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検事総長からのメッセージ


検事総長 甲斐 行夫(かい ゆきお)

主な経歴

昭和34年   大分県生まれ
昭和59年4月 検事任官

札幌地方検察庁をはじめ複数の検察庁、法務省(刑事局国際課長、刑事課長、総務課長、大臣官房審議官等)、最高検察庁で勤務後、東京地方検察庁検事正、高松高等検察庁検事長、福岡高等検察庁検事長、東京高等検察庁検事長を経て

令和4年6月24日就任

~検事を志す皆さんへ~


 殺人や窃盗などの犯罪が発生すると、まずは警察が捜査を行い、検察庁に被疑者を送致します。検事は、ペアを組んでいる検察事務官とともに、事件記録を読み込み、警察と協力しながら、防犯カメラやスマートフォンのデータなどの客観証拠を解析したり、医師や工学技術者など専門家に鑑定をお願いしたり、被疑者や関係者を取り調べるなどして捜査を進め、事案の真相を解明した上、起訴・不起訴を決めていきます。また、汚職事件や経済犯罪については、検察だけで独自捜査を行う場合もあります。事件を起訴した場合、検事は裁判所での公判に立ち会い、証人尋問を行うなどして立証を行い、適正・妥当な判決を得られるよう努力します。
 捜査や公判の過程では、被害者に寄り添って支援したり、福祉機関と連携して罪を犯した人が再び犯罪を起こさず社会復帰できるよう取組を行っています。
 安全な社会があってこそ、国民が安心して、仕事をし、学校に行き、日常生活を送ることができます。検察は、安全・安心で公正な社会の実現のために、力を尽くしています。

 最初からすべての仕事をこなせる人はいません。検察は、人材育成に力を入れています。新任検事全員に研修を実施した上、配属検察庁では、上司の丁寧な指導の下に、実際の事件の捜査公判を行っていきます。多くの検察庁では、複数の検察官、検察事務官が大部屋で仕事をし、分からないことがあればすぐに先輩検事に聞ける環境にあります。また、その後も経験年数に応じた様々な研修が用意されています。アメリカやイギリスのロースクールに留学する道もあります。
 令和4年4月に任官した検事の4割弱が、女性でした。検察は、多様性を重視しています。事件の処分方針や公判の立証方針をめぐっては、主任検事と上司が真剣に議論します。上司が一方的に指示し、若い検事が黙ってこれに従う組織ではありません。風通しの良い、生き生きとした職場を目指しています。

 検事の仕事は、個別事件の捜査や公判だけではありません。パソコンやスマートフォンのデータ解析や児童虐待事件を専門的に取り扱うチームもあります。法務省で法律の立案をしたり、国の訴訟代理人として民事事件を担当したり、外務省に出向して各国大使館に勤務したり、東南アジア諸国の法整備支援をすることもあります。検事は、政府の法律家として、様々な職域で活躍しています。

 検察は、国民のために、がんばっています。
 検察は、皆さんの力を待っています。

 
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