日本司法支援センター評価委員会 第16回会議 議事録 第1 日 時  平成21年7月10日(金)  自 午前 9時36分                        至 午後12時20分 第2 場 所  東京地方検察庁共用会議室 第3 議 題   (1)日本司法支援センターの業務実績評価について (2)法務大臣による財務諸表の承認に当たっての意見について (3)日本司法支援センター役員報酬規程について (4)役員の退職金に係る業績勘案率について (5)今後のスケジュールについて 第4 議 事 (次のとおり) 議     事 山本委員長 それでは,定刻をやや過ぎましたが,ただいまから第16回日本司法支援センター評価委員会を開催いたしたいと思います。委員の皆様におかれましては,本日も御多忙中のところを御参集いただきまして,誠にありがとうございました。本日もどうかよろしくお願いいたします。   本日は委員10名全員の出席ということで,髙部委員も間もなく来られるということでありますので,総合法律支援法施行令に規定する委員会の定足数であります過半数という出席要件は満たしているということを確認させていただければと思います。   初めに,当評価委員会の委員に変更がございましたので,御報告したいと思います。   田中康郎委員が退任されて,新たに山崎学委員が御就任になられました。   山崎委員,ごあいさつをお願いいたします。 山崎委員 東京高等裁判所で刑事事件を担当しています山崎と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 山本委員長 よろしくお願いいたします。   それでは,まず最初に本日の議題について申し上げたいと思います。お手元の議事次第を御覧いただきますと,議事としては大きく4つございます。第1に日本司法支援センターの業務実績評価について,第2に法務大臣による財務諸表の承認に当たっての当評価委員会の意見について,第3に日本司法支援センター役員報酬規程の改正について,第4に支援センターの役員の退職金に係る業績勘案率についてということでございます。各議題の詳細につきましては事務局から御説明をお願いいたします。 山﨑官房付 官房付の山﨑でございます。各議題の説明をいたします。   最初の議題であります平成20年度の日本司法支援センターの業務実績評価についてですが,お手元に支援センターの自己評価とその理由を記した資料を用意しております。本日は,支援センターからこの資料についての説明と各委員の御質問に対する回答をしていただく予定です。それを踏まえて次回の評価委員会で各委員に御議論いただき,業務実績評価についての結論をいただきたいと考えております。   第2の議題であります法務大臣の財務諸表承認に際しての当評価委員会の意見についてですが,総合法律支援法で,支援センターは財務諸表を作成し,法務大臣の承認を受けなければならないとされ,法務大臣がその承認をしようとするときはあらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないとされておりまして,その関係で,昨年同様,法務大臣から,支援センターの平成20年度の財務諸表を承認するに当たって意見を求められているところでございます。そこで,この議題についても,本日,支援センターから資料の説明等をしていただいた上で,次回の評価委員会で各委員に御議論いただき,当評価委員会としての意見の取りまとめをしていただきたいと考えております。   第3の議題であります支援センターの役員報酬規程の改正に関する当評価委員会の意見についてですが,これは本年6月30日付けで改正された支援センターの役員報酬規程に関する議題です。総合法律支援法が準用する独立行政法人通則法の規定では,支援センターが役員報酬等の支給基準を変更した場合は法務大臣に届け出ること,法務大臣はその届け出があったときは当評価委員会に通知すること,当評価委員会はその通知を受けたときは通知に係る報酬等の支給基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて法務大臣に意見を申し出ることができることがそれぞれ定められています。先日,法務大臣からの通知が当評価委員会に届きました。したがいまして,本日は,改正後の役員報酬規程について御審議を賜り,当評価委員会として何らかの意見を申し出るか否かにつきまして御意見をいただきたいと考えております。   最後の議題であります役員の退職金に係る業績勘案率についてですが,これについては後ほどまた詳しく御説明申し上げますが,支援センターの役員退職手当規程では,支援センターの常勤の理事長,理事及び監事の退職手当の額について,在職期間に応じて導き出される金額に当評価委員会が0.0から2.0の範囲内で決定する業績勘案率と呼ばれる係数を掛け合わせた額とする旨定められております。この業績勘案率の決定方法については,現在まで特段の定めはなされていません。本年4月1日,常勤の理事であった篠塚英子前理事が退任され,支援センターからその退職金に係る業績勘案率の算定依頼がありました。そこでこれを決定する必要が生じている次第でありますので,本日は,まず支援センターにおける業績勘案率の決定方法,すなわち退職役員に係る業績勘案率をどのような方法で決定するのかという決定方法自体を決めていただいた上で,それに基づきまして篠塚前理事に適用する具体的な業績勘案率の数値まで決定していただきたいと考えております。   以上です。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,今御説明をいただいたような議題,議事進行ということで本日は進めさせていただいてよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,今の御説明のような形で議事を進めさせていただきたいと思います。   続きまして,本日の配布資料についても山﨑官房付から御説明をお願いいたします。 山﨑官房付 それでは,お手元にある資料を御覧いただいて,配布資料目録のとおり資料がそろっているかどうかを御確認いただきたいと思います。   まず資料1でございます。資料1は平成20年度の業務実績評価に関する項目別評価表の案でございます。昨年同様,項目ごとに中期計画,年度計画の内容と評価の指標を記載し,支援センターの自己評価とその理由を記載する体裁としております。   なお,昨年行いました平成19年度の業務実績評価に対し,政策評価・独立行政法人評価委員会から,複数の業務を併せて評定する場合において,各業務のウエイトの付け方が不統一である等の要因により評価結果が分かりにくくなっていると考えられることから,評価の結果をより分かりやすく説明するための取組みが求められるとの御意見をいただいておりました。そこで,その御意見も踏まえて,評定を付す単位を細分化しまして,自己評価の内容についても分かりやすさに留意したものとしております。ここに記載された自己評価とその理由については,後ほど支援センターから説明をしていただく予定です。   次に資料2-1から2-6でございますが,これらは平成20年度の支援センターの業務実績報告書,財務諸表,決算報告書,事業報告書,監事の意見,会計監査報告書であります。これらにつきましても,後ほど支援センターから説明をしていただく予定です。   次に資料3ですけれども,これは本年6月30日付けで改正された支援センターの役員報酬規程です。   それから資料4ですけれども,これは,先ほど御説明しましたが,業績勘案率の決定方法についての事務局案でございます。   その他,議題に関連する参考資料をいくつか机上配布させていただいておりますけれども,これらにつきましては審議の過程で必要に応じて御参照いただきたいと考えております。   以上です。 山本委員長 ありがとうございました。   本日は,平成20年度の業務実績報告あるいは財務諸表の承認,役員報酬規程の改正等に係る議題について委員会として理解を深めるために,日本司法支援センターから寺井理事長を初めとする皆様方に御出席をいただき,御説明をしていただきたいと考えておりますが,そのようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございます。   それでは,議題,議事の中身に入っていきたいと思います。   まず,議事の(1)と(2)をあわせてということになりますが,業務実績評価,それから財務諸表の承認について議事を進めてまいりたいと思います。   本日は,これらに関する資料につきまして支援センターから御説明をいただくとともに,各委員から御質問,御質疑をしていただきたいということであります。最終的な結論につきましては,次回,8月に開催が予定されております第17回の委員会の場で御議論をいただきたいと考えているところであります。   そこで,初めに今御紹介のあった資料2-1から2-6までの業務実績報告書等の資料,それから資料1の自己評価及びその理由について支援センターから御説明をいただきたいと思います。大体三つぐらいのブロックに分けて御説明をいただき,その間に質疑応答をしていただくという形にしたいと思います。   それでは,支援センターの方,よろしくお願いいたします。 寺井理事長 理事長の寺井でございます。本日は大変お忙しいところ,ありがとうございます。   御承知のとおり,平成20年度は日本司法支援センターの第1期中期目標の期間における3年目の年度でございます。支援センターは業務開始以降業務範囲を拡大してまいりましたが,20年度においても,12月に被害者参加人のための国選弁護制度が開始されたのに伴いまして,被害者参加人の意見を聞いた上で,国選被害者参加弁護士の候補を指名通知する業務を新たに担うことになりました。平成21年5月には,被疑者国選弁護の対象事件の範囲の大幅な拡大とともに裁判員制度が施行されましたが,今後も,第2期中期目標期間における業務の展開を見据えつつ,第1期中期目標の達成に向けて邁進していくことになります。平成20年度におきましても各業務ともおおむね順調に推移し,支援センターが提供する法律サービスの利用者は確実に増加する傾向にございます。他方,前年度からの課題の一つでありました認知度の向上につきましては微増にとどまっており,今後に課題を残しております。また,平成21年5月以降の被疑者国選弁護事件の急増などに対応するため,国選弁護人契約弁護士の確保などに努めてまいりましたが,今後引き続き体制整備に努めてまいる必要があります。   本日は,以上のような状況を踏まえ,平成20年度における業務実績とその成果について各担当者から説明させていただきますので,よろしくお願いいたします。 石山課長 総務課長の石山でございます。それでは,総務課所管事項から御説明させていただきます。   資料1の項目別評価表1ぺージを御覧ください。   まず項目1の関係でございます。中期計画及び年度計画では,①としまして,業務内容について国民への周知徹底を図ること,利用者の立場に立った業務遂行に常に心がけることとしております。平成20年度におきましては,イベントの実施や街頭における広報物の頒布などに加えまして,コールセンター利用者の認知媒体調査結果等を踏まえ,連動型広報の実施,関係機関のニーズをとらえた連携強化策の展開,インターネットによる情報発信の強化,公的で信頼性の高い法人であることのイメージの醸成などの戦略的な広報活動を実施いたしました。   以上のような広報活動を実施した結果,コールセンターにおける情報提供件数が前年度比で約30%増加するなど,現に法的トラブルを抱えて相談先を探すなどしていた方への周知は相当程度図ることができたものと考えております。   また,利用者の立場に立った業務遂行のため,苦情取扱規程に基づきまして,利用者から寄せられたさまざまな御意見,御要望等を集約するなどし,組織横断的に業務改善に向けた検討を行うなどしたほか,若手職員を対象とした接遇研修を実施いたしました。さらに,支援センターの地方事務所サイトに各地方事務所のバリアフリー情報を掲載するなどいたしました。また,項目別評価表には書いておりませんけれども,私どものパンフレットに視覚障害者のためのSPコードを付するなどの工夫もしております。   以上のような取組みを行いましたが,認知度調査では,認知度が24.3%と,前年度の22.6%に比べまして微増にとどまっており,広く一般の国民に周知するという点ではいまだ十分とは言えない状況にあることから,自己評価としてはBとしております。   続きまして項目2でございます。コンプライアンス体制につきましては,これまでに監事監査規程,内部監査規程,役職員倫理規程等を策定するとともに,毎年度,本部,地方事務所及び支部に対する監事定期監査及び内部監査を実施するなどし,その体制整備に努めております。平成20年度におきましては,本部,13地方事務所及び4地域事務所に対する内部監査を実施したほか,本部及び地方事務所に対する監事定期監査も実施し,これら監査の結果を理事長に報告するとともに,地方事務所に改善事項を指摘して,業務方法の改善を図ることができたことなどから,自己評価としてはAとしております。   続きまして項目3でございます。中期計画及び年度計画では,②としまして,地方事務所単位で地方協議会を行い,関係機関等及び利用者の声を聴取して業務運営に反映させることとしております。平成20年度におきましても,全国の各地方事務所等において,少なくとも1回以上,合計85回,昨年度の74回を上回る地方協議会を開催しております。そして,これら地方協議会につきましては,昨年同様,支援センターの各業務の説明はもとより,多重債務問題等テーマ別の議論を行うなどいたしております。また参加者につきましても,法曹関係者のみならず,自治体その他犯罪被害者支援団体等の利用者側の団体等にも出席を求めて意見を聴取するなどし,その結果を業務改善にも生かしております。また,本部におきましては,法律家以外の各界の有識者から成る顧問会議を設置し,2回にわたって開催し,業務の在り方について貴重な意見をいただくことができました。このようなことから,A評価といたしております。   項目4でございますが,中期計画及び年度計画では,③として,地方協議会その他の会議を設ける場合にはその人選について特段の配慮をすることとしております。先ほど述べましたとおり,地方協議会につきましては,利用者側の団体も含めさまざまな団体に御参加いただくなど工夫しておりますし,本部の顧問会議におきましても,経済界,労働界,マスコミ,学界,消費者団体等の有識者に顧問として参加いただいておりますことから,人選の特段の配慮はできたと考えておりまして,A評価としております。   続きまして,項目別評価表5ぺージの項目14でございます。中期計画及び年度計画では,業務運営体制の適時・適切な点検・見直しにより効率的かつ円滑に業務を遂行することしております。支援センターにおきましては,業務開始時から効率的かつ円滑な業務運営を行うため,業務内客に応じてさまざまな雇用形態を導入するなどしておりまして,適正な人事配置及び人件費管理に努めております。   また,平成20年度におきましては,平成21年度の国選関係業務の拡大に対応するため常勤弁護士の増員及び法律事務所の一部職員等の増員を図ったことから,常勤弁護士等の採用に伴う新たな宿舎の借上げや司法過疎地域事務所の増設,既設事務所の必要な面積確保のための借増し,間仕切り改修工事やパソコン,複写機等の備品の調達のほか,円滑な業務運営の観点から業務システムの追加開発や改修等を実施しました。こうした各種の調達におきましては,一般競争入札等の競争的手法を原則とし,随意契約による場合であっても,例えば随意契約の大半を占める事務所や宿舎の賃借につきましては複数の物件を選定し,その中から利用者の利便性を考慮し,所要の面積を確保しつつ,でき得る限り安価な賃料額で,敷金・礼金の負担が生じない物件を極力選定することにより,また少額随意契約の場合であっても複数の業者から見積書を徴して最も安価な金額を予定価格とし,それ以下で契約するよう努めたことにより,一般管理費の節減を図っております。   さらに,平成21年度における裁判員制度の開始や被疑者国選弁護対象事件の大幅拡大に伴う常勤弁護士の確保業務をより集中的・効率的に行うため常勤弁護士推進本部を設置するなど,随時適切な業務運営体制の見直しを図りました。このようなことから,A評価としております。   12ぺージでございます。項目35の関係でございますが,中期目標では補助金・寄附金の自己収入増加に努めることとしております。平成20年度は,積極的な広報により,贖罪寄附の周知に努めるなどした結果,寄附金収入は約1億8,000万円で,前年度に比べますと40%近く増加しております。さらに,個人・法人を問わず広く一般の方から寄附を集めるための仕組みの創設に向けた具体的な検討を行うなど,多様な取組を行うことができました。このようなことから,自己評価としてはA評価としております。   総務課の関係は以上でございます。 佐々木課長 続きまして,情報提供課長の佐々木より,情報提供課所管事項について御説明をさせていただきます。   まず2ぺージ目の項目6を御覧ください。中期計画及び年度計画では,平均68以上の相談窓口設置機関・団体との連携・協力関係の構築としています。平成20年度におきましては,地方事務所平均152.5と,平均68以上の機関と連携・協力関係を構築し,情報をデータベースに登載しております。昨年度よりも増加しておりますので,A評価とさせていただきました。   続きまして項目7を御覧ください。中期計画及び年度計画では,連携指数の上昇,としています。平成20年度におきましては,昨年度1.98でありましたものが1.93と若干の低下をしておりますが,こちらは関係機関情報をより実態に反映した内容に見直し整理したことにより,「取次」,「転送」等のポイントの高い窓口が減ったこと,及び母数となる紹介窓口総数自体が増えたことによるものでありまして,実質的な連携・協力関係の後退を示すものではないと考えております。   なお,中期計画上基準となります平成18年度の連携指数は1.76でございまして,そこからの上昇という点では維持しております。   また,本項目では,中央レベル,地方レベルで連携・協力関係の構築に関する理解を求めるということが挙げられております。例えば平成20年度では,中央レベルでは内閣官房司法制度改革推進室と連携しまして,同室主催の総合法律支援法関係省庁連絡会議に出席いただいた関係省庁を対象に,コールセンター見学会を4回開催して,8省庁62名の参加をいただくなど,連携・協力関係に関する理解を求めることができたものと考えております。このように実質的には連携関係は向上したものと考えておりますので,A評価とさせていただきました。   続いて6ぺージを御覧ください。項目15について御説明いたします。中期計画及び年度計画に記載のとおり,平成20年度につきましても,都内に設置したコールセンターにおきまして,必要な業務量に応じた要員を配置するなどして電話による情報提供を集中的・効率的に行いましたので,A評価とさせていただきました。   続いて項目16ですけれども,こちらも中期計画及び年度計画記載の趣旨に則りまして,平成20年度につきましても,中央レベル,地方レベルともに関係機関・団体にデータベースの利用方法の周知徹底及び積極的な活用に関する理解を求めるよう努めましたので,A評価とさせていただいております。   続きまして,8ぺージの項目22の御説明をいたします。中期計画では,平成18年度から21年度までの間にFAQデータベース等の情報量を20%以上増大させる,利用者アンケートを行い,満足度5段階評価で平均4以上の評価を得る,などとされており,年度計画では,コールセンターに寄せられる問い合わせ等の分析によるFAQの作成,コールセンター,地方事務所におけるアンケート調査の実施などを行うとしています。   FAQの作成関係につきましては,業務開始以降随時更新を増加し,昨年度末には約750問をホームぺージで公開しております。検索スピードにつきましても,日々職員等によるテストを行い,使い勝手のよさを維持しております。   利用者の満足度につきましては,ウェブによる利用者アンケートを継続しておりまして,前年度と同じ3.6の評価を得ましたが,このウェブアンケートは回答率が低いので,平成20年度は新たに,コールセンターにおいては,調査会社が用意した自動音声応答質問に転送し,プッシュボタンで答えるという方式のアンケートを1か月間行いまして,2,000件を超える回答数の中で,5段階評価で4.4の満足度を得ました。地方事務所におきましても,面談による情報提供利用者に対して客観性を確保できる形でのアンケートを3か月間実施し,2,000件を超える回答の中で5段階評価で4.4の満足度を得ました。他にも,コールセンターにおきましては,現状と課題を知るために,専門評価会社による品質評価を実施し,質の向上に関する措置をとっております。したがいまして,本項目につきましてもA評価とさせていただきました。   項目23ですけれども,中期計画及び年度計画に記載のとおり,全地方事務所に相談窓口等で稼働したことのある経験者を配置し,来訪した利用者に対しては即日中に情報提供を行い,当センターで対応できない場合には他の関係機関を紹介するなどしてサービスの迅速化に努めたことにより,A評価としております。   続きまして,12ぺージの項目34でございますけれども,こちらも中期計画及び年度計画に記載のとおり,全地方事務所において,少なくとも1回以上,地方協議会を開催したことにより,当センターの業務に対する理解が深まり,連携・協力関係が強化されたので,A評価としております。   情報提供課関係は以上でございます。 石橋課長 続きまして,被害者支援業務につきまして,犯罪被害者支援課長の石橋から御説明申し上げます。   戻りますが,4ぺージ下段,項目13を御覧ください。中期計画では,①地方事務所単位で平均12以上の犯罪被害者支援関係機関・団体と連携・協力関係を構築するとしております。   これについては,業務開始以降,全国の地方事務所において各都道府県警察等が事務局となっている被害者支援連絡協議会に,同協議会が開催されていない1県を除く49地方事務所が加盟しております。同協議会やその構成員である機関・団体等が出席する会合において犯罪被害者支援業務についての説明を行うなどして周知を図ったほか,実務担当者間で連携方法等に関する協議の場を設けるなどし,連携・協力関係の構築・強化に取り組んでまいりました。   特に,被害者参加制度の施行前後には,ほとんどの地方事務所において警察,検察を始めとする関係機関と協議を複数回重ね,リーフレット等を犯罪被害者の方々に配布していただくよう協力依頼をするなど,当該制度において支援センターが担う業務内容の周知に努めました。また,制度施行に伴い,より一層連携を強化し,制度が円滑に運用されるよう,実務担当者との協議を重ね,このような活動と並行して,犯罪被害者週間には関係機関の講師として参加したり,関係機関とともに街頭で広報活動,リーフレット配布等を行い,あるいはイベントにブースを設置いたしました。このように,協議会等への参加とあわせて,イベントへの参加,共同での開催など、連携・協力関係の構築に努めております。   次に,連携関係の強化をあらわす連携指数の上昇についてでございますが,今述べましたような取組の結果,関係機関との連携・協力関係が強化されたことにより,利用者の負担が少なく,より緊密な連携方法である予約が増加し,連携指数が上昇いたしました。こうしたことから,A評価としております。   続きまして,10ぺージをお開きください。10ぺージから11ぺージで四つの目標がございます。   まず項目29,地方事務所等の職員に関する事項でございます。年度計画では,地方事務所の窓口対応専門職員に犯罪被害者支援に精通している職員を配置する,窓口対応専門職員及び一般職員に対し犯罪被害者支援に関する研修を実施するとしております。   窓口対応専門職員については,平成20年度において,大都市圏にあり問い合わせ件数が極めて多い全国10か所の地方事務所等に犯罪被害者支援担当の窓口対応専門職員を配置し,犯罪被害者等に二次被害を与えないよう,その心情に十分配慮した対応を行ってまいりました。   窓口対応専門職員が配置されていない曜日や時間帯,またそもそも窓口対応専門職員が配置されていない事務所においては,一般の窓口対応専門職員が犯罪被害者等からの問い合わせに対応しております。これらの職員への指導,フォローアップや関係機関・団体との連携など,犯罪被害者支援業務の中核をなす担当職員を対象に,業務研修や実務上の問題点・課題等のブロック別意見交換会を行うなど,実践的な研修を実施しております。また警察担当者や臨床心理士,弁護士等による講義も盛り込んでおります。さらに,窓口対応専門職員に対し,地方事務所ごとに担当職員研修の講義内容をおさめたDVDを活用して研修を行うほか,担当職員が日常の対応に関する指導,フォローアップを行っております。   コールセンターのオペレーターに対しても,被害者参加制度を初めとする各種法制度や,コールセンターから地方事務所に取り次いだ後の対応状況等について研修を実施し,更なるスキルアップや連携促進を図っております。   こうした取組の結果,犯罪被害者支援業務の質の向上が図られおり,今後継続的に研修等を実施することにより,犯罪被害者の心情に配慮した,より適切な情報提供の実施に向けた体制が確保できるということで,A評価としております。   続きまして項目30,犯罪被害者支援に携わる者からの意見聴取に関する事項でございます。中期計画及び年度計画では,犯罪被害者支援に関し,犯罪被害者やその支援に携わる者の意見を聴取する機会を,地方事務所単位で事業年度に1回以上設けるとしております。20年度においては,2月末から3月に犯罪被害者支援に携わる関係機関・団体等に対しアンケート調査を実施し,1,254の団体から回答を得ております。調査結果から,支援センターが犯罪被害者支援業務を行っていることについての認知率及び犯罪被害者支援ダイヤルの認知率は前年度より更に高まっており,また,関係機関・団体からはより緊密な連携関係を構築するための取組に期待している声が多く寄せられておりますことから,A評価としております。   項目31,精通弁護士の確保に関する事項でございます。中期計画及び年度計画では,地方事務所単位において犯罪被害者支援に精通している弁護士を確保するとしております。精通弁護士については,各地方事務所において弁護士会会長から推薦を受けながら確保に努めているところ,業務開始当時1,160名,19年度1,260名から,平成21年4月1日現在では全国で1,570名の弁護士を精通弁護士名簿に登載しております。なお,20年度の犯罪被害者等に対する紹介実績は696件であり,前年度590件と比べ年間ベースで約18%増となっておりますことから,A評価としております。   続きまして項目32,民事法律扶助制度の利用に関する事項でございます。中期計画では,損害賠償による被害回復を求める犯罪被害者に対しては,資力に乏しい場合の民事法律扶助制度の利用に関する適切かつ積極的な助言を徹底する。年度計画では,平成20年度12月までに被害者参加制度及び損害賠償命令制度が施行されることに伴い,適切な情報提供などを通じた支援の充実を図るとしております。支援センターにお問い合わせをいただいた被害者参加制度,被害者参加人のための国選弁護制度及び損害賠償命令制度の対象者である犯罪被害者等が迅速・確実にこれらの制度を利用することができるよう,各種研修の実施,FAQの平易化,広報物の作成配布,ホームぺージの充実等を行っております。また,資力に乏しい犯罪被害者等が損害賠償による被害回復を求めるときや,刑事手続等に関し弁護士による援助が必要である場合などには,民事法律扶助制度及び日弁連委託援助制度が効率的に利用されるよう,積極的な情報提供に取り組んでおります。   さらに,コールセンターにおいて精通弁護士紹介や民事法律扶助制度等の利用希望を聴取したときには,その旨を担当地方事務所に確実に取り次ぐ方策を講じております。これを受け,地方事務所では弁護士による一貫した法的援助の実現を目指し,精通弁護士を紹介するに当たっては,その弁護士が民事法律扶助の契約を締結しているか否かを確認・把握するなど,犯罪被害者の経済状況に応じて適切に弁護士に取り次ぐ体制を整えておりますことから,A評価としております。   被害者支援業務につきましては以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,今まで御説明をいただいた部分について御質問等がございましたら,お願いしたいと思います。 岡田委員 総括の1のところなのですが,こちらで高齢者及び障害者に対する特別な配慮ということが中期目標及び中期計画にも入っておりまして,実績のところで地方事務所でバリアフリーを設けたというのが書いてあるのですが,あと先ほど聴覚障害者に対しての対応というのがあったのですけれども,その他に高齢者や障害者に対しての特別な配慮というのはどういうことが実際になされているのか,また今後予定があるのか。と申しますのは,この部分に関しては,支援法ができる前に誌上対談で私がたまたま消費者側から質問というか意見を出しまして,山本委員長に後押しをしていただいて法律に入ったという経緯があるものですから,ものすごい思い入れがある部分であるのですが,相談現場からするともっと配慮していただいていいのではないかと思うものですから,その辺をお聞きしたいと思います。 石山課長 その他の配慮といたしましては,これは昨年度というか前年度にやっていることなのですけれども,高齢者の方向けに業務をやさしく説明する文字の大きなパンフレットを発行したりですとか,あるいは私どものホームぺージで,やはりこれも視覚障害者の方向けなのですけれども,あるソフトをダウンロードすると内容を読み上げてくれるというような仕組みを設けたりしております。今年度以降予定しておりますのは聴覚障害者の方向けなのですけれども,業務説明のDVDで,手話で業務説明をするようなものを今年度作成するということで計画しているところでございます。他にもあるかもしれませんが,今ぱっと思いついたのは以上でございます。 岡田委員 私が期待したいのは,その座談会のときも中心に申し上げたことは,法テラスなんかに,弁護士会の法律相談もそうなのですが,出向けない方,例えば体に障害があるとか入院中であるとか,そういう方々に対して出向いて相談を受けていただきたいというのが第一の希望だったのです。今,たしか東京弁護士会は,有料になりますけれどもそれをやっていただいているので,一単位会の弁護士会がそういうことを資力のある方に関してできるのであれば,是非とも資力のない方に対して法テラスが対応していただいていいのではないかと思うのですが,全国の消費生活センターの相談員,また福祉関係の者は多分にそういう希望があるかと思うので,是非ともその辺を前向きに検討していただきたいなと思います。 山本委員長 よろしゅうございましょうか。何かございましたら。どうでしょう。 設楽課長 民事法律扶助課の方から御説明させていただきます。   ただいま具体的な数字は持参しておりませんが,障害者・高齢者の方に対する出張相談は,各地方事務所で,人員の許す限り実施しております。特にスタッフ弁護士が配置されている事務所では,スタッフ弁護士による出張相談も活用されているとの報告も受けておりますので,今後更にその点の充実に向けて検討していきたいと思っております。 岡田委員 次年度は是非それがここの報告に出るようにしていただきたいと思います。 山本委員長 ありがとうございました。   他にございますでしょうか。 宮野委員 12ぺージの35番についてですけれども,この実績のところで説明されている寄附金収入1億8,000万円で,前年と比べて40%近く増加となっていると記載されております。この1億8,000万円は財務諸表のキャッシュフロー計算書で言う1億8,000万だと思っているのですけれども,キャッシュフローベースで比較すると40%の増ではなくて,減ったのが1億5,000万で,45%ぐらいの減になるように思うのです。具体的に言うと,このキャッシュフロー計算書は,19年度は3億3,200万円です。それから20年度は1億8,200万。これは比較は同じキャッシュフローベースで,基準は同じ基準でやらなければいけないと思います。   それから,損益計算書で見てみますと,20年度は2億5,500万寄附金益ですね。それから19年度は1億3,200万ですから,これは93%の増となるわけで,この40%近く増加したというこの算定根拠を説明していただけますか。 石山課長 先ほど,自己収入で40%増と。財務諸表との関係は後ほど財務会計課長の方から説明いただきますが,金額の内訳といいますか根拠でございますけれども,贖罪寄附と一般寄附,それから自治体の補助金を加えた金額でございます。これが19年度は1億3,400万円程度であったものが,20年度につきましては1億8,200万円程度に増加しておるということで,この贖罪寄附,一般寄附,自治体補助金を加えたものを自己収入額ということで説明させていただきました。 宮野委員 寄附収入だけではなくて,補助金も入っているわけですね。 石山課長 はい。ただ,補助金の額はわずかでございまして,20年度で言いますと192万円程度でございます。 宮野委員 細かいあれですけれども,この40%は正しいのですね。40%近く増加した,それで補助金も入れたところで比較して。 石山課長 あくまでも,今申し上げた贖罪寄附,一般寄附,自治体補助金の3つを加えた金額ということの比較で言えばそうなると思います。 宮野委員 この実績上の説明で,文字どおりこれを読みますと40%近く増加したことにならないので,「等」とか,補助金も含むとか,その他のを含むというような形でやっていただかないと誤解するのではないかと思います。 石山課長 書きぶりにつきましては,補助金の額がごくわずかなものですから,寄附金収入でもということで書かせていただいたのですが,確かに表現ぶりが少しあいまいだった点もあるかと思いますので,その点は今後気をつけたいと思います。 茂木課長 財務会計課長の茂木でございます。   先ほど,寄附金の関係で,キャッシュフロー計算書のところで1億8,000万円という御指摘がございましたけれども,それが寄附金等収入の関係の額でございます。   損益計算書上2億5,500万円になっているということの関係でございますけれども,損益計算書上の経常収益,これは当期において寄附金収益として収益化したものでございますが,先ほどの現金として入ってきた額よりも大きくなっております。これについては,19年度までに扶助協会からの関係での寄附金の受入れがございまして,それを20年度において一部収益化しておりますので,その分が収益の部分に加算されているところでございます。 宮野委員 それから,20年度の寄附金収益の2億5,500万円についてですけれども,これはどのように計算されたのかなと。損益計算書ベースとキャッシュフローベースは別ですから,損益計算書の2億5,500万,これは貸借対照表を見てみたのですけれども,期首の預り金が1億600万ありまして,20年度の寄附金収入が1億8,200万,これの合計が2億8,800万。それで期末の貸借対照表の寄附預り金が1億2,600万。この差額が損益計算書に行く数字ではないか,1億6,200万になるのではないかなと,こう思って比較したわけですけれども,寄附金収益は2億5,500万で,差額が9,300万出てくるわけで,この間,何か他に調整項目があるならば,それでよろしいのですけれども,ちょっとこの辺を。 茂木課長 ちょっと確認させていただいて,数字についてはまた御説明差し上げたいと思います。 山本委員長 宮野委員,よろしゅうございますか。 宮野委員 後で結構でございます。 山本委員長 また追加的に御説明いただくということで。   他にございますでしょうか。 知久委員 6ぺージの15番なのですけれども,「専門評価会社によるコールセンターの品質評価を行い」ということで,他の場所にこういったことを行ったというのがあったのですけれども,その中で「当センターとして今後目指すべき品質基準を策定した」とございますので,このあたりを御説明いただければと思うのですが。 佐々木課長 情報提供課長,佐々木から御説明いたします。   このコールセンターの品質評価は,主に応対の品質についてプロの評価会社がするものでございまして,情報提供課のみならず法テラス全体といいますか,他の課,地方事務所も含めまして,品質評価シートという採点表のようなシートを作成いたしました。そちらは一般的なコールセンターの評価の調査シートに準じているのものですので,内容的には,オープニングの対応ですとか,クロージングの対応ですとか,応対,うなずきなど,そういう項目も入っておりますけれども,内容的に業務をどのあたりまで説明したのかですとか,最終的に満足度をいただいているのかというようなところを細分化したシートをつくりました。それに従って客観的な評価を、コールセンターのログと申しますけれども,録音について100件ぐらいの調査をしたところでございます。品質評価シートは当センターの内部だけではなく,弁護士,司法書士にも加わっていただいて評価基準を作成いたしました。内容的には非常に細かいものになります。今年もこのような調査を行う予定ですので,一応の基準は策定したのですけれども,今後もブラッシュアップしてまいりたいと考えているところです。 山本委員長 よろしいでしょうか。その今後目指すべき品質基準というのはこの資料のどこかに出ているのですか。 佐々木課長 資料の中には出ておりません。 山本委員長 あるいはまた追加的に。 佐々木課長 追加させていただきます。 山本委員長 どうぞ,岡田委員。 岡田委員 同じく相談の15のところで,メールによる相談がものすごく増えているということなのですが,先ほどの説明でも,他の機関との連携ということに法テラスもかなり積極的に動いていらっしゃるやに思うのですが,消費生活センター,国民生活センターを初め,既存の窓口でメールの相談というのはもう一つ取り組んでいないのですよね。ですから,是非,この実績からしてメールの相談はうちが一番だというような,そういう目標を持っていただきたいと思うのですが,メールの相談において困ったことがあるとすれば,それを教えていただきたいなと。余りメールの相談をふやせばいいというものでもないというような,そういう部分なのですが,教えていただきたいと思います。 佐々木課長 メールの相談が増えて困るという事情は当センターには全くございませんで,メールは,先ほど障害者のお話も出ましたけれども,聴覚障害の方については有力なツールになるものとも考えております。件数が伸びているということはニーズがあるということでございますので,より積極的に行っていきたいと考えております。 岡田委員 行政が取り組まないのは,やはりメールの相談に対して後々の影響というもの,何か答えたことによってまた難しくなるというような,その辺の不安があるみたいなのですよね。ですから,法テラスで全くないとすれば,是非これを率先していただきたいなと。というのは,先ほど障害者という話が出たのですが,若者もメールなら絶対乗ってくると思うのです。メールの場合はやはりFAQに沿ってお答えをするという形だろうと思うのですが,いかがでしょうか。 佐々木課長 メールのお答えの仕方なのですけれども,御指摘のとおり,基本的にはFAQのデータを張りつけたような形のお答えになります。FAQを張りつけて,また御相談の方に適切な窓口の情報を張りつけてお答えするということで,個別の相談内容に応じて,そこで文章を起案したような内容は入っておりませんので,満足度として若干低いところはございますけれども,情報提供という意味では非常に意味があるものと考えております。また,確かに文書で残るという点では非常に慎重にならざるを得ないところがございますが,現在の当センターの返答の仕方としましては,情報提供課の司法書士,弁護士の専門員が最終的にチェックをして返すという形をとっております。 岡田委員 ありがとうございました。 山本委員長 知久委員はよろしいですか。先ほどの追加的なことは。 知久委員 先ほど質問の途中だったのですけれども,品質基準を策定したとおっしゃっているので,資料がちょっと見当たらなかったので,今御説明いただければいいかなと思ったのですが,かなり詳しいということですので,後で資料か何かを提供していただければと思うのですけれども,よろしいでしょうか。 佐々木課長 了解いたしました。 山本委員長 ありがとうございます。   他にいかがでしょうか。 小林委員 小林です。いくつか質問がございますけれども,まとめて申し上げてよろしゅうございますか。 山本委員長 どうぞ。 小林委員 項目の1番ですけれども,認知度について報告をいただいているのですが,認知度の結果だけではなくて,認知度を高めるためにどのようにしたらいいかということをいろいろお考えいただくこと,これも評価をするべき実績として挙げていただくのがいいことかと思うのです。その中の一つとして,「21年度はテレビCMの放映など本格的なマスメディア広告を実施するとともに」,これはもう実施をなさっているということですか。認知度を高めるために二つの方向があるかと思うのですけれども,全体的に認知度を高めるためのこのような方法と,実際に困っている,あるいは困る可能性の高い人たちに,できるだけ直接,こういうものがあるということをお知らせするという方法について,私,何回か申し上げてきたのですけれども,特に高齢者で認知症が始まりかけたような方々はいろいろ問題を持つ可能性が高いと思いますので,そのような方々に直接お知らせするような方法について,やはり今後も考えていただけるといいかなと思っております。   それから項目の7番目,それから項目の16番目等なのですが,これに関しては抽象的な御質問,あるいは私の意見ということになるのですけれども,例えば項目の7番目で申し上げますと,7番目の実績の欄の6行目,7行目あたりなのですが,「説明会を実施した。その結果,情報提供業務への理解が深まり」と書かれているのですが,なかなか難しいことだとは思うのですけれども,説明会を実施するだけでも大変な作業かとは思うのですが,その結果理解が深まりというのは,説明会を実施したから理解が深まったと理解していらっしゃるのか,あるいは何らかそういう判断をする材料を説明会を実施したということ以外にもお持ちなのか,あるいは,実際にはまだないのだけれども,そういう理解が深まったかどうかをこれから確認するような手法を何か考えていらっしゃるおつもりなのかどうか,その辺を教えていただくと,それも評価すべき実績の一つになるかと考えております。   それは先ほど申し上げました16番のところでもそうです。16番の実績の最後の方ですけれども,「活用に関する理解をお願いした」ということでございますけれども,お願いした結果どのようになっているのかというのを何らかの方法で確認する手法をこれからお考えいただけると,それも実績のうちの一つかなと考えます。   それから項目の31番です。実績の真ん中より下の方に,「犯罪被害者やご家族からのお問い合わせに応じ,全国の地方事務所で合計696件の紹介を行った」,いろいろ件数を調査なさっていますけれども,こういう犯罪被害者というのが,数え方は難しいとは思うのですけれども,母集団がどのくらいのものなのか。済みません,そもそも母集団のとらえ方も難しいかとは思うのですけれども,少し全体的な姿が分かるようなとらえ方というのをお考えいただいて,国民にも示していけるといいかなと考えておりますが,これまで申し上げました三つの点について,どこまでお考えになっているのか教えていただけたら有り難いと思います。 石山課長 総務課長でございます。   まずテレビCMの関係でございますが,今年度につきましては法務省の御協力をいただきまして予算を少し多目につけていただきましたこともございまして,既に今年の4月10日から30日にかけてテレビ朝日とテレビ東京2局でテレビCMを実施したほか,6月以降につきましては全国の地方局でテレビCMを放映する予定でございます   それから,委員御指摘の困っている方に対して周知するという点でございますけれども,一つは,若い方を中心に,何か困り事があったときに相談先をインターネットで検索して探す傾向が強うございますので,インターネットリスティング広告というものを導入しております。要は,法律相談とか,多重債務とか,借金とか,そういう関連用語で検索すると,スポンサーサイトに法テラスの広告が出てくる,そこをクリックすると法テラスのホームぺージの関連場所にリンクされるというリスティング広告を導入しておりまして,これが非常に功を奏していると思いますが,コールセンターの利用件数の増加につながっていると考えております。   それから,高齢者の方はなかなかインターネットを御活用されない方もいらっしゃいますので,やはり新聞,テレビで知られる方が多いだろうということもございまして,テレビのCMを実施しているほか,今年度は新聞広告も積極的に行っていく予定でございます。 佐々木課長 続きまして,第2の御質問の点についてお答えいたします。   コールセンター見学会につきましては,その際にアンケートを実施しておりまして,役に立ったというのが96%,今後コールセンターを利用,紹介したいと思うかという質問に対しましては,96%の方からそう思うという御回答をいただいております。   結果どのようなことに反映されているのかですけれども,そこでいただいたお声としましては,中央省庁の方ですので,例えば自分が地方に行ったり何なりしてお話をする際に,法テラスのコールセンターを利用したらいいというような話を自分の講演に盛り込みたいとおっしゃる方がいらしたりといった,実際にどこまでしていただいているかというフォローは難しいのですけれども,そういう声もいただいております。逆方行としましては,この見学会で知り合いになった関係省庁の方から私に講演の依頼がございまして,「法テラスの活用について」という講演を全国の地方の相談窓口の責任者が集まっている会議でさせていただいたというようなことも成果の一つかと考えております。   また,コールセンターの見学にいらっしゃる関係者,関係省庁の方から話を聞いて,実際の相談窓口,国民生活センターの方などがコールセンターに足を運ばれるということも今年度に入って増えておりますので,そういった意味で効果は出ているのではないかと考えています。   データベースの活用につきましては,こちらは本当に関係の窓口が非常に多いものですので,具体的なフォローは難しいところでございますけれども,折に触れて,活用いただいているかどうかというのをお話をするという形の検討になろうかと思います。 石橋課長 続きまして,犯罪被害者の母集団はどのぐらいかという御質問ですが,犯罪被害者白書などいろいろなものに被害に遭われた方の数字はあるのですが,どこまでの範囲を考えたらいいかというのは非常に難しいものでございまして,また,その中でどの方がこういう支援を必要としているかとか,非常に難しい問題です。ただ,委員の皆様や全国の国民から分かるものを示してほしいということは重々分かりまして,そういうことを念頭に置きながら今後事業を進めていきたいと思います。 小林委員 どうもありがとうございました。   犯罪被害者の,潜在的な犯罪被害者と申しますか,その数値について,初めに申し上げましたように私も難しいというふうには理解しているのですけれども,今後考えていくためのデータとして,そもそも犯罪が何件ぐらいあって,被害者がどのくらいという,そういうデータから始めるということで十分ではないかと思うのです。いろいろ調査をしていくうちに,その中からどのぐらい,実際にフォローアップが必要なぐらい二次的な被害というのですか,そういうものを受けていらっしゃる方があるかというようなことがだんだんに分かってくるのではないかと思いますので,そんな感じで進めていただければいいのではないかなと感じます。 山本委員長 ありがとうございました。   どうぞ,井野委員。 井野委員 22番の項目なのですけれども,こちらの目標としては情報提供の質・量の向上を図るということで,いろいろアンケート等を実施された。昨年度の評価Bに対して,自己評価としてはAということですので,内容を検討させていただいたのですが,アンケートの評価で5段階で4.4ということで,これは数字としては比較的高いかのように思えるのですが,その中身がありませんので,設問の仕方によっては高い評価が出ますし,残りの悪い評価がついた部分がある特定のエリアに集中しているようですと,その4.4の中身というのが果たしてどうなのかなと。どういった設問があったのか,資料の中のどこかにあるのかもしれないのですが,見つからなかったので,その点がまず1点の質問。   その他なのですけれども,コールセンター,ウェブによるアンケート調査においては3.6の評価が変わっていない。メール対応のところを除くと3.8ということなので,ここでも前年に比べて特段の向上があったようには見られません。   あと,資料の48でコールセンターにおける受電内容の推移というところも拝見したのですが,特に数値として劇的な改善,B評価からA評価に行く改善が少なくとも数値としては見えないので,このあたりを御説明いただけないかなと思っております。 佐々木課長 満足度調査の件に関してですけれども,質問はお答えいただきやすいような簡単なものになっております。「対応者の対応はいかがでしたか」。「非常に満足した」,「満足した」,「どちらともいえない」,「不満だった」,「とても不満だった」という5段階ですけれども,こちらを数値化しまして,「非常に満足した」「満足した」という回答が約90%以上,コールセンターも地方事務所もそういう形になっております。   ウェブアンケートですけれども,こちらは非常に回答数が少なく,回答率が0.2%で800何十件かぐらいの調査結果しかないので,それほど実態を反映した数値ではないということを去年も御指摘いただきまして,もうちょっと客観性を担保し,かつ有効回答率が上がるような形ということで,コールセンターと地方事務所で満足度調査を実施したところでございます。 井野委員 ということは,基本的にBからAにというところにおいて,FAQのところの取組みなんかも評価されてAということだったと思うのですが,実績とすると何がそんなに劇的に改善したのかが見えないということをもう一度お伝えしたいのと,アンケートで満足云々というのはあるとは思うのですが,こういったアンケートを実施される場合には,今後の改善点なんかも同時に拾い上げるような取組みをされると,今年度だけではなく,次年度に向けての課題なんかも見えてくるのではないかなと思います。 佐々木課長 おっしゃるとおりでございまして,先ほどは,最初の質問項目のところだけ簡単にお答えしたのですけれども,御意見,御要望については自由記載,また自由応答で回答していただくという欄も設けておりまして,非常にたくさん御意見をいただいて,今後の業務の改善につなげたいと考えているところでございます。   また,昨年との大きな違いというのは,そういう満足度調査自体,昨年はウェブ調査だけでして,0.2%の回答率で,800件程度の回答しかない調査というところを反省いたしまして,今年度は,コールセンター,地方事務所ともに,なるべく回答数をいただけて,かつ応対者が直接質問をするのでは客観的な答えが得られないのであろうというところで,客観性を担保した形の回答をいただくというところで,2点の調査を工夫したというところでございます。 井野委員 御意見,御要望がかなりあるということであれば,内容を少し,どういった要望があるのかというのは委員として伺いたいなと思いますので,その点,資料を用意いただければと思います。 佐々木課長 では資料を御用意させていただきます。 山本委員長 よろしゅうございましょうか。   あるいはまだ御質問がおありかと存じますが,時間の関係もございますので,もし追加的に御質問があれば,この委員会が終わった後でも結構ですので,事務局を通して法テラスに御質問いただくことは可能でございますので,申し訳ありませんが先に進ませていただきます。   それでは,引き続きまして支援センターの方から御説明をお願いいたします。 松本(麗)課長 それでは,常勤弁護士の関係につきまして,常勤弁護士総合企画課の方から御報告させていただきます。課長の松本でございます。   まず資料1の2ぺージ,項目5を御覧ください。「総合法律支援の充実のための措置に関する目標を達成するためとるべき措置」の中におきまして,常勤弁護士の確保の関係でございますが,中期計画において,常勤弁護士の確保に努めると記載し,年度計画において,常勤弁護士確保のために関係機関の協力を得て,常勤弁護士の業務内容,採用情報などについて,司法修習生,弁護士等に対する説明を行うと記載しております。平成20年度におきましては,日弁連,司法研修所,法科大学院,司法試験予備校等の協力を得まして,合計44回余りにわたり,延べ6,300名以上の司法修習生,法科大学院生等を対象として説明会を実施し,常勤弁護士の業務内容や採用情報等に関する説明を行いました。   また,より早い段階から常勤弁護士への関心を促すという点から,司法試験合格発表会場におきまして常勤弁護士の採用案内等を配布する広報活動を行いましたほか,司法研修所選択型実務修習に新たに参加し,各地の支援センターの事務所に21回にわたり司法修習生を受け入れ,常勤弁護士の業務への理解が深められるようにしております。   さらに,一定の法曹経験を有する弁護士からの応募者も確保するという観点から,既登録弁護士約2万名に対しまして常勤弁護士の採用案内等を送付し,応募を促す取組を行いました。   また,年度計画におきまして,常勤弁護士について最初の任期を1年とし,司法修習終了直後の者等から常勤弁護士を採用するとも記載してございます。 平成19年度から,司法修習を終了しました新人弁護士を常勤弁護士として採用する新制度を導入し,比較的短期間に即戦力となるよう養成するため,集合研修,OJT研修による実務指導などを実施しており,平成20年度は合計50名の常勤弁護士を確保いたしました。常勤弁護士の採用に当たりましては,支援センターの職員としてのみならず,弁護士としての素養を見極め,よりよい人材を確保するという観点から,日本弁護士連合会から常勤弁護士としての適性に関する意見を徴した上,支援センターの採用面接において,他者とのコミュニケーション能力などを審査し,採用を行っております。   このように,19年度に比しまして,年間を通じた積極的な常勤弁護士確保に向けた取組を行いました結果,19年度より多くの50名の新人弁護士を含む,合計55名の常勤弁護士を確保することができたことから,自己評価はA評価とさせていただいております。   なお,常勤弁護士の確保数の合計のみを見ますと,72名を確保いたしました19年度よりも低くなっているところですが,これは19年度が新制度導入初年度という特殊な状況にあったことに由来しているところがございます。18年度までは,一般の法律事務所において約1年間の養成を終えた2年目の弁護士を常勤弁護士として採用するという制度をとっておりましたが,19年度から,司法修習終了直後の者を常勤弁護士として採用する新制度を導入しましたことにより,司法修習中に常勤弁護士の志望を固めている者については,一般の法律事務所での養成終了を待つことなく,司法修習終了直後に常勤弁護士として採用することができるようになりました。そこで,従前であれば司法修習終了直後に従来の制度によって養成を受けるため一般の法律事務所に就職していました者の多くが新制度を選択するようになりました。そのため,19年度は,新制度で採用いたしました新人弁護士39名と,一般の法律事務所で養成を終え,従来の制度により採用いたしました2年目以降の弁護士33名が併存する形となり,合計72名を確保しましたのに対し,20年度は新制度が定着し,新制度により採用する常勤弁護士数は39名から50名に増加しました。19年度に新制度により採用して養成を終えた常勤弁護士39名については配置換えとなるだけで,新たな採用とはならない上,従来の制度による採用者が滅少したことから,確保数は合計55名にとどまることになったという事情があるものでございます。しかし,養成を終えて新たに日本司法支援センター法律事務所に配置する常勤弁護士の数に着目させていただければ,19年度は33名でありましたものが,20年度には44名となり,増加しているところでございます。また,常勤弁護士の確保につきましては,あまり量に拘泥することなく,質の重視も行っているところでございます。   次に,3ぺージになりますが,項目11を御覧ください。中期計画におきまして,国選弁護事件の受け手となる弁護士が少ない地域について,常勤弁護士を常駐させ,又は巡回させると記載しております。   平成20年度までに常勤弁護士を配置いたしました支援センターの事務所は合計71か所であり,そのうち,平成20年度に常勤弁護士を新たに配置又は増員いたしました地方事務所及び支部は36か所,地域事務所は14か所でございます。また,既に常勤弁護士が配置されている事務所において,より効率的な司法サービスの提供を可能とするため,常勤弁護士が複数名となるような配置に努めるという方針により業務を行ってまいりましたが,常勤弁護士が配置された71事務所中42か所には複数の常勤弁護士を配置することができましたことから,A評価とさせていただいております。   次に,4ぺージの項目12を御覧ください。司法過疎対策についてでございます。こちらにつきまして,中期計画では,実質的ゼロワン地域において常勤弁護士による法律サービス提供が可能な体制を整備するとし,年度計画において,①としまして,実質的ゼロワン地域において地域事務所を設置し,常勤弁護士を常駐させる,②としまして,実質的ゼロワン地域に近接する地方事務所等に配置する常勤弁護士を巡回させるといったことが記載されてございます。   これを踏まえ,平成20年度には,これまで常勤弁護士が配置されておりませんでした実質的ゼロワン地域への常勤弁護士の配置を進めるとともに,業務効率化の観点及び常勤弁護士の任期満了後の円滑な引継ぎの実現という観点から,既に常勤弁護士が配置されている司法過疎地域事務所にも更に常勤弁護士を配置していくという方針で業務を行いました。   平成20年度の実績としまして,茨城県の牛久,長崎県の五島,岩手県の宮古など,7か所に司法過疎対策として地域事務所を新設いたしました。   平成19年度まではいわゆる実質的ゼロワン地域に司法過疎地域事務所を設置してきたところでございますが,司法過疎地は実質的ゼロワン地域にとどまるものではなく,平成20年度を迎え,実質的ゼロワン地域について,法テラス,日弁連などの司法過疎解消の取組みによりその解消が大きく進んだことを踏まえ,司法過疎対策を更に進め,次段階といたしまして,いくつかの基準を立て,まずⅰとしまして,地裁支部単位で実働弁護士一人当たりの人口が非常に多数である地域のうち,ⅱとしまして,当該地裁支部から公共交通機関を用いて長時間を要することなく移動できる範囲内に地裁本庁又は多数の実働弁護士が事務所を開設している地裁支部が存在しない地域につきましても,当該地裁支部管内の人口,民事・刑事の事件数,単位弁護士会・地方自治体等地域関係機関の支援体制などを考慮しながら,司法過疎地域事務所を設置することといたしました。   また,実質的ゼロワン地域である旭川地裁稚内支部,名寄支部,留萌支部,及び紋別支部において,近接する旭川地方事務所に配置いたしました常勤弁護士が巡回による法律サービス提供を行っております。   実質的ゼロワン地域及びそれに次ぐ司法過疎地域の解消に大きく貢献することができました上,22か所の司法過疎地域事務所のうち7か所につきましては複数の常勤弁護士の配置を実現することができたことから,A評価とさせていただいております。   次に,「業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置」といたしまして,7ぺージ目の項目17から19を御覧ください。まず中期計画では,業務の効率化を図るため所要の常勤弁護士を確保する,常勤弁護士に対する事件の配点等について,所要の配慮措置を講ずることにより常勤弁護士が業務に専念し十分活動できる環境を整備するとし,年度計画では,項目17につきましては,司法研修所等の関係機関に関し支援センターの業務内容や常勤弁護士の意義等の説明を行う,また司法修習生,法科大学院生,弁護士に対する説明会を実施するとし,項目18につきましては,常勤弁護士が業務に専念し十分に活動できる環境整備のための配慮措置に関する方策を検討・立案・実施する。項目19につきましては,常勤弁護士又は内定者に対する支援センター本部主催の実務研修を2回以上実施すると記載してございます。   このうち,項目17につきましては,前に述べましたとおり多数回の説明会を実施しましたほか,法曹養成指導者の理解・協力を得るため,法科大学院教員などに対しましても積極的に説明を行っております。こうした年間を通じました常勤弁護士確保に向けた積極的な取組を行い,新人弁護士につきましては19年度に比べて多くの常勤弁護士を確保することができたことから,A評価とさせていただいております。   また,項目18につきましては,司法修習を終了した新人弁護士を常勤弁護士として採用する新制度により採用いたしました常勤弁護士が1年の任期終了後各地の支援センター法律事務所に異動する際の事務処理を円滑に行うため,異動時における受任事件の引継ぎに関するルールを定めるとともに,Q&Aを作成して詳細な対応方法を示しましたほか,国選被害者参加弁護士制度の導入を踏まえ,常勤弁護士の業務手順を解説したマニュアルを改訂し,国選被害者参加弁護士としての業務手順を詳細に定めたり,常勤弁護士からの事件処理状況の報告書面等について,入力方法をより簡素化し,各常勤弁護士に配布いたしました。   また,項目19につきましては,各支援センター法律事務所へ赴任した常勤弁護士については,常勤弁護士が実務において学ぶ必要があると実感しているテーマに沿った研修を実施するとともに,法曹三者の視点を取り入れた研修,裁判員裁判への対応に主眼を置いた研修を実施いたしました。さらに,先輩常勤弁護士から後輩常勤弁護士への技術・経験の伝承,常勤弁護士同士の意見交換も有益であることから,ゼミ形式での研修も実施いたしました。また,司法修習終了直後に採用いたしました新人弁護士に対してはより綿密な指導・育成が必要であることから,1年間の任期に合わせ,継続的な内容としたスケジュールにより研修を実施することとしてきたところでございます。加えて,常勤弁護士の増加に伴いブロック別研修を導入し,全国を7つのブロックに分け,常勤弁護士の企画に基づいた研修を実施することにより,地方の実情等も反映した,より緻密な研修を実現させていただいたところでございます。   このように,項目18及び項目19につきましては,業務の変化等に応じた環境整備に努めてまいりました上,常勤弁護士の経験に応じた多様な研修メニュー等もそろえられたと考えておりますので,いずれもA評価とさせていただいております。   次に8ぺージ,項目21,再度司法過疎対策についてでございますが,先ほど述べさせていただきましたとおり,司法過疎地域事務所を新たに7か所設置し,7か所の司法過疎地域事務所には複数の常勤弁護士を配置しておりますので,A評価とさせていただいております。   続きまして,12ぺージ,項目33を御覧ください。「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置」の中で,司法過疎対策についての部分でございます。中期計画では,司法過疎地域の事務所に配置された常勤弁護士の民事法律扶助業務・国選弁護業務・有償事件受任業務の合理的な配分を行うとしております。常勤弁護士の限られた労力の中でニーズに即したバランスのよい法律サービス提供を行うため,民事法律扶助事件・国選弁護事件・有償事件の配分についての目安を定めました上,地域の実情ニーズに応じて事件を受任することとしております。   平成20年度までに司法過疎対策として設置した22か所の地域事務所における受任状況の内訳は,平均しますと項目別評価表のとおりでございますが,事務所ごとに各地域の実情ニーズを反映した実績となっており,常勤弁護士の限りある業務量を合理的に配分できたと考え,A評価とさせていただきました。   続きまして,同じぺージの項目37でございます。中期目標におきましては,有償事件の受任等による自己収入額を増加させると記載しております。   有償事件を取り扱うのは主に司法過疎地域事務所でございますが,前述させていただきましたとおり,司法過疎対策として,実質的ゼロワン地域及びそれに次ぐ司法過疎地域合計7か所に司法過疎地域事務所を新設しております。司法過疎地域事務所全体での有償事件処理による事業収益は平成19年度に比して約2倍となりましたことから,A評価とさせていただいた次第でございます。   以上です。 山本委員長 ちょっと時間が押していますので,できる限り簡略に御説明をいただければ有り難いです。 設楽課長 それでは,民事法律扶助課課長の設楽から御説明申し上げます。   3ページ,項目8を御覧ください。項目8は民事法律扶助の担い手の確保の分野でございます。   担い手については,契約弁護士・司法書士の数について,各地方事務所において新規登録者に対する説明などを行うなどして新規契約者の確保に努めた結果,資料に御覧のとおり,契約弁護士数は昨年度より1,484名増加,契約司法書士数は496名増加いたしました。その結果,法律相談援助実施件数は前年度に比べて3万2,113件,代理援助開始決定件数は1万1,532件,書類作成援助開始決定件数は904件増加いたしました。また,常勤弁護士総合企画課からの説明にもありますように,常勤弁護士については,過疎地を含む新たな配置の実現,複数常勤弁護士配置の事務所の増加等,民事法律扶助の担い手となる弁護士等が少ない地域への巡回もその範囲を拡大することができました。以上より,この点につきましてはA評価とさせていただいております。   次に項目9のニーズ調査の項を御覧ください。こちらは,机上配布資料としてA-3の「法律扶助へのニーズおよび利用状況に関する調査結果の要約」という資料をお配りしております。   平成19年度に立案した調査結果に基づいて,一般市民,法テラスの法律扶助利用者,それからアンケート調査では把握しにくい特定階層として路上生活者を対象とする三つの調査を実施いたしました。現在,調査結果の集約・分析はほぼ終了しております。一般市民を対象とする調査では,標本数3,000人に対して約54%の回収率,路上生活者に関しては対象者265人に対する面談調査,法テラス利用者では1,229人からの回答を集約いたしました。調査対象者数が十分に確保されるとともに,調査項目も多岐にわたっておりますことから,事業計画立案に十分な情報が得られたと考えまして,A評価といたしました。   次に9ページを御覧ください。項目24でございますが,年度計画には,迅速な援助を提供するという観点から,援助審査の方法を合理化することなどにより,援助申込みから代理人選任までの期間を平成18年度と比較して短縮すると定めております。具体的には,より少人数の審査委員による審査とする方法,審査の開催頻度を増加させる方法,申込者を呼び出さず書面のみでの審査を活用する方法という三つの方法のうちの一つ又は複数を採用するということでございますが,平成19年度に引き続き,各地方事務所において更に合理化の努力を行いました。   その結果,平成19年度と平成20年度とでは援助件数が約16%以上増加しているにもかかわらず,法律相談援助から審査までの期間を長期化させずに踏みとどまっている状況にあります。ただし,法律相談援助から審査までの期間につきましては,今後大幅な短縮というのはたやすいことではなく,援助件数の増加も踏まえた審査の合理化,それから効率化の在り方を検討する必要があります。このため,20年度中に試験的に5地方事務所に専門審査員を配置いたしまして,審査案件についての事前点検を行わせることによって審査の効率化を図りました。この結果は本年度において集約して,今後の業務に生かすことになります。あわせて,地方事務所と意見交換を行いながら,書面審査の推進,依頼者から提出を受ける資料を必要最小限度のものに限定にすることによって依頼者負担を軽減し,より一層の合理化をしたいと考えております。   また,年度計画の,犯罪被害者からの援助申込みに対し,より迅速な援助開始,専門的知見を有する弁護士の選任などを通じて充実した援助を提供するという点についてですが,平成18年度は犯罪被害者からの援助申込み実績のない地方事務所がいまだほぼ半数近くに及んでおり,平成19年度も5地方事務所で犯罪被害者からの援助申込み実績がない状態でした。平成20年度におきましては,すべての地方事務所において犯罪被害者に対する何らかの援助を提供した実績を上げるに至りました。犯罪被害者のニーズは,その受けた被害の種類などによって多様なものがございます。したがいまして,それぞれのニーズにマッチした精通弁護士で,かつ契約弁護士である弁護士へつないでいくことが重要となりますが,平成20年度中に,精通弁護士1,570名のうち1,370名が契約弁護士としてサービスを提供し得る体制となっております。   なお,昨年度から,刑事事件の公判が継続しているものについては,損害賠償命令制度において民事裁判手続よりも簡易な方法で損害賠償請求ができるようになりました。これについても民事法律扶助の対象として援助を開始しております。   以上,事務処理の合理化につきましては新たな工夫,努力の余地があると思われること,それから犯罪被害者援助に関しましては,件数の把握,充実という段階であって,速やかかつ適正な援助は今後の課題であるということから,評価をBといたしました。   次に,同じページの項目25を御覧ください。こちらは契約弁護士・司法書士に対する研修の実施に関する項目ですけれども,平成20年度においては,書面による制度内容の周知をきめ細かく実施するとともに,地方事務所において,新規契約弁護士・司法書士のみならず,事務職員に対する研修も実施いたしました。また,4か所の地方事務所におきましては,本部から講師を派遣しての研修も実施いたしました。他方,契約弁護士等が提供するサービスの内容に関する研修については,弁護士会・司法書士会で実施されているものもあることから,今後協力・連携しながらその実施方を検討していくことが適切であると考えております。以上の理由から,この項目についてもB評価といたしました。   次に12ページにお進みください。項目36の点ですが,中期目標には,償還を要すべき者の滞納率を引き下げることなどにより,償還金収入の確保に努めると定められております。   平成20年度においては,滞納期間に応じた督促方法を工夫するという視点から,初期滞納者に対する督促回数をふやして一定の成果を得ることができました。また,法律扶助協会時代から移管された長期滞納者について,回収見込みのない者を集中的に整理することとして,平成20年度末までにその大半の作業を終了いたしまして,これによって債権管理コストの縮減を図りました。その余の長期滞納者につきましては,所在調査を実施した上で,手紙による督促を21年度中に実施する計画をつくりました。初期滞納者に対する督促強化については一定の成果を上げておりまして,長期滞納者についても次年度以降の督促処理方針が定まりつつあることから,この度はこの項目につきA評価とさせていただきました。   以上でございます。 松本(圭)課長 続きまして,国選弁護課関係の業務実績につきまして,国選弁護課長の松本の方から御報告させていただきます。   3ページに戻っていただきまして,項目10を御覧ください。中期計画では,捜査・公判を通じて一貫して弁護活動を担う弁護士を確保することとしており,また年度計画では,契約弁護士確保のために各地において弁護士会の協力を得て,弁護士に対する説明会を実施することとしております。   平成20年度の実績としましては,支援センターは各地方事務所において弁護士会主催の説明会等に参加するなどして,国選弁護関連業務の内容,支援センターと一般契約弁護士との間の契約内容についての説明を行いました。昨年9月の国選弁護人の事務に関する契約約款の改正の際にも解説書を配布いたしました。裁判員裁判制度の施行及び被疑者国選弁護の対象事件の範囲の拡大という大きな制度改正に対応するためには,制度の周知,制度への理解を求めることが重要であり,支援センターは各地方事務所において説明会の実施等を通じて一般国選弁護人契約弁護士の確保に努めました。全般的には契約者数は着実に増加しております。本年5月21日から新制度が始まり,被疑者国選弁護事件の指名通知請求件数は昨年同時期と比較して約10倍へと大幅に増加していますが,特段の支障なく選任に至っております。以上から,この点についての自己評価はAといたしております。   続きまして,7ページの項目20でございます。中期計画では,複数事件の包括的な委託の契約締結に努めることとしております。また,年度計画では,一括契約について説明資料を作成し,弁護士に対する説明の際などに活用すること,一括契約に基づく事件処理の実務運用について関係機関との間で協議を行うことなどとしております。   支援センターでは,国選弁護関連業務の解説書の改訂版を作成し,全国の一般契約弁護士等に配布したり,各地方事務所において対応する裁判所,弁護士会等との間で一括契約に関する事件の配点方法について確認するなどしました。また,一括契約の対象となり得る即決事件の指名通知請求が減少したということもあり,一括契約に基づく指名通知件数は減少しましたが,一括契約を締結した弁護士数は増加しております。そこで,この点に関する自己評価はA評価といたしております。   続きまして,9ページの項目26を御覧ください。中期計画では,地方事務所ごとに国選弁護人等の選任態勢に関する裁判所,検察庁,警察,弁護士会が参加する定期的な協議の場を1回以上設けることとしており,年度計画にも同様の事項を盛り込んでおります。   支援センターでは,国選弁護人,国選付添人とも地方事務所においてこれらの関係機関との協議を行いました。したがいまして,自己評価はA評価としております。   次の項目27でございます。中期計画では,裁判所からの指名通知要請を受けてから裁判所に候補を通知するまでの所要時間の短縮を図るために,地方事務所ごとに事件類型別の目標時間を設定することとしており,年度計画では事業年度の当初においてこのような目標時間を設定し,事業年度末においてその達成度合いを検証することとしております。   すべての地方事務所は,裁判所,弁護士会と協議の上,指名通知の目標時間を設定しており,被疑者国選,被告人国選及び国選付添人のいずれについても,おおむね所定の目標時間内に国選弁護人及び国選付添人の指名通知に至っております。したがいまして,この点の自己評価はAとしております。   次の項目28でございます。中期計画では,国選弁護人としての活動の充実を図る観点から,各地方事務所単位で,1回以上,国選弁護人契約弁護士を対象とする研修を実施することとし,年度計画にも同様の事項を盛り込んでおります。   すべての地方事務所で,国選弁護人の担い手の確保という観点から,解説書の配布や説明会の実施等の方法による研修を行い,契約弁護士の数は着実に増加しております。また,国選弁護報酬の過大請求問題等の不祥事案件の発生を踏まえ,同種事案の再発防止等に向けた協議を弁護士会と行っております。もっとも,契約弁護士の職務の独立性に配慮しつつ,国選弁護活動の充実を図る観点から,更にどのような研修等を行い得るかという点については,なお工夫の余地があると考えられるため,この点の自己評価はB評価としております。   以上です。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,今の部分の御説明に関しまして御質問等がございましたら,お願いいたします。 吉川委員 項目5なのですが,これは何と何を比較し,増えた,減ったという議論をしているのか。19年度の場合は39名と33名を足して72名だったのが,20年度は50名ですか。ちょっとこの辺の算数がよく分からないので説明をお願いしたい。 松本(麗)課長 常勤弁護士総合企画課の方から御回答させていただきます。   19年度の72名と申しますのは,19年度から新たに導入いたしました,新人弁護士をすぐにスタッフ弁護士として採用するという新制度により採用した者が39名,それから,従前どおりの,一般の法律事務所で採用いただいて,養成が終わってから法テラスに入ってもらうという方,それからそれ以外の例えばシニアの先生方が御自分の事務所を畳む,あるいは出られてお入りいただくといった先生方,これが合わせて33名,こちらを合計させていただきますと72名になったということでございます。20年度につきましては,19年度から新しく導入した新制度で採用した新人弁護士に注目いたしますと50名ということになります。そして,従来の養成の制度,それから養成を受けるまでもないシニアの先生方が合わせて5名お入りいただきましたので,合わせて55名ということになります。先ほど申し上げましたのは,私どもは新制度に力を入れてまいりましたので,新制度の方に注目させていただきますと,19年度は39名採用でありましたものが20年度は50名採用になっているという点でございます。 吉川委員 そういう意味で増加しているという御趣旨ですか。旧制度による採用はもうなくなったのですか。全部新人,直接修習生から採用する制度だけになったのですか。 松本(麗)課長 いえ,従来の制度も完全になくなってしまったということではないのでございますが,従前の制度で一般の法律事務所で養成を受けている方の大半は,司法修習が終わるまでの間に常勤弁護士になるという志望を固めていらっしゃる方々がほとんどで,その方たちは新制度が導入され,定着したことにより,そちらの方に移行をしたというのが実情でございまして,従前の一般の法律事務所での養成という選択はせずに,すぐに法テラスに入っていただいて,法テラスに入ってから養成を受けるという道を選択されているということでございます。 吉川委員 要するに,19年度は18年度からのいわば仕掛りの人がカウントされて2年分カウントされている。だから1年分だけでやれば増えているという御趣旨ですか。 松本(麗)課長 はい,さようでございます。 吉川委員 分かりました。 山本委員長 ありがとうございました。   他にいかがですか。 髙部委員 常勤弁護士の問題につきまして,あわせてお尋ねしたいのですが,私の記憶に間違いがなければ,前々年度,前年度ぐらいのときには常勤弁護士の確保数はおおむね200から300というお話がございました。それで今回の報告書を見ますと,少なくとも平成21年3月末時点で約150名という形のお話が記載されております。御案内のとおり,今年の5月には被疑者国選弁護の業務範囲が拡大いたしまして,実際に被疑者国選を始めとする国選弁護人の確保が喫緊の課題になっているという認識でございます。その中で,この今の150名ないしは50名という数字が,一定の人事的なプランに基づいて設定された人数を確保するという観点から行われているのか,それとも,国選弁護の関係等を踏まえたときには更なる増員が必要なのだけれども,確保できた者が50名にすぎなかったのか,その辺のところの評価の問題が,このお書きになっていることから伝わってこない部分があるので,その辺のところを御説明いただければ有り難いなと思います。 松本(麗)課長 常勤弁護士総合企画課の方からお答えさせていただきます。   300名という目標を立てさせていただいて確保に努めてまいったというところは委員御指摘のとおりでございます。これにつきまして,20年度末で約150名ということでございますが,5月21日から導入されました被疑者国選弁護の大幅拡大への対応につきましては,今,71か所,40都道府県に常勤弁護士を配置させていただいたというところから,配置されていないような都道府県についても出張での応援という形で何とかこなせている状況ではございます。ただ,さはさりながら,現在のところ,各地の契約弁護士の先生方に制度の導入に向けて従前よりかなり御準備をいただいて,そのあたりの頑張りをこちらの方でも利用させていただいていると申しますか,頼らせていただいているというところもございますので,今後のことを考えますと,そういったいろいろと御準備いただいた契約弁護士の先生方が日常業務を振り返られて,最初のかなり力を入れていらっしゃったときのように国選事件の増大に次々と迅速に対応していくのは難しくなってくる時期がいずれ出てまいろうかなとは考えております。現在のところまだ導入当初でございますので,その見通しについて具体的に立っているわけではございませんので,先ほど申し上げました300名という数字を一気に下げてしまうわけにはまいりませんし,かつ,ではいくつになるのかというところにつきまして具体的な見通しを申し上げるのは困難でございますけれども,こちらとしましては,今後も常勤弁護士の確保に向けて積極的に取り組んでいかなければならないだろうとは考えているところでございます。 山本委員長 他にいかがでしょうか。 嶋津委員 関連して。説明で大分よく理解できるようになってきたのですけれども,ただ,今,中期計画自体の見直しの時期でもあるわけですね。今のお話で次期中期計画でも契約弁護士の確保計画は下げるつもりはないというお話が一方であって,しかし現状では,努力して常勤弁護士が20年までに150名確保されたというのも評価できるから,自己評価はAとしたいと。それはなぜかというと,契約弁護士の方が頑張ってくれて300名と150名の隙間を埋めていただいているということをも頭に置くと,今の状態でいいのだと評価している,そのように受けとめられるのですけれども,ただ,中期計画に対してそれぞれ年度計画を立てて,年度計画と中期計画については大幅に達成できなかったという一面もあるわけです。予算上の数も確保されなかった。だから,諸般の情勢から現状では満足している,しかし中期計画から見ると達成されていないというのを全体としてどう評価すべきか,法テラス全体としての評価としてはどう位置づけるのかというのは,去年も随分議論されましたけれども,非常に難しい問題だと思うので,去年の評価BをAに変えるという積極的な理由の説明にはなっていないと私は思いますけれども,どうでしょうか。 松本(麗)課長 引き続き常勤弁護士総合企画課の方からお話をさせていただきたいと思います。   今,委員の方から御指摘がありましたところは私どもも真摯に受けとめるべきことであろうと考えております。常勤弁護士の確保策につきましてはより充実をさせ,新しい企画をどんどん打ち出していく必要があるのであろうなと考えているところでございます。昨年度の評価委員の先生方の御議論におきましても,中期計画で300名という数字があり,そこにどう確保されたかという以外に,もう少し指標のようなものの手掛かりになるようなものがないだろうかという御議論をちょうだいしたということをこちらの方でも承知しております。今回,資料1でも,年度計画欄の下の方に括弧書きをつけまして,※印で記載させていただいておりますが,私どもでその年度計画をより具体的に実現していくためにどういった方針で臨んでいくかというところについて記載させていただきまして,それをどのように達成できているのかということについても,実績及び自己評価理由のところで書込みをさせていただいたところでございます。この点につきましては,最終的に評価委員の先生方の御議論,御見解によるところであろうかと思いますが,もし可能でございますれば,その点も少し御配慮いただければ幸いでございます。 山崎委員 結構大事なところなので。どうも数値目標を立ててそれを達成したかどうかということだけで判断しているきらいがある。それはある意味客観性を持った評価ということで,正しいのですけれども,一面で,もう少し質的なこと,あるいは政独委からの指摘もありましたとおり費用対効果という問題がある。そうすると,常勤弁護士と契約弁護士についてどの程度差があるかとかいろんな観点を入れたらどうかと思うんですね。今の課長さんのお話にまるっきり賛成で,やはり常勤弁護士がこれだけ増えたということがかなりの過疎対策になったり,あるいは先ほどの国選弁護のお話もありましたけれども,レスポンス時間が非常に短くなったとか,そういう目に見える形で何か評価の項目を立てていただくと,恐らく単純な達成度だけ,あるいは人数が足りたというところだけで評価できないことがあると思うのです。これがどうも全体的に響いていまして,他のところでもそうなのですけれども,認知度が上がったとか,非常に相談件数が多いとか,そこだけで本当に見ていいのだろうか。もう少しある意味,法テラスも自信を持って,非常にいい満足度なんていただいているわけですから,利用者の立場に立ったという意味では,単純に電話の件数だけでなくて,4.4点はある意味かなり高いと思うのですけれども,そういうことも入れて評価を総合的にしたらどうかというのが意見なのですけれども。 山本委員長 それは私どもの委員会の評価の在り方として,また8月のときにも御議論をいただければと思います。   他にいかがでしょうか。 小林委員 小林です。質問がございます。   評価項目の28なのですけれども,御説明のところで,国選弁護人契約弁護士に対する研修について,弁護士の独立性を確保しつつというような言葉を交えながら,結局,国選弁護人活動の充実を図る観点からは,なお工夫の余地があると考えられると説明していただいているのですけれども,ちょっとその内容が分からないので,差し支えなければ具体的に教えていただきたいと思います。 松本(圭)課長 国選弁護課長の松本の方からお答えいたします。   この点につきましては,昨年の評価委員会でも議論いただいたと承知しておりますが,結局,申し上げたとおり,こちらの方からは制度の趣旨を説明する解説書を配布したり説明会を行ったりして御理解いただくことに努めて,かつ契約を結んでいただくということを努力しております。また,弁護士による不祥事が発生した場合には,そのようなことの再発防止という観点から弁護士会との協議を行うなどして,その点についても注意喚起に努めているところでございます。そういうことをしているわけなのですけれども,昨年の御議論では,もうちょっとできないのか,もう少し国選弁護の活動の質の充実を図ることに直接結びつくような研修等を工夫できないのかということで,その点について日弁連等と協議して検討するということで,B評価をいただいたところと承知しております。   そういう観点から我々としては検討しなければならないところなのですけれども,弁護活動の独立性というのは法律事務取扱規程等で定められているところでございまして,我々は国選弁護活動をもちろんお願いする立場にいるのですが,どういう形で弁護活動を具体的に行うかというのは個々の弁護士さんの御判断に委ねられていて,我々としてはそこは口出しできない領域だという制度になっているわけでございます。ですから,国選弁護活動の質を図る一方で活動の独立性は害さないという双方の要請を踏まえて,どういう形で今まで以上に活動の充実に結びつくような研修ができるかというところを工夫しなければいけないのですが,まだそこが十分にできているとは言いがたいということで,昨年いただいた評価よりも改善したとは申し上げにくいということで,Bにしているということでございます。 小林委員 ありがとうございました。 山本委員長 よろしいでしょうか。   それでは,まだ御質問があろうかとは思いますが,時間の関係もございますので,とりあえずここはこの程度にさせていただきまして,残りの部分についての御説明をお願いしたいと思いますが,繰り返しで恐縮ですが,時間の関係がありますので,できるだけ簡略に御説明をいただければ幸いでございます。 加藤室長 それでは,受託業務に関しまして,受託業務室長の加藤の方から御説明申し上げます。   受託業務として,支援センターでは,日弁連委託援助業務と中国残留孤児援護基金委託援助業務を行っております。   日弁連委託援助業務につきましては,平成20年度1年間の総申込受理件数は1万8,816件でございました。この援助業務は,平成18年度までは財団法人法律扶助協会により自主事業として行われていたものでございますが,その当時と比較していずれの業務においても実績が大幅に伸びていることはもちろんでございますが,支援センターが業務を開始しました平成19年10月1日から翌年3月末日までの半年間の申込総件数は7,193件であり,これを年間の件数に換算しまして平成20年度の実績と比較すると,5,000件に近い伸びを示しております。当センターが業務を行うことにより,広く全国に同一のサービスを提供するという受託業務の目的は着実に成果を上げてきております。   中国残留孤児援護基金委託援助業務につきましては,平成19年度には実績がございませんでしたが,平成20年度に入りましては10件の援助申込みがございまして,そのすべてについて援助が開始されております。   以上でございます。 柴山課長 続きまして,人事に関する計画について,人事課長の柴山の方から御説明申し上げます。13ページの項目40を御覧いただきたいと思います。   常勤弁護士につきましては,先ほど常勤弁護士総合企画課から説明がありましたように,新たに55名の常勤弁護士を確保いたしました。また,地域事務所の開設その他の業務の拡大に伴いまして,計画的に職員の採用を行って人的体制の整備を図ってまいりました。特に,平成20年度におきましては,21年5月以降の被疑者国選弁護対象範囲の拡大に伴い業務量が大幅に増大することが見込まれたことから,これに適切に対応するために,各地方事務所ごとに職員の増員の必要性の可否を検討し,その結果を踏まえて職員の採用計画を立案し,採用事務を行いました。さらに,より質の高い法的サービスを提供するため,各種の業務研修を実施し,人材の育成にも努めました。   職員の給与につきましては,適正な人件費管理に努めており,国家公務員との給与水準の比較指標,いわゆるラスパイレス指数では100ポイントを下回っており,適正な指数を維持しております。ちなみに,平成20年度における指数は85.6ポイントであり,業務を開始した平成18年度以降ほぼ横ばいで推移しております。   職員に対する人事評価につきましては,国家公務員の給与構造改革の趣旨を踏まえて作成しました人事評価システムに基づいて人事評価を行い,平成20年につきましては,6月,12月の勤勉手当,それから本年1月の昇給にこれを反映させました。さらに,平成20年度におきましては,1級から3級在職の職員に対しまして初めて昇格試験を実施いたしました。勤務成績,能力,職員の意欲等を公平・客観的に判断しながら,昇格者の選定を適正・厳格に行いました。以上のことから,A評価とさせていただきました。 茂木課長 続きまして,財務会計課の担当部分を御説明申し上げます。財務会計課長の茂木でございます。   項目別評価表の13ページを御覧いただきたいと思います。13ページの上の方に,予算,収支計画,資金計画というところがございます。   これについては決算報告書の方で御説明させていただきたいと思いますので,財務諸表の方に付いております,資料2-3というものがございます。これが20年度の決算報告書でございますが,1枚めくっていただきますと,法人単位という部分がございまして,その決算報告書が載っていると思います。   この1ページを御覧いただきますと,平成20年度の決算における支出額,これは一番下の合計の部分でございますが,決算額,真ん中の一番下のところにありますが,296億4,100万円。他方,収入額は,収入の欄の一番下の計のところを見ていただきますと,312億1,500万円でございまして,これは収支差,要するに20年度の繰越額がこの収支差になりますけれども,繰越額は15億7,400万円になります。収入のすぐ下の欄に前年度繰越額が15億6,300万円とございますけれども,これとほぼ同額となっておりまして,単年度の収支で見てみますと,平成20年度におきましては予定された事業をほぼ予算額のとおり実施しているという状況でございます。   中を見ますと,その収入の部分,補助金等収入でありますとか事業収入,こういったものが予算よりも少ないというのが△表示で出ているところでございます。   また,支出の方を見ますと,一般管理費の人件費の部分が予算額よりも下回っておりますけれども,これは常勤弁護士の採用数が予定よりも少なかったということと,これに伴って常勤弁護士付きの事務職員の採用も少なかったということなどによります。他方,事業費の関係は予算額よりも消化しておりますが,法テラスの認知度の上昇に伴いまして利用件数も増加し,その関係で事業経費の支出が増加したものでございます。それと,先ほど抜かしましたが,物件費も予算額を9億9,400万円上回っていることになっております。この原因でございますけれども,これは注の6に記載がございます。物件費の予算額と決算額の差につきましては,事務所の新設等のための設備費用の支出が多かったことなどによると書いてございます。実際,20年度,必ずしも予算上想定されておりませんでした事務所の移転でありますとか,あるいは常勤弁護士の増員配置等に伴う既設の事務所の借増しに伴う借料の増加分,あるいは改修工事費,移転作業に伴う経費や原状回復費,あるいは備品等の調達費といったものが予定以上にかかってございまして,その分が物件費として計上されているところでございます。ただ,この辺の関係は,国選関係業務の拡大等に伴って,これに対応するためのものでございまして,もちろん新規物件の選定あるいは借り増しとか改修工事に関しましては競争的な手法によって経費の節減に努めております。   項目別評価表の方に戻っていただきます。先ほどの13ページの続き,下の方でございます。   短期借入金や重要な財産の譲渡処分,剰余金の使途,これは例年どおり該当なしでございます。   その下,8番に施設と設備に関する計画というところがございます。平成20年度は,平成21年度の国選関連業務の拡大に対応するために必要な施設とか設備の拡充を図るべく,必要な事務所の新設とか既存の事務所の借増し等によって必要面積を確保するとともに,法律事務所の開設後の事件数の推移なども考慮しましてレイアウトの変更や物品の調達等を行っております。そういった作業は,業務量の増大を視野に入れた事務所等の確保を適切に実施したものとして,自己評価Aという記載にしております。   続きまして,今度は財務諸表の方の御説明をさせていただきたいと思います。   財務諸表についてでございますが,まず監査法人の監査報告書がついてございます。これについては無限定適正意見ということでございます。それから監事の意見も付いておりますが,適正かつ効率的と認めるという内容になっております。   資料2-4を御覧いただきたいと思います。これは事業報告書というものでございます。この中に主要な財務データに関する増減や経年比較が載ってございますので,そこを参照していただきたいと思います。11ページを御覧ください。   11ページの上の方に表が出てございます。「主要な財務データの経年比較」と書いてございまして,3年間の主要な財務データの金額の推移が書いてございます。   18年度は半年間の事業実施であったところ,19年度は通年ベースの事業実施になりましたので,損益計算書における経常費用や経常収益あるいは貸借対照表上の資産,負債,いずれも増加しております。   平成20年度はと申しますと,19年度と同じ通年ベースの事業実施でありますが,経常費用等はいずれも19年度と比べて増加しております。   その増加理由については,事業報告書の9ページから10ぺージ,1枚戻っていただきますと,その増減の理由が書いてあるわけでございます。簡単に申し上げますと,経常費用の増加理由につきましては,平成20年度の9月に国選弁護報酬基準の増額改定がされておりまして,そのために契約弁護士の報酬の支出額が増加しております。それと,常勤弁護士の職員の増員に伴いまして人件費が増加した。それから,認知度が低かったために広報業務に力を入れた関係で,広告宣伝費が増加したこと。こういったものが経常費用の増加理由となっております。   他方,経常収益につきましては,20年度,規模が拡大しております日弁連の受託援助業務による収益が増加している。それとともに,国の政府受託収益あるいは運営費交付金収益,この予算額が増加しているというところが主な増加理由になっております。   損益計算書上の当期総損失として151万円余りが計上されておりますけれども,これはファイナンスリース契約における損益の計上につきまして,独法の会計基準に従った処理をすることに伴って必然的に生じる損失でございます。ファイナンスリース契約の場合は,契約当初に計上する費用額の中の利息に相当する部分が大きくなっておりますので,その分が損失として計上されるということになります。そういったことでございまして,それ以外については財務諸表の7ページの方にも注記事項で記載しておりますけれども,その額を除いた当期総損失,これはゼロということになります。   資産の関係でございますが,主な増加要因は,民事法律扶助の事業拡大がございまして,その立替金が増加した。債権でございますので資産の部に計上されますが,立替金が増加したということが挙げられます。他方,貸倒引当金の計上額とか,あるいは固定資産の減価償却累計額もそれぞれ増加しておりますので,その差引きで前年度よりも16億の増加となっております。   負債につきましては,これもやはり増額になっているわけでございますが,運営費交付金を財源として投入した資産であります民事法律扶助立替金の増加に伴いまして,これに対応する負債である資産見返運営費交付金の額が増加しております。さらに,センターにおいては,もう既に御承知のところと思いますが,費用にはまず優先的に自己収入を充てることにしておりまして,その関係で運営費交付金債務の残額が増ているということが負債増加の主な理由となっております。   それから,11ページの方の経年評価表の下の方にキャッシュフローというのが三つほど置いてあると思います。業務活動によるキャッシュフローにつきましては,19年度が17億9,229万7,195円,20年度は10億418万円となっておりまして,19年度と比べて7億8,000万余りの減となっております。これは,支出におきまして扶助の立替金の増加,あるいは国選弁護契約弁護士報酬の支出の増加,常勤弁護士等の採用増に伴う人件費の増加などによって支出全体は37億ほど増加したわけでございますが,他方,収入においては,国選関係の予算の増とか償還金収入の増ももちろんありますし,日弁連の受託収入の増もあったものの,全体として収入増は29億程度ということで,収支の差額は19年度と比べて若干狭まっているところでございます。   簡単ではございますが,以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,ただいまの御説明について御質問等をいただければと存じます。 井野委員 決算報告書の方で予算と実績の対比の部分でちょっと気になりましたのが,人件費が予算に対して大幅に減っている。これは弁護人の確保ができなかったということであったかとは思うのですけれども,それに対して物件費の方が非常に予算を超過している。10億円ほどなのですが。全体として見ますと,人件費32億に対して物件費28億というのはちょっと腑に落ちない。といいますのは,もし計画どおりに弁護人の方を確保できた場合ですと物件費が更に大きくなってしまうわけですよね。そうすると,どういうベースで予算を立てていたのかなというのがちょっと気になります。全体の支出として予算をオーバーしているわけではないので特に問題はないとは思うのですが,そのあたりの,予算の組み方なのか,お金の使い方がちょっと腑に落ちないなと思いました。これに関しては詳細資料を御用意いただいているという理解ですので,それをお待ちしたいと思います。 茂木課長 委員からは,まず決算の報告書について,20年度だけではなくて,18年度,19年度との比較をした資料をいただけないかという意見をいただいておりまして,それはおっしゃるとおりと思いますので,それを準備しております。それとあわせて物件費の支出について御説明させていただきたいと思っております。   一言補充させていただきますと,決算報告の関係で18年度とか19年度とかの物件費の部分を確認したのですけれども,18年度も19年度も物件費は予算額を下回っております。実際はどうなのかというところでの実情をある程度聞いてみたのですけれども,予算としては必要な予算を毎年度つけていただいていると思うのですけれども,18年度,19年度と,やはり常勤弁護士の採用が難しく,採用しようと思っている目標に比べて実際の採用の数が進まなくて見えにくい部分がございまして,採用はあまりはかどらないのに物件費を使って事務所を大きく確保したりということが実際に執行する法テラスとしてはできにくかった。そういう意味で抑制的に事務所はある程度狭く借りていたため,物件費は,法務省の方はきちんと予算をつけていただいたと思いますけれども,それを下回った執行になっていた。ところが,20年度になりますと非常に採用数が増えて,配置する人員が増えたわけでございますので,そうすると,従前のマイナス分といいますか,本来18年度,19年度に確保しておく採用数がきちんと予定どおりいっていたならば確保してあった部分を20年度になって急にやり始めている。そこの計画と実際の違いというものが20年度にあらわれていると考えております。 山本委員長 よろしいですか。 井野委員 何となく理解しました。ただ,データで見せていただきたいなと思うので。 山本委員長 その点はよろしくお願いいたします。   他にいかがでしょうか。よろしゅうございますか。   それでは,先ほど申し上げましたけれども,追加的な御質問あるいはこういう資料が欲しいということがございましたら,事務局を通じまして支援センターの方にお願いしたいと思います。支援センターの方も御対応をどうかよろしくお願いいたします。   それでは,私の不手際で時間が押しましたが,これで議題の(1),(2)に関する支援センターからのヒアリングについては終了させていただきます。ありがとうございました。   それでは,引き続きまして議題の(3)です。支援センターの役員報酬規程の改正についてお諮りしたいと思います。資料の3,それから机上配布資料のB-1,B-2ということになりますが,まず改正の趣旨につきまして,支援センターの方から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 柴山課長 それでは,人事課長の柴山の方から説明させていただきます。   本年5月1日付けで臨時の人事院勧告が発出され,平成21年6月期の期末手当及び勤勉手当を0.2か月分凍結すること,指定職職員に対して支給する期末特別手当を廃止して,期末手当及び勤勉手当とし,勤務実績に応じて増減できるよう改めるとともに,0.15月分を凍結することが勧告されました。これを受けまして,総務省から各府省に対して,独立行政法人や特殊法人等においてもこの内容に沿った適切な措置を講ずるよう要請があったことから,当センターにおいても本年6月30日付けで役員報酬規程及び職員給与規程等の関係規程を人事院勧告に沿った形で改正し,6月1日から適用することにいたしました。   具体的には,人事院勧告どおり,特別手当を一定率分の期末手当と成績査定分を反映する勤勉手当とに再編することとして,具体的には,従前は役員報酬規程の第7条に特別手当というものがあったわけですけれども,この第7条の特別手当を廃止して,新たに第7条に期末手当を置き,第8条に勤勉手当について規定するという改正を行った次第であります。これによりまして,期末手当と勤勉手当という形で人事院勧告に沿った形での役員報酬規程の賞与の部分の規程を改正したということになります。   なお,本年6月期の賞与につきましては,この改正規程に基づきまして期末手当と勤勉手当に分けまして,人事院勧告で示された特例措置に従って0.15月分の凍結をして支給したということになっております。   以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   それでは,今の御説明につきまして御質問,御意見等ございますでしょうか。特にございませんか。基本的には人事院勧告に沿った,いわば横並びの形での改定ということかと思いますので,特段問題はないということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,この改正後の役員報酬規程については当評価委員会としては特段の意見の申出はしないということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。   それでは,ここで支援センターから御出席の皆様方につきましては御退席いただいて結構です。どうも長時間ありがとうございました。 (支援センター関係者退室) 山本委員長 それでは次ですけれども,議題がやや戻りますけれども,(1)の関係で,支援センターの業務実績評価に係る基本方針についてお諮りしたいと思います。お手元の机上配布資料のA-1に関するものでございますが,これは,御記憶かと存じますけれども,平成19年6月15日の第8回の当委員会で決定した基本方針になります。この基本方針によりますれば,この一番最後ですね,2枚目の一番後ろに4というのがありまして,「本評価基準は事業年度の評価結果等を踏まえ必要に応じ見直すものとする」とされてございますが,今年度の評価の基本方針について何か御意見はございますでしょうか。 山崎委員 初めてなのでよく分からないのですけれども,一番気になったのは,コンプライアンスの位置づけが1の途中に出てくるのはどうしてか,そこだけ確認をして。何となく浮いているような気がするのですけれども,どうしてここになったのか,そこだけ。 山本委員長 今のお話は項目表の話ですね。 山崎委員 はい。 山本委員長 それでは,その点の御説明をいただけますか。1ページの2のところですね,コンプライアンス体制の整備状況についての取組状況。 山崎委員 内部統制ということで別項目を設けてやるのなら分かるのですけれども,二つの項目を分けてやることによってここに入ってしまったのか,あるいはもっと根本的な理由があるのかもしれません。 山﨑官房付 実は,コンプライアンス体制につきましては,昨年度,政独委から,特にこの辺についてもきちんと考えろという指摘がございました。他方で,これを現状の項目表の中に位置づけるにはどこがいいのかなというのがございましたので,ここに設けさせていただいたというところでございます。 山崎委員 総括の部分と各業務の内容と分けてやって,その一番最後にコンプライアンス関係が載っているという形の方が読んでいて読みやすいかなとは思ったものの,何か今までのいきさつがあるのであれば,別に。 山本委員長 そういう意味では,いきさつというか,途中から入れ込んだという。 山﨑官房付 後から入れ込んだというところがございまして,それがいきさつと言えばいきさつでございます。 山崎委員 分かりました。 山本委員長 あるいは来年度以降はちょっと検討させていただいた方がいいかもしれませんが。   それでは,机上配布資料のA-1の業務実績評価に係る基本方針ということで,基本的には,昨年度,一昨年度,こういう形で,皆さん御記憶かと思いますが,A,B,Cの3段階で評価を行うということ,それから項目別評価と総合評価という形で行う。だから,とりあえず1枚目,2枚目のところまでですね。年度評価に関する部分はそういう形で行ってきたわけでございますけれども,いかがでしょうか。特段変更した方がよいということはないでしょうか。よろしゅうございますか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,今年度につきましてもこのA-1に基づいた基本方針に則って行うという形でさせていただければと思います。   それから,今御指摘のあった資料1の方ですね,先ほど見ていただいた項目別評価表,これを今のような形でA,B,C,3段階で評価していただくということになるわけですが,最初に事務局から御説明がありましたように,項目が前回,昨年度に比べて細分化されているということで,今のコンプライアンスの問題もそうですけれども,昨年度の政独委からの指摘等も踏まえて,より分かりやすい評価が可能になるようにという趣旨でこのような形で細分化したということです。細分化すると評価の労力が大変になる部分というのはもちろんあるかと思いますが,分かりやすい評価のためにということですので,このような項目表に基づいて評価をいただくということでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,大変な御負担をおかけすることにはなろうかと思いますけれども,このような形で今後の作業を進めていただければと存じます。   それでは,最後の議題でございますけれども,役員の退職金に係る業績勘案率についてというところでございます。この点について,まず事務局の方から議題の趣旨について御説明をいただければと存じます。 山﨑官房付 机上配布資料C-2を御覧ください。支援センターの役員退職手当規程でございます。この第2条でございますけれども,支援センターの常勤の理事等の退職手当の額につきまして,「在職期間1月につき,退職の日におけるその者の俸給月額に100分の12.5の割合を乗じて得た額を基準とし,これに日本司法支援センター評価委員会が0.0から2.0の範囲内で業績に応じて決定する業績勘案率を乗じて得た額とする」と定めておるところでございます。   さて,本年4月1日でございますが,常勤の理事であった篠塚英子前理事が退任されました。机上配布資料C-1にございますとおり,支援センターからは篠塚前理事の退職金に係る業績勘案率の算定依頼がなされております。そこで,本日この件につきまして御審議をお願いする次第でございます。   業績勘案率に関する考え方でございますが,机上配布資料C-3を御覧いただきたいと思います。これは独立行政法人等の役員の退職金に関する閣議決定でございまして,ここに基本的な考え方が記載してあります。そして,これを受けまして政独委が決定しておりますのが,机上配布資料C-4,C-5でございまして,ここに独立行政法人の役員退職金に係る業績勘案率決定方法についての政独委の考え方が示されているわけでございます。   ポイントを申し上げますと,C-4の1のところにございますけれども,業績勘案率は1.0を基本とするということ。それから資料C-5の2ページ目の真ん中あたりの欄の右側に補足説明がございますが,そこのところに,「1.0を基本とする」とあり,その意味は,独立行政法人において,中期目標の順調な達成など良好かつ適切な業績が上げられた期間中に,対象となる役員が適切に職責を果たした場合には,業績勘案率が1.0になるという意味であるとされている点。この辺がポイントであろうかと思っております。   参考でございますが,机上配布資料C-6といたしまして,過去における他の独立行政法人の退職役員の業績勘案率についての資料をつけております。御覧いただければ分かりますが,ほとんど1.0という状況でございます。   以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   本議題の趣旨は以上のとおりでございますけれども,審議の具体的な中身ですが,その対象として資料4がございます。これについても事務局の方から御説明をお願いいたします。 山﨑官房付 先ほどご説明申し上げた机上配布資料C-3ないし5の趣旨を踏まえまして,また他省庁の独立行政法人評価委員会における例などを参考にしながら,また山本委員長とも相談させていただきながら,原案となる事務局案を作成させていただきました。それが資料4でございます。   内容でございますが,まず1の部分で基本的考え方をお示ししております。当該退職役員の在職期間における支援センターの業務実績評価結果をベースとして,これに個人的な業績を一部加味して決定する,これを基本的な考え方として掲げております。   その考え方を数式であらわしたのが,2の(1)ないし(3)の規定,及び別紙として設けております算定表でございます。当該退職役員の在職期間におけるセンターの業務実績評価に応じて0.2から1.8までの基準値を決定しまして,これに±0.2の幅で当該役員の個人業績を勘案するという方式を採用しております。なお,今申し上げました個人業績を勘案するに当たりましては,必要であれば所要の資料を支援センターから御報告いただく,提出いただく,そういうことになろうかと思っております。   ところで,先ほど申し上げましたが,当評価委員会におきましても,支援センターの業績が良好で,かつ対象となる役員が適切に職責を果たした場合には業績勘案率が1.0になるという考え方を採用するのが相当と考えられますので,本案では,資料1の9割以上の項目においてA,残りがすべてBという評価結果となった場合に初めて基準値が1.0を上回り,他方で,平均点がオールB以下となった場合には0.9以下になる,というように調整してこの表を作成した次第でございます。   また,資料4の2の(4)でございますが,在職期間が1年未満の役員については支援センターの業績に与えた影響も少ないと思われますので,在職中の業績いかんにかかわらず1.0を業績勘案率とするとしております。   さらに,調整弁として働く規定も設けております。それが2の(5)でございます。適宜評価委員会において様々な事情を勘案して業績勘案率を増減することができるとしております。   以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   よろしいでしょうか。要するに,普通はというか,よほどのことがない限りは1.0で,ただオールAだったりすると1.8になって,逆にオールCだったりすると0.2になるというようなことですね。御意見,御質問等ありますでしょうか。 知久委員 今回は1年未満ということで,1.0という御提案なのでよろしいのですけれども,長く在職される方もいらっしゃるところでこの0.2の範囲で個人業績勘案率を決定するという部分について,今回は該当がないということですが,その場合,担当されている場所がございますでしょうから,そこと,今のお話ですと全体の業績に合わせてA,B,Cがどれだけあるかである程度出した上でということになるのですけれども,個人的なものの判断というのは,そのときには何か提案というか,どの程度個人的にその業績に寄与されたものがあるかというのはやはり御提案を一緒にしていただいて判断するということになるのでしょうか。 山﨑官房付 考え方としましては,まず全体の法人としての業績評価がベースになるのですが,役員が担当されている業務につきましては個人業績を勘案するということであり,具体的にそういう役員の退職について法テラスから勘案率の決定依頼があるときに,資料やさまざまな情報を一緒に提供していただくという形になろうかと考えております。 山本委員長 よろしいですか。 小林委員 俸給月額自体がそもそもどういうふうにして決まっているのか。これは何か一覧表があるのでしたっけ。国家公務員の場合は表に応じて決まっていたと思うのですけれども。 山本委員長 資料3に俸給月額というのが出ていますよね。 山﨑官房付 そうですね。資料3の第4条に常勤役員の俸給月額が記載されております。 山本委員長 ですから,これは役員報酬規程によって決めていて,我々も意見をそれについて述べているという,そういう関係になるのだろうと思います。 小林委員 ありがとうございます。 山本委員長 よろしいでしょうか。2.0から2.9であれば1.0ということですが,去年とかおととしの我々の評価だとどれぐらいになるのですか。この計算式だと,AとBが半々だと2.5ですよね。Aの方が半々よりは多かったのでしたっけ。 山﨑官房付 項目数が随分違いますが,試算をしてみると,結果的には1.0です。 山本委員長 2.0と2.9の間。まあそうでしょうね。Aが9割を超えないとだめなわけですから,普通であれば1.0の間に入るということになるのでしょうね。   いかがでございましょうか。この一般的な基準についてはこのようなことでよろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 ありがとうございました。それでは,この一般基準についてはこのような形で決定させていただきたいと思います。   なお,算式とかが入っていますので,あるいは若干誤記等があるかもしれませんが,もしそういうものが見つかった場合には,修文については私と事務局の方に御一任をいただきたいと思います。   それから,今決定していただいたこの基本的な基準ですが,具体的な篠塚前理事の業績勘案率についても御決定をいただきたいと思いますが,先ほど既に御指摘もいただいておりますように,篠塚前理事の在職期間は平成20年4月10日から21年4月1日ということで,1年を切ってございます。したがいまして,今お決めいただいた基準によれば,2の(4)の規定によって,1年に満たない役員については1.0を業績勘案率とするということで,これは自動的に1.0ということで,個人業績等を検討するまでもなくそのような結論になるということになろうかと思いますが,何かこの点について御意見等は。よろしゅうございましょうか。 (各委員了承) 山本委員長 それでは,篠塚前理事の業績勘案率については1.0ということで決定させていただきたいと思います。   ありがとうございました。私の不手際で時間が超過しておりますが,これで本日の議事についてはすべて終わることができました。   事務局の方から何か御連絡等ございますでしょうか。 山﨑官房付 議事録の作成についてでございますが,従前同様,本日の内容につきまして,事務局において議事録の原案を作成の上,御出席の委員の方々に内容を御確認いただき,委員長に全体を確認いただいて公表するという手順を考えておりますが,それでよろしいでしょうか。 (各委員了承) 山﨑官房付 ありがとうございます。それではそのように進めさせていただきます。   次回でございますが,8月7日午後2時30分から午後6時まで,第17回評価委員会を開催したいと考えております。それまでに各委員に財務諸表承認の件及び業務実績評価について御検討いただきまして,次回評価委員会の場で御議論いただいた上で評価委員会としての意見を取りまとめていただきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。   なお,過去に政独委から受けました指摘事項をまとめたものを机上配布資料のA-2につけておりますので,参考にしていただければ幸いでございます。   それから,項目別評価表の書式につきましては週明けにも各委員へ様式をお送りする予定です。お忙しい中大変恐縮でございますが,遅くとも7月24日金曜日の午後6時までに事務局あてにメールあるいは郵送で御送付いただければと思っております。御送付いただきましたら,事務局の方で各委員の評価及び評価の理由を整理いたしまして,評価委員会の取りまとめ案としまして,次回評価委員会の前に,なるべく早くお示しいたしたいと考えております。   また,委員長からもお話が度々ございましたが,評価に当たって,あるいは資料の内容に関して御不明な点等ございましたら,あるいは支援センターに対する質問等ございましたら,遠慮なくお申しつけいただきたいと思っております。   以上でございます。 山本委員長 ありがとうございました。   一番暑い時期に例によって大変な作業をお願いいたしますが,どうかよろしくお願いいたします。   それでは,以上をもちまして本日の委員会は終了させていただきます。長時間にわたりましてどうもありがとうございました。 -了-