検索

検索

×閉じる

法務大臣閣議後記者会見の概要

令和3年5月25日(火)

 今朝の閣議においては,法務省案件として,「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況に関する報告」及び「令和2年団体規制状況の年次報告」が閣議決定されました。
 また,主意書に対する答弁書が1件ありました。
 続いて,私から1件報告がございます。
 本日閣議決定されました「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況に関する報告」においては,いわゆるオウム真理教に対する7回目となる観察処分の期間更新が決定されたことを始め,観察処分の実施状況,当該団体の組織・活動状況等について報告いたしました。
 公安調査庁において,引き続き,観察処分を適正かつ厳格に実施し,当該団体の実態を明らかにするとともに,地域住民を始め,国民の皆様方の不安感の解消・緩和に努めていくものと承知しております。

少年法改正に関する質疑について

【記者】
 今月21日の参議院本会議で改正少年法が成立しました。
 来年4月に施行ということですが,それまでに法務省としてどのように取り組んでいく予定でしょうか。

【大臣】
 5月21日でありますが,少年法等の一部を改正する法律が成立いたしました。この法律は,18歳及び19歳の者が,選挙権等を認められ,民法上も成年として位置付けられるに至った一方,成長途上にあり,可塑性を有する存在であることを踏まえ,少年法の適用においても,その立場に応じた取扱いをしようとするものであります。
 今後,法務省といたしましては,改正法の趣旨・内容について,若年者の方々にも理解しやすいものとすることに十分留意しつつ,周知を図るとともに,関係機関と連携しつつ,適切な運用がなされるよう,万全の準備を進めてまいりたいと考えています。
 また,法制審議会から答申をいただいた犯罪者の処遇を一層充実させるための施策につきましても,可能なものから,速やかに実施してまいりたいと考えています。

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について

【記者】
 先週土曜日,TBSの報道特集において,スリランカ人女性の御遺体と対面された遺族の映像とともに,御遺体の手の部分が放映されました。かつての面影は消え,栄養不足が原因のせいか手は黒く,70,80代のおばあさんの手みたいになっており,御遺族の方々は,なぜ入管職員はこんな状況にしたのか,人の心はあるのかと泣いておりました。
 大臣は一個人として御葬儀には来られておりませんが,この報道特集で流れたスリランカ人女性の御遺体の映像を見たのでしょうか。見ていないのであれば,大臣として御自身の目でしっかりこの御遺体の映像を見るべきではないかと思うのですが,こちらの映像を見る覚悟とお気持ちはあるのでしょうか。

【大臣】
 私は今回の死亡事案を大変重く受け止めてまいりました。出入国在留管理庁に対しましては,正確な事実関係につきまして速やかに調査をすること,また公正・客観的な調査を行うため,第三者に加わっていただくことを指示したところでございます。
 中間報告につきまして,なるべく早い時期にということで,それまでの調査によって把握に至った診療経過などの事実関係を速やかにお示しする趣旨で公表いたしました。
 中間報告に対しましては,国会での質疑を含め,この記者会見でも様々な御指摘をいただいてきました。
 出入国在留管理庁に対しては,そうした御指摘を真摯に受け止め,調査に加わっている第三者の方々とともに,飽くまで公平・客観的な観点に徹して調査を進め,可能な限り速やかに必要な改善策を含む最終調査報告を取りまとめるよう指示しているところでございます。
 最終報告に向けた調査におきまして,様々な角度から,更に調査を進めているところでございます。そういったことを速やかに実施して,最終報告を発表できるようにと指示しているところでございます。
 いろいろな報道状況があることは承知しておりますが,その一つ一つにつきまして,私自身がコメントをすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

【記者】
 現在,最終報告に向けてコメントできないということですが,コメントは必要ないのですが,実際御遺体を映し出された映像を見たか否か,見ていなければ見るつもりがあるか否か,一個人としての立場でもいいのでお答えいただけますか。

【大臣】
 私自身この記者会見,法務大臣としてさせていただいているところでございます。この間の様々な報道につきましては,いろいろお出しされていると承知しておりますが,その一つ一つに対しまして,私自身がコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】
 映像を見たかどうかを言及できないということなのですが,遺族側は強く,最終報告が出る前に,大臣に,御遺体の状況,収容中の動画,事実をしっかり見ていただきたいと切望されています。そのことを胸に入れていただきたいと思います。
 動画の関係ですけれども,14日金曜日の国対協議の場では,最終報告書が出たとき,報告書に記載している部分の映像については公開するという入管庁側の話が出ておりましたが,その後の取材によりますと,この協議が決裂したので,それはないものになったというお答えを幹部からいただきました。
 これまで大臣が繰り返し言っている保安上の観点という話は,飽くまでも入管庁の都合ではないのでしょうか。何度も聞きますが,ここに法的な根拠はないという理解でよろしいですか。

【大臣】
 政党間修正協議の経過に係る情報,それがどういう状況なのか,私は存じ上げておりません。それは飽くまで政党間の修正協議の中の話と伺っております。
 そのことそのものにつきまして,法務大臣としてお答えをすること自体,差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】
 動画について,繰り返しお聞きします。
 民事の訴訟では,裁判所の文書提出命令が出る前に,入管側が施設内の動画を任意で出していると弁護士サイドから聞いております。つまり,裁判所では毎回この言い訳が通じないということは入管庁は十分に分かっており,それなのに保安上の理由を条件として国会や大臣答弁の場で,これまでの御説明を繰り返していることになり,こういった説明自体がそもそも裁判の場では破綻していると思うのですが,それでも保安上の理由で出せないということを言い続けるという理解でよろしいでしょうか。

【大臣】
 今,仮定のお話も含めて御質問がございまして,そのことについて私からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

法務省所管施設におけるワクチンの接種に関する質疑について

【記者】
 話題は変わりますが,ワクチンについてお伺いしたいと思います。
 一般国民というか,高齢者を含めて,4月にワクチン接種が始まりまして,昨日には大規模接種センターでのワクチン接種も開始していよいよ本格化しています。法務省で所管されている,例えば刑務所ですとか少年院とかそういった施設,入管の施設もそうだと思うのですが,たくさんの人がいると思うのですが,こういった方々へのワクチン接種というのは法務省としてどのようにお考えになっているのでしょうか。お考えをお願いいたします。

【大臣】
 ワクチンの接種につきましては,政府が基本的な方針を定めて,順次医療関係者から始まりまして,そして今,高齢の方を対象に進めているところでございます。
 私どもも命を預かる施設を所管させていただいているところでありますし,また御高齢の方もいらっしゃるということでありますが,そうした方向性の中で,関係省庁としっかりと連携して取り組んでまいりたいと思っております。

【記者】
 追加でお伺いしたいのですけれども,現状政府の方は,医療従事者から始まって高齢者,基礎疾患そして一般の方という順番になっていますが,そういう優先順位とはまた別枠で,法務省所管の施設では考えていらっしゃるということでよろしいでしょうか。

【大臣】
 今,私が申し上げたのはそういう趣旨では全くございません。
 一般の国民と同じルールにのっとって,動いていくということであります。これまでもそういう方向で,感染の状況に応じて,対応策も十分に講じてきたところでございます。今感染が大変拡大している,しかも変異株が非常に勢いを増しているということがあります。そういうことをよく注意深く精査しながら,施設の中に入る段階での水際での対策,更には一人一人の職員が,感染の拡大地域,あるいは変異株等のリスクも大変高いということで,格段の注意深さを持って行動するようにと,こうしたことも含めまして,一層の緊張感を持って取り組んでいきたいと思っております。
 ワクチンについては,政府の方針どおりの方向で進めていくという考えであります。
(以上)