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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年6月26日(金)

 今朝の閣議においては,法務省案件として,主意書に対する答弁書が4件ありました。
 続いて私から2件報告がございます。
 まず,社会を明るくする運動についてです。
 7月は,犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くことを目的とする第70回“社会を明るくする運動”の強調月間であり,また「再犯防止啓発月間」でもあります。
 法務省では,これを国民の皆様により一層御理解いただくため,様々な取組を実施します。
 初日の7月1日には,新型コロナウイルス感染症をめぐる状況を踏まえ,法務省内において,本運動のフラッグアーティストである谷村新司さんや,木村祐一さんほか吉本興業所属のお笑い芸人の方々に登場していただく,キックオフイベントを実施します。この模様は,後日,YouTube(ユーチューブ)法務省チャンネルに掲載する予定です。
 また,本日の閣議では,私から閣僚の皆様に,本運動や再犯防止への御支援と御協力をお願いいたしました。
 閣僚の皆様には,本日から1週間,犯罪や非行のない社会づくりに取り組む決意のしるしである「幸福(しあわせ)の黄色い羽根」,今私も付けているものですが,これを着用していただくこととなっております。
 法務省としましては,この「幸福(しあわせ)の黄色い羽根」とともに,引き続き“社会を明るくする運動”と再犯防止に向けた取組を積極的に進めてまいります。
 次に,死因究明等推進本部の持ち回り開催についてです。
 本年6月25日までに,死因究明等推進本部の第1回が持ち回りで開催されました。
 この推進本部は,死因究明等に関する施策の推進計画の案を作成することを目的としています。
 死因究明体制や身元確認のための態勢整備の施策については,パロマ給湯器事件の表面化,時津風部屋力士暴行死事件,東日本大震災などの具体的事象を背景に,その強化が求められ,平成24年6月に死因究明等の推進に関する法律が成立しました。
 その後,死因究明等推進基本法が令和元年6月に成立し,本年4月に施行されました。
 同基本法において,政府が死因究明等に関する施策の推進計画を定めることとされており,推進本部がその案を作成することとされています。
 死因究明等に関する施策は,安全で安心して暮らせる社会及び生命が尊重され個人の尊厳が保持される社会の実現に寄与することを目的とする大変重要な施策です。
 法務省としても,推進計画の案の作成に当たり,関係府省庁と協力し,適切に対処してまいりたいと考えています。

少年院における高等学校教育機会の提供に向けた検討会に関する質疑について

【記者】
 少年院に居ながら通信制高校に入学できることなどを目指した検討会が昨日開かれました。在院中の少年への高校教育の提供に関する今後の展望や,大臣が検討会に期待することを教えてください。

【大臣】
 本検討会は,義家法務副大臣の下,高等学校での学習を希望する少年院在院者に対して,高等学校教育の機会を在院中に提供し,在院中はもとより,出院後も学校に在籍して学びを継続するための方策を検討するため設置したものです。
 昨日,文部科学省とともに,全国高等学校通信制教育研究会と広域通信制高等学校の参加を得て,第1回会議を開催し,今後検討すべき課題や実情についての共有・協議が行われたと承知しています。
 検討会においては,今後,文部科学省,全国高等学校通信制教育研究会のほか,通信制高等学校と少年院の実務担当者により,具体的な方策の検討を行い,本年秋頃をめどに取りまとめる予定です。
 これを受けて,来年度から,モデル庁とする複数の少年院において,希望する在院者が通信制高校に編入できるよう取組を進め,その後は,その実施状況を踏まえて,更なる取組を進めてまいりたいと思います。
 少年院では,高校中退や中学卒業といった学習ニーズが高い在院者が多く,これまでも文部科学省や学校等と連携し,在院者の学びに向けた支援に取り組んでまいりました。
 少年院在院者に高等学校での学びのチャンスを広げることは,在院者の社会での立ち直りに向けた非常に大切な取組であると考えます。今回の検討会は,義家法務副大臣の強力なリーダーシップで実現したものです。
 本検討会を通じて関係機関が連携し,充実した施策の展開につながることを期待しております。

押印慣行の見直しに関する質疑について

【記者】
 ハンコ文化についてお伺いいたします。
 先日,政府の規制改革推進会議の方で,押印慣行の見直しについての意見書をまとめましたが,法務省として,この関連する法制度の見直しについては,どのようなスケジュール感で今後進めていくのか,経済界からは,早期に実行を求める声もありますが,その辺りのスケジュール感について教えてください。

【大臣】
 先日,法務省と関係省庁共同でQ&Aも出したところですが,それを更に進めて,民民の取引について,法務省と経済産業省で,私から梶山経済産業大臣にお話をして,進めているところでございます。
 経済界からは,電子印鑑の種類がたくさんあるので,それぞれについての法的効果やそれぞれがどのような場面で使われているのかなどの例示をしていただきたい,それに関するガイドラインのようなものを出していただきたい,また民事訴訟上の推定効についても説明していただきたいというような様々な御要望をいただいているところです。
 今後も,政府の方針に従って,適切に,スピーディに進めていきたいと思っております。

死因究明等推進本部に関する質疑について

【記者】
 冒頭仰っていただいた死因究明の関係で,今後のスケジュール感など決まっていることがありましたらお願いします。

【大臣】
 死因究明等推進計画の案でございますが,今後,有識者で構成する死因究明等推進計画検討会において検討を進めていくこととされております。法務省としても,適切な案が策定されますように,まずは,検討会における検討状況を注視してまいりたいと思っております。
(以上)