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民族解放軍(ELN)
Ej é rcito de Liberaci ó n Nacional, National Liberation Army

米国FTO(1997年10月8日)

主な活動地域

コロンビア(特にベネズエラ国境に近い北部,北東部)

組織の概要

「民族解放軍」(ELN)は,1965年に設立された革命政府樹立を唱える親キューバ,反米及びマルクス・レーニン主義の反政府武装組織である。「コロンビア革命軍」(FARC)に次ぐ規模の共産主義系武装組織であり,設立時の指導者はリカルド・ララ・パダラ及びファビオ・ヴァスケスであった。現在の指導者はニコラス・ロドリゲス・バウチスタ(通称ガビーノ)であるが,同人を含む5人(その他エリエセル・エリントン・チャモッロ・アコスタ〈通称アントニオ・ガルシア〉,イスラエル・ラミレス・ピネダ〈通称パブロ・ベルトラン〉,ラファエル・シエラ・グラナドス〈通称ラミロ・バルガス〉及びグスタヴォ・アニバル・ジラルド〈通称パブリート〉)が中央司令部を構成し,集団で意思決定を行っているとされる。コロンビア政府の国内共産主義勢力に対する掃討作戦によって弱体化し,現在の勢力は約2,000人とされる。また,政府との和平積極派と反対派との間の内部対立があるとの指摘もある。

経済基盤の破壊,国営電力会社の民営化反対等を目的として,関連施設への爆弾テロ,誘拐事案等を実行しており,1994年9月には,カサナレ県で邦人牧場主を誘拐した(同年11月解放)。2012年にFARCがサントス政権との和平交渉を開始して以降,ELNも政府に交渉を呼び掛けていたところ,両者は,2014年1月から,エクアドル政府の仲介で,和平交渉開始に向けた折衝を実施し,2016年3月,交渉開始に合意したと発表した。2017年2月に予備交渉が開始され,同年9月,一時的な休戦協定に合意し,2017年10月1日から2018年1月9日までの相互一時停戦が実現したが,ELNは,和平交渉は継続するが停戦は延長しない旨主張し,停戦期間終了直後には,石油パイプラインに対する爆弾テロを実行した。その後,2018年5月にはキューバ政府の仲介による和平交渉も開始されたが,同年9月,ELNは,ドゥケ大統領が和平交渉再開のために提示した条件(人質の全員解放,「犯罪活動」の停止)を拒否する声明を発表した。その後も,ELNは紛争の政治的解決を求める声明を発出する一方で,軍,警察,石油インフラ等を標的としたテロを継続している。なお,ドゥケ大統領は,2018年9月,「和平交渉の仲介役のベネズエラがゲリラを支援している」と非難している。2019年1月には,コロンビア首都ボゴタで,ELNによる警察署に対する自動車爆弾テロが発生したことを受けて,ドゥケ大統領は,ELNとの和平交渉を停止した。ELNは,和平交渉の再開を要請しているが,ドゥケ大統領は応じていない。2020年も,同国北東部・ノルテ・デ・サンタンデル県等でELNによるとみられる同国治安部隊への襲撃テロ等が続発した。

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