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特集1 満期釈放者対策を始めとした“息の長い”支援の充実に向けて

特集1 満期釈放者対策を始めとした“息の長い”支援の充実に向けて

 刑事施設で刑期を終えて出所する満期釈放者が、出所後2年以内に再び刑事施設に入所する率(2年以内再入率)は2019年(令和元年)出所受刑者において23.3%となっており、刑期終了前に社会に戻る仮釈放者の10.2%と比較して2倍以上高くなっていることから、刑務所出所者等の再犯防止施策の中でも、満期釈放者対策は取り分け重要な課題の一つとなっている。

 満期釈放者は、社会内で保護観察を受ける仮釈放者と比べて、本人の特性などの内的要因と出所後の生活環境などの外的要因の双方において、より多くの課題を抱えている上、仮釈放に伴う保護観察を受けることがないため、再犯防止に必要となる国からの指導や支援を受ける機会が乏しい。そのため、満期釈放者は、刑事施設出所後、本人が抱える課題を解決できないまま社会から孤立化し、再び犯罪に至るという悪循環に陥りやすいと考えられる。

 そうした実情を踏まえ、政府は、2019年12月、犯罪対策閣僚会議において「再犯防止推進計画加速化プラン~満期釈放者対策を始めとした“息の長い”支援の充実に向けて~」(以下、本特集において「加速化プラン」という。)を決定し、国、地方公共団体及び民間協力者の連携強化の推進を図り、刑事司法手続終了後も含めた“息の長い”支援の実現を目指している。

 本特集では、「満期釈放者対策を始めとした“息の長い”支援の充実に向けて」と題し、第1節において、満期釈放者の再犯状況や満期釈放となる背景等の満期釈放者に関する現状をデータを用いて示した上で、第2節及び第3節において、加速化プランで決定した取組を始めとした、国、地方公共団体及び民間協力者等が実施する満期釈放者対策に係る取組を紹介する。