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コロンビア革命軍(FARC)
Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia -Ejércitodel Pueblo, Revolutionary Armed Forces of Colombia, Fuerza Alternativa Revolucionaria del Común, Comunes

米国FTO(1997年10月8日)

主な活動地域

コロンビア,エクアドル,パナマ,ベネズエラ

組織の概要

「コロンビア革命軍」(FARC)は,1960年代初頭,マヌエル・マルランダを指導者に,コロンビア農民の自警組織として活動を開始した共産主義系武装組織であり,現在は武装解除して合法政党に移行している。マルクス主義の下,コロンビアにおける現行秩序の転覆及び左派系反米政権の樹立を標ぼうしつつ,農民の地位向上と政治参加の実現を目指して,これまで同国政府,軍等に対して殺人,迫撃砲攻撃,誘拐,強奪等を実行し,麻薬の大量輸送にも深く関与してきたほか,邦人が被害を受ける事件も引き起こした。

最盛期の勢力は約2万人を超えたが,同国政府による国内共産主義勢力に対する掃討作戦の結果,2012年の和平交渉開始前までに約7,000人に減少した。なお,和平合意後の調査によると,構成員数は,戦闘員約5,500人及び収監中の者約1,600人であり,ほかに支援者が約2,900人存在するとされる(2017年7月時点)。

FARCは,2012年10月,キューバ政府の仲介でコロンビア政府との和平交渉を開始し,2016年9月に和平合意文書に署名した。同年10月の国民投票で,和平合意の内容が否決されたが,同年11月,修正協議を経て新たな修正案に署名し,議会がこれを承認して,和平合意が正式に発効した。2017年6月に武装解除が完了し,同年9月1日に合法政党に移行した。これに伴いFARCは,略称はそのままに,組織の名称を“普遍革命代替勢力”を意味するFuerza Alternativa Revolucionaria del Comúnに変更した。和平合意に基づき,2期にわたって同国上院及び下院にそれぞれ5議席がFARCに自動的に割り当てられることになり,2018年3月の上下両院選挙では,更に別の立候補者も擁立して議席の上積みを目指したが,当選者はなかった。また,同党党首には,2011年から最高指導者に就いているロドリーゴ・ロンドニョ・エチェベッリ(通称ティモチェンコ)が就任した。しかし,FARCという略称に同国内の一部で抵抗があることから,2021年1月,党名が,Fuerza Alternativa Revolucionaria del ComúnからComunesのみに変更された。

一方,武装解除に反対し,治安部隊への攻撃,恐喝,麻薬取引等を継続する分離派が活動している。勢力は1,800人程度とされるが,組織として統一されておらず,大小のグループが個別に活動している。FARCは,これらの分離派を自派とは既に無関係であるとしており,政府側も,何ら政治性を持たない単なる犯罪集団とみなしている。

こうした中,2018年6月,和平合意への賛否が争点の一つとなった大統領選挙が実施され,かねて元戦闘員の政治参加や減刑等和平合意の一部見直しを主張してきたイバン・ドゥケ上院議員が勝利した。一方,自らの生活や身の安全が保証されていないなどとして,分離派に合流する元戦闘員が増大しており,2019年8月には,元FARC指導者の一人であるルシアノ・マリン(別名・イバン・マルケス)が,同国政府は和平合意を遵守していないとして,武装闘争路線への復帰を表明するなど,依然として和平合意に反対する分離派が勢力を拡大している。2020年も,同国北東部・ノルテ・デ・サンタンデル県等で分離派によるとみられる同国治安部隊への襲撃テロ等が続発した。

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