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東インドネシアのムジャヒディン(MIT)
Mujahidin Indonesian Timur

国連制裁対象(2015年9月29日)

主な活動地域

インドネシア(中スラウェシ州等)

組織の概要

「東インドネシアのムジャヒディン」(MIT)は,2012年頃,アブ・ワルダことサントソらが設立し,2014年6月,「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)への忠誠を表明したイスラム過激組織である。インドネシア中部・中スラウェシ州ポソ周辺を拠点とする。2016年7月,当局の掃討作戦でサントソが死亡するなど,弱体化が進み,現在の勢力は10人程度とされる。

同組織は,「ムスリムを虐殺している」等として,国家警察対テロ部隊(デンスス88)への攻撃を掲げている(2013年10月等)ほか,大統領宮殿やジャカルタ警視庁への襲撃も呼び掛けている(2015年11月)。

MITは,シリアに渡航したインドネシア人ISIL幹部バフルムシャー(2018年4月,シリアで死亡したとされる)等から武器購入資金を得るなど,ISILとの関係がうかがわれた。

2014年9月,MITに合流しようとした中国新疆(きよう)ウイグル自治区出身とされる4人がポソで逮捕されるなど,ウイグル人等の外国人との関係も指摘された。また,2015年11月には,フィリピン南部・スルタン・クダラト州で,「アンサール・ヒラーファ・フィリピン」(AKP)指導者の配下で活動していたMITメンバーが殺害され,両組織の人的つながりがうかがわれた。

2016年以降,当局の掃討作戦によって,サントソの死亡(7月),同人の後継者とみられたムハンマド・バスリの逮捕(9月)等により,組織の弱体化が進んでいるが,残存メンバーは,現指導者アリ・カロラの下で活動を継続し,警察官や地元民への襲撃等を散発させている。2018年6月,MITは,活動地域のポソについて,「ヌサンタラ(インドネシアの意)における『イスラム国・東アジア』(ISIL東アジア,ISEA)のムジャヒディン基地」と主張した。また,2019年11月には,ISILの「東アジア」名義で発出されたプロパガンダに,MITメンバーとの指摘がある戦闘員らが登場し,ISILの新最高指導者に忠誠を誓ったとして紹介された。2020年11月にはMIT関連テロで初めてISILが「東アジア州」名の犯行声明を発出しており,MITとISILとの間に一定の関係がうかがえる。

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