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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年8月11日(火)

 今朝の閣議において,法務省案件はありませんでした。

広島原爆に係る「黒い雨」訴訟に関する質疑について

【記者】
 黒い雨訴訟について,国側の主張が認められなかった広島地裁の判決に対する控訴期限が明日に迫っています。一部報道で,国が控訴する方針と伝えられておりますが,その事実関係や今後の対応について教えてください。
 
【大臣】
 御指摘の訴訟についてでございますが,本年7月29日に,広島地裁において,原告らの請求を全部認容する判決が言い渡され,明日(8月12日)が控訴申立期限であることは承知しております。
 同判決への対応については,現在も関係省庁並びに広島県及び広島市と協議中であり,適切に対応してまいりたいと考えております。

終戦の日に関する質疑について

【記者】
 8月15日の終戦の日について,靖国神社に参拝したりですとか,玉串料や供え物の真榊を奉納する御予定はありますか。
 
【大臣】
 現時点で,その予定はございません。

新型コロナウイルス感染症の感染状況等に関する質疑について

【記者】
 8月6日か9日だと思いますが,大阪拘置所で刑務官の方が一人新型コロナウイルス感染症に感染したということと,東京入管の職員の方お二人も感染したということ,そして50代の被収容者の方が一人感染したという報道があるのですが,その事実関係について教えてください。それと,今まで仮放免という形での対処ということもされていたと思うのですが,今後の対応について,今決まっていることがあれば教えてください。

【大臣】
 まず,被収容者でございますが,東京入管の50歳代の男性被収容者が,発熱等の症状により医療機関でPCR検査を受け,8月7日に,新型コロナウイルス感染症の感染が確認されたとの報告を受けております。
 東京出入国在留管理局では,「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」に基づき,感染拡大防止の対応を行っておりまして,当該被収容者については,症状を訴えた時以降,他の被収容者と分離して収容をしております。現在のところ,他の被収容者や関係職員の中に体調不良を訴える者はおりませんが,当該被収容者と接触があった職員を自宅待機とすることとしたほか,保健所と相談しながら必要な範囲でPCR検査を受けさせております。その他詳細については,出入国在留管理庁にお問い合わせいただきたいと思います。
 また,職員についてもお尋ねがございましたが,東京出入国在留管理局では,本年7月31日から8月8日までの間に,合計5名の職員に新型コロナウイルス感染症の感染が確認されました。これにより,これまでの入管施設における職員の感染者は累計で6名となったところでございますが,先ほど言及したマニュアルに基づいて,しっかりと感染拡大防止対策を講じるよう私から改めて指示をしたところでございます。
 それから,仮放免についてもお尋ねがあったと思いますけれども,今後の仮放免の運用の在り方については,感染状況や国際便の運行状況などの母国への送還実施の見通しなども考慮しながら,適切に対応してまいりたいと考えております。

難民の受入れに関する質疑について

【記者】
 今朝の閣議で法務省案件はありませんでしたとのお話でしたが,昨日,香港の民主活動家10名が,香港の国家安全維持法により逮捕されたという報道がされています。日本に対しても,救援や支援を呼び掛ける民主活動家のツイッター投稿があったという報道もありますけれども,本日の閣議,あるいは今までの閣議で,香港情勢や,日本での政治難民の受入れに関する議論は全くされてこなかったのでしょうか。
       
【大臣】
 閣議の内容については,議事録で公開をされているとおりでございます。所管外のことについては,法務大臣としては言及を差し控えたいと思います。

【記者】
 難民の受入れというのは正に法務省の管轄だと思うのですが,その議論については,大臣がされるなど,今まで話題には全くならなかったのでしょうか。

【大臣】
 難民の受入れについては,今まで閣議で議題になったことはございません。
 難民の受入れについては,一般論として申し上げれば,難民条約上の難民に該当するか否かを個別に審査で判断をいたします。また,これまでも申し上げておりますとおり,条約上の難民とは認定できない場合であっても,本国情勢などを踏まえて,人道上の配慮が必要と認められる場合には,我が国への在留を認めているのが実情でございます。

入管収容施設における長期収容に関する質疑について

【記者】
 難民の受入れについては,非常に消極的だという印象なのですが,入管の長期収容問題に関して,長期被収容者の中には,日系外国人や元インドシナ難民といった,日本に20年,30年暮らしている定住外国人の方もいらっしゃいます。刑期を終えた方や,少年院から入管に移送された人もいますけれども,法務省では,先月,再犯防止啓発月間という形で,誰一人取り残さない社会の実現に向けて,犯罪や非行をした人たちの立ち直りの理解とそれに対する社会協力を求めるということで,法務省の1階のロビーでも,元受刑者の方の社会復帰のための協力を地域社会や民間企業に求めるような展示をされていました。しかし,定住外国人や日系外国人や元インドシナ難民の方たちに対するこういったフォローの取組は,今の法務省の施策としては,あるいは多文化共生施策としてはないのでしょうか。刑務所と入管の往復という状況も生まれているので,それについてお伺いしたいと思います。

【大臣】
 入管収容施設は,被収容者が退去強制令書に従い出国することで,すぐさま収容状態が解かれるという性質の施設でございますので,一般論として,長期収容は送還の促進によって解消されるべきものと考えております。
 他方で,退去強制令書の発付処分を受けた者についても,その後の事情変更を理由に,在留特別許可をすることがございます。
 この在留特別許可をするか否かの判断については,個々の事案ごとに,本邦における生活基盤の有無を含め,在留を希望する理由,素行,人道的な配慮の必要性などを総合的に勘案して行っているところでございますので,今後も引き続き,適正な運用に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 また,「収容・送還に関する専門部会」で,近時取りまとめられた御提言には,在留特別許可に関する内容が含まれており,私は,出入国在留管理庁に対し,頂いた御提言を十分に踏まえ,必要な検討を十分に行うように指示しているところでございますので,今後,出入国在留管理庁において,必要な検討が行われるものと考えております。
(以上)