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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年1月25日(火)

 今朝の閣議において,法務省案件はありませんでした。
 続いて,私から2件報告があります。
 1件目は,「出入国在留管理庁職員の使命と心得」についてです。
 本日,「出入国在留管理庁職員の使命と心得」を公表します。
 この「使命と心得」は,名古屋入管における被収容者死亡事案に係る調査報告書で指摘された改善策の一つとして,入管庁の全ての職員の意識改革のために策定されたものです。
 入管庁においては,職員自らの力でこれを策定するべく,調査報告書の公表以降,複数回にわたって全ての職員から意見を聴き,本庁職員と現場職員との間で意見交換を行って対話を積み重ねてきました。
 さらに,入管行政に造詣の深い外部有識者の御意見も賜り,最終的には,全国局長等会同において策定に至ったと報告を受けています。
 入管行政に携わる全ての職員が,この「使命と心得」を胸に刻みながら職務に当たることで,国民から負託された使命を見失うことなく,入管行政を適正に行い,国民の信頼と期待に応えられるものと考えています。
 2件目は,技能実習生への暴行等の人権侵害疑いのある事案への対応についてです。
 今般,岡山市内の企業で働くベトナム人技能実習生が,職場において約2年間にわたり暴行・暴言を受けていたとの報道がなされました。
 実習実施者による技能実習生に対する暴行等の人権侵害行為は,決してあってはならず,私から入管庁に対して速やかに対応するよう指示しました。
 まずは,外国人技能実習機構において,暴行等を受けたとされる技能実習生及び同僚の技能実習生について,関係機関と協力し,実習先変更などの支援を行い,他方,実習実施者及び監理団体に対し,速やかな改善を講じるよう勧告したとの報告を受けています。
 また,この事案の発覚を契機として,入管庁,厚生労働省及び外国人技能実習機構からは,全国の全ての実習実施者及び監理団体に対して,技能実習生への人権侵害行為等が生じていないか,技能実習生への相談支援を適切に実施しているかについて改めて確認するよう注意喚起を行いました。
 併せて,入管庁及び厚生労働省から外国人技能実習機構に対しては,技能実習生に対する人権侵害の疑いがある事案等緊急の対応を要する案件を認知した場合に,技能実習生の保護を最優先とすること,直ちに調査に着手することや主務省庁との間の情報連携を徹底することなどについて,改めて指示を行いました。
 今後とも,厚生労働省及び外国人技能実習機構と密に連携しながら,技能実習制度の適正な実施に向けて緊張感を持って取り組んでまいります。

「出入国在留管理庁職員の使命と心得」に関する質疑について

【記者】
 出入国在留管理庁の名古屋事案の改善策の取組状況について御発言がありました。「使命と心得」の策定について発言されています。
 大臣として,こうした点についてどのような意義があると考えるか,また,昨年の衆議院解散に伴い廃案となった入管法の改正案の提出を目指す考えに変わりはないか等の今国会での提出方針についてお伺いします。

【大臣】
 「使命と心得」は,入管庁の全ての職員が,名古屋事案を自らの問題として捉え,改革を主体的に実行していくため,自らの力でこれを策定したものです。
 全職員からの意見集約や意見交換の過程で,自ら考え,議論するというプロセスを経たこと自体が,職員の意識改革につながっていくものと考えています。
 入管庁においては,職員に対する研修など様々な方策を講じて「使命と心得」を全職員に浸透させ,調査報告書で示された改善策を着実に実施し,入管行政の一層の適正化を図ることとしており,法務大臣としても,入管庁の取組を徹底させていく所存です。
 送還忌避・長期収容の問題は,早期に解決すべき喫緊の課題であるという強い思いを持っており,必要な法整備はしっかりと進めていきたいと考えています。

令和4年度予算案関連資料に関する質疑について

【記者】
 令和4年度予算案の総務省の支出明細書に誤りがあった問題をめぐり,法務省でもミスが見つかったという一部報道があります。
 この点についての事実関係をお願いします。

【大臣】
 法務省の関係資料について,改めて確認作業を行ったところ,1か所の誤記が判明しました。
 詳細については,まずは,国会に報告することとしており,具体的な誤記の内容等については,改めて事務方から御説明させていただきたいと思います。

【記者】
 法務省の資料の中にも誤記があったことについて,国会で報告するということでしたけれども,法務省の資料の中に誤記があったことに対する大臣の受け止めとしてはどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 国会に提出する予算案審議の資料に間違いがあるということは,あってはならないことです。
 その原因を自らしっかりと確認するとともに,今後,二度とこういうことがないように徹底したいと思います。
 大変申し訳なく,恥ずかしいことだと思っています。

ベトナム人技能実習生に対する暴行事案に関する質疑について

【記者】
 先ほど御発言のあった岡山の実習生の事案について,通常,個別の事案については発表されていませんが,今回あえて発表した理由を教えてください。

【大臣】
 個々の事案についてコメントは通常行いませんが,今回の場合については,深刻な内容,その度合いから看過できないため,対応の方針についてお話をさせていただきました。
(以上)