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第3節 犯罪や非行からの離脱の要因

1 立ち直りへの動機

 事例1では、非行によって保護観察処分を受けた後、仕事で知識不足を痛感した出来事を契機に、仕事ができるようになりたいと考え、定時制高校へ入学したことが語られている。事例2では、非行によって少年院に入院し、入院している期間を無駄にして過ごすのはもったいないと考えたことや、自分が社会に通用するのか試してみたいと考えたことを契機に、勉強を始めたことが語られている。事例3では、再非行と同時期に妊娠が判明し、母親の言葉から命の大切さに気付いたことを契機に、心から「私、変わりたい。」と思ったことが語られている。事例4では、刑務所において職業訓練を受講している際、逮捕前に勤務していた会社への復帰が決まったことを契機に、出所後の就労に向け、より一層職業訓練に励んだことが語られている。

 各事例からは、何らかの契機によって、「過去の自分を変えて人生をやり直したい」と考え、立ち直りに向けて進み始めたことが共通して見いだせる。以上から、立ち直りへの動機があることが、犯罪や非行から離脱することができた要因の1つであると考えられる。