日本司法支援センター評価委員会 第5回会議議事録 第1 日 時  平成18年9月27日(水)  自 午後2時00分                        至 午後4時08分 第2 場 所  東京都中野区本町1-32―2 ハーモニータワー8F         日本司法支援センター本部中野坂上分室 第3 議 題  (1)理事長あいさつ  (2)支援センターから準備状況説明  (3)コールセンター視察  (4)質疑応答 議        事 山本委員長 それでは,定刻でございますので,ただいまから第5回の日本司法支援センター評価委員会を開催いたしたいと思います。  委員の皆様におかれましては,本日,御多忙中のところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。  本日は,いつもは法務省ですけれども,コールセンターの視察ということも予定されております関係で,支援センターで開催させていただいております。  それでは,本日御出席の方々でございますが,まず委員につきましては,8名の御出席が予定されております。田中委員,宮野委員は御都合によりまして御欠席ということですが,この会議の定足数であります過半数の出席要件は既に満たしているということでございます。  本日は,支援センターがいよいよ来月2日,つまり来週の月曜日から業務を開始されるということで,支援センターの業務評価を行うことを任務といたしますこの委員会といたしましては,その業務の開始を直前に控えた支援センターの体制の整備状況というものを把握させていただく必要があると考えられます。また,この支援センターの1つの目玉でありますコールセンターというものを視察して,情報提供業務の具体的なイメージというものを委員の間で共有しておく必要があるのではないかというふうに考えられるところでございます。  そこで,本日は,支援センターの金平理事長を初めとする皆様に御出席をいただき,寺井常務理事から,その業務開始を控えた現在の準備状況についての御説明をいただき,また,コールセンターの視察の際には,情報提供課の関課長の方からコールセンターについて御説明をいただきたいと思います。  そのようなことでよろしゅうございましょうか。  それでは,そういうことで進めさせていただきますので,よろしくお願いいたします。  なお,本日の出席者につきましては,机上に配布されております出席者名簿を御覧いただければと思います。  そこで,まず,配布されている資料につきまして,事務局の方から御説明をいただけますでしょうか。 (配付資料が,順次確認された。) 山本委員長 よろしゅうございましょうか。  それでは,まず初めに,本日の議事ということですが,第1といたしまして,日本司法支援センターの金平理事長からごあいさつをいただきたいと思います。  理事長,よろしくお願いします。 金平理事長 金平でございます。  今日は,日本司法支援センターの評価委員会に私どものこのセンターをお使いいただきまして誠にありがとうございます。そしてまた,こうやってごあいさつの機会をいただきましたことを感謝申し上げます。  日本司法支援センターは,4月10日に設立いたしました。設立時には,当評価委員会からいろいろと御指導を賜りました。ありがとうございました。  4月10日以来,約半年でございますが,この間,私どもは,制度面,人的面,それから物的な面,こういう面の整備に当たりました。全国50か所に地方事務所がございますが,その地方事務所も含めまして,私どもセンターの役職員,この整備のために準備をしてまいりました。  間もなく,10月2日にいよいよ事業を開始いたします。当初予定しておりました整備をほぼ終えようとしております。この整備の状況等につきましては,後ほど寺井常務理事から詳しく御説明をさせていただくことにいたします。  この機会でございますが,本当に司法制度改革というもの,なかでも裁判員制度が間もなく始まることが,人々の話題にあがるようになりまして,やはり司法に対する関心というものが大変大きくなったと思っております。このような時に,総合法律支援という大きな目的の中で,私どもの日本司法支援センターがいよいよ業務を開始することになるわけでございます。  国民の期待も大変大きいということを最近強く感じているところでございます。私ども,いかにしてその御期待にこたえるか,お役に立てるかということで準備をしてまいりましたし,これからもそのようなつもりで努力してまいるつもりでございますので,評価委員の皆様方には今後ともよろしく御指導いただきたいと思います。  どうもありがとうございました。 山本委員長 金平理事長,ありがとうございました。  それでは,続きまして,事務局側の異動でございますが,法務省の倉吉前司法法制部長の御異動に伴いまして,本年7月,新たに司法法制部長に御就任されました菊池部長からごあいさつをいただきたいと思います。  部長,よろしくお願いいたします。 菊池部長 倉吉の後任の菊池でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  委員の皆様には,お忙しいところを委員をお引受けいただきまして,誠にありがとうございます。  また,本日は,支援センターには来週月曜日オープンのお忙しいところを,このような場をセットしていただきまして,感謝申し上げます。  評価委員会の委員の皆様には,支援センターの毎事業年度の事業実績の評価,それから中期計画,たしかこれは当初4年間ということで平成21年度末までということでございますが,それが終わった後,この支援センターの基本的な在り方,組織にしろ,業務にしろ,今後どうしていくのかということについても,御意見をお伺いするということになっております。  私ども事務局を務めさせていただいている法務省といたしましては,皆様方の御議論の参考になるように,その都度必要な情報や資料を御提供いたしたいと思いますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。  なお,今日は,先ほど冒頭に委員長から御紹介がありましたとおり,10月2日に業務開始でございますので,現時点で支援センターが,どのような準備ができて,どういう体制であるのかということを御紹介申し上げまして,今後の業績評価等の御参考にしていただければという趣旨でお集まりをいただいたわけでございます。  今後とも皆様方には,支援センターの適正な組織,業務運営の確保の観点から,活発な御議論をいただき,いろいろ注文もつけていただければと思っておりますので,どうかよろしくお願い申し上げます。 山本委員長 どうもありがとうございました。  また,法務省の小山前参事官の御異動に伴いまして,同じく本年7月,新たに総合法律支援推進室の参事官に御就任されました畝本参事官からごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 畝本参事官 本年7月に,この法務省の司法支援センター担当の参事官に異動してまいりました畝本と申します。皆様,どうぞよろしくお願いいたします。 山本委員長 ありがとうございました。  それでは,中身に入りたいと思いますが,議事次第にありますとおりに進めさせていただきたいと思いますが,質疑応答につきましては,コールセンターの視察を終えた後,まとめてという形でお願いしたいと思っております。  それでは,まず,支援センターからの準備状況の説明ということで,寺井常務理事の方から御説明をちょうだいしたいと思います。よろしくお願いいたします。 寺井理事 寺井でございます。着席して報告させていただきます。  前回の評価委員会から4か月以上たっておりまして,来週の月曜からいよいよ業務開始を迎える段階に至りました。  本日は,若干お時間をいただいているようでございますので,私の方から,組織的な体制や業務の内容についての準備状況について,やや詳しく御報告させていただきますので,ご清聴いただきたいと思います。  まず,組織的な問題で,人的体制の整備状況でありますけれども,本部職員の業務開始における人数は非常勤を含めて56名でございます。  地方事務所の職員数は,事務局長以下の職員が470名程度になる見込みです。このほか,非常勤である地方事務所の所長,副所長,支部長,副支部長が任命されます。  本年6月から8月にかけまして,全国各地に配置する職員の公募による採用試験を実施いたしまして,9月1日付をもって,本部及び全国28か所の地方事務所に合計69名の職員を新規に採用いたしました。  ちなみに,応募者総数は1,850名。何と26倍の倍率でございました。  そして,10月には,扶助協会等において民事法律扶助業務に携わっております職員のほとんどが当センターに移行してくる予定でありまして,これによって,設立当初に予定していた人的整備をほぼ終えまして,業務開始日を迎えることができる見込みでございます。  本年8月末から9月上旬にかけまして,全国の地方事務所職員を対象とした業務総合研修及びシステム研修を本部において実施いたしまして,業務開始に向け,職員の知識及び技能の向上に努めてまいりました。  また,本年10月末には,全国の地方事務所事務局長を対象にしまして,管理監督者研修を実施することにしております。  平成19年3月,来年3月に大学卒業見込みの者を対象にした新規採用職員の募集を行っておりまして,10月には筆記試験及び面接試験を実施する予定にいたしております。現時点では,全国で4名の採用を予定しております。  以上が人的な体制でございますけれども,物的体制の整備につきましては,お手元に配布してございます資料2「所在地一覧」に記載したとおり,地方事務所,支部,出張所,及び地域事務所の設置場所が確定しております。  各種入札手続も終了いたしまして,10月2日の開業に向けて,事務所の内装工事,じゅう器備品の配置等の物的整備もほぼ完了いたしております。  次に,地方協議会の説明に移らせていただきますが,地方協議会といいますのは,地方事務所管内の多数の関係機関との協議会として,情報提供業務,法律扶助業務及び犯罪被害者支援業務などに関しては,法律サービス提供者ではなく,地方公共団体,民間等のADR機関,犯罪被害者支援団体などとも協議を行い,地方事務所の運営に広く利用者その他の関係者の意見を聞いて,運営に反映させていくものとして開催することにいたしております。  支援センターの中期計画におきましても,各事業年度に1回以上開催するものとしておりますので,10月2日の業務開始前に関係機関団体との連携を再確認するとともに,業務開始後の御協力を改めてお願いすることが有意義であると考えられますことから,各地方事務所において業務開始前の地方協議会開催をお願いいたしましたところ,資料3の「地方協議会等開催計画一覧」にありますように,33か所の地方事務所におきまして,業務開始前に地方協議会を開催することとなりました。また,業務開始に向けた準備等で,業務開始前に地方協議会を開催しないこととした地方事務所におきましても,説明会の開催や,関係機関,団体等へのあいさつ回りなどを行うなどいたしまして,連携協力の構築に努めるようにしているところでございます。  さて,業務内容の説明に移りますが,まず情報提供業務について報告させていただきます。  御承知のとおり,コールセンターは,この中野坂上のビルの北側フロアに設置することになっておりますが,既に備品,パソコン等が搬入され,コールセンターとしての外観を呈するに至っております。法テラスのコールセンターがどのようなものになるかイメージしていただけると思いますので,後に是非御見学いただきたいと思います。  また,コールセンターの電話番号が決定いたしましたので,先日,新聞記者,報道機関に,コールセンターのアピールポイントを含めてレクチャーをいたしました。その際配布した文書が,資料5-2「法テラス・コールセンターについて」と題する文書であります。0570-078374,「おなやみなし」という覚えやすい電話番号に決まったこと。ナビダイヤルというサービスを使い,固定電話からであれば3分間8.5円で通話できること。専門知識,経験を持ったオペレーターが問い合わせに応じること。コールセンター内には,アドバイザーとして弁護士もいること。信頼できるFAQ,「よくある質問と回答」という意味でございますが,そのFAQを作成していること。応答率90%,つまり,着信数のうちオペレーターが対応した割合を90%に目指すことなど,コールセンターのアピールポイントが記載されております。  これまでセンターでは,コールセンターの試行も行ってまいりました。その関係が資料5-3と5-4です。5-3が,主として横浜市に住まわれている方を対象にした試行,5-4が,東京23区にお住まいの方を対象にした試行の結果についてのレポートであります。  いずれの結果も,全国年間ベースに引き直しますと,年間約120万件の問い合わせが法テラス・コールセンターに寄せられるということになりました。  いよいよ来週から業務を開始することになりますが,10月2日は約100名が,コールセンターで全国からのお問い合わせに対応していきたいと考えております。  なお,情報提供業務に携わる人達への研修についてですが,コールセンターのオペレーター及び地方事務所等の窓口で情報を提供する窓口対応専門職員に対する3日間にわたる研修を行ってまいりました。主に消費生活相談資格者を対象にしていますので,法的知識というよりも,法テラスの行う情報提供業務と法律相談との違い,関係機関の業務内容,システム操作などに関して研修を行いました。  情報提供業務については以上でございますが,次に,民事法律扶助業務の準備状況について説明させていただきます。  民事法律扶助業務を担当するに当たりましては,あらかじめ,弁護士及び司法書士は法テラスと契約を締結する必要があります。現在,民事法律扶助事業を実施している扶助協会では,自らの事務所で,法律相談援助を実施する相談登録弁護士,司法書士が扶助事業を支えているといいます。法テラスでは,これらの相談登録弁護士,司法書士を基本に,さらに多くの弁護士及び司法書士に契約を呼びかけてまいりました。  資料6-2を御覧いただきたいと思います。9月26日現在の集約状況によりますと,法律扶助協会における相談登録弁護士は現在6,700名でありますが,ほぼ同数の弁護士が法テラスとの契約を申し込んできていただいております。相談登録司法書士については,現在3,700名であるところ,この70%に当たる2,600名以上の司法書士から契約の申込みがありました。これにより,10月の業務開始に当たり,民事法律扶助業務を担当する契約弁護士,司法書士を各地で十分確保することが確実になったと我々は考えています。  法テラスにおきましては,地方事務所,支部及び出張所において定期的に法律相談援助を実施するだけでなく,法テラスと契約をした弁護士及び司法書士の事務所においても法律相談援助を実施します。このほかにも,法テラスの事務所がない地域を中心として,弁護士会,司法書士会,地方自治体等の施設を利用して,相談場所を指定して法律相談援助を実施いたします。先般,この指定相談場所を決定し,法テラスの事務所以外で,全国200か所を超える場所において法律相談援助を実施していくことといたしました。  次に,国選弁護関連業務の準備状況について御説明いたします。  この業務に関しましては,まず,5月25日に,業務方法書,法律事務取扱規定,国選弁護人の契約に関する約款,いわゆる「諸規則3点セット」と呼んでまいりましたけれども,これについて法務大臣の認可を受けましたので,より多くの弁護士に契約をしていただくために,これら諸規則の説明資料として,資料7-1,「国選弁護関連業務の解説」と題します解説冊子を作成し,弁護士会を通じて全弁護士にあてて配布するとともに,説明ビデオを作成して全地方事務所及び全弁護士会に配布しましたほか,弁護士会主催の会員集会における説明の機会を得るなどして,契約の内容や,センターが行う業務の内容の周知に努めてまいりました。  また,これと並行して,具体的な業務の開始に備えるため,各地方事務所において,裁判所,弁護士会との協議を行い,国選弁護人候補の指名通知に必要となる名簿の編成方式や,指名のルールなどについて,各地の実情に応じた実務的な事務処理方式の構築を進めました。  そして,これらの準備作業の過程において,全弁護士会から,国選弁護人契約の申込書の取りまとめと国選弁護人候補者の指名通知用名簿の調製について,全面的な協力を得ることができましたことから,これらの準備作業はおおむね順調に推移し,業務開始までに必要な準備作業はほぼ整ったと考えております。  なお,一部の新聞報道におきまして,国選弁護を担う契約弁護士の確保が進んでいない旨の報道がなされておりましたけれども,国選弁護人の契約を締結した弁護士数は,資料7-3に記載しておりますとおり,現在全国で8,200名となっております。10月以降の新たな国選弁護士制度を支えるに足る契約弁護士は既に確保できたものと考えておりますが,日弁連,各単位弁護士会の協力を今後もいただきながら,さらに多くの契約弁護士の確保に向けて一層の努力をしてまいりたいと思っています。  支援センターが行う犯罪被害者支援業務の内容は,大きく挙げて2つあります。  1つ目は,犯罪被害者やその御家族に対し,刑事手続への適切な関与や,お受けになった損害,苦痛の回復,軽減を図るための制度,また,支援活動を行っている関係諸機関,団体に関する情報を提供することであり,2つ目は,犯罪被害者支援に精通した弁護士を紹介することであります。  支援センターでは,被害者の方がそのときに最も必要な支援が受けられるよう,必要な情報を正確に提供するため,コールセンター内に犯罪被害者支援ダイヤル,0570-079714,ちょっと語ろが合っていないところもありますが,これを「なくことないよ」というように呼びまして,専用の電話番号を設けました。  被害者担当ブースを5つ設け,これまで犯罪被害者支援に携わった経験のある担当者が,被害者の方の心情に配慮しながら丁寧に対応してまいりたいと考えております。  被害者担当は,コールセンターのほか,全国12の地方事務所,つまり,東京,神奈川,埼玉,千葉,大阪,京都,兵庫,愛知,広島,福岡,宮城,札幌にも配置することとしており,各地の民間支援団体や弁護士会,警察,検察庁から御推薦をいただいております。  犯罪被害者担当を配置しない地方事務所では,一般の窓口対応専門職員が対応することになりますが,被害者に対して2次的被害を与えないよう,全員が被害者の心情や,対応する際の留意点等に関する研修を受けるとともに,被害者からの問い合わせの際,必要に応じ,また,相談者の希望に応じ,窓口対応専門職員として弁護士を配置している地方事務所や各地の弁護士会の電話相談を紹介することにより,対応してまいりたいと思います。  また,犯罪被害者支援に精通した弁護士,略して「精通弁護士」と呼んでおりますけれども,これにつきましては,各地方の弁護士会に御協力いただき,地方事務所で精通弁護士名簿を作成いたしました。地方事務所では,相談者の希望に応じ,名簿に登載されました弁護士の中から,当該案件に関する利益相反等を確認し,相談者により適切な弁護士を紹介してまいります。  なお,名簿登録者数は,全国で約1,000名を予定しております。  犯罪被害者支援業務を行う上では,様々な支援を行っている関係機関・団体との連携協力関係の構築が極めて重要であります。支援センター本部では,法務省,弁護士会,警察庁,民間支援団体をメンバーとした関係機関事務連絡会を設置し,準備状況を御報告し,そこでいただいた御意見を踏まえ,準備を進めてまいっております。  また,地方事務所におきましては,現在,都道府県警察本部が設置しております被害者支援連絡協議会への参加の申入れを行うほか,関係機関団体に御協力をいただき,犯罪被害者支援情報の補充・整備を行っているところでありまして,情報の更新方法,センターからの紹介方法,各機関団体から支援センターへ取り次いでいただく方法などについて,調整を行っております。業務開始後は,そうした関係機関等から,当センターへ被害者支援業務についての御意見をいただく場を設けていく予定です。  さて,支援センターでは,総合法律支援法第30条2項で,本来業務の遂行に支障を来さない範囲で,国,地方公共団体,公益法人その他の非営利法人,又は国際機関の委託を受けて,契約弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務などが可能とされております。本年7月,日本弁護士連合会から,「現在,財団法人法律扶助協会を通じて実施している刑事被疑者弁護援助事業や少年保護事件付添扶助事業,犯罪被害者法律援助事業など,各種事業の委託についての考え方を取りまとめたので,支援センターと協議を開始したい」との申入れがありました。現在,日弁連から,この委託事業の内容などについて説明を受けるとともに,実施にかかる疑問点をお尋ねしていくなど,協議を進めているところでございます。2項業務につきましては,今後とも関係機関と慎重かつ十分な検討を行った上で,実施の方向で決定してまいりたいと考えております。  次に,常勤スタッフ弁護士の確保について説明いたしますが,これにつきましては,現時点における平成18年度の常勤スタッフ弁護士内定者は22名となっております。本部としては,さらに多くの常勤弁護士を採用したいと考えており,引き続き採用に向けた取組を強化してまいります。実際,常勤スタッフ弁護士への応募は続いておりますことから,今後も常勤弁護士数は年々増加していくものと考えております。  現在予定している今年度の常勤スタッフ弁護士の配置先について,御説明させていただきます。本年度は,地域事務所10か所を設置し,常勤スタッフ弁護士を配置いたします。  このうち,司法過疎地域に設置され,有償で一般の事件を取り扱う事務所は,佐渡,倉吉,壱岐,鹿屋,江差,須崎となります。  今年度の司法過疎地域事務所につきましては,地方事務所支部管轄単位で実働弁護士がいないか,1名しかおらず,当該地裁支部から公共機関を用いて長時間を要することなく移動できる範囲内に地裁本庁,又は2名以上の実働弁護士が事務所を開設している地裁支部が存在しない地域において,そして,当該地裁支部管内の人口,事件数などを考慮いたしまして,設置場所を選定いたしました。  このほかの地域事務所,熊谷,下妻,松本,佐世保につきましては,国選弁護事件と民事法律扶助事件のみを取り扱うことにいたします。この扶助国選対応地域事務所につきましては,地裁支部管轄単位で想定される国選弁護事件数が多く,かつ,地裁支部管轄単位で実働弁護士一人当たりの年間受任件数が大きい地域のうち,単位弁護士会,地方自治体等,関係機関の支援体制などを考慮いたしまして,必要性が高いと認める地域に設置したものであります。  地方事務所本所と支部につきましては,東京多摩支部,埼玉,茨城,静岡,長野,京都,岐阜,鳥取,福島,旭川,香川に常勤スタッフ弁護士を配置する予定です。地方事務所本所及び支部への配置につきましては,常勤弁護士内定者の法曹実務経験年数や,配置についての希望,そして,受入れ側である地方事務所などの事情等を考慮して決定させていただきました。  今後センターとしては,常勤弁護士を全国各地に順次配置していくことが可能となるよう,引き続き常勤スタッフ弁護士の確保に努めていきたいと考えている次第です。  最後になりますが,本部の広報活動について御説明させていただきます。  平成16年4月の法務省総合法律支援準備室発足以来,これまで様々な広報活動を行ってまいりましたが,まだ十分に周知されているとは言えない状況にあります。  今後,本部の広報活動におきましては,法テラスの存在をあまねく全国民に向けて周知し,10月2日の業務開始の認知を高めるよう,また,その後も多くの国民の皆様に利用していただける必要不可欠な組織として定着を図るという課題を掲げまして,マスメディアを利用した広報と,ポスター,リーフレットによる広報展開を予定しております。  1つはラジオのCMであります。TBSラジオ系列33局で全国を網羅し,特に高齢者層や,主婦,商工自営業など,在宅率の高い方々に対して周知できると考えております。10月から12月の間は早朝と夕方の番組内で1日2回,また,来年1月からの3か月間は夕方1回,20秒のスポットCMを行います。また,10月初旬には,番組のパーソナリティによる80秒の生CMを数回放送する予定にしております。  2つ目は交通の広告です。全国都道府県の都市部のJR,私鉄,地下鉄駅等にポスターを2週間掲示いたします。また,主要路線の電車内に中づり広告などを掲示いたします。鉄道のない沖縄県につきましては,バスで対応したいと思います。  3つ目は新聞広告です。都道府県別に,原則として50%以上を網羅することを考慮して,読売新聞全国版に,業務開始日前後1回,また,ブロック紙,地方紙につきましては,最も身近で普及率の高いものを選定いたしまして,業務開始付近に各2回,掲載したいと思っております。  このほか,政府広報といたしまして,フジテレビ系列28局で毎週日曜日に放映されている「そこが聞きたい構造改革」という番組に,10月1日から29日まで5週連続で当センターの金平理事長が出席する予定となっております。  このような様々な広報活動を通じまして,法テラスの業務開始や業務内容を周知してまいりたいと,このように考えております。  取り急ぎ,私からの組織と業務内容の準備状況についての説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。 山本委員長 ありがとうございました。  今の寺井常務理事の御説明についての御質問は,先ほど申し上げたとおり後に回させていただきまして,続きましてはコールセンターの方に移動をいたしまして,支援センターの関課長の方から,コールセンターについての御説明をお伺いしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 (コールセンターへ移動) 関課長 皆様,よくお出でいただきました。情報提供課長の関と申します。よろしくお願いいたします。30分ほどお時間をいただけるということでございますので,このコールセンターのシステムをまず請負受託業者の方から説明させたいと思っております。その後,このコールセンターの概観等を御説明をさせていただきたいと思いますので,まずはそのデモンストレーション,FAQですとか関係機関データベース等々出てきますので,コールセンターがどういうものかということを御覧いただければと思います。  それでは,受託業者から説明させます。 (受託業者から,コールセンターシステムの操作方法等について説明) 業者 どうぞよろしくお願いいたします。  ここにございますのが,法テラスのオペレーターの方に使っていただくシステムになります。コールセンターシステムと呼んでおります。  最初に,このメニュー画面に法テラスのロゴマークがありまして,ユーザー名とパスワードを入れる画面となっております。こちらのコールセンターには,現在約300名程度のオペレーターの方がいらっしゃいますけれども,300人分認証できるユーザー名とパスワードをそれぞれ個別に持っております。  それでは,入っていきます。  こちらの画面が最初のメニュー画面となっております。一番左上に新規作成というボタンがありますが,こちらのボタンを押すことによって電話の受付を開始することになります。左側が問い合わせ対応内容を入力する画面,右側が関係機関やFAQを検索する画面。1つの画面ですべてを網羅しているというところが今回のシステムの一番大きなポイントとなっております。  結構入力項目があるように思われるかもしれませんが,実際には相談要旨と,その後どういったFAQを紹介してどこの関係機関に振ったかということを登録すればいいシステムになっております。  左側の問い合わせ内容入力の都道府県と市区町村というところは関係機関を紹介するために必要な情報となっております。入力方法でございますが,都道府県,これは今回このコールセンターが全国北海道から沖縄まで,全国のコールを受ける関係上,なじみのない地名等あるかと思います。そういった地名に対応するように,ある程度音を聞くだけで,例えば神奈川県であれば「か」と入れるだけでその「か」につながる県名等を表示することとなります。「か」と入れてみますと,香川県,鹿児島県,神奈川県とあります。今回,神奈川県からの相談ということで「カナガワケン」を選択しますと漢字変換されます。  次に市区町村ということで,例えばここで相模原市ということで「さ」と入力いたしますと,神奈川県下における「さ」から始まる市町村がリスト化されております。相模原市,座間市,寒川町です。ここで相模原市を選んでみます。  相談要旨として,例えば今回訪問販売を受けて浄水器を購入したんだけれども,それを解約したい,クーリングオフをしたいという相談を受けたと仮定します。オペレーターの方は,皆さんのお手元にあるヘッドセットを使いながら問い合わせに対応しますので,両手はあいております。両手があいている形で相談要旨を受ける,こちらの方にメモをする。若しくはパソコン入力に慣れてらっしゃらない方については紙に書くということになります。  まず,最初に行いますのが,解約するための手続にはどういうものがあるのか,解約できるのかというFAQを探すことになります。FAQは種別とキーワードで検索することになります。種別と申しますのが,まず最初に大きな分野が分かれておりまして,AからUぐらいまでですね。家族に関する相談,B,住まい・不動産に関する相談,生活環境に関する相談,D,生活取引に関する相談というようにFAQが分類されておりまして。これはオペレーターの方に皆さん覚えていただいているところです。訪問販売に関するものは,生活上の取引に関する相談に入っております。  生活上の取引に関する相談の中にも分類がありまして,金銭の借入れ,貸付け,インターネット取引,霊感商法うんぬんというような分類になっております。今回,訪問販売ということで「特定商取引」を選んでいただきます。さらに特定商取引の中にも訪問販売ですとかマルチ商法,ネズミ講とありまして,今回訪問販売ということになります。  これでいったん検索してみますと,約11件のFAQがあらわれます。今の状態ですとFAQは見られませんが,これを「表示調整」というボタンで画面を使って大きくすることができます。11件程度ですのですべてを見てもいいんですけれども,さらにキーワードを使って絞り込みをしていきたいと思います。訪問販売の解約手続ということで「解約」というキーワードで絞り込みを行います。そうなりますと「解約」で6件,訪問販売におけるクーリングオフとは,訪問販売で契約したが断りたい,クーリングオフできるのかということになります。まさに,900番,901番といったFAQを紹介することになると思います。  紹介した結果,どのFAQを紹介したというのを簡単にワンタッチで登録することができます。901番を紹介したということでこの三角のボタンを押しますと,登録できます。  続きまして,それではそのクーリングオフの手続を相談にのってくれる機関を御紹介いたしましょうかということで,関係機関の検索に移りたいと思います。まず,関係機関を検索する際には検索する都道府県市区町村を特定する必要があります。その場合,先ほど神奈川県相模原市という住所を聞いておりますので,その最寄りのところを調べたいということで,検索条件について引継ぎを行います。この引継ぎを行うことで,もう一度入力する必要はありません。当然,神奈川県相模原市にお住まいでも東京都の機関を探してほしいという要望あるかと思いますので,そのような場合は住所の引き継ぎを行わず,東京都と入力することになります。  そして,キーワードのところに,訪問販売,解約と入れて検索してみたいと思います。そうしますと,121件出てまいりました。これでは多すぎますね。さらに絞り込む条件としましては,有料,無料,若しくは窓口の種類,予約制かどうか,外国語対応,高齢者・障害者の出張サービス等があるかというようなことで絞り込んでいくことができます。  今回,相模原市ということで対象地域を絞り込んで,さらに法律相談全般を外して検索したいと思います。そうなりますと,3件出てまいりました。相模原市の消費生活センターと消費生活相談コーナー,北消費生活センターです。  それぞれが相模原市ということですのでその内容を見ていきたいと思います。基本情報のタブ,窓口情報のタブ,開催日情報のタブというふうに分かれております。基本的にはこの窓口情報と開催日情報を見て御紹介していくということになります。  このように,相談を受けてFAQを紹介して,関係機関を紹介したところで1件の電話対応が終わります。電話対応が終わりますと,こちらの電話応対終了ボタンを押して電話を切って,後処理に移ります。後処理時間については,目標値として3分にしています。  後処理ですけれども,この後処理タブの空欄を埋めるだけです。  最後にステータスを完了して,あとは閉じるだけです。  そうなると,もとのメニュー画面に戻りまして,次の電話を待つというような流れになります。  このほか,「関係機関参照」,「FAQ参照」というボタンがございますけれども,これは電話が鳴っていない際にそれぞれのオペレーターの方が先ほど御覧いただきました関係機関ですとかFAQを学んでいただくために使う機能となっております。  簡単ですが,コールセンターのシステムは以上のような形になっております。  ほかに,今回オペレーターの方以外にスーパーバイザーという管理スタッフがおります。そちらの方については,電話のシステム,電話の状況がどのようになっているのかというのを見て,その状況を把握しながら業務を行うということです。  簡単ですが,コールセンターシステムとコールセンターマネジメントの説明を終わらせていただきます。 関課長 それでは,私の方から補足的に説明させていただきます。  まず,FAQに関しましては,後ほどバインダーにとじた印刷したものがございますので,お回しいたしますので御覧いただければと思います。今現在は約1,500問用意しております。この1,500問,法テラスに日弁連から来ていただいております弁護士の先生にまず作っていただきまして,その上で日弁連の事務局が見まして,さらに日弁連の担当委員会が御覧になると。あるいは日本司法書士会連合会の方にチェックいただくということで,非常に信頼のおけるFAQということになっております。これもいずれは公開させていただきまして,市民の方々の御利用に供させていただければというふうに考えておるところでございます。  また,関係機関のデータベースの方でございますけれども,先ほど見ていただきましたけれども,データが約25,000ございます。全国各地の窓口数で数えますと約25,000の関係機関がございまして,その関係機関それぞれにつきまして先ほどのようなデータが入っております。どのような名称であるのかというところから始まりまして,どんな方が対応いただけるのか,弁護士であるのかあるいは公務員のような方が対応いただけるのか,果ては最寄りのバス停ですとかあるいは地下鉄の駅ですとか,そのような細かな情報まで入っておるものでございます。  また,電話が鳴りますとどんな感じになるかというと,皆さんの前に電話がございますけれども,まず一番待ち時間の長いオペレーターの電話が鳴ることになります。一斉に電話が鳴るわけではございません。そして,鳴りますと,オペレーターがこの電話のボタンを押すということになります。そうしますと電話がつながります。そうしまして,,「法テラスコールセンター,担当何々です。」ということで名乗っていただきます。そして,「法テラスでは法制度の御紹介と関係機関の御紹介をさせていただいております。本日はどのようなことでお電話いただいたのでしょうか。」というようなことでお聞きをいたします。そして利用者の方の問い合わせをお聞きしたり,お住まいの地域をお聞きしまして,先ほど申したようなデータベースの検索をしていくことになります。  関係機関によりまして様々な連携の程度がございます。転送,取次ぎ,紹介ということが主なところでございます。転送と申しますのは,掛かってきた電話をそのまま関係機関の方に転送してしまうということでございまして,転送に際しましてこちらのオペレーターからこのような案件の方ですが,転送させていただいてよろしいでしょうかと関係機関の方に御了解を得まして,関係機関の方で結構ですということであれば案件を引き継いだ上,こちらの電話を切るとそのまま電話がつながるという仕組みでございます。  転送にかかる負担は法テラスコールセンターの電話代ということになりますので,関係機関の方の御負担は全くないということでございます。可能な限りこの転送という連携関係を構築してまいりたいと。転送ということですと,ワンストップでサービスをすることができますので,転送というところまで関係機関と連携を深めてまいりたいということで要望しておるところでございます。  次に密度の濃い連携といたしましては取次ぎというのがございます。取次ぎと申しますのは,先ほど御覧いただいたようなオペレーターは,後処理をいたします。その後処理のレポートをプリンターに出力いたしまして,それをファックスで関係機関の方に送信をするというのが取次になります。そして,関係機関はそのレポートを見まして電話をかけていただいた方のところに折り返し電話をしてもらうということになります。そういたしますと,利用者の方は同じことを何度も言わなくて済むということになりますので,転送が無理であるならば取次ぎということでお願いできないだろうかということで要望しておるところでございます。  また,紹介というのはただ単に紹介をするだけ,電話番号だけをお知らせするというようなことになるわけでございます。  このようなことで電話を転送するなりいたしまして,後処理に入るということになります。  例えばこれは日本司法支援センターの愛知地方事務所ですが,連携関係といたしまして,転送も可であり,取次ぎも可であり,紹介も可でありということで,基本的には転送いたします。しかしながら,転送時に電話が話し中であるというようなこともございますので,そのような場合には取次ぎを行うというようなことになります。  このような通話が約7分想定,後処理が3分想定,合計10分を目標に,今現在,試行等を重ねておるというようなことになります。  また,このオペレーターの席でございますが,全部で80席ございます。奥にパーティションのある席が5席ございますけれども,そこは犯罪被害者専用のオペレーター用のブースということになっております。プライバシーに配慮しておるということでございます。  また,横のラインの席でございますが,8席ございます。つまり,10人に1人管理者がつくことになります。管理者はSVと申しまして,こちらの方は消費生活相談資格者ということではなく,オペレーターのベテランということでございます。長年オペレーターをやっておりまして,いわば電話のプロが法律知識を持っているオペレーターを指導するということになります。  また,こちらの方に席が幾つかございますけれども,3席は日弁連の協力を得まして弁護士の先生方,9時半から5時まで常時3名いていただきまして,難しい質問等についてアドバイスをしていただくことにしております。  また,こちらの席は法テラス側の管理者,あるいはあちらの席は受託業者の席ということになります。  このコールセンターの設置の目的でございますけれども,御覧のとおり何も机の上にございません。あるのはコンピュータと電話だけということになりますので,電話業務に集中できるということになります。とかく我々も机の上にいろいろなものがございますと仕事をしながら電話を受けるというようなことで電話対応がぞんざいになってしまったりするわけでございますけれども,そのようなことなく電話業務に集中的に対応していただいて,お役所仕事でない丁寧な対応をしていただこうというのが1つでございます。  また,たくさんの電話が100万件を超える電話がこようかと予想しておりますので,このように集中的に効率的に電話業務に対応することによりまして多くのコールに対応していこうということでございます。  このコールセンターは,120万件まいりましても90%以上は電話をとれる体制ということで設計しております。  また,もう1つの目的は,このように集中的にコールに対応することによりまして,今,日本でどのようなことが起こっているのか,国民のニーズがどこにあるのかということが瞬時にわかる,リアルタイムでわかるというところが1つ大きな目的でございます。  100万件を超えるコールがここにくるということになりますと,例えばでございますが,オレオレ詐欺あるいはリフォーム詐欺といったこと,今現在まだまだ問題になっておりますけれども,あのようなことがマスコミあるいは社会問題化するころにはもう既に問題がかなり大きくなっておる,火事でいいますともうボヤではなく,隣の家まで火がついておるような状況でございまして,なかなか消そうと思っても消し止められないという状況ではないかと思います。しかし,このコールセンターが国民の間に周知されてくるということになりますと,何やらそのような不審な動きといいますか,オレオレ詐欺的なことが例えば全国で10件起こっておるということになりますと,その日のうちにそのようなお問い合わせが10件あったということがわかります。翌日になりますと20件あるということになりますと,どうやらそういうことが社会問題化しつつあるんだなということが瞬時にわかりますので,例えばそれをマスコミ関係にレクチャーし,マスコミで取り上げていただく。あるいは法務省を通じまして関係省庁にお集まりいただきまして,関係省庁に行政的な対応をお願いする。あるいは立法が必要であれば立法的な対応もお願いするということで,より日本の治安,あるいは法治国家という面でもこのコールセンターは強力な武器になるのではないのかと思っております。  コールセンターは以上でございます。どうもありがとうございました。 事務局 引き続き会場の方に移動したいと思いますが,その前にこちらの犯罪被害者支援のブースを御覧いただきたいと思います。 関課長 プライバシーに配慮した造りになっております。  一般のお問い合わせについては,オペレーター同士が話をすることができる方がいいだろうとのことでパーティションをとっております。  しかしながら,犯罪被害者の方はプライバシーに配慮をすべきだろうということで,パーティションを付けているということになります。  今現在,オペレーターの方は約300名おりまして,先ほど申したように80席を300名がローテーションで回していくということになります。  コールセンター自体は平日は9時から9時,土曜日は9時から5時まで業務をいたします。  休みは,日曜と祭日と年末年始でございます。  委託しておりますので,24時間365日ということも可能でございますので,推移を見ながら考えてまいりたいと思いますが,横浜,あるいは東京で試行いたしましたが,夜間,あるいは土曜日のお問い合わせは極端に減ります。まだまだ周知が足りない,お役所仕事という意識があるようでございまして,お役所は5時以降はやっていない,土曜日はやっていない。あるいはお昼休みの時間帯も非常にお問い合わせが減りまして,これもお昼の時間だからお役所はやっていない。あるいは3時から4時も減りまして,これはお茶の時間だからという,恐らくそんな思い込みといいますか,そういうところがあってお問い合わせいただけないのかなと思っています。せっかく夜までやりますし土曜日もやりますので,その点も十分周知をしてまいりたいと考えております。 吉川委員 オペレーターは相当疲れるでしょうね。1日10件も20件もやったら。 関課長 ですから,こちらの方に離席というボタンがあります。休み時間というものはございませんで,自分が精神的に疲れた場合には,離席というボタンを押して,休憩室が向こうの方にございますので休憩室でお休みいただくということになります。  恐らく1時間続けてオペレーターとしては働けないと思います。 岡田委員 相談がなければ1時間,2時間平気であっても,それもストレス感じますよね。 関課長 姿が見えないというのは非常にストレスがたまるものでございますので,大体コールセンターというのは景色のいい,割と環境のいいところに設置されています。 吉永委員 隣の人の声というのは,隣の人の電話は聞こえないんですか。結構,ああいう苦情センターみたいなところへ電話をするじゃないですか,通販なんかの。そうすると,結構聞こえるんですね,向こうのオペレーターの声が聞こえるときがある。ついそっちを聞いちゃったりして。 関課長 聞こえなくはないと思うんですが,ただヘッドセットですので,小さな声でもお話しできますので,余り大きな声でオペレーターが話さなければ聞こえないと思います。ただ,やはり消費生活相談資格者の方々,余り慣れていらっしゃらないものですから。 岡田委員 相談員は一般的に声が大きいものですから。 関課長 ちょっと声が聞こえるかもしれません。 岡田委員 職業柄,難聴傾向になってきます。 金平理事長 私は,最初コールセンターというと,一斉に電話が鳴るものかと思って。そうじゃないんですね。 関課長 小さく話せば十分聞こえますので。 金平理事長 岡田さんがおっしゃったように,だんだんあっちの声が大きくなるとねえ。本当に集中してやっていらっしゃると声は意外と聞こえない。 嶋津委員 ローテーションのルールというのはあるんですか。例えば30分やったら休みとか。1時間やったら疲れるとか。 関課長 休みは自由でございます。疲れたときに休むということで,そうしませんと,また電話対応も余り芳しくない対応になってしまいますので,自由に休んでいただくということになります。ただ,余り休みますと,ちゃんと全部記録に残りますので,休み過ぎだということがすぐに分かることになっております。 菊池部長 1日2交代でしたっけ。 関課長 原則は1日に3交代です。 菊池部長 9時から9時で。 関課長 9時から1時,1時から5時,5時から9時の3グループです,ただ,2時間しか働けないという方もおられますので,そういう方にも働いていただくようにしております。 金平理事長 半日ぐらいとか。なかには,若い男性の方もおられるのです。恐らくまたちょっと違った目的で働いておられることもあります。 関課長 受験生もおります。一橋ですとか中大のロースクールの学生もおります。 金平理事長 要するに自分の働く時間を決めてやっていらっしゃる。 吉川委員 オペレーターの方は自分の,今の一橋のロースクールの話で思ったんですけれども中身は自分では答えないんですよね。 関課長 法律相談はいたしません。ただ,法制度はお答えしますので,もちろん法的な知識がある程度ないとなかなかお答えできないということになります。究極的な目的といいますか,我々は道案内でございますので,最終的には関係機関を御紹介する必要があるならば関係機関を御紹介するところまでがゴールでございますけれども,関係機関を紹介するだけですと,なかなか利用者の方の満足度が上がらないという問題点がございます。それじゃあ電話案内と同じじゃないかということでございますので,やはり何らか電話をかけたことによって,自分の知識というか,そういうことが広まったということが必要なようでございまして,なるべくFAQに基づいて法制度の御紹介をするように指導しております。 吉川委員 FAQにはQだけではなくて,アンサーの方も入ってますよね。 関課長 アンサーもございます。後ほど御覧いただきます。また,本日試行しておりませんでしたので御覧いただけませんでしたが,是非10月2日以降御覧いただくと全く雰囲気が違います。是非機会があればいつでも来ていただければ御案内いたします。 嶋津委員 FAQで新しい相談で登録した方がいいというのが来たら,さっと入るようになっているのですか。 関課長 毎日のように分析をいたします。どのようなお問い合わせがあるかということで。その日,例えばよくある質問のうち,10をとりまして,それを常につくっていくと。先ほど申したような弁護士の先生が3名来ておられますので,その方々に毎日作っていただいて,3日ぐらいのうちにアップをしまして,常に最新のものに変えていくと。大体コールセンターと申しましたら2,500から3,000問のFAQを用意しておくものでございますので,今用意している1,500問も,もう半年もしないうちに恐らく使わないものは捨ててしまいまして,新しいもので大体3,000位を用意しておきたいと思っております。  最後に,セキュリティーですが,こちらの方にロッカーがございまして,ここにまずオペレーターが入ってきますと全部私物を入れさせます。携帯電話,あるいはバッグ等全部入れさせまして,その上でここはふだん閉まっておりますので,ここにカードキーをかざしまして中に入っていくということで,個人情報の漏えい等を防ぐようにしております。 (休     憩) 山本委員長 それでは,委員会を再開したいと思います。  大変わかりやすい御説明をいただいて,ビビッドにコールセンターの状況を理解できたように思います。  関課長,大変ありがとうございました。  それでは,先ほどの寺井常務理事の御説明,それから今のコールセンターの見学を踏まえまして,御質問,御意見,あるいは御感想など,委員の皆様から御自由に御発言をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。  どうぞ,吉川委員。 吉川委員 スタッフ弁護士なんですけれども,先ほど22名内定というお話でございましたけれども,私は弁護士なので,いろいろ弁護士会から来る資料などではある程度読んでおりますけれども,何名ぐらいを最終的には目標とされていて,それを確保するめどといいますか,方策といいますか,そういうものはどういうふうになっているのか,そのあたりを伺えればと思います。 寺井理事 先ほど申し上げましたが,業務開始に当たりましては,国選弁護はもとより,法律扶助についてもその対応が十分に可能であるとセンター本部としては認識しております。  問題は,御承知のとおり,2009年から始まる被疑者弁護の範囲がほぼ10倍ほどに拡大されますので,それへの対応と,裁判員制度が2009年の恐らく4月から開始されますので,それについての弁護体制の確立ということが極めて重要な課題と思っています。  弁護士会としてはジュディケアで何とか賄っていこうということに考えているようですけれども,私どもとしては,ジュディケア,つまり契約弁護士だけでは,その国選弁護対応と裁判員制度の対応に不十分ではないかと考えておりますので,その観点から,スタッフ弁護士の確保ということは極めて大切な課題だろうと,こう認識しております。  58期までが22名でございましたけれども,現在,59期がこの10月から養成事務所でスタッフ弁護士の研修生として弁護士になります。1年後にスタッフ弁護士に入ってきます。  60期の旧試験で合格され現在修習中の方や,つい4,5日前に発表されました新司法試験における合格者も1,000名ちょっとおります。  さらにその後,2009年度に間に合わせるべく,61期生は,先生も御承知のとおり人数が更に増えてまいりますので,この方々の中からもスタッフ弁護士を確保すべく努力しまして,スタッフ弁護士を確保することを考えております。私どもは2009年の被疑者弁護の範囲が拡大する時期,裁判制度が始まる時期にはそれにきちんと対応できるスタッフ弁護士を確保できると考え,またそれに向けて努力していかなければならないと思っています。  司法修習生,あるいは若い弁護士の中には,スタッフ弁護士がセンターの雇用弁護士になることから,その在り方とか働き方について,外部からの批判も受けまして,悩んだり迷ったりしている方が相当おられるようですけれども,この10月からスタッフ弁護士1期生として活躍される生の現場の声や活動の状況が修習生や若い弁護士に伝わっていきますと,そういったいわゆる観念的な批判などを超えてスタッフ弁護士に対する魅力とか理解が深まって,相当応募者が増えるのではないかと思っております。  その意味では,先ほど申し上げましたような様々な報道もありましたが,私どもとしては2009年体制に向けては何とかしなければならないし,何とかできるという決意で臨んでいるというのが実情でございます。 吉川委員 もう1つ,数の問題とあわせて,質といいますか,今のお話ですと,大体弁護士になりたての方がスタッフ弁護士の大半になるということですが,相当経験のある刑事の弁護士でも,新しい裁判員制度のもとでの弁護というのは相当のトレーニングがないと難しいのかなと思うのですけれども,そこのあたりはどういう方策をお考えになっていますか。 寺井理事 御指摘のとおりでして,裁判員制度は重大な事件から入りますので,到底,1年生,2年生の弁護士だけでは対応できないことは明らかだと思っております。  したがいまして,裁判員制度に際する弁護体制は,この若手のスタッフ弁護士だけに頼るのは,少なくとも当面は適切ではないのではないかと,私個人としてはそう考えております。  日弁連にお願いしておりますのは,裁判員制度に対する弁護体制の確立は弁護士会で責任を持ってやってほしい,そして,私たちが進めるスタッフ弁護士の確保・養成とタイアップして準備していかないととんでもないことになるし,吉川先生の御指摘のとおりの質の低下を招きかねないと思っておりますので,これからは,研修の充実に向けても相当力を入れて取り組んでいかなければならないと思っております。 吉川委員 わかりました。ありがとうございました。 山本委員長 ありがとうございました。  それでは,ほかにいかがでしょうか。どうぞ,岡田委員。 岡田委員 相談員についてですが,東京の場合は,大体もう週3日ないし4日,消費生活センターに出ているんですね。ですから,週1日であればとか,土曜を入れて1.5日とか2日であればという形で応募した人も多いと聞いています。ところが実際には2.5日とか3日ということで連絡があったと聞いています。  東京については,申し出て,こちらの希望が通ったというふうに聞いているのですが,どうも地方ではそうではなくて,何か再募集しなければいけないようなところも出ていたり,あとは,「やはり困る」と言ったら,「センターの方を変えてくれ」と言われたり,「それはできない」と言ったら,「では,もうお辞めいただいて結構です」と言われたというところもあったり。法テラスを絶対成功させようということで応募した相談員もいます。スタートのところでそういうトラブルが起きるということは,かなり今後に影響すると思うので,やはり一度決まった方に関して,条件が合わないからお辞めいただくというのは,どう考えてもおかしいのではないかと思うのですが。  今後もいろいろあるかもしれませんが,みんな一生懸命なんです。先ほどもお話があったように,センターが休みのときは,コールセンターへ来て真剣に取り組んでいるんです。  それから相談員がまだパソコンも見ていないということで,10月2日に向けてとても不安だということをしきりに言ってくるのですが,彼女たちも,実際にこちらの準備が間に合わないということはわかっているのですが,なるべく早いうちに現場だけでもちょっと見せてあげるとか,その辺を配慮していただきたいなというのが1つと,あと,この法テラス自体が,先ほど拝見させていただいて,すばらしいものができたし,これが予想どおりに動けば本当に効果絶大という感じがしています。  それだけに,消費生活センターの相談員とか,裁判所のOBの方とか,弁護士さんとかいろいろな方が寄り合っていますが,新しくやることに関して,今まで自分がいたところのものを引きずったり,しゃくし定規にやるような,そういうことが絶対にないように,またルールはあっても途中でこれは変えなければいけないということであれば,柔軟に変えるようなやり方をしていただきたいと思います。  実際に研修を受けた者が,やはりかなりその辺を感じたみたいで,ちょっとブーブー言ってくるものですから,相談員も変わらなければいけないのですけれども,ほかの方々もやはり変えて,みんなで力を合わせてよいものを作るのだということで,前向きに対応していただきたいなというふうに思います。 寺井理事 ありがとうございます。  岡田委員の御指摘のとおりです。私どもは,情報提供業務という中で,コールセンターが果たす役割が極めて大きな歴史的な意義を持っているであろうこと,そして,相談員の方々が非常な意欲と情熱をもって臨んできていただけることを金平理事長以下,感じております。  ついては,具体的な御質問でもありますので,現場を担当している者からその点について答えさせていただきたいと思いますので,関課長,今の点どうでしょうか。 関課長 お答えいたします。  まず,地方事務所に勤務いただく窓口対応専門職員の方のローテーションの関係でございますけれども,実際,大きなところの事務所やコールセンターですと,皆様方の御希望をお聞きしても割と融通が効きます。  大きなところですと,例えばAさんについてはいつからいつ,Bさんについてはいつからいつということで臨機応変に変えることができるのですが,1つしか窓口がないようなところですと,やはりどなたかいていただかなければいけないということで,どうしても調整をさせていただかなければならなくなっているというのが現状でございます。そこで,当初は週1日あるいは1,5日だったのを2.5日から3日ぐらいお願いできないだろうかと,無理なお願いをさせていただいておるところもございます。  ようやく,そのローテーションの関係も落ち着いてまいりまして,各地,ローテーションを組める段階になっております。当初お願いしておった方にお願いできなくなったというようなところもあったかもしれませんけれども,そのあたりのところは,今御説明させていただいたような事情ですので御理解をいただければと思います。  もちろん,そのような方々につきましても今後御協力をいただくこともあろうかと思いますので,引き続きの御協力ということでお願いをしておるところでございます。  次に,相談員の方のパソコンの関係でございますけれども,実際にコールセンターのシステムを今,御覧いただきました。あるいは,コールセンターのオペレーター,不安な方は自習をして習熟をしていただくように,非常に前向きに努力をしていただいております。  窓口担当の職員の方は,残念ながらまだシステムを触ることができません。各地におきましてまだパソコンも配置されていないところがございます関係で,触っていただけないということでございまして,10月2日以降でございますけれども,パソコンを利用いただく,あるいは利用いただけない場合には例えば紙ベースでも結構ですので,業務に対応願いたいと考えております。  また,方針でございますけれども,柔軟に考えて欲しいということでございますが,もちろん情報提供業務は全くの新規業務でございますので,柔軟にならざるを得ないというところがございまして,今後とも窓口対応専門職員の方々の御意見を伺いながら,柔軟にそのシステムを作ってまいりたいと思っておりますので,どうかよろしくお伝えください。 山本委員長 吉永委員,どうぞ。 吉永委員 いろいろ,順調に組織化されておりますが,やはりこの制度がどういうふうに動いていくかという最初の3か月ぐらいのつかみの時期というのは,大変重要な時期になると思うんですね。このときに何が起きるのかということを十分に想定して,その中でどういうふうなケアができるかという,ある種,どこかに破たんが見えてきたときに,それにどういうふうに対応していくのかということを,割とシビアな方向でも考えておく必要があるかなというふうに思うんですね。  1つは常勤スタッフ弁護士,先ほど吉川先生の方からもお話がありましたけれども,当初はこれが,その先300名にしても,とりあえずその制度前でも百数十名は欲しいなというようなものの数値を出した以上,そこの中で事が十分にできるというような青写真が描かれていたと思うのですが,それが22名でスタートをするということは,相当にやはり窮屈なというか,無理が生じて当然なんですね。  その時にどのような問題点が起きてくるかということの想定と,その時にマスコミ対応も含めてどう対応するのか,そのことはどういうふうに,お考えになっていらっしゃるのかどうかということが1つです。  もう1つは,やはり22名しかなかったということは,とにかく新しいものに対して挑戦をしていくというこの精神を十分理解して共鳴してくださっていたら,恐らくもうちょっと来たのではないかというような気がするんですね。だから,どこかでまだ不安なものがあったりとか,そこに常勤スタッフとして参加することが,自分の弁護士としての将来との関係性の中で見えなかった部分があったのかもしれない。  これを今後,どういうふうに見えるような形にしていくか。前向きに検討するのはいい,前向きに理解するのはいいのですけれども,その前向きの根拠がしっかりしていないと,「そうだったんですけれども」ということになってしまうかなというふうに思うので,そこら辺のことが1点不安になっています。  それから,もう1つ知りたかったのですが,2つトライアルをしていますね。資料5-3,5-4で結果の御報告があるのですけれども,これは非常に,数値だけなんですね。どのくらいあったかとか,その内訳とかなんですけれども,この中に平均にしてしまうと,こういうものってとても難しい。  6.6分と平均してあるのですけれども,その中に,例えば30分以上かかったもの,1時間以上かかったものがあるのか,ないのか。それは,どうしてそれだけ長引いてしまったのかということですよね。そういうことの,もし何かそんなケースがあったときに,それに対する対応がどういうふうに考えられているのかということが1つです。  それと,ささいなことなんですけれども,「平均後処理時間」という,この「処理」という言葉はすごくぐさっと来ますね。何となく,処理されるのかというような。「後処理」と言ってしまうと,何かもうそこで終わってしまうような感じがするんですね。  これはいいんですよ,そういうふうに考える私が悪いのですけれども。何となくね,人間の問題でものすごく困っている人がいるときに,これは外に表向きに出ないものだったらそれで構わないのですけれども,意識の問題として,「処理」という言葉を何か違う言葉に置きかえられないかなということをちょっと考えました。  それと,これは先ほど,「ああ,こういうシステムでやるのか」というのが初めて具体的に見えてきたので,すごくイメージができるようになったのですけれども,例で教えていただいたのは非常にわかりやすいクーリングオフの話ですね。これを解約をするのだという,「訪問販売解約」という1つのキーワードがはっきりしているケースなんです。  だけれども,本当にトラブルを抱えている人の話を聞くと,話がまとまっていない人がすごく多くて,どこが問題なのかということが本人がわからないから,こっちがわかるわけがないんですね。それは,やり取りの中でだんだん問題点に到達して,「ああ,ここがあなたを悩ましている元なんですね」というのがやっとわかるというケースがものすごくあるかと思うんですね。  そのときに,目標時間というものを設定されたときのストレスというのを考えると,やはりこれはもうちょっと柔軟に対応してほしい。「後処理3分,話の本編が7分で,締めて10分以内を目標にしましょうね」と言ったときに,早く結論に達したくなってしまうのではないか。  そうすると,もう一歩聞くと事の本質というのがわかってストライクゾーンに入るものが,ストライクゾーンが広がってしまったことによって,取り次ぐにしても,何かビンゴのところに行かなかったり何かしたときに,それは,「きっとここですべて助けてくれる,悩みを解消してくれるんだ」と思った人にとっては,「なんだ」ということになりかねないんですね。だから,将来的にこの数値目標を持っていくのはいいのですけれども,試行錯誤の時間にもうちょっとの緩みを持ってほしいなというふうに思います。  それと,やはり思いがけない受け手のストレスと疲労というのはきっとあるのではないかなという気がしますね。やはり,トラブルを抱えている人の話を聞くというのは,ものすごいマイナスのエネルギーを引き受けてしまうことがあるんですね。私はラジオで,ずうずうしくも何か悩み相談みたいものがあって,それをやっているとものすごく疲れるんですよ。それは,やはり人の持っている楽しい話を聞くわけではないんですね,こういうトラブルを抱えているものというのは。  だから,そこのところのケアが,どんなことが起きて,そのときにどんなシステムをやるのかというと,ここでものすごくストレスで,うつ病になってしまった人が増えた何ていうことがまた逆に外に広報されるということは,大きな意味でとても残念なことになるなというふうな,ちょっと取り越し苦労にも近いところがあるんですけれども,やはりここの3カ月は重要だなと思っています。 寺井理事 吉永委員から,幾つかの重要な点が指摘されたと思いますが,まず,最初に御指摘のあった,10月から業務が開始されて,何が起こるかわからない,それに対する対応,体制はいかがなものかということでございますけれども,その点は,実は以前の評価委員会の席でもこの問題を,どう考えるのかということで質問,意見が出されておりました。私どもはそれを受けまして検討を加えて,実は明日の支援センターの執行部会で,支援センターの組織の機構としての設置を決めることを考えております。  つまり,ユーザーから,市民の方々からの相談が起こったときに,様々な苦情,御意見が寄せられるだろう,それは,大きいものから小さいものまで,システムの問題から,あるいは個々のオペレーターの対応問題まで,様々なものが寄せられるだろう,それにどう対応していくのか,それをきちんと分析をして,それに対する改善,改革の方向を考えていく,そういう企画室をつくろうではないかと考えております。  御承知のとおり,契約弁護士や契約司法書士が何らかの問題を起こした場合には,審査委員会でいろいろ問題点を御審議いただくことになりますけれども,その他様々な苦情,御意見というのは相当価値のあるものがある,それを一つ一つ分析してやっていこうということで,文字通り理事長を最高責任者とし,実務責任者もしっかり置いて,日々の動きをキャッチしながら様々な対策を練っていきたいと思っています。  明日の執行部会でこれを設置しまして,全国の地方事務所にも,その具体的な構想を発表する予定にしております。石井課長が担当としてまとめてきましたので,もし補充があったらお願いしたいと思います。  スタッフ弁護士について,更にセンターの魅力とか,仕事の魅力をもっと押し出すべきではないかということについては,御指摘のとおりですので,さらに担当部署で検討していきたいと思います。  コールセンターについても細かい注文が出ましたので,関課長から,御報告いただきたいのですが,まず石井課長,吉永委員のおっしゃった最初の部分についての補足の説明をいただけませんか。 石井課長 事務局の石井でございます。  今,寺井理事から御指摘のあった企画室でございますが,基本的な考え方として,先ほど「処理」という話が出ました。「苦情」とか「要望」とか「声」とかいうと,どうしても,どう対応するか,つまり,どうブロックするかという方向に組織としては防衛本能的に動いてしまいます。  ただ,センターの場合には,全く新しい業務を,しかもユーザーのために,利用者のために行うわけですから,そのニーズをどうやってつかまえるのかというのが非常に重要な要素になってくるだろうと。その際に,もちろん苦情等に対してきちんと対応していく,理由のないものについてはそれなりに処理していくということは必要なのだと思うのですが,ただ,様々寄せられる声には,理由のあるもの,ないものも含めて,その中にキラリと光る,業務の改善に役立つ情報というものがあるのではないか。それを,きちんとアンテナを広げて拾い上げていける体制を作るべきではないのか。  これは,吉永委員が当初御指摘された3か月内にとんでもないことが起こるかもしれないという,それに対するお答えとしては不十分なのかもしれませんが,組織の在り方として,そうした点にきちんと意を払っていく,そういうものを作り上げるべきではないのか。  あと,もう1つは,声の大きい人の声は届きやすいのですけれども,なかなか届きにくい方もいらっしゃいます。典型的には高齢者の方であったり,障害者の方であったり,そうしたいわば声の小さい方,届きにくい方のニーズといったものをきちんと把握できるようにする。それを業務の上で反映できるようにするべきではないのか。  そういうことで,今,御説明のあった室の構想を現在検討しているところでございまして,なかなかそうたやすいことではないのではないかとは思っておりますが,なるべくその趣旨に沿った形で運営ができるような体制を整えてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 関課長 それでは,コールセンターの関係でございますけれども,まず,30分,1時間かかるような対応,どのような対応があったのかということでございます。これは,記録で当然すぐに見ることができます。したがって,それを分析しまして,なぜそのように長い対応になっておるのかということを毎日把握しております。  ただ,通常のお問い合わせは30分かかるようなことはございませんで,大体10分程度で終わるというのが通例でございまして,30分以上の方のお問い合わせというのは,大体クレーム的な方が多いということでございます。  これも,実を申しますとコールセンターの役割の1つでございます。このような長いクレームについてもコールセンターで対応する。つまり,現場にはそのようなものは流さないということもコールセンターの役割の1つでございまして,そのような対応を行うためにSVがいるということにもなります。SVは電話のプロでございますので,そのような方についても対応していただくことになります。  次に,「後処理時間」という言葉は余りよくないという,非常に心打たれるような御指摘,ありがとうございます。本当に,言われてみますと,なかなか気がつかないものでございまして,確かに「処理する」というのはいかがなものかというふうに私も今自覚いたしました。言い方,言葉を考えたいと思っております。どうもありがとうございました。  また,3番目の御質問で,焦れば焦るほど,きちんとポイントをつかむことができないのではないのかという御指摘もございました。  御指摘のとおりでございまして,実は一番最初の試行でございます鳥取の試行の際,お電話がたくさんかかってきたものですから,「とにかく急いで電話を切るように心がけてほしい」ということでオペレーターの方にお願いしたところ,かえって電話が長引くという逆転現象が起こっております。  御相談いただく方は,とにかくきちんと話を聞いてほしいという気持ちが非常にございまして,こちらの方で早く切りたいと思いますと,あちらの方も敏感に気づきまして,「ちゃんと聞いてください」ということでかえって長くなってしまうというのが逆転現象の原因だと判明いたしまして,その後,方針を変更いたしまして,とにかく丁寧に聞くようにと。まずはお話をいただいてから,適宜ポイントをつかんで,最終的に関係機関,あるいは法制度を御紹介するようにということで,研修でもそれを徹底しております。  また,オペレーターになっていただく方,消費生活相談員の方々でございますが,もともとそういうお話のポイントをつかむのが非常にお上手な方々でございますので,10分間という目標時間は飽くまで我々管理する側の目標値でございまして,オペレーターの方々には,もちろん長く話していいとは言っておりませんけれども,丁寧な対応,聞く耳を持つようにということで指導をしているところでございます。  また,最後の精神的なケアという点,御指摘ごもっともでございまして,我々もその点,十分配慮をしているつもりでございます。  先ほど申しましたように,休憩時間を自分で適宜とるようにということで指導をしておりますし,また,SVが常時オペレーターの健康状態,あるいは顔色等,見ております。また,モニタリングしまして,非常に難しい問い合わせの後には,「少し休んだらどうか」というような声もかけるようにいたしております。今後も,十分な精神的なケアをいたしまして,3か月間,とにかくどなたも健康を害されることのないように,また,対応につきましても十全な丁寧な対応を心がけましてやってまりたいと思っております。  どうもありがとうございました。 寺井理事 大塲次長から,どうぞ。 大塲次長 今,吉永委員の方から最初にスタッフ弁護士の関係についてちょっと御指摘がありましたので,若干補足させていただきます。  スタッフ弁護士の人数は,今回のスタートの時点では22名ということでやっていくわけでありますけれども,日弁連の方で平成21年の体制で300人ぐらい必要であろうと,こういうことを目標を立てておりまして,私どもの方もその人数をこれから具体的に,どの段階でどれだけ必要なのかというのを検証していく,こういった前提でございます。  法テラス,支援センターといたしましては,今年度,最初のスタートのときに百数名という,これは具体的な数字,目標としては挙げてはいなかったというふうに理解しております。  ただ,御指摘のとおり新しい制度で,特に弁護士の働き方といいますか,活躍の場としては全く新しい制度であります。私ども,4月に設立されてから,リクルートを本格的に開始したり,あるいはスタッフ弁護士に特有のいろいろなルールといいますか,就業規則についても1つそうですし,新しくなっていただく方のためのいろいろなルールづくりなどもしております。スタッフ弁護士として働く方からすると,支援センターはまだ仕事をしていないという組織である。なおかつ,自分たちがここで働くときのルールなんかも,まだ同時進行で作られているところであるといったことから,スタッフ弁護士がどういうものかなかなか姿が見えない,こういったこともあったので,それほど多くのスタッフ弁護士が集まらなかったと思います。  先ほど寺井理事の説明にもありましたように,まさに1期生のスタッフ弁護士の方々が各地で活躍することによって,さらに,若い弁護士や,あるいはほかの弁護士から見て,「こういうことであれば自分たちも是非やってみたい」と,こういうような思いをするような活躍をしてほしいと思っておりますし,支援センターといたしましても,スタッフ弁護士がそういった活躍ができるようなサポートをしていきたいと,そんなふうに思っております。 嶋津委員 今のに関連してですけれども,さっきの理事の御説明だと,新卒の中から22名,58期の方が22名,スタッフ弁護士には既卒の人も含めてということですか。 寺井理事 58期生だけだと10名ぐらいでしたか,ちょうど半分ぐらいで,57期以前のいわゆるシニアの弁護士も半分ぐらいおります。 嶋津委員 59期とか60期を待たなくても,例えば300名体制になるとか,そういう可能性はあるわけですね。既卒の人なんかも含めて,今,門戸は開いておられるわけですね。 寺井理事 門戸は開いておりますけれども,59期生,60期生,61期生の若い弁護士に期待しないと,300名になることはかなり難しいのではないかと認識しています。 嶋津委員 あわせて,既卒の人の募集もするわけですね。 寺井理事 これから,常勤・非常勤という形で行っていくつもりでおりますが,何といっても,委員の皆様も御承知のとおり,自分の事務所を構えて定着した仕事をしながら,クライアントもいるというような状況で,任務意識だけでそこを閉じて過疎地に行くということは,なかなかそれ自体に難しい面もあります。逆にその中でそういうことをやっていただける方については大変な敬意を表しているのですが,それが方策として今後ずっと可能かということについては,なかなか難しいかなとも思っています。  その意味で,大量のスタッフ弁護士を確保していくためには,やはり新卒の方に,一定の研修期間を経て常勤になっていただくというのが一番の道かなと考えているところです。 山本委員長 よろしいでしょうか。  他にいかがですか。どうぞ。 小林委員 コールセンターのことについて,FAQを特定して伝えるということになるかと思うのですけれども,どのような伝え方をなさるのかお話しいただかなかったので,これは読み上げるのですか。相手の方に,多分,1回読み上げただけではわからないのではないかなと思います。  もう1点ありまして,先ほどの「後処理」という名前の問題なんですけれども,本当に中身を正確に表すかどうかということは二の次で,当たり障りのない言い方ということになるとすると,例えば「記録作成時間」とか,何かそういうふうにすると,ひょっと口に出してしまっても,だれも傷がつかない。 寺井理事 ありがとうございます。  それでは,FAQにつきましての説明を関課長からお願いいたします。 関課長 ありがとうございます。「記録作成時間」ということで,検討させていただきます。  FAQの関係でございますけれども,御覧いただきました「回答」というところと「説明」といういうところがあったかと思います。基本的には,「回答」というところをお答えさせていただく。コールセンターでございますので,なるべくオペレーターが一目で見て答えられるようなものでございませんと,長々読み上げるということですと意も伝わりませんので,短い回答を心がけております。  したがいまして,例えばでございますけれども,友達に20万円貸して困っているということであれば,「少額訴訟という制度を御存じでしょうか。少額訴訟という制度であれば,簡易裁判所で1日で,御自身で手続をすることもできるような手続です」というところがFAQに載っておりまして,関係機関データベースで,そのような少額訴訟ということを入れますと,例えば簡易裁判所の住所地,あるいは電話番号が出てくるというようなイメージでございます。  そのほか,「説明」というのがございまして,ここはオペレーターの勉強用でございます。バックボーンの知識ということで,回答欄を説明するに必要な知識として,「説明」部分があるというような位置づけでございます。  もちろん,これだけでお答えできるわけでもございませんので,一応の回答例ということで,今現在も希望者に対しまして,うちに来ておられる弁護士の方,あるいは消費生活相談資格者のベテランの方からも御講義をいただいて,自主研修等もやっております。そのようなことで,法的知識の積み上げもしてまいりたいと考えております。 山本委員長 ありがとうございました。  そろそろ予定されております時間を過ぎてまいりましたが,いかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。  それでは,これで質疑応答の時間を終わりたいと思います。 寺井理事 私ども本部は,地方事務所との連携・協力が特に重要であるということで,現在,週に1回,本部で掌握している組織・業務に関する様々な情報を提供して,地方事務所の方からもそれに対する問い合わせや要請がなされ,意思疎通を図っているところでありまして,吉永委員がおっしゃるように,この3か月,6か月というのはまさにそれがさらに拡大していくだろうと思われますので,それを強化していきたいと思っております。  つきましては,私どもとしては,評価委員の先生方にも適宜様々な情報を提供していく必要があると考えておりますし,また,評価委員の先生方も,本日も中野坂上に来ていただきましたし,総務関係の本部は市ヶ谷にありまして,駅からすぐ近くでございますので,会議とは別に,いつでも理事長なり私どもをお訪ねいただいて,どうなっているんだと,その場で気付いたこと,問題点を指摘するということを,定例の会議のほかに是非工夫していただければと思っておりますので,よろしくお願いしたいと思います。 山本委員長 ありがとうございます。大変有り難いお申出かと思いますので,委員の皆様にも,是非積極的に御対応をいただければと思います。  それでは,最後になりますが,今後の評価委員会の開催予定につきまして事務局の方から御説明をいただけますか。 井上課長 次回以降につきましては,今のところ未定でございますけれども,委員長に御相談申し上げまして,日程を調整して,適切な時期に開催の御案内を差し上げたいと思います。  必ず法律上やらなければいけないのは来年度になってから,今年度の事業報告書が出たものを踏まえた事業評価というものがございますけれども,恐らくは,新規に業務を開始していろいろなことがございますので,今年度中に,途中経過的にもう1回開催した方が適切かなという気もいたしますので,状況を見ながらまた委員長と御相談して,先生方に御連絡を差し上げたいと思ってございます。  なお,議事録につきましては,これまでと同様の作り方で今回も対応させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  以上です。 山本委員長 ありがとうございました。  本日は,開業直前のこの時期に,まさに現場の第一線であるこの場所で評価委員会を開催することができたということは,大変大きな意義があったのではないかと思います。私も,個人的には大変わくわくした思いをさせていただきました。  開業直前の大変お忙しい時期に,貴重なお時間を割いてくださいましたセンターの金平理事長をはじめ,皆様に厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。  それでは,これで第5回の評価委員会を終了させていただきます。  本日は,どうもありがとうございました。 -了-