再犯防止推進白書ロゴ

第3節 犯罪や非行からの離脱の要因

1 立ち直りへの動機

 事例1では、刑務所出所後に就職した勤務先で社長や店長と出会ったことが、立ち直りに向かう第一歩となったことが語られている。事例2では、犯罪行動に対する入院先での治療や、更生保護施設における手厚い支援を契機に、再犯をしない決意を固めたことが語られている。事例3では、刑務所出所後に帰住した自立支援のための住居における職員や他の利用者等との関わりを通じ、誰かのために生きたいと思うようになったことが語られている。

 各事例は、立ち直りへの動機があることが、離脱の要因の一つであることを示唆しており、この点については、令和5年版白書の事例と共通している。一方で、令和5年版白書の事例では、立ち直りに向かう契機が当事者によって様々であったところ、本特集の事例では、支援者との出会いや、支援者等による継続的な支援が、離脱の過程における転換点として共通していると言える。