日本司法支援センター評価委員会 第14回会議 議事録 第1 日 時  平成20年10月30日(金)  自 午前10時03分                         至 午後12時14分 第2 場 所  東京地方検察庁11階共用会議室 第3 議 事  (1) 日本司法支援センター業務方法書等の変更に関する法務大臣認可に当たっての意見について  (2) 平成19年度業務実績評価の追加検討(契約の適正実施確保の取組について) 議      事 山本委員長 それでは,定刻になりましたので,ただいまから第14回日本司法支援センター評価委員会を開催いたしたいと思います。   委員の皆様におかれましては,本日も御多忙のところ,御参集をいただきまして,誠にありがとうございます。本日もどうかよろしく御審議のほどをお願いいたします。   本日は委員9名の御出席をいただいておりますので,定足数であります過半数の要件は満たしております。   それでは,本日の議題でございますが,主な議題は4つであります。   第1は,国選被害者参加弁護士制度の施行の関係で,法務大臣が新たに設ける国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款を認可し,業務方法書及び法律事務取扱規程の改正を認可するに当たっての本評価委員会の意見についてということであります。   第2は,少年審判を被害者等が傍聴する場合の国選付添人制度というものができたということで,その施行の関係でやはり法務大臣が国選付添人の事務に関する契約約款を認可するに当たっての本評価委員会の意見についてであります。   第3は,やはり新しくできる制度で,損害賠償命令という制度ができますが,その関係で被害者等が民事法律扶助制度を利用する場合に対応し,また法律相談援助の資力要件確認を合理化するための民事法律扶助に関する業務方法書の改正を法務大臣が認可するに当たっての本評価委員会の意見についてであります。   第4は,契約の適正化の問題についてということであります。   これらの議題につきまして,それぞれ日本司法支援センターの方から御説明をいただき,各委員に御検討いただいた上で,当評価委員会の意見の取りまとめをさせていただきたいと考えております。本日の議題,議事進行については以上のようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 大変盛りだくさんな内容でございますので,議事進行に御協力いただければ幸いであります。   それでは,まず資料等について事務局から御説明をお願いいたします。 中川参事官 事務局から配付資料についての御説明をいたします。まず,お手元の配付資料目録に記載されている資料ですが,資料1は支援センターの業務方法書,法律事務取扱規程の変更案をまとめたものでございます。資料1-1が業務方法書の改正部分の新旧対照表,資料1-2が改正後の業務方法書,資料1-3が法律事務取扱規程の改正部分の新旧対照表,資料1-4が改正後の法律事務取扱規程になっております。   本年12月1日に刑事訴訟に一定の重大犯罪の被害者が参加することができる被害者参加制度と経済的に余裕のない被害者が被害者参加をする際に国選の被害者参加弁護士を選定する制度が施行されます。支援センターは,国選被害者参加弁護士の選定に関する業務を担うことになりますが,その関係で業務方法書と法律事務取扱規程の一部を改正する必要が生じます。そのための支援センターから業務方法書と法律事務取扱規程の変更についての認可申請があり,法務大臣の認可に当たり本評価委員会の御意見をいただきたいと思います。   なお,国選被害者弁護制度の実施に伴い,国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款を新設する必要が生じております。この約款については現時点で支援センターから正式な認可申請はありませんが,支援センターで検討中の申請案をお手元に別のファイルの赤いインデックスの付いたファイルがあると思いますが,その机上配付資料1としてその申請案をお配りしております。この机上配付資料1が約款で規定する事項のうち,国選被害者参加弁護士に支給する報酬等の概要をまとめたものでございます。   それから,同じく赤いインデックスの資料2が約款本体の案でございます。この内容で認可申請があった場合に法務大臣が認可して差し支えないか否かという観点で御意見を賜りたいと考えております。   このほか,国選付添人の契約約款の変更についても御意見をいただきたいと思っております。本年5月の少年法改正によりまして,故意の犯罪行為により被害者を死傷させた事件等について,被害者等から申し出があり,家庭裁判所が相当と認めるときは被害者等に審判の傍聴を許すことができることとされておりますが,被害者等の審判の傍聴を許すには家庭裁判所があらかじめ弁護士である付添人の意見を聴かなければならず,弁護士である付添人がいないときは弁護士である付添人を付さなければならないこととされております。そのため,国選付添人が付される場合にその国選付添人に支給する報酬等について規定する必要があり,国選付添人の事務に関する契約約款の一部を改正する必要が生じております。   また,国選被害者参加弁護士制度の実施の関係で,国選付添人の約款について規定の整備が必要になる部分がありますので,その改正もすることとしております。   そこで,先ほどの机上配付資料,赤いインデックスの資料3が国選付添人約款の改正部分の新旧対照表で,同じく赤いインデックスの資料4が国選付添人の約款本体になります。国選付添人の約款につきましても支援センターから正式な認可申請はございませんが,現在,支援センターが認可申請をしようとしておられる案につきまして,仮にその内容で認可申請があった場合に法務大臣が認可して差し支えないか否かという観点から御意見をちょうだいしたいと思っております。   続きまして,配付資料の方に戻ります。青いインデックスの資料2は民事法律扶助関係の資料です。民事法律扶助の関係では本年12月1日に施行予定の,先ほどございました損害賠償命令の手続に関して,これを法律扶助の対象とした場合の立替基準を新設する必要があり,そのために業務方法書の改正が必要になります。また,法律相談援助について,代理援助等と同一の詳細な資力基準を適用しているのを改め,利用者にとって過度の負担にならないよう資力基準を合理化,簡素化する予定ですが,そのためには業務方法書の改正が必要になります。   これらの業務方法書の改正については支援センターから正式な認可申請がされておりますので,法務大臣の認可に当たり評価委員会の御意見をいただきたいと思います。   資料2-1は法律相談援助を実施する際の資力要件確認の合理化に関する資料です。資料2-2は損害賠償命令手続の利用に関し,法律扶助を行った場合の代理人の報酬等の立替基準に関する資料です。なお,先ほどお話ししたとおり,民事法律扶助の関係で業務方法書の改正も必要になりますが,これに関しては先ほどの青い配付資料1-1,1-2を参照していただきたいと思います。   続きまして配付資料3でございますが,これは契約の適正化に関する資料でございます。資料3-1は日本司法支援センターの監事が作成した契約の点検結果についての報告書,資料3-2は平成19年度の日本司法支援センターの契約状況表,資料3-3は競争契約一覧表,資料3-4は随意契約一覧表,資料3-5は付属説明書でございます。   なお,以上に御説明したほかに赤いインデックスの残りの部分として机上配付資料を幾つか用意させていただいております。赤いインデックスの配付資料5が本年8月に改正されました国選弁護人の報酬基準概要です。国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款等の御検討に当たりまして御参照いただければと思います。   続いて,机上配付資料6は国選付添制度の概要に関する資料です。国選付添人の約款改正を御検討いただく際に参照いただければと思います。   続きまして,机上配付資料7,8は日本司法支援センターの業務方法書,法律事務取扱規程です。国選被害者参加弁護士関係,民事法律扶助関係の御検討の際に適宜御参照いただければと思います。   そして,机上配付資料9,10は会計規程,契約事務取扱細則でございます。契約適正化についての御検討の際の参照にお使いいただければと思います。資料につきましては以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。それでは,議題の1番目としまして国選被害者参加弁護士及び国選付添人の事務についてのそれぞれの契約約款について御議論いただきたいと思いますが,この点については先ほど事務局からの御説明にありましたように,まだ正式の認可申請はされていないということで,この内容での認可申請がなされたならば法務大臣は認可をしてよいかどうかという停止条件付きといいますか,やや変則的な形になっておりますが,御審議をいただければと思います。   それでは,まずこれらの約款の概要について日本司法支援センターからの御説明をいただければと思います。 高際課長 犯罪被害者支援課長をしております高際です。まず,私から国選被害者参加弁護士の関係につきまして御説明申し上げます。国選被害者参加弁護士契約約款の策定及び業務方法書等の改正は,本年12月1日に被害者参加制度及び被害者参加人のための国選弁護制度が施行されることに伴いまして,国選被害者参加弁護士の選定に関する事務が法テラスの業務になるために行うものです。   国選の被害者参加弁護士の選定に関する事務の流れですけれども,まず選定を希望する被害者参加人は選定請求に必要な書面を全国の法テラス地方事務所を経由して裁判所に提出します。法テラスでは提出書面の記載内容を確認し,また記載方法等について必要な助言を行います。そして,請求者である被害者参加人の意見を聴いた上,契約弁護士に被害者参加弁護士候補として指名することについての意向打診を行い,承諾を得たときには,裁判所に対し,この弁護士を国選被害者参加弁護士の候補として通知します。そして,裁判所はこの弁護士を国選被害者参加弁護士に選定する,原則としてそういった流れになります。   次にこの新しい国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款の概要について御説明いたします。国選被害者参加弁護士契約約款は国選弁護人契約約款と同様に約款本則と算定基準により構成されています。約款本則においては,約款に基づく契約を基本契約と位置付けまして,これに基づく指名通知によって個別事件に関する権利義務が発生するという構成を採用し,契約の締結,指名通知,報酬の算定についてなど,概ね国選弁護人契約約款と同様の内容となっております。   国選被害者参加弁護士に支給する報酬につきましては,赤いインデックスが付きました机上配付資料1に基準設定の考え方等を記載しておりますので御覧ください。   国選被害者参加弁護士の報酬は主に基礎報酬と公判加算により構成されておりまして,被告人国選弁護報酬と同様です。その上で被害者参加弁護士の業務の特性に配慮した報酬体系としています。   被害者参加弁護士の業務の特性とは次の2点を考えております。1つは被害者参加人との関係において心身ともにつらい状況にある被害者に応対し,その要望を聞いたり,検察官と協議するなど,公判前の業務量が多いこと。そして,もう1つは国選弁護人に比べて公判廷における権限が法律上限定されていることです。   この考え方に基づきまして基礎報酬及び加算報酬を設定しております。   まず基礎報酬については,机上配付資料1のとおり準備に最低限必要な業務量を考慮した額を考えております。これは被告人国選弁護においては公判前整理手続に付された裁判員対象となる事件の場合とほぼ同様の額となります。   加算報酬につきましては,検察官との打合せ等の労力に対する公判前整理手続対応加算等を設定いたしました。これは1期日分の打合せは基礎報酬に含めまして,2回目以降の期日に関するものを加算対象にしております。   一方,公判廷における活動は国選弁護人に比べて限定されていることなどを考慮し,公判時間に応じた加算については算定基礎となる時間の刻みを粗くしまして,また低額の設定としております。   次に青いインデックスがつきました配付資料1-1,業務方法書の新旧対照表を御覧ください。国選被害者参加弁護士の選定等に関する事務が法テラスの業務になることから,被害者国選弁護関連業務について業務の方法を定めることとしました。当業務は国選弁護及び国選付添関連業務とともに総合法律支援法30条1項3号の業務として位置付けられたことから,業務方法書の改正に関しましても国選弁護及び国選付添関連業務及びその付帯業務について規定しています第71条以降,第3節以降の改正を行うこととしています。   国選被害者参加弁護士に関係する文言の修正のほか,第74条の2としまして選定請求を受け,意見を聴き,候補を指名,通知するという国選弁護人とは若干異なる指名通知の方法についての規定を設けております。   また,配付資料1-4にございます法律事務取扱規程については,法律事務取扱の基準を定めております第4条を改正し,国選被害者参加弁護士,被害者参加人等の文言を加えております。   国選被害者参加弁護士制度の施行に伴う改正等に関する御説明は以上でございます。 龍見課長 続きまして国選付添人契約約款の改正案について,国選弁護課の龍見より御説明申し上げます。お手元の赤いインデックスを付けました机上配付資料3と4と6を御参照いただければ幸いでございます。今回の国選付添人契約約款の改正案は本年12月15日に施行予定の少年法改正に伴うものでございます。改正法の施行によりまして,家庭裁判所は一定の重大事件におきましては,被害者等による少年審判の傍聴を許すことができることとなりました。傍聴を許すにはあらかじめ弁護士である付添人の意見を聞かなければならず,このような付添人がいないときには,弁護士である付添人を付さなければならないこととなっております。   現行法の国選付添人といたしましては,検察官関与決定がされた場合に選任される国選付添人と観護措置がとられた場合に選任される国選付添人がございますが,改正法により新たに被害者等の少年審判の傍聴に関する国選付添人というものが加わることになりました。今回の契約約款の改正案は改正法による国選付添人に対して支払うべき報酬の根拠規定を設けるというものでございます。   改正法による国選付添人につきましては,対象事件は重大事件を対象にしているということ,被害者が少年審判を傍聴する場合におきまして少年に及ぼす心理的負担をできる限り柔らげるという観点から選任が必要的とされていることからいたしますと,その労力は観護措置がとられた場合に選任される国選付添人の労力と同程度と想定されますので,改正法による国選付添人の報酬基準は観護措置がとられた場合に選任される国選付添人の報酬基準に準じることといたしました。   そのほかに被害者参加人の国選弁護制度の実施に伴い,遠距離面会等加算報酬及び同交通費に関する規定を整備することといたしました。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。以上です。 山本委員長 御説明は以上でよろしいですか。それでは,ただいまの御説明に対しまして御質問,御意見等がございましたらお願いをいたします。   それでは,私からちょっと。この被害者国選弁護報酬の考え方というところに加算事由というものが存在するのですが,もちろん加算事由が現実に行われていないにも係わらず加算の申し立てがなされて,それに対して報酬が支払われるということはあってはならないことだというふうに認識していますので,そういう意味では加算事由の存否というものを確実に認定し得る仕組みは不可欠なのだろうと思っているところですが,その点からこの面会協議等加算という部分ですけれども,公判前整理手続対応加算とかこういうものは認定が容易にできるのかという気もしますけれども,この面会協議等加算についてそのような事実の認定を行うとすれば,どのような形で行い得るかというようなあたりは御検討はされているのでしょうか。 高際課長 委員長の御指摘のとおり,公判前整理手続については相手方が検察官になりますので,いつ打合せをしたかということは,確認はし得るところかと思います。一方,面会協議等加算というのは,被害者参加人ときっちりと打合せをして参加することができたかという,言ってみれば一番大事なところですので,適切に把握をした上でということになろうかと思います。   業務が始まりましたら,きちんとできているのかというのはいずれにしても正確に把握して,不十分なところは適宜業務のフローを含め改善していかなければいけませんので,この点の把握方法,適切にできているかについての把握方法は引き続き検討してまいりたいと思います。 山本委員長 よろしくお願いいたします。ほかに御意見はいかがでしょうか。   どうぞ。 小林委員 施行が12月ということでお聞きしていますが,今,検討をしていて,それで間に合うのかどうか。これからどういう手順でなさるのか。御予定を教えていただけますか。 坂田参事官 今,委員が御質問になられたのは,先ほど委員長が質問されたチェック手段についてのこれからの検討という意味でしょうか。それとも準備全般でございましょうか。 小林委員 全般でございます。失礼いたしました。 高際課長 本当に時間がなくなってまいったのですが,今,私どもの方で力を入れなければいけないというのは3つあると思っています。   1つは,やっていただく弁護士の確保です。これについては,かねてより日弁連と協議をさせていただいており,各地の弁護士会と私どもの法テラス地方事務所の方でも,被害者支援委員会の先生方を通じた呼びかけというのをかなり前からやっているところでございます。また,日弁連においても被害者支援委員会を通じた被害者参加の研修というのもやっていただいていまして,そちらを御受講いただくような呼びかけも含め各地で活動をしているというところです。   2つ目は,一昨日,昨日と全国の職員を集めた研修をしておりましたけれども,法テラスの中で最も重要なのは地方事務所の中の連携ですね。請求者の方は全国どこの地方事務所でも選定の請求ができる,お受けするという体制で臨みますし,また御遺族の方の場合ですと裁判地と異なるところ,遠方にお住まいで,自分が住んでところの弁護士を付けてほしいというお声もあろうかと思いますので,そのときに受付をさせていただいた事務所と実際に指名通知をする地方事務所がきっちり連携をしていかなければいけないということで,法テラスの中の連携の体制を細かな部分を含め詰めてまいりたいと思っています。   3つ目は関係機関への周知ということで,被害者参加弁護士の選定が必要な方は1日も早く法テラスに来ていただくということが本当に重要になってまいりますので,まずは被害者参加の窓口になります検察官の方に参加の制度,被害者国選の制度をきっちりお伝えいただいて,ご希望の方は一日も早く法テラスにアクセスしていただけるような,そういったお願いなども今しております。また,警察や,被害者支援センターなどの関係機関に,この制度を知っていただいて,必要な方は御案内いただけるような,そういった周知活動にも努めてまいりたいと思っております。 小林委員 ありがとうございます。それは実態的な点だと思いますが,約款等々について私どもが審議するようにというふうに指示していただいているのですが,その成立のためにこれからどういうふうな手順でお進めになるのか。なかなか苦しいところがあるというように伺っていたのですが,その状況がどういうふうになっているのかも含めて教えていただければと思います。 小山課長 それは法務省の方からお答えします。担当の課長の小山でございます。全体といたしましては,評価委員会を今日開催していただきまして,法定の手続といたしましては認可申請を得た後になりますが,評価委員会の御意見を踏まえて認可の手続を進めることになります。それから,今日は先ほど山本委員長からお話がありましたが,停止条件付きということになっておりますけれども,そういうことでございます。   それから,もう1つが最高裁判所の御意見を伺うという手続。それからあとは財政当局,財務大臣の御意見を伺うという手続がございまして,若干報道されたりもいたしておりましたが,端的に申しますと財政当局との下協議もしておりまして,報道されまして若干の日程間の遅れはあるのかなとは思ってもおりますけれども,それは全体的に言いますと,これはよそ様の話ですけれども補正予算案等の作業が重なるなど,そういう事情があったと考えておりまして,粛々と協議は進んでおりますので,法テラスの方で先ほど高際課長から御説明がありましたように既に準備を進めておられますので,当方といたしましては12月1日の施行に支障はないものと考えております。 小林委員 ありがとうございました。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。 井野委員 報酬の考え方ですが,こういった形で固定の部分ですね。基礎の部分を非常に高くすると,変な考え方をすると,例えば一生懸命やっても10万3,000円,そこまでやらなくても10万3,000円という形で非常に業務への対応にばらつきが出てきかねないな。ばらつきが出たときに相手さんが被害者だということで,もし本当に変な対応があると本末転倒になってしまうようなことがあると思うのですが,そのあたりのクオリティコントロールというかチェックというか,それは事前の場合と事後の場合と両方あり得ると思うのですが,そのあたりはどういうふうに取り組まれているのでしょうか。 高際課長 基礎報酬も公判の加算報酬もそうですが,例えば事前に被害者参加人と一度も話もしないで臨んだとか,記録も全く読まないで行かれたとか,そういう場合は一定の額を差し引くということも考えております。   それから,被害者参加弁護士ができる活動というのが法律で決まっておりまして,その中のある部分だけ限定的に委託を受けたという場合はそれに見合った額になってくるのではないかということも含め考えております。 山本委員長 よろしいでしょうか。それでは,他にいかがでしょうか。   特にございませんか。   もし特にないようでしたら,契約約款,それから法律事務取扱規程についての本評価委員会としての意見の取りまとめをさせていただきたいと思います。業務方法書の部分はまた民事法律扶助の関係もありますので,そちらでまた取りまとめをさせていただきたいと思いますが,この契約約款と法律事務取扱規程につきましては皆様の御意見,特段の反対,御異議の御意見はなかったように伺いましたので,国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款,国選付添人の事務に関する契約約款の変更,それから法律事務取扱規程の変更,いずれについても本評価委員会の意見としては法務大臣が認可されるのについて差し支えないという意見になろうかと思いますが,そういうことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。それでは,この2つの契約約款,それから法律事務取扱規程につきましては,評価委員会の意見はいずれも認可して差し支えないということになりました。   なお,この約款,取扱規程の文言等については誤字等,あるいは技術的修正等をする場合はあり得ますが,その場合は私と事務局の方に御一任をいただくということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。それから,先ほど来出ておりますように各約款につきましては現在,日本司法支援センターから正式な形での認可申請はないということで,場合によっては認可申請の内容が変更されるということもあり得ますが,その場合は軽微な内容の変更であれば私の方に御一任をいただき,内容に大幅な変更があった場合には私の方の判断で各委員に持ち回り等の形になろうかと思いますが,御意見をいただいて評価委員会の議決ということにさせていただく,そういうような取扱いでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 やや変則的なことで恐縮ですが,それではそのような形で取り扱わせていただきます。ありがとうございました。   それでは,次の議題に移りたいと思います。次は民事法律扶助関係の業務方法書の変更ということですが,具体的に法律相談援助の資力要件の確認,損害賠償命令手続の法律扶助についての立替基準ということであります。この点についても,まず日本司法支援センターから改正点についての御説明をお願いしたいと思います。 外山課長 それでは,民事法律扶助課長の外山から御説明させていただきたいと思います。   まず法律相談援助の資力基準の簡素化でございますが,配付資料2-1,2枚目に別表が付いているのですが,それを御覧いただきたいと思います。   法律相談援助を受けますためには,現行業務方法書の別表,これが机上配付資料7の一番最後でございますが,業務方法書の別表に定められました資力基準を満たしていることが必要になっております。現行基準は法律扶助協会のころより代理援助に関する基準として制定されてきたものであるために,かなり複雑な基準となっております。配付資料2-1の別表に掲げておりますように全体では33項目にわたっておりまして,資力基準の確認作業に30分近くを要する場合もございます。これでは約30分の法律相談を受けるための手続としてあまりに利用者にとって負担が大きいと思われます。また,基準が複雑ですと法律相談援助について広報する際の障害にもなっております。パンフレットなどの限られたスペースに複雑な基準について説明することは困難であるため,利用者から見て制度が分かりにくいという御指摘もございました。そこで今般,資力基準の簡素化を図ることにしたいと考えております。   なお,具体的な簡素化の方法ですけれども,現行基準の中で資産に関する項目のように確認に時間を要するわりに適用事例の少ない項目などを省略する方法で簡素化したいと考えております。複雑な資力基準の判断項目の一部を省略することによって,資力基準への適合性判断の事務手続を容易かつ迅速にし,もって利用者に迅速な援助を提供しようとするものであります。   続きまして,損害賠償命令事件に関する立替基準の設定について御説明させていただきたいと思います。いわゆる犯罪被害者等保護法の中に損害賠償命令制度についての規定が置かれまして,本年12月1日より施行されるということになっております。この制度は故意の犯罪行為により人を死傷させた罪などに係る被告事件に関しまして,当該事件の被害者などからの申立てにより,当該被告事件の刑事手続の成果を利用し,刑事事件の審議を行った裁判所が損害賠償請求の審判を行うという新しい制度でございます。   その審判は刑事手続に付随して行われるものの,裁判所が行う民事上の損害賠償に係る手続であることから民事法律扶助の対象となるものであり,損害賠償命令事件につき代理援助をする際に法テラスが立替える費用の基準を定める必要があるものと考えております。   具体的な立替基準ですけれども,類似の制度であります労働審判事件の基準を参考にしながら,同事件よりも代理人の労力が比較的少ないと見込まれることなどを考慮いたしまして,配付資料2-2に記載しておりますとおり費用,実費等の基準を定めたいと考えております。   以上,簡単ですけれども御説明させていただきました。 山本委員長 ありがとうございました。それでは,ただいま御説明につきまして御質問,御意見等がありましたらお願いしたいと思います。 知久委員 知久の方から質問させていただきます。先ほどの,法律相談援助の場合の資力基準簡素化ということをご説明いただきましたが,相談の場合にあまりしつこく聞いても本人たちが分からないケースが多いので,このようなことを取り入れていただくのは大変いいことだと思います。その関連で表の中で若干確認したいことがありますが,三角の印がある所が2箇所ございまして,一部簡素化するというのがありますが,これはどの程度の簡素化を考えていらっしゃるのか御説明いただけますでしょうか。 外山課長 御説明させていただきます。これはやや表現の問題という部分もあるのかも分からないのですが,三角が2つございますが,まず上の方の三角,家族が事件の相手方である場合の収入減額要素というところが三角になっておりますが,これはそもそも収入として家族から家計への貢献,その3つほど上でしょうか,を全面的に省略化するということからして,家族というのは配偶者と配偶者以外がありますが,配偶者が事件の相手方である場合に限ってこれを適用していくというふうな趣旨で一部というふうに示しているのが上の三角であります。   それから,下の三角も同様でございまして,資産につきまして現預金だけに簡素化するということですので,もともとの規定ですと配偶者が持っている資産は現預金以外についても減額要素として考慮するということになっておりましたが,それを現預金だけにする,これは論理上当然のことですが,趣旨としてむしろ全面簡素化とほぼ似たような趣旨で三角を御理解いただければと思います。 知久委員 ありがとうございます。 山本委員長 よろしいでしょうか。ほかの点についていかがでしょうか。   どうぞ,岡田委員。 岡田委員 この簡素化に直接係わらないのですが,現在ですが,これは確認ですが,最近,金融商品で被害に遭う消費者というのが大変多くて,何千万と注ぎ込んでしまって,今はすっからかんというような被害者が出てくるのですが,その場合は法律相談援助の対象ではないということを現場の相談員から伺っていますが,それはどうなのでしょうか。   理由としては,そんなに大金を注ぎ込めたのだからというふうに言われたと言うんですけれども,この簡素化のあれを見ますと申込者の現預金が全然ないわけなので対象になるのではないかと思うのですが。これからこの手の相談者は増えると思いますので,できましたら確認させていただきたいと思います。 外山課長 お答えさせていただきたいと思います。委員御指摘のとおり,現に持っておられる現預金の額が基準以下であれば,今おっしゃったような事例につきましても法律相談援助の対象となるものと思われます。ただ,これは現場の運用の中でそれだけの預金があった場合には幾らか残っておられるのではないか。例えば1,000万持っておられて,全部なくなったとおっしゃっておられるけれども,よくよく伺ってみると実は200万円ぐらい残っているのではないかとか,そういう確認を少しさせていただいているということがあるいはあるかも分かりませんけれども,そういう確認の結果,実際,基準以下のものしか残っていないということであれば,当然に法律相談援助の対象となるというふうに考えております。 岡田委員 ありがとうございます。そうしますと,センターから送り込んで,消費者が法テラスで受け付けてもらえなかったと戻ってきた場合は,センターの方から法テラスの方へお問い合わせするということはできますか。この方が戻ってきたんだけれども,どういう理由で援助が受けられなかったか。場合によっては消費者が自分に不利なことを言っていないかもしれないですね,こちら側に。その確認をしないと,現場の相談員というのは法テラスにはそういうものは送り込んではだめだというふうに思い込んでしまうもので,現実にそういう思い込みがかなり多いのではないと思うのですが。 外山課長 委員御指摘の点,誠にごもっともでございまして,実は法テラスが提供している援助,法律相談援助,代理援助,書類作成援助と3つの種類のものがあるんですが,代理援助,書類作成援助につきましては援助を拒否されたという場合には不服申立の手続が設けられておりますが,法律相談援助につきましてはその手続がないために,そういう援助を断られたという方につきまして,きちっと正規の手続で受け止めることができない,そこはやや問題もあるのですが,コールセンターの方にそのようなことを苦情として申し述べていただければ,こちらの方で適切に地方事務所など連絡をとりまして,真に要件に該当していないので援助できないという場合なのか,それともやや地方事務所での運用面に問題があって,本来であれば援助すべき方なのか,そのあたりにつきまして調整を図るといったような運用をさせていただいておりますので,ぜひコールセンターの方に消費者センターからでも結構ですし,御本人からでも結構ですので,御一報いただければと考えております。 岡田委員 それをぜひ徹底してください。私の周辺には伝えますけれども,全国というわけにいかないものですから。ありがとうございました。 山本委員長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。 小林委員 これも確認で,私だけが承知していないことかもしれませんが,この基準額について,一番上の収入額2つと基準額,それから資産のところの申込者の現預金,配偶者の現預金,これは金額がいかほどになっているのを教えていただけますか。 外山課長 お答えさせていただきます。まず収入等の基準額ですけれども,こちらは業務方法書の改正案に金額が明記されてございます。改正案,資料1-2の42ページまでが条文本文ですが,その後に付けております別表1で家族の人数に応じまして収入等につきましては18万2,000円から29万9,000円といった基準を定めております。   それから,資産の方ですが,これは同じくこの別表2の第2の1を御覧いただきたいのですが,理事長が別に定める基準ということで,この法律相談援助指導基準の中には基準額を明記しておりませんが,これにつきましては,家族の人数に応じまして先ほどの収入等の欄で書いております金額のおよそ10か月分の資産の額ということで定めさせていただく予定にしております。実は現に代理援助の際にはそのような基準額を設けているのですが,従いまして具体的には単身者につきましては現預金の額が180万円以下,4人家族であれば300万円以下といったような金額で定めることを予定しております。 小林委員 ありがとうございました。 山本委員長 ほかに。 吉川委員 うっかり契約約款をきちっと読んでこなかったのですが,国選被害者参加弁護士になった人が今度はこちらのこれをやる場合,報酬はどうなんですか。ダブるということはないのでしょう。 山本委員長 損害賠償命令をやられるということですか。 吉川委員 そうです。 山本委員長 被害者参加をやって,その後損害賠償命令を。 吉川委員 被害者国選弁護報酬をもらって,これになって,今度は損害の方についても引き受けるという場合はどうなんですか。 外山課長 御質問の点ですけれども,資料1-2の別表3,一番最後になりますけれども,字が大変小さくて申し訳ないんですが,この別表3の一番最後に損害賠償命令事件についての基準額を記載させていただく予定ですけれども,ここのところにありますこの着手金額のところに記載しておりますように,国選被害者参加弁護士が被害者側の受任者となるということも当然想定しておりまして,その場合には標準額を7万3,500円とするということで定めさせている次第であります。 吉川委員 分かりました。 山本委員長 今の関連ですけれども,損害賠償命令については異議がでれば通常訴訟に移行すると思いますが,損害賠償命令で代理人だった者がその後の訴訟でも代理人になることは多いような気がするのですが,その場合は報酬の調整規定みたいなものはあるのでしょうか。 外山課長 その場合にはいわゆる通常の金銭請求事件ということになりますので,別表3で言いますと一番上になりますが,(1)の金銭事件のところに定められている着手金,実費報酬金の規定が適用になります。ただし,この規定のまた一番下の方に戻っていただいて恐縮ですが,注3というのがございまして,既に代理援助または書類作成援助が行われる事件に関連する事件で両件の間に争点,資料,弁護活動の共通性が高く,受任者の負担が特に軽い場合は着手金を立替支出欄記載の金額の50%程度まで減額して決定することができるという規定がございますので,おそらくそのような案件に関しましてはこの規定が適用されて,幾ばくかの減額がなされるということになろうかと理解しております。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。   特にございませんか。よろしゅうございましょうか。   それでは,法律相談援助の資力要件確認の合理化,簡素化,それから損害賠償命令手続の法律扶助の立替基準,それから先ほどの国選被害者参加弁護士制度の関係も含めまして,この業務方法書全体の改正について,本評価委員会の意見といたしましては認可をして差し支えないということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。それでは,この業務方法書の変更につきましては評価委員会の意見は認可して差し支えないということになりました。どうもありがとうございました。   なお,この業務方法書の変更についても先ほどと同様でありますけれども,誤字のたぐい,あるいは技術的な修正のたぐいについては私と事務局の方に御一任をいただければと思いますが,よろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。それでは,次の議題であります契約の適正化等というところに入りたいと思います。これもまず日本司法支援センターの方から御説明をいただければと思います。 渋谷課長 財務会計課長の渋谷と申します。御説明させていただきます。   まず,御説明の順序でございますが,当センターにおきます契約に関する関連規程の概要とその取組状況について御説明を申し上げさせていただきたいと思います。その次に本件で監事の点検を受けまして,更に貴委員会で御審議をいただくことになりました経緯について簡単に御説明させていただきます。その後,個別の契約状況につきまして,その概要の御説明をさせていただくという順で御説明をさせていただきたいと思います。   まず,センターにおきます契約に関する諸規程の概要と取組状況について御説明申し上げます。まず,全体的なことで申し上げますと,当センターにおきます契約の諸規程につきましては,すべて国におけるそれと同列,同じ並びで規程を定めておりまして,それに基づいて契約実務を行っておりますところです。   その基礎となりますセンターにおける規程といたしましては,資料9にあります会計規程というものがございます。契約関連につきまして13条から20条まで規定がございますが,この15条で規定しておりますように,その契約におきましては入札が原則となっておりまして,17条で随意契約にできる場合を列記するという構成になっております。その中で一定金額以下のもの,いわゆる少額随契と呼ばれる類型等につきまして,更に具体的な金額について,この会計規程の下位規程でございます契約事務取扱細則において定めております。これらの金額等の定めにつきましても,先ほど御説明申し上げたとおり,国のそれと同じ形でございます。   更に随意契約の内容につきましては,契約事務取扱細則の25条におきまして,その内容を公表するという手続が定められておりまして,19年度につきましてもその内容の公表をさせていただいているところでございます。   このようにセンターにおきましては,契約手続においては国と同様の規程を整備して,その規程に従って手続を遂行しているということでございます。   続きまして2点目でございますが,今般,この平成19年度に締結いたしました契約につきまして当センターの監事の点検を受けまして,貴委員会において御審議を賜ることになりました経緯等について簡単に御説明させていただきます。そもそもの背景といたしまして,ご案内のとおりでございますが,国の公共工事におきまして入札談合事件の摘発が行われて,入札契約手続の適正化を図ることが求められましたことから,平成18年2月に政府において各府省の官房長等を構成員とする公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議というものが設置されまして,その各種取組の中で独立行政法人につきましても入札・契約の適正な実施について,各独立行政法人の監事のチェックを受けまして各府省の独立行政法人評価委員会におかれて,その監事のチェックの状況について評価することとされていたものであります。   当センターにおきましては,御案内のとおり独立行政法人そのものではないということから,この独立行政法人に対して要請されている各種取組の対象外ということで政府からその取組に対する要請を受けておりません。また,要請に基づいて具体的な内容として実施されている随意契約の見直し計画の策定,それから契約件数,金額等の定められた様式に基づく統計の策定及び公表ということも実施はしていないところであります。   しかしながら,今年の8月になりまして,総務省から法務省を通じまして今御説明申し上げた経緯,次第はありますものの,独立行政法人に準じて当センターの契約状況についても点検を監事から受けた上,評価委員会からの御審議もいただくようにという要請を受けましたことから,当センターにおきましても国から出資をいただき,また国からの運営費交付金等で運営している法人でありますし,もとより経費節減の厳しい要請のある中で運営をしているところでもございますので,監事に点検をお願いして,本資料にある御意見を頂戴し,今般御審議を賜りたいということでございます。   続きまして,それでは個別の契約状況について概要の御説明をさせていただきたいと思います。   まず,資料の御説明でございますが,冒頭御説明がありましたが,資料の構成といたしましては,青いタグが付いている資料3-1ないし5が関連する資料でございます。このうち資料3-1は監事が点検をした結果についての監事意見でございまして,資料3-2ないし3-5が契約の内容に関する表と補足説明でございます。   資料3-2については契約の全体の状況をまとめました総表でございます。それから,資料3-3及び3-4が個別契約の一覧表となっております。そして,資料3-5がこれらの契約状況に関して補足的に御説明を付した資料ということになっております。   それでは,これらの資料に即しましてその概要について申し述べます。まず,その契約の状況について御説明申し上げますので,全体状況について資料3-2を御参照いただければと思います。資料3-2は契約内容につきまして,一定の金額以上,すなわち,少額随契と呼ばれるものが可能な金額を除いたものをここに掲げております。これにつきましても,先ほど御説明申し上げました独立行政法人において御審議を賜る対象のものと同じものをここに挙げさせていただいております。これらについて,その性格を大きく競争性のある契約と競争性のない契約に分類をさせていただいております。競争性のある契約につきましては,最も典型的なものが一般競争契約で,いわゆる入札を行って契約に至ったものでございます。 このような競争性のある契約が全体で件数として12件でございまして,金額的には約7億8,500万円と全体の約56%になっております。このうち企画競争というのは,いわゆる広報等で企画コンペと呼ばれるものでございまして,入札ではないですが広く対象者を公告いたしまして競争で契約者を決定するということでこちらに分類させていただいております。   また,うち一般競争契約の2年目契約と記しておりますのがコールセンターの構築・運営等業務委託契約でございます。これは平成19年度単年では随意契約になっておりますが,18年度において平成18年10月から20年3月までの18か月の経費によることを入札条件といたしまして,次年度以降も含めて評価するという形で一般競争入札に付したものの2年目の契約ということで競争性の契約として整理をさせていただいたものです。   下の欄の競争性のない随意契約について御説明を申し上げますと,これが件数的には86件となっておりますが,これは支援センターが全国規模の組織である性質上,事務所や職員宿舎の賃貸借契約件数が60件,ここに冒頭の表の中のピンクで色付けをしておりますが,60件と多数にのぼっておりまして,これが件数で全体の約61%を占めていることによります。  この土地建物の借料につきましては,国及び独立行政法人におけるいわゆる随意契約の見直しという検討の中にありましても,その場所でないと行政目的は達しえないとの理由から供給者が特定されるものというふうに範ちゅう化されておりまして,競争的でない随意契約によることがやむを得ないと認められるものとして位置付けられているものでございます。   今申し上げました事務所,宿舎の賃貸借契約以外では会計監査人契約が1件,それから政府におけるCIO補佐官に類した顧問契約的な契約が1件と,それぞれ全体の約1%を占めています。それと,他との互換性がない,具体的にはいわゆるコンピュータシステム関係の契約が15件となっております。これらの契約につきましては,その性質上,相手方が1社に限られてしまうものです。会計監査人につきましては,法務大臣の指定を受けるということですし,顧問契約的な,これは情報セキュリティ関連等に関しての契約を弁護士の方にお願いしているわけですが,これもどなたでもよくて入札で募るというものではございませんので,こうしたこと,それからシステムについてもいわゆるメインのシステムとの関係で対象者が限られてしまうということでございますので,随意契約によらざる得ないものと認識しております。   その他の契約とカテゴライズした部分が9件ございまして,それについて資料の3-5のところで更に補足的に説明させていただいております。   表といたしましては,資料3-4の最後の薄い黄色を付させていただいた81番以下の契約でございます。これらについては,契約の種類がかなりバリエーションがあるものですから,それ以上の細かい類型化はしないでその他の契約という形で整理させていただきました。 山本委員長 すみません,審議時間の関係がありますので,御説明については御配慮いただければと思います。 渋谷課長 はい。詳細につきまして資料3-5の補足説明の中で記させていただきましたが,これらにつきましても,事務所の維持管理上の必要性から契約相手方が事務所の賃貸人から指定されるですとか,あるいは図書に関しては一括購入契約等により格安の値段で提供されたというような事情を踏まえて,それぞれの規程に当てはめをした上で随時契約とさせていただいたというものでございます。   これらの契約について点検を受けました結果,監事から御意見を頂戴したというのが資料3-1の内容でございます。資料3-1を御参照いただければと思いますが,監事の御意見の概要といたしましては,数件の随意契約について御指摘をいただいておりますが,これらの契約も含めて,その契約状況やその後の改善状況に加えまして,3-5の末尾に付けさせていただいておりますが,適正な契約手続きの要請とその要請に応えるために必要な事務手続等についてセンター内部において周知徹底を図るなどをしていることも含め,随意契約の適正化の推進について積極的に対処しているものと認めるとの御意見を頂戴しているところでございます。以上です。 山本委員長 ありがとうございました。それでは,ただいまの御説明につきまして御意見,御質問等をいただければと思います。 宮野委員 この一覧表は一覧してまいりまして,感じたことを話させていただきます。契約については会計規程等で規定されていて,随意契約による場合と随意契約によった場合はその理由等を公表することを定めています。   そこで例えば第3表,ここで言うと資料3-4の項目で言うとNO.1と2についてですが,随意契約の理由を見ますと企画競争により契約の相手方を特定したため随意契約したということになっています。「企画競争により契約の相手方を特定した」場合は,随意契約にした理由に該当するのか,本契約は,根拠条項として,随意契約を行う場合の第17条第1号,即ち「契約の性質又は目的が競争に適しないとき」に当たるとしておりますが,そのような取引ですか。「企画競争により契約の相手方を特定する」場合でも,競争入札を行うことができると思いますが,本契約が,随意契約というのであれば,契約の性質又は目的が競争に適しない取引の契約であるとの理由説明が十分ではないように思われます。企画競争は,企画力の競争,経費節減のためという理由もありましょうが,どちらかというと企画力の競争,即ち,質に力点が置かれているように思います。法テラスが求める要件を満たすような企画力を有する業者が限られている場合以外は,随契にした理由にならないと思います。業務委託は,一般競争入札による契約をできないのかどうか。できるのではないかという感じ。だから,一般競争入札による契約に適さないのだという理由をきちっと書いておく必要があるのではないか。これが欠けていると思います。だから,理由の書き方が適切でない。このように思います。   それから,NO.3です。これを見ますと「平成18年度に複数の年度に渡る契約とすることを前提に入札した案件であるため。」と随意契約の理由に記載されています。これは平成18年度で行われた一般入札の入札という意味なのでしょうか。そうすると,複数年に渡る契約について,一般入札の契約は入札が行われた次の年度から随意契約扱いになるのでしょうか。   もし,これを一般入札でやったのであれば随意契約の一覧ではなくて一般入札の方の,前の資料の1の中に入るのでないだろうか。資料3-3の競争契約一覧表ですね。それに当たるのではないか。そうすると随意契約で記載されているのだけれども,これでいいのだろうか。逆に本当に理由に書いてあるように一般入札でやったのだろうか,18年度において。この辺の疑問がちょっと残ります。18年度の業務報告書を見ますと随意契約一覧表は載っておりません。だから比較のしようがないということで,18年度は会計規程による原則の一般競争入札で行ったのかどうか。こういう疑問を感じました。   それから,項目の64で会計監査人の契約について,法務大臣から選任された会計監査人だ,こういうふうに書いてあります。会計監査人は法務大臣が選任することに定められているのでしょうか。探したけれども,見つからないので教えていただければ。法務大臣が契約するというのであれば,これは随意契約と言うのだろうかとか,法定のものであればそれに従うという話なのではないか。こんな気がしております。   それから,透明性を欠くなというのが,金額は大したことないんですが81項です。81項に事務所改修工事というのがあります。随意契約の理由を見ますと契約の相手方となるべきものが貸主から指定された。こういうことを書いてあるわけですけれども,これは不正に通じるというか,非常に好ましくないのではと感じておりますし,またこの契約の相手を見ると有限会社下田不動産取引と書いてあります。事務所の改修工事を不動産会社がやるのだろうか,こういう疑問を持ちました。   また,実際の不動産取引会社がやったのではなくて,その工事をやったのは別の会社,工事会社がやっているのではないかと思うんですけれども,この辺が見た感じ不自然さを感じる,この取引は。不透明ですね。これをちょっと感じました。   それから,項目の83と84です。理由を見ますと本製品は契約の相手方が製造したものだからこの人にやらせたというのも変な書き方ですね。本製品でなくても,法テラスが求める要件を満たすようなソフトはこの会社以外にも作っているのではないか。そんなふうに思うので,もしこの会社以外に法テラスで必要なソフトは作っていないのだというのであれば,この会社でやるしかないんだという理由を付すべきではないか,このように思います。だから,この場合,書き方としてないなら今の言ったような書き方,あるならばどうしてここを選んだかを明確にすべきだ。こんなふうに感じました。   それから,資料3-1で監事の調査結果が書いてありますけれども,監事の監査というのは法テラスの会計規程があるわけですので,その会計規程に従っているかどうかを監査するのも監事監査の一環ではないかなと思います。そこで監事として点検調査したらこういう事実が出てきた,こう書いてありますけれども,これは通常の監事監査において指摘すべき事項ではないか。このように考えまして監事監査の監査の在り方についても少し疑問を持ちました。   以上,思ったところであります。それぞれの改善方を求めたいなという気がしております。以上です。 山本委員長 ありがとうございました。お答えを。 渋谷課長 御指摘を頂戴した点について若干補足的に御説明をさせていただきます。まず,随意契約の中の第3表の1の企画競争契約について,委員の御指摘は特に記載の方法として,その規定に即して書くのであればもっと別の書き方があるのではないかという御指摘だったと理解をしております。企画競争自体,いわばその企画の内容自体を一般に公表して複数の業者に競わせるもので,大体の予算の枠を提示して広く行われることで,入札ではないけれども競争性の非常に高い契約の類型とされているところでございます。御指摘の部分については,随意契約理由の記載の方法として更に検討の余地があるのではないかという御指摘として検討させていただきたいと思います。 宮野委員 それだけではなくて,そういう記載の仕方,それと一般競争入札はできない類のものですか。 渋谷課長 先ほど申し上げたように,具体的には,これは広報の内容ですが,どういう広報をしてもらうかということ自体を業者に提案させるということでございます。入札にする場合ですと,こちらの方で具体的な仕様をかなり細かく定めて,その中で価格を中心に競わせるということですが,これは契約の性質においていわゆる企画コンペにおきましては,限られた予算の中でどういう有効な広報の案を提示してもらうかということも含めて総合的に評価をするということで,こういう企画競争契約を採ったということでございます。そういう意味におきまして入札に付することが必ずしも適さないで,別の競争的な方法に従って透明で,かつ有効な契約をするという方法でございます。これも競争性のある契約という形で国の契約の中でも位置付けがされているものでございまして,委員からのお尋ねにお答えするとすれば性質からしてこの企画競争の方法によった方が有意な結果を得られる内容の契約であったと考えております。 宮野委員 すみません,もう1つ。この企画競争というのは一般競争入札と随意契約と同じレベルに置かれるものですか。つまり契約には企画競争,3つの種類があるということですか。 渋谷課長 あえて入札と随意契約に分けると入札を行っていないものは随意契約ということになりますので,随意契約となります。したがって随意契約一覧表としております。ただ,随意契約の中で入札と同程度に競争性の高い随意契約の類型と承知をしております。 宮野委員 では,そのような理由のところを明確にそういうものであることを記載すべきだと思います。 渋谷課長 そうしたいと思います。3番目のコールセンターにつきましてお尋ねを頂戴いたしました。18年度に関してここに書いてありますように入札を実施したということは事実でございまして,その際の経費等に関して18か月等の経費計算等が前提となってもいるところであります。ただ,契約期間自体が18年度,単年度の契約をしておりましたので,19年度につきましては随意契約という,契約の形としては随意契約をとったということでここに挙げているところでございます。   それから,64番についてお尋ねを頂戴いたしました。これは会計監査人の選任については,法務大臣から受けると定められております。そうであるならばそもそもこれは随意契約なのかという御指摘,お尋ねを頂戴いたしましたが,契約自体は法務大臣から選任を受けた後,当センターと会計監査人,具体的にはこの監査法人ですが,との間で結ぶということになっております。それにつきましても先ほど申し上げたように入札を行っていないので契約の類型としては随意契約になるということで,ここの表に挙げさせていただいたものでございます。 宮野委員 法務大臣が選任するという規定がどこかにあるんですか。今でなければ後で調べて教えてください。 瀧澤部付 その点につきましては総合法律支援法が独立行政法人通則法という法律を準用しておりまして,独立行政法人通則法で会計監査人は主務大臣が選任するという規定が入っております。法律上,法務大臣が選任するということになっております。 渋谷課長 81番の事務所改修工事について御指摘を頂戴いたしました。これにつきましては,まず契約の相手方なるべきものが貸主から指定されたということですが,事務所自体は賃借をしているという中にありまして,通常ビル等ではそれほど稀なケースではないとも承知しているのですが,ビルが契約をしている工事の関係の業者がおります。これは建物の維持管理上の必要性から,例えば全体にパイプを通しているとか構造上でビル全体に係るものを承知している業者が指定されているということがございます。建物の維持管理上の必要性から相手方が指定されるということでありまして,貸主が単にその場その場でこの業者を指定したということではなくて,指定業者として定められているということで,それについてもチェック,確認を,そういう指定業者になっているということを確認した上で,やむを得ない場合についてはそれに従うという取り扱いをしております。 山本委員長 よろしいですか。その点については,そういう契約があるというのは分かるのですが,貸主と指定業者がうまく組んでというと言葉がよくないですね。提携をして通常の使用価格よりは実際上は業者利益を得ているという可能性も社会的に常識的に見ればあり得るような気もするのですが,そのあたりを契約締結時等にチェックできるようなことは考えられないのでしょうか。 吉川委員 私は弁護士の立場でよく賃貸借契約のチェックをするのですが,厳密に言うと独禁法上の抱き合わせ販売に当たる可能性が高いわけです。貸主が自分あるいは自分の関連会社でしか工事をやらせないという,そういう契約の条項を入れるんですね。大抵入っています。特に大きなビル会社の場合は。私はよくこれは独禁法違反だと言って直せと主張するのですが,工事が建物の躯体部分に関するものである場合には絶対に応じないんです。つまり自分の建物の躯体を自分の知らないどこかの業者にいじられるのは困る。ただ,工事が外面的な内装とか家具とか,そういうもので躯体に関係しないものについては,これは交渉によっては借り主側が選定する工事者を使うということを認める場合もかなりありますので,これは金額的にもそれほど大きくないからそこまで厳密におやりになったのかもしれないけれども,契約の当初の段階でそのあたりはきっちり交渉されるべきものではなかったかとは思います。 山本委員長 ありがとうございました。 渋谷課長 価格につきましては当然,類似の契約等と比較して,不当に向こうの言い値で契約をしているということはございません。それは精査をしております。   判例検索ソフト,82~84の点につきましては委員の御指摘の御趣旨を踏まえまして,更に検討させていただきたいと思います。ただ,通常,こうした契約の場合,入札の場合もそうですが,具体的な製品を特定いたしまして,それを取り扱う業者,複数の業者の中で競わせるということでありますので,この当該ソフトの有用性が高いことが前提ではありますが,本件につきましては製造元ほか同社の系列企業しか販売しておらず,それ以外のものとの競争の中で契約することはできなかったということでございます。   監事の件,御指摘の点につきましては私の方で御説明申し上げるのは適切かどうか分かりませんが,ただ独立行政法人につきまして通常の監事監査とは別に,こういう特に随意契約の適正化の観点から別途総務省の方から点検なりの指示をされてきたという経緯からいたますと,必ずしも通常の監事監査の中でこうしたものを個別にしなければ監事の義務違反だという考え方は総務省としては採っていないのかなと考えております。以上です。 宮野委員 私はそう取らないですね。監事監査というのは内規の規定に準拠しているかどうかということを会計監査よりもっと幅広く,業務の方に広げて規程を遵守しているかどうかを見るべきで,一般的にはそうではないか。監査役監査ですね。そうすると,そういうことが独立行政法人はやっていないからやれよと。ちゃんと監事監査の職務を遂行しなさいよというお達しではなかったのかな。そんな取り方を私はしております。そういう観点から,今私は意見として言わせてもらったわけです。以上でございます。 山本委員長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。 井野委員 この資料からは明確ではないので御質問させていただきたいのですが,随契の66番から80番まで,一部アクセンチュアさんとかセンチュリー・リーシングを除くとほとんど全部富士通さんとの随意契約になっていまして,それの中身は改修・保守・運用です。そうすると,その改修・保守・運用のベースになるシステムをどこかのタイミングで開発されていて,それはおそらく富士通さんだと思いますが,その際に一般入札をされたのかどうかというのはこの資料からは読み取れません。システムを受注したベンダーといいますか,業者がその後改修・保守をしていくというのは当たり前の話ですが,よく入札等であるのは初期の入札を非常に安く設定しておいて,何年にもわたって価格を高くして当初の利益を取り戻す。そういう観点も含めて入札をされて,そういう観点から判断をされたのであればいいのですが,そうでないと当初のシステムを随意,その後の運用・保守も随意だとすると全くコスト面からのチェックが入っていないということになるのではないかというのが私の疑問です。 渋谷課長 当初契約については,入札を実施した結果ということでございます。その上で委員御指摘のいわゆる弊害なり懸念というものは十分考慮して,個別の契約を精査した上で,またこの互換性についても,あえて言えば相対的な部分もございますので,本当にそれができないのかどうかということも含めて個別の契約については精査をしております。 井野委員 おそらく保守ですとか,単純な改修等であればほかの業者でもできる可能性はあります。スペックが分からないので何とも言えないのですが,ただベースを富士通が作ったから,そこに発注し続けなくてはいけないということはないと思います。 渋谷課長 その関連で申しますと,今御指摘のとおり,保守・運用等に関して更に契約を精査いたしまして,今年度についてはそれに関して入札を実施いたしまして,結果として富士通以外の業者が落札をしたということがございました。 山本委員長 よろしいでしょうか。  ほかにいかがでしょうか。 小林委員 2つあります。1つが資料3-1の日本司法支援センターにおける契約の点検結果のところですが,点検結果だけではなくて,1番目のパラグラフにいろいろと説明が入っていますが,これは点検とどういう関係があるのか,ちょっと分かりにくいかなと思います。  口頭での御説明のところで司法支援センターでは国と同じ基準でなさっているということをおっしゃっていたのですけれども,もしそうであるとすると国の関係,会計検査とか会計監査とか,そういうチェックを受けるべきものだというふうにおっしゃっているようにも思えるのですが,そういうことは別にないわけですよね。だから,ちょっとそこの趣旨が,この第1パラグラフの趣旨が分かりにくいということと,それから資料3-4にピンク色で印が付けられている種類の随意契約についてですけれども,特に事務所の賃貸契約ですとか,このあたりについてほかに場所がない,あるいは当物件を借り上げることが必要であったという説明がありますが,必要があったというところはそうかもしれませんが,それで価格的に実際妥当だったかどうかというのはこれを拝見するだけでは分からないので,何らかの工夫で価格をきちっと押さえていらっしゃるとは思いますが,そこのところは分かった方がいいかなと思いました。 渋谷課長 ありがとうございました。 山本委員長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。 宮野委員 今の随意契約ですが,この表を見ますと予定価格という欄があるけれども,全部バーですね。予定価格というのはもともとなくて交渉している契約ですか。 渋谷課長 予定価格は随意契約の場合も設定しております。具体的にはいわゆる合い見積もりといって複数の業者から見積りを徴した上で安いものを予定価格と設定しております。 宮野委員 予定価格と実績と比較して,落札率ではなくて成約率ですか,そういうのを書くと非常に効率よく業務をやっているなというのが分かるような気がするんですが。 渋谷課長 御指摘よく分かるところです。他方で,今申し上げたような形で予定価格を実際業者の見積り等を更に精査して複数の業者から受けるというふうにしているわけですが,予定価格を公表いたしますことによる弊害というのもございまして,それによって結局同種の契約でありますと,こちらはどのぐらいの価格を予定価格にしているかとか推知をされてしまって,価格を引き下げる効果が少なくなってしまうというところもございますので,そういった観点もあって現時点では予定価格について公表をしないということです。 宮野委員 了解しました。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。 知久委員 今,お話があった予定価格と落札価格については後にある資料には表示しないという説明でありましたので,参考にお聞きしたいのですが,3-3の競争契約一覧表の中の5番目のパソコンの費用ですが,96台で4,900万円というのはかなり高額なイメージを受けます。1台にすると50万円近いパソコンになっていますが,契約弁護士が使用するのでソフトの面などいろいろ充実した内容のものになっているとは思ったのですが,それにしても1台当たりの価格が少々高いかなとは感じられたものですから,予定価格と落札価格ということで教えていただければと思います。 渋谷課長 検討させていただきます。ただ,委員からも御教示いただきましたように,いわゆる業務に必要なソフト等を全部入れた形のものなので,価格自体は先ほども申し上げたように競争の契約によるものであり,価格的にはそういう中で決められたものですので,単体で見れば高い御印象だということですが,一般のパソコンよりもソフト的には充実した内容になっているということでございます。 山本委員長 よろしいでしょうか。 知久委員 数値が分かりましたら後で教えていただければと思います。宜しくお願いします。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。   それでは,私の方から若干。この点検結果というところと重なる部分もあるかと思いますけれども,資料3-4でいえば85の退職金の計算の会計ソフトという部分ですけれども,これは十分予測できなかった,時間的余裕がなくて緊急に随意契約をせざるをえなかったという説明のように思われるのですが,普通,職員が勤めていれば退職する人がいるということ自体は予見できるように思われるのですが,どのあたりで予見ができなかったというような事態が生じたのかどうかというところを確認させていただきたい。   それから,86,89のあたりですが,専門職,税理士法人あるいは社会保険労務士法人に対しての業務委託に関する契約と思いますけれども,この表現からするとその法人しかそういう業務が,独立行政法人のあれに精通したものがいないかというような感じにも読めるのですが,私は素人の判断で分からないですが,本当にそうなのでしょうか。ほかの税理士法人,社会保険労務士法人でそういうような仕事ができる人というのはいないのだろうかということが疑問であったということです。   最後もう1点ですが,88番の図書の点ですが,これは私も大学の人間として図書を購入するということはよくあることですが,これは随意でやった方が入札よりも有利であるというこの17条3号の規程によっているんですが,これがやや理解できなくて,何でそうなんだろうと。1,000冊以上大量に購入するので通常よりは安くなるということなのだろうと思いますが,そうだとすれば入札しても三省堂は15%引きで入札して,場合によってはほかのところがもっと安く入札するというのは,常識からすればそういうことはありそうな話のような気がするのですが,なぜ入札すると不利になってしまうというご判断だったのか,このあたりについてお聞かせいただければと思います。 渋谷課長 まず退職給付債務計算業務委託及び退職給付会計ソフトの購入に関しましてですが,これは率直に申しまして委員長御指摘のとおりです。ただ当時は,もちろん退職金が発生するのは承知していたのですが,決算作業において引当てとか,いわば非常に複雑な計算等について決算作業は当時初めてだったということもあって,決算の作業をしていく過程で監査法人からこういうものを使わないとなかなか難しいという指摘を受けて,急きょ調達したという状況でした。今後,こういうことがある場合には当然入札等に付すべき案件と認識しております。   それから,消費税確定申告書の作成についても,確かに当該税理士法人は独立行政法人の発足当時からその税務をやってきたものではございますが,これも委員長御指摘のとおり,ほかがどうしてもできないのかということもございますので,実際,これについては今年度は入札を実施しております。社労士関係についても同様でございまして,これについても今後の契約においては入札をする方向で検討しております。図書についても全く委員長御指摘のとおりでございまして,通常の図書再販制度等の関係でかなりの値引き率だという認識で当時は契約をしたという経緯はございますが,まさに御指摘のとおりで,ほかの業者はもっと安くするかもしれないので,今後同種の契約の場合は入札をするというふうに方針を決めているところでございます。 山本委員長 分かりました。ほかにございますでしょうか。   よろしいでしょうか。 小林委員 先ほどの質問というかコメントに関連しますが,随意契約一覧のピンクのところの不動産について,特に金額の高いところだけ先ほど私がお聞きした価格が相場に照らして妥当であったということをどのように確認なさったのか,4番と5番について教えていただけますか。 渋谷課長 これは契約金額,確かに高くなっている部分につきましては,期間の関係もあります。契約期間を記載していなかったのであれですが,必ずしも単年でないものも全部契約金額として,2年間であれば2年間の総額をここに掲記しているということもあります。その上で御指摘いただいたいわゆる相場と比べてどうなのかということについては適宜関連の資料等を参照して,実際のところでいくと,かなり値引き交渉というか,その過程でほかの業者のものも実際に賃借しないにしても参考に取り寄せて,それと比べて高いのではないかというようなやり取りをさせていただいております。   それ以外では敷金礼金等の関係で有利な部分があるので,できるだけ独立行政法人都市再生機構,いわゆるURですが,の所在する地域に関してはその物件を使うようにという形で基本的な方針を定めております。いずれにしても価格については委員御指摘のとおりでございますので,常に不当に高くならないように精査をしております。 小林委員 ありがとうございました。 山本委員長 どうぞ。 井野委員 坪当たりの単価を年間で明示していただけるとすごく分かりやすくなるかなと思います。併記していただけば。 山本委員長 その点はよろしくお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。   よろしゅうございますか。   それでは,本委員会の意見について取りまとめをさせていただきたいと思いますが。 中川参事官 事務局から提案なのでございますが,個別の案件は別にいたしまして,先ほどの契約適正化の概況ということにつきましては,山本委員長とも事前に御相談させていただきまして,事務局の案というものを作らせていただきました。それを御覧いただきまして,御意見をちょうだいさせていただければということで,今お手元にお配りさせていただいておりますが,もしよろしければこの案について御検討いただければと思っております。 山本委員長 今,初めてのあれですので読み上げを。 中川参事官 今,お手元に1枚の紙をお配りさせていただきましたが,契約の適正化についての概況ということで,まず契約に関する規程等の整備がどうかという点からまず書いてございます。最初のパラグラフのところを読みますと,「支援センターでは契約事務に関して会計規程契約事務取扱細則を整備している。これらの規程などでは契約をする場合は一般競争入札によることを原則としており,指名競争入札及び随意契約によることができる場合についてはその事由を限定列挙している。随意契約によることができる場合については,①契約の性質または目的が競争に適しない場合,②緊急の必要により競争入札によることができない場合。③競争入札によることが不利と認められる場合。④契約の予定価格が少額である場合。⑤その他事業運営上,特に必要がある場合とされている。そして,予定価格が少額であるとして随意契約によることができる場合は,例えば工事などについては予定価格が250万円を超えない場合などと規定おり,その内容は予算決算及び会計令に準じたものとなっている」。   続いてのパラグラフでは事項の公表がどうかという点でございますが,「また,随意契約についてはいわゆる少額随契の例外として随意契約によったものについて契約金額,契約の目的,契約の相手方,随意契約によることとした理由などを公表するものとしており,実際に支援センターのホームページで公表されている。会計規程,契約事務取扱細則の内容も公表されている」。   続きまして随意契約の状況についてですが,「競争性のない随意契約は件数で見るとかなり高い割合になっているが,金額面では全体の約43%程度であり,その中でも競争入札によることが困難と思われる事務所,宿舎の賃貸借契約やほかとの互換性のない契約が金額面で全体の約38%となっている。競争入札によることができるのに随意契約となっているものは比較的少ない。全体として随意契約の適正化に関しては概ね良好に運用されている」。   最後のパラグラフはまとめになりますが,「支援センターは独立行政法人そのものではないが,独立行政法人の枠組みを利用した法人であり,その業務運営は国費により行われていることから,その支出状況についての透明性を高めるべきであり,今後も競争入札に付したものも含めて必要な事項を公表するなどして契約事務に関する透明性を高め,契約事務の適正化を推進することを期待するという内容でございます。   先ほど御議論いただいた個別の案件はまた別でございまして,概況というか全体を見た場合どうであるというものを事前に事務としての取りまとめを作成させていただいております。 山本委員長 どうぞ。 嶋津委員 こういう文章が突然審議とは関係なしに出てくるのはおかしいと思いますね。今の御意見の状況等をメンションした文章を出すなら別ですが。これは事実を書いているにすぎないではないですか。そういうことではなくて,今実際に議論したことをメンションしてまとめをするというのがやり方としては適当なのではないですか。 山本委員長 全くおっしゃるとおりだと思います。説明不足で申し訳ありませんでしたが,これはまさに事実の概況を取りまとめた基本的な文書でありまして,一種の前書き的なものであるということです。本日御議論いただいた,特に個別の案件については今この場で御意見を伺ったばかりですので到底取りまとめることはできませんので,私と事務局の方で今日の御議論を反映したような形の文書をとりあえず作成いたしまして,委員の皆様のところに配付をして見ていただいて,それで御意見を反映して,この後に最終的な意見といいますか,個々のものについての意見を付けてまとめる,そういうようなことを考えているのですが。   どうぞ。 吉川委員 私も今の嶋津委員の意見に賛成でございます。評価委員会の立場として,法テラスの財政運営の仕方や何かについてきちっと独立の立場で検討したということが記録に残るようなものをぜひ作っていただきたいと思います。今,いろいろ貴重な意見が出たわけですから,それをきちっと書いていただいて,最終的にこれを承認するとかしないということについては特段大きなあれはないと思いますけれども,ただやはりいろいろなコメントがあったということはきちっと記録に残しておいていただきたいと思います。 山本委員長 それは全くそのとおりだと思います。   いかがでしょうか。   どうぞ。 小林委員 この取りまとめ案の扱いについては,先ほどの嶋津先生,吉川先生のお話に付け加えることはございませんけれども,中身で少しお聞きしたいのですが,下から6行目ですけれども一番最後に「比較的少ない」と書かれていますが,多いか少ないかというのは私どもは評価する資料がございませんので,これを教えていただけるとありがたいと思います。 山本委員長 いかがでしょうか。 瀧澤部付 この記載でございますけれども,支援センターから提出いただいた資料,契約全体を金額面,件数面でまとめたものがございまして,主に金額面でいけば「比較的」ということですので,これを多いと見るか少ないと見るかというのは御意見があるところかもしれませんけれども,比較的少ないのではないかということでこういう記載にさせていただいたところでございます。 小林委員 すみません,何と比較しているのか分かりません。 瀧澤部付 何と比較してといいますと,例えば半分を超えているということになりますと,これは「比較的に少ない」とは到底言い難いところかと思いますが,そこまではいかないのではないかというところで,漠然としたイメージで申し訳ないのですが,半分を超えているような事態ではないな,そういう意味の比較という形でご理解いただければと思います。 小林委員 しつこくてごめんなさい。ほかの団体に比べてどういう状況かという,そういう材料があるとこういう取りまとめにしましょうということになるかと思うんですけれども。 瀧澤部付 貴重な御意見をありがとうございます。今後そのような資料を用意させていただくなど,なるべく比較していただきやすいような工夫をさせていただきたいと思います。 山本委員長 ほかにいかがでしょうか。   それでは,嶋津委員,吉川委員の御意見もございましたので,ここに出ているこの「取りまとめ」という文書,それからこの後,今日の御議論を反映して個別の契約についての評価の文書,その全体を含めて委員の皆様にもう一度お送りをして,個別にお気づきになった点,御意見をちょうだいして,それに基づいて最終的に取りまとめをする,そういうようなことではいかがでしょうか。   嶋津委員。 嶋津委員 今の審議で非常に貴重な御意見が出たので議事録が残っているわけですね。ですから,議事録と結果としてこれは概ね適当であるということの,皆さん方のお気持ちはそうだと思うので,そういう難しい文書を作る必要はないのではないですか。   それから,今議論に出てこなかった随契の率が少ないとか何とかという表現は議論に出てこなかったのだから要らないのではないですか。私はそう思います。 中川参事官 最終的に政独委に提出することになっておりますので,評価委員会ではきちっと評価を受けてくださいということで今回,こういう会議の場で御議論いただきました。そういうことであれば,最終的に議事録の形で提出をもって可能かどうかということは検討しておりませんでしたので,その点について,それでいいということであれば議事録を提出いたします。仮にやはり何らかのまとめを評価委員会としてした方がいいということでありましたら,その場合には今日の議事録を踏まえまして何らかの形でまとめという形にさせていただくこともありうると思っております。 山本委員長 そういう取扱いでよろしいでしょうか。はい,ありがとうございました。最後,若干混乱して申し訳ありませんでしたが,この契約の適正化の問題は以上のような形にさせていただきたいと思います。   申し訳ありません。既に時間が超過しておりますがあと1点,日本司法支援センターの方から若干の御報告があると伺っておりますので,お願いしたいと思います。 田中次長 事務局次長の田中でございます。私から2点御報告申し上げます。まず1点目は,平成19年度の業務実績評価におきまして国選弁護関連業務に関し,一部費用の支出に不適切な面が見られたと御指摘をちょうだいした部分でございます。この点に関しまして,今後の再発防止のための具体的方策を取りまとめましたので,それを御報告申し上げます。ポイントは5つでございます。   第1に契約約款の新たな解釈,解釈の変更を伴う事柄につきましては国選弁護業務に関する特に重要なものと位置付けまして,文書決裁規程に基づき理事長の決裁を受けることといたします。   第2に国選弁護報酬の算定は国選弁護課の所掌事務でありますけれども,契約約款の新たな解釈や解釈の変更の当否に関する検討を必要とする場合につきましては ,主管課において理事長の決裁を受ける前に委託費に関することを所掌事務とする財務会計課との合議を経ることを励行いたします。   第3に契約約款の解釈,適用において法令の解釈に関する検討を必要とする際には所管省への照会を励行いたします。   第4に本部が地方事務所に対して契約約款の一般的な解釈または運用に関する事務連絡文書等を発出する場合には事前に執行部会に諮り,執行部会において検討を行うことといたします。また,契約約款について新たな解釈をしたり,従前の解釈を変更した場合には定期的に執行部会にその旨を報告いたします。   最後に契約約款の一般的な解釈または運用に関する事務連絡文書等を発出したときには必要に応じて所管省その他関係機関に対し情報提供いたします。   以上が今回,取りまとめました具体的方策でありますけれども,センターが国選弁護人に対して支払う報酬及び費用は全額が国からの委託費で賄われておりまして,適正に予算を執行することの重要性は言うまでもございません。センターにおきましては契約約款の重要性を再確認した上,これを遵守し,報酬算定事務を適正に行うべく,以上申し上げました方策を確実に講ずることといたします。以上が再発防止策についての御報告でございます。   第2番目の御報告は,先般,新聞・テレビなどで一斉に報じられました国選弁護報酬の過大請求に関する御報告でございます。この件は岡山弁護士会所属の弁護士が被疑者国選弁護に関する報酬請求におきまして,接見回数の水増しをして報告し,過大な請求を繰り返したというものでございます。本件は事案の性質上,弁護士の名誉あるいは信用にも係わる事柄でもあることから公表は差し控え,まず事実関係の調査を進めておりましたけれども,一応の調査を終え,また上記の報道がされたことからセンター本部におきましても記者発表して公表いたしました。   これまでの調査結果によりますと,対象弁護士が受任した7件の被疑者国選弁護事件につきまして国選弁護人から提出された活動報告書に実際に行った接見の回数よりも多い接見回数の記載がなされておりまして,過大な請求がすべての案件について判明しております。実際に行われました接見回数を報酬基準に当てはめて算定した場合,実際の算定額と既に支払済の報酬額との差額は30万円余りに達しております。センターといたしましては,対象弁護士は虚偽の報告をして国選弁護報酬を過大に請求したと言わざるを得ないというふうに判断しておりまして,既に3年間の契約締結拒絶期間を伴う契約解除措置が相当であるという意見を付しまして審査委員会に付議をいたしました。今後,審査委員会におきまして,この件についての審議が行われる予定であります。   センターが契約弁護士に対して支払う国選弁護報酬は,先ほども申し上げましたように全額が国費によって賄われておりますけれども,今回のように報酬の過大請求が発生したことは甚だ遺憾なことでございます。審査委員会での審議なども通じまして,本件の事案の解明に全力を尽くした上で厳正に対処したいと考えているところでございます。報告は以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。それでは,ただいまの御報告について御質問,御意見等がありましたらお願いします。 岡田委員 私はこの記事を見たときにどうして分かったのかなと。前回の評価委員会で私から国選弁護人の仕事に関してチェックとか何かなさっているかと言ったら,そういうことはできないとおっしゃった。にもかかわらずこういうことが岡山の地方事務所ではできたということがすごいなというか,岡山の地方事務所にすごくエールを送りたいと思ったのですが,ほかの地方事務所においてはこういうことはなさっているのか。ないしは岡山は対象の弁護士さんが事前に何かおかしいところがあったのか,その辺が分かりませんけれども,その辺を伺いたい。   それから,一番最初にも国選弁護人の例えば書面の内容とか,その辺のこともチェックするとおっしゃっていたのですが,どういうふうにそれは調べられるのか,そこをお聞きしたい。 寺井理事長 委員の御指摘は的確でございますので,その点について私どもが把握している状況について説明させていただきます。 田中次長 まず,今回の案件が発覚した経緯でございますけれども,当センターにおきましては国選弁護業務とともに日弁連から委託されている業務を行っておりまして,被疑者弁護援助業務というのがございます。一番の端緒は日弁連から委託されている被疑者弁護援助業務に関する報告書に不信を感じたということでございます。   現行犯の窃盗事件でありました。その接見が通常考えられるよりも回数が多い。しかも連日行われている。必要性に乏しい接見ではないかということが所長の目に止まりまして,それをきっかけにその件と,それから最近行われた3件の被疑者国選の接見回数について調査をするということになりました。都合4件の接見状況を警察署に問い合わせしまして,情報を入手して報告内容と突合したところ,4件すべてについて報告内容と実際の面会状況の食い違いがあったということがそもそものきっかけでございます。それで今回,受任している被疑者国選の事件が7件ございましたので,その案件についてもすべて調査を終えて,今回のような検討を進めてきたというのがきっかけでございます。   それから,次の御質問で他の事務所で同様のことはないかということでありますけれども,今回のケースはこれが初めてのことでありまして,他の事務所で同じような疑念が抱かれて,それで調査をしたという報告は受けておりません。本部といたしましては今回初めて疑念を持ち調査をしたところでございます。   それから今回の再発防止,実は今回の報道をきっかけに報道関係者から他の弁護士について同じような不祥事はないのかということを繰り返し御質問をちょうだいしているところでございます。そこで当センターといたしましては被疑者国選弁護事件のうち,比較的回数が多い事件から無作為抽出でサンプル調査をするということを決めまして,その作業に着手したところでございます。接見状況を実際のところを確認できる状況までは至っていないものですから,今後の調査結果を待ちたいと思いますけれども,このようなことは制度の根幹に係わることであるというふうに考えておりますので,調査については徹底を尽くし,なおかつ対象弁護士に対しても弁護士会に対する懲戒請求であるとか,あるいは刑事告訴も含めて厳正な対処をしたいと今検討して考えているところでございます。以上でございます。 岡田委員 今,財務省といろいろやっている。それもこれが原因になっているのではないかと思われるものですから,ぜひこういう問題が今後絶対起きないような制度を作っていただきたいなと思います。 田中次長 承知しました。検討させていただきます。 山本委員長 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。   どうぞ。 井野委員 無作為調査をされるということで,それは大変いいことだと思いますし,民間の企業にも似たような不祥事がいろいろありまして,私も実は同じような経験をしております。それで困るのは無作為調査をしたあげく,かなり悪い結果が出てくる可能性も当然あります。ですのでそのあたり何もなければいいのですが,こういった問題が多発しているというような状況がもし出てきた場合に法テラスとしてどうされるのかというのはあらかじめ考えておかれた方がいいと思います。例えば1回だけでもそういうことをやったら例えば懲戒請求になるのかとか,非常に悪質なパターンのみ懲戒にするのかという,ちょっと心配症ではあるのですが一応そのあたりも考えておかれた方がいいのではないかと。これは個人的な経験から思います。 寺井理事長 その点に関しては私の方から説明させていただきます。先日もある大きな新聞の論説委員が社説に書きたいので最後に理事長の意見を聞いておきたいということでおいでになりまして,面談させていただきました。そのときに,今回の岡山の事件がこの人に限った特異の案件なのか,今,井野委員が御指摘のように他にもあるのか,その点が一番の関心事でありました。私どもはそれについては今述べました適正調査を行った結果での判断をしたい,そして適切な対策を立てたいという形でお答えさせていただきましたが,やはり委員御指摘のように出てからではなくて,想定されるいろいろなケースを考えておきながら,再発防止についての厳格かつ適正な方策を講じていかなければいけないと思っております。御指摘を受けて更に検討を進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 山本委員長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。   よろしいでしょうか。時間も既にかなり超過しておりますので。   それでは,本日の評価委員会はこの程度にさせていただきたいと思いますが,事務局から。 中川参事官 議事録の作成でございますが,事務局におきまして原案を作成の上,委員の皆様に内容を御確認いただいた上で,最終的には委員長に全体を御確認いただいて公表するという手順をとらせていただきたいと思いますが,それでよろしいかどうかについての御意見をいただければと思います。 (各委員了承) 中川参事官 それでは,そのようにさせていただきます。 山本委員長 以上をもちまして本日の評価委員会を終了させていただきます。長時間どうもありがとうございました。 -了-