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パッタニ・マレー民族革命戦線(BRN)
Barisan Revolusi Nasional Melayu Pattani, Barisan Revolusi Nasional, Patani-Malay National Revolutionary Front

主な活動地域

タイ(深南部)

組織の概要

「パッタニ・マレー民族革命戦線」(BRN)は,1960年,アブドゥル・カリム・ハッサンらタイ深南部のイスラム学校指導者らが設立し,タイ深南部における独立国家「パッタニ共和国」の樹立を目指す武装組織である。

当初は,草の根レベルの政治活動を通じた大衆動員も重視していたが,同時に,タイ国内で150~300人規模の軍事部門を設立し,ヤラ県やソンクラー県西部で武力攻撃を展開した。

1984年以降,BRNは,イデオロギー上の相違や活動方針をめぐって,ハッサン率いる「BRNウラマー派」,「BRN会議派」及び「BRNコーディネート派」(BRN-C)の3派に分裂したとされる。

「BRNウラマー派」は,純粋なイスラム主義と非暴力主義を標ぼうし,宗教活動に傾注した。これに対し,「BRN会議派」は,武装闘争路線を継続したが,同軍事部門は,犯罪集団化していったとされる。

一方,1984年に設立されたBRN-Cは,イスラム学校で獲得した支持者を基盤とし,勢力を拡大したとされ,2001年12月以降に続発した深南部における治安部隊や地元住民に対する襲撃や武器強奪,飲食店における爆弾テロには,BRN-Cが関与してきたとみられている。

2013年2月,BRNはタイ政府との和平交渉を開始し,2015年8月には,分離主義武装組織の連合体「マラ・パッタニ」にBRNも参加したが,同年10月,BRNは,和平交渉への国際社会の関与がないことに対する不満等を表明し,和平交渉から距離を置く姿勢を示した。しかし,2019年11月,BRNはドイツ首都ベルリンで,国際団体の仲介によるタイ政府との非公式協議を経た後,2020年1月にはマレーシア首都クアラルンプールで,和平交渉離脱(2015年)以来初となるタイ政府との公式な二者協議を行ったほか,同年3月にも続けて和平交渉が開催された。また,2021年2月には新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつもオンラインで協議を開催し,今後の継続開催等を取り決めた。

深南部では,現在もBRNによるとみられる爆弾事件や襲撃事件が発生しており,村落を基盤とするBRNの戦闘員ユニットである「ルンダ・クンプラン・クチル」(RKK。6人程度で構成)の関与が指摘されている。

BRN-Cの指導部である「党指導評議会」(DPP)議長であったサペーイン・バソーの死去(2017年1月)を受け,反逆罪で指名手配中の軍事指導者アブドゥッロー・ワエマノル(ウェマノー)が同議長に就任したとされる。

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