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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年6月19日(金)

 今朝の閣議においては,法務省案件として,「司法書士法施行令及び土地家屋調査士法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。
 また,主意書に対する答弁書が2件ありました。
 続いて私から1件報告がございます。
 この度,テレワークの推進の障害となっているとの指摘がある民間における押印慣行について,その見直しに向けた取組が進むよう,Q&Aを,関係府省との連名により作成し,本日公開することとしました。
 このQ&Aは,主に,企業内のルール作りに携わっている方に向け,民事訴訟法上の押印に関する規定の意味を説明するなど,押印慣行を見直していただくための拠り所となるものとなっています。
 法務省としては,このQ&Aを参考にしていただき,不要な押印については削減し,必要な場面では押印に代わるものを利用するなど,押印慣行の見直しに向けた自律的な取組が進むことを願っています。

検察庁法改正案に関する質疑について

【記者】
 検察幹部を定年後も役職にとどめることができる特例規定を設けた検察庁法改正案がいったん廃案となりました。法務大臣としての受け止めと,法案見直しなどの方針について教えてください。

【大臣】
 法案の取扱いについては,国会でお決めになることでございますので,コメントは差し控えさせていただきます。
 検察官の定年引上げについては,少子高齢化が進む中で,豊富な知識,技術,経験等を持つ高齢期の職員に最大限活躍してもらいつつ,複雑高度化する行政課題に的確に対応するため,検察官についても定年引上げが必要であるという認識に変わりはございません。
 国家公務員法等の一部を改正する法律案のうち検察庁法改正部分についてはこれまで国民の皆様からも様々な御意見がございましたので,法務省としては,そうした御意見にも十分に耳を傾けた上で,今後の取扱いについては,関係省庁とも協議をして,検討してまいります。

【記者】
 検察庁法改正案についてお伺いいたします。定年の引上げが必要だと仰ったのですが,特例についてはどうお考えですか。

【大臣】
 特例についても同様でございますが,この間,国会審議,その他様々な場面を通じて国民の皆様方から様々な御意見を賜ってまいりましたので,そういったことをしっかり受け止めながら,関係省庁とも協議の上,今後の方針について検討してまいりたいと思います。

東京高等検察庁前検事長の退職金に関する質疑について

【記者】
 黒川前東京高検検事長の退職金の支払い状況とその金額について教えてください。

【大臣】
 その件については,国家公務員退職手当法の規定に基づき,本日中には支払われるものと承知しております。
 個人の退職金額については,個人のプライバシーに関わるものであり,お答えは差し控えさせていただきますが,その上で,一般論として申し上げれば,東京高検検事長の役職にあった者が,休業等による除算がなされることなく,例えば勤続期間37年で,自己都合により退職した場合をモデルケースとして算定いたしますと,その退職手当の額は,約5,900万円となります。

河井克行衆議院議員及び河井案里参議院議員の逮捕に関する質疑について

【記者】
 昨日,河井克行前法務大臣と河井案里参議院議員が逮捕されるという事案がありました。まさに大臣の前の法務大臣を務めていた方であり,法務大臣の逮捕は初ではないかと言われていますが,大臣の受け止めをお願いします。

【大臣】
 東京地検は,昨日,河井克行衆議院議員及び河井案里参議院議員を公職選挙法違反により逮捕したものと承知しております。このことについては,大変遺憾であります。
 現在捜査中の個別事件について所感を述べることは差し控えさせていただきますが,法務行政全体の信頼確保に向けて,今後も全力を挙げてまいる所存です。

【記者】
 関連です。法務行政全体の信頼回復に努めると仰っていますが,今回の逮捕は,法務行政の信頼を損ねたという認識でいるのか確認させてください。

【大臣】
 法務大臣は,国会の場で検察の活動について説明すべき立場にあることから,個別事件について所感を申し述べることはできかねますが,事態については大変深刻に受け止めておりまして,今後も私の下で法務行政に対する国民の信頼回復に向けて,全力を挙げていく覚悟でございます。

「法務・検察行政刷新会議(仮称)」に関する質疑について

【記者】
 今の信頼回復の関係で,「法務・検察行政刷新会議(仮称)」について,メンバーや具体的な議論の内容,今後のスケジュールについて検討状況を教えてください。

【大臣】
 「法務・検察行政刷新会議(仮称)」につきましては,これまで国民の皆様から様々な御指摘を受け,また御疑念を示されてきたことを踏まえて,法務行政一般,そして検察行政,刑事手続全体などについて見直す会議を立ち上げることとしております。
 その委員については,現在鋭意選考中でございまして,様々な御意見を受け止めながら,しっかりとした委員を選定していきたいと思っております。
 また,その手続については,国民の皆様方に透明な形で運営をしていきたいと思っているところです。
(以上)