うのですけれども、これを多分10年前に持っていって、ほら、こんなことできるんだよと言ったら、すごい、AIだって言われたと思うのです。要するに、新しいものを常に我々はAIと呼んできただけであって、実はその間に共通する技術的本質があるわけではないというのが一つの話になります。   しかもという言い方をしますが、現在のAIの利活用あるいは開発は、第3次ブームだとか第4次ブームだと整理されるのですが、実はその前の第2次までのAIと第3次以降のAIで中身が大分違うのです。第2次に何をやっていたかというと、懐かしのエキスパートシステムというもので、つまり、専門家の判断というものをルールとして記述して、それを自動化したら、何か自動的に判断できるプログラムができるかということをやってみたのです。   知識表現というのですが、例えば法解釈において、弁護士たちがこういう判断基準に基づいてこう判断しているというのを、ルールとして書き下しましょう、そうしたら判決自動機械みたいのができるかと、試してみたわけです。すると、多少できましたというのが、右上のOCRと呼ばれる数字の自動読み取りですが、ゼロとはこういう形です、1とはこういう形ですとルールを決めて、ルールを守ったフォントを使ったり、ルールを守って我々が数字を書くと読み取れました。しかし、世の中には、7をいろいろな書き方で書く人が本当はいるわけで、そういった自然な我々の行動をカバーできるところまでは行きませんでしたというのが第2次ブームです。   第3次ブーム、ここで深層学習とか機械学習というのが生み出されるのですが、これは何かというと、そのルートを諦めて、大量の我々の行為の実例から、特徴量と閾値というのですが、どこに着目して、どこで判断を変えるかという境目を、機械に自動的に調整させるようにしてみたらどうだろうかとやってみたわけです。だから、典型的にはこの数字、我々が書いた数字の実例と、正解はこうだというのを与えて、正しい答えが出せるようになるまで、延々とプログラムを調整し続けるということをやらせてみたところ、いろいろなことができるようになったのです。   つまり、口でルールを表現できないような文字認識や顔認識ができるようになった。代わりに、どういうルールで何でこういう結果が出ているのか、誰にも分からなくなりましたと、これがAIのブラックボックス化と呼ばれる現象です。裏を返すと、つまり、AIと我々が呼んでいるものの中には、トラディショナルとモダンという言い方をたまにしますが、二つの大きく異なるものが入っています。トラディショナルAIというのは、明示的に記述されたルールの集合ですから、何を入れたら何が出てくるかは完全に予測可能です。ただ、それだけに、分かっているルールの範囲で限定的なことしかできません。他方で、第3次AIブーム以降、特に生成系AIも含めたモダンAIについては、学習による柔軟な機能向上が可能になった代わりにブラックボックス化しましたと、こういうことになるわけです。   ということも置いてみると、DXからAXといったことが叫ばれているわけですが、そもそもDXのところで我々がやっていたことの多くは、トラディショナル型AIの導入だったりするわけです。つまり両者は、デジタル情報を基盤として何らかの処理系を構築するという意味で連続的であって、あえて言うと、DXの場合はデータというのは処理の対象であったものが、AXにおいては同時に学習の対象であるという形で変貌したにすぎないと思われるわけです。   となると、AXといって慌てる前に、そもそもDXがちゃんとできるのですか、デジタル的なシステムがちゃんと機能する基盤があるのですかということをまず考えるべきで、それがもうできていますというところは、AIをどう利活用するかという話に進んでいただければよいわけですが、できていないというところも多分いっぱいあるだろうということは、留意する必要があると思われるわけです。   その下に、「龍ケ崎市」と「竜ヶ崎南高校」と「竜ケ崎税務署」と「龍ヶ崎公共職業安定所」と並んでいて、何だと思ったかもしれませんが、「リュウガサキ」の書き方が全部違うのです。国と県と市でルールが違いまして、あと、もちろん民間企業はまたそれなりの思惑で書き方を変えておりまして、人間はこれ全部同じ市のことだと理解できるのですが、機械的には同一かどうかさっぱり分からないという状態になっているわけですね。「リュウ」の字だけじゃなくて「ケ」の字の大小も違うのです。   つまり、これまで我々が作ってきたデータや書類等は、人間が処理するという前提で書かれている、作られているのです。そうなると、処理に揺れや漏れがあって、例えば、この「リュウガサキ」の書き方がぶれていても、人間が処理系である限りは発覚しない問題なのです。こういうのが、実はデータを眺めていくと至るところにあるというようなトラップがあります。   更に言うと、人間が処理するということから、ローカルルールが誕生してくるところもあったわけです。初回に言った気がしますけれども、法務局の本局と支局で会社登記の書類の並べ方が違う。要するに、その職場で審査する人間がやりやすい形というのがルール化されて、それが継承されて、人事系列の違うところだと違うルールがいつの間にか出来上がったみたいなことができているというわけです。   これを何とかしようということで、例えば今、行政データの機械可読性ルールという、デジタル行財政改革会議に資料として出たものですが、要するに、人間には分かりやすい表の形式というのが、プログラムにはとても分かりづらい、解析できないということです。真ん中のサンプルの上のような表形式というのは、人間には分かるのだけれども機械には分からなくなってしまうのです。特にセルの結合がまずいので、そういうのを全部止めて、下のような形に書き直すということを、今一生懸命進めていると、こういう状況にあるわけです。これに照らして、法テラスが今どのような状況で、次のタスクは何かということを考えていく必要があるでしょうと思うわけであります。   もう一つ、進めていくに当たって留意しなければいけない事項というのがあると思っています。それは、DXとかAXの「X」は何かということで、これはトランスフォーメーションなのです。つまり、デジタル技術とかAIとかを導入することを意味しているわけではないはずなのです。   それまでのアナログプロセスという言い方も何なのですが、アナログプロセスからデジタルプロセスへと変化しなければいけない、変容しなければいけないということは、アナログプロセスをどこかの段階で排除しなければいけないわけです。別の言い方をすると、デジタル化が進んでアナログプロセスが終了するから、初めて効率化が実現するわけで、それまでの間は、実はアナログとデジタルの両方の処理をやり続けなければいけないので、経費が増大するのです。だから、この死の過渡期みたいなものをいかに早く終わらせるかということを、念頭に置かなければいけないはずなのです。   この点については、私はあちらこちらで、日本政府は極めて人に優しいと悪口を言っていました。これは、悪口なのです。「底辺への粘着性」と私が呼んでいるような現象が生じているように思われます。それは何かというと、要するに、ついてこられない人がいるのだということを名目に、アナログプロセスを延々と延命させ続けるわけですね。ただ、そうやって弱者救済なのだという形でずっとこの支援を継続するために、本来ちょっと頑張れば抜け出せる人たちが、抜け出す気力とかインセンティブをなくしてしまうわけです。要するに、だらだらと怠けていれば、国が幾らでも付き合ってくれるのだから、じゃあ、頑張らなくてもよいじゃないですかというところにずっととどまってしまう人が出る。その結果、移行が全体として遅れるということになる。   問題なのは、その裏側で、真の弱者に負担が掛かっていることがないのかというところで、何となく目につく声の大きい弱者の相手だけしていないかということだと思うのです。これ、実際にもうオープンになったことだから言ってしまいますけれども、公開の場で言ったことですから、HACCP(ハサップ)という食品衛生の規格があって、それを厚生労働省としては断固として導入したいと言っていたわけです。ところが、目標年次を遅らせると言い出した。なぜかというと、中小事業者の対応が遅れておりますというわけですね。言い分は分かるのですけれども、HACCPというのは衛生基準で、それが整うことによって誰が一番助かるかというと、零細消費者のはずなのです。つまり、危険な食品というのが流通することによって、健康被害を受けるかもしれない消費者が生まれなくなるという効果が見込めるはずなわけです。ところが、その中小事業者を優先することによって、その消費者の救済という目的を忘れてしまっている。これが、やはり真の弱者の忘却という現象ではないかと思うわけです。   次、誰も取り残さないというようなことを、デジタル庁も標語として掲げているわけですが、誰も取り残さないのは良いことだと思います。当然そうあるべきです。つまり、何をどう頑張っても対応できないマイノリティは、絶対いるはずなのです。例えば、行政手続のデジタル化は、視覚障害者の人対応できますかというと、実は対応できたりするのですけれども、デジタルデバイスの方が障害に対応しやすいという側面がありますから。   ただ、私のよく分からないところで、本当に対応できない人がいると思います。その人に対しては、特別の対応をきちんと用意して、例えば、行政サービスが利用不能になるようなことがないように配慮しなければいけないはずです。ただ、それにはコストが掛かるはずなのです。そのためのコストがどこから湧いて出るかというと、全体をDX化、AX化して効率化することによって出てくるのではないか、行政コストを、いけるところは前に進むことによって、効率化することによって、浮いたコストを本当の弱者のために振り分けるということが必要なのではないかと思うわけです。   これ、だから、初回のお話にもつながってきますが、やはりフロントヤードはちゃんと人手をかけて維持しなければいけないと思っています。ただ、そのための資源がどこから湧いて出るか、資源は無限ではないですよねということを考えるならば、例えば、バックヤードは効率化しましょう、あるいは、フロントヤード業務の中で何が本当に重要かというと、相談に来られた方と対話すること、聴き取ることだと思います。その聴き取ることという目的に照らしたときに、ノートパソコンの画面を見つめてカタカタキーボードを打ち続けることが有益ですかといわれると、実はよく分からないですよね。   例えば、その会話を自動的に会議録化してくれるシステムを横で走らせることによって、その窓口の人は対話と聴き取りに専念できるようになったら、その方が本当の弱者に向けた対応になっていないですかというようなことを考えるわけです。   なので、この誰も取り残さない正しい方法について考えるべきだということを申し上げて、終わりにしたいと思います。 佐藤座長 大屋委員、御報告いただきどうもありがとうございました。   続きまして、総務省自治行政局地域DX推進室長の五月女様から、政府における自治体AX/DXの取組と、各自治体での業務改革の事例等に関する御報告を頂きます。   五月女様、よろしくお願いいたします。 五月女室長 五月女と申します。本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。   私からは、自治体の取組について御紹介したいと思います。   今、大屋委員から、バックヤードの効率化によって、フロント対応の資源を確保するというお話を頂きましたけれども、今、特に市町村も法テラスと同じような状況に置かれておりまして、職員数の確保もなかなか難しい中で、一方で仕事はなかなか減らないということで、AIを含めて機械に任せられるところはできる限り任せた上で、人が対応しなければいけないところに資源をどう集中できるかというような状況にあり、総務省も指針を示したりですとか、いかにそれをバックアップできるかという議論をしているところです。   今日お話しする内容を四つ書いてございます。「現場を変えるAI」から「新たな行政機能デザイン」ということで、まずこの「現場を変えるAI」ということで、職員を支援するAI、これは茨城県の事案です。   大屋委員のお話にもありましたが、例えば、生活保護とかいろいろな住民に寄り添うサービスをするときに、実情をヒアリングしますが、それを、今までは手書きしたり、パソコンで打っていたものを、AIでそういった記録はやってもらって、職員は直接的な対話の方に集中する。それから、AIの方で、その対話の内容を踏まえて、最適な支援策を提案してもらえるというような取組を始めております。   次に、住民と対話するAIということで、やはり法テラスと同じように、市町村窓口も問合せ対応が非常に多くございますので、いかにAIを使うかということで、この事例の良いポイントは、愛知県内の39市町村が共同でやっておりまして、共通化しながら共同利用しているところです。これによって、「効果」のところであるような問合せ対応が減ったりですとか、住民からすると24時間対応できますので利便性も上がると、お互いにとって非常にウィン・ウィンな状況が生まれているというような事例だと思います。   それから次が、総務省でモデル事業をこれまで数年間いろいろやっているのですけれども、これは旭川市の事例なのですが、非常に先進的なフロントヤード改革の事例になっております。下の図で見ていただくと、まず窓口のところで問合せを受けたときに、生成AIで最初どこに相談したらよいかというようなことを前さばきして、それを職員の間でも情報を共有しながら、バックヤードの方でも連携しながらやり、最後、申請から更新まで一気にデジタル処理できるような仕組みをやろうとしておりまして、AIを用いたモデルケースのようなものになってくるのではないかと思っております。   続いて、「AI時代の土台づくり」ということで、大屋委員のお話にもありましたエクセルの表記の仕方とかもそうですが、いわゆる「AI-Ready」として、AIに対応するようなベースを作っていくような取組をしています。   この自治体DX推進計画というのは、総務省が定めているもので重点取組事項があるのですが、特に関連が深いのが一つ目の「自治体フロントヤード改革」と、二つ目の「自治体情報システムの標準化」です。この二つが、いわゆる今の「AI-Ready」を考えたときのベースになるような取組としてございます。   まず、この自治体フロントヤード改革ですが、この図を見ていただきますと、従来の窓口業務、皆様も御経験されていると思いますが、実際に来庁するのですけれども、手書きが基本で、かつ自治体の職員の方も、それを自分で処理していくということで、手入力なのでミスもあったりとか、負担も大きいものになると思います。   今広がってきているのが、例えば、コンビニに行ってマイナンバーカード使いますと課税証明書や住民票が取れますけれども、そういったコンビニ交付があったり、あとはオンライン申請で、役所に行く前にスマホから申請できたりということで、一歩進んでいる状況ではあるのですが、これも先ほど大屋委員のお話にもありましたが、完全にデジタル化していないものですから、入口のところはデジタル化しているのですけれども、もらった自治体の方は紙で打ち出して手入力しなければいけないような手間は残ってしまっているということです。目指すべき姿としては、この一番下の、オンラインでできるものは全てオンラインで完結できる、実際にどうしてもオンラインにできない人の対応というのは少し残ってしまうのですけれども、それであったとしても、できるだけ効率的、例えば、来庁予約もして待たせない、それから、自治体の方も頂いたものを直接入力する部分を減らして、事務処理にミスがないようにするということで、この一番下の部分のところをどれだけ目指していけるかというのがこれからの議論です。先ほど申し上げた旭川のモデル事業などは、うまくいけばこういった姿を目指してやるような世界が見えてくるのかなと思いますが、こういった形で今フロントヤード改革というのを進めているところです。   もう一つが自治体システム標準化です。お伺いしたこともある方も多いと思いますが、自治体、およそ1,800自治体ありますけれども、今までは各それぞれの自治体が自分たちでベンダーを選んで、それぞれでシステムを作って、かつ、自治体の業務もたくさんあるものですから、それぞれ仕組みが違う。また、自治体によってその運用の仕方も違うものですから、カスタマイズもそれぞれやるので、非常にコストが高いやり方になってしまっています。   ベンダーロックインなどの問題もありまして、やはりそこは共通化を図るべきだろうということで、自治体情報システム標準化を進めているのですが、これの一つのポイントは、国の方で法律を作りまして、それに基づいて標準仕様書というのを定めてやりましょうということです。これは非常に画期的な法律なのですけれども、これに基づいて、今、20業務について、生活保護などといろいろ細かく書いていますけれども、標準化を進めていて、実際の運用が始まっていくと、この標準化の効果というのが徐々に見えてきて、基盤として非常に良いものになるのではないかと期待されています。   次に、「集合知が生み出す価値」ということで御紹介したいのは、一つ目が自治体横断の集合知ということで、一つの自治体にとどまらない例として、これは和歌山県の例ですが、和歌山県と県内の市町村が共通のサービスを導入しました。これは生活保護のケースワークをAIで支援しましょうというサービスなのですけれども、この自治体をまたぐような形で生活保護ケースワークAI支援サービス通称WAISE(ワイズ)というシステムを導入しまして、ここのシステムの中に、生活保護関係の法令の実務ですとか情報がもう全て入っていて、それを検索して分かりやすくする。それによって、今までだったら紙で調べたりとか手動でやっていたものが、大幅に時間が短縮できます。それから、現場のケースワーカーの皆さん、いろいろな実例に現場で当たっていますけれども、そこで得られた知見というものもここに入れて、そうすると、FAQのような形で運用が蓄積されていきますので、これを多くの団体がやることによって、今まででしたら属人的にやっていたような作業も、みんなの共通理解の下、共通知になってやっていくというような効果もあるなと思っております。   二つ目が分野横断ということで、これは、藤枝市の事例なのですけれども、市町村には課というのがいろいろありますが、実際に業務に当たるときにいろいろな連携をしている場面があります。これは市民課と地域包括ケア推進課と福祉政策課というところが連携したやり方なのですけれども、密接に関わる部署が共通のクラウドを用いまして、法令ですとか通知とか業務マニュアルとかを、検索できるような仕組みを用いることで、横の連携がしやすくなるというような期待が持たれているところです。   三つ目が消費生活、これは国と地方で一緒にやっている例ということで、消費者庁、それから国民生活センターの国の面と、自治体ですと都道府県・市町村の消費生活センターも同じように相談業務をやっておりまして、いろいろな情報が集まります。それを、受けた相談内容などを共通のデータ基盤に集約をしまして、それによって相談内容の集約化・要約化をしたりですとか、傾向分析もできるということです。この図としては、上の方のパソコンなどに慣れている人は、オンラインで見てもらってFAQなどで対応してもらいます。一方で、パソコンやスマホが苦手な方には直接人が対応するということで、人でしかできないことに集中するためのベースを作っているような事例になろうかと思います。   最後に、「新たな行政機能デザイン」ということで、AIがどういった変化を今、市町村にもたらしているかということなのですが、これまでは主に各課単位でやっていた事業が、先ほど申し上げたようにいろいろな社会事情が複雑化していく中で、課にとどまらない、部局横断的に取り組まなければいけない課題が増えていますよねというようなことがいわれています。   その上で、専門化というのは、例えば先ほど申し上げたようなベテランの人の知識や経験みたいなものをAIを使って集約化することで、集合知のような形で誰でも使えるような仕組みに持っていけたら良いのではないかというものです。   それから、役所の組織ですからどうしても階層制になっておりますけれども、ここもネットワーク化をして、あまりその階層とか分野にこだわらずに有機的にやったほうが良いのではないかというものです。   最後、文書主義というのは、意思決定や実績などを文書として残して、後からちゃんと検証可能にするという原則は基本変わらないのですけれども、その中で、AIエージェントなどと最近いわれておりますが、住民サービスがより良くなるような取組を上乗せしてやっていく、自治体の仕事の仕方を変えていくという取組を進めたいと思っているところです。   これがAI活用の過去の流れで、先ほど大屋委員の話にもありましたが、AIの第2次、第3次、第4次ときまして、一言にAIといってもいろいろな種類があります。左側にある、いわゆる「ルールベース」で事前に決められたルールに基づいてあるもの、それから「機械学習」、「生成AI」というような流れがきている中で、これからはこの「AIエージェント」ということで、特定の目標を達成するために、環境を感知して、いわゆる自律的にやってもらえるようなAIをどう使っていくかと。今、自治体では、この生成AIまでは使われている事例がありますけれども、まだこのAIエージェントまで踏み込んだ事例というのはなかなか出ておりませんので、こういったAIエージェントみたいな新しい仕組みを自治体でやっていくときに、どういったことを検討しなければいけないかとか、そういうのを議論したいということで、この自治体AX研究会というのを今月から始めております。大屋委員にも委員になっていただいて、急速に進展しているAIを自治体も使いこなして、仕事のやり方自体を変えていくための議論をしていきたいと思っています。   具体的な論点として三つ示しているのですが、今申し上げたような、一言にAIといってもいろいろなAIの種類があるのを、どう組み合わせていくのが最適なのか。それから、エージェントというのが、ワークフロー型とか自律型、いろいろな形がありますが、どうガバナンスを効かせていくのか。それから、最後、自治体の制度ですから、やはり法令等に基づいて制度としてやっていかなければいけないというときに、AIが入ることによってどのような変化があるのか。また職員体制、組織の在り方、仕事の進め方、こういったものを、非常に幅広ですけれども、大屋委員の知見等もいただきながら、こういった方向でいけば自治体にとって非常にプラスになり、もちろん住民にとってもプラスになるのではないかという議論を、これから進めていきたいと思っております。   最後に御紹介で、AIを入れた場合のその業務の構造改革の簡単なイメージという形で御参考に書いております。上の方にありますように、今までは各課がそれぞれ別々にあって、やることもそれぞれだったものが、新たな業務単位ということで、例えば引越しをするときは、市民課の窓口に行きますが、その時にいろいろな給付の話とか福祉課の関係もありますとか、また給付金をもらうときには所得なども把握しなければいけませんので、税務課の情報が必要ですとか、自治体の業務は分野横断的になりますが、こういうところにAIを入れると、非常に連携がしやすくなる。それが住民目線で見たときにも、非常にプラスになるような仕組みに持っていきたいなと思っています。   総務省としては、こういった形で自治体の皆さんに、あるべき姿というか、こういう方向性が良いのではないかということをお示しをする、また、先進的な事例をサポートし、良い事例を横展開していく。加えて、AIでこれだけ変わりましたよという成果をしっかり広報、マスコミにも協力をいただきながらPRをして、取組が広がるようにやっていきたいと思っているところです。   説明は以上になります。 佐藤座長 五月女様、御報告いただいてありがとうございました。   続きまして、日本マイクロソフト株式会社パブリックセクター事業本部パブリックセクター技術戦略室の公森様から、日本マイクロソフト株式会社としての生成AIと技術的な到達点、それから、これを安全に活用するための取組について御報告を頂きます。   公森様、よろしくお願いいたします。 公森氏 マイクロソフトの公森と申します。どうぞよろしくお願いします。   私の方から、生成AIの技術的な到達点と、公共のお客様ですので、安全な活用に向けて、飽くまで一般論で御説明をさせていただければと思います。   本日、二つの問いと題しまして、一つは、今、AIで何ができるのかという技術的な到達点と、それから機微な情報をお扱いになられると思いますので、どのようなところを注意すれば安全に使えるのかということを、民間のお客様ですとか公共のお客様の事例も交えながら御説明できればと思います。   私は、企業の立場で報告しますけれども、本日は飽くまで一般的なお話でございます。ところどころ弊社の名前や製品名ですとか他社の横文字が出てきますけれども、これはそういう種類があるなとまずお捉えください。一般的なお話としてお聞きいただければと思います。よろしくお願いいたします。   先ほど、大屋委員ですとか皆様のお話にもございましたけれども、歴史的に見ますと、業務といいますか、民間企業も含めてどこで使えるかなというと、AIは迷惑メールの振分けだったりですとか、音声を録音してテキストに起こすとか、画像を見て、工場などでこれ不良品だねとか、ちょっと異常があるねといった、画像分析のような認識等で使われてきて、生成AIというものが出てきて、音楽作ったり、画像を作ったり、動画作ったり、文書を作ったりできるようになりました。これは何か業務に使えるのではないかと飛びついて、実際にはやり出しているわけですけれども、今やここはみんなビジネスになると思っていますので、企業側としてもマルチモデルということで、いろいろなAIの種類があります。各企業で大体1万とか、もっと出てきていますけれども、棚にいろいろ並んでいるのです。いろいろなAIがありますという状況なので、それを選ぶ時代になってきています。   それから、先ほどにも出てきていましたけれども、AIエージェントということで、皆さんの分身として動くような、飽くまで補助ですけれども、人の代わりはAIって絶対、結論としてできないと思います。ですけれども、補助としてかなり工数を削減してくれるようなAIエージェントというのは出てきますし、今だとAIが物理の世界まできていますので、工場をロボットで動かすとか、いろいろな話、世界でも出ていると思いますけれども、現実の世界にもきていると、そこまできている状況でございます。   今、多くのところで考えなければならないのが、多様なモデルを選ぶ時代、モデルというのは、AIの賢さや頭脳だと思ってください。生成AIもいろいろな頭脳があります。オープンソースソフトウェアで無料だったり、売っていたりするのですけれども、たくさんあるのです。汎用のAIモデルですといろいろなことができますし、軽量のモデルですとある特定のことしかできないし、頭脳によってはもうこれしかできませんというAIもあるのです。いろいろなものがあります。これを組み合わせて使う。ここが今、皆さんの悩みどころになっています。   なぜ悩みかといいますと、値段が全然違います。大体世の中でテレビに出たり、ネットに出たり、ニュースになるようなすごいものが出たというのは、最新のもので大概高いのです。何でもできます、すごいでしょと言うのですけれども、やはり相対的にコストがすごく掛かります。   でも、忘れてはならないのですけれども、ものすごい速度で進化しているので、少し古いという言い方がどうか分からないですけれども、少し前のモデルでも業務が回ってしまったりするのです。もっと前の特定のモデルでも回ってしまったりするので、同じ業務をしたいというときに、一番良いモデルを買うと、端的に言うと、この相対コストで300倍掛かるのです。同じドキュメントを要約してくださいと頼むときに、すごく高いモデルを選んだら300倍コストが掛かるのです。本当は300分の1でできたかもしれませんというところで、実はこの辺りが良い話なのですけれども、種類が多いからみんな悩み出しているというのが現状でございます。それぐらい、でもポジティブにいろいろ選べるところまできています。   それから、AIの怖さといいますか、ハルシネーションとお聞きになられたことがあると思うのですけれども、AIがもっともらしいことを何か言って、正しくない回答してくるというのもよく言われたりしますけれども、これも事実だと思います。   それを防ぐために、皆さんのような業務のお客様ですと、行政文書だったり法律の文章だったりですとか、あとは何かサポートをするための施策みたいなものを決められていると思うのです。なので、例えばある方から相談を受けたときに、その相談の内容を要約した段階で、AIがサポートできることが並んでいて、そこの中から選んでくださいと指示ができるようになっていますので、皆さんが業務で使っているデータ等を使って、そこをエビデンスにして考えてください、何かを生成してくださいと指示ができるようになっていて、今AIはあらゆるパターンで基本こういう使われ方をしています。   ですので、人間が必ず判断をしなければいけないのですけれども、AIが何かを作って、こういう相談が来たときに、私たちが持っている打ち手の中でこれがきっと合うのではないですか、なぜならば、あなたが指定した、ここの自分たちができることというドキュメントやデータベースの中から、このように考えたので、こういう回答を出していますと、ちゃんと出典が出せるようになっていますので、最終的に人間が判断しなければいけないのですけれども、人間が判断できるような、そういう使い方が、民間にしても公共のお客様にしても一般的になっていますので、今はこれが当たり前になっています。   今もう一つの波はAIエージェントと呼ばれるものでして、AIエージェントというのは、本当に私の分身だと思ってください。皆さんの分身です。ただ、人の代わりはできないので、飽くまで補助です。   例えば何か依頼が入りました。お店でもよいのですけれども、何か商品を欲しいですと、そういう機能のある製品が欲しいのですと言われたときに、AIエージェントはそれを聞いて、理解をして、であればうちの商品で並んでいる中で、これがきっとこの人に合うのではないかと自分で探しに行ってきて判断してくれます。それを、例えば何か上長に申請しないといけないですとか、値引いてくれと言われた場合、値引きはどこまでできるのだろう、原価はどこまでなのだろうというように、もちろん権限を与えていればですけれども自分で探しにいけるのです。であれば、ここまでは値引けて、これぐらいの金額でどうですかというところまでそろえてお客さんに返す、ドラフトをするところまで、活用しているお客さんはもちろん民間でもいらっしゃいますし、AIエージェントはもう、そこまでできるようになっています。   そのときは、先ほど申し上げたとおり、その出典データベースというのは、皆さんが指定したところです。このドキュメントから必ず参照してください、ルールはこうです、値引いて良い原価率はこうなのです、だから、このパーセンテージに合わせてくださいと指示が入っているので、その中で出してきて、なぜそうしたかというのもちゃんと判断をして出してくれるという、そういうような動きをしますので、皆さんの分身みたいにして動く。ただ、ここから安全性の話としては重要なのですけれども、AIもAIエージェントも、ある程度権限を持って動きにいきます。ですから、管理をしっかりとしなければならないのです。昨今ニュースにもなったように、AIが暴走したといったお話がありますよね。ああいうことが起こらないとも限らないというのは、当然あると思うのです。なので、このエージェントは何者であると、人間でもそうだと思うのです。例えば、公森という人間が何者で、私が例えばマイクロソフトの社内でどういう職位で、どういう権限があって、何の決裁権があって、例えばどういうドキュメントにアクセスしてよいいというのを全部、普通に業務で皆さん制御されていると思うのです。AIでも全く同じです。   ですから、このAIエージェントとか、AIがどういう権限でもって、何の業務に携われて、どこまでのデータにアクセスできて、その結果何が起こったのかというのは、全部追跡できないと駄目です。ですので、皆さんそういう使い方をされていますので、そこは人と同じように扱うという意識を持っていただくと、取っつきやすいといいますか、分かりやすいのではないかなと思います。   もう1点は、何でもかんでもAIを使うと技術的には多分便利になるのですけれども、いろいろな業務において、使ってよいかどうかは全然別の話だと思います。特に皆さん、機微な情報を扱われると思いますので、公開して良い情報をAIに渡していいのかとか、そもそもAIのシステム、これは使っていい情報なのか、機微だからこれ駄目だよねとか、とてつもなく機密性の高い情報だから、そもそもクラウドを使ってよいかどうか、例えば、ガバメントクラウドに載せられないシステムというのもあったりします。場合によっては、デジタル庁に任せられないシステムであったりすると思うのです。   なので、そこは、当たり前ですけれども、AIかどうかとかじゃなくて、そもそもこれをほかの組織に預けて良いのかとか、どこかの業者のシステムに渡して処理して良いのかというのは、やはりルールを必ず決めないといけないと思います。これはAIに限らず、AIでも同じような考え方が必ず必要になってきます。   そんな中で、生成AIでも使えるパターン、置き場所、利用場所というのはいろいろあります。すぐに使えるような「①SaaS」と呼ばれるようなクラウドだったり、作り込んで使う「②PaaS」というようなクラウドだったりというのがあります。「②」は、分かりやすい例で言いますと、ガバメントクラウドですとかデジタル庁のガバメントソリューションサービス、通称源内ですね。   先ほども申し上げたのですけれども、クラウドでないと使えないとか、AIはそういう話ではないのです。なので、皆さん選べるようになっています。クラウドで使うもよし、この業務、このデータは自分の手元に置いて、手元でAI使わないと駄目だよねみたいなのもあるので、それは全部選べる、技術的にも仕様的にも選べる時代まできていますので、適材適所で、適切なところで選べますので、AI使うから全部クラウドにいってしまうとか、自分の手元を離れてどこかで動くって話ではないというのは含みおきいただければなと思います。   それの補足ですけれども、もちろんできること、できないことというのは、クラウドとクラウドではないところで変わってくるところはあるのですけれども、皆さんが選べますよというところは、是非一つ見ておいていただければと思います。このお話、本当に多いです。民間においても公共のお客様においても多いのですけれども、クラウドを使えないからAI使えないという場合があるので、そうではないですよというところは、ひとつ御理解いただければと思います。   もう一つ、弊社のようなIT企業ですとか他の事業者も含めて、AIを使えるサービスをどんどん出しているわけです。皆さんからすると、そういう業者が出しているAIのサービスは使って良いのか、やはり御懸念とか御不安があるのはごもっともだと思います。   業者がどういう取組をしているかといいますと、各国クラウドもそうですし、AIもそうです。規制だったりガイドラインが日本にももちろんございますので、我々も企業ですから、いろいろなところでビジネスをする必要がありますので、各国の規制とかガイドラインというのはもちろん準拠いたしますというのが、基本的な部分になってきます。ポジティブな面を見ますと、欧州だったり米国だったり日本だったり、いろいろな国でいろいろな規制とかガイドラインがあるのですけれども、いろいろなところでビジネスをする立場に立つと、全部を満たさなければならないのです。なので、全部突合していくと、一番厳しいところに寄っていくのです。そういう形で取り組んでおりますので、弊社に限らず事業者が、IT業界が頑張って努力しているところというのは、一定御安心いただいてよろしいのではないかと思います。日本ももちろん、ガイドライン的なものにも従っております。   とはいえ、弊社や他社のような業者が出しているAIサービスを使ったら安全なのですか、使ってよいのですかというと、実はそうではないです。例えが適切かどうか分からないですけれども、車とかお料理の包丁って、誰かを傷つけてしまう可能性もあるわけですよね。これって、AIも同じです。我々は安全にガイドラインに従って作っていますけれども、間違った使い方をすると、やはり誰かを傷付けてしまう可能性があるので、そこはルールを決めていただいて、組織単位でガイドラインを作っていただいて、適切に正しく使っていただくというのが必要になっております。そこは御承知おきいただければと思います。   駆け足でございましたけれども、本日のまとめといたしまして、一つ目の技術的な到達点といたしましては、今、多様なモデルの選択ができるようになっていますので、いろいろなAIの頭脳、価格や性能が違うものがたくさん並んでいる状態でございます。皆さん選べます。たくさん選べるもの、コモディティ化しているとは言い過ぎかもしれませんが、当たり前になってきています。   それから、何か間違った回答をしたら怖いというところに関しましては、皆さんの業務データとか行政文書からエビデンスをもって答えるという使い方、アーキテクチャシステムというのが当たり前になっていますので、そこで一定防ぐことができるようになっています。   さらに、エージェントで皆様の分身のように、飽くまで補助ですけれども、補助として動くようなところになっていますので、もう既に技術的にはかなりの到達点にあります。なので、かなり便利にはなっていると思いますが、とはいえ、二つ目として、やはり安全に使っていただくには、技術的には便利なものがいろいろもう並んでいますので、やろうと思えば何でもできてしまうぐらいになっているとは思うのですが、やはり機密度、扱う情報がどれくらい重要なのか、どこに置いたらよいのだろう、この業務はAIでやらせてよいのだろうか、クラウド使ってよいのだろうかとか、そういうことはやはり考えなければいけないと思います。   ちゃんとガードレールを敷いた上で、技術的にも、ガイドラインとかでルールを作った上で、これはデジタル庁ですとか経済産業省も含めて、いろいろルールを出されていますけれども、利活用ガイドラインも含めて、それに従って、皆様の組織独自のルールも作っていただいて、ガイドラインも作っていただいて、それに従って安全に運用していただいて、とても重要なのですが、必ず最後は人が責任を持って人が決定をするのです。AIに丸投げして、全部AIに業務を任すというと、責任もへったくれもなくなってしまいますので、必ず人が確認をして、必ず人が責任を持って決定を下すという、これはもうAIに限らずだと思うのですけれども、何にしても変わらないところですので、飽くまでAIは補助であると、技術的にはかなりの補助になると思います。ただ、ルールを決めないといけないですし、最後は人が判断しますというところで、私の御説明は以上とさせていただければと思います。 佐藤座長 公森様、どうもありがとうございました。   改めまして、大屋委員、五月女様、公森様、御報告いただきありがとうございました。   続きまして、これまでの御報告に関連して、康委員から、リーガルテック分野における事業運営の御経験を踏まえて、法テラスにおけるDX化やAI導入について御発言を頂くことにいたします。   康委員からの資料は、事務局資料8を御覧いただければと思います。   康委員、よろしくお願いいたします。 康委員 ありがとうございます。資料8を御覧いただければと思います。   初めましての方もいらっしゃるので、僕が誰なのかというと弁護士です。あと、AIリーガルテックの今取締役をしておりますというところで、AIとは何かは、もうお話があったのでいいかなと思っているのと、僕の個人的関心は、AIに何ができるかよりも、AIに何ができないかというところに基本尽きると思っているのです。基本的にもう何でもできてしまうので、何ができるかは余り関心を持っていません。   あと、AI活用とか導入とよく言われるのですけれども、導入しても成果が出なければ、空中戦は無意味だと正直思っています。なので、一番大事なのは、さっき総務省のお話にもありましたけれども、業務を分解して、その目的理解からどう導入するのかが大事なので、資料に入らせていただきます。   まず、この「01」のフロント業務と、バックエンドというかバックオフィス業務で分けました。まずこの前提の部分を御覧いただきたいのですけれども、安易にチャットボットとAI電話でいけるのではないか、コールセンターの人が要らないのではないかというのは、本当にそんなの話にならないなというのは、正直あのコールセンター紹介動画を見て思いました。安易な自動化は絶対に業務的に適さないです。理由は、やはり緊迫した状況下で相談に来ている人に対して、AIが対応しますというのは多分「無理ゲー」と思っています。なので、人が話を聞き対応することによる安心感の構築が、今この法テラスのコールセンターの業務を支えているというのは、非常に思いました。   それと同時に、僕が思い出したのが、飲食店の予約で、最近AIの電話でやってくれるものがあるじゃないですか。個室とか取りたいのに、何名ですかという、全く聞いていないみたいな。僕は、その時、その店を予約せず、電話を切りました。ということなので、結局何がAIに適しているのかは、しっかりと考えなければいけないなというところはあります。   今日、僕は、AIとは何かを、AIの業界もう8年ぐらい、弁護士をやりながら関わっていますけれども、抽象的な話は一切しません。完全に法テラスの業務に即して見たときに、右側ですね、コールセンターマネジメントシステムを構築されているのですよね、フロアモニター、ACD、ウォールボード等。相当な工夫を凝らして構築されているなというのは、率直にベンダーとしては思いました。   他方で、多分「秘伝のたれ」じゃないですけれども、作って継ぎ足してという、「たれ」のようになっているところが多分にありそうだなというところがあるので、各種システム間のつなぎ込みとか情報の受渡しのところなどが、より良くする観点で検討余地があるかもしれないなと思っていますが、もちろん法テラスの方もDXの部署があって工夫もされているので、検討余地が大きいなんていうことは断言できないなと正直思っています。   まず下、オペレーター業務なのですけれども、コールセンターの業務って、オペレーター、スーパーバイザー、スーパーバイザー統括、オペレーター管理というのがあるのですけれども、まずオペレーター業務で、実際動画の中でもお話しされていましたし、僕もすごく分かるなと思うのが、今日のFRESCじゃないですけれども、何ならもう国外退去させられるかもしれないみたいな緊迫した状況で電話が来たときに、話が散逸しているのです。これをまとめるのが大変だというお話があったのですけれども、それに関しては、もちろん皆さん多分文字起こしが浮かぶと思うのですけれども、ただ文字起こしするAIを入れれば良いかというと、全くそんなことはなくて、まず業務要件としては、リアルタイムに文字起こしがされなければいけないのです。理由は、電話切った後に文字起こしされても全く遅いのです。後で出ますけれども、スーパーバイザーがヘルプに来たときに、電話を切らないと文字起こしされないというのは本末転倒なので、まずリアルタイムの文字起こしができなければいけないですよというのが1個。   もう一つは、散逸ぎみに、ああでもない、こうでもない、ああでもないというのを言ってくるので、これを結構な精度で要約を行う仕組みが必要なのですけれども、僕が結構迷ったのは、どの時点で要約させますかということです。秒単位でのリアルタイムの要約って、多分無理だと思っています。文字起こしはリアルタイムでやるとしても、おそらくオペレーターが要約をしたいというアクションを挟まないと、システムとしては多分崩壊すると思っています。なので、そのオペレーターの方がワンクリックしたら、その現到達時点までの要約が行われて、例えばスーパーバイザーに送られるとか、こういうシステムじゃないと破綻するなと思います。そういう意味では、ただの文字起こしのAIを入れたらオーケーかというと、全くそんな簡単な業務ではないととても思いました。これが解決案です。   もう1個横が、振分けや実態審査に迷うことがあると、それはそうだなと思ったのです。要件がすごく多いのです。なので、これに関しては、基準とか定立されていると思うのですけれども、少なくとも第一次案の回答というのは、自動で行う仕組みというのは必要かなと思っています。   例えばですけれども、文字起こししたデータと要約というのは、元データと要約なので、質は全然違うわけですよ。二つとも、それを一次審査を行うAI、正直、見ていて汎用AIでできると思いました。そこに送らせて、一次判断が例えばオペレーターに返ってくる。これもオペレーターのアクションで行う。   しかもこれ、さっきマイクロソフトさんからAIのモデルのお話がありましたけれども、例えばGPT-5.5のProとかClaudeのOpusとか、あんなもの使って20秒返答待ちますというと多分電話切られています。なので、ここは軽量なモデルでクイックに判断ができるようなものじゃないと、全く無意味だろうなと、とても難しい業務だなと思いましたが、汎用AIでかなりできそうだなというのは、所感としてあります。   あと下ですね。スーパーバイザーの業務が、一番大変そうなのが、オペレーターがヘルプを求めるのです。僕、びっくりしたのが、スーパーバイザーは、このイヤホンとピッチ2個持って二つの電話を聞くことがあるみたいな、よくそんな聖徳太子みたいなことできるなって、そう思ったのですけれども、でも本当にされているのだと思うのです。これを、しかもヘルプに入って、途中から架電内容を瞬時に判断してヘルプするとなると、結構神業だなと正直思っていて、ここは、さっきのリアルタイム文字起こしだけじゃなくて、オペレーターがワンクリックで行なった要約等に基づいて、スーパーバイザーの今までの経験から、今何が必要か、何が引っ掛かっていそうかを抽出するなど、当たり付けができるAIなどが必要かなと思いました。   スーパーバイザー統括は悩ましいところの相談を受けているという形なので、これの相談に関しては全て記録を残して、AI化するとは書いたのですけれども、何でもかんでもAI化が良いわけではなくて、もうAだったらBって決まっているのでしたら、別にルールベースの方が良いわけですよ。無理にAI使ってコストを掛ける必要は全くないので、これがルールベースでもよいのか、それともAI化するのかは判断が必要ですけれども、少なくとも基準に基づいては、相談の一次対応が可能かなと思います。   あとは、オペレーター管理の方がログを選択するために大量の入電記録を聞いているというのですけれども、これも事業会社ではやっていたりするのです。一定の録音のデータにラベリング付けるのです。何分以上とか、あと結論がこうなりましたみたいなところを抽出してラベリングを付けて、うまくいっていない架電の要件を決めているのです。これ、法テラスも決めているのですけれども、一から十まで聞く必要ないので、それに基づいてラベリングした会話の通電のログだけを基本的に聞けばよいと思うのです。こういう形で、法テラスでは、もう最初から良い要件、悪い要件というのはしっかりと決まっているのです。それを、ラベリングするAIなどを活用すればよいのかなというのは、非常に率直に思いました。   裏面です。バックオフィスのところですけれども、これも大変だなと、正直思いまして、書式がとにかく膨大で多岐にわたりますよねというのと、この前見学というか視察というか行ったときに、疎明資料の審査をもう職人芸のように紙でされていて、僕、あれを全部デジタル化せよといったら、もう紙で慣れてらっしゃるので、逆に時間がもっと掛かってしまうのではないかなと、正直、率直に思いました。   そうすると、紙でやる部分は残すことは残しつつ、少なくとも一次判断がされている状態で紙判断を早くするというのは、1個あるかと思います。何でもデジタルにすると、多分ベテランの審査員の方々がついていけない可能性がよくあるのです。全部デジタル化して紙を持てないとなると、こそこそプリンターに行って何か紙出しているとかあるのですけれども、それだと意味ないので、そこは、紙判断は紙判断で残しつつ、その一次判断のサポートをするというのが一番現実的だと思います。   二つ目に、実はここに書いていろいろやってみたのですけれども、国選弁護等関連報酬の計算は、ルールがある程度定まっているので、これに関しては汎用AIとしては可能だと今、僕の方で判断しております。お時間の関係でやらないですけれども、ただ、少なくとも弁護士って、基本字が汚かったりするのです。僕もすごく字汚いのですけれども、あの手書きの文字を読み取るのは、さっき大屋委員のお話もありましたけれども、多分無理です。無理なので、そこはウェブにするなり何なり、弁護士に強要した方が良いと思います。誰に何を、ウェブ申請とか強要するのかでいうと、利用者に強要することは絶対できないと思います。恐らく絶対電話です。なので、そこは無理なのですけれども、弁護士に対しては別に手書きを廃止してよいのではないかなというところです。計算ルールが大分複雑だったので、AI化には多分時間掛かりますけれども、できることはできると思います。   あとは、地方の事務所ごとの書式やいろいろ方法が違いますみたいなところは、もう一言で片付けちゃいますけれども、書式の統一が望ましいですけれども、それに多分1年かけるのはばからしいと思っているのです。なので、この項目ではこういうことが書かれるというものだけを、ある程度ラベリングというかグルーピングで集めて、その上で、AIというかルールベースでよいのではないかなと思いますけれども、この項目に書かれているこれは、ほかの書式だとここに書かれているこれです、統一ルールだとここに書かれているここですとだけつなぎ合わせてやれば、この項目がどうのこうのみたいな必要がなくなるのかなというのは思いましたというところで、地に足着いた話しかしていないのですけれども、1個、業務改善の提案として発表させていただきました。 佐藤座長 康委員、ありがとうございました。   それでは、ここからは大屋委員、五月女様、公森様の御報告及び康委員の御発言を受けての質疑応答と意見交換の時間とさせていただきます。   御報告の内容に関する御質問や御意見がございましたら、挙手にて御発言いただければと思います。オンラインで御参加の委員の皆様は、挙手機能を使って御発言ください。   質疑応答と意見交換と併せて30分くらいを予定しております。なお、御質問の際には、どの方への質問であるかを明示して御質問いただければと思います。   では、まず、御質問があればよろしくお願いいたします。   寺町委員、お願いいたします。 寺町委員 寺町でございます。康委員の最後のところについて確認させていただきたいのですが、書式が違うとか手順の違いが、各単位会で違うものを統一しなければいけないのかと思っていたのですけれども、それを、ルールベースでAIで吸収できるとおっしゃったのですか。 康委員 そうです。 寺町委員 どこら辺ができて、どこら辺ができないのでしょうか。 康委員 統一が望ましいことは、僕も望ましいと思っているのです。ただ、例えば法テラス側だけが統一したとき、法テラスにはいろいろな利害関係というか、関係者がたくさんいる中で、今までと違う書式が来たときの混乱の方が、僕は大きいのではないかなと正直思いました。   うちだったり事業会社ではあるのですけれども、システムを張り替えましたっていったときに、張替えのコスト、例えば張替えに要する人件費コストを見たときに、数百万掛かっていたりするわけなのです。考えたときに、今すぐ統一をやることが、人件費コスト等考えると、本当に費用対効果が合うのかというと、合わないのではないかなという判断をしました。   その上で今、委員がおっしゃったところでいうと、例えば、項目の場所とか項目名とかが全然違うのだけれども、結局手続としては一緒なので、書いていることは一緒である部分がたくさんあると、実はお伺いしたのです。こういうものを、例えばAという項目とBという項目名は、実は同じことを書きなさいといっているとルールで縛ってしまえば、別にその回答というのは上に統一、中央集権で集まったときには同じ回答記載になるので、それで扱うことができる。   これをAIでやるのかルールでやるのかというのは難しいのですけれども、地方全部の記載方法の違いが何百通りあるのか、僕がまだ把握しておらず、何百通りになってくるのでしたらAIの方が良いでしょうし、そんなに種類が多くないのであれば、別にこれとこれは同じこといっているから、要は、結局レコードというか、データとしてどこのレコードにこの情報を記録して管理するのかという問題だと思うのです。ここを統一できないから、多分AI化が難しくなるので、そこのレコードの統一をAIでやるか、ルールベースでやるのかというと、大体できるのではないかなというのが所感です。   多言語でも別にできるレベルなので、日本語の違いぐらいだと全然できるのではと思っていますが、Aという項目に関して、Bではなくてアルファとベータみたいな感じで項目を分割していると、レコードが分割されてしまうので、そこになると、もうAIの方が良いと思います。 寺町委員 ありがとうございます。 佐藤座長 よろしいですか。   ほかいかがでしょうか。   では、生水委員、お願いいたします。 生水委員 御報告ありがとうございました。大変勉強になりました。   五月女さんに一つ教えていただきたいのですが、こちらの福祉相談AI活用事業の茨城県の事業についてなのですけれども、福祉相談AI活用というのは、自治体の相談現場だけではなくて、この法テラスの情報提供にも大変参考になるのではないかなと思いました。   その上で、こちらに書いてある資料の中で、このAIが相談者の相談内容を分析してクラウドに登録された文献、相談事例を参考に分析をして、アドバイス、助言をしていくということが書いてあります。このクラウドに上げられているこの相談事例というのは、困窮、住まい、家族、高齢ってかなり多くの広い範囲があろうかと思うのですけれども、どういった相談事例のデータベースを参考というか、登録しているのか大変関心を持ちました。もしお分かりでしたら教えていただければありがたいです。 五月女室長 実は、細かいところまでは把握できていないのですが、この茨城県の事例も、当然、個人情報やセキュリティなどを踏まえた上でやっていると思います。今、手元にはないのですが、また追加で調べられることがあれば、事務局を通じて共有させていただきますけれども、法テラスの業務にも参考になるような事例であることは確かかと思います。 生水委員 ありがとうございます。あともう1点、よろしいでしょうか。   私、実はその個人情報の件でも伺おうと思っていたところ、公森さんの方が、そこはもうリスク回避ができるのだというようなお話がありましたので質問しなかったのですけれども、相談現場では個人情報を伺って、センシティブな情報を聴き取っていきます。そうしたものが全て蓄積をされていくことについて、リスクはないのか危惧したのですけれども、その辺りはいかがでしょうか。 五月女室長 自治体でも個人情報のリスクは認識しなければいけなくて、ガイドラインや手引きなどもありますが、そこに加えて、AIを使った場合に更にどういった観点の議論が必要かといったことを我々の研究会でも議論を深めていければと思っています。 生水委員 ありがとうございました。 佐藤座長 はい、寺町委員、お願いいたします。 寺町委員 今の点に関連してなのですけれども、例えば、要保護児童対策地域協議会の要保護児童に該当する事由であるとか、あるいは精神疾患が疑われるので保健所の方に連携したとか、その根拠としてこういう言動があって何とかとか、要は、要配慮個人情報に該当するような事情というのが結構法律相談の中でも出てくることがありまして、やはりそこを、相談カード自体は情報公開の対象になっているので、本人が見ることを前提に、どこまで書くか書かないかということに現場ですごく困っているのですけれども、そこら辺を自治体の方は、情報公開の対象にならない内部の事務処理のための記録として事情を書いておられるのか、それで、それをAIにかけているのか、それとも、情報公開の対象になるようなものについてはどう扱われているのかという辺りを、教えていただけますでしょうか。 五月女室長 詳細を把握できておらず申し訳ございませんが、当然、情報公開請求があった場合の対応なども念頭に置きながら対応しているものと思います。その上で、どこまでAIの中に情報を入れているのかは確認が必要ですが、いずれにせよ個人情報などが外に漏れないようにしてやっているとは思いますので、そこはまた実態を確認してみたいと思います。 佐藤座長 よろしいですか。   ほかいかがでしょうか。諏訪委員、お願いいたします。 諏訪委員 共同通信の諏訪と申します。   五月女さんと公森さんにお伺いしたいのですが、当面、5年間ぐらいはこういった議論の中で、AIをどう仕事の中で使っていくかということが進んできて、組織の形というのは見えてくると思うのですが、長期的に見たときに、2040年とか2050年になったときの自治体とか、それからAIを使った仕事の仕方というのは、今の延長線上の中で組み立ててあるものなのか、それともうちょっと違った形での仕事の仕方というのが生まれてきて、ほぼバーチャルで物事が進んでいる中では本当に人の関与が限定されていくのか、どんなイメージで将来的な自治体、あるいはマイクロソフトさんの仕事も含めて、AIを活用したガバメント、そういった公的機関ができていくのかというパースペクティブがあればお願いしたいと思います。 五月女室長 今、国では、地方制度調査会において、今後の国、地方の役割の在り方などを議論しているところですので、現時点でこういう形が望ましいといったことを申し上げるのはなかなか難しいのですが、ただ、私も直前まで福島県庁で3年間働いておりましたけれども、自治体の現場を見てみると、仕事が減らない一方で、市町村、特に町村になりますと、職員採用も非常に難しいという現状があります。そのため、やはり人がやらなければいけない場面を減らして、そこに資源を集中させていく取組は間違いなく必要になると思っています。その際、可能な限りAIなりを使っていくことになりますので、気を付けなければいけない点や、どういう導入の仕方が望ましいのかといったことを、研究会で議論して示していけたらよいなとは思っています。 公森氏 大分先のお話なので、2040年になると、我々としては想像がつかないです。   ただ、私たちとしては、私たちが何か、事業者としてですけれども、できるわけではないので、国のガイドラインとか各国いろいろな規制とか、いろいろな流れがあると思いますので、技術は多分どんどん発展すると思うのですけれども、私たちから何かするというよりは、そのガイドラインとか規制とかに合わせながらビジネスをしていくという立場なので、私たちが何かを決めたりすることは多分できないかなというのが回答になります。世界の潮流とか日本のルールに合わせて、ビジネスとかサービスを作っていくということになるかなと思います。現時点もそうなっています。 佐藤座長 ほか御質問いかがでしょうか。   なければ、最後に私から公森様に質問なのですけれども、お話の途中で、機密性のある情報は外に出さずに手元で動かすことができるとお話があったと思うのですが、これは具体的に、例えば相談内容のようなものを想定したとして、固有名詞があったり、あるいは要配慮の個人情報があったときに、そういう情報を扱うのは、ネット空間、クラウドから物理的に切り離すということを想定しているのか、あるいはAIなりデジタルの作動に関する何かルールのようなものを埋め込むという、そういうイメージなのか、いろいろなやり方があると思いますが、どのような方法が選択肢としてあり得るのかを教えていただければと思います。 公森氏 まず、情報の機微性というよりは、クラウドなりオンプレミスなりでAIが動く環境というのは、物理的にまず選ぶことができます。そこに対して、ローカルで動かし、手元で動かしてもよいですし、クラウドでも動かしてよいのですけれども、それが個人情報であれ何であれ、それを置くかどうかというのは、各組織の御判断になってしまうかなと思います。どちらでも多分できるのですけれども、それはもう業界だったり組織だったり国とかガイドラインとかルールに従って運用していただくということになるかなと思います。 佐藤座長 分かりました、ありがとうございます。   谷口委員、お願いいたします。 谷口委員 すみません、弁護士の谷口です。   突拍子もない質問のように聞こえるかもしれないのですけれども、一つお伺いしたいのが、この多機関連携とかというネットワークをこれから形成していったときに、事案ごとにどの部署なりどの機関なりがどれだけ貢献したのかというのが、毎回毎回異なっていくということが今後あり得ると思うのです。画一的な算定方法ではなく、実際にどこがこれについてどのくらい貢献したのか、どのぐらい尽力したのかということに応じて、その予算等を割り振るような、そういうようなシステムというのは、AIとかを使うと可能になる可能性というのはあるのでしょうかという質問を、もし分かれば教えていただけますか。 佐藤座長 では、大屋委員、お願いいたします。 大屋委員 どこでというのが一つ目のポイントだと思いまして、例えば、今の国の予算制度というのはそうなっていないわけですけれども、例えば企業の中で、貢献度に応じて次期の予算配分をするみたいなことは十分あり得るわけです。そのときに、例えば経理と営業と法務がそれなりの貢献をして、これまでは全部営業の手柄で持っていかれたかもしれないけれども、裏側の貢献もちゃんと算定しようみたいことになったときに、それを、例えばいろいろなアクティビティから推定して算定するというシステムは、それはAIなり何なりを使ってやるということはできるだろうと思います。   何を基準とするかという辺りで、人々の実感に沿った判断ができるかというのが難しいところではあるわけですが、これまでも多分そういうバックヤード的な部署の貢献って、暗黙的には評価されてきたはずなのです。ただそれを、例えばより数値的に出していくとか自動化していく、要するに、暗黙知を自動反復できるようにするというのが機械学習、深層学習の技術の根っこなのです。要するに、形式知になっていればルールベースAIでよいわけですから、そうじゃないものを再現できるようになるというシステムは作れるだろうと思います。   ただ、逆にそれ、暗黙知なので、暗黙のバイアスとかが混ざっている可能性があって、それも再現されてしまうのです。なので、両面に気を付けなければいけないのですが、そういうことを作ることは可能だと思います。国のシステムについて言うと、予算法とか変えればできるのではないかという気はいたしますがという感じです。 佐藤座長 もしも五月女様、あるいは公森様から何か補足の御発言があればお願いします。 五月女室長 大屋委員のお話もありましたけれども、どちらかというと、自治体の場合には貢献に応じて予算を付けるというよりは、そもそも必要な事業は何かを議論して、その必要な事業に対して必要な予算を付けるというような予算システムになっていますので、例えば、AIを使うことによってコストが効率化すれば、その分ほかで必要な事業をやれることになるため、そうした点を評価して予算を付けていくとか、そういう議論はあるかなと思います。加えて、例えば、業務に対する人事評価などをするときに、このAIを使った場合の評価をどうしていくかといったことも考えていく必要があるのかなと、今、お話を伺いながら感じました。なかなか答えになっていないと思いますが、必要な予算を必要なところにどううまく回していくかを考えるときに、AIを使えばそれがやりやすくなるという可能性はあるのかなと感じたところです。 谷口委員 ありがとうございます。一言だけ問題意識共有しておきますと、今回後で、前倒しになっちゃいますが、大村委員の意見書を見ていて、各地のいろいろな形での連携があり得るとあった場合に、それをどのように多様な形のまま評価していくのかということは、どうすれば可能なのかという問題意識でお聞きしました。ありがとうございます。 佐藤座長 ありがとうございました。   それでは、時間の関係もありますので、御質問は以上ということにさせていただいて、それでは、法テラスの生成AI・デジタル技術の導入と業務効率化というこのブロックにつきまして、何か御意見があればお願いいたします。   では、赤堀委員、お願いいたします。 赤堀委員 事務局資料1-1を拝見いたしまして、法テラスに関連する書類や様式が200を超えていることや手続の複雑さに改めて驚きました。利用者の方々はもちろん、実務を担う弁護士や法テラスの職員にとっても、相当な事務負担になっているのではないかと思います。   第4回でも申し上げましたとおり、法テラスにおいては、利用者支援と業務効率化を両立しながら、紙を用いた業務を減らしていくことが重要であると考えております。デジタル化や生成AIの活用を進めても、提出書類が多過ぎて、手続が過度に複雑なままであれば、その効果も限定的になるのではないかと感じております。その意味では、デジタル化や生成AIの活用だけでなく、その前提として手続そのものを簡略化するという視点も必要であると考えます。もちろん正確な審査や適正な業務運営のために必要な手続があると思いますが、利用者、弁護士、法テラスの三者の負担軽減に加え、それに伴って生じていた管理コストの削減という観点からも、手続の簡略化には一定の合理性があると思います。   また、その際に気になるのが、こうした手続の根拠となっている業務方法書を始めとする規程類が細かくなり過ぎていないかという点であります。私は従前から、受託業務について業務方法書による枠の設定は不要ではないかと申し上げてきましたが、それ以外の箇所についても、本当にここまで詳細な規程が必要なのかという問題意識を持っております。もちろん、説明責任や業務の適正性を確保するためのルールは必要ですが、現在の規程の体系が、結果として利用者に過度な負担を強いる複雑な業務プロセスを生み出している面がないのか、それによって、かえってアクセス障害を生じさせている面がないかについては、改めて検証する余地があるのではないかと思います。   今回このような検討会を開催している機会でもありますので、個別の改善にとどまらず、他の独立行政法人の例なども参考にしながら、規程や手続の在り方を含めた大きな視点からの簡略化について検討していただきたいと思います。 佐藤座長 ありがとうございました。   もちろんDX化、AX化は非常に重要ですが、それ以前に業務効率化というレベルでも検討すべき課題があるのではないかという、こういう御指摘だったと思います。どうもありがとうございました。 佐藤座長 それでは、続いて川田委員からの御発言の申し出がありますので、よろしくお願いいたします。 川田委員 八幡市長の川田でございます。私の方から、自治体の現場からとして、一つ意見を申し述べさせていただければと思います。   事前のレクでも、法テラスの業務のいわゆるDX化の状況について御説明をお伺いしました。その結果、まだまだそういったところについてはこれからのところもあるというお話もお伺いをしておりまして、また書類の種類等もかなり、200種類以上あるということで、その辺り、これからのDX化についてはバックオフィスのいわゆる統一化とフロントヤード改革の辺りが中心になってくるのではないかなと思っております。   本市におきましても、やはり人手の問題とそれからDX化ということで、今やっておりますのが、いわゆる開庁時間短縮ですね、これはやっておられる自治体も結構増えてきているのですけれども、勤務時間と開庁時間が全く同じであったところ、これがいわゆる残業前提になってしまいますので、開庁時間を短縮すると、これが市民サービスの単純な、いわゆる後退にならないように、書かないで済む窓口、また、そもそも行かないで済む、オンラインで完結するような手続ということで、いわゆるフロントヤード改革をかなり進めさせていただいております。   こういったフロントヤード改革、うちとしてもやってはいるところなのですけれども、やはり課題になってくるのは、こういう底辺への粘着性というお話が本日、大屋委員からもありましたけれども、やはりどこまで、いわゆる対応できない方を行政としては置いていくわけにはいかないけれども、おっしゃるとおりで、現場では二重の手続がいつまでも残ってしまうというのが一番負担感が強いものになりますので、これをいかになくしていくかというところが非常に大きな、法テラスの業務効率化でも課題になってくるのではないかと思います。   この辺りを注意していただきながら、そういった標準化ですね、進めていただく必要があるのではないかなと考えます。 佐藤座長 ありがとうございました。   ほか御意見いかがでしょうか。   今の川田委員の御意見の中に幾つかのことが含まれていたのですが、その中の一つとして、改革を進めるときに古いやり方と新しいやり方がダブルトラックとして残ってしまうと、かえってコスト的には増えてしまうと、これは大屋委員のお話にもありました。移行期にはある程度やむを得ないことかと思うのですが、そのコストが許容範囲のものなのかどうか、仮に移行期には余計なコストがかかっても、将来的にはコストが減少していき、いずれ改革の成果が表れてくるのかという、その見極めが重要だと思います。   大屋委員の御経験から、例えばデジタル化の途上でアナログが残ってしまう、そのことのコストが許容範囲なのか、あるいは、許容範囲を超えて、むしろそういう改革はしない方がよいのか、その判断の基準、あるいは手掛かりのようなものが、何か御知見の中にあれば教えていただければと思います。 大屋委員 大した知見ではないのですが、今より大分前、10年ぐらい前の話ですけれども、やはりオンライン申請とかオンライン化をやらなければいけないと政府全体として取り組んだときに、それなりにうまくいった事案と完全に頓挫した事案というのは当時ありました。   それなりにうまくいったのは、やはり登記の電子申請とかそういうもので、完全に頓挫して、もう税金の無駄遣いで止めろって財務省に怒られたというか、会計検査院に怒られたのは旅券のオンライン申請でした。当時の話ですよ。それはなぜかというと、要するに、登記というのは、やられるのはほとんどがプロなのです。司法書士さんは、今度電子化しますと、こういうシステムで受け付けますというと、それが経済合理的であればきちんと対応されるわけです。それは登記と何でしたっけね、土地関係の申請システムが、要求水準が微妙に違うので何かパソコンが3台並んでいますみたいなことになったりはしたのですが、それでも合理的ならやってくださるわけです。   他方で、旅券というのは、申請をやっているのはほとんど一般国民でして、当時の環境でこういうオンライン申請のシステムを導入して、こういう電子証明書を入れてやってくださいみたいなことをやって、しかも経済的メリットのないものだと、それは全く使われなかったわけですね。   ここが一つのポイントで、やはりプロ向けのものとアマ向けのもの、市民向けのものでは状況が違いますと。今は、パスポートのオンライン申請が非常に普及していると思います。これなぜかというと、マイナンバーとマイナポータルという、個人が簡便に利用できるオンライン申請の基盤が整ったからであって、これが一つの鍵だったと思うということです。   余計なことをしゃべりますと、もう一つ、そういう場合に、一般の市民とかが移行するタイミングとかきっかけがあるとすれば何かというと、やはり大きいのは経済的インセンティブだと思います。国税電子申告・納税システム通称e-Tax(イータックス)ですね、確定申告とかやるやつ、あのシステムは毎年きちんと進化していて、やはり政府もお金を集めるには熱心だなと思ったのですけれども、あれがただ一気に進んだ一つのきっかけは減税ですよね。e-Taxを使って申請すると5,000円引きますというのを、きちんとやったわけです。   あるいは、私の知るところですと、例えばロンドンは、要するにロンドンの公共交通機関というのはキャッシュレス化が大分進んだのですが、それはなぜかというと、現金だと高いという。現金で切符を買うと、私の知っていた頃は、キャッシュレスで乗る倍ぐらい取られたのです。そういう形で、要するにアナログシステムというのはお金が掛かるのだから、それをどうしても利用したい人はそのコストを支払うべきだという設計思想で価格決定をしていたわけです。それをディスインセンティブとして、きちんとキャッシュレスに移行してもらう。もちろんキャッシュレスは、例えば、当時ですけれども、1日当たりの利用金額に上限がある。要するに、3回ぐらい乗ると、自動的に一日切符を買ったのと同じぐらいの金額でキャップが掛かるみたいなことをやって、市民の目に見えるメリットというのを打ち出していた。こういう発想は非常に重要だと思っています。 佐藤座長 ありがとうございます。大変有益な御指摘でした。   恐らくこれから、法テラスで様々な業務改革であったり、DX化、AX化を進めるという議論になると思います。その際に、必要性だけではなくて、技術的な可能性であるとか基盤となるリテラシーであるとか、あるいはどういうプラス、マイナスのインセンティブを与えるのか、こういうことを慎重に設計しながら着実に進めていくことが重要だという、このような御指摘だったと受け止めました。どうもありがとうございました。   ほかいかがでしょうか。   それでは、特段御意見がないということでしたら、ちょうど予定していた時刻になりました。皆様、様々な御意見、御議論いただいてありがとうございました。では、このテーマについての御議論はここまでとさせていただきます。   よろしければ、ここで一旦5分程度休憩を取りまして、再開後に次のテーマに移りたいと思います。              (休     憩) 佐藤座長 それでは、会議を再開いたします。   引き続きまして、「支援リソースの確保・法教育・その他関連事項」に関するテーマに入らせていただきます。   初めに、このテーマに関連して、板東委員から法テラスの保有するビッグデータの活用に関して、消費者庁のデータ活用の仕組みであるPIO-NETの説明と合わせた御発言などを頂くことにいたします。   板東委員、どうぞよろしくお願いいたします。 板東委員 ありがとうございます。事務局資料3の5ページを御覧ください。簡単に趣旨だけ御説明させていただきたいと思います。   消費者庁の方からも今日、オンラインでしょうか、御参加だと思いますので、本来私が御説明した方がよいのかというのはあるのですが、問題意識を法テラスの理事長時代持っておりましたので、この消費者行政の消費生活相談の御説明から、法テラスのビッグデータの活用の課題についてお話を広げていければと思っております。   まず、これ、川野委員なども消費生活相談の現場で長年携わっておられますので、もう十分御存じだと思いますけれども、消費者相談の関係というのは非常に、消費生活センター、それから国民生活センター、あるいは国のいろいろな組織を結んだネットワークが出来上がっておりまして、これを国民生活センターの方でシステムの面倒を見ているPIO-NETといっております。全国の消費生活センターは、自治体設置ということですので、都道府県が設置しているものもあれば市町村が設置しているものもありますが、そのセンターを結んでいます。実際その現場で相談をしておられる消費生活相談員の方々が、いろいろな相談を受けたり、あっせんをされたりしていらっしゃるわけですけれども、具体的に相談を受けた案件等について簡単にまとめたものをPIO-NETに情報を入力しますと、全国のそういう消費生活センターがそれを共有していくことができるということで、現場での相談の充実、例えば、ここでこういうような消費者被害の案件が起きているねということが、即座に皆さんに共有されるということがあり、相談現場での対応についても、それで支援を受ける、あるいは充実していくということができるわけです。しかし、それだけにとどまらず、国民生活センターや消費者庁等がその中身を分析して、例えば、いろいろな白書にも当然活用しますけれども、こういうような悪質商法が出ている、あるいは消費者被害、事故が出てきていると、こういうことに気を付けなければいけないよといういろいろウォーニングを国民に対して出す。国民生活センターがやったり、消費者庁が出したりしておりますけれども、それにかなり活用されています。   それだけにとどまらず、消費者法あるいは消費者に関連している法律制度というのも、多省庁にまたがっていますので、いろいろな省庁がそれを、それぞれの法律の執行であったり、それから政策のブラッシュアップであったり、あるいは立法であったり、そういうことに活用できます。現実に、各省もそのネットワークシステムに登録して、アクセスすることができるというようなことになっておりまして、かなりいろいろな省庁がその活用も図っているということで、毎年90万件にわたるような相談があるわけですけれども、実際そのデータを有効にいろいろな側面で活用しているということがございます。この資料を御覧いただければ、それが分かるかと思います。   私も消費者庁でそういう経験をさせていただきましたので、これは良いシステムだなと思っていたわけです。法テラスも御承知のように、先ほどコールセンターの話が出てまいりましたし、このコールセンターの動画も見ていただいたのですけれども、コールセンターも非常に多くの情報提供を求める電話が入ってくるわけでありまして、そのやり取りの中で、実際国民の方々がどういうことがお困りなのか、法的な解決を求めているのかということの、非常に大きなデータが得られるということになるわけです。また、各種の事務所にも情報提供の窓口があるわけですから、それも含めますと、かなり本来であればいろいろな情報、先ほど消費生活相談でビッグデータということを申しましたけれども、それが蓄積されているはずです。   それから、無料の法律相談の提供というのを民事法律扶助の中で行っているわけですけれども、そういう法律相談でどういう事案がどういう形で取り上げられているのかということ。例えば、今日FRESCの方へ行っていただいたと思いますけれども、外国人に対してどういうようなことが問題になっているのか、あるいは災害、例えば熊本地震が今回起きましたけれども、そういう地震とかの災害の場合にはどういうようなことが法的な問題になるか、それについてのどういう関係者の努力が行われているか、そういうようなことについての、ある意味でビッグデータが法テラスにもあるはずなのです。しかし、実はデータを活用していく、例えば制度の整備とか、あるいは政策に活用する、あるいは実際の解決の、あるいは事前の防止に活用していくという、その意識なり仕組みというのが必ずしもできていないということがあります。それが活用できるような形でデータ入力されているとは、特に法律相談の情報等については、そういう入力されているという状況には必ずしもなっていない、さらに、活用のところがされている状況にはなっていないということがございます。  これはある意味で、法テラスが今まで法的な紛争解決に直接必要な情報やサービスを提供しようということが主眼だったと思いますけれども、むしろ広く国民の法的な問題に関する予防とか、それから解決のための仕組みをどのように変えていくかというようなことについても活用されていくことができたら、もっとこの法による解決、いろいろな権利の保護であったり、利益をどのように法が守っていくのか、こういう国民の課題に対してのいろいろな側面からの法テラスの機能の活用ということができるのではないかということを、法テラスの理事長時代も感じさせていただいたということがございます。ただ、それが負担になってはいけないということだと思いますけれども、これはやりようがある意味であるのかなと思っているところもございまして、今日も、むしろAI等を使っての相談対応といいますか、コールセンターなんかの支援の話とかいろいろ出ておりましたけれども、むしろこのビッグデータ自体をどう有効に活用していくのかという、この辺りの問題意識もそろそろ持ってよいのではないかなということを感じておりますので、これを問題提起させていただければと思います。 佐藤座長 板東委員、消費者庁と法テラス両方の御経験を踏まえて、大変有意義な問題提起ありがとうございました。   それでは、後ほどまた御質問、御議論をさせていただくことにして、続きまして、事務局から法テラスの予算構造について御説明をお願いします。 青木参事官 それでは、今御覧いただいていますビッグデータの活用から2枚ほどおめくりいただきまして、資料3の1ページ目、「法テラスの予算構造概要」というところを御覧ください。これに基づきまして、予算構造の概要を御説明させていただきます。   前提といたしまして、法テラスの財源には、主に国の予算によるものと自己収入によるものがございます。国の予算によるものとしては、資料の上の図のうちの左側の図で示しております「運営費交付金」と、右側の図で示しております「委託費」の2種類がございます。   運営費交付金は、民事法律扶助等の事業経費ですとか一般管理費等の財源として、国から交付される資金です。委託費は、国選弁護等関連業務など、国からの委託を受けて実施する業務の経費ですとか、それに関連する一般管理費等の財源として交付される資金となります。   また、左側の図の収入の欄のうち、「自己収入」と記載した部分ですけれども、こちらが法テラスによる自己収入です。この自己収入の約95%が、民事法律扶助において、法テラスが立て替えて支払った弁護士費用等の償還金です。そのほかの自己収入としては、寄附金収入や、司法過疎地域事務所における有償事件の収入等があります。なお、法テラスの自己収入は、全て運営費交付金の対象業務に充てられているため、左側の運営費交付金の側の収入として整理しております。   次に、左側の運営費交付金に係る収支の金額について簡単に説明いたします。まず、収入は、国から交付される運営費交付金164.6億円と、償還金収入を含む法テラスの自己収入108.7億円の合計273.3億円です。一方、支出は、職員の人件費等の一般管理費が84.5億円、民事法律扶助の立替金等の事業経費が188.8億円でして、合計が同じく273.3億円です。   次に委託費について説明します。収入は、国からの委託費のみで、その合計は171億円です。これに対して支出は、一般管理費が39.7億円、国選弁護人の報酬等の事業経費が131.3億円の合計171億円です。   なお、この図の事業経費と法テラスの自己収入は、いずれも予算編成当時の見込み額でございます。そのため、例えば民事法律扶助の実施件数が当初の見込みを上回った場合には、事業経費が増加し、当初予算だけでは不足が生じる恐れがあるものでございます。また、近年は自己破産事件の増加等の影響によりまして、代理援助の報酬単価が上昇しております。代理援助は年間10万件以上を実施されているため、例えば、報酬単価が1万円上昇すると、事業経費の総額は10億円以上増加することとなります。このように、報酬単価や、実施件数の増加が事業経費に大きく影響を及ぼす構造となっております。   令和8年度ですけれども、右下に書いてあるとおり、既に運営費交付金だけで164億円、委託費と合わせると335億円の当初予算となっております。今後、事件数の増加や報酬単価の上昇により事業経費の増加が見込まれる中、国家予算に限りがある中で、必要な財源をどのように確保していくのかが大きな課題となっております。   その中で御指摘されていることとして、国費の支出の拡充のみならず、法テラス自身による財源確保の取組も行われるべきとして、償還金の確実な回収や、寄附金収入の拡大等による自己収入の増加、あるいは業務効率化等による一般管理費の縮減を図る必要があるのではないのか、こうした御指摘もされているところです。併せて、限られた財源の中で必要な支援をいかに維持確保していくかというのも、重要な課題です。   以上が法テラスの予算構造の概要です。なお、同じく資料3の6ページ以下で、添付資料として、法テラスの令和6年度の貸借対照表、損益計算書に加えまして、この20年間の予算の推移や各業務の件数をお示しするべく、第1回の資料4から8を再掲という形で掲載していますので、適宜御参照ください。   事務局からの説明は以上です。 佐藤座長 御説明ありがとうございました。   これまで、法テラスの財務構造についてはまとまった議論の場がありませんでしたので、大変有益な御説明でした。ありがとうございます。   それでは、ここからは質疑応答と意見交換の時間とさせていただきます。   先ほど事務局から説明があったように、今、法テラスを取り巻く財政事情は厳しさを増しています。今後は事件数の増加や報酬単価の上昇に伴って、更なる事業経費の増加も見込まれているところです。さらに、これまでこの検討会における御意見の中には、予算措置を必要とするものも含まれていると思います。それらについて、必要な支援を充実させていくことは重要である一方、国の財源に限りがあるのは確かです。いずれこういった点を乗り越えていく、そういう議論が必要になるのではないかと考えております。   以上を前提に2点、差し当たり私が現在感じていることを申し上げたいと思います。   第1に、必要な支援を充実させるための法テラス予算の充実を図るためには、この会議でも御意見があったように、予算措置が国民の負担によって賄われているということを踏まえて、支援の必要性だけではなく、予算措置の拡充を図ることの意義や妥当性について、客観的なエビデンスと論理的な説明を、これまでもしていただきましたが、更に積み重ねていくことが重要になってくると思います。   併せて、第2に、必要な予算の拡充とともに、あるいはそれと並んで、法テラスの財務構造や予算制約を前提として、どの施策に重点を置くべきか、あるいは既存の取組を見直しながら新たな取組を進めていくべきではないかといった観点も、重要になってくるのではないかと思っています。これまでの議論では、こうした観点について必ずしも十分に意見交換をする機会がなかったようには感じております。これらの問題については次回、第7回会議以降に本格的に議論をお願いすることになりますが、本日はとりあえず頭出しとして、こういった観点も含めて幅広く御議論をいただければと思っております。   本日はその上で、支援リソースの確保や法教育の在り方、その他関連事項について幅広く御質問や御意見を頂きたいと思っております。   質疑応答及び意見交換の時間、全体として25分程度ということになろうかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。   まずは、法テラスの財務構造や予算制約といった点で御質問や御意見がございましたら、挙手にて御発言いただければと思います。オンラインで御参加の委員の皆様は、挙手機能を使って御発言を頂ければと思います。   まずは予算について、御質問・御意見があればと思います。   赤堀委員、お願いいたします。 赤堀委員 私も、本検討会の結論を現実的なものとするためには、法テラスの財務構造や予算制約を十分に踏まえた形で検討を進めていくことが重要であると考えます。例えば、新たな施策を複数提案するのであれば、それぞれの予算にどの程度の影響を与えるのかを試算するとともに、それだけの予算を確保するために必要な財源や効果について、客観的なエビデンスに基づく説明が求められると思います。   他方で、そうした十分な財源を確保できる見通しや根拠を示すことが難しいのであれば、限られた財源を前提として施策間の優先順位を整理することや、既存の事業や経費の見直しも含めて検討していく必要があると考えます。   今後の議論では、支援の必要性や理念に加え、それを実現するための財政面の裏付けや優先順位付けまで含めて議論し、実効性のある結論につなげていくことが望ましいと考えます。 佐藤座長 ありがとうございました。   後ほど寺町委員からリソース確保の問題、それから谷口委員からビックデータに関する御発言がありますが、まずはこの財務に関する問題について、御質問や御意見があればお願いいたします。   谷口委員、お願いいたします。 谷口委員 質問なのですけれども、寄附とかを法テラスが得る、つまりその独自財源的なものを寄附等で得た場合に、運営費交付金がその分減らされるということがあり得るのでしょうかということ。つまり、ニーズはこれだけですと、寄附で入ってきているなら、その分運営費交付金払わなくてよいねとはならないのかということを知りたいです。 佐藤座長 こちらは、事務局からでよろしいですか。 神渡司法法制課長 司法法制課長の神渡です。   予算要求の段のときに、自己収入というのをどうにかする余地はないのかなど、法テラスの収入の話というところについては必ず話が及ぶところです。ただ、その自己収入が増えたから、その分交付金を減らしましょうという、必ずしも因果性があるという話ではないように理解をしています。   もっとも、もちろん自己収入がものすごく大幅に増えるということがあれば、それは分からないところですが、必要な財源を獲得できるように、全体の財務バランスを見た上で査定等を受けられるように、我々の方も努力をしているというところであります。 佐藤座長 御質問に対する回答としてはよろしいですか。 谷口委員 減るかもしれないけれども、全部減るわけでもないということになるのでしょうか。 神渡司法法制課長 厳密な因果性を持って説明できるというものではもちろんありませんので、今年仮に1万円仮に増えたからといって、その分だけ予算が1万円減るとか、そういった対応関係にあるものでは必ずしもないと思います。   もっとも、飽くまで可能性論として、全体的に自主財源で賄えるような財政状況であった場合には、財政バランスの中でどういったところに予算を割り振るかというところは、もちろん財務当局等と考えることになりますけれども、我々としては、やはり必要な施策に対する必要な予算を獲得できるように毎年交渉しているという状況です。 佐藤座長 ほかいかがでしょうか。   どうぞ、大村委員、お願いいたします。 大村委員 ありがとうございます。   今、財務構造のお話がありましたけれども、この委員会でも非常にいろいろな前向きな検討、提案があり、これを今後検討していくことになると思います。その際に必ず予算が必要になりますので、財務当局との議論も考えると、通常拡充するときにはスクラップアンドビルドみたいなことを求められると思います。ただ、これはもう委員の中でそれを指摘してどうせよということでもないと思います。是非事務局、また法テラスにおかれて、どういうところが効率化できるのか御検討をいただければと思います。もちろんDXの推進の中で、効率化できるところはあると思います。そうした効率化できる部分と併せて、佐藤座長がおっしゃったように、どういうところに重点化していくかについて議論していくことによって、全体として、この委員会で目指す機能の充実が実現できると思います。是非この夏の間に事務局においてはそういった整理をお願いいたしまして、秋以降の議論に向けて前向きな議論ができればありがたく存じます。 佐藤座長 ありがとうございました。   諏訪委員、お願いいたします。 諏訪委員 ここの議論の場というのは、やはり法テラスのあるべき姿であって、法律というか法律家というものがあらゆる場面で必要性が増してきて、それをどれだけみんなに行き渡るようにしましょうかという、まず理想論の中で法テラスの在り方というのを考えて、お金については、悪いけれども法務省ちゃんとしてよという世界でまずすべきだと思います。   一国の総理が、お金ないのに消費税減税するって言ってよいわけですから、我々がそこまで行儀よくする必要は当面はないと思います。本当にお金がないっていったら、また考えましょうというぐらいで、まずは法テラスの理想論、あるいはこの5年、10年、この5年よりもこの10年ぐらいを見て、もうちょっとこっちを手厚くしようよとか、社会の変化に応じてこの辺をやっていこうよというような議論の方が、この場にはふさわしいのかなと考えています。 佐藤座長 重要な御指摘、ありがとうございました。   生水委員、お願いいたします。 生水委員 私も全く同じ意見で同感です。やはり司法とつながることで救える命があるし、それが国民の生活、命全てを守っていくことになろうかと思います。悲惨な事件を防ぐこともできる、それは、国民の皆さんの安心・安全な暮らしだろうと思うのです。   だからこそ、こうした法テラスの在り方が必要なのだということをしっかりとここで議論をして、それをバックボーンにして、しっかりと交渉していただく。やはり大事なことはみんなで一緒に考えて、それを伝えていくということが、ここに来た意味ではあるのかなと思っています。 佐藤座長 ありがとうございました。   ほかいかがでしょうか。   それでは、個人的な意見を申し上げますけれども、今日の最後のところで少し、委員の皆様からは中長期的な視点から総合法律支援制度の在り方、そこでの法テラスの役割についての御発言をお願いしています。正に今、諏訪委員あるいは生水委員から御指摘があった点をお聞きしたいと思っていました。   この間の議論において、個別の論点については随分と議論が深まったのですけれども、私としては、やはりそういう大きな総合法律支援制度なり法テラスの役割と関連する議論がやや希薄であったという感じがあって、今日の最後にその御発言をお願いしようと思っています。   他方で、さはさりながら、本検討会の提言が単なるウィッシュリストになってしまったときに、本検討会の手を離れたところで、財務的な理由等でせっかくの提言が実現できないということになるのも少々もったいないという気がしています。そういう意味で、本検討会のこれまでの議論ではせっかく良い御提案が出ておりますので、それについて財務的な手当が必要な場合には、我々自身も更に一層工夫をして提案の説得力を増していくという、そのような努力もあってよいのではないかと思い、先ほど申し上げた次第です。   そういったことも含めて今後、今日もまだこの後御審議をいただきますけれども、次回以降も是非知恵をお貸しいただければと思っております。   どうもありがとうございました。   それでは、一旦ここで財務に関する問題は終わりまして、ここからは支援リソースの確保や法教育の在り方、その他関連事項について、幅広く御質問や御意見を頂きたいと思います。   まずは寺町委員からリソース確保の問題ですね。お願いいたします。 寺町委員 リソース確保ということで、深刻な状態にあります国選弁護人の確保について、資料9-1として意見書を提出させていただいております。   国選弁護制度は、憲法が保障している適正手続と弁護人依頼権を実質的に保障するための制度で、冤罪を防ぐ、そして適正な刑事司法と国民の人権を守るという意味で、非常にこれを支える重要な社会的基盤でございます。しかしながら、現在一部地域では担い手不足が非常に深刻になっております。   その背景には、弁護士の所得の低下や、物価・人件費等の上昇に加えて、刑事弁護自体が高度化・複雑化していること、あるいは休日・夜間を含む要請に即応する形での対応体制の整備、そして刑事施設の統廃合や留置場の業務集積化によって、警察側は業務が集約化されている分、弁護人に遠距離移動が増えているというしわ寄せが来ているということ、それから福祉・医療との連携など、負担が大きく増えているということがございます。   さらには、報酬が低廉であるだけではなくて、当事者鑑定や福祉連携等に必要な費用についても、弁護士や弁護士会が会費を原資として作っている援助制度によって実質的に支えているという現状がございます。   袴田事件や東住吉事件あるいは大川原化工機事件など、やはり弁護側が実費を負担して当事者鑑定をやることによって真実が明らかになる事件もある中で、これらの実費についても含めて、国選弁護は本来国の責任で支えるべき制度であると考えております。担い手を確保し、質の高い弁護活動を維持するためには、報酬及び必要経費についても、制度の実態に即した抜本的な見直しが必要であると考えております。   なお、この意見書を提出させていただいた後も、単位弁護士会から会長声明が出されておりまして、本日時点での国選弁護報酬の抜本改善を求める会長声明は、52弁護士会中48会となりましたので申し添えます。   それから、法教育の方についても今申し上げてよろしいですか。   資料を提出させていただいております。法テラスの法教育に関して、資料2の9ページ以下に記載がございます。   法テラスでは、一般市民向けの取組を中心になされているということでございますが、日本弁護士連合会、単位弁護士会では、本日配布資料9-2のとおり、児童・生徒を対象とした学校向けの法教育活動を展開しております。この表の末尾のところ御覧いただきますと、2024年度は2,737回開催し、26万4,078人が参加、派遣弁護士は4,746人になっているということを御報告させていただきます。 佐藤座長 ありがとうございました。   今の寺町委員の御発言に直接関係するようなことで、何か他の委員から御発言があればお願いいたします。   よろしいでしょうか。   それでは、次、委員からビッグデータのことについてお願いいたします。 谷口委員 ありがとうございます。   板東委員のアイデアというか御発言は、とても意義があることだと思いました。子供の貧困がいわれる前に、学習支援の場を初めて作ったのですけれども、それもずっと破産の申立ての際に提出する家計簿を見続けているときに、これは子供にしわ寄せがいっているなということが分かって、そういう施策が打てたというようなことがあります。小さな地域での話ではありますが。   ただ、他方で、今日FRESCでの見学でも思いましたが、国というか、政府というのは両面があるもので、そのサポートをするという場面と、それから管理し規律するという二つの場面があります。法律相談の現場においてはいろいろ、後ろ暗いことだったり、失敗しちゃった人とかというのもいっぱい来るわけで、例えば、債権者も来るし、債務者も来るし、加害者も来れば、被害者も来るという、そういう中でそうしたデータがどのように扱われるのかということは、かなり難しい問題をはらんでいるのではないかなと思いました。その国民をサポートするという方向でのビッグデータの活用とともに、逆サイドのものということもあり得ると思いますので、そこについては、進めるにしても慎重な検討が必要だなというところだけ、発言させていただきます。 佐藤座長 ありがとうございました。   今の谷口委員の御発言に、板東委員の方から何かコメント等ございますか。 板東委員 ありがとうございます。   法テラスの場合といいますか、法律的な御相談の場合というのは、おっしゃるように、例えば、これは法には触れるのだけれどもというケースもあるかと思います。   消費生活相談の扱いとの違いというのは、消費生活相談PIO-NETの場合、先ほど御紹介したのは、政策や、あるいは立法なんかの立法事実として使う場合等を御紹介、あるいは予防のためのウォーニングのお話をしましたけれども、それに加え、実際いろいろな法執行の端緒としても、各省は結構使っているわけです。   ただ、この最後の部分は、法テラスのビッグデータといいますか、いろいろな相談情報を扱う場合に、やってはいけないことだとは思っております。   どういう課題があるかということについてのデータを分析していくということについては重要だと思いますけれども、個々の法執行のところにつながるような使い方というのを、あるいはその端緒となるような使い方というのはしてはいけない。むしろ、先ほど谷口委員が御指摘のように、両用のいろいろな立場があり得るということで、むしろどういうことに困っている課題があるのだ、あるいは制度がもう少し、あるいは執行がもう少しこうなっていかないかという、この課題を捕まえていく、そして法制度の改善にもつなげていく、施策のブラッシュアップにもつなげていく、そういうところに少し法テラスの、実際国民なり制度のいろいろな課題が出て、かなりデータとして集約して使おうと思えば使えるデータがあるわけですので、それをもう少し有効に活用できないか。そのためには、そのデータをどう入力するかという問題というのはありますけれども、あるいは活用の方法というのはありますけれども、今の段階では、いろいろな法制度の改善、政策の改善に十分に活用できる形になっていないというのは、私自身から見ると非常にもったいないなと感じる部分であります。   ただ、繰り返しになりますけれども、谷口委員がおっしゃるようなところの法テラスが扱うものの違いは、PIO-NETの場合と区別をしなければいけない部分というのは非常にあるなと思っております。 佐藤座長 ありがとうございました。   それでは、川野委員、よろしくお願いいたします。 川野委員 全国消費生活相談協会の川野です。   板東委員の方からPIO-NETについてのお話がありまして、私の方は、主に消費生活センターの相談員の関係ですので、少しこのビッグデータの活用についてお話をさせていただきたいと思います。   PIO-NETなのですけれども、日々全国の消費生活センターの相談員が個別の相談を、やはりルールに基づいて詳しく聞き取って日々入力しているものでして、私としては、消費生活センターの相談員としてどういったメリットがあるかというお話なのですけれども、法テラスと消費生活センターの方はお互いに、受けた相談を必要に応じて、例えば法テラスから消費生活センターを御紹介いただいたりとか、消費生活センターでは法テラスの方に御相談してくださいということで、お互いに紹介し合う関係ですので、このPIO-NETのデータをお互いに共有できれば、例えば、この相談は消費生活センターの方が解決に向いているというものもありますし、消費生活センターでは無料で相談員の方が、場合によってはあっせんということで事業者に申し出をして、そして解決をすることもできますし、消費生活センターの方で扱えばよいという事例において、例えば、これが法テラス弁護士の先生が扱われると、例えば内容証明郵便を出したりとか、そういった非常に複雑な手続を終えて解決になるというようなものもあると思いますので、そこの振分け、PIO-NETデータを共有すれば、消費生活センターの方に向いていれば消費生活センターの方で解決をする、そして、やはり法的手続が必要であれば法テラスの先生の方に扱っていただくということで、相談者もいろいろな窓口に相談をするというのを防げるのではないかと思います。   また、消費生活センターでは、今増えている詐欺トラブルというのを早く察知しております。それは、やはり新手という相談が入れば、これは本当に他ではない相談だということで入力いたしますし、全国から日々新しい相談が届きますから、例えば、最近この手口の投資詐欺が急増しているとか、それから、この悪質業者への相談が集中しているといった動きを、もう早期にキャッチすることができます。法テラスにおいても、被害が広がる前にこのビッグデータを活用していただければ、注意喚起とか相談体制の対応ができるのではないかと思います。   また、このPIO-NETのデータに基づいた相談体制ができて、例えば、どの地域でどの年代でどんな手口でどんな被害が多いかがもうデータで見えますので、このデータに基づいて、例えば、法テラスから出張相談をどこで増やすべきかとか、それから、こういう法教育をした方がよいという、重点的にどの層にどの地域で法教育をどのようにするかという、具体的な内容も決められるかと思いますので、やはりこのPIO-NETのビッグデータを活用して、よりスムーズな相談者の解決へつないでいただければと思いますので、是非PIO-NETのデータの活用を検討していただきたいという私からの意見です。 佐藤座長 川野委員、どうもありがとうございました。   続きまして、川田委員から御発言の申し出がありましたので、よろしくお願いいたします。 川田委員 私の方からも、法教育、担い手確保、支援リソース、どれもとても大切な今後への視点だと思いますので、少し意見を申し述べさせていただければと思います。   まず法教育について、事前のレクでもいただいたのですけれども、現状行われていますような、いわゆる犯罪をしない、巻き込まれないといった観点の教育も非常に大切だと思うのですが、私どもが行政の立場として日々痛感しているところなのですが、そもそも市民、国民の皆さんが、自分の日常生活に対する困り事だったり不安というものに対する、それが具体的にどのようなその法的解決を得られるのかという、自らの法的ニーズに対する根本的な知識、リテラシーというものが、なかなか結構難しいところが現状あるのではないかなと思っていまして、というのも、例えば、何でもかんでも、民間サービスの不満とかも全部市役所にどうなっているのだと言ってきてしまうとか、多分行政関係の方だったら結構御経験あられると思うのですけれども、それをここにそんなに怒ってこられてもどうしようもないですよみたいな、つまり、自分の中でそういう法的ニーズの因数分解ができていないのだと思うのです。   こういう根本的な、行政がどういった法的な根拠に基づいて処理をしていて、自分の困り事はどのように解決してもらえるのだという、その法に対するリテラシーというのも、一定法教育としては非常に大切なのではないかなと考えているところです。   現状、そういったその不安が解消できずに、それを拾っていくのが法テラスだというところも一つなのですが、現状、民主主義的な投票行動が、ある種解消し切れずに暴走するような傾向も見られるのではないかとも思っておりまして、この辺りの法教育、どのように今後やっていくのかというのは大きなテーマだと思うのですけれども、私も、消費生活センター、一時期行政職員のときにいたことがあるのですが、確か近年は、いわゆる消費者教育、そういったところは家庭科の授業で教育カリキュラムがかなり入ってきているのですが、どの教科でどのようにやっていくのか、消費者教育以外のそういった根本的な法的リテラシーについても、どのようにカバーしていくのかというのは、一つ、私としては大事な観点なのではないかなと思っています。   もう一つ、担い手確保について、これにつきましては、報酬のお話も先ほど寺町委員の方からもございましたけれども、ほかにも全国転勤というのが、スタッフ弁護士については非常に厳しいところも、現状ニーズとしてはあるのではないかなと思っています。希望者についてはエリア異動採用など、システムで工夫できるところについては、御検討されるのも一つではないかなと考えております。昨今、共働きがほとんどという中で、お互いバラバラの全国異動となると、やはりなかなか成り立たないというところもあると思いますので、そういったところも検討されてはいかがかなと思います。   最後、支援リソースについて、先ほど諏訪委員、生水委員の方からも予算を取っていけばというお話があったかと思うのですが、僭越ながら、多分私もそんなに存じ上げない立場ですが、財務省というのは非常に手ごわいところだと思いますので、ニーズ、その公的な意義があるというところを、もちろん私もあると思うのですが、それだけではなかなか、はいと予算が出てくるものでは多分ないと思いますので、予算確保に向けたそういったそのロジックというのですか、そういったものも、これから皆様とまた是非議論をさせていただければと思います。 佐藤座長 ありがとうございました。   もう少し議論すべき点もあろうかと思いますけれども、時間になってしまいましたので、ここでこのテーマの議論は終了させていただきたいと思います。   それでは、引き続きまして、第7回以降に向けた総合的意見に関するテーマに入らせていただきます。   まずは法テラスより法テラスビジョン2035、御説明よろしくお願いいたします。 髙橋本部事務局長 ありがとうございます。   それでは、法テラス本部事務局長の髙橋より、法テラスビジョン2035の策定について御報告申し上げます。   資料4を御覧ください。   法テラスは、設立から20年という節目を機に、法テラスビジョン2035を策定いたしました。これまでの法テラスの歩みを自ら振り返るとともに、次の10年を見据え、取り組むべき課題や目指す姿を整理、検討したものになります。   このビジョンは、法テラスの現状と将来について、法テラス全職員を対象にアンケートを実施し、その回答を基に職員の想いを結集し、推敲を重ね、役職員一丸となって練り上げたものになります。本年7月21日に法テラスビジョン2035の策定に係るプレスリリースを行い、法テラスのホームページにおいても掲載し、周知をしているところになります。   この法テラスビジョンですが、全体テーマとして「あなたと司法の架け橋」という言葉を掲げました。   ここで、資料4、2ページ目の「法テラス運営理念」を御覧ください。   法テラス運営理念は従前から策定されたものになりますが、ここに「使命」、「心がまえ」、「行動指針」から成っておりますが、その中の使命で、「すべての人と司法を結ぶ架け橋として、誰もが、いつでも、どこでも、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会の実現を目指します」と掲げています。この使命を果たすため、法テラス役職員が体現していくため考えたものが今回のビジョンというものになります。   それでは、資料4の1ページ目を再度御覧ください。   法テラスビジョン2035の内容について説明をさせていただきます。   ビジョンは四つに分かれており、各ビジョンにおける取組例も併せて順番に御紹介いたします。なお、これら四つのビジョンには、優位性や重要性の順はございません。   まず一つ目のビジョンは、「法を身近に、一人ひとりの安心を支えていきます」です。これから10年の間で起こる人口減少、少子高齢化に伴う社会構造の変化により、様々な問題が複雑化・困難化していくことが考えられます。そのような中でも、一人一人が大切な人生を安心に暮らしていくことができる社会となるように、法的なものの見方や考え方を広げていき、トラブルの未然の防止や、お困りの方が必要としている情報を適切に提供して、解決に向けたサポートをしていくということを考え、ビジョンとして掲げました。   二つ目のビジョンは、「誰も取り残さないようなネットワークを築いていきます」となります。都市部への人口集中が一層進むなど、人口動態の変化により、地域間での格差を伴う司法アクセス障害が広がる恐れがあります。そのような状況下であっても、誰も取り残さないような支援を実現していくため、平時から司法のみならず、幅広い分野の関係機関と専門性の高い連携を構築し、法テラス単独では対応困難な課題にも、関係機関と協働することで隙間のない支援の実現を図っていくこと、そのような関係性が構築できるよう、多くの支え手を法の力で支える取組を進めていくということを考えて、ビジョンとして掲げました。   三つ目のビジョンは、「もっと利用しやすく、もっと便利なサービスにしていきます」です。法テラスがこれまで担ってきた業務についても、もっと利用しやすく、もっと便利なサービスにしていくこと、そのために、引き続き現場における人と人との密なコミュニケーションを大事にするとともに、オンライン手続の拡大や利便性の向上に努めていきます。さらに、進化するデジタル技術を活用し、法テラスの有する各種データ分析を行うなどして、多様化する法的ニーズに的確に対応できるよう、主体的な企画立案をしていくということをビジョンとして掲げました。   最後に、四つ目のビジョンは、「すべての人に「あってよかった」を広げていきます」です。全ての人からあってよかったと思われる組織になるために、今後も必要とされる法的支援を届け続け、法テラスの存在意義や取組の重要性が伝わる事例等を積極的に発信していきます。そうすることで、法テラスの認知度と信頼性の向上につなげ、国民等の理解を更に広げていきたいと考えております。また、外部だけでなく、職員に対しても適切に発信していくことで、誇りを持っていきいきと働くことのできる組織体制を維持・強化していきます。   以上、これら四つを法テラスビジョン2035として掲げ、法テラスが10年後に向けて取り組むべき方向性や目指す姿を示しました。今回の検討会における今後の議論に当たり、御参考になれば幸いです。   私からの報告は以上となります。 佐藤座長 ありがとうございました。   正に、今後のこれからの議論とも関わりますけれども、法テラスのこれからの役割を考える非常に重要な手掛かりが示されていると思います。ありがとうございました。   さて、第2回の会議から本日まで、委員の皆様には具体的なテーマに関して、様々な観点から充実した御議論をいただきました。ここからは、第7回の中間整理及びその後の2巡目の議論に向けて、ここまで頂いた御意見について、相互の関係性も含めて整理していく必要があると考えております。そのためにも、改めて委員の皆様から是非、中長期的観点に立った総合法律支援の在り方や、その中での法テラスが果たすべき役割、使命といった大きな観点からの御意見を是非頂きたいと思い、前回会議の最後に委員の皆様に御意見を頂くことについてお願いをさせていただいたところです。   それでは、皆様から、中長期的な観点に立った総合法律支援の在り方、その中での法テラスが果たすべき役割・使命について、第1回会議から本日までの御議論を踏まえて御意見を頂きたく思います。大変短い時間ですけれども、よろしくお願いいたします。また、多くの委員の方からは別途メモも御提出を頂いておりますので、是非参照していただければと思います。   順番ですが、谷口委員はこの後に御予定があり途中退出されるとのことですので、最初に谷口委員から御意見を頂ければと思います。   谷口委員、お願いいたします。 谷口委員 ありがとうございます。   資料15で付けておりますが、あまり多くを書いているわけではございません。この間の議論の中で話されたことというのは、法テラスが始まった当初は、ほとんどがあまり想定されてなかったり、明確には認識されていなかったことというのがたくさん出てきているように思います。その意味では、当初想定していたものを現場の人たち、法テラスだったり、法務省だったり、それを支える専門家の人たちが、非常に発展的でクリエイティブな活動をした結果、このようなことが今注目されているという状況にあると思っていて、法を現場が超えていったというような意味で、本当に胸が熱くなるというか、この20年間の歩みにとてもすばらしいなと思って聞いておりました。   ただ、問題もそこにあるとは思っておりまして、総合法律支援法が書いていた当初想定していたものと、今実際に必要とされていること、展開されていることとの間にギャップがあるのではないかと思います。それゆえに、そこに評価はあるけれども予算措置が伴っていなかったり、あるいはそれの制度的基盤が整っていなかったりという現状があるように思いますので、ここをどうすれば、正面から位置付け、支える制度ができていくのかというところを、後半で話せるとよいなということを思っています。やはりどのような制度的基盤が必要で、どのようなステークホルダーが関与して、どのようなステップでそれを実現していくのかというようなところについて、もう少し具体的な話を後半していくことができれば、今現場が頑張っているものをより支える提言ができるのではないかと思っているところです。   今日には間に合わなかったのですが、もう少し今のことを具体的に支えるものを、私単独若しくは共同提言という形で一、二週間以内ぐらいには提出したいと思っております。 佐藤座長 ありがとうございました。先ほど出た予算の面だけではなくて、制度的な基盤についても、具体的かつ積極的な提案をしていくというのは、この有識者検討会の非常に重要な役割だと思います。改めて意見書も出していただけるということですので、是非よろしくお願いいたします。   それでは、ここからは赤堀委員から順番に御意見を頂きます。   赤堀委員、よろしくお願いいたします。 赤堀委員 日本経済団体連合会は、長期ビジョン「FUTURE DESIGN 2040」のもと、地域経済社会の活性化やイノベーションを通じた新たな価値創造を活動の柱としております。本検討会で議論されてきた法テラスの地域との連携、地方ソーシャルワーク、さらには、生成AIを始めとするデジタル技術の活用による業務効率化は、こうした将来像にも通じるものであり、その方向性を高く評価しております。   また、法テラスが担う被災地・被災者支援や犯罪被害者支援といった取組は、安全・安心な地域社会を支える重要な役割であり、経済界としても大いに期待するところであります。一昨日発生した熊本地震に際しても、被災者の生活再建や様々な法的課題への対応に当たり、法テラスによる支援が大きな役割を果たすことになるものと考えております。社会の様々な課題に対応する基盤として、法テラスの役割の重要性を改めて認識しております。今後、法テラスに求められる役割はますます広がっていくものと考えます。その期待に持続的に応えていくためには、制度的・財政的な基盤を整備するとともに、法テラスが有する人的・組織的なインフラやノウハウを、地域のニーズに応じてより柔軟に活用できる仕組みを構築していくことが重要であります。   そのための一案として、これまでも申し上げていたとおり、受託業務制度については、法テラスの有する人的・組織的な基盤を地域課題の解決に一層活かすことができるものと捉えており、引き続き御検討いただきたいと考えております。また、地域連携やコーディネート機能を持続的に支えていくため、関係府省や自治体との連携を含めた仕組みの構築に向けて、検討を深めていくことが重要であると考えております。   法テラスには、社会の変化に柔軟に対応しながら、地域社会を支える司法インフラとして、その機能を一層発揮されることを期待しております。本検討会で取りまとめる方向性も、そうした法テラスの更なる発展につながるものでなくてはならないと考えております。秋以降の議論においても、法テラスが直面する課題や、社会から寄せられる期待を踏まえながら、その役割をよりよく果たしていけるよう、引き続き検討に参画してまいりたいと考えております。   以上であります。 佐藤座長 ありがとうございました。   では、次に猪之鼻委員、お願いいたします。 猪之鼻委員 私は福岡在住でして、九州から参りましたので、まずは、令和8年熊本地震で被災をされた皆様方にお見舞いを申し上げるとともに、支援をしてくださる方々に感謝をお伝えしたいと思います。   法テラスは、被災者支援においても重要な役割を担っており、これからの法テラスの在り方について、私から意見を述べさせていただきます。   法テラスが全ての人と司法を結ぶ架け橋、また、法テラスビジョン2035の「あなたと司法の架け橋」であるとの使命・目的が揺らぐことはないと思っております。一方で、社会経済情勢の変化に合わせて、市民が法的な課題を抱えていることに気付ける、そして権利の回復と生活再建につなげることのできる持続可能な組織へと進化をし続けなければいけないと考えています。   私が法テラスの相談を受けて思うことは、相談に来られた人は一歩を踏み出せた人であり、見過ごしていけないのは、その一歩さえ踏み出せない人がいることです。これからの法テラスの在り方として、法テラスを市民のための最後のとりでから最初の入口へ、そして、社会になくてはならない司法アクセスの公共インフラへ進化させていただきたいということに尽きます。   そのための届ける支援、多元的な専門職ネットワークの構築、そして紛争予防等の提案を、意見書に書かせていただきましたが、この場でかいつまんで御説明をさせていただきます。   届ける支援は、司法ソーシャルワークとして語られてきましたが、より充実させるためにも、スタッフ弁護士の方だけでなく、地域の弁護士会・司法書士会と協働し、いつでもどこでも必要な支援に確実につなぐ連携協働体制を構築していただきたいということです。特に司法過疎地での司法アクセス障害の低減解消につなげていただきたいと思っております。   次に、多元的な専門職ネットワークとして、法テラスでの司法書士等の業務に関する研修を通じて、スタッフの方々に専門職への理解をより深めていただき、情報提供業務での適切な振分けと利用者が解決方法を選ぶための情報提供、専門職の選択につなげていただきたいと思っております。また、全国にある司法書士総合相談センターも、地域における拠点として活用をお願いしたいと考えております。   そして、最初の入口として法律扶助を利用しやすくするためにも、相談を広く受け入れていただき、増加傾向にある相続や、複雑化している家族間の紛争事案への柔軟な運用も御提案しています。   川田委員の発言にも関連しますが、紛争予防へのアプローチとして、市民向け公開講座や法律教室を実施することで、法テラスへの理解と親しみを広げ、最初の入口として認知してもらうことで、訴訟経済的側面からの早期支援につなげていただきたいとも思っております。この市民公開講座等は、司法書士や隣接法律専門職も積極的に行っていることから、予算の面でも、共催等を含め活用を促していただきたいと思っております。   結びになりますが、法テラスが司法アクセスのインフラとして、声を上げられない人、全ての人に必要な法的支援を届ける組織であるためにも、司法書士として多くの関係機関の皆様と共に、利用者の視点に立ち、利用者に寄り添い、地域に根差す法テラスの充実発展に尽力したいと考えております。これが私の意見となります。   以上でございます。 佐藤座長 ありがとうございました。   次に大村委員、お願いいたします。 大村委員 ありがとうございます。   先ほどの法テラスビジョンの2035の趣旨も全くそのとおりだと思いますし、この検討会の目的として、やはり法テラスの機能として、支援が届くべき方に更にしっかりと支援の手が届く形を作っていくことが一番重要な点だと思います。そのために、いろいろな論点がありますが、この検討会のここまでの議論の中で、法テラスに関わる弁護士の先生方、また法曹関係者が、法テラスだけではない地域の連携協働のプラットフォームの中に入っていただくことが有効に機能するし、必要だという点は、ある程度委員の先生方のコンセンサスができているように思います。これは、司法ソーシャルワークという名称であっても多機関連携という名称であってもよいのですが、そこに入ることで機能は強化されるし、弁護士の先生方の負担軽減にもなるし、また関わっていらっしゃる色々な地域の方や自治体の助けにもなると思います。こうした連携協働のプラットフォームを具体的にどのように構築していくかについては、今後、秋以降の議論において深めていくべき論点と考えます。もし制度面で必要があれば、総合法律支援法の改正等も俎上に上がると思いますし、また予算面の対応もあろうかと思います。   その際に1点、こうしたプラットフォームを全国一律、法テラスが中心になって作るということではなくて、今既にいろいろな地域のネットワークが、まだら模様でもありますので、各地域の実情に応じた対応が柔軟に採れるような仕組みを考えていくことが必要ではないかと思います。その辺りの柔軟性を、どうやって制度の中で実現していくかを考える必要があります。   また、制度面とともに運用面においても、法テラスにおいてこれまでいろいろ議論が出たような各省等との連携や法テラス本部と各地域の法テラスとの連携、それから各地域においても、法テラスの皆様と自治体幹部等との顔の見える関係の構築ですとか、そうした運用面の何らかの工夫についても検討する点があるのではないかと思います。   そのような観点で法テラスの特に弁護士の先生方、司法書士の先生方始め、司法関係者の知見を、どうやってより支援の必要な方々の手に届くようにするかという実質的なところを、更にこの秋以降、御議論いただければありがたいと思っております。   もちろん、業務のDX化やビッグデータの把握、今日も見ました外国人対応の充実などの論点は当然必要だと思いますので、併せて議論ができればありがたいと思います。   以上でございます。 佐藤座長 ありがとうございました。   次に大屋委員、お願いいたします。 大屋委員 細かいことはメモで出しましたのですが、この間感じていた違和感みたいなものがようやく言葉になったような気がするので、その点だけ1点触れさせていただこうかと思っています。   というのは、現状の法テラスでは、業務執行にしても報酬の算定にしても、かなり事前統制をベースとして行われているような気がするわけですが、独立行政法人とはそういうものでしたっけというのが頭の中に浮かんでおります。つまり、独立行政法人の大宗を占める中期目標管理法人というのは、これをやりますということは、中期目標と中期計画ですね、自主的に制定するものであって、それができたかどうかということは、ガバナンスとして親組織から評価をされるということです。だから、自己統制型の組織で、やりたいことを弾力的にできるように、自主的に効率化して進められるようにしようというのが、本来の理念だったような気がするわけです。   しかも、そのように日本の行政というのを変えていこうというのが、90年代の行政改革、司法改革の精神だったということを考えたときに、その過程から生み出された法テラスが、こういう事前統制型の事務をやっておられるというのは、皮肉な状態になっているように思われます。   もちろん、法テラス自身は独立行政法人通則法が準用されるだけの組織で、純然たる独立行政法人ではありませんし、そういう組織になった因縁というのは、普通の独立行政法人とは違うのだということがあるかもしれないのですけれども、先ほど示されたビジョンなんかでも考えられた将来像というのを実現していくときに、現状のような事前統制型組織でよいのか、もっと事後統制、事後評価を充実させることは大前提としつつ、弾力的な運営とか報酬算定ということを可能にした方が良いのかというところは、熟考する必要があるのではないかなと思いました。   以上です。 佐藤座長 有益な御指摘ありがとうございました。   次に、岡野委員については、本日は御欠席のため、資料14の意見書を御提出いただいておりますので、御覧いただければと思います。   次に川田委員、お願いいたします。 川田委員 私の方からは、大きく3点を中心にお話をさせていただきたいと思います。   これまで非常に充実した議論をさせていただけたかなと思っております。大きくは、私ども、ニーズとしましては、やはり市民の方の包括的な法的支援ニーズへの対応、それから、急速に増加し、雇用制度改革の渦中にある外国人住民の方々への対応、それから三つ目に、県庁所在地以外からのアクセスという、この地理的なビハインドがある方々への対応、この大きく3点について、自治体としても、これから法テラス、いわゆる地域拠点としての法テラスとの連携というものを中心に、いかに解決していけるかというところのお話をまたさせていただければと考えてございます。   これまでも議論もさせていただきましたし、市民の方々もいろいろなニーズを持っていらっしゃいます。現状を、役所からも法テラスにおつなぎをしている状態ではあるのですが、やはり物理的に遠いであったりとか、また職員の方々自身も法テラスの業務内容についてきちんとディテールが把握しきれていない場合、十分な御案内ができていない場合もございますので、そういったときにきちんとおつなぎして、法的ニーズの解決まで持っていける連携体制というのが非常に大事なのではないかなと考えております。   また、地理的なビハインドに関しては、オンラインを中心としたその窓口連携ですとか、又は何かしらの連携事業を行うなど、そういったところもこれから検討させていただいて、是非こういったこれまで拾い切れなかったニーズについても、ともに拾っていけるような新たな体制の構築について、議論をさせていただければと思います。   メモは今回出せていないのですが、またまとめてお出しさせていただければと思います。   以上です。 佐藤座長 ありがとうございました。意見書の方も、またよろしくお願いいたします。   では、次に川野委員、よろしくお願いいたします。 川野委員 やはり今、少子高齢化の進展とか、それから地方サービスにおいては地域の偏在、それからデジタル化の進展と、法テラスが設立したときから比べて社会環境が非常に大きく変化していると思いますが、先ほども法テラスビジョンの方でお話がありました、誰も取り残さないようなネットワークを築くというところで、私は今後、消費生活センターも含めて、福祉関係者と法テラスとの連携をより強くしてもらいたいというところで、現在認知症の方も非常に多くて、認知機能が十分でない方、消費者白書の方では、認知症の高齢者の方が消費生活センターに相談を自分でするというのは本当に僅かな、もう本当に2割から3割程度で、ほとんどが第三者からの相談がほとんどだというところで、認知機能が十分でない方は自ら法的な支援を求められません。やはり福祉機関等の支援者からの申入れになりますが、そこで特定援助対象者法律相談援助制度というものをもっともっと利用して、そういった判断不十分な方を法テラスの方に確実につなぐという流れを作っていただきたいと思っています。   私の方が欠席をしてしまってお話ができなかったのですけれども、消費者安全確保地域協議会等で、見守り関係者の方が消費者の方の異変に気付いて、消費生活センターに相談をしていただくと、消費生活センターではあっせん等を行うのですけれども、やはり認知機能が衰えていらっしゃる、機能が十分でない方のお話というのは、御本人自体が何も覚えていないものですから、なかなか解決できないものも多いのです。そのときに、やはり最終的に法テラスの方につないでいくわけなのですけれども、そこで福祉関係者の方からの特定援助対象者法律相談援助制度で法テラスの方に確実につないでいただいて、そして、自宅への出張相談とかそういったことを一緒に、もう本当に連携して行って解決をしていければと思いますので、とにかく人と人との連携がこれからは求められていくのではないかと思います。   私からは以上です。 佐藤座長 ありがとうございました。   司会の不手際で間もなく時間になるのですけれども、今日の御意見は私としては是非お伺いをしたいと思いますので、お許しを頂けるのであれば、少し延長させていただければと思います。   多少御発言はコンパクトにしていただければというお願いをしつつ、引き続き御意見賜りたいと思います。   康委員、お願いいたします。 康委員 1点目は、僕自身としては、AIリーガルテックの企業なので、DX、AI化の文脈で支援を行います。これはもう個人的な意見です。   2点目としては、ずっと参加していて、ニーズがある関係各所全国津々浦々、ニーズがあるソーシャルワークしかり、すばらしいことをしている。これは誰も異論がないと思っていまして、これを議論しても意味がないかなというのはすごく思いました。すばらしいこと間違いないですし、すごいこと、高価値なことをやっているのは間違いないので、それについて見合う財源だったりとか、国家の予算だけではなくて、自治体もすごく必要だということでしたら、そこからどうやって財源取るのかとか、そういうところを建設的に議論できればと思っていますので、以後もよろしくお願いいたします。   以上です。 佐藤座長 ありがとうございました。   次に生水委員、お願いいたします。 生水委員 生水です。意見書、資料10を提出しておりますので、そちらを御覧いただければと思います。   今日までの検討会を通じまして、私がしっかり議論したいと思っているのは、法律扶助制度です。私は自治体の生活困窮者支援の現場で多くの相談を受けてきました。本当に困っている方ほど、やはりお金がないし、相談先が分からないという理由で、一歩を踏み出すことができないのです。法律扶助制度は、その1歩を支えて、もう1人で抱え込まなくてもよいよ、と安心してもらうための、とてもとても大切な制度だと思っています。正に、司法の架け橋といえます。   しかし、相談現場では、DV被害者、障害のある方、精神的な不調を抱える方、丁寧で継続的な支援が必要な案件ほど、受任につながりにくいという声があります。課題があります。制度があっても、必要な人に届かなければ、本当の意味で司法アクセスが保障されているとはいえません。そのために、準生活保護層への償還免除の拡充、そして一部免除制度の導入を進めるとともに、利用者の負担と法律専門職への報酬は切り分けて考える制度設計が必要だと考えています。利用しやすい制度であることと、困難事案にも安心して対応できる環境の両方あってこそ、法律扶助制度は本当に機能すると思っています。   後半の検討会では、この制度を運営する側の視点だけではなくて、制度を必要としている方、そして、そうした方々を支える現場の視点を大切にしながら、本当に困っている人に法的支援が届く、そうした法テラスの在り方について、皆さんと議論を深めていきたいと思っております。   以上です。 佐藤座長 ありがとうございました。   次に諏訪委員、お願いいたします。 諏訪委員 よろしくお願いします。   もともと法テラスの話を聞いたときに、田舎の方で人がいないところに弁護士を派遣する会社かなと思っていたのですけれども、いろいろ勉強させてもらって、やはり門外漢は勉強しなければいけないと思って聞いていたのですが、聞いているうちに、法テラスというのは全国展開している国立病院だなと思いました。ただ、お金ないなと。それから、日本弁護士連合会が東京の専門病院、それから各地の弁護士会が公立病院で、弁護士の事務所とかそんなのが私立病院、それから大企業が抱えている弁護士は美容医療の先生かなみたいな感じで分析しています。いずれにせよ、美容医療だけでは困るので公立病院にも入ってくれるように、やはり弁護士全体のもうちょっとそういった、法テラスも含めて公的なお仕事をしてもらいたいなというような機運を高めるために、何かしなければいけないだろうというのが1点。   それから、田舎の方の医療は全部法テラスがやるというのではなくて、やはり弁護士会とかいろいろありますので、そういったところと有効なソーシャルワークのプラットフォームを作って、そこに直接お金を入れるとか、そこに、国からお金を入れて仕事をしてもらうとか、そういった仕組みを作れないかなと、そういった意味で、法テラスの法律そのものを変えるのか、それともそういった司法ソーシャルワークみたいな枠組みを、弁護士会も含めてみんなで作っていこうというような法律作りを提言していくのはいかがかなというようなことを考えたりしています。   以上です。 佐藤座長 ありがとうございました。   次に寺町委員、お願いいたします。 寺町委員 本検討会において、この20年間に法テラスが果たしてきた役割、すなわち司法アクセスの確保のために、民事、刑事を問わず、あるいは地方や都市部を問わず、司法と行政、医療、福祉が連携して、いわゆる司法ソーシャルワークを展開することによって、社会に法による紛争解決を浸透させ、自由で公正な社会、人々の安全・安心の形成に役立っているということが明らかになったかと思います。   日本弁護士連合会推薦委員として申し上げるべきことにつきましては、本日付けで先ほどの国選弁護人の確保に関する意見書と、資料13で全体を通しての意見書として提出いたしましたので、そちらを御覧ください。その上で、今日は個人的な意見を少し述べさせていただきたいと思います。   「またお金か」と思われるかもしれないのですけれども、本検討会の中でも何度か申し上げましたが、法テラスの民事法律扶助事件では、法テラス以外の事件に比べ、依頼者や相手方当事者に困難な方が含まれる確率が高く、加えて、国選弁護の場合には、困難な被疑者・被告人に攻撃されても辞任すら容易ではないという中で、弁護士報酬も私選と比べて半分以下ということで、精神的にも経済的にも弁護士が非常に追い詰められているというケースが多々ございます。   昨年度、日本弁護士連合会の副会長として全国を回りました。その中で、各地の若手弁護士から類似のことを何人からも言われたのですけれども、誰かの役に立ちたいと思って弁護士になった、だから、国選弁護や民事法律扶助を一生懸命やってきたのだけれども、非常に困難な仕事なのに評価もされない、報酬も低い、メンタルダウンしてしまって、もう忸怩たる思いで撤退せざるを得ない、そういう、すごく葛藤を抱えながら撤退する人たちにたくさん会いました。   弁護士の多くは、恐らく弁護士法第1条を空で言えると思うのですけれども、第1項として「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」、そして第2項として、「弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない」、そういう使命を胸に、弁護士総体として社会の様々なニーズに応える活動とか、あるいは先ほどの制度作りということもしてきています。それでも、今の民事法律扶助や国選弁護の報酬の安さでは、その事務所経費を賄えないとか、あるいは自分や家族の生活を支えられない、あるいはその弁護士になるまでに借りたロースクールの奨学金であったり修習貸与金を返済しなければいけない、そういう中で、弁護士が総合法律支援体制の維持というところに関与していくことに、非常に困難を感じる人が増えてきているということです。   なので、持続可能な総合法律支援体制を確保するということでいいますと、本当に民事法律扶助と国選弁護の報酬の底上げをお願いしたいというのが、私からのこの中間点でのまとめの発言とさせていただきます。   ありがとうございました。 佐藤座長 ありがとうございました。   次に板東委員、お願いいたします。 板東委員 ありがとうございます。   今までいろいろな委員がおっしゃったことと重なる部分がございますけれども、まず、司法との架け橋にというのが一番、法テラスの重要なキャッチフレーズであるとすれば、全ての人と司法を結ぶ架け橋となるためには、直接法テラスにアプローチする方々だけではなくて、いろいろな関係機関との連携によって、そのネットワークによって、その司法との間を初めて結べるという可能性もかなりあるということで、今までいろいろな方々から御指摘あったとおりでございまして、そのための関係するところとのネットワーク作りとかプラットフォームというのがますます重要になってきている。これは大村委員から御指摘のように、いろいろな制度や施策によって様々な選択肢、あるいは地域の状況による選択肢というのがあると思いますけれども、少なくともそのようにつながっているところに、法テラスが、あるいは司法がいろいろな形で組み込まれているという状況を作っていく必要があるだろうと思います。   例えば、災害対応とか、そういうところには必ず事前のネットワーク作りのところから、司法関係者あるいは法テラスが入っていくというような、そのネットワーク、プラットフォーム作りを努力していく必要があるだろう。そのためには、総合法律支援法にも少し司法ソーシャルワークとか、ネットワーク構築も位置付けていただく、顔を出していくということも必要なのではないかと感じます。   それから、総合法律支援法でその連携の中にも、隣接法律専門職との連携、そういう団体との連携とか、そういうのが出てきているのですが、もう少し幅広くその連携の中身を考えていく必要があるのではないかと思います。   それから、今日御指摘がございました財政的な問題でいくと、今法テラスの構造を見ると、基金的なものがないということがあって、例えば代理援助等を、年によっては非常に件数が多くなってしまうと、本当にもう正直赤字になってしまうという危険がある。やはりその財政基盤のところで、そういったニーズにも対応できるアローワンスというものを、基盤のところを作っていく必要があるのではないかなということを感じるところであります。   それから、ビッグデータの話はさっき申し上げました。   それから、今日もお話が出ておりますいろいろなDXとか、そういうことも関係を積極的にいろいろ考えていく必要もあると思いますけれども、特にオンライン等に関しても、まだまだ活用が十分ではないというところがあるかと思います。遠隔であったり、弁護士がいないところであったり、あるいはDV相談等なかなか被害者が出てこられないような場合であったり、高齢者であったり、そういう方々をいろいろな機関がサポートしながらということで、もう少し遠隔にあるまま、オンライン、その他も含めて活用して、もっと頻繁に支援を受けられるような、そういうような体制を作ってく必要があるのではないかと感じます。   他にもいろいろあると思いますので、かいつまんでということで申し上げました。 佐藤座長 ありがとうございました。   次に山本委員、お願いいたします。 山本委員 先ほどの国選弁護の報酬のお話を伺っていまして、同じことがスタッフ弁護士や契約弁護士のリクルートについてもいえるのではないかという気がいたします。   私は3年ほど前までは法科大学院で法曹になりたい人たちの教育に携わっておりましたので、彼らのメンタリティ、ある程度分かっているつもりでございます。彼らは、法曹になるためにかなりコストを投じているわけです。これは、時間とお金と両方です。先ほど奨学金の返済の話も出ましたけれども、そういう人たちの中からリクルートをしていくという場合には、やはりそれなりの経済的な裏付けを持った職業であるということを提示できなければ、なかなか人は集まらないのではないのかなという気がいたしています。   私が今勤めている大学は、法曹になりそうな人はほとんどいないのですが、やはり学生さんたちの生活が経済的にどんどん苦しくなってきていることは、身をもって実感しております。そういう中で、比較的若い人たちをリクルートするためにはどうしたらよいのかという戦略を立てていかないと、箱だけあっても、あるいはお金が出ても、実際上動かない組織になってしまうことになりはしないか、という危惧を有しております。その辺りの戦略も、立てていかなければまずいのではないかというのが、私の感想でございます。   以上です。 佐藤座長 ありがとうございました。   改めまして、委員の皆様、御意見ありがとうございました。別途提出いただいた意見書を含めて、この検討会の議論を今後進めていく上で、非常に重要な大きな視点からの御意見、御指摘が多々含まれていたと思います。大変ありがたく思います。   本日頂いた御意見を踏まえ、第7回以降の議論の方向性を事務局と検討し、準備を進めてまいります。   それでは、本日の第6回の会議はここまでとさせていただきたいと思います。   最後に、事務局から今後のスケジュールについて説明をお願いいたします。 青木参事官 今後のスケジュールについて御説明させていただきます。   第7回会議につきましては、事前に御案内しておりますとおり9月24日木曜日、午後3時から午後6時に法務省会議室での開催を予定しております。   第7回の議題でございますが、先ほど座長からお話がありますとおり、本日以降、座長と事務局とでこれまでの議論の内容を整理させていただきたいと考えております。   第7回におきましては、その整理した内容をお示しした上で、ここまでの議論についての中間整理を行っていただくとともに、第8回以降に更に深掘りして議論すべきテーマについて御意見を頂くことを予定しております。   事務局からは以上です。 佐藤座長 それでは、以上をもちまして第6回の会議を終了させていただきます。   本日はどうもありがとうございました。 ―了― -31-