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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和3年11月12日(金)

 今朝の閣議において,法務省案件はありませんでした。
 続いて,私から1件報告があります。
 本日から11月18日(木曜日)までの7日間,「全国一斉『女性の人権ホットライン』強化週間」を実施します。
 この取組は,毎年,政府全体で行っている「女性に対する暴力をなくす運動」の一環として実施しています。強化期間中は電話相談の受付時間を延長したり,休日にも相談に応じるなど,対応を強化します。
 これまで1年余り続いてきた新型コロナウイルス感染症の影響もあり,人付き合いも減り,誰にも相談できずに一人で悩みを抱えている女性も多くいるはずです。女性の人権ホットラインでは,そうした女性の悩みを丁寧にくみ取ってまいります。
 報道機関の皆様方には,強化週間の周知広報への御協力をお願いします。

女性の人権に関する質疑について

【記者】
 女性の人権に関連してお伺いしますが,コロナ禍では,去年1年間に自殺した人が2万1,081人と,前の年に比べ912人増え,前年から増加に転じるのは,リーマンショックの2009年以来となりました。特に,男性の自殺者が11年連続で減少しているのに対して,女性の自殺者は2年ぶりに増加しましたが,こうした現状に対する大臣の受け止めと,法務省として,女性の人権を今後どのように守っていくお考えか,お願いいたします。

【大臣】
 女性の自殺者が大きく増加していることは,多くの女性が生きづらさを抱え,生きる希望を持てずにいたことを示しており,大変痛ましいことだと思っています。
 法務省では,女性の人権に関する各種人権啓発活動を実施するとともに,先ほど御紹介した「女性の人権ホットライン」を始めとする人権相談に取り組んでいます。
 誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し,生きづらさを解消する力となれるよう,しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
 様々な悩みを抱える女性には,是非,ひとりでも多く人権相談にアクセスしていただきたいと思っています。

性犯罪歴等をデータベースで照会できる制度の創設に関する質疑について

【記者】
 性犯罪歴等に関して,性犯罪歴などがある人が子どもと関わる職業に就くことがないように,性犯罪歴などがないことをデータベースで照会できる制度の創設を求める提言を,今年4月に自民党が菅前総理に提出しましたが,法務省としては,この制度創設についてどのようにお考えでしょうか。併せて,この制度の創設に向けた法務省としての連携の在り方についてもお伺いします。

【大臣】
 信頼できる大人たちの下で,性犯罪や性暴力の被害におびえることなく,子どもたちがのびのびと成長できる社会を実現しなければなりません。これは,我々,大人の責務であると考えています。
 子どもをめぐる諸課題への対応については,子どもも人権・権利の主体であることを改めてしっかりと認識し,チルドレン・ファーストの視点に立って考えていかなければならないと考えています。
 その上で,御指摘のような制度は,個々人の犯歴情報を用いるものであると承知しており,犯罪者の社会復帰を阻害しないためにも,そのような情報には,慎重な取扱いが求められると考えています。
 制度の創設に当たっては,犯歴情報が適切に管理されることが不可欠です。
 制度の在り方に関しては,法務省としても,チルドレン・ファーストの視点に立ち,子どもたちと関わる職業を所管する省庁等と情報共有しながら,犯歴情報の提供等の課題について,検討を進めているところです。

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について

【記者】
 先日,名古屋入管で死亡したスリランカ人女性の妹さんたちが,名古屋地検に刑事告訴しましたが,その際に,古川大臣との面談を求めていることや,岸田首相に手紙を送って,この事件の真相究明やビデオの開示などを今後求めていくということで発言されていました。
 大臣は,御遺族にお会いするつもりがあるのかどうか,改めて確認させてください。お願いします。

【大臣】
 御遺族との面談については,改めて対応を検討していきたいと考えています。

【記者】
 昨日,亡くなったスリランカ人女性の関係で,NPO法人「全国女性シェルターネット」など5つの市民団体が,入管庁が出した最終報告書には,DVの専門家による検証がないということで,「報告書をDVの専門家によって再検証してほしい。」という指摘をなさっています。
 8月に,入管庁の部長さんが,「検討します。」ということを私の質問に対してお答えいただいたのですが,それ以降,DVの専門家による最終報告書の見直しという話が出ていません。これをどう考えているのか。
 スリランカ人女性は,当初,男から堕胎を強要されたり,様々な暴行を受けたということを話していたにもかかわらず,入管庁では,DV被害者だという認定さえされていなかったことが,報告書からも分かっています。やはり,DVの専門家の検証がなかったので,DVの専門家による報告書の再検討が必要だと思うのですが,この点,大臣がどうお考えかお聞かせください。

【大臣】
 亡くなられた方がDV被害者として保護されるべきではなかったかということについては,調査報告書においても,確たる判断を示すことは困難であるとされています。
 出入国在留管理庁においては,全国の官署に対して,措置要領の趣旨及び内容等を改めて周知徹底して,このような対応が二度と起こらないように対処しているところです。
 調査報告書は,外部有識者にビデオ映像も全て御覧いただいた上で,公平・客観的な立場から,様々な御意見・御指摘をいただきながら,調査・検討が尽くされたものと考えています。
(以上)