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ハッカーニ・ネットワーク(HQN)
Haqqani Network

国連制裁対象(2012年11月5日)

米国FTO(2012年9月19日)

主な活動地域

アフガニスタン(南東部,首都カブール等),パキスタン(KP州北ワジリスタン地区)

組織の概要

「ハッカーニ・ネットワーク」(HQN)は,「タリバン」内の強硬派であり,「アルカイダ」とのつながりを有し,独自にテロを計画・実行しているとされる。現在の指導者は,「タリバン」政権下で辺境相を務めたジャラールッディン・ハッカーニ(HQN創設者,2018年9月死亡)の息子シラージュッディン・ハッカーニである。組織構成員は最大1万人とされ,うちアフガニスタン国内で活動する戦闘員は少なくとも2,000人とされる。

HQNは,パキスタン北西部・KP州北ワジリスタン地区ミランシャーに拠点を置き,隣接するアフガニスタン南東部や首都カブールで同国治安部隊や外国人等を標的としたテロを繰り返しているとされる。

HQNは,対ソ戦中の1983年頃に,反ソ武装勢力の一つである「ヒズベ・イスラミ・ヘクマティアル派」(HIG)の分派組織「ヒズベ・イスラミ・ハリス派」(HIK)のメンバーであったジャラールッディン(前指導者)が,アフガニスタン南東部で,パシュトゥン人のカルラニ部族連合ザドラン部族を中心に組織化していったものとされる。その後,同人は,「タリバン」がカブールを制圧した1996年に,「タリバン」最高指導者モハンメド・オマルに忠誠を誓い,同組織に加わった。

また,現指導者シラージュッディンは,オマルの死後,最高指導者となったマンスール体制下で副指導者となり,現在のハイバトゥッラー体制でも副指導者を務めるなど,「タリバン」内で強い影響力を持っているとされる。HQNは,これまで,首都カブールで発生した2008年7月のインド大使館への自爆テロ事件のほか,2011年9月及び2012年4月の外国公館等を攻撃した同時多発テロ事件(2012年の事件では,日本大使館も一部被害),2017年5月の首都カブールのドイツ大使館付近での自爆テロ事件(日本大使館員2人負傷)等,多くのテロ事件への関与が指摘されている。

2019年11月,「タリバン」が同国南部・ザーブル州で2016年に誘拐したカブール・アメリカン大学の米国人及び豪州人の教員2人を解放するのと引き換えに,アフガニスタン政府は,シラージュッディンの末弟アナスを含む拘束中の幹部3人を釈放した。2020年には,2月にシラージュッディンがニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し,9月にはシラージュッディン及び末弟のアナスがジャラールッディン死去2周年としてメッセージを公表するなど,広報活動も継続している。近年では,勢力を後退させているISILの「ホラサン州」に対し,HQNがテロ計画等を支援していると指摘されている。

なお,「ハッカーニ」という名前は,ジャラールッディンがパキスタンのKP州内のマドラサ(宗教学校)「ダルル・ウルーム・ハッカーニア」出身であることに由来するとされる。

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