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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年10月9日(金)

 今朝の閣議において,法務省案件はありませんでした。
 続いて,私から1件御報告がございます。
 法務省関連の新型コロナウイルス感染症の感染状況について申し上げます。
 10月2日(金)から昨日までの1週間に,東京出入国在留管理局1名,大阪地方検察庁1名,計2名の職員の感染が判明しております。詳細は既に公表されているとおりです。
 なお,被収容者の感染判明はございませんでした。

検察庁法改正案に関する質疑について

【記者】
 検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案について,政府が26日に召集される予定の臨時国会での提出を見送り,来年1月の通常国会に再提出する方針を固めたとの報道がありました。幹部の役職定年を延長できる特例規定についての修正案が固まっていないためとも報じられておりますが,事実関係についてお願いいたします。

【大臣】
 先の国会に提出した国家公務員法等の一部を改正する法律案のうち検察庁法改正部分につきましては,様々な御意見があったものと承知しております。政府といたしまして,そうしたことも踏まえながら,法案の提出につきまして,改めて検討をしているところでございます。

【記者】
 臨時国会のスケジュールがタイトだという中で,大臣自身,検察庁法改正案の提出が厳しくなっているという認識は実感としていかがでしょうか。

【大臣】
 今回,臨時国会が召集されれば,菅政権にとりましても,1回目の臨時国会を迎えるということでございます。
 私も含めまして,国民に奉仕する内閣としても,十分な対応をしていくということで,私も鋭意,法務行政につきまして努力をしているところです。
 今回の検察庁法改正部分も含めまして,様々な御意見があったということでありますので,そういったことを十分に踏まえた上で検討しているという状況でございます。

【記者】
 法務省では信頼回復に向けた「法務・検察行政刷新会議」での議論が現在も続いていると思います。この改正案の内容の再検討については,こうした議論の結果等も踏まえて検討されるのか,お考えをお聞かせください。

【大臣】
 先の国会に提出した国家公務員法等の一部を改正する法律案のうち検察庁法改正部分につきましては,様々な御意見があったものと承知しておりますし,現在もいろいろな御意見が寄せられているところでございます。
 そういったことも含めまして,いろいろな御意見を十分に承り,そういったことも踏まえながら改めて検討をしているところです。法案提出ということになりますと,その承ったいろいろな御意見をしっかりと踏まえた上で御理解をいただくということになりますので,私自身は,比較的オープンにしながら検討を進めていきたいと思っておりますので,改めてしっかりと検討してまいりたいと思います。

行政手続における押印等の見直しに関する質疑について

【記者】
 菅政権が発足されてから,行政手続のデジタル化や押印廃止に向けた動きが加速化していると思うのですが,法務省が所管している戸籍事務の中で,婚姻届や離婚届のオンライン化やデジタル化,押印廃止などを検討されているかどうか,お聞かせください。
 また,もし検討されているとしたら,今の状況などもお伺いできれば幸いです。

【大臣】
 現在,菅内閣の大きな柱として,デジタル化の推進を,国民の皆さんへの利便性向上,あるいは全体としての効率性アップという形で進めているものであります。
 省庁横断の中で進めていくものもあれば,各省庁の中でしっかりと取り組んでいくというものがございます。
 法務省におきましては,今御指摘がありました婚姻届のことであるとか,離婚届の押印のことも含めまして,様々な行政手続がございますので,そのオンライン化ということで検討を進めているところであります。
 御指摘の婚姻届や離婚届の押印につきましては,行政手続における押印等の見直しに向けた取組を強力に推進するという政府の方針がございますので,それに沿って見直しを行っているところでございまして,現在,廃止する方向で検討しているところでございます。
 なお,オンラインによる戸籍の届出につきましては,平成16年4月1日から,制度上は,行うことが可能となっているところですが,その導入につきましては,市区町村長において判断される事項であるということで,現在のところ,導入している市区町村はないものと承知しております。

【記者】
 行政手続のハンコの廃止についてお伺いしたいのですが,登記手続などのハンコの廃止が難しいものもあるかと思いますが,そういった難しいものの検討状況も教えていただけますでしょうか。

【大臣】
 今,法務省で検討している状況でございますが,法務省所管の押印が求められる行政手続のうち,手続件数が1万件以上のものが全部で44件ございます。これらについての押印の見直し状況ですが,押印を廃止する方向で検討しているものが35件です。一方,押印を存続させる方向で検討しているものが9件です。
 この点については,今後,政府全体として見直しに向けた取組を強力に進めていくということでございますので,しっかり検討して,政府一丸となって法務省としても取り組んでいきたいと思っております。

国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会に関する質疑について

【記者】
 国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会での入管収容問題に関する勧告のことで質問させていただきます。
 今回のような入管収容問題の個別案件について,詳細な勧告が国連の作業部会から出されたのは今回初めてだと思いますが,大臣はこの意見書を既に御覧になったのかどうか,あるいは担当の方から内容の説明を受けたのでしょうか。
 そして,この意見書は,国会上程,まだ分かりませんが,入管法改正にも深く関係してきますが,その概要の日本語訳も必要だと思うのですが,そういった日本語訳をする予定や,既にできているNGOとか弁護士が作っている翻訳などを取り寄せるといったような御予定は,法務省としてありますでしょうか。

【大臣】
 1点目でございますが,お尋ねの恣意的拘禁作業部会における意見書の内容につきましては,担当者から報告を受けております。
 2点目の意見書の日本語訳の件につきましてのお尋ねでありますが,この意見書は,作業部会による個別事案についての見解ということでありまして,国連人権高等弁務官事務所のホームページにおきまして,公表される予定であると承知しております。
 法務省は,その意見書を受けた立場として,今後,意見書の内容を十分に精査し,関係省庁とも連携をしながら適切に対応してまいりたいと考えておりまして,意見書を頂いておりますので,それに沿って取り組んでまいりたいと思います。
 今おっしゃっていただきました,翻訳を取り扱う,あるいは既にあるものを取り寄せるということでございますが,英語のドキュメントがございまして,それに対応して意見書を取りまとめるということでありますので,今,御質問のようなことについては,特段,法務省としてやる立場にはないと考えております。

【記者】
 今回個人通報した2人の難民申請者のケースについては,作業部会の方から,恣意的な自由の剥奪を取り巻く状況について,完全かつ独立した調査が必要といった,人権救済することや,入管難民法が恣意的拘禁を生み出す原因になっているといったようなことを,決定事項として日本政府に対して求めているのですが,そういった意見に対して,これは現在の入管法では恣意的拘禁に該当すると大臣はお考えなのかどうか,国際人権基準に違反するということが今回の意見書として出されているわけですが,それについて大臣はどうお考えなのか,もしそのことの判断がおありでしたら,その理由についてもお聞かせください。

【大臣】
 恣意的拘禁作業部会における意見書につきまして,担当者から報告を受けながら,これに対して,こちらからまた回答していくと,こういう流れになろうかと思います。
 内容につきましては,しっかりと精査をさせていただきながら,対応してまいりたいと思っております。
 現在のところ,今おっしゃったようなことについて,予見を持って申し上げるということは差し控えたいと思いますし,むしろしっかりと検討した上で対応してまいりたいと思っております。

【記者】
 今のお答えですが,今回入管法の改正にも深く関係してくる内容なのですが,そのためにはきちんと国際人権法違反かどうかといったような精査をした上でないと,入管法の改正も進められないと思うのですが,その辺の基本的な入管法との関係についてどのように考えていらっしゃるか,お願いいたします。

【大臣】
 今回の意見書の内容につきまして,十分に精査した上で対応をしてまいりたいと思っておりますので,今,御指摘になりました入管法との関係とか,改正の部分についてどうかということについて,この段階で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。意見書の内容につきまして,しっかり精査しながら,また回答していきたいと思っております。
(以上)