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「更生保護」とは


生きるマーク
 犯してしまった罪をつぐない,社会の一員として立ち直ろうとするには,本人の強い意志や行政機関の働き掛けのみならず,地域社会の理解と協力が不可欠です。
 我が国では,保護司,更生保護施設を始めとする更生保護ボランティアと呼ばれる人たちの他,更生保護への理解と協力の下,関係機関・団体との幅広い連携によって更生保護は推進されています。
 更生保護の内容には,主なものとして次のようなものがあります。

保護観察
応急の救護等及び更生緊急保護
仮釈放・少年院からの仮退院等
生活環境の調整
恩赦
犯罪予防活動


※YouTube 法務省chで「更生保護紹介動画」を御覧いただけます。
 上記で案内しているウェブサイトは法務省の監修の下,グーグル株式会社が運営する動画配信サイトです。
 リンク先URLは平成24年2月現在のものであり,廃止や変更されることがありますので,御了承願います。
※「生きるマーク」とは
 更生保護制度施行50周年(1999年)を記念として,甲骨文・金文の「生」をモチーフに,樹木の芽が伸びていくように,今,そして未来を生きていく様を表現した「生きるマーク」が作成されました。その後,更生保護制度施行60周年(2009年)を機に,更生保護のシンボルマークとなりました。
 

保護観察

〇保護観察の目的・種類
 保護観察は,犯罪をした人又は非行のある少年が,実社会の中でその健全な一員として更生するように,国の責任において指導監督及び補導援護を行うもので,保護観察処分少年,少年院仮退院者,仮釈放者,保護観察付執行猶予者及び婦人補導院仮退院者の計5種の人がその対象となります。

図:保護観察対象者及び保護観察の期間
〇刑事司法手続の流れ
 下の図を御参照ください。

図:刑事司法手続の流れ
〇保護観察の流れ・方法
 保護観察は,保護観察官及び保護司が協働して,指導監督及び補導援護を行います。

  • 図:保護観察の流れ・方法

応急の救護等及び更生緊急保護

 保護観察に付されている人や刑事上の手続等による身体の拘束を解かれた人で援助や保護が必要な場合には,下の図のような措置を受けることができます。 

図:応急の救護等及び更生緊急保護

仮釈放・少年院からの仮退院等

 矯正施設に収容されている人を収容期間満了前に仮に釈放して更生の機会を与え,円滑な社会復帰を図ることを目的とした制度として,刑事施設等からの仮釈放,少年院からの仮退院等があります。なお,仮釈放などの期間中は保護観察に付されます。

図:仮釈放・少年院からの仮退院等の流れ

生活環境の調整

 生活環境の調整は,刑事施設や少年院などの矯正施設に収容されている人の釈放後の住居や就業先などの帰住環境を調査し,改善更生と社会復帰にふさわしい生活環境を整えることによって,仮釈放等の審理の資料等にするとともに円滑な社会復帰を目指すものです。 

  • 図:生活環境の調整の流れ

恩赦とは

〇恩赦の種類について
恩赦は,行政権によって,国家刑罰権を消滅させ,裁判の内容を変更させ,又は裁判の効力を変更若しくは消滅させる行為です。
恩赦法において,政令をもって行う恩赦(政令恩赦)と個別に行う恩赦(個別恩赦)の2種類が定められています。

(1) 政令恩赦
 政令で恩赦の対象となる罪や刑の種類,基準日等を定めて,その要件に該当する人について一律に行われるもので,皇室または国家の慶弔ないし重要行事に際して行われてきました。
 大赦,減刑,復権の3種類があり,実施される恩赦の種類ごとに大赦令,減刑令又は復権令が公布されます。
 
(2) 個別恩赦
 有罪の裁判が確定した特定の人に対して,個別に恩赦を相当とするか否かを審査し,相当と判断された人について行われる恩赦です。
 特赦,減刑,刑の執行の免除,復権の4種類がありますが,常時いつでも行われるもの(常時恩赦)と,内閣が一定の基準を設け,一定の期間を限って行われるもの(特別基準恩赦)があります。
 
〇恩赦の効力について
大赦:有罪判決前の場合,起訴や有罪判決ができなくなり,有罪判決後の場合,刑の言渡しの効力が失われます。
特赦:刑の言渡しの効力が失われます。
減刑:刑種が軽くなったり,刑期が短くなったりします。
刑の執行の免除:刑罰を受ける必要がなくなります。
復権:現行法令上,有罪の言渡しが確定した人に対し,その付随的な効果として,特定の資格の喪失または停止等の資格制限を規定するものが多くありますが,復権は,刑の執行が終わった人等に対し,刑事裁判において有罪の言渡しを受けたため喪失し又は停止されている資格を回復させるという効力があります。
※例えば,罰金刑に処せられた場合,医師法や保健師助産師看護師法には,医師や保健師,助産師,看護師の免許を与えないことがあると規定されていますし,種々の犯罪行為により禁錮以上の刑に処せられた場合,宅地建物取引業法上,その刑の執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない人は,宅地建物取引士としての登録ができない旨が規定されています。このような資格制限の状態にある人に対して復権の恩赦が行われた場合は,資格制限がなくなります。

参考:常時恩赦における決定人員はこちら  (各年(度)年報-保護統計-Ⅲ恩赦)

 
〇個別恩赦の手続と問合せ先
 恩赦は内閣の権限として,内閣がこれを決定し,天皇が認証するという仕組みで行われます。その手続は,恩赦を希望する人からの出願を受けた上申権者(刑事施設の長,検察官,保護観察所の長)が法務省に置かれている中央更生保護審査会(委員長と委員4人で組織する合議制の機関)に恩赦の上申を行い,同審査会の審査の結果,恩赦相当として法務大臣に恩赦の申出がなされた人について内閣が恩赦を決定し,天皇がこれを認証することとされています。
 恩赦出願の方法等について詳しくお知りになりたい方は,以下に従ってお問合せください。 
 
(1)刑事施設に収容中の場合 収容されている刑事施設
(2)罰金刑,刑の執行猶予中,刑事施設を満期釈放となった場合等((3)以外) 有罪の言渡しをした裁判所に対応する検察庁
(3)保護観察中又は過去に保護観察を受けた場合 保護観察を実施した保護観察所


 

犯罪予防活動

 犯罪予防活動とは,犯罪や非行の予防のために,国民の理解促進や犯罪の原因となる社会環境の改善等に努める活動のことをいいます。
 更生保護における犯罪予防活動の特色は,犯罪の発生を未然に防ぐため,地域社会に対しての社会的連帯感や社会的規範に対する共感を強めるように働き掛け,安全で安心な地域社会の構築を目指す点にあります。また,犯罪をした人や非行のある少年の立ち直りについての地域社会の人々の理解や関心を深め,彼らを地域の一員として受け入れ,またその立ち直りを見守り援助することにより,彼らが再び犯罪や非行に陥らないような環境作りを目指しています。
 更生保護における犯罪予防活動は,それぞれの地域において,保護司を始めとする更生保護ボランティアを中心に,地方自治体や地域の関係機関等と連携して進められています。具体的には,講演会,シンポジウム,非行防止教室,非行相談,街頭補導活動などを通じ,地域住民に対し,犯罪や非行のない社会づくりを呼び掛けるとともに,犯罪をした人や非行のある少年の立ち直りに協力してもらえるよう働き掛けています。
 法務省が主唱する“社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~もこうした犯罪予防活動の一つです。

図:更生保護における犯罪予防活動