第2節 民間協力者(保護司を除く)の活動の促進
(1)地域の民間協力者の開拓及び一層の連携等【施策番号71】
法務省では、刑事施設や少年院、保護観察所において、ダルク※7や自助グループ※8を始めとする地域の民間団体や関係機関と連携し、被収容者や保護観察対象者等の処遇等を行っている。
また、法務省及び厚生労働省は、「薬物依存のある刑務所出所者等の支援に関する地域連携ガイドライン」(【施策番号38】参照)を策定し、保護観察付一部執行猶予者等の薬物依存者を対象として、都道府県や医療機関等を含めた関係機関や民間支援団体と緊密に連携し、その機能や役割に応じた支援を効果的に実施している。
矯正施設においては、受刑者や少年院在院者等に対し、篤志面接委員※9や教誨師※10等、多くの民間協力者(【コラム8-2、8-3、8-4】参照)の協力を得て、犯罪をした者等の処遇を行っている。
令和6年は、篤志面接委員が1万3,822件(令和5年:1万2,570件)の面接・指導を、教誨師が1万4,662件(令和5年:1万2,959件)の教誨を実施した。
保護観察所においては、更生保護に関する地域援助(【施策番号83】参照)により、地域の実情に応じ、支援対象者が地域において必要な支援を円滑かつ継続的に受けられるよう、関係機関等との連携体制の構築を進めている。
(2)弁護士・弁護士会との連携強化【施策番号72】
法務省は、国及び都道府県の取組として、令和5年度から「地域再犯防止推進事業」(【施策番号78】参照)を開始しており、一部の都道府県では、犯罪をした者等に対する直接支援に関する業務を弁護士会に委託し、いわゆる「寄り添い弁護士制度」を活用した取組を実施している。具体的には、弁護士が犯罪をした者等に対して、債務整理や生活再建等に関する相談に応じること、居住手続や就労窓口、医療・福祉関係機関への引継ぎといった各種支援を行うなどにより、円滑な社会復帰や再犯防止を図ろうとする取組である。
また、矯正施設においても、弁護士会と連携した取組として、平成31年4月以降、一部の矯正管区と弁護士会が寄り添い弁護士制度に関する申合せを締結し、対象の矯正施設において、弁護士による支援を希望した被収容者に対し、担当弁護士による社会復帰に向けた各種支援を実施している。
検察庁においても、地域の実情に応じて、弁護士会との間で協議会等を開催するなどし、再犯の防止等のための連携体制を強化している。
(3)犯罪をした者等に関する情報提供【施策番号73】
法務省及び検察庁は、民間協力者に対し、犯罪をした者等に対して実施した指導・支援等に関する情報その他民間協力者が行う支援等に有益と思われる情報について、個人情報等の取扱いに十分配慮しつつ、適切に提供している。
保護観察所では、継続的に保護観察対象者等の指導や支援を行う保護司や更生保護施設職員、自立準備ホームの職員等に対し、生活環境の調整の段階から保護観察期間を通して、個人情報の適切な取扱いに十分配慮しつつ、保護観察対象者等に関する必要な情報を提供している。
また、BBS会員に保護観察対象者に対する「ともだち活動」を依頼するなど、民間協力者に一時的な支援を依頼する場合に、保護観察対象者等の情報を提供することが必要と認められる場合には、当該情報の取扱いに十分配慮しつつ、必要かつ相当な範囲で適切に提供している。さらに、民間協力者に対する研修等を通じて、保護観察対象者等の個人情報が適切に取り扱われるよう周知徹底を図っている。
- ※7 ダルク(DARC)
Drug Addiction Rehabilitation Centerの略称。薬物依存症者の回復を支援する民間のリハビリ施設。 - ※8 自助グループ
同じ問題を抱える仲間同士が集まり、互いに悩みを打ち明け、助け合って問題を乗り越えることを目的として、ミーティングが行われている。具体的には、薬物依存症者の回復を支援するNA(Narcotics Anonymous)、アルコール依存者の回復を支援するAA(Alcoholics Anonymous)、ギャンブル等依存者等の回復を支援するGA(Gamblers Anonymous)などがある。 - ※9 篤志面接委員
矯正施設において、受刑者や少年院在院者等に対して、専門的知識や経験に基づいて相談、助言及び指導等を行うボランティアであり、令和6年の篤志面接委員は1,257人(令和5年:1,273人)である。 - ※10 教誨師
矯正施設において、受刑者や少年院在院者等の希望に基づき宗教上の儀式行事及び教誨を行うボランティアであり、令和6年の教誨師は1,909人(令和5年:1,900人)である。