「アジア株主代表訴訟シンポジウム 〜アジアにおける株主代表訴訟制度の実情と株主保護〜」開催のお知らせ

平成21年1月
法務省法務総合研究所


 現在,日本企業が21世紀に向けて引き続き国際競争力を維持・強化していくために,グローバル・スタンダードに対応したコーポレート・ガバナンスの実現が求められています。このコーポレート・ガバナンスの重要な一翼を占める「株主代表訴訟」については,経営陣の独善に対するブレーキ役を果たしているという評価がある一方,権利濫用的な株主代表訴訟が企業経営を萎縮させており,その提訴を制限すべきという評価もあり,株主代表訴訟の在り方をめぐる議論がコーポレート・ガバナンスに関する関心を高める役割を果たしているということができます。
 コーポレート・ガバナンスの在り方については,1990年代に,OECDが,先進国のみならず途上国を含めたコーポレート・ガバナンスの在り方を議論し始めたこと等により,アジア地域においても議論されるようになっていますが,これまでのところ,アジア地域における株主代表訴訟制度やその実態についての比較研究というものはあまり行われていませんでした。
 しかし,日本企業の主な進出先と考えられるアジア地域についての株主代表訴訟の内容を把握することについては,例えば,株主の立場としてどのような権利が与えられているかという観点からも,経営者の立場としてどのようなリスクを有することになるかという観点からも,その必要性は高いものと考えられます。
 このような状況を踏まえ,中国,韓国,シンガポール及び台湾を研究対象地域として選択した上で,各研究対象地域における株主代表訴訟制度の研究を進めてきたことから,これまでの研究活動を踏まえ,アジア地域における株主代表訴訟制度の実情と展望等について,さらに幅広い観点から議論するために,これらの研究対象地域の専門家を招へいした上で,本シンポジウムを開催することといたしました。
 是非,多数の方々の御参加をいただきたく,御案内申し上げます。


【シンポジウム案内】

日 時:平成21年3月9日(月) 午前10時〜午後5時
会 場:法務省 法務総合研究所国際協力部 国際会議室
  (大阪市福島区福島1−1−60 大阪中之島合同庁舎2階)
 案内図: /housouken/houso_map.html

主 催: 法務省法務総合研究所・財団法人国際民商事法センター
独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)

参加費用:無料
使用言語:日本語,英語,韓国語及び中国語の同時通訳付きで実施します。
参加申込:参加を希望される方は,お手数ですが,別添参加申込書に必要事項を御記入の上,平成21年2月13日(金)までに,E-mail又はFAXにて下記申込先まで御申込みください。
 なお,会場スペースの関係で,満席(約100席)になり次第,申込の受付を締め切らせていただきます。あらかじめ御了承ください。

〔申込先〕

法務省法務総合研究所国際協力部

〒553-0003 大阪市福島区福島1−1−60
TEL:06−4796−2153,2154(代)
FAX:06−4796−2157
E-mail:icdmoj@moj.go.jp
担当:稲元,土屋,馬野

【プログラム(予定)】

10:00〜10:15 主催者あいさつ

小貫芳信 法務省法務総合研究所長

原田明夫 財団法人国際民商事法センター理事長

土屋敬三 独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)大阪本部長

10:15〜10:30 第1部 アジア株主代表訴訟研究の意義

近藤光男 神戸大学大学院法学研究科教授

10:30〜12:10 第2部 個別パネルディスカッション(その1)

「中国における株主代表訴訟制度の実情と展望について」(仮)

シュアン  ウェイ ファ    国浩律師集団事務所律師(弁護士)

パネルディスカッション

(進行)川口恭弘  同志社大学大学院司法研究科教授

(パネリスト)宣 偉華  国浩律師集団事務所律師(弁護士)

近藤光男  神戸大学大学院法学研究科教授

伊勢田道仁 関西学院大学法学部教授,弁護士


「韓国における株主代表訴訟制度の実情と展望について」(仮)

クォン  ジョン    建国大学校法科大学教授

パネルディスカッション

(進行)伊勢田道仁 関西学院大学法学部教授,弁護士

(パネリスト)権 鐘浩  建国大学校法科大学教授

川口恭弘  同志社大学大学院司法研究科教授

森川 茂  住友商事株式会社関西ブロック総括部法務チーム長

12:10〜13:10 昼食

13:10〜14:50 個別パネルディスカッション(その2)

「シンガポールにおける株主代表訴訟制度の実情と展望について」(仮)

Ewing−Chow ユ ー イ ン - チ ャ ウ   Michael マ イ ケ ル    シンガポール国立大学法学部准教授

パネルディスカッション

(進行)森川 茂  住友商事株式会社関西ブロック総括部法務チーム長

(パネリスト)Ewing-Chow Michael シンガポール国立大学法学部准教授

中東正文  名古屋大学大学院法学研究教授

池田裕彦  弁護士法人大江橋法律事務所弁護士


「台湾における株主代表訴訟制度の実情と展望について」(仮)

リャウ  大穎 ターイン     中興大学財経法律学系教授

パネルディスカッション

(進行)中東正文  名古屋大学大学院法学研究科教授

(パネリスト)廖 大穎  中興大学財経法律学系教授  

伊勢田道仁 関西学院大学法学部教授,弁護士

川口恭弘  同志社大学大学院司法研究科教授

14:50〜15:15 休憩

15:15〜15:45 第3部 会場との質疑応答

〔進行〕 池田 裕彦  弁護士法人大江橋法律事務所弁護士

15:45〜17:00 第4部 総括

Ⅰ 全体パネルディスカッション

「株主代表訴訟制度の展望〜株主保護はいかにあるべきか〜」

〔進行〕 池田 裕彦  弁護士法人大江橋法律事務所弁護士

Ⅱ 総括

近藤光男  神戸大学大学院法学研究科教授

17:00 閉会
 

* 本シンポジウムに参加される先生方には,昨年2月に開催いたしました「アジア株主代表訴訟セミナー〜変革期を迎えた株主代表訴訟の沿革と実情〜」においても御講演をいただいております。このセミナーについては,ICDNews36号に掲載しておりますので,そちらを御覧ください。

 
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