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法務大臣記者会見の概要

令和2年5月26日(火)

 今朝は,まだ持ち回り閣議が終了していませんので,閣議内容について,御報告し,お答えすることが出来ないことを御承知おき下さい。
 続いて,私から5件御報告がございます。
 まず,東京高検検事長の人事についてです。
 本日付けで,林眞琴名古屋高検検事長を東京高検検事長に異動させました。
 黒川氏の辞職を受け,早急に,後任人事を行ったものです。
 林検事長には,東京高検管内における重要な業務について,国民の安心・安全,治安の確保のためにしっかり取り組んでもらいたいと思います。
 次に,法務・検察の信頼回復のための会議の設置についてです。
 今回の元東京高検検事長の問題により,法務・検察に対しては,国民の皆様から様々な御指摘・御批判をいただいております。
 法務・検察が,適正にその役割を果たしていくためには,国民の皆様からの信頼が不可欠であり,総理からも,法務・検察の信頼回復のために尽力するよう指示を受けました。
 そこで,今般,法務省内に,「法務・検察行政刷新会議(仮称)」を設置し,これからの法務・検察行政に関して,必要な検討を開始することといたしました。
 この会議の具体的な内容や在り方については,今後,検討・調整を行った上で,改めて御説明いたします。
 昨日の政府のコロナ対策本部会議において,緊急事態宣言が解除されました。国民の皆様のこれまでの御協力に感謝をいたします。今後も油断することなく,生活を取り戻してまいるべく,引き続きの御協力をお願い致します。
 法務省におきましては,本日,入管の収容施設の面会の制限について解除いたします。
 次に,上陸拒否の対象地域拡大についてです。
 法務省では,昨日の政府対策本部における報告・公表を踏まえ,明日,5月27日午前0時から,上陸拒否の対象地域を11か国拡大し,111の国・地域に滞在歴がある外国人等について,特段の事情がない限り,上陸を拒否することとします。
 なお,再入国許可の取扱いについては,これまでと同様といたします。
 最後に,外弁法の改正を反映した英語訳の公開についてです。
 先週金曜日,「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律」が成立し,即日,法令外国語訳の専用ホームページにおいて,改正を反映した英語訳を公開しました。
 日本法令の国際発信は,国際化に対応するための重要なインフラ整備であり,今後も,関係府省庁と協力の上,しっかりと取り組んでまいります。

東京高等検察庁前検事長の処分等に関する質疑について

【記者】
 辞職した東京高等検察庁前検事長の黒川氏への訓告処分は,法務省で協議を行い,検事総長が決定したということでよろしいのでしょうか。一部報道では,法務省が戒告を考えたものの,官邸が訓告にしたというものがありますが,事実関係を改めてお願いします。
 
【大臣】
 黒川氏の処分については,法務省としては,調査結果を踏まえ,監督上の措置として最も重い「訓告」が相当であると考えました。
 そこで,検事長の監督者である検事総長に対し,法務省が行った調査結果とともに,法務省としては「訓告」が相当であると考える意見を伝え,検事総長においても,「訓告」が相当であると判断したものです。
 したがって,黒川氏の「訓告」の処分内容を決定したのは,飽くまで法務省及び検事総長です。
 そして,任命権者である内閣に報告したところ,法務省としての決定に異論がない旨の回答を得ました。
 そこで,改めて,検事総長に対し,「訓告」が相当であるという意見を私から伝え,検事総長から,黒川氏に対し,「訓告」の措置がなされたものです。
 総理に対しては,最終的に,調査結果,これを踏まえて処分したこと及び辞意が表明されたのでこれを了解したことを私から報告し,法務省の対応について了承を得たというのが,経過でございます。
 なお,法務省及び検事総長が処分を決定するまでの過程において,法務省から,内閣に対し,事務的に,調査の経過の報告,先例の説明,処分を考える上で参考となる事情の報告等を行っております。
 22日の記者会見における私の「内閣において決定がなされた」旨の発言は,法務省及び検事総長が「訓告」が相当と決定した後,内閣に報告したところ,その決定に異論がない旨の回答を得たことを申し上げたものでございます。
 
【記者】
 黒川検事長の退職手当に関して,昨日総理が会見で「訓告処分を踏まえ減額されていると承知している」と御発言になりましたが,実際に退職手当の減額があったのかどうかについて,教えていただけますか。

【大臣】
 訓告を含む監督上の措置とされた場合には,これらの処分を受けたこと自体により退職手当の支給額は影響を受けないものと承知しております。
 他方で,黒川氏の場合はいわゆる賭け麻雀を行ったものとして,訓告処分に付されておりまして,これは非違行為に当たるものと考えられます。
 そのため,黒川氏は,国家公務員退職手当法第5条「その者の非違によることなく退職した者」とは認められず,黒川氏には,同条が規定する定年退職等の規定ではなく,同法第3条の自己都合退職,すなわち非違によって自己都合退職した者の規定が適用されることになりますので,黒川氏の退職手当の額は,同法第5条の定年退職等の規定を適用して支給される場合よりも,相当額少なくなります。
 総理はその点を捉えて,減額されると発言したものと思います。
 いずれにしても,黒川氏の退職手当は,国家公務員退職手当法の規定に基づき,適切に支給されるものと承知しております。
 

東京高等検察庁検事長の人事に関する質疑について

【記者】
 検事長人事の後任の林眞琴氏について,理由や適性の面について改めてお聞かせください。

【大臣】
 黒川東京高検検事長がこの度の不適切行為,不祥事により辞職をいたしましたので,可能な限り,その空席を迅速に埋めることができる経験・知識等を有する検察官を選任するという観点から,後任者の選任を行ったものでございます。その点,林検事長は,これまでの業務の実績,名古屋高検で部下職員を指揮監督しているその様子等から,最適な後任者であるものと考えており,東京高検内の部下職員を指揮監督して重要な業務について適切な業務執行を行っていただけるものと考えて,選任いたしました。

(以上)