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そんなとき法テラスがお役に立ちます! Vol.23 ~法テラス徳之島法律事務所・開所~

VOL.23 ~法テラス徳之島法律事務所・開所~

法テラス常勤弁護士の活動の様子/被災地出張所での活動の様子

法テラスとは

私たち法テラス(日本司法支援センター)は,国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」です。

法テラスでは,法的トラブルを抱えた方に,解決に役立つ法制度や相談窓口を紹介する情報提供や,経済的に余裕のない方を対象とした無料の法律相談などを行っています。全国に地方事務所がありますので,お困りごとがあるときは,まずはサポートダイヤル(0570-078374)まで,お気軽にお電話ください。

法テラスサポート
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●法テラス公式Twitter

●広報誌「ほうてらす」

広報誌「ほうてらす」

年4回発行。
【第25号】 表紙:中嶋朋子さ ん/是枝裕和監 督インタビュー 「映画と、こど も。」/特集「こど ものじんけん」 ホームページ上でご覧ください。

http://www.houterasu.or.jp/

●メールマガジン「ほうてらすPlus」

ホームページ上より,ご登録ください。

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法テラス徳之島法律事務所 開所

平成25年8月1日,法テラス徳之島法律事務所が開所しました。東シナ海を望める高台にある徳之島合同庁舎2階の事務所で,弁護士1名と職員2名で執務にあたっています。困ったことがあれば,お気軽にお立ち寄りください。

●電話:050-3381-3471
(平日朝9時~夕方5時,土日祝は休み)

●住所:鹿児島県大島郡徳之島553-1
     徳之島合同庁舎2階

地図

法テラスサポートダイヤル 0570-078374 ※PHS・IP電話からは、03-6745-5600にお電話下さい。受付時間 平日9:00~21:00 土曜日9:00~17:00 http://www.houterasu.or.jp/ http://www.houterasu.or.jp/k

法務省に協力している民間ボランティア等について
~人権擁護委員~

人権擁護委員は,地域住民の中から,人権問題に理解や熱意のある方々で,市町村長から推薦され,法務大臣から委嘱を受けた民間の人たちです。

私たちの周りでは,学校等におけるいじめや体罰,高齢者や障害のある人に対する虐待,女性や外国人に対する差別,近隣間のトラブルなど人権に関わる様々な問題が起きています。

では,こうした人権問題を解決するために,人権擁護委員は実際にどのような活動をしているのでしょうか。

人権擁護委員は,主に以下の活動を行っています。

1.人権相談に応じる

法務局における常設相談所に加え,市役所等の公共施設,社会福祉施設やデパート等においても,特設相談所を随時開設し,「あなたの街の相談パートナ ー」として,地域の皆さんからの人権相談に応じています。

ポスター「人権擁護委員」
ポスター「人権擁護委員」

人権相談を受けている人権擁護委員
人権相談を受けている人権擁護委員



2. 人権侵害による被害者を救済するための活動を行う

相談等を通じて,被害者から「人権を侵害された」という申告等があった場合は,法務局職員と協力して,人権侵犯事件の調査に当たったり,当事者の関係を調整したりして,事案の円満な解決を図っています。

3. 国民一人一人の人権意識を高めるため,様々な啓発活動を行う

小学生や幼稚園児等を対象に,思いやりの大切さを教える「人権教室」※1や「人権の花運動」※2を実施したり,企業等において人権研修を行うなど, 地域の皆さんに人権について関心を持ってもらえるような啓発活動を行っています。

人権教室
人権教室

人権の花運動
人権の花運動


※1「人権教室」

いじめ等について考える機会を設けることによって,相手への思いやりの心や生命の尊さを体得してもらうことなどを目的とした活動

※2「人権の花運動」

花の種子を協力して育てる中で,生命の尊さや仲間への思いやりの心を体得させることなどを目的とした活動

人権擁護委員は,弁護士,教職経験者,宗教関係者など,様々な職業や経験を有している方が大勢います。現在,約14,000名の人権擁護委員が全国の各市町村に配置され,人権尊重の理念を広めるため,積極的な活動を行っています。

あなたの街の人権擁護委員については,お近くの法務局・地方法務局又はその支局にお尋ねください。

法制度整備支援の海外現場から
~カンボジアでの法整備支援について~

みなさん,こんにちは。私は日本の検事ですが,今,JICAの長期専門家としてカンボジアに派遣され,法整備支援の仕事をしています。

1. カンボジアってどんな国?

カンボジアは東南アジアの国でベトナム,ラオス,タイに囲まれています。面積は日本の半分くらいの約18万平方キロメートル,人口は約1400万人。カンボジアには長い歴史と豊かな文化があり,9世紀から15世紀まではクメール王朝として栄えました。この時代に建設されたアンコールワットを始めとする遺跡群は世界遺産になっていますので,聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

アンコールワット遺跡
アンコールワット遺跡

2. 法整備支援ってなに?

法整備支援とはある国が新しい法律や法制度を作るのをお手伝いすることです。1975年から1979年までポルポト派と呼ばれるグループがこの国を支配して法制度を破壊し,教師,医師などの知識層を殺害しました。裁判官,弁護士なども殺されて生き残った法律家は10人以下だったと言われています。そこで,1991年の内戦終結後,日本を含む多くの国がカンボジアの法制度整備をお手伝いすることになったのです。

3. カンボジアで何をしているの?

日本は1999年からカンボジアの法整備支援に本格的に乗り出し,JICAのプロジェクトに大学教授,法務省,裁判所,弁護士会などが協力する形で支援してきました。 これまで多くの法律の起草支援や人材育成支援を行ってきました。代表的なものは民法と民事訴訟法の起草支援です。主要な法律はできたのですが,それを運用する人材はまだ不足しています。いくら制度ができても,それを適切に運用できなければ役に立ちません。そこで,JICAは,司法省,王立司法学院(裁判官・検察官などの養成校),弁護士会,王立法科経済大学を対象に2012年に新たなプロジェクトを立ち上げました。 このプロジェクトでは,民法・民事訴訟法及びその関連法を適切に解釈・運用できる人材の育成を目的とし,司法省職員,裁判官・検察官,弁護士,大学教員を対象にした4つのワーキング・グループ(WG)を設置しました。現在,私の他に日本人の裁判官1名・弁護士2名・業務調整員1名がいて,それぞれWGを担当しカンボジア人の法律家による議論をサポートしたり,質問に答えたりしています。また,WG活動とは別に, 起草支援した法律の問題点や民法・民事訴訟法に関連する省令の制定について司法省と協議するなどしています。

大学WGで講義する筆者
大学WGで講義する筆者

4機関合同のジョイントWG
4機関合同のジョイントWG



4. 今後のカンボジア

カンボジアはまだまだ発展途上の国です。日本と比べると何もかも不足しているように見えます。しかし,カンボジアは現在急速に発展しています。高層ビルや新しい店舗が次々に建設されています。カンボジアは若い国で人口の約70パーセントが30歳未満です。若い世代はそれぞれ問題を抱えながらも希望に燃えています。WGメンバーも若手法律家が中心ですが,自分たちがカンボジアの法制度を作るんだという意気込みを感じます。そこで,私たち日本人専門家も微力ながらお役に立ちたいと思い,日々,奮闘しています。

カンボジアの街並み
カンボジアの街並み

(カンボジア長期専門家 松原禎夫)