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アサイブ・アフル・ハック(AAH)
Asaib Ahl al-Haq, League of the Righteous

米国FTO(2020年1月10日)

主な活動地域

イラク(南部)

組織の概要

「アサイブ・アフル・ハック」(AAH)は,2006年,シーア派民兵組織「マハディ軍」(JAM)から離脱したカイス・カザリが設立したシーア派組織である。AAH軍事部門は,イラン革命防衛隊(IRGC)から助言,訓練及び資金面での支援を受けているとされる。勢力は7,000~1万人(2018年6月時点)とされる。

2006年から2007年にかけて駐留米軍等に対するテロを繰り返し,2007年3月にカザリが南部・バスラで多国籍軍に拘束され,2008年には南部の拠点を失ったが,その後も活動を継続し,2010年1月のカザリ釈放後は,駐留米軍関係者を誘拐するなどした。2011年12月の駐留米軍撤退後は,レバノンのシーア派組織「ヒズボラ」に倣い,政治色を強めて政治組織「アル・サディカン」を設立し,マーリキー首相(当時)率いる「法治国家連合」と連携して,2014年4月の国民議会選挙に参加した(1議席獲得)。

AAH軍事部門は,2011年3月にシリアで反政府運動が発生して以降,同国にメンバーを派遣し,アサド政権側の民兵として反体制派との戦闘に参加させてきたとされる。AAH広報担当は,2014年4月,メンバーがシリアで戦闘に参加していることを認め,「シリアにおけるシーア派聖地防衛が目的である」と主張した。シリアで活動する軍事部門メンバーらは,「ハイダル・アル・カラル旅団」を組織しているとされる。

2014年1月に「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)がイラクで攻勢に出て以降,同国政府,同国のシーア派宗教指導者等の呼び掛けに応じて,治安部隊と共に,ISILとの戦闘に参加したとされる。ISILから支配地を奪還した後には,AAHは同地域に検問所を設置し,通行税を徴収するなどして資金調達を行っていたとされる。

イラク高等選挙委員会は,2017年5月,AAH名での政治活動を認め,AAHは,2018年5月の国民議会選挙で,アミリ元運輸相率いる「征服連合」と連携して15議席を獲得した。

2020年1月,米国は,AAHを外国テロ組織(FTO)に指定し,カイス・カザリ及びその兄弟ライス・カザリを特別指定国際テロリスト(SDGT)に指定した。

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